JPH083484B2 - 血液サンプルの細胞成分を分離する改良方法 - Google Patents

血液サンプルの細胞成分を分離する改良方法

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JPH083484B2
JPH083484B2 JP63267988A JP26798888A JPH083484B2 JP H083484 B2 JPH083484 B2 JP H083484B2 JP 63267988 A JP63267988 A JP 63267988A JP 26798888 A JP26798888 A JP 26798888A JP H083484 B2 JPH083484 B2 JP H083484B2
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シィ スミス ワード
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ベクトン ディキィンソン アンド カンパニー
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、一般に、リンパ球のような一定の血液細胞
の診断試験を行うための細胞成分の分離に関する。さら
に詳しくは、本発明は分析すべき血液細胞の混入のよう
な加齢(エージング)しつつあるまたは加齢された血液
に付随する問題を実質的に克服する血液分離方法に関す
る。
リンパ球は体の免疫系に大きな役割を果たしている。
リンパ球は収集され免疫機構の化学的・生理学的性質を
決定する研究活動の主要部分において使用される。例え
ば、リンパ球は癌および自己免疫病の研究の重要な部分
をなし、モノクローナル抗体技術に重要である。最も基
本的な意味において、リンパ球は感染に対する体の防御
に絶対必要な白血球である。
白血球、特にリンパ球の持つ意義のために、ヒトの血
液からのリンパ球の単離は種々の診断試験に臨床的に必
要とされる。そのような試験の中には機能試験、父親決
定試験や組織分類が含まれる。さらに、免疫能力の評価
をリンパ球の亜型(sub−types)と比率の分析を通して
行うことができる。この分析はエイズ(AIDS)の診断に
有意義であり、他の多くの慢性感染症およびしばしば末
期的感染症の予知を可能にする。これらの細胞性試験は
癌治療に使用される免疫調節をモニターするのにも使用
される。さらに、白血球、特にリンパ球を正確に測定す
ることは組織適合性を決定する上で決定的に重要であ
る。また、リンパ球の機能の分析はその型と免疫抑制に
必要な薬物療法のレベルを決定する必要があるが、この
分析も非常に重要である。
一定の型の血球、特定の細胞、通常はリンパ球、は他
の望ましくない細胞から分離し分析のために単離しなけ
ればならない。血球は密度によって分離し分類すること
ができるが、当業者を悩ませてきたのはこのリンパ球を
他の細胞から分離し単離することである。
一般に、血液標本を患者から抽出し試験管内に放置す
ると血球は大きさと密度が変化し、密度による細胞分離
が複雑になる。特に、一旦血液を取り出すとこのサンプ
ルは殆ど瞬時に分解工程を開始し、他の細胞成分より壊
れやすい顆粒球(granulocyte)が急速に大きさと密度
の変化を受ける。この分解の結果、顆粒球はリンパ球と
単球(monocyte)の密度集団に移動し始める。この望ま
しくない移動のためリンパ球と単球の密度による分離が
複雑になる。血球の抽出と分離の間の時間間隔がさらに
増すとこの問題は複雑化するだけである。すなわち、血
球抽出から細胞分離までの時間が増すとリンパ球集団に
は望ましくない顆粒球の混入が増加する。その結果、リ
ンパ球および単球集団にも望ましくない顆粒球が存在す
るのでリンパ球の診断試験を正確に行うことができな
い。
さらに詳しくいうと、種々の正常および異常血液サン
プルの観察を通して所定の細胞型密度集団内の細胞の密
度に幅広い変異性が現に存在することが発見された。事
実、血漿中を理論的沈降速度条件下で移動する血球サン
プルの密度分布を数学的に考察すると各細胞型はその密
度集団幅に亙ってガウスの正規分布をしており顆粒球が
裾野部分の赤血球と重複し、リンパ球が裾野部分の顆粒
球と重複し、単球が裾野部分と重複している。
細胞密度の重複が増加すると予想される方法が幾通り
かある。試験管内加齢は細胞型の重複が起きる一つの方
法である。典型的細胞密度は多くの個体の平均値である
から正規分布の両端にあるサンプルが顕著な重複を示す
ことが予想される。確かに、病的な例は細胞集団の重複
を変化させることが予想され、事実、全集団を変えてい
る。これらの条件は分離能率における変異性に重要な影
響を与えている。
血球の密度および体積の変化の原因となる機作につい
ては鋭意研究がなされてきた。この機作は細胞膜を通し
た輸送の三つの重要な面、すなわち、拡散、促進された
輸送および能動輸送に基づいている。それらの輸送系は
種々の薬剤により活性化または阻害されることのある種
々の独立の経路を有し複雑である。Na+K+ポンプはその
ような輸送系の一つである。
細胞環境の浸透圧の変化が細胞内外へのイオンの輸送
をもたらす結果、水の体積が必然的に変化する。この水
の体積の変化は細胞の大きさおよび密度の変化への第一
義的な影響を与える。細胞体積の調節の詳細な説明は
ビオヒミカ・エト・ビオヒュジカ・アクタ、第774巻
(1984年)第159−168頁、エルセビア・サイエンス・パ
ブリシャーズ社」に記載されている。D.リックウッド博
士編「ヨウ化密度勾配媒体、アイアールエルプレス社」
の第7章に密度勾配液体細胞分離の技術と方法の詳細な
説明がある。同刊行物には浸透圧が10%増加すると理論
的には細胞の半径が2.2%減少し、それに伴って細胞密
度が0.4%増加する。リックウッド博士は「ニコデン
ツ」とNaClの使用により分離媒体の密度および浸透圧が
独立に調節されることを述べている。ニコデンツは米国
ニューヨーク州ウエストベリ在アキュレート・ケミカル
・アンド・サイエンチフィック・コーポレーション社の
市販する密度勾配媒体に対する登録商標名であり、この
ものは分子量が821で密度が2.1g/mlである。化学的分類
名はN、N−ビス(2、3−ジヒドロキシプロピル)−
5−[N−(2、3−ジヒドロキシプロピル)アセタミ
ド]−2、4、6−トリヨ−ドイソフタルアミドであ
る。この媒体をリンパ球から単球を分離するのに使用す
ることが記載されているだけでなく、浸透圧が増加する
につれて単球の純度が変化する。沈降勾配が使用され
た。
液体勾配媒体を使用する細胞の分離では三つの型の勾
配を使用している。第一のものは沈降勾配である。沈降
