【発明の詳細な説明】
トップコートを有する多層成分の製造方法
(発明の背景)
本発明は、トップコートを有するフィルム、シート、または他の成分の製造方
法に関する。特にそれは、トップコートがフィルムの最上面にあるという長所に
より、成分に機能性を提供するトップコートの塗布方法に関する。
写真材料は、多くの他種のフィルムまたはシート構造と同様に、益々複雑化し
、ユーザーのニーズに適当に応えるのにそれらの基本的感光性に加えてある一定
の機能性が必要となる。特定種の所望の機能性は、フィルムまたはシート、例え
ば写真成分の最上面に存するというトップコートの長所により存在するものであ
る。そのトップコートは、その成分表面に塗布されてその最上面となる被覆組成
物から得られる。例えば、写真成分においては、トップコートはしばしばその写
真成分の感光層に塗布される。
トップコート被覆組成物には一般に、溶解または分散材料および溶剤を含む。
写真成分の最上面に塗布された後、被覆組成物は乾燥され、本質的には溶解また
は分散された材料のみ、時にはバインダーが残存する。それは、所望の機能性を
写真成分に付与する材料を残存する組成物である。しかしながら、機能性は、あ
る有効量の材料(本明細書中で「表面機能性材料」の語として表される)が被覆
組成物を乾燥後に写真成分の最上面に残存するかどうかのみに起因する。
表面機能性材料を含有するトップコートは非常に一般的である。例には、成核
粒子(例えば、直動印刷版を形成するのに用いられる);艶消剤を含有する艶消
表面トップコート(グラフィックアート材料に用いられフィルム間を親密接触す
るための減圧を可能とする);および導電性材料を含有する帯電防止トップコー
トを含む拡散転写トップコートを含む。
拡散転写トップコートの場合には、直動印刷版は露光および現像後に印刷版の
最上面に、拡散転写法により生成される親油性銀層の形成により作製される。例
えば、米国特許第4,361,635号に開示されている。米国特許第4,298,673号に開示
のパラジウムスペックまたは他の材料成核粒子から構成される成核粒子は、拡散
転写成分の最上面にあって、現像中に親油性銀層の形成用の位置として提供され
る必要がある。これら粒子が物理的にその面上に存在しない場合、それらは印刷
版の最上面の銀現像用の中心とはなり得ない。結果として、親油性、インク受容
表面が、印刷版の最上面に形成しない。
艶消表面トップコートは、例えばグラフィックアート工業に使用される。接触
露光を行って、画像を再現および改良し、それは結局印刷版となる。これら接触
露光を行う方法では、画像形したフィルム、感光性成分、校正成分、および/ま
たは他のグラフィックアート成分を真空装置により減圧して親密接触させる必要
がある。画像の画線太り(spreading)なしに良好な再現性を保証するために親
密接触することが必要である。画像の画線太りは、画像形成したフィルムおよび
その他の材料の間に閉じ込めたエアーポケットにより生じる空間がある場合に生
じる。そのようなエアーポケットは除去するのが難しく、減圧時間を延長させる
。加えて、隣接面からの反射による光回折により生じた望ましくない線であるニ
ュートンリング(Newton's ring)が生じ得る。エアーポケットおよびニュート
ンリングの両方が、画像形成したフィルムおよびその他の成分の平滑な表面組織
により生じる。公知のように、艶消表面トップコートを画像形成したフィルムお
よびその他の成分のどちらかまたは両方に適用することにより、そのような問題
を克服し得る。互いに接触するように配置した場合、比較的粗い艶消表面により
その成分をエアーポケットまたはニュートンリングなしに親密接触させることを
可能にし、減圧を行い適当な時間続行する。
通常の艶消表面トップコートには艶消剤を含有し、それは粒径2〜10μmを有
するシリカまたはポリマーから成る粒状物である。艶消剤を含有する被覆組成物
は通常、(感光性成分の感光層を含む)下塗りの最上面に塗布され、艶消表面ト
ップコートが感光性成分の最上面を形成する。有効であるために、艶消剤は、不
規則性を生じて、被覆組成物を乾燥した後、感光性成分の最上面に形成するべき
で
ある。
艶消表面トップコートに関する付加的な問題は、「スターリー・ナイト(star
rynight)」として公知の現象である。感光性下塗りおよびトップコートは乾燥
されるので、乾燥時に発生する表面張力により艶消粒子を下塗り内に押し込み、
ハロゲン化銀粒子を下塗り内に排除し、気泡が画像内に現れる。従って、この付
加的理由のために、艶消剤を感光性成分の最上面に保持することが望ましい。分
散または溶解した表面機能性材料、例えば拡散転写トップコートまたは艶消表面
トップコートを含むトップコートには一般的である問題は、表面機能性材料の下
塗りへのマイグレーションである。これが起こる場合、表面機能性材料は、機能
性が感光性成分の最上面のその材料の存在に依存するので、所望の機能を果たし
得なくなるか、または果たすことに有効でなくなる。加えて、ハロゲン化銀エマ
ルジョンを含有する写真成分中の艶消表面トップコートを用いると、そのような
マイグレーションがスターリー・ナイト作用を生じ得る。
下塗り(即ち、その成分用のトップコートと支持体の間にある被膜または下塗
り層、および写真成分の場合にはその成分の感光性部分を含む)には、バインダ
ー、例えばゼラチンを含む。通常、トップコートに用いられる溶媒、例えば水は
そのバインダーと「相溶性」を有する。即ち、その溶媒はバインダーに浸透し得
、それを膨潤させる。トップコートの下塗りへの接着性を促進するにはいくらか
膨潤することが望ましいと同時に、膨潤はまたトップコートからおよびバインダ
ーへの分散材料または溶解材料のマイグレーションの一因となると考えられてお
り、その結果もはやその成分の最上面にはないので表面依存トップコートを非機
能性とする。
この問題の常套の解決法には、トップコートの塗布前に下塗りに硬化化合物を
添加することがある。典型的硬化化合物、例えばホルムアルデヒドまたはムコク
ロル酸は、下塗りの乾燥により架橋を開始する。架橋により、硬化化合物は、下
塗り中のバインダーが膨潤し得る程度を減じる作用を有し、その結果溶解成分ま
たは分散成分のトップコートから下塗りへのマイグレーションを低減する。
不幸にして、ほとんどの硬化化合物は、あまりに遅くてトップコート組成物の
写真成分への連続インライン塗布が行えない速度で架橋する。通常、バインダー
および硬化化合物を含有する下塗りは連続ウェブ状の支持体に塗布される。下塗
りを支持体に塗布した後、その被覆支持体をロールに巻き取り、被覆装置から取
り除き、硬化化合物を架橋し得る時間、貯蔵しなければならない。この巻き取り
/硬化時間は、その硬化化合物により十分な架橋度として、十分な耐膨潤性を下
塗り中のバインダーに付与し、そしてトップコート中の溶解または分散表面機能
性材料の下塗り内へのマイグレーションを防止するのに十分長くなければならな
い。通常、そのような時間は1時間〜1週間の範囲であってもよい。各場合に、
硬化時間が終わった後、写真成分を貯蔵所から取り出し、被覆装置に再挿入し、
トップコートを硬化下塗りに塗布してもよい。この2段階法は、時間を要し高コ
