JPH08330106A - 電子部品とその製造方法 - Google Patents

電子部品とその製造方法

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JPH08330106A
JPH08330106A JP7133335A JP13333595A JPH08330106A JP H08330106 A JPH08330106 A JP H08330106A JP 7133335 A JP7133335 A JP 7133335A JP 13333595 A JP13333595 A JP 13333595A JP H08330106 A JPH08330106 A JP H08330106A
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Iwao Ueno
巌 上野
Yasuo Wakahata
康男 若畑
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、電子機器や電気機器で用いる耐湿
性に優れた電子部品とその製造方法を提供することを目
的とするものである。 【構成】 本発明は、バリスタ素子1表面に少なくとも
一対の電極を形成し、この電極形成部以外のバリスタ素
子1表面全体に金属被膜層を形成した後、酸化雰囲気中
で熱処理し、前記金属被膜層を酸化させた金属酸化物よ
りなる保護層5を形成し、さらに、前記電極表面にメッ
キ層4を形成するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品とその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、素子を外部雰囲気より保護す
るために、その外周部に保護膜を設けることが行われて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の保護膜は、例え
ばガラスで形成したものは衝撃や熱による剥離やクラッ
クからの浸水、また樹脂で形成したものは吸湿性がある
ため、いずれも耐湿特性に対する信頼性が低いという問
題点を有していた。
【0004】そこで本発明は、上記問題点を解決するも
ので、耐湿特性に優れた電子部品とその製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、素子表面に少なくとも一対の電極を形成
し、この電極形成部以外の素子表面に金属被膜層を形成
し、その後前記素子を酸化雰囲気中で熱処理し、前記金
属被膜層を酸化させた金属酸化物よりなる保護層を形成
し、さらに、前記電極表面にメッキ層を形成するもので
ある。
【0006】
【作用】本発明によると、まず素子表面に少なくとも一
対の電極を形成し、次に、表面の電極形成部以外に金属
被膜層を形成し、その後素子を酸化雰囲気中で熱処理す
ることにより、この金属被膜層は酸化されて金属酸化物
となり抵抗値が高くなる。
【0007】従って、素子表面の抵抗が高く緻密な構造
の保護層を設けることができる。以上の構成であれば、
素子の構造がポーラスな場合でも表面に形成された緻密
な金属酸化物よりなる保護層により、周囲の環境、例え
ば湿度やガス等の影響を受けにくくなる。また、素子表
面を硬質の保護層で覆うので、素子表面の機械的強度が
向上し、製造工程中に加わる衝撃や電子部品を実装する
ときに加わる衝撃による外傷や歪みを受けにくくするこ
とができる。
【0008】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例につて図1を
用いて説明する。
【0009】図1において、1はバリスタ素子で、その
内部には複数の内部電極2が設けられ、その両端には外
部電極3が設けられている。バリスタ素子1は、SrT
iO 3を主成分とし、副成分としてNb25、Ta
25、SiO2、MnO2などを添加したものである。ま
た、内部電極2は、Niを主成分とし、副成分としてL
2CO3などを添加して形成したものである。さらに外
部電極3は、下層3aをNiを主成分とし、副成分とし
てLi2CO3などを添加して形成し、上層3bをAgで
形成したものである。以上の構成において、バリスタ素
