JPH08507331A - カードがけ可能な疎水性ポリオレフィン繊維 - Google Patents
カードがけ可能な疎水性ポリオレフィン繊維Info
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Abstract
(57)【要約】
カードがけ可能な疎水性のポリオレフィン系ステープルファイバーを製造する方法であって、紡糸されたフィラメント繊維に帯電防止剤特に中性化された燐酸のエステルを含む第1紡糸仕上剤適用し、フィラメント繊維を延伸、延伸フィラメント繊維に1)帯電防止剤、2)40〜120°Cの融点をもつ天然若しくは合成炭化水素ワックス又は少なくともこのような炭化水素ワックスであって40〜120°Cの範囲の融点をもつワックス混合物、及び随意的に3)ポリジオルガのシロキサンを含む第2紡糸仕上剤を適用し、フィラント繊維の捲縮、乾燥、及びフィラメント繊維を切断してステープルファイバーとする製造方法、この方法で造られるステープルファイバー、及びこの繊維から造られる不織布。この発明は、制御された摩擦特性及び疏水性特性を有する繊維、及び優れた疏水特性有する不織布を高速度のカードがけによる製造が可能にするものである。
Description
【発明の詳細な説明】
カードがけ可能な疎水性ポリオレフィン繊維
技術分野
本発明は、カードにかけることができ、熱結合が可能なポリオレフィン系(p
olyolefin−based)合成繊維に静電防止剤及び疎水性処理剤でか
らなる疎水性の紡糸処理剤で処理されたポリオレフィン系合成繊維及びこの繊維
の製造方法及びこの繊維から調製された不織布に関する。
本発明の繊維は、高速度でカードにかけることができ、特に液体の非透過材料
として機能するドライで、撥水性の表面が望まれる、使い捨ての襁褓、婦人用の
衛生物品用におけるサーモボンドタイプの疎水性不織布の製造に適している。ま
た、この繊維はバクテリアの侵入を減少させる目的でドライで撥水性の表面であ
ることが望まれる医療用衣及び掛け布といった医療用のサーマルボンド不織布の
製造に適している。
発明技術の背景
多数のポリオレフィン系疎水性繊維が、例えば汚れ、しみに対する抵抗性を有
する疎水性の紡織繊維として知られている。しかしながら、一般に、これらの繊
維はカチオン系帯電防止剤(例えば、アルキルアンモニウム塩、、脂肪酸とエタ
ノールアミンとの縮合生成物及びアルキルインミダゾール塩)を含んでいる。こ
のようなカチオン系帯電防止剤は、人の皮膚を刺激する性質、非中性のpH及び
アレルギー反応を起こすものと疑われているジ若しくはトリエタノールアミンを
放出するので、衛生及び医療製品としては、毒物的な理
由で望ましくないかあるいは適当なものではない。特に、カードにかけ易い性質
と満足な疎水性を兼有した繊維は、未だに得られていない。これは疎水性繊維が
特に高速度カードを用いてカードがけされることが望まれる多くの応用分野で特
に重要である。
衛生製品は、例えば使い捨ての襁褓、衛生ナフキン(sanitary na
pkin)、成人用失禁パッド等衛生製品は、吸収芯材により吸収される流体が
浸透しないバリヤー、例えば脇ガード(side guards)、その他の構
造部材若しくは裏布材を皮膚と反対の面の裏シートとして備えている。このよう
な裏布材は、疎水性のステープルファイバーから調製される不織布若しくは疎水
性高分子から直接製造されるスパンボンドからなるものであることができる。
しかしながら、スパンボンド材料は、非常に平坦で、またフィルム様であり、
不織布類に有りがちな柔軟、均一性、紡織繊維用の快適さに欠けるところがある
。それが故に、スパンボンド布帛は、使用者の肌と接触する液体隔離材としては
最適な材料ではない。ステープルファイバーによる不織布類については、ステー
プルファイバーは、紡糸プロセスの過程で繊維を潤滑にし、帯電防止性を備えた
ものにする紡糸仕上剤で処理されるので、液体隔離材用としては充分に疎水性で
はない傾向がある。しかしながら、紡糸仕上剤の適用の結果、繊維は幾分親水性
になり、現背景のもとでは好ましものではない。一方、望ましいレベルの疎水性
度の繊維は、最適の帯電性を備えてはおらず、それが故にまた親水性繊維のカー
ドがけに適用されている典型的な高速カーデイングにおいていう真の意味でカー
ドにかかるものではない。
米国特許第4、938、832号明細書は、疎水性のポリオフィン含有短繊維
若しくはフィラメント繊維の調製方法を記載している
。この調製方法において、紡糸された短繊維乃至フィラメント繊維は、重量で7
0〜100%の少なくとも低級アルキル基を含む中性燐酸エステル及び重量で3
0%までの少なくとも一つの疎水性の末端基を有するポリシロキサンとを含む第
1の改質剤で処理、次いで重量で70〜100%のポリシロキサンと重量で30
%までの中性燐酸エステルとを含む第2の改質用組成物で処理されている。
EP 0 486 158A2明細書は、ポリオレフィン含有の疎水性短繊維
若しくはフィラメント繊維の同様の製造方法を記載しており、紡糸短繊維若しく
はフィラメント繊維が重量で4%の少なくとも1つの低級アルキルを含む中性燐
酸エステルと重量で60〜100%の疎水性の末端基を有するポリシロキサンと
を含む第一の改質組成物で処理され、次いで重量で50〜100%の中性燐酸エ
ステルと重量で0〜50%のポリシロキサンを含む第二の改質組成物で処理され
ることが記載されている。
EP 0516 412 A2明細書は、ポリオレフィン含有繊維の表面の平
滑性と帯電防止性をアルキル化ポリオール、水溶性のエステル又はポリオール若
しくはポリオールの誘導グリコールから誘導されたポリエステルを含む平滑仕上
剤を適用することにより改良する処理方法を記載している。ポリシロキサン及び
中性の燐酸エステルも任意的にこの繊維に適用することができる。
EP 0557 024 A2明細書は、中性の燐酸エステルを含む帯電防止
剤で、必要なら鉱物油、パラフィンワックス、ポリグリコール、及びシリコーン
の群から選ばれる平滑剤の共存下に処理されたポリオレフィン繊維であって、少
なくとも102mmの静水圧値を有する繊維を記載している。
特開平3(1991)−69672号公報(特許出願No.89/20538
0)は、バインダー繊維用の、重量で20〜45%の
炭素数12以上のアルキル燐酸エステル、重量で20〜70%の乳化剤5〜30
%を含むMW1,000〜10,000、酸価5〜50の、乳化剤5〜30%を
含むカルボキシ基変性ポリエチレンワックス、重量で5〜10%の高級アルコー
ル、それに必要なら重量で2〜5%の改質ジメチルシリコーンとを含む処理剤を
記載している。この処理剤は、カーデイングに先立って繊維に適用されるので、
繊維の製造で使用される紡糸加工剤ではない。この技術で使用されるカルボキシ
ル基変性ワックスは、比較的乳化し易いが、比較的融点が高く又幾分親水性であ
るので、疎水性繊維の製造に用いる紡糸油剤としては不利なものである。高級ア
ルコールは、高分子量カルボキシル化変性ワックスの存在による摩擦逓減をたす
ける目的で、処理剤に添加されているようである。
特開平4(1992)−24463号公報(特許出願No.86/84081
)は、紡糸油剤が塗布されたポリエステル繊維を記載しており、この紡糸油剤は
、重量で40〜85%の少なくとも一つの融点が30〜150°Cの中性オイル
、重量で5〜30%のカチオン界面活性剤、及び残余量の乳化剤からなる。しか
しながら、前述したように、カチオン系界面活性剤は人間の衛生若しくは医療用
製品には望ましいものではない。
前述した刊行物に記載された全ての繊維は、疎水性と帯電防止性の性質につい
て種々の程度、組合せを提供している。しかしながら、これらの繊維は、最適の
疎水性と帯電防止性の組合せを最適の強度と疎水性を有する不織布の製造、特に
高速のカーデイング手段によって製造するのに望まれる最適の疎水性及び帯電防
止性の組合せを一つとして示してはいない。
それ故、本発明の一つの目的は、特に衛生用品用途に、改良されたカード特性
をもち、卓越した強度を示す不織布を製造するために
使用できる疎水性の、サーモボンド可能な合成繊維を提供することである。本発
明の更なる目的は、紡糸繊維の疎水性、繊維/繊維及び繊維/金属の間の摩擦特
性を制御することができ、それによってこの繊維を含む不織布において、繊維の
最適の分散及び強度が得られる方法の提供にある。
発明の開示
本発明の一つの形態は、カードがけ可能な、疎水性のポリオレフィン系ステー
プル繊維を製造する方法であって、下記のステップからなる方法である。
a.紡糸された繊維に帯電防止剤を含む第1紡糸仕上剤処理を適用すること、
b.フィラメント繊維を延伸すること、
c.延伸フィラメント繊維に、i)帯電防止剤、ii)中性若しくは40〜120
°Cの範囲の融点を有する中性若しくは合成炭化水素ワックス又は少なくとも4
0〜120°Cの範囲の融点を有する一つの炭化水素ワックス、、を含むワック
ス混合物及び要すればiii)ポリジオルガノシロキサンとからなる分散体である
第2紡糸仕上剤処理を適用すること、
d.フィラメント繊維を捲縮すること、
e.フィラメント繊維を乾燥し、そして、
f.フィラメント繊維を切断してテープル繊維を得ること。
本発明の、第二の形態は、前述の方法によって得られる繊維に関し、該繊維は
テクスチャー加工され、カードにかけることができるポリオレフィン系繊維であ
って、その表面に繊維の重量の0.1から0.5%の帯電防止剤、0.1〜0.
