【発明の詳細な説明】
避妊用ワクチン 背景
雄および雌の動物を全精子細胞の抽出物で免疫化すると不妊症を引き起こすこ
とが知られている(Tung,K.,et al.,J.of Reprodu ctive Immunol.
,1:145−158(1979)、およびMe
nge,A.,et al.,Biol.of.Reproduction,2 0
:931−937(1979))。また、他の面では健常であるが、自発的に
抗精子抗体を産生する男性および女性も不妊症である(Bronson,R.e t al.
,Fert.and Steril.,42:171−183(19
84))。決定的な精子抗体は知られていないが、これらの所見により、精子蛋
白質は避妊用ワクチンの開発において有用であろうということが提案されるに至
っている。
哺乳類種においては精子蛋白質が卵子の透明帯に対する精子の付着における役
割を担っていることが提案されている。マウスにおいては、精子表面のガラクト
シルトランスフェラーゼが、アクローソーム−未処理精子の透明帯への結合にお
いて機能する付着蛋白質であることが示されている(”The Molecul
ar Biology of Fertilization,”Eds.Sha
tten,H.,andShatten,G.,Academic Press
,pps.37−71(1989)、におけるShur,B.E.,Galac tos yl transferase as a recognition mole cule during fertilization and develo pment
)。ラットの精子においては、肝臓のアシアロ糖蛋白質レセプターに
関連するガラクトースレセプター(RTG−r)が存在し、これは透明帯オリゴ
糖に対する精子結合の際にそのレセプターのレクチン特性を介して機能すること
ができる(Abdullah,M.およびKierszenbaum,A.L.
,J.Cell Biol.,108:367−375(1989))。ガラク
トシルトランスフェラーゼとは区別される雄ブタの精子形質膜蛋白質(APz)
、ならびにウサギの精子蛋白質もやはり精子−透明帯付着における役割を担って
いることが報告されている(Peterson,R.N.およびHunt,W.
P.,Gam.Res.,23:103−118(1989)、およびO’Ra
nd,M.G.,et al.,Dev.Biol.,129.231−240
(1988))。
モルモットの精子表面蛋白質PH−20は、受精においては無くてはならない
初期段階である卵子の細胞外被膜(透明帯)に対する精子付着における必須の機
能を担っていることが示されている。PH−20で免疫化させた雄および雌のモ
ルモットにおいては100%という有効な避妊効果が得られた。免疫化させた雌
からの抗血清は高い力価を有し、精子抽出物中のPH−20を特異的に認識し、
そしてインビトロにおいて卵子透明帯に対する精子付着を遮断した。この避妊効
果は長期持続的かつ可逆的であり、免疫化させた雌を免疫化の後6−15カ月の
期間をおいて交尾させたところ徐々に受胎能を奪回した。第二のモルモット精子
表面蛋白質であるPH−30もやはり避妊効果を示した。
避妊用免疫原としてテストした他の精子蛋白質には、精子酵素ヒアルロニダー
ゼ、アクロシン、および乳酸デヒドロゲナーゼC−4がある。これらの酵素での
雌動物の免疫化は受胎能における効果を全く示さないか、あるいは受胎能におけ
る部分的効果を示すかのいずれかであり、しかもこの効果はこれらの蛋白質を避
妊用試薬として適当として評価するほど十分大きなものではなかった。モルモッ
トにおけるPH−20の高い避妊効果は、精子表面における存在、強い免疫原性
、および受精における主要な役割を含むこの蛋白質の数々の特性における依存す
るようである。
哺乳類の精子−帯付着は多くの場合において種特異的である。他の哺乳類種か
らの精子は、アクローソーム反応の前もしくは後のいずれかに透明帯に対して結
合することができるという点においてモルモットの精子に類似している。モルモ
ット以外の種における受精のために必須な精子表面蛋白質の同定および単離は、
これらの種における有効な免疫化のためのワクチンの開発ならびに長期持続的な
避妊薬を提供するためには有用であろう。精子の付着蛋白質候補物の生物学的同
定、単離、およびクローニングがなされていないということは、ヒトならびに他
の哺乳類種のための有効な避妊用ワクチンの開発の際の研究者の妨げとなってい
た。発明の要約
本発明は、1種以上の精子表面蛋白質をある哺乳類に対して投与する避妊の方
法に関する。精子表面蛋白質(もしくは同蛋白質の一部分)を、免疫反応の刺激
化について有効な量において投与しそしてこのことにより精子−卵子融合を妨げ
るかもしくは実質的にその割合を低減するのに
十分な力価で精子表面蛋白質に対して結合する抗体を産生させる。この蛋白質も
しくは蛋白質断片は常法により精製することができるか、もしくは組換えDNA
法により産生させることができる。
本発明はまた、本明細書内に記載される方法における利用のための避妊用組成
物にも関する。これらの組成物は精子表面蛋白質もしくはその蛋白質の一部分を
含む。好ましい精子表面蛋白質はPH−20およびPH−30精子表面蛋白質で
ある。図面の簡単な説明
図1は、モルモットのPH−20蛋白質をコード化するDNAの部分的制限地
図、ならびに5つのcDNAクローンの相対的な位置を表す図である。
図2は、PH−20蛋白質をコード化するモルモットcDNA配列、ならびに
一文字コードにおいて表されるモルモットPH−20蛋白質の演鐸アミノ酸配列
を表す図である。
図3は、PH−20蛋白質をコード化するマウスDNA配列を表す図である。
図3において開示される配列は配列番号3および4として表わされる。
図4A−Bは、ヒトのPH−20蛋白質の一つの形態をコード化するヒトDN
A配列、ならびに三文字コードにおいて表される演鐸アミノ酸配列を表す図であ
る。図4において開示される配列は配列番号5および6として表わされる。
図5A−Bは、ヒトPH−20蛋白質の第二形態の一部分をコード化するヒト
DNA配列、ならびに三文字コードにおいて表される演鐸アミノ酸配列を表す図
である。図5において開示される配列は配列番号7お
よび8として表される。
図6は、モルモットのPH−30αサブユニットのDNA配列を表す図である
。図6において開示される配列は配列番号9として表される。
図7は、モルモットのPH−30αサブユニットのDNA配列を表す図である
。図7において開示される配列は配列番号10として表される。
図8A−Bは、モルモットPH−30のアミノ酸配列とディスインテグリン配
列との比較を表す図である。図8は総計で31本のペプチド配列を列挙してある
。これらの配列は配列番号11から配列番号41まてとして配列表に連続して表
される。発明の詳細な記載
本発明は、受精にとって不可欠な精子表面蛋白質もしくはその一部分、ならび
に避妊法におけるそれらの利用に関する。精子表面蛋白質は受精にとって不可欠
であり、例えばその蛋白質に対するモノクローナル抗体もしくは精製された蛋白
質に対して作成されたポリクローナル抗体は、それらが精子に対して結合したと
すれば、その際にインビトロもしくはインビボにおける受精、あるいはインビト
ロにおける受精の任意の段階を阻害する。受精の過程は、二つの配偶子(精子と
卵子)の結合もしくは融合、およびその後のそれらの核の融合により新規の生物
体のゲノムを形成するものとして定義されている。表面蛋白質は精子の原型質膜
および/または内部のアクロソーム膜内に存在することができる。それは蛋白質
もしくは糖蛋白質であることができる。免疫化のために用いられる単離された表
面蛋白質は免疫原性である完全な表面蛋白質もしくはその蛋白質の幾つかの部分
(細胞の外側のもの)を含むことができる。好ましい精子表面蛋白質はPH−2
0およびPH−30精子表面蛋白質で
ある。
PH−20およびPH−30の両遺伝子は精子細胞の表面に存在する蛋白質を
コード化し、そして受精にとって不可欠である。一つの哺乳類種におけるPH−
20をコード化するDNAは、テストした他の哺乳類すべてからのゲノムDNA
と交差反応性を示す(つまり、ハイブリッド形成が可能である)ことを決定した
。他の哺乳類種におけるこれらの相同性の存在は予期せぬ発見である。というの
は哺乳類の精子−透明帯付着は多くの場合において種特異的であるためである。
同様にモルモットのPH−30 cDNAはヒトのゲノムDNAとハイブリッド
を形成する。免疫原の産生および精製
避妊用免疫原としての利用のための精子表面蛋白質の産生のための好ましい方
法は組換えDNA技術によるものである。この技術を使用する蛋白質の産生のた
めには、その蛋白質もしくはその蛋白質の免疫原性部分をコード化するDNAを
単離およびクローン化する必要がある。当業者は目的の遺伝子をクローン化する
ための試みにおいて使用することができる種々の研究法に熟知している。しかし
ながら、目的の単離蛋白質以外は何も得ていないという状態では、このような試
みに妥当な確実性をもって成功するということは期待できない。
この後に示される実施例1においては、出願人はモルモットのPH−20遺伝
子をコード化するDNAの単離およびクローニングを開示する。PH−20遺伝
子の3’−部分をコード化するDNAを単離するのに使用した方法は、PH−2
0蛋白質と反応するポリクローナル抗体でのcDNA発現ライブラリーのスクリ
ーニングを伴うものであった。固定化
(anchored)PCRを使用してこの遺伝子の5’部分を単離した。
実施例2は、広域なスペクトラムの哺乳類ゲノムDNAが、記載のハイブリッ
ド形成条件下においてモルモットPH−20配列に対してハイブリッド形成する
DNA配列を含むという驚くべき発見を開示する。
実施例1および2において示される情報により、当業者は任意の哺乳類種から
PH−20遺伝子を単離およびクローン化することができる。例えば、cDNA
ライブラリーは目的の哺乳類(例えば、ネコ、ウマ、イヌ、ウシなど)から単離
された睾丸もしくは精子形成性細胞から調製される。これは時間のかかる方法で
はあるが、技術的には簡単なものである。当業者は、この課題に取り組めば高い
確立で成功に至るであろう。
このようなDNAライブラリーをその後、例えばラベル化したモルモットPH
−20 DNAプローブを使用してスクリーニングする。すべてのもしくは一部
分のPH−20をコード化するDNAについて、実施例2において記載されるも
ののようなハイブリッド形成条件下に、このようなプローブ配列に対してハイブ
リッド形成する能力による特性決定を行う。ハイブリッド形成によるラベル化お
よびスクリーニングの方法は当業者に非常によく知られている。陽性を示すクロ
ーンを分析し、そして全長のcDNAを常法により作製する。分析を行った7つ
の哺乳類の各々が交差ハイブリッド形成性配列を含むという出願人の教示の観点
において、当業者はすべての哺乳類が交差ハイブリッド形成種を含むことを予期
するであろう。以下により詳しく記載されるように、マウスおよびヒトPH−2
0遺伝子の単離およびクローン化を出願人が達成し得たのはまさにこの方法のお
かげなのである。
PH−20蛋白質の免疫原領域をコード化するクローン化遺伝子もし
くはその一部分を、そのコーディング領域を発現構築物を作製するために発現ベ
クター内に挿入することにより発現させることができる。このような発現ベクタ
ーは数多くのものが当業者に知られている。これらのベクターは目的の遺伝子の
ためのプロモーターならびに追加的な転写および翻訳シグナルを含む。真核性宿
主細胞および原核性宿主細胞の両方のための発現ベクターが広範囲にわたって入
手することができる。このDNA発現構築物を使用して適切な宿主細胞を形質転