ストとなり、非常に不便である。
前述の2段階法へのその他のアプローチが、PCT公開番号WO 92/15921に提
案されている。その特許文献には、バインダーおよび硬化剤を含有する写真用被
覆組成物の硬化の促進方法が開示されており、その被覆組成物は連続ウェブ状支
持体に被覆されている。冷却部および乾燥機(通常、そのようなプロセスに用い
られる)に加えて、その方法には調質(tempering)ゾーン、高温加熱ゾーン、
後硬化反応および温置(incubation)ゾーン、後冷却ゾーン、湿分調節ゾーン、
および冷却ゾーンを用いる。支持体を被覆し、冷却部および乾燥機を通して送っ
た後、被覆支持体を、前述した順序で種々のゾーンを通して移動させる。特に反
応および温置ゾーンの温度、相対湿度、および気流の精密制御により、その被膜
は被覆装置を出て行く前に85%硬化されていると言われる。更に、反応および温
置ゾーン中の存続時間は10分間以下であると言われる。しかしながら、そのよう
な方法の欠点は、前述の各ゾーンに対する資本経費、維持費、および運転費であ
る。
故に、下塗りおよび表面機能性トップコートを有する多層写真成分の製造方法
用の物品が必要であることが見い出され、そのトップコートは下塗りを塗布する
のと同様の連続法により塗布され、かつそのトップコートは多層成分に所望の表
面に関連する機能性を提供し得ない程には下塗りへのマイグレーションを起こさ
ない。
(発明の要旨)
本発明により、トップコートを多層成分に塗布する方法を提供する。トップコ
ートをタンデムに塗布し、トップコートの少なくとも十分量が多層成分表面に残
存し、トップコートを塗布することによる予定された機能が多層成分の使用中に
存する。トップコートを含む本発明の全多層成分の構造は、下塗りおよびトップ
コートを塗布するのに用いられる被覆装置を1回通過することにより完成し得る
。トップコートの塗布前に、トップコート下の層のオフライン硬化またはエージ
ング時間は必要なく、従って実質的な時間および経費の節約となり、そしてその
操作の有用性および有効性を加える。
本発明により、
a.上部面および下部面を有する支持体を提供する工程;
b.上部面にバインダーを含む下塗りを塗布する工程;
c.トップコート組成物を下塗りの表面に塗布して連続トップコートを形成す
る工程であって、トップコート組成物が1種以上の溶解材料または分散材料およ
び1種以上の溶媒を含有し、その溶媒の内の少なくとも1種が下塗りのバインダ
ーと相溶性を有し、そのトップコート組成物および下塗りの組成物および被覆重
量がT/B比が3以下となる(式中、Tはそのトップコート中の相溶性溶媒の被
覆重量(通常、g/m2で表される)であり、Bはその下塗り中のバインダーの被覆
重量(通常、g/m2で表される)である)ような連続トップコートを形成する工程
;および
d.そのトップコート組成物を乾燥する工程;
の段階から成るトップコートを有する多層成分の製造方法を提供する。
「トップコート被覆組成物」の語句を修飾するのに用いる「連続」の語により
、本明細書中では、トップコートがその成分の上面に相当な(例えば、少なくと
も10mm2)および間断のない領域内に被覆され、即ち小滴または小球としてされ
るのではないことを表す。また、これら領域は、実質的にその成分の全表面を覆
う好ましい連続フィルム層よりむしろ、ストライプまたはパターンとして被覆さ
れてもよい。
本明細書中で「相溶性」の語により、トップコート組成物中の溶媒の少なくと
も1種がバインダーを透過し、それを膨潤させ得ることを表す。
前述のように、T/B比は3以下である。より好ましくは、その比は2以下で
ある。最も好ましくは、その比は1.125以下である。その特定比の範囲内で、ト
ップコート組成物は湿潤フィルム厚さ0.5〜10μmで塗布されてもよい。
如何なる種類の溶解材料または分散材料をそのトップコート中に含んでもよい
。例えば、溶解材料または分散材料には、金属、金属塩、金属酸化物、金属硫化
物、金属被覆粒子、金属塩被覆粒子、金属酸化物被覆粒子、または金属硫化物被
覆粒子から成る群から選択される成核剤を含有してもよい。
この群では、パラジウムまたはパラジウム塩が好ましい。その他の例として、
溶解材料または分散材料には分散粒子艶消剤を含有してもよい。
如何なる種類の溶媒または混和性溶媒の組合せをそのトップコートに用いても
よい。同様に、如何なる種類のバインダーまたはバインダーの組合せを下塗りに
用いてもよい。トップコートが下塗りに接着しているなら、その溶媒(また、複
数溶媒を用いるなら、その溶媒の内の少なくとも1種)は下塗り中のバインダー
と相溶性を有さなければならない。
好ましいバインダー/溶媒の組合せはゼラチンおよび水である。即ち、ゼラチ
ンを下塗り中のバインダーとして用いる場合、トップコート中の溶媒の少なくと
も1種は水であることが好ましい。
更に、トップコート組成物はタンデム法により塗布されてもよい。本明細書中
で「タンデム法」の語により、下塗りが塗布される後の工程ではなく、下塗りが
塗布される塗布作業と同様の連続法の流れ内のインライン被覆工程を表す。換言
すると、多層成分をオフラインに引いてエージング、硬化、または他の種類の反
応の間に使用されていない(idle)状態にさせるのではなく、その成分を被覆装
置の1回の通過により完全に製造する。 本発明の実施に従って、トップコート
組成物をタンデムに塗布するのに様々な被覆装置を用いてもよい。特に好ましい
タンデム被覆装置は、グラビアコーター、例えば米国特許第4,791,881号に開示
のミクロ-グラビアコーターである。
溶解材料(分散材料とは対照的に)を含有するトップコート組成物を本発明の
方法に従って塗布する場合、直ちにそのトップコート組成物を乾燥することによ
り、溶解材料の少なくとも単層を下塗りの表面に残存させる。「単層」の語によ
り、厚さが溶解材料の少なくとも1分子である下塗りの表面上の被覆面積を有す
る連続層を表す。そのような被覆面積は、溶解材料、例えば帯電防止材料の機能
性を多層成分に付与するのに十分なほぼ最小量である。
分散材料を含有するトップコート組成物を本発明の方法に従って多層成分に塗
布する場合、直ちにそのトップコート組成物を乾燥することにより、分散材料の
重量の少なくとも1/3を下塗りの表面に残存させる。そのような量は通常、多
層成分に機能性を付与するのに十分な量である。
(図面の簡単な説明)
図1には、本発明の多層成分を製造するのに好ましい方法および被覆装置を模
式的に示す。
(発明の詳細な説明)
本発明の方法に従って作製した多層成分を、様々な適用に用いてもよい。例え
ば、この方法を用いて様々な種類のフィルム、例えばグラフィックアートフィル
ム、医療用画像形成フィルム、カラー写真フィルムおよびX線フィルム、そして
その他の被覆材料、例えば磁気媒体、印刷版、校正材料等を作製してもよい。加
えて、拡散転写板を作製してもよく、それは更に、直動の印刷版を形成するのに
用いられる。本発明の多層成分には、放射線感応成分を含有してもよく、それは
様々な種類の放射線に暴露することにより、ネガとして機能する系、直接ポジと
して機能する系、反転して機能する系を含む公知の如何なる種類の反応機構によ
り、反応して画像を形成する。
