JPH0840243A - 車両のアンチスキッドブレーキ装置 - Google Patents

車両のアンチスキッドブレーキ装置

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JPH0840243A
JPH0840243A JP17995694A JP17995694A JPH0840243A JP H0840243 A JPH0840243 A JP H0840243A JP 17995694 A JP17995694 A JP 17995694A JP 17995694 A JP17995694 A JP 17995694A JP H0840243 A JPH0840243 A JP H0840243A
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threshold value
wheel
pressure
flag
braking pressure
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JP17995694A
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Haruki Okazaki
晴樹 岡崎
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ABS制御が制動圧の保持状態から開始され
る場合において、車輪のロックないしスキッドを防止し
つつ、最適な制動力を確保して制動距離の短縮を図った
車両のアンチスキッドブレーキ装置を提供する。 【構成】 車輪速度検出手段により検出された車輪速度
に基づき算出される算出値が所定の第1しきい値を超え
たときに制動圧調節手段により制動圧を保持し、かつ上
記第1しきい値よりもスリップ増大側に設定された所定
の第2しきい値を上記算出値が超えたときに上記制動圧
調節手段により制動圧の減圧を開始するように構成する
とともに、上記制動圧の保持時間が長いとき、短いとき
に比較して減圧量を低減する減圧量低減手段を設ける。
上記減圧量の低減が、上記第2しきい値を増大させるこ
とよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のアンチスキッド
ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のアンチスキッドブレーキ装置は、
基本的には、車輪が目標とする減速度で減速するよう
に、もしくは目標とするスリップ率ないしスリップ量で
減速するように、車輪に付与する制動圧(ブレーキ油
圧)を増減制御(以下必要に応じてこれをABS制御と
いう)することにより、制動時における車輪のロックな
いしスキッド状態の発生を防止して、方向安定性を失わ
せずに車両を短い制動距離で停止させるものである。こ
の場合、上記ABS制御は、車輪の減速度が所定のしき
い値を超えて大きくなったときに、あるいは車輪のスリ
ップ率ないしスリップ量が所定のしきい値を超えて大き
くなったときに、開始されるのが通常である。
【0003】ここで、車輪の減速度は一般に車輪速度を
微分することによって算出され、この車輪減速度に対す
る制御開始しきい値は、例えば−3G(重力加速度に換
算した値)程度に設定される。
【0004】上記スリップ率は、車体速度と車輪速度と
から下式によって求められ、上記車体速度としては、一
般に、車両の4つの車輪の回転速度うちの最大値が疑似
車体速度として用いられる。
【0005】スリップ率={(車体速度−車輪速度)/
車体速度}×100% そして、このスリップ率に対する制御開始しきい値は、
例えば15%程度に設定される。さらに、上記スリップ
量は車体速度から車輪速度を差し引いた偏差であり、こ
のスリップ量に対する制御開始しきい値は、例えば5km
/h程度に設定される。
【0006】一方、上記ABS制御の制御開始しきい値
を状況に応じて変更することが従来より提案されてお
り、例えば、特開平5−85335号公報に開示された
アンチスキッドブレーキ装置では、ブレーキペダルの踏
み込みとともにABS制御の制御開始しきい値を低下さ
せた後、すなわち制御開始しきい値をABS制御に入り
易い側に変更した後、該制御開始しきい値を徐々に元に
戻すようにしており、これによって、ブレーキペダルが
急いで踏まれたときのABS制御の早期開始の要求を満
たしながら、ブレーキペダルがゆっくり踏まれたときの
ABS制御の早期開始を避けて、運転者自身に路面状況
を把握させながらブレーキペダルの踏込み操作を行わせ
るようにしている。
【0007】また、最近のABS制御においては、制動
距離短縮化に要請が極めて強いものがあり、このような
観点から、ABS制御を、制動圧の保持状態から開始す
ることが考えられ、その場合は、車輪速度から算出され
る車輪の減速度および/または車輪のスリップ率ないし
スリップ量が所定の第1しきい値を超えたときに、その
ときの制動圧を保持し、かつ該第1しきい値よりもスリ
ップ増大側に設定された第2しきい値を上記減速度およ
び/または車輪のスリップ率ないしスリップ量が超えた
ときに、制動圧の減圧を開始するように構成される。
【0008】さらに、例えば、特開平1−273758
号公報に開示されているように、制動開始からABS制
御開始までの時間を計測し、この時間が長いとき、走行
路面を摩擦係数μが高い高μ路と判定して、制動圧の減
圧を緩やかに行ない、上記計測時間が短いとき、走行路
面を摩擦係数μが低い低μ路と判定して、制動圧の減圧
を急速に行なうようにしたアンチスキッド制御装置も知
られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、制動圧の保持状態からABS制御が開始された場
合、ブレーキペダルがロック限界近傍で踏まれている状
態では、車輪の減速度および/または車輪のスリップ率
ないしスリップ量がなかなか第2しきい値(減圧開始し
きい値)に達せず、制動圧の保持状態が長く持続される
ことになる。このような場合には、ブレーキ油圧が必要
以上に大きくなっていないため減圧を制限した方が制動
距離短縮のためには望ましい。
【0010】上述の事情に鑑み、本発明は、ABS制御
が制動圧の保持状態から開始される場合において、車輪
のロックないしスキッドを防止しつつ、最適な制動力を
確保して制動距離の短縮を図った車両のアンチスキッド
ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による車両のアン
チスキッドブレーキ装置は、車輪の回転速度を検出する
車輪速度検出手段と、車輪の制動圧を調節する制動圧調
節手段と、上記車輪速度検出手段により検出された車輪
速度に基づいて上記制動圧調節手段を作動させて制動圧
を周期的に増減するアンチスキッド制御手段とを備えた
車両のアンチスキッドブレーキ装置において、上記車輪
速度検出手段により検出された車輪速度に基づき算出さ
れる算出値が所定の第1しきい値を超えたときに上記制
動圧調節手段により制動圧を保持し、かつ上記第1しき
い値よりもスリップ増大側に設定された所定の第2しき
い値を上記算出値が超えたときに上記制動圧調節手段に
より制動圧の減圧を開始するように構成するとともに、
上記制動圧の保持時間が長いとき、短いときに比較して
減圧量を低減する減圧量低減手段を設けたことを特徴と
する。
【0012】上記車輪速度に基づき算出される算出値
は、車輪の減速度および/または車輪のスリップ量より
なる。
【0013】本発明の1つの態様によれば、上記減圧量
の低減が、上記第2しきい値を増大させることよりな
る。
【0014】また、上記制動圧の保持時間が所定時間よ
りも長いとき、走行路面の摩擦係数μが高μであると判
定している。
【0015】
【作用および発明の効果】ABS制御が制動圧の保持状
態から開始された場合、高μ路で制動圧の保持時間が長
いときには、ブレーキペダルがロック限界近傍で踏まれ
ていて、緩やかに増圧が行われているときである。
【0016】請求項1の発明では、制動圧の保持時間が
