JPH08325603A - 低融点金属粒とその製造方法および製造装置 - Google Patents

低融点金属粒とその製造方法および製造装置

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JPH08325603A
JPH08325603A JP7158734A JP15873495A JPH08325603A JP H08325603 A JPH08325603 A JP H08325603A JP 7158734 A JP7158734 A JP 7158734A JP 15873495 A JP15873495 A JP 15873495A JP H08325603 A JPH08325603 A JP H08325603A
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道広 田中
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 融点が200℃以下の低融点金属粒であっ
て、平均粒径が0.1〜1.0mmφ、球形度が0.95
以上である金属粒、低融点金属の溶湯を冷却液中に押出
して金属粒を製造する方法において、冷却液に超音波振
動を与えながら冷却液に挿入したノズルから金属溶湯を
押出す低融点金属粒の製造方法、およびその製造装置。 【効果】 本発明方法によれば、ガリウム、水銀、アマ
ルガム等の低融点金属を容易に微小のかつ真球の球状粒
子に形成することでき、またその製造は連続的に行なえ
るためコスト的にも有利である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は球形の整った低融点金属
粒およびその製造方法と装置に関する。詳しくは、ガリ
ウム、水銀、アマルガムなどの低融点金属の微小粒とそ
の製造手段に関する。本製造手段によれば、平均粒径
0.1〜1.0mmφのほぼ真球状の微粒子を得ることが
でき、本製造手段によって得たガリウム粒子は各種ラン
プの封印発光粒子として最適である。
【0002】
【従来技術とその課題】金属ガリウムはハロゲン化金属
ランプの封印発光金属として有用であるが、この発光材
料として用いるには、個々の重量バラツキを10%以内
に、好ましくは5%以内にすることが必要であり、その
ためには粒径が0.1〜1.0mmφの間でフルイによっ
て重量選別できる真球に近い微小粒子とすることが重要
である。しかし、従来の方法では球形の整ったガリウム
微粒子を得ることが難しいという問題がある。
【0003】一般に、ガリウムなどの低融点金属の微粒
子を製造する方法としては、滴下法やアトマイズ法など
が一般的であり、また、短く切断した金属細線を加熱帯
に落下させ、加熱溶融して球状化した後に冷却する方法
なども知られている。滴下法は目的金属の溶湯を小孔な
いしノズルから空気、アルゴンガス等の冷媒ガス中に滴
下し、あるいは水、油等の冷却液中に滴下して粒状化す
る方法であるが、ガリウムなどの低融点金属は、冷却ガ
ス中に滴下する方法では滴下中に十分な温度差が確保で
きないために固化せず、液体窒素などで強制的に冷却し
ても糸状になり、微粒子にならない。
【0004】また、冷却液に滴下する方法では、溶湯が
液面に衝突した際に変形してフレーク状になり、球形の
整った微粒子を得ることができない。アトマイズ法によ
っても同様に溶湯が衝撃により変形するので球形の整っ
た微粒子を得ることはできない。一方、短く切断した金
属細線を用いる方法でも冷却時の同様な問題がある。さ
らに、上記低融点金属は過冷却の状態になり易いので、
従来の方法では、溶湯が微粒子化されても、その液滴が
冷却媒体中でなかなか固化せず、液滴どうしが接合して
形状が崩れる致命的な問題がある。
【0005】本発明は従来の製造方法における上記問題
を解決した低融点金属粒の製造手段を提供することを目
的とする。本発明者等は、低融点金属の溶湯を冷却媒体
中に押出して冷却する際に、超音波振動を与えることに
より、金属粒の相転移を促して固化させることが有効で
あることを見出した。過冷却の状態の物質に衝撃を与え
ると急激に低温相に転移する一般的な現象は知られてい
るが、従来の低融点金属粒の製造方法では、過冷却の問
題から解決手段を検討したものは知られていない。本発
明は従来の製造方法では看過されていた観点から問題を
解決したものであって、本発明によれば、球形の整った
微小な低融点金属粒を容易に製造することができる。
【0006】
【課題の解決手段】本発明によれば、以下の低融点金属
粒とその製造方法および製造装置が提供される。 (1)融点が200℃以下の低融点金属粒であって、平
均粒径が0.1〜1.0mmφ、球形度が0.95以上で
あることを特徴とする金属粒。 (2)低融点金属の溶湯を冷却液中に押出して金属粒を
製造する方法において、冷却液に超音波振動を与えなが
ら冷却液に挿入したノズルから金属溶湯を押出すことを
特徴とする低融点金属粒の製造方法。 (3)冷却液に超音波振動を与えながら冷却液に挿入し
たノズルからガリウム、水銀またはアマルガムを水中に
押出して金属粒を製造する上記(2) に記載の製造方法。 (4)低融点金属の溶湯を入れる溶湯槽および該金属溶
湯を冷却する冷却液を入れる冷却槽を備え、上記溶湯槽
には溶湯の押出用ノズルおよび加圧手段が設けられ、該
ノズルが冷却液中に挿入される位置に上記溶湯槽が設置
されており、また上記冷却槽には冷却液に超音波振動を
与える振動手段が付設されていることを特徴とする低融
点金属粒の製造装置。
【0007】
【具体的な説明】本発明は、亜鉛、カドミウム、インジ
ウムなどの合金やハンダ合金などのように融点が200
℃以下の低融点金属に関し、特に、ガリウム、水銀およ
びこれらのアマルガムの微粒子とその製造に関する。ガ
リウムの融点は約29.7℃、水銀の融点は約−38.
