JPH0834989A - カカオ脂の分別方法及び該方法によって得られる分別脂を含有するチョコレート - Google Patents
カカオ脂の分別方法及び該方法によって得られる分別脂を含有するチョコレートInfo
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Abstract
いて急激に軟化するステアリン画分を高収率で分別でき
るカカオ脂の分別方法、及び該方法によって得られるス
テアリン画分を含有するスナップ性及び口溶け性の良好
なチョコレートの提供。 【構成】 本発明のカカオ脂の分別方法は、カカオ脂と
アセトンを1:0.5〜10の重量比率で加熱混合し、
混合物を5〜−2℃に冷却し、ステアリン画分とオレイ
ン画分に分別することを特徴とする。また、本発明のチ
ョコレートは、本発明のカカオ脂の分別方法によって得
られるステアリン画分をチョコレ−ト油分中50重量%
以上含有することを特徴とする。
Description
用いてステアリン画分とオレイン画分に分別する方法に
関する。本発明の分別方法によって得られるステアリン
画分は、品質の優れたチョコレート用油脂として、オレ
イン画分は、カカオ風味の強化された製菓用油脂として
それぞれ好適に利用することができる。
脂として使用され、独特の風味と口溶け性に代表される
物性が珍重されてきた。チョコレートにおいて食したと
きの歯ごたえ、つまり、割れるかたさ(スナップ性)と
口の中で溶ける口溶け性は、チョコレートの品質におい
て重要な要因である。このようなチョコレートの物性
は、カカオ脂の非常にシャープな融解特性に依存してい
る。即ち、カカオ脂は、25℃以下の温度域では硬く、
30〜32℃で急激に軟らかくなり、35℃では完全に
溶解する特徴をもった油脂である。この特徴は、カカオ
脂を構成するトリグリセリドの大部分が、グリセリド分
子骨格の1、3位置が飽和脂肪酸であるステアリン酸及
びパルミチン酸で構成され且つ2位置が不飽和脂肪酸で
あるオレイン酸で構成される対称型トリグリセリド(S
US:Sは飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸)であること
に起因している。通常のカカオ脂はこのSUSを約80
重量%以上含んでいる。しかし、対称型トリグリセリド
以外のトリグリセリドを15〜20重量%含み、特定の
目的にはこのトリグリセリドが悪影響を及ぼすことにな
る。カカオ脂のスナップ性については、20〜25℃に
おいては良好であるが、25〜30℃においては急激に
軟化するため、スナップ性を失う等の欠点も認められて
いる。この欠点を解決するため、チョコレート油脂にS
OS(Sはステアリン酸、Oはオレイン酸)の多い耐熱
型のハードバターを使用し、融点を上げ25〜30℃に
おける軟化を防ぐ方法がある。
又は溶剤を使用しない自然分別によりステアリン画分を
カカオ脂代用脂として製造し、その欠点を補う方法が取
られてきた。しかし、昨今のニーズに完全に対応するこ
とは困難であり、スナップ性と耐熱性をあわせもった油
脂の開発が大きな課題であった。英国特許第20137
05号明細書には、2段階でアセトンを用いて動植物油
脂を分別する方法が開示されているが、この方法は主に
パーム油と乳脂の分別に関するものである。一方、英国
特許第2177107号明細書には、上記の英国特許第
2013705号明細書に記載の方法の欠点(分別冷却
時間が長い、オレイン画分の沃素価が低く分別効率が悪
い、アセトンは溶剤除去が困難である)を解決するため
に、溶剤としてヘキサンを使用することが提案されてい
る。また、欧州特許第0424997号明細書(特開平
3−146594号公報参照)に記載の発明は、分別に
より得られるステアリン画分及びオレイン画分の固体脂
含有率で規定したものである。この発明では、オレイン
画分の対称型トリグリセリド(SUS)含量のうちジパ
ルミテートモノオレイン(POP)は25%以上あるこ
とが必要であり、その実施例ではPOP、ステアロパル
ミトオレイン(SOP)及びジステアレートモノオレイ
ン(SOS)の総量、つまり対称型トリグリセリド(S
US)の総量が68%と高いのが特徴である。また、ス
