JPH08330133A - 表面処理された磁性粒子及び磁気記録媒体 - Google Patents

表面処理された磁性粒子及び磁気記録媒体

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JPH08330133A
JPH08330133A JP13653695A JP13653695A JPH08330133A JP H08330133 A JPH08330133 A JP H08330133A JP 13653695 A JP13653695 A JP 13653695A JP 13653695 A JP13653695 A JP 13653695A JP H08330133 A JPH08330133 A JP H08330133A
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JP
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magnetic
complex
magnetic particles
particles
recording medium
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Application number
JP13653695A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Mizuno
一彦 水野
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3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に磁気記録媒体の製造に使用するための磁
性粒子に関し、分散性に優れ、磁性層の摩擦係数を低下
させ、よって耐久性を向上させるのに有効である磁性粒
子を提供することを目的とする。 【構成】 磁性粒子と、該磁性粒子の少なくとも表面領
域に吸着せしめられた三ハロゲン化硼素又はその錯体と
を含んでなるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録技術に関し、特
に、表面処理された磁性粒子及びそのような粒子を磁性
層に使用した磁気記録媒体に関する。本発明の磁性粒子
は、分散性に優れているばかりでなく、それを使用して
形成される磁性層の摩擦係数を低下させ、耐久性を向上
させるのに有効であるので、優れた磁気記録特性及び耐
久性を有する磁気テープ、磁気フィルム、磁気カード、
ビデオテープ、フロッピィディスク等の磁気記録媒体の
製造に有利に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、磁気記録媒体は、例えばプ
ラスチックフィルムのようなベースフィルム又は支持体
(以下、「支持体」と記す)と、該支持体上に塗布等に
より施された磁性層とを含んで構成されている。また、
磁気記録媒体の磁性層は、通常、例えば樹脂材料からな
る結合剤と、該結合剤中に他の適当な添加剤とともに分
散せしめられた磁性粒子とを含んで構成されている。そ
して、磁性層中の磁性粒子は、一般に、例えば酸化鉄、
二酸化クロム等の強磁性酸化物又は例えば鉄等の強磁性
金属の微粒子である。磁性層中で用いられている添加剤
は、例えば、帯電防止剤、研磨剤、潤滑剤、可塑剤など
である。
【0003】磁気記録媒体は、特許文献等においていろ
いろなものが公知である。例えば、磁気記録媒体の特性
には磁性粒子の分散性が大きく関与するため、磁性層に
おける磁性粒子の均一かつ良好な分散を補助するため
に、換言すると、磁性粒子の表面処理のために、分散剤
を使用した磁気記録媒体が公知である。具体的には、例
えば、特公昭54−7074号公報は、針状金属磁性粒
子と高級脂肪酸塩粉末とを有機溶媒中で攪拌混合するこ
とを特徴とする金属磁性粉末の製造方法を開示する。こ
の方法によると、金属磁性粒子の表面を高級脂肪酸基で
被覆することにより、磁性粒子の良好な分散を達成する
ことができる。また、特開平1−189025号公報
は、非磁性支持体と、該支持体上に設けられた結合剤中
に強磁性粉末を分散させた磁性層とからなる磁気記録媒
体において、前記磁性層が特定の有機リン化合物を含む
ことを特徴とする磁気記録媒体を開示する。この磁気記
録媒体では、磁性層に含ませる分散剤として、金属表面
へ吸着する性質を有しており、その吸着力がカルボン酸
やスルホン酸等の他の有機酸化合物に比較して強い特定
の有機リン化合物を選択することにより、強磁性粉末の
分散状態を顕著に改善することができる。すなわち、こ
の公報は、アルキル−又はアリール燐酸エステル化合物
を分散剤として使用することを開示している。この燐酸
エステル化合物のアルキル基又はアリール基は、嵩高い
疎水性であって、特に、高い界面活性を得、よって磁性
粒子の良好な分散を達成するのに有効である。また、特
開昭57−117124号公報は、アルキル−又はアリ
ール燐酸エステル化合物を、特定の硼素化合物、すなわ
ち、硼素と、脂肪酸が12〜20個の炭素原子を有する
アルキル又はアラルキル置換基を含有する脂肪酸のグリ
セリンモノエステルとの錯化合物、と組み合わせて分散
剤として使用することを特徴とする磁気記録媒体を開示
している。ここで併用される硼素化合物は、活性水素原
子を含有するので、分散性をより向上させるのに有効で
ある。また、特開平6−338046号公報は、磁性塗
膜にエチレンジアミン四酢酸を分散剤として添加したこ
とを特徴とする磁気記録媒体を開示している。上記した
いずれの化合物も、分散剤としては所期の効果を奏し得
るというものの、得られる磁性層の可塑化を惹起し、し
たがって、磁気記録媒体の耐久性の低下を引き起こす。
【0004】さらに、特開昭49−59608号公報
は、支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散せしめてな
る磁気記録層を有する磁気記録媒体において、前記磁気
