【発明の詳細な説明】
照射による表面汚染物質の除去方法及び装置発明の背景
本願は、1993年4月12日付米国特許出願第08/045,165号からの優先権を
主張する。該米国特許出願は1992年3月31日付一部継続米国特許出願第07
/865,039号であり、該一部継続米国特許出願は1990年11月9日付一部継続
米国特許出願第07/611,198号(現在、米国特許第5,099,557号として成立)であ
る。該米国特許出願は1988年7月8日付米国特許出願第07/216,903号(現在
、米国特許第5,024,968号として成立)の分割出願である。これらの米国特許出
願は、本願に援用する。
本発明は、表面から汚染物質を除去する技術に関する。より詳しくは、本発明
は、処理表面の分子結晶構造を変えることがない照射により基板表面から汚染物
質を除去する技術に関する。
本願で使用するように、用語「汚染物質(contaminants)」は、粒子、フィル
ム及び好ましくない化学元素又は化合物を含む。汚染粒子は、サブミクロンから
肉眼で見ることができる顆粒までの範囲のサイズをもつ離散微細片である。汚染
フィルムは有機物質又は無機物質であり、指紋からの体脂肪のような汚染物質を
含む。汚染化学物質は、洗浄プロセスが行なわれるときに好ましくないあらゆる
化学元素又は化合物を含む。例えば、ヒドロキシル基(−OH)は、プロセスの
一段階では基板表面上での好ましい反応促進剤であり、他の段階では好ましくな
い汚染物質となる。
汚染物質は、弱い共有結合、静電力、ファンデルワールス力、水素結合、クー
ロン力又は双極子相互作用により表面に付着されるので、汚染物質の除去は困難
である。
或る場合には、表面汚染物質が存在すると、汚染基板の効率が低下するか、基
板の指定目的が達成できなくなる。例えば、或る正確な科学的測定装置では、該
装置の光学レンズ又はミラーが微細表面汚染物質で覆われると精度が失われる。
同様に、半導体では、小さな分子汚染物質による表面欠陥が、しばしば、半導体
マスク又はチップを価値のないものにする。水晶半導体マスクの分子表面欠陥の
個数が少量でも減少すると、半導体チップの生産歩留りが顕著に改善される。同
様に、カーボン又は酸素のような分子表面汚染物質を、ウェーハ上に又は蒸着層
(deposition of layers)間に回路層が蒸着される前にシリコンウェーハの表面
から除去すると、製造されるコンピュータチップの品質が大幅に改善される。
また、製造中にシリコンウェーハを最終的に汚染する塵埃の大部分は、ウェー
ハが置かれるプロセスチャンバ等の製造装置及びプロセスガスをチャンバに導入
するパイプから発生する。従って、このような装置の洗浄を周期的に行なうこと
により、製造工程中に受けるウェーハの汚染レベルを大幅に低下できる。
最も微細な汚染物質さえも存在しないきれいな表面を得る必要性が、種々の表
面洗浄方法の開発をもたらした。しかしながら、これらの既知の各方法は下記の
ような欠点を有する。下記の方法は、外面薬剤(outside agent)を基板表面に
導入する工程を有する。
ウエットケミカル洗浄技術−RCA法
RCA洗浄法は、現在、半導体製造、フラットパネルディスプレイ製造及びデ
ィスク製造に使用されている。RCA法は2つの変形、すなわちSC−1及びS
C−2(ここで、SCとは標準洗浄(Standard Clean)である)を有する。一般
に、SC−1法は微量有機物質及び粒子を除去するのに使用される。これは、水
酸化アンモニウム(NH4OH)水溶液、過酸化水素(H2O2)及び水(H2O)の連続浴
からなる。SC−2法は、表面の微量金属を除去し且つシリコン表面又は類似表
面を親水性にすべく不動態薄酸化物を形成するのに使用される。これは、塩酸(
HCl)過酸化水素及び水の連続浴からなる。実際の製造現場において、液浴は常
時ではあるがゆっくりと新鮮化され、このため、例えばウェーハの連続ロットが
前のロットからの粒子に曝され、これらの汚染物質は表面上に再付着する。
0.2μmという小さな粒子を除去するため、RCA法の能力を高めるのにかな
りの研究がなされている。これらの液体は0.3μm以下のサイズの粒子を除去す
る物理的限度に近い。なぜならば、新鮮な薬剤でも0.5μm以下の粒子を10,000
個/l程含んでいるからであり、これは125mm/ウェーハ当たり10個の粒
子が存在するという確率に相当する(C.M.Osburn,R.P.Donovan,H.Berger及
びG.Jonesの論文“J.Environ.Sci.”、1988年3月/4月号、第45頁参
照)。
また、当業者は、ウエットケミカル浴は、シリコン上に酸化物を形成し、表面
を微小粗面化し且つ浴中に溶解されている有機化合物及び金属元素(例えば、鉄
、銅、アルミニウム及びマグネシウム)からの汚染を受けると指摘している(M
.Itano,M.Miyashita及びT.Ohmiの論文“Proceedings”、Microcontaminatio
n 91、1991年、第521頁及びT.Shinono,M.Tsuji,M.Morita及びY.Mu
ramatuの論文“Ibid”、544頁参照)。
希フッ化水素酸
有機汚染物質、微量金属汚染物質汚染物質及び薄い自然酸化物の除去のため、
希フッ化水素酸(HF)が最近半導体工業に導入されている。しかしながら、H
Fは基板表面に微小エッチングを引き起こし、これはコントロールが困難で重大
な効果をもたらす。また、残留フッ素分子はゲートスタックの酸化物の破壊を引
き起こし且つチップの他の電気的パラメータに悪影響を及ぼす。Ohmi等は、最近
、HFの微小粗面化効果をコントロールするには、液体のpHを厳格に制御し、超
純水を温度制御下に維持し、且つFe及びCu等の好ましくない金属の付着を防止す
るため超純粋薬剤を使用する必要があることを報告している(M.Itano,M.Miy
ashita及びT.Ohmiの論文“Proceedings”、Microcontamination 91、1991年、
第521頁及びT.Shinono,M.Tsuji,M.Morita及びY.Muramatuの論文“Ibid
”、544頁参照)。
メガソニック洗浄及び超音波洗浄
メガソニック洗浄技術は、有機質フィルム及び粒子を除去するRCAウエット
ケミカル法を補完するため、1979年にRCA社により開発された。メガソニ
ック法では、例えばウェーハは、水、アルコール又は希SC−1溶液中に浸漬さ
れ且つ(圧電変換器により発生される)850〜900KHzの音波に曝される。
2〜5W/cm2の入力電力密度で、数ミクロンから最小0.3μmの粒子が効率的
に除去される(W.Kernの論文“J.Electrochem.Soc.137 (6)、1990年、
第1887年参照)。メガソニック法は最小0.3μmの粒子を除去できることが
確認されており且つ0.5μm幅の幾何学的寸法で、許容可能な洗浄効率を達成す
るのに必要な電力レベルで金属ラインを容易に持ち上げることができることが実
証されている(A.A.Busnania及びI.I.Kaskkoushの論文“Proceedings”、M-
icrocontamination 92、1992年、第563頁参照)。従って、より小さな幾何学
的寸法に対しては、メガソニック法はデバイスを破壊する。
超音波洗浄はメガソニック法と同じ原理で作動するけれども、20〜80KHz
の範囲の液体キャビテーション周波数及びメガソニック法より50倍大きい電力
密度を使用する。超音波法は、1μm以下の粒子の除去には有効でない(W.Ke-
rnの論文“J.Electrochem.Soc.137 (6)”、1990年、第1887年参照)
。
超音波洗浄及びメガソニック洗浄の両方法共、粒子の下にキャビテーション液
体媒体を導入し、静水圧力によって表面から粒子を除去するという原理に基づい
て作動する。0.1μmの粒子の除去に必要なファンデルワールス力及び2次付着
力は108ダインであると見積もられている。メガソニック洗浄法により発生さ
れる力は約103ダインであり、これは、0.3μm以下の粒子は除去できないこと
を示している(M.Ranadaの論文“Aerosol.Sci.and Technol.7”、1987年、
第161頁参照)。
紫外線/オゾン洗浄
紫外線/オゾン(UV/O3)洗浄法は、185〜254nmの領域のエネル
ギを供給できる水銀ランプ又は水銀/キセノンランプを使用する。この方法は、
フォトレジスト等の残留有機質フィルムの除去には比較有効であることが証明さ
れているけれども、塩、塵埃、指紋及びオゾンにより分解されたポリマーには有
効でない。表面上の残留過酸化物分子及び揮発性ヒドロキシル基は表面を疎水性
から親水性に変化させ、このため、下流側の蒸着工程での問題を引き起こし且つ
下流側の洗浄工程から好ましくない汚染物質を吸着する。表面によってはオゾン
により好ましくない酸化物が形成されることがあり、従ってこれを除去する別の
洗浄工程が必要になる。最後に、真に有効なものとするには、UV/O3法は、
無機物質を除去するための予洗浄工程を必要とする(J.R.Vig,J.の論文“V-
ac.Sci.Technol.A.3 (3)”、1985年、第1027頁参照)。
ブラシ洗浄
脱イオン水又はアルカリ性溶液を用いたブラシ洗浄は、1.0μm程度の小さな
粒子を表面から有効に除去できることが判明している。ブラシ洗浄は、化学的機
械的研摩後のスラリを除去する最終洗浄のような半導体工業における特殊ニッチ
である。表面の破壊及びブラシ材料の目こぼれを防止するには、ブラシ材料及び
表面上でのブラシの位置を入念に制御することが要求される(W.Kern の論文“
J.Electrochem.Soc.137 (6)”、1990年、第1887年参照)。
蒸気フッ化水素酸
クラスタ(集合)ツールシステムの出現により、洗浄剤として蒸気相HFの研
究がなされるようになった。なぜならば、ウエットケミカルシステム及び機械的
システムはクラスタツールに組み込むことが事実上不可能だからである。ウェー
ハは、プロセス及びツールから汚染されるため、重要な各プロセス工程の前又は
後に洗浄する必要がある。現行の全ての洗浄技術はウエットケミカル法又は機械
的方法であるため、ウェーハは洗浄のためにクラスタ環境から取り出さなくては
ならず、従って、クラスタシステムの多くの長所が除去される。
クラスタツールの一部であるモジュールに蒸気HF洗浄を組み込む研究がなさ
れてきた。Genus Inc.は、クラスタシステムに組み込むことができるモジュール
(最初は、Advantage Production Technology,Inc.により開発された)を発表
している。SEMATECH社の報告は、HF蒸気エッチングは制御不可能であり且つ重
大な微小粗面化を引き起こすことを示している(B.Van Eck,S.Bhat及びV.Men
onの論文“Proceedings”、Microcontamination 92、1992年、第694頁参照)
。
HFの制御は重要な問題となっている。Genus社は、次のような蒸気試薬の組
合せすなわちUV/O3、UV/Cl2/H+及びUV/CL2/H2の使用を
研究している。実験結果から、これらの特定の蒸気相試薬を用いたエッチング速
度は、システムが現在のように構成されているときには制御できない。CMOS
ゲートスタックから制限された歩留りを高めるための蒸気HFの有効性を研究し
たこれらの実験から、ゲート酸化物の劣化も証明された(J.deLarios,W.Kru-
sell,D.McKean,G.Smolinsky,S.Bhat,B.Doris及びM.Gordonの論文“P-r
oceedings”、Microcontamination 92、1992年、第706頁参照)。表面上に残
留するフッ化物、塩素及びヒドリドイオン及びこれらのイオンが如何にしてパラ
メータ性能を低下させ或いは下流側工程の問題を引き起こすかについての関心が
ある。
超臨界流体洗浄
超臨界流体技術は、エアロゾル中に冷凍ガス(例えばアルゴン)の粒子を用い
ることからなる(W.T.McDermott,R.C.Ockovic,J.J.Wu及びR.J.Miller
の論文Microcontamination 1991年10月、第33頁;K.S.Schumacherの論文
“Proceedings”SEMI Ultraclean Manufacturing Conference,1993年、第53
頁;及びE.Bokの論文“Solid State Technology”、1992年6月第117頁参照
)。この技術の基礎は、アルゴンペレットを表面粒子に指向させる高速ガス流か
らの運動量輸送にある。ガスが、0.68気圧で84K(−184℃)の温度まで冷
却されると、アルゴンは凝固してエアロゾルを形成する。アルゴン粒子が表面に
衝突すると、エネルギが表面粒子に伝達され、表面粒子は冷却されたガス流中に
除去される。この技術を用いることの関心は、ウェーハへの熱衝撃、サブサーフ
ェスイオン移動、表面構造破壊及び電気的パラメータ破壊にある。超臨界媒体が
何らかの電気的パラメータ破壊を引き起こすか否かを研究するため、完全に加工
されたウェーハについていかなる研究も今日まで発表されていない。
レーザ補助液体洗浄
他の既知の方法はレーザにより過熱された液体を用いる洗浄である。この技術
には2種類、すなわちアレン(Allen)法及びタム(Tam)法がある。
アレン法−−アレン法(米国特許第4,987,286号及びS.Allenの論文“Appl.
