JPH08336851A - 発泡ポリスチレン成形体の製造方法 - Google Patents

発泡ポリスチレン成形体の製造方法

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JPH08336851A
JPH08336851A JP7143608A JP14360895A JPH08336851A JP H08336851 A JPH08336851 A JP H08336851A JP 7143608 A JP7143608 A JP 7143608A JP 14360895 A JP14360895 A JP 14360895A JP H08336851 A JPH08336851 A JP H08336851A
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expanded polystyrene
cut
molded article
foam
molding
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JP7143608A
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Hiroshi Watabe
浩 渡部
Takasuke Kameda
貴介 亀田
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Dow Kakoh KK
Original Assignee
Dow Kakoh KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 古い畳床材や建築用壁材など厚みの大きく、
また発泡剤が抜け空気に置換されて再発泡能力が小さい
使用済の発泡ポリスチレン成形品を再利用できるように
する。 【構成】 特に使用済の押出発泡ポリスチレン成形品を
最小寸法が1cmを越えかつ体積が1.0〜40cm3 の角
状小片に裁断し、得られた発泡ポリスチレン角状小片を
成形金型に充填し、発泡成形して発泡ポリスチレン成形
体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡ポリスチレン成形
体の製造方法に関する。特に、使用済みのポリスチレン
系押出発泡成形品の再利用に係わる。
【0002】
【従来の技術】近年、スチレン系合成樹脂発泡体は食品
包装容器、家電製品・精密機器等の輸送時の緩衝梱包
材、住宅等の建築物の断熱材あるいは畳床の芯材などと
して広範囲に亘り使用されている。スチレン系合成樹脂
発泡体には、ビーズ発泡成形法によるものと押出発泡成
形法によるものとがある。前者では、ブタンなどの発泡
剤を含浸した直径1mm程度のポリスチレンの球状のビー
ズを蒸気で予備発泡し、熟成した後、この予備発泡され
たビーズを小孔を有する所望形状の金型に充填した後、
再度スチームにより加熱して二次発泡させると同時に融
着一体化させる方法である。一方、後者の方法は、高温
高圧下で原料のポリスチレンにブタン、フロンなどの発
泡剤を押出機中で混合し低圧帯に押出す方法である。
【0003】一方、これら各種用途において使用後に発
生する廃プラスチックは発泡体であるために嵩が大きく
なり、廃棄物としての処理が難しく世界的な環境問題を
引き起こしている。また、限られた資源の使い捨てとし
て次第に大きな社会問題となり、再利用技術の開発が急
務となりつつある。スチレン系合成樹脂発泡体の再利用
の方法として下記の開示がある。
【0004】(1)特開平4−348913号公報は発
泡成形品から粉砕品としたものを原料として型内で再成
形する方法とそれから得られる発泡プラスチック成形品
を開示している。実質融着率は10%以下で、見かけ融
着率は10%以上、低融着率であることを利用しての排
水材として利用できるとしている。 (2)特開平4−276432号公報はポリスチレン樹
脂の発泡成形体を小片に粉砕し、この小片にバインダを
添加して型内成形する方法およびそれから得られる成形
体を開示している。
【0005】(3)特開平4−278334号公報は粉
砕小片をバインダーを用いて成形しこれを芯体とし、こ
