JPH08505548A - 骨成長を誘発させるためのTGF−β製剤 - Google Patents

骨成長を誘発させるためのTGF−β製剤

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Abstract

(57)【要約】 燐酸三カルシウムを、好ましくは顆粒のような粒子の形で含有する、トランスフォーミング成長因子βのための製剤が提供される。この製剤は所望により、該製剤の粘度を増すためのアミロペクチンのようなポリマーを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】 骨成長を誘発させるためのTGF−β製剤 発明の背景 発明の分野 本発明は、骨成長をインビボで誘発するトランスフォーミング成長因子β(T GF−β)の使用およびこの目的のために有用なTGF−βおよび燐酸三カルシ ウムの製剤に関するものである。 関連技術の説明 骨喪失に関連する疾病は西洋社会にとって主要な公衆衛生上の問題を呈してい る。骨粗髭症だけをとっても、来世紀初期には2000万人のアメリカ人が罹患 するかも知れない。したがって、骨喪失を阻害し健康な新しい骨の形成を刺激す る因子または可能性ある治療薬の同定には広く関心が持たれている。 骨は、最初にこれを破壊(破骨細胞の吸収)し次いでこれを再建(骨芽細胞の 形成)する細胞的事象によって、成人の一生の間絶えず改変される、極めて複雑 な、それでいて高度に機能的な結合組織である。この改変工程は骨格全体を通じ て別々のまとまりで、即ち皮質骨および海綿骨の両方で起こる。マウスの骨髄細 胞は、副甲状腺ホルモン関連蛋白またはビタミンDの存在下で剌激すると破骨細 胞を生成し得るということが、近年報告された。アカツ等、エンドクリノロジー 、125巻20−27頁(1989);タカハシ等、エンドクリノロジー、12 3巻2600−2602頁(1988)およびタカハシ等、エンドクリノロジー 、123巻1504−1510頁(1988)を参照されたい。 骨形成を刺激することが知られている現在利用し得る治療薬は、弗素化合物、 エストロゲン、およびビタミンDである。弗素化合物は明らかに海綿骨の骨量を 増大させるが、形成される新しい骨の質、幾らかの患者で観察される副作用、脊 椎骨折率に良い影響があるか否か、そしてその後の股関節骨折の傾向が伴う皮質 骨の骨折増大が結果として起こるか否かについて、疑問が残る。 もう一つの取り組みは、吸収を促進する薬物(副甲状腺ホルモン)、次いで吸 収を妨げる薬物(カルシトニン)を使用することである。提唱されている、しか しながら確認されていないこのような連続的治療法の一つは、骨代謝単位を燐酸 塩の経口投与により活性化し、次いでジホスホナートまたはカルシトニンのいず れかにより吸収を阻害する、連係治療である。 過去数年間の間に、TGF−β、線維芽細胞成長因子、血小板由来成長因子、 インシュリン様成長因子I、およびβ2マクログロブリンを包含する、骨芽細胞 を剌激する幾つかの因子が骨中に同定された。これらのうち、TGF−βおよび IGF−Iが、前の骨吸収と後の骨形成とを結び付ける因子の魅力的候補物質で あると思われた。マンディー、ザ・ジャーナル・オブ・NIH・リサーチ、1巻 65−68頁(1989)。 骨マトリックス中に蓄積されるその他の蛋白もまた骨形成にとって重要である かも知れない。脱ミネラル化された骨をラットの筋肉または皮下組織に注射する 時、軟骨形成を含む一連の事象が起こった。ウリスト、サイエンス、150巻8 93頁(1965)。観察されたこの活性は、骨形態形成蛋白(BMP)に起因 するものであった。1960年代から、何人かの研究者がこの活性を同定および 性格決定しようと試みてきた。そして、この活性を有するオステオゲニンと呼ば れる22Kdの蛋白が同定された。サンパス等、Proc.Natl.Acad .Sci.USA、84巻7109頁(1987)。脱ミネラル化された羊の骨 マトリックスから3種の蛋白がこの活性を有すると同定された。ワング等、Pr oc.Natl.Acad.Sci.、85巻9484頁(1988)およびウ ォスニイ等、サイエンス、242巻1528頁(1988)。これらの蛋白はB MP−1、BMP−2AおよびBMP−3と命名されたが、後の二者は限定され た配列相同性により、拡大されたTGF−βファミリーに属する。これらの研究 者は骨誘導のための検定を軟骨形成を示すように修飾したが、当該蛋白が最終的 に骨の形成を刺激することは示されなかった。 TGF−β群の分子は、各々、ジスルフィド結合で連結した二つの同一のポリ ペプチド鎖を含む二量体である。これらの二量体の分子量は約25Kdである。 生物活性TGF−βは、補助因子としてのEGFまたはTGF−αと共に添加す る時、インビトロ細胞培養における標的細胞セルラインまたはラット線維芽細胞 の、足場独立性増殖を誘発することのできる分子として定義された。TGF−β は事実上全ての細胞型によって不活性型で分泌される。この潜在型は、その前駆 体から成熟TGF−βが蛋白分解的に開裂(278位のArg−Ala結合にお いて)することにより活性化され得る。成熟TGF−βと前駆体の残部またはT GF−βに結合している蛋白またはアルファ2−マクログロブリンとの結合から 、非共有結合的複合体が形成される。この複合体が破壊されて、その結果一過性 の酸性化への暴露、またはプラスミンもしくはプラスミノーゲン活性化因子のよ うな外因性プロテアーゼの作用のいずれかによりTGF−βが活性化される。 現在同定されているTGF−βには少なくとも五つの型、TGF−β1、TG F−β2、TGF−β3、TGF−β4、およびTGF−β5がある。ヒト、マ ウス、猿、豚、牛、ヒヨコ、およびカエルのような様々な種、ならびに骨、血小 板、または胎盤のような様々な身体部分からこのTGF−βファミリーを構成し 、組み替え細胞培養中でこれを産生させ、そしてその活性を測定する、好適な方 法が知られている。例えば、デリンク等、ネイチャー、316巻701−705 頁(1985);欧州特許公開第200341号(1986年12月10日公開 )、169016号(1986年1月22日公開)、268561号(1988 年5月25日公開)および267463号(1988年5月18日公開);米国 特許第4774322号;セイエディン等、J.Biol.Chem.、262 巻1946−1949頁(1987);チェイフェッツ等、Cell、48巻4 09−415頁(1987);ジャコウリュー等、Molecular End ocrin.、2巻747−755頁(1988);ディジュケ等、Proc. Natl Acad.Sci.(USA)、85巻4715−4719頁(19 88);デリンク等、J.Biol.Chem.、261巻4377−4379 頁(1986);シャープルス等、DNA、6巻239−244頁(1987) ;デリンク等、Nucl.Acids.Res.、15巻3188−3189頁 (1987);デリンク等、Nucl.Acids.Res.、15巻3187 (1987),デリンク等、EMBO J.、7巻3737−3743頁(19 88) ;セイエディン等、J.Biol.Chem.、261巻5693−5695頁 (1986);マディセン等、DNA、7巻1−8頁(1988);およびハン クス等、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、85巻79−8 2頁(1988)を参照されたい。 TGF−βの最も最近発見された型であるTGF−β3、TGF−β4および TGF−β5は、cDNAライブラリーをスクリーニングすることにより同定さ れた。ノーザンブロットは対応するmRNAの発現を立証しているが、これら三 つの推定的蛋白で天然材料から単離されたものはない。TGF−β4およびTG F−β5はそれぞれニワトリの軟骨細胞cDNAライブラリー(ジャコウリュー 等、Molec.Endocrinol.、2巻1186−1195頁[198 8])およびカエルの卵母細胞cDNAライブラリーからクローニングされた。 カエルの卵母細胞cDNAライブラリーは、1またはそれ以上の別の型のTGF −βから誘導されたプローブを用いてスクリーニングすることができる。TGF −β4 mRNAはヒヨコの胚軟骨細胞中に検出されるが、発生しつつある胚ま たはヒヨコの胚線維芽細胞中のTGF−β3 mRNAよりはるかに少ない。T GF−β5 mRNAは神経胚状態以上のカエル胚およびツメガエルのオタマジ ャクシ(XTC)細胞で発現される。 TGF−βは、多岐にわたる正常および新生物細胞の両方に多数の調節作用を 有することが示されている。TGF−βは、細胞増殖、分化、およびその他の重 要な細胞機能の工程の刺激または阻害のいずれかが可能であることから、これは 多機能である(M.スポーン、サイエンス、233巻532頁[1986])。 TGF−βおよびその作用の総説については、スポーン等、J.Cell Bi ol.、105巻1039−1045頁(1987)、スポーンおよびロバーツ 、ネイチャー、332巻217−219頁(1988)、ならびにスポーンおよ びロバーツ、スポーンおよびロバーツ編、ハンドブック・オブ・エクスペリメン タル・ファーマコロジー:ペプタイド・グロウス・ファクターズ・アンド・ゼア ・レセプターズI、シュプリンガー−フェアラーク、ニューヨーク、3−15頁 (1990)を参照されたい。 TGF−βの多機能活性は、TGF−βと共存する他の成長因子の影響によっ て調節される。TGF−βは、特定の成長因子の組、例えばTGF−βと一緒に 細胞内で働くEGFまたはTGF−αに応じて足場独立性成長のインヒビターま たはエンハンサーのいずれかとして機能することができる(ロバーツ等、Pro c.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、82巻119頁[1985] )。TGF−βはさらに、EGFと共同して正常な(リウマチ様でない)滑液細 胞の増殖および蓄積を惹起するよう作用することができる(ブリンカーホフ等、 アースライティス・アンド・リューマティズム、26巻1370頁[1983] )。 上に指摘したようにTGF−βは幾つかの組織および細胞型から精製されてい るが、特に骨(ハウシュカ等、J.Biol.Chem.、261巻12665 頁[1986])および血小板(アソイアン等、J.Biol.Chem.、2 58巻7155頁[1983])に豊富である。TGF−βは、これが骨および 軟骨に大量に存在すること、骨芽細胞および軟骨細胞の系列の細胞がTGF−β への暴露後に複製を増大させること、そしてTGF−βが骨格前駆細胞の分化を 調節することから、骨生成および吸収の局所仲介物質の一つであると仮定される 。セントレラ等、Fed.Proc.J.、2巻3066−3073頁(198 8)を参照されたい。 免疫組織化学的研究により、TGF−βがマウス胚の中軸骨格の形成に関わっ ていることが示された。さらにTGF−βは、他の胚においては、内軟骨性骨化 の中心の骨芽細胞の細胞質、および頭蓋冠のような扁平骨の膜性骨化の領域に存 在する。ヘイン等、J.Cell.Biol.、105巻2861−2876頁 (1987)。TGF−β1プローブのインサイトゥハイブリダイゼーション後 に、ヒトの長骨および頭蓋冠の発育中の、破骨細胞および骨芽細胞の両者の中に あるTGF−βの位置決定が記載された。サンドバーグ等、ディベロップメント 、102巻461−470頁(1988);サンドバーグ等、Devel.Bi ol.、130巻324−334頁(1988)。TGF−βは成人の骨マトリ ックスに見いだされ(セイエディン等、Proc.Natl.Acad.Sci .USA、82巻2267−2271頁[1985]、セイエディン等、J.B i ol.Chem.、261巻5693−5695頁[1986])、骨形成のイ ンビボモデルにおいて内軟骨性骨化の時点で現われる(カリングトン等、J.C ell.Biol.、107巻1969−1975頁[1988])。培養され た牛胎児骨骨芽細胞およびラット骨肉腫細胞はTGF−βに対する高いmRNA レベルを有し、比較的高濃度のTGF−βを分泌する。(ロベイ等、J.Cel l.Biol.、105巻457−463頁[1987])。 ある種のインビトロモデルでは、TGF−βがコラーゲン、オステオポンチン 、オステオネクチン、およびアルカリホスファターゼの合成を刺激し、そして骨 芽細胞様細胞の複製を刺激する事が判明した。セントレラ等、J.Biol.C hem.、262巻2869−2874頁(1987);ノダ等、J.Biol .Chem.、263巻13916頁(1988);ウラーナ等、J.Cell .Biol.、106巻915頁(1988);ノダ等、J.Cell.Phy siol.、133巻426頁(1987);プフェイルシフター等、エンドク リノロジー、121巻212頁(1987);セントレラ等、エンドクリノロジ ー、119巻2306頁(1986);ロビー等、J.Cell.Biol.、 105巻457頁(1987)を参照されたい。別のインビトロモデルでは、T GF−βがアルカリフスファターゼおよびオステオカルシンの増殖および発現を 阻害することが判明した。例えば、ノダおよびロダン、Biochem.Bio phys.Res.Commun.、140巻56頁(1986);ノダ、エン ドクリノロジー、124巻612頁(1989)を参照されたい。 さらに、セントレラ等、上記、はラット頭蓋冠由来の骨芽細胞をTGF−βで 処置した後のコラーゲン合成の増大を示したが、ロベイ等、上記、は、牛胎児骨 の骨芽細胞でのコラーゲン合成の増大を示し得ず、コラーゲン産生の増大は骨芽 細胞の増殖に及ぼすTGF−βの作用の二次的なものであると考えられる。臓器 培養においては、TGF−βは新生児マウス頭蓋冠の骨吸収を刺激するが胎児ラ ット長骨系で吸収を阻害することが報告された。タシュジアン等、Proc.N atl.Acad.Sci.USA、82巻4535頁(1981);プフェイ ルシフター等、J.Clin.Invest.、82巻680頁(1988)を 参 照されたい。TGF−βの活性は、骨吸収の刺激剤、例えば副甲状腺ホルモン、 1,25−ジヒドロキシビタミンD3、およびIL−1と共にインキュベートさ れた頭蓋冠細胞および胎児ラット頭蓋冠の培養中で増大することが報告された( ペトコヴィッチ等、J.Biol.Chem.、262巻13424−1342 8頁[1987]、プフェイルシフターおよびマンディー、Proc.Natl .Acad.Sci.USA、84巻2024−2028頁[1987])。さ らに、TGF−βは骨髄培養において破骨細胞の形成を阻害することが報告され た。チェヌ等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85巻568 3−5687頁(1988)。TGF−βが破骨細胞および骨芽細胞の両者に影 響を及ぼすことが示されたことにより、プフェイルシフターおよびマンディー、 上記、は、TGF−βが、成人骨の改変工程の特徴である骨吸収と骨形成の工程 の緊密な結びつきに関わっていることを提唱するに至った。破骨細胞により提供 される局所の酸性の蛋白分解的環境がマトリックスに結合した潜在性TGF−β の活性化をもたらすということもまた考えられた。