子1の上層3bの電極形成部以外の素子表面には、保護
層5が付着形成されている。さらに、上層3bの表面に
Niメッキ層4aと半田メッキ層4bが形成されてい
る。
【0010】図3は、製造工程を示し、(7)に示すご
とく、原料の混合、粉砕、スラリー化、シート成形によ
りセラミックシート1aを作製した。
【0011】セラミックシート1aと、内部電極2とを
積層(8)し、それを切断(9)、脱バイ・仮焼(1
0)、面とり(11)した。
【0012】次に、バリスタ素子1の端面に、下層3a
となるNi外部電極を塗布(12)し、1200〜13
00℃で還元焼成(13)し、その後、上層3bとなる
Ag外部電極を塗布(15)した。
【0013】さらに、塗布した上層3bの表面に糊や樹
脂で形成されるレジスト膜を設け、その後、無電解Ni
メッキ層を付着(14)し、700〜850℃で再酸化
のため加熱(16)し、焼付けAg外部電極3bと、無
電解Niメッキからなる金属酸化物の保護層5を形成し
た。次に、加熱(16)時に炭化したレジスト膜を除去
した後に、上層3bの上にNiメッキ層4aと半田メッ
キ層4bを付着(17)した。
【0014】実施例1で得られたバリスタ素子1では、
バリスタ素子1の上層3b形成部以外の表面全体に緻密
な構造の保護層5が形成されており、さらに上層3bの
表面にNiメッキ層4aと半田メッキ層4bが形成され
た構造となっているために、 (I)バリスタ素子1の気密性絶縁性が極めて高く、
水、ガス、酸、アルカリなどからの保護を確実に行うこ
とができ、耐湿性の向上、耐薬品性(例えば、メッキ液
による素子のエッチングの防止)の向上、表面リークの
減少、外部電極3のマイグレーションの防止などの効果
が発揮される。
【0015】(II)バリスタ素子1の表面が硬質な保護
層5で覆われているため、機械的強度が向上し、また衝
撃にも強く、ワレ、カケなどの外傷や歪の発生を防ぐこ
とができる。
【0016】(III)外部電極3表面がメッキ層4で覆
われているため、電子部品として優れた実装性を発揮す
る。
【0017】(IV)金属酸化物の保護層5の一部がバリ
スタ素子1の表面に拡散し反応しているため付着強度は
極めて高く、衝撃や熱による剥離やクラックが発生しに
くい。
【0018】(V)保護層5を形成する際、金属が酸化
することにより体積が大きくなるので、より緻密な保護
膜を形成することができる。などの特徴を有した。
【0019】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について、図4を用いて説明する。
【0020】実施例1と同様にして、上層3bを付与し
たバリスタ素子1を再酸化(16)した後、Si(O
R)4(Rはアルキル基),(化4)で表わされるケイ
素化合物、Ti(OR)4(Rはアルキル基),(化
5)で表わされるチタン化合物、Al(OR)3(Rは
アルキル基),(化6)で表わされるアルミ化合物のう
ちの少なくとも一種類以上を含む液体中に浸漬し、バリ
スタ素子1の表面にガラス形成用物質を付着(18)
し、SiO2、TiO2、Al23、MgO、ZrO2
うちの少なくとも一種類よりなる反応抑制剤の粉末内に
埋設し、300〜850℃で熱処理(19)した。
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】その後、面とり(20)、Niメッキ層4
aと半田メッキ層4bを付着(17)し、図2に示すご
とく保護層5の表面にガラス層21を有する電子部品を
得た。
【0025】なお、実施例2において、ガラス形成用物
質の付着(18)および熱処理(19)を1サイクルし
か実施していないが、複数回実施した方がより均一なガ
ラス層21を形成することができる。
【0026】そして、この形成されたガラス層21は、
保護層5の外表面に単に付着しているのではなく、一部
が保護層5内に拡散し反応しているため付着強度は極め
て高い。また、このガラス形成用物質にBi23、Sb
23の少なくとも一方が含まれる場合さらに顕著であ
る。
【0027】この様に、金属酸化物よりなる保護層5の
表面に、新たにガラス層21を形成することにより、前
記(I)〜(V)などに記載した特徴がより一層発揮さ
れる。特に、還元性の強い、ガスや溶液中にバリスタ素