Phys.Lett.58 (3)”、1991年、第203頁参照)は、水と、熱源として1064n
mの波長をもつCO2レーザとを使用するウエット洗浄技術である。水は、粒子
と基板表面との間の間隙内に侵入しなければならず、レーザからのパルスにより
急激に加熱されると「爆発的に蒸発」して、粒子を基板から追い出す。
アレン法には、幾つかの潜在的問題が知られている。パターン形成されたウェ
ーハでは、水が金属ラインの下に侵入し、蒸発するときにこれらの金属ラインを
持ち上げるが、回路に損傷を与えるだけでなく、表面上に粒子を発生させる。ア
レンが説明するように、30J/cm2のエネルギ束で幅狭に合焦されたCO2レ
ーザを使用すると、パターン表面上に研摩効果を引き起こす。なぜならば、殆ど
の有機質フィルム、ポリマーフィルム及び金属フィルムは、20J/cm2で全
く容易に磨耗するからである。アレンは、重力により、基板を垂直にすなわち倒
立位置に取り付けることを提案している。別の方法として、アレンは、ガス供給
導管からのガス流を、表面を横切る方向に指向させ粒子を運び出すことを提案し
ている。
タム法−−タム法(W.Zapka,W.Zemlich及びA.C.Tamの論文“Appl.Phys
.Lett.58 (20)”、1991年、第2217頁及びA.C.Tam等の論文“J.Appl.P
hys.71 (7)”、1992年、第3515頁参照)は、アレン法と非常に良く似てい
る。タム法は、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール並びに水を使用
する。タム法は、チャンバを通る加熱窒素ガスのバーストを使用して液体媒体を
拡散し、この直後にIr:YAGレーザパルスを加える点でアレン法とは異なって
いる。このシーケンスは数サイクル反復される。アルコールを使用すると、粒子
を除去するのに5J/cm2のエネルギ密度が必要であるが、表面の損傷が観察
された。タムは、0.35μmのAl2O3球を除去するのにエタノール及び350mJ
/cm2より大きいエネルギ束をもつパルス形KrFエキシマレーザを使用したが、
液体媒体を使用しない大気条件中では成功しなかった。
他の方法
加圧流体ジェット洗浄は、粒子を容易に除去するけれども、洗浄粒子が維持さ
れる高圧により処理表面に損傷を与える危険がある。また、この技術は、洗浄流
体中のイオンの存在により、処理表面を静電的に損傷することがある。同様に、
剥離可能なポリマーテープのポリマーが処理表面上に堆積して処理表面を汚染す
ることもある。
基板表面を洗浄する他の既知の方法は、外部薬剤の使用を回避する。これらの
方法として次のものがある。
表面溶融
この方法は、処理表面を溶融させ、次の超高真空によりこれらの汚染物質を除
去できるようにする。この方法は、処理すべき表面を少しだけ溶融しなければな
らないという欠点を有する。このような溶融は、例えば半導体表面を蒸着回路層
間で洗浄するとき、前に蒸着された層の一体性が損なわれないようにしたいとき
に好ましくない。また、このような作業は、例えばパイプ及びウェーハプロセス
チャンバに見られるような広い不規則表面を洗浄できなければ困難であろう。最
後に、この方法に使用される超高真空は高価であり且つ作業に時間を要する。
アニーリング
アニーリング処理法も同様な欠点を有する。アニーリング法で表面を洗浄する
とき、洗浄すべき基板の処理表面は、処理される材料の融点よりも低い温度であ
るが、材料の分子結晶構造の再構成するのに充分な高温まで加熱される。処理表
面は長時間この高温に保持され、この間に、表面の分子結晶構造が再構成され、
汚染物質が超高真空により除去される。アニーリング洗浄法は、基板表面の分子
結晶構造を維持したい場合には使用できない。
研摩
研摩として知られている、現在用いられている他の洗浄法には、該方法自体に
固有の欠点がある。研摩法では、表面又は表面上の汚染物質は気化温度まで加熱
される。研摩される材料に基づき、材料は気化される前に溶融するか、加熱時に
直接昇華する。研摩洗浄技術では、処理表面への損傷を防止するには、研摩エネ
ルギを、汚染物質が付着している表面ではなく、汚染物質のみに正確に加えなく
てはならないが、この作業は、汚染物質が極めて小さいかランダムな間隔で付着
している場合、又は処理表面が不規則な形状を有する場合には困難である。研摩
エネルギが汚染物質のみに首尾よく加えられる場合でも、汚染物質の下に位置す
る処理表面を損傷することなく汚染物質を気化させることは困難である。
溶融、アニーリング及び研摩による表面洗浄は、レーザエネルギ源を用いて行
なわれる。しかしながら、レーザエネルギ源を用いて溶融、アニーリング又は研
摩により表面から汚染物質を除去することは、これらの方法の固有の欠点を解消
することはできない。例えば、「レーザ照射を用いて原子的にきれいなシリコン
及びゲルマニウム表面を製造する方法(Method Using Laser Irradiation For t
he Production of Atomically Clean Crystalline Sillicon and Germanium S-u
rfaces)」という名称に係る米国特許第4,292,093号には、レーザアニーリング
法が、処理表面の再構成及び溶融を引き起こすのに充分な真空条件及びエネルギ
レベルを必要とすることが開示されている。米国特許第4,181,538号及び第4,680
,616号に開示されているように、溶融又はアニーリングを含む他の既知のレーザ
表面洗浄法は同様な高エネルギレージング及び/又は真空条件を必要とする。同
様に、「レーザ研摩機(Laser Eraser)」という名称に係る米国特許第3,464,53
4号に開示されたレーザ研摩技術は、他の高エネルギ研摩法と同じ欠点を有する
。
ウェーハ表面上に付着する1つの汚染物質源は、ウェーハの処理に使用される
機器である。加工機器から汚染物質を減少させる主要技術は、一般に工具の分解
及び個々の部品の労働集約的検査を含む機器に関する主要な周期的洗浄プロセス
を遂行することである。しかしながら、主要な洗浄プロセスの遂行に暫定的に使
用される洗浄法は、このような主要洗浄プロセスの頻度を減少できる。
このような暫定洗浄法の1つとして、機器を収容するチャンバを不活性ガスで
パージングし、あらゆる表面汚染物質を帯同させ且つ運び出す方法がある。この
ような方法は、刊行物「半導体製造における粒子制御(Particle Control in S-
emiconductor Manufacturing)」(R.P.Donovan,ed.,New York,Marcel De-
kker,1990年)に記載されており、これには、不活性ガスへの汚染物質の帯同を
高めるには、機器を通るガス流が乱流状態になるようにパージガスの流量を充分
に高く維持するのが望ましいことが教示されている。この刊行物によれば、乱流
境界層は層流境界層より薄いこと、及び乱流は瞬間流体速度が平均速度より大き
い領域を有することから、乱流が粒子の帯同を補助すると記載されている。
しかしながら、このような方法をウェーハの洗浄自体に適用する場合、乱流が
ウェーハ表面に対して垂直な局部速度成分を有するため、乱流の使用が問題であ
ることが証明されている。これらの速度成分は、帯同した粒子をウェーハ表面に
向かって運び且つ該表面と接触させ、粒子をウェーハ表面に保有させる。これは
、ウェーハ表面から解放されたばかりの粒子について特にいえることである。こ
の「解放されたばかりの」粒子はウェーハ表面の比較的近くにあり、従って、ウ
ェーハ表面に対して垂直な局部的速度成分によりウェーハ表面に一層再付着し易
い。発明の要約
本発明は、処理すべき基板表面の分子結晶構造を変えることなく且つ基板表面
に損傷を与えることなく該表面から汚染物質を除去することにより、従来技術の
問題を解決し且つ欠点を解消することにある。ガスは基板の処理表面を横切って
流され、且つ基板は、その処理表面から汚染物質を解放させるのに充分大きいけ
れども、処理表面の分子結晶構造を変えるには充分小さい或るエネルギ密度及び
時間で連続的に照射される。ガスは、基板処理表面に対し不活性であるものが最
適である。また、流れに帯同される汚染物質が処理表面上に付着する可能性を最
良に防止するため、ガス流は層流の状態にする。照射源は、パルス形又は連続波
レーザ又は高エネルギランプのような当業界で知られた任意の手段で構成できる
。照射は、パルス形紫外線レーザにより発生させるのが好ましい。本発明は、半
導体基板上に回路層を蒸着させる前、間及び後に、全体として平らな半導体基板
から表面汚染物質を除去するのに有効に適用できる。また、本発明は、不規則な
形状をもつ表面、より詳しくは、不一致関係平面(non-coincidently related p
l-anes)内にある表面にも適用できる。このような平面として、同じ空間又は平
面を占める表面を除く、基板の表面間の可能性あるあらゆる関係が含まれる。例
えば、管の対向内壁又は立方体チャンバの隣接壁のように平行関係又は角度関係
をなす表面は、それぞれ不一致関係平面を占める。図面の簡単な説明
第1図は、本発明による汚染物質除去方法及び装置を示す概略図である。
第2図は、本発明の一実施例において、比較的平らな処理表面から汚染物質を
除去するのに、如何にしてレーザ放射線を当てるかを示す概略図である。
第3図は、本発明の他の実施例において、比較的平らな処理表面から汚染物質
を除去するのに、如何にしてレーザ放射線を当てるかを示す概略図である。
第4図は、比較的平らな処理表面から汚染物質を除去するのに、本発明に従っ
て加えられる放射線及びガスと組み合わせてマスクを使用する方法を示す概略図
である。
第5図は、不規則形状の処理表面から汚染物質を除去する本発明の汚染物質除
去装置を示す概略図である。
第6図〜第11図は、本発明の原理に従って、ガス及び放射線を不規則形状の
処理表面に運ぶ装置を示す概略端面図である。
第12図及び第13図は、長い閉鎖通路の内面から汚染物質を除去するのに、
第5図の発明を如何にして適用するかを示す概略側面図である。
第14図は、本発明の原理に従って、ガス及び放射線を不規則形状の処理表面
に運ぶ装置を示す概略端面図である。
第15図は、第14図に示す装置の部分平面図である。
第16図は、本発明の原理に従って、ガス及び放射線を不規則形状の処理表面
に運ぶ装置の別の形態を示す部分平面図である。
第17図及び第17a図は、可撓性のある多孔質心出し支持構造を用いて第5