35%の40〜120°Cの溶融点を有する天然若しくは合成炭化水素ワックス
又は40〜1
20°Cの溶融点を有する少なくとも一つのそのような炭化水素ワックスからな
るワックス混合物、繊維重量の0〜0.25%のポリジアルキルシロキサン及び
繊維重量の0.001〜0.10%の乳化剤を担持してなるポリオレフィン系繊
維である。
本発明の更に他の形態は、疎水性の不織布であって本発明の繊維からなる疎水
性不織布材料に関係する。
本発明の更に他の形態は、本発明の繊維を加工処理して結合(bonding
)用のウエブを得そしてその結果得られたウエブをサーモボンド(thermo
bonding)して疎水性不織布を得ることからなる方法に関係している。
本発明の繊維は、公知の疎水性繊維に比べて帯電紡糸性が優れたものであるこ
とが見いだされ、それ故、親水性ステープル繊維に典型的に用いいられるカード
がけ速度に匹敵する高速度でカードにかけることができる。
繊維の高速でのカードがけ適合性は、また第2紡糸仕上剤の組成を変化させる
ことによって得られる繊維の繊維/繊維間及び繊維/金属間の制御された摩擦特
性によるものである。更に、この繊維から調製されるウエブは、機械方向及び機
械を横切る方向の双方向で繊維が均一に分散したものであり、かつこれらのウエ
ブがカレンダーボンデイング法によりサーモボンド(thermobonded
)されたとき、改良された強力と優れた疎水性度を有する不織布が得られること
が判明した。
本発明により調製された繊維は、白色(無着色)または着色繊維(色料による
着色)のいずれであってもよい。
発明の詳細な開示
用語「ポリオレフィン系(polyolefin−based)
」、「ポリプロピレン系(polypropyrene−based)」及び「
ポリエチレン系(polyethrene−based)」は、本発明の繊維が
ポリオレフィン又はこのコポリマーを指し、その範疇にアイソタクテックポリプ
ロピレンホモポリマー、同様にそれとエチレン、1−ブテン、4−メチル1−ペ
ンテン等とのランダムコポリマー、そして高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、リニア低密度ポリエチレンのような各種密度のリニアポリエチレンンを含
む。ポリオレフィン系繊維の調製に用いられる溶融物は、各種の汎用繊維添加剤
例えばステアリン酸カルシウム、酸化防止剤、及び白色体質顔料、酸化チタン等
の着色料を含む顔料を含有するとができる。
疎水性繊維は、単一成分繊維であることも2成分(バイコンポーネント)繊維
であることもできる。後者は例えば鞘芯型バイコンポーネント繊維といわれ、芯
部が偏心しているか同心(実質的に中心)のいずれかである。2成分繊維は典型
的に芯部と鞘部を有し、それぞれポリプロピレン/ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン/リニア型低密度ポリエチレン、ポリプロピレン/ランダムコポリマー/
ポリエチレン、又はポリプロピレン/ポリプロピレンランダムコポリマーからな
る。
繊維の紡糸は、好ましくは汎用の溶融紡糸(long spinningで知
られる)、特に中程度の速度の汎用紡糸で行なわれる。汎用の溶融紡糸は2工程
プロセスで、第1工程は繊維の溶融押出し紡糸である。第2工程は紡出した繊維
の延伸であって、繊維の紡糸と延伸とを単一の工程で行なう所謂、短縮紡糸(s
hort spinning)とは対照的な方法である。
紡糸では、繊維の溶融成分はそれぞれの押出機から、分配システムを通って紡
糸口金の紡糸孔を通過する。押し出されたメルトは冷
却筒空気流により、冷却、固化されると同時にフィラメント、典型的には数百本
のフィラメンントの束に集束される。冷却筒以後の紡糸速度は代表的には少なく
とも約200m/min,典型的には約400〜2500m/minである。フ
ィラメント繊維は固化の後、アプリケータロールにより第1紡糸仕上剤で処理さ
れる。
汎用の紡糸法における延伸は、所謂、切り離した延伸、前述の如く、紡糸工程
から切り離して、オフラインの延伸で行なわれる。典型的には、延伸工程は熱ロ
ールと熱オーブンが関与して、多数のフィラメントの束が同時的に延伸される。
フィラメントの束は、先ず一組のロールを通過して、次いで熱空気オーブン通り
、次いで第2の組ロールを通る。熱ロール、熱オーブン共に、典型的には、約5
0〜140°C,例えば70〜130°Cの温度で繊維の種類に応じて選択され
る。例えばポリプロピレン繊維では115〜135°C、ポリプロピレンとポリ
エチレン繊維では55〜105°C,ポリプロピレン/ポリケチレンのバイコン
ポーネント繊維では110〜120°Cの温度が選ばれる。
第2の対ロールの速度は、第1の対ロールの速度より速い、そして加熱された
フィラメント繊維束は、この2つの速度の比(引張り比又は延伸比)にしたがっ
て延伸される。第2オーブンと第3の対ロールも用いることができる(2段延伸
)。この場合、延伸比は最後の対ロールと最初の対ロール間の速度比である。同
様に、対ロールとオーブンを更に追加して用いることもできる。本発明の繊維は
、典型的には、約1.05:1〜約6:1、例えばポリプロピレン繊維では約1
.05:1〜2:1、ポリエチレン繊維及びポリプロピレン/ポリエチレンのバ
イコンポーネント繊維では2:1〜4.5:1の延伸比で、適当な細さ、すなわ
ち約1〜7dtex、典型的には約1〜5dtex,更に典型的には1.6〜3
.4dtex
に延伸される。延伸後、フィラメント繊維束は、アプリケータロールを用いて第
2紡糸仕上剤で処理される。
延伸繊維のテクスチャー化(捲縮)は、繊維に波形状を付与することでカード
がけに適合させる目的で行なわれる。効果的なテクスチャー化、すなわち繊維中
の比較的多数の捲縮は、典型的には少なくとも80m/分、少なくとも100m
/分、多くの場合少なくとも150m/分又は200m/分若しくはそれ以上の
速度でのカーデイング機での高速プロセスを可能にし、かくして高度の生産性が
可能ならしめられる。
捲縮の付与は、いわゆるスタファーボックス(stuffer box)を使
用して行なうのが普通である。フィラメント繊維の束は、一対の加圧ロールによ
り、捲縮室であるスタファーボックスに送られ、そこで繊維は捲縮室内部で前進
させられないが故に結果的に生じる圧力により捲縮される。捲縮の程度は、スタ
ファーボックス手前のロールの圧力、スタファーボックス内の温度、圧力及びフ
ィラメント束の太さにより制御することができる。他に、フィラメント繊維をジ
ェット空気流によりノズルを通過させるエアジェット加工することもできる。
本発明の繊維は、典型的には、クリンプ数が約5〜15クリンプ/cm、特に
約7〜12クリンプ/cmの水準でテクスチャー加工されている(クリンプ数は
、繊維中の屈曲の数)。
繊維は、例えば押込式捲縮加工法で捲縮を付与された後、繊維は延伸、テクス
チャー加工後においても存在するテンションを減少させるために、通常、熱処理
で固定され、加工効果を恒久的なものにされる。繊維の固定、乾燥は、代表的に
はスタファーボックスからのフィラメント繊維束を、例えばコンベアベルトで、
熱−空気オーブンを通過させることによる同時的なものであってもよい。オーブ
ンの温度は、繊維の組成による。しかし繊維を構成するポリマーの溶融点以下の
温度または(バイコンポーネント繊維の場合)低融点成分の融点以下の温度であ
るべきは当然である。繊維は、捲縮形状で固定される結晶化過程に置かれ、かく
してテクスチャアー加工効果が恒久的なものとされる。熱処理は、紡糸仕上処理
で持ち込まれた水をある程度の除去する。本発明の繊維に特に大切なことは、乾
燥プロセスがワックス成分(ポリジオキシシロキサンと共に)を溶融せしめて、
フィラメント繊維の表面に均一に分散させるという事実である。フィラメント繊
維は、通常繊維のタイプ等にもよるが、代表的には90〜130°Cの温度範囲
、典型的には95〜125°Cの温度で乾燥される。
固定され、乾燥されたフィラメントの束は、次いで、カッターに送られ、所望
長さのスレープルファイバーに切断される。通常、切断は繊維を放射状に配置し
たナイフを設けたホイールを通過させて行なわれる。繊維はロールからの圧力に
よるナイフに押しつけられ、かくして所望の長さ、ナイフ間の距離に等しい長さ
に切断される。本発明の繊維は、典型的には、カーデイング機にかけられる繊維
の細さによるが、約18〜150mm、もっと典型的には約25〜100mm、
特に約30〜65mmの長さのステープルファイバーにカットされている。約3
8〜40mmの長さが、多くの場合、約2.2dtexの細さの繊維では適当で
ある、約45〜50mmの長さが、約3.3dtexの繊維には適当である。
紡糸仕上剤及びポリマー繊維の延伸の主な要求条件には、一般に以下の条件が
含まれる。
1.繊維は紡糸、延伸の過程又はカーデイング工程の間、静電的に帯電しない
量の帯電紡糸剤を含んでいなけらばならない。アニオン性、カチオン性及びノニ
オン性の帯電紡糸剤は全て紡糸仕上剤に
