JPH08505286A - ベタインの異化に関して改変された細胞、それらの調製、および特に、代謝産物または酵素の生産のための使用 - Google Patents

ベタインの異化に関して改変された細胞、それらの調製、および特に、代謝産物または酵素の生産のための使用

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Abstract

(57)【要約】 ベタイン異化に関与する遺伝子において少なくとも1つの改変をもつ細胞、それらの調製および特に、代謝産物および/または酵素の生産のためのそれらの使用が、開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 ベタインの異化に関して改変された細胞、それらの調製、および 特に、代謝産物または酵素の生産のための使用 本発明は、ベタインの異化に関して改変された細胞、それらの調製および特に 、代謝産物および/または酵素の生産改良のための使用に関する。本発明は、ま た、ベタインの異化に関する遺伝子を担持するDNA断片に関する。 グリシンベタイン(N,N,N−トリメチルグリシン)は、一般に、その浸透 防御性について知られており、それは、細菌において浸透ストレスに対する寛容 を与える(Csonka,1989)。この性質の由来を説明するために、水の活性に対す る、またエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)の細胞質の 浸透圧に対するグリシンベタインの分子効果が、それが置き換わる溶質の分子効 果よりも重要であることが、提案されてきた(Cay1eyet al,1992)。さらに、 また、その浸透防御力に加えて、グリシンベタインは、酵素の(JP8,260,709 )、または、アミノ酸(JP202703);抗生物質(豪州特許第825513号)および ビタミン(White et al,1971)のような代謝産物の、生産を促進できるという ことも報告された。しかしながら、シアノバクテリアおよびその他のCO2固定 原核生物を除くほとんどの細菌は、植物によって主に合成されるグリシンベタイ ンを合成しない。それ故、それは、発酵槽中の生産培地に添加されねばならず、 工業的製法においてコストの付加を生じる。本発明は、この問題に対する解決を 提供する。 本発明者は、特に遺伝的方法によって、細胞のベタインの異化を改変 することにより、工業的発酵条件下で、細胞の増殖速度、その生存率などに影響 を与えることなく酵素または代謝産物の生産において、この化合物の効果を発揮 させ得ることを、実際に証明した。また、本発明者は、ベタインの異化に関与す る遺伝子を担持するDNA断片を同定し、単離し、そして特徴化したが、その断 片を用いて、ベタインの異化に関して特異的に改変され、その改変が、細胞分裂 に安定であり非可逆的である細胞を、特に作製することを可能にした。また、こ れらの断片は、適切な酵素活性の増幅によってベタインの異化を促進することを 可能にした。それ故、本発明は、ベタインの効果を高め、それによってこの化合 物を、工業的発酵工程において経済的に使用するることを可能ならしめた。 したがって、本発明の第1の主題は、ベタインの異化に関与する遺伝子に関し て、少なくとも一つの改変を現す改変細胞に関する。 第1の態様において、用語、改変細胞は、より特別には、問題の遺伝子におい て1つまたは複数塩基の置換および/または欠失および/または挿入をもち、ベ タインを徐々に分解する、いかなる細胞をも表す。そのような改変は、試験管内 (ベタインの異化に関する遺伝子をもつ単離されたDNA上で)で、またはイン サイチュー(in situ)で、例えば、遺伝子工学技術の方法によって、さ もなくば変異誘発剤による処理に該細胞を曝すことによって得られる。 変異誘発剤として、例えば、エネルギー照射(X−、γ−もしくは紫外線およ びそれに類するもの)のような物理的因子、またはDNA塩基の種々の官能基と 反応し得る化学薬剤、および例えば、アルキル化剤[メタンスルホン酸エチル( EMS)、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、N−ニトロキ ノリン 1−オキシド(NQO)]、 ジアルキル化剤、挿入剤およびそれに類するものが挙げられる。 欠失は、問題の遺伝子の全部または一部の除去を意味すると理解される。これ は、特に、コード領域の、および/または転写のプロモーター領域の全部または 一部の、一定部分であってもよい。 また、遺伝的改変は、例えばRothstein(1983)により最初に記された方法に よる遺伝子破壊によっても得ることができる。