下塗りおよびトップコートを塗布する支持体は、当業者に公知の支持体から選
択され得る。好適な支持体には、それらに限定されないが、合成ポリマー、例え
ばポリアルキルアクリレートまたはメタクリレート、ポリスチレン、、ポリ塩化
ビニル、ポリビニルアルコールおよびそれらの誘導体、ポリカーボネート、ポリ
エステル類、例えばポリエチレンテレフタレート、およびポリアミド類のフィル
ム;セルロース誘導体、例えば硝酸セルロース、酢酸セルロース、三酢酸セルロ
ース、および酢酪酸セルロースのフィルム;被覆紙、例えばアルファオレフィン
ポリマーまたはゼラチンを用いて被覆した紙;ポリスチレンから作製した合成紙
;およびその他の透明または不透明支持体;を含む。特に望ましいのは、通常写
真成分に用いられる支持体である。拡散転写版を作製する場合、通常そのような
版を作製するのに用いられる如何なる種類の金属または他の材料を支持体として
用いてもよい。
支持体の上面に塗布され、トップコートを塗布される下塗りには、様々な材料
を含んでもよい。加えて、下塗りは単一層であってもよく、多層下塗り層、例え
ば1つ以上の感光層、帯電防止層またはフィルター層、保護層、中間層、バリヤ
ー層、剥離層等を含んでもよい。1つ以上の感光層には、通常当業者に公知の技
術により作製されたハロゲン化銀エマルジョンを含んでもよい。拡散転写版の場
合には、下塗り中の感光層の内の1つには、ネガのように機能するハロゲン化銀
拡散転写エマルジョンを含有してもよい。本発明の多層成分に用いられるハロゲ
ン化銀には、それらに限定されないが、塩化銀、臭化銀、塩化臭化銀、ヨウ化塩
化臭化銀、臭化ヨウ化銀および塩化ヨウ化銀粒子を含み、それらは多くの有効な
結晶形または晶相の内のいずれかを単独または組合せたものであってもよく、そ
れらにはそれだけに限定されないが、立方晶、八面体晶、四面体晶、板晶、平板
状晶、斜方晶等を含む。加えて、そのハロゲン化銀材料を分光増感してもよい。
本発明の多層成分に有用な典型的下塗りにはバインダーを含む。そのバインダ
ーは、下塗りを支持体に塗布して乾燥した後、下塗りを結合させてもよい。下塗
りが多層下塗り層を含む場合、異なるバインダーが異なる下塗り層に用いられて
もよい。好適なバインダーには、それだけに限定されないが、ゼラチン、ゼラチ
ン誘導体、ゼラチンのグラフトポリマー;その他のポリマー、例えばアルブミン
およびカゼイン;糖誘導体、例えばセルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、硫酸セルロース、および酢酪酸セルロース
)、アルギン酸ナトリウム、および澱粉誘導体;および様々な合成親水性ポリマ
ー基材、ホモポリマーまたはコポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリビ
ニ
ルアルコール部分アセタール、ポリ(N-ビニル)ピロリドン、アクリレート誘
導体(例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド)、ポ
リビニルイミダゾール、およびポリビニルピラゾール;を含む。ほとんどの適用
に関して、ゼラチンが好ましいバインダーである。
そのバインダーは、所望のまたは便利な被覆重量で本発明の多層成分に塗布さ
れてもよい。例えば、感光層が多層成分中に含まれる場合、バインダーを被覆重
量約0.75〜約6g/m2、および好ましくは約1.25〜約4.5g/m2で塗布される。最も
好ましくはバインダーの被覆重量は約2〜約4g/m2の範囲である。
本発明に包含される写真材料およびその他の画像形成成分は通常、画像形成後
に様々な処理液に暴露する。従って、下塗りに用いられるバインダーを、そのよ
うな処理液により過度に膨潤、または溶解、変形または劣化しないように処理す
ることが望ましい。過度の膨潤により、その成分の物理特性を劣化させ、一方、
溶解または劣化により満足なまたは有用な成分とはならない。バインダーを処理
してそのような悪影響を回避する好ましい手段は、1種以上の硬化化合物を下塗
りに添加することである。前述のように、硬化化合物は一般にあまりに遅くてト
ップコート組成物の多層成分へのインライン塗布が行えない速度で架橋し、ほと
んどの市販硬化化合物は、処理液の暴露による過度の膨潤および/または溶解を
防止するのに十分な成分の寿命以上の硬化を提供する。トップコートの塗布前の
下塗りの硬化は本発明には必須ではないので、トップコート塗布前に硬化が起こ
るのを待つ必要はない。
如何なる市販の硬化化合物が、この多層成分に含まれていてもよい。そのよう
な化合物には、それだけに限定されないが、無機化合物、例えばクロムミョウバ
ン、アルデヒド類、例えばホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒド、活性ハ
ロゲン含有化合物、エチレン性不飽和反応基を有する化合物、エポキシ化合物、
およびハロゲノカルボキシアルデヒド、例えばムコクロル酸を含む。
前述のものに加えて、下塗りにはまた、保護コロイド、例えばアクリレート化
ゼラチン類;セルロース化合物、例えばヒドロキシエチルセルロースおよびカル
ボキシメチルセルロース;可溶性澱粉、例えばデキストリン;親水性ポリマー、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、およびポリアクリルアミド;寸
法安定用可塑剤;およびラテックスポリマー;も含む。下塗りが複数の下塗り層
を含む場合、異なる保護コロイドが異なる下塗り層に含まれていてもよい。
また、様々な他の公知の付加物、それだけに限定されないが、例えば分光増感
剤、安定剤、帯電防止剤、表面活性剤、ポリマーラテックス、現像剤および/ま
たは現像促進剤、カプラー、およびアキュータンスまたはフィルター染料がこの
多層成分の下塗り中に含まれていてもよい。複数の下塗り層が下塗り中に存在す
る場合、上記付加物の異なるものが異なる下塗り層に含まれていてもよい。
下塗りを、標準被覆方法、例えばスライド被覆、バー被覆、ロール被覆、ナイ
フ被覆、流し被覆、グラビア被覆、スプレー被覆、および浸漬被覆により、支持
体に塗布してもよい。下塗りが複数の下塗り層を含む場合、下塗り層をスライド
コーターにより同時に塗布してもよい。それは例えば、米国特許第4,001,024号
に開示されている。
下塗りを支持体に塗布した後、タンデム(即ち、インライン)法により連続被
覆組成物が下塗りの最上面に塗布される。この連続被覆組成物(本明細書中で「
トップコート組成物」の語により表される)は、一旦乾燥されると(即ち、溶媒
を除去した後)、この多層成分のトップコートになる。
トップコート組成物は、連続法により塗布される。「連続」の語により、トッ
プコートが多層成分の上面に相当な(例えば、少なくとも10mm2)および間断の
ない領域内に被覆されることを表す。即ち、トップコート組成物は小滴または小
球としてされるのではないことを表す。また、トップコート組成物は、ストライ
プまたはパターンとして被覆されてもよい。
トップコート組成物には1種以上の溶解材料または分散材料および1種以上の
溶媒を含む。その溶解材料または分散材料は、成分の最上面に物理的に残存させ