子1を投入しても、ガラス層21が形成されているた
め、保護層5の金属酸化物が還元されることがなくダメ
ージを受けることがなかった。
【0028】また、反応抑制剤の作用は、保護層5とガ
ラス層21の拡散反応を抑制するだけでなく、バリスタ
素子1同士のくっつき不良を防止する作用もある。
【0029】さらにまた、上記各種液体中にAl23
TiO2、ZnO、SiC、Si3 4、SiO2、炭素繊
維、ガラス繊維の少なくとも一種類以上を含む針状の結
晶成分を分散させると、形成されたガラス層21の熱的
強度や機械的強度が向上し、特にヒートショック等で発
生するクラックや剥離の発生や広がりを抑制することが
できた。また、針状の結晶成分のアンカー効果により保
護層5との付着強度はより強くなった。この場合、分散
させる針状の結晶成分の粒径は細かく均一である方がよ
り顕著であった。また、上記反応抑制剤の粉末に分散さ
せても同様の効果を確認した。
【0030】また、針状の結晶成分にBi23、Sb2
3の少なくとも一方が含まれる場合さらに顕著であっ
た。さらにまた、保護層5の表面にシリコーン系やエポ
キシ系の樹脂を形成しても同様の効果が得られた。
【0031】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について説明する。
【0032】実施例1および2と同様にして図5に示す
(7)〜(13),(15)の工程を経た後、Si
2、TiO2、Al23、MgO、ZrO2のうちの少
なくとも一種類以上の粉末を分散させた無電解Niメッ
キ層を付着(14)し、以下(16),(17)の工程
を経ることにより、図1に示す耐還元性に優れた保護層
5を有する電子部品を得た。
【0033】実施例3で得られた保護層5は、再酸化
(16)時に、NiとSiO2、TiO2、Al23、M
gO、ZrO2のうちの少なくとも一種類以上の粉末が
反応し、耐還元性に優れた保護層5を形成する。この場
合、分散させる粉末の粒径が細かく均一であり、また、
純度が高い方が顕著であった。また、上記各種粉末以外
に、ガラス粉末でも同様の効果があった。
【0034】以上、このような上記各実施例1〜3によ
り得られたバリスタ素子1では、バリスタ素子1の電極
形成部以外の表面に緻密な構造の保護層5が形成されて
いるために、周囲の環境、例えば、湿度、ガス、酸、ア
ルカリなどの影響を受けにくくなる。また、表面を硬質
の保護層5で覆われているので、機械的強度が向上する
ものである。
【0035】また、製造工程上重要なことは、 (I)無電解Niメッキ層を付着する時や、ガラス形成
用物質を付着する時は、バリスタ素子1の表面には不純
物の付着がないように、純水かイオン交換水で充分に洗
浄しておく。
【0036】(II)ガラス形成用物質を含む液体は、加
水分解するので、バリスタ素子1を浸漬する時は、その
水分を充分に除去してから浸漬する方が望ましい。
【0037】(III)無電解Niメッキ液に粉末を分散
させる場合は、分散性を良くするために充分に攪拌する
方が望ましい。
【0038】また、バリスタ素子1表面に形成された保
護層5は、Niメッキ層4aと半田メッキ層4bを付着
(17)する工程時に、発生する水素ガスの影響で、そ
の表面の一部が還元され抵抗値が低下する場合がある。
従って、この現象を防止するために、(IV)上記実施例
2で示したように、保護層5の表面に、ガラス層21を
形成し、水素ガスの影響を防止することが望ましい。
【0039】(V)上記実施例3で示したように、耐還
元性の保護層5を形成し、水素ガスの影響を防止するこ
とが望ましい。
【0040】(VI)メッキ工程(17)の工程後に、過
酸化水素のアンモニア溶液を用い、表面の一部が還元さ
れた保護層5を酸化させることが望ましい。また、この
場合、バリスタ素子1に影響を及ぼさないアルカリ溶液
でも構わない。さらに、この溶液は、洗浄作用があるた
め、メッキ工程(17)後の洗浄液として利用できるも
のである。
【0041】また、上記実施例2で示したように、ガラ
ス層21を形成する場合、上層3b表面にもガラス層2
1が形成される場合があり、メッキ工程(17)を実施
してもメッキ層4が付着しにくい場合がある。従って、
それを解決するために、 (VII)上層3b表面に、予め洗濯糊やエチルセルロー