この場合には、好ましくは、その 遺伝子の全部または一部が乱されて、試験管内で作製された非機能的もしくは変 異配列によって、野生型ゲノム配列を相同組み換えにより置換させられる。 該改変は、遺伝子のコーディング部分か、または該遺伝子の発現および/また は転写調節に関与する領域に位置されてもよい。該細胞がベタインを分解できな い(全部もしくは一部)ということは、構造的もしくは立体配座的改変に因る不 活性な酵素の生産、または生産の欠如、または損なわれた活性をもつ酵素の生産 、あるいはまた弱められたレベルにおけるかまたは要求された制御様式による自 然の酵素生産、のいずれかによって明らかにすることができる。 さらに、点突然変異のようなある種の改変は、例えば、細胞分裂に先立つDN Aの複製の間に、細胞機構によって、本来、修正もしくは弱められる。この場合 には、そのような遺伝的改変は、それからもたらされる表現型の性質が完全には 安定ではないので、工業レベルにおいては有益性が限定される。今、本発明によ り、ベタインの異化に関する遺伝子を担持するDNA断片の同定に因って、該改 変が細胞分裂上安定であり、および/または非可逆的である改変細胞を作製する ことが可能である。そのような改変を発現する細胞は、代謝産物および/または 酵素の生産 のための細胞宿主として特に有用である。 その他の特定の実施態様においては、本発明の改変細胞は、ベタインの異化に 関与する少なくとも1つの遺伝子が増幅され、その結果として、ベタインをより 速く分解する細胞である。 その増幅は、ベタインの異化に関する遺伝子を担持するDNA断片を細胞中に 導入することによって得ることができる。この断片は、好ましくは、ベクターの 一部であり、自律複製するベクターでも組み込まれたベクターでもよい。さらに DNA断片は、改変細胞との関係において相同でも非相同でもよく、すなわち、 増幅された遺伝子は、該細胞由来の遺伝子でも、また、他の細胞起源から得られ 、同種の活性をコードしている遺伝子であってもよい。ベクターおよび増幅され る断片の起源の選択は、目的の細胞および考えられる応用に依存する。DNA断 片は、細胞に外来DNAを導入させるどんな方法によっても、その細胞中に導入 することができる。これは、特に、形質転換、エレクトロポレーション、接合、 プロトプラスト融合、または当業者により既知のどんな他の技術でもよい。 リゾビウム・メリロチ(Rizobium meliloti)において実際 に実施された研究によれば、グリシンベタインの分解は、3段階の連続する脱メ チル化(図1参照)によって、低浸透性の培地において行われる。第1段階は、 ベタインホモシステイン・メチルトランスフェラーゼE.C.2.1.1.5. によって触媒され、ジメチルグリシンを生じ;第2段階は、ジメチルグリシン・ デヒドロゲナーゼE.C.1.5.99.2によって触媒され、モノメチルグリ シンもしくはサルコシンを生じ;最後に、第3段階は、サルコシンデヒドロゲナ ーゼE.C. 1.5.99.1によって触媒され、その反応生成物は、グリシンである(Smit h et al,1988)。 好ましくは、本発明の細胞によって示される改変は、ベタインの異化の最初の 2段階の一つ、または場合により、二つの最初の段階に同時に影響を与える。 好ましくは、本発明の細胞は、代謝産物および/または酵素を生産する細胞で ある。この点において、それらは、また、代謝産物および/または酵素を生産す る組み換え細胞、すなわち、それらの生産能力を改善するために、組み換えDN A技術によって改変された細胞であってもよい(特に、WO 91/11518,EP 346000 ,参照)。さらになお、好ましくは、本発明の細胞は、シュードモナス(Pse udomonaas)、ストレプトミセス(Streptomyces)、アク チノミセーテス(Actinomycetes)、プロピオニバクテリウム(P ropionibacterium)、コリネバクテリウム(Coryneba cterium)、バチルス(Bacillus)、エシェリヒア(Esche richia)、サルモネラ(Salmonella)、リゾビウム(Rhiz obium)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、ロドシュ ードモナス(Rhodopseudomonas)、キサントモナス(Xant homonas)、クロストリジウム(Clostridium)およびメタノ バクテリウム(Methanobacterium)属の細胞から選択される。 本発明のその他の態様は、工業的発酵条件下で使用できる、ベタインの異化に 関与する少なくとも1つの遺伝子の改変を発現する細胞を作製する方法に関する 。