JPH0834097A - 樹脂オーバーレイ板とその製造方法 - Google Patents

樹脂オーバーレイ板とその製造方法

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JPH0834097A
JPH0834097A JP19208194A JP19208194A JPH0834097A JP H0834097 A JPH0834097 A JP H0834097A JP 19208194 A JP19208194 A JP 19208194A JP 19208194 A JP19208194 A JP 19208194A JP H0834097 A JPH0834097 A JP H0834097A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然材の単板を用いその木目を利用して、一
定の柄、色、あるいは任意のパターンの木目となして、
工業生産上、再現性良く生産できる構成、少数のパター
ンの樹脂フィルムで数多くの木目、色柄のパターンを再
現性良く生産できる構成からなる樹脂オーバーレイ板の
提供。 【構成】 ラワンベニア合板などの天然木基材20上の
表面に非常に薄い被膜を形成し、板目柄を持ったシルク
スクリーン21を使用し透明な目止め用UV硬化型また
はウレタン塗料でスクリーン印刷を行い、基材20上の
板目柄を形成するのに不必要な部分の柾目の導管に上記
塗料による被膜を形成、さらに着色塗料の全面塗布を行
うことにより、被膜が形成されている部分はその他の部
分よりも柾目の導管が埋められているため、板目柄形成
された柾目の導管のみが残り、柾目のラワンベニア合板
が所要の板目柄を有する板に変わる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、天然材の単板を用い
その木目を利用して、一定の柄、色、あるいは任意のパ
ターンの木目となして、工業生産上、再現性良く生産で
きる構成からなる樹脂フィルムオーバーレイ板に係り、
詳しくはゴムの木などのロータリー単板を利用し、当該
柾目に特定のパターンで目止めを行い、着色及び色柄を
印刷した透明樹脂層を転写積層して、その基材柄と転写
シートの柄の複合により、それ以外の木目を形成した
り、また、天然材の木目の意匠性を向上させることを特
徴とし、さらに、この手法をもちいることにより、少数
のパターンの樹脂フィルムで数多くの木目、色柄のパタ
ーンを再現性良く生産でき、さらに、多層樹脂フィルム
の熱転写に際し、プレヒートと低温熱転写により、シワ
やフクレ、樹脂フィルムの接着不良の発生が防止できる
樹脂オーバーレイ板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧合板には、天然木よりスライス単
板、ソーン単板、ハーフラウンド単板などの美しい木目
を生かした突き板を作成し、合板の表面にこの突き板を
はった単板オーバーレイ合板がある。また、合板の表面
に合成樹脂フィルム、含浸紙、樹脂積層板を圧接した樹
脂オーバーレイ合板として、必要に応じて模様などを印
刷した樹脂フィルムを被覆した樹脂フィルムオーバーレ
イ合板、プラスチックの積層とオーバーレイを同時に行
い、着色紙または模様紙を使用する樹脂シートオーバー
レイ合板、メラミン樹脂化粧板のように予め樹脂を紙、
布に含浸させて作成した樹脂板を合板に張り付ける樹脂
板オーバーレイ合板がある。また、模様紙、布あるいは
ハードボードをそれぞれオーバーレイした各種オーバー
レイ合板がある。
【0003】また、天然木の木目を生かすべく透明塗装
を行ったり、所要の色合いにするために不透明なカラー
塗装を施した塗装合板がある。さらに、従来、美しい木
目を生かした突き板が入手困難で高価なため、安価な材
料の表面に目止め及び下塗りを施し、その上に木目ある
いは所要の模様を精巧な印刷にて転写して仕上げるダイ
レクトプリント合板が生産され利用されている。
【0004】また、近年、上述の合成樹脂フィルム、含
浸紙、樹脂積層板等をオーバーレイする基材も、上記の
合板のみならず、紙板、植物繊維や木くずなどを樹脂で
固めたファイバーボード、パーティクルボード、MD
F、木質セメント板、さらに、ゴム質材、無機質材料か
らなるものや金属、あるいはこれらの積層体など種々材
料が採用されてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】突き板を貼った単板オ
ーバーレイ合板の場合、天然材のため柄が異なることは
もちろん、地色が異なるため、同柄同色調の天然木化粧
合板を工業生産的に大量生産しようとすると、突き板柄
あわせの為の突き板歩留まりの低下、色調あわせのため
の補正等の量産性阻害の手工業的要因が重なり、一般的
に非常に生産コストの高いものになっている、又高級天
然木は従来から需要が多かったため、供給不足になって
いる。そこで、従来より、安価な天然木を使用して、高
級天然木柄突き板合板などの生産のため輪転印刷による
ダイレクトプリント法といわれる手法が一般的に普及し
ている。
【0006】この手法は、木質系基材の表面に直接、又
は下塗り塗装後、所要の印刷柄をエッチングしたローラ
ーにより輪転印刷する工業的手法であるが、液体のイン
クにより印刷するため木質系基材の上に直接印刷すると
インクが木材繊維質に吸収され、柄が滲み、印刷が不鮮
明になる欠点がある。これを防止するために、塗料等の
木質系基材への塗布により樹脂被膜を形成し、その後輪
転印刷する方法がとられる場合もあるが、この場合も滲
みは解消できるが、その木質系基材が自然の導管又はエ
ンボス加工されていると凹部の部分にインクを転写する
ことが困難である。特に天然材に似せる柄をこの手法で
行おうとすると、少なくとも3色の印刷柄の同調印刷を
行う必要があり、これを連続的に基材表面に一定柄、一
定色調で行うことは上述の理由により、より一層困難で
ある。
【0007】このようなダイレクト印刷に替わる木質系
表面意匠法として、従来から使用されている手法には、