オレッフォ等、Calcif ied Tiss.Internatl.、42巻追補A15(1988)。 インビトロ活性について報告された相反する結果を考慮すると、インビトロモ デルを用いてインビボの骨形成および吸収に及ぼすTGF−βの効果を予測でき るか否かは明らかでない。ロバーツ等、Proc.Natl.Acad.Sci .USA、82巻119頁(1985)を参照されたい。 TGF−βが創傷治癒の適用のための結合組織および軟組織の増殖を促進する ということを報告しているさらなる文献は、1989年3月7日登録の米国特許 第4810691号、1988年9月27日登録の米国特許第4774228号 、イグノッツ等、J.Biol.Chem.、261巻4337頁(1986) ;ヴァルガ等、Biochem.Biophys.Res.Comm.、138 巻974頁(1986);ロバーツ等、Proc.Natl.Acad.Sci .USA、78巻5339頁(1981);ロバーツ等、Fed.Proc.、 42巻2621頁(1983);セイエディン等に対する米国特許第47742 28号を包含する。TGF−βは上皮の増殖を刺激し(マツイ等、Proc.N a tl.Acad.Sci.USA、83巻2438頁[1986];シプレイ等 、Cancer Res.、46巻2068頁[1986]);ヒト線維芽細胞 培養でコラーゲン分泌を誘発し(チュア等、J.Biol.Chem.、260 巻5213−5216頁[1983]);プロスタグランジンの放出とカルシウ ムの動員を刺激し(タシュジアン等、Proc.Natl.Acad.Sci. USA、82巻4535頁[1985]);そして内皮の再生を阻害する(ヘイ マーク等、サイエンス、233巻1078頁[1986])。 皮下に内植された創傷腔においてTGF−βはDNAおよびコラーゲン産生を 増大させた。スポーン等、サイエンス、219巻1329頁(1983);シュ プルーゲル等、Am.J.Pathol.、129巻601頁(1987)。さ らにTGF−βは、皮下注射される時コラーゲン線維症を生成し(ロバーツ等、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83巻4167−4171頁 [1986])、ラットにおける皮膚切開の治癒を促進させた(マストウ等、サ イエンス、237巻1333頁[1987])。にもかかわらす、TGF−βは 、インビトロでは筋肉由来細胞での軟骨形成を誘発した(セイエディン等、Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA、82巻2267頁[1985]; セイエディン等、J.Biol.Chem.、261巻5693頁[1986] )が、インビボでは、動物での骨誘導モデルとして長い間用いられている系であ るコラーゲン基質と共に内植された場合でさえ軟骨を生成しなかった(サンパス 等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、84巻7109[198 7];ハウエス等、Calcif.Tissue Int.、42巻34頁[1 988])。 新たな研究は、TGF−β1のmRNAがラットの骨折部位に時間に依存して 出現することを示し、また、このペプチドを、治癒しつつある骨折の骨膜に免疫 組織化学的に位置決定した。同じ研究者等は、若いラットの大腿骨骨膜領域への TGF−β1の注射が新しい軟骨の有意な形成を惹起することを報告した。ボラ ンダー等、ニューヨーク・アカデミー・オブ・サイエンシズ、「トランスフォー ミング成長因子β:化学、生物学および治療、1989年5月18−20日。若 いラットの頭頂骨中にTGF−β1を注射すると骨膜の骨形成を刺激し、頭蓋冠 の肥厚をもたらすことが見いだされた。ノダ等、J.Cell.Biol.、1 07巻48頁(1988)。 TGF−βは、ラット新生児の頭頂骨骨膜上に毎日注射すると局所骨膜の粗線 維骨の形成を刺激することが報告された。ノダおよびカミリエール、エンドクリ ノロジー、124巻2991−2994頁(1989)。インビボで骨膜に隣接 して適用するとTGF−βが骨の厚さを増大させることもまたジョイス等、J. Cell Biol.、110巻2195−2207頁(1990);マーセリ 等、J.Bone Min.Res.、5巻1087−1096頁(1990) ;マッキー等、Bone、11巻295−300頁(1990)に報告されてい る。 或る研究者等は、TGF−βは、補助因子、例えば脱ミネラル化牛骨から精製 される骨誘導因子と同時に投与されないと骨形成を誘導しないと報告した。ベン ツ等、上記、セイエディン等に対する米国特許第4843063号(1989年 6月27日登録)、および米国特許第4774322号(1988年9月27日 登録)。 TGF−βによる骨の改変もまたセントレラ等、J.Bone and Jt .Surg.、73A巻1418−1428頁(1991)によって記載されて いる。ラット大腿骨へのTGF−β1の複数回適用は、注射部位への骨の沈着の 増加を伴う多大な刺激効果を誘発した。ジョイス等、J.Bone Min.R es.、4巻255−259頁(1989)。さらに、メチルセルロースゲル製 剤中のTGF−β1を軟骨損傷部位に一回局所適用すると、軟骨に隣接する骨形 成の開始を早め、これを増大させた。ベック等、J.Bone and Min eral Research、6巻961−968頁(1991)。この同じ製 剤をウサギ頭骨欠損モデルに一回局所適用すると、傷害の28日後に測定した場 合、骨形成量を用量依存的に増大させた。ベック等、J.Bone Min.R es.、6巻1257−1265頁(1991)。 燐酸塩生体適合物質が製造され幾つかの型で調べられた。最も広範に研究され たのは生物分解性β燐酸三カルシウム(TCP)およびヒドロキシアパタイトで ある。研究された様々な燐酸カルシウム組成物の詳細な記述は、デグルート、バ イオセラミクス・オブ・カルシウム・ホスファート、ボカ・レイトン、フロリダ 、CRCプレス、1983に見いだすことができる。TCPは骨の修復のインビ ボの足場として使用される。恐らく、TCPおよびその他の燐酸カルシウムセラ ミックの最も一貫したそして望ましい性質は、生物学的適合性である。さらに、 燐酸カルシウムセラミックは骨に直接接着することができる。ドリスケル、Pr oc.Ann.Conf.Biomed.Eng.、15巻199頁(1973 )。 TCPは影響力の低い抵抗性を有するが、これはTCP吸収および骨の修復過 程の間に適切な定着が含まれる程度までの骨移植片代替物または増量剤としての 適応を有する。顆粒型のTCPは、ウサギの長骨破断の修復の際のオートロガス な骨増量剤として使用することができる。レモンズ等、First World Biomat.Cong.(バーデン、オーストリア)、1980、4.10 .3(抄録)。外科的に作り出された欠損を50:50のTCP:オートロガス な骨で満たすと、オートロガスな骨のみを使用した場合の4ないし6週間と比較 して6週間で治癒した。これらの結果は、ストレス負荷の程度が一因子となって いる人間においては顆粒状TCPの幾らかの適用が可能であり得ることを示して いる。多孔性TCPを犬の下顎骨破断に塊型で適用し、多少の成功を得た。トー トレリおよびポージー、J.Dent.Res.、60巻、特集A:601頁( 1981)(抄録)。 TCPの主要な臨床適用は歯科においてであった。粉末化したTCPが、歯の 歯根閉鎖の開始および歯根周辺の欠損の処置のために使用されている。生物分解 性物質が、骨誘導剤または骨−細胞走化性因子のための担体としての役割を果た し得る。双極性ミクロスフェアまたは個人により提供された骨前駆細胞のまとま りをポリマーまたはセラミック内に組み入れると、特性決定された骨誘導蛋白と 共に任意の選択された骨格部位で骨の修復および増加を促進すると予想できる。 ホリンガー等、バイオデグレイダブル・ボーン・リペア・マテアリアルズ、20 7巻290−305頁(1986)。 TGF−βは、典型的には、これが活性である酸性のpHで調合される。その 調合のための様々な方法は、2−5%メチルセルロースを加えてゲルを形成させ (3%メチルセルロース中のTGF−βの創傷治癒に及ぼす影響を報告している ベック等、グロウス・ファクターズ、3巻267−275頁[1990]、コラ ーゲンを加えて軟膏または懸濁液を形成させ(1984年4月4日公開のEP1 05014号;1987年10月28日公開のEP243179号;1987年 3月11日公開のEP213776号)、または化粧品学上許容し得る媒質をT GF−βに加えて局所用製剤とする(1991年8月6日登録の米国特許第50 37643号)ことを包含する。 これに加えて、TGF−βのような成長因子を含む人間用局所適用が1988 年3月30日公開のEP261599号に記載されている。セルロースのような 炭水化物ポリマーおよび成長因子のような蛋白の徐放組成物が1986年9月1 0日公開のEP193917号に開示されている。生物活性蛋白および多糖類の 製剤が1988年3月9日に付与されたGB特許第2160528号に記載され ている。活性ポリペプチド、四級アンモニウム化合物、およびセルロースの低級 アルキルエーテルを含有する経鼻適用可能な粉末状薬用組成物が1986年9月 3日公開のEP193372号に記載されている。さらに、治療薬、ならびに多 糖類、セルロース、澱粉、デキストロース、ポリペプチド、およびCaおよびM gをキレート化できる合成ポリマーから選ばれる水溶性キレート剤を開示してい る米国特許第4609640号(1986年9月2日登録);ならびに、蛋白お よび可溶性セルロースのような水溶性ポリマーの調製物を開示しているJP57 /026625号(1982年2月12日公開)を参照されたい。加えて、生体 触媒として使用するために酵素をゲルビーズに捕捉する方法が米国特許第385 9169号に記載されている。また、水溶性合成薬物用の経皮媒質として意図さ れるポリビニルアルコールゲルの製造方法が、1987年9月9日公開のJP6 2/205035号に開示されている。 ゲル形成蛋白または多糖類、例えばゼラチンに含浸させた薬用の精製された微 粒子状骨ミネラル生成物が開示されるが、これはさらに1またはそれ以上のトラ ンスフォーミング骨成長因子のような吸収された薬物を含んでいてよい。199 0年3月8日公開のWO90/01955号。TGF−βおよび生物学的適合性 の制御放出ポリマーの使用がランガーおよびモーセス、J.Cell.Bioc hem.、45巻340−345頁(1991)により記載されている。イプシ ロンアミノ酸カプロン酸またはその他のリジン類似体またはセリンプロテアーゼ インヒビターのような抗フィブリン溶解剤、ならびに骨形態形成蛋白のような軟 骨および/または骨誘導蛋白を含む骨誘導薬用製剤が1991年12月26日公 開のWO91/19510号に開示されている。この製剤はさらにTGF−βの ような成長因子を含んでいてよく、TCPマトリックス中に入れることができる 。創傷および骨折の処置に有用であるとして開示されているTGF−β配列に基 づく生物学的に活性なポリペプチドが、1990年11月29日公開のWO90 /14359号に記載されている。さらにTGF−βは、該薬物をそこに含浸さ せたインプラント、ミクロスフェア、被吸収性パテ様マトリックス、またはポリ マー材料の形で歯肉炎および歯周病の処置剤として開示されている。1990年 5月17日公開のWO90/04974号。さらに、所望によりTGF−β、骨 形態形成蛋白、または骨髄を含有していてよいアクチビンを含む組成物が、ヒド ロキシアパタイトおよびTCPと共に、歯科および整形外科用インプラントとし て、そして骨成長誘導のために調合された。1992年9月3日公開のWO92 /14481号。また、炎症性疾患の処置のために調合されたTGF−βが19 88年6月1日公開のEP269408号に記載されている。さらに、セラミッ クおよびポリマー材料ならびにゼラチン、コラーゲン、またはアルブミンのよう な不溶性蛋白材料を含んでいてよい、固体支持体に結合させたTGF−βのよう なサイトカインが開示されている。1990年9月7日公開のWO90/097 98号 再構成された溶液に粘性を与えるためのポリマーまたは生物活性の喪失に対し 安定化するための多糖類を含有する、TGF−βのようなポリペプチド成長因子 の安定な凍結乾燥製剤が、1989年3月22日公開のEP308238号およ び1988年5月11日公開のEP267015号にそれぞれ記載されている。 コラーゲン、ゼラチン、ならびに澱粉および珪酸アルミニウムのような粉末を含 有し得る、哺乳動物の皮膚または毛への局所適用に好適な化粧用組成物について のEP335554号(1989年10月4日公開)もまた参照されたい。TG F−βのようなポリペプチド成長因子を含有し得る、粘性を与えるためのポリマ ー材料を含むゲルが、1989年4月19日公開のEP312208号に記載さ れている。TCPのような微粒子状物質と混合したコラーゲン−ポリマー複合体 が1990年5月31日公開のWO90/05755号に記載されている。薬物 (例えばTGF−β)およびポリマーからなる別個の微粒子を含む、歯根膜隙に 留置するための制御ドラッグデリバリーシステムが、1991年10月16日公 開のEP451390号に記載されている。TGF−βを含有させ得るリポソー ムと結び付いた生物活性化合物が、1990年10月24日公開のEP3937 07号およびストラスマン等、Clin.Exp.Immunol.、86巻5 32−536頁(1991)に記載されている。 TGFおよびコラーゲンのような活性成分ならびに少なくとも一つの有機酸性 化合物を含有する除放製剤が1989年8月2日公開のEP326151号に記 載されている。コラーゲンおよび/またはフィブリノーゲンを含んでいてよい、 蛋白性マトリックスと組み合わせたTGF−βが、1991年3月21日公開の WO91/03491号に記載されている。TGF−βおよびFGFのための創 傷治癒マトリックス用のインプラントとして有用なコラーゲンスポンジが、19 90年8月21日登録の米国特許第4950483号に記載されている。成長因 子を含有する治療薬が、例えばゼラチンと共に、散剤、顆粒剤等の型に調合する ことができる。1989年6月15日公開のJP1−153647号。活性化T GF−βを含有する瘢痕形成組成物が、多糖類およびグリセロールのような湿潤 剤と共に調合され得る。1992年4月17日公開のFR2667789号。 さらに、熱不安定性の活性薬物をコラーゲン、アテロコラーゲン、またはゼラ チンのような生物分解性蛋白担体と混合して、除放性を有する担体マトリックス が形成されることもまた知られている。次いで、得られた混合物を乾燥し、乾燥 した材料を米国特許第4774091号に記載のように適当な形に成型する。 TGF−βの製剤に、必要ならば骨間隙に充填するための成型に好適な適切な 粘度を与えることが望ましいであろう。 このように、骨格(骨)組織に欠損のある、動物の局所部位への外因性TGF −βの適当な製剤を提供し、その結果、それが必要とされる投与部位に、いかな る場合も成熟した形態学的に正常な骨を生成させることが、本発明の一つの目的 である。 