本発明は、実際には、ベタインの異化に関与する 遺伝子を含むDNA断片の同定、単離、そして特徴化を記述する。今や、これら の断片は、ベタインの異化に関して特異的に改変された細胞を作製することを可 能にした。事実、上記のDNAを試験管内で改変して、それらを非機能的にし、 それらを特定の細胞に再導入することを可能にしたが、その細胞において、断片 は、対応する機能的ゲノムのコピーについて二重相同組み換えによって、置換さ れているであろう。また、このように単離された断片を基に、目的の細胞のゲノ ム、特に対応する遺伝子中に、組み込まれるであろうプローブを作製することが 可能である。 より具体的には、本発明の方法は、考慮される染色体遺伝子を、試験管内で改 変されたバージョンによって置き換えることにおいてなる。 本発明のその他の主題は、ベタインの異化に関する少なくとも1つの遺伝子を 担持するDNA断片に関する。 より具体的には、本発明は、ジメチルグリシンへのグリシンベタインの異化を 遮断された変異株、およびサルコシンへのジメチルグリシンの異化を遮断された 変異株を相補するシュードモナス・デニトリフィカンス(Pseudomona s denitrificans )由来のDNA断片、すなわち、ジメチルグリ シンへのグリシンベタインの、およびサルコシンへのジメチルグリシンの分解に 関与する遺伝子を含むDNA断片の単離および特徴化によって例証される。 本発明によるDNA断片は、菌株MB580から取得されるシュードモナス・デ ニトリフィカンス菌株SC510から単離された(米国特許第3,018,225号)。 これらの断片は: (i)ベタインの異化を遮断された変異株の作製。既に上述された種々の技術が 、この目的に使用され得る。変異株の選択は、適切な培地上で の培養、および当業者には慣用の技術に従い、ベタインもしくはその異化産物の アッセイによって行われる。 (ii)ベタインを異化できる微生物からの核酸を用いるこれらの変異株の相補 、(iii)それ故、ベタインの異化に関する遺伝子を担持する相捕的変異株の 選択、次いで、この相補を可能とする核酸の単離および特徴化、 によって得られた。 本発明において同定され、単離されたDNA断片から、当業者は、特にハイブ リダイゼーション実験によって、他の細胞起源由来のベタインの異化に関する遺 伝子を単離し、クローン化できることは明らかである。 したがって、より好ましくは、問題の遺伝子は、ベタイン−ホモシステイン・ メチルトランスフェラーゼをコードしている遺伝子であって、それに関する本発 明による改変は、細胞中で、ベタイン−ホモシステイン・メチルトランスフェラ ーゼ活性の低下を引き起こす。好ましくはなお、問題の遺伝子は、ジメチルグリ シン・デヒドロゲナーゼをコードしている遺伝子であって、それに関する本発明 による改変は、細胞中で、ジメチルグリシン・デヒドロゲナーゼ活性の低下を引 き起こす。 本発明のその他の主題は、ベタインの異化に関して改変された、代謝産物もし くは酵素を生産する細胞を、生産条件下で培養することによって、該代謝産物も しくは酵素を生産し、次いで該代謝産物もしくは酵素を回収するための改良法に 関する。 第1の実施態様によれば、生産細胞は、ベタインの異化に関与する遺伝子に関 して、少なくとも1つの改変を現し、徐々にベタインを分解する。 好ましくは、第1の実施態様によれば、その改変は、細胞分裂上安定であり、 および/または非可逆的である。 本発明の好適な変形においては、その改変は、突然変異的欠失および/または 挿入である。 第2の実施態様によれば、ベタインの異化に関与する生産細胞の少なくとも1 個の遺伝子が、増幅され、該細胞は、より急速にベタインを分解する。 本発明の方法は、アミノ酸、ビタミン、抗生物質、それらの誘導体もしくはそ れらの前駆体のような代謝産物の生産のために特に好適である。 本発明の方法は、特にコバラミンの、好ましくは、ビタミンB12の生産を改 良することができる。 本発明は、次の実施例によって補足されるが、これは、例示であり、制約のな いものとして考慮されるべきである。 