速度の変化があるため、所定の時間内に分離すべき細胞
の一群は試験管底に集まるが、別の群は上清液体中に留
どまる。第二および第三の分離型は浮遊密度勾配であ
る。これらのうち、前者は不連続勾配である。すなわ
ち、サンプルを勾配の最上層に置く。沈降後、一群の細
胞が勾配液体の最上層に存在し他の群の細胞が密度勾配
液体の中または下に存在する。後者の浮遊密度勾配は連
続勾配と呼ばれる。この媒体では遠心すると媒体中の大
きな分子が媒体底部へ向かって移動し連続密度勾配を生
じる。この媒体中の細胞はそれぞれの密度に従って勾配
中にその位置をしめる。そこで、上記のように密度集団
の重複が予想され、そのようなものとして、本明細書で
第一に関心のある分野は連続勾配を使用する細胞分離方
法である。
ゲル分離法の機作は従来の浮遊密度分離法とは基本的
に異なる。すなわち、ゲル分離法では、ゲルは遠心力下
に試験管底から赤血球の塊により移動させられ、圧縮さ
れたときにその密度が1.09g/mlに達する。密度が約1.05
5−1.080g/mlのこのゲルは圧縮された塊が成長するに従
って試験管内を浮力により上昇する。ゲルは細胞懸濁液
がゲルの密度に近似する位置に最終的に沈澱する。すな
わち、赤血球、白血球および血漿の組み合わせがゲルの
密度に等しいかまたは実質的に同等の密度を示すレベル
に落ち着く。
上記平衡点において伸長したゲル塊は赤血球の塊の浮
力により下から支えられている。ゲル塊最上部の細胞懸
濁液はゲル塊自体よりも密度が低い。この状況により遠
心するとゲルは自重により圧縮される。圧縮されるとゲ
ルは試験管の中心に向かって内側に押され、ゲル塊が収
縮ないし閉じる速度およびその程度は細胞勾配の速度に
よって規制される。
ゲルの密封が起きると細胞の流れが弱まり、しばしば
ゲル塊に捕捉された細胞の細い流れとなり、本質的に大
理石模様を形成する。ゲルの下方に捕捉された血漿は細
胞がゲルの下で圧縮されるにつれて泡を形成し易く、そ
の大きさが十分に大きいとゲル中を上昇してゲル表面に
いわゆる「熱熔岩模様」を生じる。次いで、ゲルは血漿
の抜けたスペースを埋めるように沈澱する。
ゲル閉塞が起きる条件、すなわち、細胞勾配の浮力が
ゲルを圧縮する浮力よりも下がる条件を数学的に近似す
ることができる。当然、平衡点ではこれらの浮力は等し
い。系が勾配に作用している点を無視すると概念を単純
化できる。従って、そのようにして密度と存在する相の
体積百分率との積の和を等しいと置くことができる。赤
血球は見掛け密度が約1.10g/mlであり、白血球の密度は
約1.075g/ml、血漿の密度は約1.027g/mlであり、ゲルの
密度は約1.055−1.080g/mlの範囲である。二つの境界条
件、すなわち、一方は全白血球に対するものであり、他
方は全赤血球に対するものであるが、これらの条件は上
記の白血球および赤血球に対する密度の値を使用し、か
つゲルに対する密度の値を人為的に選択して1.065g/ml
として以下の通り定義することができる。
血漿と白血球だけの場合、 1.075(X)+1.027(1−X)=1.065(l) (ただし、Xは白血球の百分率(%)を表す。) =(1.065−1.027)−(1.075−1.027) =−0.79=−79%白血球 血漿と赤血球だけの場合、 1.10(X)+1.027(1−X)=1.065(l) (ただし、Xは赤血球の百分率(%)を表す。) =(1.065−1.027)−(1.10−1.027) =−0.52=−52%赤血球 従って、密度が約1.065g/mlのゲルを使用する場合
は、そのゲルは血漿中に懸濁液中の細胞の混合状態に応
じて約50−80%の充填細胞体積を持つ細胞懸濁液流に接
すると閉塞する。ゲル密度が変化すると境界条件が変化
するのは明らかである。
粘性液体中で重力下に運動する球状粒子の終端速度を
数学的に近似する等式を展開することもできるが、この
等式は単一粒子に対してだけ適用できる。そのような等
式から速度は粒子と媒体の密度差の直接関数であり、粒
径の二乗の直接関数であり、媒体の粘性の逆関数であ
る。しかしながら、この等式を各細胞型に適用したとす
れば予測される結果は実際の相分離において起きている
結果と若干矛盾するようである。実際の分離工程では赤
血球が最初であるようだ。
この現象は細胞の懸濁液の密度が高いため大量の細胞
流が生じ、多くの赤血球が等しい集団径で一団となって
行動するという観察で説明されていた。赤血球が最初と
最後になりそうであるとみなされてきた。すなわち、最
初になるのは集合および大量効果の故であり、最後にな
るのは分離中に細胞懸濁液が薄くなるにつれて個々の細
胞が上記等式に従って最小の細胞が最後に到達するよう
に移動するからである。従って、細胞懸濁液勾配の前端
は裾野端とは異なる影響の下に移動する。従って、赤血
球の混入が必然的に予測される。
懸濁された細胞が充填された細胞集団に接近するにつ
れて本来小さい細胞よりも速く移動する大きい細胞が細
胞懸濁液の密度増加のために移動速度が低下し始める。
赤血球濃度約60%では懸濁液の密度はリンパ球の密度に
近付く。そのような流れは開いたゲルを支持するのに十
分な密度を持っているので、白血球の移動はそれらの密
度に応じて低下したり逆方向になるが依然としてゲル上
方でゲルが閉じる前の位置にあることが予想できる。分
離工程のこの段階で下方に移動しつつある多数の赤血球
がそのような白血球の上に積み重なってこの動作に対抗
しようとする。白血球は赤血球を停滞させるのでこの挙
動は少なくとも部分的に赤血球の混入をも説明している
かも知れない。すなわち、細胞は個々の相の密度に応じ
て層を形成し始める。従って、この意味で濃縮された細
胞懸濁液は独自の密度分離勾配として作用する。ゲルは
平衡に到達する前に閉じるが、実質的密度分離が起きる
前は閉じない。
ゲルの密度が増加するとゲルは試験管内で下方に位置
し圧縮力の増加のため閉塞が早く起きることが予想でき
る。この動作はゲルの密度が増加するにつれて細胞の収
率が大きくなることによって実証される。例えば、密度
1.055g/mlのゲルでは70−80%になり得る。この収率の
利点は高純度の相分離を望む場合は、分離されたリンパ
球の純度が逆に作用するので、失われることがある。従
って、これらの二つのパラメータの間で最適の選択をし
なければならない。上記の議論に鑑み、大多数のサンプ
ルの純度が90%を超えることを要求する適用はゲルの物
理的性質を変えるだけでは満足することができない。
一旦ゲルが密封されると個々の細胞はゲルと置換する
のに十分な密度を持たない。従って、細胞が血漿(密
度:1.027g/ml)から出てゲル(選択された密度:1.065g/