9℃であり、これらは従来の製造方法では真球状の微粒
子を得ることができない。
【0008】本発明は冷却水などの冷却液に超音波振動
を与えた状態で、上記低融点金属の溶湯をノズルから冷
却液中に押出して微粒子化する。溶湯が冷却液の液面に
衝突しないようにノズルの先端は冷却液中に入れ、冷却
液中に溶湯を押出すのが好ましい。溶湯の圧力は溶湯が
冷却液中に流れ出す程度に調整すればよく、具体的には
ノズル径とその長さによって異なるが、概ね0.2〜2
kg/cm2 程度とすればよい。溶湯温度は目的金属の融点
よりやや高い温度で、なおかつ一定に保持されていれば
特に制限はないが、あまり高過ぎると冷却不良となり好
ましくない。冷却液としては水が一般的であるが、水銀
のように融点が極めて低く氷点下のものを冷却する場合
には、冷却液として水を用いると、冷却温度で水が氷結
するためアルコールなどが用いられる。冷却液の温度は
目的金属の融点温度よりも10℃程度以上低い温度であ
ればよい。具体的には金属が融点29.7℃のガリウム
である場合には15℃以下、好ましくは5℃以下の冷却
液が用いられ、また金属が融点−38.9℃の水銀であ
る場合には−50℃以下、好ましくは−60℃以下のア
ルコールが用いられる。
【0009】ガリウムについて、溶湯約35℃、冷却液
約5℃の条件下で、内径約0.5mmφのステンレス製ノ
ズルを用いて粒径約0.7mmの微粒子が得られ、内径約
0.2mmのノズルでは粒径約0.5mmの微粒子が得られ
る。水銀については、−40℃のアルコールを用いる場
合に、内径約0.15mmφのステンレス製ノズルを用い
て粒径約0.4mmの微粒子が得られる。
【0010】本発明の製造方法は、超音波振動を与えな
がら金属溶湯を冷却液に押し出す。超音波の周波数およ
び出力は特に限定されず、例えば、超音波探傷や超音波
洗浄において一般的に使用されているものであれば良
い。一例として、超音波洗浄装置では振動数50〜10
0kHzの超音波振動が常用されている。
【0011】以上の方法により得られた本発明の微粒子
は、いずれも平均粒径が0.1〜1.0mmφの、球形度
が0.95以上のほぼ真球粒子であり、また粒径も比較
的整っておりシャープな粒径分布となる。なお、球形度
(真球度)は、粒子の表面積とその粒子と同じ体積の球
の表面積との比によって定義されるが、便宜的には粒子
断面の最長径R1と最短径R2の比(R2/R1) によって表わさ
れる。球形度が1に近いほど真球となる。また、本発明
の金属粒は表面が平滑であること、表面酸化層が薄いこ
となどの特長をも有する。
【0012】本発明の製造方法を実施する装置構成を図
1に示す。同図は該装置の概略断面図であり、該装置1
0は金属溶湯11を貯留する溶湯槽12と該溶湯11を
冷却する冷却槽13を有している。溶湯槽12の底面に
は溶湯を冷却槽13に押出すためのノズル14が設けら
れており、該ノズル14の先端は槽内の冷却液中に挿入
されている。溶湯槽12の外周には、所望により金属溶
湯11の凝固を防止するための加熱装置(図示せず)あ
るいは保温材16などが設けられ、該溶湯槽内を少なく
とも金属の融点より10℃以上程度上回る温度に保たれ
る。
【0013】冷却槽13の外壁部には、ノズル12から
押出された金属粒の過冷却を抑制して固化を促進させる
ための超音波振動器18が設けられている。該超音波振
動器18はその振動により液相状態の金属液滴を固相に
転移させる。なお、超音波による振動の他に、冷却液を
撹拌したり、或いは冷却槽を叩くなどして振動を与える
ことも考えられるが、これらの場合には固化する前に金
属液滴が凝集し易いために目的とする平均粒径約0.1
〜1.0mmφの微粒子を得るのが難しい。また、冷却槽
13には必要に応じて冷却液の冷却手段や、製造した金
属粒の回収手段などが設けられる(いずれも図示せ
ず)。
【0014】ノズル14から冷却液17に押出された金
属溶湯11の液滴15は、容器12の下方に設けられた
液体冷媒槽13で冷却される。ノズル14の先端を冷却
液中に挿入して金属溶湯を押出すことにより、微細な球
形の整った球状粒子15を形成させることができる。す
なわち、溶湯はノズル先端開口から液中に押出される際