図の発明を適用する方法を示す概略側面図である。
第18図は、光学ディフューザを用いて本発明を適用する方法を示す概略側面
図である。
第19図及び第20図は、プロセスチャンバの内面から汚染物質を除去するの
に、第5図の発明を如何にして適用するかを示す概略側面図である。
第21図及び第22図は、不規則形状の対象物の外面から汚染物質を除去する
のに、第5図の発明を如何にして適用するかを示す概略側面図である。
第23図及び第24図は、ダクト状内面から汚染物質を除去する本発明の他の
実施例において、如何にして放射線を当てるかを示す概略側面図である。
第25図及び第26図は、不規則形状の対象物の外面から汚染物質を除去する
のに、本発明の他の実施例において如何にして放射線を当てるかを示す、それぞ
れ概略端面図及び概略側面図である。
第27A図及び第27B図は、本発明の原理に従ってガス及び放射線を処理表
面に運ぶ装置の異なる高さの平面図である。
第28図は、第27A図の28−28線に沿う第27図の装置の断面図である
。
第29図は、第27図の装置の分解図である。
第30図は、フローチャンネルの異なる段階でのガス流速度分布を示す概略図
である。
第31図は、第27図の装置用フィルタの選択に使用する流量/圧力データを
示すグラフである。
第32図は、或る基板製品の加工に使用するクラスタツールを示す概略図であ
る。
第33図〜第35図は、本発明による汚染物質除去方法及び装置を示す概略図
である。
第36図は、本発明の原理を具現するプロセスチャンバの一部の形状を示すラ
ンキン楕円を示す図面である。
第37図は、プロセスチャンバ内の流れの速度分布を示すグラフである。
第38図及び第39図は、本発明の方法に使用される試験セルの、それぞれ概
略平面図及び概略断面図である。
第40図は、本発明の方法の試験から得られたデータを示すグラフである。
第41図は、不活性ガスの2次流が導入されるときの基板のキャビティを通る
不活性ガス流の流線を示す概略図である。
第42図は、本発明の原理を取り入れた装置の別の実施例を示す概略図である
。詳細な説明
以下、添付図面に示す本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。尚、全図面
を通じ、同じ参照符号は同じ構成要素を示すのに使用されている。
1.基本的処理方法及び装置
第1図には、基板表面の分子結晶構造を変えることなくすなわち基板表面に損
傷を与えることなく、基板表面から表面汚染物質を除去する方法及び装置が概略
的に示されている。第1図に示すように、組立体10は、表面から汚染物質を除
去すべき基板12を保持する。ガス源16からのガス18は、基板12上に一定
に流される。ガス18は基板12に対して不活性であり且つ非反応性ガス環境中
に基板12を浴するため基板12を横切って流される。ガス18は、ヘリウム、
窒素又はアルゴン等の化学的に不活性のガスが好ましい。基板12を保持する包
囲体15は、一連の管21、弁22及びガス流量計20を介してガス源16に連
通している。
第1図に示す本発明の実施例によれば、包囲体15は、対向するガス入口ポー
ト23及びガス出口ポート25をそれぞれ備えたステンレス鋼製の試料反応セル
からなる。包囲体15にはシールされた光学グレード水晶窓17が設けられてお
り、該窓17を放射線が通ることができる。入口ポート23及び出口ポート25
は、例えば、弁が設けられたステンレス鋼管からなる。試料12が包囲体15内
に置かれた後、包囲体15はガス18により反復してフラッシュ及びバックフィ
ルされ且つ他のガスの流入を防止するため周囲の大気圧より僅かに高い圧力に維
持される。包囲体15は固体チャンバとして示されているけれども、洗浄すべき
表面は、ガスを通すことができる任意の形式の包囲体内に包囲することを考える
ことができる。例えば、処理される表面が大形の固定対象物である場合には、プ
ラスチックバッグのような大形の可搬包囲体を使用できる。
ガス18の流量は適当な流量計20により調整され、流量計20としてはMat-
heson Model 602流量計が適している。弁22は、高温及び高圧に適しており且
つ有毒で、危険で、腐食性又は膨張性を有するガス又は液体に使用する計量弁、
調整弁又はベローズ弁が好ましく、例えばオハイオ州 SolonのSwagelok Co.によ
り提供されるSwagelok SS-4H(商標)シリーズがある。弁22は、包囲体15を
遮断し、ガス源16と連通させ、又は基板12上に付着させるガスのような別の
物質(別の供給源40から供給される)と連通させるため開閉することができる
。
本発明の方法によれば、基板の処理表面から表面汚染物質を解放させるのに必
要なエネルギ密度及び時間と、基板の分子結晶構造を変えるエネルギ密度及び時
間との間で、高エネルギ放射線が基板処理表面に照射される。第1図に示す本発
明の方法によれば、放射線源14(レーザ又は高エネルギランプで構成できる)
は、基板12の処理表面に向けられる放射線11を発生する。第1図において、
放射線源14は包囲体15の外部にあって、水晶窓17を通して試料12を照射
するものとして示されている。しかしながら、別の構成として、放射線源14は
包囲体15内に配置することを考えることができる。
高エネルギ照射のエネルギ束及び波長は、除去すべき表面汚染物質に基づいて
選択するのが好ましい。このため、出口ポート25にガス分析器27を連結でき
る。分析器27は、放射線源14の選択的エネルギ調節及び波長調節を行なうた
め、包囲体15からの放出ガスの含有物を分析する。ガス分析器27は、例えば
、マサチューセッツ州、BillericaのBruker Instruments,Inc.又はミネソタ州
、Eden PrairieのPerkin Elmer社により製造される四極子型質量分析計のような
質量分析計で構成できる。
本発明に使用される照射源は所望の放射エネルギ及び波長に基づいて選択され
る。電子ボルト/光子(Ev/photon)で表す放射線のエネルギレベルは、洗浄す
べき表面に汚染物質を付着させる結合力を破壊するのに必要な少なくとも2倍あ
ることが好ましい。「化学及び物理学ハンドブック(Handbook of Chemistry an
d Physics)」(68th ed.,F-169〜F-177頁(CRC Press 1987年)参照)に記
載されているように、一般的な汚染物質(例えばカーボン及び酸素)と一般的な
基板材料(例えばシリコン、チタン、ゲルマニウム、鉄、プラチナ及びアルミニ
ウム)との間の結合エネルギは、2〜7Ev/bondの範囲にある。従って、4〜1
4Ev/photonのエネルギで光子を放射する放射線源が好ましい。波長は、本願に
援用するG.W.Castellan著「物理化学(Physical Chemistry)」(2d ed.,第45
8〜459頁、(Academic Press、1975年)参照)に記載されているように、良
く知られている光電効果により基板表面の一体性を損なう虞れのある波長より小
さくすべきである。好ましい波長は、除去すべき分子種及び該分子種の共鳴状態
に
基づいて定めるのが好ましい。
本発明には、適当なエネルギレベルの放射線を発生させるための、従来技術に
おいて知られた任意の手段、例えば高エネルギランプ及びレーザを使用できる。
このような放射線源からの光エネルギは、用途に応じ、深い紫外線から赤外線(
対応する波長は、それぞれ193〜3000nm)の範囲にすることができる。
多数の適当なレーザの波長及び光子エネルギを下記の表Iに示す。
これらのレーザは、次の参考文献により詳細に記載されている。すなわち、M.J
.Webber著「レーザ科学のCRCハンドブック(CRC Handbook of Laser Scien-
ce)」(Vols.1−5(1982〜1987年));Mitsuo Maeda著「レーザ色素(Laser
D-yes)」(Academic Press、1984年);及びマサチューセッツ州、Acton,289
Gr-eat RoadのLambda Physik社、カリフォルニア州、Palo Alto,3210 Porter
Dr-iveのCoherent Inc.、カリフォルニア州、Mountain View,1250 West Middl
e-field RoadのSpectra-Physics社からのレーザ製品文献である。適当な放射線
源として、高エネルギキセノンランプ又は水銀ランプ、又は可視光、紫外線、赤
外線、X線又は自由電子レーザを含む他の形式のレーザを使用できる。
本発明によれば、汚染物質を除去すべき基板処理表面に向けられる照射は、該
表面の分子結晶構造を変えるのに必要な出力密度より小さな出力密度を有する。
照射の出力密度及び時間は、基板表面の構造を変えるのに必要なエネルギより大
幅に小さいエネルギ量を基板表面に伝達するように選択される。好ましいエネル
ギレベルは、処理される基板の組成に基づいて定められる。例えば、プラスチッ
クのような或る基板材料では、このエネルギレベルは、高強度超硬鋼のような他
の材料より非常に低いであろう。種々の材料についての生成熱は良く知られてお
り且つ「化学及び物理学ハンドブック(Handbook of Chemistry and Physics)
」(68th ed.,D33〜D42頁(CRC Press 1987年)参照)において報告されてい
る。生成熱は、種々の材料の破壊に必要な熱量にほぼ一致し且つ処理表面の分子
結晶構造を変えない照射エネルギ密度及び時間を選択するガイドラインとして使
用できる。多数の一般的基板材料の生成熱を下記の表IIに示す。
本発明に使用される照射エネルギ密度及び照射時間は、生成熱が基板処理表面に
近づくようにする。しかしながら、所与の基板材料に使用できる最大エネルギを
見出すには、当該材料の既知の生成熱を考慮した何らかの実験が必要であろう。
このような実験は、アニーリング、研摩及び溶融が生じないことを確保するため
のものである。
照射源からの所与の出力に対し、表面でのエネルギ束を最大にするためには、
処理される基板の部分の平面に対して垂直に照射するのが好ましい。しかしなが
ら、特定環境での本発明の方法の実施に便利又は必要ならば、基板に対して或る
角度で照射することができる。もちろん、表面でのエネルギ束は入射角の正弦(
サイン)に従って変化し、このことは、照射源の出力及び滞留時間(dwell t-im
e)の選択に際し考慮に入れなくてはならない。