の成形芯体の周辺を新たな発泡ポリスチレンで囲うこと
による成形体の製造方法を開示している。 (4)特開平4−108834号公報は発泡スチロール
成形品を細片状に裁断しこれを加圧気体下に保持して再
度発泡性を付与した後これを金型に充填し成形すること
により、梱包材、断熱材として再利用することを開示し
ている。
【0006】(5)特開平7−88876号公報はシー
ト状の熱可塑性樹脂発泡成形体を気泡破壊させることな
く裁断して裁断粒子となし、該裁断粒子を成形型に充填
して発泡成形するか、該裁断粒子を予備発泡し、熟成し
た後、成形型に充填して発泡成形する発泡成形方法を開
示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の成形品は
低融着のため、脆い、機械的・物理的強度が弱い、外観
が悪いという欠点があり、したがって、排水材以外の他
の用途展開は制限される。(2)の方法では、粉砕品だ
けでは、融着が悪いのでバインダーを使っているため、
コストアップの原因となり、また外観の悪さは改善され
ない。
【0008】(3)の方法はプロセスが複雑であり、ま
たコストアップの欠点がある。そこで、本願発明は、使
用済みの発泡成形品を再成形して融着率の高い優れた品
質の成形品を得、ポリスチレン発泡製品の再利用を有効
に図ることを主たる目的とする。老成したスチレン系発
泡粒子をスチーム等で加熱した時再膨張する理由は、気
泡内に閉じ込められたガスの膨張と気泡内に侵入する水
蒸気により気泡内圧力が高まる為とされている。従っ
て、再膨張せしめる為に発泡粒子の独立気泡構造は必要
欠くべからざる条件である。
【0009】一方、通常、発泡プラスチック等の廃棄物
の回収に使用されるロータリーカッター方式の粉砕機で
得られる粉砕粒子は同装置内で激しい、剪断と摩擦によ
ってひきちぎられ、圧潰され半ば溶融し、独立気泡構造
を破壊された、従って密度の高い粒子と、かろうじて独
立気泡構造を有してはいるが大きさ、形の不揃いな発泡
体細片の混合物である。
【0010】このような粉砕粒子を所望の金型に充填し
スチームにより加熱しても、再膨張能力を示すのは独立
気泡構造を保持している細片のみであり、従って粒子間
の空隙を満たすに充分な膨張は得られず、あるいは膨張
したとしてもその膨張は成形体の局部に限られるため
に、得られる発泡成形体の性状は粗悪なものである。更
に、上記粉砕粒子の大きさと形の不揃いはこれを所望の
金型に充填した際、空隙の増大をもたらし、これは上記
粉砕粒子の限られた再膨張能力では埋め難い。
【0011】従って、(1)〜(3)の方法により粒子
間融着のすぐれた発泡成形体は得られない。(4)の方
法は再膨張能力の乏しいポリスチレンビーズ成形品を独
立気泡を維持して裁断した小片を加圧気体下に保持する
ことによりその気泡内に気体を滲透せしめて加圧しこれ
によって再膨張能力を生み出すことが特徴である。これ
は同様に再膨張能力のないポリオレフィン系ビーズの成
形時に実用化されている技術の流れを汲むものである。
密度の小さい発泡体を裁断し小片にした時の見掛密度は
更に低下し、非常に董ばったものとなる。従ってこれを
加圧容器に充填し、加圧下に保持する為の容器は大きな
ものとならざるを得ず処理コストの増大はさけられな
い。
【0012】(5)の方法は使用済みの魚介類、食品包
装容器としてのトレイ等、薄肉の発泡ポリスチレンシー
トのリサイクルを目的とし、シート状の気泡構造を破壊
しないように裁断し、これを直ちに成形用金型に充填し
て発泡成形するか、又は該裁断粒子を予備発泡せしめた
後金型に充填し発泡成形することを提案している。独立
気泡構造を破壊しないように裁断する為にはシートの厚
みは0.01mm〜10mm、好ましくは0.05mm〜5mm
のものが好適に使用出来るとしている。(実施例1では
厚み1.3mmのシートを幅5mm長さ10mmに裁断しこれ
を金型に充填して発泡成して良好な成形体を得る一方、
比較例1では厚み2.35mmのシートでは発泡が不十分
とされている。) 我々が、リサイクルしようとする使用済みの古い畳床か
ら回収される押出発泡ポリスチレンフオームは10mm以
