JPH08511006A - 安定な銅(▲i▼)錯体及びそれに関する方法 - Google Patents

安定な銅(▲i▼)錯体及びそれに関する方法

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JPH08511006A JP7501073A JP50107395A JPH08511006A JP H08511006 A JPH08511006 A JP H08511006A JP 7501073 A JP7501073 A JP 7501073A JP 50107395 A JP50107395 A JP 50107395A JP H08511006 A JPH08511006 A JP H08511006A
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ジェイ. パレンバーグ,アレクサンダー
ブランカ,アンドリュー
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エム. パット,レオナード
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Abstract

(57)【要約】 安定な銅(I)錯体及びそれに関連する方法を開示する。この安定な銅(I)錯体は銅(I)イオンを含んで成り、これは銅に関して+1の酸化状態を好む多座配位子により錯形成されている。本発明の方法は、この安定な銅(I)錯体の、創傷治癒剤、酸化防止剤、抗炎症剤、脂質調節剤、シグナル変換調節剤、育毛剤及び抗ウィルス剤としての利用を含む。典型的な銅(I)錯体にはネオキュプロイン銅(I)及びバソキュプロインジスルホン酸銅(I)が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 安定な銅(I)錯体及びそれに関する方法 技術分野 本発明は一般に銅(I)錯体及びその利用に関する方法、そしてより詳しくは 、多座配位子により錯形成されている銅(I)であって、得られるその錯体にお いて銅に関して+1の酸化状態が好適である銅(I)錯体に関する。 発明の背景 銅は植物及び動物の両方において見い出され、そして酵素を含む数多くの銅含 有タンパク質が単離されている。銅は0,+1,+2及び+3の酸化状態(即ち 、銅(0),銅(I),銅(II)及び銅(III)のそれぞれ)を含む様々な酸化 状態において存在し得、銅(I)及び銅(II)が最も一般的である。水性溶液中 の銅(I)及び銅(II)の相対的安定性は溶液の中に存在しているアニオン又は その他の配位子の種類に依存する。更に、水性溶液中ではごく低い銅(I)平衡 濃度(即ち、<10-2M)しかあり得ない。この不安定性さは、ある程度、銅(I )が銅(II)及び銅(0)に対して不均衡である性質による。ほとんどの銅(I )化合物は銅(II)化合物に容易に酸化するが、にもかかわらず、銅(III)に 至る更なる酸化は困難である(一般的には、A.F.Cottn and G.Wilkinson,Ad vanced Inorgarnic Chemistry ,第5版,John Wiley & Sons,New York,pp903- 922,1988を参照のこと)。 銅(II)の比較的よく特定された水性的化学に基づき、数多くの銅(II)塩及 び錯体が知られている。例えば、ペプチド/銅(II) の生物学的活性に対してかなりの研究が向けられており、そしてかかる銅(II) 錯体は様々な治療的及び化粧的目的にとっての有用性をもつことが示されている 。特に、天然のグリシル−ヒスチジル−リジン:銅(II)錯体(「GHK-Cu(II) 」)は温血動物の創傷治癒力の高揚における有効な薬剤であることが、抗炎症剤 として一般的に働くのと同様に示されている(米国特許第4,760,051号参照のこ と)。様々なGHK-Cu(II)誘導体は類似の活性をもつ(米国特許第4,665,054及 び4,877,770号を参照のこと)。GHK-Cu(II)及びその他のペプチド−銅(II) 錯体は、育毛を剌激する(米国特許第5,177,061及び5,120,831号)、創傷の生物 学的被覆を誘発する(米国特許第4,810,693号)、潰瘍を防ぐ(米国特許第4,767 ,753,5,023,237,5,145,838号)、化粧用途(米国特許第5,135,913号)及び骨 の治癒(米国特許第5,509,588号)のために有用であることが示されている。