利用できる(カチオン性剤は、前記した理由で本発明の目的には好ましいもので
はない)。
2.フィラメント繊維が束に保たれ、フィラメント繊維に絡み合いのない加工
を許すに充分な量の集束付与剤を含んでいなければならない。この目的で、中性
植物油、長鎖のアルコール、エーテル、エステル及びノニオン表面活性剤がしば
しばこの目的採用される。
3.加工中、フィラメント繊維が擦れたり毛羽立たないように、繊維の製造工
程の間、繊維/繊維、繊維/金属間の摩擦を規制する成分を含んでいなければな
らない。特に、紡糸過程での繊維/金属間の摩擦、延伸ロールに対する繊維/金
属間摩擦、及び捲縮機での繊維/繊維間と繊維/金属間摩擦を規制することが必
要である。ポリエチレングリコール脂肪酸のモノ又はジエステル(換言すると中
程度のHLB値〔hydrophilic−lipophilic balan
ce〕、例えばHLB値約5〜15をノニオン表面活性剤)がしばしば用いられ
る。上記の集束付与剤は、摩擦に影響する。
4.水性液中で水で親油性成分を保つ乳化剤又は界面活性剤が必要である。そ
うでなければ、アニオン活性剤の効果が非常に逓減する傾向にあり、更に、フィ
ラメント繊維の表面に充分なる湿潤作用を与えるために、紡糸仕上剤を希釈して
粘度を下げ、通常この溶剤は水である。
紡糸仕上剤は、カーデイング工程の間の繊維/繊維間、繊維/金属間の摩擦の
調整にも役立つ。一般に、紡糸、延伸に用いられる紡糸仕上剤は、カーデンング
以前に他に加工するとを必要としないように適用される。
本発明は、帯電紡糸剤、集束付与剤、油及び水の量、そして又繊維/繊維及び
繊維/金属間の摩擦に関して上述の要請を満たす紡糸
と延伸工程の両方に係わる紡糸油剤に基づいている。これらの紡糸仕上剤は、カ
ーデイングの間の加工を助ける機能を有し、充分なるカーデイングを得るに必要
な繊維/繊維間、繊維/金属間の摩擦特性を繊維に付与するという利点をもって
いる。その結果、比較的高速のカーデイング速度を用いてさえ、繊維が均一に分
散したカードウエブが得られる。
本発明の方法において、帯電防止剤の大部分は、紡糸段階で適用され、ワック
ス(ポリジオルガノシロキサンと同様)は、延伸段階のみで適用される。この考
え方を採用するのにはいくつかの理由がある。先ず第一に、紡糸段階でのワック
スの使用は、紡糸と延伸の双方で問題を起こす:
1.紡糸の間、繊維/金属の間の摩擦が増加し、ワックス成分の一部はフィラ
ンメント繊維の束と接触する種々の機械要素の表面に沈積する。紡糸過程のワッ
クスの沈積は、フィラメント繊維束を粘着性にするので繊維が独りでに粘着する
ことになる。これが起こると、繊維の束は2工程プロセスにおいて延伸されるべ
きときに、カン(多数の束を同時に延仲できる程までに蓄積する容器)から取り
出しにくくなる。
2.延伸の間、ワックスの沈積物が、加熱ロール及び束が接触する他の機械部
分に形成される。これは、フィラメントの束が延伸プロセスの間に加熱されるか
らである。高温において、水のある部分は適用した紡糸仕上剤から蒸発して、溶
融ワックスの膜がロール等に容易に沈積する。これが起こると、フィラメントの
束とロール表面との間の摩擦が繊維の延伸に必要な延伸力の維持に必要なレベル
以下にまで減少する。若し、繊維がロールの表面に沿って滑るようなことが起こ
ると、繊維は明らかに延伸されない。
紡糸プロセスにおけるシリコーン化合物の使用も又紡糸と延伸の
問題を起こす:
1.紡糸の間、シリコーンは摩擦を減少させる働きをするものであり、結果と
して、フィラメントの束は、ロールによって前進させられるよりもむしろ種々の
駆動ロールに沿って滑るだろう。その結果として、繊維を押出機から所定の低速
で引っ張り出すことができなくなる。これは、特に汎用の紡糸法で、高速が適用
された場合にあてはまる。
2.延伸の間、紡糸段階で適用されたシリコーンはワックスと同じ負の効果を
奏する。フィラメントの束と延伸ロールとの間の摩擦は減少し、周知のシリコー
ンによるスリップを起こすことになる。
比較的疏水性の帯電防止剤とごく少量の集束付与剤を紡糸工程で適用すること
のみによって(すなわち、ワックス又はシリコーンの意味のある添加なしに)、
上述の加工上の問題を回避できる。この(比較的疏水性の)帯電防止剤は、充分
な帯電防止性をもたねばならいし、フィラメント繊維の集束に寄与しするもので
なければならないが、機械に沈積問題に到るような高分子量のものであってはな
らない。
第2紡糸仕上剤は、繊維が静電気の蓄積なしにカードにかけられ得る程度に充
分な帯電防止性を付与するある最低限量の帯電防止剤を含まなければならない。
更に、第2紡糸仕上剤は、一つ又は2つの疏水性成分を(ワックス、又は任意量
のポリジオルガのシロキサン)、それにより仕上げ繊維、そしてカードにかけら
れ、この繊維から調製されるサーモボンド不織布が充分な疏水性をもつように、
含まなければならない。
このプロセスの性質は、ワックスとポリジオルガノシロキサンの相対量につい
てある限界を強要する。ワックスの過剰量は、繊維/繊維間の摩擦、そして特に
捲縮機での繊維/金属間摩擦を増大させ
て、発熱の増大とフィラメントを溶融して合体させ破壊させるに到る。この摩擦
の条件は、高速のカーデイングにとっても障害となる。カーデイング特に高速度
のカーデイングの間、摩擦による発熱は最小限に保たれていることが重要である
。過剰量のポリジオルガノシロキサンは捲縮機における摩擦、カーデイングの間
の摩擦を減少させるが、過剰量のポリジオルガノシロキサンを有する繊維は、滑
り易く、延伸やカードがけを難しくする。このような繊維への捲縮付与は、ある
最小限の繊維/金属間の摩擦を必要とするので、捲縮機でのテクスチャー加工を
困難なにする。
同様に、疏水性度は一方では帯電防止剤量、他方では疏水性成分(ワックス及
びポリジオルガノシロキサン)の間の限度範囲を決める。紡糸領域での紡糸仕上
剤(第1紡糸仕上剤)は、帯電防止性と平滑性仕上げであり、できるだけ疏水性
でなければならない。上述の如く、紡糸仕上剤でアニオン性、カチオン性及びノ
ニオン性の帯電防止剤を用いることは、知られたことである。ノニオン性帯電防
止剤は、例えばポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールアル
キルエステルがある。これらのノニオン性帯電防止剤は、高度に耐熱性で良好な
平滑化性をもっているが、アニオン性及びカチオン性の帯電防止剤に等しい効果
的な帯電防止性はもってはいない。カチオン性帯電防止剤が衛生乃至は医療目的
で用いられる繊維には望ましくないことは、既述した。更に、両性の帯電防止剤
、すなわちカチオン性帯電防止剤とアニオン性帯電防止剤として機能する剤、例
えばベタイン、イミダゾリンがある。
例えば硫酸化物系及び燐酸エステル系のアニオン活性剤は、衛生及び医療用の
繊維の製造に最も一般的に使用されている。アニオン性帯電防止剤は、カチオン
性帯電防止剤よりも効果が少ないので、ある場合には、脂肪アミンと脂肪酸のエ
トキシレートがフィラメン
ト繊維の摩擦特性を増大させる目的で、アニオン系帯電防止剤の中性化剤として
使用される。しかしながら、アニオン系帯電防止剤は、設計上皮膚との接触が余
儀無くされる製品については、カチオン性剤よりもより望ましい。事実、多数の
アニオン系帯電防止剤は、2次的食品添加物(indirect food a
dditives)としての要求性能を満たしている。アニオン性帯電防止剤は
、脂肪酸エステルの硫酸化物、アルコール類の硫酸化物、エトキシル化アルコー
ルの燐酸エステル、アルキル燐酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエ
ステルのようなアルコール類の燐酸塩が例として挙げられる。
上述の理由で、帯電防止剤はアニオン性又はノニオン性の帯電防止剤が好まし
く、最も好ましくはアニオン性帯電防止剤である。第1紡糸仕上剤は、典型的に
は、帯電紡糸剤として水不溶性アルコールの燐酸のエステルを含み、典型的に活
性成分含有量(active content)0.5〜2%の水分散体である
(本発明では、「active content」は、非水(non−solv
ent)成分の含有量をいう)。
好ましい帯電防止剤は、一般式Iで表される中性の燐酸のエステルである。
ここでALkは、炭素原子10〜24を含む分岐若しくは直鎖の脂肪族のアルキ
ル又はアルケニル基;Rは水素、アルカリ金属、アミノ基又はモノ−、ジ−若し
くはトリ−β−ヒドロキシエタノールアミノ基;mは0、1若しくは2及びnは
1、2若しくは3で総計3;又はこれら中性の燐酸のエステルの混合物である。
式Iの化合物において、ALkは特に炭素原子12〜22、好ま
しくは14〜20、例えば16〜18を含み、そして好ましくは直鎖アルキル基
であるアルキル基である。好ましい化合物は、nが2で、mが1である化合物で
ある。式Iのエステルは、少なくとも約40°C迄、好ましくは少なくとも約8
0°C迄例えば少なくとも約95°C迄の温度で固体であるべきである。