補綴器具を要するよりは小さな骨欠損に充填するための臨床上適切な骨誘導組 成物を提供することがもう一つの目的である。 所望の骨欠損部位への改善された適用のための、増大した粘度を有するTGF −β製剤を提供することがさらなる目的である。 これらのおよびその他の目的は当業者にとって明らかとなるであろう。 発明の要約 上の目的は、有効量のTGF−βおよびTCPを含む骨誘導製剤を提供するこ とにより達成される。TCPにはTCPセラミックおよびTCP粒子が包含され る。特定の態様において、この製剤は、TCP粒子、好ましくは顆粒約140m gないし約50g上に吸着させたTGF−β約0.5μgないし約5mg、より 好ましくは5μgないし約3mgを含む骨誘導製剤である。 好ましい態様において、この製剤は、製剤の粘度を増大させるためのポリマー の有効量をも含有する。より好ましくは、このポリマーはアミロペクチンである 。特定の態様において、この骨誘導製剤は、TGF−β約0.5μgないし約5 mg、TCP粒子約140mgないし約50g、および、およそ0.1:1ない し1:1のアミロペクチン:TCP、好ましくはおよそ0.25:1ないし0. 5:1のアミロペクチン:TCPの範囲の量のアミロペクチンを含む。 別の態様において本発明は、TGF−βの液体溶液の有効量を、TGF−βが 顆粒上に吸着されるに充分な時間TCP顆粒と混合し、得られた混合物を有効量 のアミロペクチンと接触させることからなる、TGF−βの骨誘導製剤の製造方 法を提供する。 本発明のこれらの態様は、必要とされる特定の部位のみで常に正常な成熟骨を 生成させるための適当な製剤の製造を可能とする。下記のような局所に適用され るTGF−βの前臨床結果は、種々の動物モデルでの新しい骨の形成を示してい る。 図面の簡単な説明 図1は、プラセボ(最も左の棒)、組み替えヒトTGF−1(rhTGF−β 1)25ng/創傷(中央の棒)、またはrhTGF−β1 100ng/創傷 (最も右の棒)をウサギの耳漬瘍モデルに適用した場合の、受傷後42および7 0日目における骨形成を伴った創傷のパーセンテージを示す図である。最大の骨 形成は42日において観察された。 図2は、プラセボおよび二つの異なる濃度でrhTGF−βを吸着させたTC P円板の投与の28日後の、ウサギ頭骨欠損モデルにおける有効性の指標である 非欠損末端幅を示す図であって、ここで*p<0.05である。 図3は、TCP顆粒の存在下(丸)およびTCP顆粒の不在下(正方形)にお けるTGF−βの吸着速度を示す図である。 図4は、浸漬溶液中のTGF−βの濃度の関数としてのTCP顆粒上に吸着さ れたTGF−βの量のグラフを開示する図である。 図5は、プラセボおよび二つの異なる濃度でTGF−βを吸着させたTCP顆 粒(40−100メッシュ)の投与の28日後の、ウサギ頭骨欠損モデルにおけ る頭骨欠損面積を示す図であって、ここで*p<0.05である。 図6は、プラセボおよび二つの異なる濃度でTGF−βを吸着させたTCP( 300mg)/12%ゼラチンの投与の28日後の、ウサギ頭骨欠損モデルにお ける頭骨欠損面積を示す図であって、ここで*p<0.01である。 図7は、プラセボおよび二つの異なる濃度でTGF−βを吸着させた、凍結乾 燥ゼラチン中のTCP顆粒の投与の28日後の、ウサギ頭骨欠損モデルにおける 頭骨欠損面積を示す図であって、ここで*p<0.05である。 図8は、(1)エンドトキシンレベルの低いアミロペクチンの第一ロット、( 2)エンドトキシンレベルの高いアミロペクチンの第二ロット、(3)5μmの TCP、(4)アミロペクチン+250μmのTCP、(5)アミロペクチン+ T GF−β 10μg、(6)アミロペクチン+5μmのTCP+TGF−β 1 0μg、(7)アミロペクチン+250μmのTCP+TGF−β 10μg、 および(8)TGF−β 10μg+250μmのTCP+アミロペクチン、の 投与の28日後の、ウサギ頭骨欠損モデルにおける合計の吸収表面を示す図であ る。 図9は、図8に対する凡例で定義された製剤1−8の投与の28日後の、ウサ ギ頭骨欠損モデルにおける頭骨欠損面積を示す図であって、ここで*p<0.0 5である。 図10は、ELISAにより分析された、アミロペクチン/TCP製剤からの TGF−βの時間を追った放出を示す図であって、ここで白抜きの丸は正常ヒト 血清中への放出であり、塗りつぶした丸はPBS/0.5%BSA中への放出で ある。 好ましい態様の説明 A.定義: 「製剤の粘度を増大させるポリマー」とは、TGF−βをTCPに結合させて 滑らかな成型し得るパテまたはペーストを形成させるのに有用な任意の多糖類ま たは不溶性蛋白材料であってよい。特に好ましいのは、アガロース、架橋アガロ ース、デキストラン、架橋デキストラン、イヌリン、ヒアルロン酸、セルロース 、セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、澱粉誘導体、例えば アミロペクチンのような炭水化物、ならびに、グリセロールを含む凍結乾燥ゼラ チンを包含するゼラチン、コラーゲン、またはアルブミンのような不溶性蛋白材 料、またはこれらいずれかの組合せである。コラーゲンは、WO90/0575 5号、上記、に記載のように、合成親水性ポリマーと化学的に複合体形成させ、 TCPと混合することができる。本発明中好ましいポリマーはアミロペクチンで あり、最も好ましくは馬鈴薯アミロペクチンである。アミロペクチンは澱粉の分 枝構成成分であり、おもに(1→4)−α−D結合により結合したD−グルコピ ラノース残基の鎖を介して形成されているが、分枝点では5−6%の(1→6) −α−D結合がある。これは、さらにモレキュラー・バイオロジー、アン・イン ターナ ショナル・シリーズ・オブ・モノグラムズ・アンド・テキストブックス、ザ・ポ リサッカライズ、3巻、ジェラルド・アスピナール編(アカデミック・プレス、 1985)、216−223頁に記載されている。 「燐酸三カルシウム」または「TCP」は、見かけの組成Ca3(PO42を 持ち、α−TCPおよびより安定なβ−TCPという二つの異なったウイトロッ ク石の結晶学的コンフィギュレーションで見いだされる。これは、骨および歯の 欠損の充填に用いられる極めて生物学的適合性の物質である。例えばこれは、ダ ミェンおよびパースンズ、J.App.Biomaterials、2巻187 −208頁(1991)、リッチ、バイオメディカル・エンジニアリング:リー スント・ディベロップメンツ、サハ編、「骨に充填するための、短時間で固化す るセラミックを基礎とするグラウト材料の開発」、475−481頁(1986 )、ボウアーズ等、J.Periodontal、57巻286−287頁(1 986)に記載されている。これはさらに、デリバリーシステムとして骨形態形 成蛋白と共に使用されている。ウリスト等、Clin.Orthop.、187 巻277−280頁(1984)。TCPは例えばデピュイから市販品を入手す ることができるが、例えばバイオメディカル・サイエンシズ・インストゥルメン テーション、インストゥルメント・ソサイアティー・オブ・アメリカ、デイヴィ ッド・カールソン編、27巻、ペーパー#91−026、ベングッツィ等、19 7−203頁(1991)に記載の方法により合成することもできる。本明細書 中好ましいTCPはβ−TCPであり、下記の実施例において「TCP」という 語はβ−TCPを指す。 「骨誘導」とは、置き換えを必要とする、骨欠損のある部位でのみ、形態学的 に正常な成熟した骨の形成を促進することを意味する。成熟した骨とは、皮質骨 または海綿骨の如何に拘らず、新生児モデルに見いだされるような未熟なまたは 軟骨性の骨とは反対に、ミネラル化された任意の型の骨である。形態学的に正常 な骨とは、組織学的に正常である(即ち、内軟骨型または膜型の層状骨から成り 、骨芽細胞および破骨細胞を伴う骨髄腔を含む)と認められた骨である。これは 、例えば、骨折治癒の第一段階に見られる、線維性マトリックスを伴う仮骨の形 成 と対照的である。したがって、本明細書中の骨誘導は、骨折の場合のような骨再 生の加速のみならず、正常な形態学的状態に戻る骨形成への刺激としても考えら れる。 「骨格組織の欠損」とは、例えば外科的干渉、腫瘍の除去、潰瘍形成、インプ ラント、または骨折の結果といったように骨欠損の起源がどのようなものであれ 、骨の修復が望まれる任意の部位での骨の欠損を意味する。 「骨形態形成補助因子」とは、軟骨形成、血管の侵入、骨髄腔の形成、そして 最終的には豆骨の形成を包含する、インビボの骨誘導工程に含まれるカスケード 的事象の全てを誘導する、骨マトリックスに最初見いだされた蛋白を意味する。 このような因子は、脱ミネラル化された骨に見いだされた骨形態形成蛋白(ウリ スト、サイエンス、150巻893頁[1965])、この活性を有する22K dの蛋白であるオステオゲニン(サンパス等、Proc.Natl.Acad. Sci.USA、84巻7109頁[1987])、骨誘導因子と呼はれる糖蛋 白(米国特許第4843063号、上記)、ならびに脱ミネラル化された羊の骨 マトリックス由来のBMP−1、BMP−2AおよびBMP−3(ワング等、P roc.Natl.Acad.Sci.USA、85巻9484頁[1988] ;ウォズニー等、サイエンス、242巻1528頁[1988])を包含する。 この米国特許に記載の骨誘導補助因子は、骨、好ましくは牛中足骨から単離さ れ、この場合、脱ミネラル化した骨を調製し、この骨から非コラーゲン性蛋白を 抽出し、抽出物をゲル濾過に付し、最大の軟骨形成活性を有する低分子量(10 000−40000ダルトン)を構成する画分をイオン交換クロマトグラフィー に付し、最初の画分CM−1をRP−HPLCに付し、主として28Kdおよび 36Kd軟骨形成/骨原性補助因子蛋白である二つのピークを精製すると、SD S−PAGE上に単一のバンドが得られる。これらの補助因子および上に述べた その他の因子を「骨形態形成補助因子」という語に包含する。 「骨原性細胞供給源」とは、骨を形成することのできる生存細胞、および骨を 形成できる細胞の前駆体である生存細胞の供給源を意味し、骨を形成できる細胞 を増加または刺激することのできる細胞の供給源を包含する。好適なこのような 供給源には、分散された完全な骨髄細胞(例えば吸引または機械的撹拌により取 得)、軟骨膜、骨膜、または適当なセルラインが包含される。例えば、この細胞 は、処置される動物の、欠損に隣接する部位から(例えば骨折部位または外科的 切開部位のような欠損に隣接する部位から剥離された骨膜)、または動物の生検 部位から(例えば、前に利用された部位、例えば股関節)、または骨髄から取得 することができる。 「動物」とは、脊椎構造を有する任意の動物、好ましくは哺乳動物、そして最 も好ましくは人間を意味する。 「TGF−β」とは、潜在型および前駆体と成熟TGF−βとの結合または非 結合複合体(「潜在性TGF−β」)を包含する、任意の種由来のTGF−βの うちいずれかの全長の天然アミノ酸配列を有する、上記分子の一群を意味する。 係るTGF−βに対する表現は、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、 TGF−β4、およびTGF−B5(これらの各々は1992年10月27日登 録の米国特許第5158934号の図1に示される種によって表わされる)なら びにその潜在型を包含する、現在同定されている型のうちいずれか、ならびに、 任意の既知のTGF−βの配列から誘導され、該配列と少なくとも75%ホモロ ーガスであるポリペプチドを包含する、将来同定されるTGF−β種、に対する 表現であることが理解されるであろう。TGF−βファミリーの成員は、分子の 成熟部分に9個のシステイン残基を有し、他の既知のTGF−β配列と成熟領域 において少なくとも65%の相同性を共有し、そして同じレセプターについて競 合するものとして定義される。加えて、これらは全て、N末端付近に相同性の高 い領域を共有し、後にプロセシングにより除去される前駆体部分の3個のシステ イン残基の保存を示す、より大きな前駆体としてコードされているように見える 。さらに、TGF−βは4または5アミノ酸のプロセシング部位を有するようで ある。 B.発明を実施する様式 本発明は、一つの態様において、TGF−βを適当な薬用担体と、骨形態形成 補助因子無しで混合し、得られた組成物を、正常な成人の骨の形成の誘導が望ま れ、且つ骨原性細胞およびそれらの前駆細胞の供給源がその部位に存在する、動 物上の部位に局所的に投与することにより実施される。もしその部位が骨原性細 胞の供給源を存在させていないならば、この薬用組成物はさらに、上記定義によ る骨原性細胞供給源を、骨成長を誘発するに充分な量で含む。 骨格部位での骨の修復の促進が重要である適応の例には、歯根槽の治癒が損な われている(歯槽部位)歯周病、危険度の高い骨折の一次処置および確立された 癒合不全骨折のための骨移植または骨置換による補助的処置を包含する癒合不全 骨折、外傷または手術により惹起された大きな骨欠損[例えば、癌腫のための部 分的下顎骨切除、大きな頭蓋欠損、脊椎固定術、ハリントン・バーで適所に保持 される外科的アラインメントによる重篤な脊柱側弯症の矯正(身体のギプス包帯 に通常要する6ヶ月を短縮するため)、および観血的整復を行なう脊椎骨折(固 定期間を有意に減少させるため)]ならびに人工的補綴具およびスペーサーバー 、オーラルジョイント、ならびに骨置換の速やかな安定化および固定促進が包含 される。 後者の例には、形成および再生術、下顎への永久義歯の装着、受容された関節 補綴具、例えば股関節、膝、および肩の関節補綴具の固定促進(肘のように、す ぐに緩み且つ不安定であることから今まで受容されていなかった補綴具の受容に つながる)、および、通常、悪性腫瘍に関連する上下肢の温存法(骨幹は除去さ れるが関節表面は適所に残しスペースバーで連結する。成功のためには迅速且つ 増強された固定が必要である。)が包含される。当該部位が歯周部位、即ち歯、 歯肉および歯槽を含む部位であるならば、TGF−βは外部から加えられる骨原 性細胞供給源と共に投与するのが適当である。 一つの好ましい態様においてTGF−βは、TGF−β組成物で装置を処理し 、この装置を動物の欠損部位に内植するが、この組成物は当該部位が骨原性細胞 を欠く時は係る細胞の供給源をも含有する。この装置は、成型されたインプラン ト、 栓子、補綴装置、カプセル、チタニウム合金、海綿、またはセラミックブロック を包含する、内植に適した任意の装置で構成され得る。装置として有用な好適な デリバリー媒質の例は、ネイド等、Clin.Orthop.Rel.Res. 、181巻255−263頁(1982);ウチダ等、J.Biomed.Ma t.Res.、21巻1−10頁(1987);フリーデンシュタイン等、Ex p.Hematol.、10巻217−227頁(1982);デポーター等、 Calcif.Tissue Int.、42巻321−325頁(1988) ;マクデイヴィッド等、J.Dent.Res.、58巻478−483頁(1 979);オーグチ等、J.Orthopaedic Res.、7巻568− 578頁(1989);アプラハミアン等、J.Biomed.Mat.Res .、21巻965−977頁(1986);エマニュエル等、Stain.Te ch.、62巻401−409頁(1987)により開示されているものである 。 