記録層中にシランカプリング剤を含むことを特徴とする
磁気記録媒体を開示している。シランカプリング剤は、
磁性面の剥離によるドロップアウトの発生を防止すると
ともに、磁性層の耐摩耗性を向上させるうえでは効果的
であるというものの、磁性粒子の分散性の向上には殆ど
寄与することができないばかりか、得られる磁性塗料の
粘度の上昇など、取扱を面倒にすることが多い。
【0005】従来の磁性粒子用分散剤は、上記したよう
に、磁性層の可塑化や磁性塗料の粘度等の面で改良を要
する。さらに、これらの分散剤は、磁性層の摩擦係数を
低下させる効果が十分でない。すなわち、従来の分散剤
は、磁性層の表面(磁性面)と磁気ヘッド又は磁気記録
再生装置の部品、例えばガイドピン等との摺動の際の摩
擦係数を低下させる効果については十分ではない。磁性
層の摩擦係数は、得られる磁気記録媒体の耐久性にとっ
て重要なファクタであるので、この値を低く保てない場
合、磁気記録媒体の耐久性を十分に向上させることがで
きないこととなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第1
に、分散性に優れ、しかも、形成される磁性層の摩擦係
数を低下させ、耐久性を向上させるのに有効であり、ま
た、その際、磁性層の可塑化や磁性塗料の粘度の上昇な
どの不都合を惹起しないような、表面処理された磁性粒
子を提供することにある。
【0007】本発明の目的は、第2に、磁性層表面にお
いて低い摩擦係数を呈示し、優れた磁気記録特性及び耐
久性を有する磁気記録媒体を提供することにある。本発
明のその他の目的は、本発明をその好ましい態様を参照
して説明する以下の詳細な説明から、容易に理解するこ
とができるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面
において、磁性粒子と、該磁性粒子の少なくとも表面領
域に吸着せしめられた三ハロゲン化硼素又はその錯体と
を含んでなることを特徴とする表面処理された磁性粒子
を提供する。本発明は、そのもう1つの面において、結
合剤と、該結合剤中に分散せしめられた磁性粒子とを含
む磁性層を備えてなる磁気記録媒体において、前記磁性
層がさらに、三ハロゲン化硼素又はその錯体を含んでな
ることを特徴とする磁気記録媒体を提供する。本発明の
磁気記録媒体において、磁性層中の三ハロゲン化硼素又
はその錯体は、その磁性層中の磁性粒子の少なくとも表
面領域に吸着せしめられているのが好ましい。
【0009】以下、本発明の磁性粒子及び磁気記録媒体
をその好ましい態様を参照して詳細に説明する。なお、
以下に記載する態様は一例であって、本発明の精神及び
範囲内において種々の変更等を施し得ることを理解され
たい。本発明による表面処理された磁性粒子は、上記し
たように、磁性粒子と、該磁性粒子の少なくとも表面領
域に吸着せしめられた三ハロゲン化硼素又はその錯体と
を含んでなる。ここで、磁性粒子に対する三ハロゲン化
硼素又はその錯体の「吸着」とは、以下に詳細に説明す
るように、三ハロゲン化硼素又はその錯体がいろいろな
形態で磁性粒子の表面部位に結合もしくは組合わさって
いることを意味し、例えば、三ハロゲン化硼素又はその
錯体が磁性粒子の表面領域に対して化学的に結合してい
ること、磁性粒子の表面領域に含浸せしめられているこ
と、磁性粒子の表面領域に吸着せしめられていること、
などを包含する。
【0010】本発明の表面処理された磁性粒子におい
て、その主体となる磁性粒子は、磁性塗料及び磁気記録
媒体の調製において常用されているものであることがで
きる。適当な磁性粒子は、例えば、強磁性金属粒子、酸
化鉄粒子、コバルト含有又はコバルト被着酸化鉄粒子、
例えばコバルト含有ガンマ酸化鉄粒子、バリウムフェラ
イト粒子、炭化鉄粒子などである。このような磁性粒子
のなかでも、本発明の実施に当たっては、強磁性金属粒
子を好適に使用することができる。強磁性金属粒子は、
従来の酸化鉄粒子に比較して、飽和磁力が大きく、保磁
力が大きくとれるという点で有利である。また、強磁性
金属粒子においては、潤滑効果の促進の面でも有利であ
る。すなわち、強磁性金属粒子は、高級脂肪酸等の親水
性基含有化合物の親水性基をその表面に吸着する性質を
有しているので、かかる親水性基含有化合物を主成分と
する潤滑剤を磁性層に使用した従来の磁気記録媒体の場
合、満足すべき潤滑効果を得ることの障害となっていた
ものである。これに対して、本発明では、磁性粒子の表
面領域に三ハロゲン化硼素又はその錯体を存在せしめる
ことにより、粒子表面に対する親水性基含有化合物の吸
着を効果的に抑制し、潤滑効果を容易に高めることがで
きる。
【0011】本発明の実施において有利に用いることの
できる強磁性金属粒子は、以下に列挙するものに限定さ
れるわけではないけれども、鉄(α−Fe)、ニッケ
ル、コバルトなどの金属又はその合金の粒子であること
ができる。かかる強磁性粒子は、酸化鉄粒子の水素還
元、ボロハライドを使用した金属塩の液相還元等の常用
の技法を使用して調製することができる。特に、磁性合
金の形の粒子は、耐酸化性及び耐蝕性の改善ならびに安
定化などの面で有利である。
【0012】上記のような磁性粒子は、この技術分野に
おいて通常用いられているサイズを有することができ
る。適当なサイズは、その磁性粒子が用いられる磁気記
録媒体の種類等によって変動するというものの、一般
に、針状のもので、長軸長さが約0.1〜1.0μm 、
軸比が2〜10である。また、このような磁性粒子の比
表面積は、予め重量を測定した磁性粒子に不活性ガスを
吸着させてそのガスの吸着量から1g当たり粒子の表面
積を測定して、好適には45m2/g以上、さらに好適に
は50m2/g以上である。磁性粒子の比表面積は、それ
が大きければ大きいほど、上記した高級脂肪酸等の吸着
の可能性が増大するので、三ハロゲン化硼素又はその錯
体による吸着抑制効果が顕著となる。
【0013】本発明の表面処理磁性粒子では、好ましく
は、その表面領域に三ハロゲン化硼素又はその錯体が吸
着せしめられる。また、必要に応じて、そして特に、か