基板表面が上記のように照射されると、基板表面に汚染物質を保持する結合(
bonds)及び/又は力が破壊され、不活性ガスは、照射中に汚染物質を基板表面
から運び去る。洗浄された基板が不活性ガス環境内に留まっている限り、新たな
汚染物質が基板表面上に形成されることはない。必要ならば、除去された汚染物
質種を捕捉し且つ安全化するための捕捉システムを包囲体出口25に連結するこ
とができる。
a.プロセスのための理論的量子力学の基礎
不活性ガス流と組み合わせた照射による、表面からの汚染物質の除去は、量子
力学の一分野である非線形光学理論により説明できる。
非線形光学理論の基礎は、非線形媒体におけるマクスウェル方程式から導かれ
、次のようになる。
ここで、Eは電界;Bは磁界;Jは電流密度;及びρは電荷密度である。
レーザ及び他の高エネルギ照射源の出現により、1880年代から理論的に仮
定されている非線形プロセスへのアクセスが可能になった。非線形光学理論は、
N.Bloembergen著「非線形光学(Nonlinear Optics)」(New York,Benjamin/C
umming Publishing Company,1965年(第4版、1982年)及びY.R.Shen著「非
線形光学の原理(The Principles of Nonlinear Optics)」(New York,J-ohn
Wiley and Sons,1984年)に記載されている。
レーザは干渉性及び高指向性を有するビームを発生する。ビームのこの特性は
、付着した汚染物質を表面から除去するのに使用できるユニークな特性である放
射線力(radiation force)として定義される。均一媒体中での放射線力は次式
(5)で与えられる(この式もマクスウェル方程式から導かれる)。
ここで、ρは媒体の密度;pは圧力;Gは真空中の電磁密度である。
Ashkin及びDziedicの実験(A.Ashkin and J.M.Dziedic,Appl.Phys.Le-
tt.28(1976年)第333頁、30(1977年)第202頁及び19(1971年)第729
頁参照)は、10μmのラテックス球のような小さな粒子が、充分な光子束のレ
ーザ界中で表面から除去されることを証明している。ひとたびレーザビームを停
止すると、ラテックス球は表面に戻された。この非線形プロセスは光学的浮揚(
optical levitation)と呼ばれている。Ashkinの実験は、照射源の特性が局部的
付着及び重力を打ち負かすのに使用できることを証明した。この現象は、5μm
の粒子に関する本発明の試験においても観察されている。放射線照射野(r-adia
tion field)が或る位置を通過した後の粒子の再付着は、流動する不活性ガスを
用いることにより防止される。
本発明の方法及び装置の試験で観察されている他の非線形プロセスは多光子解
離(multiphoton dissociation,“MPD”)である。汚染物質が付着された表
面と相互作用する充分な光子束をもつ高エネルギ照射が、該汚染物質をMPDに
より除去できる(Y.R.Shen著「非線形光学の原理(The Principles of Nonli-
near Optics)」(New York,John Wiley and Sons,1984年、第23章、第437
〜465頁)参照)。このプロセスを通じ、幾つかの光子は、古典的手段では不
可能な振動状態及び回転状態の励起が行なえる。汚染物質がアクセスしたこれら
の新しい状態は、準安定状態として説明できる。準安定状態は、表面からの汚染
物質の解離又は汚染物質の破壊に導かれる。解離プロセスは、表面及び汚染物質
が寄与する非線形感受性(nonlinear susceptibilities)により更に高められる
。また、MPDプロセスの理論は、表面及び除去すべき化学種の知識に基づいて
、光子束を調整することにより選択的に結合を除去し、非線形機構の利益を得る
ことができると仮定するものである。
上記非線形プロセスは補完的なものであると思われる。汚染物質及び表面に基
づいて、或る非線形プロセスの方が他の非線形プロセスよりも好ましいことがあ
り、またこれらを相前後して用いることもできる。
b.基礎的処理の例
平らな処理表面に関する上記基礎的処理方法及び装置の適用を、下記に例示す
る。例Iでは、種々のエネルギ密度のパルス形KrFエキシマレーザが、成功の度
合いを変えながら酸化ケイ素に加えられる。例IIでは、光学的コンポーネンツ
の領域における本発明の必要性が試験される。
i.例 I
半導体表面上での薄フィルム成長の促進には、シリコンの自然酸化物が必要で
ある。残念なことに、酸化ケイ素の半導体表面が環境に曝されると、カーボン汚
染物質が半導体表面に弱く付着する。これらの汚染物質が存在すると、蒸着すべ
き薄フィルムの導電性又は絶縁性が大幅に低下される。従って、半導体製造に際
し、入念な真空、化学及び機械的技術を用いて、環境への露出に関し大きな注意
を払わなくてはならない。加工ステップ間に表面をきれいに保つのに、高真空又
は準超高真空を使用する場合には、真空技術は特に高価である。化学的技術(ウ
ェット及びドライ)及び機械的技術は、基板表面表面(該表面が加工済み集積回
路の場合には、下層構造)が損傷を受け易い。
これらの問題を解決する試みとして、248nm(UVレンジ)の基本波長を
もつパルス形KrFエキシマレーザ(Lambda Physik社のモデルEMG 150)からの放
射線を、アルゴンガスが流入されるシール形チャンバ内のシリコン基板の表面に
当てた。表面のカーボン汚染物質及び半導体製造におけるアルミニウム薄フィル
ム形成の前駆物質である化学吸収された有機金属(トリメチルアルミニウム)に
関連するカーボン(%)を減少させるため、KrFエキシマレーザを用いて、60
00レーザショットの35 mJ/cm2の照射を、10Hzの反復速度で酸化
ケイ素基板表面に20分間加えた。レーザ処理表面は、1.03×10-3トルのレギュ
レータ背圧下で16l/時間(4.5ml/秒)の流量をもつアルゴンガスの連続流
中に曝された。処理後のX線光電子分光(X-ray Photoelectron Spectro-scopy
,“XPS”)分析によると、基板表面の30〜45%を覆う処理前の平均表面
カーボンから、基板表面の19%を覆う処理後の平均表面カーボンまで、基板の
表面カーボンが大幅に減少したことが証明された。基板表面自体は、いかなる損
傷又は変化を受けていないことも証明された。
非レーザ処理表面に有機金属ガスを曝した後には基板表面の40〜45%がカ
ーボンで覆われるのに対し、上記のようにしてレーザ照射により処理され且つ次
に有機金属ガス流に曝された表面は、該表面の20.8%がカーボンで覆われたこと
が、XPS分析により証明された。上記のようにしてレーザを当てると、有機金
属ガスに曝す前及び曝した後の両場合共、表面の8.9%のみがカーボンで覆われ
たに過ぎない。レーザに曝された領域(レーザ露出領域)に隣接する領域も、レ
ーザ洗浄処理に幾分の効果を示した。処理領域に隣接する領域は、12.7%のカー
ボンレベルが減少した。この効果は、多分、加えられたレーザパルスのガウス特
性によるものであろう。
試料セルからXPS分析器へのウェーハの移送は、アルゴン充填グローブボッ
クスを通して行なわれる。シリコンウェーハは、不活性UHVトランスファーロ
ッドを通してXPSに移送される。これにより、環境への露出が最小に維持され
る。
酸化ケイ素からなる別のウェーハを、上記のようにアルゴンガスに曝すと同時
に、10Hzの反復速度で6000ショットだけ、9mJ/cm2のパルス形KrF
エキシマレーザの照射に曝した。XPS分析の結果、レーザ処理の前後共、平均
40〜45%の表面カーボンが証明された。従って、9mJ/cm2での照射で
は、吸着された表面カーボンを除去できなかった。
酸化ケイ素からなる別のウェーハを、上記のようにアルゴンガスに曝すと同時
に、10Hzの反復速度で6000ショットだけ、300mJ/cm2のパルス
形KrFエキシマレーザの照射に曝した。処理の終時に、基板表面は、該基板を貫
通する孔を含む大きな損傷を受けた。従って、300mJ/cm2での照射は、
基板表面の分子結晶構造を変えてしまった。
これらの例は、適当なエネルギ束及び波長でのレーザ照射を行なえば、下方の
表面すなわち隣接構造を損傷することなく表面汚染物質を減少できることを証明
している。
SiO2の生成熱を考慮すると、10Hzの反復速度で6000ショットだけ、1
00mJ/cm2以下のパルス形KrFエキシマレーザの照射に曝される酸化ケイ素
の基板表面は、該基板の分子結晶構造を変化させないと考えられる。10Hzの
反復速度で6000ショットだけ、75mJ/cm2以下のパルス形KrFエキシマ
レーザに照射することは、いかなる場合でも、酸化ケイ素の基板表面を
変化させないと考えられる。
ii.例 II
レーザ溶融部品、X線リソグラフィ部品及びUVエキシマレーザ部品等の技術
で高エネルギ光学コンポーネンツを製造することは困難である。レーザ溶融技術
及びX線リソグラフィ技術は、専ら「クリーン」な環境内で使用される。現在の
商業的フィルム蒸着技術では長時間の高エネルギ束に耐え得るフィルムを製造す
ることが困難であるので、エキシマレーザ光学部品の作動寿命は短い。
高エネルギ光学部品に関する永続的な問題は、光学的破壊(optical breakdo-
wn)である。この現象は、「強力なレーザ照射野中で透明媒体に生じる損傷の破
滅的展開(the catastrophic evolution of damage inflicted in a transpare-
nt medium in a strong laser field)」(Y.R.Shen著「非線形光学の理論(P
r-inciples of Nonlinear Optics)」(1st ed.,第528〜540頁、Wiley I
-nterscience,1984年)参照)として説明できる。この現象は固体中でもガス中
でも生じる。高エネルギ光学部品のような固体では、光学的破壊は、バルク材料
のスクラッチ及び微孔等の表面欠陥の存在により悪化される。殆どの場合、光学
的破壊は、吸着された塵埃粒子等の表面汚染物質による。これらの汚染物質の存
在は、所与のレーザシステムから使用される最大レーザ出力を制限する破壊閾値
を低下させる。この事実は、外部のポンプエネルギ源によるレーザ媒体(固体状
態又はガス状)のポンピングに関して非常に重要な制限である。これは、光学窓