ml)に入るにつれて細胞の相対密度は無視し得る。ゲル
の粘度は血漿の約100,000倍であるが、これによりさら
に細胞の速度が減少する。従って、血漿中2インチを数
分間で移動する細胞はゲル中にそれ自体の直径の深さに
沈むのに数日を要することになる。換言すると、ゲルは
閉じる扉を持っており、その扉より上方の細胞を除去で
きる状態においている。そのような細胞はリンパ球に富
む赤血球と白血球の混合物から成る。
従来の液体密度分離媒体とは異なり、ゲル媒体は浮遊
密度分離法においては個々の細胞には作用せず、懸濁液
中の変化する細胞勾配の平均浮遊密度に基づいて試験管
内に位置を占める。細胞型の相対速度と細胞自体の浮遊
密度効果の双方によりゲルの最上部にある細胞はリンパ
球に富む。赤血球混入は細胞溶解により除去することが
できる。精製にはゲルの分離活性を補充するために化学
薬剤を添加することが必要である。
個々の細胞が浮遊密度平衡に到達しない限り細胞直径
は、上記の速度等式中に直径の二乗のパラメータが含ま
れているために、ゲル媒体分離に重大な影響を及ぼすか
も知れない。しかしながら、細胞塊と濃縮された細胞懸
濁液は運動しているので、いつ速度効果が浮遊密度効果
に置き換えられるかを判定することは困難である。さら
に、下降する赤血球の流れに抗して白血球が上昇するこ
とを妨げる赤血球の捕捉効果の評価も困難である。加齢
が細胞、特に顆粒球の直径の増加を引き起こし、細胞の
大きさを強制的に減少させると加齢血液サンプルの分離
を顕著に改善することが知られている。この場合、加齢
効果は密度変化よりも5倍の直径変化を起こし、密度は
細胞が大きくなるにつれて減少する。例えば,2.2%の直
径変化の結果細胞沈降速度は5%変化する。
典型的な血液細胞の直径を見直すと、顆粒球の範囲が
リンパ球の範囲内に入り、単球が顆粒球の高い方の端と
重なる。赤血球の直径は最小のリンパ球の直径にほぼ同
等である。従って、細胞直径の範囲にかなりの重複があ
る。それ故、適度な分離が起きることは細胞直径のほぼ
一致するので重複のずっと少ない細胞密度がゲル分離工
程において重要な役割を果たしていなければならないこ
とを示している。従って、速度が沈降の状態を調節し、
分離工程の第一次的初期機作を構成しているが、分離工
程の後半、すなわち細胞濃度勾配が高くかつ依然として
ゲル閉塞位置上方に在るときは、密度がより主要な分離
機作となっている。細胞懸濁液が主に赤血球から成ると
きはこの細胞懸濁液が分離勾配媒体となる。
密度に従って赤血球を分離する公知方法の一つは、イ
オン密度分離媒体を使用する方法である。この媒体のイ
オン的性質が加齢されたまたは加齢しつつある血液に付
随する密度変化を較正すると言われている。公知のイオ
ン密度液体分離媒体のなかではフィコールパック(Fico
ll−Paque)(登録商標)が最も有効であるようだ。そ
れは細胞成分密度の自然減少に抵抗すると思われるから
である。フィコールパックは比重が1.077のニュートン
液体でありスエーデン国ウプサラ市在ファルマシア・フ
ァイン・ケミカルス・AB社により市販されている。
リンパ球や単球のような単核細胞をフィコールパック
をイオン密度媒体として使用して血液標本から単離する
典型的な方法は下記の工程、即ち、 所定量のフィコールパックを試験管の底部に分散させ
る工程、 該フィコールパック上に全血または希釈血のサンプル
をピペットで移す工程、 該血液サンプルとフィコールパックを約400−500gで
約30−40分間遠心する工程、 および リンパ球および単球を該フィコールパック相からピペ
ットで移し取る工程 を含む。
しかしながら、この方法は種々の理由から改良できる
ことが発見された。第一に、血液サンプルをフィコール
パック液上に最初にピペットで移す間に白血球が偶然に
該フィコールパック液面下に展開したならば比重の減少
したフィコールパックはリンパ球と単球を分離するには
不十分である。
第二に、遠心中に血液中のより軽い相がフィコールパ
ック媒体に運び込まれるとそれらの相は該フィコールパ
ックを通して上昇することができない。それは400−500
gでは浮力が小さいからである。
第三に、フィコールパック液は幾分水溶性であり遠心
速度が大きくなると血液中へのフィコールパックの溶解
度が増加し比重が低下するので約400−500gより大きい
遠心力は使用できない。換言すると、希釈血液サンプル
中の水分がフィコールパック密度媒体を希釈しようと
し、そのため密度が変化し良好な分離が妨げられる。
第四に、遠心が完了するとフィコールパック液の最上
部からのリンパ球と単球の撤去を注意深く行う必要があ
る。これは該液のニュートン液体の性質の故である。
最後に、この分離技術は完了に最低限1−2時間を要
するのでもっと時間的に有効な技術が切望される。
血液サンプルが液体密度媒体にピペットで移されると
きに血液サンプルと液体密度媒体の間の表面接触を防止
するために仕切り装置が使用された。このような装置は
液体密度媒体を仕切りの下に押さえて遠心が起きるまで
血液サンプルと液体密度媒体との相互作用を防止する。
仕切り装置は多孔質または不透性であることが知られて
いる。
不透性の仕切りはさらに遠心の際に仕切りを自動的に
開く機構を必要とする。これらの仕切りは一般にプラス
チック、エラストマー、発泡体および揺変性ゲル(thix
otropic gel)から製造されると開示されている。
これらの仕切り装置はフィコールパックのようなニュ
ートン液体を使用する細胞分離法に付随する問題の一つ
に対する十分な解決を提供するものの、さらに改良する
ために他の代替法も依然として望まれている。
従って、もう一つの細胞分離技術はニュートンゲル密
度分離媒体を使用している。これらのゲルは典型的には
充填剤と一緒に使用しなければならない。しかしなが
ら、ニュートンゲルが高分子樹脂から製造されるときは
充填剤はわずかしかまたは全く使用しない。この場合、
高粘度液体またはゲルは重合の自然の結果であるから充
填剤を使用しなくても適当な密度を得ることができる。
これらの充填剤のない型のゲルは本質的に疎水性であ
り、そのため選択された密度の媒体と一緒に使用される
水性試薬からの分離を必要としない。これらの試薬の詳
細な説明は以下に述べる。
このように、ニュートンゲルの疎水性のためそれらの
ゲルは細胞分離の密度媒体に対する完璧な候補になる
が、該ゲルは実際は不満足であることが解る。それはそ
れらに特徴的な不安定性のため輸送されるべき血液サン
プルに対する障壁として使用することができないからで
ある。
ニュートンゲルが充填剤と一緒に使用されるときは得
られるゲルは不満足である。それは定義によりゲルを結
合する結合部位が不十分にしかないからである。さら
