JPH0839984A - 水性ゲルインキを用いた筆記具及び筆記具の製造方法 - Google Patents
水性ゲルインキを用いた筆記具及び筆記具の製造方法Info
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Abstract
フィル3に充填した後、上記インキリーフィルを遠心分
離を行って、水性ゲルインキ1と油分とを分離して油分
を逆流防止剤7として構成し、水性ゲルインキ中にも油
分を残して、筆記具2を得た。 【効果】 書き始めから書き終わりまで均一なインキ
の流出が行われ、インキ流出性に優れ、書き味が良好で
ある。キャップオフ性に優れ、キャップを閉め忘れて
もインキの出が悪くなったりすることがなく、使い勝手
に優れる。ハウジングの摩耗が防止でき、顔料系イン
キの使用が可能である。逆流防止剤がインキ収容管の
内部に付着するのを防止でき、外観が良好であると共に
逆流防止剤の使用量を減らせる。又、シリコンオイルを
インキ収容管の内部に塗布する作業が不要となる。イ
ンキと油分との混合比率を一定にすれば、インキと逆流
防止剤の充填比率が一定になるため、インキリフィール
毎の充填量を均一にすることが可能である。筆記特性
に優れた筆記具を、インキと逆流防止剤の充填量を常に
一定に製造可能であり、安価に提供できる。
Description
剤が添加されてなる水性ゲルインキを用いた水性ボール
ペン等の筆記具、及び、該筆記具の製造方法に関するも
のである。
使用されている。ボールペンには、油性と水性の2種類
のインキが存在し、インキの種類によってそれぞれ油性
ボールペンと水性ボールペンに区別されている。油性ボ
ールペンは粘度の高い油性インキを使用しているため、
インキの流動性が低く筆記に強い圧力を要したり、又、
鮮やかな色を出しにくいといった欠点があった。一方、
水性ボールペンは流動性の良い水性インキを用い、イン
キ収容管から繊維束で形成されたインキ誘導芯を介して
ペン先にインキを供給する構造を有する。水性ボールペ
ンと油性ボールペンのインキの出を比較すると、例えば
特開昭63−6077号公報に、油性ボールペンのイン
キの吐出量が0.03g/200mであるのに対し、水
性ボールペンは0.2g/200mという数値が記載さ
れている。水性ボールペンは非常にインキの出が良い点
が大きな特徴である。
ある使い始めのうちはインキの出が良いが、インキの量
が少なくなってくるとインキ誘導芯を介してインキをペ
ン先に送る際、繊維束の毛細管の吸引力が大きくなりイ
ンキの出が悪くなってしまうという欠点があった。又、
ボールとそれを保持するハウジングの間の摩擦を見た場
合、油性インキは潤滑剤的に作用するのに対し、水性ボ
ールペンの場合には水性インキが油性インキ程の潤滑作
用がないためボールとハウジングの摩耗が大きい。又、
水性ボールペンの水性インキは油性インキに比べ水分等
の分散媒が揮発し易く、キャップを外しておくとボール
とハウジングとの間でインキが蒸発してしまい筆記不能
になりやすいという問題があった。
のとして、近年、水性インキ中に粘度調整剤を添加し
て、インキの粘度を上げて流動性を調整した、いわゆる
水性ゲルインキと称するインキが公知である。このよう
な水性ゲルインキを用いた水性ボールペンは、従来の水
性ボールペンとは区別されて、中性ボールペンとも呼ば
れている。
64−8673号公報に水性ボールペン用のインキ組成
物が開示されている。このインキは特定量のキサンタン
ガムを水性ボールペン用インキに添加して粘性を調節し
たものである。このポールペン用の水性ゲルインキの具
体的な組成として、同公報の第3頁第1表、第2表及び
第5頁の第4表には、水、キサンタンガム、エチレング
リコール、グリセリン、安息香酸ナトリウム、ジアルキ
ルコハク酸エステル、及び各種着色剤等の成分からなる
実施例が記載されている。上記のインキは、キャップオ
フ性が優れ、インキ切れや筆記後のインキカスの残存等
がなく、耐腐食性に優れ、保存安定性に優れるとされて
いる。
いた水性ボールペンの構造が記載されている。上記第1
図の水性ボールペンの構造は、ポリプロピレン製のイン
キタンクの先端にペン先が嵌め込まれ、該ペン先には
0.4mmのスチールボールが埋め込まれ、インキタン
クのペン先側にポリエステル繊維束を樹脂加工したイン
キ誘導芯が詰められ、インキタンクの内部に上記の水性
