JPH084159B2 - 圧電バイモルフおよびその製造方法 - Google Patents

圧電バイモルフおよびその製造方法

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JPH084159B2
JPH084159B2 JP31560186A JP31560186A JPH084159B2 JP H084159 B2 JPH084159 B2 JP H084159B2 JP 31560186 A JP31560186 A JP 31560186A JP 31560186 A JP31560186 A JP 31560186A JP H084159 B2 JPH084159 B2 JP H084159B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はVTR等の磁気ヘッドアクチュエータ,電話器
の送受話器等に用いる圧電スピーカ,更には屈曲進行波
を用いる超音波モータ等、バイモルフ構造を基本構造と
する圧電デバイスにおける圧電バイモルフおよびその製
造方法に関する。
〔従来の技術〕
第5図(a)(b)は第1の従来例に示す図であり、
圧電素子と金属板とを貼り合わせた圧電バイモルフの構
造を示す図である。1は円板状の金属板であり、2は圧
電素子である。圧電素子2は圧電セラミックス板3の両
面に電極4,5を配し、厚み方向に分極されている。そし
て上記圧電素子2と前記金属板1とは、エポキシ樹脂等
の接着剤6により貼り合わせられ、一体化された構造を
有している。
第6図は第2の従来例を示す図である。この例は、樹
脂性の接着剤は用いずに、圧電セラミクス板3と金属板
1との間にロウ付剤7に挟み込み、真空中で高温熱処理
して拡散接合させ、バイモルフ構造を実現させるもので
ある。この例では高温で接合する為、すでに分極処理さ
れた圧電体を用いるうことは出来ない。したがって接合
後、分極処理することになる。
第7図(a)〜(c)は第3の従来例である。この例
は半導性強誘電体セラミクス8の表面障壁に於ける電界
分布により屈曲動作を行わせるものであって、単板で屈
曲作用を実現する新構造の屈曲変位素子である。図中9,
10はAgなどの金属、11は固定台である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術に於いては以下の如き欠点がある。
(第1の従来例) エポキシ樹脂等の樹脂接着剤を用いているので、変位
精度が悪く、クリープが大きい。又接着剤の振動による
内部摩擦は、セラミクス,金属等に比べて大きいため、
これによってデバイスの振動ロスを小さくできない。又
接着層中に気泡を巻き込み易いため、均一な接着層の厚
みが得られないという欠点を有している。このため特に
大きな電力を投入して屈曲変位させる場合において、性
能の変化を引き起こし易い。また圧電セラミクス板3と
金属板1との接着剤として、剥離強度,コスト性,作業
性等の観点から絶縁性エポキシが多用されるが、圧電セ
ラミクス電極と金属板との間に電気的導通性を持たす為
に、接着層は極力薄くする必要がある。この為、加熱加
圧硬化法を用いるのが普通である。圧電セラミクス板が
厚い場合はよいが、圧電スピーカ,超音波モータ等、1m
m以下の比較的薄い圧電セラミスク板を用いる場合に
は、圧電セラミクス割れが生じる場合がある。更に接着
剤がハミ出すので、圧電セラミクス板3の電極汚れが生
じ、汚れ除去に工数がかかり、コストアップを招くこと
になる。
(第2の従来例) 第2従来例は、可能性があるという程度で、この方法
による商品は未だ販売されておらず、現在研究中の方法
である。この方法は、樹脂接着剤を用いる代わりに金属
材料のロウ剤7を用いるので、デバイス全体としての振
動効率を高め得る。また変位精度,クリープも少いこと
が期待される。しかし、700〜900℃という高温で接合処
理をする必要があるため、接合後において分極処理する
必要がある。このため上記接合によるクランプ力が影響
し、充分な分極ができない難点がある。又、ある程度は
分極できたとしても、分極による圧電セラミクス板3の
変形によってバイモルフが反ってしまうおそれがある。
またロウ付剤7の拡散接合となるので、圧電セラミクス
板3にロウ材7が拡散していき、圧電性の劣化を招く。
又高温時は還元性雰囲気内で処理するので、このことも