に、これらの充填剤は水を吸収し易いが、これは以下に
述べる理由で致命的である。さらに好適な細胞分離技術
は密度媒体として揺変性ゲルを使用する方法である。
例えば、米国特許第3,852,194号公報明細書には血液
サンプル中存在する軽い層を重い層から分離すべき二相
の比重の間の比重を持つ揺変性のゲル様材料を使用して
分離する方法の一般的記載がある。このゲルと血液サン
プルは一緒に遠心され、遠心操作の間ゲルは十分に流動
して分離すべき相間に障壁を形成する。この障壁はその
上に留どまる相を従来の実験室技術により除去するのを
可能にする。
上記米国特許は広範囲のゲル様物質の利用を示唆して
いる。それらの材料に対して要求される属性として引用
されている三つの基準は下記の通りである。
(a)分離しようとする二相の間の比重 (b)分離しようとする相に関して化学的に不活性 (c)静止時は本質的に非流動性(半固定) 同様に、米国特許第3,920,549号公報明細書には同第
3,852,194号公報明細書の方法の変形例と改良方法が開
示されている。この改良方法はゲル様物質の比重よりも
大きいの固体要素を使用している。遠心中は、「付勢
子」(energizer)と呼ばれる固体要素が普通血液捕集
管の底に置かれるゲルを押し、管壁に沿うゲルの上昇運
動を容易にする。そのようにして付勢子が血液画分の分
離を促進し相間のよりきれない分離を可能にする。
同様に、米国特許第4,190,535号公報明細書に開示の
技術は明らかにリンパ球、単球および血小板を凝固阻止
処理血液から抽出する手段を対象としている。これには
三つの基本的な工程が関与している。すなわち、 (1)血液成分に対して化学的に不活性であり比重が約
1.065−1.077g/mlの水不溶性揺変性ゲル様物質を凝固阻
止処理血液のサンプル中に置く工程、 (2)ゲル−血液サンプルを少なくとも1200Gの力で十
分な時間遠心して該ゲル様物質が重い血球と血漿、血小
板、リンパ球および単球との間に障壁を形成するように
する工程、および (3)血漿、血小板、リンパ球および単球を該障壁の最
上部から撤去する工程。
1200Gを超える遠心力下で障壁を形成する能力を有す
る揺変性の非ニュートン性水不溶性ゲル様物質を使用す
ることにより米国特許第4,190,535号公報明細書に開示
の方法はより速い分離方法およびフィコールパック液で
得られるよりも完全な分離を提供する。
揺変性ゲルを使用することにより得られる有利な結果
は基本的に該ゲルがしばしば遠心を含む攪はん下にのみ
移動可能であることに帰される。従って、全血または希
釈血標本を、揺変性ゲルと一緒に該ゲルの疎水性により
遠心の前に何等相互作用を起こすことなく、管の中に注
入することができる。この特性だけが揺変性ゲルの優秀
性の証拠である。さらに、揺変性ゲルを使用すると高速
遠心を使用することができ、ごく短時間に遠心を起こす
ことができる。それは、この型のゲルは遠心中に成分に
分離したり水相で希釈されことがないからである。勿
論、フィコールパックのようなイオン性液体媒体に対す
る400Gの遠心速度と異なり、1200G近辺の遠心速度を使
用することができる。さらに、遠心時間は30−40分間
(フィコールパック)から約10分間(揺変性ゲル)に短
縮される。
揺変性ゲルは本質的に油と典型的には充填剤粒子を含
有する樹脂とから調製される。このように、揺変性ゲル
はイオン性液体とニュートンゲルに対する改良である
が、充填剤粒子によりこれらのゲルに水が存在すること
が結合部位の数、従ってゲルの粘度を変えるのに顕著な
効果がある。このようなゲルの粘度の変更は十分な期間
貯蔵した後の生成物の分離性能に影響することがある。
さらに、揺変性ゲルは典型的には非常に浸透圧が低く細
胞密度の変化を較正することができない。
しかしながら、揺変性ゲルを血漿の浸透圧を変更する
化学薬剤と一緒に使用して細胞の直径と細胞の密度を変
えることが可能である。
さらに詳しくいうと、細胞の直径と細胞の密度を変え
る化学薬剤の使用により血漿の浸透圧を変えることが可
能である。このように、与えられた細胞型の細胞をその
細胞型の集団の中心に向けて移動させ、密度の範囲を縮
めることができる。その移動は細胞集団の重複の程度を
少なくする効果を持つ。例えば、リンパ球の沈降状態を
導く大きなリンパ球は集団リンパ球中心に向かって引き
戻すことができる。小さい裾野の顆粒球は顕著な影響を
受けない。それはそのような高浸透圧薬剤処理は密度の
比較的小さい細胞には効果がないからである。しかしな
がら、同時に、大きな顆粒球の密度は顆粒球集団の中心
に向かって移動するように変えられる。この後者の動作
は、さもないと浮力密度効果のため大きな顆粒球が赤血
球塊から上方に移動を強制される分離工程の終わりでは
重要になる。全体的結果は、密度/大きさ調整剤の使用
により分離工程中にリンパ球は引き戻され、顆粒球は管
を降下するのを促進される。つまり、細胞型は大きな分
離距離を与えられているので、ゲルはリンパ球集団中に
顆粒球が捕捉されることがなく閉じることができ、純度
を改善することができる。
特に、米国特許出願第923,909号明細書には新鮮また
は加齢凝固阻止処理血液サンプルを低分子量有機および
/または無機イオン性物質を含有する高調液および/ま
たは親油性置換基を含有していてもよい分子を有する高
分子物質を含有する等調液または高調液を混合し、該血
液サンプルと該液との接触を約1分間以上維持すること
が一般的に記載されている。
一般に、この方法はゲル分離媒体を使用して顆粒球を
含む白血球の浮遊密度の見掛けの変化を阻止することに
よって凝固阻止処理したヒト血液サンプルからのリンパ
球と単球の純度または品質を維持するための方法であ
る。
以上は血漿の細胞密度と細胞直径を変えるのに使用さ
れる化学薬剤の一例である。たいていの水溶性安定化試
薬を揺変性ゲルと直接接触して使用すると性能の低下の
可能性を生じるが、美観上の問題を提起するゲルの外観
が変化する可能性も生じる。ゲルがある時間水性試薬ま
たは媒体と接触すると水が充填剤粒子を膨潤させて水性
界面においてゲルの白い層として見える大きさになる。
時の経過とともにこの白色化がゲル塊全体に進行する。
吸収された水の塊が顕著であればゲル密度が減少する。
細胞培養培地の添加は、抽出と同時に血液サンプルに
添加されれば、細胞の退化を最小にするイン・ビボ型の
環境を提供する。この場合、RPMI1640のような細胞培養
の全血への0.5:1希釈をすると非イオン性密度分離媒体
とともに使用すると血液抽出後長時間に亙って良好な分
離が可能になる。安定化試薬を使用しないと15−30分以
内に汚染の増加が監察し得る。全血に対する安定化試薬