スなどの多糖類よりなる糊やポリビニルアルコール、酢
酸ビニル等からなるレジスト膜を設け、その後、ガラス
形成用物質を付着(18)、熱処理(19)し、レジス
ト膜を炭化させ、超音波洗浄機などで除去する工程を有
することが望ましい。そして、このレジスト膜を形成す
る際、染料や顔料を混合し、着色することにより、レジ
スト膜が均一に形成できたかどうかを知ることができ
る。なお、上記実施例において、バリスタ素子1表面に
形成する金属酸化物の保護層5は、Niについてのみ示
したが、これ以外の酸化物で抵抗が高く、耐薬品性のあ
る金属であればどのようなものでも構わない。そして、
その形成方法も、無電解メッキについてのみ示したが、
蒸着、スパッタリング、ディップ、溶射、印刷などで形
成しても同様の効果が得られる。
【0042】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例
について図6を用いて説明する。
【0043】図6において、1はバリスタ素子で、その
内部には複数の内部電極2が設けられ、その両端には外
部電極3が設けられている。バリスタ素子1は、SrT
iO 3を主成分とし、副成分としてNb25、Ta
25、SiO2、MnO2などを添加したものである。ま
た、内部電極2は、Niを主成分とし、副成分としてL
2CO3などを添加して形成したものである。さらに外
部電極3は、下層3aをNiを主成分とし、副成分とし
てLi2CO3などを添加して形成し、上層3bをAgで
形成したものである。以上の構成において、バリスタ素
子1の端面を除く表面全体に高抵抗の保護層5が付着形
成されている。さらに、上層3bの表面にNiメッキ層
4aと半田メッキ層4bが形成されている。
【0044】図8は、製造工程を示し、(7)に示すご
とく、原料の混合、粉砕、スラリー化、シート成形によ
りセラミックシート1aを作製した。
【0045】セラミックシート1aと、内部電極2とを
積層(8)し、それを切断(9)、脱バイ・仮焼(1
0)、面とり(11)した。
【0046】次に、バリスタ素子1の端面に、下層3a
となるNi外部電極を塗布(12)し、1200〜13
00℃で還元焼成(13)し、その後、素子端面に糊や
樹脂で形成されるレジスト膜を設けた後、無電解Niメ
ッキ層を付着(14)し、さらに、水洗や有機溶剤でレ
ジストを除去した後に上層3bとなるAg外部電極を塗
布(15)し、700〜850℃で再酸化のため加熱
(16)し、焼付けAg外部電極3bと、無電解Niメ
ッキからなる金属酸化物の保護層5を形成した。次に、
上層3bの上にNiメッキ層4aと半田メッキ層4bを
付着(17)した。
【0047】本実施例で得られたバリスタ素子1では、
バリスタ素子1の端面を除く表面全体に緻密な構造の保
護層5が形成されており、さらに上層3bの表面にNi
メッキ層4aと半田メッキ層4bが形成された構造とな
っているために、 (I)バリスタ素子1の気密性絶縁性が極めて高く、
水、ガス、酸、アルカリなどからの保護を確実に行うこ
とができ、耐久性の向上、耐薬品性(例えば、メッキ液
による素子のエッチングの防止)の向上、表面リークの
減少、外部電極のマイグレーションの防止などの効果が
発揮される。
【0048】(II)バリスタ素子1の表面が硬質な保護
層5で覆われているため、機械的強度が向上し、また衝
撃にも強く、ワレ、カケなどの外傷や歪の発生を防ぐこ
とができる。
【0049】(III)電極表面がメッキ層で覆われてい
るため、電子部品として優れた実装性を発揮する。
【0050】(IV)金属酸化物の保護層5の一部がバリ
スタ素子1の表面に拡散し反応しているため付着強度は
極めて高く、衝撃や熱による剥離やクラックが発生しに
くい。
【0051】(V)保護層5を形成する際、金属が酸化
することにより体積が大きくなるので、より緻密な保護
膜を形成することができる。などの特徴を有した。
【0052】(実施例5)以下、本発明の第5の実施例
について、図9を用いて説明する。
【0053】実施例3と同様にして、上層3bを付与し
たバリスタ素子1を再酸化(16)した後、Si(O
R)4(Rはアルキル基),(化4)で表わされるケイ
素化合物、Ti(OR)4(Rはアルキル基),(化
5)で表わされるチタン化合物、Al(OR)3(Rは