かる吸着のためにいかなる手法が用いられたかによるの
であるが、粒子の内部まで三ハロゲン化硼素又はその錯
体が含まれていても差し支えない。ここで吸着に供され
る三ハロゲン化硼素又はその錯体は、好ましくは、三弗
化硼素、三塩化硼素もしくは三臭化硼素又はその錯体で
ある。なかんずく、三弗化硼素又はその錯体は、磁性粒
子に対する吸着力が十分に高く、しかも、その酸度が、
磁性層の形成のために磁性粒子とともに使用される結合
剤を化学変化させることのない程度の強さであるので、
好適である。ちなみに、もしもここで使用する三ハロゲ
ン化硼素の酸度が強すぎる場合、後述する表面処理工程
において、処理液中の三ハロゲン化硼素の濃度を低く
し、そして処理時間を延長しなければならないという不
都合が発生する。例えば、三弗化硼素は、ジエチルエー
テル、フェノール等の溶媒に溶解して得た、ジエチルエ
ーテル錯体、フェノール錯体などの形態で容易に入手可
能である。また、このことから、そして以下の説明から
理解されるように、本願明細書において用いた場合、
「錯体」なる語は、先に定義した「吸着」とも関係する
ことであるが、化学の分野で通常認識されている三ハロ
ゲン化硼素の錯化合物を包含することに加えて、上記の
ような溶媒中に溶解して得られる三ハロゲン化硼素の錯
体、その他、例えば、三ハロゲン化硼素が磁性粒子の表
面部位に対して錯結合以外で化学的に結合しているこ
と、磁性粒子の表面領域に含浸せしめられていること、
磁性粒子の表面領域に吸着せしめられていること、など
を包含する。
【0014】三ハロゲン化硼素又はその錯体の磁性粒子
に対する吸着は、いろいろな形態で達成することがで
き、また、必要に応じ、上記の規定の「吸着」以外の導
入手段を採用してもよい。かかる吸着のための適当な手
段は、磁性粒子の表面処理であり、好ましくは、磁性粒
子の表面に、三ハロゲン化硼素又はその錯体を含む表面
処理液を接触せしめることによりこれを達成することが
できる。このような表面処理方法を使用すると、三ハロ
ゲン化硼素又はその錯体を均一かつ容易に磁性粒子の表
面に吸着させることができ、また、したがって、高級脂
肪酸等の親水性基含有化合物を主成分とする潤滑剤を磁
性層中で使用する場合、そのような潤滑剤が磁性粒子中
に吸着されるという望ましくない作用を効果的に抑制
し、しかもその吸着抑制効果を容易に高めることができ
る。
【0015】磁性粒子の表面を三ハロゲン化硼素又はそ
の錯体を含む表面処理液で表面処理するに当たって、三
ハロゲン化硼素又はその錯体を電子供与性溶媒中に溶解
せしめることによって好適に表面処理液を調製すること
ができる。このようにして調製された処理液では、三ハ
ロゲン化硼素又はその錯体が、電子供与性溶媒と組合わ
さって、先に定義したような錯体を形成し、安定化され
ているので、取扱が容易かつ安全である。例えば、三弗
化硼素そのもののは、ガスの状態であり、取扱に入念な
注意を必要とする。
【0016】表面処理液の調製に有利に使用することの
できる電子供与性溶媒は、ジメチルエーテル、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、そしてフェノール類の中から選ばれ
る1種もしくはそれ以上の極性溶媒である。好適な電子
供与性溶媒は、三ハロゲン化硼素と電子供与性溶媒とか
ら形成される錯体の安定化効果が特に優れている点で、
ジエチルエーテル及びテトラヒドロフランの混合溶媒で
ある。
【0017】表面処理液中における三ハロゲン化硼素又
はその錯体と電子供与性溶媒との比率は、広い範囲で変
更することができる。しかし、好ましくは、この比率
は、表面処理液中における三ハロゲン化硼素又はその錯
体の含有量が1重量%以上となるような量であり、さら
に好ましくは、5重量%以上となるような量である。こ
の三ハロゲン化硼素又はその錯体の含有量が少なくなる
と、処理時間を延長しなければならなくなる恐れがあ
る。
【0018】上記のような表面処理液を使用して、好ま
しくは、次のようにして磁性粒子を処理することができ
る。 1.表面処理液中に磁性粒子を所定の時間にわたって浸
漬する。 2.磁性粒子を表面処理液と一緒に混練する。 3.表面処理液を加熱し、減圧等の気化手段により三ハ
ロゲン化硼素を含むガスを発生させ、このガスを磁性粒
子の表面に接触させる。
【0019】このような処理方法の中で、特に、混練処
理を有利に使用することができる。磁性粒子と表面処理
液を常用の混練装置、好ましくは開放型の混練装置、例
えばプラネタリミキサ等に収容して入念に混練する。開
放型の混練装置は、表面処理の際に、磁性粒子に対して
過剰な強さの剪断力を与えないので、磁性粒子が圧密さ
れることなく、混練に続く分散工程の際に磁性粒子を容
易に分散させることができる。この混練処理を行うに当
たって、必要とあれば、その他の常用の混練装置、例え
ばボールミル、ホモミキサ、サンドミルなどを使用して
もよい。
【0020】上記した混練処理では、表面処理液と磁性
粒子の混合物中における磁性粒子の含有割合を、通常6
0重量%以上、好適には80重量%以上、特に好適には
95重量%以上に調節することが推奨される。これは、
磁性粒子の含有割合が少なすぎると、混練に要する時間
が長時間となるからである。混練処理によって得られる
ペースト状物は、そのままの状態で引き続く分散工程に
供して、磁気記録媒体の製造のための磁性塗料の調製に
使用することができる。この場合、従来一般的に用いら
れている磁性塗料の調製プロセスの1工程として、上記
の混練処理が含まれる。なお、磁性塗料の調製プロセス
は、以下の磁気記録媒体の製造の説明のところで詳細に
説明する。
【0021】また、必要に応じて、得られたペースト状
物を、それから溶媒を除去した後で、固形物の形で使用
してもよい。このような場合に、上記した溶媒として予
め揮発性の高いものを選択して使用しておくと、ペース
ト状物の乾燥及び固化を容易に実施することができる。
本発明による表面処理された磁性粒子は、特に、磁気記
録媒体の磁性層のための磁性塗料の調製に有利に使用す