好ましい第1紡糸仕上剤は、例えばステアリルアルコール燐酸エステルの中性
塩及び、平滑剤及び集束付与剤として、エトキシル化ヒマシ油からなる。
他のタイプの帯電防止剤、例えば硫酸化脂肪酸エステル及びポリエチレングリ
コールアルキルエーテル燐酸エステルのような燐酸エステル化されたアルコール
が使用できることも考慮に値する。本発明の第1紡糸仕上剤及び2紡糸仕上剤で
使用される帯電防止剤の化学的性質に係わらず、食べ物との接触が考えられる不
織布には、食品2次添加剤(indirect food additives
)としてFDA Vol.21,Section 177.1850により認め
られている物質であることが好ましい。他の好適な集束付与剤は、エトキシル化
パーム油及びエトキシ化ココナツ油のようなエトキシル化植物油類が例として挙
げられる。
第1紡糸仕上剤の活性含有量は、典型的には、重量で約80〜95%の帯電防
止剤及び重量で約5〜20%の平滑剤、もっと典型的には重量で約88〜92%
の帯電防止剤及び重量で約8〜12%の平滑剤とからなる。第1紡糸仕上剤の繊
維への適用量は、繊維の重量に対して、一般に活性含有量で約0.08〜0.2
5%の範囲、もっと典型的には0.10〜0.20%である。
延伸工程の紡糸仕上剤(第2紡糸仕上剤)は、比較的疏水性の帯電防止剤(通
常第1紡糸仕上剤で用いられる例えば中性燐酸アルキルエステルと同じタイプの
もの)、炭化水素ワックス、乳化剤及び
任意量のポリジオルガノシロキサンの組合せであり、通常は約10%レベルの活
性含有量を有する水性分散体である。
本発明の第2紡糸仕上剤で用いられる炭化水素ワックスは、特にパラフィンワ
ックス又はマイクロクリスタリンワックスである。しかし、中性のワックス、す
なわち昆虫又は植物のワックスも適当であると考える。
パラフィンワックスは、圧搾含ろう油(pressable wax dis
tillate)として知られる石油の軽質留分から得られる室温で固体の結晶
性の炭化水素である。パラフィンは通常主として直鎖炭化水素及びいくらかの分
岐鎖炭化水素(イソパラフィン)からなる。マイクロクリスタリンワックスは、
室温で固体の炭化水素の混合物であり、石油の重質留分と残渣から得られる。マ
イクロクリスタリンワックスは、通常主として分岐鎖を有する炭化水素(イソパ
ラフィン)と少量の直鎖炭化水素を伴ったナフテン類(大きな側鎖)と芳香族炭
化水素とからなる。
パラフィンワックスの融点は、典型的には、約45〜65°Cの範囲にあり。
一方マイクロクリスタリンワックスのそれは、典型的には、約50〜95°Cの
範囲にある(炭化水素ワックスの固化点は、通常融点の約2〜3°C低い温度で
ある)。
本発明において、パラフィンワックスなる用語は天然又は合成のパラフィン又
はマイクロクリスタリンワックス、特に融点が40〜80°CCの範囲のもので
あり、分子量が約250〜800のもの(溶離液に例えばトリクロロベンゼンを
用いた高温ゲルパーミュエイションクロマトグラフィー法によるか又はマスペク
トロコピーによる)、又はパラフィン又はマイクロクリスタリンワックスワック
スの主要量からなる混合物であって、前記範囲の融点を有するものをいう。比較
的低い融点(すなわち約40〜80°C)をもつワック
ス又はワックス混合物は、本発明によると、ワックスが容易にかつ均一にかなり
の高温を使用することなく繊維の表面で分散することが確実であることが好まし
い。しかしながら、より高い融点例えば120°Cをもつワックス又はワックス
混合物がある種の応用用途に対しては適当である。好ましい炭化水素ワックスは
、特に45〜65°C例えば50〜60°Cの範囲で、相当する平均分子量が約
400〜600のものである。これらの好ましい温度範囲にあるワックスには、
第2紡糸仕上は、典型的に、25〜60°C例えば40〜55°Cの範囲の温度
で適用される(第2に紡糸仕上剤の適用の間、繊維は一般に幾分高温度である)
。
通常、ワックスは相違する炭化水素の混合物であるので、本発明の目的で使わ
れるワックスにとって、これは一つの使い方である。故に、ワックスは、典型的
には、相違するタイプのワックスである、あるものは、前述した範囲内に混合物
の融点が存在するかぎりは、前記したよりも高いか又はより低い分子量及び融点
を有するワックスであってもよい。
ワックスは、ある量の炭化水素樹脂、すなわち120°Cまでの比較的高い融
点を有する部分架橋炭化水素ワックスを含んでいてもよい。炭化水素樹脂は、芳
香族炭化水素を含む炭化水素ワックスのラジカル重合により合成で調製される。
融点範囲40〜80°Cの炭化水素ワックス以外の成分、例えばより高い融点
をもつ炭化水素ワックス又は炭化水素樹脂を含むワックス混合物に関しては、こ
れらの他の成分の量は、典型的には、ワックス混合物の重量で40%以下、好ま
しくは30%以下、より好ましくは20%以下である。
既述のように、昆虫又は植物性の天然ワックスも本発明の第2紡糸仕上剤のワ
ックスとして使用することができる。
天然ワックスは、異なる多様な成分を含んでいるが、多くの天然ワックスは炭
化水素が主成分である。利用価値のある天然ワックスの一つは、蜜蝋である。こ
れは、炭化水素類、モノエステル、ジエステル、トリエステル、ヒドロキシモノ
エステル、ヒドロキシポリエステル、遊離酸、酸のモノエステル及び酸ポリエス
テル、それに少量の不明物質を含む。利用価値のある他の天然ワックスとして、
コオロギ、バッタの類及びアブラムシ類からのワックスが挙げられる。
多数の植物種ワックスは、主成分として主に奇数個の炭素原子をもつ分岐のな
いアルカン類の炭化水素を含んでいる。しかしながら、分岐したアルカン類とそ
れにアルケン類も報告されており、多分多くの植物ワックス中に存在する。また
、カルナバワックスのようなある種の植物ワックスは、比較的小さい率で非分岐
アルカンを含む。動物系ワックスのように、植物ワックスもまたモノエステル、
ジエステル、ヒドロキシエステル、ポリエステル、第1級及び第2級のアルコー
ル類、酸類、アルデヒド類、ケトン類等を含む他の成分の種々量を含んでいる。
本発明の目的に用いられる天然ワックスは、炭化水素ワックスについて前記し
た範囲の融点を有するものでなければならない。
第2紡糸仕上剤がポリジオルガノシロキサン化合物(silicone)を含
むとき、改良された疏水性の性質について特別に良好な結果が得られることが判
明した。かくして、本発明の好ましい実施形態は、第2紡糸仕上剤の活性含有量
の重量で少なくとも6%、典型的には少なくとも8%がポリジオルガノシロキサ
ンをふくむ。
このポリジオルガノシロキサンは、特に一般式IIのポリジアルキルシロキサン
である。
式中各Rは1〜4の炭素原子を独立して含むアルキル基、フェニール又はH,n
は500〜3000、及びXはOH、CH3、H、O−CH3、又はO−アセチル
である。好ましいポリジアルキルシロキサンは、ポリジメチルシロキサンである
。
第2紡糸仕上剤中のポリジオルガノシロキサンの含有量は、繊維に望まれる疏
水的性質に依存することが明らかである。しかしながら、ポリジオルガノシロキ
サンを含む紡糸仕上剤について、二つのカテゴリーで定義することができる;一
つは、中程度の疏水性度をもつ繊維の製造、二つは、非常に高度の疏水性度をも
つ繊維の製造についてのものである。中程度の疏水性度をもつ繊維の製造には、
第2紡糸仕上剤の活性含有量は、典型的には、重量で約6〜11%、例えば約7
〜10%のポリジオルガノシロキサンを含む。一方、非常に高度の疏水性度をも
つ繊維の製造には、第2紡糸仕上剤の活性含有量は、典型的には、重量で少なく
とも約12%、例えば少なくとも約15%、最も典型的には少なくとも約20%
のポリジオルガノシロキサンを含み、そして重量で35%ものポリジオルガノシ
ロキサンを含んでよい。第2紡糸仕上剤中のポリジオルガノシロキサンの含有量
は、この場合、しばしば活性含有量の20〜30重量%、例えば22〜28重量
%の範囲である。
第2紡糸仕上剤中の帯電防止剤については、第1紡糸仕上剤に関係して言及し
た既述の帯電防止剤が第2紡糸仕上剤にも適当であり、同じ帯電防止剤が第1紡
糸仕上剤及び第2紡糸仕上剤の双方において有利に用いられる。
第2紡糸仕上剤中の帯電防止剤、ワックス及びポリジアルキルシ
ロキサンの含有量は、各例毎に、加工繊維に望まれる疏水性、カーデイングを考
慮して決定される。このように、静電荷の存在によりカーダビリテイ(card
aability)が劣る繊維を避けるために、ある最小限の帯電防止剤を含有
することが必要である。他方、ある最大限の帯電防止剤の含有量は、所望の疏水
性を得るために必要な疏水性剤(ワックスとポリジアルキルシロキサン)のある
最小限の含有量の要求よって、決定される。最も高い疏水性度が所望されるとき
、第2紡糸仕上剤は、ポリジアルキルシロキサンのある量を含まなければならな
い。ポリジアルキルシロキサンは、ワックス単独を含有する紡糸仕上剤に比べて
、疏水性剤としてより大きな疏水性度を付与する。