一般的分子生物学技術 分子生物学において使用される慣例の方法、例えば、プラスミドDNAの調製 的抽出、塩化セシウム濃度勾配におけるプラスミドDNAの遠心、アガロースも しくはアクリルアミドゲルにおける電気泳動、電気溶出によるDNA断片の精製 、タンパク質のフェノールもしくはフェノールークロロホルム抽出、エタノール もしくはイソプロパノールによる塩溶液中でのDNA沈殿、エシェリヒア・コリ 等における形質転換は、当業者にとって周知であり、広く文献に記述されている [Maniatis T.et al.,“Molecular Cloning,a Laboratory Manual”,Cold S pring Habor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.,1982; Ausubel F.M.et al.,(eds.),“Current Protocols in Molecular Biology”,John Wiley & Sons,New York 1987]。 制限酵素は、New England Biolabs(Biolabs)、もしくはPharmaciaによって 生産され、供給先の指示に従って使用される。 pBR322およびpUCタイプのプラスミドは、市販のものである(Bethes da Research Laboratories)。 連結反応のためには、DNA断片が、アガロースもしくはアクリルアミドゲル の電気泳動によってそれらのサイズに従って分別され、フェノールもしくはフェ ノール/クロロホルム混合液を用いて抽出され、エタノールを用いて沈殿され、 次いで供給先の指示に従ってT4ファージのDNAリガーゼ(Boehringer)の存 在でインキュベートされる。 突出5’末端のフィリング(filling)は、供給先の指示に従ってE. コリのDNAポリメラーゼI(Boehringer)のクレノウフラグメントを用いて行 われる。突き出た3’の末端の破壊は、製造者の指示に従って使用されるT4フ ァージのDNAポリメラーゼの存在で行われる。 突出5’末端の破壊は、S1ヌクレアーゼによるコントロール処理によって実施 される。 合成オリゴデオキシヌクレオチドによる試験管内での部位特異的変異誘発は、 Taylor et al.[Nucleic Acids Res.13(1985)8749-8764]により開発された 方法に従って実施される。 いわゆるPCR技術[olymerase−catalyzed Chai n Reaction,Saiki R.K.et al.,Science 230(1985)1350-1354; M ullis K.B.and Faloona F.A.,Meth.Enzym.155(1987)335-350]によるD NA断片の酵素的増幅は、製造者の説明に従って、“DNA thermal cycler”(Perkin Elmer Cetus) を用いて実施される。 ヌクレオチド配列の確認は、Sanger et al.[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74 (1977)5463-5467]により開発された方法によって実施される。 略語 ベタイン: グリシンベタインまたはN,N,N−トリメチルグリシン HPLC: 高圧液体クロマトグラフィー DMG: ジメチルグリシン kb: キロベース 図の説明 図1: グリシンへのグリシンベタインの分解経路。3回の連続的脱メチル化 が起き、グリシンベタインは、ジメチルグリシンに異化され、それがサルコシン に分解され、それ自体がグリシンに分解される。 図2: 最少M培地における増殖曲線。非変異株SBL27 Rifr、およ び変異株G3728およびG3900は、炭素源としてグリシンベタインの存在 下で最少M培地で培養され、それらの増殖が、ml当たりの細胞数としてX軸に 、また時間の関数、日としてY軸に表される。 図3: 変異株G3728、G3736、G3899およびG3900を相補 するP.デニトリフィカンス由来のDNA断片のマッピング。制限酵素部位、お よび対応する変異株G3728、G3899およびG3900のトランスポゾン の挿入位置が、そのDNA断片上に示される。その変異株を相捕するために使用 されたプラスミドpXL2100、pXL2101、pXL2105およびpX L2107の挿入は、断片の 下に表される。 + 相捕性、 − 非相補性。 図4: 変異株G3727およびG3738を相補するP.デニトリフィカン ス由来のDNA断片のマッピング。制限酵素部位、およびトランスポゾンG37 38の挿入位置は、そのDNA断片上に示される。その変異株を相補するために 使用されたプラスミドpXL19E2、pxL17A10およびpXL13C5 の挿入部は、断片の下に示される。 + 相補性、 − 非相補性。 実施例 (実施例1) グリシンベタインの異化を遮断されたシュードモナス・デニトリフィカンス変 異株の単離 この実施例は、ジメチルグリシンおよびサルコシンへのグリシンベタインの異 化を遮断されたシュードモナス・デニトリフィカンス変異株の単離を述べる。