ることによって、それらが多層成分に機能性を提供することにより表面機能性を
有する。
その溶媒の少なくとも1種はバインダーと相溶性を有する。「相溶性」の語に
より、トップコート中の溶媒の少なくとも1種がバインダーを透過し、それを膨
潤させ得ることを表す。少なくとも限定量の膨潤によりトップコートおよび下塗
りの間の接着性を促進するのには相溶性を有することが望ましい。しかしながら
、過度の膨潤は、望ましくない分散材料または溶解材料の下塗りへの過度のマイ
グレーションを起こし、その結果、その表面機能性材料がそれらの予定した機能
を果たすことを妨害する。
膨潤するにもかかわらず、相溶性溶媒とバインダーの比を制御することにより
溶解材料または分散材料が多層成分の最上面に保持されることを見い出した。そ
のような比はT/Bと表され、式中、
Tはトップコート組成物中の(場合に)相溶性溶媒(または溶媒)の被覆重量
であり、および
Bはトップコート中のバインダーの被覆重量である。相溶性溶媒およびバイン
ダーの被覆重量は、便利にg/m2で表されてもよい。
特に、トップコート組成物および下塗りの組成物および被覆重量を、T/B比
が3以下となるように制御されているかを決定し、溶解材料または分散材料によ
りそのような材料が提供しようとする少なくともある程度の特定の機能性を有す
る多層成分を提供し得る乾燥工程後、トップコート組成物中の溶解材料または分
散材料の少なくとも十分量が多層成分の表面に残存する。更に、溶解材料または
分散材料が分散粒子艶消剤を含有する場合、3以下のT/B比により艶消剤粒子
による下塗り中のハロゲン化銀粒子の排除は最小となり、そしてスターリー・ナ
イト作用が起こることを実質的に防止する。
最大T/B比3は示されたけれど、最小比は存在しない。即ち、その比は所望
または実行可能なものと同様に低い値としてもよい。比は通常0.05以上であると
予期されるが、0に近似するまたは0に達する比が可能である(非相溶性溶媒の
みが非常トップコート組成物に用いられる場合)。
より好ましいT/B比は2以下であり、最も好ましくは1.125以下である。一般
に、その比が低いほど、バインダーの膨潤の程度は少なくなり、従って乾燥後に
多層成分表面に残存する溶解材料または分散材料の数は大きくなる。しかしなが
ら前述のように、比3以下で溶解材料または分散材料の少なくとも十分量が、実
現されるべき少なくともいくつかの機能性のための多層成分の表面に残存する。
例えば、トップコート組成物を溶解材料(分散材料とは対照的に)、例えば帯
電防止剤を含有するように選択する場合、直ちにそのトップコート組成物を乾燥
することにより、溶解材料の少なくとも単層を下塗りの表面に残存させる。「単
層」の語により、厚さが溶解材料の少なくとも1分子である下塗りの表面上の被
覆面積を有する連続層を表す。更に例として、トップコート組成物を分散材料、
例えば成核剤または艶消剤を含有するように選択する場合、直ちにそのトップコ
ート組成物を乾燥することにより、分散材料の重量の少なくとも1/3を下塗り
の表面に残存させる。両方の場合、その表面上に残存する材料の量は多層成分に
機能性を付与するのに十分な量である。
前述のように、トップコート組成物中の溶媒はバインダーと相溶性を有する。
いくつかの場合には、1種以上の溶媒、例えば水およびメタノールをトップコー
ト組成物に用いてもよい。それらの場合には、溶媒の少なくとも1種をバインダ
ーと相溶性を有するように選択する。ゼラチン、好ましい写真材料用バインダー
を下塗りに用いる場合、トップコート組成物中の溶媒の少なくとも1種が水であ
ることが望ましい。水はゼラチンと相溶性を有し、比較的安価であり、環境的懸
念には困らない。水と相溶性を有するその他のバインダーには、ポリビニルアル
コールおよびカルボキシメチルセルロース誘導体を含む。
下塗り中のバインダーの内の1種が酢酪酸セルロースまたはアクリレート誘導
体、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、またはポリアクリルアミドであ
る場合、トップコート組成物用に選択される相溶性溶媒には、酢酸エチル、アル
コール、またはケトンを含む。
多層成分に付与するのが望ましい表面に関連する機能性に依存して、所望のタ
イプの溶解材料または分散材料をトップコート組成物中に含有してもよい。トッ
プコート組成物中に含有され得る分散材料の1つの例は成核剤である。乾燥され
る場合、このトップコート組成物は拡散転写トップコートとなり、その結果トッ
プコートを含む多層成分は直動印刷版を製造するのに用いられてもよい。成核剤
は好ましくは金属、金属塩、金属酸化物、金属硫化物、金属被覆粒子、金属塩被
覆粒子、金属酸化物被覆粒子、または金属硫化物被覆粒子から成る群から選択さ
れる。この群の内、パラジウムまたはパラジウム塩が好ましい。しかしながら、
本発明の実施は如何なる特定の成核剤にも限定されない。用いられ得る一般的に
公知の成核剤の例には、コロイド銀、硫化銀、硫化ニッケル、硫化亜鉛、硫化ナ
トリウム、コロイド硫黄、塩化第一錫、クロロ金酸等を含む。
拡散転写トップコート組成物中の好ましい溶媒は水である。用いられ得るその
他の溶媒には、アルコール類、例えばメタノールまたはエタノール、およびケト
ン類、例えばアセトンを含む。トップコート組成物には更に澱粉および非イオン
性またはアニオン界面活性剤、例えば米国特許第4,361,635号に開示のものを含
む。
本発明の方法に従って調製される拡散転写成分の下塗り中の好ましいバインダ
ーはゼラチンである。
本発明のトップコート組成物中に含まれ得る分散材料のその他の例には、艶消
剤がある。用いられ得る種類の艶消剤には、それだけに限定されないが、澱粉、
二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、およびポリマービーズ、例えばポリメチルメ
タクリレートのビーズ等を含む。トップコート組成物にはゼラチンも含んでよい
。トップコート組成物に用いられるべき好ましい溶媒は水である。下塗り中の好
ましいバインダーはゼラチンである。
トップコート組成物中に含まれ得る溶解材料の例には、帯電防止材料がある。
このトップコート組成物には好ましくは、好ましい溶媒として水を有する表面活
性剤を含む。好適な表面活性剤の例には、酸化ポリエチレン、例えばノニルフェ
ノキシ酸化ポリエチレン、アルキル-アリールポリオキシエチレン類、およびア
ルキル-アリールポリグリシドール類を含む。
帯電防止材料として用いられ得るその他の材料には、滑剤、例えばポリジメチ
ルシロキサン類を含み、それは隣接するシートとの間の摩擦を低減することによ
り電荷の蓄積を低減する。
本発明の実施を磁気記録媒体、例えば多層磁気テープ、ディスク等の製造に適
用されてもよい。多層磁気記録媒体には一般に、支持体上に被覆した下塗り、お
よびその下塗りに塗布したトップコートを含む。そのような磁気媒体用の好適な
支持体には、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートお
よびポリイミド類を含む。1種以上のバインダーを通常、下塗り中に含む。その