木目柄を予め別工程で紙、樹脂フィルム等に印刷し、こ
れを木質系材料に接着するか、あるいはホットスタンプ
のように熱転写する手法がある。この手法は従来より工
業生産的に大量に木質系表面意匠を供給するという目的
で開発されたため、天然木の持つ色調の変化、自然の導
管を考慮にいれず、その隠蔽された印刷柄、もしくはそ
のフィルムに施された人工的なエンボス加工によって木
質感を表現しようとしている。
【0008】従って、意匠的な見地からすると天然木の
持つ発色作用と隠蔽された印刷木目柄の発色作用とは全
く異なるものとなっている。つまり、天然木は着色され
た透明繊維質の集合体によって発色しているため、光の
天然木表面への進入角度によって発色の度合いが大きく
変化するが、隠蔽された印刷柄は隠蔽能力の優れた顔料
により柄が構成されているため、光の進入角度の変化に
よって色調変化する度合が天然木よりもわずかであり、
どうしても人工的な木質感が拭えないという欠点があ
る。また、工業生産の見地からすると、その印刷フィル
ムによって色調、柄、エンボスが決定されるため、今
日、需要者の嗜好が多様化しており、かかる嗜好に合わ
せて工業的に多品種少量生産を行うには、あまりにも多
くの印刷フィルムを作成する必要がある。
【0009】これら前述してきた各種手法の問題点に鑑
み、よりよい工業生産的な木質系表面意匠を提供する方
法として、従来より需要者の嗜好に合わずベニア合板や
高級突き板製品の捨て貼りなどに利用されていた年輪が
なく意匠性のない、そのままでは化粧合板には成りえな
い天然材を用いその木目を利用して、一定の柄、色、あ
るいは任意のパターンの木目となして、工業生産上、再
現性良く生産できれば、今日の多様化した需要者の嗜好
に対応した化粧合板を作成できることになる。
【0010】また、樹脂フィルムオーバーレイ合板の場
合で、少数のパターンの樹脂フィルムで数多くの木目、
色柄のパターンを再現性良く天然木の持つ発色作用と同
等の製品が生産できれば、従来のごとく、多数のパター
ンの樹脂フィルムの在庫を持つことなく、需要者の嗜好
に対応したより自然な発色作用のある化粧合板を再現性
良く工業生産することができることになる。
【0011】更に、樹脂フィルムオーバーレイ合板の一
種として、ホットメルトを介して意匠性を有する多層樹
脂フィルムを転写接着するホットスタンプ法という手法
があるが、この方法においては、厚みが10μm前後と
いう非常に薄い多層樹脂フィルムではあるが、天然木基
材上にホットメルトを介して熱接着するため、基材表面
上の物理的性質や、化学的性質が均質でない天然木基材
上に安定的に接着するには、接着強度の十分なホットメ
ルトをできるだけ均一な温度でしかも天然木基材の主な
組織であるセルロースを分解して低分子化し、基材強度
を下げない程度の低温で接着しなければならない問題が
あった。しかし、従来のホットスタンプ方式は、成形製
品や金属製品の表面に施すことが主であったため表面条
件が均一であり、その分だけ熱溶着装置の温度管理がラ
フであったため、合板のような天然木基材を安定的にし
かも連続的に処理することは困難であった。また、仮に
前述のようにホットメルトを介し樹脂フィルムを接着す
るホットスタンプ方式は、ホットメルトの永年変化の中
での接着力の劣化による樹脂フィルムの剥離という問題
があった。
【0012】この発明は、かかる単板オーバーレイ合板
や樹脂フィルムオーバーレイ合板等の化粧合板の問題点
に鑑み、天然材の単板を用いその木目を利用して、一定
の柄、色、あるいは任意のパターンの木目となして、工
業生産上、再現性良く生産できる構成からなる樹脂オー
バーレイ板の提供を目的とし、また、少数のパターンの
樹脂フィルムで数多くの木目、色柄のパターンを再現性
良く生産できる構成からなる樹脂オーバーレイ板の提供
を目的とし、特に、多層樹脂フィルムの熱転写に際し、
簡単な工程で転写が可能で、接着強度を確保する樹脂オ
ーバーレイ板の製造方法の提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】発明者らは、天然材の単
板、例えば、ゴムの木などのロータリー単板や、マンガ
シロの柾目突き板を用いその木目を利用して、一定の
柄、色の任意のパターンの木目となして、尚且つ、天然
木の持つ着色透明繊維層が発する発色作用と同様にし、
工業生産上、再現性良く生産できる構成を目的に樹脂フ
ィルムオーバーレイ板について種々検討した結果、当該
単板もしくは突き板の柾目に特定のパターンで樹脂目止
めを行い、着色下塗り塗装を施し、その後色柄を印刷し
た透明樹脂層を転写積層するか、着色及び色柄を印刷し
た透明樹脂層を転写積層して、その基材柄と転写シート
の透明着色柄の複合により、天然材の持つ木目と発色作
用を生かしたまま、それ以外の木目、例えば、柾目を板
目に形成できることを知見した。
【0014】また、かかる透明樹脂層の構成についてさ
らに検討した結果、着色下塗り透明樹脂層、着色柄付き
透明樹脂層、着色上塗り透明樹脂層を順次積層した構成
とすることにより、上述の木目の変更の他、例えば、通
常のマホガニー材の木目をマホガニーとして最も理想的
な木目を有するものへと、天然材の風合を生かしたまま
天然材の木目の意匠性を著しく向上させることが可能と
なることを知見し、この発明を完成した。
【0015】さらに、透明樹脂層を順次積層するこの手
法を用いることにより、少数のパターンの樹脂フィルム
の組合せにより数多くの木目、色柄のパターンを再現性
良く生産でき、さらに、多層樹脂フィルムタイプのホッ
トスタンプフィルムの熱転写に際し、転写ロールを工夫
し、基材のプレヒートによる一定低温度熱転写を施すこ
とにより、木質基材表面の熱による脆弱化を防止しなが
ら、一定接着強度が得られること、また、着色及び柄付
け透明樹脂層を溶剤に相溶性有し、かつ木質基材に熱接
着性のあるアクリルポリマー系樹脂や、セルロース誘導
体系などの樹脂を主体に形成させ、透明樹脂層または各
透明樹脂層間に溶剤を混入させることにより、着色およ
