JPH083237A - 塗料用エマルジョンの製造方法 - Google Patents

塗料用エマルジョンの製造方法

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JPH083237A
JPH083237A JP15643194A JP15643194A JPH083237A JP H083237 A JPH083237 A JP H083237A JP 15643194 A JP15643194 A JP 15643194A JP 15643194 A JP15643194 A JP 15643194A JP H083237 A JPH083237 A JP H083237A
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JP
Japan
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emulsion
polysiloxane
mol
group
coating film
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Application number
JP15643194A
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English (en)
Inventor
Akira Yanagase
昭 柳ケ瀬
Masaharu Fujimoto
雅治 藤本
Masayuki Taku
正幸 田久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH083237A publication Critical patent/JPH083237A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリコン−アクリル系エマルジョン塗料で、
その塗工時に、塗膜にタレを生ぜず、粘性に優れ、か
つ、シリコン樹脂の有する特性を発揮できるエマルジョ
ンを得ること。 【構成】 SH基含有シロキサン単位またはビニル基官
能シロキサン単位を含むポリシロキサンのエマルジョン
と、ビニル単量体とを混合し、乳化状態でグラフト重合
するシリコン−アクリル系エマルジョンの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘性制御された塗料用
として有用なポリシロキサン系エマルジョンに関し、さ
らに詳しくは、優れた外観を有する塗膜を与え、粘性が
制御されたポリシロキサン含有塗料用エマルジョンの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリシロキサン樹脂は耐熱性、撥水性及
び耐侯性に優れ塗料用樹脂として有用に利用されている
が、ポリシロキサン樹脂系塗料は、ポリシロキサン樹脂
自体の弾性率、および、強度が低すぎるために、強靱な
塗膜が得られにくく、その用途は狭い範囲に限定されて
いる。そのため従来よりポリシロキサン樹脂とアクリル
樹脂、あるいは、ポリエステル樹脂などを組み合わせ
て、その特徴を生かし、ポリシロキサン樹脂の有する難
点を改良する工夫がなされている。
【0003】また、樹脂成分を水中に乳化分散させた、
いわゆるエマルジョン塗料は、溶剤系塗料に比べて使用
溶剤による引火、中毒および大気汚染の危険性が極めて
小さいことなどから、アクリル系エマルジョン、ウレタ
ン系エマルジョン等の様々のタイプのエマルジョン塗料
が開発され、広く利用されている。しかしポリシロキサ
ン樹脂を大量に含有するエマルジョン塗料の実用化に
は、まだいくつかの解決すべき課題が残されており、一
般の塗料用途に広く利用されるには至っていないのが現
状である。中でも重要な課題の一つは、ポリシロキサン
系エマルジョンより形成した塗膜の透明性、高外観を確
保するとともに、該エマルジョンの粘性制御を両立させ
ることであるが、現在開発されているポリジメチルシロ
キサンを含有するエマルジョン系塗料においては、これ
らを両立できる工業的に有利な製造方法が開発されるに
至っていない。