換させる。
真核性宿主細胞、特に哺乳類におけるものが精子表面蛋白質の発現のために好
ましい。例えば原核性細胞内において発現させる際に真核性蛋白質はしばしば折
れ曲がってしまうという問題があることを見いだした。そのうえ、クローン化D
NAからの真に生物学的に活性な真核性蛋白質の産生には、ジスルフィド結合形
成、グルコシル化、フォスフォリル化、もしくは特異的蛋白質分解による開裂過
程のような翻訳後修飾がしばしば必要とされるが、これらの過程は細菌細胞中に
おいては実行されることがない。このことは膜蛋白質に関して特に当てはまる。
精子表面蛋白質は宿主細胞の転写および翻訳構成成分を使用して産生される。適
切な増殖および発現期間の後に宿主細胞培養物を溶菌し、そして精子表面蛋白質
をこの溶菌液から精製する。溶菌緩衝液は典型的には非イオン性洗剤、プロテア
ーゼインヒビターなどを含む。
可溶化させた細胞抽出物から精子表面蛋白質を、超遠心法、カラムクロマトグ
ラフィー、高速液体クロマトグラフィー、電気泳動法などの物理学的および生物
学的方法により精製および単離することができる。別の方法では、精子表面蛋白
質をモノクローナルもしくはポリクローナル抗体を使用する親和性クロマトグラ
フィーにより単離することができる
(Primakoff et al.,Biol.of Reprod. 38
:921−934(1988)、を参照せよ)。蛋白質を精製するためのこのよ
うな方法は当業者によく知られている。
PH−20遺伝子および遺伝子産物に関して先に概略を示す方法をPH−30
遺伝子および遺伝子産物に対しても応用する。PH−30精子表面蛋白質のαお
よびβサブユニットをコード化するDNAの単離を実施例5において記載する。
先に記載のものに類似する方法を使用してモルモットPH−30蛋白質に相同な
哺乳類蛋白質を単離および発現することができる。モルモットPH−30精子表
面蛋白質をコード化するDNAをプローブとして使用して他の哺乳類から相同配
列を単離することができるということを高い確立をもって予測することができる
。この予測は、モルモットのDNAを使用してヒトゲノムDNA内における相同
なPH−30の存在を同定したという事実に基づいている。
先に述べたように全長を有する蛋白質も有用であるが、そのうえ精子表面蛋白
質の抗原性部分も免疫原として有用である。抗原性断片は、例えば全長を有する
蛋白質の蛋白質分解による消化により、およびその後の所望の断片の単離により
作製することができる。別の方法ではモノマーのアミノ酸残基から出発する化学
合成を使用して所望の断片を作製することができる。
PH−30蛋白質に関しては、特定の抗原性ドメンインが避妊用ワクチンにお
ける利用のための好ましい候補物である。以下に示す実施例の項目においてより
詳細に論議されるように、PH−30 βサブユニットはディスインテグリンと
して知られるある種の蛋白質と比較すると高度に保存されているドメインを含む
。このドメインに相同なもしくは実
質的に相同なペプチド(もしくはその一部分)が本発明の避妊法における利用に
ついて好ましい。前文において使用される、実質的に相同な、は、ペプチドの少
なくとも80%のアミノ酸がPH−30 βディスインテグリンドメインの対応
する部分と相同であることを意味する。
ディスインテグリンはヘビの毒液内において見いだされ、そして例えばインテ
グリンとして知られるある種の血小板表面蛋白質に対して結合することが知られ
ている。ディスインテグリンのインテグリンに対する結合は血液凝固を阻害する
ことが示されている。このことに類推して、PH−30 βディスインテグリン
ドメインに相当するペプチドは精子−卵子結合および融合において作用すること
が予測される。避妊用ワクチン
いったん精子表面蛋白質を産生および精製したら、免疫化のための被検体に対
して投与するための適切な担体と精子表面蛋白質とを配合させることによりワク
チンを作製することができる。ワクチンは1種以上の精子表面蛋白質を含むこと
ができる。本発明の精子表面蛋白質は免疫系の非特異的刺激化物を含むアジュバ
ントと配合させることができる。アジュバントの適切な利用により外来性抗原(
例えば、精子表面蛋白質)に対する強力な抗体を誘導することができる。アジュ
バントの作用は完全には理解されていないが、多くのアジュバントは二つの成分
を混合させてある。一つのものは抗原を異化から保護する沈着物を形成するよう
に設計された物質である。沈着物を形成する二つの方法とは、無機油もしくは酸
化アルミニウム沈殿を使用するものである。フロインドの補助剤のような無機油
に関しては、免疫原は油中水形乳液において調製する。酸化アルミニウムに関し
ては、免疫原を吸着させて沈殿を形成させるか、
あるいは沈殿中に捕捉するかのいずれかである。別の輸送系にはリポソームもし
くは合成界面活性剤がある。リポソームは免疫原が外側の脂質層内に取り込まれ
る際にのみ有効であり、捕捉された分子は免疫系により認識されないようになる
。
有効なアジュバントのために必要な第二の成分は免疫系を非特異的に刺激化す
るであろう物質である。これらの物質はリンホカインとして知られている多大な
種類の可溶性ペプチドの産生を剌激化する。次にはリンホカインが直接的に抗原
プロセッシング性細胞の活性を刺激化し、そして注射部位において局所的な炎症
反応を引き起こす。リピッドA(lipid A)として知られるリポ多糖であ
る成分が一般的に用いられる。リピッドAは、リポ多糖と比較して毒性は非常に
低いがリポ多糖分子の所望のアジュバント特性を依然として保持している数々の
合成および天然形態において入手することができる。リピッドA成分はしばしば
リポソームを使用して輸送される。非特異的刺激化物としてアジュバント中にお
いて一般的に使用される二つの細菌は、ボルダテルラ ペルトウスシス(Bor datella
pertussis)およびミコバクテリウム トゥベルクロ
ーシス(Mycobacterium tuberculosis)である。全
細菌として使用する場合には、これらは使用前に熱による死滅化を行う必要があ
る。B.ペルトゥスシスの免疫調節的媒介物質にはリポ多糖成分および百日咳毒
素がある。百日咳毒素は既に精製されており、そして市販品として入手すること
ができる。M.トゥベルクローシスは一般的には完全フロイントアジュバントに
おいて見いだされる。M.トゥベルクローシスの最も活性な成分は数々の形態に
おいて入手することができるムラミルジペプチドに限定されてい
る。免疫化(インキュベーションおよびブースター注射)
免疫化する予定の被検体は反応能性免疫系を保持する任意の哺乳類であること
ができる。被検体哺乳類の例には、ヒトおよび家畜(例えば、イヌ、ネコ、ウマ
など)、ならびに実験もしくは他の目的を意図する動物(例えば、マウス、ラッ
ト、ウサギなど)がある。
初期免疫のための適切な用量を決定する際には二つの異なる基準を考慮するこ
とが重要である。第一のものは最も強力な反応を達成するための至適用量であり
、そして第二ものは有用なポリクローナル抗体の産生を誘導するであろう最低用
量である。注射される物質の多くのものは適切な標的免疫細胞に達する以前に異
化および除去されるであろう。この方法の効率は宿主因子、注射の経路、アジュ
バントの利用、および注射される表面蛋白質の固有特性によって変化するであろ
う。したがって、免疫系に輸送される有効用量は導入される用量にはほとんど関
係ないことがあり、そしてその結果必須用量を経験的に決定する必要がある。こ
れらの決定は当業者により簡単に行うことができる。第二注射および後のブース
ト注射は初期注射と類似する量もしくはそれを下回る量で投与することができる
。
注射の経路は三つの実際上の決定事項により左右され、それらの決定事項とは
、1)どのくらいの容量が輸送されるべきか、2)どの緩衝液および他の成分を
免疫原と共に注射すべきか、および3)どのくらい迅速に免疫原がリンパ管もし
くは循環系内に放出されるべきか、である。例えばウサギに関しては、通常大容
量の注射物を複数の皮下部位において投与する。マウスについては腹膜内注射に
関して大容量のみが実行さ
れ得る。アジュバントもしくは粒子性物質が注射物内に含まれる場合には免疫原
は静脈注射を介して輸送すべきではない。接種物の放出が緩慢であることが所望
される場合には、注射は筋肉注射もしくは皮内注射のいずれかにより行うべきで
ある。即時的放出のためには静脈内注射を使用せよ。
初期抗体反応はしばしば非常に微弱であり、それは特に容易に異化されてしま
う可溶性抗原が原因である。したがって、初期免疫化の後に第二注射もしくはブ
ースター注射が必要とされる。感作被検体内に蛋白質を再導入させる前に遅延期
間を置く必要がある。最低でも2もしくは3週間が推奨されるが、より広い間隔
であっても可能である。第二および後続の注射に対する抗体反応はより強力であ
る。抗体の高力価は達成されるものの、より重要なことは血清内に存在する抗体
の性質および量が変化することである。これらの変化により高親和性の抗体が産
生される。第二、第三、および後続の注射の間の間隔は変化させることができる
が、通常では抗体の循環系内レベルが十分に下がって新規に注入される抗原が迅
速に排除されることを妨げるようにその間隔を広げる必要がある。
後続のブースター注射は、継続的な避妊のために低減されている循環性抗体を
増加させることを必要とされるであろう。これらの注射のための実際の間隔は各
々の種ごとに異なるであろう。しかしながら、当業者は精子表面蛋白質抗体の血
清レベルをモニターすることによりこの間隔を決定することができる。
他の態様においては、被検体に精子表面蛋白質に対する同種異系抗血清もしく
はモノクローナル抗体を投与して避妊を達成することができる。同種異系抗血清
は同じ種の他の固体内において作製し、その固体の血清
から単離し、そして受容被検体内に注射するための適切な担体内において調製す
る。当業者は投与のためのモノクローナル抗体の調製および製剤のための方法を
熟知している。
本発明は、以下に示す実施例においてより詳細に説明される。
実施例実施例1:モルモットPH−20ライブラリー構築物をコード化するDNAの単 離およびスクリーニング
パーコール(Percoll)濃度勾配液上の精子形成性細胞に富むモルモッ
トの睾丸細胞の集団を精子形成性細胞の総DNAの単離のために用いた。ペレッ
ト化させた細胞を、10mMのTris(pH8.6)、0.5%のNP−40
、0.14MのNaCl、1.5mMのMgCl2、および10mMのVRCを
含む0.5−1.0mlの溶液中、バナジル−リボヌクレオシド複合体(VRC
)の存在下、洗剤で溶菌した。細胞破片をペレット化させた後、0.5倍容量の
2×プロテイナーゼK(Proteinase K)緩衝液(2×=0.2M
Tris(pH7.5)、25mM EDTA(pH8.0)、0.3M Na
Cl、および2.0% SDS)および200μg/mlのプロテイナーゼKを
この上清に添加した。ポリA(Poly A)+RNAを、オリゴ−dTセルロ
ースクロマトグラフィーにより総RNAから精製した。cDNAを標準的な方法
を使用して合成した。サイズ選択を行ったcDAN(0.5−7kb)をラムダ
ーgt11アームと連結させ、そしてAmersham Corporatio
n社からのキットおよび実験計画書を使用してラムダーのコート蛋白質内に挿入
した。
増幅させていないライブラリーを、スクリーニングの目的で20,0
00プラーク/150mmプレートの割合でプレートに撒いた。各プレートから
の一枚のニトロセルロースフィルターに対して、親和性により精製したPH−2
0蛋白質に対して作製したウサギ抗−精製PH−20ポリクローナル抗血清での
免疫ブロットを行い(Primakoffet al.,Biol.Repro d.