び柄付け樹脂のアンカー効果により、例えば、表面保護
樹脂層が磨滅あるいは剥離したとしても着色および柄付
けが剥離することなく基材に定着し、あたかも天然材そ
のもののごとく定着することを知見し、この発明を完成
した。
【0016】すなわち、この発明は、合板やパーティク
ルボードに突き板を貼着した単板オーバーレイ合板のほ
か、天然木板そのもののごとく、表面が天然木である基
材上に、着色下塗り透明樹脂層、着色柄付き透明樹脂
層、着色上塗り透明樹脂層を順次積層した樹脂オーバー
レイ板を特徴とし、特に、着色及び柄付けが溶剤に相溶
性のあるアクリルポリマー系やセルロース誘導体系など
の樹脂からなり、透明樹脂層または各樹脂層間に溶剤を
混入させて、着色および柄付けの密着強度を著しく向上
させたことを特徴とする。
【0017】また、この発明の樹脂オーバーレイ板は、
上記構成において、着色下塗り透明樹脂層と着色柄付き
透明樹脂層が転写フィルムでかつ予めラミネートされた
2層フィルム、あるいは、各透明樹脂層が転写フィルム
が転写フィルムでかつ予めラミネートされた3層フィル
ムで構成されたことを特徴とする。
【0018】また、この発明は、表面が天然木である基
材上に接着剤を介して着色下塗り透明樹脂層、着色柄付
き透明樹脂層、着色上塗り透明樹脂層を順次積層した樹
脂オーバーレイ板の製造に際し、基材上に転写フィルム
を熱転写するとき、基材の表面温度を60〜70℃に一
定加熱し、転写温度を160℃以下の一定温度で転写す
ることを特徴とし、また、転写ローラーをヒーター内蔵
の金属製ローラーに厚さが15mm以下のゴム層を巻回
させた構成となし、基材との非当接面側にゴム層の加熱
用の外部加熱ヒーターを配設し、転写後のゴム層表面温
度の低下に応じて、内部及び外部のヒーターを制御し、
又転写速度の増加に対応してローラー径を大きくしロー
ラーの熱容量を拡大し、転写後の温度低下をより軽減す
ることにより、一回転後迄に所定温度まで昇温させ連続
的に熱転写することを特徴とする樹脂オーバーレイ板の
製造方法である。
【0019】
【作用】以下にこの発明による樹脂オーバーレイ板とそ
の製造方法の詳細並びに作用を説明する。この発明にお
いて、対象とする基材は、表面が天然水であれば、天然
木材板はもちろん、合板の表面にスライス単板、ソーン
単板、ハーフラウンド単板、ロータリー単板等の突き板
を貼った単板オーバーレイ合板があり、突き板を貼る板
も合板のみならず、紙板、植物繊維や木くずなどを樹脂
で固めたファイバーボード、パーティクルボード、MD
F、木質セメント板、更に、ゴム質材、セラミックスな
どの無機質材料からなるものや金属、あるいはこれらの
積層体など種々材料が採用できる。
【0020】この発明による樹脂オーバーレイ板は、表
面単板の柾目に特定のパターンで目止めを行い、着色及
び色柄を印刷した透明樹脂層を転写積層して、その基材
柄と転写シート柄の複合により、天然材の発色作用を生
かしたままそれ以外の木目、例えば、柾目を板目に形成
することが可能で、また、着色下塗り透明樹脂層、着色
柄付き透明樹脂層、着色上塗り透明樹脂層を順次積層し
た構成とすることにより、天然材の発色作用を生かした
まま天然材の木目の意匠性を著しく向上させることがで
きる。
【0021】すなわち、この発明は、表面の天然木板の
材質感並びに地色、柄をそのままあるいはその一部を利
用して、その上に積層する樹脂に表面材の地色、柄に応
じて設定した特定の着色及び/または色調を設けて重ね
合わせることにより、どの方向から見ても天然材の発色
作用を生かしたまま天然材の木目の意匠性を著しく向上
させることを特徴とし、積層する樹脂層には透明フィル
ム、透明接着剤、着色透明性塗料等の透明樹脂材料を適
宜選定でき、透明フィルムには、アクリル系樹脂フィル
ム、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂
フィルム、離型処理されたベースフィルムにアクリルポ
リマー、ビニルポリマー、セルロース誘導体、エポキシ
レジンなどの構成で形成した樹脂被膜などがあり、ラミ
ネートに適した透明フィルムはこのうち、アクリルまた
は塩化ビニル系の透明フィルムが望ましい。透明接着剤
には、溶剤型ポリウレタン接着剤、湿気硬化型ポリウレ
タン接着剤、アクリル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤等
がある。着色透明塗料には、ポリウレタン塗料、UV硬
化型エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系塗料、ア
ミノアルキッド系塗料などがある。
【0022】特に、溶剤に溶解可能なフィルム形成樹脂
としては、アクリルポリマー、ビニルポリマー、ポリエ
チレンワックス、エポキシレジン、セルロース誘導体等
で形成された2〜3μm程度の厚みを持った樹脂フィル
ムがよい。上記溶剤には、従来より塗料用に使用されて
いる溶剤全てが使用可能である。
【0023】積層の具体例としては、例えば、一層ずつ
積層する場合は、天然木表面に着色下塗り樹脂層を予め
樹脂フィルム化したものを、所定の溶剤を混入した透明
接着剤を塗布した後、接着もしくは予め樹脂フィルム側
にホットメルト系接着剤を塗布したものを低温接着、も
しくは低温熱転写する。また、着色下塗り透明樹脂層を
インク、塗料等の液体塗布によって形成する。この後、
予めグラビア印刷等の印刷手法にて絵柄付けを行った透
明フィルムを上記の樹脂フィルム化された着色下塗り透
明樹脂層のごとく透明接着剤で接着、もしくは、ホット
メルトによる低温接着または低温熱転写する。そして3
層目の着色上塗り透明樹脂層については、着色下塗り透
明樹脂層のごとく樹脂フィルムの接着もしくは液体樹脂
の塗布による樹脂層の形成を図る。
【0024】なお、着色下塗り透明樹脂層は、この手法
が着色された突き板の木目柄とその上面に施す透明性着
色柄によって柄を構成するため、突き板の木目が非常に
鮮明なものの場合は、突き板の木目を弱くする必要から
突き板の生地色に近い色で構成し、突き板本来の木目を