長いとき、短いときに比較して減圧量を低減する減圧量
低減手段を設けたことにより、ブレーキペダルがロック
限界近傍で踏まれているときの制動力を確保して制動距
離の短縮を図ることができる。
【0017】また、請求項3の発明では、請求項1の減
圧量低減手段が減圧開始しきい値である第2しきい値を
増大させる手段よりなることにより、制動圧の減圧が開
始されにくくなり、減圧量が低減されることになる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基づい
て説明する。
【0019】図1に示すように、この実施例に係わる車
両は、左右の前輪1,2が従動輪、左右の後輪3,4が
駆動輪とされ、エンジン5の出力トルクが自動変速機6
からプロペラシャフト7、差動装置8および左右の駆動
軸9,10介して左右の後輪3,4に伝達されるように
構成されている。
【0020】各車輪1〜4には、車輪と一体的に回転す
るディスク11a〜14aと、ブレーキ油圧の供給を受
けて、これらディスク11a〜14aの回転を制動する
キャリバ11b〜14b等からなるブレーキ装置11〜
14がそれぞれ設けられ、これらのブレーキ装置11〜
14を作動させるブレーキ制御システム15が設けられ
ている。
【0021】このブレーキ制御システム15は、運転者
によるブレーキペダル16の踏込力を増大させる倍力装
置17と、この倍力装置17によって増大された踏込力
に応じたブレーキ油圧を発生させるマスターシリンダ1
8とを有する。このマスターシリンダ18からの前輪用
ブレーキ油圧供給ライン19が2経路に分岐され、これ
ら前輪用分岐ブレーキ油圧ライン19a,19bが左右
の前輪1,2のブレーキ装置11,12のキャリバ11
a,12aにそれぞれ接続され、左前輪1のブレーキ装
置11に通じる一方の前輪用分岐ブレーキ油圧ライン1
9aには、電磁式の開閉弁20aと、同じく電磁式のリ
リーフ弁20bとからなる第1バルブユニット20が設
けられ、右前輪2のブレーキ装置12に通じる他方の前
輪用分岐ブレーキ油圧ライン19bにも、第1バルブユ
ニット20と同様に、電磁式の開閉弁21aと、電磁式
のリリーフ弁21bとからなる第2バルブユニット21
が設けられている。
【0022】第1バルブユニット20のリリーフ弁20
bから排出されるブレーキオイルおよび第2バルブユニ
ット21のリリーフ弁21bから排出されるブレーキオ
イルは、共通のリザーバ31に貯溜され、ABS制御時
に作動されるポンプ32によってリザーバ31から汲み
上げられたブレーキオイルが、前輪用ブレーキ油圧供給
ライン19に供給されるように構成されている。リザー
バ31内のブレーキオイルは図示しないドレーンライン
を介してマスターシリンダ18のリザーバタンク18a
に戻される。
【0023】一方マスターシリンダ18からの後輪用ブ
レーキ油圧供給ライン22には、第1,第2バルブユニ
ット20,21と同様に、電磁式の開閉弁23aと、電
磁式のリリーフ弁23bとからなる第3バルブユニット
23が設けられている。
【0024】この後輪用ブレーキ油圧供給ライン22
は、第3バルブユニット23の下流側で2経路に分岐さ
れて、これら後輪用分岐ブレーキ油圧ライン22a,2
2bが左右の後輪3,4のブレーキ装置13,14のキ
ャリバ13b,14bにそれぞれ接続されている。
【0025】第3バルブユニット23のリリーフ弁23
bから排出されるブレーキオイルは、リザーバ33に貯
溜され、ABS制御時に作動されるポンプ34によって
リザーバ33から汲み上げられるブレーキオイルが後輪
用ブレーキ油圧供給ライン22に供給されるように構成
されている。リザーバ33内のブレーキオイルも図示し
ないドレーンラインを介してマスターシリンダ18のリ
ザーバタンク18aに戻される。
【0026】このブレーキ制御システム15は、第1バ
ルブユニット20を介して左前輪1のブレーキ装置11
のブレーキ油圧を可変制御する第1チャンネルと、第2
バルブユニット21を介して右前輪2のブレーキ装置1
2のブレーキ油圧を可変制御する第2チャンネルと、第
3バルブユニット23を介して左右の後輪3,4の両ブ
レーキ装置13,14のブレーキ油圧を可変制御する第
3チャンネルとが設けられ、これら第1〜第3チャンネ
ルが互いに独立して制御されるように構成されている。
【0027】上記ブレーキ制御システム15には、第1
〜第3チャンネルを制御するコントロールユニット24
が設けられ、このコントロールユニット24は、ブレー
キペダル16のON/OFFを検出するブレーキスイッ
チ25からのブレーキ信号と、ハンドル舵角を検出する
舵角センサ26からの舵角信号と、各車輪の回転速度を
それぞれ検出する車輪速度センサ27〜30からの車輪
速度信号とを受け、これらの信号に応じたブレーキ油圧
制御信号を第1〜第3バルブユニット20,21,23
にそれぞれ出力することにより、左右の前輪1,2およ
び後輪3,4のスリップに対する制動制御、つまりAB
S制御を第1〜第3チャンネルごとに並行して行うよう
になっている。
【0028】コントロールユニット24は、各車輪速度
センサ27〜30で検出される車輪速度に基づいて第1
〜第3バルブユニット20,21,23における開閉弁
20a,21a,23aとリリーフ弁20b,21b,
23bとをそれぞれ開閉制御することにより、ロック状
態に応じたブレーキ油圧で前輪1,2および後輪3,4
に制動力を付与するようになっている。
【0029】ABS非制御状態においては、コントロー
ルユニット24からはブレーキ油圧制御信号が出力さ
れ、図示のように第1〜第3バルブユニット20,2
1,23におけるリリーフ弁20b,21b,23bが
それぞれ閉保持され、かつ各バルブユニット20,2
1,23の開閉弁20a,21a,23aがそれぞれ開
保持されるので、ブレーキペダル16の踏込力に応じて
マスターシリンダ18で発生したブレーキ油圧が、前輪
用ブレーキ油圧供給ライン19および後輪用ブレーキ油
圧供給ライン22を介して左右の前輪1,2および後輪
3,4のブレーキ装置11〜14に供給され、これらの
ブレーキ油圧に応じた制御力が前輪1,2および後輪
3,4に直接付与されることになる。
【0030】次にコントロールユニット24が行うブレ
ーキ制御の概略を説明する。
【0031】コントロールユニット24は、車輪速度セ
ンサ27〜30からの信号が示す車輪速度Vw1〜Vw
4に基づいて各車輪ごとの減速度DVw1〜DVw4お
よび加速度AVw1〜AVw4をそれぞれ算出する。
【0032】上記加速度ないし減速度の算出方法につい
て説明すると、コントロールユニット24は、車輪速度
の前回値にたいする今回値の差分をサンプリング周期Δ
t(例えば7ms)で除算した上で、その結果を重力加
速度に換算した値を今回の加速度および減速度として更
新する。
【0033】また、コントロールユニット24は、所定
の悪路判定処理を実行して、走行路面が悪路か否かを判
定する。この悪路判定の概要について説明すると、各チ
ャンネルに対応する車輪ごとに、車輪加速度または車輪
減速度が、所定期間の間に、所定の悪路判定しきい値以
上となる回数をカウントし、その回数が所定値以下のと
きには悪路フラグFakを0に設定し、また、その回数
が所定値よりも大きいときには悪路フラグFakを1に
設定する。
【0034】また、コントロールユニット24は、第3
チャンネル用の車輪速度および加速度・減速度を代表さ
せる後輪3,4を選択するが、スリップ時における後輪
3,4の両車輪速度センサ29,30の検出誤差を考慮
して、両車輪速度のうちの低い方の車輪速度が後輪車輪
速度として選択され、その車輪速度から求めた加速度お
よび減速度が後輪加速度および後輪減速度として選択さ
れることになる。
【0035】さらに、コントロールユニット24は、所
定微小時間おきに、3つのチャンネルのそれぞれの路面
摩擦係数を算出するとともに、それと平行して当該車両
の疑似車体速度Vrを算出する。
【0036】コントロールユニット24は、車輪速度セ
ンサ29,30からの信号から求めた後輪車輪速度およ