38:921−934(1988))、そして2mg/mlの大腸菌(E .
coli)蛋白質を含むTBST(10mM Tris(pH8.0)、0
.15M NaCl、0.05% Tween−20)中で1/500倍に希釈
した。この大腸菌蛋白質はY1090細胞の一晩の培養物をペレット化させ、こ
の細胞を最低限の容量のTBST内に再懸濁させ、そして液体窒素内に凍結させ
ることにより調製した。解凍させた細胞を超音波処理にかけ、そしてBCA試薬
(Pierce Chemical社)を使用して蛋白質濃度を決定した。6つ
の陽性プラークを抗−ウサギIgGアルカリフォスファターゼを配位させた第二
抗体(Promega Biotec社)で検出した。プラーク−精製陽性クロ
ーンにより作製される融合蛋白質のサイズをSDS−PAGE上での融合蛋白質
を含む大腸菌抽出物の分析により決定したところ、118−157kDの間で変
化することが決定された。6つの陽性クローンからの挿入断片をpUC19内に
サブクローン化させ、そして少なくとも部分的な配列決定を行った。
これらの挿入断片のうちの2つのものについて、それらから得られるアミノ酸
配列における2つのPH−20トリプシンペプチドの配列の位置を決定すること
により、それらがPH−20蛋白質をコードすることを確認した。これらの挿入
断片(gpPH−20−1、ヌクレオチド(nt)1016−2152、および
gpPH−20−2、nt 1010
−2125、図1および2)の両方共は、長い読み取り枠(約925nt)、ス
トップコドン、3’未翻訳領域、およびポリAテイルを含んでいた。したがって
これら2つの挿入断片を、PH−20についてのcDNAの3’末端を表すもの
として結論づけた。他の4つの抗体−陽性ラムダークローンはPH−20とは無
関係であった。
PH−20 cDNAの5’部分を、Frohman et al.,(Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA
85:8998−9002(19
88))の研究計画法に従う固定化PCRを利用してクローン化させた。精子形
成性細胞からのポリA+RNA(10μlのdH2O中の2μg)を65℃にお
いて3分間加熱し、そしてその後40μlの総容量中の4μの10×RTC緩衝
液(1×緩衝液は、50mM Tris(pH8.3)、50mM KCl、4
mM ジチオスレイトール、10mM MgCl2である)、および4μlの各
dNTP 10mM保存溶液(最終1mM)、2μlの80mMリン酸ナトリウ
ム(最終4mM)、1μl(40単位)のRNasin(Promega Bi
otec社)、40ピコモルのPH−20特異的プライマー(PH−20−RT
)、18単位のAMVリバーストランスクリプターゼ(Life Scienc
es社)、および40μCiの32P−dCTPを添加することにより逆転写さ
せた。42℃における1時間のインキュベーションの後、1μlの追加的なリバ
ーストランスクリプターゼを添加し、そしてインキュベーションをもう1時間継
続させた。PH−20−RTプライマーは、挿入断片pgPH−20−1(図1
)の5’末端から約250塩基下流にある17のヌクレオチド(nt)オリゴマ
ー(nt 1242−1258、図2)であった。
カラムクロマトグラフィーにより過剰量のPH−20−RTから一本鎖cDNA
を分離させ、ポリAテイルを付加させ、そして1.0mlに希釈した。第二鎖合
成およびPCR増幅は、10μlのリバーストランスクリプターゼ産物、20ピ
コモル(dT)の17アダプター、50ピコモルのアダプター、および50ピコ
モルのPH−20−AMPプライマーを含む100μlの反応物中、GeneA
mpキット(Perkin Elmer Cetus社)を使用して実行した。
PH−20−AMPプライマーは、PH−20−RTプライマーの上流に位置す
る17ntオリゴマー(nt 1202−1218、図2)であった。PCR産
物を未取り込みのプライマーから精製し、そして遊離ヌクレオチドをスピンカラ
ムクロマトグラフィーにより精製した(Boehringer−Manheim
社からのカラム)。これをその後HgiA IおよびSal Iで消化させ、ゲ
ル精製にかけ、そしてPst IおよびSal Iで消化させたpBluesc ript
内に連結させた。主要PCR産物は1.2kbであり、そしてサザンブ
ロット分析によりこのバンドがラベル化した挿入断片pgPH−20−1とハイ
ブリッド形成することを確認した。3つの別々の反応からの主要PCR産物をク
ローン化し、そしてその3つの反応の各々からの一つづつの挿入断片の配列決定
を行った(gpPH−20−3、nt 1−1175、gpPH−20−4、n
t 24−1175、およびgpPH−20−5、nt 295−1175)。
全cDNA配列および演鐸アミノ酸配列を、両方の鎖についてそれぞれの完全
な配列決定を行った5つのcDNA挿入断片(図2)から取得した。このcDN
A配列は345ntの5’未翻訳領域、1590nt
の読み取り枠、および208ntの3’未翻訳領域を含む。得られるアミノ酸配
列は精製PH−20から得られる全てのトリプシンペプチド配列を含み、これに
よりこのcDNAが本物のPH−20クローンであることが確認される。ハイブ
リッド形成実験により、モルモットのゲノムDNAはPH−20のための単一の
遺伝子を含むことが示された。コンピューターでの探索により、モルモットのP
H−20アミノ酸配列と他の既知の配列とには有意な相同性が存在しないことが
明らかにされた。実施例2:他の哺乳類種におけるPH−20相同物
他の種のゲノムDNAにおいてPH−20遺伝子の相同物が存在するか否かを
決定するために交配種のサザンブロットを実行した。ゲノムDNAをモルモット
、ラット、ウサギ、マウス、およびハムスターの脾臓から、洗剤溶菌−プロテイ
ナーゼK消化により単離した。他のDNAサンプル(例えば、ヒト、サル、およ
びニワトリ)はConnecticut Health Centerにおける
他の研究者により提供された。サケの精子およびウシの胸腺からのDNAはSi
gma社より購入し、そしてTE(10mM Tris(pH8.0)、1mM
EDTA(pH8.0))中、1mg/mlにおいて再構成した。全ての種の
DNA(10μg)を制限酵素で切断し、そして1%アガロースゲル上で分離し
た。サザン転移(Southern transfer)はナイロン膜上への毛
細管転移(capillary transfer)により実行した。この膜を
6×SSC、1×デンハート溶液、250mg/mlのサケ精子DNA、1%の
SDS、および50mMのNaPO4(pH7.4)を含んでなる溶液中、65
℃で1−2時間予備ハイブリッド形成を行わせた。この膜を予備ハイブリッド形
成用緩衝液プラス2×
106cpm/mlプローブ中、55℃において一晩ハイブリッド形成させた。
プローブはランダムヘキサマー法により調製した。このブロットを3×5分間2
×SSC+1.0%SDS中で室温下において、2×30分間2×SSC+0.
1%SDS中で50℃の室内において、そして2×30分間1×SSC+0.1
%SDS中で60℃において洗浄した。このブロットをプラスチック製ラップで
包み、そして強調用スクリーンを含むフィルムに対して70℃下において露出さ
せた。
このブロットをラベル化gpPH−20−3とgpPH−20−2との混合物
で探索した。サザンブロットにより約10kbの地点において、ニワトリDNA
に関しては微弱なハイブリッド形成バンドが、マウス、ラット、ハムスター、ウ
サギ、およびヒトDNAに関しては強力なハイブリッド形成バンドが示された。
そのうえ、ウシおよびサルDNAに関してもハイブリッド形成が観察された。実施例3:マウスPH−20をコード化するDNAの単離
ポリA+RNAをマウス球状精子細胞から単離し、そしてこれを用い、常法を
使用してラムダ−J内でcDNAライブラリーを作製した。このライブラリーを
ラベル化した全長のモルモットPH−20cDNAプローブを使用してスクリー
ニングした。このプローブはまずモルモットのポリA+RNAを単離することに
より作製した。オリゴ−dTプライマーをポリ(A)領域(tract)に対し
てハイブリッド形成させ、そしてリバーストランスクリプターゼを使用して第一
cDNA鎖を作製した。2つのオリゴヌクレオチドの最初のものはモルモットP
H−20の5’未翻訳領域の一部分に対して相補的なものであり、そして2つ目
のものは3’未翻訳領域に対して相補的なものであり、これらをこの反
応混合物に添加し、そして完全なコーディング領域を含む全長の二本鎖DNA配
列をポリメラーゼ連鎖反応により作製した。この反応の産物は1.5−1.6k
bの間の二本鎖DNA断片であった。この断片をクローン化させ、そしてクロー
ン化させた断片を分析してそれが実際にモルモットPH−20蛋白質をコード化
していることを確認した。ラベル化プローブをこのクローンから常法により作製
した。
マウスcDNAライブラリーを、先に記載のモルモットプローブを使用してス
クリーニングした。陽性クローンを同定した。この2つのクローンは約1500
塩基対のDNAを表す。いずれのクローンもcDNAの5’部分からの配列を含
んでいなかった。陽性クローンの内の一つの5’末端に対して相補的な一連のプ
ライマーを使用する固定化PCRを使用して、マウス遺伝子の5’部分をクロー
ン化した。この配列を図3に示す。実施例4:ヒトPH−20をコード化するDNAの単離
ヒトPH−20をコード化するDNAを、ラムダーgt11内においてヒト睾
丸ライブラリーをスクリーニングすることにより単離およびクローン化させた。
このライブラリーを90mmプレートあたり約3,000プラークの密度におい
てプレート培養した。ファージプラークを二重検定法用の二枚のフィルターに転
移させ、そして2本の放射活性ラベル化させたDNAプローブ、マウスPH−2
0cDNA、およびモルモットPH−20cDNAの混合物でスクリーニングし
た。より具体的にはモルモットのプローブは、先に記載のラベル化させた全長の
モルモットPH−20プローブであり、そしてマウスクローンはマウスcDNA
の5端からの配列を欠く2つのマウスクローンの内の一つであった。
2つのプローブの混合物とハイブリッド形成する陽性プラークを選択しそして
精製した。このcDNA挿入断片をサブクローン化させ、そしてDNA配列を標
準的な方法を使用して決定した。2つのcDNAクローンが得られた。この2つ
のものの各々は異なる形態のヒトPH−20をコード化していた。一方のヒトク
ローンをH18(図4)と表示し、そしてもう一方のものをH16(図5)と表
示する。
H18は510のアミノ酸からなる読み取り枠、ならびに短い5’および3’
未翻訳領域を含む全長クローンである。H18の読み取り枠中においてコード化
される蛋白質はモルモットのPH−20に対して59%相同であり、そして74
%類似している(保存性置換基を含む)。
H16はヒトPH−20のカルボキシル末端部分をコード化する部分的な長さ
のクローンである。H16内のヌクレオチド1はH18内のヌクレオチド814
に相当する。ヌクレオチド1−781からのH16の配列はヌクレオチド814
−1594からのH18の配列に相同であり、ヌクレオチド782で開始してヌ
クレオチド1675まで続くH16の配列は、ヌクレオチド1595で開始して
ヌクレオチド1696まで続く配列とは異なる。コード化されるPH−20蛋白
質の観点からすると、H16によりコード化される部分的蛋白質はアミノ酸23
6−496(H18配列に基づきアミノ酸番号を付してある)の間にあるH18
によりコード化される蛋白質に対して相同である。したがってH16はアミノ酸
497−511をコード化し、そしてH18はアミノ酸497−510をコード
化し、そしてこれらの配列は各々の残基を異にしている。ヒトPH−20の発現および精製
PH−20のための全長クローン(H18)を2つの大腸菌発現ベク
ター、pMAL−pおよびpMAL−c(New England Biola
bs、Beverly、MA)内にサブクローン化させた。両方のベクターにお
いてPH−20を融合蛋白質として作製するが、N−末端融合の相手は大腸菌の
マルトース結合性(MBP)蛋白質である。pMAL−pにおいては、コード化
されるMBP(これは通常ではペリプラズム蛋白質である)はその蛋白質にとっ
ての通常のシグナル配列を有し、そのシグナル配列はMBP−PH−20融合に
おいて生じ、そしてペリムラズムを標的としている。ペリプラズムへとうまく輸
出されることができる融合蛋白質にとっては、この位置は、ジスルフィド結合が
形成され(12のシステインがヒトPH−20内に存在する)、より高い免疫原
である可能性のある蛋白質を産生するという利点を有する。pMAL−cにおい
ては、MBPのためのシグナル配列は存在せず、そして融合蛋白質は細胞質内に
見いだされ、そしてジスルフィド結合を形成していない。ヒトPH−20はpM
AL−pおよびpMAL−cの両方から産生される。しかしながらpMAL−p
を保持する株においては産生されるhPH−20の量は低く、一方でpMAL−
cを保持する株においては産生されるPH−20の量が多い(この融合蛋白質は
クーマシーブルーで染色したSDS−PAGEゲル上の大腸菌抽出物内の主要バ
ンドである)。ヒトPH−20融合蛋白質を精製するためには、MBP−PH−
20融合蛋白質をアミロース樹脂(これに対してMBPが結合する)に対して結
合させ、そしてマルトースで溶出させる。実施例5:PH−30精子表面蛋白質をコード化するDNAの単離
本実施例はPH−30精子表面蛋白質をコード化するDNAの単離を開示する
。本実施例の主題物質はBlobel et al.,(Na ture
356:248(1992))により既に発表されている。
成熟PH−30蛋白質はαおよびβサブユニットを有する二量体蛋白質である
。成熟PH−30蛋白質は、Primakoff et al.(J.Cell .Biol.