圧電性の劣化を招く一因となる。更に通常バイモルフに
する圧電セラミクスと金属材とでは熱膨張係数に大きな
差がある。このため接合温度から室温にもどした時に金
属板側に大きな反りが発生し、大きな接合面歪みを残す
ことになり好ましくない。
(第3の従来例) この例は、半導性と圧電性を兼ね備えているセラミク
ス8に金属9,10を接合させ、これにより形成されたエネ
ルギー障壁により、非一様な電界分布ができ、屈曲変位
を生じさせるものである。この構造は接着剤を全く用い
ないので、使用耐久性を向上させ得る上、変位量ドリフ
ト(クリープ)を小さくできるという特徴を有する。し
かしながら、共振周波数が材質の歪荷移動度に基づく応
答性によって決まってしまい、通常は数100Hz〜1KHz程
度と低く、用度が限定される。又セラミクスのみでは機
械的強度が弱く、ある程度の発生力が必要な場合はシム
材が必要であり、取扱いにかなりの注意を要するといっ
た欠点を有している。
そこで本発明は、上記従来例の欠点がなく、以下に示
す条件を全て満たし得る圧電バイモルフおよびその製造
方法を提供することを目的とする。
(1)特性の再現性があり、エージング変化がない (2)変位精度が良く、ドリフト(クリープ)がない この為には、接着剤を用いない、又残留歪みを小さく
する(高温で熱膨張係数の大きな金属と接合させな
い)、圧電セラミクスと反応して構造的変化を起こさな
い、といったことが条件となる。
(3)機械的強度が大きい。
このためには、セラミクス薄板単体での使用を避け
て、金属板との接合構造にするかシム材を用いて補強す
ることが必要になる。
(4)応答性が良い このためには、共振周波数が高く、内部構造に依らな
い、といったことが条件となる。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を解決し目的を達成するために、本発明の
圧電バイモルフおよびその製造方法は次にように構成さ
れている。
(1)本発明の圧電バイモルフは、両面に電極が形成さ
れ、分極処理が施された圧電素子と、この圧電素子の片
面に、該圧電素子と略同じ厚みに形成された金属析出体
からなる金属板とを備えている。
(2)本発明の圧電バイモルフの製造方法は、一枚の圧
電素子と一枚の金属板とからなる圧電バイモルフの製造
方法において、 圧電セラミックス板の両面に金属薄膜を形成し、該圧
電セラミックスに分極処理を施して上記圧電素子を構成
した後、この圧電素子の一方面側の金属薄膜に、金属非
付着性のコーティング材を付与し、他方面側の金属薄膜
に、電気メッキにより上記圧電素子と略同じ厚みの金属
を析出して上記金属板を構成するようにした。
以下本発明の詳細について説明する。基本的構造は、
第1図は示すように金属折出体からなる金属板11と、圧
電素子12とで構成され、圧電素子12は圧電セラミクス13
とその電極14,15とからなり、接着材は全く用いない。
本発明は、この様な構造の圧電バイモルフを作成するた
めに、電気メッキ法を用いることが特徴の一つである。
圧電セラミクス3の表面に、あらじめ形成された電極金
属の一方を負電極とし、付着させる目的の金属塩をメッ
キ浴とし、電気メッキを施すというものである。この電
気メッキは第2図に示すような、いわゆる電鋳装置を用
いるものであって、近年プラスチックの成形用金型の作
成に用いられている製法を用いる。特にニッケル電鋳は
応力の少ないスルファミン酸ニッケル浴が開発されて以
降、急速に発展を遂げ、又最近ではスルファミン酸ニッ
ケル合金液による電鋳技術が確立し、プラスチック用金
型,ゴム金型,RIM成形用金属等に使用され、本型及び簡
易金型に使用されるなど、その応用範囲が極めて広くな
っている。
第2図はニッケル電鋳装置20を示す図である。第2図
において、21はタンク、22は電界液、23はマスター、24
および25は陽極、26は陰極、27は前記陽極と陰極に対し
て直流を供給する整流装置、28はろ過機である。
上記ニッケル電鋳装置20の原理は、ニッケルメッキの
原理と殆んど変わらないが、ニッケルメッキは種々の基
材の上に5〜10μm程度の被膜を電着させるのに対し、
ニッケル電鋳の場合は長時間電着し、厚い被膜(0.03mm
〜15mm)を形成することが特徴である。圧電バイモルフ
に用いる場合は、圧電セラミクス上に、予め形成した電
極金属面に強い密着性をもち、かつ硬度および靭性を有