ゲルインキが充填され、インキの後端には逆流防止剤が
充填されている。一般にインキ収容管は内部のインキが
見えるように透明に形成されているものが多い。
されている逆流防止剤は、インキの消費に従いインキと
共にペン先方向へ確実に前進し、インキの蒸発を抑制し
筆記具に力が加わった場合や高温の環境下に置かれた場
合にインキが逆流するのを防止する目的で設けられてい
るものである。従来、このような逆流防止剤としては、
シリコーングリース等の粘稠な物質が用いられていた。
容管にインキを充填し、該インキ収容管の先端側にペン
先を嵌め込み、インキ収容管の後端からインキの後に逆
流防止剤を充填器等で充填し、最後に脱泡を行って、イ
ンキや逆流防止剤の中の気泡を除去することで製造され
る。
来の水性インキに比較してインキの出が使い始めから使
い終わりまで変化がなく、均一にインキが出る筆記具が
得られるが、しかし、その筆記具には下記の如き種々の
解決すべき点があった。 キャップオフ性が従来の水性インキと比較して改良さ
れているものの、油性のボールペンと比較すれば未だ不
十分であり、更に優れたキャップオフ性が要求されてい
る。 紙等に油分が付着している部分があると、その部分だ
けインキが乗らずに筆記できない場合がある。 ペン先のボールと該ボールを保持するハウジングとの
間で摩耗があり、特に顔料系の着色剤を使用した場合に
摩耗が大きく、筆記具の使用につれて書き味が低下して
しまう。 筆記具の使用につれてインキが減っていくと、逆流防
止剤がインキ収容管の壁に付着して、インキの使用と共
に減って行く為、逆流防止剤をその減り分を見越して使
用しなければならず、使用量が多くなってしまう。又、
水性ボールペンはインキが外部から見えるように形成さ
れているものが多く、その場合インキ収容管の壁に付着
して残った逆流防止剤は外観的にも見苦しい。 逆流防止剤の付着を防ぐために、インキ収容管の内部
にシリコンオイルを塗布することもある。しかし、逆流
防止剤の付着を完全に防止することはできなかった。
記具を製造する場合には下記の問題があった。 逆流防止剤がインキ収容管の内壁へ付着するのを防止
するため、シリコンオイルをインキ収容管の内部に塗布
する作業は非常に手間がかかる。 逆流防止剤をインキとは別に充填しなければならず工
程が多く、逆流防止剤を充填する際にインキ収容管の壁
に付着した場合には拭き取ったりする必要があり、製造
が煩雑である。 インキと逆流防止剤をインキリーフィルに充填した後
に脱泡を行うと、インキや逆流防止剤に含まれていた気
泡の体積分だけ、インキ及び逆流防止剤の容積が変化す
る。そのため、充填時のインキと逆流防止剤の量が変動
してしまう。そこで、従来はインキ及び逆流防止剤の充
填量を、それぞれ脱泡後の減少分を見越して充填してい
た。しかし、インキリーフィル中に含まれる気泡の量
は、インキ又は逆流防止剤中に最初から含まれる気泡以
外にも充填時の巻き込み気泡等もあり、常に一定とは限
らず1本毎に異なり、インキ及び逆流防止剤のそれぞれ
の充填量を調整しても、インキと逆流防止剤の充填量が
全て一定に揃っているものを製造するのは不可能であっ
た。
とするものであり、水性ゲルインキの持つ特徴を阻害せ
ず筆記特性に優れ且つ逆流防止剤使用による欠点を解決
した水性ゲルインキを用いた筆記具を提供すること、及
び、該水性ゲルインキと逆流防止剤の充填量の均一な充
填が可能な筆記具を容易且つ安価に提供可能な筆記具の
製造方法を提供することを目的とする。
を含む水性ゲルインキが充填されたインキリーフィルが
遠心分離されて、水性ゲルインキと油分とが分離してい
ることを特徴とする。 (2)上記(1)の筆記具において、水性ゲルインキ中
に油分が残っていることが好ましい。 (3)本発明の筆記具の製造方法は、油分を添加した水
性ゲルインキをインキリーフィルに充填した後、上記イ
ンキリーフィルを遠心分離を行って、水性ゲルインキと
油分とを分離することを特徴とする。 (4)上記(3)の筆記具の製造方法において、遠心分
離を行う場合に、遠心分離後の水性ゲルインキ中に油分
が残存するように遠心分離の条件を調節することが好ま
しい。
明する。図1は本発明の水性ゲルインキを用いた筆記具
(以下たんに筆記具ということもある)を水性ボールペ
ンとして形成した例を示し、拡大断面図である。本発明
の筆記具は、油分を添加した水性ゲルインキをインキリ