104:141−149(1987))により記載されるように
親和性精製を行った。単離に続き、サブユニットをSDS−PAGEにより分離
し、そしてシュレイヒャーおよびシュエルエリュートラップ(Schleich
er and Schuell eluterap)を使用して電気溶出を行っ
た。アミノ−末端および内部ペプチド配列をPH−30のαおよびβサブユニッ
トから、それらが受精能を有する(成熟)精子上に生じる際に決定した(Blo
bel et al.,J.Cell Biol. 111:69−78(19
90)、を参照せよ)。
N−末端ペプチド配列を決定するためには、溶出させた蛋白質を還元し、そし
て逆相HPLCにより精製した。αサブユニットの内部ペプチド配列については
溶出させた上で還元した蛋白質をHPLC前にトリブシンで開裂させた。ペプチ
ドの配列を、Applied Biosystems社の気相配列決定機を使用
して自動エドマン分解法により決定した。
αサブユニットについては、決定された配列は、YCTGQSGKCPLDT
YKQDG(配列番号24)、およびALFAAIQIPHGDD(配列番号3
0)であった。これらの2つのペプチド配列を使用してモルモット睾丸cDNA
における組み込み式(nested)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のための
変成オリゴヌクレオチドプライマーを設計した。このプライマーの同一性および
組み合わせはBlobelet al.
(Nature 356:284(1992))においてより具体
的に特定されている。組み込み式PCR産物である308ヌクレオチドのバンド
をサブクローン化させ、配列決定を行い、そして既に決定されているペプチド配
列をコード化することが示された。その後組み込み式PACE実験計画を実行し
て成熟PH−30のαの3’配列を完成させ、そして成熟N−末端のペプチド配
列を確認した。増幅されたDNA断片をアガロースゲルから切り出し、ゲネクリ
ーン(Geneclean)(Bio 101、Inc.社)を用いて精製し、
そして直接的な配列決定を行った。両方の鎖共について約175ヌクレオチドの
間隔を開けてあるプライマーを用いて配列決定を行ったところ、2つの異なる初
期RACE反応からの第二反応産物は相同であった。このPCR産物の演鐸アミ
ノ酸配列は、既に決定されているペプチド配列を含むことを見いだした。αサブ
ユニット配列の残りの部分を、cDNA末端(RACE)実験計画(Frohm
anおよびMartin,Techniques 1:165−170(198
9))の組み込み式高速増幅法により作製した。PH−30のαサブユニットの
演鐸配列を図6に示した。αサブユニットのヌクレオチド配列は、289アミノ
酸をコード化する一つの読み取り枠を含む。βサブユニットの配列を類似する様
式において決定した。ペプチド配列を、N−末端ペプチド配列を作製した以外は
αサブユニットについて記載したようにして決定し、βサブユニットをイモビロ
ン(immobilon)膜上に転移させた。内部ペプチド配列を作製するため
には、溶出させた蛋白質を臭化シアンもしくはV8プロテアーゼで切断し、電気
泳動にかけ、そしてイモビロン上に転移させた。別の方法では、溶出させた蛋白
質をCNBrおよびト
リプシンで順次消化させ、その後逆相HPLCを行った。これらの方法により決
定されたペプチド配列は、SNPV_GNNRVEQGEDCDCGSQEEC
QDTC(配列番号22)、AQGP(配列番号16)、STDECDLPEY
CNGSSGACQEDL(配列番号16)、MGSVD_FEQL_TKND
IT_N(配列番号27)、A_GASNWK(配列番号31)、M_IYA_
ISG(配列番号31)、SAL_VR(配列番号34)、C_PS_VCR(
配列番号34)、およびVATV(配列番号39)であった。ペプチドSNPV
_GNNRVEQGEDCDCGSQEECQDTC(配列番号22)およびS
TDECDLPEYCNGSSGACQEDL(配列番号16)を使用して4本
の変成オリゴヌクレオチドプライマーを設計した。変成プライマーを組み合わせ
て使用する組み込み式PCRにより185および206塩基対の2本の強いバン
ドが生じた。この206−塩基対断片をポリアクリルアミドゲルから切り出し、
水で溶出させ、沈殿化させ、配列決定を行ったところ、PH−30のβペプチド
配列をコード化することを見いだした。これを32Pでラベル化し、そしてこれ
を用いて高緊縮性ハイブリッド形成および洗浄条件を用いるモルモット精子形成
性細胞cDNAの発現ライブラリー(Lathrop et al.,J.Ce ll.Biol.
111:2939−2941(1990))の探索を行った
。
成熟PH−30βプラス前駆体ドメインの4アミノ酸のすべてをコード化する
一つのクローンを500,000のプラークの内から同定し、そして約200ヌ
クレオチドの間隔を開けてあるプライマーでPCR増幅化させたDNA断片を使
用して直接的に配列決定を行った。この配列
を、第一鎖のモルモット睾丸cDNAからのPCRにより増幅させた成熟PH−
30βの両方の鎖の配列を決定することにより確認した。PH−30βサブユニ
ットの演鐸cDNA配列を図7に示す。βサブユニットのヌクレオチド配列は、
353アミノ酸をコード化する一つの読み取り枠を含む。
ほとんどのウイルス性融合蛋白質はN末端もしくはポリペプチド内のいずれか
に「融合ペプチド」を含んでおり、この配列はウイルス一族内では高度に保存さ
れるが、ウイルス一族間では保存されない。融合ペプチドは、(1)常に膜固定
化サブユニット内に位置しており、(2)比較的疎水性であり、そして(3)大
半のかさばった疎水性残基が一方の面に存在する「偏った」αヘリックスとして
形成することができる。少なくともある事例においては、融合ペプチドが膜表面
と相互作用を行う際にヘリックス構造が採用される。ヘリックスの疎水性面はウ
イルス−細胞膜相互作用を成立することができ、そしてこれにより融合が導かれ
る。PH−30αは内部融合ペプチドのこれらの基準のうちの3つ全てを満たす
領域(図8bにおける残基90−111)を含む。仮想的内部ウイルス融合ペプ
チドはその中心部にもしくはその付近にプロリン(複数)を有しており、同様に
この領域も予想されるヘリックスの中心内に2つのプロリンを有しており、プロ
リンは他の膜−相互作用的αヘリックスにおいて行うように折れ曲がり状態を生
じるが、恐らくこの場合にもこれらのプロリンがこのような折れ曲がり状態を生
じる原因になるものと思われる。PH−30αのこの可能な融合ペプチドは、風
疹ウイルスのE2糖蛋白質の可能な融合ペプチド(GADTRCGRLICGL
STTAQYPPTR)(配列番号42)に配列が類似する他のPH
−30領域(図8bの残基82−102)と重複している。
ほとんどのウイルス性蛋白質は標的膜に対する結合ならびに融合という責務を
担っている。成熟PH−30βのN−末端の90のアミノ酸は、精子−卵子融合
の前に生じる膜結合段階において機能することができる仮想的インテグリン−結
合性「ディスインテグリン」ドメインを含む。インテグリンgpIIb/III
aに対するフィブリノーゲン結合の競合的阻害により作用するヘビ毒液からの、
短く(49−83アミノ酸)可溶性であり、そして高度に保存されている血小板
凝固阻害剤の一族には、ビスタチン(bistatin)(Shebuski etal.
,J.Biol.Chem. 264:21550−21556(1
986))、バーバーリン(barbourin)(Scarborough et al.
,J.Biol.Chem. 266:9359−9362(19
91))、キストリン(kistrin)(Dennis et al.,Pr oc.Natl.Acad
.Sci. 86:4022−4026(1981)
、およびエキスタチン(echistatin)(Gan et al.,J. Biol.Chem.
263:19832(1988))が含まれる。これら
のインテグリンリガンドに対する精子PH−30βの類似性により、これが卵子
原型質膜上のレセプター、おそらくはインテグリンに対して結合することが示唆
される。
ほとんどのインテグリンはインテグリン共通結合配列RGDを含む。この配列
における変化は、親和性(Garsky et al.,Proc.Natl. Acad. Sci.
86:4022−4026(1989))、もしくは結
合の特異性(Scarboroughet al.