した被膜を形成する必要があるが、現状のニッケル又は
ニッケル合金電鋳技術でHRC60〜70程度のものも得ら
れ、充分に圧電バイモルフ用金属板として用いることが
可能である。但し、密着性については下地金属即ち金属
の材質によって大きく影響され、通常は圧電セラミクス
の電極材料として最も多く用いられる銀+Niはむしろ好
ましくなく、銅や黄銅等の金属が好ましい。又、一般に
電鋳時に水素ガスが発生し、このガスを多量に吸蔵する
と、材質の脆化を生じ、目的が達成できないことが起こ
り得る。これを回避することも重要な技術であり、以下
の方法によりこれを達成する。その一つは圧電セラミク
スの材質に関するものである。圧電セラミクスは基本化
学 組成式 Pb(Zr1-XTix)O3 で表わされるが、一般にはこの化学式のままで用いられ
ることはなく、初期特性,温度特性,経時変化等の特性
の全ての仕様を満足する様に La,Nb,Cr,Ni,Fe 等の添加物を加えたり、シフター(Sr,Ca,Ba等)を用い
ている。これらの添加物を用いると、これらの添加物の
イオンがAサイト(結晶構造のPbの位置)やBサイト
(結晶構造のZr,Tiの位置)又は粒界に入り込み、上記
特性を満足できる様になる。
本発明の特徴は、これらの添加物によってセラミクス
内部に酸素が過剰構造を形成することであり、その1は
過剰の酸化鉛を調合時に混ぜる。その2はAサイトに置
換し得る元素は+1価,Bサイトには+3価の元素を用い
ることである。第3として、粒界に酸化ニッケル,酸化
コバルト,酸化ビスマス等の酸素過剰型の酸化物を析出
させるようにした点である。
この様な調合又は焼結後の含浸により添加物の添加を
した素材の焼結又は熱処理を、酸化鉛及び酸素の混合雰
囲気中で行う。
以上の方法により酸素過剰部が形成されるため、電鋳
時に発生する水素が入り込んでも、この水素と過剰酸素
との反応で脆化を防ぐことになる。更にもう一つの方法
は、発生水素のセラミクス内へ入りこむことを極力減ら
す為に、電鋳を施さない部位に水素を吸着又は透過しに
くい高分子膜を施すことである。圧電セラミクスの金属
付着部以外の面は厚み部分(側面)であり、ここに例え
ばエポキシ樹脂,アクリル樹脂,ポリウレタン樹脂等の
被膜を形成する。この様にして圧電セラミクスの脆化を
防止できることになる。
尚、以上は電極金属を賦与した圧電セラミクスに、ニ
ッケル電鋳により厚板を形成することを中心に記述した
が、圧電素子そのものの作成は従来通りの方法、即ち真
空蒸着により銅の薄層を形成し、分極および枯化するこ
とによって得られる。
以下に本発明の製法の実施例について説明する。
「第1実施例」 基本化学式を Pb1+X(Zr1-yTiy)O3+ZMOα とし、x=0.1,y=0.47,Z=2mol%,M=Sc(スカンジウ
ム),α=1.5 となる様にPb3O4,ZrO2,TiO2,SC2O3を秤量し、純水を用
いてボールミルポットで16時間混合し、脱水,乾燥後80
0℃で2時間仮焼し、酢酸ビニルバインダーとして、バ
インダー混合(ボールミル,16時間)し、脱水,整粒
後,成型,焼成を行なう。焼成は約400℃でバインダー
成分を飛散させた後、窒素ガスを炉内に導入し、その後
窒素ガスを脱気し、炉内を10-3torr以下にしてから酸素
ガス導入を行う。酸素ガス流量が一定になってから温度
を250℃/hのスピードで上昇させ、1250℃になったとこ
ろで2時間保持し、酸素ガスを流しながら自然冷却し焼
結を完了する。
この様にして作成した圧電セラミクスを、幅3mm,長さ
20mm,厚み0.5mmになる様に加工し、加工時の残留歪みや
マイクロ・クラックを除く為に750℃10分間、酸素雰囲
気中で熱処理する。
次に電極として銅を真空蒸着又はスパッタにより圧電
セラミクスの両面に付与し、その後、シリコーンオイル
中で100℃10分間、3.5KV/mmの直流電圧で分極する。分
極後150℃60分間枯化する。
このようにして得られた圧電素子を第3図あるいは第
4図に示すような配置をしたメッキ浴の中に投入に、圧
電素子を底部に配置した金属容器を陰極、カーボン等の
電極を陽極とし、スルファミン酸ニッケル浴に浸し、両
電極間に電流を流す。この様にして約10時間放置するこ
とにより、約0.5mmのニッケル膜が付着し、圧電セラミ
クス0.5mmt,Ni金属板0.5mmよりなる圧電バイモルフが構
成される。
なお第3図において、31はタンク、32は電解液、33は