の希釈率を増加すると血液抽出と細胞分離の間の良好な
分離性能に対する有効時間が増加する。
安定化試薬を全血に対して1:1に添加すると良好な性
能を得るために必要となる遠心前の時間を顕著に延長す
る。分離前に18−24時間の中断期間を許容するような安
定化試薬の量が理想的である。これにより、参考実験室
に送る前に医師が血液標本、密度媒体および安定化試薬
を含有する収集管を遠心する必要がなくなる。しかしな
がら、最初の試験では2:1および3:1のオーダーの希釈は
24時間後、1:1希釈よりも性能が悪かった。この理由は
分かっていない。
垂直管内の細胞の沈澱は細胞を安定化液から分離させ
易く、結果が良くないことも観察されている。必要な分
析を行うのに十分な細胞を得るのに少なくとも3−4ml
の全血が必須であることを理解することが重要である。
これため受け入れられるゲル分離管内で実地に使用でき
る安定化試薬の量には限界がある。
[発明が解決しようとする課題] 従って、本発明の第一の目的は、加齢されたまたは加
齢しつつある血液に付随する上記の問題を克服する種々
の血液細胞の分離方法を提供することにある。
さらに、本発明の第二の目的は、リンパ球以外の細胞
のリンパ球集団への重複を実質的に除去しながらリンパ
球を血液サンプルから分離する方法を提供する。
本発明の第三の目的は、リンパ球以外の細胞のリンパ
球集団への重複を実質的に除去しながらリンパ球を血液
サンプルから分離してリンパ球が診断試験を受けること
ができるようにする方法を提供する。
本発明の第四の目的は、ヒトから血液サンプルを抽出
した後一定の血球の浮遊密度の変化を実質的に防止する
ことにある。
本発明の第五の目的は、イオン性密度媒体を使用する
方法に付随する欠点を克服する、血液標本からリンパ球
および単球のような単核細胞を単離する方法を提供する
ことにある。
本発明の第六の目的は、時間と遠心速度の観点からよ
り効果的な血液細胞分離または単離方法を提供すること
にある。
本発明の第七の目的は、性能低下と上記のような美観
上の問題を克服した揺変性ゲルを使用した血液細胞分離
方法を提供することにある。
本発明の第八の目的は、さもないと分離性能に否定的
変化を引き起こす非イオン性密度ゲル媒体への水の移転
を除去する手段を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 広く考えると、上記の目的および利点は以下の装置を
提供することにより達成される。即ち、本発明は、未分
離全血のサンプル中の顆粒球からリンパ球と単球を分離
し浮遊密度の見掛けの変化を阻止しおよび/または顆粒
球の浮遊密度の損失を回復する装置において、 (a)解放端と閉塞端を有する容器、 (b)該閉塞端の付近に位置し、血液構成成分に対して
化学的に不活性な、水不溶性の揺変性ゲル様物質、 (c)該血液の浸透圧を変更するために提供されてお
り、それにより顆粒球の細胞直径と細胞密度を変化させ
る、該揺変性ゲル様物質と流体連絡している化学試薬、 (d)未分離の全血サンプルを収容するのに十分な容積
の、最初該化学試薬の付近でかつその上方にある自由空
間、および (c)リンパ球および単球を顆粒球から分離する前に該
揺変性ゲル様物質による化学試薬および/または該未分
離の全血サンプルからの水の吸収を防止して該揺変性ゲ
ル様物質の細胞分離性能特性への水の吸収の影響を実質
的に除去するようにした手段、 を備えて成る装置を提供する。
本発明の別の側面によれば、浮遊密度の見掛けの変化
が阻止されるとともに顆粒球の浮遊密度の損失が回復さ
れる、未分離全血のサンプル中の顆粒球からリンパ球と
単球を分離する方法も提供される。この方法は下記の工
程、即ち、 (1)該血液細胞と本質的に化学的に適合し得る低分子
量有機イオン性物質を含有する高張液、該血液細胞と本
質的に化学的に適合し得る低分子量無機イオン性物質を
含有する高張液、および血液細胞用培養培地、並びにそ
れらの組み合わせより成る群から選ばれた流体と該血液
サンプルを混合する工程、 (2)血液構成成分に対して化学的に不活性の水不溶性
の揺変性ゲル様物質を上記工程(1)から得られる混合
物に導入する工程、 (3)リンパ球および単球を顆粒球から分離する前に該
揺変性ゲル様物質による該流体および/または該未分離
の全血サンプルからの水の吸収を防止して該揺変性ゲル
様物質の細胞分離性能特性への水の吸収の影響を実質的
に除去するようにした手段を提供する工程、 (4)上記工程(3)から得られる該血液−流体−ゲル
混合物を、該ゲル様物質を十分に流動させて該リンパ球
および単球と該顆粒球との間に障壁を形成させるのに十
分な力と時間、遠心する工程、および (5)該リンパ球および単球を該障壁の最上層から除去
する工程 から成る。
本願の一つの発明に従えば、該揺変性ゲル様物質によ
る該化学試薬および/または該未分離の全血サンプルか
らの水の吸収を防止する手段は該揺変性ゲル様物質の製
造および/または硬化中に該揺変性ゲル様物質を水で予
備飽和させることにより提供される。
本願のさらに別の発明に従えば、該揺変性ゲル様物質
による該化学試薬および/または該未分離の全血サンプ
ルからの水の吸収を防止する手段は該揺変性ゲル様物質
と該化学試薬および/または該未分離の全血サンプルと
の間に障壁を挿入することにより提供される。この障壁
は密度媒体の性質を有する揺変性ゲル様物質と組み合わ
せて使用される密度媒体の性質を持たない揺変性ゲル様
物質を含めてもよい。この障壁はまた揺変性ゲル様物質
とニュートンゲル様物質と協同して使用される多孔質発
泡体も含めてもよい。最後に、障壁はプラスチックまた
はエラストマー製仕切りを含めてもよい。
さらに別の発明に従えば、血液の浸透圧を変えるため
に使用される化学試薬は、該血液細胞と本質的に化学的
に適合し得る低分子量有機イオン性物質を含有する高張
液、該血液細胞と本質的に化学的に適合し得る低分子量
無機イオン性物質を含有する高張液、および血液細胞用
培養培地、並びにそれらの組み合わせより成る群から選
ばれた流体であってもよい。
本発明は、揺変性ゲル様物質の細胞分離性能特性に対
する水の吸収の悪影響が実質的に除去されたので、この
揺変性ゲル様物質を分離媒体として使用する血液の細胞
成分を分離する改良された装置と方法を提供する。
[好適な実施態様] 本発明は第一次的に密度媒体として揺変性ゲルを使用
する技術に従う血液の細胞分離に関するが、本発明の一
つの実施態様に従えば、密度媒体として例えば揺変性ゲ
ルとニュートンゲルの組み合わせのようなゲルの組み合
わせを使用する技術に関する。
血液の細胞分離に使用される種類の揺変性ゲルはA.A.
ルーデラー、A.R.ザイン、D.M.ヘス、J.N.ヘニアン、G.