更 に、金属(II)−ペプチド錯体の酸化防止性及び抗炎症性活性が開示され(米国 特許第5,118,665号)、更には創傷治癒を加速する銅(II)含有化合物の利用が 開示されている(米国特許第5,164,367号)。 銅(II)錯体、そして特にペプチド/銅(II)錯体の研究において大幅な進歩 が成し遂げられているにもかかわらず、生物学的活性をもつ更なる銅錯体につい ての当業界における要望がある。本発明はこの要望を満たし、そして更なる関連 の利点を供する。 発明の概要 本発明の一般に安定な銅(I)錯体及びそれに関連する方法に向けられている 。より詳しくは、本発明の安定な銅(I)錯体は、銅にとって+1酸化状態が好 適であるような多座配位子により錯形成された銅(I)を含んで成る。 この安定な銅(I)錯体は、温血動物の創傷治癒力を高揚するため、温血動物 の酸化又は反応性酸系物質及び/もしくは脂質媒介因子に係る炎症障害に対する 抵抗力を高めるもしくは回復させるため、温血動物の育毛を剌激するため、脂質 代謝を調節するため、タンパク質キナーゼを阻害することにより細胞におけるシ グナル変換を調節するため、並びにウィルス活性、例えば限定することなくHIV 感染動物のHIV複製を阻害するための用途を有する。本発明の方法は動物に有効 な量の安定な銅(I)錯体を投与することを含んで成る。 本発明の別の観点は添付図及び以下の詳細な説明を参照することにより明らか となるであろう。実施例を含む本詳細な説明に記載の文献は全て、その全内容を 引用することで本明細書に組入れる。 図面の説明 図1は創傷治癒を加速する本発明の代表的な銅(I)錯体(即ち、バソキュプ ロインジスルホン酸(「BCDS」)銅(I))の活性を示す。 図2はウィルス(即ち、HIV)複製を阻害する本発明の代表的な銅(I)錯体 、BCDS銅(I)の機能を示す。 図3はプロスタグランジン及びリューコトリエンについての合成経路、並びに それらに関係する限定の重要酵素を示す。 図4は中間体アセチルCoA及びHMG-CoA、並びに酵素アセチルCoAシンセターゼ 及びHnG-CoAリダクターゼを含むコレステロール形成についての合成経路を示す 。 図5はシグナル変換におけるタンパク質キナーゼC(PKC)及びタンパク質チ ロシンキナーゼの作用を示す(PI=ホスファチジルイソシトール;IP3=イノシ トール三リン酸;PG=ホスファチジルグリ セロール;P−タンパク質=ホスホリル化タンパク質;CDR PK=カルモジュリン 調節型タンパク質キナーゼ;PKA=タンパク質キナーゼA;タンパク質キナーゼ =タンパク質チロシンキナーゼ(細胞質性);そしてEGF-Rタンパク質キナーゼ =表皮成長因子レセプタータンパク質チロシンキナーゼ)。 詳細な説明 本発明は一般に銅(I)錯体及びその利用に関する方法、そしてより詳しくは 、安定な銅(I)錯体を形成する多座配位子により錯形成された銅(I)に関す る、本明細書で用いる「安定な銅(I)錯体」とは、得られる錯体が+1の銅酸 化状態を好むようにする少なくとも一の多座配位子により錯形成された銅(I) である。最も一般的な銅(I)の状態は4つの配位部位に関係し、そして一般に は図面形態である。一般に、キレート化剤は、1個の配位子が金属イオンの複数 の配位位置を占めるような配位化合物をいう。もし配位子が2つの配位位置を占 めていると、二座配位子と考えられる。もし2より多くの配位位置が配位子によ り占められると、多座配位子と考えられる(例えば三座配位子又は四座配位子) 、本明細書に用いる「多座配位子」は銅(I)の2,3又は4つの配位部位をそ れぞれが占める二,三又は四座配位子である。 本発明の安定な銅(I)錯体は、+1の銅酸化状態を構造的に好む少なくとも 一の多座配位子により錯形成された銅(I)の全ての錯体を含む。銅(I)錯体 は多座配位子を水性溶液中の銅(I)の起源(例えばCuCl,Cu2O又はCuCN)と反 応させることにより形成することができうる。得られる銅(I)錯体は適当な分 析技術、例えばESR,NMR及び/又はUV-VISによって、その錯体における酸化状態 を決定するために観察することができうる(Munakataら、Copper C oordination Chemistry;Biochemical and Inoranic Perspectives ,Karlin and Zubieta editors,Adenine Press,Guilderland,N.Y.,pp.473-495,1983を参 照のこと)。