上、通常15mm以上の厚みを有して居り、一度10mm以
下にスライス加工しなければこの方法は応用出来ない。
また、後に詳細に述べるように我々がリサイクルしよう
とする発泡体を2〜3mmにスライスした場合、スライス
した表面を形成する大気に開口した気泡の量が大半を占
めることになり極く限られた発泡(膨張)能力しか得ら
れない。これに対しポリスチレンフオームシートはシー
トの表裏が閉鎖された気泡によって構成されていること
を巧みに利用し、厚み1.3mm、巾5mm、長さ10mmの
ように偏平な形に裁断することによって大気に開口した
気泡を極力少くすることによって発泡成形を可能にした
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如
く、使用済の発泡ポリスチレン成形品、特に古い畳床材
や建築用壁材など厚みの大きい発泡ポリスチレン成形品
で、しかも発泡剤が抜けて再発泡能力が小さい使用済の
発泡ポリスチレン成形品を再利用できるようにすること
を目的として鋭意検討した結果、使用済の発泡ポリスチ
レン成形品を再利用する場合には、発泡ポリスチレン成
形品を小片化する際に気泡が破壊されること、特に小片
の表面の気泡は必ず破壊されるので、小片化すればする
程その比表面積が増大して破壊される気泡の相対量が増
大すること、しかし、破断面の気泡破壊が少ないように
発泡ポリスチレン成形品を裁断すると共に、裁断した小
片の寸法を所定の大きさにして比表面積を小さくする
と、たとえ使用済の発泡ポリスチレン成形品の厚みが大
きくまた使用済の発泡ポリスチレン成形品中の発泡剤の
殆どが抜けて空気に置換している場合でも、再度発泡さ
せて発泡ポリスチレン成形品を再利用するのに充分な発
泡能力を保有することを見出し、本発明を完成したもの
である。
【0014】こうして、本発明によれば、最小寸法が1
cmを越えかつ体積が1.0〜40cm 3 、好ましくは1.
5〜30cm3 になるように裁断した発泡ポリスチレンの
角状小片(好適には立方体または直方体)を成形金型に
充填し、発泡成形することを特徴とする発泡ポリスチレ
ン成形体の製造方法が提供される。本発明で用いる発泡
ポリスチレンの角状小片は、最小寸法が1cmを越えかつ
体積が1.0〜40cm3 である必要がある。上記の如
く、体積が1.0cm3 超の大きさを持つことにより、た
とえ気泡内に発泡剤を含まず空気のみを含む発泡ポリス
チレン小片でも、金型内で充分な発泡倍率を持つことが
できることを見出した。しかし、体積を大きくしても最
小寸法を1cm以下に小さくすると、比表面積が不所望に
増大して所望の効果を得ることが難しくなるので、本発
明では角状小片の最小寸法は1cmを越えるようにする。
また、小片の体積が大きくなりすぎると、発泡させるた
めに必要な水蒸気暴露時間が長くなり、発泡成形後に収
縮が激しくなるので好ましくない。従って、最小寸法が
1cmを越えかつ体積が1.0〜40cm3 がよく、より好
ましい体積は1.5〜30cm3 である。
【0015】前記の如く、この発泡ポリスチレン角状小
片としては、特に、使用済の板状押出発泡ポリスチレン
成形体を裁断したものを使用するものである。またその
押出発泡ポリスチレン成形体は、押出時に使用した発泡
剤(特に、プロパン、ブタン、メチルクロライド、エチ
ルクロライド、HCFC−22、HCFC−141b、
炭酸ガスなど)が殆ど失われ空気が気泡内の主成分をな
す迄に製造時より時間経過した押出発泡ポリスチレン成
形体であることができる。勿論、発泡剤が残っていても
問題ではない。さらに発泡剤が実質的に残っている発泡
ポリスチレン成形体を裁断して得た角状小片にも適用で
きる。特にポリスチレンの透過速度の小さい発泡剤、例
えば、フロン、isoブタン、ペンタンなどは気泡中に
残存し易い。また、使用済の発泡ポリスチレン成形体か
ら得られた角型小片のほか、新鮮な発泡ポリスチレン成
形体から得た角型小片をも用いることを排除するわけで
はない。この場合、混合して用いることもできる。
【0016】本発明の発泡ポリスチレン小片は、破断面
以外の気泡、即ち、小片内部の閉鎖(独立)気孔が破壊
されないように裁断して得られるものであり、そのため