フィールに充填した後、遠心分離によって油分を水性ゲ
ルインキから分離して、図1に示すようにインキリーフ
ィル3のインキ収容管32の内部に水性ゲルインキ1が
充填され、インキ1の後に水性ゲルインキ中に添加した
油分が逆流防止剤7として位置するように形成されてい
るものである。
するための図である。図3に示すように、遠心分離は、
遠心分離機のターンテーブル21上に、油分を添加した
水性ゲルインキを充填したインキリーフィル3を軸先3
1側が外側になり該リーフィルの後端が内側となるよう
に装着してターンターブル21を回転させ、水性ゲルイ
ンキ中の油分を分離する。遠心分離を行うと、インキリ
ーフィルに充填された比重の重い水性ゲルインキは、タ
ーンテーブル21の外側の軸先31側に集まり、次いで
インキよりも比重の軽い油分が逆流防止剤としてインキ
の後に位置する。又、比重の軽い気泡は、遠心分離機の
中心側の外部に開放されているインキ収納管32の後端
部から外部に飛散して、インキと逆流防止剤の分離と脱
泡が同時に行われる。
うに遠心分離を行うことで、脱泡も同時に行われるが、
他の手段を用いて遠心分離後に脱泡を行っても良い。他
の脱泡手段としては、加温、又は真空減圧等が挙げられ
る。
離後に逆流防止剤として機能するものであり、水性ゲル
インキよりも比重が軽く分離可能であればよく、従来公
知の逆流防止剤として用いられるものが利用できる。逆
流防止剤7は、筆記具2を使用する際にペン先からイン
キが流出して消費されるのに従って、ペン先方向にイン
キと共に前進し、インキ中の揮発成分の蒸発を防止し、
筆記具を落とした場合の衝撃等によりインキ柱が切れる
のを防ぎ、インキが後端方向に逆流するのを防止するた
めのものである。遠心分離後逆流防止剤として機能する
水性ゲルインキに添加される油分は、例えば、流動パラ
フィン、液体パラフィン等の鉱油、植物油、魚油、グリ
ース、ワセリン、ポリブテン、α−オレフィンオリゴマ
ー、シリコーングリース、シリコーンオイル、高級脂肪
酸エステル、高級アルコール、ポリエステル、石油、α
−オレフィンオリゴマー、ポリグリコール等の単独又は
2以上の混合物が挙げられる。
防止剤として機能するものであり、遠心分離前の水性ゲ
ルインキに添加する油分の添加量は、分離後の油分が逆
流防止剤として機能するのに充分な量を、適宜選択すれ
ばよい。油分の水性ゲルインキへの添加量は、水性ゲル
インキ全体に対して5〜30重量%の範囲が好ましい。
条件であれば良いが、特に遠心分離後にもインキ中に油
分が残存するように行うのが好ましい。油分がインキ中
に残存していると、筆記具の使用によってインキが前進
して消費されていった場合に、インキ中の油分がインキ
収容管の壁に薄い皮膜を形成する。そしてインキの後を
行く逆流防止剤は、上記油分と同じ成分であるため、逆
流防止剤が管壁にはじかれたりせずスムーズに前進し
て、逆流防止剤がインキ収容管の内部に付着して残らず
に前進する。その結果、筆記具を使用するにつれて逆流
防止剤が減って行くのを防止できる。又、インキ中に油
分が残存していると、キャップオフ性、ボールやハウジ
ングの耐摩耗性、書き味等の筆記特性が更に向上する。
遠心分離を行う場合には、遠心分離の回転数や処理時間
等を代えることで任意の残存量とすることができる。
又、遠心分離後の油分の含有率が、0.01〜5.0重
量%の範囲となるように遠心分離を行うのが好ましい。
油分の含有率が0.01重量%未満では、充分な効果が
得られず、油分の含有率が5.0重量%を越えると、水
性ゲルインキ中への均一な分散が困難になってしまう。
油分を除く成分は公知の水性ゲルインキの各成分が用い
られる。油分を除く水性ゲルインキの成分としては、例
えば水、水性媒体、着色剤、粘性調節剤、その他の添加
剤等の成分が用いられる。その他の添加剤としては、例
えば界面活性剤、防腐剤、防錆剤、金属イオン封鎖剤等
が挙げられる。油分を添加した水性ゲルインキの好まし
い成分組成を下記の表1に示す。
機化合物が用いられ、アルコール類、グリコールエーテ
ル類、極性有機溶媒等が使用される。具体的には、アル
コール類としては、エタノール、イソプロピルアルコー
ル等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,3プロパ
ンジオール、プロピレングリコール、1,3ブチレング