少し弱めることが好ましい。
【0025】また、着色柄付き透明樹脂層と着色上塗り
透明樹脂層、あるいは着色下塗り透明樹脂層と着色柄付
き透明樹脂層を予めラミネートされた2層フィルムとし
て、低温熱接着、もしくは低温熱転写することもでき
る。さらに、着色下塗り透明樹脂層、着色柄付き透明樹
脂層、着色上塗り透明樹脂層を透明フィルムとして予め
ラミネートされた3層フィルムに構成して、基材表面上
に低温熱接着、低温熱転写することができる。この場
合、ラミネートフィルム側に基材との接着剤が設けられ
る他、基材側に接着剤を塗布することもできる。上記の
2層フィルムも3層フィルムも基本的に同様のラミネー
ト構成で、例えば、各透明フィルムに所定の着色印刷、
絵柄付け印刷を行って、いずれの層も被着側から接着剤
層、着色または柄付け印刷層、透明フィルムの順になる
よう2層または3層の透明フィルムを積層ラミネートす
るもので、積層順序が所定の2層または3層となれば、
そのラミネート時の積層順序は任意で良い。
【0026】ラミネートフィルムの具体例としては例え
ば、着色下塗り透明樹脂フィルムや着色上塗り透明樹脂
フィルムのように単一色の場合、所定の着色顔料を混練
した樹脂によって形成された樹脂フィルムを使用し、着
色下塗り透明樹脂フィルムと着色柄付け透明樹脂フィル
ムを積層する場合は、着色下塗り透明樹脂フィルムの被
着側ではない面に着色顔料、アクリルポリマー、ビニル
コポリマー、セルロース誘導体系樹脂にて着色柄付け樹
脂層を、グラビア印刷で直接印刷し、樹脂層を形成する
か、基材に離型処理を施した上に上記樹脂で柄付けされ
た転写シートで、着色下塗り透明樹脂フィルムに熱転写
する方法がある。
【0027】着色下塗り透明樹脂フィルムの被着側はこ
の樹脂フィルムの天然木基材への接着方法によって、予
めフィルム側に接着剤を塗布するか、基材側に塗布する
か、任意に決定する。また、着色柄付け透明樹脂フィル
ムと着色上塗り透明樹脂フィルムを積層する場合は積層
順位が異なるだけで、基本構成は同様である。この際、
適用される着色下塗りまたは上塗り透明樹脂フィルムの
例としては塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂フィルム、着
色下塗りでは、酢ビ系フィルムなどがある。また、3層
ラミネート構造は基本的に2層構造と同様の積層方法で
行う。
【0028】この発明において、着色および柄付けが溶
剤に相溶性のあるアクリルポリマー、ビニルコポリマ
ー、セルロース誘導体等の樹脂に顔料を20%以下混入
して行い、この相溶性を利用して着色柄付け透明樹脂層
が天然木基材への柄付けをより強固にするが、この具体
例としては、着色下塗り透明樹脂層と着色柄付け透明樹
脂層、着色上塗り透明樹脂層を順次積層する場合は、着
色下塗り透明樹脂層および着色上塗り透明樹脂層はウレ
タン塗料やUV硬化型ポリエステル、UV硬化型エポキ
シ、UV硬化型アクリルなどの塗料を使用し、着色柄付
け透明樹脂層は上記アクリルポリマー等で形成した熱転
写シートによって積層することが最も天然木基材に色
調、柄を強固に定着できる。
【0029】続いて、天然木基材に色調、柄を強固に定
着する手法は、上記アクリルポリマー等で形成した熱転
写シートによって着色上塗り透明樹脂フィルムにラミネ
ートした2層フィルムをポリウレタン系透明接着剤の塗
布による天然木基材への接着である。この際、ラミネー
トシートの被着側の着色柄付き透明樹脂層はポリウレタ
ン系接着剤により強固に接着する。上記アクリルポリマ
ー等で形成した熱転写シートによる着色柄付けで着色下
塗り樹脂フィルムとラミネートして使用する場合は、酢
ビ系樹脂フィルムとのラミネート構造がある。この場合
は、酢ビ系樹脂フィルムと熱転写フィルムを予め低温で
酢ビ系樹脂フィルムを半溶解させラミネートしたフィル
ムを作成、そのラミネートフィルムを酢ビフィルムの熱
溶解により、天然木基材に接着する。3層ラミネート構
造の場合も着色下塗り層が酢ビ系樹脂フィルムの場合
は、上記と同様に熱溶解により、天然木基材に接着す
る。また、着色下塗り層が塩化ビニル樹脂、アクリル樹
脂のフィルムの場合は、ホットメルトと湿気硬化型ポリ
ウレタン接着剤の混合タイプの接着剤で接着すると、耐
熱、経年変化に強く、強固に接着する。
【0030】この発明において、基材表面の天然木が柾
目でオープンボアである場合に、所要パターンでオープ
ンボアを残すかまたは埋める目止めを行うが、これは柾
目を板目に変更するもので、単純柾目のエンボスのうち
所定の板目柄に必要なエンボス(柾目)以外をシルクス
クリーン等によって柄形成したものによって埋めてしま
うことを目的とし、使用する樹脂としては、孔埋めする
エンボス内部に一定膜厚を形成する適度なチクソ性を持
った液体樹脂であればいずれのものでもよく、例えば、
UV硬化型のインクまたは塗料、あるいはウレタン目止
めフィーラー、酢酸ビニル系の水性エマルジョン接着剤
等が使用でき、その色調としては生地色に近い透明色と
することが必要である。また、基材表面の木目柄と同調
して、基材の柾目を目止めする方法として、同調エンボ
ス柄のシルクスクリーン印刷、または同調エンボス柄の
金属、樹脂ローラーによる目止め印刷を行うことができ
る。
【0031】この発明において、表面が天然木からなる
基材表面に転写フィルムを熱転写する場合、天然木のセ
ルロースが加熱された重合度が低下し、繊維の固有強度
が低下することを防止し、なおかつ天然木内部からの膨
張されたエアーが噴出することによるフクレ、シワ、剥
離を防止するため、基材の表面温度を60〜75℃に予
熱し、転写温度を160℃以下、好ましくは130℃〜
140℃の一定温度で転写することが重要である。基材
を予熱することにより、基材内部からの空気の膨張、接
着時の温度降下による接着不良を防止できまた、オープ
ンボアの基材には極めて有効である。
【0032】また、この発明では、転写温度160℃以
下でかつ所定温度を保持して連続的に接着するため、図
1に示す熱転写システムを提案する。転写ローラー1