に、発泡ポリスチレンを粉砕するのではなく、カッター
(例えば、ナイフ、鋸、熱線など)で裁断する。従っ
て、小片は角状小片化する。押出発泡ポリスチレン成形
体を裁断して得られる角状小片の形状としては、立方体
または直方体が最も簡易であり好適であるが、裁断面が
傾斜したり、面数が多くあるいは少なくなったものでも
よい。角状小片とは曲面や凹凸面ではなく平面で構成さ
れた立体を意味する。
【0017】小片内部の閉鎖(独立)気孔が破壊されな
いように裁断する方法としては、例えば、所定の間隔に
平行に張り渡したニクロム線群からなる熱線カッターを
上下二段に、その二段のニクロム線群がお互いに直角に
なるように配置し、その上に所定の厚さの押出発泡ポリ
スチレン成形体を載せ、ニクロム線に通電し発熱させる
と、ニクロム線上の押出発泡ポリスチレン成形体が熱で
切れて立方体又は直方体の形状の発泡ポリスチレンの小
片が下に自然落下する方法が好ましく採用できる。
【0018】また、図3(全体装置)、図4(鋸刃部)
に示した如く、複数の丸鋸1をその丸鋸1より直径が小
さく所定の厚みを有するスペーサ2を介して交互に一本
のシャフト9に固定しかつスペーサ部の円周上にスペー
サ2の幅と同一の剛性突起(ノッチ)3を配置して一体
化した鋸刃を用い、この一体化した鋸刃を回転させつ
つ、そこに板状発泡ポリスチレン4を送り込んで、前記
複数の丸鋸で板状発泡ポリスチレンにスペーサ幅の切れ
目を入れるとともに、板状発泡ポリスチレンのその切り
目を入れた部分を剛性突起3の回転力で衝撃的に折って
板状発泡ポリスチレンを立方体又は直方体に裁断する方
法も好適である。図中5は送りローラ、6はモータであ
る。裁断された発泡ポリスチレン小片が丸鋸1間のスペ
ーサ部に挟まれてしまう場合には、円筒状のスペーサ2
に適当なバネを取りつけて置き、丸鋸1による板状発泡
ポリスチレン成形体の切り込みの段階では板状発泡ポリ
スチレン成形体によってバネが押圧されるが、剛性突起
3で折られた発泡ポリスチレン小片はバネの復元力で丸
鋸1の間からはじき出されるようにするなどの工夫をす
ることができる。
【0019】本発明の成形には、通常の発泡ポリスチレ
ン粒子の成形装置がそのまま使用でき、且つ複雑な工程
を必要とせず、通常の発泡ポリスチレン粒子の成形条件
で成形できる。本発明の発泡成形体は発泡ポリスチレン
の角状小片を融着一体化したものであるため、融着した
小片の表面(界面)はなめらかな平面で構成され、たと
え曲率を有していても平面的であって、粉砕片の場合の
ように粗面(凹凸がはげしい)であったり、空隙が多か
ったりしない特徴がある。(実施例を示す図1と、粉砕
小片を発泡させた従来品を示す図2参照)。
【0020】
【実施例と作用】畳床の芯材とし多用される押出発泡ポ
リスチレンは、通常、厚み20mmから25mmのボード状
をなして居り、その表面は、大気に開口(解放)した気
泡構造から成り、畳として10年、20年と使用されて
多少歪んでいるが、表面の開口気泡層の内側は依然とし
て閉鎖気泡構造を維持している。このような発泡体をそ
の閉鎖気泡構造を破壊しないように適当なサイズに裁断
し、沸騰水中に浸漬すると膨張挙動を示す。この膨張能
力が大きい程、これを利用した発泡成形は容易となり、
すぐれた品質の発泡成形体が得られる。
【0021】この膨張能力には色々な要素が影響を与え
るが、その一つに気泡内ガスの成分がある。閉鎖した気
泡内にその気泡を構成する気泡膜の透過速度が極めて小
さいガス、例えばフロンに、142b、ペンタン等を含
む場合はこれらのガスの分圧に加えて、気泡内に浸透し
た空気圧が加わり、究極、気泡内圧力は1気圧以上とな
る。このような発泡体をその閉鎖気泡を破壊しないよう
に適当な大きさに裁断して所望の金型に充填し発泡成形
することによってすぐれた製品が容易に得られる。
【0022】一方、上記のようなポリスチレン膜に対し
て不透過性のガスを使用せず、例えばプロパン、ブタ
ン、メチルクロライドのような透過し易いガスのみを使
用して製造された押出発泡ポリスチレンも、同様に、畳
床の芯材として多用されている。これらの畳床が長期に
わたり使用された後回収された発泡体の閉鎖気泡内のガ
スの成分は殆んど大気圧の空気のみとなる。当然このよ