【0004】特公昭63−23212号公報には、側鎖
に複数のアルコール性水酸基を導入したポリシロキサン
を用いた水溶性塗料が示されているが、このポリシロキ
サンは、完全に水に溶解する低分子量タイプのものであ
り、得られる塗膜の特性は十分なものではなく、この特
性を高めるため、該ポリシロキサンを高分子量化する
と、得られる塗料の粘度が高くなりすぎるとともに、該
ポリシロキサン塗料より形成した塗膜中に親水性の官能
基が大量に残存し、塗膜の撥水性を確保するのが難しく
なるなどの不利が生ずるようになる。
【0005】特開平1−315451号公報、および、
特開平2−92974号公報には、ビニル重合性官能基
含有多官能アルコキシシランとビニル重合性モノマーと
を共重合した架橋ポリシロキサンの芯(コア)の表層に
ビニル重合性官能基を導入し、さらに親水基を有するア
クリルポリマーをグラフト重合して形成した殻(シェ
ル)を有するいわゆるコア/シェル型エマルジョンが開
示されている。このコア/シェル型エマルじョンは優れ
たチクソトロピー性を有しており、その塗装時のタレ性
が改良されることが示されている。しかしながら、この
方法で多量のポリシロキサンを含むエマルジョンを作ろ
うとすると高価なグラフト交叉剤を大量に用いることが
必要になり、原料コストが高くなるという問題が生じ
る。
【0006】特開平4−202554号公報には、ビニ
ル重合性官能基含有多官能アルコキシシランとビニル重
合性モノマーとの乳化重合に際し、ジアルコキシジメチ
ルシランを混合することにより、可撓性のある塗膜を形
成できるコンクリート外壁塗装用エマルジョン塗料に関
する発明が示されている。しかしながら、この方法では
塗料の製造に際し、ジアルコキシジメチルシランを大量
に用いるため、塗料製造コストが高くなるという問題点
に加えて、アルコキシシランの重縮合の際に大量のアル
コールが副生するという難点がある。
【0007】特開平1−168971号公報および特開
平1−168972号公報では、ラジカル反応性基また
はメルカプト基含有ポリシロキサンのエマルジョンに酸
基、アミド基などを含有するエチレン性不飽和単量体を
グラフト重合して、洗濯に対する耐久性と柔軟性に優れ
る繊維処理剤を得ている。しかしながら、この発明の実
施例に見られるグラフト交叉剤の使用量は、ポリシロキ
サンの成分に対して 1.2重量%(約 0.5モル%)にすぎ
ず、この繊維処理剤をそのまま塗料として用いようとし
ても透明性が不足するという問題点が生じる。この発明
は繊維処理剤を得ようとするものであって、一般の塗料
に必要な透明性を得るために必要なグラフト交叉剤の量
は説明されていない。
【0008】特開昭58−126378号公報にはSH
基含有ポリシロキサンにビニル単量体をグラフト重合さ
せてエマルジョン塗料を作る方法が示されているが、こ
の方法で得られたエマルジョンの粘性がいかなるものと
なるかに関して何も言及されていない。
【0009】
【発明が解決するための手段】本発明は、ポリシロキサ
ンを含有し、かつ、外観良好な塗膜を与えるとともに、
安価な水分散性エマルジョンであり、その粘性を任意に
制御することが出来るポリシロキサンエマルジョンの製
造方法を提供しようとするものである。より詳しくは、
本発明はポリシロキサンおよびビニル重合体を含有し、
外観に優れた塗膜を与える水分散型エマルジョン塗料の
製造に際し、エマルジョン中の固形分含量を変更する以
外の方法でエマルジョンの粘性を制御する方法を提供し
ようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、上
記課題を解決するために鋭意検討した結果、次の製造方
法を採用することによりその目的を達成することを見い
だした。すなわち、本発明の要旨とするところは、ケイ
素原子の量を基準として50モル%以上99モル%以下のジ
メチルシロキサン単位、合計で1モル%以上50モル%以
下のビニル重合性官能基含有シロキサン単位およびSH
基含有シロキサン単位から選ばれた少なくとも1つのシ
ロキサン単位を含み、かつ、その内SH基含有シロキサ
ン単位の含有量が0.1 モル%以上、30モル%以下である
ポリシロキサン(A) を水中に分散させたエマルジョン