金属容器、34は圧電セラミクス、35,36は固定樹脂、37,
38は陽極である、また第4図において43は金属容器、44
は圧電セラミクス、45,46は導通バネでる。
「第2実施例」 第1実施例と同一の方法で焼結した圧電セラミクスの両
面に硝酸ニッケル溶液をスプレー又は筆塗りによって塗
布し、乾燥したのち酸素雰囲気中で熱処理を行い、セラ
ミクスの粒界部にNiOを析出させる。NiOは酸素過剰型の
化合物であり、該化合物が水素吸蔵による影響を緩和す
ることになり、脆化が防げることになる。これに銅電極
をセラミクスの表裏に設け、分極,枯化を行なったのち
第1実施例と全く同様に容器に入れて、メッキ浴に投入
し、約10時間後に0.5mmの金属板が形成される。
以上のように酸素過剰部位の有した圧電セラミクス
を、電極賦与および分極処理し、電極の片面がメッキの
負電極となる様にし、電気メッキをし直接金属を電極の
表面に密着する様に析出させることにより、圧電素子板
と金属板からなり、接着剤を一切用いない構造の圧電バ
イモルフを製造できる。この圧電バイモルフは接着剤を
用いていない為に、従来接着剤を用いることより生じて
いたクリープや使用耐久性の低さ、作業性の悪さ,導通
性の不完全さが改善され、又、常温近くで接合状態を実
現できることから、熱膨張の差による反り、残留歪み等
が取り除かれる。これらは圧電バイモルフの変位精度の
向上につながり、多くの新しい用途に有用なものとな
る。
〔発明の効果〕
本発明における第1発明によれば、従来用いられてい
た、圧電素子と金属板とを接着剤にて接合した圧電バイ
モルフに比べ、クリープ現象が少ないうえ、変位精度が
よく、機械的強度が大きく、応答性にすぐれた圧電バイ
モルフを提供できる。
本発明における第2発明によれば、上述した第1発明
に係る圧電バイモルフを容易かつ適確に製造可能な圧電
バイモルフの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の実施例を示す図で、第1図は
圧電バイモルフの構造を示す部分断面図、第2図はニッ
ケル電鋳装置を示す図、第3図はメッキ浴槽部を示す断
面図、第4図は金属容器部を示す図である。第5図
(a)(b)〜第7図(a)〜(c)はそれぞれ第1〜
第3の従来例を示す図である。 11……金属板、12……圧電素子、13……圧電セラミク
ス、14,15……電極、20……ニッケル電鋳装置、21……
タンク、22……電解液、23……マスター、24および25…
…陽極、26……陰極、27……整流装置、28……ろ過機、
31……タンク、32……電解液、33……金属容器、34……
圧電セラミクス、35,36……固定樹脂、37,38……陽極、
43……金属容器、44……圧電セラミクス、45,46……導
通バネ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−234580(JP,A) 特開 昭58−6189(JP,A) 特開 昭57−37817(JP,A) 特開 昭56−133814(JP,A) 特開 昭56−116613(JP,A) 特公 昭59−36440(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両面に電極が形成され、分極処理が施され
    た圧電素子と、 この圧電素子の片面に、該圧電素子と略同じ厚みに形成
    された金属析出体からなる金属板と、 を具備することを特徴とする圧電バイモルフ。
  2. 【請求項2】一枚の圧電素子と一枚の金属板とからなる
    圧電バイモルフの製造方法において、 圧電セラミックス板の両面に金属薄膜を形成し、該圧電
    セラミックスに分極処理を施して上記圧電素子を構成し
    た後、 この圧電素子の一方面側の金属薄膜に、金属非付着性の
    コーティング材を付与し、他方面側の金属薄膜に、電気
    メッキにより上記圧電素子と略同じ厚みの金属を析出し
    て上記金属板を構成する、 ことを特徴とする電圧バイモルフの製造方法。
JP31560186A 1986-12-26 1986-12-26 圧電バイモルフおよびその製造方法 Expired - Lifetime JPH084159B2 (ja)

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