アルキル基),(化6)で表わされるアルミ化合物のう
ちの少なくとも一種類以上を含む液体中に浸漬し、バリ
スタ素子1の表面にガラス形成用物質を付着(18)
し、SiO2、TiO2、Al23、MgO、ZrO2
うちの少なくとも一種類よりなる反応抑制剤の粉末内部
に埋設し、300〜850℃で熱処理(19)した。
【0054】その後、面とり(20)、Niメッキ層4
aと半田メッキ層4bを付着(17)し、図7に示すご
とく保護層5の表面にガラス層21を有する電子部品を
得た。
【0055】なお、実施例4において、ガラス形成用物
質の付着(18)および熱処理(19)を1サイクルし
か実施していないが、複数回実施した方がより均一なガ
ラス層21を形成することができる。
【0056】そして、この形成されたガラス層21は、
保護層5の外表面に単に付着しているのではなく、一部
が拡散し反応しているため付着強度は極めて高い。ま
た、このガラス形成用物質にBi23、Sb23の少な
くとも一方が含まれる場合さらに顕著である。
【0057】この様に、金属酸化物よりなる保護層5の
表面に、新たにガラス層21を形成することにより、前
記(I)〜(V)などに記載した特徴がより一層発揮さ
れる。特に、還元性の強い、ガスや溶液中にバリスタ素
子1を投入しても、ガラス層21が形成されているた
め、保護層5の金属酸化物が還元されることがなくダメ
ージを受けることがなかった。
【0058】また、反応抑制剤の作用は、保護層5とガ
ラス層21の拡散反応を抑制するだけでなく、バリスタ
素子1同士のくっつき不良を防止する作用もある。
【0059】さらにまた、上記各種液体中にAl23
TiO2、ZnO、SiC、Si3 4、SiO2、炭素繊
維、ガラス繊維の少なくとも一種類以上を含む針状の結
晶成分を分散させると、形成されたガラス層21の熱的
強度や機械的強度、特にヒートショック等で発生するク
ラックや剥離の発生や広がりを抑制することができた。
また、針状の結晶成分のアンカー効果により保護層5と
の付着強度はより強くなった。この場合、分散させる針
状の結晶成分の粒径は細かく均一である方がより顕著で
あった。また、上記反応抑制剤の粉末に分散させても同
様の効果を確認した。
【0060】また、針状の結晶成分にBi23、Sb2
3の少なくとも一方が含まれる場合さらに顕著であっ
た。さらにまた、保護層5の表面にシリコーン系、エポ
キシ系の樹脂を形成しても同様の効果が得られた。
【0061】(実施例6)以下、本発明の第6の実施例
について説明する。
【0062】実施例4および5と同様にして図10に示
す(7)〜(13)の工程を経た後、SiO2、Ti
2、Al23、MgO、ZrO2のうちの少なくとも一
種類以上の粉末を分散させた無電解Niメッキ層を付着
(14)し、以下(15)〜(17)の工程を経ること
により、図6に示す耐還元性に優れた保護層5を有する
電子部品を得た。
【0063】実施例6で得られた保護層5は、再酸化
(16)時に、NiとSiO2、TiO2、Al23、M
gO、ZrO2のうちの少なくとも一種類以上の粉末が
反応し、耐還元性に優れた保護層5を形成する。この場
合、分散させる粉末の粒径が細かく均一であり、また、
純度が高い方が顕著であった。また、上記各種粉末以外
に、ガラス粉末でも同様の効果があった。
【0064】以上、このような上記実施例3〜6により
得られたバリスタ素子1では、バリスタ素子1端面を除
く表面全体に緻密な構造の保護層5が形成されているた
めに、周囲の環境、例えば、湿度、ガス、酸、アルカリ
などの影響を受けにくくなる。また、表面を硬質の保護
層5で覆われているので、機械的強度が向上するもので
ある。
【0065】また、製造工程上重要なことは、 (I)無電解Niメッキ層を付着する時や、ガラス形成
用物質を付着する時は、バリスタ素子1の表面には不純
物の付着がないように、純水かイオン交換水で充分に洗
浄しておく。
【0066】(II)ガラス形成用物質を含む液体は、加
水分解するので、バリスタ素子1を浸漬する時は、その
水分を充分に除去してから浸漬する方が望ましい。
【0067】(III)無電解Niメッキ液に粉末を分散
させる場合は、分散性を良くするために充分に攪拌する
方が望ましい。