疏水性の第2紡糸仕上剤は、非水溶性成分の水性分散体であるので、乳化剤の
使用は、安定した分散体を調製する上で、通常は必要である。乳化剤の精密な性
質は、重大なことではない。アニオン性の乳化剤、硫黄含有乳化剤等が典型的に
用いられ、中性のアルキルベンゼンスルホン酸、リグニンスルホン酸、ベンゾイ
ン酸が、有利な腐食防止性効果を有するので、例として挙げる。乳化剤の含有量
は、繊維の適当な疏水性を得るために、できるだけ少なくするのが好ましい。
第2紡糸仕上剤の活性含有量は、典型的には重量で10〜50%の帯電防止剤
、15〜70%のワックス、35%までのポリジオルガノシロキサン、及び5〜
15%の乳化剤をからなる。好ましくは、第2紡糸仕上剤の活性含有量は、典型
的には、重量で20〜45%の帯電防止剤、40〜65%のワックス、約6〜2
8%のポリジオルガノシロキサン(残りは乳化剤の活性含有量である)。
第2紡糸仕上剤は、典型的には、約0.25〜0.60%(繊維の重量に対す
る活性含有量)の量で適用される。第1紡糸仕上剤の
適用と合わせて、仕上加工後の繊維は、典型的には、繊維の重量について繊維表
面に約0.10〜0.50重量%の帯電紡糸剤、約0.10〜0.35重量%の
炭化水素ワックス若しくはワックス混合物、0%〜約0.25重量%のポリジオ
ルガノシロキサン及び約0.001〜0.1重量%の乳化剤を担持している。更
に典型的には、繊維はその表面に、0.12〜0.40重量%の帯電紡糸剤、0
.12〜0.30重量%の炭化水素ワックス若しくはワックス混合物、0.01
%から0.20重量%のポリジオルガノシロキサン及び0.02〜0.09重量
%の乳化剤を、更に例示すると0.15〜0.35重量%の帯電紡糸剤、0.1
8〜0.27重量%の炭化水素ワックス若しくはワックス混合物、0.03%〜
0.15重量%のポリジオルガノシロキサン及び0.04〜0.07重量%の乳
化剤を担持している。
本発明により製造された繊維は、繊維表面について、第1及び第2紡糸仕上剤
で適用された種々成分の相対量にしたがってその性質を表すことができる。かく
して、本発明の特定の実施形態は、重量で25%〜60%の帯電紡糸剤、15〜
60%の融点が40〜120°Cの天然又は合成炭化水素ワックス又は融点が4
0〜120°Cの少なくともそのような炭化水素ワックスからなるワックス混合
物、0〜30%のポリジオルガノシロキサン、及び残り成分が乳化剤である紡糸
加工剤の塗布膜を繊維の表面に担持したテクスチャード加工され、カードがけ可
能なポリオレフィン系繊維を示すことができる。この紡糸仕上剤のコーテイング
は、典型的には、重量で35%〜55%の帯電紡糸剤、25〜50%のワックス
又はワックス混合物、2〜25%のポリジオルガノシロキサン、及び4〜14%
の乳化剤、例えば35〜50重量%の帯電紡糸剤、30〜45重量%のワックス
若しくはワックス混合物、6〜20重量%のポリジオ
ルガノシロキサン及び7〜12重量%の乳化剤からなる。
上述のように、本発明は、繊維の疏水的性質と繊維/繊維及び繊維/金属間の
摩擦性質を微調整(fine tune)することを可能にする。繊維の疏水的
性質の調整は、第2紡糸仕上剤の種々成分の比、特に(a)帯電防止剤と疏水性
成分(ワックス及びポリジオルガノシロキサン)との比、(b)ワックスとポリ
ジオルガノシロキサンとの比を変化させて遂行される。ここに、疎水性度(反発
度で表され、後述されるようにEDANA推奨の不織布の反発度テスト〔No.
120.1−80〕で測定される)と帯電防止剤と第2紡糸仕上剤の疏水性成分
量の重量比との間で、反発度をA/(W+5×S)比、ここでAは帯電防止剤の
含有量、Wはワックス含有量、及びSをポリジオルガノシロキサンの含有量(S
は5で乗ぜられる)の関数としてプロットするとき、直線的相関があることが判
明した。
第1図は、帯電防止剤と疏水性成分との上述重量比A/(W+5×S)の関数
としての種々の不織布の反発度(cm水柱)をグラフで示したものである。不織
布は、22g/m2の基準目付を有するもので、以下に述べる方法を用いて実施
例で述べる方法を用いててポリプロピレン繊維から調製されたものである。
この比、A/(W+5×S)が約1.1よりも大きいとき、繊維は僅かに疏水
性で、少なくとも6分の吸収時間を有しており、この繊維から調製された22g
/m2の不織布の液体通過時間(strike−through time)は
、約5〜10秒である(液体通過時間のの測定については下記参照)。
この比、A/(W+5×S)が約0.7〜約1.0の間であるとき、繊維は中
程度の疏水性度をもち、吸収時間は約20分以上であり、そして22g/m2の
不織布の液体通過時間は10秒以上であ
る。
この比、A/(W+5×S)が約0.7よりも小さいとき、繊維は高い疏水性
であり、約24時間よりも大きな吸収時間を有し、繊維から調製された22g/
m2の不織布の液体吸収時間は約120秒よりも大きい。
繊維の疏水性は、水と繊維との間の接触角でも表せる。水に濡れない繊維の特
性は、接触角90°以上である(例えば、Wilhelmy techniqu
e−forceの測定による単繊維の濡れ性測定)。本発明による僅かに疏水性
の繊維は、接触角が僅かに90°を越えるものと考えられるが、高度に疏水性の
繊維は180°に近似した接触角を有する(接触角180°は、理論上最高の完
全非濡れ性を示す)。
繊維の加工性、すなわち繊維/繊維間、繊維/金属間の摩擦の制御は、第2紡
糸仕上剤のワックスとポリジオルガノシロキサンとの間の関係を変えることで得
られる。重量比S/W(Sはポリジオルガノシロキサン、Wはワックス)が約0
.1から約2の間で変えることができ(勿論、ポリジオルガノシロキサンが第2
紡糸仕上剤に存在すると考えて)、そして繊維の性質の意味のある変化が約1の
比で起こり、その結果S/W比が1以下の比が繊維に高い繊維/繊維間及び繊維
/金属化間の摩擦並びに中程度から高度の疏水性度を与える。一方、S/W比が
1以上の比は、高度の疏水性をもったもっと滑りやすい繊維を与えるが、比較的
低い繊維/繊維及び繊維/金属間摩擦をもつことが明らかになった。ポリジオル
ガノシロキサンを欠く繊維は、高い繊維/繊維、繊維/金属間摩擦と中程度の疏
水性を有する。
上述したように、本発明の繊維の最も大きな利点の一つは、繊維が高速のカー
デイングに適していることである。このことはポリプ
ロピレン繊維について特に利益がある。このように、本発明の繊維は、カーデイ
ング機で、典型的には、少なくとも80m/分、例えば少なくとも100m/分
、そして(特にポリプロピレン繊維で)多くの場合少なくとも150m/分又は
200m/分以上にも及ぶ高速度で均一なウエブに繊維を加工できる。
各々の例で選ばれるカーデイング速度は、繊維の種類(例えば、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、バイコンポーネント等)及び製造される不織布の性質に依存
してる。カーデイングは、典型的には、ドライ−レイドのカーデイングである。
本発明によるポリプロピレン繊維は、少なくとも100m/分、好ましくは少
なくとも150m/分、更に好ましくは少なくとも200m/分の高カーデイン
グ速度で、機械方向の強度と機械とクロスする方向の強度の比が最高で7、好ま
しくは最高で5(強度の測定は後述)を示す不織布にサーモボンドすることが可
能なウエブにカードがけられ得ることである。
本発明のポリプロピレン/ポリエチレンのバイコンポーネント繊維は、少なく
とも80m/分、好ましくは少なくとも100m/分のカーデイング速度で、、
機械方向の強度と機械とクロスする方向の強度の比が最高で6の不織布にサーモ
ボンドすることができるウエブにカードがけすることが可能である。本発明のポ
リエチレン繊維は、少なくとも80m/分のカーデイング速度で、機械方向の強
度と機械とクロスする方向の強度の比が最高で5の不織布にサーモボンドするこ
とができるウエブにカードがけすることが可能である。全て場合において、ウエ
ブ中の繊維のランダマイズ化は、この2つの引張り強度の比で表され、できるだ
け1に近くあるべきである。
相違する不織布材料の強度は、いわゆるボンダビリテイ指数(bondabi
lity index)を用いて比較できる。この指
数は、繊維のランダム化の相違を償い、後述されるように、機械方向と機械とク
ロスする方向の不織布の引張り強度に基づいて計算される。不織布の引張り強度
を測定するための標準カーデイング試験は、以下のようにし行われる。
約95〜100kgの繊維から、少なくとも20〜25g/m2基準目付の均
一な繊維ウエブを得るのに適当なロール配列にて選択的に特定された速度でカー
デイングにより調製する。ついで、このウエブは、サーモボンドされる。サーモ
ボンドされる個々のウエブは、繊維の種類に応じて選ばれた範囲の、典型的には
2°C間隔で異なった温度でサーモボンドされる。ポリプロピレン繊維について
は、カレンダー圧力64N/mm及び典型的なカーデイング速度100m/分を