に、ポリシロキサンの重量に対し0.5 倍〜20倍のビニル
重合性単量体(B) を添加混合し、ラジカル重合開始剤の
存在下でポリシロキサン(A)にビニル単量体(B) をグラ
フト共重合することを特徴とする塗料用エマルジョンの
製造方法である。
【0011】本発明は固形分含量の変更という手段を使
用することなく、エマルジョンの粘性を制御するもの
で、本発明の方法により、任意のチキソトロピー性を有
するエマルジョンを得ることができる。エマルジョンへ
のチキソトロピー性の付与は、その塗装時の流動性を確
保しつつ、塗膜の乾燥、硬化途中のタレの発生を防止す
るうえで有用である。
【0012】SH基含有ポリシロキサン(A) は、バルク
重合、乳化重合等の周知のシリコン重合方法によって製
造できる。ポリシロキサン(A) 中のSH基の劣化を防止
する上では、比較的穏やかな重合条件をとることのでき
る乳化重合法を用いることが好ましい。シリコンの乳化
重合は、たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸を乳化
剤兼重合触媒としてSH基含有ポリシロキサンと環状シ
リコンオリゴマーあるいは、アルコキシシラン等を原料
として重縮合することにより、好適に行なうことができ
る。
【0013】SH基含有ポリシロキサン(A) を乳化重合
によって得る場合、シロキサンの重合温度は、とくに限
定されないが、少なくとも一度は60℃以上の熱履歴を受
けさせることによって効率的に行なうことができ、さら
に好ましくは、75℃以上の熱履歴を受けさせることであ
る。得られるシロキサン重合体エマルジョンの粒子径
は、原料の予備分散の度合い、乳化剤使用量、重合温度
および原料の供給方法によって制御できる。より小さい
粒子径を有するポリシロキサン(A) のエマルジョンは、
使用原料と水とを乳化剤の存在下でホモジナイザーなど
の高シェア発生装置にかけて予備乳化するか、これらの
原料または、その予備乳化液を水中に滴下するか、乳化
剤を増量するか、重合温度を上昇させるかのいずれかの
方法、あるいは、これらの方法を適宜組み合わせること
により得ることができる。シロキサンの重合に要する時
間は、重合条件によって変化するが、通常は、0.5 時間
以上1ケ月以下である。
【0014】ビニル重合性単量体(B) の乳化グラフト重
合に用いるラジカル重合開始剤は、乳化ラジカル重合に
用いられる周知のものが利用できる。ビニル重合性単量
体(B) の仕込み方法は、とくに限定されないが、シロキ
サン重合体(A) のグラフト活性点との共重合をより効率
的に進める上では、重合開始前にあらかじめシロキサン
重合体(A) のエマルジョンとビニル重合性単量体(B) の
少なくとも一部をよく混合しシロキサン重合体粒子にビ
ニル重合性単量体を含浸させておくことが好ましい場合
もある。
【0015】ポリシロキサン(A) 中に含まれるSH基含
有シロキサンおよびビニル重合性官能基含有シロキサン
単位から選ばれた少なくとも一種のシロキサン単位の合
計量は、ケイ素原子を基準にして1モル%以上50モル%
以下であることが必要で、当該シロキサン単位の含有量
が1モル%未満のポリシロキサンを用いて得たエマルジ
ョン塗料より形成した塗膜は、その透明性が不良とな
る。SH基含有シロキサンまたは、ビニル重合性官能基
含有シロキサン単位の合計量が50モル%を越えたポリシ
ロキサンを用いてエマルジョン塗料を作ると、その原料
コストが高くなるという難点があることに加えて、シロ
キサン縮合時に脱離するアルコールなどの副生物が、得
られるラテックスの安定性や取り扱い性を低下させ、さ
らには、該エマルジョンより形成される塗膜の性能が低
下する。好ましくは、SH基含有シロキサン単位、また
は、ビニル重合性官能基含有シロキサン単位の合計量
は、1モル%以上30モル%以下であり、さらに好ましく
は2モル%以上20モル%未満であることが好ましい。S
H基含有シロキサン単位または、ビニル重合性官能基含
有シロキサン単位の合計量が2モル%以上のポリシロキ
サン(A) を用いて作った本発明のエマルジョン塗料より
形成した塗膜は、その透明性がきわめて良好となり、該
シロキサン単位含量が20モル%以下なるポリシロキサン