【0068】また、バリスタ素子1表面に形成された保
護層5は、Niメッキ層4aと半田メッキ層4bを付着
(17)する工程時に、発生する水素ガスの影響で、そ
の表面の一部が還元され抵抗値が低下する場合がある。
従って、この現象を防止するために、 (IV)上記実施例5で示したように、保護層5の表面
に、ガラス層21を形成し、水素ガスの影響を防止する
ことが望ましい。
【0069】(V)上記実施例6で示したように、耐還
元性の保護層5を形成し、水素ガスの影響を防止するこ
とが望ましい。
【0070】(VI)メッキ工程(17)の工程後に、過
酸化水素のアンモニア溶液を用い、表面の一部が還元さ
れた保護層5を酸化させることが望ましい。また、この
場合、バリスタ素子1に影響を及ぼさないアルカリ溶液
でも構わない。さらに、この溶液は、洗浄作用があるた
め、メッキ工程(17)後の洗浄液として利用できるも
のである。
【0071】また、上記実施例5で示したように、ガラ
ス層21を形成する場合、上層3b表面にもガラス層2
1が形成される場合があり、メッキ工程(17)を実施
してもメッキ層が付着しにくい場合がある。従って、そ
れを解決するために、 (VII)上層3b表面に、予め洗濯糊やエチルセルロー
スなどの多糖類よりなる糊やポリビニルアルコール、酢
酸ビニル等からなるレジスト膜を設け、その後、ガラス
形成用物質を付着(18)、熱処理(19)し、レジス
ト膜を炭化させ、超音波洗浄機などで除去する工程を有
することが望ましい。そして、このレジスト膜を形成す
る際、染料や顔料を混合することにより、レジスト膜が
均一に形成できたかどうかを知ることができる。なお、
上記実施例4〜6において、素子表面に形成する金属酸
化物の保護層5は、Niについてのみ示したが、これ以
外の酸化物で抵抗が高く、耐薬品性のある金属であれば
どのようなものでも構わない。そして、その形成方法
も、無電解メッキについてのみ示したが、蒸着、スパッ
タリング、ディップ、溶射、印刷などで形成しても同様
の効果が得られる。
【0072】また実施例1〜3の積層バリスタは、バリ
スタ素子1の表面の外部電極3の形成部分以外に保護層
5を形成し、実施例4〜6の積層バリスタはバリスタ素
子1の端面を除く表面全体に保護層5を形成した。
【0073】そのため、実施例4〜6の積層バリスタ
は、実施例1〜3の積層バリスタと比較すると上層3b
のAg外部電極と内部電極2との間でマイグレーション
が起きにくい。
【0074】また、実施例1〜6において、保護層5と
なるNiメッキの厚さは6μm以下が好ましい。その理
由としてはNiメッキの厚みが6μmを越えるとNiが
収縮しバリスタ素子のワレやヒビが起こるおそれがある
からである。
【0075】また、実施例1〜6において、積層バリス
タを例にあげたが、本発明は、コンデンサ、サーミス
タ、セラミスタ、バリスタ、圧電素子、フェライト、セ
ラミック基板などセラミック磁器を用いるものやそうで
ないもの、また、その形状も、ディスク型、円筒型、積
層型など何にでも適応できるものである。
【0076】
【発明の効果】以上、本発明によると、まず、素子に少
なくとも一対の電極を形成し、次に素子の電極形成部以
外の表面全体に金属被膜層を付着し、その後、酸化雰囲
気中で熱処理し、金属酸化物よりなる保護層を形成し、
さらに、電極表面にメッキ層を形成する。
【0077】この構成により素子表面に抵抗が高く、緻
密な構造の保護層を設けることができる。
【0078】このため、素子の構造がポーラスな場合で
あっても、緻密な保護層によって周囲の環境、例えば湿
気、ガス、酸、アルカリなどの影響を受け難くすること
ができる。
【0079】また、素子の表面抵抗が低い場合でも、そ
の表面に抵抗の高い金属酸化物よりなる保護層によっ
て、例えば漏れ電流を抑制したり、メッキ流れ、メッキ
液によるエッチングなどを抑えることができる。
【0080】さらに、この保護層はクラックや歪が入り
難く、緻密で均質で堅固なので、素子表面の機械的強度
を高め、製造工程中や実装時に受ける衝撃による外傷や
歪の発生を防ぐことができる。
【0081】このように、本発明の電子部品は信頼性に
優れたもので実用上の効果も極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第3の実施例におけるバリスタ