ることができる。これは、本発明の磁性粒子が、分散性
に優れ、また、その結果として、角形比などの磁気特性
を向上させ、したがって電磁変換特性を向上させるから
である。また、この磁性粒子は、潤滑剤として高級脂肪
酸又はそのエステルを使用する場合に、それらの潤滑剤
化合物が磁性粒子表面と相互作用しにくくなるような機
能を奏すので、潤滑剤がその潤滑機能を十分に発揮で
き、形成される磁性層の摩擦係数を低下させ、よって耐
久性を向上させることができるからである。また、この
磁性粒子では、磁性層の可塑化も引き起こされないの
で、それによる弊害、例えば、記録媒体の走行時におけ
る磁性粒子のエッジ折れや、ヘッド当たりの不良に原因
する電磁変換特性の低下といった不都合も回避すること
ができる。さらにまた、この磁性粒子では、磁性塗料の
粘度の上昇もないので、従来の塗布方法を使用して、均
一で特性に優れた磁性層を形成することができる。さら
にまた、この磁性粒子を磁性層中で使用すると、磁性層
表面において低い摩擦係数を得ることができ、磁気記録
媒体の耐久性を改善することができる。
【0022】本発明により提供される磁気記録媒体は、
前記したように、結合剤と、該結合剤中に分散せしめら
れた磁性粒子とを含む磁性層を備えていて、前記磁性層
がさらに、三ハロゲン化硼素又はその錯体を含んでい
る。本発明の磁気記録媒体は、その使用目的に応じてい
ろいろな形態をとることができる。本発明の実施におい
て適当な形態は、例えば、磁気テープ、磁気フィルム、
磁気カード、ビデオテープ、フロッピィディスク、その
他の形態である。
【0023】また、磁性層中に含まれるべき三ハロゲン
化硼素又はその錯体は、磁性層中においていろいろな形
で存在することができ、例えば、磁性層中に単に分散せ
しめられていてもよく、さもなければ、磁性層中の磁性
粒子を被覆していてもよい。しかし、三ハロゲン化硼素
又はその錯体は、好ましくは、磁性粒子のための表面処
理剤又は分散剤として用いられるので、すでに説明した
ように、磁性粒子の少なくとも表面領域に吸着せしめる
のが有利である。なお、三ハロゲン化硼素又はその錯体
の吸着について、詳しくは先の説明を参照されたい。
【0024】三ハロゲン化硼素又はその錯体は、磁性層
中においていろいろな量で含まれる。しかし、通常、磁
性粒子100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
で含まれることが好ましい。この三ハロゲン化硼素又は
その錯体の含有量は、もしもそれが0.1重量部を下回
ると、磁性面の摩擦係数を小さくすることができない恐
れがあり、また、もしも10重量部を上回ると、磁性粒
子の表面と結合剤の親和力が過度に低下し、磁性粒子の
分散性の低下を招く恐れがある。また、磁性層中に含ま
れる三ハロゲン化硼素又はその錯体の量が多すぎて、磁
性粒子に吸着されないものが増えすぎると、結合剤を化
学変化させ、磁性粒子の分散性を低下させ、ひいては磁
性面の表面粗さの劣化、磁性層の弾性率の低下などを生
じさせる恐れもある。三ハロゲン化硼素又はその錯体の
含有量は、さらに好適には、1.0〜5.0重量部の範
囲、特に好適には、1.5〜3.5重量部の範囲であ
る。このような含有量の範囲であれば、磁性面の摩擦係
数を小さくするとともに、その小さな値を長期間にわた
って安定に保つことができる。
【0025】磁気記録媒体の磁性層は、この技術分野に
おいてバインダ又はバインダレジンとも呼ばれるところ
の結合剤を含有する。本発明の実施において使用するこ
とのできる結合剤は、この技術分野において一般的に用
いられているものであり、その好ましい一例を示すと、
ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、
酢酸ビニル樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポ
リビニルブチラールなど)、エポキシ樹脂、フェノキシ
樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、その他である。これらの結合剤樹脂は、単独
で使用してもよく、必要に応じて、2種類もしくはそれ
以上の樹脂を混合して使用してもよい。また、これらの
結合剤樹脂に、イソシアネート化合物、エポキシ化合
物、アミン化合物等の常用の架橋剤を組み合わせて使用
することもできる。さらにまた、上記のような結合剤樹
脂と放射線架橋可能な樹脂とを組み合わせて使用するこ
ともできる。
【0026】磁性層中に含まれるべき結合剤は、好適に
は、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、そしてイソシアネ
ート化合物を含む樹脂組成物である。かかる樹脂組成物
は、特に、磁性粒子の分散性及び分散安定性に優れてい
る。また、この樹脂組成物は、磁性層の引っ張り強度
(ヤング率)を十分に高くすることができるので、磁性
面の摩擦係数を低く保つことも容易である。ここで、樹
脂組成物中に含まれるウレタン樹脂及び塩化ビニル樹脂
の比率は、好適には、8:2〜2:8の範囲、特に好適
には7:3〜3:7の範囲である。
【0027】上記した結合剤樹脂は、磁性層中における
磁性粒子の分散を助けるために、スルホン酸又はその金
属塩の基、カルボン酸又はその金属塩の基、燐酸又はそ
のエステルもしくは金属塩の基、アミノ基、アミド基、
第4級アンモニウム塩の基、カルボベタイン基、スルホ
ベタイン基等の親水性基、その他を、その樹脂の分子の
末端基としてもしくは側鎖として、含有するのが好適で
ある。
【0028】磁性層の結合剤中には、磁性粒子が分散せ
しめられる。磁性粒子は、先に詳細に説明したように、
磁性塗料及び磁気記録媒体の調製において常用されてい
るものであることができ、そして好適な磁性粒子は、強
磁性金属粒子である。磁性粒子は、通常、磁性層中の含
有量で示して、40重量%以上、好適には50重量%以
上である。なお、かかる磁性粒子について、重複を避け
るため、ここでの詳細な説明を省略することにする。