オヅストルヘル、「閉鎖系におけるヒトリンパ球の急
速、定量的分離および精製」、モレキュラー・イムノロ
ジー、第16巻、第621−624頁(1979年)に一般的に記載
されている。
さらに、米国特許第4,190,535号公報明細書には適当
な揺変性ゲルとその調製法が記載されている。本質的に
は、血液構成成分に化学的に不活性な水不溶性の揺変性
ゲルはジメチルポリシロキサンとメチル化により材料が
疎水性になった沈澱メチル化シリカから調製することが
できる。この揺変性ゲルは好ましくは密度が約1.055g/c
m3−約1.080g/cm3であり、比重が約1.077g/cm3となるよ
うにするのが最適である。
細胞分離は実際に上記のように分離管内で起きる。こ
のように、第1図および第2図に図示するように、装置
10は、例えば凝固阻止剤として作用する十分なヘパリン
ナトリウムを含有する滅菌したシリコーン塗布ガラス試
験管12の底部にゲル14を付着させ、次いで米国特許第3.
920,549号公報明細書に記載のように滅菌したポリエス
テル付勢子をゲル塊の中心に配置することにより無菌的
に調製することができる。他の公知の凝固阻止剤、例え
ば、EDTA、を使用することも同様に容易にできる。次い
で、分離管を排気する。プラスチック付勢子はゲルより
も比重が大きいので遠心すると付勢子がゲルに貫入しゲ
ルを試験管壁を上昇するように移動させる。この動作は
満足な管の性能にとって必須ではないが、分離とゲル密
封形成を容易にする。
閉鎖系分離管を使用すると血液サンプルの取り扱いに
おける問題を最小にできる。それにも拘わらず、米国特
許第4,190,535号公報明細書に記載のような開放管を使
用することもできる。また、他のゲル処方が同様に機能
することが見いだされている。例えば、米国特許第4,10
1,422号および同第4,310,430号公報明細書に記載のよう
な血漿分離管処方から変えられたゲルが同様の操作性を
示している。
このように、試験管12は閉塞端16と開放端17を有して
いる。好適な実施態様において、上記の閉鎖系分離管は
開放端18の上方に挿入されたときに開放端18を閉じて開
放端18が真空密封されるように適合された閉塞手段20を
使用して製造される。
第3図に図示するように、閉塞手段20は典型的には注
射器24と組み合わされたもののような針22によって貫通
することができ、血液サンプルの浸透圧を変更するのに
使用される化学試薬28の上方に位置する自由空間26内に
下記のように血液サンプルを供給することができるよう
になっている。勿論、注射器24と針22は患者から血液サ
ンプルを抽出するのにも使用される。
前記のように、揺変性ゲルは血漿の浸透圧を変えて細
胞直径と細胞密度を変える一定の化学試薬と組み合わせ
て使用するとより成功度が増す。これらの化学試薬のあ
るものは上記した通りであり、また、米国特許出願第92
3,909号明細書に一般的に開示されている。
同様に、血液細胞用の培養培地は顆粒球の浮遊密度の
変化を阻止しおよび/または浮遊密度の損失を回復する
ための試薬を構成していてもよい。
これらの化学試薬28は典型的には試験管12のような同
じ容器内で揺変性ゲル14と一緒に使用される。
自然環境では細胞は普通の成長を与えるホメオスタシ
ス系の中で生きている。これらの細胞はイン・ビボでは
加齢効果を示し易く、場合によってはそのような系の欠
如により死亡する。多くの型の細胞媒地がイン・ビトロ
の細胞成長を支持するために開発されている。最も典型
的には、細胞は分離され細胞の媒地懸濁液中で成長させ
られる。
全血の細胞分離特性は細胞培養媒地を全血に添加する
ことによって保存することができることが見いだされて
いる。血液細胞用のどんな細胞培養培地もよい結果を示
すが、ロスウエル・パーク・メモリアル・インスチチュ
ート(Roswell Park Memmorial Institute)培地および
マッコイ(McCoy)培地が特に有効であった。例えば、
全血を約20−50体積%の培地量で希釈すると分離物の純
度が高張塩溶液およびニコデンツを使用した塩溶液を用
いて得られた純度よりも一般に良好である。このよう
に、純度性能は約83%から約93%を変化することが監察
されている。
J.K.A.ニコルソンら、「新鮮血液および加齢血液にお
けるT細胞およびB細胞分析の比較」、ジャーナル・オ
ブ・イムノロジカル・メソッズ、第73巻、29−40頁(19
84年)には全血の細胞培養培地での希釈が記載されてお
り、マッコイの5a培地の使用が特に注目されている。し
かし、これらの著者による顆粒球からリンパ球を分離す
る際に細胞培養培地の添加により良い効果が与えられる
ことことの開示はない。すなわち、これらの著者は単に
血液サンプルの通常の希釈を示しているだけで、細胞培
養培地が本発明の態様、すなわち、希釈剤としてだけで
なく全血の保存剤としても使用する態様において使用す
ることができることは認識もないし示唆もない。本発明
の分離法においてゲル様物質を使用して血液サンプル中
のリンパ球と顆粒球の分離を改良するのに用途があるこ
とを何も言及していない。
しかし、揺変性ゲルと協同して化学試薬を使用すると
性能が悪化するとともに前記の美観上の問題が生じる。
これらの難点は、試薬が第1図の符号30で示すように
ゲル媒体と流体連絡しているときは水が特に水溶液中の
試薬から非イオン性密度ゲル媒体に移行されることに起
因する。水の移行は揺変性ゲルを製造するのに使用され
る有機樹脂中に存在する有機充填剤の親水性に一部分起
因している。
このように、本発明は化学試薬および/または上記顆
粒球からリンパ球と単球とを分離する以前の未分離全血
の試料から上記揺変性ゲル様物質による水の吸収を妨げ
るための手段を更に備えたことを特徴としている。揺変
性ゲル様物質による水の吸収を妨げるための手段は、
(i)該揺変性ゲル様物質が、その製造中および/また
は硬化中に水で予備飽和されていること、()障壁
を、揺変性ゲル様物質と化学試薬および/または未分離
全血のサンプルとの間に挿入すること、のいずれか一方
である。一つの実施態様では、揺変性ゲルはシリコーン
油、ブタジエン樹脂またはブチレン樹脂から形成するこ
とができる。
他の実施態様では、密度媒体として使用される揺変性
ゲルは揺変性ゲルをゲルの製造中および/または硬化期
間中に水で予備飽和させることにより修飾または処理し
てもよい。そのような予備飽和は水をゲルと混合し得ら
れた混合物を水がゲルに十分に吸収されるまで放置する
ことによって行うことができる。
そのような予備飽和の結果、粘度と密度の双方の変化
が固定され比較的低いレベルの変化が予言し得るように
なる。この予備飽和工程を使用することにより、イン・
ビトロでゲルに接触する化学試薬の水溶液中に存在する
水は水溶液からゲルへの追加の移行が起きなくなる。
美観上の見地からは、ゲルは既に飽和しているので経
時的に生成物の外観の目に見える変化はない。換言する
と、典型的にはシリカ粒子を含むゲルに使用される充填
剤によって水の吸収があるとしてもそれに付随する目に
見える白色化は既に起きている。
本発明の別の実施態様では、第2図に示すように、異
なる揺変性ゲルの組み合わせまたは揺変性ゲルとニュー
トンゲルの組み合わせを密度媒体として使用する。二つ