は、ヒーター4を内蔵した金属製ローラー2に厚さが1
5mm以下のゴム層3を巻回させた構成からなり、基材
1との非当接面側、ここでは上部にゴム層3の外部加熱
用の加熱ヒーター5を配設し、転写後のゴム層表面温度
の低下に応じて、内部および外部ヒーターを制御する。
すなわち、先に予め所定温度に加熱された基材10が図
示しないコンベアで移動し、転写ローラー1に接する
と、その熱及び圧力により転写シート11は基材10に
転写され、これにより転写ローラー1は温度低下する。
この温度低下Δtをセンサー6で感知して、センサー6
から外部加熱ヒーター5の制御部に加温指令を出すこと
により、外部にヒーター5が発熱、ゴム層3を設定温度
まで加温する。
【0033】この熱転写システムは、従来のローラー型
ホットスタンプのようにゴムローラーの温度回復が何回
かローラー回転する間になされるのではなく、1回転の
うちに設定温度に回復させるもので、すなわち、Δtの
温度差を外部加熱ヒーター5の1回の加温で達成するこ
とが特徴である。これを達成するため、まず、転写ロー
ラー1は外部のヒーター5とともに、内部にもヒーター
4を内蔵し、熱伝導性にすぐれた金属製ローラー2全体
を加熱し、なおかつ転写速度の増加に応じて、転写ロー
ラー1の直径を大きくすることにより、当該ローラー全
体が持つ総熱量を増すことにより、熱転写時に失う熱量
の割合を小さくしている。
【0034】また、センサー6で感知した温度低下Δt
の入力は、ここでは基材10が予熱により一定温度で、
転写ローラー1に突入するため、ほぼ一定であると考え
られるため、外部加熱ヒーター5の電源は、Δtの温度
変化に対して必要な熱量を与えるに際し、ヒーターが必
要な発熱量となるように、電流量または電圧を制御する
微積分、比例制御方式を採用することが好ましい。従っ
て、この熱転写システムは、転写後のゴム層表面温度の
低下に応じて、内部および外部のヒーター4,5を制御
し、転写ローラー1の一回転後までに所定温度まで昇温
させることが可能で、基材10を連続的に熱転写するこ
とができる。
【0035】
【実施例】
実施例1 まず、天然木基材の選定は、柄付け目的に応じた天然木
基材を選定するが、例えば、オークウォールナットのよ
うに比較的導管の目の深いものはそれに応じたラワンベ
ニア、マンガシロのような天然木を基材とし、着色下塗
り塗装の形成する膜厚により導管の深さを調整した。ま
た、ぶな、桜のような柄付けを行う場合は、これらの天
然木は導管の目が浅いので着色下塗り塗装の膜厚で調整
が可能なため、天然木基材の樹種を選部必要がなかっ
た。天然木基材上の積層構成は、1)着色下塗り透明樹
脂層、2)着色柄付き透明樹脂層、3)着色上塗り透明
樹脂層であるが、選定した天然木基材に着色下塗り樹脂
層を形成する方法として下記の方法を採用した。
【0036】工程1) a)着色顔料と溶剤の希釈剤による生地着色 b)ウレタン塗料による素地固め及び天然木のヤニ止め c)ウレタン塗料、UV硬化型塗料によるクローズボ
ア、オープンボアに必要な膜厚形成 d)着色柄付き透明樹脂層の接着効果を高めるための塗
膜研磨 工程2) a)ウレタン塗料による素地固め及び天然木のヤニ止め b)着色顔料とウレタン塗料の混合着色塗料による着色 c)ウレタン塗料、UV硬化型塗料によるクローズボ
ア、オープンボアに必要な膜厚形成 d)着色柄付き透明樹脂層の接着硬化を高めるための塗
膜研磨
【0037】なお、いずれの場合にも天然木基材の木目
を強くしないために、着色剤には白色を適宜混入させ木
目を弱くし、また、天然木基材の木目色に近い配色を採
用した。また、これら1)着色下塗り透明樹脂層、2)
着色柄付き透明樹脂層のシートはいずれも有機溶剤に相
溶性のある樹脂構成によりシートが形成され、しかも熱
接着性を有していた。
【0038】このような過程により着色柄付き透明層ま
で形成された表面に、3層目の着色透明樹脂層を形成す
べく、着色柄付き透明層を僅かに溶解し、その下層にあ
る着色下塗り透明樹脂層に投錯するに足る溶剤を含んだ
着色透明樹脂塗料(ウレタン塗料、UV硬化型塗料)を
塗布し所定の膜厚を形成する。このとき、溶剤を含んだ
着色透明樹脂塗料は着色柄付き透明層を浸潤し、着色下
塗り透明樹脂層に着色柄付き透明層とともに強固に密着
する作用により、従来のフィルム接着以上に強固な密着
物性を得ることができた。
【0039】また通常、着色柄付き透明樹脂層の柄付け
はグラビア印刷の手法を使っており、通常は印刷が着色
の点の集まりであることが分かるが、この発明方法であ
ると、着色上塗り塗料の溶剤の溶解作用により、この点
の集まりが滲んで結合するためにより自然に見えること
を確認できた。また、全体の構成として透明層の積み重
ねであるため、最下層の天然木基材に光が進入するた
め、従来の印刷色による発色と比較してより自然な発色
となった。
【0040】実施例2 前記実施例1において、着色下塗り透明樹脂層を着色柄
付き透明樹脂層と同様な熱転写構成として、熱転写方式
にすることができ、この場合柄は付けずに着色フィルム
とする。この積層構成では、着色下塗り透明層がフィル
ム転写によって形成されるため、実施例1において天然
木基材に液体で着床する場合と異なり、着色剤の吸い込
みムラによる着色ムラが防止でき、その後の着色柄付け
での意匠性が向上し、また、着色上塗りが天然木基材に
直接密着する効果が得られた。具体的には、天然木基材
上に、実施例1の熱転写シート構成と同様のシート構成
の熱転写着色下塗りフィルム、及び熱転写着色柄付きフ
ィルムが積層され、その上に、着色上塗り塗装(ウレタ
ン塗料、UV硬化型塗料)される構成からなり、2層の
フィルムにてそれぞれ溶剤の溶解による投錯効果が得ら
れた。なお、天然木の木肌が適宜見える程度の着色と
し、着色剤による基材の隠蔽は避けた。
【0041】このようにして形成した着色下塗り樹脂層
の上に着色柄付き透明樹脂フィルムを、前述の連続熱転
写ローラーにより着色下塗り透明樹脂層に転写するが、
この熱転写フィルムの形成方法には以下の方法を採用し