例えば、銅(I)錯体はESRシグナルがないことの特徴により同定 でき、一方銅(II)錯体は一般にESRシグナルをもつであろう。更に、銅(II) 錯体はプロトンNMRシグナルのブロード化を示し、そして銅(I)錯体は比較的 シャープなプロトンNMRシグナルを示す。銅(I)錯体の同定の後、その安定性 は例えば銅(I)錯体を大気にさらすことを介して、その酸化の受け易さを決定 することにより評価できる。本明細書で用いる「安定な」銅(I)錯体は、大気 、室温(23℃)及び大気圧にさらしたときに、少なくとも5分、好ましくは少な くとも30分、そしてより好ましくは24時間以上の半減期を有する(即ち、銅(I )錯体の半分は+1酸化状態であり続ける)。換言すれば、本発明の安定な銅( I)錯体は酸化に耐久性であり、一方、不安定な銅(I)錯体は大気にさらした ときに容易に酸化して銅(II)錯体となる。 上記の通り、銅(I)をキレートして安定な銅(I)錯体を形成する任意の多 座配位子が本発明の実施において適当である。好適な態様において、本発明の多 座配位子は以下の一般構造式I〜VIIから選ばれる: (式中、A及びBは銅(I)の配位位置を占めうるヘテロ原子を表わし、そして 好ましくは窒素、酸素、硫黄及びリンから選ばれる)。 構造式I〜VIIの環は芳香族、非芳香族、又は芳香族と非芳香族との複合であ ってよい。例えば、以下の構造式がかかる組合せの代表である: 構造式I〜VIIを有する本発明の多座配位子の代表例を表1に記載する。詳し くは、表1は代表的な多座配位子の構造を特定しており、対応の化学名称を示し 、ケミカル・アブスラクトの登録番号を特定し(「cA Reg.No.」)、そしてそ の特定の多座配位子の合成及び/又は化学を説明している対応の参考文献(入手 できた場合)を 供する。 上記の構造式I〜VIIにおいて、ヘテロ原子による更なる環置換が許容される 。好ましくは、かかるヘテロ原子は窒素、酸素、硫黄及びリンより選ばれる。例 えは、表2に挙げた化合物は更なる環置換を有する本発明の更なる代表的な多座 配位子を示している。表1と同様に、表2は代表的な多座配位子の構造を示し、 対応の化学名称を示し、そのCA Reg.No.を特定し、そしてその特定の多座配位 子の合成及び/又は化学を説明する対応の参考文献(入手できた場合)を供する 。 上記の一般構造式I〜VIIはその構造上の骨格に共有結合している更なる化学 成分を、以下の通りに有しうる: (式中、R1〜R8は同一でも異なっていてもよく、そして以下の化学成分より選 ばれる:−H,−OH,−X,−OX,−COOH,−COOX,−CHO,−CXO,−F,−Cl ,−Br,−I,−CN,−NH2,−NHX,−NX2,−PX2,−SO3H,−SO3Na,−SO3K ,−SO3X,−PO3H,−OPO3H,−PO3X,−OPO3X及び−NO2)。本明細書で用いて いる「X」はアルキル 成分又はアリール成分を表わす。「アルキル成分」は直鎖でも枝分れしていても よく、環式でも非環式でもよく、飽和でも不飽和でもよく、置換されていても未 置換でもよい、1〜20個の炭素原子を含む炭素鎖である。「アリール成分」は直 鎖でも枝分れしていてもよく、環式でも非環式でもよく、飽和でも不飽和でもよ く、置換されていても未置換でもよい、少なくとも1個の置換化又は未置換の芳 香成分を含み、且つ6〜20個の炭素原子を含む炭素鎖である。かかる化学成分は 環融合原子に共有結合していてもよい。本発明の化学成分の代表例には、限定す ることなく、以下の表3に特定する成分が含まれる。 構造式I〜VIIの構造上の骨格に共有結合している更なる化学成分をもつ多座 配位子の代表例を表4に示す。詳しくは、表4は代表的な多座配位子の構造を特 定し、対応の化学名称を示し、CA Reg.No.を特定し、そしてその多座配位子の 合成及び/又は化学を説明する対応の参考文献(入手できた場合)を供する。 構造上の骨格に共有結合している化学成分は芳香族又は非芳香族環式化学成分 を生み出すように連結されていてよい。かかる環式化学成分の代表例を表5に示 し、それは代表的な多座配位子の構造を特定し、対応の化学名称を示し、CA Reg .No.を特定し、そして多座配位子の合成及び/又は化学を説明する対応の参考 文献(入手できた場合)を供する。 本発明の多座配位子の代表例の合成を以下の表6及び7において開示する。詳 しくは、それらの表において、その多座配位子の構造式をそのCA Reg.No.