のラテックスを用いると、乳化重合によりビニル単量体
(B) をグラフト重合する際のラテックス安定性が良好と
なる。
【0016】これらポリシロキサン(A) 中のSH基含有
シロキサン単位含量は0.1 モル%以上、30モル%以下で
あることが必要で、該シロキサン単位含量が0.1 モル%
未満のポリシロキサンを用いて得られたエマルジョン
は、その粘性コントロール性をあまり示さない。SH基
含有シロキサン成分の量が30モル%を越えたポリシロキ
サンは、その原料コストが高くなるという点で不利にな
ることに加えて、シロキサン縮合時に脱離するアルコー
ルなどの副生物が、得られるラテックスの安定性の低下
を招き、その取り扱い性、さらには、得られたエマルジ
ョン塗料より形成した塗膜の性能が損なわれる。さらに
30モル%を越える大量のSH基含有シロキサン単位を有
するポリシロキサンは、ビニル重合性単量体(B) のラジ
カル重合時において重合速度低下をきたし、得られる重
合体の分子量低下などの悪影響を及ぼす。好ましくは、
ポリシロキサン(A) 中のSH基含有シロキサン単位の含
有量は、0.5 モル%以上30モル%以下であり、さらに好
ましくは。1モル%以上20モル%未満である。SH基含
有シロキサン単位の含有量が、1モル%以上のポリシロ
キサン(A) を用いて作ったエマルジョンは、粘度を有意
に調整することができ、かつ、得られたエマルジョン塗
料より形成した塗膜の透明性が良好となる。また、SH
基含有シロキサンが20モル%以下のポリシロキサンは、
乳化重合の際のラテックス安定性が良好となり、またビ
ニルの単量体(B) のラジカル重合阻害の悪影響はさらに
小さくなる。
【0017】SH基含有シロキサン単位およびビニル重
合性官能基含有シロキサン単位のポリシロキサン(A) 中
の含有量として最も好ましい組合せの一つは、その合計
量が3〜6モル%の範囲で、かつ、SH基含有シロキサ
ン含量が 0.1〜3モル%の範囲である。この範囲のポリ
シロキサン(A) を用いて得たエマルションより形成した
塗膜は、その透明性を確保できる最少量に近い官能基含
有シロキサンを用いつつ、エマルジョンの粘性を自在に
制御できるという大きな特徴を有している。
【0018】ビニル重合性単量体(B) をグラフトする前
のポリシロキサン(A) は架橋されていないことが好まし
く、ポリシロキサン(A) を作るに際し、多官能シランな
どを併用することによって高度に架橋させたものを用い
て得たエマルジョンは、その粘性制御特性が制限され
る。好ましくは、ポリシロキサン(A) 中の3官能以上の
シランによるシロキサン架橋成分量は、5モル%以下で
あり、さらに好ましくは、1モル%以下である。より高
い粘性を備えたエマルションを作るに際して用いるポリ
シロキサン(A) 中への4官能シランの含有量は少ないほ
ど良く、その含有量は、好ましくは1モル%以下、さら
に好ましくは0.2 モル%以下、最も好ましくは0モル%
である。
【0019】ポリシロキサン(A) を作るに際して用いる
2官能ないし1官能シラン化合物に導入される不活性な
ケイ素原子上の置換基は、一般的にアルキル基、フェニ
ル基あるいはこれらの誘導体であるが、好ましくはメチ
ル基または、フェニル基であり、その合計量は2官能シ
ランの場合1個であり、1官能シランの場合2個とな
る。
【0020】本発明実施するに際して用いるビニル重合
性単量体(B) の種類はとくに限定されないが、使用でき
る好ましい例としてはアルキルメタクリレート、アルキ
ルアクリレート、シクロアルキルメタクリレート、シク
ロアルキルアクリレート、およびスチレンが挙げられ、
これから選ばれた少なくとも一種のビニル単量体を60重
量%以上含有するビニル単量体(B) とすることが好まし
い。ビニル重合性単量体(B) としては、さらに水酸基ま
たはカルボキシル基から選ばれた少なくとも1種の官能
基を有するものも用いることができる。これに官能性ビ
ニル単量体を用い、重合体中に導入した水酸基またはカ
ルボキシル基は、下記の自己架橋性側鎖と反応させるこ
とができ、またこのような極性官能基を有する重合体よ
り形成した塗膜は、基材への密着性を向上させる効果を