リコール、1,4ブタンジオール、2,3ブチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコー
ル、チオジグリコール等の二価アルコール、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ジグリ
セリン、ソルビット等の多価アルコール等が挙げられ、
グリコールエーテル類としては、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル等が挙げられ、極性有機溶媒としては、ピ
ロリドン、Nメチル−2−ピロリドン、ジメチルホルム
アミド等が挙げられる。
ン、カーボンブラック、カーミン6B、C.I.PigmentRe
d、C.I.PigmentGreen7 、C.I.PigmentBlue等の顔料、C.
I.AcidRed87 、C.I.AcidRed92 、C.I.AcidYellow28、C.
I.AcidBlue9 、C.I.AcidViolet、C.I.AcidBlue7 、C.I.
AcidOrange56、C.I.AcidBlack2、C.I.AcidRed18 等の酸
性染料、C.I.DirectBlack19、C.I.DirectBlack38 、C.
I.DirectBlack154、C.I.DirectOrange6 、C.I.DirectYe
llow44、C.I.DirectYellow87、C.I.DirectBlue71等の直
接染料等が挙げられる。
からなる増粘剤が用いられる。例えばキサンタンガム、
カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム等の
多糖類、ヒドロキシメチルセルロースやヒドロキシエチ
ルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、ポパール等が挙
げられる。
て水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリエタノール
アミン等、界面活性剤としてアニオン系及びノニオン系
界面活性剤等、防錆剤としてベンゾトリアゾール等、防
腐剤としてメチル−P−ヒドロキシベンゾエート、ソル
ビン酸カリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、
デヒドロ酢酸ナトリウム等、金属イオン封鎖剤としてE
DTA等が挙げられる。
は、上記のインキ組成物の所望の成分を混合機等の公知
の手段で均一になるまで混合することで得られる。尚、
油分は水性ゲルインキ中に均一に分散されていればよ
い。
形成する場合、その他の構成は公知の水性ゲルインキを
用いた筆記具と同様に形成することができる。例えば図
1に示すように、インキリーフィル3を軸先31とイン
キ収容管32とから構成し、軸先31はペン部材4にチ
ップ5を嵌合し該チップ5の先端にボール6を保持して
構成する。
あり、(a)は軸先の断面図を示し、(b)は軸先内部
に用いられるボールシートの平面図である。筆記具2の
先端に設けられるボール6は、直径0.3〜0.7mm
程度のボールが用いられる。ボール6の材質としては、
例えばスチール、タングステンカーバイド、セラミック
ス等が挙げられる。上記ボール6はボールシート8によ
って保持され、水性ゲルインキはボールシートの縦溝9
を通りボール6の回転によって外部に流出する。ボール
シート8はニッケルシルバー合金、ステンレス等が用い
られる。ステンレスは耐摩耗性が良好であるが書味が劣
る。一方、書味が良好なのはニッケルシルバー合金であ
る。水性ゲルインキ中に油分が残っている場合には、ボ
ールシートとボール間で油分が潤滑剤として作用し、摩
耗を防止することができる。
ケルシルバー合金や、ステンレス等が用いられ、ボール
シートと一体に形成される。ペン部材4はチップ5を保
持し、チップ5とインキ収容管32とを接続しているも
のであり、ポリアセタール等のプラスチックより形成さ
れる。
は、例えばポリプロピレン等のプラスチック製の透明な
チューブが用いられ、該チューブは一般に内径1〜5m
m程度、長さ40〜120mm程度のものが用いられ
る。
斜視図である。本発明の水性ゲルインキを用いた筆記具
2は、図1に示したようにインキリーフィル3のみから
構成してもよいが、例えば図4に示すように、外軸10
の内部に図1に示すインキリーフィル3を収納して後端