ドライソケットまたは癒合不全骨折のような間隙を含む骨欠損に対しては、栓 子を用いてこの間隙を満たすことができる。栓子は、例えばそこにTGF−βが 吸着されるヒドロキシアパタイトまたはコラーゲンで構成することができる。例 えば外傷または潰瘍もしくは股関節補綴器官の周囲の骨格再生がもたらす、より 大きな骨欠損に対しては、この装置は好ましくは、体に合わせて作成されたセラ ミックブロックである。より好ましくはこのセラミックブロックは、重量にして 0−100%のヒドロキシアパタイトおよび残りの100−0%のTCP、最も 好ましくはヒドロキシアパタイト60%およびTCP40%からなる。 顎のインプラントのための特定の態様においては、炭酸カルシウムの成型可能 材料またはインターポア(商標)成型具を、手術前に顎の三次元X線を用いて顎 に合うよう成型し、成型した材料をTGF−βに含浸する。次に、この動物の他 の部位由来(例えば股関節から)の分散させた骨髄をこの鋳型に浸潤させ、この 鋳型を最終的内植のために顎に装着する。 好ましくは、装置は、吸着させ、ゲルの場合には乾燥させるに充分な期間、T GF−β組成物(これは溶液およびゲル製剤の両者を包含する)で処理する。溶 液またはゲル中のTGF−βの濃度および暴露時間は、欠損の体積、TGF−β ポリペプチドの力価、およびそれが適用される部位の性格を包含する幾つかの因 子に依存し、然るべく調節されるであろう。欠損の大きさが増大するにしたがっ て、または部位が骨部位以外である場合は、TGF−βの濃度および前もって浸 漬する時間を増すべきである。この処置は、内植の前に、上記の因子に応じて好 ましくは少なくとも約0.5時間(より好ましくは少なくとも約1時間、最も好 ましくは1−2時間)である。やはり上記の要件に応じて、装置を処置するため のTGF−β組成物中のTGF−β濃度は、好ましくは少なくとも約1ng/m l(より好ましくは少なくとも約1−10ないし100ng/mlまで)である 。この処置は、TGF−βおよび骨原性細胞供給源を有効に運搬する装置に、該 組成物が適用される任意の様式で構成されていてよい。係る処置は、一部には適 応の性格に応じて、例えば吸着、共有結合的架橋、または含浸を包含する。 治療に用いられるTGF−β組成物は、処置すべき骨格組織欠損の性格、宿主 の種、個々の患者の医学的状態、組成物中の他の同時処置薬の存在、薬物のデリ バリー部位、投与方法、投与計画、および医師の知悉するその他の因子を考慮に 入れた、良好な実用医学に合致する方法で投与されるであろう。宿主の反応の相 違のために、部位間および患者間の有意な変化性が存在する。本発明の目的のた め、TGF−βの「治療学的有効量」とは、上記定義による骨成長を骨格組織欠 損の部位に誘発するために有効な量である。 一般的な案として、TGF−βは、標的部位において約0.1ng/ml以上 のTGF−βレベルを確立することのできる用量で調合され当該部位に運搬され る。典型的にはTGF−β濃度は約0.1ng/mlないし5mg/ml、好ま しくは約1ないし2000ng/mlの範囲である。これらの組織内濃度を、好 ましくは局所適用および/または除放によって維持する。 上に示したように、これら示唆されるTGF−βの量は、治療上の裁量に任さ れるところが大きい。適当な用量およびスケジュールの選択の際の重要な因子は 、得られる結果である。終点を決定する臨床上のパラメータは、骨形成および骨 量の増大ならびにラジオグラフ的に検出し得る骨の増加を包含する。このような 測定は当分野における通常の知識を有する臨床家および薬理学者には良く知られ て いる。TGF−β組成物は、局所および持続放出製剤を包含する任意の適当な手 段によって当該部位に局所投与される。活性TGF−β成分は一般に周囲温度、 適当なpH、および所望の純度で、生理学上許容し得る担体、即ち使用される用 量および濃度において患者に対して非毒性である担体と混合する。担体は、投与 のために望ましい製剤の型に応じて、極めて様々な形をとり得る。 有効であるために、TGF−βは身体によってその活性型に変換され、即ち適 当な酵素を用いてその前駆体から成熟型が開裂し、得られた複合体が酸またはT GF−βを活性化するその他の適当な物質で処理される。にもかかわらず、TG F−βは、成熟TGF−βを含まないプロTGF−β(即ちTGF−βの前駆体 の残部)と、TGF−β結合蛋白と、またはα2−マクログロブリンと、成熟T GF−βとの複合体といったような不活性型または遅延放出型で好適に投与され る。次いでこの潜在型は、局所の環境に天然に存在する機構、または上記のTG F−β賦活剤との調合のいずれかによって活性型に変換される。例えば、ジェン トリー等、Mol.Cell.Biol.、8巻4162−4168頁(198 8);ミヤゾノ等、J.Biol.Chem.、263巻6407−6415頁 (1988);ウェイクフィールド等、J.Biol.Chem.、263巻7 646−7654頁(1988);ケスキ−オジャ等、J.Cell Bioc hem.Suppl.、11A巻、60頁(1987);クリシーヴ−マーティ ネリー等、Int.J.Cancer、35巻553−558頁(1985); ローレンス等、Biochem.Biophys.Res.Commun.13 3巻1026−1034頁(1985);ローレンス等、J.Cell Phy siol.、121巻184−188頁(1984)を参照されたい。したがっ てTGF−β組成物のpHは活性化に要する条件を好適に反映し得る。 装置の含浸に好適な液体組成物の製造のためには、担体は、好適には緩衝剤、 低分子量(約10残基未満)ポリペプチド、蛋白、アミノ酸、グルコースまたは デキストランを包含する炭水化物、EDTAのようなキレート試薬、セルロース 、またはその他の賦形剤である。加えて、TGF−β組成物は好ましくは無菌で ある。無菌性は膜(0.2ミクロン)で無菌濾過することにより容易に達成され る。 TGF−βは熱的および酸化的変性に対し極めて安定であるため、通常これは水 溶液として保存するが、再構成のための凍結乾燥製剤も容認できる。 一般に、その骨疾患が許せば、TGF−βを部位特異的デリバリー用に調合し 投薬すべきであるが、これはTGF−βを所望部位への局所投与に好適な無菌組 成物に調合するものである。 TGF−β組成物の局所適用のためには、例えば亀裂、例えば癒合骨折である 骨欠損の場合には、担体はこの目的に対して有効な任意の媒質とすることができ る。ゲル製剤を得るためには、液体組成物を典型的には有効量の水溶性多糖類、 ポリエチレングリコール、またはポリビニルピロリドンのような合成ポリマーと 混合して、局所適用のために適切な粘度のゲルを形成する。この多糖類は一般に そのゲルの1−90%(重量)、より好ましくは1−20%の範囲でゲル製剤中 に存在する。この目的のためのその他の好適な多糖類の例、およびその多糖類の 溶解度の測定は、1988年5月11日公開のEP267015号に見いだされ る。 ゲル用に用いることのできる多糖類は、例えば、アルキルセルロース類、ヒド ロキシアルキルセルロース類、およびアルキルヒドロキシアルキルセルロース類 を包含するエーテル化セルロース誘導体のようなセルロース誘導体、例えばメチ ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロース;澱 粉および分別化澱粉;寒天;アルギン酸およびアルギン酸塩;アラビアゴム;プ ルラン;アガロース;カラギーナン;デキストラン;デキストリン;フルクタン ;イヌリン;マンナン;キシラン;アラビナン;キトサン;グリコーゲン;グル カン;および合成生体高分子;ならびにキサンタンゴム;グアールガム;ローカ ストビーンガム;アラビアゴム;トラガカントゴム;およびカラヤガムのような ゴム類;ならびにそれらの誘導体および混合物を包含する。本発明において好ま しいゲル化剤は、生体系に対して不活性であり、非毒性であり、製造が単純であ り、そして流れ易過ぎたり粘稠過ぎたりせず、そしてその中に保持されるTGF −βを不安定化しないゲル化剤である。 好ましくは、この多糖類はエーテル化セルロース誘導体、より好ましくは良く 定義され、精製され、そしてUSPに記載されているもの、例えばメチルセルロ ースおよびヒドロキシアルキルセルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルセ ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセル ロースである。ここで最も好ましいのはメチルセルロースである。 ゲル化に有用なポリエチレングリコールは典型的には、適切な粘度を得るため の低分子量および高分子量ポリエチレングリコールの混合物である。例えば、分 子量400−600のポリエチレングリコールと分子量1500のものとの混合 物は、適切な比率で混合してペーストを得る時、この目的にとって有効であろう 。 多糖類およびポリエチレングリコールに適用する際の「水溶性」という語は、 コロイド溶液および分散液の包含を意味する。一般にセルロース誘導体の溶解度 はエーテル基の置換の度合によって決定され、本発明において有用な安定化誘導 体は、セルロース鎖のアンヒドログルコース単位当りの係るエーテル基を、該誘 導体を水溶性とするに充分な量で持っていなければならない。一般に、アンヒド ログルコース単位当り少なくとも0.35のエーテル基というエーテル置換の程 度で充分である。さらに、このセルロース誘導体はアルカリ金属塩、例えばLi 、Na、K、またはCs塩の形であってよい。 好ましい態様において、このゲルは約2−5%(重量)のメチルセルロースを 含み、TGF−βはゲル1ml当り約10−1000μgの量で存在する。より 好ましくは、このゲルは、約3%(重量)のメチルセルロース、pH5.0とす るだけの乳酸、および20−200μg/mlのTGF−βから成る。これはゲ ル50μl当りTGF−β 1−10μgの用量に相当する。 除放製剤の製造のためには、TGF−βを生物分解性マトリックスまたはマイ クロカプセル粒子中に取り込ませるのが好適である。この目的のための好適な材 料はポリアクチドであるが、ポリ(α−ヒドロキシカルボン酸)、例えばポリ− D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133988号)のような他のポリマー を使用することもできる。さらなる生物分解性ポリマーにはポリ(ラクトン)、 ポリ(アセタール)、ポリ(オルトエステル)またはポリ(オルトカルボナート ) が包含される。TGF−βはさらに、生物分解性蛋白担体、例えばコラーゲン、 アテロコラーゲン、例えばコーケン・Co.,Ltd.によるもの、またはゼラ チン、と適当に混合して除放性を有する担体マトリックスを形成させ;得られた 混合物を次に乾燥し、乾燥した材料を米国特許第4774091号に記載される ように適当な形態に形作る。コラーゲンは、子牛の皮膚を細かく刻み、クロロホ ルム:メタノール(1:1)中で脱脂し、4%EDTA(pH7.4)で洗浄し 、そしてペプシン溶液(pH2.2;基質:酵素比100:4)により15℃で 72時間消化することにより調製することができる。ペプシンで可溶化したコラ ーゲンは中性pHでの分別沈澱およびクレシアおよびミラー、バイオケミストリ ー、18巻3089頁(1979)の記載する塩析法(6%NaCl、pH3. 0、12時間)により精製する。精製されたコラーゲンを0.01N HCl( 3mgコラーゲン/ml)に溶解し、ミリポア膜(孔径0.45μm)で濾過す ることにより滅菌し、そして凍結乾燥する。次いでこれを無菌条件下で0.01 N HCl(10mgコラーゲン/ml)に再溶解し、使用時まで冷蔵庫で保存 する。 ここで最初に考慮すべき事は、担体自体、またはその分解産物が標的骨部位で 非毒性であり、且つ状態をさらに悪化させないという事でなければならない。こ の事は、標的骨疾患の動物モデル、または係るモデルが得られない場合は正常な 動物における日常的スクリーニングによって決定することができる。除放性組成 物の例については、米国特許第3773919号;EP58481号;米国特許 第3887699号;EP158277号;カナダ特許第1176565号;シ ドマン等、バイオポリマーズ、22巻547頁(1983)、およびランガー等 、Chem.Tech.、12巻98頁(1982)を参照されたい。 或る部位へのTGF−βの制御デリバリーは、当該部位に留置し24時間後に 除去またはより長時間放置する、TGF−βを伴う透過性中空酢酸セルロース繊 維を用いても好適に達成される(米国特許第4175326号)。また、アクリ ル樹脂片またはギプス薄膜をTGF−βに含浸し患部に適用することもできる。 加えて、細い透析チューブをTGF−β溶液で満たし、適当な部位にTGF−β が運搬されるよう位置させることもできる。 骨部位にTGF−βを到達させるもう一つの好ましい方法はTCPによる方法 であって、これには上記のようなTCPセラミックブロックならびに例えば顆粒 および粉末を包含するTCP粒子が包含される。この粒子は一般に任意の大きさ とすることができるが、本発明における好ましいTCPの粒子系は>5μm、よ り好ましくは約75μmに等しいかまたはこれより大きい。より好ましくは、イ ンプラントが必要な程大きくない欠損に適用し得る顆粒パテを得るためには、T CP顆粒の大きさは約120−420μm、最も好ましくは約125−250μ mである。TGF−βは典型的にはTCP上に吸着させる。 使用されるTCPの量は、主に、処置される動物の型および欠損の大きさに依 存するであろう。人間においてはTCPの量は約50gに達し得る。TGF−β の量はTCPに比例して増大するであろう。一般にこの量は、約0.5μgない し約5mgのTGF−β、好ましくは約1μgないし約3mgのTGF−β、よ り好ましくは約5μgないし約1mgのTGF−βの範囲であり、これを約14 0mgないし約50gのTCP粒子、好ましくは顆粒に吸着させる。もし、同じ 大きさの欠損についてTGF−β濃度の増加と共にTGF−βの効力が減少する 二相性反応があるならば、TGF−βの量は常套的臨床パラメータに従って下方 調節されるであろう。 所望によりTGF−βおよびTCPの製剤は、構成成分を結び付けて粘度およ び得られるパテ様またはペースト様物質が成型される能力を改善するよう設計さ れたポリマーをも含有する。係るポリマーの例は、アミロペクチン、ゼラチン、 コラーゲン、アガロース、デキストラン、またはこれらポリマーのうち任意の2 またはそれ以上の混合物を包含するが、これらに限定される訳ではない。さらに 、もしその製剤がTCPおよびTGF−β混合物と接触する前に凍結乾燥される 予定ならば、その製剤は好適にはグリセロールのような共存溶媒と共に該ポリマ ーを、例えばゼラチンおよびグリセロールを含む。 ポリマーは、主に、用いられるTCP粒子の大きさならびに利用されるポリマ ーの型および用いられるTGF−βおよびTCPの量に応じた量で組成物中に存 在する。 TGF−βおよびTCPはポリマーに暴露させる前に最初に混合し、またはこ れらをすべて同時に混和し、またはTGF−βをポリマーと混合し次いでTCP と混合することができる。