こ れらの変異株は、トランスポゾンTnSprが、シュードモナス・デニトリフ ィカンス菌株SBL27 Rifrのゲノムに挿入される変異株のライブラリー から単離された。このライブラリーは、次の方法で作製された:プラスミド、p RK2013::TnSprは、プラスミドpHP45Ω(Prentki et al.,1 984)由来のスペクチノマイシン耐性遺伝子Sprを、プラスミドpRK2013 ::Tn(Ditta et al.,1980)中にクローン化されたトランスポゾンTn (Berg et al.,1983)のBamHI部位中に挿入することによって構築された 。次いで、接合が、SBL27RifrおよびE.コリMC1060(pRK2 013::TnSpr)の指数増殖期の培養を混合することによって実施され た。トランスコンジュガント(transcon jugant)RifrSpr株は、30℃で5日間培養後、受容細胞当たり10-8 クローンの頻度で得られた。導入されたプラスミドが、実際に失われており( そのプラスミドDNAは、作製され、次いで形質転換によってE.コリ中に導入 された;そのプラスミドの耐性を担持するクローンは、得られなかった)、そし てトランスポゾンTnSprが、SBL27Rifrのゲノム中に実際に組み込 まれたことは、12クローンについてチェックされた(実施例2に記載のサザン 法によって)。 このライブラリーの約3000変異株が、炭素源が10g/lのグリシンベタ インである固体(Difco寒天15g/l)最少M培地(NH4Cl 1g/ l,Na2HPO47g/l,KH2PO43g/l,NaCl 0.5g/l,1 mM MgSO4,0.1mMCaCl2、サイアミン10g/l)上で再び単離 され、次いで30℃で3日間培養された。次に、ベタイン、ジメチルグリシンお よびサルコシンが、HPLC(カラム:Shodex Ionpak S801 P、長さ50cm,直径8mm;温度:70℃;移動相:0.01Mナトリウム アジド)による分別、示差屈折法による検出で、培養上澄液についてアッセイさ れた。 18変異株が、炭素源としてベタインをもはや使用しないことが分かったが、 それらは、G3727〜G3731,G3733〜G3742、およびG389 7,G3899およびG3900である。 さらに、これらの変異株が、既に記した方法(Cameron et al.,1989)に従っ て、PS4培地10ml中で、30℃5日間培養された場合に、ベタイン、また はジメチルグリシンもしくはサルコシンが、HPLC分別、示差屈折法検出によ って、培養上澄液中に測定され得る。ベタイン は、変異株G3728,G3736,G3897,G3899およびG3900 のブロス上澄液中に検出される(初発培地中に含有されたベタインの53〜98 %)が、一方、変異株G3727,G3738およびG3742については、そ れはジメチルグリシンであり(初発培地に含有されるベタインの約88〜97% );変異株G3729,G3730、G3731,G3733,G3737およ びG3741については、それはサルコシンであり(培地に導入されたベタイン の約64〜75%);他の変異株G3734,G3735,G3739,G37 40および非変異株については、3種の生成物のいずれも観察されない、表1参 照。 さらになお、SBL27Rifrおよび変異株G3728,G3736、G3 3897,G3899およびG3900のみが、炭素源がジメチルグリシン(1 0g/l)である固体最少M培地で増殖する。炭素源がグリシンベタイン10g /lである液体最少M培地での培養は、次のように行われる:高栄養LB培地( Cameron et al.,1989)での再単離により出発して、その菌株は、LB培地5m l中で、30℃12時間培養され;この前培養の細胞が、最少M培地中で洗浄さ れ、次いで種菌0.2%が、炭素源がグリシンベタイン(10g/l)である最 少M培地25mlを含む8個の250ml容エルレンマイヤーフラスコ中に植菌 され、30℃で250rpmの撹拌で培養される。3,4,5,6,10,14 ,21日目に、エルレンマイヤーフラスコに含まれる細胞が、炭素源がグリシン ベタインである固体最少培地にプラテンされ、増殖された後、計数される。変異 株G3728およびG3900は、炭素源がグリシンベタイン10g/lである 液体最少培地で培養される場合には、最初の3日間は、増殖が観察されないのに 対して、菌株SBL27Rifr については、既に定常増殖期に達している、図2参照;しかしながら、6日目 には、SBL27Rifrのそれに匹敵する定常増殖期が、観察される。