び車輪速度センサ27,28で検出される左右の前輪
1,2の車輪速度と疑似車体速度Vrとから第1〜第3
チャンネルについてのスリップ量をそれぞれ算出する
が、本実施例においては、次式で表される非スリップ率
を用いている。
【0037】 非スリップ率=(車輪速度/疑似車体速度)×100% したがって、疑似車体速度Vr(以下単に車体速度Vr
と呼ぶ)に対する車輪速度の偏差が大きくなるほど、非
スリップ率が小さくなって、車輪のスリップ傾向が大き
くなる。
【0038】次に、コントロールユニット24は、第1
〜第3チャンネルの制御に用いる各種の制御しきい値を
設定し、これら制御しきい値を用いて各チャンネルごと
のロック判定処理と、第1〜第3バルブユニット20,
21,23に対する制御量を規定するためのフェーズ決
定処理と、カスケード判定処理とを行うようになってい
る。
【0039】ここで、上記フェーズ決定処理の概略につ
いて説明すると、コントロールユニット24は、車両の
走行状態に応じて設定したそれぞれのしきい値と、車輪
加減速度や非スリップ率との比較によって、ABS非制
御状態を示すフェーズ0、ABS制御時における増圧状
態であるフェーズI、増圧後の保持状態であるフェーズ
II、減圧状態であるフェーズIII 、急減圧状態であるフ
ェーズIV、減圧後の保持状態であるフェーズVを選択す
るようになっている。
【0040】また、上記ロック判定処理について説明す
ると、例えば、左前輪用の第1チャンネルに対するロッ
ク判定処理においては、コントロールユニット24は、
先ず第1チャンネル用の継続フラグFcn1の今回値を
前回値としてセットした上で、次に車体速度Vrと車輪
速度Vw1とが所定の条件(例えば、Vr<5km/h、V
w1<7.5km/h)を満足するか否かを判定し、これら
の条件を満足するときに継続フラグFcn1とロックフ
ラグFlok1をそれぞれ0にリセットし、マタ、満足
していなければロックフラグFlok1が1にセットさ
れているか否かを判定する。
【0041】ロックフラグFlok1が1にセットされ
ていなければ、所定の条件のとき(例えば車輪減速度が
−3Gになったとき)にロックフラグFlok1を1に
セットする。
【0042】一方、コントロールユニット24は、ロッ
クフラグFlok1が1にセットされている状態におい
て、例えば第1チャンネルのフェーズフラグP1がフェ
ーズVを示す5にセットされ、かつ非スリップ率S1が
後述する5−1非スリップ率しきい値Bszより大きいと
きに継続フラグFcn1に1をセットする。なお、第
2、第3チャンネルに対しても同様にしてロック判定処
理がおこなわれる。
【0043】上記カスケード判定処理は、特にアイスバ
ーンのような低摩擦路面においては、小さなブレーキ圧
でも車輪がロックしやすいことから、車輪のロック状態
が短時間に連続して発生するカスケードロック状態を判
定するものであり、カスケードロックの生じやすい所定
の条件を満たしたときにカスケードフラグFcsが1に
セットされる。
【0044】かくして、コントロールユニット24は、
各チャンネルごとに各フェーズフラグP1で指示された
フェーズに対応したブレーキ圧信号を第1〜第3バルブ
ユニット20,21,23に対してそれぞれ出力する。
これにより、第1〜第3バルブユニット20,21,2
3の下流側における前輪用分岐ブレーキ圧ライン19
a,19bおよび後輪用分岐ブレーキ圧ライン22a、
22bのブレーキ圧が、増圧または減圧されたり、増圧
または減圧後の圧力レベルに保持されたりする。次に、
上記路面摩擦係数(路面μ)の演算方法について説明す
る。
【0045】先ず、第1チャンネルの路面摩擦係数Mu
1を算出する場合、前輪1の車輪速度Vw1とその加速
度Vgとに基づいて、路面摩擦係数Mu1が演算される
が、500msのタイマと100msのタイマとを用
い、加速開始後加速度Vgが十分に大きくならない50
0ms経過までは100ms毎に100ms間に車輪速
度Vw1の変化から、次式により加速度Vgが演算され
る。
【0046】 Vg=K1×[Vw1(i)−Vw1(i−100)] 上記加速度Vgが十分に大きくなった500ms経過後
は100ms毎に500msの間の車輪速度の変化か
ら、次式により加速度Vgが演算される。
【0047】 Vg=K2×[Vw1(i)−Vw1(i−500)] なお、上記の式中、Vw1(i)は現時点の車輪速度、
Vw1(i−100)は100ms前の車輪速度、Vw
1(i−500)は500ms前の車輪速度、K1、K
2は夫々所定の定数である。上記路面摩擦係数Mu1
は、上記のように求めた車輪速度Vw1とのその加速度
Vgとを用いて図2に示したμテーブルから3次元補完
により演算される。但し、路面μ=1.0〜2.5が低
摩擦に相当し、路面μ=2.5〜3.5が中摩擦に相当
し、路面μ=35〜5.0が高摩擦に相当する。
【0048】次に、第2チャンネルの路面摩擦係数Mu
2を算出する場合には、車輪速度Vw2を用いて上記同
様に算出し、第3チャンネルの面摩擦係数Mu3は、路
面摩擦係数Mu1と路面摩擦係数Mu2のうちの小さい
方の値に等しく設定する。但し、第1〜第3チャンネル
に対応する専用の3つの路面μセンサで検出した路面μ
を適用してもよい。
【0049】次に、疑似車体速度Vrの演算処理につい
て図3のフローチャートにより説明する。なお、以下の
車体速度Vrは疑似車体速度を意味する。
【0050】先ず、コントロールユニット24は、各種
データを読み込み(S20)、次にセンサ27〜30か
らの信号が示す車輪速度Vw1〜Vw4の中から最高車
輪速度Vwmを演算し(S21)、次に最高車輪速度V
wmのサンプリング周期Δtあたりの最高車輪速度変化
量Δwmを算出(S22)。
【0051】次に、コントロールユニット24は、S2
3において図4に示すマップから摩擦状態値Mu(第1
〜第3チャンネルの路面摩擦の最小値)に対応する車体
速度補正値CVrを読み出し、S24において最高車輪
速度変化量ΔVwmが車体速度補正値CVr以下か否か
判定する。
【0052】その判定の結果、車輪速度変化量ΔVwm
が車体速度補正値CVr以下であると判定したときには
(S24:YES)、S25において車体速度Vrの前
回値から車体速度補正値CVr減算した値を今回値に置
き換える。それ故、車体速度Vrが車体速度補正値CV
rに応じた所定の勾配で減少することになる。
【0053】一方、コントロールユニット24は、S2
4において車輪速度変化量ΔVwmが車体速度補正値C
Vrより大きいと判定したとき(S24:NO)、つま
り最高車輪速度Vwmが過大な変化を示したときには、
S26において疑似車体速度Vrから最高車輪速度Vw
mを減算した値が所定値Vo以上か否かを判定する。
【0054】つまり、最高車輪速度Vwmと車体速度V
rとの間に大きな開きがあるか否かを判定する。大きな
開きがあるときには(S26:YES)、S25におい
て車体速度Vrの前回値から車体速度補正値CVrを減
算した値を今回値に置き換える。
【0055】さらに、コントロールユニット24は、最
高車輪速度Vwmと車体速度Vrとの間に大きな開きが
ないときには(S26:NO)、S27において最高車
輪速度Vwmを車体速度Vrに置き換える。こうして、
車両の車体速度Vrが各車輪速度Vw1〜Vw4に応じ
てサンプリング周期Δtごとに更新されていく。
【0056】次に、各種制御しきい値の設定処理につい
て、図5のフローチャートと図6〜図8に基づいて説明
する。なお、この制御しきい値の設定処理は、各チャン
ネル毎に独立して実行されるが、ここでは、左前輪用の
第1チャンネルの為の制御しきう値設定処理について説
明する。
【0057】コントロールユニット24は、S30で各
種データを読み込み、次にS31において、図6に示す
ように車速域と路面μとをパラメータとして予め設定し
たテーブルから、摩擦状態値Muと車体速度Vrとに応
じた走行状態パラメータを選択する。例えば摩擦状態値
Muが低摩擦路面で示す1のときに、車体速度Vrが中
速域にあるときには、走行状態パラメータとして中速低