,J.Biol.Chem. 266:9359−9362(19
91)、Phillips et al.,Cell 65:359−362(
1991))のいずれかを変化させる。しかしながら既知のインテグリンリガン
ドの内の半分はこのトリペプチドを含まないか、あるいは非RGD配列を用いて
インテグリンと相互作用を行うことができるか、のいづれかである。核磁気共鳴
分析により、キストリンおよびエキスタチンのRGD配列はループの先端に存在
し、そこでそれらは高親和性結合に必要な立体配座を確認すると考えられている
。PH−30βのディスインテグリンドメインが類似する三次現構造を採る場合
には、配列TDAおよび追加的(奇数の)システインがこのようなループの先端
を占め、そしてその後卵子の原形質膜上のインテグリンと相互作用を行うことが
できるのであろう。より長いヘビ毒液蛋白質HRIBのディスインテグリンドメ
インは、配列ESEおよびこの位置における追加的システインを含む。
2種類の間接的証拠により、PH−30βが卵子原形質膜インテグリンに対し
て結合し、マウス卵子の蛋白質分解によりそれらの受精能力が減少し(Cala
rco Microscope Tech. 17:401−411(1991
)、Boldt et al.,Gamete Res. 23:91−101
(1989))、そして関連する卵子表面ポリペプチドの内の2つが、αおよび
βインテグリンサブユニットに類似する95Kおよび150Kの分子量を有し、
そのうえミクロモル単位の濃度のRGD−含有性ペプチドがヒトもしくはハムス
ターの精子と、透明膜を欠くハムスター卵子との間の融合を阻害する、という仮
説が支持される。RGDペプチドはこれらの精子上のPH−30相同物
と、この相同物がRGD配列を含まないとしても競合することができるであるも
のと思われ、それはRGDペプチドが非−RGDインテグリンリガンドの結合に
ついて競合することができるためである、という仮説が支持される。実施例6:PH−30蛋白質の投与による避妊ワクチン接種
モルモットの精子表面蛋白質PH−30の同定および精製は、既にPrima
koff et al.,(J.Cell.Biol.104:141(198
7))により記載されている。本実施例は、雄および雌の両方のモルモットを精
製したPH−30蛋白質で免疫化させる実験の結果、ならびに受精についての免
疫化の効果を説明する。
雌もしくは雄のハートレイ(Hartley)モルモット(第一注射の時期に
おいて約300グラム(雌)もしくは600−650グラム(雄))に、以下に
記載する量のPH−30の注射を2本施した。mAB−親和性クロマトグラフィ
ーにより精子から精製されたPH−30は、SDSゲル上の精製蛋白質の銀染色
を使用した際には検出可能な汚染物の存在を示さなかった。雌もしくは雄の免疫
化に用いた各PH−30調製物の純度はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
および銀染色により確認した。3mMのオクチルグルコシド(OG)を含む0.
375mlのリン酸緩衝化食塩水中の親和性−精製PH−30を、0.375m
lの完全フロイントアジュバント(CFA)で乳化させた。各動物の背中に0.
5mlの乳液の皮下注射を、そして後ろ脚に0.25mlの筋肉注射を施した。
約1カ月後、PBS中の同量のPH−20および3mMのOGを不完全フロイン
トアジュバント(IFA)で乳化させ、そしてこれを各動物における同じ部位に
注射した(以下に記載する例外事項を
採用してあり、雄1および3には一回の注射のみを施した)。対照用の雌および
雄には同じスケジュールでそしてPBSおよび3mMのOGおよびCFAもしく
はIFAを含むがPH−30を含まない同じ注射を施した。注射した雌を交尾さ
せるために、最初の注射の約二カ月後にこれらの雌を雄と3週間にわたり同宿さ
せた。各ケージには、一匹の雄(575−600g)、一匹の免疫化させた雌、
および2−4匹の対照注射を施した雌を入れた。3週間後、雌を雄から分離し、
妊娠している雌に子供を出産させ、そして子孫を計数した。対照注射を施したが
妊娠しなかった雌は他の対照が妊娠しているケージ内に存在しており、このこと
により免疫化させた雌と交尾した全ての雄は生殖能を有するものであったことが
示された。注射を施した雄を交尾させるために、最初の注射後約4カ月後、注射
を施した各雄を3週間2匹の雌(約600グラム)と同宿させた。その後雌と雄
とを分離し、そしてさらに5週間後に雌を屠殺し、そして胎児の計数を行った。
これらの実験の結果を以下の表に示す。
表1は免疫化させた6匹の雌のモルモットの結果であり4匹は生殖能を示した
。対照注射を施した雌の結果では、36匹の内の34匹が生殖能を示した。
す。
表2は免疫化させた3匹の雄のモルモットの結果であり、3匹全てが生殖能を
示さなかった。対照注射を施した雄の結果では5匹の内の5匹共が生殖能を示し
た。実施例7:卵子原形質膜に対する精子融合の阻害剤としてのPH−30ディスイ ンテグリンペプチドの利用
PH−30βディスインテグリンドメインからのペプチドを、卵子原形質膜に
対する精子の結合の阻害についてテストした。より具体的には2本の修飾化させ
たPH−30βペプチドをテストした。これら2本のペプチドは、ほとんどのヘ
ビのディスインテグリン中の活性トリペプチドであるRGDとディスインテグリ
ンドメイン中の同じ位置内に存在する配列TDEを含む。テストした2本の修飾
化PH−30ペプチドは、STDECDLK(配列番号43)およびCSTDE
C(配列番号44)であった。2本のペプチドの内の最初のものは直線状ペプチ
ドで
あり、そしてリシン残基(K)の添加により修飾されてアガロースビーズに対す
るこのペプチドの接合を容易にさせていた。2本のペプチドの内の第二のものは
環状ペプチドであり、そしてシステイン残基(C)の添加により修飾されており
、ジスルフィド形成による環化を可能にさせてあった。アミノ酸のランダム鎖を
表す2本の対照ペプチドも融合阻害アッセイに含まれていた。対照ペプチドは、
GRGDTD(配列番号45)およびGRGES(配列番号46)であった。
融合阻害アッセイを以下に示すように実行した。卵子をモルモットの卵巣から
採取した。この卵子を組織培養培地で一晩インキュベートした。透明帯をプロテ
アーゼの混合物で除去した。透明帯を有さない卵子を明記されている濃度におけ
るペプチドと共に30分間培養培地中でインキュベートした。
雄のモルモットの副睾丸から採取した精子をインキュベーションにより能力付
与させ、そしてアクロソームをFlemingおよびYanagimachi(Gamet Res.
4:253−273(1981))により記載されてい
るように反応させ、そして卵子に添加し、そして15分間インキュベートさせた
。その後卵子を、精子を含まない培養培地に移し、そしてさらに1時間45分の
間インキュベートさせた。その後卵子を固定化させ、そしてPrimakoff
et al.(J.Cell.Biol. 104:141(1987))に
より記載されるように染色した。その後膨張している精子頭部の総数を計数した
。膨張している精子頭部は、精子と卵子とが融合したことを示す。
これらの観察に基づき、数々の指数を算出した。受精指数(F.I.)は、膨
張している頭部の総数を卵子の総数で割ることにより決定する。
受精率(F.R.)は、卵子が受精するパーセンテージである。パーセント阻害
は、実験用ペプチドの受精指数を対照ペプチドの受精指数で割ることにより決定
する。
精子−卵子融合阻害アッセイから得られるデータを、以下に示す表3−6にま
とめてある。これらの実験の結果により、ペプチドが存在しない場合と比較する
と、透明帯を有さない卵子を対照ペプチドGRGESおよびGRGDTPとイン
キュベートする場合には精子−卵子融合の有意な阻害がみられないという結果に
なることが明らかに示される。ペプチドが存在しない場合のアッセイと対照ペプ
チドのアッセイとの間に観察される融合率は、対照ペプチドが存在する場合と類
似しているもしくはより高かった(表3)。
しかしながら、実験用ペプチドがCSTDECおよびSTDECDLKである
場合には、ペプチドを添加しなかった場合(表4)もしくは対照ペプチドを添加
した場合(表5)と比較するとより強く阻害された。受精指数が生物学的な正常
値である、卵子あたり1つの精子という値付近である場合には、STEDCDL
Kは精子−卵子融合を92%阻害し、そしてCSTDECは89%阻害した(表
4)。これらのデータより、PH−30βディスインテグリンドメインは精子−
卵子融合において重要なエピトープを表すことが結論づけられる。このエピトー
プに対して特異的に結合する抗体は、精子−卵子融合を遮断することが予想され
る。
精子−卵子融合を阻害する能力を示さない対照ペプチド(GRGES)
精子−卵子融合アッセイにおけるTDEペプチドとペプチドを添加しない対照と
の比較
精子−卵子融合アッセイにおける対照ペプチド(GRGES)、2本のTDEペ
プチド、およびRGDペプチドの比較
等価物
当業者は、慣例となっている実験と同様のものを使用して本明細書中に具体的
に記載されている本発明の具体的態様に対する多くの等価物を突き止めることか
できることを理解するであろうし、あるいは実際に突き止めることができるであ
ろう。このような等価物は以下に示される特許請求の範囲の範囲内に含まれるこ
とを意図する。
配列表
(1)一般情報
(i)出願者:
(A)住所:University of Connecticut
(B)街路名:213 Whetten Graduate Center
438 Whitney Road Extension
(C)市:Storrs
(D)州:CT
(E)国:USA
(F)郵便番号(ZIP):06296
(ii)発明の名称:避妊用ワクチン
(iii)配列数:46
(iv)通信先住所:
(A)住所:Hamilton、Brook、Smith&Reynold
s、P.C.
(B)街路名:Two Militia Drive
(C)市:Lexington
(D)州:MA
(E)国:USA
(F)郵便番号(ZIP):02173
(v)コンピューター解読可能形態:
(A)メディウムタイプ:フロッピーディスク
(B)コンピューター:IBM PC compatible
(C)操作システム:PC−DOS/MS−DOS
(D)ソフトウエアー:PatentIn Release#1.0 Ve
rsion #1.25
(vi)現在の出願者データ:
(A)出願番号 07/897,883
(B)提出日:1992年6月12日
(C)分類:
(viii)弁護士/代理店の情報:
(A)氏名:Brook、Davis E.