テアリン画分はPOP含量が2〜15%であり、溶剤分
別の冷却温度が16〜30℃と高めで実施され、原料の
カカオ脂中のPOPを完全に晶出させない条件が選択さ
れている。このため、原料のカカオ脂の55〜75%が
ステアリン画分として分離されている。
を配合する方法では、高温でスナップ性に優れたチョコ
レートが得られるものの体温付近での融解性が低く、口
溶けのよいチョコレートを得ることができなかった。
25〜30℃において軟化せず、30〜35℃において
急激に軟化するステアリン画分及びカカオ風味の強化さ
れたオレイン画分を分別でき、且つその際、上記ステア
リン画分を高収率で分別できるカカオ脂の分別方法、及
び該分別方法によって得られる上記ステアリン画分を含
有するスナップ性及び口溶け性の良好なチョコレートを
提供することにある。
脂の分別方法及びチョコレートを提供することにより、
上記目的を達成したものである。カカオ脂とアセトンを
1:0.5〜10の重量比率で加熱混合し、混合物を5
〜−2℃に冷却し、ステアリン画分とオレイン画分に分
別することを特徴とするカカオ脂の分別方法。上記の本
発明のカカオ脂の分別方法によって得られるステアリン
画分をチョコレート油分中50重量%以上含有すること
を特徴とするチョコレート。
ついて詳述する。本発明のカカオ脂の分別方法を実施す
るには、先ず、カカオ脂とアセトンを加熱混合し、カカ
オ脂をアセトンに溶解する。本発明で原料となるカカオ
脂の産地の限定は特にない。また、上記カカオ脂として
は、加水分解の進んだカカオ脂の使用も可能である。ま
た、本発明に使用するアセトンは、無水あるいは含水の
状態で使用することができるが、水を多く含むと、油脂
の溶解度が低下する場合があるため、水分2重量%以
下、更には0.5重量%以下であることが望ましい。ま
た、アセトンの使用量は、カカオ脂1部(重量部、以下
同じ)に対して0.5〜10部、より好ましくは3〜7
部である。
〜−2℃、好ましくは2〜−1℃に冷却し、結晶を晶出
させ、然る後、液状部(オレイン画分)と生成した結晶
部(ステアリン画分)に分離する。このときアセトンの
使用量が0.5部より少ないと、結晶量の割合が過剰と
なり、固液分離が困難となり、また10部より多いと、
上記分別温度範囲では結晶が充分析出しないため、ステ
アリン画分の収率が悪くなる。また、分別温度が5℃よ
り高いと、上記アセトン使用量では結晶化が充分に進ま
ないため、ステアリン画分の収率が悪くなり、また−2
℃より低いと、結晶量の割合が過剰となり、固液分離が
困難となる。
トンを加熱混合した後、混合物の冷却時にカカオ脂とア
セトンの予備冷却物を混合物に添加することが好まし
い。例えば、カカオ脂とアセトンの上記重量比率の加熱
混合物の一部を取り出し、2〜−2℃に冷却しておき、
該冷却物を、上記混合物の温度が上記冷却により20〜
27℃になった時、好ましくは22〜25℃になった時
に油脂基準で0.2〜2.0重量%添加するとよい。上
記冷却物を加える理由は、結晶の核とし、結晶化しやす
くするためである。
びオレイン画分はそれぞれ常法(蒸留等)により溶剤
(アセトン)を完全に除去する。溶剤分別び設備は複雑
であり、また、危険防止のため防爆型の電気設備等の使
用が必須であり、このため設備費や溶剤を除去するため
のランニングコストが高くなる。しかし、分別の精度は
極めて高く、純度の高いステアリン画分及びオレイン画
分を得ることが可能である。
るため、必然的に極性成分を液状部であるオレイン画分
に選択的に濃縮することが可能で、風味成分及び部分グ
リセリド等をオレイン画分に濃縮でき、油脂の結晶化を
抑制する性質が認められているジグリセリド等をオレイ
ン画分に濃縮することができので、極力ステアリン画分
からこれらを除去することが可能である。
よれば、ステアリン画分を、原料のカカオ脂の重量の8
0重量%以上の高収率で分別できる。分別されたステア
リン画分は、対称型トリグリセリド(SUS:Sは炭素
数16〜18の飽和脂肪酸、Uはオレイン酸)含量が8
5重量%以上で且つPOP(ジパルミテートモノオレイ
ン)含量が16重量%以上である。また、上記ステアリ
ン画分の固体脂含量(SFC)は、33℃で15〜2