用いて調製した基準目付け約20g/m2のウエブを145〜157°Cの温度
範囲でサーモボンドすることにより調製した。ポリエチレン繊維については、カ
レンダー圧力40N/mm及び典型的なカーデイング速度80m/分を用いて調
製した基準目付け約25g/m2のウエブを126〜132°Cの温度範囲のサ
ーモボンドにより調製した。ポリプロピレン芯とポリエチレン鞘のバイコンポー
ネント繊維については、カレンダー圧力40N/mm及び典型的なカーデイング
速度80m/分を用いて調製した基準目付け約20g/m2のウエブを137〜
147°Cの温度範囲のサーモボンドにより調製した。次いで、ウエブの引張り
強度を機械方向及び機械のクロス方向について、EDANA推奨テストに準じて
測定した:Nonwoven Tensile Strength,20 Fe
bruary,1989,ISO 9073−3:1989(Determin
ation of tensile strength and elonga
tion);しかしながら、本発明のでは、相対湿度は、50%と65%の間と
した。
最後に、ボンダビリテイ指数をサーモボンドの温度について計算する。この指
数は、機械方向強度と及び機械のクロス方向強度の積の平方根と定義される。標
準ボンダビリテイ指数を、標準不織布ベース重量20g/m2(BI20)につい
て求めるには、所与のサンプルについて計算で得たボンダビリテイ指数に20を
掛け実ベース重量で割り、不織布の強度がベース重量応じて変わる変動について
補正する。
ポリプロピレン系繊維については、カードに100m/分の速度でかけられた
とき、ボンダビリテイ指数(BI20)は少なくとも15N/5cm、150m/
分の速度でかけられたとき、少なくとも10N/5cmでなければならない。そ
して好ましくはカードに100m/分の速度でかけられたとき、17N/5cm
、150m/分の速度でかけられたとき、少なくとも10N/5cmである。
ポリエチレン系繊維については、カードに80m/分の速度でかけられたとき
、ボンダビリテイ指数(BI20)は少なくとも7N/5cmでなければならない
。そして好ましくは,カードに80m/分の速度でかけられたとき、10N/5
cmである。
ポリプロピレン系芯、ポリエチレン系鞘の鞘芯型バイコンポーネント繊維につ
いては、カードに80m/分の速度でかけられたとき、ボンダビリテイ指数(B
I20)は少なくとも8N/5cmでなければならない。そして好ましくは,カー
ドに80m/分の速度でかけられたとき、10N/5cmである。
本発明の繊維により調製された不織布の疏水性は、種々の方法でテストするこ
とができる。これらのテストは、反発性テスト、液体吸収時間テスト、液体通過
時間テスト(strike−through time test)及び離液率
(runoff)テストを含んでいる。液体吸収時間テストは、繊維の疏水性の
試験に用いる
ことができる。
反発性テストは、EDANA推奨の不織布反発性度テスト(No.120.1
−80)に準じて、サンプルを少なくとも2時間23°C、相対湿度59%で調
整して行なう。このテストは、増加する水圧下の不織布を通して水を通すに要す
る圧力(水柱cmで表わされる)の測定による。要するに、所望の基準目付け(
典型的には、22g/m2)の不織布サンプルを直径60mmの円形試料を3c
m/分の速度で高さを増大させられる水柱下の置き、3つ目の水滴がサンプルを
通過するときの水柱の高さで、不織布の反発性度が測定される。
上記の反発性度テストにおいて、本発明の繊維を含む不織布は、反発性度が少
なくとも約1.5cmはあるものでなければならない。疏水性度が中程度の繊維
で調製された不織布にとっては、反発性度は少なくとも約2.5cmで、典型的
には少なくとも約3cmである。高度の疏水性の繊維を含む不織布にあっては、
反発性度は少なくとも約4cm、更に好ましくは少なくとも5cm、例えば6c
mでなければならない。
不織布の疏水性を測定するもう一つの適当な方法は、EDANA推奨の不織布
の吸収テスト(No.10.1−72)に準じた液体吸収時間の試験である。こ
のテストは、試料のストリップ(5g)が緩くロールに巻かれて、針金の円筒駕
籠(3g)に入れられ,25mmの高さから液体(典型的には、水)の表面に落
とされ、試料の完全な湿潤に要する時間を測定することよりなる。このテストに
用いる不織布は、本発明の目的のために、少なくとも2時間、23°C,相対湿
度50%にて調整される。
上述の液体吸収試験は、ある種のマイナーな修正を加えて、繊維の疏水性の測
定にも用いることができる。この場合、EDANA推
奨の不織布のテスト方法は、繊維のサンプルをテストに先立って温度45°C、
相対湿度を10%以下で1時間かけて調整して、このサンプルをテスト前に23
°Cに冷却せしめるように改定した。繊維の吸収性を測定するにあたっては、テ
ストされるべき繊維から基準目付け約10g/m2のウエブを15m/分のカー
デイング速度でカードがけし、このウエブから5gの試料を調製する。テストの
残余部分は、EDANA推奨ののテスト方法(10.1−72)に準じて行う。
不織布、繊維の何れのテストにおいても、吸収時間は不織布又は繊維試料を入れ
た針金駕籠が液体に衝突した時点から試料が液体の表面下に完全に浸漬される時
点までの時間間隔と定められている。
上記の水中の液体吸収度のテスト、疏水性繊維サンプルの湿潤時間(すなわち
沈降時間)は、少なくとも約6分、好ましくは少なくとも約10分、更に好まし
くは約20分、例えば少なくとも約1時間であるべきである。高度に疏水性の繊
維では、湿潤時間は少なくとも24時間でなければならない。
不織布の疏水性を測定する更に他のテストは、液体通過時間テスト(liqu
id strike−through time test(EDANA推奨の
テスト:Nonwoven coverstock liquid strik
e−trough time(stimulated urine);No.1
50.1−90)である。このテストでは、既知容積の液体が不織布を通過する
のに必要な時間が計測される。液体は、横たえた標準吸収材のパッドと接触して
いる不織布の外被材の試験片の表面に適用される。テストは、異なった不織布の
液体通過時間を比較するように設計されている。
不織布のサンプルは、、本発明の目的のために少なくとも2時間温
度23°C、相対湿度50%で調整される。5mlの試験液(0.9%のNaC
l水溶液)を3.75秒で試験サンプル(典型的な標準目付け22g/m2)に
向けて放出しこの液体が不織布を浸み通るに必要な時間を電気的に計測する。
液体通過時間テストにあって、本発明による不織布は少なくとも5秒の液体通
過時間、好ましくは10秒、更に好ましくは15秒でなければならない。高い疏
水性繊維を含む不織布では、液体通過時間は、少なくとも1分、好ましくは少な
くとも2分、更に好ましくは少なくとも5分である。
不織布の疏水性度は、更に以下の方法による離液率テスト(runoff p
ercentage test)により測定できる。離液率は、模擬尿(68〜
72dyne/cm:19.4g、8gNaCl,0.54gMgSO4(無水
)、18.8gCaCl26H2O、960g無塩水)により測定される。このテ
ストは、上層の不織布被覆部材と下層のフィルター紙よりなる試験材料(機械方
向に31cm、機械のクロス方向に14cm)に試験液25mlを注ぎ、集液ト
レーに集められたテスト液の量を測定し、この集液量について、当初の25ml
の液の百分比で表される。試験材料は水平から10°傾けて設置され、このテス
ト材料の下端の下に捕集トレイが設置されている。被覆部材は機械方向に張出側
を上方に向けて配置されなければならない。離水率は、トレーに集められたテス
ト液の量で、当初の25mlの液の百分比で表される。ここで、良好な疏水性不
織布は、、このテスト方法を用いて、少なくとも90%、好ましくは少なくとも
95%の離水率を与える。優れた疏水性の不織布では、離水率は、少なくとも9
8%で99%以上になる(実質上0%の貫通に相当)。不織布を調製に用いられ
た繊維の疏水性度に加えて、離水率はある程度材料の重さにも依存する。重い材
料は若干高めの離水率を与える。上述の離水率値は、基準目付け20g/m2の
不織布についてのものである。
実施例
繊維及び不織布は、以下により調製された。ポリオレフィン原料(ポリプロピ
レン、ポルエチレン、又はバイコンポーネント繊維については芯用にポリプロピ
レン、鞘用にポリエチレン)を汎用の溶融紡糸技術により、ポリプロピレン繊維
については1500〜2000m/分、PP/PEバイコンポーネント繊維につ
いては800〜1000m/分、及びポリエチレン繊維については300〜50
0m/分の速度を用いて数百のフィラメント繊維の束として紡糸した。青色のポ
リプロピレン繊維には、フタロシアニン青の顔料を0.1%を紡糸に先立って原
料に添加した。空気冷却によりフィラメントをクエンチした後、フィラメント繊
維を、帯電防止剤として主要部が中性化されたステアリルアルコールの燐酸エス
テルの中性のC16〜C18のアルコールの燐酸エステル(Silastol F2
03,Schill & Seilacher、ドイツ)及びエトキシ化ひまし
油(Silastol 360、Schill & Seilacher、ドイ
ツ)を含む第1紡糸仕上剤でキスロールを用いて処理した。この工程で適用され
たこの2つの成分の量(活性含有量)は、幾分変えたが、概してその量は、重量
で約0.12%〜0.20%のC16〜C18のアルコールの燐酸エステル及び重量
で約0.010〜0.020%のエトキシル化ひまし油を適用した(これらの量
は、フィラメント繊維の重量による)。
フィラメント繊維をオフラインで、熱ロールと熱オーブンを組合せ用いる2段
延伸法で、、ポリプロピレン繊維では、115〜135°Cの範囲、PP/PE
バイコンポーネント繊維では110〜12
0°Cの範囲、及びポリエチレン繊維では95〜105°Cの温度で延伸した。
延伸比は、1.05:1及び4.5:1の間、繊維の種類にしたがって変えた(
一般に、ポリプロピレン繊維では1.05:1〜1.5:1、ポリエチレン繊維
及びバイコンポーネント繊維では約4:1)。次いで、延伸フィラメントは異な
る第2紡糸仕上剤で処理された(キスロールによる)。第2紡糸仕上剤は、種々
量の帯電防止剤(前述したC16〜C18のアルコールの燐酸エステル)、ワックス
、及びポリジメチルシロキサン(シリコーン)を含む水性の分散体である。この
分散体は、種々の比で製造販売元混合物Silastol F203、Sila
stol 5072及びSilastol E172(全て。ドイツのSchi
ll & Silastolの製品)を混合して調製した。ワックス成分は、融
点が約55°Cの炭化水素ワックス(平均分子量約500)と約80%及び融点
が約120°Cの炭化水素樹脂(平均分子量約1300)20%からなる炭化水
素ワックス混合物であった。
次いで、フィラメント繊維を押込式捲縮機(stuffer box cri
mper)で捲縮し、その後オーブン中でポリプロピレン繊維では約125°C
、PP/PEバイコンポーネント繊維では105°C及びポリエチレン繊維では
95°で熱処理してサーマルボンデイング加工での繊維の熱収縮減少せしめると
共に第2紡糸仕上剤の疎水性成分(すなわち、ワックス及びシリコーン)がフィ
ラメント繊維の表面で均一分散されている状態にせしめた。次いで、フィラメン
ト繊維を所望長さに切断することによりステープルファイバーを製造した。
加工仕上げ繊維の細さは,DIN53812/2に、この繊維破断伸度は及び
強度はDIN53816に、そして捲縮数はASTM D 3937−89にそ
れぞれ準じて計測した。
種々のカーデイング速度及び種々の温度でサーモボンド(thermobon
ding)することによって、種々の繊維から不織布を調製した(第2表参照)
。各不織布について、上述のように機械方向及び機械のクロス方向での引張り強
力と伸度を測定した(すなわち、EDANA推薦テスト)及びボンダビリテイ指
数を測定した引っ張り強力に基づいて上述のごとく算出した。比較の目的で、ボ
ンダビリテイ指数は、20g/m2の基準目付けのウエブ(BI20)について上
述のように換算されている。更に、離液率、液体通過時間、反発性度も測定した
。
以下の表において、上述により調製された種々の多数の繊維の特性は、これら
の繊維から調製されたウエブの特性と共に示されている。
第1表は、繊維のタイプに加えて、以下の繊維特性を示している。
細さ(dtex)、破断伸度(%)、長さ(mm)、10cm当たりの捲縮数
、適用された紡糸仕上剤の全量(すなわち、適用された第1及び第2紡糸仕上剤
の繊維重量に対する活性含有量)、全紡糸仕上剤の組成(帯電防止剤、ワックス
、シリコーン、及び乳化剤の重量百分率)及び液体吸収時間。
第2表は、第1表の繊維から調製された不織布について以下の特性を示す:
カーデイング速度(m/分)、ボンデイング温度(°C)、機械方向での最大
引っ張り強力(MD−max;N/5cm)、機械方向での破断伸度(MDma
x;%),機械のクロス方向での最大引張り強力(CDmax;N/5cm)、
機械のクロス方向での破断伸度(CDmax;%)、最大ボンダビリテイ(BI
max),基準目付け(g/m2)、、離液率、反発性度(cm)、液体通過時
間
及びカーダビリテイの分類区分。
カーダビリテイ、すなわち、繊維のカードがけの適合性は、簡素なウエブ合着
(cohesion)テストを用いて測定される。このテストは約10g/mの
薄いカードがけしたウエブが自重のために破損する以前に、実質的に水平状態の
位置で支えることができる長さを測定することによって実施され、このカーデイ
ングウエブの長さは約15m/分の速さで増加している。これは、カーデイング
ウエブを水平方向でカードから15m/分の速さでとり外すことで行われる。こ
の速度は、このテストに用いられるカーデイングの速度である。
繊維/繊維間摩擦の結果としての高度のカーダビイリテイは、高度のウェブ合
着長を与える。繊維/繊維間摩擦は、第2紡糸仕上剤の組成、テクスチャー加工
の程度のような因子、それにテクスチャー加工がどれほど永久的であるかに依存
している。繊維/金属間摩擦もカーダビイリテイにとって重大である。これが高
すぎるか低すぎても繊維はカードを通して移送しにくい。
カーデイングによく適合する繊維は、前記したウェブ合着長テストで、1.0
以上支えることができる。プロピレン繊維は、典型的に、幾分か長く、例えば約
1.5〜2.25m支えることができるだろう。
数多くのことが第1表及び第2表から推論できる。繊維上のシリコーンの増加
量(第2紡糸仕上剤由来)は、疏水性度が増加した繊維及び不織布を造り、帯電
紡糸剤と疏水性成分(ワックス及びシリコーン)の間の比もまた疏水性度にとっ
て重大であるといった事実を含め、数多くのことが第1表及び第2表から推論で
きる。更に、数多くのことが第1表及び第2表の比較実施例から明らかになって
いる(すなわち、実施例1、9、17及び22)。実施例1は、第1紡糸仕上剤
における帯電防止剤の疏水性の意義を示している。この例では、第1紡糸仕上剤
における帯電防止剤は、親水性である(中性化されたn−ブタノールの燐酸エス
テル)で、その結果、繊維及びそれから得られる不織布は、第2紡糸仕上剤中に
ワックス及び疏水性帯電防止剤が存在するにも関わらず親水性である。実施例9
は、疏水性成分として、シリコーンのみを含む繊維を示している。これらの繊維
は、高度に疏水性であるが、非常に滑り性に富み、相対的に乏しいカーデイング
特性を有し、本発明により調製されたポリプロピレン繊維に比べて、これら繊維
から得られる不織布が低いボンダビリテイを有している。実施例17は、疏水性
成分としてシリコーンのみで処理された他のタイプの繊維を示している。この例
では、帯電防止剤は第1紡糸仕上においてのみ適用されたもので、帯電防止剤と
シリコーンの低い比が高度の静電気をもつ繊維をつくる結果となり、それ故にカ
ーダビリテイが劣ったものであった。実施例22は、ポリエチレン繊維に関する
けれども、実施例17と同類のものである。
本発明に関連して行ったテストで、吸収時間(分で表される)の結果と水反発
性(水柱cmで表される)の間に良好な意味のある数式的な相関関係(下記)が
あることが見出された:
1n(abs.時間(分))=−0.9+1.6(cm水柱)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
D06M 15/643 7199−3B
// D01D 5/098 7199−3B
5/26 7199−3B
D06M 101:22
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.カードがけ可能な疎水性のポリオレフィン系ステープルファイバーの製造 方法であって、以下のステップからなる製造方法: a.紡糸されたフィラメント繊維に帯電防止剤かなる第1紡糸仕上剤を適用する ステップ、 b.フィラメント繊維を延伸するステップ、 c.延伸したフィラメント繊維にi)帯電防止剤、ii)40〜120°Cの範囲 の融点を有する天然若しくは合成炭化水素ワックス又は少なくとも一つのこのよ うな炭化水素であって40〜120°Cの範囲の融点をもつワックス混合物、及 び随意量のポリジオルガノシロキサンを含む第2の紡糸仕上剤を適用するステッ プ d.フィラメント繊維を捲縮するステップ、 e.繊維を乾燥するステップ、及び f.フィラメント繊維を切断してステープルファイバーを得るステップ。 2.繊維が汎用の紡糸技術により製造される請求の範囲1記載ののポリオレフ ィン系ステープルファイバーの製造方法。 3.帯電防止剤がアニオン性帯電防止剤又はノニオン性帯電防止剤である請求 の範囲1又は2記載のポリオレフィン系ステープルファバーの製造方法。 4.第1紡糸仕上剤中の帯電防止剤が第2紡糸仕上剤中の帯電防止剤と同じで ある請求の範囲1〜3のいずれかのポリオレフィン系ステープルファバーの製造 方法。 5.帯電防止剤が一般式Iの中性化された燐酸エステルである又はこのような 中性化された燐酸エステルの混合物である請求の範囲1〜4の記載のいずれかの ポリオレフィン系ステープルファバーの 製造方法。 但し、式中Alkは、炭素原糸10〜24を含む分岐若しくは直鎖の脂肪族ア ルキル又はアルケニル基;Rは水素、アルカリ金属、アミノ基、又はモノ−、ジ −、若しくはトリ−βヒドロキシエタノールアミノ基;mは0、1又は2及びn は1、、2又は3でその合計は3である。 6.一般式Iの化合物におけるAlkが12〜22、14〜20、又は16〜 18の範囲の炭素原糸を含むアルキル基である請求の範囲5に記載のポリオレフ ィン系ステープルファバーの製造方法。 7.一般式Iの中性の燐酸のエステルのAlkが直鎖アルキル基である請求の 範囲6記載のポリオレフィン系ステープルファバーの製造方法。 8.nが5〜7である請求の範囲5〜7記載のポリオレフィン系ステープルフ ァバーの製造方法。 9.炭化水素ワックス又はワックス混合物が40〜80°C又は50〜60° Cの範囲の融点をもっている請求の範囲1〜8記載のポリオレフィン系ステープ ルファバーの製造方法。 10.第2紡糸仕上剤が一般式IIのポリジオルガノシロキサンを含む請求の範囲 1〜9記載のポリオレフィン系ステープルファバーの製造方法。 但し、各Rは独立的に1〜4個の炭素を有するアルキル基、フェニル基又はH 、nは500〜3000の数、及びXはOH、CH3 、H、O−CH3、又はO−アセチルである。 11.ポリジアルキルシロキサンがポリジメチルシロキサンである請求の範囲1 0記載のポリオレフィン系ステープルファバーの製造方法。 12.第2紡糸仕上剤の活性含有量が重量で10〜50%の帯電防止剤、15〜 70%のワックス、35%までのポリジオルガノシロキサン、5〜15%の乳化 剤を含む請求項1〜11に記載のポリオレフィン系ステープルファバーの製造方 法。 13.第2紡糸仕上剤の活性含有量の重量で少なくとも6%がポリジオルガノシ リキサンである請求項12記載のポリオレフィン系ステープルファバーの製造方 法。 14.第2紡糸仕上剤の活性含有量が重量で20〜45%の帯電防止剤、40〜 65%のワックス及び6〜28のポリジオルガノシロキサンを含む請求の範囲1 3記載のポリオレフィン系ステープルファバーの製造方法。 15.テクスチャ加工され、カードにかけ得るポリオレフィン繊維であり、該ポ リオレフィン繊維は、その表面に繊維の重量の0.10〜0.50%、0.10 〜0.35%の融点が40−120°Cの範囲の融点を有する天然若しくは合成 炭化水素ワックス又は少なくともそのような炭化水素のワックスを含み、40〜 120°Cの融点を有するワックス混合物、及び0.001〜0.10%の乳化 剤を担持してなるポリオレフィン系繊維。 16.繊維の表面に重量で0.12〜0.40%の帯電防止剤、0.12〜0. 30%のワックス又はワックス混合物、0.01〜0.20%のポリジオルガノ シリキサン及び0.02〜0.09%の乳化剤を担持している請求の範囲15の ポリオレフィン繊維。 17.繊維の表面に重量で0.15〜0.35%の帯電防止剤、0 .18〜0.27%のワックス又はワックス混合物、0.03〜0.15%のポ リジオルガノシリキサン及び0.04〜0.07%の乳化剤を担持している請求 の範囲16のポリオレフィン繊維。 18.テクスチャー加工され、カードにかけ得るポリオレフィン繊維であり、該 ポリオレフィン繊維は、その表面に紡糸仕上剤膜を有し、該膜が重量で25〜6 0%の帯電防止剤、15〜60%で融点が40〜120°Cの範囲の融点を有す る天然若しくは合成炭化水素ワックス又は少なくともそのような炭化水素のワッ クスを含み、40〜120°Cの融点を有するワックス混合物、及び0〜30% のポリジオルガノシラン、及び乳化剤の残り成分を含んでなるポリオレフィン系 繊維。 19.紡糸仕上剤膜が重量で30〜55%の帯電防止剤、25〜50%でワック ス又はワックス混合物、2〜25%のポリジオルガノシラン及び4〜14%の乳 化剤のを含んでなる請求の範囲18のポリオレフィン系繊維。 20.紡糸仕上剤膜が重量で35〜50%の帯電防止剤、30〜45%のワック ス又はワックス混合物、6〜20%のポリジオルガノシラン及び7〜12%の乳 化剤のを含んでなる請求の範囲19のポリオレフィン系繊維。 21.帯電防止剤がアニオン又はノニオン性帯電防止剤である請求の範囲15〜 20のポリオレフィン系繊維。 22.帯電防止剤が一般式Iの中性化燐酸エステルで又はそのような中性化され 燐酸のエステルの混合物である請求の範囲21のポリオレフィン系繊維。 但し、式中Alkは、炭素原糸10〜24を含む分岐若しくは直 鎖の脂肪族アルキル又はアルケニル基;Rは水素、アルカリ金属、アミノ基、又 はモノ−、ジ−、若しくはトリ−βヒドロキシエタノールアミノ基;mは0、1 又は2及びnは1、2又は3でその合計は3である。 23.式Iの化合物のAlkが12〜22、14〜20、又は16〜18の範囲 で炭素原子を含むアルキル基である請求の範囲22記載のポリオレフィン系繊維 。 24.一般式Iの中性化された燐酸エステル中のAlkが直鎖アルキル基である 請求の範囲23記載のポリオレフィン系繊維。 25.nは2で、mが1である請求の範囲22〜24記載のポリオレフィン系繊 維。 26.炭化水素ワックス又はワックス混合物が40〜80°C,45〜65°C 又50〜60°Cの範囲の融点を有している請求の範囲15〜25のいずれかに 記載されるポリオレフィン系繊維。 27.第2紡糸仕上剤が一般式IIのポリジアルキルシロキサンである請求の範囲 15〜26のいずれかに記載されるポリオレフィン系繊維。 但し、各Rは独立的に1〜4個の炭素を有するアルキル基、フェニル基又はH 、nは500〜3000の数、及びXはOH、CH3、H、O−CH3、又はO− アセチルである。 28.ポリジアルキルシロキサンがポリジメチルシロキサンである請求の範囲2 7記載のポリオレフィン系繊維。 29.繊維が機械方向の引張強力と機械方向とクロスする方向の引張強力の間の 比が大きくとも7、好ましくは大きくとも5である不 織布にサーモボンドされうるウエブに、少なくとも100m/分、好ましくは少 なくとも150m/分、更にこのましくは200m/分のカーデイング速度で、 カードにかけられることが可能なプロピレン繊維である請求の範囲15〜28の いずれかに記載されたポリオレフィン系繊維。 30.繊維が15m/分の速度でカーデングにより調製された基準目付け約10 g/m2カードウエブから採取され、、予め温度45°C、相対湿度10%以下 で1時間調整され、テスト前に23°Cに冷却させられた試験サンプルについて 、EDANA推奨の不織布の吸収テスト(No.10.1−72)に準じて測定 される液吸収時間が少なくとも約6分、好ましくは約10分、更に好ましくは少 なくとも約20分、もっと好ましくは約1時間最も好ましくは少なくとも約24 時間を示す請求の範囲15〜29のいずれかに記載されたポリオレフィン系繊維 。 31.請求の範囲15〜30のいずれかに記載された繊維からなる疎水性不織布 材。 32.不織布材が少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、例えば少な くとも98%の離水率を有し、前記離水率は20g/m2の基準目付を有する不 織布の被覆材の上層とフィルター紙の下層をからなる試験材料(機械方向で31 cm、これとクロスする方向で14cm)上に25mlの模擬尿を注いで集液ト レイに集められるテスト液を前記の原25ml液の百分率で表されたものであり 、前記試験材料が水平位置から10°の角度で配置され、前記集液トレイが前記 試験材料の下端に配置され、前記の被覆材がエンボス側を上方に向けて機械方向 に設置されてなる、請求の範囲31記載の不織布材。 33.不織布材がEDANA推奨の不織布の反撥性度テスト(No .120.1−80)に準じ、テスト前に予め23°C,相対湿度50%で2時 間調整された不織布サンプルについて、測定される反撥性度が少なくとも1.5 cm、好ましくは2.5cm,更に好ましくは少なくとも4cm,最も好ましく は6cmを示す請求の範囲31又は32記載の不織布材。 34.不織布材がEDANA推奨の不織布被覆材の液体通過時間テスト(No. 150.1−90)準じて、テスト前に予め23°C,相対湿度50%で2時間 調整された不織布サンプルについて、測定される液体通過時間が少なくとも5秒 、典型的には少なくとも10秒、好ましくは少なくとも15秒、更に好ましくは 少なくとも1分、最も好ましくは少なくとも2分を有する請求の範囲31〜33 のいずれかに記載された不織布材。 35.疎水性不織布材料の調製方法であって、請求の範囲15〜30のいずれか により繊維を加工し、得られたウエブをサーモセットして疎水性不織布材料を得 る方法。
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