た。 熱転写シート構成1 ベースフィルム、光沢面、着色柄付きフィルムの順に構
成され、ベースフィルムとしては、発泡P.Pフィルム
または離型処理されたPETフィルム、紙等が利用で
き、光沢面を形成するにはアクリルポリマー、ビニルコ
ボリマー、セルロース誘導体等が利用でき、着色柄付き
フィルムの構成としては、着色顔料、アクリルポリマ
ー、セルロース誘導体、ビニルコポリマー、ポリエチレ
ンワックス等を採用した。 熱転写シート構成2 ベースフィルム、光沢面、着色柄付きフィルム、ホット
メルト層の順に構成され、ベースフィルム、光沢面、着
色柄付きフィルムはそれぞれ上記のシート構成1と同等
であり、ホットメルト層には酢酸ビニル系ホットメル
ト、アクリル系ホットメルト等を採用した。
【0042】実施例3 前記実施例2において、着色上塗り塗装による着色上塗
り透明樹脂層の形成をアクリル、硬質塩化ビニル、ポリ
プロピレン等の樹脂フィルムを着色したものを溶剤型ポ
リウレタン系接着剤で接着する方法を採用した。すなわ
ち、工程1で、天然木基材上に熱転写着色下塗りフィル
ムを熱転写ローラーによる熱転写し、工程2で同様に熱
転写着色柄付きフィルムを熱転写し、工程3で、各種グ
ルースプレッダーによる塗布にて溶剤型ポリウレタン接
着剤を積層し、工程4で、ロールプレス、平板プレス等
による接着にて硬質塩化ビニル等の樹脂フィルムを積層
した。工程4のプレス接着時に、溶剤型ポリウレタン接
着剤の溶剤が熱転写着色柄付き及び着色下塗りフィルム
を僅かに溶解、ポリウレタン接着剤がこの一層を挟み込
むようにして天然木基材に接着することにより、硬質塩
化ビニル樹脂等のフィルム以下が基材に強固に接着し、
なおかつ、溶剤の溶解作用によりグラビア印刷の着色の
点が滲み、結合することとなり、より自然な柄となっ
た。
【0043】実施例4 実施例3において、熱転写着色下塗りフィルムの熱転写
による方法に換えて、着色下塗り透明樹脂層を着色下塗
り塗料により形成する方法を採用した。すなわち、工程
1で、実施例1と同様に天然木基材上に着色下塗り透明
塗料層を設け、工程2で、熱転写ローラーによる熱転写
にて熱転写着色柄付き透明フィルム層を積層し、工程3
で、各種グルースプレッダーによる塗布にて溶剤型ポリ
ウレタン接着剤を積層し、工程4で、ロールプレス、平
板プレス等による接着にて硬質塩化ビニル等の樹脂フィ
ルムを積層した。工程4のプレス接着時に、溶剤型ポリ
ウレタン接着剤の溶剤が熱転写着色柄付きフィルムを僅
かに溶解、ポリウレタン接着剤がこの層を挟み込むよう
にして着色下塗り透明樹脂層に接着することにより、硬
質塩化ビニル樹脂等の樹脂フィルム以下が基材に強固に
接着し、なおかつ、溶剤の溶解作用によりグラビア印刷
の着色の点が滲み、結合することとなり、より自然な柄
となった。
【0044】実施例5 実施例3においては各層を順次積層しているが、ここで
は予め実施例3における各層構成において、硬質塩化ビ
ニル等の樹脂フィルムと熱転写着色柄付きフィルムを熱
転写によりラミネートしておき、この一体化されたフィ
ルムを、他方で天然木基材に熱転写着色下塗りフィルム
を熱転写したものに溶剤型ポリウレタン接着剤等により
強固に接着する方法を採用した。すなわち、まず、天然
木基材に熱転写ローラーによる熱転写にて熱転写着色下
塗りフィルムを固着し、他方、熱転写着色柄付きフィル
ムを熱転写ローラーによる熱転写にて硬質塩化ビニル等
の樹脂フィルムに積層しておく。次いで、天然木基材の
熱転写着色下塗りフィルム上に各種グルースプレッダー
による塗布にて溶剤型ポリウレタン接着剤を積層し、ロ
ールプレス、平板プレス等による接着にて、上記の樹脂
フィルムに積層した熱転写着色柄付きフィルムを積層す
る。実施例3と同様に、ロールプレス等にて接着する
際、溶剤型ポリウレタン接着剤の溶剤により、熱転写着
色柄付きフィルムと熱転写着色下塗りフィルムが僅かな
がら溶剤によって溶解し、ポリウレタン接着剤がこの一
層を強固に結合し、またフィルム全体を天然木基材に接
着させる。尚かつ、溶剤の溶解作用によりグラビア印刷
の着色の点が滲み結合することにより自然な柄となっ
た。
【0045】実施例6 実施例4において、各層を順次積層しているが、ここで
は予め実施例3における各層構成において、硬質塩化ビ
ニル等の樹脂フィルムと熱転写着色柄付きフィルムを熱
転写によりラミネートしておき、この一体化されたフィ
ルムを、他方で天然木基材に着色下塗り透明塗料を塗布
形成したものを研磨し、この上に溶剤型ポリウレタン接
着剤等により強固に接着する方法を採用した。すなわ
ち、まず、天然木基材に実施例1と同様に着色下塗り透
明塗料層を設け、別途、熱転写着色柄付きフィルムを熱
転写ローラーによる熱転写にて硬質塩化ビニル等の樹脂
フィルムに積層しておく。次いで、天然木基材の着色下
塗り透明塗料層の上に、各種グルースプレッダーによる
塗布にて溶剤型ポリウレタン接着剤を積層し、ロールプ
レス、平板プレス等による接着にて、上記の樹脂フィル
ムに積層した熱転写着色柄付きフィルムを積層する。実
施例4と同様に、ロールプレス等にて接着する際、溶剤
型ポリウレタン接着剤の溶剤により、熱転写着色柄付き
フィルムが僅かながら溶剤によって溶解し、ポリウレタ
ン接着剤がフィルム全体を天然木基材上の着色下塗り透
明樹脂層に接着させる。尚かつ、溶剤の溶解作用により
グラビア印刷の着色の点が滲み、結合することによって
より自然な柄となった。
【0046】実施例7 実施例5において、予め着色上塗り透明樹脂フィルムと
着色柄付き透明樹脂フィルムを接着させていたが、ここ
ではこの上に着色下塗り透明樹脂フィルムも予め積層し
た構成を採用した。まず、工程1で、硬質塩化ビニル等
の樹脂フィルムに熱転写ロール等による熱転写で熱転写
着色柄付きフィルムを積層し、工程2で、この熱転写着
色柄付きフィルム面に熱転写ロール等による熱転写で熱
転写着色下塗りフィルムを積層する。工程1、2により
予め3層構造のフィルムとし、その後、工程3で天然木
基材に湿気硬化型ポリウレタン接着剤、溶剤型ポリウレ