【0029】磁気記録媒体の磁性層は、上記した結合
剤、磁性粒子、そして三ハロゲン化硼素又はその錯体に
加えて、この技術分野において一般的に用いられている
添加剤を必要に応じて含有することができる。適当な添
加剤としては、例えば、潤滑剤、帯電防止剤、研磨剤、
分散剤、可塑剤、防黴剤、酸化防止剤などを挙げること
ができる。また、結合剤と磁性粒子を混合して磁性層形
成のための磁性塗料を調製するために、多量の溶剤、例
えばトルエン、メチルエチルケトン等を使用する。
【0030】潤滑剤は、磁気テープ等の磁気記録媒体の
摩擦係数を下げてその走行性を良くするためのものであ
る。潤滑剤として適当な材料は、この技術分野において
通常用いられているもの、好ましくは、その分子内に親
水性基を含有する化合物、例えば高級脂肪酸、高級脂肪
酸エステル、高級脂肪族アミンなどである。一例を示す
と、高級脂肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリ
スチン酸等の常温(約25℃)で固体の脂肪酸を包含す
る。このような親水性基含有化合物は、磁性面において
十分な量で存在せしめられる場合、摩擦係数を低く保つ
効果に優れている。
【0031】潤滑剤として、上記した化合物に、常温に
おいて液体の状態にある潤滑剤も併用することができ
る。適当な液状潤滑剤は、例えば、脂肪酸エステル、不
飽和脂肪酸、側鎖を有する脂肪酸、シリコーンオイル、
パラフィンオイル、フッ素オイルなどである。以上に列
挙した潤滑剤は、単独で使用してもよく、さもなけれ
ば、2種類もしくはそれ以上を混合して使用してもよ
い。潤滑剤の含有量は、通常、磁性粒子100重量部に
対して0.1〜10重量部の範囲であり、好適には1〜
5重量部の範囲である。
【0032】潤滑剤は、磁気記録媒体の製造の任意の段
階で磁性層に含ませることができる。例えば、磁性塗料
の調製中にその塗料に直接に添加して、その後で磁性塗
料の塗布により磁性層を形成してもよい。また、磁性層
を形成した後、潤滑剤を含む塗布液を磁性面に塗布して
もよい。帯電防止剤は、磁気記録媒体の使用中にその媒
体が摩擦により帯電して空気中に浮遊しているゴミを吸
着し、ノイズ、ドロップアウト等の原因となるのを防止
するためのものである。帯電防止剤としては、この技術
分野で一般的に行われているように、例えば、界面活性
剤、カーボンブラック、グラファイトなどを使用するこ
とができる。
【0033】研磨剤は、磁気ヘッドを少しずつ研磨し
て、磁気記録媒体の耐摩耗性等を向上させるためのもの
である。研磨剤としては、この技術分野で一般的に行わ
れているように、例えば、酸化クロム、アルミナ、チタ
ニアなどの高硬度微粉末を使用することができる。分散
剤は、先にも説明したように、磁性塗料を調製する際に
磁性粒子の結合剤中への分散を改良するためのものであ
る。分散剤としては、この技術分野で一般的に行われて
いるように、例えば、レシチン、界面活性剤などを使用
することができる。
【0034】このような各種の添加剤を含む磁性層は、
磁気記録媒体の形成のため、通常、支持体上に塗布等に
より施される。ここで使用する支持体は、好ましくは非
磁性の支持体である。かかる支持体は、磁気記録媒体の
使途等の各種のファクタに応じていろいろな厚さ及び形
状を有することができる。例えば、磁気記録媒体が磁気
テープの場合、その支持体は薄いテープの形とすること
ができ、また、磁気ディスクの場合、その支持体は比較
的に厚いディスクの形とすることができる。すなわち、
支持体は、薄いものから厚いものまでを包含し、例えば
フィルム状の支持体で通常約3〜100μm の厚さであ
り、また、長尺物であってもよく、矩形物であってもよ
く、あるいは円板状物であってもよい。
【0035】このような支持体に適当な材料は、紙、プ
ラスチック、ガラス、セラミック、そして非磁性金属で
ある。特に適当な支持体材料は、プラスチック材料、例
えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチ
レンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
エーテルケトン、ポリエーテルエステル、ポリエーテル
サルフォン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポ
リアクリレートなどである。これらの支持体材料は、必
要に応じて、その上に積層された非磁性金属又はセラミ
ックの薄い層を有していてもよい。
【0036】磁性層は、好ましくは、以下に説明するよ
うに、磁性塗料を支持体上に塗布することによって調製
することができる。磁性塗料は、先にも説明したよう
に、磁性粒子及びその他の磁性層形成性成分を適当な溶
剤中で均一に分散させることによって調製することがで
きる。この磁性塗料の調製において、磁性層形成性成分
を溶剤に添加する順序は、いろいろに組み合わせること
ができる。例えば、結合剤を溶剤に溶解して得た溶液に
磁性粒子を添加し、また、この添加と同時かもしくは別
に、その他の磁性層形成性成分を添加し、十分に混合及
び混練する。磁性粒子を、破損させることなく、結合剤
中に均一に分散させることが重要である。磁性粒子を分
散させるための装置は、いろいろの種類のものが公知で
ある。本発明の実施において有利に使用することのでき
る分散装置は、例えば、ボールミル、サンドミル等のミ
ル類、ニーダー、プラネタリーミキサー、エクストルー
ダー、ホモジナイザー、アトライター、その他である。
【0037】磁性塗料の調製後、得られた塗料を常用の
塗布装置を使用して適当な支持体材料上に被覆する。こ
こで使用する支持体材料は、その上方に被覆を有してい
なくてもよく、支持体に対する磁性層の付着を改良する
ために、適当な被覆を有していてもよい。本発明の実施
において有利に使用することのできる塗布装置は、例え
ば、エアドクタコーター、ブレードコーター、エアナイ
フコーター、スクイズコーター、リバースロールコータ
ー、グラビアコーター、キスコーター、スプレーコータ