摩擦路面用のLM2が選択される。なお、摩擦状態値M
uは、摩擦係数Mu1〜Mu3のうちの最小のものから
決定されるが、図6においてMu=1は低摩擦状態、M
u=2は中摩擦状態、Mu=3は高摩擦状態に相当す
る。
【0058】一方、悪路フラグFakが悪路状態を示す
1にセットされているときには、図6に示すように、車
体速度Vrに応じた走行状態パラメータを選択する。こ
の場合、例えば、車体速度Vrが中速域に属するときに
は、走行状態パラメータとして中速低摩擦路面用のHM
2が強制的に選択される。すなわち、悪路走行時に車輪
速度の変動が大きいために、路面μが小さく推定される
傾向があるからである。
【0059】走行状態パラメータの選択後、コントロー
ルユニット24は、S32において、図7に示す制御し
きい値設定テーブルから、走行状態パラメータに対応す
る各種制御しきい値でそれぞれ読み出す。
【0060】ここで、各種制御しきい値としては、AB
S非制御状態を示すフェーズ0から増圧後の保持状態を
示すフェーズIIへの移行判定用の0−2減速度しきい値
02(請求項1における第1しきい値)と、図7に示す
ように、ABS制御時における増圧状態であるフェーズ
Iから増圧後の保持状態であるフェーズIIへの移行判定
用の1−2中間減速度しきい値B12、フェーズIIから減
圧状態であるフェーズIII への移行判定用の2−3中間
非スリップ率しきい値Bsg(請求項1における第2し
きい値)、フェーズIII から減圧後の保持状態であるフ
ェーズVへの移行判定用の3−5中間減速度しきい値B
35、フェーズVからフェーズIへの移行判定用の5−1
非スリップ率しきい値Bszなどが、走行状態パラメー
タ毎にそれぞれ設定されている。なお、上記0−2減速
度しきい値B02は−3Gに設定されている。
【0061】この場合、制御力に大きく影響する減速度
しきい値は、路面μが大きいときのブレーキ性能と、路
面μが小さいときの制御の応答性とを高水準で両立する
ために、摩擦状態値Muのレベルが小さくなるほど、つ
まり路面μが小さくなるほど0Gに近づくように設定さ
れている。ここで、コントロールユニット24は、走行
状態パラメータとして中速低摩擦路面用のLM2を選択
しているときには、図7の制御しきい値設定テーブルに
おけるLM2の欄に示すように、1−2中間減速度しき
い値B12、2−3中間非スリップ率しきい値Bsg、3
−5中間減速度しきい値B35、5−1非スリップ率しき
い値Bszとして、−0.5G、90%、0G、90%
の各値を夫々読み出すことになる。
【0062】次に、コントロールユニット24は、S3
3において、摩擦状態値Muが高摩擦路面を示す3にセ
ットされているか否かを判定し、Yesと判定したとき
にはS34において悪路フラグFakが0に設定されて
いるか否かを判定する。その判定の結果、悪路フラグF
akが0のときは、S35に移行して舵角センサ26で
検出された舵角θの絶対値が90°より小さいか否かを
判定し、舵角θの絶対値が90°よりも小さくないとき
には、S36において、舵角θに応じた制御しきい値の
補正処理を行う。この制御しきい値の補正処理は、図8
に例示した制御しきい値補正テーブルに基づいて行われ
る。
【0063】すなわち、図8の制御しきい値補正テーブ
ルにおいては、低摩擦と、中摩擦と、高摩擦の悪路でな
いとき、ハンドル操作量の大きいときの操舵性を確保す
るために、2−3中間非スリップ率しきい値Bsgおよ
び5−1中間非スリップ率しきい値Bszに夫々5%を
加算した値が、最終の2−3非スリップ率しきい値Bs
gおよび最終の5−1非スリップ率しきい値Bszとし
て設定されると共に、その他の中間しきい値がそのまま
最終しきい値として設定されている。
【0064】高摩擦の悪路(フラグFak=1)のと
き、ハンドル操作量が小さい時の走破性を確保する為
に、2−3中間非スリップ率しきい値Bsgおよび5−
1中間スリップ率しきい値Bszから夫々5%を減算し
た値が、最終2−3非スリップ率しきい値Bsgおよび
最終の5−1非スリップ率しきい値Bszとして設定さ
れている。次に、S35の判定結果がNOのときには、
上記各中間しきい値がそのまま最終しきい値として夫々
セットされることになる。
【0065】一方、コントロールユニット24は、S3
4において悪路フラグFakが1に設定されていると判
定したときには、S37に移行して図8の制御しきい値
補正テーブルに基づいて、悪路フラグFakと舵角θと
の関連において、2−3中間非スリップ率しきい値Bs
gおよび5−1非スリップ率しきい値Bszを夫々補正
した値を、最終の2−3中間非スリップ率しきい値Bs
gおよび最終の5−1非スリップ率しきい値Bszとし
てセットする補正処理が実行され、次に、S38におい
て図8の制御しきい値補正テーブルに基づいて、1−2
中間減速度しきい値B12から1.0Gを減算した値を最
終の1−2減速度しきい値B12としてセットする補正処
理を行う。
【0066】これは、悪路判定時においては、車輪速度
センサ27〜30が誤検出を生じやすいため、制御の応
答性を遅らせて良好な制動力を確保するためである。
尚、その他の中間しきい値はそのまま最終しきい値とし
てセットされる。更に、コントロールユニット24は、
S33において摩擦状態値Muが3でないと判定したと
きには、S35へ移行する。なお、第2、第3チャンネ
ルについても、上記第1チャンネルの場合と同様にして
制御しきい値が設定されるようになっている。
【0067】次に、上記フェーズを決定して各フェーズ
の制動制御信号をバルブユニットに出力する制御信号出
力処理について、第1チャンネルを例として、図9〜図
13のフローチャートと、図14〜図18を参照しつつ
説明する。なお、この処理は、例えば4ms毎に繰り返
される処理である。
【0068】最初に、各種データが読み込まれ(図9の
S40)、次にS41においてブレーキスイッチ25が
ONか否か判定され、その判定がNOのときはS42を
経てリターンし、上記判定がYESのときはS43にお
いて車体速度Vrが所定値C1(例えば、5.0km/h)
以下で、かつ車輪速度Vw1が所定値(例えば、7.5
km/h)以下か否か判定する。その判定がYESのとき
は、十分に減速された状態で、ABS制御の必要がない
ためS42を経てリターンするが、S43の判定がNo
のときはS44へ移行する。
【0069】S42では,フェーズフラグP1、ロック
フラグFlok1、継続フラグFcn1、フラグFが0
にそれぞれリセットされ、その後S40へリターンす
る。
【0070】次に、S44では、ロックフラグFlok
1が0か否か判定され、ABS制御開始前で、フラグF
lok1が0のときはS45へ移行して、車輪速度Vw
1の減速度DVw1(但し、DVw1≦0とする)が所
定値D0 、すなわち、0−2減速度しきい値B02(例え
ば−3G)以下か否か判定され、その判定がYESのと
きはS46へ移行する。一方、S44の判定がNOのと
きはS49へ移行する。
【0071】次に、S45の判定がYESのときは、S
46においてロックフラグFlok1が1にセットさ
れ、次にS47においてフラグP1が2にセットされて
フェーズII(増圧後の保持のフェーズ)に移行し、次に
S48にてフェーズII用に予め設定された制動制御信号
が第1バルブユニット20へ出力されその後リターンす
る。
【0072】ABS制御開始後は、フラグFlok1が
1にセットしてあるため、S44からS49へ移行して
フラグP1が2か否か判定し、フラグP1が2のときは
S50へ移行し、フラグP1が2でないときはS54へ
移行する。
【0073】S50では、スリップ率S1が2−3スリ
ップ率しきい値Bsg以下か否か判定し、最初のうちは
NOと判定されるため、S50からS48へ移行する
が、それを繰り返して、スリップ率S1がしきい値Bs
g以下になると、S50からS51へ移行する。このS
51においては、フラグP1が3にセットされてフェー
ズIII (減圧のフェーズ)に移行する。
【0074】次に、S52においてフェーズIII の開始