の揺変性ゲルを使用する場合は、一方は他方よりも密度
が低い。最も好適な実施態様としては、密度媒体は、密
度媒体の性質を持つ揺変性ゲルと密度媒体の性質を持た
ない揺変性ゲルの組み合わせを含む。水は密度媒体を作
るのに使用されるシリカのような充填剤または粒子に追
従し易い。そのような充填剤や粒子を放置しておくとゲ
ルが疎水性になり易く障壁として作用する。この障壁ゲ
ルは典型的にはゲル分離媒体よりも密度が低い。この組
み合わせから生じた障壁32は安定であるが疎水性ゲルは
最低量しか要求しない。
同様に、安定な疎水性障壁32は多孔質材料を揺変性ゲ
ルとニュートンゲルと協同して使用することにより製造
することができる。単なる例示であるが、この型の多孔
質材料にはウレタン発泡体および繊維、種々の濾過材料
およびポリプロピレンのようなプラスチック材料を含め
ることができる。このようにして形成された障壁32はそ
の取り扱いおよび貯蔵中にその本来の姿を維持し、水性
試薬28と揺変性ゲル14の間の分離を維持する。
また別の実施態様では、多孔質発泡体は水性試薬28を
収容することができ、得られた構成は、ニュートンゲル
が障壁32として揺変性ゲルと試薬で飽和された多孔質発
泡体との間に保持されている。あるいは、第二の量の揺
変性ゲルを、ニュートンゲルを揺変性ゲルと接触保持す
る障壁32として使用することができる。この場合、疎水
性障壁32を形成するのに必要なニュートンゲルの量は安
定性に要求される揺変性ゲルの実質的に大きな量に対し
て小さい。
本発明のさらに別の実施態様では、障壁32を揺変性ゲ
ル14と化学試薬28を含有する水溶液との間にプラスチッ
クまたはエラストマー製仕切りを使用して形成すること
ができる。これらの仕切りは、遠心中に開放されて容器
の所要の内容の通過を許容するように適合された、自体
を貫通する図示しないチャンネルを有する。換言すれ
ば、発泡体またはフィルター型の障壁とは異なって、チ
ャンネルを有する構造体が成形される。この構造体は水
性試薬28または血液サンプルをゲル14から分離された状
態に保ち、分離装置が形成されるまでその場所に保持
し、分離装置の形成時に該試薬または血液サンプルが該
構造体に貫入する。
仕切りを通して延長され遠心中に開放されるチャンネ
ルは該部品の製造時に例えばハニカム構造体として形成
される。
従って、予備飽和もしくは充填剤の使用量を最低限に
することにより、あるいは水層と揺変性ゲル密度媒体と
の間に障壁を介在させることにより、本発明は上記の揺
変性ゲル密度媒体による水吸収に関する問題点を克服し
ている。
本発明は特に加齢された血液サンプルについて説明し
たが本発明の方法は新鮮血液でも実施可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一つの実施態様に従う装置の斜視図
である。 第2図は、本発明の他の実施態様に従う装置の斜視図で
ある。 第3図は、本発明の装置の閉塞手段の斜視図であって、
容器内に血液サンプルを供給するために注射器で貫通し
た状態を示す。 10……血液細胞分離装置、12……試験管、14……揺変性
ゲル、16……閉塞端、18……開放端、20……閉塞手段、
22……針、24……注射器、26……自由空間、28……化学
試薬、30……液体連絡点、32……疎水性障壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−84557(JP,A) 特開 昭61−155955(JP,A)

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未分離全血のサンプル中の顆粒球からリン
    パ球と単球を分離し浮遊密度の見掛けの変化を阻止しお
    よび/または顆粒球の浮遊密度の損失を回復する装置に
    おいて、 (a)開放端と閉塞端を有する容器、 (b)該閉塞端の付近に位置し、血液構成成分に対して
    化学的に不活性な、水不溶性の揺変性ゲル様物質、 (c)該血液の浸透圧を変更するために提供されてお
    り、それにより顆粒球の細胞直径と細胞密度を変化させ
    る、該揺変性ゲル様物質と流体連絡している化学試薬、
    および (d)未分離の全血サンプルを収容するのに十分な容積
    の、最初該化学試薬の付近でかつその上方にある自由空
    間、 とを備え、 上記化学試薬および/または上記顆粒球からリンパ球と
    単球とを分離する以前の未分離全血の試料から上記揺変
    性ゲル様物質による水の吸収を妨げるための手段を更に
    備え、該手段は、 (i)該揺変性ゲル様物質が、その製造中および/また
    は硬化中に水で予備飽和されていること、 (ii)障壁を、揺変性ゲル様物質と化学試薬および/ま
    たは未分離全血のサンプルとの間に挿入すること、 のいずれか一方であることを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】該揺変性ゲルが少なくとも部分的にシリコ
    ーン油、ブタジエン樹脂およびブチレン樹脂の一つから
    形成されることを特徴とする、請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】該障壁が密度媒体の性質を有する揺変性ゲ
    ル様物質と組み合わせて使用される密度媒体の性質を持
    たない揺変性ゲル様物質を含むことを特徴とする、請求
    項1記載の装置。
  4. 【請求項4】該障壁が揺変性ゲル様物質とニュートンゲ
    ル様物質と協同して使用される多孔質発泡体を含むこと
    を特徴とする、請求項1記載の装置。
  5. 【請求項5】該多孔質材料がウレタン発泡体または繊
    維、プラスチックおよびポリプロピレンの少なくとも一
    つで形成されていることを特徴とする、請求項4記載の
    装置。
  6. 【請求項6】該化学試薬が該多孔質材料内に含有されて
    いることを特徴とする、請求項4記載の装置。
  7. 【請求項7】該障壁がプラスチックまたはエラストマー
    製仕切りを含むことを特徴とする、請求項1記載の装
    置。
  8. 【請求項8】該プラスチックまたはエラストマー製仕切
    りがさらに該仕切り中を伸長し所定の物質の通過を許容
    するように開放されるように適合されたチャンネルを有
    することを特徴とする、請求項7記載の装置。
  9. 【請求項9】該化学試薬が、該血液細胞と本質的に化学
    的に適合し得る低分子量有機イオン性物質を含有する高
    張液、該血液細胞と本質的に化学的に適合し得る低分子
    量無機イオン性物質を含有する高張液、該血液細胞と本
    質的に適合し得る高分子量有機物質を含有する等張液、
    および血液細胞用培養培地、並びにそれらの組み合わせ
    より成る群から選ばれることを特徴とする、請求項1記
    載の装置。
  10. 【請求項10】該容器の該開放端を密封するための閉塞
    手段を有することを特徴とする、請求項1記載の装置。
  11. 【請求項11】該未分離全血が凝固阻止処理されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の装置。