有する。このようなビニル単量体の例としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートなどが挙げられる。
【0021】また、さらに自己架橋性官能基を有するビ
ニル重合性単量体を用いて本発明のエマルジョンを作る
こともできる。自己架橋性官能基とは、加熱、水分の蒸
発なにより、該官能基同士、あるいは上記した水酸基や
カルボキシル基と反応を生じ、側鎖間の化学結合を生じ
るような官能基を指す。自己架橋性官能基を側鎖に有す
るビニル重合性単量体の例としては、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート、N−アルコキシメ
チルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、γ
−メタクリリロキシプロピルトリメトキシシランなどが
挙げられ、例えば、N−ブトキシメチルアクリルアミド
を用いて作ったエマルジョンは、その保存安定性が良好
であるにもかかわらず、このエマルジョンより形成した
塗膜の加熱架橋硬化時の反応性バランスが優れている等
の点で好ましいビニル単量体である。
【0022】極性官能基含有ビニル単量体、および、自
己架橋性官能基含有ビニル単量体の使用量は、本発明の
エマルジョンより形成した塗膜の目的性能に応じて変更
され得るが、強靱な架橋硬化性塗膜を得たい場合には、
これらの官能基含有ビニル単量体の合計量をビニル単量
体(B) 中に2モル%以上とすることが好ましい。ただ
し、20モル%を越える極性官能基の含有ビニル単量体を
ビニル単量体(B) 中に導入したエマルジョンより形成し
た塗膜はその耐水性などの耐久性を低下せしめる傾向が
ある。また、官能基含有単量体はポリシロキサン(A) と
ビニル単量体(B)との乳化ラジカル重合時のラテックス
安定性を低下させる傾向があるので、官能基含有単量体
の合計量は、ビニル重合性単量体(B) 中に20モル%以下
であることが好ましい。
【0023】本発明のエマルジョン中に含まれるビニル
重合体のガラス転移温度は、当該ラテックスの最低造膜
温度を決定する因子の一つである。ビニル重合体の好ま
しいガラス転移温度は、ポリシロキサン成分との重量比
およびポリシロキサン成分へのグラフト交叉点の含有量
などによって変化するが、グラフト交叉点の含有量が、
エマルジョンより形成した塗膜の良好な透明性を確保で
きる量であれば、ポリシロキサン成分量が樹脂成分全体
のガラス転移温度を低下させる効果は顕著でない。そこ
で、ビニル重合体のガラス転移温度は−30℃〜70℃の範
囲にすることが好ましい。ガラス転移温度が−30℃未満
のビニル重合体を含むラテックスより形成される塗膜
は、その柔軟性は向上するが強度が低下する傾向がある
ので、とくに柔軟性などの特殊な物性が必要な場合を除
き、ビニル重合体のガラス転移温度は、−30℃以上とす
ることが好ましい。ただし、ビニル重合体の好ましいガ
ラス転移温度は、エマルジョンに有機溶剤などの造膜助
剤を添加することによっても変化させることができる。
【0024】ポリシロキサン(A) の重量に対するビニル
重合性単量体(B) の使用量は、0.5倍以上、20倍以下で
あることが必要である。ビニル重合性単量体(B) のポリ
シロキサン(A) に対する使用量が0.5 倍未満として得た
エマルジョンより形成した塗膜は、その柔軟性は良好と
なるが、塗膜の強度および表面硬度が低下する傾向にあ
る。ビニル重合性単量体(B) のポリシロキサン(A) に対
する使用量が20倍を越えた条件で製造したエマルジョン
より形成した塗膜は、シリコン重合体の特徴である撥水
性および柔軟性が発揮されにくくなる。塗膜の硬度、耐
久性などのバランスを高度に保つうえで、ポリシロキサ
ン(A) の重量に対するビニル重合性単量体(B) の使用量
は2倍以上、20倍以下であることが好ましい。
【0025】得られたエマルジョンはそのままで、ある
いは水で希釈してプラスチック、金属板、あるいは、表
面処理された基材上に、吹きつけ、あるいは、その他の
方法で塗り付けたあと、乾燥、硬化して塗膜とすること
ができる。
【0026】本発明の方法によって得られるエマルジョ
ンは、保存安定性は良好である。本発明の方法によって