下塗り中に用いられ得るバインダーの例にはポリウレタン類を含み、それはビニ
ルおよび/またはイソシアネート基を有し、ビスフェノールAと組合せられても
よい。また、その他の成分、例えばアルファ酸化鉄、カーボンブラック、二酸化
チタン、酸化アルミニウム等を下塗り中に含有していてもよい。
磁気媒体のトップコート組成物には一般に溶媒中に分散した磁気粒子を含有す
る。磁気粒子の例には、酸化鉄、コバルトをドーピングした酸化鉄、二酸化クロ
ム、酸化アルミニウム、三酸化ニクロム、バリウムフェライト等を含む。典型的
溶媒には、メチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン、およびテトラヒ
ドロフランを含み、それらのいくつかまたは全ては相溶性溶媒として用いられる
。また、トップコート組成物には滑剤、例えば脂肪酸類または脂肪酸のエステル
類を含む。要すれば、前述の溶媒および/または滑剤も下塗りに用いられてもよ
い。
図1には、本発明の方法に従って多層写真成分を製造する好ましい方法および
被覆装置を模式的に示す。しかしながら、当業者に明らかなように、本発明の範
囲を逸脱することなくその他の配置を用いてもよい。可動ウェブ状の支持体10を
スプール12から供給し、スペーサーロール14と接触して送られる。スペーサーロ
ール14から、そのウェブがバッキングロール16の回りを移動する。この時点で、
下塗り18はスライドコーター20により支持体に塗布される。下塗り18には、ゼラ
チンベース下塗り層22、24および26を含み、それはそれぞれスライドコーター20
のスロット28、30、および32から出る。下塗り層22、24および26は重力によりス
ライドコーター20の傾斜面34を下り支持体10上に流れて、下塗り18を作製する3
つの下塗り層を同時に形成する。従って、下塗り層26は最下部下塗り層となり、
下塗り層24は中間下塗り層となり、下塗り層22は下塗り18の最上部下塗り層とな
る。このタイプの多層下塗り層の同時適用が、例えば米国特許第4,001,024号に
開示されている。
下塗り18の支持体10への塗布後、可動ウェブは冷却機36に入り、続いて乾燥機
38に入る。冷却機36ゼラチンベース下塗り層22〜26をゲル化または凝固させる。
このようにして、下塗り層が乾燥機38中で乾燥中に混合されるのを防止する。可
動ウェブが乾燥機38を出た後、スペーサーロール40および42の回りを移動し、タ
ンデム被覆ステーション44と接触する。トップコート組成物46を、タンデム被覆
装置44でT/B比が3以下となるように下塗り18の表面に塗布する。その時点か
ら、トップコート組成物46を乾燥機48中で乾燥し(即ち、溶媒を除去する)、完
全な多層成分50がスペーサーロール52上を通過し、スプール54により集められる
。
好ましくは、下塗り18を乾燥機38中で実質的に乾燥する。より正確に言うと、
下塗り18中のバインダーは実質的に乾燥され、トップコート組成物46を下塗り18
に塗布する。下塗り18を通常、それが支持体10に塗布される際に、相溶性溶媒に
随行させる。この溶媒はキャリヤー液として機能する。T/B比が3以下である
ことを確実なものとするのに加えて、実質的にバインダーを乾燥することは更に
、トップコート組成物中の溶媒によりそれを接触させる場合の過度の膨潤の確度
を低下させる。
「実質的に乾燥」の語句により、残留溶媒以外は全てを乾燥中にバインダーか
ら除去する。残留溶媒は、化学的または物理的にバインダーと結合するか、また
は周囲条件下での乾燥によっては除去され得ない。換言すると、実質的に乾燥す
る場合、バインダーの溶媒含量はほぼ、周囲温度、圧力および湿度での環境と平
衡であるほぼ定常状態に近い傾向にある。
例えば、ゼラチンを下塗り中のバインダーとして用いる場合、通常、水が下塗
り用の溶媒/キャリヤー液として用いられる。用いられる特定種のゼラチンに依
存して、下塗り18を乾燥機38中で、約60〜130°Fで約1.5〜9分間乾燥する。更
に用いる粒子状ゼラチンに依存して、残留水は通常、実質的に乾燥したゼラチン
中に5〜20重量%水の量である。
有利にも、トップコート組成物46をタンデム法により塗布する。「タンデム」
の語により、同一の連続法の流れ内に下塗りを塗布する被覆ステーションとして
配置されたインライン被覆ステーションを表す。図1に示されるように、タンデ
ム被覆装置44を、同一被覆装置(工程流れ)内にスライドコーター20として配置
されている。従って、下塗り18を有する支持体10は、被覆装置から取り除かれて
下塗り18を以前は必要であったように硬化してはならない。下塗り18およびトッ
プコート組成物46の両方を使用されていない状態の硬化時間なしに同一の連続作
業で塗布する。
トップコート組成物46の塗布は、標準被覆技術、例えばバー被覆、ロール被覆
、ナイフ被覆等により行われ得る。しかしながら、ほとんどの塗布に関して、ト
ップコート組成物46を湿潤フィルム厚さ0.5〜10μmで塗布される場合に前述の比
が最も便利に行われ得ることを見い出した。従って、タンデム被覆装置48は好ま
しくはそのような厚さの被膜を塗布し得る装置である。好適なタンデム被覆装置
の例として、米国特許第4,791,881号に開示のヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)製
のミクログラビアコーターがある。特に好ましいのは、そのようなグラビア被覆
装置を「リバース・キス(reverse-kiss)」モードにより操作することである。
本発明をより容易に理解する目的で、以下の実施例に関して本発明を説明しよ
うとする記載を行うが、範囲内に限定しようとするものではない。実施例1およ
び2は、拡散転写トップコートを説明し、実施例3および4は艶消面トップコー
トを説明し、実施例5および6は帯電防止トップコートを説明する。
その実施例に関するトップコートを、種々のミクログラビアバーを有する米国
特許第4,791,881号に開示のヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)製のミクログラビア
コーター装置を用いて塗布する。ミクログラビアバーは、塗布される被覆重量を
制御する程度を提供する彫刻パターンにより異なる。以下のバー:
1) 230 lpi(ライン/インチ)、ヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)製の螺旋状彫
刻グラビアロール;
2) 200 lpi、ヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)製の螺旋状彫刻グラビアロール;
3) 180 lpi、ヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)製の螺旋状彫刻グラビアロール;
4) 440 cpi(セル/インチ)、プラックス・エアー・サーフェイス・テック(P
rax Air Surface Tech)社製のカッド(quad)パターン、レーザー彫刻ウクラロ
ックス(Ucralox)グラビアロール;
5) 200 lpi、プラックス・エアー・サーフェイス・テック(Prax Air Surface