  12. 【請求項12】該閉塞手段が該容器の該開放端を真空密
    封するのに適していることを特徴とする、請求項10記載
    の装置。
  13. 【請求項13】該閉塞手段が該容器に血液サンプルを供
    給するための針であって該血液サンプルを抽出するのに
    適合された針によって貫通可能であることを特徴とす
    る、請求項10記載の装置。
  14. 【請求項14】該高張液が食塩水溶液であることを特徴
    とする請求項9記載の装置。
  15. 【請求項15】該低分子量無機イオン性物質の分子量が
    約1500未満であることを特徴とする、請求項9記載の装
    置。
  16. 【請求項16】該高分子量有機物質がメトリゾイン酸、
    その誘導体およびそれらの組み合わせより成る群から選
    ばれることを特徴とする、請求項9記載の装置。
  17. 【請求項17】該高分子量有機物質がメトリゾイン酸ナ
    トリウムおよびメトリザミド並びにそれらの組み合わせ
    より成る群から選ばれることを特徴とする、請求項9記
    載の装置。
  18. 【請求項18】該高分子量有機物質がN,N′−ビス
    (2、3−ジヒドロキシプロピル)−5−[N−(2、
    3−ジヒドロキシプロピル)アセタミド]−2、4、6
    −トリヨードイソフタルアミドであることを特徴とす
    る、請求項9記載の装置。
  19. 【請求項19】該培養培地がロスウエル・パーク・メモ
    リアル・インスチチュート培地およびマッコイ培地より
    成る群から選ばれることを特徴とする、請求項9記載の
    装置。
  20. 【請求項20】該揺変性ゲル様物質の比重が約1.055g/c
    m3から約1.080g/cm3であることを特徴とする、請求項1
    記載の装置。
  21. 【請求項21】該揺変性ゲル様物質の比重が約1.077g/c
    m3であることを特徴とする、請求項1記載の装置。
  22. 【請求項22】浮遊密度の見掛けの変化が阻止されると
    ともに顆粒球の浮遊密度の損失が回復される、未分離全
    血のサンプル中の顆粒球からリンパ球と単球を分離する
    方法において、 1)開放端と閉塞端を有する容器に水不溶性の揺変性ゲ
    ル様物質を導入して該閉塞端付近に該揺変性ゲル様物質
    を位置させる工程、 2)該血液の浸透圧を変えて該顆粒球の細胞直径と細胞
    密度を変えるように適合された化学試薬を該容器に導入
    する工程、 3)該容器内に該揺変性ゲル様物質による化学試薬およ
    び/または該未分離の全血サンプルからの水の吸収を防
    止して該揺変性ゲル様物質の細胞分離性能特性への水の
    吸収の影響を実質的に除去するようにした手段を導入す
    る工程で、該手段は、 (i)該揺変性ゲル様物質が、その製造中および/また
    は硬化中に水で予備飽和されていること、 (ii)障壁を、揺変性ゲル様物質と化学試薬および/ま
    たは未分離全血のサンプルとの間に挿入すること、 のいずれか一方である、 4)該未分離全血サンプルを該容器に導入する工程、お
    よび 5)該容器を、該揺変性ゲル様物質を十分に流動させて
    該リンパ球および単球と該顆粒球との間に障壁を形成さ
    せるのに十分な力と時間、遠心する工程、 から成る方法。
  23. 【請求項23】該リンパ球および単球を該障壁の最上層
    から回収する工程をさらに含むことを特徴とする、請求
    項22記載の方法。
  24. 【請求項24】該揺変性ゲルが少なくとも部分的にシリ
    コーン油、ブタジエン樹脂およびブチレン樹脂の一つか
    ら形成されることを特徴とする、請求項22記載の方法。
  25. 【請求項25】該障壁が密度媒体の性質を有する揺変性
    ゲル様物質と組み合わせて使用される密度媒体の性質を
    持たない揺変性ゲル様物質を含むことを特徴とする、請
    求項22記載の方法。
  26. 【請求項26】該障壁が揺変性ゲル様物質とニュートン
    ゲル様物質と協同して使用される多孔質発泡体を含むこ
    とを特徴とする、請求項22記載の方法。
  27. 【請求項27】該多孔質材料がウレタン発泡体または繊
    維、プラスチックおよびポリプロピレンの少なくとも一
    つで形成されていることを特徴とする、請求項26記載の
    方法。
  28. 【請求項28】該化学試薬が該多孔質材料内に含有され
    ていることを特徴とする、請求項26記載の方法。
  29. 【請求項29】該障壁がプラスチックまたはエラストマ
    ー製仕切りを含むことを特徴とする、請求項22記載の方
    法。
  30. 【請求項30】該プラスチックまたはエラストマー製仕
    切りがさらに該仕切り中を伸長し所定の物質の通過を許
    容するように開放されるように適合されたチャンネルを
    有することを特徴とする、請求項29記載の方法。
  31. 【請求項31】該化学試薬が、該血液細胞と本質的に化
    学的に適合し得る低分子量有機イオン性物質を含有する
    高張液、該血液細胞と本質的に化学的に適合し得る低分
    子量無機イオン性物質を含有する高張液、該血液細胞と
    本質的に適合し得る高分子量有機物質を含有する等張
    液、および血液細胞用培養培地、並びにそれらの組み合
    わせより成る群から選ばれることを特徴とする、請求項
    22記載の方法。
  32. 【請求項32】該高張液が食塩水溶液であることを特徴
    とする、請求項31記載の方法。
  33. 【請求項33】該無機イオン性物質の分子量が約1500未
    満であることを特徴とする、請求項31記載の方法。
  34. 【請求項34】該高分子量有機物質がメトリゾイン酸、
    その誘導体およびそれらの組み合わせより成る群から選
    ばれることを特徴とする、請求項31記載の方法。
  35. 【請求項35】該高分子量有機物質がメトリゾイン酸ナ
    トリウムおよびメトリザミド並びにそれらの組み合わせ
    より成る群から選ばれることを特徴とする、請求項31記
    載の方法。
  36. 【請求項36】該高分子量有機物質がN,N′−ビス
    (2、3−ジヒドロキシプロピル)−5−[N−(2、
    3−ジヒドロキシプロピル)アセタミド]−2、4、6
    −トリヨードイソフタルアミドであることを特徴とする
    請求項31記載の方法。
  37. 【請求項37】該培養培地がロスウエル・パーク・メモ
    リアル・インスチチュート培地およびマッコイ培地より
    成る群から選ばれることを特徴とする、請求項31記載の
    方法。
  38. 【請求項38】該揺変性ゲル様物質の比重が約1.055g/c
    m3から約1.080g/cm3であることを特徴とする、請求項22
    記載の方法。
  39. 【請求項39】該揺変性ゲル様物質の比重が約1.077g/c
    m3であることを特徴とする、請求項22記載の方法。
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