、レンズ及び他の光学コンポーネンツを通してエネルギを伝達するのに使用され
るレーザ出力を制限する。
例えば固体の光学的破壊は、表面に付着した汚染物質の存在により促進される
。レーザパルストレーンと充分なエネルギクロスセクションとの相互作用により
、固体表面上に「電子なだれ(avalanche)」イオン化を引き起こす充分なエネ
ルギを与える。これは、固体を壊変する表面プラズマを形成する。汚染物質の存
在は、レーザの効率を有効に低下させ且つ潜在的用途でのその使用を減少させる
。
上記問題を解決するため、本願に開示の汚染物質除去方法を使用して、吸着塵
埃のような付着汚染物質を除去できる。例えば、光学コンポーネンツを処理する
ため、光学コンポーネンツはアルゴンガスの連続流に曝され、この間にパルス形
KrFエキシマレーザが光学コンポーネンツの表面に向けられる。レーザは、高エ
ネルギ光学部品のイオン化及びその後のプラズマ化を促進するのに必要な高エネ
ルギパルスよりかなり小さい適当なエネルギ束及び波長に調整される。光学コン
ポーネントの表面は、選択されたエネルギ束及び波長で、吸着汚染物質を除去す
るのに充分な時間照射される。
iii.例 III
Potomac Photonics社(メリーランド州、Lanham)の製造に係るPotomac Pho-t
onics SGX-1000 KrFレーザを用いて定性実験を行なった。レーザは、60mJ/
sの平均出力、0.02秒の滞留時間(dwell time)及び20μmのビームスポット
で作動された。140ml/sの流量で窒素が使用され、一方、基板は1mm/
sのステージ速度で移送ステージ上に取り付けられた。レーザ出力は、Molectro
n Detector,inc.(オレゴン州、Portland)の販売に係るJ3-09プローブを備え
たMolectron JD-1000ジュールメータにより測定した。洗浄結果の視覚検査(1,0
00倍の倍率)により、アルミニウムから有機オイル(指紋)及びアルミニウム破
片が除去され、シリコンからシリコン破片及びシリコンヘイズ(シリコン曇り)
が除去され、且つ3.0μmのCMOSパターンウェーハから未確認異物が除去さ
れたことが証明された。
c.基板の選択的処理
本発明に従って処理される平らな基板は、レーザを用いて選択的に照射される
。例えば第2図に示すように、基板12は、レーザパルス11′の固定ビームに
対して選択的に移動されるXYテーブル13上に固定される。レーザパルス11
′は、レーザ14′により発生され、ビームスプリッタ24及び集束レンズ28
を通り、基板12(該基板上を不活性ガス18が流れる)の表面の選択された部
分に向けられる。別の構成として、第3図に示すように、レーザパルス11′は
、ビームスプリッタ30、32により2組のパルスに分けられ、これらのパルス
は、ミラー34〜37を調節することにより、固定テーブル19上の基板12の
表面
上に選択的に移動される。レーザからのエネルギを直接測定するレーザ出力計2
6は、基板に加えられるレーザ出力を精密にモニタリングすることができる。適
当なレーザ出力計は、Digirad社(ニューヨーク州、Oriskany)及びSciente-ch
.Inc.(コロラド州、Boulder)から入手できる。
また、平らな表面の選択的な照射は、放射線源と処理基板との間に配置される
マスク(半導体工業で使用されているものと同様なマスク)を用いて行なうこと
ができる。第4図に示すように、マスク9は、放射線11がマスク通路aを通っ
て基板12にアクセスすることを制限することにより、固定テーブル19に固定
された基板12の選択的照射を行なう。第1図に詳細に示すように、包囲体15
は、ステンレス鋼製の試料反応セルからなり、該セルには、対向するそれぞれガ
ス入口ポート23及びガス出口ポート25と、シールされた光学グレード水晶窓
17(該窓を放射線が通ることができる)とが設けられている。
高エネルギランプを第2図〜第4図に示すものと同様な形態で平らな表面の照
射に使用することを考えることもできる。
第42図には、平らな表面を選択的に照射できる別の実施例が概略的に示され
ている。適当なレーザ110からの出力は、集束レンズ112に向けられ、リレ
ーミラー113、114により反射され、ガリレイ望遠鏡115に通される。レ
ーザからの照射は、次に、別のリレーミラー116により反射され、調節可能な
最終集束レンズ117を通って合焦されて、x−y並進ステージ上のホルダ118
に取り付けられた基板に到達する。少なくともホルダ118は、不活性ガスが流
されるセル(図示せず)内に配置される。セルの出口には流量計119が配置さ
れている。第42図に概略的に示す構成は、特にコンパクトな装置を構成する。
d.不活性ガスの層流
照射により基板表面から解放され且つガスに帯同された汚染物質が、下流側で
基板表面上に再付着する傾向を低減させるためには、ガス流が帯同した汚染物質
に、基板表面に対して垂直な速度成分を伝達しないようにガス流を制御すること
が好ましい。表面に垂直なこの速度成分は、乱流ガス流、乱流又は層流、再循環
流の領域においても、当然当てはまることである。従って、本発明の原理によれ
ば、基板を横切って流れるガス流を層流状態に維持し且つ流れの再循環ゾーンの
形成を防止することが好ましい。
内部流(管内の流れ、すなわち本実施例ではプロセスチャンバ内の流れ)に対
しては、層流を約2000以下のレイノルズ数に維持することは良く知られてい
る。レイノルズ数(Re)は、次式(6)に従って計算される。
ここで、ρ及びμは、ガスの、それぞれ密度及び絶対速度;hは、流れの境界を
ガス流中に帯同された解放粒子のようなガス中の自由粒子に作用する牽引力F
し、次式に示す関係を有する。
ここで、cは、滑り補正係数である。粒子に関し、この係数を最大にする、従っ
て、粒子がガス流に帯同され且つガス流中に留まる傾向を最大にするには、流れ
の速度を最大にすべきである。しかしながら、これは、レイノルズ数を約2,000
以下に維持して層流を維持すべきであるため、制限を受ける。また、フローチャ
ンネルの1/2高さhを小さくすることにより、所与のガスについてより高いガ
ス速度を達成できることは明らかである。
関して定まり、Qは次式から求める。
ここで、Aはフローチャンネルの断面積である。かくして、所与の平均速度を維
持すべくフローチャンネルに供給しなければならないガスの体積流量は、小さい
断面積をもつフローチャンネルについては小さい。フローチャンネルの幅は、一
般に、処理すべき基板の幅により定められるけれども、通常、幾分かの融通性を
用いてチャンネルの高さを制御できる。従って、所望の速度を達成するのに必要
なガス量を最小にするには、チャンネルの高さを最小にするのが好ましい。
当業者ならば、ガス流の速度は、フローチャンネルの幅を横切る方向に均一で
ないことが理解されよう。すなわち、この速度は壁においてゼロであり、チャン
ネルの中心線において最大値まで単調に増大する。完全に展開された管の層流に
ついては、速度分布は次式で表される。
ここで、yは、フローチャンネルの壁からの距離である。従って、第30図に示
すように、速度分布は事実上放物線になる。フローチャンネルの入口領域E、す
なわち、フローチャンネルの各対向壁上に生じる境界層がチャンネルの中心と出
合わない領域Eには、壁に近い境界層領域とポテンシャルコアとがある。第30
図に示すように、速度についての閉形の解(closed-form solution)はないけれ
ども、壁の近くの所与の距離での流れの速度は、完全展開流(fully developed
flow)Fの領域における流れの速度よりも、入口領域Eにおける流れの速度の方
が大きい。
汚染物質の帯同に関する他のパラメータは、ガスの密度及び絶対粘度の特性で
ある。これらの特性は、密度と絶対粘度との比である動粘度νで組み合わされる
。すなわち、
レイノルズ数の式(上記式(6))から明らかなように、所与のレイノルズ数及
びフローチャンネルの寸法に対し、動粘度が大きい程、リニアな関係をなして、
高い速度を達成できる。競合する考察は境界層の厚さである。すなわち、一般に
、壁の近くでできる限り高い速度をもつようにするのが好ましい。これは、境界
層の厚さは薄い方が好ましいことを意味している。しかしながら、これは、同じ
条件に対し、一般に乱流境界層の方が層流境界層より薄いけれども乱流を回避す
べきであるという拘束を受ける。
境界層の厚さは、動粘度の平方根に比例し且つフローチャンネル内での平均速
度の平方根に反比例する。従って、フローチャンネル内の所与の速度について、
境界層の厚さは、比較的小さな動粘度をもつガスの境界層の厚さよりも、比較的
大きな動粘度をもつガスの境界層の厚さの方が厚いであろう。しかしながら、レ
イノルズ数の関係から、動粘度の増大は、同じレイノルズ数を維持しながら(従
って、層流を維持しながら)、速度を比例的に増大させることを可能にする。か
くして、平均流れ速度を増大させることにより、境界層厚さに及ぼす大きな動粘
度の好ましくない効果を解消できる。もちろん、これらの考察は入口領域のみに
関係する。すなわち、境界層厚さは、完全展開領域におけるフローチャンネルの
1/2幅に等しく、ガス特性による影響は受けない。
粘度は、上式(9)に示すように、粒子に作用する牽引力における重要なパラ
メータである。すなわち、ガスの粘度が大きい程、粒子に作用する力は大きくな
る。従って、より大きな絶対粘度をもつガスが好ましい。
上記のように、処理を行なうのに、基板に対して不活性なあらゆるガスを使用
できる。事実上全ての基板材料に対して不活性な貴ガスが特に適している。窒素
も、殆どの基板に対して適したガスである。貴ガスのうち、ヘリウム及びアルゴ
ンが最も容易に利用でき且つ経済的に魅力的に使用できる。これらの3種類のガ
スすなわちヘリウム、アルゴン及び窒素のうちアルゴンが好ましい。なぜならば
、アルゴンが最高の絶対粘度を有するからである。
フローチャンネルを通る流れの状態に関する他のパラメータは、ガスの温度及
び圧力である。殆どのガスの粘度(絶対粘度及び動粘度の両方)は、温度と共に
僅かに増大する。しかしながら、処理プロセスの殆どの商業的用途において、ガ
ス温度はほぼ室温である。これに対し、ガス圧力は大きく変化する。ガス密度は
その静圧に比例する。従って、上記式(6)に示すレイノルズ数の方程式を再び
参照すると、所与のレイノルズ数、ガス及びフローチャンネルの高さDに対し、
(圧力の増大による)密度の増大には、平均速度の減少を必要とする。従って、