には尾栓11を嵌め込み、先端にキャップ12を設けて
構成するのが好ましい。キャップ12には内部にキャッ
プ部材13が設けられ、外部にクリップ14が設けられ
ている。上記の外軸10は透明又は不透明のプラスチッ
クより形成されるが、一般に内部のインキが見えるよう
に透明(着色透明も含む)に形成するのが好ましい。
又、尾栓11やキャップ部材13、及びペン部材4はイ
ンキの色と同色に形成することが、意匠的に好ましい。
る。キャップ部材13は、キャップ12を外軸10に嵌
めた際に、ペン先のボールとボールシートとの間が密閉
されるように、キャップ内部の所定の位置に設けられ
る。キャップ部材13は、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウ
レタンエラストマー、天然又は合成ゴム等の比較的柔ら
かく弾性を有する材質が用いられる。水性ゲルインキ中
に油分を残した場合、ボール先端等のインキが外部に露
出する部分に、油膜が形成されることで水性ゲルインキ
中の水及び水性媒体が揮発するのが防止される。そのた
め、キャップオフ性が飛躍的に向上し、キャップを多少
外していても筆記不能になることはないが、長期にわた
り安定した筆記性能を発揮するという点や、ペン先を保
護する観点から、キャップ12を設けて筆記具2を構成
するのが好ましい。
に、油分としてシリコーングリースを15重量%添加し
た水性ゲルインキを充填した後、ターンテーブルの直径
が500mmの遠心分離機を用いて、2000rpmで
遠心分離を行って、水性ゲルインキとシリコーングリー
スを分離して、水性ボールペンを得た。尚、水性ゲルイ
ンキ中には、シリコーングリースが0.02%残ってい
た。
を除いたインキ組成物をインキリーフィルに充填した
後、そのインキの後に実施例1で用いたシリコーングリ
ースを逆流防止剤として充填して水性ボールペンを得
た。上記の実施例1と比較例1の水性ボールペンを、イ
ンキの流出性、キャップオフ性、逆流防止剤のインキ収
容管内壁への付着性について試験を行った。試験結果は
下記の通りであった。
ペンが書き始めから書終わりまで均一なインキが流出し
たのに対し、比較例1の水性ボールペンは始めはインキ
の出が良好であったが、後半にはインキの出が悪くなっ
て筆記した文字がかすれるようになった。 〔キャップオフ性〕温度50℃、湿度30%の雰囲気下
でキャップを外した状態で放置して加速試験を行った。
実施例1の水性ボールペンは、30日間放置した後でも
筆記可能であったが、比較例1の水性ボールペンは、2
日放置後に筆記不能となった。 〔逆流防止剤の付着性〕インキの流出性の試験の後の書
き終わりのインキ収容管の内部を観察して、逆流防止剤
の付着性を見た。実施例1の水性ボールペンの場合、書
き終わりのインキ収容管の内壁に逆流防止剤が付着して
残っているのは見られず外観も良好であり、最終的にイ
ンキの直ぐ後に残っている逆流防止剤の量も当初の量と
殆ど変化がなかった。これに対し、比較例1の水性ボー
ルペンの場合、逆流防止剤がインキ収容管の内壁に部分
的に付着しているのが見られ、外観が悪く、又最終的に
インキの直ぐ後に残っている逆流防止剤の量は当初の半
分以下であった。
む水性ゲルインキが充填さたインキリーフィルが遠心分
離されて、水性ゲルインキと油分とが分離していること
で、水性ゲルインキと逆流防止剤とを別々に充填する必
要がなく、インキリーフィルへの充填が1度で済む。
又、逆流防止剤を充填する必要がないため、逆流防止剤
がインキ収容管の壁に付着する虞れがなく拭き取り作業
が不要である。更にインキリーフィルの内部の水性ゲル
インキと逆流防止剤の充填は、インキと油分の混合比率
を一定にすればよいため、油分が添加された水性ゲルイ
ンキの充填の際に一定に充填すれば、充填量を均一にす
ることが容易にできる。そのため、水性ゲルインキを用
いた筆記具の製造が容易であり、しかも安価に提供でき
る。
ルインキ中に油分が残るようにした筆記具は、従来の油
分が含まれていない水性ゲルインキを用いた筆記具と比
較して筆記特性が更に向上する。インキ中の油分により
ボールとボールシートとの間の潤滑性が向上し、ハウジ
ング内部の摩耗が防止され、使い始めから使い終わりま
で書き味の変化が少ない。
を用いると、ボールシート等の間の摩耗が大きくなるた
め、ボールシートにニッケルシルバー等よりも硬いステ