好ましい方法においてはTGF−βおよびTCPを、 混合物を結び付けるためポリマーを使用する前に最初に混合する。 本発明における特に好ましい結合ポリマーはアミロペクチンであり、とりわけ TCP顆粒と組み合わせたものである。アミロペクチン/TCP製剤、および恐 らくは他のTCP製剤の製造方法は、使用するTCP粒子の大きさに依存し得る 。即ち、例えば、もしTCP粒子の大きさが約100μm未満であるならば、成 分は、TGF−βをアミロペクチンおよびTCPと同時に混合、またはTCPを アミロペクチンに、その後TGF−βを加えるといった順序を包含する任意の順 序で接触させることができる。しかしながらTCP顆粒の大きさが約100μm より大きいと、成分の混合順序は少なくとも一つの動物モデルにおいて有効性に 影響するかも知れず、したがって、全ての大きさ、とりわけ大きいサイズのTC P顆粒に対するTGF−β骨誘導製剤を生成させる好ましい方法は、TGF−β の液体溶液の有効量を、TCP顆粒上にTGF−βを吸着させるに充分な時間該 顆粒と混合し、得られた混合物を有効量のアミロペクチンと接触させることから なる。TCP粒子上へのTGF−βの吸着を確実にする条件は、TCPをTGF −βに、約0℃より高い温度、好ましくは少なくとも約5℃、より好ましくは約 5−40℃、さらに好ましくは約5−30℃、最も好ましくはほぼ室温で暴露す ることである。TGF−βへの暴露時間は好ましくは約5分より短くないが、よ り短時間でも可能である。次いでアミロペクチンを加え、粉末と手で混合して均 質とする。 好ましい組成物は、TGF−β約0.5μgないし5mg、TCP粒子、好ま しくは顆粒約140μgないし50g、および、TCP粒子の大きさに応じて約 0.1:1ないし約1:1(重量/重量)のアミロペクチン:TCP、好ましく は0.25:1ないし0.5:1のアミロペクチン:TCPの範囲の量のアミロ ペクチンからなる。即ち、TCP粒子が5μm未満であるならばTCPに対する アミロペクチンの比率は好ましくは約0.25ないし1であり、TCP粒子が7 5 または125μmと等しいかもしくはこれより大きいならばTCPに対するアミ ロペクチンの比率は好ましくは約0.5ないし1であり、そしてTCP:アミロ ペクチン:TGF−β溶液の比率は最も好ましくは1:0.5:0.5である。 アミロペクチンはトウモロコシおよび馬鈴薯といった任意の澱粉供給源から取 得することができ、馬鈴薯が好ましい。アミロペクチンは例えばオートクレーブ または照射によって、好ましくは使用前に滅菌する。コロニー形成単位(CFU )の数を最少とするために、アミロペクチンは適切には水に溶解して約2−4% の溶液を作成し、次いでオートクレーブにより滅菌(約100−120℃で約3 0分間より短くない時間)する。水を全て除去するため、これは好ましくはさら に凍結乾燥またはスプレードライする。 さらに本発明に係る組成物は、適切には、成長因子が上記定義による骨形態形 成因子を含まない限り、他のペプチド成長因子、例えばIGF−1、TGF−α 、ヒト成長ホルモン、表皮成長因子、およびPDGFを含有することができる。 係る成長因子は適切には意図される目的、即ち骨の形成の促進に対して有効な量 で存在する。 本発明は以下の実施例を参照することによりさらに詳細に理解されるであろう 。しかしながらこれらは本発明の範囲を限定するものと解してはならない。 実施例1 ここで使用されるTGF−β1は、EP200341号、上記、およびデリン ク等、ネイチャー、上記、に記載されるトランスフェクトされたヒト293細胞 の組み替え発現生成物であり、デリンク等、ネイチャー、上記、に記載されるよ うに精製された。組み替えヒトTGF−β1(rhTGF−β1)の個々の試料 は20mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)を含有するメチルセルロース中 に無菌的に調製し、単一局所用量として適用した。選択された濃度のrhTGF −β1をメチルセルロースゲルと混合してメチルセルロースの最終濃度が3%と なるようにした。対照として、媒質をrhTGF−β1を除いて同様のやり方で 調合した。材料は使用まで5℃で保存した。 ラット切開モデルには若いシモンセン・アルビノラット(300−350g) の成体を利用した。手術部位を消毒するためにベータジン(商標)ブランドの殺 菌剤および70%アルコールを適用してこすり洗いした後、皮下層のカルノシン 筋組織を貫通して切ることにより全厚皮膚切開を行なった。対称的な横筋の切開 (およそ2.5cm)を二組、各々の動物で行なった。25ゲージの針を創傷の 縁に沿ってそして縫合の下に挿入することにより、メチルセルロース中のrhT GF−β1の一回用量を各々のステンレススチール縫合した創傷中に入れた。各 創傷中に入れた3%メチルセルロース中のrhTGF−β1の容量は0.05m lであった。各ラットには二つの切開を施し、その中に3%メチルセルロース中 のrhTGF−β1を適用した。一つの切開は媒質単独(3%メチルセルロース )を投与または全く処置しなかった。rhTGF−β1の濃度は500、100 0、2000または4000ng/mlであった。5ないし10000ng/創 傷の用量範囲を用いて用量反応曲線を作成した。動物を5、7、10、14、2 1、および28日目に安楽死させた。抜糸後に背側皮膚全体を切り取った。8m m幅の皮膚片2枚を各々の切開から集め、10%中性緩衝化ホルマリンで7日間 固定した。 ニュージーランドホワイト雄性ウサギ(2.5−2.8kg)をエルクホーン 養兎場から購入した。塩酸ケタミン/塩酸キシラジン混合物の筋肉内注射により 麻酔を導入した。耳から毛を除去した後、ベータジン(商標)ブランド殺菌剤を 用いアルコールですすいで創傷の領域を無菌的に準備した。円形の6mm穿剌生 検器を使用して耳軟骨の深さまでの創傷を作った。下にある軟骨膜を骨膜起子お よび微細剪刀で除去した。創傷を、3%メチルセルロース0.025mlまたは 3%メチルセルロース(対照)中5、15、25、100、500、または10 00ngのrhTGF−β1で処置した。オプサイト(商標)外科用被覆材で各 創傷を覆う。エリザベシアンカラーをウサギの頚部に装着して、ウサギによる創 傷の機械的損傷を防止する。 さらに、局所rhTGF−β1の短期および長期効果を調べるための研究を計 画した。創傷を3、5、7、14、21、28、42、56および70日目に収 穫した。創傷を撮影し、半切し、組織学および形態計測分析のために10%中性 緩衝化ホルマリンで固定した。形態計測分析は、治癒しつつある創傷の総面積、 閉鎖しつつある創傷面積、上部創傷間隙、下部創傷間隙、コラーゲンの面積、肉 芽組織の面積、上皮細胞層長、および骨形成の計測を含んだ。これらの計測はバ イオクワントIV(商標)(RアンドMバイオメトリクス・Inc.、ナッシュ ヴィル、TN)コンピューター画像解析システムによって行なった。 受傷日に25または100ng/創傷を一回適用した後21、28、42、5 6、および70日目に、rhTGF−β1の遅延効果についてウサギの耳の潰瘍 を調べた。創傷縁に沿っておよび軟骨の直近に骨形成が観察された。この骨は形 態学的外観は正常で、内軟骨または膜型の骨および骨髄腔を伴う骨化より成って いた。骨芽細胞および破骨細胞が存在した。骨を伴う創傷のパーセンテージは、 42日目で、処置された創傷の最大74%まで増加し(100ng/創傷)、7 0日目までに69%に低下した。図1を参照されたい。プラセボ処置された創傷 の12%未満に骨形成が観察された。 ラット切開モデルでは骨形成は観察されず、この事は、骨形成が前駆体(骨原 性)細胞の供給源を有する部位、この場合創傷が軟骨膜に隣接しているウサギ耳 モデルにおいてのみ誘導されることを示すものである。 実施例2 厚さ2mm、長さ8−10mm、幅4−5mmのポリエチレン板をステンレス スチールピンでラット大腿骨の一方の面に止める、ラット大腿骨間隙モデルを用 いた。大腿骨の中央から長さ5−8mmの骨片を摘出した。この板は分離された 骨の間隙を維持する働きをする。このモデルは人間における癒合不全骨折の模倣 を意図している。 大腿骨の間隙中に据え付けたのは、60%(重量)ヒドロキシアパタイトおよ び40%(重量)TCP(ツィマー・Inc.)からなる200−400ミクロ ンの多孔性円筒形セラミックインプラントであって、これは(1)インプラント 単独、(2)実施例1に記載のように調製した50ng/ml rhTGF−β 1の溶液中に1時間予め浸漬し、血清を含まないデルベッコ媒質中に調合したイ ンプラント、(3)インプラント+同系ラットから得られた、分散した完全な骨 髄細胞、および(4)インプラント+上記のデルベッコ媒質中50ng/mlの rhTGF−β1で前処置された、分散した完全な骨髄細胞、のいずれかである 。これら4群の各々に、計15匹のラットを使用した。内植の1ヶ月後、ラット を屠殺し組織学的変化について分析した。 予備実験結果は、細胞およびrhTGF−β無しの対照、またはrhTGF− β有りで細胞無しの対照において骨の置換が観察されないことを示し、細胞有り のTGF−βは、細胞単独より骨成長の速度を速めることが判明した。rhTG F−βによって形成された骨がセラミックの小孔の隙間に見いだされ、間隙に架 橋した。rhTGF−βによって形成された骨は組織学的に正常であることがわ かった。 実施例3 骨創傷治癒に及ぼすTGF−βの効果を研究するため、ヒヒを用いてケースス タディを実施した。ヒヒは骨の動態が人間と極めて類似していることから選択さ れた。TGF−βのメチルセルロースゲルを分析用骨インプラントを介して適用 し、22日後にこのインプラントをヒヒから除去した。TGF−βインプラント 部位から得られた組織を定量的組織形態計測を用いて分析し、骨創傷治癒に及ぼ すTGF−βの平均の効果を決定した。詳細な非定量的組織病理学的評価もまた 実施した。 より詳細には、4匹の雄性ヒヒに各々4個のチタニウム分析用骨インプラント (かご)を、脛骨1本につき2個、構造形態の近い領域に内植した。内植を可能 にするため脛骨にドリルで穴を空けた。内植の後、このヒヒを41日間治癒させ た。41日目に全てのインプラント部位を外科的に露出させ、組織を除去し、被 験物質をこのインプラント中心部に内植した。それぞれの動物に、正常(処置無 し)対照、メチルセルロース媒質のみの対照、および低(メチルセルロース中r hTGF−β 1μg)または高(メチルセルロース中rhTGF−β 10μ g)用量の活性TGF−βを投与した。詳細には、これらの製剤は各々3.0% メチルセルロース(重量)1g、pH5.0とするための乳酸適量、および実施 例1に記載のように調製されたrhTGF−β1 0、20、または200μg /mlで構成されていた。この製剤をサイズ5のゼラチンカプセル(エランコ) 中に注ぎ、次いでこれをチタニウムインプラントの中心部に入れ、カプセルが徐 々に溶解して各製剤50μlが適用されるように用いた。動物内のインプラント 部位は、4種の処置のうち一つに無作為に割り当てた。 22日間の治癒の後、全てのインプラント中の組織を回収した。この組織試料 を、pH7.0に緩衝化し、固定用に3.7%ホルムアルデヒドを含有する10 %ホルマリン溶液に入れた。試料を組織病理学的分析に付した。 以下の記述的および定量的観察がなされた: 1.統計的に有意ではないものの、TGF−β部位の骨量は対照およびプラセ ボ部位より低かった。 2.対照またはプラセボのいずれかと比較する時、骨芽細胞の数、体積、およ び活性はTGF−β部位において有意に高かった。 3.破骨細胞の数および活性は、先の研究で得られた対照データと主観的に比 較する時、四つの処置部位全てにおいて、より高いように見えた。 4.残余のメチルセルロースが認められ、新たな海綿骨が形成される前に食作 用が必要であるようであった。 5.メチルセルロースマトリックスの存在下でのTGF−βは、線維芽細胞、 骨前駆細胞、および骨芽細胞の数の増加と関連していた。 6.マトリックス単独またはマトリックスおよびTGF−βのいずれに対して も、異物反応または他の望ましくない病理反応は観察されなかった。 7.3匹の動物の5個のTGF−β部位のインプラントに、有意な骨膜性の新 たな骨の形成が認められた。インプラント上のこの程度までの骨形成は、過去数 年間にわたり実施された450のチタニウムインプラント例において観察された ことがなかった。 8.TGF−β部位は、それと知らされずに組織学的観察を行なった場合、計 8個の部位のうち7個が同定された。 9.メチルセルロース部位は、それと知らされずに組織学的観察を行なった場 合、この場合の100%が同定された。 この研究で分析された対照試料は、チタニウムインプラント中に形成された海 綿状組織がインプラント中心部の下面から上面に層状化することを証明した。組 織の上方部分(チタニウムインプラントの蓋に最も近接)はあまり成熟していず 、大きな骨芽細胞活性を示すが、インプラントの下面に近く髄質区画内の深部の 組織は、組織学的により成熟しており、骨芽細胞の数および活性が低い。史的お よび対照試料とは対照的に、TGF−β組織試料は標本全体を通じてその高い骨 芽細胞活性が均質であった。 チタニウムインプラントの骨膜上部分の上および周囲の組織の臨床観察は、骨 膜の著明な骨形成を明らかにした。この骨膜性の骨は、2匹の動物の各々で二つ の部位に大きな塊で形成された。これら2匹の動物における塊は高度に脈管化さ れ、海綿骨の臨床的外観を呈し、1匹の動物中で大きさが異なっていた。2匹の 動物の各々の2個の塊は、およそ3x2x1.5cmおよび1.5x1x0.5 cmの大きさであった。別の1匹の動物は、一つのTGF−β部位上に著名な骨 膜性骨形成を示した。450例にわたるチタニウムインプラント外科的手法にお いてこれらのような塊がチタニウムインプラント上に形成されたことがないとい うことは重要である。組織学的には、3匹のヒヒにおいて五つのTGF−β部位 にわたる骨膜性骨形成は、活発に治癒されつつある、合併症の無い、骨折仮骨、 即ち形態学的に正常な成熟骨形成に類似していた。 一般に、メチルセルロースは耐容性が良好であり、四つの処置部位のいずれに おいても異物反応は存在しなかった。さらに、細胞学的異型性または悪性腫瘍の 証拠は、チタニウムインプラントおよび骨膜試料のいずれにも見いだされなかっ た。 実施例4 序 この研究の目的は、骨形成に関するウサギ頭骨欠損モデルにおいて、ほぼ欠損 の大きさ(12mm)である薄い円板の形をしたTCPマトリックス中に取り込 ませたTGF−β1の効果を評価することであった。これは、染色した組織学的 切片から、選択された骨形態計測パラメータを測定することにより、そして切り 取った欠損部位のラジオグラフィー調査により、達成された。結果を、TGF− β1を含まないTCP円板が投与された欠損と比較した。 TGF−β1およびTCP円板の供給源および調製。 rhTGF−β1を実施例1に記載のように製造し精製した。rhTGF−β 1の活性部分の個別試料をpH5.0の20mM酢酸ナトリウム緩衝液中に無菌 条件下で調製した。TGF−β1溶液中、室温で3時間、TCPを無菌的にイン キュベートすることにより、TCP円板(デピュイ、ワルソー、インディアナ) 中へのrhTGF−β1の取り込みを行なった。