この結 果は、PS4培地に含まれるベタイン(10g/l)のすべてを必ずしも分解し ない変異株、表1参照は、ベタイン10g/lを含む最少培地中の炭素源として 、それを資化できないが、3日の誘導期の後は、非変異株に匹敵することを示し ている。これらの生理学的データは、シュードモナス・デニトリフィカンスSB L27Rifrにおけるジメチルグリシンおよびサルコシンへのグリシンベタイ ンの分解の経路を証明することを可能にしたが、この場合: 1)ジメチルグリシンへのグリシンベタインの分解段階は、変異株G3728, G3736,G3897,G3899およびG3900において遮断(または部 分的遮断)され; 2)サルコシンへのジメチルグリシンの分解段階は、変異株G3727,G37 38およびG3742において遮断され; 3)サルコシンの分解段階は、変異株G3729,G3730、G3731,G 3733,G3737およびG3741において遮断される。 (実施例2) ベタインの異化を遮断されたシュードモナス・デニトリフィカンス変異株の遺 伝的特性 この実施例は、変異株を、それらのトランスポゾンを使って分類し、特徴化す ることを可能とする分子生物学的実験を記述する。各変異株の遺伝子型は、次の ようにサザン法(Maniatis et al.,1982)によって解析される:各変異株(G 3727〜G3731,G3733〜G3742、およびG3897,G389 9およびG3900)のゲノムDN Aが、作製され、次いで、その一部のものが、制限酵素EcoRIで消化される ;このようにして得られた断片は、アガロースゲル上での電気泳動によって分別 され、次いで、Biodyne膜上に転移される;次に、この膜が、α32P−d CTPでラベルされた次に示すプラスミドの1つとハイブリダイズされる。これ らのプラスミドは、pT27,pT28,pT30,pT31,pT34,pT 35,pT36,pT37,pT38,pT39,pT40,pT42,pT9 7,pT00である。これらのプラスミドは、それぞれ変異株G3727,G3 728,G3730,G3731,G3734,G3735,G3736,G3 737,G3738,G3739,G3740,G3742,G3897,G3 900のトランスポゾンTnSprを挿入される非反復(unique)ゲノ ムEcoRI断片のベクターpRK290のEcoRI部位における挿入によっ て得られた。目的のEcoRI断片を担持するプラスミドpTは、トランスポゾ ンによって付与されたそれらのスペクチノマイシンに対する耐性によって選択さ れる。例えば、プラスミドpT27と膜とのハイブリダイゼーションにおいては 、変異株G3727およびG3728のゲノムDNAは、約16kbの分子量を もつEcoRI断片に対応するただ一つの放射性バンドを示し、そのことは、こ れらの変異株においては、トランスポゾンが、同じ位置に挿入されることを示め している。反対に、非変異菌株については、ハイブリダイズする断片は、8kb であり、すべての他の変異株とは、2つの断片がハイブリダイズするが、一方は 、非変異菌株のそれと同一移動し、他方は、トランスポゾン(8kb)(de Bru ijn,1987; Prentki,1984)のサイズよりも大きい一定しないサイズをもつ。プ ラスミドの各々との継続するハ イブリダイゼーションにより、1から12までのハイブリダイゼーションのクラ スによって、変異株をグループ分けすることが可能になった、表1参照。 さらに、プラスミドpT27,pT28,pT30,pT31,pT34,p T36,pT37,pT38,pT97,pT00は、既に述べた方法(Camero n et al.,1991)に従って、トランスポゾンの挿入により得られた変異株を、非 変異菌株SBL27Rifr中に、二重相同組み換えによって再導入するために 使用された。このようにして遺伝子破壊によって得られた菌株に関して、その遺 伝子型が、すぐ前節で述べられたように、サザン法によってチェックされ、表現 型は、実施例1に記載のようにPS4培地での培養の上澄液において検出された 化合物の分析により決定された。 最初に変異された菌株と同じ表現型になるすべての遺伝子破壊により得られた 菌株について、検出された化合物の量が比較される、表1参照。 これらの菌株は、次のいずれかである: 1)ハイブリダイゼーション クラス5に属し、ベタインを蓄積する、2)ハイ ブリダイゼーション クラス2に属し、ジメチルグリシンを蓄積する、3)ハイ ブリダイゼーション クラス4に属し、サルコシンを蓄積する。 さらにまた、10kbのBglIIゲノム断片の欠失およびスペクチノマイシ ン耐性カセットの挿入が、プラスミドpT28を用いて実施された。