の断面図
【図2】本発明の第2の実施例におけるバリスタの断面
【図3】本発明の第1の実施例におけるバリスタの製造
工程図
【図4】本発明の第2の実施例におけるバリスタの製造
工程図
【図5】本発明の第3の実施例におけるバリスタの製造
工程図
【図6】本発明の第4、第6の実施例におけるバリスタ
の断面図
【図7】本発明の第5の実施例におけるバリスタの断面
【図8】本発明の第4の実施例におけるバリスタの製造
工程図
【図9】本発明の第5の実施例におけるバリスタの製造
工程図
【図10】本発明の第6の実施例におけるバリスタの製
造工程図
【符号の説明】
1 バリスタ素子 2 内部電極 3 外部電極 4 メッキ層 5 保護層 21 ガラス層

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素子と、前記素子表面に設けた少なくと
    も一対の電極と、少なくとも前記素子表面の前記電極形
    成部以外に設けた金属酸化物の保護層と、前記電極表面
    に設けたメッキ層とを備えた電子部品。
  2. 【請求項2】 素子が、セラミック磁器よりなる請求項
    1記載の電子部品。
  3. 【請求項3】 保護層の抵抗を素子の抵抗よりも高くし
    た請求項1記載の電子部品。
  4. 【請求項4】 保護層の表面に、ガラス層を備えた請求
    項1記載の電子部品。
  5. 【請求項5】 保護層は、耐還元性を有する金属酸化物
    よりなる請求項1記載の電子部品。
  6. 【請求項6】 保護層は、ガラスを含有した請求項1記
    載の電子部品。
  7. 【請求項7】 素子表面に少なくとも一対の電極を形成
    し、次に、この素子の電極形成部以外に金属被膜層を形
    成し、その後、前記素子を酸化雰囲気中で熱処理し、前
    記素子表面の前記金属被膜層を酸化させた金属酸化物よ
    りなる保護層を形成し、さらに、前記電極表面にメッキ
    層を形成する電子部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 電極形成と金属酸化物よりなる保護層の
    形成を同時に行う請求項7記載の電子部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 金属被膜層を無電解メッキ法で形成する
    請求項7あるいは8記載の電子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 無電解メッキの材料として、Ni,C
    uのどちらか一方を主成分とするものを用いる請求項9
    記載の電子部品の製造方法。
  11. 【請求項11】 無電解メッキ液に、SiO2、Ti
    2、Al23、MgO、ZrO2のうちの少なくとも一
    種類以上を含む粉末を分散させる請求項9あるいは10
    記載の電子部品の製造方法。
  12. 【請求項12】 無電解メッキ液に、ガラス粉末を分散
    させる請求項9あるいは10記載の電子部品の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 金属被膜層を蒸着、スパッタリング、
    ディップ、溶射、印刷のうちのいずれかの方法で形成す
    る請求項7記載の電子部品の製造方法。
  14. 【請求項14】 電極表面にメッキ層を形成した後に、
    過酸化水素のアルカリ溶液中に浸漬し、保護層を酸化さ
    せる請求項7記載の電子部品の製造方法。
  15. 【請求項15】 アルカリ溶液として、アンモニア水を
    用いる請求項14記載の電子部品の製造方法。
  16. 【請求項16】 素子表面の電極を形成しようとする部
    分を除く表面全体に金属被膜層を形成し、この素子の前
    記電極を形成しようとする部分に電極を形成し、その
    後、前記素子を酸化雰囲気中で熱処理し、前記素子表面
    の前記金属被膜層を酸化させた金属酸化物よりなる保護
    層を形成し、さらに、前記電極表面にメッキ層を形成す
    る電子部品の製造方法。
  17. 【請求項17】 電極形成と金属酸化物よりなる保護層
    の形成を同時に行う請求項16記載の電子部品の製造方