Tech)
社製の螺旋状パターン、レーザー彫刻ウクラロックス(Ucralox)グラビアロー
ル;をヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)製の被覆装置に用いた。
(実施例1)
ハレーション防止およびハロゲン化銀写真エマルジョン被覆溶液を、直動拡散
転写版用の下塗り層として調製した。ハレーション防止およびエマルジョン被膜
は、そのような用途に通常用いられるタイプのものであり、米国特許第4,361,63
5号に開示の実施例に従って調製し、その記載をここに挿入する。
1組の予備試験溶液を、米国特許第4,361,635号の実施例1に開示のものと同
様に、以下のとおり調製した。
(1)塩化パラジウム溶液:
PdCl21.0gの硝酸2.0gの溶液を水1リットルで稀釈した。
(2)ダクサッド(DaxadR)11溶液:
ダクサッド(DaxadR)11(W.R.グレース・カンパニー(Grace Company)から
市販)の10重量%溶液を調製した。
(3)トリトン(TritonR)X-100溶液:
トリトン(TritonR)X-100(ローム・アンド・ハース・カンパニー(Rohm &
Haas Company)から市販の湿潤剤)の10重量%溶液を調製した。
(4)ジアルデヒド澱粉溶液:
酢酸ナトリウム10g/リットルを含有するサム・スター(Sum StarR)190(ヘク
セル・ケミカル・カンパニー(Hexel Chemical Company)から市販のジアルデヒ
ド澱粉)の4.0重量%水溶液を窒素雰囲気下80℃1時間加熱することにより調製
した。
(5)ホウ化水素カリウム溶液:
ホウ化水素カリウム2.0g/リットルを含有する水溶液調製した。
(6)FC-170C(3M社から市販のフルオロケミカル表面活性剤)の0.2重量%水
溶液を調製した。
5種1組のトップコート組成物試料を、表1(全ての値を重量部で表した)に
列挙したように上記予備試験溶液を組合せることにより調製した。
ハレーション防止およびエマルジョン層から成る1組の被膜を下塗りとして塗
布し、上記トップコート組成物を用いてオーバーコートした。ハレーション防止
層を、標準スライド被覆方法論を用いる従来の方法により下塗りポリエステルフ
ィルム支持体上に被覆し、ゼラチン被覆重量2.7g/m2を有する層を提供した。そ
の写真エマルジョンはクロロブロマイドエマルジョンであり、同様にハレーショ
ン防止層を被覆して銀0.7g/m2を含有する下塗り層およびゼラチンバインダー1.4
g/m2を提供した。下塗り中のゼラチンの総被覆重量は約4gであった。
トップコート組成物1、2、3、4および5をそれぞれ下塗りに被覆重量3、
4.5、6、12および20g/m2で塗布し、得られた多層成分はトップコート組成物の
被覆後ほぼ同じパラジウム表面被覆面積を有した。トップコート組成物1、2お
よび3を、下塗りを実質的に乾燥した後、米国特許第4,791,881号に開示のミク
ログラビア被覆装置(日本国東京のヤスイ・セイキ(Yasui Seiki)社から市販
)を用いるタンデム法により塗布した。これらグラビアロールの全てを、グラビ
アロール表面速度とウェブ速度の比1.25で操作した。トップコート組成物4およ
び5を常套のスライドコーターにより2回の操作で塗布し、第1被膜は迅速に乾
燥して巻き取り、続いて直ちにそのコーターにより再処理し、そしてトップコー
ト組成物を下塗りに塗布した。
トップコート組成物の水分量は95%以上であり、非水性部分を無視すると、表
2に示されるようにT/B比0.75〜3.00を提供した。
乾燥後、写真用ポジにより多層成分を露光し、得られた構造物をオニックス・
プレミックス・デベロッパー(OnyxR Pre-Mix Developer)およびオニックス・
スタビライザー・コンセントレート(OnyxR Stabilizer Concentrate)(両者と
も3M社から市販)により処理することにより印刷版を作製した。印刷版を、ハ
イテルブルグ・カンパニー(Heydelburg Company)から市販のハイデルブルグ(
Heydelburg)GTO印刷機により評価した。この印刷機に用いたインクは、A.B.デ
ィック(Dick)社から市販の3-3109マグネティック・ブラック・ソーヤ・インク
(Magnetic Black Soya Ink)であった。
機能性印刷版としての露光および現像多層成分の性能を2種の特性:巻取数お
よび最大印刷インク濃度(MPID)により測定した。主な判定基準は巻取数であり
、それは良好な品質の複写を達成するのに必要な印刷機の刷り数である。数が小
さいほどより良好な性能を示す。25シート後、その刷り品質を100続いて200〜25
0回で限定的にチェックすることに注意すべきである。巻取試験において25以下
の数により特徴付けられるように良好な性能が認められない場合、MPIDはこれら
材料の性能を特徴付ける第2の試験となる。これはその版を紙に転写する最大印
刷インク濃度の測定である。この場合、数が大きいほど良好な性能であることを
示す。0.8以下の値は印刷版として不適合であり性能不足を示す。巻取およびMPI
D値は少なくとも2回試験の平均値である。
表2からわかるように、T/B比が0.75である場合に非常に良好な機能性を達
成した。高い比に関して、MPIDはその比の増加に伴う性能の劣化を示す明確な特
徴を提供する。
(実施例2)
ハレーション防止およびハロゲン化銀写真エマルジョン被覆溶液を、実施例1
と同様に直動拡散転写版の下塗り用として調製した。ハレーション防止およびエ
マルジョン層の被覆重量を改良して、下塗り中の総ゼラチン被覆重量2、4およ
び6g/m2を得た。下塗りを、エマルジョン層中の各ゼラチンg/m2に関して、ハレ
ーション防止層中にゼラチン2g/m2が存在するように調製した。例えば、下塗り
中に総ゼラチン2g/m2を含有する試料において、ハレーション防止層中にゼラチ
ン1.33g/m2が存在すると同時に、エマルジョン層中にゼラチン0.67g/m2が存在し
た。これらをパラジウム含有トップコート組成物で被覆して、トップコート組成
物中の水被覆重量1.3、3、4.5、6および8g/m2を得た(これら組成物の固形分
を無視する)。
トップコート組成物は実施例1に用いたものと同様であり、得られる多層成分
がトップコート組成物の被覆後ほぼ同じパラジウム表面含量を有するように同様
に配合した。それぞれ440 cpiプラックス・エアー・カッド(Prax Air Quad)、
230Ipiヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)製の螺旋状、200 lpi、ヤスイ-セイキ(Ya
sui-Seiki)製の螺旋状、180 lpiヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)製の螺旋状、お
よび200 lpiプラックス・エアー(Prax Air)の螺旋状グラビアロールを用いて
表3に示した1.3、3、4.5、6および8g/m2のトップコート組成物を得た。グラ
ビアロールを、それぞれグラビアロール表面速度とウェブ速度の比3、1.25、1.
25、1.25、および0.5で操作した。
これら試料を実施例1に列挙した方法で現像および処理した。また、得られた
印刷版を実施例1に列挙した方法で評価した。表3にはこれらの評価結果を示し
た。
その結果により、低い比で良好な巻取数を達成し、その比が増加すると性能が
低下することを示した。また、試料5および10では、比が過度に大きい(1.33お
よび2.00)にもかかわらず、性能を高トップコート被覆重量(8g/m2)により妥
協することも見い出し得た。T/B比>3を与えるトップコート被覆重量10,15
および20g/m2での付加的試験は、250以上の巻取数およびMPIDの不適合値を示し
た。
(実施例3)
1組のグラフィックアートの接触フィルムタイプの写真エマルジョンフィルム
を塩化臭化銀エマルジョン(塩化物84モル%、臭化物16モル%)を用いて調製し
た。エマルジョン下塗りを、それぞれ銀被覆重量1.25、2.5および3.75g/m2およ
びゼラチン被覆重量0.85、1.71および2.56g/m2を用いて調製した。エマルジョン
下塗りに硬化剤は添加しなかった。硬化剤(ホルムアルデヒドの形で)を後でタ
ンデム被覆ステーションでトップコート組成物の成分としてそのエマルジョンに
添加し、トップコートを多層成分表面で保持するためにトップコート組成物塗布
前の下塗りの硬化は必要ないことを示した。
トップコートを、ゼラチンを冷水に加え、湿潤剤プレミックスを加え、得られ
る混合物を少なくとも20分間浸漬することにより調製した。その湿潤剤プレミッ
クスはマプロフィックス(MaprofixR)563(オニックス・ケミカル・カンパニー
(Onyx Chemical Company)から市販のラウリルスルホン酸ナトリウム)11.5gお
よびニノール(NinolR)96-SL(ステパン・カンパニー(Stepan Company)から
市販のカルカノールアミド)を水に溶解して1リットルとすることにより調製し
た。続いて、ゼラチン/湿潤剤混合物を、混合しながら40℃に加温することによ
り溶解した。
PMMAビーズ、重合ポリメチルメタクリレートを含有する艶消剤を加えた。
PMMAビーズは粒径約4μ、固形分5%を含有する水中分散体として存在する
。硬化剤(ホルムアルデヒド37%および水63%から成るホルムアルデヒド溶液)
を被覆直前に添加した。
トップコート組成物を表4に従って調製した。その配合により各トップコート
1kgとなる。その配合物を調製し、下塗り中のPMMAおよびゼラチン、下塗り
中のホルムアルデヒドおよびゼラチンの間の一定比を基本的に保持した。
そのエマルジョン下塗りを可動ウェブ支持体に、常套のスライド被覆方法論を
用いて塗布し、乾球温度40°Fおよび露点18°Fを有する冷却機により冷却した。
可動ウェブは冷却機内で滞留時間0.3分間を有した。続いて、エマルジョン下塗
りは、それぞれ乾球温度87、100および123°F、およびそれぞれ露点31、52およ
び52°Fを有する3つの乾燥ゾーンを通って移動した。各乾燥
ゾーンの滞留時間は1.3分間であった。
下塗りの冷却および乾燥後、トップコート溶液をタンデム被覆ステーションで
前述のヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)ミクログラビア被覆装置を用いて被覆した
。トップコート組成物1〜4を、それぞれ被覆重量3、4.5、6および10g/m2で
、それぞれ200 1piヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)製の螺旋状、180 1piヤスイ-
セイキ(Yasui-Seiki)製の螺旋状、および200 lpiプラックス・エアー(Prax A
ir)の螺旋状グラビアロールを用いて、それぞれグラビアロール表面速度とウェ
ブ速度の比1.25、1.25、1.25、および0.5で塗布した。得られたトップコートは
PMMA被覆面積0.7〜0.8g/m2、ゼラチン被覆重量0.17〜0.20g/m2、ホルムアル
デヒド被覆重量0.08〜0.09g/m2を有した。それぞれのトップコート組成物は水約
95%を含有するので、トップコート組成物の固形分は、表5に示したT/B比の
計算の目的に対しては無視した。
被覆試料を十分露光(最大濃度を提供する白色光露光)し、続いて通常の方法
で処理した。示した「スターリー・ナイト」の程度をベースとして、その試料を
評価した。この測定を、単位面積当たりの「スター」(即ち、画像中の気泡)の
数を計測する自動装置により行った。画像中の気泡は、乾燥中にトップコートか
ら下塗りに押し込まれたPMMAビーズにより生じ、その結果下塗り中のハロゲ
ン化銀粒子を排除した。好ましい性能はスター数の低いものに関し、最も好まし
くは0である。
試料評価結果を表5に示した。スター数は、別の試料の少なくとも2種の独立
した測定値の平均である。
回帰分析により、補正相関係数R2=88%を用いてスター数とT/B比の間によ
い相関:
スター数=-194+136*[T/B比]
があることを示した。回帰分析によりT/B比約1.4で、スターリー・ナイト作用
を無視すると、スター数は0になることは注目すべきである。
その実験が、それぞれの試料の艶消剤のほぼ同一表面負荷を提供するように設
計されることは注目すべきである。従って、試料の表面粗さは同様である。
(実施例4)
1組のグラフィックアートカメラフィルムタイプの写真エマルジョンフィルム
をヨウ化塩化臭化銀エマルジョン(ヨウ化物2モル%、塩化物20モル%、臭化物
78モル%)を用いて調製した。写真エマルジョンおよび保護層を下塗り層として
下塗りに、常套の2スロットスライド被覆技術を用いて被覆した。写真エマルジ
ョンを被覆して、銀被覆重量3.2g/m2およびゼラチン被覆重量3.11g/m2を有する
層を得た。その保護層をエマルジョン上に被覆し、ゼラチン被覆重量0.74g/m2を
有した。これは下塗り中の総ゼラチン被覆重量3.85g/m2を提供した。トリアジン
硬化剤を被覆重量0.581g/m2で下塗りに添加した。
5種のトップコート組成物を、以下の予備試験用溶液:
(1)ゼラチン:10%ゼラチン水溶液;
(2)ホスタパー(HostapurR)SAS-93:脂肪族スルホネート混合物の10.8%水溶
液(アメリカン・ヘキスト・カンパニー(American Hoechst Company)から市販
の表面活性剤);
(3)トリアジン:2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-5-トリアジンの10%水溶液を含
有する硬化剤;
(4)ガシル(GasilR)-23F:シリカ2.5%およびゼラチン8%を含有する水溶液
(クロスフィールド・カンパニー(Crosfield Company)から市販の艶消剤);
(5)スリップ・エイド(Slip-AydR)SL-530:18%ポリエチレンの2-ブトキシエ
タノール溶液(ダニエル・プロダクツ・カンパニー(Daniel Products Company
)から市販の摩擦低下剤);を脱イオン水と組合せることにより作製した。
5種のトップコート組成物を、表6に列挙した上記予備試験用溶液を組合せる
ことにより調製した(全ての値は重量部で表す)。
実施例3の下塗りの冷却および乾燥後、タンデム被覆ステーションでトップコ
ート組成物を下塗り上に前述のヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)ミクログラビア被
覆装置を用いて被覆した。表6に示したトップコート組成物の組合せを用いて、
表7に示した全試料用のトップコートに同一の固形組成物を生成した。トップコ
ート組成物被覆重量2.5、3.75および5.0g/m2をグラビアロール表面速度とウェブ
速度の比1,25で、それぞれ230 lpiヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)製の螺旋状、2
00 lpiヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)製の螺旋状および180 lpiヤスイ-セイキ(
Yasui-Seiki)製の螺旋状グラビアロールを用いて塗布した。得られたトップコ
ートはゼラチン被覆重量0.125g/m2およびシリカ被覆重量0.0091g/m2を有した。
その種々のトップコート組成物は水約95%を含有するので、トップコート組成物
の固形分は、表7に示したようにT/B比を計算するのには無視した。