インキュベーションに先立ち、 TCP円板は、70%エタノール中でインキュベートし、無菌正常食塩水で完全 にすすぎ、UVランプの下で乾燥させることにより滅菌した。各円板の平均重量 は153mgであった。2種類の異なるrhTGF−β1の濃度、20および1 00μg/mlを用いた。インキュベーション後、各円板を無菌正常食塩水で短 時間すすいだ。TCP円板上に吸着されたrhTGF−β1の量を、TGF−β 1インキュベーション溶液の濃度変化から、常套的ELISA法によって決定し た。高い濃度(100μg/ml)は平均値16μg/円板を与え、一方5μg /円板が、TGF−β1 20μg/mlによる円板のインキュベーションから の平均値であった。 動物の手術および処置 全ての研究は、米国実験動物保護認可協会(AAALAC)の指針に従って実 施した。16羽のニュージーランドホワイトウサギ(2.8−3.2kg)(エ ルクホーン・ラビトリー、ワトスンヴィル、CA)を0.75ml/kgのハイ プノーム(商標)ブランド麻酔薬(ジェンセン・ファーマシューティカ、ビアサ 、ベルギー)で麻酔した。頭頂および耳の基部を剃毛し、手術のための無菌準備 を行なった。頭骨に楕円切開を施し、皮膚弁を前方に折り返した。同様に、骨膜 を弁として前方に折り返し、頭骨の最上部を露出させた。皮膚および骨膜の弁の 両者を、滅菌した湿らせたガーゼで覆った。処置を行なわない場合には骨は間隙 に架橋せず、頭骨に線維組織の癒合不全が残るため、12mmの頭骨欠失を選択 した。フレイム、J.Oral Surg.、38巻176−180頁(198 0) 。電動ドリルに取り付けた無菌穿孔器を用いて右および左頭頂骨および前頭骨の 縫合の交点に欠損を作成した。この部位は、骨縁の過熱を防ぐため、穿孔の間、 生理食塩水で充分潅注した。下にある硬膜を穿孔または損傷しないよう注意した 。予め切っておいた滅菌食塩水で湿らせたゲルフィルム(商標)ブランドの膜( アプジョン、カラマズー、MI)を硬膜上の欠損に挿入して、硬膜と骨の縁との 間の障壁として機能させた。 滅菌したTCP円板またはrhTGF−β1(5または16μg)を伴うTC P円板を、欠損を満たすように適用した。骨膜弁を6−0プロリン縫糸により元 の場所に縫合し、皮膚弁は4−0絹糸で閉鎖した。ウサギを檻に戻し、回復させ た。28日後、バルビツール酸塩の過量投与でウサギを安楽死させ、欠損部位を 隣接する正常な骨と共に摘出した。欠損部位を生理食塩水ですすいだ。部位を1 0%中性緩衝化ホルマリンで固定し、ファクシトロン(商標)ブランドX線シス テムおよび25KVで10秒間露出するX−オマットAR−2フィルムを用いて ラジオグラフィーに付した。次に、固定した組織試料を、前頭/頭頂縫合と平行 に欠損の中心で半分に切った。一方の半切片は酸脱灰(イージー−カット(商標 )試薬、アメリカン・ヒストロジー・リエイジェント・Co.、モデスト、CA )し、ヘマトキシリンおよびエオシンを使用する日常的組織学的方法により処理 して4μm切片を染色した。欠損の他方の半分はプラスチック封埋し、脱灰して いない切片を日常的組織学的方法により処理して、ゴールドナーのトリクロム、 フォン・コサ、またはトルイジンブルーで5μm切片を染色した。 ゴールドナーのトリクロム染色した切片を、バイオクワントIV(商標)コン ピューター画像解析システムを用いて調べた。海綿骨体積(TBV)、オステオ イド表面のパーセンテージ(%OS)、オステオイド体積のパーセンテージ(% OV)、オステオイドの平均幅(OW)、骨芽細胞/オステオイドのパーセンテ ージ(%Ob/Ost)、骨芽細胞/総表面のパーセンテージ(%Ob/TS) 、総吸収表面(TRS)、および破骨細胞の数(#)/表面長(Oc/SL)を 包含する、骨形成および吸収の選択された指標を測定した。全動物からの切片を 、欠損の骨縁および欠損内の領域全体から選択された視野を系統的に評価する無 作為 層化抽出法を用いて組織形態計測的に分析した。視野は、欠損領域内の各視野が 、等しい被選択可能性を有するよう、格子図形を用いて選択した。ほぼ等しい数 の視野が対照および処置された欠損の両者について評価された。 切片の外縁の(欠損部位から最も遠い、収穫された試料の縁)骨の厚さ(幅) を測定して、非欠損部位の骨形成の程度(比欠損端幅、NEDW)を評価した。 通常はコンピューター画像解析を用いてラジオグラフィーにより定量される欠損 面積は、TCP円板の放射線不透過性のために正確に測定できなかった。 統計学的解析。 データを一元配置ANOVAおよびシェフェF試験により分析して群間の相違 を求めた。媒質対照と比較して95%の信頼区間で有意性試験を実施した。各群 は3ないし4羽のウサギを含んでいた。 結果 形態計測的評価 形態計測的測定からのデータを第1表に示す。一般に、TGF−β1を含浸さ せたTCP円板は、TGF−β1無しのTCP円板と比較して欠損部位における 骨形成をより著しく刺激した。海綿骨体積、オステオイド幅、オステオイド体積 、および骨芽細胞/オステオイドを包含する骨形成の指標は、媒質で処置された 欠損と比較するとTGF−β1で処置された欠損で増大した。さらに、破骨細胞 の数/表面長および総吸収表面は媒質処置欠損に比較してTGF−β1で処置さ れた欠損で増大し、これは改変過程が存在することを示すものである。5または 16μgいずれかのTGF−β1が投与された欠損からの骨の非欠損端幅は、プ ラセボ処置された欠損より大きかった(第1表および図2を参照されたい)。群 間の有意性が無かった唯一のパラメータはオステオイド表面および骨芽細胞/総 表面であった。 TCP円板の放射線不透過性のため、ラジオグラフィーによる欠損面積は決定 されなかった。プラセボ処置された欠損およびTGF−β1処置された欠損の間 には明らかな相違があったものの、これらの相違は形態計測測定値に従わなかっ た。しかしながら、TGF−β1処置された欠損は僅かにより放射線不透過性で あるように見え、欠損領域と非欠損領域は、TCP円板の縁と頭骨との間の鮮明 な境界が無く融和しているように見えた。 組織学的評価 TGF−β1を含浸させたTCP円板を充填した欠損の組織学的評価は、TC P円板を取り巻く骨の量の増加を示した。加えて、骨は、円板の表面に、主とし て欠損の辺縁に遊走しているのみならず、上部および底部表面にも観察された。 新しい骨は、偏光顕微鏡検査により、粗線維(未熟)骨および層状(成熟)骨の 混合物として性格付けられた。対照的に、TGF−β1無しのTCP円板では、 僅かな骨反応が組織学的に観察された。 要約すると、TGF−β1を含浸させたTCP円板は、円板を取り巻くそして 円板内に遊走している骨の著明な増加を誘導した。骨は、組織学的に、活発な形 成および吸収過程を示す未熟および成熟骨の混合物として性格付けられた。引続 き、TGF−β1処置部位内の形成および吸収パラメータ両者の増大により、骨 の改変が組織形態計測的に確認された。TGF−β1を伴わないTCP円板は、 28日目において欠損の辺縁に僅かな量の骨があるのみであり、極めて誘導性が 低かった。 これらのデータは、TCPがTGF−β1の担体として機能し且つ骨欠損を横 切って容易にその上に骨が形成されるマトリックスを提供することを立証してい る。 実施例5 序 この研究の目的は、骨形成に関するウサギ頭骨欠損モデルにおいて、40−1 00メッシュのTCPマトリックス(ここでTCPは顆粒として供給する)中に 組み込まれた場合のTGF−β1の効果を評価することであった。これは、染色 した組織学的切片から、選択された骨形態計測パラメータを測定することにより 、そして切り取った欠損部位のラジオグラフィー調査により、達成された。結果 を、TGF−β1を含まない40−100メッシュのTCPが投与された欠損と 比較した。 TGF−βおよびTCPマトリックスの供給源および調製。 rhTGF−β1を実施例1に記載のように製造した。rhTGF−β1の活 性部分の個別試料をpH5.0の20mM酢酸ナトリウム緩衝液中に無菌条件下 で調製した。25および100μg/mlという2種の異なる濃度のrhTGF −β1を使用した。多孔性TCP顆粒を使用した(ペリ−OSS(商標)ブラン ドTCP、ロット#7157EL2A2、40−100メッシュ;顆粒は150 −420μmのサイズであり、デピュイにより供給され、TCP粉末から等方加 圧、次いで半融により生成された)。各用量のTCP顆粒の総重量は154mg であった。20mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5)、または同じ緩衝液中の2 つのTGF−β1溶液に入れたTCP粒子を、無菌フィルターユニット中、5℃ で2時間無菌的にインキュベートすることにより、この調製物を得た。 インキュベーションの後、遠心して液体を除去することによりTCP顆粒を集 めた。次に、濾過膜でマイクロ遠心することにより、浸している溶液を粒子から 除去した。酢酸緩衝液で処理した試料はプラセボと表示した。100μg/ml のTGF−β1で処理した試料は「高」用量と表示し、25μg/mlのTGF −β1で処理した試料は「低」用量と表示した。初めおよび終わりの液中濃度の 相違からELISAによって間接的に測定された高用量は13.7±0.2μg (±SD、n=3)であり、低用量は2.9±0.1μg(±SD、n=3)で あった。各バイアル中のTCP粒子の平均重量は154.1±3.6mg(±S D、n=8)であった。 TCP顆粒上に吸着されたrhTGF−β1の量は、TGF−β1インキュベ ーション溶液の濃度の変化から、常套的ELISA法によって決定した。 動物の手術および処置。 実施例4に記載のように動物の手術および処置を行なった。無菌のTCPまた はrhTGF−β1(3または14μg)を伴うTCPを、欠損を満たすように 欠損に適用した。実施例4に記載のようにラジオグラフィーを実施し、実施例4 に記載のように、一方の半切片は酸脱灰し、一方は脱灰しなかった。ゴールドナ ーのトリクロム染色切片を実施例4に記載のようにバイオクワントIV(商標) コンピューター画像解析システムを用いて調べた。切片の外縁の骨の厚さを測定 して非欠損部位における骨形成を評価した。加えて、ラジオグラフィーにより決 定された欠損面積をコンピューター画像解析を用いて定量した。 統計学的分析 実施例4に記載のように統計学的分析を行なった。各群は2ないし3羽のウサ ギを含んでいた。 結果 TCP顆粒上へのTGF−βの吸着。 TCP顆粒上のTGF−βの吸着速度論を表わす図3は、約2時間後に吸着量 が安定し、22時間まで徐々に変化するらしいことを示している。図4はTCP 顆粒へのTGF−βの吸着を示し、ここで、吸着されたTGF−βの量はTGF −βの液中濃度の関数として与えられる。吸着されるTGF−βの量は、浸漬溶 液中のTGF−βの量に比例して増加することがわかった。 形態計測的測定 第2表に形態計測的測定からのデータを示す。一般に、TGF−β1を伴うT CPは、TGF−β1無しのTCPと比較して欠損部位における骨形成をより著 しく刺激した。TGF−β1が投与された欠損において増大した骨形成の指標は 、オステオイド幅、オステオイド体積%、オステオイド表面%、および骨芽細胞 /総表面の%を含んでいた。欠損内に存在する骨の質の指標である海綿骨体積は 、僅かp=0.06で有意であった。プラセボ処置された欠損に比較してTGF −β1処置された欠損において総吸収表面が増大することによって示されるよう に、骨の改変が存在した。 ラジオグラフィーによる欠損面積を画像解析技術を用いて決定した。欠損面積 は、プラセボ、2、および14μgのTGF−β1についてそれぞれ60.57 ±9.69、22.86±7.07、および8.27±8.27であった(図5 )。TGF−β1の両方のレベルにおいて、欠損面積の用量依存的低下は有意で あった(p<0.05)。一般に、TGF−β1 3μgで処置された欠損中の 中央に位置する小さな領域を除き、プラセボ処置された欠損は放射線透過性であ り、TGF−β1処置された欠損は放射線不透過性であった。 組織学的評価 TGF−β1を伴うTCP顆粒(40−100メッシュ)は組織学的調査に際 して様々な反応を誘発した。一般に、TGF−β1無しのTCPが投与された欠 損では、際だった反応は、欠損に架橋しTCPの顆粒を取り巻く線維性結合組織 の混合物を伴う緩和な慢性炎症であった。対照群に、欠損の辺縁から、僅かな骨 成長が観察された。TCP中のTGF−β1が投与された欠損は、幾つかの例で は、完全な架橋を伴う、はるかに大きな骨反応を誘発した。しかしながら、3μ gのTGF−β1が投与された欠損からは、欠損の中央部分内およびTCP顆粒 の周囲に位置する穏やかな線維増殖があった。時には、顆粒の領域の上方または 周りに、主として線維性結合組織に取り巻かれた顆粒を伴う骨が形成された。類 似の反応が14μgのTGF−β1で処置された欠損で観察され、これは線維増 殖がより少なく、骨形成が特にTCPの顆粒の周りにおいて、より大であった。 要約すると、28日後の欠損部位のラジオグラフは、150mgTCP中のr hTGF−β1 14μgによって欠損が完全に閉鎖され、TCP顆粒の背側お よび腹側領域を取り巻き、そして顆粒中に遊走もする、骨の著明な増加が誘発さ れたことを示した。欠損の中に形成された新しい骨は、組織学的には未熟骨およ び成熟骨の混合物として性格付けられた。これは、骨治癒にとって自然である、 活発な形成および吸収の過程を示すものである。TGF−β1処置された部位内 の骨形成および吸収の両パラメータの増大によって、骨の改変が組織形態計測的 に確認された。この結果は、TGF−β 25μg/ml(3μg/創傷部位) を伴うTCP顆粒の適用後には欠損面積はずっと小さく、TGF−β 100μ g/ml(14μg/創傷部位)を伴うTCP顆粒の適用後にはさらにずっと小 さいことを示している。TGF−β1無しのTCP顆粒は、28日目において欠 損の辺縁に僅かな量の骨があるのみであり、極めて誘導性が低かった。 これらのデータは、ゼラチンのような他の担体を使用しないTCPと組み合わ せたTGF−βは、強力な骨誘導性成長因子として機能し、骨の欠損を横切って その上に骨が容易に形成されるマトリックスを提供することを示している。 実施例6 序 この研究の目的は、骨形成に関するウサギ頭骨欠損モデルにおいて、欠損に近 い大きさ(12mm)である円板の形をした12%ゼラチンを含むTCP顆粒( 150−420μm)中に取り込ませたTGF−β1の効果を評価することであ った。これは、染色した組織学的切片から、選択された骨形態計測パラメータを 測定することにより、そして切り取った欠損部位のラジオグラフィー調査により 、達成された。結果を、TGF−β1を含まないゼラチン中のTCPが投与され た欠損と比較した。 TGF−βおよびゼラチンを含むTCP顆粒の供給源および調製。 rhTGF−β1を実施例1に記載のように製造した。rhTGF−β1の活 性部分の個別試料をpH5.0の20mM酢酸ナトリウム緩衝液中に無菌条件下 で調製した。 適度に加熱しながらゼラチン(タイプA)300ブルームグラム)を20mM 酢酸ナトリウム(pH5.0)に溶解することにより、12%ゼラチン中のrh TGF−β1の溶液を調製した。このゲル溶液を、まだ非常に温かい間に膜濾過 することにより滅菌した。この溶液が50℃より低い温度に冷却されたら、滅菌 rhTGF−β1溶液の適当なアリコートを加え、均一に混合した。