(B)登録番号:22,592
(C)参照/協議番号:UCT90−01AA
(ix)テレコミュニケーション情報:
(A)電話:(617)861−6240
(B)テレファックス:(617)861−9540
(2)配列番号1についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:2152
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA(ゲノム)
(ix)配列の特徴:
(A)名前/記号:CDS
(B)存在位置:355..1941
(xi)配列:配列番号1:
(2)配列番号2についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:529
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:蛋白質
(xi)配列:配列番号2:
(2)配列番号3についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:2125
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA(ゲノム)
(ix)配列の特徴:
(A)名前/記号:CDS
(B)存在位置:313..1848
(xi)配列:配列番号3:
(2)配列番号4についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:512
(B)配列の型:アミノ酸
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(ii)配列の種類:蛋白質
(xi)配列:配列番号4:
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(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:1695
(B)配列の型:核酸
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(ii)配列の種類:DNA(ゲノム)
(ix)配列の特徴:
(A)名前/記号:CDS
(B)存在位置:109..1635
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(2)配列番号6についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:509
(B)配列の型:アミノ酸
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(ii)配列の種類:蛋白質
(xi)配列:配列番号6:
(2)配列番号7についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:1674
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(ii)配列の種類:DNA(ゲノム)
(ix)配列の特徴:
(A)名前/記号:CDS
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(2)配列番号8についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:275
(B)配列の型:アミノ酸
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(ii)配列の種類:蛋白質
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(2)配列番号9についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:1104
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(ii)配列の種類:DNA(ゲノム)
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(2)配列番号10についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:1463
(B)配列の型:核酸
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(ii)配列の種類:DNA(ゲノム)
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(2)配列番号11についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:40
(B)配列の型:アミノ酸
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(2)配列番号12についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:40
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(2)配列番号13についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:40
(B)配列の型:アミノ酸
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(2)配列番号14についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:27
(B)配列の型:アミノ酸
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(2)配列番号15についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:25
(B)配列の型:アミノ酸
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(2)配列番号16についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:50
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(2)配列番号17についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:50
(B)配列の型:アミノ酸
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(2)配列番号18についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:43
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(C)鎖の数:一本鎖
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(i)配列の特徴:
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(2)配列番号20についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:43
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(i)配列の特徴:
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:40
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(i)配列の特徴:
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:19
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:50
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(i)配列の特徴:
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(i)配列の特徴:
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(i)配列の特徴:
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(2)配列番号29についての情報:
(i)配列の特徴:
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(2)配列番号30についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:50
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(ii)配列の種類:ペプチド
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(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:49
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(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号31:
(2)配列番号32についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:30
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(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号32:
(2)配列番号33についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:50
(B)配列の型:アミノ酸
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(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号33:
(2)配列番号34についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:48
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(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号34:
(2)配列番号35についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:38
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(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号35:
(2)配列番号36についての情報:
(i)配列の特徴
(A)配列の長さ:47
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号36:
(2)配列番号37についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:50
(B)配列の型:アミノ酸
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(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号37:
(2)配列番号38についての情報:
(i)配列の特徴
(A)配列の長さ:50
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号38:
(2)配列番号39についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:50
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号39:
(2)配列番号40についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:24
(B)配列の型:アミノ酸
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(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号40:
(2)配列番号41についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:16
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号41:
(2)配列番号42についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:23
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号42:
(2)配列番号43についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:8
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号43:
(2)配列番号44についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:6
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号44:
(2)配列番号45についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:6
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号45:
(2)配列番号46についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:5
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド
(xi)配列:配列番号46:
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年1月3日
【補正内容】
先に記載のものに類似する方法を使用してモルモットPH−30蛋白質に相同な
哺乳類蛋白質を単離および発現することができる。モルモットPH−30精子表
面蛋白質をコード化するDNAをプローブとして使用して他の哺乳類から相同配
列を単離することができるということを高い確立をもって予測することができる
。この予測は、モルモットのDNAを使用してヒトゲノムDNA内における相同
なPH−30の存在を同定したという事実に基づいている。
先に述べたように全長を有する蛋白質も有用であるが、そのうえ精子表面蛋白
質の抗原性部分も免疫原として有用である。抗原性断片は、例えば全長を有する
蛋白質の蛋白質分解による消化により、およびその後の所望の断片の単離により
作製することができる。別の方法ではモノマーのアミノ酸残基から出発する化学
合成を使用して所望の断片を作製することができる。
PH−30蛋白質に関しては、特定の抗原性ドメンインが避妊用ワクチンにお
ける利用のための好ましい候補物である。以下に示す実施例の項目においてより
詳細に論議されるように、PH−30 βサブユニットはディスインテグリンと
して知られるある種の蛋白質と比較すると高度に保存されているドメインを含む
。このドメインに相同なもしくは実質的に相同なペプチド(もしくはその一部分
)が本発明の避妊法における利用について好ましい。前文において使用される、
実質的に相同な、は、ペプチドの少なくとも80%のアミノ酸がPH−30 β
ディスインテグリンドメインの対応する部分と相同であることを意味する。
ディスインテグリンはヘビの毒液内において見いだされ、そして例えばインテ
グリンとして知られるある種の血小板表面蛋白質に対して結合
することが知られている。ディスインテグリンのインテグリンに対する結合は血
液凝固を阻害することが示されている。このことに類推して、PH−30 βデ
ィスインテグリンドメインに相当するペプチドは精子−卵子結合および融合にお
いて作用することが予測される。
したがって、免疫系に輸送される有効用量は導入される用量にはほとんど関係な
いことがあり、そしてその結果必須用量を経験的に決定する必要がある。これら
の決定は当業者により簡単に行うことができる。第二注射および後のブースト注
射は初期注射と類似する量もしくはそれを下回る量で投与することができる。
注射の経路は三つの実際上の決定事項により左右され、それらの決定事項とは
、1)どのくらいの容量が輸送されるべきか、2)どの緩衝液および他の成分を
免疫原と共に注射すべきか、および3)どのくらい迅速に免疫原がリンパ管もし
くは循環系内に放出されるべきか、である。例えばウサギに関しては、通常大容
量の注射物を複数の皮下部位において投与する。マウスについては腹膜内注射に
関して大容量のみが実行され得る。アジュバントもしくは粒子性物質が注射物内
に含まれる場合には免疫原は静脈注射を介して輸送すべきではない。接種物の放
出が緩慢であることが所望される場合には、注射は筋肉注射もしくは皮内注射の
いずれかにより行うべきである。即時的放出のためには静脈内注射を使用せよ。
初期抗体反応はしばしば非常に微弱であり、それは特に容易に異化されてしま
う可溶性抗原が原因である。したがって、初期免疫化の後に第二注射もしくはブ
ースター注射が必要とされる。感作被検体内に蛋白質を再導入させる前に遅延期
間を置く必要がある。最低ても2もしくは3週間が推奨されるが、より広い間隔
であっても可能である。第二および後続の注射に対する抗体反応はより強力であ
る。抗体の高力価は達成されるものの、より重要なことは血清内に存在する抗体
の性質および量が変化することである。これらの変化により高親和性の抗体が産
生される。
第二、第三、および後続の注射の間の間隔は変化させることができるが、通常で
は抗体の循環系内レベルが十分に下がって新規に注入される抗原が迅速に排除さ
れることを妨げるようにその間隔を広げる必要がある。
核磁気共鳴分析により、キストリンおよびエキスタチンのRGD配列はループの
先端に存在し、そこでそれらは高親和性結合に必要な立体配座を確認すると考え
られている。PH−30 βのディスインテグリンドメインが類似する三次現構
造を採る場合には、配列TDAおよび追加的(奇数の)システインがこのような
ループの先端を占め、そしてその後卵子の原形質膜上のインテグリンと相互作用
を行うことができるのであろう。より長いヘビ毒液蛋白質HR1Bのディスイン
テグリンドメインは、配列ESEおよびこの位置における追加的システインを含
む。
2種類の間接的証拠により、PH−30 βが卵子原形質膜インテグリンに対
して結合し、マウス卵子の蛋白質分解によりそれらの受精能力が減少し(Cal
arco Microscope Tech. 17:401−411(199
1)、Boldt et al.,Gamete Res. 23:91−10
1(1989))、そして関連する卵子表面ポリペプチドの内の2つが、αおよ
びβインテグリンサブユニットに類似する95Kおよび150Kの分子量を有し
、そのうえミクロモル単位の濃度のRGD−含有性ペプチドがヒトもしくはハム
スターの精子と、透明膜を欠くハムスター卵子との間の融合を阻害する、という
仮説が支持される。RGDペプチドはこれらの精子上のPH−30相同物と、こ
の相同物がRGD配列を含まないとしても競合することができるであるものと思
われ、それはRGDペプチドが非−RGDインテグリンリガンドの結合について
競合することができるためである、という仮説が支持される。実施例6:PH−30蛋白質の投与による避妊ワクチン接種
モルモットの精子表面蛋白質PH−30の同定および精製は、既にP
rimakoff et al.,(J. Cell. Biol. 104:
141(1987))により記載されている。本実施例は、雄および雌の両方の
モルモットを精製したPH−30蛋白質で免疫化させる実験の結果、ならびに受
精についてこの免疫化の効果を説明する。
雌もしくは雄のハートレイ(Hartley)モルモット(第一注射の時期に
おいて約300グラム(雌)もしくは600−650グラム(雄))に、以下に
記載する量のPH−30の注射を2本施した。mAB−親和性クロマトグラフィ
ーにより精子から精製されたPH−30は、SDSゲル上の精製蛋白質の銀染色
を使用した際には検出可能な汚染物の存在を示さなかった。雌もしくは雄の免疫
化に用いた各PH−30調製物の純度はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
および銀染色により確認した。3mMのォクチルグルコシド(OG)を含む0.
375mlのリン酸緩衝化食塩水中の親和性−精製PH−30を、0.375m
lの完全フロイントアジュバント(CFA)で乳化させた。各動物の背中に0.
5mlの乳液の皮下注射を、そして後ろ脚に0.25mlの筋肉注射を施した。
約1カ月後、PBS中の同量のPH−30および3mMのOGを不完全フロイン
トアジュバント(IFA)で乳化させ、そしてこれを各動物における同じ部位に
注射した(以下に記載する例外事項を採用してあり、雄1および3には一回の注
射のみを施した)。対照用の雌および雄には同じスケジュールでそしてPBSお
よび3mMのOGおよびCFAもしくはIFAを含むがPH−30を含まない同
じ注射を施した。注射した雌を交尾させるために、最初の注射の約二カ月後にこ
れらの雌を雄と3週間にわたり同宿させた。各ケージには、一匹の雄(575−
600g)、一匹の免疫化させた雌、および2−4匹の対照注射を施した雌を入
れた。3週間後、雌を雄から分離し、妊娠している雌に子供を出産させ、そして
子孫を計数した。対照注射を施したが妊娠しなかった雌は他の対照が妊娠してい
るケージ内に存在しており、このことにより免疫化させた雌と交尾した全ての雄
は生殖能を有するものであっ
たことが示された。注射を施した雄を交尾させるために、最初の注射後約4カ月
後、注射を施した各雄を3週間2匹の雌(約600グラム)と同宿させた。その
後雌と雄とを分離し、そしてさらに5週間後に雌を屠殺し、そして胎児の計数を
行った。これらの実験の結果を以下の表に示す。
その後卵子を、精子を含まない培養培地に移し、そしてさらに1時間45分の間
インキュベートさせた。その後卵子を固定化させ、そしてPrimakoff et al.