層流状態では、圧力が低い程、高い速度を達成できる。
帯同された汚染物質に、表面に対して垂直な速度成分が伝達されることを防止
する第2の特徴に戻ると、流れの再循環は、ガスが流れる表面の輪郭における流
れ方向の不連続性すなわち急激な変化により生じる、流れ中の悪い圧力勾配によ
って引き起こされることが当業界において知られている。従って、基板を処理す
べきプロセスチャンバの表面(より詳しくは、基板の直ぐ上流側の部分の表面)
におけるこのような不連続部の形成を回避することが望まれる。また、フローチ
ャンネルに流入する流れは、フローチャンネルの軸線に対して平行な速度ベクト
ルをもつ均一な速度分布をもつべきである。
再循環及び乱流を回避するためのこれらの流れ考察の重要性が、再循環しない
層流を維持するためのほぼ最適形状をもつ反応セル内で行なわれる試験の結果に
より示される。これは、上記例I及び例IIで説明した試験で使用したものと同
じセル形状である。反応セル200は、その平面図が第38図に、断面図が第3
9図に概略的に示されている。セルは、該セルの床201と同一面内にある入口
202及び出口210を有し、該入口及び出口の各々が0.25インチ(0.6cm)
の直径を有する。処理すべき基板も床201上に取り付けられる。セルは、7.6
cmの直径及び2.5cmの高さを有する。
裸シリコンの試料が室(ルーム)環境に曝され且つ200〜315nm領域の
範囲の40μJ/sの出力エネルギを有する電子時間コントローラ(Oriel Cor-
porationの市販に係るModel 84350)に接続された、直径4インチのレンズを備
えた500WHg/Xe低圧ランプ(コネチカット州、StamfordのOriel Corporation
の市販に係るModel 6288)を用いたセル内で洗浄された。ランプは、トータルで
8mJ/cm2を30分間供給した。エネルギ測定は、200〜315nm範囲
用のJSEL/240QnDS2/TD検出器及び300〜400nm範囲用のJXRL140B検出器を
備えたJL-1400A測光器(いずれも、カリフォルニア州、laguna HillsのJetlight
Company,Inc.から提供されている)を用いて行なった。試料(処理前及び処理
後の試料)の分析は、現在マサチューセッツ州、DanversのFisonslnstruments社
から販売されているVG Instruments Model 310 Auger/XPS分光計を用いて行なっ
た。
セルを通るガス流量は、下記の表III及び第40図に示すように、イリノイ
州、NilesのCle-Parmer Instruments,Inc.の販売に係るL-03217シリーズ150m
m可変流量計により制御され且つアルゴン、窒素及びヘリウムについてキャリブ
レーションを行なった。
このデータから、この方法の除去効率が、ガス流量(及びセル内の流れ条件)
に基づいて定まることが明らかである。セルの1/2高さに基づいて計算される
レイノルズ数は層流範囲内にあることが明らかであるので、高流量では、入口2
02からセル内へのガスの制限されない膨張により、入口の両側に再循環領域(
多分、下流側には渦流)を創出すると考えられる。この再循環効果が、多分、汚
染物質の再付着を誘起させるであろう。
本発明の原理を具現する上記反応セル(基板の処理表面上に再循環しない層流
を形成する反応セル)が、第27図〜第29図に示されている。また、この実施
例は、フローチャンネルへの入口に均一流を形成する。これにより、このセル2
00は、処理表面からの汚染物質の除去を最大にし且つ再付着を最小にするよう
に設計されている。
反応セル200は、小さな混合チャンバ206と流体連通した入口202を有
し、混合チャンバ206は低運動量プレナム230及びこれに隣接する溝204
を備えている。プレナム230は、その両端部がフィルタ組立体226及び垂直
支柱228と境界を接している。
フィルタ組立体226は、フローチャンネル232への入口に立てられており
且つ調節可能な2つのポジショナ208によりこの位置に拘束されている。フィ
ルタ組立体の各部材の周囲には、テフロンガスケット、Oリング又は弾性バンド
等のシール(図示せず)が配置されており、混合チャンバ206からフローチャ
ンネル232へとバイパスすることを防止する。
フローチャンネル232はフィルタ組立体226の下流側に延びており且つ基
板試料(図示せず)を受け入れる凹部214を備えている。この凹部は、試料の
処理表面がチャンネル面と同一面(フラッシュ)になるように寸法が定められて
いる。処理中に試料を拘束しておくため、試料の背面には、真空吸引ポート216
及び真空チャンネル218を介して真空が加えられる。
基板試料を受け入れる凹部214の上方には、前述のようにして放射線が通り
得る水晶ディスク220が配置されている。水晶ディスク220は、それぞれ、
着脱可能な板及び適当なサイズのOリングによりセル200内に固定され且つシ
ールされている。
凹部214の下流側には放出ダクト210が設けられており、該放出ダクトは
、「ランキン楕円(Rankine oval)」の形状をもつように構成されたフローチャ
ンネル232の部分内に配置されている。当業者には良く知られているように、
ランキン楕円の形状は、シンク点に流入する均一流について非粘性流れ溶液を考
慮に入れる。このような関係において、ランキン楕円の構成は、フローチャンネ
ル232内に流れが再循環することを防止すると同時に、放出ダクト210に流
れを導く機能を有する。
「ランキン楕円」の形状は、(第36図の図表に関連して)下記の方程式によ
り説明される。
ここで、Rは、ランキン楕円と、X軸の正の側との交点である。
セル200を通るガス流は入口202から出発する。ガスは、ガスの圧力及び
流量を制御するための適当な圧力調整器(図示せず)が設けられた圧縮ガスリザ
ーバから、入口に供給される。ガス供給源は、適当なパイプを介して入口に連結
されている。入口202から、ガスは、溝204の表面に衝突する方向に向けら
れる。溝204を出ると、ガス流はプレナム230に入り、次にフィルタ組立体
226に流入する。
プレナム230を出る流れが非均一(すなわち、プレナムの出口平面を横切っ
て変化する速度を有し且つフローチャンネルの軸線に対して平行でない速度成分
を有する)であることは容易に明らかであろう。前述のように、これらの両状態
をなくし、フローチャンネルに流入する流れが、第30図に示すようにフローチ
ャンネル232の軸線に対して平行になる均一な速度分布をもつようにすること
が望まれる。これは、フィルタ組立体226により達成される。
フィルタ組立体226はセルのフローチャンネルの入口に配置されている。流
れがフィルタ組立体226に通されると、流れは、フローチャンネル232の幅
及び高さを横切る均一且つ平行な速度分布を形成するように変化される。流れ損
失を許容限度内に維持するには、フィルタの前後の圧力降下を1〜2psiに制
限するのが好ましい。フィルタ組立体は、Pall Ultrafine Filtration Company
により提供されているような多孔質焼結金属フィルタで構成するのが好ましい。
必要とするフィルタの個数及び形式は、流れ条件によって定まる。例えば、0
〜500cc/sの範囲の空気の流れに対し、所望の1〜2psiの最大圧力降
下が得られるフィルタを選択できるデータが第31図に示されている。実線1F
〜4Fは、PSS GradeFとして販売されている一連の粗いメッシュのPallフィ
ルタである。破線1H、2H、3H及び4Hは、PSS GradeHとして販売され
ている一連の細かいメッシュのPallフィルタである。
70cc/sの最初の設計条件に対しては、第31図は、1Hフィルタが所望
の1〜2psiの圧力降下が得られることを示している。このことは、第30図
から実験的に確認されている。
第31図により与えられる情報は空気についてのものであるが、その理由は、
空気が主として窒素からなり、窒素に良く似ているからである。アルゴン及びヘ
リウム等の他の不活性ガスについては、このデータの調節が必要である。
直径約6インチの基板試料を処理するのに使用されるセル200については、
フローチャンネル232は約6.5インチ(16.51cm)の幅及び約0.125インチ
(0.31cm)の高さを有し、従って、約0.8125in2(5.24cm2)の断面積をも
つフローチャンネルが形成される。全セルの寸法は、10×20インチ(25.4×
50.8cm)である。セルには、その入口202及び210の両方に、直径0.25イ
ンチ(0.6cm)の管フィッティングが取り付けられており、これは、500c
c/sまでの流量に対して充分である。より大きな流量に対しては、より大形の
フィッティングが必要になることもある。
についてのレイノルズ数の方程式ことにより決定される。アルゴンについては、
すなわち、1,675cm/sとなる。この速度を達成するのに必要な流量は、式(
11)から決定され、
Q=(1,675 cm/s) (5.24cm2) (17)
すなわち、8,777cm3/sとなる。
プロセスチャンバ内のガス流れは、ナビエ・ストークスの方程式、連続方程式
及び境界層方程式を含む良く知られた流体力学の原理を用いてモデル化でき、セ
ル内のガス流のモデルは公式化できる。ガスの種類及び体積流量等の種々のパラ
メータを代入すれば、レイノルズ数を計算できる。また、フローチャンネルの入
口から選択された距離における速度分布を決定することもできる。
例えば、アルゴンを1000cc/sの流量で使用する場合には、平均流速は
191cm/s、レイノルズ数は233となる。入口長さは30mmになる。次
のようにして定まる幾つかの値ζに対するガスの速度分布が第37図に示されて
いる。
ここで、xは軸線方向距離;Eは流れの入口距離である。この例では、入口長さ
は約30mmである。第37図に示す速度分布は、平均速度(u/U_m)に対
する局部速度の比と、フローチャンネルの表面からの距離yとの間の関係を示す
。
本発明の方法及び装置によれば、実質的に前に述べた方法で、不活性ガスがセ
ル200に供給される。ガスはガス供給源から供給され且つ層流をなして基板表
面上で定常的に流れる。流れは、適当な弁調整器及び流量計により調整され且つ
モニタリングされる。
特に、第32図に概略的に示すような普通に使用されているクラスタプロセス
ツールに本発明の処理方法を使用することに関連して、商業的環境において本発