ー、ダイコーター、その他である。また、磁気記録媒体
が磁気ディスクのような場合には、例えば、スピンコー
ターを有利に使用することができる。
【0038】上記した磁性層は、通常、製造工程の簡略
化等のため、単層として設けるのがた便利である。しか
し、必要に応じて、2層もしくはそれ以上の同一もしく
は異なる層から磁性層を構成してもよい。磁性層の厚さ
は、磁気記録媒体の使途、磁性粒子の大きさ、成膜方法
等の各種のファクタに応じていろいろに変更することが
できる。磁性層の厚さは、通常、約0.1〜5μm の範
囲であるのが好ましい。
【0039】磁性層の形成後、必要に応じて、その磁性
面を平滑化するなどの追加の工程を実施する。また、磁
気テープなどの製造の場合には、テープ原反を所定の幅
のテープに細断するための細断工程を追加する。このよ
うな追加の工程はいずれも、従来の技法に従って実施す
ることができる。本発明による磁気記録媒体は、必要に
応じて、上記した磁性層に加えて追加の層を支持体上に
有していてもよい。例えば、支持体と磁性層の中間に、
支持体に対する磁性層の接合力の向上、磁性層の帯電防
止等の目的のため、下塗り層(アンダーコートともい
う)を設けてもよい。下塗り層として適当な材料は、例
えば、二酸化チタン、酸化錫、アルファ酸化鉄、カーボ
ンブラック等である。これらの材料の微粉末を上記した
磁性層の場合と同様に、適当な結合剤中に分散させて塗
布し、下塗り層とすることができる。下塗り層の厚さ
は、通常、約0.1〜5μm の範囲であるのが好まし
い。また、上記した下塗り層と同様な層を、バックコー
ト層として、支持体の磁性層とは反対側の面に設けても
よい。バックコート層の厚さは、通常、約0.1〜5μ
m の範囲であるのが好ましい。
【0040】
【作用】本発明において磁性粒子の表面処理に用いられ
る三ハロゲン化硼素又はその錯体は、次のような作用を
奏することができる。 1.磁性粒子の表面に吸着せしめられるので、磁性層の
形成のために例えば高級脂肪酸等の親水性基含有化合物
を潤滑剤として使用する場合、そのような潤滑剤が磁性
粒子の表面に吸着されるのを抑制することができ、よっ
て、潤滑剤を磁性層内に適切に保持するとともに、磁気
記録媒体の使用時に、磁性層の内部から磁性面に有利に
供給することができる。さらに、潤滑剤が磁性面に供給
されるので、磁性面の摩擦係数を低下させ、ひいては磁
気記録媒体の耐久性を向上させることができる。
【0041】2.従来の表面処理剤、分散剤、カプリン
グ剤等の表面処理試薬に比較して、磁性粒子の表面に吸
着される時の吸着力が比較的に強いので、極めて短い処
理時間で磁性粒子の表面処理を完了することができる。 3.分散剤やカプリング剤とは異なって、嵩高い疎水性
基を有していないので、磁性層中での磁性粒子表面と結
合剤との結合を妨げることがなく、よって、磁性層の弾
性率を低下させない。
【0042】さらにまた、本発明者の知見によれば、磁
性層の磁性粒子において、それらの粒子の層内における
分散性を低下させたり、形成される磁性層の耐久性を低
下させるのは、磁性粒子の表面部位に存在するある種の
塩基点である。かかる塩基点の悪影響を排除するため、
適当な酸を用いて塩基点を中和することが適当であると
考えられる。しかし、ここで塩基点の中和に使用する酸
が、いわゆるプロトン酸であると、その共役の塩基が金
属塩を形成するので好ましくなく、また、その酸の強度
(酸度)がことさら大きかったり小さかったりすると、
中和の効果が十分とはならない。これに対して、本発明
においては、磁性粒子の表面処理のために、三ハロゲン
化硼素又はその錯体を使用する。かかる化合物は、非プ
ロトン性のルイス酸であるので、上記した塩基点に作用
しても、塩基である対イオンを生成することがなく、ま
た、そのような対イオンと磁性粒子表面の金属イオンと
の反応により金属塩を生成することもなく、また、その
ような金属塩の存在が原因となる諸問題、例えば磁性面
の表面粗さの低下、記録エラーの発生等、を生じる危険
もない。
【0043】
【実施例】以下、本発明をそのいくつかの例を参照して
詳細に説明する。なお、以下の例では特にビデオテープ
を参照して本発明の磁気記録媒体を説明するけれども、
本発明の磁気記録媒体は以下に記載する例に限定される
ものではないことを理解されたい。
【0044】例1 ビデオテープの調製 磁性層形成性成分として下記の物質を記載の量で使用し
て、ビデオテープを調製した。 メタル磁性粉(α−Fe、BET比表面積=53m2/g) 100重量部 BF3 OEt2 (三弗化硼素・ジエチルエーテル錯体) 1.78重量部 THF(テトラヒドロフラン) 5重量部 ポリウレタン溶液(東洋紡社製のUR−5537、 30.8重量部 メチルエチルケトン/トルエン=50/50中の 30%溶液) 塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂溶液(日本ゼオン社製の 30.8重量部 MR−113、ホルムアルデヒド中の30%溶液) シクロヘキサノン 2.21重量部 アルミナ粉(ノートン社製のE−600) 12重量部 MEK(メチルエチルケトン) 130重量部 トルエン 47重量部 BF3 OEt2 の26%THF溶液をシクロヘキサノンに
添加し、BF3 OEt2が1.78重量部の量で含まれる
ように調整した。得られた溶液に、窒素ガスのパージ下
に、100重量部のメタル磁性粉を添加した。得られた
混合物をプラネタリーミキサー中で10分間混合し、そ
の後、ポリウレタン溶液及び塩化ビニル−酢酸ビニル樹
脂溶液を添加し、そして少量のシクロヘキサノンを添加
して固形分含有量が65%となるように調整した。引き
続いて2時間にわたって混練し、12重量部のアルミナ
粉を添加し、さらにメチルエチルケトンとトルエンで希
釈して固形分含有量が33%となるように調整した。得
られた混合物をサンドミル中で混合して磁性塗料を得
た。
【0045】得られた磁性塗料に2.8重量部の脂肪酸
混合物(ミリスチン酸:ステアリン酸=8/2)、1.