表現型がサ ザン法(本実施例の第1節に記載)によりチェックされた菌株は、ハイブリダイ ゼーション クラス5に記載の菌株と同じベタイン蓄積表現型をもつ。 (実施例3) サルコシンへのグリシンベタインの脱メチル化段階を遮断されたシュードモナ ス・デニトリフィカンス変異株の相補 この実施例は、サルコシンへのベタインの分解に関与する遺伝子を担持するP .デニトリフィカンスからのDNA断片の単離を記す。これらの断片は、プロー ブとしてプラスミドpT28またはpT38の挿入、ならびにpXL59中にク ローン化されるP.デニトリフィカンスDNAのSau3AI断片を含むプラス ミドのライブラリーを用いて、ハイブリダイゼーション実験によって検出された (Cameron et al.,1989)。そのプローブとハイブリダイズするプラスミドの挿 入が、制限酵素地図に表された。RSF1010(Cameron et al,1989)由来 のベクターにおいて構築された(Maniatis et al,1982)クローンおよびサブク ローンが、ジメチルグリシンへのベタインの異化を遮断された変異株、またはサ ルコシンへのジメチルグリシンの分解を遮断された変異株に、接合によって(Ca meron et al,1989)導入された。そのクローンおよびサブクローンによる変異 株の相補は、実施例1記載のように、PS4培地で培養されたトランスコンジュ ガント株の培養上澄液における、ベタイン、ジメチルグリシンもしくはサルコシ ンの蓄積の欠如によって決定された。 3−1 ジメチルグリシンへのベタインの分解に関与する遺伝子を担持するP .デニトリフィカンスからのDNA断片。 pT28とハイブリダイズするクローンは、ジメチルグリシンへのベタインの 異化を遮断された変異株G3728,G3736,G3897,G3899およ びG3900中に導入された。図3に提示されるように、12kbのEcoRI 断片に含まれた2種のサブクローンpXL2105およびpXL2107は、5 種類中4種類の変異株G3728,G3736,G3899およびG3900を 相補する。サブクローンの一つpXL2105は、ベクターpXL435(Came ron et al,1989)中にクローン化された3.4kbのSstI−XhoI断片 を含み、2つの変異株G3900およびG3899を相補し;他のpXL210 7は、 pKT230(Cameron et al,1989)中にクローン化された4kbのBamH I−EcoRI断片を含み、変異株G3728およびG3736を相補する。さ らに、変異株G3827,G3899およびG3900におけるトランスポゾン の挿入は、実際に、この12kbのEcoRI断片上にマップされていたが、変 異株G3736には観察されない。この変異株の表現型は、逆向き遺伝学により 得られた変異株がベタインを蓄積しないことから、トランスポゾンの位置とは相 関しないようである、実施例2参照。その結果、少なくとも2個の遺伝子が、ジ メチルグリシンへのベタインの分解段階に関与している。 3−2 サルコシンへのジメチルグリシンの分解に関与する遺伝子を担持する P.デニトリフィカンスからのDNA断片。 pT38とハイブリダイズするクローンは、サルコシンへのジメチルグリシン の異化を遮断された変異株G3727,G3738中に導入された。図4に提示 されるように、ライブラリーから得られ、14.5kbのEcoRI−EcoR I−EcoRI断片上にマップされる2種のクローンは、G3727およびG3 738を相補する。サブクローンの一つpXL19E2は、6.6kbのEco RI断片を含み、他のpXL13C5は、14.5kbのEcoRI−EcoR I−EcoRI断片を含む。その結果、図4記載の断片にマップされた少なくと も1つの遺伝子が、サルコシへのジメチルグリシンの分解段階に関与している。 (実施例4) グリシンベタインの異化において改変されたシュードモナス・デニトリフィカ ンス株におけるビタミンB12生産の改良 この実施例は、ジメチルグリシンへのベタインの異化に関与する遺伝子の破壊 によって、コバラミンを生産する菌株におけるコバラミン生産の改良を例示する 。変異株G3728(またはG3900)の表現型に寄与する突然変異が、Ec RI断片上にマップされるトランスポゾンによって作出され、pT28(また はpT00)中にクローン化され、そして実施例2に記載される。この突然変異 は、コバラミンを生産するシュードモナス・デニトリフィカンス菌株SC510 Rifr(Cameron et al,1991)中に、二重相同組み換えによって導入された。