明の処理装置及び方法を実施するため、この実施例の種々の変更を考えることが
できよう。
一般的なクラスタツールは中央の基板ステージングチャンバ320を有し、該
チャンバ内で、基板製品321は加工ステップ間で保持される。ステージングチ
ャンバ320の周囲には種々の加工ツール包囲体302、304、306、30
8が配置されており、基板製品321はプログラムされた加工ステップに従って
各包囲体内に導入される。
洗浄加工ユニットは、装填ユニット312及び取出しユニット310のいずれ
か一方又は両方に配置するのが便利であり、層流を使用する処理装置及び方法を
具現する。基板製品321がプロセスチャンバ320内に導入され前に、装填ユ
ニット312内で洗浄処理が行なわれる。同様に、プロセスチャンバ320内の
加工完了後に、取出しユニット310内で洗浄処理を行なうことができる。
クラスタユニットのプロセスチャンバ320は、一般に、部分真空圧力から1
×10-3トルの低真空状態で作動するように構成されている。中央のプロセスチ
ャンバ320と洗浄加工ユニットとの間のガス流(このガス流は、これらの間の
境界の周囲のチャンバ壁上の潜在的汚染物質を攪乱して別の汚染物質源を導入す
る作用をする)を最小にするのが好ましい。従って、洗浄加工ユニットとプロセ
スチャンバ320とは同じ圧力で作動することが商業的に好ましい。前述のよう
に、本発明の方法はこのような圧力でも満足できる作動をする。
種々の用途では、基板表面を横切って流れる層流を維持すると同時に、流体の
流れを導入することによって、チャンバ内のガス流の状態(圧力及び流量)を制
御するのが好ましいことも理解されよう。一般に、チャンバを通るガスの流量及
びチャンバ内のガスの静圧は、ガス圧力、入口に供給される流量及び出口圧力に
よって制御される。
例えば、(上記のような)圧縮ガスシリンダからセル入口202に導入される
ガスは、入口領域にガス圧縮機を使用することにより補完することも考えられる
。この補完は、ガスが、同じ相対速度での高い静圧で、又は同じ静圧で補完を行
なわない場合よりも高い速度で、セルを通って移動できるようにする。同様に、
放出ポート210を通るガス流の放出は、出口領域に連結される真空ポンプを用
いて補完することもできる。出口制御及び入口制御は組み合わせることもできる
。
2.不規則形状をもつ表面の処理
第2図〜第4図及び第27図〜第29図に開示した実施例は、主として、シリ
コンウェーハのような平らな基板の処理に関するものであった。従って、これら
の用途は、プロセスチャンバ内に便利に固定され且つほぼ一定の位置から出る放
射線源に充分に露出できるように構成された基板表面に制限された。
これとは別に、第5図〜第26図には、不規則な形状の基板内表面及び外表面
(より詳しくは、一致しない関係をもつ表面)を備えた対象物から表面汚染物質
を除去できる本発明の実施例が開示されている。これらの平面は、同じ空間又は
平面を占めるものを除く基板の表面間の可能性ある全ての関係を包含する。例え
ば、管の対向内壁又は立方体チャンバの隣接壁のような平行表面又は角度的に関
連した表面は、一致しない関係をもつ平面(不一致関係平面)を占める。
重要なことは、第2図〜第4図及び第27図〜第29図に示す装置は、このよ
うな基板表面を処理できないことである。これらの装置は、単一の平らな基板に
厳密に制限される。これに対し、第5図〜第26図に示す装置は、以下により詳
細に説明するように、連続的に又は同時に不一致関係平面を占める表面を有効に
処理できる。
これらの図面には示されていないけれども、これらの実施例には、供給源14
のエネルギ及び波長の選択的調節を行なうため、前述のようなガス分析器及び/
又は粒子検出器を組み込むことができる。コロラド州、BoulderのParticle Me-a
suring Systems,Inc.及びカリフォルニア州、MountainviewのTencor Instru-m
ents社から、適当な粒子検出器を入手できる。
第5図は、管71のような長い包囲通路から汚染物質を除去する装置80を概
略的に示している。放射線源14からの放射線は、放射線導管50(該導管は、
光ファイバの束又は光パイプのような光学導波管である)を通って基板の処理表
面に導かれ、一方、基板処理表面に対して不活性なガスが、ガス源16からガス
ライン51を通って処理表面へと導かれる。放射線導管50及びガスライン51
は、ケーブルヘッド53の箇所又はこれより前方の箇所で一体にし、単一ケーブ
ル52に「束ねる」ことができる。ケーブル52の端部に連結されるケーブルヘ
ッド53は、放射線通路54(該通路は1本以上の光ファイバで構成できる)及
びガス通路55を備えている。第6図〜第11図には、ケーブルヘッド53の種
々の構成が断面で示されている。
ケーブルヘッド53の端部における放射線通路54及びガス通路55の幾何学
的形状及び構成は、特定用途(すなわち、長い包囲通路又はより広い平らな表面
)に必要な放射線及び/又はガス乱流の強度及び分布に基づいて選択される。例
えば、第6図及び第7図は、それぞれ、増強された放射線露出及びガス乱流に向
かう傾向を生じさせる構成を開示する。また、第6図〜第9図は、不均一な量の
ガス及び/又は放射線が表面上を垂直に反復通過するときに、これらのガス及び
放射線を搬送する幾何学的形状を与える。これらは、表面に対して垂直に向けら
れるときに第10図及び第11図により与えられるガス及び放射線の均一分布と
は異なっている。第8図及び第9図の構成は、より詳細に後述するように、ケー
ブルヘッド53の軸線に対してほぼ平行な表面に適用されるときに、ガス及び放
射線の比較的均一な分布を与える。ガス及び放射線制御はケーブルヘッド53の
使用により増強されるけれども、或る用途では、ケーブルヘッドを省略し、ガス
及び放射線が、ガス導管51及び放射線導管50の端部から直接簡単に出ること
ができるようにすることを考えることもできる。
多数の放射線通路54及びガス通路55を構成することに加え、ケーブルヘッ
ド53は、放射線及びガスを基板処理表面70に再び向ける手段(再指向手段)
を構成する。このような再指向は、装置80が、第12図及び第13図に示すよ
うに、管71のような狭い通路の内部を洗浄(この場合には、ケーブルヘッド5
3の軸線が、処理表面70に対してほぼ平行にならなくてはならない)するのに
使用される。
第15図に示すように、放射線通路54及びガス通路55はケーブルヘッド5
3の中心線から外方に拡がっており、これにより、放射線及びガス流の両方を、
洗浄すべき通路の内壁の方向に向ける。ケーブルヘッド53の中心線からの拡が
り角度は、第15図及び第16図にそれぞれ示すように、数度から90°以上の
範囲を有する。ケーブルヘッド53の構成は、汚染物質除去のためのガス流量条
件及び光子供給条件に関し、用途に応じたものにする。より詳しくは、ケーブル
ヘッド53は、特定汚染物質及び基板について、照射される基板の部分を横切る
不活性ガスの連続流を維持すると同時に、適当な密度及び入射角に放射線を指向
させる。
作動に際し、装置80、より詳しくはケーブル52及びケーブルヘッド53は
、長い包囲通路71を、第12図及び第13図にそれぞれ示すように前方又は後
方へと移動される。第12図に矢印60で示すように前方に移動させるときは、
ケーブルヘッド53は第15図に示すように構成できる。放射線通路54及びガ
ス通路55は、ケーブルヘッド53のそれぞれ内側通路及び外側通路内に配置で
きる。このように構成すれば、放射線通路54を通して搬送されるエネルギによ
る基板表面70の照射は、ガス通路55の放出端から出るガス流から下流側に生
じ、除去されたあらゆる汚染物質は、ケーブルヘッドが前方に移動するときに、
放出ガスによりケーブルヘッド53の前方に向かって連続的に押し出される。
或いは、ケーブルヘッド53は、第13図の矢印61で示すように、逆方向す
なわち後方に向かって移動させることができる。後方に移動させる場合には、ケ
ーブルヘッド53′を、第16図に示すように構成できる。放射線通路54及び
ガス通路55は、ケーブルヘッド53′の、それぞれ外側通路及び内側通路に配
置できる。ガス通路55から放出されるガスは、ケーブルと管71との間の環状
空間内でケーブル52に沿って後方に流れる。このように構成すれば、放射線通
路54を通って導かれるエネルギにより照射される基板表面70の部分はガスに
より覆われ、ケーブルヘッドが管に沿って後方に移動するとき、除去されたあら
ゆる汚染物質が、ガスによりケーブルヘッド53′の移動方向に連続的に押し出
される。汚染物質を帯同するガスが、既に処理された管の部分を通ることを防止
するため、最初に処理される部分に最も近い管の端部にキャップを配置すること
ができる。或いは、第16図に示すように、ケーブルヘッド53′の端部にキャ
ップ53a′を取り付けることができる。このキャップは管71の内径より僅か
に小さい外径を有し、これにより、キャップと管との間の環状流面積が、管71
とケーブル52又はケーブルヘッド53′との間の環状流面積より非常に小さく
なるようにする。これにより、ガスはキャップ53a′から離れ、ケーブル52
の方向に向かって流れる。
前方に移動する構成及び後方に移動する構成の両場合において、ガス通路55
から放出される一定流量の不活性ガスで、汚染物質を処理領域から離れる方向に
充分移動させることができる。ガスのこの流れは、ケーブルヘッド53を、洗浄
すべき長い包囲通路内の中心に位置させる手段(心出し手段)としても機能する
。第14図〜第16図に示すように、ガス通路55は、ケーブル52の中心線か
ら外方を向いた環状リングとして構成できる。充分なガス圧力が加えられるなら
ば、ガス通路55から外方を向いた均一なガスが、長い包囲通路内でケーブルヘ
ッド53を心出しする。
別の構成として、第17図及び第17a図に示すように、心出しを目的として
、安定性があり且つ粒子がこぼれない材料からなる、可撓性のある多孔質支持構
造56をケーブルヘッド53の周囲に配置できる。洗浄された表面の汚染を防止
するため、支持構造56は、ケーブルヘッド53が前方(矢印60の方向)又は
後方(矢印61の方向)のいずれの方向に移動する場合でも、決して処理表面と
接触すべきではない。従って、支持構造56は、放射線処理の前に、基板表面上
を通すべきである。このような用途では、支持構造は充分に多孔質であって、ケ
ーブルヘッド53が包囲通路を移動するときに、ガス及び離脱した汚染物質が支