うな発泡体の再発泡能力は前者に比較して小さい。
【0023】気泡内のガス成分の他に膨張能力に影響す
る要素としては閉鎖気泡構造を破壊しないように裁断し
た発泡体粒子の大きさがある。ポリスチレン発泡粒子の
膨張現象は閉鎖気泡内ガスの加熱による膨張と気泡膜を
透過して気泡内ガスの拡散裏失、水蒸気の気泡内浸入に
よる気泡壁の加熱軟化と気泡内圧力の増大等の複雑な反
応の組み合せの結果として膨張するとされている。気泡
内ガスの透過並びに水蒸気の浸透には発泡体粒子の体積
当りの表面積が支配要因となる。従って、発泡体粒子が
小さくなる程比表面積が大きくなり一般的に発泡成形が
困難になるとされている。
【0024】このような背景に加えて、本発明の目的で
ある使用済みの古い畳床から回収される発泡体をその閉
鎖気泡構造を破壊することなく裁断した発泡体小片の表
面には発泡に起与しない大気に解放(開口)した気泡
(閉鎖気泡の残骸)層が存在しており、これが裁断した
発泡粒子の膨張能力を著しく減殺する可能性がある。か
かる現状に鑑み、裁断した個々の発泡体粒子の大きさと
その表面に存在する大気に解放した気泡層(以下破泡層
と略称する。)に着目し、鋭意検討した結果、 この破泡層の体積は裁断した発泡体粒子が立方体な
どの角形の場合、その一辺の長さに反比例して増加し、
著しく発泡能力を減殺する。
【0025】 この破泡層は裁断した発泡体粒子を成
形金型に充填した時、粒子間空隙に新たな空隙として加
算されることを発見し、本発明を完成させるに到った。
今、一辺の長さXcmの立方体形状の発泡体粒子の表面が
平均dcmの深さの破泡層でおおわれている時の破泡層の
体積は次式で表される。 Vs=6x2 d−12xd2 +8d3 (1) この破泡層の発泡体粒子体積に対する比をyとする。
【0026】
【数1】
【0027】ここでd≪xとすると第二項以降は省略さ
れ近似的に次式で y=6d/x (3) 表される。裁断した発泡体粒子の表面に存在する破泡層
は閉鎖気泡を形成していた気泡膜の残骸から成るが、充
分に自重を、又積み重った粒子の重量を支えるに充分な
強度を持っているので圧壊することはない。金型へ空送
により発泡体粒子を充填した時の粒子間空隙に個々の粒
子表面に存在するこの破泡層から成る空隙も加算される
ことになり、すぐれた発泡成形を得ることを困難にして
いる。
【0028】これに対して、(3)式のxを充分に大き
くとれば前記二つの問題点が緩和される可能性を示して
いる。以上の推論を確かめる為に先ず裁断した発泡粒子
の破泡層の深さdを求めた。使用したサンプルはJIS
A9511のB類1種に該当し、不透過性の発泡剤を使
用していない押出発泡ポリスチレンフオームを選んだ。
具体的には購入後5年以上経過した鐘ケ渕化学工業
(株)製の「カネライトフオームF−1」(商品名)を
使用した。実験に先立ち気泡内ガス成分の分析を行った
所、微量の低級炭化水素が検出された。その他は空気で
あった。
【0029】このサンプルフオームから一辺の長さ約
0.7,1.0,1.5,2.5,3.0cmの長さを有
する立方体をバンドソーで切り出した。先ず立方体形状
に切り出した発泡体粒子からランダムに100個を取出
して、3軸方向の寸法を計測し、各立方体の平均体積と
平均表面積を求めた。次に測定精度を考慮して概略体積
が同等になるように数をまとめた各サイズの立方体を界
面活性剤を添加した水中に浸漬し、破泡層の空気を水で
置換した体積を求めた。この置換体積を上記寸法計測か
ら求めた体積から差し引いて得られた体積を寸法計測で
得られた表面積で割って破泡層の平均深さを求めた。
【0030】結果は表1に示した。一辺が0.7cmと
1.0cmの立方体の破泡層の深さは他より大きく出てい
るが、これはxに対するdが相対的に大きくなった為に
(2)式の第二項以下が寄与して近似曲線から乖離して
来るが、x=1.0cmを起える領域ではおおむね0.0
27cmであり、これは閉鎖気泡の約1/2である。d=
0.027を(3)式に代入した時yとxの関係を図5
に示した。この図によれば立方体の一辺の長さを0.5
cmと0.7cmにした時の立方体全体に占める破泡層は各
30%、20%となる。一方、粒径が大きくなるに従い