得られた試料を露光、処理して、スターリー・ナイトに関して評価した。スタ
ー数は別の試料の少なくとも2回の独立した測定の平均である。その結果を表7
に示した。
標準(ケース6)が含まれ、それは下塗りの保護層が艶消剤を含有し、エマル
ジョンと共に常套の2スロットのスライドコーターを用いて被覆した。同様の艶
消剤(ガシル(GasilR)-23Fシリカ)をケース6に用いて、本質的にケース1〜
5と同一のシリカの表面被覆面積を得た。
T/B比が減少すると「スターリー・ナイト」が減少することは明らかである
。
また、スリップ・エイド(Slip-AydR)の添加がスターリー・ナイトの程度に影
響を与えるが、T/B比に対するスターリー・ナイトの基本的な応答は変化しな
いことが見い出された。また、本発明の方法により被覆することにより、従来技
術の実施(ケース6)で得られたものより非常に低いスターリー・ナイトを有し
た。
(実施例5)
材料の帯電防止性の評価は、導電性の逆数である表面抵抗により測定される。
表面抵抗が低いほど(または導電性が高いほど)、帯電防止層としての性能が良
好である。表面抵抗はオーム/スクエアの単位で測定される。基本的に非導電性
である(ゼラチンを含有する)ポリマーフィルムに関して、表面導電性は典型的
には約1011オーム/スクエア、通常約1013オーム/スクエア以上である。帯電防止
性に関して良好な導電性を有する材料は、1011オーム/スクエア(100ギガオーム
/スクエア)以下、より好ましくは1010オーム/スクエア(10ギガオーム/スクエ
ア)以下の抵抗率を有する。試料の測定値は単にギガオームで表される。10ギガ
オーム以下の抵抗率を有する材料は良好な帯電防止性を示すことにより特徴付け
られるが、一方、100ギガオーム以上の抵抗率を有する材料は帯電防止性が乏し
いとして特徴付けられる。表面抵抗10〜100ギガオームを有する材料は、適当な
帯電防止性を有すると考えられる。
常套の医療用X線材料の試料を、銀被覆重量4.2g/m2およびゼラチン被覆重量2
.50g/m2を有するエマルジョン層から成る下塗り、およびゼラチン被覆重量1.01g
/m2を有するゼラチン保護層と共に用いた。下塗り中の総ゼラチン被覆重量(B
)は3.51g/m2であった。
試料を異なる帯電防止層で上塗りし、上塗りしない材料と比較した。トップコ
ート組成物を、含水量0.4〜1.0重量%の材料を含有するタージトール(TergitolR
)15-S-7(ユニオン・カーバイド(Union Carbide)から市販の帯電防止材料)
から調製した。その試料をマイアー・バー・コーターを用いてトップコート被覆
重量26g/m2に上塗りした。トップコート組成物の99重量%以上は水であるので、
T/B比をTとして26g/m2を用いて計算して、両方の表8の上塗り試料に対して
T/B比7.41を得た。
溶液濃度および湿潤被覆重量から計算して帯電防止被覆重量を100および260mg
/m2と決定した。上塗り試料を20℃および相対湿度25%の環境槽中で24時間貯蔵
した。その試料の表面抵抗を、ケイスレイ・インスツルメンツ(Keithley Instr
uments)から市販の導電率テスター、610Cエレクトロメーターを用いて測定した
。その結果を表8に示した。
未処理X線フィルムは表面抵抗約50,000ギガオームを有した。T/B比7.41で
塗布した帯電防止被覆重量100mg/m2では、ほとんど機能性を有さない。適当な帯
電防止性を達成するためには、被覆重量260mg/m2が必要である。下塗り3.51g/m2
上の湿潤トップコート被覆重量26g/m2から得られるT/B比7.41が、従来の処理
では一般的である。従って、過剰のトップコート被覆重量(高T/B比)にもか
かわらず、非常に高被覆重量の帯電防止材料を塗布することにより、ある程度の
帯電防止性を達成し得る。
(実施例6)
総ゼラチン被覆重量(B)3.51g/m2を有する常套の医療用X線材料の試料を実
施例5と同様に用いた。この材料を1組のトップコート組成物を用いて上塗りし
、水および材料被覆重量を変化させて帯電防止層に塗布した。タージトール(Te
rgitolR)15-S-7(ユニオン・カーバイド(Union Carbide))の帯電防止濃度0.
72〜1.28%を有する水性トップコート組成物を調製した。トップコート組成物を
それぞれヤスイ-セイキ(Yasui-Seiki)ミクログラビア被覆装置を用いて被覆し
た。トップコート組成物の被覆重量は2.4〜6.5g/m2の範囲であり、T/B比は0.6
8〜1.85の範囲であった(トップコート組成物中の少量のタージトール(Tergito
lR)はT/
B比の計算時には無視した)。
上塗り試料を、20℃および相対湿度25%の環境槽中で24時間貯蔵した。その試
料の表面抵抗を、610Cエレクトロメーター(ケイスレイ・インスツルメンツ(Ke
ithley Instruments))を用いて測定した。その抵抗率を表9にギガオームで示
した。
表9に示したデータの回帰分析により、帯電防止被覆重量(mg/m2)およびT/
B比と抵抗率の間に、補正相関係数(R2)が60%の良い相関が示された。
抵抗率=9.53+2.28*(T/B)−0.182*(帯電防止被覆重量)
実施例5に記載した重要な、帯電防止被覆重量は主関数であり、抵抗率の明ら
かにされたデータ偏差75%で信頼され得る。T/B比はそのデータ偏差の残りの
部分と説明される。
上記回帰分析モデルの予想を表すことに相当する。そのT/B比の係数はその
回帰式に当てはまり、従って帯電防止性が乏しいほど(表面抵抗が高いほど)T
/B比が増加する。良好な帯電防止性の領域で、抵抗率10ギガオーム以下である
ことが望ましいと仮定すると、最小表面被覆重量約35mg/m2が必要である。ほと
んどのデータ点は35mg/m2以上であり、それらは全て低表面抵抗(良好な帯電防
止性)を有することが明らかである。表面被覆重量35mg/m2以下の限定データ点
は、顕著に乏しい帯電防止保護を示す。従って、最小許容表面被覆重量として35
mg/m2を用いて、そのモデルにより、それぞれ比3、2、および1,125に対して表
面抵抗10.0、7.72および5.73を予測する。
実施例5および実施例6の試料の間の帯電防止性の差は、本発明の実施の有用
性を表す。実施例6の試料と比較すると、(常套の方法で被覆した)実施例5の
試料は、ただ最小適合帯電防止性100ギガオームを達成するのに、(表9に示す
ような優れた抵抗率10ギガオームおよび実施例6以下と比較すると)より大きな
表面被覆重量、260mg/m2が必要である。実施例5の試料および実施例6の試料の
間の帯電防止性の差は、常套の方法で塗布された実施例5の試料のトップコート
組成物中の帯電防止材料の大部分が下塗り中に吸収されるという事実によるもの
であると考えられている。非常に高い被覆重量を有するもののみがその表面に適
合し、帯電防止性を提供する。
これに反して、実施例6の試料は、本発明の方法により塗布されており、より
少ない表面被覆重量、35mg/m2でよく、実施例5の試料により示されるより良好
な帯電防止性(10ギガオーム以下)となる。従って、本発明による被膜は表面に
残余する材料をより多く有し、良好な帯電防止性を提供する。
帯電防止被覆重量を最小限必要な35mg/m2以上約70mg/m2に増加し、T/B比を
3以下に保持する場合、抵抗率3.63ギガオーム以下が予測され、実際に表9の試
料6〜8に示されるように達成される。これは、実施例5の100mg/m2試料とは全
く対照的であり、T/B比7.41により表面抵抗10,000ギガオームとなる。
従って、所定の帯電防止被覆重量に関して、T/B比は制御パラメータである
ことが明らかである。更に、本発明の方法に従って被覆することにより、良好な
帯電防止性が、帯電防止材料の適正被覆重量レベルに低いままで達成され得る。
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(72)発明者 ロマゼウスキー、カレン・エム
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(72)発明者 スカンラン、ディビッド・ジェイ
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(72)発明者 フェノリオ、アルフレド
アメリカ合衆国 55133―3427、ミネソタ
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