持構造を通過できるものでなくてはならない。第17図に示す前方に移動する実
施例では、支持構造56をガス及び汚染物質の流れの下流側に取り付けることが
できるように、ガス通路55及び放射線通路54(図示せず)は、第14図及び
第15図に示すようにその面から出るのではなく、側面から出るように構成でき
る。
長い包囲通路の内部が、塩基性焼き鈍し316ステンレス鋼(basic annealed
316 stainless steel)のように充分な反射性材料から構成されている場合には
、高エネルギランプ又は端部に光学拡散器57を備えた放射線導管50を使用し
、
通路への入口で放射線11を放射し、第18図に示すように放射線11が内部7
0を反射的に横切ることができるように構成することもできる。長い通路71′
の内部70′は、放射線源を移動させることなく放射線11が内部を横切ること
ができる充分な反射性を有している。当業界で知られた任意の手段により通路7
1′の入口へと搬送された不活性ガスの流れ18は、ひとたび基板表面70′か
ら離脱した粒子が下流側に移動できるようにする。また、反射器58(該反射器
も316ステンレス鋼から構成できる)が通路71′の入口の周囲に固定されて
いて、放射線及びガスの逆流を防止する。
照射により離脱された汚染物質を、細くて長い通路から運び出す不活性媒体と
して、ガスではなく液体を使用することを考えることもできる。このような変更
は、血管の内壁からプラークを除去するのに特に有効である。このような用途で
は、加えられる放射線は、エネルギ密度と、処理表面から表面汚染物質を解放さ
せるのに必要な時間と、血管構造の組成を損傷する時間との間の時間とにより特
徴付けられる。
長い包囲通路と同様に、装置80、より詳しくはケーブル52及びケーブルヘ
ッド53は、プロセスチャンバの内部のようなより広い内部の洗浄にも使用でき
る。このような場合には、放射線及び不活性ガスがケーブルの軸線に沿ってケー
ブルの端部から真っ直ぐに向くように、ケーブルヘッド53を拡がらないように
構成できる。組立体がこのような表面を移動するときに、手動又はロボット制御
を用いて組立体を案内することができる。
第19図に示すように、例えばチャンバ15″は、ケーブルヘッド53のガス
通路55に具現されたガス入口と、ガス出口25とを有している。チャンバ内で
は、ベース83に取り付けられたロボットアーム81が、チャンバの内壁(基板
処理表面70として示されている)の回りでケーブルヘッド53を移動させる手
段を形成する。アームは完全に360°回転し且つベース83は矢印62で示す
ように上下に移動して、チャンバの内部に完全なアクセスが行なえるようになっ
ている。放射線及びガスがケーブルヘッド53の通路54、55により基板処理
表面70に搬送されると、汚染物質が表面から離脱し、重力及びガス流によって
出口25へと引き出される。
別の構成として、第20図は、ガス出口がチャンバの頂部に配置されたチャン
バ洗浄構造を示している。第19図の実施例と同様に、ベース83に取り付けら
れたロボットアーム81が、チャンバの内壁の回りでケーブルヘッド53を移動
させる手段を構成する。しかしながら、この実施例の場合には、離脱した汚染物
質をガス出口25に向かって引き出すのに重力を利用することはできない。従っ
て、チャンバ15″の基部に一定の乱流を維持するため、矢印55′で示すよう
な2次ガス流が与えられる。この2次流れは、チャンバの全深さに亘ってガスを
出口25に向かわせる一定移動を創出する。従って、基板表面70が底部から頂
部まで洗浄されるとき、汚染物質は、2次流55′により形成される上向きガス
流により運ばれ且つ出口25から追い出される。チャンバ15″に1つ以上の2
次ガス源を設け、種々のチャンバの幾何学的形状及びガス出口位置(すなわち、
側方出口)に適応させることを考えることもできる。
内部以外に、ケーブル52及びケーブルヘッド53は、不規則形状をもつ対象
物の外表面から汚染物質を除去するのに使用できる。例えば第21図に示すよう
に、チャンバ15′にはガス入口23及びガス出口25が設けられており、バル
クガス流18がチャンバを移動できるようになっている。チャンバ内で、ベース
82に取り付けられたロボットアーム81は、基板処理表面70を備えた対象物
72の回りでケーブルヘッド53を移動させる手段を構成する。対象物72の全
表面70へのアクセスは、ターンテーブル84により行なわれる。ケーブルヘッ
ド53内の通路54、55は、放射線及び充分なガス流を、処理すべき特定領域
に搬送し、基板表面70から汚染物質を離脱させる。汚染物質がひとたび処理領
域から離脱されると、汚染物質はバルクガス流18に捕捉され、ガス出口25を
通ってチャンバ15′から除去される。上記のように、放射線源14(図示せず
)の選択的なエネルギ及び波長調節を行なうため、この排出ガスはガス分析器及
び/又は粒子検出器によりモニタリングされる。
第21図の原理は、対象物73がペイント上に見出されるような一層平らな基
板処理表面70を備えた第22図の実施例にも等しく適用される。
不規則形状をもつ対象物の外表面は、チャンバを使用しない前工程で、導管5
1により供給されるガスのみを用いて、首尾よく処理することができる。この
ような装置は、ガス分析器及び/又は粒子検出器ではなく視覚検査により、充分
な汚染物質を測定できる手持ち形装置の形態に構成できる。
不規則形状の表面をもつ幾つかの用途では、ガスを放射線伝達手段から完全に
分離することにより装置80を変えるのが有効である。例えば、プロセスチャン
バの内部から汚染物質を除去するとき、第23図に示すように支持体85を介し
て、紫外線ランプのような1つ以上の放射線源をチャンバ内に配置できる。紫外
線ランプがチャンバ内部70(基板処理表面)を照射するとき、離脱した汚染物
質を出口25を通してチャンバ15″′から追い出すため、1つ以上の入口23
からガスを供給することができる。ガス流18は、前述のように弁22により制
御できる。或いは、放射線は、第24図に示すように、導管50及びロボットア
ーム81を介してチャンバ15″′の内部に搬入できる。
最後に、第25図及び第26図に示すように、汚染物質を除去するのに充分な
レベルの放射線で対象物74の基板処理表面70を本質的に浴する高エネルギラ
ンプ59の列により放射線を発生させることができる。対象物74(装甲車両で
もよい)は、「かまぼこ」形ハット85内のランプ59に曝され、同時に、ファ
ン86により加速される不活性ガス18が基板表面70上に流される。幾何学的
にシールドされた領域が、ファン86により発生されたガス乱流又は列59によ
り発生された放射線を逃散させる場合には、これらの領域にアクセスする1つ以
上の装置80(図示せず)を用いることができる。
3.重力により補完される処理
本発明の装置及び方法の別の実施例では、処理中に基板製品を倒立位置に保持
する構造を設けることにより或る長所を得ることを考えた。一般に、汚染物質が
基板表面から離脱されるとき、不活性ガス流が汚染物質を運び出し、基板表面に
対して垂直な速度成分を汚染物質に伝達する虞のあるガス流条件を回避すること
が、汚染物質が基板上に再付着する機会を減少させるであろう。しかしながら、
処理すべき表面が上になるようにして基板を配置すると、離脱した汚染物質に作
用する重力は基板表面に向いており、汚染物質の再付着を促進する傾向を有する
。従って、離脱した汚染物質が基板に向かうのではなく、基板から離れる方向に
落
下するように基板を取り付けることが一般に好ましい。しかしながら、製造又は
他のプロセスファクタを考慮する場合には、基板を倒立位置に取り付けることは
好ましくないことが理解されよう。
第33図に示すように、基板製品301には、しばしば、汚染物質303が入
り込む多数の凹み又はキャビティ305があることが理解されよう。このような
基板は、重力による汚染物質の再付着を防止するため、倒立位置に取り付けるの
に特に適している。前述と同様に、放射線源313から放射線309を当てなが
ら、不活性ガスの流れ307が処理表面に与えられる。放射線は水晶窓311を
透過する。もちろん、基板を倒立位置に保持するには、例えば第27図に示す真
空チャンネル216のような何らかの手段を設けなくてはならない。
キャビティ305のアスペクト比(深さ対幅の比)が大きいと、不活性ガス流
がキャビティの床に殆ど流入せず、汚染物質の除去を補助しない。従って、第3
4図及び第35図に示すように倒立位置に取り付けるとき、製品301の処理中
に、主不活性ガス流307に2次不活性ガス315の流れを導入することを考え
ることもできる。2次不活性ガス流315は、この付加流体の流れが、凹みすな
わちキャビティ305から汚染物質303を離脱させる放射線及び主ガス流30
7の作用を補助するように、基板製品301の平面に対して実質的に垂直に導入
する。この流れの速度は、主要流307が混乱して非層流(すなわち乱流)状態
を創出する程度までには到達しない。第41図に示すように、2次流315は、
キャビティ305を通る流れの流線325(該流線は、ほぼキャビティの壁に沿
って流れる)を誘起すると考えられる。このことは、再循環に関係し、且つこの
流れは、基板を局部的に見たときに基板全体の表面に対して垂直な速度成分をも
つと考えられるけれども、この流れは、実際には、壁及びキャビティの床に対し
て垂直な比較的小さい成分を有するに過ぎない。従って、この流れは、汚染物質
の除去を補助し、再付着を促進するものではない。
2次流315は、汚染物質303の離脱を最も良く補助するのに最適な任意の
角度で導入される。同様に、前述のように、基板表面に対してできる限り垂直な
角度でキャビティの壁を照射し、該壁からの汚染物質の除去を高めることができ
る、基板の平面に対する角度で入射放射線309を配向するのが好ましい。もち
ろん、入射角はキャビティのアスペクト比に基づいて定められる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G
B,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK
,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,
NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,S
K,TJ,TT,UA,US,UZ,VN