得られるエマルジョンの粒子径は任意に変更できるが、
通常の平均粒子径は、0.01μm〜1μm程度である。本
発明の方法によって得られたエマルジョンに含まれる樹
脂の粒子径と、該エマルジョンより形成した塗膜の透明
性の相関は小さい。
【0027】エマルジョン中の樹脂成分含有率は通常50
%以下の含有率で任意に選択できるが、エマルジョンの
濃縮を行なえばさらに高濃度とすることも可能である。
本発明のエマルジョンを通常のスプレー塗装に供する場
合には、塗工性、および、得られる塗膜の性能を考慮す
ると樹脂成分含有量は15〜45%とするのが好ましい。本
発明の方法で得られたエマルジョンは、必要に応じて顔
料、安定剤、補助硬化剤、あるいは、硬化助剤を含んで
もよく、さらに他のエマルジョン樹脂、水溶性樹脂、あ
るいは、粘性制御剤と混合して用いてもよい。ただし、
本発明の方法で得られたエマルジョンが大量のシロキサ
ン重合体を含有する場合、得られる塗膜の屈折率はシロ
キサン含有率が増えるに従って低下するので、本発明で
得られたエマルジョン中の樹脂と相溶しにくい他の樹脂
成分とを混合使用したエマルジョンより形成した塗膜
は、その透明性を低下させるため、他樹脂との混合に際
しては十分な注意が必要である。本発明の方法で得られ
たエマルジョンを使用して作成された塗膜は平滑で良好
な光沢を有し、改良された耐久性を有する。
【0028】以下本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。なお、実施例中の「部」はすべて重量部であ
る。
【0029】
【実施例1】ジメチルサイクリックス(環状ジメチルシ
ロキサンオリゴマー3〜7量体混合物)90部、グラフト
交叉剤(γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン)10部、水 300部、およびドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム塩 0.5部を、ホモミキサーで予備混合した
後に、ホモジナイザーにより 200Kg/cm2 の圧力で剪断
し、強制乳化してシリコン原料エマルジョンを得た。つ
いで、水 100部およびドデシルベンゼンスルホン酸10部
を攪拌機、コンデンサー、加熱ジャケットおよび滴下ポ
ンプを備えたフラスコに仕込み、フラスコ内の温度を80
〜88℃に保ちながら3時間かけて上記のシリコン原料エ
マルジョンを滴下した。さらに1時間加熱、攪拌を続け
た後、得られたエマルジョンを室温まで冷却し、水酸化
ナトリウムにより中和してポリシロキサン(A) のエマル
ジョンを得た。得られたエマルジョンを攪拌機、コンデ
ンサー、加熱ジャケットおよび不活性ガス導入孔を備え
たフラスコに仕込み、窒素雰囲気下でEDTA、ロンガ
リット、酸化第一鉄の水溶液を添加して65℃に昇温し
た。ついで、メタクリル酸メチル(MMA) 100部、メ
タクリル酸n−ブチル(BA) 100部、メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル(HEMA)10部、メタクリル酸(MA
A)10部、スチレン(St)10部、N−ブトキシメチル
アクリルアミド(N−BMAAm)10部および開始剤と
してt-ブチルハイドロパーオキサイド(TBH)1部を
混合した後に、3時間かけて滴下した。さらに65℃で2
時間保持した後に、反応液を室温まで、冷却してシリコ
ン−アクリル複合ポリマーエマルジョンを得た。得られ
たエマルジョンを水で希釈して樹脂固形分量を40%とし
たエマルジョンをB型粘度計で粘度を測定したところ、
6回転での粘度が40,000cps (40Pa・sec )、60回転で
の粘度が 5,500cps ( 5.5Pa・sec )であり、このエマ
ルジョンはきわめて高い粘度とチキソトロピー性を有す
ることがわかった。得られたエマルジョンは、塗装に適
した特性を有し、バーコーターにより試験鋼板上に塗布
し、室温乾燥したところ、平滑、透明な塗膜が得られ
た。このエマルションの粘度、および、塗工性は、少な
くとも1週間は変化しなかった。さらにこの塗膜を 150
℃で25分間加熱したところ、平滑、透明で強靱な塗膜が