次第に破泡層の量は小さくなり発泡成形には有利となる
ことが示されている。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1 一辺の長さ約1.13cmの立方体30個金網に入れ所定
の時間沸騰水に浸漬し、発泡させた後、取り出し冷却し
てから水没法で体積を求めて、これを寸法計測から求め
た30個の体積で割り、発泡倍率を求める実験を繰り返
し、再発泡挙動を求めてこれを表2に示した。表2で沸
騰水浸漬時間0秒の欄は寸法計測より求めた体積を示し
発泡倍率の基準を示す。最高発泡倍率は1.7倍であっ
た。また最高発泡倍率を起えて浸漬時間を長くすると冷
却時に収縮が起り結果的に発泡倍率は低下した。従っ
て、最高発泡倍率に達する前の発泡倍率で発泡粒子間の
空隙を粒子の発泡によって埋めることが出来れば良好な
発泡成形体が得られる。
【0033】実施例2〜5 実施例1と同様大きさの異なる発泡粒子の再発挙動を調
べた結果を表2、図6に示した。粒子径が大きくなるに
従い発泡挙動が緩慢になる傾向が認められるが最大発泡
倍率はいずれも1.6倍程度に達し良好な結果であっ
た。 比較例1 一辺の長さが0.7cmに裁断した立方体を実施例1と同
様に発泡したが最大発泡倍率は1.4倍と小さい結果に
終った。これは前述の通り発泡に有効な閉鎖気泡の量が
全体積の70%に限られた結果であろう。
【0034】比較例2 一辺の長さ5cmの立方体を実施例1と同様に発泡した
所、非常に緩慢な速度で発泡し、浸漬時間200秒のサ
ンプルの場合でも冷却時の収縮が激しく最高発泡倍率は
わずかに1.5を起える程度であった。これは断熱材で
ある発泡体のサイズが大きすぎる時は、スチームの浸透
に時間を要し、表面層は過剰発泡状態となる一方で中心
部分は発泡不充分という結果に終る為と見られる。
【0035】
【表2】
【0036】実施例6 一辺の長さ1.13cmを有する立方体形状の発泡体粒子
を董密度が23kg/m 3 になるように寸法が5cm×25
cm×25cm(内容積3125cm3 )の成形金型に過充填
を行わずに充填した後合計75秒スチームで加熱した後
冷却し、取り出した成形は粒子間の融着にすぐれた、寸
法安定の良い成形であった。
【0037】実施例7 実施例6における充填量を若干減じて空隙率を増す以外
は実施例6と同様に発泡成形した。金型寸法に対して粒
径が大きい為に充填不足が起き易いコーナー部分に若干
のひけが見られる以外は欠点の見当らないすぐれた成形
品を得た。 実施例8 一辺の平均長さ1.61cmの発泡体粒子を使用して実施
例9と同様の発泡成形を行い、粒子間融着のすぐれ寸法
安定の良い成形品が得られた。
【0038】比較例3,4 立方体の一辺の平均長さ0.74cmの粒子を使用した以
外は実施例8と同様の発泡成形を行い成形体を得た。粒
子間の融着は良好であったが金型から取り出して冷却す
る間に激しく収縮した。これを70℃のオーブン中で乾
燥熟成したが収縮と変形は完全には戻らなかった。粒子
間融着は充分である所から推定して一度は空隙を充分に
埋め金型が満たされるまで発泡したと見られるが、粒子
表面の破泡層も空隙として働いた結果空隙の絶対量が多
すぎた為に過剰発したと思われる。
【0039】実施例9 一辺の平均長さ2.06cmの発泡体粒子18kgを0.4
m×1.0m×2.0mのブロック成形金型に何等過充
填操作を行わず、空送で充填した後合計75秒間のスチ
ーム加熱を行い冷却後成形体を得た。成形体に殆んど収
縮や部分的へこみ等も認められず軽量盛土工法に使用す
るには好適の製品であった。
【0040】以上の結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、使用済の発泡ポリスチ
レン成形品を小片化しても、また気泡中の発泡剤が失わ
れていても、充分な発泡倍率を有することができるの
で、使用済の発泡ポリスチレン成形品の再利用に有用で
ある。特に古い畳床材や建築用壁材など厚みの大きい発
泡ポリスチレン成形品で、しかも発泡剤が抜け空気に置
換されて再発泡能力が小さい使用済の発泡ポリスチレン
成形品を再利用して発泡ポリスチレン成形品にすること