並び にその合成及び/又は化学を開示している1もしくは複数の参考文献と一緒に特 定している。 本発明の一の態様において、多座配位子は以下の構造式から選ばれる: (式中、R1〜R8は同一又は異なっていてもよく、そして水素、アルキル成分及 びアリール成分より選ばれる)。 好適な態様において、この多座配位子は次の構造式Idを有する6,6′−ジ メチル−2,2′−ジピリジンである: 更なる好適な態様において、この多座配位子は次式IIdを有するネオキュプロ イン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)であるか、又はその異性 体構造式IIe,IIe′又はIIe″のいづれかを有するバソキュプロインジスルホ ン酸(「BCDS」)である: 何らかのことわりのない限り、BCDSは上記の異性体(即ち、IIe,IIe′及び IIe″)の物理的混合物を意味する。一般に、様々な異性体(即ち、IIe;IIe ′;IIe″)の比はBCDSの商業的起源に依存して以下の通りに変わる:Aldrich Chemical Co.,Inc.(Milwaukee,Wisconsin)9.1:38.6:41.2;Spectrum Che mical nanufacturing Corp.(Gardena,California)8.5:39.7:45.2;GFS Che micals(Columbs,Ohio)8.4:38.5:45.3;Janssen Pharmaceutica(Johnson & Johnsonの子会社)(Beerse,Belgium)4.6〜8.7:36.4〜39.4:44.4〜55.9。 前記の通り、本発明の安定な銅(I)錯体は多座配位子を銅(I)起源と接触 させることにより作ることができうる。この多座配位子は商業的起源から入手す るか、又は市販の試薬から公知の有機合成技術によって合成できうる。好ましく は、水溶性多座配位子を、CuCl2,Cu2O又はCuCNを銅(I)起源として用いて、 水性溶液の中 で銅(I)と錯形成させる。得られる銅(I)錯体を次に溶媒のエバポレーショ ンによって回収し、銅(I)錯体を得る。他方、もし多座配位子が水の中で容易 に溶解しないよう、銅(I)錯体は適当な非水性(例えば有機)溶媒を用いる上 記の手順によって形成せしめてよい。 本発明の実施において、多座配位子、対、銅(I)の比は安定な銅(I)錯体 をもたらす任意の比であってよい。好ましくは、この配位子、対、銅の比は少な くとも1:1とする。より好ましい態様において、その配位子、対、銅の比は1 :1〜3:1(2:1を含む)に範囲する。かかる銅(I)錯体は、適当なモル 比の多座配位子と銅(I)イオン起源とを反応させることにより、先の段落に記 載の手順により作ることができうる。 以下の理論に拘束されるつもりはないが、銅(I)は一定の生物学的現象にお いて銅(II)よりも強い生物学的活性を有するものと信じられている。例えば、 銅(I)は銅の摂取及び/又は輸送、並びに細胞搬送を含む銅代謝にとっての重 要な中間体でありうる。即ち、銅(II)から銅(I)に至る還元は銅(I)の直 接搬送により迂回される。更に、本発明の安定な銅(I)錯体は温血動物への全 身搬送に適し、そしてその動物に対する銅の除放を供しうる。 本発明の安定な銅(I)錯体は治療物質としての有用性、例えば一般的に酸化 防止剤及び抗炎症剤としての、そしてより詳しくは創傷治癒剤としての有用性を 有する。本発明の銅(I)錯体は育毛剤、脂質調節剤、シグナル変換調節剤及び 抗ウィルス剤としての活性も有する。明瞭性のため、本発明の安定な銅(I)錯 体の様々な生物学的活性を以下に個別に示す。 反応性の高い酸素物質、例えばスーパーオキシドアニオン(O2 -)、過酸化水 素(H2O2)、ヒドロキシル基(HO)及び脂質ペルオ キシド(LOOH)は数多くの人疾患に関与している。例えば、かかる酸素物質は自 己免疫疾患、関節炎、環境汚染、喫煙及び薬剤を原因とする組織傷害、例えば手 術及び移植の最中の組織傷害、並びに様々なその他の症状に関与する(例えば、 Halliwel,B.,Fed.Amer.Soc.Exp.Biol. :358-364,1987を参照のこと )。反応性酸素物質は食作用細胞による傷害に対する応答の際にも生じうる。創 傷治癒応答における初期現象の一つは好中球及びマクロファージによる創傷の清 掃及び除菌である。この除菌にとってのメカニズムはスーパーオキシドアニオン 及び過酸化水素の生成であり、そして一般に炎症反応をもたらす。