(J. Cell. Biol. 104:141(1987))
により記載されるように染色した。その後膨張している精子頭部の総数を計数し
た。膨張している精子頭部は、精子と卵子とが融合したことを示す。
これらの観察に基づき、数々の指数を算出した。受精指数(F.I.)は、膨
張している頭部の総数を卵子の総数で割ることにより決定する。受精率(F.R
.)は、卵子が受精するパーセンテージでぁる。パーセント阻害は、実験用ペプ
チドの受精指数を対照ペプチドの受精指数で割ることにより決定する。
精子−卵子融合阻害アッセィから得られるデータを、以下に示す表3−6にま
とめてある。これらの実験の結果により、ペプチドが存在しない場合と比較する
と、透明帯を有さない卵子を対照ペプチドGRGESおよびGRGDTPとイン
キュベートする場合には精子−卵子融合の有意な阻害がみられないという結果に
なることが明らかに示される。ペプチドが存在しない場合のアッセイと対照ペプ
チドのアッセイとの間に観察される融合率は、対照ペプチドが存在する場合と類
似しているもしくはより高かった(表3)。
しかしながら、実験用ペプチドCSTDECおよびSTDECDLKを添加し
た場合には、精子−卵子融合はペプチドを添加しなかった場合(表4)もしくは
対照ペプチドを添加した場合(表5)と比較するとより強く阻害された。受精指
数が生物学的な正常値である、卵子あたり1つの精子という値付近である場合に
は、STEDCDLKは精子−卵子
融合を92%阻害し、そしてCSTDECは89%阻害した(表4)。これらの
データより、PH−30 βディスインテグリンドメインは精子−卵子融合にお
いて重要なエピトープを表すことが結論づけられる。このエピトープに対して特
異的に結合する抗体は、精子−卵子融合を遮断することが予想される。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年6月10日
【補正内容】
モルモットの精子表面蛋白質PH−20は、受精においては無くてはならない
初期段階である卵子の細胞外被膜(透明帯)に対する精子付着における必須の機
能を担っていることが示されている。PH−20で免疫化させた雄および雌のモ
ルモットにおいては100%という有効な避妊効果が得られた。免疫化させた雌
からの抗血清は高い力価を有し、精子抽出物中のPH−20を特異的に認識し、
そしてインビトロにおいて卵子透明帯に対する精子付着を遮断した。この避妊効
果は長期持続的かつ可逆的であり、免疫化させた雌を免疫化の後6−15カ月の
期間をおいて交尾させたところ徐々に受胎能を奪回した(Primakoff,
P.,et al.,Nature 335:543−546(1988))。
第二のモルモット精子表面蛋白質であるPH−30もやはり避妊効果を示した。
避妊用免疫原としてテストした他の精子蛋白質には、精子酵素ヒアルロニダー
ゼ、アクロシン、および乳酸デヒドロゲナーゼC−4がある。これらの酵素での
雌動物の免疫化は受胎能における効果を全く示さないか、あるいは受胎能におけ
る部分的効果を示すかのいずれかであり、しかもこの効果はこれらの蛋白質を避
妊用試薬として適当と評価するほど十分なものではなかった。モルモットにおけ
るPH−20の高い避妊効果は、精子表面における存在、強い免疫原性、および
受精における主要な役割を含むこの蛋白質の数々の具体的特性における依存する
ようである。
哺乳類の精子−帯付着は多くの場合において種特異的である。他の哺乳類種か
らの精子は、アクローソーム反応の前もしくは後のいずれかに透明帯に対して結
合することができるという点においてモルモットの精
子に類似している。モルモット以外の種における受精のために必須な精子表面蛋
白質の同定および単離は、これらの種における有効な免疫化のためのワクチンの
開発ならびに長期持続的な避妊薬を提供するためには有用であろう。精子の付着
蛋白質候補物の生物学的同定、単離、およびクローニングがなされていないとい
うことは、ヒトならびに他の哺乳類種のための有効な避妊用ワクチンの開発の際
の研究者の妨げとなっていた。発明の要約
本発明は、一つもしくは複数の精子表面蛋白質をある哺乳類に対して投与する
避妊の方法に関する。精子表面蛋白質(もしくは同蛋白質の一部分)を免疫反応
の刺激化について有効な量において投与し、そしてこのことにより精子−卵子融
合を妨げるもしくは実質的にその割合を低減するのに十分な力価で精子表面蛋白
質に対して結合する抗体を産生させる。この蛋白質もしくは蛋白質断片は常法に
より精製することができる、もしくは組換えDNA法により産生させることがで
きる。
本発明はまた、本明細書内に記載される方法における利用のための避妊用組成
物にも関する。これらの組成物は精子表面蛋白質もしくはその蛋白質の一部分を
含む。好ましい精子表面蛋白質はPH−20およびPH−30精子表面蛋白質で
ある。図面の簡単な記載
図1は、モルモットのPH−20蛋白質をコード化するDNAの部分的制限地
図、ならびに5つのcDNAクローンの相対的な位置を表す図である。
図2は、PH−20蛋白質をコード化するモルモットcDNA配列、
ならびに一文字コードにおいて表されるモルモットPH−20蛋白質の演鐸アミ
ノ酸配列を表す図である。
図3は、PH−20蛋白質をコード化するマウスDNA配列を表す図である。
図3において開示される配列は配列番号3および4として表わされる。
図4は、ヒトのPH−20蛋白質のーつの形態をコード化するヒトDNA配列
、ならびに三文字コードにおいて表される演鐸アミノ酸配列を表す図である。図
4において開示される配列は配列番号5および6として表わされる。
好ましい精子表面蛋白質は、PH−20およびPH−30精子表面蛋白質である
。
PH−20およびPH−30の両遺伝子は精子細胞の表面に存在する蛋白質を
コード化し、そして受精にとって不可欠である。一つの哺乳類種におけるPH−
20をコード化するDNAは、テストした他の哺乳類すべてからのゲノムDNA
と交差反応性を示す(つまり、ハイブリッド形成が可能である)ことを決定した
。他の哺乳類種におけるこれらの相同性の存在は予期せぬ発見であり、というの
は哺乳類の精子−透明帯付着は多くの場合において種特異的であるためである。
同様にモルモットのPH−30 cDNAはヒトのゲノムDNAとハイブリッド
形成する。
親和性精製したモルモットPH−20で免疫化させた雌のモルモットは少なく
とも6カ月の間は完全に受胎不能であり、そしてそれらの血清はインビトロにお
いて精子が卵子の透明帯に対して結合するのを遮断した。モルモットPH−20
で免疫化した少数の雄モルモットは少なくとも7カ月の間は受胎不能であった(
Primakoff,P.,et al.,Nature 335:543−5
46(1988))。
モルモットPH−20のαおよびβサブユニットの演鐸アミノ酸配列は互いに
類似していることが明らかになり、このことにより進化的な関連性が示唆され、
そして両者ともが大きなN−末端細胞外ドメインおよび小さな細胞質テイルを有
するタイプ−I内在性膜蛋白質であることが示唆される。βサブユニットは卵子
原形質膜上の仮想的レセプター(インテグリン、もしくはインテグリン一様)の
結合において機能することができる仮想的インテグリン−結合性「ディスインテ
グリン」ドメインを含む(Blobel.,C.P.,et al.,Natu
re 3 56
:248−252(1992))。免疫原の産生および精製
避妊用免疫原としての利用のための精子表面蛋白質の産生のための好ましい方
法は組換えDNA技術によるものである。この技術を使用する蛋白質の産生のた
めには、その蛋白質もしくはその蛋白質の免疫原性部分をコード化するDNAを
単離およびクローン化する必要がある。当業者は目的の遺伝子をクローン化する
ための試みにおいて使用することができる種々の研究法に熟知している。しかし
ながら、目的の単離蛋白質以外は何も得ていないという状態では、このような試
みに妥当な確実性をもって成功するということは期待できない。
この後に示される実施例1においては、出願者はモルモットのPH−20遺伝
子をコード化するDNAの単離およびクローニングを開示する。PH−20遺伝
子の3’−部分をコード化するDNAを単離するのに使用した方法は、PH−2
0蛋白質と反応するポリクローナル抗体でのcDNA発現ライブラリーのスクリ
ーニングを伴うものであった。固定化PCRを使用してこの遺伝子の5’部分を
単離した。
実施例2は、広域なスペクトラムの哺乳類ゲノムDNAが、記載のハイブリッ
ド形成条件下においてモルモットPH−20配列に対してハイブリッド形成する
DNA配列を含むという驚くべき発見を開示する。
後続のブースター注射は、継続的な避妊のために低減されている循環性抗体を
増加させることを必要とされるであろう。これらの注射のための実際の間隔は各
々の種ごとに異なるであろう。しかしながら、当業者は精子表面蛋白質抗体の血
清レベルをモニターすることによりこの間隔を決定することができる。
他の態様においては、被検体に精子表面蛋白質に対する同種異系抗血清もしく
はモノクローナル抗体を投与して避妊を達成することができる。同種異系抗血清
は同じ種の他の固体内において作製し、その固体の血清から単離し、そして受容
被検体内に注射するための適切な担体内において調製する。当業者は投与のため
のモノクローナル抗体の調製および製剤するための方法を熟知している。
本発明は、以下に示す実施例においてより詳細に説明される。
実施例 実施例1:モルモットPH−20ライブラリー構築物をコード化するDNAの単 離およびスクリーニング
パーコール(Percoll)濃度勾配液上の精子形成性細胞に富むモルモッ
トの睾丸細胞の集団を精子形成性細胞の総DNAの単離のために用いた。ペレッ
ト化させた細胞を、10mMのTrls(pH8.6)、0.5%のNP−40
、0.14MのNaCl、1.5mMのMgCl2、および10mMのVRCを
含む0.5−1.0mlの溶液中、バナジル−リボヌクレオシド複合体(VRC
)の存在下、洗剤で溶菌した。細胞破片をペレット化させた後、0.5倍容量の
2×プロテイナーゼK(Proteinase K)緩衝液(2×=0.2M
Tris(pH7.5)、25mM EDTA(pH8.0)、0.3M Na
Cl、および2.0% SDS)および200μg/mlのプロテイナーゼKを
この上清に添加した。
したがってこれら2つの挿入断片を、PH−20についてのcDNAの3’末端
を表すものとして結論づけた。他の4つの抗体−陽性ラムダークローンはPH−
20とは無関係であった。
PH−20 cDNAの5’部分を、Frohman et al.,(Pr oc. Natl. Acad. Sci. USA
85:8998−900
2(1988))の研究計画法に従う固定化PCRを利用してクローン化させた
。精子形成性細胞からのポリA+RNA(10μlのdH2O中の2μg)を6
5℃において3分間加熱し、そしてその後40μlの総容量中の4μの10×R
TC緩衝液(1×緩衝液は、50mM Tris(pH8.3)、50mM K
Cl、4mM ジチオスレイトール、10mM MgCl2である)、および4
μlの各dNTP 10mM保存溶液(最終1mM)、2μlの80mMリン酸
ナトリウム(最終4mM)、1μl(40単位)のRNasin(Promeg
a Biotec社)、40ピコモルのPH−20特異的プライマー(PH−2
0−RT)、18単位のAMVリバーストランスクリプターゼ(Life Sc
iences社)、および40μCiの32P−dCTPを添加することにより逆
転写させた。42℃における1時間のインキュベーションの後、1μlの追加的
なリバーストランスクリプターゼを添加し、そしてインキュベーションをもう1
時間継続させた。PH−20−RTプライマーは、挿入断片pgPH−20−1
(図1)の5’末端から約250塩基下流にある17のヌクレオチド(nt)オ
リゴマー(nt 1242−1258、図2)であった。
カラムクロマトグラフィーにより過剰量のPH−20−RTから一本鎖cDN
Aを分離させ、ポリAテイルを付加させ、そして1.0mlに
希釈した。第二鎖合成およびPCR増幅は、10μlのリバーストランスクリプ
ターゼ産物、20ピコモル(dT)の17アダプター、50ピコモルのアダプタ
ー、および50ピコモルのPH−20−AMPプライマーを含む100μlの反
応物中、GeneAmpキット(Perkin Elmer Cetus社)を
使用して実行した。PH−20−AMPプライマーは、PH−20−RTプライ
マーの上流に位置する17ntオリゴマー(nt 1202−1218、図2)
であった。PCR産物を未取り込みのプライマーから精製し、そして遊離ヌクレ
オチドをスピンカラムクロマトグラフィーにより精製した(Boehringe
r−Manheim社からのカラム)。これをその後HgiA IおよびSal
Iで消化させ、ゲル精製にかけ、そしてPst IおよびSal Iで消化さ
せたpBluescript内に連結させた。
この断片をクローン化させ、そしてクローン化させた断片を分析してそれが実際
にモルモットPH−20蛋白質をコード化していることを確認した。ラベル化プ
ローブをこのクローンから常法により作製した。
マウスcDNAラィブラリーを、先に記載のモルモットプローブを使用してス
クリーニングした。陽性クローンを同定した。この2つのクローンは約1500
塩基対のDNAを表す。いずれのクローンもcDNAの5’部分からの配列を含
んでいなかった。陽性クローンの内の一つの5’末端に対して相補的な一連のプ
ライマーを使用する固定化PCRを使用して、マウス遺伝子の5’部分をクロー
ン化した。この配列を図3に示す。実施例4:ヒトPH−20をコード化するDNAの単離
ヒトPH−20をコード化するDNAを、ラムダ−gt11内においてヒト睾
丸ライブラリーをスクリーニングすることにより単離およびクローン化させた。
このライブラリーを90mmプレートあたり約3,000プラークの密度におい
てプレート培養した。ファージプラークを二重検定法用の二枚のフィルターに転
移させ、そして2本の放射活性ラベル化させたDNAプローブ、マウスPH−2
0 cDNA、およびモルモットPH−20 cDNAの混合物でスクリーニン
グした。より具体的にはモルモットのプローブは、先に記載のラベル化させた全
長のモルモットPH−20プローブであり、そしてマウスクローンはマウスcD
NAの5端からの配列を欠く2つのマウスクローンの内の一つであった。
2つのプローブの混合物とハイブリッド形成する陽性プラークを選択しそして
精製した。このcDNA挿入断片をサブクローン化させ、そしてDNA配列を標
準的な方法を使用して決定した。2つのcDNAクロ
ーンが得られた。この2つのものの各々は異なる形態のヒトPH−20をコード
化していた。一方のヒトクローンをH18(図4)と表示し、そしてもう一方の
ものをH16(図5)と表示する。
H18は510のアミノ酸からなる読み取り枠、ならびに短い5’および3’
の翻訳されない領域を含む全長クローンである。H18の読み取り枠中において
コード化される蛋白質はモルモットのPH−20に対して59%相同であり、そ
して74%類似している(保存性置換基を含む)。
これらの2つのペプチド配列を使用してモルモット睾丸cDNAにおける組み込
み式(nested)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のための変成オリゴヌク
レオチドプライマーを設計した。このプライマーの同一性および組み合わせはB
lobel et al.(Nature 356:284(1992))にお
いてより具体的に特定されている。組み込み式PCR産物である308ヌクレオ
チドのバンドをサブクローン化させ、配列決定を行い、そして既に決定されてい
るペプチド配列をコード化することが示された。その後組み込み式PACE実験
計画を実行して成熟PH−30のαの3’配列を完成させ、そして成熟N−末端
のペプチド配列を確認した。増幅されたDNA断片をアガロースゲルから切り出
し、ゲネクリーン(Geneclean)(Bio 101、Inc.社)を用
いて精製し、そして直接的な配列決定を行った。両方の鎖共について約175ヌ
クレオチドの間隔を開けてあるプライマーを用いて配列決定を行ったところ、2
つの異なる初期RACE反応からの第二反応産物は相同であった。このPCR産
物の演鐸アミノ酸配列は、既に決定されているペプチド配列を含むことを見いだ
した。αサブユニット配列の残りの部分を、cDNA末端(RACE)実験計画
(FrohmanおよびMartin,Techniques 1:165−1
70(1989))の組み込み式高速増幅法により作製した。PH−30のαサ
ブユニットの演鐸配列を図6に示した。αサブユニットのヌクレオチド配列は、
289アミノ酸をコード化する一つの読み取り枠を含む。
βサブユニットの配列を類似する様式において決定した。ペプチド配列は、N
−末端ペプチド配列を作製た以外はαサブユニットについて記載したようにして
決定し、βサブユニットをイモビロン(Immobi
lon)(DuPont Biotechnology Systems社,B
oston,Massachusetts)膜上に転移させた。内部ペプチド配
列を作製するためには、溶出させた蛋白質を臭化シアンもしくはV8プロテアー
ゼで切断し、電気泳動にかけ、そしてイモビロン上に転移させた。別の方法では
、溶出させた蛋白質をCNBrおよびトリプシンで順次消化させ、その後逆相H
PLCを行った。これらの方法により決定されたペプチド配列は、SNPV G
NNRVEQGEDCDCGSQEECQDTC(配列番号22)、AQGP(
配列番号16)、STDECDLPEYCNGSSGACQEDL(配列番号1
6)、MGSVD FEQL TKNDIT N(配列番号27)、A GAS
NWK(配列番号31)、M IYA ISG(配列番号31)、SAL VR
(配列番号34)、C PS VCR(配列番号34)、およびVATV(配列
番号39)であった。ペプチドSNPV GNNRVEQGEDCDCGSQE
ECQDTC(配列番号22)およびSTDECDLPEYCNGSSGACQ
EDL(配列番号16)を使用して4本の変成オリゴヌクレオチドプライマーを
設計した。変成プライマーを組み合わせて使用する組み込み式PCRにより18
5および206塩基対の2本の強いバンドが生じた。この206−塩基対断片を
ポリアクリルアミドゲルから切り出し、水で溶出させ、沈殿化させ、配列決定を
行ったところ、PH−30のβペプチド配列をコード化することを見いだした。
これを32Pでラベル化し、そしてこれを用いて高緊縮性ハイブリッド形成および
洗浄条件を用いるモルモット精子形成性細胞cDNAの発現ライブラリー(La
throp et al.,J. Cell. Biol. 111:2939
−2
941(1990))の探索を行った。
成熟PH−30 βプラス前駆体ドメインの4アミノ酸のすべてをコード化す
る一つのクローンを500,000のプラークの内から同定し、そして約200
ヌクレオチドの間隔を開けてあるプライマーでPCR増幅化させたDNA断片を
使用して直接的に配列決定を行った。この配列を、第一鎖のモルモット華丸cD
NAからのPCRにより増幅させた成熟PH−30 βの両方の鎖の配列を決定
することにより確認した。PH−30 βサブユニットの演鐸cDNA配列を図
7に示す。βサブユニットのヌクレオチド配列は、353アミノ酸をコード化す
る一つの読み取り枠を含む。
ほとんどのウイルス性融合蛋白質はN末端もしくはポリペプチド内のいずれか
に「融合ペプチド」を含んでおり、この配列はウイルス一族内では高度に保存さ
れるが、ウイルス一族間では保存されない。融合ペプチドは、(1)常に膜固定
化サブユニット内に位置しており、(2)比較的疎水性であり、そして(3)大
半のかさばった疎水性残基が一方の面に存在する「偏った」αヘリックスとして
形成することができる。少なくともある事例においては、融合ペプチドが膜表面
と相互作用を行う際にヘリックス構造が採用される。ヘリックスの疎水性面はウ
イルス−細胞膜相互作用を成立することができ、そしれこれにより融合が導かれ
る。PH−30 αは内部融合ペプチドのこれらの基準のうちの3つ全てを満た
す領域(図8bにおける残基90−111)を含む。仮想的内部ウイルス融合ペ
プチドはその中心部にもしくはその付近にプロリン残基(複数)を有しており、
同様にこの領域も予想されるヘリックスの中心内に2つのプロリンを有しており
、プロリンは他の膜−相互
作用的αヘリックスにおいて行うように折れ曲がり状態を生じるが、恐らくこの
場合にもこれらのプロリンがこのような折れ曲がり状態を生じる原因になるもの
と思われる。PH−30 αのこの可能な融合ペプチドは、風疹ウイルスのE2
糖蛋白質の可能な融合ペプチド(GADTRCGRLICGLSTTAQYPP
TR)(配列番号42)に配列が類似する他のPH−30領域(図8bの残基8
2−102)と重複している。
ほとんどのウイルス性蛋白質は標的膜に対する結合ならびに融合という責務を
担っている。成熟PH−30 βのN−末端の90のアミノ酸は、精子−卵子融
合の前に生じる膜結合段階において機能することができる仮想的インテグリン−
結合性「ディスインテグリン」ドメインを含む。インテグリンgpIIb/II
Iaに対するフィブリノーゲン結合の競合的阻害により作用するヘビ毒液からの
、短く(49−83アミノ酸)可溶性であり、そして高度に保存されている血小
板凝固阻害剤の一族には、ビスタチン(bistatin)(Shebuski
et al.,J. Biol. Chem. 264:21550−215
56(1986))、バーバーリン(barbourin)(Scarboro
ugh et al.,J. Biol. Chem. 266:9359−9
362(1991))、キストリン(kistrin)(Dennis et al.
,Proc. Natl. Acad. Sci. 86:4022−4
026(1981)、およびエキスタチン(echistatin)(Gan et al.
,J. Biol. Chem. 263:19832(1988
))が含まれる。これらのインテグリンリガンドに対する精子PH−30 βの
類似性によ
り、これが卵子原型質膜上のレセプター、おそらくはインテグリンに対して結合
することが示唆される。
ほとんどのインテグリンはインテグリン共通結合配列RGDを含む。この配列
における変化は、親和性(Garsky et al.,Proc. Natl . Acad. Sci.
86:4022−4026(1989))、もしく
は結合の特異性(Scarborough et al.,J. Biol. Chem.
266:9359−9362(1991)、Phillips e t al.
,Cell 65:359−362(1991))のいずれかを変化
させる。しかしながら既知のインテグリンリガンドの内の半分はこのトリペプチ
ドを含まないか、あるいは非RGD配列を用いてインテグリンと相互作用を行う
ことができるかのいづれかである。等価物
当業者は、慣例となっている実験と同様のものを使用して本明細書中に具体的
に記載されている本発明の具体的態様に対する多くの等価物を突き止めることが
できることを理解するであろうし、あるいは実際に突き止めることができるであ
ろう。このような等価物は以下に示される特許請求の範囲の範囲内に含まれるこ
とを意図する。
8.インビボにおいて精子表面蛋白質に対して結合する抗体の刺激化について有
効であり、そしてこのことにより精子−卵子融合を回避させるもしくはその率を
実質的に低減させる、噛乳類に対する精子表面蛋白質からのペプチドであること
を特徴とする、避妊における利用のためのペプチド。
9.PH−20の細胞外ドメインのものに対してアミノ酸配列が機能的に相同で
ある、請求の範囲8のペプチド。
10.インテグリン−結合性ドメインのものに対してアミノ酸配列が機能的に相
同である、請求の範囲8のペプチド。
11.PH−30のインテグリン−結合性ドメインのものに対してアミノ酸配列
が機能的に相同である、請求の範囲10のペプチド。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
// C12N 1/21 8828−4B
(C12N 1/21
C12R 1:19)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,CA,
CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,HU,J
P,KP,KR,LK,LU,MG,MN,MW,NL
,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,
SK,UA,US,VN