ができる点でその効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発泡ポリスチレン成形体を示す。
【図2】粉砕片を用いた従来の発泡ポリスチレン成形体
を示す。
【図3】押出発泡ポリスチレン成形体の小片化装置の側
面図である。
【図4】押出発泡ポリスチレン成形体の小片化装置に用
いる一体鋸刃の側面図及び正面図である。
【図5】発泡ポリスチレンの立方体の寸法と破泡層の体
積比との関係を示す。
【図6】発泡ポリスチレンの立方体の寸法ごとの水蒸気
浸漬時間と発泡倍率の関係を示す。
【符号の説明】
1…丸鋸 2…スペーサ 3…突起 4…プラスチック発泡体 5…送りローラ 6…モータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最小寸法が1cmを越えかつ体積が1.0
    〜40cm3 に裁断した発泡ポリスチレンの角状小片を成
    形金型に充填し、発泡成形することを特徴とする発泡ポ
    リスチレン成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記発泡ポリスチレン角状小片として、
    板状の押出発泡ポリスチレン成形体を裁断した角状小片
    を用いる請求項1記載の発泡ポリスチレン成形体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記押出発泡ポリスチレン成形体が、押
    出時に使用した発泡剤が殆ど失われ空気が気泡内の主成
    分をなす迄に製造時より時間経過した押出発泡ポリスチ
    レン成形体である請求項2記載の発泡ポリスチレン成形
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記押出発泡ポリスチレン成形体が、現
    場で使用後に回収された押出発泡ポリスチレン成形体で
    ある請求項1,2又は3に記載の発泡ポリスチレン成形
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記発泡ポリスチレン角状小片を得るに
    当り、所定の間隔に平行に張り渡したニクロム線群から
    なる熱線カッターを上下二段に、その二段のニクロム線
    群がお互いに直角になるように配置し、その上に所定の
    厚さの押出発泡ポリスチレン成形体を載せ、ニクロム線
    に通電し発熱させることにより、一辺の長さが1cmを超
    える立方体又は直方体に裁断する請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の発泡ポリスチレン成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記発泡ポリスチレン角状小片を得るに
    当り、複数の丸鋸をその丸鋸より直径が小さく所定の厚
    みを有するスペーサを介して交互に一本のシャフトに固
    定しかつスペーサ部の円周上にスペーサの幅と同一の剛
    性突起を配置して一体化した鋸刃を用い、この一体化し
    た鋸刃を回転させつつ、そこに板状発泡ポリスチレンを
    送り込んで、前記複数の丸鋸で板状発泡ポリスチレンに
    スペーサ幅の切れ目を入れるとともに、板状発泡ポリス
    チレンのその切り目を入れた部分を剛性突起の回転力で
    衝撃的に折って板状発泡ポリスチレンを立方体又は直方
    体に裁断する請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡
    ポリスチレン成形体の製造方法。
JP7143608A 1995-06-09 1995-06-09 発泡ポリスチレン成形体の製造方法 Pending JPH08336851A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002086577A (ja) * 2000-09-08 2002-03-26 Dow Kakoh Kk 合成樹脂発泡体およびその製造方法

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