更に、スーパ ーオキシドアニオン及び過酸化水素は、鉄又はその他のレドックス活性遷移金属 錯体の存在下で、ヒドロキシル基を生じせしめる。このヒドロキシル基は強力な 酸化剤であり、これは脂肪酸のフリーラジカル酸化及びその他の生体分子の酸化 分解を開始せしめる。例えば、反応性酸素物質が組織損傷を引き起こす重要な分 野は、脳及び脊髄に対する傷害後損傷、並びに手術及び移植例えば心臓外科及び /又は移植)後の虚血組織に対する再灌流損傷である。酸化血液及び活性化食作 用細胞の突然の乱入はスーパーオキシドアニオン及び過酸化水素の形成を招く。 これらの物質は実際に組織に損傷を及ぼし、そして非常に反応性のヒドロキシル 基を生じせしめるように鉄とも反応する(前記の通り)。 本発明の安定な銅(I)錯体は、一般的に反応性酸素物質により生ずる酸化的 損傷を予防又は抑制する酸化防止剤として働き、そして更にはかかる反応性酸素 物質にかかわる炎症反応を抑制することによって抗炎症剤としても働く。より詳 くは、本発明の銅(I)錯体は酸化又は反応性の高い酸素物質により引き起こさ れる炎症損傷に対する温血動物の防御力を強める及び/又は回復させるのに有用 であり、そして組織損傷を招いてしまう酸化及び炎症過程を阻害する薬理調製品 に使用されうる。更に、本発明の安定な銅(I)錯体は反応性の高い酸素物質に よる組織損傷を「解毒」することにより、創傷治癒過程を加速せしめる。 反応性の高い酸素物質に加えて、マクロファージ及び好中球は一定の炎症の脂 質媒介因子(例えばリューコトリエン及びプロスタグランジン)の生成を通じて 炎症反応を誘引又は持続させる。炎症性腸障害(IBD)並びに関連の慢性炎症性 症状、例えば関節炎におけるかかる媒介因子の関与は、障害の進行と、循環系及 び感化組織におけるリューコトリエン及びプロスタグランジンのレベル及び存在 との間の強い関係によって証明されている。プロスタグランジンは血管拡張及び 水腫形成を強め、一方リューコトリエンは白血球、特に好中球にとっての有能な 化学走性剤であり、そして損傷性リソゾーム酵素の脱顆粒化及び放出、並びにス ーパーオキシド生産を刺激する。 プロスタグランジン又はリューコトリエンに至る2つの主要経路の分布は細胞 の種類に応じて変わる。ほとんどの細胞はシクロオキシゲナーゼ経路をもつが、 リューコトリエンに至る5−リポキシゲナーゼ経路はあまり分布しておらず、そ してそれは炎症性細胞、例えば好中球、マクロファージ、単球及びマスト細胞に おいて主である。脂質媒介因子合成にとっての一般系を図3に示す。 本発明の安定な銅(I)錯体はプロスタグランジン及び/又はリューコトリエ ンの形成を、その形成に関与する酵素を阻害することによって阻害する。図3に 関し、この安定な銅(I)錯体はシクロオキシゲナーゼ−1及びシクロオキシゲ ナーゼ−2の有効な阻害剤であり、それ故プロスタグランジンの形成を阻害する 。同様に、この安定な銅(I)錯体は5−リポキシゲナーゼ及びリューコトリエ ンC4(LCT4)シンセターゼの有効な阻害剤であり、それ故リューコトリエンの形 成を阻害する。 更に、炎症部位でのエラスターゼ(好中球放出型セリンプロテアーゼ)による 様々な細胞標的のタンパク質分解は数多くの病理学的症状、例えば気腫、リウマ チ様関節炎及び乾癬に関与する。即ち、エラスターゼの阻害剤は、炎症部位での 正常組織の崩壊を処置、予防又は抑制するのに使用することができ、従って本発 明の安定な銅(I)錯体はエラスターゼの有効な阻害剤である。 本発明の安定な銅(I)錯体は一般に脂質代謝の抑制及び/又は調節において も使用できうる。例えば、高コレステロール血症及び高脂肪血症は一般的、且つ 重大な健康問題であり、これは本発明の安定な銅(I)錯体により処置可能であ る。 高コレステロール血症は、軽度及び重度な銅欠乏症ラット及びその他動物、例 えばヒトにおいて観察されている(Lei,「Plasma Cholesterol Response in Co pper Deficiency,」Role of Copper in Lipid Metabolism,ed.Lei,CRC Pres s、頁1-24,1990)。血清コレステロールレベルにおける評価は肝性の3−ヒド ロキシ−3−メチルグルタリル補酵素Aリダクターゼ(HMG CoAリダクターゼ、E .C.1.1.1.34)の活性及びグルタチオンレベルの上昇に結びついている(Bunce, 「Hypercholesterolemia of Copper Deficiency is Linked to Glutathione Met abolism and Regulation of HMG CoA Reductase,」Nutr,Rev. 51:305-307, 1993;Kim et al.,「Inhibition of Elevated Hepatic Glutathione Abolishes Copper Deficiency Cholesterolemia,」FASEB J. :2467-2471,1992)。 その他の肝性脂質(脂肪酸、トリアシルグリセロール及びリン脂質)の合成及 びレベルにおける類似の上昇が銅欠乏症ラットにおいて観察され(al-Othman et al.,「Copper Deficiency Increases In Vivo Hepatic Synthesis of Fatty Acids,Triacylglycerols,and Phosphol ipids,」Proc.Soc.Exp.Biol.Med. 204(1):97-103,1993)そして銅(II )錯体による処置はインビボでの脂質代謝に関与する肝臓酵素、例えばアセチル CoAシンセターゼの活性を下げることが示されている(Hall et al.,「Hypolipi demic Activity of Tetetrakis-mu-(trimethylamine-boranecarboxylato)-bis (trimethylamine-carboxylborane)-dicopper(II)in Rodents and its Effec t on Lipid Metabolism,」J.Pharm.Sci. 73(7):973-977,1984)。一方、 銅(II)の注射による処置はラットにおける血清コレステロール濃度を高めるこ とが報告されており、おそらくはHMG CoAリダクターゼの活性の上昇によるもの である(Tanaka et al.,「Effect of Cupric Ions on Serum and Liver Choles terol Metabolism」Lipids 22:1016-1019,1987)。従って、銅は脂質レベル の制御における重要な因子でありうるものと信じられている。 アセチルCoAシンセターゼは酢酸塩からのアセチルCoAの形成を触媒する。図4 に示している通り、アセチルCoAは、コレステロール及び脂肪酸の形成又はエネ ルギー生成を主にもたらす多種多様な経路を介して更に代謝されうる。この酵素 を阻害する因子は様々な脂質の生合成に影響を及ぼす。HMG-CoAリダクターゼ( 3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素Aリダクターゼ)は脂質合成系に おいて生化学的に後の方に位置しており、そしてHMG-CoAをメバロニン酸(meval onic acid)に変換せしめ、そしてそれはコレステロール生合成における律連段 階である(図4参照のこと)。本発明の安定な銅(I)化合物は脂質の形成に関 与する一定の重要な酵素を阻害し、それ故脂質調節又は制御剤として働く(脂質 の形成における酵素を阻害するこの安定な銅(I)錯体の活性は実施例12〜13に おいて更に詳しく開示する)。 本発明の安定な銅(I)錯体は細胞におけるシグナル変換の調節剤としても働 きうる。ほとんどの細胞内シグナル過程はキナーゼによる特定のタンパク質の可 逆的ホスホリル化により制御される。ホスファチジルイノシトールの崩壊はジア シルグリセロール及びイノシトール三リン酸の形成をもたらし、その前者はタン パク質キナーゼし(PKC)を活性化するのにカルシウムと相剰的に作用し、細胞 質ゾルから膜に至る酵素の転移をもたらす。PKCによるタンパク質のホスホリル 化は、シグナル変換、細胞制御及び腫瘍促進における中枢的調節因子であると考 えられている。PKCの阻害剤及びその他のタンパク質キナーゼは、腫瘍誘発、ア テローム症及び免疫調節における伝達的なシグナリングを阻止する能力を有する 。 ホスファチジルイノシトールのG−タンパク質関連ホスホリパーゼC崩壊を刺 激する因子の例は、アンジオテンシンII、ブラジキニン、エンドセリン、f-Met- Leu-Phe及びバソプレシンである。これらのタンパク質キナーゼC酵素はホルボ ールエステルの如くの腫瘍プロモーターによっても直接的に活性化される。レセ プター関連チロシンキナーゼの例には、表皮成長因子、神経成長因子及び血小板 由来成長因子が含まれる。細胞質チロシンキナーