JPH08509602A - イーストを混ぜた冷蔵生地製品 - Google Patents

イーストを混ぜた冷蔵生地製品

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Abstract

(57)【要約】 本発明は冷蔵可能なイースト混入生地組成物および該生地の製造方法を提供する。生地組成物およびその中に使用されるイーストは、イーストにより発酵可能な生地中の基質の量を制御するか、またはイーストを高温で不活性化することにより、イーストの全体の膨化作用を限定するために選択される。本発明に従って製造される生地組成物は高められた温度で発酵されることが可能であり、密封された容器中に冷蔵温度で長期間保存されることが可能である。好ましい態様において、生地中に使用されるイーストは生地に固有の炭水化物を実質的に発酵できず、そしてイーストにより発酵され得る非固有の炭水化物(例えばガラクトース)の予め決定された量が生地に添加されて所望量の膨化を提示する。低温で不活性であるその他の特性を有するディプロイドイーストがさらに提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 イーストを混ぜた冷蔵生地製品 本発明は、焼いた食品を製造する際に使用するための冷蔵可能な生地(ドウ, dough)製品に関するものである。特に、本発明は冷蔵温度で長期間保存され得 るイースト混入(イースト発酵,yeast-leavened)生地を提供する。 広範囲の冷蔵可能な生地製品は、多種類の異なる焼いた食品を製造するために 消費者にとって現在では利用可能である。これらの冷蔵された生地はビスケット およびパン用の生地からスイートロールやトウモロコシパン製品用のものに及ぶ 。これらの生地製品は、それらが非常に簡便であり、使用が容易であるので、消 費者にかなり一般的である。上記製品の多くは開封されて取り出され、そして生 地がすぐに焼かれ得るように、予備膨化(発酵)された状態で販売されている。 予備膨化された状態での包装および販売は、消費者の側で、生地を焼く前に長期 間生地を注意深く膨化させる必要性を無くしている。 冷蔵可能な生地製品の製造の際には、適当な大きさにされた未膨化生地が個々 の容器に入れられる。生地は次に、例えば生地を高められた温度に保持し、生地 に膨張を起こさせることにより、容器内で膨化される。生地は約15−20ps iの内部正圧が得られるまで膨化を継続するであろう。ほとんどの上記容器はそ の内部圧力が約40psiを実質的に越えるならば、破壊または爆発 するであろう。上記製品は少なくとも2週間、望ましくは数カ月間、生地の品質 の顕著な低下または容器破壊を起こす実質的な可能性なしに、冷蔵温度で貯蔵で きることが望ましい。 今日の市場での冷蔵可能な生地製品の一つの欠点はこれらの生地が一般的には イーストで発酵され得ないことである。イーストが生地中に使用される場合、イ ースト細胞は増殖を継続するか、または冷蔵温度でさえも少なくとも代謝を続け るであろう。それ故に、生地が冷凍状態で貯蔵されない限り、イーストは貯蔵期 間にわたり二酸化炭素を産生し続ける。生地の全体の貯蔵寿命の間イーストが発 酵することを可能にするが、生地がすぐに使用される場合には上手く使用し得る ものの、密閉容器中に長期間の貯蔵(例えば約2週間またはそれ以上)した場合 、容器内の圧力が急激に高まり、容器を破壊するので、上手く使用し得ない。も し、慣用のイースト発酵させた生地が標準的な生地製品容器中に入れられるなら ば、容器はおよそ2日以内に破損することが予測される。また、膨化の所望程度 を越えるイーストの持続活性は生地の官能特性およびレオロジー特性に悪影響を 及ぼし得、不適当な焼成食品が最終的に製造される。 今日まで、冷蔵可能な生地の製造はイーストを化学膨張剤、例えばベーキング ソーダ等に置き換えなければならなかった。そのような化学膨張剤は一般に膨張 性の酸と膨張性の塩基からなり、前記酸部分と塩基部分が反応 して二酸化炭素を発生し、生地に発泡を起こす。上記膨張剤の主な利点の一つは 、反応が予測可能な化学反応に基づいており、生地を膨張させるために発生され る二酸化炭素の容量を容易に制御できることである。膨張剤の化学反応が進行し 完了すると、二酸化炭素の発生は終了する。 化学的に膨張させた生地製品は冷蔵温度で長期間保存され得るけれども、上記 生地を焼くことにより得られる最終の焼成品はイーストを混ぜた(イースト発酵 させた)生地を用いて製造した製品に比べ極めて劣っている。イースト混入生地 から製造される製品は、化学膨張剤を用いて製造されたものに比べ、優れた味わ い、香りおよび手触りを有することは広く知られている。商業的な生地製造者は イースト混入生地に似せる目的のためにのみ添加物をしはしば添加する。例えば 、上記製造者はイーストフレーバー、例えばパスツール処理された不活性イース ト培養物を化学的に膨張させた生地にしばしば添加する。そのような添加剤を用 いても、化学的に膨張させた生地から製造された焼成品はイースト発酵させた生 地の特徴的な風味や芳香を欠き、そして比較的貧弱な感触を示し続ける。 冷蔵温度ではなく冷凍温度で生地を保存することによりイースト混入生地の保 存に関係する問題を解決する試みもなされた。冷凍されたイースト混入生地は化 学的に膨張された冷蔵生地に比べ明らかに良好である焼成品を 与え得る。冷凍時イーストは不活性になり、それにより冷蔵温度で継続される二 酸化炭素発生に関連する問題が回避される。 しかしながら、冷凍生地は予備膨化された冷蔵生地製品ほど便利ではない。そ のような冷蔵生地は容器から取りだしてすぐに焼くことができるが、冷凍生地は 焼成に先立ち解凍しなければならない。また、膨化生地は冷凍を到底行うことが できないので、冷凍生地は一般に解凍後、そして焼成に先立ち膨化されなければ ならない。これにより生地の焼成はさらに遅れる。消費者は生地の過剰膨化を避 けるために膨化工程を追跡し、丁度よい時間に焼くために生地をオーブンに確実 に入れる、より多くの時間を費やさなければならない。上記冷凍生地は冷蔵生地 に比べより多くの注意を必要とするだけでなく、生地が解凍および膨化されて、 所望の時間に焼成品が得られるように前もって十分に計画をたてることを消費者 に要求する。 公開された欧州特許出願(公開欧州特許第0442575号,1991年8月 21日公開)には、ジストーブロケードが基質限定概念を用いる生地組成物を記 載している。この開示によれば、生地はマルトース陰性イースト(マルトースを 発酵できないイースト)で膨化され、そしてその生地が冷凍される。ジストーブ ロケードは、膨化時間を注意深く追跡する必要なしに、生地がいつも同じ日に解 凍、膨化および焼成され得ると言明している。 しかしながら、ジスト−ブロケードによる上記生地は長期間、例えば2週間また はそれ以上、冷蔵温度で保存されるようには設計されていない。 消費者は生地製品の「新鮮な焼き上がり(fresh-baked)」特性を好むので、 多くの生地製造者は冷凍および冷蔵の両方の形態で予備膨化生地を販売する。「 予備膨化生地」は、例えば生地を高められた温度に暴露することにより、生地中 の膨張剤が生地を所望容量に膨らませるのに十分な二酸化炭素を発生させた生地 を意味する。生地を消費者に提供する前に生地を膨化することは、消費者が生地 を焼く前に長期間生地を注意深く膨化させる必要性を解消する。 冷蔵生地組成物の例はヤング等,米国特許第4381315号および同第43 83336号;およびアトウエル,米国特許第4526801号に記載されてい る。冷蔵生地は膨張剤を含有する生地成分を混合し、場合により容器に生地を入 れ、生地を膨化し、そして次に冷蔵温度、すなわち約0℃と約12℃との間に生 地を保存することにより製造される。 冷蔵生地は非常に一般的に保存前に包装され、そして生地の膨化に先立って詰 められてもよく、その場合、生地は生地の容量が容器を満たし、そしてシールす るまで密閉容器中で膨化される。また、生地は膨化された後に柔軟なパッケージ に包装されてもよく、その場合、シール手段がパッケージに適用され、その中に 生地はパッケ ージを実質的に気密にするように詰められる。この開示の目的のために、「含有 手段」という表現は、以下において、硬質容器および柔軟性容器の両方を意味す るために使用されるであろう。 製品や保存温度等に応じて、商業的に製造される冷蔵生地の最低限の許容し得 る貯蔵寿命は約90日と長期であり得る。冷蔵温度で、慣用のイーストは二酸化 炭素を製造し続け、生地が保存のためのシールされた含有容器中に詰められた後 でさえも、生地の膨張が継続し、そして生地成分の反応が継続する。慣用のイー ストが冷蔵温度で二酸化炭素を製造し続けるので、生地の過発酵が起こり、生地 のレオロジーに不利な変化を生じる。これらの変化は生地から製造された焼成品 または調理品の味、香り、感触およびその他の官能特性に負の影響を与える。 生地が冷蔵温度で保存のためにシールされた含有手段中に包装されるならば、 慣用のイーストによる継続される二酸化炭素製造は含有手段内での圧力の連続的 な増加を引き起こす。最終的に、含有手段内の圧力は該含有手段が破壊する点ま で上昇する。この破壊は慣用のイーストでは約1週間またはそれ未満の間に起こ り得るが、この期間は多くの商業的に製造される冷蔵可能な生地の最低の供与し 得る貯蔵寿命よりかなり短い。 WO−A−9801724号は、冷蔵温度での上記二酸化炭素の産生を防ぐた めに、冷蔵可能な生地中に低温感受性イーストの使用を開示している。しかしな がら、 これは、生地が保存される温度を製造者がまれにしか制御できないので、不十分 であることが今では見出されている。従って、この問題は低温感受性イーストを 活性化させるのに十分な高温で包装された生地の保存、販売の際に生じ、二酸化 炭素の産生や容器の最終的な破壊および内容物の破損を引き起こす。 多くの市販の生地製造操作において使用される小麦粉は破壊したデンプンを約 5重量%(wt.%)含有する。アルファ−およびベータ−アミラーゼ(小麦粉 に固有)はそのようなデンプンをマルトース等の糖に変換する。アミラーゼの作 用により製造されるマルトースおよびその他の糖のいくつかはイーストの多くの 菌種により代謝される。 WO−A−9301724号は、「マルトース陰性」または単に「MAL−」 と表記されるマルトースを発酵しないイースト菌種の冷蔵可能な生地中への使用 を開示している。該イーストはその他のタイプの糖、例えばショ糖またはデキス トロースを通常発酵できる。32℃で生地100グラムあたりCO2約100− 200mlが膨化には通常十分である。生地中の発酵可能な糖の全量は全体の発 酵可能な糖供給量の発酵により産生される二酸化炭素ガスの容量を限定する試み において調整された。 標準的な螺旋型に巻かれた冷蔵可能な生地容器中に生地を入れることにより、 この生地で製造された生地製品が適当な内部圧力、例えば約20psi以下を約 25日 間維持することが今見出された。しかしながら、約25日後、二酸化炭素が生地 によりもう一度発生され始めた。生地におけるこの新たな活性は、約40psi で破壊する傾向を示すであろう、使用される容器を約50−55日後に破壊させ るのに十分な二酸化炭素を産生させるのに足りる程である。 明らかに事実上発酵が停止した後、なぜイーストが活性になったかは結果的に 解明されなかった。しかしながら、追加の二酸化炭素の産生およびそれに続く容 器の破壊の原因となると考えられる1つの因子は、生地中に存在する炭水化物の 変化である。上記したように、小麦粉に固有であるアルファ−およびベータ−ア ミラーゼは生地、特に小麦粉中に存在する炭水化物に作用する。時間が経過して 、これらのアミラーゼはイーストにより発酵されないオリゴ糖、例えばマルトー スおよびマルトトリオースをイーストにより発酵され得る糖に分解する。従って 、上記生地組成中に使用されるイーストが実際にマルトース陰性であっても、生 地の変化する炭水化物プロフィールはイーストにより発酵可能である糖を存在さ せ得る。このように、生地は二酸化炭素を発生し続け、そして容器を破壊させる ことができる。 従って、MAL−イーストを用いて製造される生地製品および組成物中の最初 のマルトースの限定された量は、冷蔵温度で、より短期間の保存(約30日また はそれ未満のオーダーの保存期間)には有用であり得る。そのよ うな生地製品がもっと非常に長い期間保存されるならば、容器は破損し始めるで あろう。30日間の貯蔵寿命はある用途には適当であるかもしれないけれども、 現在の冷蔵生地製品は冷蔵温度での90日間またはそれ以上の予測貯蔵寿命を有 することが期待されている。従って、本発明のMAL−実施態様は、規格化され た市場、例えば30日間の予測貯蔵寿命がそれでも適当であると考えられる商店 内のパン屋等に限定される商業的用途を有し、限定された商業的適用性を有する にすぎないかもしれない。 従って、この産業では冷蔵温度で長期間保存され得るイースト混入生地に対す る長い間の要望があった。しかし、今まで、商業的製造業者は、大量の市販品お よび延長された貯蔵寿命に適当である冷蔵可能なイースト混入生地を、そのよう な製品の経済的可能性が明瞭であるにもかかわらず、製造および販売することは できなかった。イーストにより連続的な二酸化炭素の発生と関係する問題がその ような製品を不可能にしていたことは明らかである。 発明の要約 本発明は冷蔵可能なイースト含有生地の製造方法および該生地で製造される生 地製品を提供する。別の面において、本発明はイースト発酵された冷蔵可能な生 地組成物、冷蔵可能な生地を容器中に含む生地製品、および上記冷蔵可能な生地 から製造される焼成品を提供する。本 発明の一つの面によれば、イーストの予め選択された菌種は粉と水、およびおそ らくその他の成分と混合され、生地を形成する。イーストおよび生地組成物は、 生地中のイーストにより発酵可能な炭水化物の全量が限定されるように選択され る。 一つの好ましい態様において、イーストは生地に使用される粉に固有の炭水化 物を実質的に発酵できず、そして非固有の炭水化物、例えばガラクトースが所望 容量の二酸化炭素を製造するために選択された量で生地に添加される。そのよう にすることにより、イーストが発生し得る二酸化炭素の最大容量を限定すること ができる。そこで、これは、生地の温度が不注意に高められた場合でさえも、生 地のシールされた容器を破壊するのに十分な二酸化炭素の発生を防止する。 もう一つの好ましい態様において、限定された量でのみ本来存在する生地系に 固有の選択された糖をイーストは発酵できる。そのような糖は、生地を膨化する のに必要なCO2の容量を生成するのに必要なもの以下の量、望ましくは未満の 量で本来存在すべきであり、生地を膨化させるのに必要な追加の糖は生地組成物 に該糖の量を添加することにより供給される。 一つのそのような態様において、イーストはフルクトースを除く、生地に本来 の炭水化物を実質的に発酵できない。小麦中のフルクトース濃度は最初0.1重 量%(wt.%)未満のオーダーである。小麦中の二糖類シ ョ糖をグルコースおよびフルクトース単糖類に分解し得る種々の酵素の作用によ り、イースト内のフルクトース濃度は時間の経過で増加し得る。にもかかわらず 、ほとんどの小麦ベースの生地系中のフルクトースの濃度は生地を適当に膨化す るのに必要な生地100gあたりCO2100−200mlを発生するのに必要 な量より少ない。追加のフルクトースが膨化の所望程度を得るために生地に添加 される。 本発明はまた、得られた生地を耐圧性容器中に入れ、そして容器内の生地を膨 化のために高められた温度に加熱する追加の工程を含み得る。容器中の生地が一 旦膨化されたら、容器中の生地の温度は冷蔵温度に低下され、そして生地は長期 間冷蔵温度で保存される。この態様の方法はさらに、生地を容器から取りだし、 そしてそれを焼いて焼成品を製造する工程をさらに含む得る。 本発明の別の面は冷蔵可能なイースト含有生地およびそれで製造される生地製 品の作成に使用されるディプロイド(二倍体)イーストを提供する。 「GAL+」イーストと以下に記載される本発明の上記面のディプロイドイー ストは小麦粉に固有の炭水化物を実質的に発酵できない。本発明の生地組成物に おいて、イーストは生地に使用される粉に固有の炭水化物を実質的に発酵できず 、そして非固有の炭水化物、例えばガラクトースが所望容量の二酸化炭素を製造 するために選択された量で生地に添加される。そのようにすることによ り、イーストが発生し得る二酸化炭素の最大容量を限定することができる。そこ で、これは、生地の温度が不注意に高められた場合でさえも、生地のシールされ た容器を破壊するのに十分な二酸化炭素の発生を防止する。 本発明のこの面の別の態様によれば、イーストは小麦粉に固有の炭水化物を実 質的に発酵できず、そして低温感受性である。本明細書で使用されるように、「 低温感受性」イースト(または単に「lts」イースト)は発酵可能な基質の存 在下、高められた温度で活性であるが、冷蔵温度では実質的に不活性となる、つ まり二酸化炭素の製造を実質的に停止する。従って、本発明のこの特定の態様の イーストは「GAL+」および「lts」の両方であると言及され得る。 本発明に係る方法は、粉、水、ガラクトースおよびGAL+/ltsまたはデ ィプロイドGAL+イーストを含有する生地を作成し、そして該生地を冷蔵温度 で長期間保存することからなる。この方法はまた、得られた生地を耐圧性容器中 に入れ、そして容器内の生地を膨化のための高められた温度に加熱する追加の工 程を含み得る。容器中の生地が一旦膨化されたら、容器中の生地の温度は冷蔵温 度に好ましくは長期間維持される。この態様の方法はさらに、生地を容器から取 りだし、そしてそれを焼いて焼成品を製造する工程をさらに含む得る。 本発明のさらに別の面に従って、生地は粉、水および不活性閾値温度以下の温 度で利用可能な基質を発酵し得 るが、不活性閾値温度と実質的に同じか、またはそれ以上の温度に加熱されるな らば、実質的に不活性になるであろうイーストを含有する。この不活性閾値温度 は室温より高く、そして生地が調理または焼成され、生地に代わって焼成品とな るであろう温度未満であることが望ましい。 本発明のこの面の方法によれば、生地は粉、水およびイーストを混合すること により形成される。この生地組成物は膨化され、そして次に少なくともイースト の不活性閾値温度と同程度に高い温度に加熱されて、実質的にイーストを不活性 化しする、すなわち、イーストを事実上あらゆる温度での発酵を不可能にする。 生地は次いで生地のあらゆるその他の膨化なしに冷蔵温度で保存され得る。 本発明のこの面はさらに、冷蔵生地組成物中に膨張剤として使用するのに十分 に適している温度感受性イーストを提供する。このイーストは、例えば偏性好気 性菌にされることにより、イーストがそれより高い温度で実質的に不活性化され る不活性閾値温度を有する。一旦不活性閾値温度より高く加熱されたら、イース トは実質的に嫌気的な環境に維持されても事実上あらゆる温度で実質的に不活性 のままであろう。別の態様において、イーストは過度に高温および過度に低温の 両方に感受性である。 限定された量の酸素が周囲中に存在しても、イーストは、低温に対するその感 受性の故に、冷蔵温度で実質的 に不活性のままであろう。 図面の簡単な説明 図1は30℃に維持された生地組成物におけるGAL+イーストに対する二酸 化炭素発生速度と時間との関係を示すグラフである。 図2は図1の試料中に発生した二酸化炭素の全容量を示す。 図3は生地に添加された非固有の炭水化物の性質において異なる4種の生地組 成物により発生される二酸化炭素の全容量を示すグラフである。 図4は図3に示した生地に対する二酸化炭素発生の速度を示す。 図5は2種の化学的に膨張させた生地、一方はGAL+イーストを含有するも の、他方はそれなしのものに対するカン圧力と時間との関係を示すグラフである 。 図6および7は組成物中に混合した異なる量の非固有糖を有する3種の生地試 料に対するカン圧力と時間との関係を示すグラフである。 図8は異なる培地上のD3083およびRD308.3イーストの増殖を吸光 度の関数として示す。 図9は発酵における種々の糖の利用に対する反応経路を示す、解糖の工程の模 式図である。 図10は異なる糖を含有するPG1−/G6PDH−イースト発酵生地組成物 により発生される二酸化炭素の全容量を示すグラフである。 図11は図10に示された生地に対する二酸化炭素発生の速度を示す。 図12は2種の生地組成物、一方はフルクトース含有生地、そして他方はショ 糖含有生地に対するカン圧力と時間の関係を示す。 図13は本発明のディプロイドGAL+イーストで発酵させた生地に対する時 間の関数としてカン圧力を示す。 図14は約30℃での時間の関数として本発明のGAL+/ltsイースト菌 種に対するコロニーサイズを示す。 図15は約12℃での時間の関数として本発明のGAL+/ltsイースト菌 種に対するコロニーサイズを示す。 図16は高温培養の後のcdc19細胞の嫌気性増殖を示す。 好ましい態様の詳細な説明 本発明に従って、生地組成およびその中に使用されるイーストが生地中のイー ストにより発酵可能な基質の量を制御することによりイーストの発酵作用を有効 および制御可能に限定するように選択されて、生地製品は調製される。ある種の 炭水化物を発酵しないイーストの菌種は当該分野では公知であり、しばしば、イ ーストの同種の2つの異なる菌種は同一糖を発酵できない。それ故に、イースト の菌種は選択された糖のみを発酵できる生地組成物中で利用され得る。生地組成 物中のそれらの糖の全 量を制御することにより、発酵量が制御され得る。 上に説明したように、冷蔵温度でさえも、ほとんどのイーストは二酸化炭素を 発生するであろう。イーストにより発酵可能な糖が限定されるならば、糖が消費 されたとき、二酸化炭素発生が実質的に停止するであろう。従って、カン詰めす る前にある期間生地中の発酵可能な糖をイーストに代謝させるか、または生地の 糖含量を制御することにより、イーストによる二酸化炭素発生は、生地の温度に 無関係に、ある種の予め決められた容量に一旦達したら実質的に停止され得る。 従って、容器中に発生される二酸化炭素の全容量は、内圧を高め、そして容器を 破損するのに十分なレベルに達することが防止され得る。 前に記載したように、冷蔵可能な生地中にMAL−イーストの使用の際に遭遇 する問題は、マルトースが粉に固有の酵素によりイーストにより代謝されること により単純な糖に分解されるということである。 ほとんどの粉中に存在する糖の大部分はグルコースおよびフルクトースのいず れか、または両方に分解されることによりイーストにより代謝され、上記2種の 糖はイーストによりさらに代謝される。本発明は、イーストにより発酵可能なよ り小さい単位にイースト中で分解される大きい糖の発酵による二酸化炭素の発生 の問題を、グルコースを代謝できないイーストの使用により解決することを課題 とする。それ故に、このイーストは、より大 きい糖が分解され得るより最小ユニットの一つを発酵できない。このようにして 、イーストはフルクトースおよびその前駆体に実質的に基質限定され、このため 、二酸化炭素産生を大きく限定している。 好ましい態様において、イーストはグルコースおよびフルクトースの両方を代 謝できない。このようにして、ほとんどの粉およびそれらの副産物に固有の糖を 発酵する2つの経路がブロックされ、イーストを粉に固有の糖を発酵不可能にす る。二酸化炭素産生は次いで、イーストにより代謝可能である、粉に固有ではな い糖の測定された添加により注意深く制御され得る。 冷蔵温度での顕著に長い保存のために適当な本発明の好ましい態様によれば、 生地に使用されるイーストの1つの菌種(または複数の菌種)は粉に固有である 炭水化物を実質的に発酵できない。小麦粉を使用する生地の場合、これらの固有 の炭水化物は糖、例えばマルトース、ショ糖、グルコース、フルクトースおよび これらの糖から構成される種々のオリゴ糖を包含する。その他の粉が使用される べきであるならば、もちろん、そのような粉に固有の糖においていくつかの変形 があり得る。 そのようなイーストの使用は、生地組成物中に最初に存在するか、または生地 中に最初に存在する炭水化物へのアルファ−およびベータ−アミラーゼの作用に より生じる生地中のあらゆる炭水化物をイーストが発酵することを有効に防止す ることが見出された。イーストにより 発酵され得る予め決められた量の非固有の炭水化物が生地に添加され、所望量の 膨化を行い得る。基質が消費されたら、イーストの発酵活性は実質的に停止し、 さらに二酸化炭素が発生することが防止され、そして生地の過発酵が回避される ことが明らかである。本発明のこの態様によれば、生地組成物は破壊または爆発 なしに90日以上の期間保存され得る生地製品を製造するために使用され得るこ とが見出された。 本発明の生地においてイーストにより発酵され得る非固有の炭水化物は粉中に 本来生じない事実上あらゆる炭水化物であり得る。けれども、この炭水化物は好 ましくは糖またはオリゴ糖である。例えば、発酵可能な非固有の糖はガラクトー スまたはラクトース、グルコースおよびガラクトースの二糖類であってよい。 一つの特に好ましい態様において、イーストは小麦粉には固有でないガラクト ースを発酵できるが、小麦粉に固有であるあらゆる糖を実質的に発酵できず、こ のイーストは以下において「ガラクトース陽性」または「GAL+」イーストと 記載される。このGAL+イーストは粉、水およびガラクトースと混合されて生 地を形成する。生地中のガラクトースの量は、生地が所望の程度以上に膨化しな いようにイーストの活性を限定するために選択される。上記のように、ほとんど の環境中、32℃で生地100グラムあたり二酸化炭素約100−200mlが 生地を膨化させるのに十分である。従って、生地組成 物中のガラクトースの重量%は32℃で生地100グラムあたり二酸化炭素を約 200ml以下発生するように選択されるべきである。この容量の二酸化炭素を 発生するのに必要なガラクトースの量は、該量がイーストの異なる菌種によって 代わるので、個々に決定される必要があろう。 本発明の開示に示されるように、粉に固有である炭水化物を実質的に発酵でき ないが、その他の炭水化物を発酵できるイーストを作成することは、十分に当業 者の能力の範囲内であろう。そのようなイーストは、所望の特性等を有する適当 な菌種を単離する、イースト菌種を交雑する標準的な方法により行われ得る。こ れらのタイプの共通の技術は例えばシェルマン等によりMethod in Yeast Geneti csに記載されており、該文献の技術は参照により本明細書に編入される。シェル マン等の文献の第273−369頁の“Making Mutants”と表題が付されたセク ションIIIが特に興味深い。 ロボおよびマイトラはArchives of Biochemistry and Biophysics 182,639-6 45(1977),「サッカロミセス・セレビシアエにおけるグルコースホスホリル化 酵素の物理学的役割」における標準的技術を用いて、S.Cerevisiaeのヘキソキ ナーゼ陰性菌種をグルコキナーゼ陰性にする方法を教示しており、この文献の教 示は参照により本明細書に編入される。その方法によれば、ヘキソキナーゼ陰性 菌種は、50mM無グルコースーガラクト ースを含有するイーストエキス−ペプトン培地(YEP)中のN−メチル−N’ −ニトロ−N−ニトロソグアニジンで突然変異を誘発され、そしてグルコキナー ゼ陰性突然変異体がYEPガラクトースプレートからYEPグルコースプレート へのレプリカプレーティングによりグルコース陰性コロニーとして単離された。 独立した遺伝子分析により決定される突然変異体の遺伝子型はhxk1 hxk 2 glk1であり、hxk1とhxk2がそれぞれP1およびP2ヘキソキナ ーゼをコードする遺伝子を表し、そしてglk1はグルコキナーゼ合成のための 遺伝子決定因子を表す。 ロボおよびマイトラは本発明に従って使用するためのイーストを製造する適当 な一つの方法を教示しているが、その他の方法が当業者には明らかであろう。当 業者はまた、特定の粉に固有の炭水化物を実質的に発酵できないが、ガラクトー ス以外の非固有の炭水化物を発酵できるイーストのその他の菌種が公知方法によ り製造され得ることを理解するであろう。 実施例1 共通の生地系に固有である炭水化物を発酵するGAL+イーストの能力を試験 するために、GAL+イーストを含有する生地組成物が調製された。この生地配 合物は小麦粉870.75g(58.05重量%)、水529.80g(35. 32重量%)、実施例1において使用される小麦グルテンプレブレンド58.2 0g(3.88 重量%)、塩11.25g(0.75重量%)およびイースト28.50g(2 .00重量%)を含有していた。この実験で使用されるイーストはD308.3 と表記されるSaccharomyces CerevisiaeのGAL+菌種であり、該イーストの遺 伝子型はαhxk1 hxk2 glk1 ade1 trp1 his2 m et4だった。このイーストはバークレーのカリフォルニア大学の分子および細 胞生物学学部にあるドナー・ラボラトリーのイースト遺伝子保存センターから公 衆に利用可能であり、1991年3月15日付けのYGSCのカタログ第7版に 、このイースト菌種は保存番号D308.3で記載されている。このイースト菌 種はまた、米国メリーランド20852,ロックビル,パークローンドライブ1 2301のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に19 93年3月5日にATCC74211の下に寄託されていた。 固体ガラクトース寒天プレートからのD308.3の単離されたコロニーは、 液体イーストエキスペプトン(YEP)およびガラクトースを含有する6個の5 0ml培養フラスコ中に接種するために使用された。試料は約30℃でほぼ20 時間保温され、次いでこれもまたYEPおよびガラクトースを含有する6個の1 リットルフラスコ試料に接種するために使用された。これらの1リットルフラス コは30℃で約24時間保温され、次に約24℃でほぼ20時間保温された。 このイーストは次いで、ソルバル・インストルメンツから市販されて利用可能 であるGSAロータを用いて集められた。GSAロータと共に使用のための試料 容器は、試料、フタおよび容器の全重量が約300gとなるように充填された。 試料容器は2500rpmで20分間回転され、そして上澄み液はすぐにデカン テーションされた。試料、フタおよび容器の全重量を300gまで上昇させるた めに十分な蒸留水が試料容器に添加され、そして容器を回転させて、イーストペ レットを懸濁液とする。この試料容器は次に2500rpmで20分間回転され 、そして上澄み液は再びデカンテーションされた。 洗浄したイーストペーストおよび水が一緒にされてスラリーを形成させた。こ のスラリーを卓上ホバルトミキサー中でその他の成分と混合した。生地を速度1 で30秒間混合し、次に速度2で約4分ないし約5分間混合した。2つの100 g試料(図1および2におけるA1およびA2)および2つの50g試料(図1 および2におけるA3およびA4)がリソグラフ(登録商標)試験装置内に配置 された。リソグラフ(登録商標)は試料により発生された気体、例えば二酸化炭 素の容量およびその気体が発生される速度を決定するために、シェルドン・マニ ファクチャリング社から市販されて利用可能である。試料を約30℃で約17時 間(1000分)保温した。上記リソグラフ試験の結果は図1および2に示され ている。 図1に見られ得るように、二酸化炭素は上記試料の全てにおいて最初の40− 50分間はかなり急激に発生され、その後、発生速度はおよそゼロまで漸減した 。二酸化炭素発生の速度はわずかに正の速度と負の速度との間を上下していたけ れども、保温120分後と実験の終点との間には試料はごくわずか二酸化炭素を 発生するか、または二酸化炭素を発生しなかった。 さらに、二酸化炭素の発生速度は実験の最初に顕著だったけれども、この試料 中に発生した二酸化炭素の全容量が約7ml未満だったことは特記されるべきで あり、この結果は図2に最もよく示されている。上記したように、生地を適当に 膨化させるために、二酸化炭素約100〜約200ml/生地100gが必要で あると一般に考えられている。しかし、これらの無ガラクトース試料中で発生し た二酸化炭素の容量は上記の限度よりかなり下回っていた。気体約7mlがこれ らの試料において発生したという表示は、容器が保温のために加熱された時にリ ソグラフ(登録商標)試料容器中のヘッドスペースの膨張に、実際に、全体でな いにしても、主に寄与し得る。換言すれば、この実験における生地試料により容 易に感知できる二酸化炭素は発生されなかったことがほぼ明らかである。 従って、本実施例において使用されるD308.3イーストはこの生地系に固 有の炭水化物を実質的に発酵または別の言葉でいえば代謝できないと言うことが できる。 従って、イーストのD308.3菌種は実際にGAL+と表示され(その用語が 本明細書で使用される)、そしてこのイーストは本発明における使用のために適 当であるイーストの一つの例を提示することが確信される。しかし、上記したよ うに当業者はその他のGAL+イースト、並びに本発明の開示を考慮して、生地 中の粉に固有でない炭水化物のみを発酵できるその他のイーストを作成できる。 実施例2 実施例1で使用されたGAL+イーストの応答性を試験するために、変化する 非固有の炭水化物を有する4種の異なる生地組成物が調製された。4種の生地の 各々は粉290.25g、水176.60g、塩3.50gおよび実施例1で使 用されたD308.3GAL+イースト3.50gを含有していた。4種の異な る生地の配合は添加されたその他の成分の性質が相違していた。対照試料におい て、その他の成分は添加されなかった。第2の試料においてガラクトース5.0 0gを含んでいた。第3の試料においてラクトース10.00gが付与された。 そして最後の試料はいくつかの生地において風味成分として使用され、そして典 型的には幾分クラクトースを含有し、そして微量のガラクトースを含有してもよ い脱脂粉乳(NFDM)20.00gを含んでいた。 実施例1と関連して上記したような方法と実質的に同様に、イーストペースト を増殖させ、そして集めた。各 試料に対して、洗浄イーストは水でスラリー化し、そしてこのスラリーを卓上ホ バルトミキサー中でその他の成分に添加した。各試料を次に速度1で約30分間 混合し、次いで速度2で約4分間混合した。生地組成物の各々の2つの100g 試料を混合直後にリソグラフ(登録商標)試料ジャー中に入れ、そしてリソグラ フ(登録商標)に約28℃でほぼ20時間保持した。図3および4は各試料に対 する発生二酸化炭素の全容量および二酸化炭素発生速度をそれぞれ示す。 図3および4から見られ得るように、ガラクトースを含む生地組成物のみが適 当容量の二酸化炭素を発生した。対照試料、ラクトース含有試料およびNFDM を有する試料は全て約20時間にわたり二酸化炭素を約10ml発生した。さら に、非ガラクトース生地に対して測定された二酸化炭素発生の実質的に全ては保 温の最初の1ないし2時間で発生された。リソグラフ(登録商標)試料ジャー中 の気体容量におけるこのわずかな変化は、上で説明したように、試料ジャーのヘ ッドスペースの熱膨張に全体的に起因し得る。従って、非固有のガラクトースを 含有しなかった試料は本試験の間に顕著な量の二酸化炭素をほとんど発生しなか った。 この実験の結果は、D308.3イーストがガラクトースを代謝できるが、生 地組成物の粉に固有であるあらゆる炭水化物を実質的に発酵できないことを示す 。また、このイーストは「ストレートの」ラクトースまたは脱脂 粉乳中のラクトースのいずれかを実質的に発酵できないことが明らかである。こ の実験の間に、ガラクトース含有生地は二酸化炭素を発生し続けることが明らか であり、これはガラクトースの全てが使用されたわけではないことを示す。さら に、20時間の保温の最後に、ガラクトース生地は100mlをわずかに越える 二酸化炭素を発生し、二酸化炭素発生は実験終了後も継続していたようである。 ガラクトースを含有する生地はガラクトース約1.0重量%(5.00g/全 生地487.35g)だった。この実験の結果に基づいて、ガラクトース約1重 量%は生地100gあたり望ましい二酸化炭素100−200mlを発生するの に適当であるより多いようである。市販の冷蔵生地の包装に通常されているよう な内容量約250ccの標準的な螺旋状に巻かれた複合容器を用いる別の実験に より、ガラクトース約0.5重量%ないし約1.0重量%が約10−20psi の内部圧力を達するために十分な二酸化炭素を発生するのに十分であることが確 立された。従って、本発明の冷蔵可能な生地製品の製造の際には、容器中に入れ られる生地は好適には約0.5重量%と約1.0重量%の間のガラクトースを包 含する。 実施例3 ガラクトースが生地に添加されないならば、GAL+イーストの存在が容器の 完全な状態に影響を与えるかを 調べるために、D308.3イーストが化学的に膨張させた生地製品に添加され た。D308.3イーストを含有する生地2バッチおよび化学的に膨張させた生 地の別の2バッチが調製された。化学的に膨張させた生地は以下の組成を有して いた:粉約1590g(56重量%)、水947g(33.43重量%)、実施 例1の小麦グルテンプレブレンド110g(3.9重量%)、イーストフレーバ ー89.2g(3.15重量%)、グルコノデルタラクトン(GDL)42.5 g(1.5重量%)、ベーキングソーダ32.0g(1.13重量%)、および 塩21.3g(0.75重量%)。イーストを含有する生地の2つのバッチは、 水947g(33.43重量%)の代わりに水約890g(31.4重量%)を 含み、そしてD308.3イースト約56.7g(2.00重量%)を含み、非 常に類似した組成を有していた。 これらのバッチの各々における水は、マックダフィ混合ボウル中に粉とグルテ ンプレブレンドを満たす前に、最初にフレーバー剤と混合された。イーストを含 有するバッチにおいて、イーストは水でスラリー化されたが、これは、フレーバ ー成分がこのスラリーに添加される前に行われた。各成分を速度1で約30秒混 合し、次に速度2で約5分間混合した。塩および膨張剤(GDLおよびソーダ) を次にこの生地に添加し、そして混合物を速度1で約30秒間、そして速度2で 約2.5分間混合した。 生地の各バッチを厚さ約1/4インチ(約0.64cm)のシート状にし、そ してロールをかけ長い棒状の生地にした。棒状の各生地を約210gの一連の試 料に分割し、そして各試料を内容量約250ccの標準的な螺旋状に巻かれた複 合カン中に密封した。これらの生地製品を次に、容器中の内部圧が約10−15 psiに達するまで約32−35℃で膨化させた。この膨化の後、生地製品は約 4℃の冷蔵貯蔵に移された。 図5は測定されたカン圧、すなわち容器の内部圧力を時間の関数としてプロッ トしている。図5に示され得るように、標準的な化学的に膨張された生地を含有 する生地製品と、GAL+イーストを有する化学的に膨張された生地を含有する 生地製品との間に顕著な違いは見られなかった。 種々のその他の物理的測定が、標準的な化学的に膨張された生地をイースト混 入生地と比較するために異なる試料に対して行われた。物理的測定の中で、保水 性、pHおよび糖含量が比較された。生地の試料はまた、約375°F(163 ℃)で約20分間焼成された。得られた焼成品の比容ならびに外観、香り(アロ マ)およびその他の感覚特性が比較された。GAL+イーストを含有する試料の わずかに小さい比容の他には、上記2つの生地組成物の間に顕著な違いは見られ なかった。 実施例4 生地のガラクトース含量と本発明に係る生地を含有する生地製品の得られる内 部圧力との関係が試験された。添加されるガラクトースの量だけが異なるバッチ である4種の異なるバッチが調製された。各生地は小麦粉約870.75g(5 8.05重量%)、水529.80g(35.32重量%)、実施例1で使用さ れた小麦グルテンプレブレンド58.20g(3.88重量%)、塩11.25 g(0.75重量%)およびD308.3イースト28.50g(2.00重量 %)を含有していた。さらに、1つのバッチはガラクトース5.92g(0.5 重量%)を含有し、別のものはガラクトース約7.40g(0.63重量%)を 含有し、第3のものはガラクトース約8.87g(0.75重量%)を含有し、 そして最後のバッチはガラクトース約11.83g(1.00重量%)含有して いた。 実施例2に詳記したのと実質的に同じ方法でD308.3イーストを増殖させ 、そして集めた。ガラクトースを0.5重量%および1.0重量%含有するバッ チを形成する際に、イーストペーストは1リットルフラスコ中の水およびガラク トースと混合され、そしてフラスコ中約30℃で約1時間保温され、その間フラ スコは震とうされた。このスラリーを次いでマックダフィ混合ボウルに添加し、 そしてその他の成分と速度1で約30秒間、続いて速度2で約7分間混合した。 0.63重量%および 0.75重量%ガラクトースバッチは、イースト、水およびガラクトースがその 他の成分と混合される前に保温されない点でわずかに異なっていた。代わりに、 これら3種の成分は卓上ホバート中でスラリー化され、そして速度2で約4分間 だけドウフックを用いて混合された。 生地が混合された後、生地の各バッチからの2つの50グラム試料をリソグラ フ試料ジャー中入れ、そしてリソグラフ中約28−30℃で保温した。実施例3 に概説したように、生地を次にロールにかけ、210グラムの試料に分割し、そ して標準的な冷蔵可能な生地容器中に詰めた。得られた生地製品を約35℃で約 3時間保温し、そして引き続き約4℃で保存した。 図6および7は試料のカン圧を時間の関数として示し、各バッチからの試料に 対するカン圧は一緒にされて平均されこれらのプロットを形成する。試料の最終 的カン圧はおおよそ生地のガラクトース量に比例している。ガラクトースを0. 63重量%含有する試料は約5−6.5psiのカン圧を有していたのに対し、 0.75重量%の生地は約9−10.5のカン圧を有し、そして3重量%イース トおよび1重量%ガラクトースを有する生地における圧力は16psiよりわず かに低い最大圧力を生成した。従って、本発明の容器内の所望の圧力は生地に添 加されたガラクトースの量の関数として極めて容易に制御され得ることが明らか であり、ガラクトースが一旦消費されると、生地は二酸化炭素の生成を実質的に 停止 するであろう。 実施例5 D308.3イーストは、最終的な焼成品がわずかにくすんだ白色になるとい う、該イーストを含有する焼成生地の感覚的な外観に悪影響をおそらく及ぼした 。生地のその他の官能的品質の全ては、消費者におそらくより訴えるであろうこ のわずかな変色を示さない普通の生地だった。生地の変色が、アデニンを作れず 、培地にアデニンを補足せずに増殖した際に桃色または赤色のわずかな変色をイ ーストが引き起こすD308.3イーストにおそらく起因することが決定された 。イーストのこの変色は該イーストに対して(ヒトに対してではなく)毒性であ る代謝物の構築によるものであると推定される。 RD308.3イーストと表記される、代謝のためにアデニンを要求しないD 308.3イーストの自発性復帰変異株が単離された。まず、D308.3イー ストの濃厚ペーストが、実施例1に概説したように、ローター中イーストを遠心 分離することにより形成された。このイーストペーストを次にリン酸カリウム一 塩基性緩衝液(蒸留水1リットルにKH2PO4を約43mg添加,NaOHでp Hを約7.2に調整)で希釈し、そして「アデニン欠損」(ADO)培地、すな わち補足のアデニンを含有しない培地上に約1×107コロニー形成単位(CF U)/mlの濃度で塗布した。ADO培地は蒸留水1リットルあたりそれぞれお よそ:アミノ酸を含ま ないバクトイースト窒素塩基6.7g,ガラクトース20g,およびバクトアガ ー20g,アデニン,アスパラギン,アスパラギン酸,システイン,グルタミン ,グルタミン酸,グリシン,ヒスチジン,イノシトール,イソロイシン,ロイシ ン,リジン,メチオニン,パラ−アミノ安息香酸,フェニルアラニン,プロリン ,セリン,トレオニン,トリプトファン,チロシン,ウラシルおよびバリンを含 有する「ドロップアウト(欠損)ミックス」2g含有していた。(実質的に同じ 配合はMethod in Yeast Genetics,A Laboratory Course Manual(1990),17 9−180頁の付録Aにローズ等により教示されており、該文献は参照により本 明細書に編入されるが、その配合はガラクトースでなくグルコースを使用してい る。) ADOプレートを約25℃でほぼ4日間保温し、そしてアデニンを要求しなか ったコロニーが単離された。これらのコロニーの同定は、非復帰変異株が色調に おいて桃色または赤色状となる傾向があり、一方復帰変異コロニーは白色状であ るという事実により大きく単純化された。単離されたコロニーは次にもう一度新 鮮なADO培地上にプレーティングされ、そして実質的に同一条件で保温された 。イーストの復帰変異株のコロニーは、第1回目の単離において大まかに行われ たあらゆる菌株からもう一度単離され、そしてプレーティングおよび保温が最後 にもう一度繰り返された。本発明の開示を考慮してそのようなイーストを当業者 は容易に作成できると確信する けれども、RD308.3イーストの得られた菌株はATCCに1993年3月 5日に受託番号ATCC74212の下に寄託され、そしてATCCから一般に 利用可能である。 2つの試料が調製された。一方は元のD308.3イーストを含有する試料で あり、他方はRD308.3イーストを含有する試料であった。これらの試料は 、所望のイーストの単離されたコロニー(約1白金餌)を、YEP/ガラクトー ス(蒸留水1リットルあたりバクトイーストエキス約10g,バクトペプトン2 0g,およびガラクトース約20gを含有する)約5mlと混合し、そして約3 0℃で約12−15時間保温することにより調製された。(YEP/ガラクトー ス培地の配合はその配合におけるグルコースが本培地においてガラクトースに置 換されていることを除いて、上記のMethod in Yeast Genetics,A Laboratory Co urse Manual(1990)の付録Aの177頁に教示されている。)滴定の結果から 、各菌株に対して約48±2×105CFU/mlの密度であることがわかった 。得られた試料の各々に対して、試料約100μlが3つに分けられた培地5m lに添加された。1つの培地はYEPのみを含有し、もう1つのものはYEPと グルコースを含有し、そして第3のものはYEPとガラクトースを含有する。 得られた試料の吸光度が経時的に測定され、そして図8に示されている。D3 08.3およびRD308.3 イーストの増殖の様子は上記3つの培地の全てに対して実質的に同じであること がわかった。さらに、これらイーストの両方はガラクトースを容易に代謝できる が、YEPまたはYEP/グルコース上ではわずかしか増殖しないことがわかる 。D308.3株およびRD308.3株がYEP単独上よりもYEP/グルコ ース上でわずかに増殖が少ないことを記載することは興味深い。これはさらに、 これらのイーストが実質的にグルコースを代謝できないことを示す。 D308.3株およびRD308.3株に対する増殖補足物としての栄養要求 マーカー、アデニン、ヒスチジン、メチオニンおよびトリプトファンが標準的方 法により比較された。D308.3イーストは上記増殖補足物の4種全てが存在 しないならば、ガラクトース最小培地上で増殖できないが、RD308.3イー ストはヒスチジン、メチオニンおよびトリプトファンが添加されていさえすれば 増殖することができた。 従って、上記2種の菌株の栄養要求マーカーの間に見られた唯一の顕著な相違 は、D308.3イーストはアデニン補足を要求するが、RD308.3イース トは要求しないということだった。このように、RD308.3イーストは、生 地に添加された場合にD308.3イーストに関連して上記したように実質的に ふるまうであろうが、D308.3イーストを含有する生地に伴う焼成品のわず かな変色が実質的に解消されるであろう。 図9は解糖の工程を模式的に示している。この分野ではよく知られているよう に、種々の糖が解糖により分解され、解糖を介してピルビン酸となり、そして得 られるピルビン酸は嫌気性環境における発酵により二酸化炭素を生成するために イーストにより利用され得る。 図9に模式的に示したように、グルコースはヘキソキナーゼ(HXK)または グルコキナーゼ(GLK)のいずれかによりグルコース6−ホスフェートに変換 され得る。このグルコース6−ホスフェートは次いで2つの経路の1つによりフ ルクトース6−ホスフェートに変換され得る。通常の解糖経路において、グルコ ース6−ホスフェートはホスホグルコイソメラーゼの作用によりフルクトース6 −ホスフェートに変換される。 グルコース6−ホスフェートのフルクトース6−ホスフェートへの変換のため の別の経路において、グルコース6−ホスフェートはまず6−ホスホグルコノラ クトンにツビッシェンフェルメント(ZWF)としても知られるグルコース6− ホスフェートデヒドロゲナーゼ(G6PDH)の作用により変換される。ペント ースホスフェート変換とも呼ばれるペントース五リン酸経路を介し、上記6−ホ スホグルコノラクトンはフルクトース6−ホスフェートに変換され得る。 イーストが生地系に固有のあらゆる糖を実質的に発酵できない上記態様におい て、イースト突然変異体はヘキソキナーゼ(HXK)またはグルコキナーゼ(G LK) のいずれかを実質的に生成できなかった。図9Aの模式図からわかるように、こ れはグルコースまたはフルクトースがフルクトース6−ホスフェートに変換され るのを防止している。イーストは実質的にグルコースまたはフルクトースがフル クトース6−ホスフェートに変換できないので、グルコースまたはフルクトース は一般にピルビン酸に変換され得ず、そのためにイーストにより有効に利用され てCO2を生成できない。 図9Aの模式図からわかるように、ガラクトースはガラクトキナーゼの作用に よりグルコース1−ホスフェートに変換され得る。このグルコース1−ホスフェ ートは次にホスホグルコムターゼの作用を介しグルコース6−ホスフェートに変 換され得る。このグルコース6−ホスフェートはフルクトース6−ホスフェート に変換され得、そしてその後上記のようにホスホグルコイソメラーゼ(PGI) またはグルコース6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(G6PDH)のいずれか によりピルビン酸に変換され得る。従って、上記態様におけるイーストはガラク トキナーゼの作用を介してガラクトースを利用できるが、グルコースおよびフル クトースの解糖の経路はヘキソキナーゼおよびグルコキナーゼの欠損により利用 できない。 上記のように、別の態様において、本発明は非固有の糖を利用しないが、生地 系に固有であるが、限られた量でのみ存在する糖を代わりに発酵する。本発明の 一つの 特定の好ましい態様において、固有の糖はフルクトースである。フルクトースは 小麦粉に通常存在するが、0.1重量%未満の濃度であり、0.02−0.08 重量%のオーダーの濃度がほとんどの小麦粉について一般的である。小麦粉が水 およびイーストと一旦混合されると、この比較的低濃度のフルクトースはさらに 希釈されるであろう。ハプロイドイーストで発酵された生地は生地約100gを 膨化させるのに必要なCO2100−200mlを発生するために、通常少なく とも約1.0重量%の発酵可能な基質を要求するので、固有のフルクトースの量 は生地の適当な膨化に必要なものより少ないであろう。 本発明によれば、フルクトース6−ホスフェートを生成するための選択された 糖のみをホスホリル化できるイーストが粉および水と混合されて生地組成物を形 成している。一つの好ましい態様において、イーストはフルクトースを発酵でき るが、顕著な量で粉中に本来生じるあらゆる糖を実質的に発酵できない。フルク トースの追加の量が生地組成物に添加されて、イーストのための追加の発酵可能 な基質を与える。生地に添加されるフルクトースの量は約30℃で測定される場 合、イーストが約100−200mlCO2/生地100gを生成するのに充分 であるべきである。上記量の二酸化炭素を生成するのに必要なフルクトースの量 は、所望程度の膨化を得るためにイーストの異なる菌株に対してそれぞれ決定さ れ るべきである。 上記および図9に示したように、フルクトースはホスホリル化を介してフルク トース6−ホスフェートに変換されるためにヘキソキナーゼを必要とする。従っ て、本発明に従って使用されるイーストはヘキソキナーゼを生成できなければな らない。しかしながら、ヘキソキナーゼはまた、グルコースを分解してグルコー ス6−ホスフェートとし、これは次にPGIまたはG6PDHによりフルクトー スに変換され得る。本発明のイーストをグルコースではなくフルクトースを利用 可能とするために、フルクトース6−ホスフェートへのグルコース6−ホスフェ ートの変換のための2つの経路がブロックされた。 図9Bに模式的に示されるように、これは、ホスホグルコイソメラーゼ陰性( 「PGI−」)およびグルコース6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ陰性(「G 6PDH−」であるイースト、すなわちPGIおよびG6PDHを欠くイースト を用いることにより本発明に従って達成される。そのようなイーストはPGIま たはG6PDHのいずれかを生成できないので、グルコース6−ホスフェートを フルクトース6−ホスフェートにホスホリル化により変換することによりグルコ ース6−ホスフェートを実質的に利用できない。従って、グルコースはヘキソキ ナーゼまたはグルコキナーゼの作用によりグルコース6−ホスフェートに変換さ れても、解糖の工程は実質的にその点でブロックされ、そしてグルコースはピル ビ ン酸に変換さ得ない。 図9Bに模式的に示されるように、これは解糖工程を介して1つの経路のみを 発酵するが、フルクトースのフルクトース6−ホスフェートへのヘキソキナーゼ による変換である。従って、本発明の生地中のフルクトースの量は発生される二 酸化炭素の容量を決定するであろう。 本発明の一つの態様によれば、PGI−およびG6PDH−であるイーストは 粉、水および生地の所望程度の膨化を与えるのに十分な量のフルクトースと混合 される。生地に添加されるフルクトースの量は、上記したように、生地の膨化に 必要と通常考えられる、100−200mlCO2/生地100gの容量を発生 するために最適に選択される。生地に添加されるフルクトースの正確な量は、使 用されるイーストの特定菌株および粉中の固有のフルクトースの量等の多くの因 子に依存するであろう。従って、当該生地組成物に添加されるフルクトースの量 は異なる生地配合に対して個々に決定されるべきである。しかしながら、一旦適 当な配合か当該組成物に対して決定されたら、発生される二酸化炭素の容量は生 地に添加されるフルクトースの量の関数として予測可能に変えられ得る。 PGI−/G6PDH−イーストは現在市販されていないけれども、当業者は 公知技術、例えばシェルマン等,同上に概説されている方法を用いてそのような イーストを作成できるであろう。上記イーストの作成において、 PGI−イーストをG6PDH−イーストと公知技術により交雑することができ る。 2つのイーストが一旦交雑され、そして胞子形成されてハプロイド株が得られ たら、その菌株はそれらが実際にPGI−/G6PDH−であること、すなわち 、それらがホスホグルコースイソメラーゼを実質的に持たず、そしてグルコース 6−ホスフェート活性を実質的に持たないことを確認するために試験されるべき である。イーストのPGI−/G6PDH−性が一旦確認されたら(例えばグル コース培地上での実質的ゼロ増殖を確認することにより)、そのイーストは本発 明の生地を作成するために使用され得る。例えば本発明のPGI−/G6PDH −イーストは下記のようにして作成される。 実施例6 多くの推定的PGI−イースト株および多くの推定的G6PDH−イースト株 が一般に利用可能な供給者から得られた。この実験において、Saccharomyces ce revisiaeイーストの以下の菌株が使用された: YM3269イーストの遺伝子型はイーストがZWF、すなわちグルコース6 −ホスフェート(G6PDH)を欠くことを示す表記zwf1を含む。イースト の最初の3種の菌株は上記のUCバークレーにあるYGSCから 全て入手し、最後の菌株(YM3269)は米国ミズーリ州セントルイスにある ワシントン・ユニバーシティ・スクール・オブ・メディシンの遺伝学部のエム. ジョンストン博士から入手した。 特定のイースト菌株が本実験のために選択されたけれども、イーストのその他 のPGI−およびG6PDH−菌株を選択および発見することは十分に当業者の 能力の範囲内である。例えば「イーストにおけるグルコース6−ホスフェートデ ヒドロゲナーゼのための構造遺伝子の同定,不活性化は有機硫黄に対する栄養要 求を導く」,The EMBO Journal,vol.10 no.3,pp.547-553(1991)。この文献 中の技術は参照により本明細書に編入される。トーマス等はS.cerevisiaeのM ET19遺伝子の欠損が、該MET19遺伝子がイーストからのグルコース6− ホスフェートデヒドロゲナーゼをコードしているので、そのようなイーストがG 6PDH−となることを引き起こすであろうことを教示している。トーマス等は また、そのような欠損がその他のイースト菌株にクローン化され得る方法を記載 している。 上記イーストの各々の異なる基質を利用する能力が、多くの異なる培地の各々 の試料に各イーストの試料を接種し、そして試料の吸光度を経時的に25℃で測 定することにより試験された。異なる培地が塩基として液体YEPを全て用い、 そして培地への糖の添加を変えた。1つの培地は追加の基質を含有せず、第2の ものはグルコ ースを含有し、第3のものはフルクトースを含有し、第4のものはショ糖を含有 し、そして第5のものはマルトースを含有する。イーストが異なる培地上での増 殖する能力を試験するこの方法はこの分野では十分に公知であり、そしてここで さらに詳細に議論する必要はない。 そのような公知試験プロトコルを用いることにより、N543−9Dイースト がフルクトース、ショ糖およびグルコース上で増殖し、マルトース上で増殖しな いことが決定された。このイーストがグルコース上で増殖する能力は、報告され たように、実際にPGI−でないことを示す。 9520T4Cイースト株はまた、フルクトースおよびショ糖上で容易に増殖 するが、マルトース上では少ししか増殖せず、そしてグルコース上で最初増殖し 得なかった。しかし、液体グルコース培地中での約6日間の保温の後、この菌株 はグルコース上での増殖に順応した。この菌株はほとんど少なくとも部分的にP GI−であるが、該イーストはペントースホスフェート経路(図9に関連して上 記した)を介してグルコースを変換することによりグルコースを処理し得るか、 またはPGI−突然変異が「不完全(leaky,リーキー)」であり得る、すなわち PGIが十分に不活性化されていないと推測される。 YM3269株はグルコース、フルクトースおよびショ糖上で容易に増殖でき たが、該イーストはマルトース上での増殖が困難であるようだった。図9に示さ れるよ うに、グルコース6−ホスフェートはG6PDHの欠失によりペントースホスフ ェート経路の不活性化が起こされていても通常の解糖経路を介して処理され得る ので、G6PDHの欠失にもかかわらず、イーストはグルコース、フルクトース およびショ糖を使用できると予期される。 N548−8Aイーストはグルコース、フルクトースおよびショ糖上で徐々に 増殖でき、そしてマルトース上では一般に増殖できなかった。これは、このイー ストが「不完全な」ホスホグルコキナーゼ(PGK)変異を有するという文献か らの理解と一致する。 従って、YM3269イーストは明らかにG6PDH陰性であり、そして95 20T4CイーストはPGI陰性であることが明らかである。このようにして、 これら2つのイースト菌株はPGI−/G6PDH−ハプロイドを得るために選 択された。所望のハプロイドを作成するためにこれらの2つの菌株を交雑する際 に、プロトコルはMethod in Yeast Genetics,A Laboratory Course Manual,コ ールド・スプリング・ハーバー研究所出版部,pp.53-59(1990)から誘導され 、この文献の教示は参照により本明細書に編入される。 この方法によれば、YM3269イーストは、滅菌ループを用いて分離YEP +フルクトースプレート上にプレーティングされて、それら各プレート上に菌株 を約7mm離した一連の平行線に適用した。これらのプレート は約30℃でほぼ1日間保温された。 G6PDH−YM3269株の押圧はレプリカプレートパッド上に行われた。 この押圧はアデニン、ヒスチジン、メチオニンおよびウラシルを補足したYEP +フルクトース培地(バクトイーストエキス約1重量%,バクトペプトン約2重 量%,バクトアガー約2重量%,およびフルクトース約2重量%,バランスは蒸 留水)を含む新鮮なプレート上に押しつけられた。新鮮なレプリカプレートパッ ドを用いて9520T4C PGI−株の押圧が行われた。第2のレプリカパッ ドは前の押圧のために使用されたのと同じYEP+フルクトースプレート上であ るが、第1の押圧に対してほぼ垂直な方向に押しつけられ、チェッカーボートに 類似するイースト菌株のパターンを得た。この2重に押圧されたYEP+フルク トースプレートはほぼ30℃で一晩(すなわち約12−15時間)保温された。 このようにして調製されたYEP+フルクトースプレートは、アデニン、ヒス チジン、メチオニンおよびウラシルを含有するフルクトース最小培地上に押圧さ れた。フルクトース最小培地は蒸留水約1リットル中にアミノ酸なしのバクトイ ースト窒素塩基約6.7g、バクトアガー約20gおよびフルクトース約20g を含有し、アデニン、ヒスチジン、メチオニンおよびウラシルはこの配合に水溶 液の形態で添加された。フルクトースの代わりにデキストロースを利用する上記 最小培地、ならびに 補足物の配合はMethod in Yeast Genetics,A Laboratory Course Manual,コー ルド.スプリング.ハーバー研究所出版部,pp.178-179(1990)から誘導され 、この文献の教示は参照により本明細書に編入される。 これらのフルクトース最小培地プレートは約30℃でほぼ2日間保温された。 「チェッカーボード」パターンの交点での増殖が測定され、そして新鮮なフルク トース最小培地プレート上にプレーティングされてハプロイドコロニーからディ プロイド(交雑)コロニーが単離される。フルクトース最小培地プレート上に単 離されたディプロイドコロニーが胞子形成培地のプレート上に縞状に塗布され、 そして約25℃で約4−5日間保温する。胞子形成培地は酢酸カリウム約10g (1重量%)、バクトイーストエキス約1.0g(0.1重量%)、フルクトー ス約0.5g(0.05重量%)、バクトアガー約20g(2.0重量%)を含 有し、バランスは蒸留水約1000mlである。 イースト細胞1白金餌を胞子形成プレートから採取し、そしてエッペンドルフ (登録商標)微量遠心チューブ中の蒸留水約300マイクロリットルおよびグル スラーゼ15マイクロリットルと混ぜた。この溶液はボルテックスにより混合さ れ、そしてほぼ30℃で約30分間保温した。保温した試料は短時間超音波処理 し、胞子クラスターを分離した。約20分以内に、超音波処理試料の約10-4、 10-5、および10-6の連続希釈がYEP+フ ルクトースプレート上にプレーティングされた。 これらの連続希釈は次に、「イースト遺伝子および分子生物学へのガイド」, グスリエおよびフィンク編,Methods of Enzymology,vol.194,pp.146-147(1 991)から適合させた方法でエチルエーテル雰囲気に暴露された。上記文献の技 術は参照により本明細書に編入される。この方法において、4mm×4mm片の 濾紙が連続希釈の1つを含む各ペトリ皿の逆さにしたフタ内に入れられた。換気 設備内でエチルエーテル0.75mlが各濾紙に添加され、そしてフタおよび希 釈物がガラスチャンバー内にエチルエーテル10mlを含有するビーカーと共に 置かれて、チャンバー内を高められた蒸気圧に維持した。 チャンバーを密封し、そして試料を室温で約15分間保温し、その終了時点で エチルエーテル0.75mlを各濾紙片に添加した。これらの試料を再びガラス チャンバー内室温で約15分間保温し、次いで試料はチャンバーから取り出され 、そして各試料のフタを少し開いて開放大気に約30分間放置した。 10-4、10-6、および10-6希釈プレートの各々から、およびYM3269 と9520T4Cの各々の親株からの試料から単離されたコロニーはYEP+フ ルクトースプレート上に格子状にプレーティングし、そして約25℃でほぼ24 時間保温した。これちらの試料の各々を次にYEP+フルクトースの1つのプレ ーとYEP+ グルコースの1つのプレートト上にレプリカプレーティングした。これらのプレ ートを約30℃で約1−2日間保温して、単離された推定上のYM3269×9 520T4C菌株のどれがフルクトース富化培地上に増殖するが、グルコース含 有培地では増殖しないかを決定した。 YEP+フルクトース5ml容量にイースト1白金餌を接種することにより、 各単離された株の増殖速度が次に評価された。YM3269および9520T4 C親株の各々に対する対照試料もまた、同様の培地に親イースト1白金餌を接種 することにより調製された。これらの試料は約30℃で約24時間保温され、そ して各々得られたイーストの100マイクロリットル試料がYEP、YEP+フ ルクトースおよびYEP+グルコースの別々の5ml試料に、各単離された菌株 および親株の各々から調製された3種の試料の1組を接種するために使用された 。各試料の吸光度が600nmで測定され、そして試料は約25℃で約2週間保 温され、吸光度測定が各試料に対して1週間に約2回行われた。 推定上のYM3269×9520T4Cハプロイド菌株のほぼ200個のコロ ニーが最初に「チェッカーボード」プレーティングから得られた。これら200 個のコロニーのうち47個がフルクトース培地上で増殖するが、YEPまたはY EP+グルコース培地上で保温の最初の段階では実質的に増殖できなかったこと が見出された。しかし、上記したように、9520T4C親株は保温約 6日後にグルコース培地に順応することが見出された。グルコース培地中で最初 増殖しなかった47株のうち、15株以外の全てが親株と同様にグルコースに適 合する能力を示した。従って、200個の最初の単離されたコロニーのうち15 株のみがフルクトース上で増殖できるがグルコース上増殖できない、実際にPG I−/G6PDH−であると評価された。これらの15個のコロニーはPGI− /G6PDH−1ないしPGI−/G6PDH−15と表記される。 この実験的な実施例はそれ故に、本発明において使用され得るようなイースト 15コロニーを容易に提供している。この実験的な実施例は本発明のイーストを 作成する直接的な方法を説明しているけれども、そのようなイーストの作成のた めの上記方法の変形またはその他の方法が当業者には明らかであろう。 PGI−/G6PDH−1はATCCに1993年7月2日に受託番号ATC C74230の下に寄託された。この菌株は本発明に係る適当なイースト菌株の 一例として単に寄託された。15の単離されたPGI−/G6PDH−菌株の1 つまたはそれ以上がほぼ同様に作用し、そしてイーストのその他の菌株は本発明 の開示に従って当業者により容易に作成され得ることは理解されるべきである。 本発明のその他の態様によれば、本発明のそのようなイーストは生地組成物に 混入される。この態様によれば、 本発明のイーストは粉、水およびイーストにより発酵な基質と混合される。イー ストにより発酵可能な基質は生地系に本来あるものであってよいが、生地中のそ のような生地の量は生地100gあたりCO2200mlを生成するのに必要な ものより多くないべきであり、そして実質的にその量未満であることが望ましい 。本明細書で使用されるように、基質はそれが粉に固有であるか、または粉中に 最初に存在するその他の炭水化物への粉中の酵素の作用により時を経て生成され るならば、生地中に本来生じると記載される。 例えば、フルクトースは小麦中に本来生じ、そして小麦粉中に約0.02重量 %と約0.08重量%との間で一般に含まれる。そのようなフルクトースは粉中 に天然の状態で存在するので粉に固有であると記載され得る。粉はまた、グルコ ースとフルクトースの二糖類であるショ糖を含有してもよく、そしてショ糖は通 常生じる酵素の作用によりその構成単糖類に分解され得、時を経て生地中に追加 のフルクトースを生じる。シヨ糖の濃度はほとんどの小麦において一般に約0. 2重量%のオーダーであり、もし完全に分解されれば、粉中の最初の0.02− 0.08重量%フルクトースに対して約0.1重量%の追加のフルクトースを生 じるであろう。また、種々の小麦粉のオリゴ糖(例えばグルコフルクトース)は 種々の量のフルクトースを含有し、これは時を経て小麦粉生地系中のフルクトー スの全量におそらく寄与するであ ろう。本来のフルクトースおよび本来のシヨ糖やその他の本来のオリゴ糖の分解 により生成されるフルクトースの両方が本明細書において「本来生じる」ものと して、その用語が使用されると理解されたい。 フルクトースの例を繰り返すと、ほとんどの小麦粉中の全体の本来生じるフル クトースは、ショ糖がグルコースとフルクトースに完全に分解された場合であっ ても、約0.2重量%以下であろう。粉が水およびその他の生地成分と混合され る時までには、生地組成物中の本来生じるフルクトースの重量%は生地の約0. 12重量%未満、しばしばそのオーダーであろう。しかしながら、発酵可能な基 質1重量%のオーダー以上の濃度が生地の適度な膨化に必要な100−200m lCO2/生地100gを発生するために通常必要である。従って、本来生じる フルクトースは実質的に、粉で製造される生地を少なく膨化するのに必要とされ ることが予期されるものより実質的に少ない。 それ故に、特にイーストが小麦粉と共に使用される場合に、フルクトースは本 発明のイーストによる発酵可能な基質として機能する。他方、本来生じるグルコ ースは冷蔵小麦粉生地中の比較的低い濃度(例えば約0.2重量%のオーダーに ある固有濃度)で最初存在し、時を経て約90日の冷蔵期間の終わりには1重量 %またはそれ以上まで濃度が増加するであろう。従って、小麦粉生地中に「本来 生じる」グルコースは生地を適当に膨化する のに必要なものより多くなり得る。 本来生じるグルコースの量を限定するために小麦をさらに処理せずに、製品の 予期される90日の貯蔵寿命の間に生地系中に生成されるグルコースの追加量は 、生地の適当な膨化のために望ましい100−200mlCO2/生地100g より多く十分に発生させるであろう。さらに、生地が標準的容器中で膨化される 場合、膨化の間の生地の膨張は容器中に最初に存在する空気を容器から追い出し (フラッシュし)、そして容器を実質的に密封するために使用される。小麦粉中 の固有のグルコースの量は一般に、今日の市販用途にある標準的な容器を適度に フラッシュおよび密封するために十分ではないだろう。 不適当なフラッシュおよび密封はある量の空気を容器中に残し、そしておそら くそれが密封される前に容器中に入るであろう。容器中の顕著な酸素含量は生地 に多くの悪影響、例えば生地の灰色化や有害バクテリアの増殖の促進を与え得る 。従って、固有のグルコースは生地包装において望ましい15−20psi内圧 を生成するには不十分であり得るが、全体の本来生じるグルコースから生地中に 発生されるCO2の全容量は所望の容量を十分に越えることができる。従って、 グルコースは本発明のイースト発酵生地のための発酵可能なな基質の良好な候補 ではないだろう。 生地を膨化するのに必要な量以下の、本来生じる量で 生地中に存在する基質(ほとんどの場合が糖)のみを発酵できるイーストを利用 することにより、イーストが発生し得る二酸化炭素の全容量もまた制限されるで あろう。従って、生地中の発酵可能な基質の濃度を選択することにより、そして 本発明のイーストを使用することにより、イーストでの生地の膨化は市販基準に 制御され得る。このことは上記したように、生地が収容される容器を破壊せずに 、生地の延長された期間、例えば90日以上のオーダーの保存を可能にすること において重要である。 実施例7 実施例6で作成されたイーストが生地組成物を膨化し、そして長期冷蔵保存で 生き残る能力を試験するために、そのようなイーストは粉および水と混合され、 生地を形成した。特にイースト菌株PGI−/G6PDH−1(ATCC受託番 号ATCC74230)が4つの異なる生地組成物中に使用された。各生地組成 物はおよそ以下のものを含有していた:小麦粉428.3g(57.7重量%) ,蒸留水259.7g(35.0重量%),実施例1に示したものと実質的に同 一な小麦グルテンプレブレンド26.5g(3.56重量%),塩5.63g( 0.76重量%)およびPGI−/G6PDH−1イースト15.0g(2.0 2重量%)。4つの生地組成物は生地に添加される基質の量および種類において 異なっていた。第1の組成物は糖を添加せず、第2のものはフルクトースを約7 .5g(1.0重量%)含有し、 第3のものはグルコースを約7.5g(1.0重量%)含有し、そして第4のも のはショ糖を約7.5g(1.0重量%)含有していた。 PGI−/G6PDH−1イーストを水および糖とスラリー化し、必要ならば このスラリーを残りの成分と卓上ホバートミキサーで混合した。生地は速度1で 約30秒間、続いて速度2で約4分間混合した。 生地が混合された後、各生地組成物からの2つの試料100gをリソグラフ( 登録商標)試料ジャー中に入れた。これらの試料ジャーを次にリソグラフ(登録 商標)中約30℃で約24時間保温し、そしてこれらの試料のガス発生をリソグ ラフ(登録商標)により追跡した。図10は各試料の経時的に発生したCO2の 全容量のグラフでであり、図11は各試料に対してCO2発生の速度のグラフで ある。(生地の各バッチからの2つの試料から集められたデータは一緒にして平 均されて、これらの図面に示された試料に対するデータを得る。) さらに、フルクトース含有およびショ糖含有生地の2つの試料210gを標準 的な市販の螺旋型に巻かれたカン(直径約2.25”,長さ約4”)に入れた。 カン詰めされた生地試料を次に約97°F(36℃)で約3.5時間保温し、そ して約4℃で約90日間保存した。図12はこれらの生地の各々に対する密封容 器中の経時的な圧力を示すグラフである。(圧力測定は97°Fでの最初の膨化 保温の後開始され、そして各生地の2つの試 料に対するデータは一緒されて平均され、その生地に対する示されたデータを得 た。)図10および11のデータは、フルクトースを含有する生地がその他の3 つの試料より顕著に多量のCO2を発生したことを示す。このことにより、ホス ホグルコースイソメラーゼ(PGI)陰性であり、そしてグルコース6−ホスフ ェートデヒドロゲナーゼ(G6PDH)陰性であるイーストで膨化された生地に 期待するであろう。図9および9Bに示されるように、そのようなイーストは生 地中のフルクトースを容易に利用できるが、その他の糖を利用できない。 あらゆる追加の糖を含まなかった生地は、フルクトース補足生地により発生さ れたものより実質的に少なかったけれども、いくらかCO2を発生した。イース トは、二酸化炭素を発生する基質として生地中に本来生じるフルクトースを利用 し得た。本来生じないフルクトースを含有しない(すなわち組成物中にはフルク トースが添加されなかった)対照試料100gが100mlをいくらか越えるC O2を発生したことを記載することは興味深い。 しかし、この結果の信頼性は確かではない。ある環境において、生地中の種々 のバクテリアは、生地が長期間、例えば10時間以上膨化される場合に、CO2 またはその他の気体を発生するであろう。図10および11の生地は約30℃に 10時間以上保持されたので、対照試料により発生された少なくとも一部の気体 がバクテリア、 すなわちイースト以外のものによるものであろう。イースト中のバクテリアの増 殖は生地に悪影響を及ぼし得る不所望の副産物が得られるだけではないことは十 分に公知である。従って、市販の膨化された生地はできるだけ短時間膨化される のが一般的であり、そして発酵のためにこれらの生地においてイースト以外のも のからのCO2の発生に依存すべきではない。 従って、イーストにより発生されるCO2の容量は生地100gに対して10 0ml未満であると信じられている。これは、生地を適度に膨化させると考えら れるレベル以下に低下しているので、生地は所望程度まで生地を膨化させるのに 十分な本来生じるフルクトースを欠いているように見える。 ショ糖を1重量%含有する生地は、追加の糖を何ら含有していない対照試料に 比べ、実際にわずかに低いCO2を発生した。最初に、これは、生地中の発酵可 能な基質に加え、追加のショ糖がグルコースおよびフルクトースに分解されたこ とにおいて例外であるように見える。これは完全には理解されないが、PGI− /G6PDH−1イーストがショ糖を構成単糖類に切断できないか、または生地 中の多量の未消費グルコースの代謝抑圧のいずれかに起因し得ると考えられる。 グルコース補足配合物がショ糖生地に比べより少ない気体を発生したという事実 は、イーストにより発酵され得ないグルコースの存在がイーストの代謝を抑圧し ているということを支持す るであろう。 上記したように、図12はカン詰めされた生地安定性試験における圧力を示す 。フルクトース補足生地は保存の最初の10日間で約18psiの内部圧力に達 し、90日の終了時までに圧力は約24psiまで徐々に上昇した。上記したよ うに、カンの内部圧力は少なくとも約15−20psiを有することが望ましい が、カンの内部圧力は40psiを越えるべきではなく、さもないと容器は破壊 するであろう。従って、図12のフルクトース補足生地は標準的なカン詰めされ た生地の所望の操作パラメータに容易に適合すること、および容器の破壊なしに 長期間保存され得ることがわかる。この場合、生地はカン圧に何らかの悪影響な しに冷蔵温度で90日間保存されたが、これは上記のように、ほとんどの現在の 市販の冷蔵生地製品の製造に対する要求に適合する。 ショ糖補足生地は、フルクトース補足生地程の内圧を生じなかった。図12に 示されるように、ショ糖生地は冷蔵保存の最初の10日間で約10psi未満の 圧力に達し、そしてこのグラフに示される90日の終了時までに内圧は約14p siまで徐々に上昇した。この製品が保存2か月後でさえも内圧が所望の15− 20psiに達しなかった記載することは興味深い。従って、生地製品系中の非 発酵性糖(例えばグルコース)の濃度を変えることにより、生地の気体発生、そ れ故に生地貯蔵寿命の間の生地を含有するパッケージの内圧を有効に制限す るか、または制御し得る。 本発明の別の態様は、二酸化炭素を顕著な容量で発生せずに冷蔵温度で長期間 保存され得る生地を製造する方法を提供する。この方法はさらに生地をパッケー ジに詰め、生地をパッケージ内で膨化し、そして生地を冷蔵温度で長期間保存す る工程をさらに包含してもよい。 本発明の生地の製造に際し、上記したように、粉、水、粉に固有の炭水化物を 実質的に発酵できないイースト、およびイーストにより発酵可能なある量の炭水 化物が一緒に混合される。生地に添加される発酵可能な炭水化物の量は生地の膨 化の必要な程度のみを与えるのに十分であることが望ましく、あまりにも多量の 発酵可能な基質は過発酵による生地レオロジーに有害な変化を引き起こし得る。 この量は、異なる菌株のイーストがその他のものに比べより有効に発酵可能な基 質を利用し得るので、当該イーストに対して個別に最適に決定される。 本発明の特に好ましい態様において、生地の製造に使用されるイーストはGA L+イーストであり、そして予め決められた量のガラクトースが生地に添加され て所望程度の膨化を付与する。このGAL+は上記のD308.3またはRD3 08.3イーストであってよいが、その他のGAL+イーストは本発明に従って 作用するであろう本発明の開示によって製造され得ることは理解されたい。 上記したように、上記方法はさらに生地を容器に詰め、 生地を容器内で膨化し、そして生地を冷蔵温度で長期間保存する工程をさらに包 含してもよい。この分野で公知のあらゆる公知の生地パッケージがこの方法にお いて使用され得る。例えば、螺旋型に巻かれた生地容器、例として市販の冷蔵可 能生地製品に一般に使用されているものが十分であろう。容器を充填するのに必 要なものよりいくぶん少ない生地の量が、密封された時に容器に頂部を残して、 容器中に収容される。 生地は次に容器内で膨化され、膨張して容器を満たし、頂部の空気を排出して もよい。膨化は発酵可能な炭水化物の実質的に全てがイーストにより消費される まで継続され、その時点で約15ないし約20psiの内圧が容器内に達成され る。この膨化は高められた温度、例えば約30℃ないし約40℃で行われるのが 有利であり、イーストの発酵を可能にし、そして生地の膨化をより迅速に行うこ とを可能にする。 次いで、この膨化された生地は延長された期間、望ましくは少なくとも約2週 間冷蔵温度で放置されてもよい。本発明の生地は最適には、冷蔵温度で、上記し たように現在の生地の予期される貯蔵寿命である少なくとも約90日間、保存で きる。「冷蔵温度」により、約12℃と約0℃との間、好ましくは約4℃と約7 .2℃の間の温度での保存が意図される。そのような温度は本明細書において「 冷蔵温度」と記載される。 上記したように、本発明の好ましい態様は、粉に固有 の炭水化物を実質的に発酵できないが、非固有の炭水化物を発酵できるイースト を提供する。第一に特に好ましい態様において、このイーストは小麦粉に固有の 炭水化物を実質的に発酵できないが、非固有の糖、例えばガラクトースを発酵で きるディプロイドイーストからなる。このイーストはディプロイドGAL+イー ストと本明細書において記載される。 これまで記載され、そして試験されたGAL+イーストは冷蔵可能なイースト 混入生地を製造するために完全に適している。しかし、市販の製造設備において 、より適当であり、かつ頑強であるようなイーストを提供することが望ましい。 商業的な操作において、生地製造に使用されるイーストの菌株がGAL+でない イーストのその他の菌株と接触され得る可能性がある。ハプロイドであるGAL +イーストが使用されるならば、GAL+イーストがイーストの混入菌株と交雑 し、イーストの能力に影響を与える可能性がある。同様に、ハプロイドGAL+ イースト菌株のいくつかが野生型に復帰し、そしてグルコースまたは粉に固有の その他の炭水化物を自由に代謝し得るようになる可能性がある。 イーストのいくつかの混入は商業的製造において問題となるべきではない。し かし、イースト菌株があまりに汚染された場合、生地組成物に添加されるイース トは固有の炭水化物をかなりの範囲まで代謝可能であり得る。このことにより、 製造される生地中の炭水化物プロフィ ールに適合し、そして非固有の炭水化物の予め決められた供給が消費された後で さえもかなりな量の二酸化炭素を発生し続けるイーストが得られるであろう。こ のため、このことは、長期間の保存の後に不適当なレオロジーを有する生地が製 造され、そして生地が貯蔵のために充填されている容器に破壊を引き起こすのに 十分に高い圧力を生じることが予想される。 従って、汚染されにくく、グルコース利用性野生型に復帰しそうにないイース トを有することが望ましい。本発明のGAL+イーストはより頑強で、より汚染 されにくく、かつ野生型により復帰しにくいと考えられている。 実施例7 市販の生地製造操作に使用するためのより強健なイーストを提供する試みにお いて、GAL+イーストのディプロイド菌株が創製された。D308.3とRD 308.3菌株が両方とも交雑「α」型ハプロイドGAL+イーストであり、そ のため適当なディプロイド菌株を形成するために互いに交雑できない。それ故に 、交雑「a」型GAL+イースト菌株がD308.3およびRD308.3イー ストのいずれか、または両方と交雑するために創製された。 イーストの以下の菌株が所望のGAL+ディプロイドイーストの創製に使用さ れた: イーストのXA83−5B菌株は同じ記載でYGSCから一般に利用可能であ る。YM3270は米国ミズーリ州セントルイスにあるワシントン・ユニバーシ ティ・スクール・オブ・メディシンのマーク ジョンストン博士から入手した。 これらのイースト菌株は、XA83−5Bイーストが交雑型aを有するGAL+ ハプロイドの生成を可能にし、そしてYM3270イーストが得られたイースト が実際に交雑型aであるかを確認するための試験に有用である点において本発明 の交雑プロトコルに有用であることが見出された。しかし、交雑型aを有するそ の他のイーストが使用され得ることは考えられ、そして理解されるべきである。 このことはYM3270イーストの場合に特に当てはまり、下に概説されるよう にして生成されたイーストの交雑型を決定するために簡単に使用された。 本実験において使用されるD308.3(trp+)イーストは上に詳細に記 載したD308.3イーストの自発性復帰変異体であり、そしてATCC742 11の下でATCCから入手可能だった。寄託されたD308.3イーストは適 当な速度で増殖するためにトリプトファン補足を必要とすると決定された。D3 08.3(trp+)イースト(以下、D308.3’イーストとも記 載する)は適当な増殖のためにトリプトファン補足を要求しない寄託されたD3 08.3の自発性復帰変異体である。D308.3’イーストはRD308.3 イーストを単離するための実施例5に概説した操作と類似の方法で単離された。 特に、D308.3イーストの濃厚ペーストが得られ、そして「トリプトファン 欠損」培地(すなわち補足のトリプトファンを含有しない培地)上に約1×108 CFU/mlのオーダーで塗布した。トリプトファン欠損培地の組成は実施例 5のアデニン欠損培地と実質的に同じであるが、培地中に実質的にトリプトファ ンを含まないように、その組成におけるトリプトファンがアデニンに置き換えら れた。 これらの接種された欠損プレートは保温され、そして欠損培地上で増殖し、そ してそれ故に増殖のためにトリプトファン補足を要求する必要のないイーストの コロニーが単離された。これらの単離された復帰変異菌株は再度トリプトファン 欠損培地上にプレーティングされ、そして増殖するコロニーがプレートから単離 された。これらの単離されたコロニーの試料はもう一度トリプトファン欠損培地 上にプレーティングされ、保温され、そして最後にもう一回単離されて、単離さ れたコロニーから実質的に全ての非復帰変異イーストを除去した。これらの単離 されたコロニーは本明細書の実施例8において使用されるD308.3’イース トである。 交雑型aGAL+ハプロイドイーストは、交雑型aイ ーストであるXA83−5BイーストとRD308.3イーストを交雑すること により創製された。交雑はMethod in Yeast Genetics,A Laboratory Course Ma nual,コールド・スプリング・ハーバー研究所出版部,pp.53-59(1990)から 誘導されるプロトコルに従って以下のように行われた: XA83−5BイーストとRD308.3イーストとは、滅菌ループを用いて 分離YEP+フルクトースプレート上にプレーティングされて、それら各プレー ト上に菌株を約7mm離した一連の平行線に適用した。これらのプレートは約3 0℃で約24時間保温された。 交雑型aXA83−5B株の押圧はレプリカプレートパッド上に行われた。こ の押圧はYEP+ガラクトース培地(バクトイーストエキス約1重量%,バクト ペプトン約2重量%,バクトアガー約2重量%,およびフルクトース約2重量% ,バランスは蒸留水)を含む新鮮なプレート上に押しつけられた。新鮮なレプリ カプレートパッドを用いて交雑型αRD308.3株の押圧が行われた。第2の レプリカパッドは前の押圧のために使用されたのと同じYEP+フルクトースプ レート上であるが、第1の押圧に対してほぼ垂直な方向に押しつけられ、チェッ カーボートに類似するイースト菌株のパターンを得た。この2重に押圧されたY EP+ガラクトースプレートはほぼ30℃で約24時間保温された。 このようにして調製されたYEP+ガラクトースプレ ートは、合成デキストロース最小培地上に押圧された。合成デキストロース最小 培地は蒸留水約1リットル中にアミノ酸なしのバクトイースト窒素塩基約6.7 g、バクトアガー約20gおよびグルコース約20gを含有していた。このよう な最小培地はMethod in Yeast Genetics,A Laboratory Course Manual,上掲, pp.178-179に教示されている。上記合成デキストロース最小培地は約30℃で 約24時間保温された。 「チェッカーボード」パターンの交点での増殖が測定され、そして新鮮な合成 デキストース最小培地プレート上にプレーティングされてハプロイドコロニーか らディプロイド(交雑)コロニーが単離される。合成デキストース最小培地プレ ート上に単離されたディプロイドコロニーが胞子形成培地のプレート上に縞状に 塗布され、そして約30℃で約4−5日間保温する。胞子形成培地は酢酸カリウ ム約10g(1重量%)、バクトイーストエキス約1.0g(0.1重量%)、 ガラクトース約0.5g(0.05重量%)、バクトアガー約20g(2.0重 量%)を含有し、バランスは蒸留水約1000mlである。 イースト細胞1白金餌を胞子形成プレートから採取し、そしてエッペンドルフ (登録商標)微量遠心チューブ中の蒸留水約300マイクロリットルおよびグル スラーゼ15マイクロリットルと混ぜた。この溶液はボルテックスにより混合さ れ、そしてほぼ30℃で約30分間保温 した。保温した試料は短時間超音波処理し、胞子クラスターを分離した。約20 分以内に、超音波処理試料の約10-4、10-5、および10-6の連続希釈がYE P+ガラクトースプレート上にプレーティングされた。 これらの連続希釈は次に、「イースト遺伝子および分子生物学へのガイド」, グスリエおよびフィンク編,Methods of Enzymology,vol.194,pp.146-147(1 991)から適合させた方法でエチルエーテル雰囲気に暴露された。上記文献の技 術は参照により本明細書に編入される。この方法において、4mm×4mm片の 濾紙が連続希釈の1つを含む各ペトリ皿の逆さにしたフタ内に入れられた。換気 設備内でエチルエーテル0.75mlが各濾紙に添加され、そしてフタおよび希 釈物がガラスチャンバー内にエチルエーテル10mlを含有するビーカーと共に 置かれて、チャンバー内を高められた蒸気圧に維持した。 チャンバーを密封し、そして試料を室温で約15分間保温し、その終了時点で エチルエーテル0.75mlを各濾紙片に添加した。これらの試料を再びガラス チャンバー内室温で約15分間保温し、次いで試料はチャンバーから取り出され 、そして各試料のフタを少し開いて開放大気に約30分間放置した。 287の推定上のハプロイドGAL+イーストコロニーが上記10-4、10-5 、および10-6希釈プレートから単離された。これらの推定上のハプロイドの各 々をY EP+グルコースプレートおよびYEP+グルコースプレート上に格子状にプレ ーティングし、そして約30℃でほぼ48時間保温し、単離された推定上のXA 83−5BXRD308.3菌株のどれがガラクトース富化培地上に増殖するが 、グルコース含有培地では増殖しないかを決定した。これらの287コロニーの うち50が、ガラクトース上に十分に増殖するが、グルコース上で通常増殖しな い性質により、GAL+であると決定された。これらのGAL+ハプロイドは次 にそれらを新鮮YEP+ガラクトースプレート上に縞状に塗布することにより単 離された。 これらのGAL+ハプロイドの各々の交雑型は、これらのイーストの試料をY M3270イーストと上記のように交雑を試みることにより決定された。YM3 270イーストは交雑型αであるので、単離されたGAL+イーストの交雑型a のみがYM3270イーストと交雑することができるであろう。それ故に、これ により、共に交雑型αであるD308.3’およびRD308.3Lと交雑し、 本発明の所望のディプロイドを製造し得るGAL+菌株を同定する。 交雑の能力の決定において、利用された方法はRD309.3とXA83−5 B菌株とを交雑するために使用された上記の交雑方法と同様だった。単離された GAL+株とYM3270イーストとの交雑において、GAL+イーストの3種 の異なる菌株の各々の3本のほぼ平行 な縞が単一のYEP−ガラクトースペトリ皿上に塗布された(ペトリ皿あたり全 部で9本の縞)。単離されたGAL+菌株の各々試料がペトリ皿上にプレーティ ングされるように、多くのそのようなペトリ皿が調製された。分離プレート上に は、YM3270イーストの6本のほぼ平行な縞がYEP−ガラクトース培地上 に塗布された。GAL+試料およびYM3270プレートの両方が約30℃で約 24時間保温された。 GAL+菌株およびYM3270菌株が一連のプレート上にほぼ垂直な方向に レプリカプレーティングされ、最初の交雑プロトコルにおいて概説したように、 チェッカーボードパターンを得た。これらの菌株は、前の交雑において利用され た合成デキストロース最小培地ではなく合成デキストロース完全ウラシル欠損培 地上にプレーティングされた。合成デキストロース完全ウラシル欠損培地はアミ ノ酸を実質的に含まないバクトイースト窒素塩基約6.7g、グルコース約20 g、バクトアガー約20gおよび「欠損ミックス」約2gを含有し、バランスは 蒸留水約1000mlであった。上記「欠損ミックス」はアデニン約0.5g、 ロイシン約4.0g、パラアミノ安息香酸約0.2g、およびアラニン、アルギ ニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸 、グリシン、ヒスチジン、イノシトール、イソロイシン、リジン、メチオニン、 フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトフ ァン、チロシンおよびバリンの各々約2.0gを含有していた。 上記チェッカーボードプレートを約30℃で約24時間保温し、そして増殖を 測定した。YM3270イースト菌株が増殖のためにウラシル補足を要求するこ とが決定されているので、ウラシル欠損培地上へのイーストのプレーティングは 、交雑ディプロイドイーストのハプロイドコロニーからの分離は効率的に行われ る。単離された50のGAL+コロニーのうち、わずがに6つがウラシル欠損培 地に関する栄養要求補足による交雑型αYM3270イーストと交雑する能力に 基づいて交雑型aの生存し得るハプロイド菌株であることが見出された。 交雑型aであると同定された6つのGAL+菌株およびD308.3’および RD308.3菌株の栄養要求マーカーが次に公知技術を用いて決定された。特 に上記6つの菌株の各々の試料は異なる培地を有する一連のプレート上にプレー ティングされた。全てのプレートに対する培地はアミノ酸を実質的に含まないバ クトイースト窒素塩基約6.7g、グルコース約20g、バクトアガー約20g および「欠損ミックス」約2gを含有し、バランスは蒸留水約1000mlであ った。上記「欠損ミックス」はアデニン約0.5g、ロイシン約4.0g、パラ アミノ安息香酸約0.2g、およびアラニン、アルギニン、アスパラギン、アス パラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、 イ ノシトール、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン 、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンの各々約2.0 gを含有していた。 培地組成は、培地に添加される各「欠損ミックス」がイソロイシン、トリプト ファン、リジン、アデニン、ヒスチジンまたはメチオニンの1つが省かれている が、配合のその他の全ての成分を含むことにおいて互いに異なっていた。これら の一連のプレートは約30℃で約24時間保温され、そして増殖が視覚で検査さ れた。欠損培地がこのプロトコルにおいて使用されるけれども、栄養要求マーカ ーを決定するために認められているあらゆる手段が使用され得ると理解されるべ きである。以下の栄養要求マーカーが6つの交雑型aGAL+菌株の各々に対し て決定された: この表において、「+」表示はその菌株が同定された欠損培地上で増殖したこと を示し、「−」表示はその菌株が同定された欠損培地上で十分な増殖を示さなか ったことを示し、そして「+/−」表示はこの菌株が同定された欠損培地上で増 殖を示したが、下に概説するように、栄養要求補足を介してRD308.3また はD308.3’のいずれかの菌株に交雑された場合metの添加を要求したこ とを示す。当業者は本発明の開示に従ってその他のGAL+/ltsイースト菌 株を容易に作成することができるであろうが、GAL+♯33イースト菌株は1 994年3月4日にATCCに寄託され、そして受託番号ATCC の下 で一般に利用可能である。 これらの栄養要求決定に基づいて、交雑型aのGAL+菌株番号6,33,4 4,46および50が親株RD308.3に交雑され、交雑型aのGAL+菌株 番号11がD308.3’に交雑された。RD308.3とXA83−5B菌株 とを交雑するために上記したものと実質的に同じ交雑プロトコルが本発明の菌株 の交雑において使用された。しかしながら、この交雑プロトコルにおいて、親ハ プロイドから得られるディプロイドコロニーを単離するために使用される合成ガ ラクトース最小培地は以下のようにアミノ酸が補足された: これら6種のディプロイド株の各々は、それらがガラクトース上で増殖し得た が、グルコース上で実質的に増殖し得なかったという点においてGAL+のまま であるかを確認するために試験された。各デュプロイドおよびRD308.3お よびD308.3’菌株の多い接種物(例えば約107CFU/mlのオーダー で)がYEP+ガラクトースプレートおよびYEP+グルコースプレート上にプ レーティングした。デュプロイド6種全ておよびRD308.3およびD308 .3’ハプロイドの両方はガラクトース培地上で十分に増殖したが、グルコース 培地上で十分な増殖を示さなかった。 本発明の開示によれば、当業者は本発明のGAL+を確実に製造し得る。上記 の実験的な方法はこの目的を達成する広範囲の可能な方法のほんの一例であり、 そして 本発明のGAL+を製造するその他の有効な手段は本発明の教示を考慮すれば当 業者に明らかであろう。例えば、本実施例で使用された以外のその他の出発イー ストを選択し得、イースト菌株の交雑はその他の公知方法で行われ得、そして栄 養要求マーカーはその他の公知手段により決定され得る。 本発明のデュプロイドGAL+イーストはRD308.3およびD308.3 ’ハプロイド菌株のいずれよりも、より活性であり、そして復帰変異や汚染に対 してより耐性であろう。そのような改良された活性および耐性はRD308.3 およびD308.3’ハプロイドイーストのいずれよりも市販の生地製造操作に おいてより価値のあるGAL+イースト菌株となるべきである。 実施例9 本発明に係る冷蔵可能な生地の発酵におけるイーストの使用に関連して実施例 8で製造したGAL+ディプロイドの特性が試験された。実施例8で製造された 6つのGAL+ディプロイドの遺伝子型、ならびにRD308.3およびD30 8.3’菌株の遺伝子型は親株の遺伝子型に基づいて以下のようであると考えら れる: 最初に、イーストの上記菌株の各々がある種の炭水化物を利用できる能力が試 験された。1白金餌の各イースト菌株を、上記とほぼ同様の組成を有するYEP +ガラクトース液体培地約50mlを含有する別々の300mlフラスコに添加 した。これらのフラスコを約30℃で約18時間震とうしながら保温した。保温 後の試料の各々に対して3本の10ml試験管を保温試料約100μlに加えた 。各試料に対する1本の試験管はYEPを約5ml含有し、もう1本の試験管は YEP+デキストロースを約5ml含有し、そして第3の試験管はYEP+ガラ クトースを約5ml含有していた。これらの培地の組成は実質的に上記のものと 同一だった。1組3本の対照試験管もまた、3本の試験管の各々に、いずれもイ ーストを加えずに、YEP、YEP+デキストロース約5mlまたはYEP+ガ ラクトース約5ml入れた。 これらの得られた試験管の各々の吸光度が保温の前、そして約30℃での保温 の間に600nmで測定された。 YEPまたはYEP+デキストロース培地を含有する試験管の吸光度は約2週間 にわたり測定され、そしてYEP+ガラクトースを含有する試験管の吸光度は保 温約100時間、試験管を震とうして、および震とうせずに測定された。 a/αGAL+♯50を除いてディプロイドa/αGAL+菌株の各々がガラ クトース培地上でRD308.3に比べ非常に迅速に増殖することが見出された 。D308.3’、RD308.3およびa/αGAL+菌株番号6、11、3 3および44はYEPおよびYEP+グルコース培地の両方上での増殖がかなり 低かった。a/αGAL+♯50イースト菌株はガラクトース培地上で十分に増 殖したが、RD308.3菌株に比べかなり良好ではなかった。a/αGAL+ ♯44およびa/αGAL+♯50菌株は、YEP+グルコース培地中での保温 約12日後に増殖し始めるように見えた。グルコースを利用するこの明らかな能 力の理由ははっきりとは理解されないけれども、上記菌株がグルコース利用可能 に自発的に復帰したか、または本試験において使用された試料が別の生物に汚染 されたかのいずれかであると推測された。 6つのディプロイドa/αGAL+菌株がグルコース利用可能にする能力が、 別々の10ml容量のYEP+ガラクトースにイースト1白金餌を最初に添加し 、そして約30℃で約20時間、震とうしながら保温すること により試験された。各試料に対する3つの別々のYEP+ガラクトースプレート は試料の3つのプレートの各々上に試料100μlを塗布プレーティングするこ とにより調製された。さらに、各試料の10-4、10-5および10-6連続希釈物 が同様のYEP+ガラクトースプレート上に塗布プレーティングされた。 これらのプレートは保温され、そしてそれぞれのYEP+グルコースプレート 上野6つの菌株の各々に対する観察された復帰変異コロニーの数が記録された。 これらの比率が次に、YEP+ガラクトースプレート上での連続希釈物との比較 により、プレート上にプレーティングされた実際のコロニーの全数と比べられた 。復帰変異の頻度を決定するこの方法はこの分野では十分に公知である。これら の試料の復帰変異率はそのようにして決定され、以下のとおりであった: 従って、本発明のディプロイドイースト菌株がグルコース利用可能に復帰した 頻度は親株RD308.3ハプ ロイドの復帰頻度よりかなり低かった。従って、本発明のディプロイドイースト は本発明のRD308.3イーストに比べ、少なくともグルコース利用可能への 復帰変異に関して、より安定である。 これらのディプロイド菌株は、本発明に係る冷蔵可能な生地の発酵におけるそ れらの利用性を決定するために、生地系内で評価された。まず、イースト菌株が 、YEP+ガラクトース液体培地を約50ml含有する300ml培養フラスコ に、1つの単離されたイーストコロニーを接種することにより増殖され、2つの そのような接種したフラスコがイーストの各菌株に対して調製された。これらの フラスコを約30℃で約48時間、フラスコを震とうしながら、保温した。保温 した試料を次に、YEP+ガラクトース液体培地を約1000ml含有する別々 の2リットルフラスコに添加し、そしてそのより大きいフラスコを約30℃で約 24時間、実施例1に記載したペースト状での集菌に先立ち、保温した。 生地はディプロイドイーストの各菌株ならびにRD308.3イーストから調 製された。各生地はおよそ以下の成分を含有していた:小麦粉約758g(56 .1重量%)、小麦グルテンプレブレンド約49.0g(3.5重量%)、水約 498g(35.6重量%)、塩約14g(1.0重量%)、イーストペースト 35g(2.5重量%)、グルコース約14g(1.0重量%)およびイースト フード約4.2g(0.3重量%)。この組 成において使用されるイーストフードは米国ウイスコンシン州のレッド・スター ・ユニバーサル・フーズ・コーボレーション・オブ・ミルウォーキーから商品名 「レギュラー・イースト・フード」で市販されているものである。水、ガラクト ースおよびイーストフードが混合され、そしてマックダフィ(登録商標)混合ボ ウル中イーストペーストと、速度1で約30秒間、続いて速度2で約6分間混合 された。 そのようにして製造された生地50g試料をリソグラフ(登録商標)試料ジャ ー中に入れ、それらが約30℃で約42時間保温される際の、気体発生データが 各試料に対して集められた。ディプロイド菌株番号33、46および50で発酵 させた生地試料50gおよびRD308.3イーストで発酵させた試料はそれぞ れ、試験の間にCO2を約90−100ml発生した。これは生地を適度に膨化 するのに必要と考えられる100−200mlCO2/生地100gの範囲内で ある。a/αGAL+♯44イーストで膨化された試料はCO2を約65mlの み発生した。ディプロイド菌株番号33および46はハプロイドRD308.3 イーストより少し迅速にCO2を発生することがわかった。ディプロイド菌株番 号6および11はRD308.3より低い速度でガスを発生したが、この低い速 度に対する理由は液体培養試験を考慮しているこの時点で理解されない。♯44 および♯50菌株はハプロイド親株に比べより少なくより遅く気 体を発生することがわかった。 リソグラフ試料が採取された後に残る生地はロールにかけられて約4分の1イ ンチの厚さのシートとし、そして約250gの重さの長方形のスラブに切断した 。これらのスラブを丸め棒状にし、標準的な250g容量の螺旋型に巻かれた生 地カンに入れた。現在市販の冷蔵生地操作において使用されているような標準的 な化学的に膨張させた生地の同様のスラブもまた上記カンに入れられた。カン詰 めされた生地は、カン内の圧力が約15−20psiに達し得るまで、約100 °F(約38℃)で膨化された。これらの膨化された生地試料は次いで約4℃で カン中に保存され、そしてカンの内圧が経時的に追跡された。 RD308.3イーストで膨化した生地は約3時間処理されて、所望程度まで カン内で膨化させた。ディプロイドイーストで膨化させた生地は全て、a/αG AL+♯6イーストを除いて、RD308.3生地に比べいくらか迅速に膨化し た。a/αGAL+♯33含有の生地は約2.5時間かかっただけであり、そし てa/αGAL+♯46で膨化させた生地は約2時間15分かかっただけだった 。a/αGAL+♯6イースト発酵生地は5時間以上の膨化時間であり、より長 い時間を要した。 図13はカン詰めされた生地試料の圧力を時間の関数として示すグラフである 。上側の線はa/αGAL+♯33イーストで発酵させた試料に対するカン圧を 示し、 下側の線(中空のボックスにより示されるデータポイントを有する)は化学的膨 張生地試料に対して測定された圧力を示す。両方の試料に対するカン圧の測定は 生地がカン内で膨化された後に開始され、その最初の内圧は両方の試料に対して 15および20psiの間である。 両方のカン内の圧力は、図13に示された月単位の期間にわたり実質的に一定 のままであり、そして本発明のイーストで発酵された生地のふるまいは化学的膨 張試料のものに好都合に匹敵している。これらの試料の両方のプロットはその間 測定が集められた4週間にわたりほぼ平坦のままであったので、容器内の圧力が 市販の冷蔵生地の予期される90日間の貯蔵寿命内に危険な状態に達するであろ う理由がない。従って、本発明のディプロイドGAL+イーストは延長された期 間冷蔵温度で保存され得る生地の製造に十分に適していることが明らかである。 上記のように、本発明の別の態様に係るイーストは両方とも、小麦粉に固有の 炭水化物を実質的に発酵できず、そして低温感受性である。継続出願番号第07 /829453号に説明されているように(この技術は参照により編入される) 、低温感受性(「lts」イースト)は高められた温度で「正常に」活動するが 、冷蔵温度では実質的に休止状態または不活性になるという事実を特徴とする。 本発明のGAL+ltsイーストの製造の際に、上記 の本発明のGAL+イーストと低温感受性イーストが交雑されてGAL+lts イーストが製造される。低温感受性イーストはイーストの通常菌株の遺伝子突然 変異を有することが望ましい。イーストの通常菌株はあるパーセンテージのその ようなイースト細胞を含むと考えられており、そしてイーストのこれらのlts 突然変異体は種々の方法のいずれかで単離され得る。 例えば、イーストの寒冷感受性突然変異体は、リトルウッドおよびデイビスに より「トリチウム自滅によるサッカロミセス・セレビシアエにおける温度感受性 および栄養要求突然変異体の富化」,Mutat.Res.Vol.17,pp.315-322(1973 )に記載されるようなトリチウム自滅富化により単離されてもよい。上記文献の 技術は参照により本明細書に編入される。このトリチウム自滅富化法において、 好ましくはS.cerevisiaeであるイーストの菌株が通常の温度で増殖培地中に置 かれ、そして温度は次に冷蔵温度に下げられる。イーストが低温に達したら、ト リチウム化ウリジンまたはトリチウム化アミノ酸が培養液に供給され得る。これ らの低温で活性のままである細胞はこれらの前駆体を取り込み、そしてトリチウ ムにより殺される。しかし、イースト試料中に存在する低温感受性突然変異体は 、それらが低温で実質的に不活性のままであるので、ウリジンやアミノ酸を取り 込まないであろう。従って、その突然変異体は低下された保存温度で優先的に生 き残る。 遺伝学におけるいくらかの研究者はこれらのイーストのある種の特性を研究し た。例えば、ウルシックおよびデービスは「リボソーム処理の際のサッカロミセ ス・セレビシアエの寒冷感受性突然変異体」,Molec.Gen.Genet,175,313-32 3(1979)にある種の研究の結果を報告し、そしてサインおよびマネーは「低温 でのサッカロミセス・セレビシアエの増殖に影響する突然変異体の遺伝子分析」 ,Genetics,77:651-659(1974年8月)において上記試験の結果を考察して いる。上記文献の技術は参照により本明細書に編入される。 低温でのイーストの増殖を妨げるために突然変異され得る比較的多くの遺伝子 がイーストにあることがわかっている。本発明の目的のために、これら遺伝子の どれが利用される突然変異体に影響を及ぼすかは重要ではない。イーストの選択 において重要な因子は、イーストが高められた温度、例えば室温で活性のままで あり得るが、冷蔵温度で二酸化炭素の発生を実質的に停止することである。その ようなltsイーストの8つの適当な例は受託番号ATCC74124ないしA TCC74131の下でATCCから入手できる。 ltsイーストの冷蔵温度での実質的に不活性は、高められた温度で生地を所 望程度まで膨化または発酵させ、次に長期間冷蔵温度で発酵生地を保持すること を予測可能にする。そのような長期間の保存は、イーストが不活性であり、そし て顕著な容量の二酸化炭素をさらに発生 しないので、ltsイースト発酵生地の容量を顕著に変えないであろう。これに より、商業的な生地製造者は生地を制御可能に発酵または膨化させることが可能 であり、そして後日消費者に販売するために生地を密封された容器中に入れるこ とが可能となる。生地は販売されるまで冷蔵温度に保存されさえすれば、時間が 経過しても、容器内の圧力は実質的に高まらない。不適当な輸送または保存の間 に生地が冷蔵温度より高く一時的に加温されても、再び冷却されれば、その高め られた温度で導かれる膨化作用は抑えられ、そしてイーストは再び不活性になる であろう。 本発明のGAL+ltsイーストは冷蔵生地系において使用するために上記し た少なくともハプロイドGAL+菌株よりは優れていると考えられる。GAL+ ltsイーストの低温感受性特性は、菌株が汚染された場合に過剰な二酸化炭素 発生を制限するバックアップ機構を提示する。とりわけ、イーストの低温感受性 は、さもなければイーストが二酸化炭素を発生し続けるであろう冷蔵温度でイー ストを実質的に不活性にするであろうと考えられる。 例えば、イーストのいくつかが復帰変異し、そしてより容易にグルコースを利 用するならば、イーストの低温感受性は、このイーストで発酵された生地が冷蔵 温度で保存される場合に二酸化炭素を実質的に停止することにより上記汚染から の悪影響を制限するであろう。また、 イースト菌株の完全性が求められないが、過剰な発酵可能な基質(例えば過剰な グルコース)が生地組成物において不所望に使用されるならば、GAL+lts イーストは、過剰の発酵可能な基質が依然として存在する場合でさえも、生地の 冷蔵保存の間に二酸化炭素の発生を実質的に停止するであろう。 実施例10 実施例8において、XA83−5Bイースト菌株がRD808.3イースト菌 株と交雑されてディプロイドイーストが製造された。RD808.3イースト菌 株はGAL+イーストであり、XA83−5Bイーストは低温感受性菌株である ことが前に決定されていた。 実施例8に記載したように、連続希釈プレートから単離された287の推定上 のGAL+ハプロイドイーストコロニーのうち50菌株が、グルコース富化培地 上で増殖するが、グルコース含有培地上で実質的に増殖できない性質によりGA L+と実際に同定された。実施例8において、交雑型αであると決定された上記 菌株のうち6つが親株RD308.3またはD308.3’と交雑された。 本実施例において、実施例8の50の単離されたGAL+ハプロイドの各々1 白金餌がYEP+ガラクトース約5mlを含有する別々の滅菌された10ml試 験管に添加された。これらの接種試料を約30℃で震とうしながら約24時間保 温して菌株を増殖させた。これらの2 4時間保温試料の各々の2つの試料(試料あたり約100μl)を次にYEP+ ガラクトース約5mlを含有する別々の滅菌された10ml試験管に接種するた めに使用した。これにより50対の接種試験管が得られた。 各対からの一方の接種試験管を約30℃で保温し、各対からの他方の試験管を 約12℃で保温した。約600nmでの吸光度測定が30℃で保温された試験管 の各々に対して数日間(すなわち全ての試料が対数期に達するまで)行われた。 12℃で保温された試料の約600nmでの吸光度もまた測定されたが、該測定 は保温約10日後および約30日後に行われた。 約30℃での保温の際に吸光度の増加率により示されるように、イースト菌株 の全ては十分に増殖していた。しかし、約12℃での保温の際に吸光度の増加が 全くないか、または十分増加がないことにより示されるように、試験された50 のGAL+イースト菌株のうち5株の増殖が低いか、全く示されなかった。それ 故に、これらの5つの菌株は低温感受性(本明細書ではその用語が使用される) であることが明らかである。これらの明らかなGAL/lts菌株にはGAL/ lts♯8、GAL/lts♯17、GAL/lts♯21、GAL/lts♯ 26およびGAL/lts♯48の表記が与えられた。 当業者は本発明の開示に従ってその他のGAL/ltsイースト菌株を容易に 製造することができるであろう。しかし、便宜のために、GAL/lts♯8イ ースト菌 株が1994年3月4日にATCCに寄託され、そしてATCC の受託 番号の下に一般に利用可能である。 イーストのこれら5つの菌株の低温感受性を確認するために、30℃および1 2℃での上記イーストのコロニーの増殖率が親株RD308.3およびXA83 −5Bに比較された。7本のほぼ平行な列(該列は上記7菌株のうちの1種の4 つのコロニーを有し)は2つのYEP+ガラクトースアガープレート上に格子状 にプレーティングされた。列を形成する際に、滅菌爪楊枝が使用され、イースト のコロニーが移された。2つのそのようなプレートが作成され、そして一方のプ レートが約30℃で保温され、他方が約12℃で保温された。 このプレーティングから得られるコロニーは移すのに使用した爪楊枝とほぼ同 じ最初の直径を有しており、2つの別々に保温されたプレート上のコロニーの直 径の測定は経時的に行われた。図14および15はそれぞれ約30℃で保温され たプレートおよび約12℃で保温されたプレートに対するイースト菌株GAL/ lts♯8、GAL/lts♯17、GAL/lts♯21、GAL/lts♯ 26、GAL/lts♯48、RD308.3およびXA83−5Bのコロニー 直径を示す。 直径はデジタルマイクロメーターを用いて目視で測定され、そして移送に用い られた爪楊枝はアガープレートにおいてわずかな窪みを生成したので、直径約1 .0m m未満の信頼できる測定を行うことはかなり困難であった。イーストの1菌株に 対してなされた列のコロニーの4種全てに対する測定値が一緒されて平均され、 2つのグラフに示されている測定値とした。 図14はイーストの示された菌株の6種全てが、約30℃での保温約9日後の 終わりまでに約3.5mmないし約7.5mmに及ぶコロニーを有し、試験の間 十分に増殖したことを示す。RD308.3イーストは最も迅速に増殖し、低温 菌株の全ては少し遅く増殖した。GAL/lts♯21およびGAL/lts♯ 17はXA83−5Bとほぼ同じ速度で増殖し、GAL/lts♯8およびGA L/lts♯48菌株は少し遅く増殖した。 図15は約12℃での同じイーストの増殖速度を示す。RD308.3イース トの増殖速度は30℃保温に対して図12に示したものより遅かったが、にもか かわらず、イーストのこの菌株は低温でかなり十分増殖していた。XA83−5 BイーストおよびGAL/lts♯8およびGAL/lts♯26菌株は全て2 0日の試験の間にいくらか測定可能な増殖を示したが、これら3種のイーストの いずれに対しても最大のコロニーの大きさは依然として約2mm未満であった。 保温約2週間後にコロニーの直径の突然のジャンプが見られるが、上記したよう に、約1mm未満のコロニー直径を正確に読み取ることは比較的困難であった。 これらのコロニーは、保温6日目と保温約9日後の次の測定との間の突然の増殖 の突発 したことに比べ、比較的遅いが比較的安定して増殖していると考えられる。 これらのイーストが保温された12℃という温度はXA83−5Bイースト菌 株の低温感受性閾値のほぼ下限であると考えられ、そしてこれにより、12℃で のこの菌株のわずかではあるが測定可能な増殖が説明され得る。 しかし、本発明のGAL/ltsイーストの3つの菌株は12℃で保温された 場合、増殖が測定されなかった。これは、GAL/lts♯17、GAL/lt s♯21およびGAL/lts♯48イーストが驚くべきことに、XA83−5 B親株よりさらに低温感受性であることを示す。イーストのこれら3つの菌株は また、約30℃ではそれらの低温感受性の親株とほぼ同じように増殖した。 上記イーストの菌株は小麦粉に固有のあらゆる炭水化物を実質的に発酵できな いように見えるので、GAL/lts♯17、GAL/lts♯21およびGA L/lts♯48イーストは本発明の冷蔵可能な生地組成物への使用に特に十分 に適していることが明らかである。従って、上記の評価に基づいて、これらの菌 株は本発明の交雑により得られたものの中の最も好ましい菌株であろう。 本発明の開示は、イーストのGAL+およびlts菌株をどのように選択また は単離するか、そのようなイーストの交雑の少なくとも一つの方法、およびその ようにして得られたGAL+/lts菌株を単離および評価す るためにイーストの得られた菌株を試験する方法を教示している。本発明の教示 によれば、あらゆるGAL+/lts菌株を作成および試験することは当業者の 能力の十分に範囲内である。 本発明のもう一つの態様は、二酸化炭素の顕著な発生なしに長期間冷蔵温度で 保存され得る生地の形成方法を提供する。該方法はさらに、生地を包装し、包装 内で生地を膨化し、そして冷蔵温度で長期間、生地を保存する工程をさらに含み 得る。 本発明の生地の作成において、粉、水、前記粉に固有の炭水化物を実質的に発 酵できないイースト、および該イーストにより発酵なある量の炭水化物は上記の ように一緒に混合される。生地に添加された発酵可能な炭水化物の量は、生地の 膨化に必要な程度のみを提供するのに十分であることが望ましい。多すぎる発酵 可能な基質は過発酵により生地レオロジーに有害な変化を引き起こすであろう。 この量は、異なる菌株のイーストはその他のものに比べより有効に発酵可能な基 質を利用し得るので与えられたイーストに対して個々に最適に決定される。所望 する場合、追加のフレーバー剤、例えば塩、粉に固有の追加量の糖、または小麦 粉グルテンが生地から製造される最終的な焼成品に所望のフレーバー(風味)を 与えるために生地に添加され得る。 本発明方法の特に好ましい態様において、生地作成に用いられるイーストはG AL+イーストであり、予め決 められた量のガラクトースが生地に添加されて、所望程度の膨化が行われる。こ のGAL+は上記のD308.3、D308.3’イーストまたはRD308. 3イーストであってよいが、その他のGAL+イーストは、本発明に従って作用 するであろう本発明の開示に従って製造され得る。 上記したように、上記方法は生地を充填し、生地を容器内で膨化し、そして生 地を冷蔵温度に長期間保存する工程をさらに包含し得る。この分野で知られてい る実際のあらゆる公知の生地パッケージがこの方法において使用され得る。例え ば、商業的に製造される冷蔵可能な生地製品に現在使用されているもののような 螺旋型に巻かれた生地容器が十分であろう。容器を充填するのに必要なものより いくぶん少ない量の生地が容器中に入れられて、密封された場合に容器中に頂部 を残す。 生地は次に容器中で膨化されて、膨張し容器を充填して頂部の空気を排出する 。発酵可能な炭水化物の実質的に全てがイーストにより消費されるまで、膨化は 継続され、その時点で約15ないし約20psiの内部圧力が容器中に達成され る。この膨化は高められた温度、例えば約30℃ないし約40℃で行われるのが 有利であり、イーストに発酵させ、そして生地のより迅速な膨化を可能にする。 この膨化された生地は冷蔵保存に長期間、望ましくは少なくとも約2週間まで 放置される。本発明の生地は上 で説明したように現在の生地の要望される貯蔵寿命である少なくとも90日間冷 蔵温度で最適には保存できる。「冷蔵貯蔵」により、約12℃と約10℃の間、 好ましくは約4℃と約7.2℃の間の温度での保存が意図される。そのような温 度は本明細書において「冷蔵温度」と表記される。 本発明はさらにイーストが温度感受性である生地組成物を提供する。もし、そ れらがイーストの不活性化閾値温度より高く加温されるならば、実質的に嫌気性 の環境中でのイーストの二酸化炭素製造能力は実質的に全ての温度で実質的に不 活性化される。製造パラメータおよびイーストの二酸化炭素製造能力を有効に制 御することにより、生地組成物の膨化は制御さ得る。 上記したように、冷蔵温度でさえも、慣用のイーストは二酸化炭素を製造し続 ける。生地組成物を上記不活性化閾値温度より高く加熱することにより二酸化炭 素製造が実質的に不活性化されるならば、生地が一旦予め決められた容量に達し たら、生地組成物が暴露される次の温度条件に関係なく、膨化の量は制御され得 る。 本発明の冷蔵生地組成物は、それらの不活性化閾値温度未満の温度で通常機能 するイーストの温度感受性菌株を使用する。例えば、イーストはおよそ室温で生 地中の基質を醗酵し得、そしてそれらの不活性化閾値温度未満の温度で基質を醗 酵し続けることができる。しかしながら、イーストが不活性化閾値温度より高く 加熱されたら、それは生地を膨化するのに必要な二酸化炭素を製造する能力を失 う。これらの温度感受性イーストを用いることにより、生地組成物が予め決めら れた容量まで嫌気的に膨化され、次いで少なくとも不活性化閾値温度に加熱され てイーストの二酸化炭素製造能力を実質的に不活性化することが驚くべきことに 開発された。いくつかの生地組成物において、生地の膨化は不活性化閾値温度ま で生地を加熱している間に行われ得る。生地組成物は次に例えば冷蔵温度で、長 期間、過剰な二酸化炭素製造に関係する問題および保存の間の慣用のイーストに よる生地レオロジーの低下なしに、保存され得る。 本発明の冷蔵可能な生地組成物は冷蔵温度での貯蔵のための含有手段中に最適 に置かれ得る。そのような含有手段は当業者には公知であり、そして螺旋型に巻 かれた複合カンを包含する。未膨化生地は次に閉鎖されるカン中に入れられ、約 15−20psiまで内圧まで膨化され、それにより生地を有するカンの全容量 を満たす。生地は、出口を満たし、それによりカンの内部環境を嫌気的にするこ とにより上記含有手段中にシールを形成する。 冷蔵生地に適当なそのような螺旋型に巻かれた複合カンの例は以下の特許文献に 記載されていものを包含する、それらの技術は参照により本明細書に編入される :カリー等,米国特許第351050号,レイド,米国特許第3972468号 およびトーンニル等,米国特許第3981433号。 別の含有手段は柔軟なパッキング材料、例えばポリマーフィルムから形成され 、含有手段の内部環境は実質的に嫌気性である。内部環境を実質的に嫌気的にす る一つの方法は、真空または不活性環境下に含有手段を密封シールすることによ る。また、不活性気体はパッケージに密封前に含有手段から実質的にフラッシュ 酸素を添加してもよい。 本発明の冷蔵生地組成物はまた、膨化の停止直後、冷蔵温度で含有手段なしに 貯蔵されてもよい。 生地組成物の配合は重要ではない;実際には、粉、水および本発明に係るイー ストからなるあらゆる生地が使用され得る。本発明における使用に適当な一つの 生地組成の配合の一例を表Iに示す: 本発明の一態様において使用される温度感受性イーストは不活性閾値温度を有 する、すなわちある閾値より高温に加熱された場合に実質的に不活性化されるサ ッカロミセス・セレビシアエの多くの種のあらゆるものであってよい。イースト の不活性閾値温度は最適には約43℃であり、その温度で小麦粉と共に製造され た慣用の生地は通常焼成を始めるであろう。(本明細書で使用されるように「生 地」または「生地組成物」という用語は未焼成生地を意味し、焼成された生地は 「焼成された生地」「焼成品」等と記載される。) 他方、イーストの不活性閾値温度が室温より低いならば、慣用の操作での生地 の製造は、全体の製造領域が、不活性化される前に生地のイーストによる膨化を 可能に するために、その温度以下に維持される必要あるので、不都合で困難である。従 って、好ましい態様において、本発明の生地において使用されるイーストの不活 性閾値温度は約25℃と約43℃の間である。 生地を約40℃以上にかなりの期間加熱することは、可能な不活性化および小 麦粉グルテンの変性、ならびにより高温での小麦粉に固有の悪性ミクロ組織の増 殖の促進により生地に有害であるかもしれない。以下により十分に説明されるよ うに、イーストは不活性閾値温度以上に加熱される前に生地が膨化される。膨化 は高められた温度、例えば約30−40℃で、室温またはそれ以下でするよりも 、より迅速に起こる。イーストの活性化およびそれによる膨化の速度は温度とお およそ正比例するということができる。 それ故に、商業的な製造環境において、室温以上、例えば約30℃またはそれ 以上、イーストの閾値温度を越えず、かつ実質的に不活性にせずに、生地を加熱 できることが有利であろう。従って、本発明の特に好ましい態様にといて、イー ストの不活性閾値温度は約25℃と約40℃の間、そして最適には約30℃と約 40℃の間であることが望ましい。 そのような温度感受性イーストは、それらの不活性閾値温度より高い温度に暴 露されたとき、望ましくは細胞サイクル拘束に入る。出願人は、温度誘導細胞サ イクル拘束が生じると、イーストは偏性嫌気性細菌になり、醗 酵性嫌気増殖が実質的に不可能になる傾向があることを発見した。出願人はさら に、これらの特性が生地膨化を有効に制御するため、および上記温度感受性イー ストを含有する生地が冷蔵条件で長期間保存され得ることを発見した。 生地組成物中の温度感受性イーストを使用することにより、生地は不活性閾値 温度未満の温度で所望容量に膨化され得、続いてイーストはイーストの不活性閾 値温度より高い温度に生地を、従ってそのなかのイーストを暴露することにより 実質的に不活性化され得る。このようにして製造された生地は、過醗酵や生地組 成物の過剰膨化によるオプションの含有容器の破壊の危険性なしに、長期間冷蔵 され得る。イーストの不活性化に続いて、生地組成物温度を、閾値レベル未満の 温度まで変えても、イーストの醗酵能力の実質的な不活性化への測定される影響 は無かった。生地のこれらの特性は、慣用の非温度感受性イーストで醗酵された 生地に対しては有害な作用を示すであろう温度変動が考えられる輸送および保存 のために特に適したものとする。この冷蔵生地組成物を焼成または調理すること により得られる製品は、それがイーストで醗酵され、そしてイースト醗酵生地製 品に関係する所望の官能品質を有するので、パン製品と規定され得る。 本発明の開示によれば、高められた温度での加熱処理により実質的に不活性化 され得るイーストを製造するこ とは当業者の能力の範囲内であろう。そのようなイーストはイースト菌株を交雑 し、所望の特性を有する適当な菌株を単離する等の標準的な方法により製造され 得る。これらタイプの共通な技術は、例えばシェルマン等によりMethod in Yeas t Genetticsに記載されている。この文献は参照により本明細書に編入される。 上記文献の273−369頁の「突然変異体の作成」と題された3章がシェルマ ン等の中で特に興味深い。 そのような突然変異体を創製し、そして単離する一つの方法はハートウエル等 による「イーストにおける細胞分裂サイクル突然変異体の遺伝子制御:V.cdc 突然変異体の遺伝子分析」,Genetics 74:367-386(1973年6月)に教示さ れている。この文献は参照により本明細書に編入される。上記文献に開示されて いるように、ハートウエル等は、A364A株と同定される、遺伝子型ade1 ade2 ura1 tyr1 his7 his7 lys2 gal1を 有するイーストの1菌株を公知突然変異誘発源、すなわちN−メチル−N’−ニ トロN−ニトロソグアニジンまたはエチルメタンスルホネートで処理した。約2 3℃の許容温度および約36℃の制限増殖温度を有する生成温度感受性突然変異 体が単離される。これらの温度感受性突然変異体の中で細胞分裂サイクル突然変 異体がこれらの突然変異体に対する形態学的基準を同定し、そして80%または それ以上の細胞が均一形態を示すそれらの突然変異コロニーを選 択することにより単離された。 この操作に続いて、ハートウエル等はほぼ150の異なるcdc突然変異体を 同定した。補足性の研究により、これらの突然変異体は32の補足群に規定され 、そのうちの30は核遺伝子における単一突然変異により規定される(標準的遺 伝子分析技術により決定される)。十分に作用することが見出されたそのような 菌株はピルピン酸キナーゼ遺伝子内の構造的突然変異を示したが、本発明におい て十分に作用し得るその他の熱的に感受性の突然変異体であってもよいことは理 解されるべきである。 熱的不活性化に対する一つの可能な機構はS.cerevisiae cdc19に対して 解明されたが、この菌株はバークレーのカリフォルニア大学の分子および細胞生 物学部にあるドナー・ラボラトリーのイースト・ジェネティック・ストック・セ ンター(YGSC)から利用可能であり、1993年3月5日にメリーランド州 ロックビレ,パークローンドライブ12301のアメリカン・タイプ・カルチャ ー・コレクション(ATCC)にATCC74213の下に寄託されている。c dc19イースト菌株の醗酵経路は、熱的に不安定なピルビン酸キナーゼ酵素に 生じるイーストにおける突然変異体に起因する不活性閾値温度より高い温度への 暴露により実質的に不活性化される。ピルビン酸キナーゼ遺伝子に突然変異を有 する突然変異体は公知の形態学的または遺伝子分析技術により同定され得る。 温度感受性イーストを含有する生地組成物が不活性閾値温度より高い温度に暴 露されるならば、ピルビン酸キナーゼは構造的に不活性となり、そしてイースト は偏性嫌気細菌となり、ピルビン酸キナーゼ生合成が回復するまで事実上、顕著 な嫌気的醗酵ができない。cdc19菌株において、ピルビン酸キナーゼ生合成 は、i)酸素が存在し、そしてピルビン酸キナーゼの生合成が新たに生じ得る、 またはii)遺伝子突然変異体が野生型に復帰する時に回復する。そのような復帰 はイーストが増殖しているときにのみ生じ得る。温度感受性イーストの嫌気的増 殖が40℃での保温0−4時間に続いて25℃で観察される図16に示されるよ うに、cdc19細胞はそれらの不活性閾値温度より高い温度に暴露されたら、 嫌気条件下、イーストは増殖する能力を失い、それにより野生型に復帰する能力 を失う。 cdc19イーストの熱的不活性化は全ての関連温度(例えば生地が冷凍され る場合の約0℃と、生地が焼成される場合の約45℃との間)で、嫌気条件下、 さらなる二酸化炭素発生を実質的に解消する。これは、イーストを、本発明に係 る冷蔵生地組成物に特に適当なものにする。 本発明の題2の態様において、上記生地組成物に使用される温度感受性イース トは、より高い不活性閾値温度を有し、そして冷蔵温度で実質的に不活性となる S.cerevisiaeの種のあらゆるものであってよい。そのような イーストは例えば低温感受性イーストを高温感受性イーストを交雑させることに より得られる得る。低温感受性突然変異を有する非常に多くのイースト菌株があ る。本発明のために、これらの突然変異体菌株のどれが利用されるかは重要では なく、冷蔵温度での実質的な不活性および高められた温度、すなわち冷蔵温度よ り高い温度での実質的に通常の醗酵活性の必要な特性が選択された特定の菌株に 観察されればよい。 低温感受性突然変異体は通常のイースト菌種にもときどき見出される。これら の低温感受性突然変異体の単離は当業者には公知の種々の方法により行われ得る 。一つの単離方法はリトルウッドおよびデイビスにより「トリチウム自滅による サッカロミセス・セレビシアエにおける温度感受性および栄養要求突然変異体の 富化」,Mutat.Res.Vol.17,pp.315-322(1973)に記載されるような「トリ チウム自滅」富化プロトコルである。上記文献の技術は参照により本明細書に編 入される。 このプロトコルにおいて、イーストの菌株が通常の許容温度で増殖培地中に置 かれ、そして温度は次に冷蔵(非許容性)温度に下げられる。トリチウム化ウリ ジンまたはトリチウム化アミノ酸が培養液に供給され得る。これらの温度で活性 のままである細胞はこれらのトリチウム化前駆体を取り込み、そしてトリチウム により殺される。これらの低温で不活性である上記細胞は毒性の前駆体を取り込 まず、そしてそれからの低温感受性により 低温を生き残ることができる。 当業者はこのトリチウム自滅法に従って低温感受性イーストを容易に製造でき るであろう。したしながら、冷蔵温度で実質的に不活性になるイーストの以下の 菌種がATCCから入手可能である:「lts1」S.cerevisiae(受託番号AT CC74124),「lts2」S.cerevisiae(受託番号ATCC74125 ),「lts3」S.cerevisiae(受託番号ATCC74164),「lts4 」S.cerevisiae(受託番号ATCC74127),「lts5」S.cerevisiae (受託番号ATCC74128),「lts6」S.cerevisiae(受託番号AT CC74129),「lts7」S.cerevisiae(受託番号ATCC74130 )および「lts8」S.cerevisiae(受託番号ATCC74131)。 高温感受性イースト菌種と低温感受性菌種との交雑はイーストにおけるハプロ イド突然変異体を製造するためのあらゆる公知手段により行われ得る。一つのそ のようなプロトコルはMethod in Yeast Genetics,A Laboratory Course Manual ,コールド・スプリング・ハーバー研究所出版部,pp.53-59(1990)から誘導 され、この文献の技術は参照により本明細書に編入される。 出願人は、高温感受性イースト菌種と低温感受性菌種との交雑が、冷蔵生地組 成物に膨張剤として使用するために優れたものとする特徴を有する突然変異イー スト菌種を生じることを発見した。イーストにおける高温およ び低温感受性を結合することにより、不活性化閾値温度より高く生地組成物の温 度を上昇させることによりイーストが不活性化され得るだけでなく、いくつかの イースト細胞の離れる可能性が不活性となり、そしてより低温、例えば冷蔵温度 での二酸化炭素の発生の継続が低温増殖感受性をイースト菌種に導入することに より解消される。 低温感受性イーストにおける低温増殖感受性に対する一つの可能な機構は「l ts8」S.cerevisiae(上記)に対して解明されている。この菌種により行わ れる突然変異はより低温、例えば冷蔵温度でのあらゆる合成を不可能にする。そ れ故に、これらのイーストはそれらの不活性閾値温度より低温で増殖できない。 高温および低温感受性イーストの特性の結合は、不活性閾値温度より高く生地 組成物のイースト温度を高め、その後低温感受性突然変異の結果として全てのタ ンパク質合成を事実上実質的に不活性にするように冷蔵されて、ピルビン酸キナ ーゼ生合成を高める。ピルビン酸キナーゼは実質的に不活性化され、そしてピル ビン酸キナーゼは顕著な量でイーストにより生合成され得ないので、事実上全て の嫌気的発酵性増殖は解消され、そして顕著な量の二酸化炭素はイーストにより 製造されないであろう。イーストの低温感受性突然変異は従って安全機能を提示 し、酸素が不注意にもイーストと接触するようになっても(例えばこのイースト で発酵された生地の容器に空気漏れが生じた場合)、イーストは二酸化炭素を実 質的に 製造できない。 本発明に従って生地組成物を製造する際に、温度感受性イーストは水および粉 製品、例えば製粉した小麦と適当な比率で混合されて、焼成に適当である生地を 形成する。最終的な調理された生地製品において所望の感触または味を得るため に必要な追加の成分がこの混合の間に同様に添加されてもよい。そのような成分 はこの分野では公知であり、そして塩、砂糖、小麦グルテン、生地コンディショ ナーおよびその他のフレーバー剤を包含する。これらの成分の全てが一緒に混合 され、均一な生地組成物とされる。生地を混合するためのさまざまな手段はこの 分野で十分に公知であり、そしてここでは詳細な議論は必要ない。 生地が一旦混合されたら、イーストは二酸化炭素を発生し生地を膨化させるで あろう。この膨化は適当な温度で行われ得る。しかしながら、低温感受性を有す る上記イーストが使用されるならば、イーストは冷蔵温度で実質的に不活性のま まであるので、膨化は冷蔵温度よりかなり高い温度で行われるべきである。商業 的な操作において製造時間を短縮するために、生地を室温より高い温度に加温し て二酸化炭素発生を加速させることは有利であろう。それ故に、生地は膨化のた めに加熱され得るが、膨化の完了前にイーストの不活性化を回避するために生地 の多くを不活性閾値温度より低温に保持することに注意すべきである。下に記載 するように、約36℃の不活 性閾値温度を有するcdc19イーストを用いて十分に作用することが見出され た一態様において、膨化は約30℃と約35℃との間の温度で行われる。 生地が予め決められた程度まで膨化したら、生地の温度は不活性閾値温度まで 、または望ましくはそれより高温に高められ得る。生地は均一温度まですぐには 加熱されないであろう。生地の外部は生地の内部より室温に近い温度であり、生 地の熱移動の低い効率のために、生地内に温度勾配を生じる傾向がある。最適に は生地はその中のほとんど、そして好ましくは実質的に全てが閾値に達し、そし て実質的に不完成化されるのに十分な程の長さで、不活性閾値温度に、またはそ れより高く、十分にゆっくりと加熱されるか、保持される。 得られるイーストは次いで冷蔵温度で長期間、あらゆる顕著な追加容量の二酸 化炭素を発生せずに、保存され得る。用語は本明細書で使用されるように、冷蔵 温度は約0℃と約12℃の間であり、約4℃ないし約7.2℃に及ぶ温度が好ま しい。生地はそのような温度で、なんらかの不所望の品質の低下なしに、ほとん どの商業的に製造される冷蔵可能な生地に対する最低の許容される貯蔵寿命であ る約90日まで保存され得る。 本発明の別の態様によれば、生地は容器手段、例えば上記のものに充填される 。生地は膨化前に収容され、そして容器手段内で膨化されることが好ましい。螺 旋型に巻かれたカンを用いる現在の商業的な充填操作において、 生地は容器に収容され、そしてカンの内部圧力が約15−20psiに達するま で膨化される。本発明に従って、生地は容器内に収容され、そして容器手段の内 部圧力が約15−20psiに達するまで膨化され、その時点で生地を不活性閾 値温度より高く加熱して実質的にイーストを不活性化する。詰められた生地製品 は次いで冷蔵温度で長期間保存され得る。 上記のように、室温変化と、生地の中心部の温度における変化との間の遅延時 間を生じ得る生地内に温度勾配があり得る。膨化および不活性化工程の温度プロ フィールはこの遅延時間を考慮して行われるべきである。いくつの例において、 遅延時間は、生地がイーストの不活性閾値温度まで加熱されるのと同時に高めら れた温度で膨化されるのを可能にするのに十分であるべきである。本方法のその ような態様において、加熱処理の温度プロフィールはスムーズ、すなわち膨化と 不活性化工程との間に明確な分離がなくてもよい。 実施例11:高温および低温感受性イーストの作成 高温に対して感受性を有する、すなわち高められた温度で実質的に不活性化さ れるイーストの菌種が、低温感受性イースト、すなわち低温で実質的に不活性に なるが、高温では基質を発酵する能力を保持しているイーストと交雑された。高 温に感受性であるイーストはcdc19と表記され、そしてATCCに1993 年3月5日にATCC74213の下に寄託されているサッカロミセス ・セレビシアエの突然変異菌種だった。イーストのこの特定の菌種は約36℃の 不活性閾値温度を有し、そしてその温度またはそれ高く加熱された場合、偏性好 気性菌となる。 使用される低温感受性イースト菌種は、上記のようにATCCに受託番号AT CC74131で寄託されたlts8イーストである。イースト突然変異菌種l ts8は高められた温度で正常にふるまい、例えば室温またはそれ以上で利用可 能な基質を発酵できるが、冷蔵温度で実質的に不活性となる公知低温感受性イー スト菌種の代表種である。 高温および低温感受性イースト菌種は、高温感受性突然変異菌種cdc19を 低温感受性突然変異菌種lts8と交雑させることにより得られた。上記菌種の 交雑のために使用されるプロトコルはMethod in Yeast Genetics,A Laboratory Course Manual,コールド・スプリング・ハーバー研究所出版部,pp.53-59(1 990)から誘導され、以下の通りである: 6つの実質的に平行な線が白色のカードボードシート上に描かれる。cdc1 9およびlts8菌種の各々に対して、YEPD(YEP+デキストロース)プ レートがストリップパターン上に置かれた。滅菌ループを用いて、菌種がそれら のそれぞれのプレート上に、上記平行線をガイドとして用いて塗布し、約25℃ に約24時間保温した。 cdc19菌種の押圧がレプリカプレートパッド上に行われた。新鮮なレプリ カプレートパッドを用いて、低温感受性lts8菌種の押圧が行われた。第2の レプリカパッドは前の押圧のために使用されたのと同じYEPDプレート上であ るが、第1の押圧に対してほぼ垂直な方向に押しつけられ、チェッカーボートに 類似するイースト菌株のパターンを得た。この2重に押圧されたYEPDプレー トはほぼ25℃で一晩(すなわち約12−15時間)保温された。 このようにして調製されたYEPDプレートは、蒸留水約1リットルあたり、 アミノ酸なしのバクトイースト窒素塩基約6.7g、グルコース約20gおよび バクトアガー約20gを含有する合成デキストロース最小培地(SD)プレート 上に押圧された。SDプレートは約25℃で約2日間保温された。「チェッカー ボード」パターンの交点での増殖が測定され、そして新鮮なSDプレート上にプ レーティングされてハプロイドコロニーからディプロイド(交雑)コロニーが単 離される。SDプレート上に単離されたディプロイドコロニーが胞子形成培地( 下記の組成)のプレート上に縞状に塗布され、そして約25℃で数日間保温する :酢酸カリウム約10g(1重量%)、バクトイーストエキス約1.0g(0. 1重量%)、グルコース約0.5g(0.05重量%)、バクトアガー約20g (2.0重量%)、バランスが蒸留水約1000ml。 イースト細胞1白金餌を胞子形成プレートから採取し、そしてエッペンドルフ (登録商標)微量遠心チューブ中の蒸留水約300マイクロリットルおよびグル スラーゼ15マイクロリットルと混ぜた。この溶液はボルテックスにより混合さ れ、そしてほぼ30℃で約30分間保温した。保温した試料は短時間超音波処理 し、胞子クラスターを分離した。超音波処理試料の約10-4、10-5、および1 0-6の連続希釈がYEPD上にプレーティングされ、そして約25℃で約2日間 貯蔵する。 3つのレプリカプレートが、10-4、10-5、および10-6の希釈プレートの 各々から調製される。各希釈物からの3つのプレートの1つは約12℃で貯蔵さ れ、別のものは約25℃で貯蔵され、そして各希釈物からの第3のプレートは約 38℃で貯蔵された。これらのプレートをそれぞれの温度で4日間保温する。c dc19×lts8ハプロイドコロニーは、それらの高温感受性が38℃での増 殖を実質的に抑制し、そして低温感受性が約12℃でイーストの増殖を非常に低 い速度に低下させるので、25℃でのみ増殖するであろう。 cdc19菌種、lts8菌種および上記のようにして作成されたcdc19 ×lts8菌種の増殖速度が約12℃、約25℃および約38℃で比較された。 cdc19イーストは約12℃および約25℃の両方で十分に増殖し得たが、約 38℃では実質的に増殖できなかった。lts8イーストは3種の全ての温度で 増殖できたが、 このことはlts8菌種は温度が約10℃未満に低下するまで活性を実質的に停 止しないので、予測されることである。しかし、lts8イーストの約12℃で の増殖はcdc19菌種のものに比べかなり低かった。cdc19×lts8イ ーストは約12℃でごくわずか増殖し、約25℃で全く十分に増殖し、そして約 38℃で実質的に増殖できなかった。 本発明は好ましい態様について記載されたけれども、本発明はそれらの態様に 制限されるものではなく、そのような制限は添付した請求の範囲に見出されるの みである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12R 1:865) (31)優先権主張番号 08/087,616 (32)優先日 1993年7月2日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/144,236 (32)優先日 1993年10月27日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),CA,JP

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.粉、水、前記粉に固有のあらゆる炭水化物を実質的に発酵できないイースト 、および該イーストにより発酵され得る炭水化物を含有する、イーストを混ぜた 冷蔵可能な生地製品。 2.イーストにより発酵され得る炭水化物の量が、炭水化物の全てがイーストに より代謝されたとき、生地の膨化の有効な程度を越えないように選択される請求 項1記載の生地製品。 3.密封された空洞を有する容器であって、生地が前記空洞内に配置される前記 容器をさらに有する請求項1または2記載の生地製品。 4.以下の工程: (a)粉、水、前記粉に固有のあらゆる炭水化物を実質的に発酵できないイース ト、および該イーストにより発酵され得る炭水化物を混合し、 (b)生地を容器に入れ、そして容器内で生地を膨化させ、そして (c)前記容器内の前記膨化生地を冷蔵温度で少なくとも2週間保存する、 からなる冷蔵可能な生地製品の製造方法。 5.混合されて生地を形成するイーストおよび該イーストにより発酵され得る糖 の量が生地の膨化の有効な程度を越えないように選択される請求項4記載の方法 。 6.生地を容器内で高められた温度に保持することによ り生地が膨化される請求項4または5記載の方法。 7.約10と約20psiの間の内部圧力が容器内に発生するまで、生地が膨化 される請求項4、5または6記載の方法。 8.請求項4または7のいずれか1項に記載の方法に従って製造される生地製品 。 9.以下の特性: (a)粉に固有である炭水化物を実質的に発酵できない、 (b)アデニン補足なしにガラクトースを発酵できる、 を示すイーストからなる、小麦粉を含有する冷蔵可能な生地を発酵させるための イースト。 10.粉、水、前記粉に本来生じる選択された炭水化物のみを発酵できるイース トからなり、前記発酵され得る本来生じる炭水化物の量が生地100gあたりC O2約200mlを得るのに必要な量を越えない、イーストを混ぜた冷蔵可能な 生地製品。 11.前記イーストにより発酵され得る炭水化物の追加の本来生じない量をさら に含む請求項10記載の生地製品。 12.イーストがフルクトース以外の生地中に本来生じるあらゆる炭水化物を実 質的に発酵できない請求項10または11記載の生地製品。 13.粉、水およびホスホグルコースイソメラーゼまたはグルコース6−ホスフ ェートデヒドロゲナーゼを実質的に産生できないイーストを、該イーストがグル コース を発酵するのに有効な量で含有するイーストを混ぜた冷蔵可能な生地製品。 14.フルクトースの人工的添加をさらに含む請求項13記載の生地製品。 15.粉、水、およびフルクトース6−ホスフェートを製造するために選択され た糖のみをホスホリル化できるイーストからなり、前記粉中に本来生じる前記糖 の全量が約200mlCO2/生地100gを得るのに必要な量を越えない、イ ーストを混ぜた冷蔵可能な生地製品。 16.イーストがフルクトースを発酵できるが、グルコースを実質的に発酵でき ない請求項15記載の生地製品。 17.小麦粉中に本来生じるあらゆるその他の糖を実質的に発酵できない、フル クトースを発酵できるイースト。 18.前記イーストがフルクトースを発酵できるが、グルコースを実質的に発酵 できない請求項17記載のイースト。 19.前記イーストがサッカロミセス・セレビシアエ種のものである請求項17 または18記載のイースト。 20.前記イーストが実質的にホスホグルコースイソメラーゼ陰性であり、そし て実質的にグルコース6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ陰性である請求項17 、18または19記載のイースト。 21.以下の特性: (a)小麦粉に固有である炭水化物を実質的に発酵できない、 (b)アデニン補足なしにガラクトースを発酵できる、 を示すディプロイドイーストからなる、小麦粉を含有する冷蔵可能な生地を発酵 させるためのイースト。 22.以下の特性: (a)小麦粉に固有である炭水化物を実質的に発酵できない、 (b)ガラクトースを発酵できる、および (c)約0℃と約12℃の間の温度で実質的に不活性になる、 を示すイーストからなる、小麦粉を含有する冷蔵可能な生地を発酵させるための イースト。 23.イーストが約4℃と約7.2℃の間の温度で実質的に不活性になる請求項 22記載のイースト。 24.小麦粉、水および請求項21ないし23のいずれか1項に記載のイースト を含有する冷蔵可能な生地組成物。 25.以下の工程: a.粉、水およびイーストを混合して生地を形成し、 b.前記イーストに二酸化炭素を産生させて生地を膨化し、 c.前記生地を少なくともイーストの不活性化閾値温度に加熱して、実質的に生 地を焼成することなく、イーストを実質的に不活性化し、そして d.前記生地を冷蔵温度に延長された期間保存する、 からなる冷蔵可能な生地組成物の製造方法。 26.生地を約50℃未満の温度まで加熱することにより、イーストが実質的に 不活性化される請求項25記載の方法。 27.生地を室温より高いが、前記不活性化閾値温度より低い温度まで加熱する ことにより、生地を膨化させる請求項25または26記載の方法。 28.以下の工程: a.粉、水およびイーストを混合して生地を形成し、 b.該生地を保存容器に詰め、 c.イーストに二酸化炭素を産生させて、容器内で生地を膨化させ、 d.容器内の生地を少なくともイーストの不活性化閾値温度に加熱してイースト を実質的に不活性化し、そして e.容器内の生地を冷蔵温度で延長された期間保存する、 からなる冷蔵可能な生地製品の製造方法。 29.粉、水およびイーストからなり、該イーストが以下の特性: a.約12℃と約38℃の間の増殖温度で生地を膨化することができる、 b.その後、イーストの温度を約38℃より高く上昇させて、膨化工程を実質的 に停止させることができる、 c.膨化工程が停止されたら、実質的なさらなる代謝活性なしに安定に保存され ることができる、 を示す、冷蔵可能な生地。 30.水、粉およびイーストから形成される生地からな り、イーストが温度感受性イーストであり、そして偏性好気性菌である、未焼成 のイースト混入冷蔵可能生地製品。 31.生地を包装するための容器手段をさらに含む請求項30記載の生地製品。 32.水、粉、イーストおよび該イーストにより産生された二酸化炭素から形成 される生地からなり、イーストは実質的に不活性化されている、未焼成のイース ト混入冷蔵可能生地製品。 33.前記イーストが偏性好気性菌である請求項32記載の生地製品。
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