得られ、光沢計で測定した塗膜の60°グロス値は90であ
った。得られた塗膜をさらに室温、大気中にて2週間保
持したところ、塗膜外観にまったく変化は認められなか
った。また、この加熱硬化塗膜を80℃の温水に1時間浸
漬した後に測定した後に60°グロス値も90であり、塗膜
の耐水性は良好であることが示された。
【0030】
【実施例2】ポリシロキサン成分の仕込みをメチルサイ
クリックス(環状ジメチルシロキサンオリゴマー3〜7
量体混合物)95部、グラフト交叉剤(γ−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン)5部とした以外は実施
例1と同様にしてシリコン−アクリルエマルジョンを得
た。固形分40%のエマルジョンの粘度は6回転で63,000
cps (63Pa・sec )、60回転で 4,700cps ( 4.7Pa・se
c )であり、高いチキソトロピー性を有することがわか
った。また、このエマルジョンより形成した塗膜は、そ
の透明性は良好であったが、実施例1にくらべてかすか
に曇りが認められた他は、ほぼ同等の性能を備えたもの
であった。
【0031】
【実施例3】ポリシロキサン成分の仕込みをメチルサイ
クリックス(環状ジメチルシロキサンオリゴマー3〜7
量体混合物)85部、グラフト交叉剤(γ−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン)7.5 部、グラフト交叉
剤(γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン)7.5 部とした以外は、実施例1と同様にしてシレコ
ン−アクリルエマルジョンを得た。固形分40%としたエ
マルジョンの粘度は6回転で 1,600cps ( 1.6Pa・sec
)、60回転で 1,000cps ( 1.0Pa・sec )であり、こ
のままでバーコーター塗装に適した粘度を有することが
わかった。また、このエマルジョンより形成した塗膜
は、その透明性は極めて良好であり、塗膜の耐久性も実
施例1と同程度であった。
【0032】
【比較例1】ボリシロキサン成分の仕込みをメチルサイ
クリックス(環状ジメチルシロキサンオリゴマー3〜7
量体混合物)85部、グラフト交叉剤(γ−メタクリロキ
シプロピルメチルジメトキシシラン)15部、とした以外
は実施例1と同様にしてシリコン−アクリルエマルジョ
ンを得た。固形分40%としたエマルジョンの粘度は6回
転で 100cps ( 0.1Pa・sec )、60回転でも 100cps
( 0.1Pa・sec )であり、この濃度では、バーコーター
塗装がやや困難となる粘度を有し、チキソトロピー性は
きわめて低いことがわかった。
【0033】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られたエマルジョ
ンはポリシロキサンを含有する水性塗料用樹脂として用
いることができ、外観および耐久性良好な塗膜を与え、
かつ、良好な保存安定性を有するうえに、制御された粘
性を有し、様々な塗料用途に利用できる。また、本発明
の製造方法は水性塗料用ポリシロキサン含有エマルジョ
ンを安定、かつ、安価に製造できる方法として極めて有
用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素原子の量を基準として50モル%以
    上99モル%以下のジメチルシロキサン単位、合計で1モ
    ル%以上50モル%以下のビニル重合性官能基含有シロキ
    サン単位およびSH基含有シロキサン単位から選ばれた
    少なくとも1種のシロキサン単位を含み、かつ、その内
    SH基含有シロキサン単位の含有量が0.1 モル%以上、
    30モル%以下であるポリシロキサン(A) を水中に分散さ
    せたエマルジョンに、ポリシロキサン(A) の重量に対し
    0.5 倍〜20倍のビニル重合性単量体(B) を添加混合し、
    ラジカル重合開始剤の存在下でグラフト共重合すること
    を特徴とする塗料用エマルジョンの製造方法。
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