3、35℃で3以下であり、沃素価は30〜33であ
る。上記ステアリン画分は、25〜30℃において軟化
せず、30〜35℃において急激に軟化するため、チョ
コレート用油脂として用いた場合、高温でスナップ性に
優れ且つ口溶け性の良好なチョコレートが得られる。ま
た、分別されたオレイン画分は、対称型トリグリセリド
(SUS:Sは炭素数16〜18の飽和脂肪酸、Uはオ
レイン酸)含量が10〜35重量%であり、沃素価は5
0〜58である。上記オレイン画分は、カカオ風味の強
化されたものであるため、製菓用油脂として好適なもの
である。
明のチョコレートについて説明する。本発明のチョコレ
ート組成物は、上記ステアリン画分を含有しているた
め、いままでにはなかったような物性を有するものであ
る。即ち、対称型トリグリセリド含量が85重量%以
上、好ましくは90重量%以上のステアリン画分をチョ
コレート油分中50重量%以上、好ましくは75重量%
以上含む本発明のチョコレートは、25〜30℃におい
て軟化せず、スナップ性があり、30〜35℃において
急激に軟化し、良好な口溶け性を有する。
に詳しく説明する。 (実施例1)マレーシア産カカオバターを原料とし、カ
カオ脂:アセトン=1:6の比率で50℃にて混合溶解
し、混合溶解物を冷却した。別に、上記混合溶解物の一
部を0℃まで冷却しておき、上記混合溶解物が25℃に
なった時に、この冷却物を油脂基準で0.6%添加し、
結晶化を促進した。上記混合溶解物を0℃まで冷却した
後、濾過して結晶部( ステアリン画分)と液状部( オレ
イン画分) に分離した。得られたそれぞれの画分は常法
によりアセトンを除去し、つづいて常法に従い、脱色、
脱臭した。得られた各画分の収率、沃素価及び組成を下
記〔表1〕に示した。
を原料とし、実施例1と同様の操作によりステアン画分
とオレイン画分を得た。得られた各画分の収率、沃素価
及び組成を下記〔表1〕に示した。
原料とし、カカオ脂:ヘキサン=1:6の比率で50℃
にて混合溶解し、混合溶解物を冷却した。別に、上記混
合溶解物の一部を1℃まで冷却しておき、上記混合溶解
物が25℃になった時に、この冷却物を油脂基準で0.
6%添加した。上記混合溶解物を−10℃まで冷却し、
ステアリン画分とオレイン画分を得た。各画分を常法の
手順で溶剤除去、脱色、脱臭した。得られた各画分の収
率、沃素価及び組成を下記〔表1〕に示した。
原料とし、溶剤を使用せず空冷により温度を調節した装
置内で1kgの加温溶解したカカオバター(温度50℃)
を冷却速度2℃/hr で冷却し、最終温度30℃で1週間
保持した。これをメンブランフィルタープレスを使用
し、10kg/cm2で加圧して固液分離を行った。得られた
ステアリン画分及びオレイン画分の収率、沃素価及び組
成を下記〔表1〕に示した。
を、カカオ脂:アセトン=1:15の比率とした以外
は、実施例1と同様の操作によりステアリン画分とオレ
イン画分を得た。得られた各画分の収率、沃素価及び組
成を下記〔表1〕に示した。
解物の冷却を、15℃までとした以外は、実施例1と同
様の操作によりステアリン画分とオレイン画分を得た。
得られた各画分の収率、沃素価及び組成を下記〔表1〕
に示した。
は、ステアリン画分の収率が悪いことがわかる。これは
SUSをステアリン画分に濃縮することができず、オレ
イン画分にSUSが残ってしまっているためである。こ
れに対し、実施例では、ステアリン画分の収率が極めて
高い。尚、上記〔表1〕中、DG、POO、SOO、P
OP、SOP、SOS、SOA、及びSUSは次の通り
である。DG:ジグリセリド、POO:モノパルミテー
トジオレイン、SOO:モノステアレートジオレン、P
OP:ジパルミテートモノオレイン、SOP:ステアロ
パルミトオレイン、SOS:ジステアレートモノオレイ
ン、SOA:ステアロアラキジルオレイン、SUS:対
称型トリグリセリド(Sは炭素数16〜18の飽和脂肪
酸、Uはオレイン酸)。
たステアリン画分と、原料として使用したカカオ脂の固
体脂含量(SFC)を下記〔表2〕に示した。下記〔表
2〕に示すように、実施例1のステアリン画分は、25
〜30℃で固体脂含量が他のものに比べ高く、30〜3
5℃にかけて急速に固体脂含量が減少しており、つまり