タン接着剤を各種グルースプレッダーによて塗布し、工
程4でローラープレス、メンブランプレスにて上記の3
層構造のフィルムを接着する。上記方法により、凹凸の
ある三次元形状のものにも硬質塩化ビニル等の樹脂フィ
ルムの熱可塑性による性質によりメンブランプレスで簡
単に接着可能となった。
【0047】実施例8 実施例7と同様構成の3層構造として、ベースフィルム
に着色上塗り透明樹脂層、着色柄付き透明樹脂層、着色
下塗り透明樹脂層、ホットメルト層を積層したフィルム
となし、このフィルムを熱転写ローラープレス、メンブ
ランプレス等ににて、平板状や三次元形状の天然木基材
上に熱転写した。この方法は従来のホットスタンプ方式
と変わりがないが、転写されたフィルムが透明性のもの
であるため、このフィルム転写後の天然木基材はもとの
柄と異なったものとなり、しかも天然木のもつ自然な木
目、発色効果は変わらないという効果が得られた。
【0048】実施例9 天然木基材がラワンベニア合板のようなロータリー単板
や、柾目のものに板目柄を形成するため、以下の工程を
採用した。 工程1) 着色顔料とシンナーによる天然木基材(柾
目)の生地着色を行った。 工程2) 天然木の表面に非常に薄い被膜を形成するた
め、透明ウレタン塗料による素地固めを行った。 工程3) 透明な目止め用UV硬化型またはウレタン塗
料を用い、図2に示すごとく、板目柄を持ったシルクス
クリーン21を使用して、工程2を完了した天然木基材
20上にスクリーン印刷を行った。工程3により、図2
のように板目柄のシルクスクリーン21を通して所定の
柄の部分のみ塗料が通過し、天然木基材20上の板目柄
を形成するのに不必要な部分の柾目の導管に上記塗料に
よる被膜が形成される。 工程4) 板目柄をシルクスクリーン印刷された天然木
基材にUV硬化型塗料又はポリウレタン塗料の全面塗布
を行った。工程4により、板目柄シルクスクリーン印刷
された天然木基材20の全面に塗料を塗布することによ
りシルクスクリーン21を通過して工程3において被膜
が形成されている部分はその他の部分よりも柾目の導管
が埋められているため、板目柄形成された柾目の導管の
みが残ることとなり、ここでは柾目のラワンベニア合板
が所要の板目柄を有する板に変わった。
【0049】
【発明の効果】この発明は、ゴムの木などのロータリー
単板やマンガシロの柾目突き板を用いその木目を利用し
て、その柾目に特定のパターンで樹脂目止めを行い、着
色下塗り塗装を施し、その後色柄を印刷した透明樹脂層
を転写積層するか、着色及び色柄を印刷した透明樹脂層
を転写積層して、その基材柄と転写シートの透明着色柄
の複合により、天然材の持つ木目と着色透明繊維層が発
する発色作用を生かしたまま、実施例のごとく、柾目を
板目に形成でき、また、工業生産上、再現性良く生産で
きる。また、この発明は、着色下塗り透明樹脂層、着色
柄付き透明樹脂層、着色上塗り透明樹脂層を順次積層し
た構成とすることにより、通常のマホガニー材の木目を
マホガニーとして最も理想的な木目を有するものへと、
天然材の風合を生かしたまま天然材の木目の意匠性を著
しく向上させることができる。さらに、透明樹脂層を順
次積層するこの手法を用いることにより、少数のパター
ンの樹脂フィルムの組合せにより数多くの木目、色柄の
パターンを再現性良く生産でき、さらに、多層樹脂フィ
ルムタイプのホットスタンプフィルムの熱転写に際し、
基材のプレヒートによる一定低温度熱転写を施すことに
より、木質基材表面の熱による脆弱化を防止しながら、
一定接着強度が得られる。また、着色及び柄付け透明樹
脂層を溶剤に相溶性を有し、かつ木質基材に熱接着性の
あるアクリルポリマー系樹脂や、セルロース誘導体系な
どの樹脂を主体に形成し、透明樹脂層または各透明樹脂
層間に溶剤を混入させることにより、着色および柄付け
樹脂のアンカー効果により、表面保護樹脂層が磨滅ある
いは剥離したとしても着色および柄付けが剥離すること
なく基材に定着し、あたかも天然材そのもののごとく定
着する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による熱転写システムに用いる熱転写
ローラーの縦断説明図である。
【図2】この発明による板目柄シルクスクリーン印刷を
示すシルクスクリーンと天然木基材の斜視説明図であ
る。
【符号の説明】
1 転写ローラー 2 金属製ローラー 3 ゴム層 4,5 ヒーター 6 センサー 10 基材 11 転写シート 20 天然木基材 21 シルクスクリーン

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が天然木である基材上に、着色下塗
    り透明樹脂層、着色柄付き透明樹脂層、着色上塗り透明
    樹脂層を順次積層したことを特徴とする樹脂オーバーレ
    イ板。
  2. 【請求項2】 着色および柄付け、又は柄付けのみが溶
    剤に相溶性の樹脂からなることを特徴とする請求項1の
    樹脂オーバーレイ板。
  3. 【請求項3】 着色および柄付けが天然木である基材上
    に熱圧力を介して接着可能な樹脂からなることを特徴と
    する請求項2の樹脂オーバーレイ板。
  4. 【請求項4】 透明樹脂層または各樹脂層間に溶剤が混
    入していることを特徴とする請求項2の樹脂オーバーレ
    イ板。
  5. 【請求項5】 少なくとも着色柄付き透明樹脂層が透明
    フィルムであることを特徴とする請求項1の樹脂オーバ
    ーレイ板。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方の着色透明樹脂層が塗装
    膜であることを特徴とする請求項1の樹脂オーバーレイ
    板。
  7. 【請求項7】 着色下塗り透明樹脂層と着色柄付き透明
    樹脂層が透明フィルムでかつ予めラミネートされた2層
    フィルムであることを特徴とする請求項1の樹脂オーバ
    ーレイ板。
  8. 【請求項8】 着色柄付き透明樹脂層と着色上塗り透明
    樹脂層が透明フィルムでかつ予めラミネートされた2層
    フィルムであることを特徴とする請求項1の樹脂オーバ
    ーレイ板。
  9. 【請求項9】 各透明樹脂層が透明フィルムでかつ予め
    ラミネートされた3層フィルムであることを特徴とする
    請求項1の樹脂オーバーレイ板。
  10. 【請求項10】 着色および柄付けが溶剤に相溶性があ
    る樹脂からなることを特徴とする請求項7、請求項8ま
    たは請求項9の樹脂オーバーレイ板。
  11. 【請求項11】 ラミネートされた積層透明フィルムの
    接着剤に溶剤が混入していることを特徴とする請求項1
    0の樹脂オーバーレイ板。
  12. 【請求項12】 天然木が柾目でオープンボアである場
    合に、所要パターンでオープンボアを残す又は埋める目
    止めを行ったことを特徴とする請求項1の樹脂フィルム
    オーバーレイ板。
  13. 【請求項13】 基材上に柾目突き板を設けたものがベ
    ニア板であることを特徴とする請求項1の樹脂フィルム
    オーバーレイ板。
  14. 【請求項14】 柾目突き板がロータリー単板であるこ
    とを特徴とする請求項1の樹脂オーバーレイ板。
  15. 【請求項15】 表面が天然木である基材上に、接着剤
    を介して着色下塗り透明樹脂層、着色柄付き透明樹脂
    層、着色上塗り透明樹脂層を順次積層したことを特徴と
    する樹脂オーバーレイ板の製造方法。
  16. 【請求項16】 基材上に転写フィルムを熱転写する際
    に、基材の表面温度を60〜70℃に一定加熱し、転写
    温度を160℃以下の一定温度で転写することを特徴と
    する請求項15の樹脂オーバーレイ板の製造方法。
  17. 【請求項17】 転写ローラーをヒーター内蔵の金属製
    ローラーに厚さが15mm以下のゴム層を巻回させた構
    成となし、基材との非当接面側にゴム層の加熱用の外部
    加熱ヒーターを配設し、転写後のゴム層表面温度の低下
    に応じて、内部及び外部のヒーターを制御し、又転写速
    度の増加に対応してローラー径を大きくすることによ
    り、ローラーの熱容量を拡大し、転写後の温度低下より
    軽減することにより、一回転後までに所定温度まで昇温
    させ、一定温度条件で連続的に熱転写することを特徴と
    する請求項16の樹脂オーバーレイ板の製造方法。
  18. 【請求項18】 着色及び柄付けが溶剤に相溶性のある
    樹脂からなることを特徴とする請求項15の樹脂オーバ
    ーレイ板の製造方法。
  19. 【請求項19】 透明樹脂層または接着剤に溶剤が混入
    していることを特徴とする請求項16の樹脂オーバーレ
    イ板の製造方法。
  20. 【請求項20】 転写フィルムからなる着色柄付き透明
    樹脂層を積層することを特徴とする請求項15の樹脂オ
    ーバーレイ板の製造方法。
  21. 【請求項21】 少なくとも一方の着色透明樹脂層を塗
    装にて形成したことを特徴とする請求項15の樹脂オー
    バーレイ板の製造方法。
  22. 【請求項22】 着色下塗り透明樹脂層と着色柄付き透
    明樹脂層を転写フィルムにて形成しかつ予めラミネート
    した2層フィルムを積層することを特徴とする請求項1
    5の樹脂オーバーレイ板の製造方法。
  23. 【請求項23】 着色柄付き透明樹脂層と着色上塗り透
    明樹脂層を転写フィルムにて形成しかつ予めラミネート
    した2層フィルムを積層することを特徴とする請求項1
    5の樹脂オーバーレイ板の製造方法。
  24. 【請求項24】 各透明樹脂層を転写フィルムにて形成
    しかつ予めラミネートした3層フィルムを積層すること
    を特徴とする請求項15の樹脂オーバーレイ板の製造方
    法。
  25. 【請求項25】 着色および柄付けが溶剤に相溶性のあ
    る樹脂からなることを特徴とする請求項22、請求項2
    3または請求項24の樹脂オーバーレイ板。
  26. 【請求項26】 ラミネートされた積層フィルムの接着
    剤に溶剤が混入していることを特徴とする請求項25の
    樹脂オーバーレイ板。
  27. 【請求項27】 基材上に転写フィルムを熱転写する際
    に、基材の表面温度を60〜75℃に、一定加熱し、転
    写温度を160℃以下の一定温度で転写することを特徴
    とする請求項22、請求項23、請求項24、請求項2
    5または請求項26の樹脂オーバーレイ板の製造方法。
  28. 【請求項28】 転写ローラーをヒーター内蔵の金属製
    ローラーに厚さが15mm以下のゴム層を巻回させた構
    成となし、基材との非当接面側にゴム層の加熱用の外部
    加熱ヒーターを配設し、転写後のゴム層表面温度の低下
    に応じて、内部及び外部ヒーターを制御し、又転写速度
    の増加に対応してローラー径を大きくすることにより、
    ローラーの熱容量を拡大し、転写後の温度低下をより軽
    減することにより、一回転後までに所定温度まで昇温さ
    せ、一定温度条件で連続的に熱転写すること特徴とする
    請求項15の樹脂オーバーレイ板の製造方法。
  29. 【請求項29】 天然木が柾目でオープンボアである場
    合に、所要パターンでオープンボアを残す又は埋める目
    止めを行ったことを特徴とする請求項14の樹脂オーバ
    ーレイ板の製造方法。
  30. 【請求項30】 同調エンボス柄のシルクスクリーン印
    刷、または同調エンボス柄のローラーによる所要パター
    ンでオープンボアを残す又は埋める目止め印刷を行うこ
    とを特徴とする請求項29の樹脂オーバーレイ板の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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