にノズルの内径より僅かに大きい球径に膨らみ、これが
液圧によりノズル先端から切り離されることにより微小
粒となり、液中を沈下する間にほぼ真球に球形化すると
考えられる。なお、低融点金属の場合、ノズルの先端を
冷却液面より高く設置すると、滴下された液滴が液面に
衝突して変形し、その衝撃によりそのまま固化するので
偏平な金属粒となり、真球状の、かつ球形の整った金属
微粒子を得ることができない。
【0015】
【実施例】実施例1 純度99.999%(5N)の金属ガリウムを図1に示
す装置を用いて下記の条件下で製造したところ、平均粒
径0.5mmφの均質な球状粒子が得られた。このガリウ
ム粒子は球形度95%以上で表面は滑らかなものであっ
た。 製造条件 溶湯温度:40℃ 冷却水温度:3℃ ノズル(ステンレス製)内径:0.2mmφ ノズルからの押出圧力:0.5kg/cm2 超音波振動器:超音波洗浄用(振動数:50〜100k
Hz)
【0016】実施例2 Hg−Alアマルガム(Al:1.0%,融点150
℃)を図1に示す装置を用いて下記の条件下で製造した
ところ、平均粒径0.4mmφの均質な球状粒子を得た。
この粒子は球形度95%以上で表面は滑らかなものであ
った。 製造条件 溶湯温度:180℃、 冷却水温度:30℃ ノズル(ステンレス製)内径:0.2mmφ ノズルからの押出圧力:0.3kg/cm2 超音波振動器:超音波洗浄用(振動数:50〜100k
Hz)
【0017】比較例 実施例1において超音波を与える代わりに冷却水を撹拌
しながらガリウム溶湯を押出したところ、ガリウムの液
滴は凝集して大粒のボタン状に固化した。超音波振動の
代わりに冷却槽を打撃しても同様であった。また、超音
波振動を与えず、しかも冷却液の攪拌および水槽の打撃
も行わずに溶湯を冷却水中に押し出した場合には、液滴
が水中で暫く固化せず、付近の液滴が集合して大粒の金
属粒になることが確認された。
【0018】
【発明の効果】本発明の製造手段によれば、ガリウム、
水銀、アマルガムなどの低融点金属について、平均粒径
0.1〜1.0mmφの真球状の金属粒が得られる。この
金属粒をフルイにかけると任意の球径の整ったほぼ真球
の粒子が得られるので重量バラツキの極めて小さい金属
粒となり、精密な用途に用いることができる。また本発
明の製造方法は装置構成が簡単であり、容易に実施でき
ると共に連続して多数の均一な金属微粒子を製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を実施する装置の一例を概略的に
示した断面図。
【符号の説明】
10…滴下装置、11…金属溶湯、12…溶湯槽、13
…冷却槽、14…ノズル、15…金属粒、16…保温
材,17…冷却液、18…超音波振動器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が200℃以下の低融点金属粒であ
    って、平均粒径が0.1〜1.0mmφ、球形度が0.9
    5以上であることを特徴とする金属粒。
  2. 【請求項2】 低融点金属の溶湯を冷却液中に押出して
    金属粒を製造する方法において、冷却液に超音波振動を
    与えながら冷却液に挿入したノズルから金属溶湯を押出
    すことを特徴とする低融点金属粒の製造方法。
  3. 【請求項3】 冷却液に超音波振動を与えながら、冷却
    液に挿入したノズルからガリウム、水銀またはアマルガ
    ムを水中に押出して金属粒を製造する請求項2に記載の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 低融点金属の溶湯を入れる溶湯槽および
    該金属溶湯を冷却する冷却液を入れる冷却槽を備え、上
    記溶湯槽には溶湯の押出用ノズルおよび加圧手段が設け
    られ、該ノズルが冷却液中に挿入される位置に上記溶湯
    槽が設置されており、また上記冷却槽には冷却液に超音
    波振動を与える振動手段が付設されていることを特徴と
    する低融点金属粒の製造装置。
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