0重量部のブチルステアレート及び5重量部のイソシア
ネート溶液(住友バイエルウレタン社製のSBU−08
56)を添加した後、厚さ10μm のベースフィルム
(東レ株式会社製のPETフィルム、V−481X1
上にグラビアコーターで塗布した。磁性塗膜を乾燥した
後、カレンダリング処理し、そしてスリッターで幅1/
2インチ(約1.27cm)のテープに細断した。カレン
ダリング処理後の磁性塗膜の厚さが2.5μm である目
的とするビデオテープが得られた。比較例1 BF3 OEt2 不含のビデオテープの調製 前記例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、比較のため、表面処理剤としてのBF3 OEt2 の使
用を省略した。得られたビデオテープは、前記例1のそ
れと同様に、PET支持体の厚さは10μm 、磁性層の
膜厚は2.5μmであった。例2 ビデオテープの評価試験 前記例1及び比較例1において調製したビデオテープ
を、摩擦係数μk (10パス及び100パス)、角形比
Rs 、スチルライフ、磁性層の弾性率及び磁性面のRM
S表面粗さに関して試験した。使用した試験の条件は、
次の通りである。 1.摩擦係数μk 供試ビデオテープを、ステンレスピン上で、ラップ角9
0°及びインテンション53.5gで5cmの距離を往復
させた。10パス後及び100パス後のそれぞれについ
て摩擦係数μk を測定した。 2.角形比Rs 供試ビデオテープの磁気特性を東英工業社製の振動試験
磁束計(VSM)を用いて常法に従い測定した。 3.スチルライフ 供試ビデオテープを市販のビデオデッキを用いてスチル
再生し、測定されるRF出力が初期出力より6dB減衰
するまでの時間(hr)を測定した。 4.磁性層の弾性率 供試ビデオテープの磁性面の弾性率を市販のテンシロン
引っ張り試験機を用いて常法に従い測定した。 5.磁性面のRMS表面粗さ 供試ビデオテープの磁性面のRMS表面粗さをWyco
社製の表面粗さ測定装置「TPO 3D」を用いて常法
に従い測定した。
【0046】得られた測定結果を次の第1表に示す。 第1表 評価項目 例1 比較例1 摩擦係数μk 0.20 0.30 (10パス) 摩擦係数μk 0.20 0.30 (100パス) 角形比Rs 0.866 0.842 スチルライフ 40時間以上 14時間 磁性層の弾性率 8.1×1010 8.0×1010 (dyn /cm2 ) 磁性面のRMS 9.5 11.5表面粗さ(nm) 上記第1表に記載の結果から理解されるように、本発明
のビデオテープでは、磁性粒子の分散性を損なうことな
く、摩擦係数を低く保ちつつ、耐久性を向上させること
が可能である。なお、磁性粒子の分散性が良好なことは
角形比が比較例1のそれと同等以上であることから立証
され、また、耐久性に優れることは長時間のスチルライ
フから立証される。さらに、本発明のビデオテープで
は、磁性層において可塑化が生じないことが弾性率の評
価結果から、また、十分に平滑な磁性面が得られること
がRMS表面粗さの評価結果から、それぞれ立証され
る。比較例2〜比較例5 BF3 OEt2 不含のビデオテープの調製 前記例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、比較のため、表面処理剤としてのBF3 OEt2 の使
用を省略し、その代わりとして、以下に記載する表面処
理剤を同量で使用した。得られたビデオテープは、それ
ぞれの比較例において、前記例1のそれと同様に、PE
T支持体の厚さは10μm 、磁性層の膜厚は2.5μm
であった。 使用した表面処理剤: 比較例2−安息香酸 比較例3−ベンゼンスルホン酸 比較例4−燐酸エステル(スリーエム社製のPOCA
II) 比較例5−シランカプリング剤(東芝シリコーン社製の
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) それぞれのビデオテープを、摩擦係数μk (10パス及
び100パス)及びスチルライフに関して試験した。使
用した試験の条件は、前記例2に記載のものに同一であ
った。得られた測定結果を次の第2表に示す。 第2表 評価項目 比較例2 比較例3 比較例4 比較例5 摩擦係数μk 0.30 0.26 0.26 0.28 (10パス) 摩擦係数μk 0.30 0.27 0.26 0.28 (100パス)スチルライフ 14時間 18時間 20時間 16時間 上記第2表に記載の結果を前記第1表に記載の結果と比
較するに、従来の表面処理剤は、摩擦係数を低くする効
果に乏しく、耐久性を向上させることができないことが
理解される。例3〜例5 BF3 OEt2 を異なる量で含有するビデオテープの調製 前記例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、表面処理剤として使用するBF3 OEt2 の量を、
1.0重量部(例3)、2.0重量部(例4)又は5.
0重量部(例5)にそれぞれ変更した。得られたビデオ
テープは、前記例1のそれと同様に、PET支持体の厚
さは10μm 、磁性層の膜厚は2.5μm であった。
【0047】それぞれのビデオテープを、摩擦係数μk
(10パス、100パス及び300パス)に関して試験
した。使用した試験の条件は、前記例2に記載のものに
同一であった。得られた測定結果を次の第3表に示す。 第3表 評価項目 例3 例4 例5 摩擦係数μk 0.23 0.20 0.25 (10パス) 摩擦係数μk 0.22 0.20 0.23 (100パス) 摩擦係数μk 0.23 0.20 0.22 (300パス) 上記第3表に記載の結果から理解されるように、本例の
場合でも、前記例1に記載のものと同様な満足し得るビ
デオテープが得られた。例6〜例9 脂肪酸を異なる量で含有するビデオテープの調製 表面処理剤として使用するBF3 OEt2 の量を2.0重
量部に変更した前記例4に記載の手法を繰り返した。し
かし、本例では、潤滑剤として使用する脂肪酸の量を
0.5重量部(例6)、1.0重量部(例7)、2.0
重量部(例8)又は3.0重量部(例9)に変更した。
得られたビデオテープは、前記例4のそれと同様に、P
ET支持体の厚さは10μm 、磁性層の膜厚は2.5μ
m であった。
【0048】それぞれのビデオテープを、摩擦係数μk
(100パス)に関して試験した。使用した試験の条件
は、前記例2に記載のものに同一であった。得られた測
定結果を下記の第4表に示す。比較例6〜比較例9 BF3 OEt2 不含のビデオテープの調製 前記例6〜例9に記載の手法を繰り返した。しかし、本
例では、比較のため、表面処理剤としてのBF3 OEt2
の使用を省略した。潤滑剤として使用する脂肪酸の量
は、前記の例と同様に、0.5重量部(比較例6)、
1.0重量部(比較例7)、2.0重量部(比較例8)
又は3.0重量部(比較例9)であった。得られたビデ
オテープは、それぞれの比較例において、前記例のそれ
と同様に、PET支持体の厚さは10μm 、磁性層の膜
厚は2.5μm であった。
【0049】それぞれのビデオテープを、摩擦係数μk
(100パス)に関して試験した。使用した試験の条件
は、前記例2に記載のものに同一であった。得られた測
定結果を次の第4表に示す。 第4表 評価項目 例6 例7 例8 例9 摩擦係数μk 0.25 0.21 0.20 0.20 (100パス) 評価項目 比較例6 比較例7 比較例8 比較例9 摩擦係数μk 0.35 0.31 0.30 0.30(100パス) 上記第4表に記載の結果から理解されるように、潤滑剤
の添加量を増大することよりも、本発明に従ってBF3
OEt2 を添加したことのほうが、摩擦係数の低下の効果
が顕著である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特に磁気記録媒体の磁性層の製造に使用する場合に、分
散性に優れた磁性粒子が得られる。この磁性粒子は、分
散性の向上の帰結として、角形比などの磁気特性を向上
させ、したがって電磁変換特性を向上させる。しかも、
潤滑剤として高級脂肪酸又はそのエステルを使用する場
合に、それらの潤滑剤化合物が磁性粒子表面と相互作用
しにくくなることの帰結として、潤滑剤がその潤滑機能
を十分に発揮でき、形成される磁性層の摩擦係数を低下
させ、よって耐久性を向上させることができる。また、
この磁性粒子では、磁性層の可塑化も引き起こされない
ので、それによる弊害、例えば、記録媒体の走行時にお
ける磁性粒子のエッジ折れや、ヘッド当たりの不良に原
因する電磁変換特性の低下といった不都合も回避するこ
とができる。さらにまた、この磁性粒子では、磁性塗料
の粘度の上昇もないので、従来の塗布方法を使用して、
均一で特性に優れた磁性層を形成することができる。
【0051】さらに、本発明によれば、上記のような優
れた磁性粒子を使用することにより、磁性層表面におい
て低い摩擦係数を呈示し、優れた磁気記録特性及び耐久
性を有する磁気記録媒体を提供することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粒子と、該磁性粒子の少なくとも表
    面領域に吸着せしめられた三ハロゲン化硼素又はその錯
    体とを含んでなることを特徴とする表面処理された磁性
    粒子。
  2. 【請求項2】 前記三ハロゲン化硼素又はその錯体が三
    弗化硼素又はその錯体であることを特徴とする、請求項
    1に記載の磁性粒子。
  3. 【請求項3】 磁性粒子と、三ハロゲン化硼素又はその
    錯体を含む処理液とを接触せしめることにより製造され
    たものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載
    の磁性粒子。
  4. 【請求項4】 前記処理液が、電子供与性溶媒中に溶解
    せしめられた三ハロゲン化硼素又はその錯体の溶液であ
    ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の磁性粒子。
  5. 【請求項5】 磁性塗料の調製に用いられることを特徴
    とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁性粒
    子。
  6. 【請求項6】 結合剤と、該結合剤中に分散せしめられ
    た磁性粒子とを含む磁性層を備えてなる磁気記録媒体に
    おいて、前記磁性層がさらに、三ハロゲン化硼素又はそ
    の錯体を含んでなることを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記三ハロゲン化硼素又はその錯体が前
    記磁性粒子の少なくとも表面領域に吸着せしめられてい
    ることを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記三ハロゲン化硼素又はその錯体が前
    記磁性粒子100重量部に対して0.1〜10重量部の
    範囲で含まれることを特徴とする、請求項6又は7に記
    載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記三ハロゲン化硼素又はその錯体が三
    弗化硼素又はその錯体であることを特徴とする、請求項
    6〜8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記磁性粒子が強磁性金属粒子である
    ことを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載
    の磁気記録媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003242625A (ja) * 2002-02-18 2003-08-29 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体

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