混合後、こ のゼラチン−TGF−β1溶液400μlを、TCP顆粒(150−420μm )デビュイ)300mgを入れた5mlバイアル中にピペットで入れた。この調 製物を固化させた。TGF−β1溶液の添加容量を変えることによって、最終用 量を、TCP−ゼラチン円板当り0、5、および21.5μgとした。 動物の手術および処置 実施例4に記載のように動物の手術および処置を行なった。無菌のTCP/ゼ ラチンまたはTGF−β1(5または21.5μg)を伴うTCP/ゼラチンを 、欠損を満たすように欠損に適用した。実施例4に記載のようにラジオグラフィ ーを実施し、実施例4に記載のように、一方の半切片は酸脱灰し、一方は脱灰し なかった。ゴールドナーのトリクロム染色切片を実施例4に記載のようにバイオ クワントIV(商標)コンピューター画像解析システムを用いて調べた。加えて 、ラジオグラフィーにより決定された欠損面積をコンピューター画像解析を用い て定量した。 統計学的分析 実施例4に記載のように統計学的分析を行なった。各群は5ないし6羽のウサ ギを含んでいた。 結果 形態計測的測定 第3表に形態計測的測定からのデータを示す。一般に、TCPおよび12%ゼ ラチン中に調合されたTGF−β1は、TGF−β1無しの12%ゼラチン中の TCPと比較して欠損部位における骨形成をより著しく刺激した。5または21 .5μgのTGF−β1が投与された欠損において、骨形成の指標は全て増大し た。 破骨細胞数/表面長および総吸収表面は、5μgのTGF−β1で処置された欠 損では増大したが、21.5μgでは増大せず、これは、少なくとも低用量の成 長因子に関しては改変過程が存在した事を示している。 ラジオグラフィーによる欠損面積を画像解析技術を用いて決定した。欠損面積 は、プラセボ、5、および21.5μgのTGF−β1についてそれぞれ67. 49±6.57、37.89±5.14、および23.24±7.99であった (図6)。TGF−β1の両方のレベルにおいて、欠損面積の用量応答的低下は 有意であった(p<0.01)。TCPの顆粒は放射線不透過性であるため、ラ ジオグラフは形態計測的解釈が困難であった。しかしながら、TGF−β1処置 された欠損の概観はより稠密であり、特に欠損の中央内部は稠密であった。 組織学的評価 TGF−β1を伴う12%ゼラチン中のTCPは、組織学的調査に際して様々 な反応を誘発した。一般に、TGF−β1無しの12%ゼラチン中のTCPが投 与された欠損では、際だった反応は、欠損に架橋しTCPの顆粒を取り巻く線維 性結合組織の混合物を伴う緩和な慢性炎症であった。プラセボ群において、欠損 の辺縁から、僅かな骨成長が観察された。TCPおよび12%ゼラチン中のTG F−β1が投与された欠損は、5μgのTGF−β1が投与された欠損の殆どで 、完全な架橋を伴う、はるかに大きな骨反応を誘発した。しかしながら、5μg のTGF−β1が投与された欠損からは、欠損の中央部分内およびTCP顆粒の 周囲に位置する、線維増殖を伴う緩和な慢性炎症反応があった。TGF−β1 21.5μgが投与された5個の欠損のうち4個が、骨によって完全に架橋され た。しかしながら、この群における緩和な慢性炎症は、TCP顆粒と混ざり合っ た様々な量の線維性結合組織と共に各部位で依然として明らかであった。 要約すると、TGF−β1を伴う12%ゼラチン中のTCP顆粒は、顆粒が占 有する空間を取り巻く骨、および顆粒の間に散在する骨、の両者に著名な増大を 誘発した。骨は組織学的には未熟骨および成熟骨の混合物として性格付けられ、 これは活発な形成および吸収過程を示すものである。その後、TGF−β1処置 された部位内の形成および吸収パラメータの両者が増大していることによって、 骨の改変が確認された。しかしながら、TGF−β1含浸TCP円板実験と比較 する時、組織形態学からの数値はTCP顆粒/12%ゼラチン製剤の方がより低 く、この事は、骨反応がそれ程盛んでないことを意味している。さらに、この製 剤は速やかに融解し、欠損にたやすく適合し得なかった。 他の実施例と共にこれらのデータは、TCPがTGF−β1のための担体とし て機能し、且つ骨欠損を横切って容易にその上に骨が形成されるマトリックスを 提供することを立証している。緩和な慢性炎症は、骨がTCP顆粒にとって代わ るにつれて時間と共に解決されるであろうと信ぜられる。 組成物の融点を上昇させるための、例えば、約0.05−1%(重量/重量) アガロース(例として0.25%の量)を含有するゼラチン/アガロース混合物 を用いる同じ実験は類似の結果を産むと予想される。 実施例7 序 この研究の目的は、骨形成に関するウサギ頭骨欠損モデルにおいて、欠失に近 い大きさ(12mm)である材料の円板に形作られた、2%凍結乾燥ゼラチンを 伴うTCP顆粒中に取り込ませたTGF−β1の効果を評価することであった。 これは、染色した組織学的切片から、選択された骨形態計測パラメータを測定す ることにより、そして切り取った欠損部位のラジオグラフィー調査により、達成 された。結果を、TGF−β1を含まない凍結乾燥ゼラチン中のTCPの大顆粒 が投与された欠損と比較した。 TGF−βおよびTCP粒子およびゼラチンの供給源および調製。 rhTGF−β1を実施例1に記載のように製造し、以下のように2%ゼラチ ンを伴うTCP中に調合した。2%グリセロールを伴う2%ゼラチン(タイプA )300ブルームグラム)の溶液を20mM酢酸ナトリウム(pH5.0)中に 調製し、濾過により滅菌した。滅菌TGF−β1溶液のアリコート量(20また は50μg)をこのゼラチン混合物に約50℃の温度で加え、その温度で均一に 混合してゲル溶液を形成させた。TCP粒子(500mg、420−2000μ mのサイズとする)を、滅菌したシリコーン処理されたバイアルに秤取した。次 に、このTCP顆粒上に、全ての顆粒を覆うに充分なゲル溶液(0.5ml)を 加えた。続いてこの調製物を常套的凍結乾燥技術により凍結乾燥した。これらの 調製物の最終的用量は20および50μgであった。 動物の手術および処置 実施例4に記載されるように動物の手術および処置を行なった。TGF−β無 し(プラセボ)またはTGF−β1有り(20または50μg)の凍結乾燥した 2%ゼラチン中の滅菌大顆粒TCPを欠損に適用して欠損を満たした。ラジオグ ラフィーを実施し、実施例4に記載のように一方の半切片を酸脱灰し、もう一方 は脱灰しなかった。ゴールドナーのトリクロム染色切片を、実施例4に記載のよ うにバイオクワントIV(商標)コンピューター画像解析システムを用いて調ベ た。切片の外縁の骨の厚さを測定して非欠損部位における骨形成を評価した。加 えて、ラジオグラフィーにより決定された欠損面積をコンピューター画像解析を 用いて定量した。 統計学的分析 実施例4に記載のように統計学的分析を行なった。各群は4ないし5羽のウサ ギを含んでいた。 結果 形態計測的測定 第4表に形態計測的測定からのデータを示す。一般に、プラセボ対照群につい ての基線数値は相対的に高く、これは、凍結乾燥ゼラチン中のTCPの大顆粒が 他の製剤よりもはるかに良く骨形成を誘導することを示すものである。しかしな がら、海綿骨体積および骨芽細胞/総表面%の増大により示されるように、TG F−β1 20μgは、TGF−β1なしのゼラチン中のTCPに比較して、欠 損部位での骨形成をより刺激した。対照的に、TGF−β1 50μgは、TC Pプラセボと比較して骨芽細胞総表面%以外は骨形成の増大を誘導しなかった。 非欠損端幅は群間で似通っていた。 ラジオグラフィーによる欠損面積を画像解析技術を用いて決定した。欠損面積 は、プラセボ、20、および50μgのTGF−β1についてそれぞれ27.2 2±7.84、4.86±2.25、および25.01±7.06であった(図 7)。20μgのTGF−β1についてのみ、欠損面積の低下が有意であった( p<0.01)。TCPの大顆粒は放射線不透過性であり、欠損領域に不均質に 分布したため、ラジオグラフは形態計測的解釈が困難であった。しかしながら、 TGF−β1 20μgを投与された欠損の概観はより稠密であり、欠損を満た していた。 組織学的評価 TGF−β1無しの凍結乾燥ゼラチン中のTCPが投与された欠損由来の骨試 料の組織学的調査は、断面のおよそ50%を架橋する、欠損の辺縁における骨形 成を示している。骨が存在する場所は、大顆粒TCPを取り巻く骨芽細胞により 縁取られた骨の柱のように見えた。骨の典型的細胞パターンと共に髄腔が存在し た。プラセボ処置された欠損からの欠損の中央の50%においては、大顆粒が線 維芽細胞および線維性結合組織によって囲まれていた。TCPの大顆粒および凍 結乾燥ゼラチン中の20μgTGF−βが投与された欠損は、全ての例において 、完全な架橋のある、より大きな骨反応を誘発した。しかしながら、欠損の中央 部分内およびTCP顆粒の周囲に、小さな線維増殖の領域が時折り存在した。組 織学的調査は、TGF−β1 50μgが投与された欠損が種々の反応を誘発す ることを示した。TGF−β1 50μgが投与された欠損5個のうち2個は、 骨によって完全に架橋されたが、一方5個のうち2個の欠損は主に線維性反応を 含 み、欠損の辺縁から少量の骨を伴っていた。50μgTGF−β1の各例では、 骨膜表面に線維性結合組織の厚い層があった。 要約すると、TGF−β1 20μgを伴う凍結乾燥ゼラチン中のTCP大顆 粒は、顆粒の占有する空間を取り巻く骨、および顆粒間に散在する骨の両方に、 中等度の増加を誘発した。骨は組織学的には未熟骨および成熟骨の混合物として 性格付けられ、これは活発な形成および吸収過程を示すものである。TGF−β 1を含まない他のTCPの製剤と比較する時、TCPプラセボ群には骨の基線量 の実質的な増大があった。いかなる一つの理論にも限定されないとすると、この 効果は、伝導性であることが知られているTCP顆粒の大きさに、そして凍結乾 燥ゼラチン製剤に帰することができる。低用量のTGF−β1(20μg)は、 TCPプラセボおよび50μgTGF−β1の両者に比較して骨の増加を誘発し た。形態計測的には、TCPプラセボと有意に相違するパラメータは他のTCP 研究の場合より少なかったが、低用量のTGF−β1は、他の製剤における同等 の用量のTGF−β1に極めて匹敵するように見えた。対照的に、50μgのT GF−β1は著しく相違しており、ずっと大きな程度の線維増殖およびずっと大 きな変動する量の骨を伴っていた。これは、このモデルにおいては、他の軟組織 創傷治癒のモデルに類似したTGF−β1による二相性反応があることを示して いる。 これらのデータは、TCPがTGF−βの担体として機能し且つ骨欠損を横切 って容易にその上に骨が形成されるマトリックスを提供することを立証している 。 実施例8 この研究の目的は、骨形成に関するウサギ頭骨欠損モデルにおいて、ほぼ欠損 の大きさ(12mm)である展性のパテに形作られたアミロペクチンを伴うTC P顆粒(5μmまたは250μmの表示粒子径)中に取り込ませた場合のTGF −β1の効果を評価することであった。さらに、個々の構成成分、即ちTCP( 5または250μm)および二つの異なるロットのアミロペクチンを評価して、 いずれの成分がこのモデルにおいて観察される巨大細胞形成という事象に寄与し ているのかを決定した。欠損部位を手術の28日後に取り除き、ラジオグラフィ ー に付し、そして組織形態計測的測定用に処理した。序。 ウサギ頭骨欠損モデルにおいては異物巨大細胞反応があるようである。この研 究の目的は、異なるレベルのエンドトキシンを存在させた2ロットのアミロペク チン中に調合された二つのサイズのTCP顆粒(表示径5または250μmの顆 粒)およびTGF−β1の組合せならびに該製剤の個々の構成成分の効果をこの モデルにおいて評価することであった。染色された組織学的切片からの選択され た骨形態計測パラメータの測定による組織学的調査および切り取った欠損部位の ラジオグラフィー調査を有効性の基準として使用した。 TGF−β1およびTCP/アミロペクチンの供給源ならびに調製。 試験された製剤の型。 8群の製剤を動物モデルにおける有効性について評価した。即ち、下記のよう な、二つのアミロペクチン対照、二つの媒質対照、およびTGF−β1処置群で ある。 第1群:12EU/gのアミロペクチン。 第2群:>3500EU/gのアミロペクチン。 第3群:5μmのTCPおよびアミロペクチン。 第4群:アミロペクチンおよび250μmのTCP。 第5群:アミロペクチンおよび10μgのTGF−β1。 第6群:アミロペクチンおよび5μmのTCPおよび10μgのTGF−β1 。 第7群:アミロペクチンおよび250μmのTCPおよび10μgのTGF− β1。 第8群:10μgのTGF−β1および250μmのTCPおよびアミロペク チン。* *第8群は混合順序だけが第7群と異なる。 製剤の調製 実施例1に記載のようにrhTGF−β1を製造した。TGF−β1の活性部 分の個別試料を無菌条件下でpH5.0の20mM酢酸ナトリウム緩衝液中に作 成した。二つの異なる範囲の粒子径のTCPを用いてペースト、5および250 μmを製造した(表示、範囲=それぞれ5−45μmおよび250−500μm )。製造過程を通じて無菌条件を維持した。このTCP顆粒を2.5MRADガ ンマ照射により滅菌した。 異なるエンドトキシンレベル(12EU/gおよび>3500EU/g)を有 する2ロットのアミロペクチン(馬鈴薯、シグマ・ケミカル・CO.)を第1群 および第2群にそれぞれ使用した。第3−8群では12EU/gのアミロペクチ ンのみを使用した。 第7群のためのTCP/アミロペクチンペーストは、滅菌TCP顆粒および滅 菌アミロペクチンを、粒子径<45および250−500μmのTCP顆粒につ いてそれぞれ4:1および2:1(重量)の比で混合することにより製造した。 20mM酢酸緩衝液(pH5)中のTGF−β1溶液のアリコートをこの固体混 合物に加えた。次いでスパチュラおよび板を用いて、均一な塊が得られるまで手 で混合を行なった。各調製物においてTGF−β1溶液の容量は1:0.4(T CPの重量:TGF−β1溶液の容量)の比率で一定に保持した。各動物に投与 されたアミロペクチン/TCPペーストの量は約500mgであり、TGF−β 1 10μgの最終用量であった。 第8群については、充分吸着されるまでTGF−β溶液をTCPと混合し、次 いでアミロペクチンを混合し均質とした。 動物の手術および処置。 上に規定された8群の製剤を使用して実施例4に記載されるように動物の手術 および処置を実施した。製剤は、展性があり、パテの粘度を有し、そして欠損に 適用してその空間を完全に満たした。実施例4に記載のようにラジオグラフィー を実施し、実施例4に記載のように一方の半切片を酸脱灰し、もう一方は脱灰し なかった。 脱灰したおよび脱灰しなかった染色切片を、一般性質および治癒の質、特に異 物巨大細胞反応の存在または不在について評価した。加えて、ゴールドナーのト リクロム染色切片を、実施例4に記載のようにバイオクワントIV(商標)コン ピューター画像解析システムを用いて調べた。さらに、ラジオグラフィーにより 決定された欠損面積をコンピューター画像解析を用いて定量した。 統計学的分析 上記のように統計学的分析を行なった。各群は2ないし3羽のウサギを含んで いた。 結果 組織学的評価 組織病理学的評価の概要を第5表に示す。