    法。
  18. 【請求項18】 金属被膜層を無電解メッキ法で形成す
    る請求項16記載の電子部品の製造方法。
  19. 【請求項19】 無電解メッキの材料として、Ni,C
    uのどちらか一方を主成分とするものを用いる請求項1
    8記載の電子部品の製造方法。
  20. 【請求項20】 無電解メッキ液に、SiO2、Ti
    2、Al23、MgO、ZrO2のうちの少なくとも一
    種類以上を含む粉末を分散させる請求項18あるいは1
    9記載の電子部品の製造方法。
  21. 【請求項21】 無電解メッキ液に、ガラス粉末を分散
    させる請求項18あるいは19記載の電子部品の製造方
    法。
  22. 【請求項22】 金属被膜層を蒸着、スパッタリング、
    ディップ、溶射、印刷のうちのいずれかの方法で形成す
    る請求項16記載の電子部品の製造方法。
  23. 【請求項23】 電極表面にメッキ層を形成した後に、
    過酸化水素のアルカリ溶液中に浸漬し、保護層を酸化さ
    せる請求項16記載の電子部品の製造方法。
  24. 【請求項24】 アルカリ溶液として、アンモニア水を
    用いる請求項23記載の電子部品の製造方法。
  25. 【請求項25】 保護層を形成した素子をガラス形成用
    物質を含む液体中に浸漬し、その後、前記素子を前記液
    体中から取出した後に加熱し、さらに、前記素子の電極
    表面にメッキ層を形成する電子部品の製造方法。
  26. 【請求項26】 液体は、Si(OR)4(Rはアルキ
    ル基),(化1)で表わされるケイ素化合物、Ti(O
    R)4(Rはアルキル基),(化2)で表わされるチタ
    ン化合物、Al(OR)3(Rはアルキル基),(化
    3)で表わされるアルミ化合物のうち少なくとも一種類
    以上と、少なくともガラス形成用物質と有機バインダー
    とからなる添加剤と、有機溶剤により構成される請求項
    25記載の電子部品の製造方法。 【化1】 【化2】 【化3】
  27. 【請求項27】 Al23、TiO2、ZnO、Si
    C、Si34、SiO2、炭素繊維、ガラス繊維の少な
    くとも一種類以上を含む針状の結晶成分を液体中に分散
    させる請求項25記載の電子部品の製造方法。
  28. 【請求項28】 Bi23とSb23の少なくとも一種
    類以上の針状の結晶成分をさらに分散させる請求項27
    記載の電子部品の製造方法。
  29. 【請求項29】 保護層を形成した素子をガラス形成用
    物質を含む液体中に浸漬し、次に、前記素子を液体中か
    ら取出した後、反応抑制剤を前記素子の外表面に当接さ
    せ加熱し、さらに、前記素子の電極表面にメッキ層を形
    成する電子部品の製造方法。
  30. 【請求項30】 反応抑制剤は、SiO2、TiO2、A
    23、MgO、ZrO2のうちの少なくとも一種類以
    上を含む請求項29記載の電子部品の製造方法。
  31. 【請求項31】 電極を形成した素子の、前記電極表面
    に、予めレジスト膜を設け、次に、ガラス形成用物質を
    含む液体中に浸漬し、その後前記素子を前記液体中から
    取出した後に加熱し、ガラス層を形成すると同時に前記
    レジスト膜を炭化させ、次に、前記炭化したレジスト膜
    を洗浄除去し、その後電極表面にメッキ層を形成する電
    子部品の製造方法。
  32. 【請求項32】 レジスト膜は、糊で形成する請求項3
    1記載の電子部品の製造方法。
  33. 【請求項33】 糊は、多糖類を主成分とする請求項3
    2記載の電子部品の製造方法。
  34. 【請求項34】 保護層を形成した素子を樹脂成分を含
    む液体中に浸漬し、その後、前記素子を前記液体中から
    取出した後に加熱硬化し、さらに、前記素子の電極表面
    にメッキ層を形成する電子部品の製造方法。
  35. 【請求項35】 樹脂は、シリコーン系、エポキシ系で
    ある請求項34記載の電子部品の製造方法。
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