ンレスを用いることが行われ、顔料系インキの場合には
書き味が劣っていた。しかし本発明において遠心分離後
のインキ中に油分を残した場合、顔料系のインキであっ
ても書き味の良好なニッケルシルバーのボールシートを
使用することが可能である。その結果、耐候性、耐水性
に優れ長期間良好な書き味を維持可能である筆記具を提
供できる。
先部分のインキが外部に露出している部分に薄い油膜が
形成され、水性ゲルインキ中の水及び水性媒体の揮発が
抑制されて、キャップオフ性が著しく向上し、キャップ
を外したまま筆記具を放置しても筆記不能となる不具合
がなく、使い勝手が非常に良い筆記具が得られる。更に
筆記する際紙に油分等が付着している部分でもインキが
乗りやすく筆記可能な紙の幅が広がる。
ボール、ボールシート及びチップ等の金属部品で形成さ
れる部材と接触しても腐食させることはなく、むしろ金
属部品の腐食を抑制する。更に、インキ中の油分は、筆
記具を使用してインキが前進して行くと、インキ収容管
の内部の管壁表面に油分が付着して薄い油膜を形成す
る。そして、インキに追随して油分と同じ成分の逆流防
止剤が前進していった場合に、逆流防止剤が油分とよく
なじみ管壁をスムーズに前進して、管壁に逆流防止剤が
付着するのを防止できる。インキ収容管の内壁に逆流防
止剤が付着しないため外観が良好であり、逆流防止剤が
筆記具の使用につれて減少することがないため、逆流防
止剤の使用量を減らせる。又、インキ収容管の内部に、
インキを充填する前にシリコーングリースを塗布する作
業が不要であって、作業性が向上する。その結果、筆記
特性に優れた筆記具を安価に提供可能である。
た例を示し、拡大断面図である。
(a)は軸先の断面図であり、(b)は軸先内部に用い
られるボールシートの平面図である。
を説明するための図である。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 油分を含む水性ゲルインキが充填された
インキリーフィルが遠心分離されて、水性ゲルインキと
油分とが分離していることを特徴とする水性ゲルインキ
を用いた筆記具。 - 【請求項2】 水性ゲルインキ中に油分が残っている請
求項1記載の水性ゲルインキを用いた筆記具。 - 【請求項3】 油分を添加した水性ゲルインキをインキ
リーフィルに充填した後、上記インキリーフィルを遠心
分離を行って、水性ゲルインキと油分とを分離すること
を特徴とする筆記具の製造方法。 - 【請求項4】 遠心分離を行う場合に、遠心分離後の水
性ゲルインキ中に油分が残存するように遠心分離の条件
を調節する請求項3記載の筆記具の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6197994A JPH0839984A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 水性ゲルインキを用いた筆記具及び筆記具の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6197994A JPH0839984A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 水性ゲルインキを用いた筆記具及び筆記具の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0839984A true JPH0839984A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16383750
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6197994A Pending JPH0839984A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 水性ゲルインキを用いた筆記具及び筆記具の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0839984A (ja) |
-
1994
- 1994-07-29 JP JP6197994A patent/JPH0839984A/ja active Pending
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