後の経過時間をカウントするためのタイマTがリセット
後スタートされ、次にS53では、フェーズIII のため
の制動制御信号が第1バルブユニット20へ出力され、
その後リターンする。ただし、このS53のサブルーチ
ンについては、図11〜図13に基づいて後述する。
【0075】S49の判定の結果、フラグP1が2でな
いときは、S49からS54へ移行してフラグP1が3
か否か判定され、その判定がYESのときはS55へ移
行し、上記判定がNOのときは図10のS59へ移行す
る。
【0076】S55では、減速度DVw1が3−5中間
減速度しきい値B35に等しいか否かを判定され、最初の
うちはNOと判定されるため、S55からS53へ移行
するが、それを繰り返して、減速度DVw1がしきい値
35に等しくなると、S56へ移行し、S56において
フラグP1が5にセットされてフェーズV(減圧後の保
持のフェーズ)に移行する。次に、S57において、S
53のサブルーチンで使用されるフラグFが0にリセッ
トされる。
【0077】次に、S58において、フェーズV用に予
め設定された制動制御信号が第1バルブユニット20へ
出力され、その後リターンする。
【0078】次に、S54の判定でNOのときは、図1
0のS59においてフラグP1が5か否か判定し、その
判定がYESのときはS60へ移行し、またNOのとき
はS67へ移行する。フラグP1が5のときは、S60
において、スリップ率S1が5−1スリップ率しきい値
Bsg以上か否か判定される。
【0079】最初のうちはNOと判定されるため、S6
0から図9のS58へ移行するのを繰り返す。そして、
フェーズVにおいて、非スリップ率S1が増大して、S
60の判定がYESとなるとS61へ移行し、S61に
おいて、フラグP1が1にセットされてフェーズI(増
圧のフェーズ)に移行し、かつ継続フラグFcn1が1
にセットされる。
【0080】次に、S62において、フェーズI(増圧
のフェーズ)の初期に実行される初期急増圧の急増圧時
間Tpzが演算される。この急増圧時間Tpzは、S7
0において演算され記憶された前回サイクルの増圧時間
Tiに比例する値として設定される。次に、S63にお
いて、フェーズIの開始後の経過時間をカウントするタ
イマT1がリセット後スタートされ、次にS64におい
てタイマT1のカウント時間T1がS62で設定された
急増圧時間Tpz以下か否かを判定され、最初のうち急
増圧時間Tpz以下のときは、S64からS65へ移行
し、S65においてフェーズIの初期急増圧の為に予め
設定された制動制御信号が、第1バルブユニット20へ
出力され、その後リターンする。
【0081】次に、フェーズIに移行後には、S59の
判定がNOとなるため、S59からS67へ移行し、S
67においてフラグP1が1か否か判定され、フラグP
1が1のときは、S68において減速度DVw1が、1
−2中間減速度しきい値B12以下か否か判定し、最初の
うちは、その判定がNOとなるため、S68からS64
へ移行し、急増圧時間Tpzの経過前にはS64からS
65へ移行するのを繰り返す。これを繰り返すうちに、
フェーズIに移行後、急増圧時間Tpzが経過すると、
S64の判定がNOとなるため、S64からS65へ移
行してフェーズIの緩増圧の為に予め設定された制動制
御信号が、第バルブユニット20へ出力され、その後リ
ターンするのを繰り返す。
【0082】次に、S68の判定がYESとなると、S
69においてフラグP1が2にセットされ、次にS70
においてタイマT1の計時時間に基づいて、増圧時間T
i(フェーズIの期間)が演算されて記憶され、その後
S48へ移行する。
【0083】こうして、ABS制御の開始後、フェーズ
II、フェーズIII、フェーズV、フェーズI、フェ
ーズII、フェーズIII、……の順に複数サイクルに
亘って実行され、S43の判定でYESとなったり、ブ
レーキスイッチ25がOFFになったりすると、ABS
制御が終了する(図15参照)。
【0084】次に、図9のS53のサブルーチンについ
て、図11〜図13のフローチャートおよび図14〜図
16に基づいて説明する。
【0085】第1サイクルのフェーズIII の減圧は、図
16に示すように、初回〜5回目の5回に分けて間欠的
に、リリーフ弁20bを開くことで実行されるが、各回
の減圧における減圧量は、バルブ20bの開時間で設定
される。
【0086】図14に図示した減圧レベル・減圧量のテ
ーブルには、各減圧の減圧開始時間と、減圧レベルと、
各減圧の減圧量とが記載してある。
【0087】減圧レベルDL、DM、DS,DVSは、
次式で演算される減圧変換DVから設定される。
【0088】 DV=スリップ量Sm+kc×車輪減速度の絶対値 なお、上式において、スリップ量Smは(車体速度Vr
−車輪速度Vw)、kcは所定の定数である。
【0089】k3≦DV のとき、減圧レベル=L
D、(減圧レベル大) k2≦DV<k3のとき、減圧レベル=DM、(減圧レ
ベル中) k1≦DV<k2のとき、減圧レベル=DS、(減圧レ
ベル小) DV<k1のとき、減圧レベル=DVS、(減圧レベル
微小) なお、例えば、k3=0.25Vr、k2=0.10V
r、k1=0.05Vrである。
【0090】このように、スリップ量Smと車輪速度減
速度とから減圧変換DVが演算され、この減圧変換DV
と車体速度Vrとから減圧レベルDL、DM、DS、D
VSが決定され、この減圧レベルから図14のマップに
基づいて減圧量が決定され、各減圧において減圧量の時
間だけリリーフ弁20bを開く制動制御信号を出力する
ことで、減圧が実行される。
【0091】図11のフローチャートにおいて、最初
に、S80において減圧変換DVと減圧レベルとが演算
され、次にS81では継続フラグFcn1が0か否か判
定し、フラグFcn1が0であって、第1サイクルのフ
ェーズIII では、S82に移行し、S82〜S84にお
いてフラグFについての判定を実行し、最初フラグFが
0のときはS86へ移行し、最初減圧の制御信号が出力
される。
【0092】この初回減圧は、減圧レベルに依らず、所
定量(例えば、減圧時間8ms、路面μが高いときには
減圧時間16ms)の減圧であり、リリーフ弁20bを
8msまたは16msの間開く制御信号が出力され、次
にS87においてフラグFを1にセット後リターンす
る。
【0093】前記フラグFが1のときには、S82から
S88へ移行して、2回目減圧の減圧量が、減圧レベル
と図14のマップに基づいて演算され、次にS89にお
いて、S52でスタートしたタイマTの計時時間Tが8
msになったか否か判定し、T=8msになると、S9
0において前記の減圧量の時間だけリリーフ弁20bを
開く制御信号が出力され、次にS91においてフラグF
を2にセット後リターンする。即ち、2回目の減圧は、
初回の所定量の減圧に引き続いて実行される。
【0094】なお、路面μが高いときは、図14の
〔注〕に記載のように、2回目減圧の減圧量が+3ms
だけ増加補正される。
【0095】次に、フラグF=2のときは、S83から
S92へ移行してタイマTの計時時間Tが40msか否
か判定し、T<40msの間はリターンするのを繰り返
し、T=40msになると、S93において3回目減圧
の減圧量が、減圧レベルと図14のマップに基づいて演
算され、次にS94において前記の減圧量の時間だけリ
リーフ弁20bを開く制御信号が出力され、次にS95
においてフラグFを3にセット後リターンする。つま
り、3回目の減圧は、タイマTのスタート開始後40m
s経過した時点から実行される。なお、図14の〔注〕
に記載のように、路面μが低いときには、3回目以降の
減圧の減圧量が+2msだけ増加補正される。
【0096】次に、フラグF=3のときには、S84か
らS96へ移行しタイマTの計時時間Tが80msか否
か判定し、T<80msの間はリターンするのを繰り返
し、T=80msになると、S97において4回目減圧
の減圧量が、減圧レベルと図14のマップに基づいて演
算され、次にS98において前記の減圧量の時間だけリ
リーフ弁20bを開く制御信号が出力され、次S99に