逆向き遺伝学によ って、このようにして得られた両菌株SC510Rifr::pT28およびS C510Rifr::pT00について、表現型が、実施例2記載のサザン法に よってチェックされ、そして既に述べられた方法(Cameron et al,1989)に従 って、ベタイングリシンが2mg/lであるPS4培地25mlを含む250m l容エルレンマイヤーフラスコにおいて、30℃で7日間増殖された菌株の培養 液に含まれるビタミンB12のHPLC(カラム:Asahibak OD50, 長さ:15cm、直径:6mm、移動相:アセトニトリル/0.1Mシアン化カ リウム)による分析および紫外線検出(波長:365nm)によって、コバラミ ン生産が測定された。これらのアッセイの結果は、表2に示される。それらは、 独立して行われた4実験の2培養について得られた平均値を表す。 用いられた培養条件下で、コバラミンの生産は、13kbのEcoRIゲノム 断片(そのDNAは、ジメチルグリシンへのベタインの異化に関与する遺伝子を コードしている、図3参照)において変異された菌株では、SC510Rifr 菌株に比較して10倍増加された。これらの結果は、本発明の菌株のベタインの 異化を改変することによって、それらの代謝産物生産能が増大されたことを、明 らかに示している。 表2 ジメチルグリシンへのベタインの異化に関与する遺伝子を担持するEc RI断片において変異された菌株におけるビタミンB12の生産。 改変された菌株の生産レベルは、SC510Rifr菌株の生産を1とした場合 に比較して、与えられる。 引用文献
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12P 21/00 C 9282−4B //(C12N 15/09 C12R 1:38) C12R 1:38)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 生産細胞が、ベタインの異化に関与する遺伝子に関して、少なくとも1 つの改変を発現することを特徴とする、生産条件下で、代謝産物および/または 酵素を生産する細胞を培養することによって該代謝産物および/または酵素を生 産し、次いで、該代謝産物および/または酵素を回収する微生物学的方法。 2. 改変が、1つまたは複数塩基の置換および/または挿入および/または 欠失、および/または破壊であり、そして細胞が、ベタインを徐々に分解するこ とを特徴とする、請求の範囲1記載の方法。 3. 改変が、細胞分裂上安定であり、および/または非可逆的であることを 特徴とする、請求の範囲2記載の方法。 4. 改変が、遺伝子のコーディング部分、および/または該遺伝子の発現お よび/または転写調節に関与する領域に作用することを特徴とする、請求の範囲 2または3記載の方法。 5. ベタインの異化に関与する少なくとも1つの遺伝子が、増幅され、そし て結果として細胞が、ベタインをより急速に分解することを特徴とする、請求の 範囲1記載の方法。 6. 細胞が、シュードモナス(Pseudomonaas)、ストレプトミ セス(Streptomyces)、アクチノミセーテス(Actinomyc etes)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium) 、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、バチルス(Bac illus)、エシェリヒア(Escherichia)、サルモネラ(Sal monella)、リゾビウム(Rhizobium)、アグロバクテリウム( Agrobacterium)、ロドシュードモナス(Rhodopseudo monas)、キサントモナス(Xanthomonas)、クロストリシウム (Clostridium)およびメタノバクテリウム(Methanobac terium)属の細胞から選択されることを特徴とする、請求の範囲1〜5記 載の方法。 7. 代謝産物が、アミノ酸、ビタミン、抗生物質、それらの誘導体 もしくはそれらの前駆体から選ばれることを特徴とする、請求の範囲1〜6記載 の方法。 8. 代謝産物が、コバラミン、好ましくは、ビタミンB12であることを特 徴とする、請求の範囲7記載の方法。 9. 細胞が、代謝産物および/または酵素を生産する組み換え細胞であり、 そして細胞が、ベタインの異化に関与する遺伝子に関して、少なくとも1つの改 変を発現することを特徴とする細胞。 10.ベタインの異化に関与する遺伝子に関して少なくとも1つの改変を発現 し、代謝産物および/または酵素を生産する細胞の、代謝産物および/または酵 素の生産のための使用。
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