25〜30℃で油脂が軟化しにくく、30〜35℃で急
激に軟化することがわかる。これに対し、比較例1のス
テアリン画分は、35℃にて依然として固体脂が残って
おり、つまり高融点のトリグリセリドが含有されてお
り、そのため口溶けが悪い。また、比較例2のステアリ
ン画分は、カカオ脂類似のSFCであり、25〜30℃
においてスナップ性が失われている。
分を含有する本発明のチョコレートの実施例を比較例と
共に挙げる。 (実施例3〜5及び比較例5〜7)実施例1で得られた
ステアリン画分を用い、以下の配合によりチョコレート
を作製し、1週間20℃でエージングを行った後、下記
の各種試験を行った。 チョコレート配合 砂 糖 45(部) 油 脂*) 35 カカオパウダー 10 脱脂粉乳 10 レシチン 0.3 バニリン 0.03*) 油 脂 実施例3 カカオ脂:ステアリン画分=50:50 実施例4 カカオ脂:ステアリン画分=25:75 実施例5 カカオ脂:ステアリン画分=0:100 比較例5 カカオ脂:ステアリン画分=100:0 比較例6 カカオ脂:ステアリン画分=75:25 比較例7 シア脂分別脂 (スナップ性)レオメーター(不動工業(株)製)にア
ダプターとして歯形押棒Bを取り付け、折試験用アダプ
ターの幅を4cmに調製し、この折試験用アダプターの上
に、幅6cm・厚さ1cmのチョコレートを乗せ、その中間
に鋭角板状のもので負荷を掛け、チョコレートの折れる
負荷重量をスナップ性とした。その結果を下記〔表3〕
に示す。
を掛け、チョコレート中に埋没した針状物の長さを固さ
の指標とした。その結果を下記〔表4〕に示す。
ップ性及び口溶け性を官能評価した。その結果を下記
〔表5〕に示す。
ら明らかなように、実施例3〜5のチョコレートは何れ
も、25〜30℃においてスナップ性を維持し、且つ良
好な口溶け性を有している。これに対し、比較例5及び
6のチョコレートは、25〜30℃においてスナップ性
が失われている。また、比較例7のチョコレートは、口
溶け性が悪い。
するステアリン画分とオレイン画分が得られる。 (2)カカオ脂より高収率でステアリン画分が得られ
る。 (3)本発明により得られるステアリン画分を使用した
チョコレートは、25〜30℃において軟化せず、スナ
ップ性を有する。 (4)本発明により得られるステアリン画分を使用した
チョコレートは、30〜35℃において急激に軟化し、
良好な口溶け性を有する。
Claims (6)
- 【請求項1】 カカオ脂とアセトンを1:0.5〜10
の重量比率で加熱混合し、混合物を5〜−2℃に冷却
し、ステアリン画分とオレイン画分に分別することを特
徴とするカカオ脂の分別方法。 - 【請求項2】 カカオ脂とアセトンを加熱混合した後、
混合物の冷却時にカカオ脂とアセトンの予備冷却物を混
合物に添加する請求項1記載のカカオ脂の分別方法。 - 【請求項3】 ステアリン画分の収率が、原料のカカオ
脂の重量の80重量%以上である請求項1記載のカカオ
脂の分別方法。 - 【請求項4】 ステアリン画分の対称型トリグリセリド
(SUS:Sは炭素数16〜18の飽和脂肪酸、Uはオ
レイン酸)含量が85重量%以上で且つPOP含量が1
6重量%以上である請求項1記載のカカオ脂の分別方
法。 - 【請求項5】 オレイン画分の対称型トリグリセリド
(SUS:Sは炭素数16〜18の飽和脂肪酸、Uはオ
レイン酸)含量が10〜35重量%である請求項1記載
のカカオ脂の分別方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載のカカオ脂
の分別方法によって得られるステアリン画分をチョコレ
ート油分中50重量%以上含有することを特徴とするチ
ョコレート。
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|---|---|---|---|
| JP16971394A JP3502158B2 (ja) | 1994-07-21 | 1994-07-21 | カカオ脂の分別方法及び該方法によって得られる分別脂を含有するチョコレート |
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