おいてフラグFを4にセット後リターンする。つまり、
4回目の減圧は、タイマTのスタート開始後80ms経
過した時点から実行される。
【0097】次に、フラグF=4のときには、S85か
らS100へ移行してタイマTの計時時間が120ms
か否か判定し、T<120msの間はリターンするのを
繰り返し、T=120msになると、S101において
5回目減速の減圧量が、減圧レベルと図14のマップに
基づいて演算され、次にS102において前記の減圧量
の時間だけリリーフ弁20bを開く制御信号が出力さ
れ、次にS103においてフラグFを0にリセット後リ
ターンする。つまり、5回目の減圧は、タイマTのスタ
ート開始後120ms経過した時点から実行される。
【0098】S81の判定の結果、継続フラグFcn1
が1のとき、つまり、第2サイクル以降のフェーズIII
のときは、図12のS104へ移行する。
【0099】S104〜S106において、フラグFに
ついて判定し、最初フラグFが0のときは、S107へ
移行して初回減圧の減圧量が演算される。ただし、この
第2サイクル以降においては、図14に示すように、初
回減圧の減圧量も減圧レベルと図14のマップに基づい
て演算される。次に、S108において、その減圧量の
時間だけリリーフ弁20bを開く制御信号が出力され、
次にS109においてフラグFを1にセット後リターン
する。なお、路面μが高いときは、初回減圧の減圧量が
+3msだけ増加補正される。
【0100】次に、フラグFが1のときは、S104か
らS110へ移行してタイマTの計時時間Tが40ms
か否か判定し、T<40msの間はリターンするのを繰
り返し、T=40msになると、S111において2回
目減圧の減圧量が、減圧レベルと図14のマップに基づ
いて演算され、次にS112においてその減圧量の時間
だけリリーフ弁20bを開く制御信号が出力され、次に
S113においてフラグFを2にセット後リターンす
る。つま、2回目の減圧は、タイマTのスタート開始後
40ms経過した時点から実行される。なお、路面μが
低いときは、2回目以降の減圧の減圧量が+2msだけ
増加補正される。
【0101】次に、フラグF=2のときには、S105
からS114へ移行してタイマTの計時時間Tが80m
sか否か判定し、T<80msの間はリターンするのを
繰り返し、T=80msになると、S115において3
回目減圧の減圧量が、減圧レベルと図14のマップに基
づいて演算され、次にS116においてその減圧量の時
間だけリリーフ弁20bを開く制御信号が出力され、次
にS117においてフラグFを3にセット後リターンす
る。つまり、3回目の減圧は、タイマTのスタート開始
後80ms経過した時点から実行される。
【0102】次に、フラグF=3のときには、S106
からS118へ移行してタイマTの計時時間Tが120
msか否か判定し、T<120msの間はリターンする
のを繰り返し、T=120msになると、S119にお
いて4回目減圧の減圧量が、減圧レベルと図14のマッ
プに基づいて演算され、次にS120においてその減圧
量の時間だけリリーフ弁20bを開く制御信号が出力さ
れ、次にS121においてフラグFを0にリセット後リ
ターンする。つまり、4回目の減圧は、タイマTのスタ
ート開始後120ms経過した時点から実行される。
【0103】ここで、路面μが高μから低μに急変した
ような場合の対策として、図11と図12のサブルーチ
ンと並行して、図13のサブルーチンが実行される。
【0104】S130の判定により、タイマTの計時時
間Tが40ms経過前には、リターンするのを繰り返
し、次にS131において、40ms≦T<80msか
否か判定し、その判定がYesのときはS132へ移行
する。
【0105】S132では、減圧レベルがDLか否か判
定し、減圧レベルがDLで減圧の要求度が大きいときに
は、S133において連続的に減圧するために連続的に
リリーフ弁20bを開く制御信号が出力され、その後リ
ターンする。その連続的減圧により減圧レベルが低下し
て、S132の判定がNOになると、S134において
その連続減圧を停止させる制御信号が出力され、その後
リターンする。
【0106】次に、T≧80msになると、S131か
らS135へ移行し、S135において、減圧レベルが
DLか否か判定し、減圧レベルがDLで減圧の要求度が
大きいときには、S136において連続的に減圧する為
に連続的にリリーフ弁20bを開く制御信号が出力さ
れ、その後リターンする。その連続的減圧により減圧レ
ベルが低下して、S135の判定がNOになると、S1
37へ移行する。
【0107】S137では、減圧レベルがDMか否か判
定し、減圧レベルがDMで減圧の要求度が未だ大きいと
きには、S138において連続的に減圧する為に連続的
にリリーフ弁20bを開く制御信号が出力され、その後
リターンする。その連続的減圧により減圧レベルが低下
して、S137の判定がNOになると、S139におい
てその連続減圧を停止させる制御信号が出力され、その
後リターンする。
【0108】次に、以上説明したABS制御の作用につ
いて、第1チャンネルに対するABS制御を例にして、
図15のタイムチャートを参照しつつ説明する。
【0109】本実施例においては、前述のように、AB
S非制御状態を示すフェーズ0から増圧後の保持状態を
示すフェーズIIへの移行判定用の0−2減速度しきい値
02、、すなわち第1しきい値が−3Gに設定され、フ
ェーズIIから減圧状態を示すフェーズIII への移行判定
用の2−3中間非スリップ率しきい値Bsgは、図7の
テーブルに示すように、走行状態パラメータに応じて8
5〜95%の範囲に設定されている。
【0110】減速時のABS非制御状態において、ブレ
ーキペダル16の踏込操作によって発生した制動圧が徐
々に増圧し、左前輪1の車輪速度Vw1の変化率(減速
度DVw1)が−3G(第1しきい値)に達したときに
は、第1チャンネルのロックフラグFlok1が1にセ
ットされ、その時刻taからABS制御が開始される。
【0111】この制御開始直後の第1サイクルにおいて
は、摩擦状態値Muは路面摩擦状態に対応した値にセッ
トされ、走行状態パラメータに応じた各種の制御しきい
値が設定される。
【0112】次に車輪速度Vw1から求めた非スリップ
率S1、車輪減速度DVw1、車輪加速度AVw1と各
種の制御しきい値とが比較され、フェーズ0からフェー
ズIIに変更され、制動圧は増圧直後のレベルで維持され
ることになる。
【0113】非スリップ率S1が、2−3中間スリップ
率しきい値Bsg(第2しきい値)より低下するとフェ
ーズIIからIII に移行し、リリーフ弁20bが前述のよ
うな減圧特性をもってON/OFFされ、その時刻tb
から制動圧が所定の勾配で減少して制動力が徐々に低下
し、前輪1の回転力が回復し始める。さらに、制動圧の
減圧が続いて車輪減速度DVw1がしきい値B35(0
G)まで低下したときには、フェーズIII からVに移行
し、その時刻tcから制動圧が減圧後のレベルで維持さ
れる。
【0114】このフェーズVにおいて非スリップ率S1
が5−1非スリップ率しきい値Bsz以上になると、継
続フラグFcn1が1にセットされ、ABS制御は、時
刻tdから第2サイクルに移行する。このとき、強制的
にフェーズIに移行し、このフェーズIへの移行直後に
は、開閉弁20aが、前記のように、前回サイクルの増
圧時間Tiをパラメータとして設定された急増圧時間T
pzの間、リリーフ弁20b閉状態で開閉弁20aが1
00%のデューティ率で開かれて、制動圧が急勾配で増
圧され、この急増圧時間Tpzの経過後は、開閉弁20
aが所定のデューティ率でON/OFFされて、制動圧
がより緩やか勾配で徐々に上昇していく。こうして、第
2サイクルへの移行直後においては、制動圧が確実に増
圧され、良好な制動圧が確保される。
【0115】一方、第2サイクル以降においても、適切
な摩擦状態値Muが決定され、これらの摩擦状態値Mu
と車体速度Vrとに応じた走行状態パラメータに対応す
る各種制御しきい値が図7の制御しきい値設定テーブル
から選択されるので、走行状態に応じた緻密な制動圧の
制御が行われる。
【0116】その後、第2サイクルにおけるフェーズV
において、例えばスリップ率S1がしきい値Bszより
大きいと判定すると第3サイクルのフェーズIに移行す
る。
【0117】本実施例のABS制御においては、図11
に示すように、継続フラグFcn1が0、つまり、第1
サイクルの減圧フェーズのとき、S86において、初回
減圧の減圧量を所定量(リリーフ弁20bの開時間8m
s、但し、高μのときは16ms)に設定してその減圧
を実行するので、ABS制御開始時の不安定なスリップ
率や車輪速度減速度の影響を受けずに、必要最小限の所
定量の初回減圧を実行できる。
【0118】次に、図17および図18に示すフローチ
ャートを参照して、本発明の特徴部分である減圧量低減
処理について説明する。なお、図中、フラグFD =1
は、車輪の減速度が0−2減速度しきい値B02(第1し
きい値=−3G)を超えてフェーズII(ブレーキ油圧の
保持)に移行した状態を示し、フラグFD =2は、フェ
ーズIIの状態(保持状態)が所定時間(例えば30m
s)持続した状態を示し、フラグFD =3は、保持時間
が所定時間(30ms)よりも短い場合の通常の減圧状
態(フェーズIII )を示し、フラグFD =4は、保持時
間が所定時間(30ms)よりも長い場合の低減された
減圧状態(フェーズIII )を示し、フラグFD =0は、
上記のいずれの状態でもないことを示す。
【0119】先ず、図17のS140〜S143におい
て、フラグFD がどの状態を示しているかを判定する。
最初は、FD =0であるから、S140〜S143の判
定結果がすべてNOとなり、S144へ進む。S144
では、車輪減速度が0−2減速度しきい値B02(第1し
きい値=−3G)を超えたか否かを判定し、この判定結
果がNOの間はリターンするが、判定結果がYESにな
ったときに、S145でブレーキ油圧を保持し、S14
6でフラグFD を1にセットしてリターンする。
【0120】フラグFD が1にセットされると、次の制
御サイクルでS142の判定結果がYESになるから、
S147へ進んでABS制御が終了したか否かを判定
し、ABS制御が終了していなければ(S147:N
O)、S148へ進んで、保持状態が所定時間(30m
s)継続したか否かを判定する。そして、この判定結果
がNOであれば、S149で、車輪の非スリップ率が、
フェーズIIからフェーズIII への移行判定用の2−3中
間非スリップ率Bsg(第2しきい値)よりも低下した
か否か、すなわち、車輪のスリップ率{=(1−非スリ
ップ率)×100%}が第2しきい値を超えたか否かを
判定し、S149の判定結果がNOである間はリターン
するが、S149の判定結果がYESになれば、S15
0へ進んで、フラグFD を3にセットしてリターンす
る。なお、保持中にABS制御が終了したときには(S
147:YES)、S151でフラグFD を0にリセッ
トしてリターンする。
【0121】フラグFD が3にセットされると、次の制
御サイクルでS140の判定結果がYESになるから、
S152へ進んでABS制御が終了したか否かを判定
し、ABS制御が終了していなければ(S152:N
O)、S153で、図7に示す各制御しきい値を設定し
たテーブル、図8に示す各制御しきい値の補正値を設定
したテーブル、および図14に示す減圧・減圧量テーブ
ルに従ったブレーキ油圧の減圧制御を実行してリターン
する(通常制御)。なお、S152において、ABS制
御が終了したと判定されたときには(S152:YE
S)、S154でフラグFD を0にリセットしてリター
ンする。
【0122】一方、S148において保持状態が所定時
間(30ms)継続したと判定されたときには(S14
8:YES)、S155でフラグFD を2にリセットし
てリターンする。そして、フラグFD が2にセットされ
ると、次の制御サイクルでS143の判定結果がYES
になるから、図18のS156へ進み、ABS制御が終
了したか否かを判定し、ABS制御が終了していなけれ
ば(S156:NO)、S157へ進んで、車輪の非ス
リップ率が、2−3中間非スリップ率Bsg(第2しき
い値)よりも低下したか否か、すなわち、車輪のスリッ
プ率{=(1−非スリップ率)×100%}が第2しき
い値を超えたか否かを判定し、S157の判定結果がN
Oである間はリターンするが、S157の判定結果がY
ESになれば、S158へ進んで、フラグFD を4にセ
ットしてリターンする。なお、保持中にABS制御が終
了したときには(S156:YES)、S159でフラ
グFD を0にリセットしてリターンする。
【0123】フラグFD が4にセットされると、次の制
御サイクルでS141の判定結果がYESになるから、
図18のS160へ進んでABS制御が終了したか否か
を判定し、ABS制御が終了していなければ(S16
0:NO)、S161で、減圧量を通常よりも低減する
処理を実行する。このフラグFD が4にセットされてい
るときの減圧量低減処理は、図14のテーブルに示す減
圧・減圧量テーブルにおける第1サイクルの減圧時間を
減らすことによって、すなわち、第1サイクルにおける
リリーフ弁21bの開時間(リリーフ弁21bに印加さ
れる信号のパルス幅に対応する)を図19のテーブルに
示すように減らすことによって達成される。図19にお
いては、その第1サイクルにおける初回減圧の減圧時間
が、図14における初回減圧の減圧時間に対して1ms
ずつ減算され、かつ、2回目〜5回目の以降の減圧時間
の各値が、図14における2回目〜5回目の以降の減圧
時間の各値に対して4msずつ減算されている。
【0124】このように、S161で、図7に示す各制
御しきい値を設定したテーブル、図8に示す各制御しき
い値の補正値を設定したテーブル、および図19に示す
減圧・減圧量テーブルに従ったブレーキ油圧の減圧制御
を実行し、次のS162で第1サイクルが終了したか否
かを判定し、S162の判定結果がNOである間はリタ
ーンする。そして、第1サイクルが終了したと判定され
れば(S162:YES)、フラグFD を3にセットす
る。したがって、第2サイクル以降は、図14のテーブ
ルの値がそのまま用いられる。なお、S160におい
て、ABS制御が終了したと判定されたときには(S1
60:YES)、S164でフラグFD を0にリセット
してリターンする。
【0125】このように、本実施例においては、ブレー
キ油圧の保持状態が所定時間(30ms)継続したと判
定されたときには、第1サイクルの減圧時間を減らすこ
とによって減圧量を低減しているから、高μ路で、ブレ
ーキペダルがロック限界近傍で踏まれていて、緩やかに
増圧が行われているときの制動力が確保されて制動距離
の短縮を図ることができる。なお、ブレーキ油圧の保持
状態が所定時間(30ms)継続したことをもって、高
μ路と判定するようにしても良い。
【0126】次に、本発明の他の実施例における減圧量
低減処理について、図20に示すフローチャートを参照
して説明する。本実施例では、ブレーキ油圧の保持状態
が所定時間(30ms)継続した場合に、フェーズIIか
らフェーズIII への移行判定用の2−3中間非スリップ
率Bsg(第2しきい値)の値を減らすことによって、
すなわち、スリップ率しきい値として見れば、その値を
増大させることによって、減圧が開始されにくいように
して減圧量を低減している。
【0127】先ず、S170において、フラグFD が1
にセットされているか否かを判定する。最初は、FD
0であるから、S170の判定結果がNOとなり、S1
71へ進む。S171では、車輪減速度が0−2減速度
しきい値(第1しきい値=−3G)を超えたか否かを判
定し、この判定結果がNOの間はリターンするが、判定
結果がYESになったときに、S172でブレーキ油圧
を保持し、S173でフラグFD を1にセットしてリタ
ーンする。
【0128】フラグFD が1にセットされると、次の制
御サイクルでS170の判定結果がYESになるから、
S174へ進んでABS制御が終了したか否かを判定
し、ABS制御が終了していなければ(S174:N
O)、S175へ進んで、保持状態が所定時間(30m
s)継続したか否かを判定する。そして、この判定結果
がNOであれば、S176で、車輪の非スリップ率が2
−3中間非スリップ率Bsg(第2しきい値)よりも低
下したか否か、すなわち、車輪のスリップ率{=(1−
非スリップ率)×100%}が第2しきい値を超えたか
否かを判定し、S176の判定結果がNOである間はリ
ターンするが、S176の判定結果がYESになれば、
S177へ進んで、図7に示す各制御しきい値を設定し
たテーブル、図8に示す各制御しきい値の補正値を設定
したテーブル、および図14に示す減圧・減圧量テーブ
ルに従った減圧制御を開始する。
【0129】一方、保持状態が所定時間(30ms)継
続した場合は(S175:YES)、S178へ進ん
で、フェーズIIからフェーズIII への移行判定用の2−
3中間非スリップ率しきい値Bsg(第2しきい値)を図
21に示すように変更する。すなわち、図21において
は、フェーズIIからフェーズIII への移行判定用の2−
3中間非スリップ率しきい値Bsgの各値が、図7におけ
る2−3中間非スリップ率しきい値Bsgの各値に対して
2%ずつ減算されている。したがって、スリップ率しき
い値として見れば、2%ずつ加算されて、第2しきい値
は減圧が開始されにくいように変更されることになる。
そして、S176で、車輪の非スリップ率が2−3中間
非スリップ率Bsg(第2しきい値)よりも低下したか
否か、すなわち、車輪のスリップ率が第2しきい値を超
えたか否かを判定し、S176の判定結果がNOである
間はリターンするが、S176の判定結果がYESにな
れば、S177へ進んで、図21に示す各制御しきい値
を設定したテーブル、図8に示す各制御しきい値の補正
値を設定したテーブル、および図14に示す減圧・減圧
量テーブルに従った減圧制御を開始する。なお、S17
4において、ABS制御が終了したと判定されたときに
は(S174:YES)、S179でフラグFDを0に
リセットしてリターンする。
【0130】このように、2−3中間非スリップ率しき
い値Bsgの値を減圧が開始されにくい方向に変更するこ
とによっても、前述の実施例と同様の効果を奏すること
ができる。
【0131】なお、上記実施例では、第1しきい値を車
輪速度の減速度に対して設定し、第2しきい値を車輪の
非スリップ率に対して設定しているが、第2しきい値
を、第1しきい値と同様に、車輪速度の減速度に対して
設定しても良い。その場合は、−3Gに設定された第1
しきい値に対して、通常は標準的な第2しきい値を例え
ば−4Gに設定しておき、図20のS178において、
第2しきい値を例えば−5Gに変更すれば良い。
【0132】また、第2しきい値を、車輪のスリップ率
{=(1−非スリップ率)×100%}に対して設定し
ても良く、さらに、第1および第2しきい値をともに車
輪のスリップ量(=疑似車体速度−車輪速度)に対して
設定しても良い。その場合は、第1しきい値を例えば5
km/hに、通常の標準的な第2しきい値を例えば7km/hに
それぞれ設定しておき、図20のS178において、第
2しきい値を例えば9km/hに変更すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る車両のアンチスキッドブレーキ装
置の概略構成図
【図2】μテーブルの図表
【図3】疑似車体速度の演算処理のフローチャート
【図4】車体速度補正値のマップの線図
【図5】制御しきい値設定処理のフローチャート
【図6】走行状態パラメータを設定したテーブルの図表
【図7】各種制御しきい値を設定したテーブルの図表
【図8】各種制御しきい値の補正値を設定したテーブル
の図表
【図9】制御信号出力処理のフローチャートの一部
【図10】制御信号出力処理のフローチャートの残部
【図11】図9のS53の制御信号出力サブルーチンの
フローチャートの一部
【図12】図9のS53の制御信号出力サブルーチンの
フローチャートの残部
【図13】図11、図12と並行的に実行された制御信
号出力サブルーチンのフローチャート
【図14】減圧レベル・減圧量テーブルの図表
【図15】アンチスキッドブレーキ装置の動作タイムチ
ャート
【図16】図15の第1サイクルのフェーズIII の動作
タイムチャート
【図17】減圧量低減処理を示すフローチャートの一部
【図18】減圧量低減処理を示すフローチャートの一残
【図19】減圧量低減処理に際して図14のテーブルに
代わって用いられる減圧レベル・減圧量テーブルの図表
【図20】他の実施例に係わる第2しきい値変更処理を
示すフローチャート
【図21】図7のテーブルに代わって用いられる各種制
御しきい値を設定したテーブルの図表
【符号の説明】
1,2 前輪 3,4 後輪 11〜14 ブレーキ装置 15 ブレーキ制御システム 27〜30 車輪速度センサ 20,21,23 第1〜第3バルブユニット 20a,21a,23a 開閉弁 20b,21b,23b リリーフ弁 24 コントロールユニット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の回転速度を検出する車輪速度検出
    手段と、車輪の制動圧を調節する制動圧調節手段と、上
    記車輪速度検出手段により検出された車輪速度に基づい
    て上記制動圧調節手段を作動させて制動圧を周期的に増
    減するアンチスキッド制御手段とを備えた車両のアンチ
    スキッドブレーキ装置において、 上記車輪速度検出手段により検出された車輪速度に基づ
    き算出される算出値が所定の第1しきい値を超えたとき
    に上記制動圧調節手段により制動圧を保持し、かつ上記
    第1しきい値よりもスリップ増大側に設定された所定の
    第2しきい値を上記算出値が超えたときに上記制動圧調
    節手段により制動圧の減圧を開始するように構成すると
    ともに、上記制動圧の保持時間が長いとき、短いときに
    比較して減圧量を低減する減圧量低減手段を設けたこと
    を特徴とする車両のアンチスキッドブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 上記算出値が、車輪の減速度および/ま
    たは車輪のスリップ量よりなることを特徴とする請求項
    1に記載の車両のアンチスキッドブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 上記減圧量の低減が、上記第2しきい値
    を増大させることよりなることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の車両のアンチスキッドブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 上記制動圧の保持時間が所定時間よりも
    長いとき、走行路面の摩擦係数μが高μであると判定す
    ることを特徴とする請求項1に記載の車両のアンチスキ
    ッドブレーキ装置。
JP17995694A 1994-08-01 1994-08-01 車両のアンチスキッドブレーキ装置 Pending JPH0840243A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116278814A (zh) * 2023-05-19 2023-06-23 成都赛力斯科技有限公司 基于滑移率的汽车稳定性控制方法、装置及新能源汽车

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116278814A (zh) * 2023-05-19 2023-06-23 成都赛力斯科技有限公司 基于滑移率的汽车稳定性控制方法、装置及新能源汽车
CN116278814B (zh) * 2023-05-19 2023-07-21 成都赛力斯科技有限公司 基于滑移率的汽车稳定性控制方法、装置及新能源汽车

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