両方のロットのアミロペクチンは、 異物巨大細胞反応に関して僅かな骨反応を誘発した。対照的に、5μmまたは2 50μmのTCP顆粒を伴うアミロペクチンは、僅かな骨形成および著明な異物 巨大細胞反応の混合反応を誘発した。TGF−β1 10μgを含みTCPを含 まないアミロペクチンが投与された欠損部位は、僅かな異物巨大細胞反応を伴う 大量の新骨形成を示した。アミロペクチンおよび5μmのTCPと共に欠損に投 与された10μgのTGF−β1は、新骨形成および中等度の巨大細胞反応を伴 う変化性の反応を誘発した。TGF−β1 10μgを250μmのTCPと混 合し次いでアミロペクチンと混合した場合は、骨形成の量は、成長因子+アミロ ペクチン製剤と類似のレベルまで増大し、巨大細胞の形成の程度は僅かないし中 等度であった。対照的に、TCPおよびアミロペクチンを最初に混合するという ように混合順序を逆転させると、TGF−β1は、より少ない骨を添加し、より 大きい程度の巨大細胞形成が起こった。 形態計測的測定 形態計測的測定からのデータを第6表および図8に示す。アミロペクチンのど のロットも含まない媒質群では測定は実施されなかった。一般に、250μmの TCPと調合し、次いでアミロペクチンと混合したTGF−β1は、TGF−β 1およびアミロペクチンの組合せを除く他の製剤と比較して、欠損部位において 、はるかに高い程度の骨形成を刺激した。TGF−β1無しの群と比較して、T GF−β1処置された群では、殆どの骨芽細胞および破骨細胞指標が増大した。 ラジオグラフィーによる欠損面積を画像解析技術を用いて決定し図9に示す。 群間の相違は典型的にTGF−β1の存在または不在に依存した。欠損面積は、 250μmのTCP顆粒を含む非TGF−β1処置群について、より小さくなる 傾向があった。しかしながら、初めの二つの群、即ち2ロットのアミロペクチン 単独の群を除いた全ての群では、TCP顆粒の放射線不透過性のため、ラジオグ ラフは形態計測的な解釈が困難であった。 要約すると、この研究からの結果は、アミロペクチン中に存在するエンドトキ シンの量は巨大細胞形成の量に影響せず、したがってアミロペクチンがTCPお よびTGF−β1のための適当な担体に相違ないということを示している。対照 的に、5μmおよび250μmのTCPは、低エンドトキシンのアミロペクチン と混合する時、巨大細胞の形成を誘発した。250μmのTCPはTCP粉末( 粒子<45μm)を含むということが後からわかった。巨大細胞形成の程度は5 μmTCPよりも250μmTCPの場合の方がより低いのであるから、いかな る一つの理論にも限定されないとすると、250μmTCP製剤中のTCPの小 さ な顆粒が巨大細胞形成のレベルに寄与しているかも知れないと信ぜられる。 ラジオグラフから測定された欠損面積は、アミロペクチン単独または5μmT CP顆粒単独が投与された群の間で似通っていた。アミロペクチンおよび250 μmTCP顆粒(TGF−β1有りまたは無し)が投与された部位についての欠 損面積は似通っており、全てが、5μmTCP顆粒単独またはアミロペクチン単 独が投与された部位より小さかった。 形態計測的パラメータは、TGF−β処置された群の間では似通っていた。8 枚の顕微鏡スライドの組織病理学的調査は、250μmTCP中に調合されたT GF−β1の全体的反応は、5μmTCP中に調合されたTGF−β1のそれよ り良好であることを示した。TGF−β1有りまたは無しのアミロペクチン中の 5μmTCPでは、中等度ないし甚だしい巨大細抱異物反応が観察された。 これらのデータは、TCP/アミロペクチンはTGF−βのための担体として 機能し、且つ骨欠損を横切って容易にその上に骨が形成されるマトリックスを提 供することを示している。 実施例9 この研究の目的は、骨形成に関するウサギ長骨モデルにおいて、欠失に近い大 きさの展性パテに形作られた、アミロペクチンを伴うTCP顆粒(5μmまたは 250μmの表示粒子径)中に取り込ませた場合のTGF−β1の効果を評価す ることであった。欠損部位をラジオグラフィーに付し、組織形態計測的測定用に 処理した。TGF−β1およびTCP/アミロペクチンの供給源および調製。 実施例1に記載のようにrhTGF−β1を製造した。rhTGF−β1の活 性部分の個別試料を無菌条件下で20mM酢酸ナトリウム緩衝液中にpH5.0 で調製した。アミロペクチンを水に加え、100−120℃のオートクレーブ中 で30分以上滅菌することにより、アミロペクチン(馬鈴薯、シグマ・ケミカル ・Co.)の4%溶液を調製した。この溶液を0.22μmの膜で濾過した。水 分を全て取り除くため、この滅菌アミロペクチン溶液を凍結乾燥した。 無菌TGF−β1溶液を、実施例5に記載のように、無菌フィルターユニット で5℃で2時間無菌インキュベーションすることにより、TCP顆粒(125− 250μm)上に吸着させた。アミロペクチンをTCP顆粒と無菌的に混合し、 ここにTGF−β1溶液を吸着させ、板およびスパチュラを用いて均質とした。 アミロペクチン、TCP、およびTGF−β1溶液からの水の容量の割合はT CPの粒子径によって変わった。この研究においては三つの範囲の粒子径、<5 μm、≧75μm、および≧125μmを用いた。TCP:アミロペクチンの割 合(重量)はTCP粒子が<5μmである時1:0.25であった。混合に要す る水のパーセンテージは30%(容量/固体の総量の重量)であった。より大き な粒子径(≧75μmおよび≧125μm)のTCPについては、TCP:アミ ロペクチン:TGF−β溶液(重量/重量)の比は1:0.5:0.5であった 。 TCP/アミロペクチン製剤からのTGF−βの放出。 図10は、250ないし400μm粒子径のアミロペクチン/TCP製剤から 、正常なヒト血清(白抜きの丸)へ、そして0.5%牛血清アルブミン(BSA )を含有する燐酸緩衝化食塩水(PBS)へ、時間を追って放出されたTGF− βのパーセントのグラフを示す図である。TGF−βの放出は標準的ELISA 法によって測定した。TGF−βは、PBS中よりもはるかに速やかに正常ヒト 血清中に、TCP/アミロペクチンから放出されることがわかる。 動物の手術および処置。 ウサギにおける長骨破断の修復のモデルを、レモンズ等、上記、の提供するモ デルに基づいて考案した。全ての研究はAAALACの指針に従って実施された 。雄性ニュージーランドホワイトウサギ(2.8−3.2kg)(エルクホーン ・ラビトリー、ワトソンヴィル、CA)を0.75ml/kgのハイプノーム( 商標)ブランドの麻酔薬(ジェンセン・ファーマシューティカ、ビアサ、ベルギ ー)で麻酔した。各ウサギの右前肢を剃毛し、手術のために無菌的に準備した。 前腕(橈骨/尺骨)の前内側面に切開を施し、皮膚を外側に折り返した。橈骨周 囲の筋肉を視野から緩く折り返し、約1.5cmの橈骨を露出させた。骨辺縁の 過熱を防ぐため、穿孔の間生理食塩水で充分潅注しながら、電気ドリルを用いて 橈骨中幹を10mm部分だけ取り出した。隣接する尺骨を損傷しないよう注意し た。骨を10mm部分だけ取り出した後、この間隙に滅菌ガーゼを詰めて止血を 促した。 骨の小さな破片を取り除くため、その後この欠損部位を潅注した。 最初の予備調査では三つの群を評価した。媒質対照群は、アミロペクチンと混 合して均質とした滅菌TCP(粒子径125μm)からなる製剤で処置した。T GF−β1処置群は、上記のように調合したTCP、アミロペクチン、およびT GF−β1 15μgの混合物で処置した。第三の処置群は、いかなる処置も行 なわない10mmの欠損で構成された。TGF−β1、アミロペクチン、および TCPを含む製剤は、展性であり、パテの粘度を有し、空間を完全に満たすよう 欠損に適用された。折り返した筋肉を元の場所に縫合し、皮膚を4−0絹糸で閉 鎖した。ウサギを檻に戻し回復させた。 手術の直後およびその後1週間毎に各ウサギの手術部位をラジオグラフィーに 付し、治癒を監視した。28日後、ウサギをバルビツール酸塩の過量投与で安楽 死させ、橈骨および尺骨を摘出し、過剰の軟組織(即ち筋肉)を骨および欠損部 位から切り取って除去した。部位を10%中性緩衝化ホルマリンで固定した。次 いで、固定された組織試料を、酸脱灰(イージー−カット(商標)試薬、アメリ カン・ヒストロジー・リエイジェント・Co.、モデスト、CA、を使用)し、 連続切片をヘマトキシリンおよびエオシンを使用する日常的組織学的方法により 処理して4μm切片を染色した。 脱灰した染色切片を、一般性質および治癒の質について評価した。加えて、欠 損の中心から採取された代表的な縦の切片を、バイオクワントIV(商標)コン ピューター画像解析システムを用いて調べた。TBV、%OS、%OV、OW、 %Ob/Ost、%Ob/TS、TRS、および#Oc/SLを包含する、選択 された骨の形成および吸収の指標を測定した。全動物からの切片を、欠損の骨縁 および欠損内の領域全体から選択された視野を系統的に評価する無作為層化抽出 法を用いて組織形態計測的に分析した。視野は、欠損領域内の各視野が、選択さ れる可能性が等しくなるよう、格子図形を用いて選択した。ほぼ等しい数の視野 が、対照および処置された欠損の両者について評価された。 統計学的分析 上記のように統計学的分析を行なった。各群は3ないし4羽のウサギを含んで いた。 結果 ラジオグラフィーからの予備調査結果は、TCP+アミロペクチンと共に調合 されたTGF−β1が投与されたウサギにおいては、非処置対照またはTCP+ アミロペクチンのみによる群よりも速やかに欠損が満たされたことを示している 。TGF−β1が投与された欠損は、21日目までに放射線不透過性物質で充填 される傾向があり、一方TCP+アミロペクチンのみが投与された欠損は、21 または28日目においてラジオグラフィーの不透過性がより低かった。処置され なかった欠損は28日の観察期間内に僅かな充填を示した。TGF−β1/TC P/アミロペクチン製剤は、全てではないにしても調査された殆どの組織形態計 測的パラメータを他の二つの対照製剤より著しく増大させると予想されるという 点で、組織学的データがラジオグラフィーデータを確かにすると予想される。 TGF−βをTCPおよびアミロペクチンの混合物に添加するのではなく、ア ミロペクチンの添加前にTCPをTGF−βでまず湿らせることの結果は、より 良好な薬理効果であった。いかなる一つの理論にも制限されないとすると、TG F−βを最初にTCP上に吸着させる製造の、より良い効果は、TGF−βが存 在するTCP粒子の周りに骨芽細胞が形成される能力に起因する。 これらのデータはさらに、TCP/アミロペクチンがTGF−βのための担体 として機能し、且つ骨欠損を横切ってその上に骨が容易に形成されるマトリック スを提供することを示している。TCP/アミロペクチン製剤は、ゼラチンを用 いた製剤ほど早く融解せず、また、大きなTCP顆粒を均一に分散させ、それで いてパテのように通常の欠損に順応しその形となり得るという点で好ましい。 実施例10 この研究の目的は、コラーゲンおよびTCP中にTGF−βを調合することで ある。 コラーゲンCN(プロデックス・Inc.、プリンストン、NJ)をエチレン オキシドで滅菌した。実施例4の記載のように製造されたrhTGF−β1溶液 の適当なアリコートを、板およびスパチュラを用いて無菌的にTCP(≦5μm )およびコラーゲンと混合することにより、マトリックスを製造した。TCP: コラーゲン:水の割合は6:1:6(重量:重量:容量)であった。必要な水の 容量を滅菌TGF−β1溶液で置き換えた。ウサギ頭骨欠損モデルに投与するこ とのできる最終用量は、欠損の大きさに応じてTGF−β1約8−10μgであ る。各被験動物中のTCP粉末の量は約500−750mgとすることができる 。 ラジオグラフィーデータは、上記のウサギ頭骨欠損モデルにおいて、コラーゲ ン+TCP+TGF−β 10μgの製剤がコラーゲン単独よりも有意に(p< 0.05)有効であることを示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,L K,LV,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO ,RU,SD,SK,UA,UZ,VN (72)発明者 ニューエン、チュー・エイチ アメリカ合衆国カリフォルニア94402、サ ン・マテオ、キャニアン・オーク・コート 1816番 (72)発明者 オングピパッタナクル、ブーンスリ アメリカ合衆国カリフォルニア94402、サ ン・マテオ、アパートメント202、ドゥ・ セイブル・ロード10番 (72)発明者 ラッドマン、クリストファー・ジー アメリカ合衆国カリフォルニア94131、サ ン・フランシスコ、ビーコン425番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.有効量のトランスフォーミング成長因子βおよび燐酸三カルシウムを含む 骨誘導製剤。 2.燐酸三カルシウムが粒子の形である、請求項1に記載の製剤。 3.該粒子が顆粒または粉末である、請求項2に記載の製剤。 4.トランスフォーミング成長因子βが該顆粒または粉末上に吸着されている 、請求項3に記載の製剤。 5.燐酸三カルシウムが約120ないし500μmの直径を有する顆粒の形で ある、請求項3に記載の製剤。 6.製剤の粘度を増すための有効量のポリマーをさらに含む、請求項1に記載 の製剤。 7.該ポリマーがアミロペクチン、ゼラチン、コラーゲン、アガロース、また はこれらのポリマーの2またはそれ以上の混合物である、請求項6に記載の製剤 。 8.該ポリマーが使用前に凍結乾燥されている、請求項7に記載の製剤。 9.約140mgないし約50gの燐酸三カルシウム粒子上に吸着された約0 .5μgないし約5mgのトランスフォーミング成長因子βを含む骨誘導製剤。 10.約1μgないし約3mgのトランスフォーミング成長因子βが燐酸三カ ルシウム粒子上に吸着されている、請求項9に記載の製剤。 11.粒子の大きさが約120−500μmである、請求項9に記載の製剤。 12.粒子の大きさが約125−250μmである、請求項9に記載の製剤。 13.約0.5μgないし約5mgのトランスフォーミング成長因子β、約1 40mgないし約50gの燐酸三カルシウム粒子、および約0.1:1ないし1 :1のアミロペクチン:燐酸三カルシウムの範囲の量のアミロペクチンを含む骨 誘導製剤。 14.アミロペクチンの量が約0.25:1ないし0.5:1のアミロペクチ ン:燐酸三カルシウムの範囲である、請求項13に記載の製剤。 15.粒子の大きさが約75μm以上であり、燐酸三カルシウム:アミロペク チン:TGF−β溶液の比率が約1:0.5:0.5である、請求項13に記載 の 製剤。 16.粒子の大きさが約120−500μmである、請求項13に記載の製剤 。 17.トランスフォーミング成長因子βの液体溶液の有効量を、燐酸三カルシ ウムの顆粒と、トランスフォーミング成長因子βを該顆粒上に吸着させるに充分 な時間混合し、得られた混合物を有効量のアミロペクチンと接触させることから なる、トランスフォーミング成長因子βの骨誘導製剤を製造する方法。 18.顆粒の大きさが約100μmより大きい、請求項17に記載の方法。
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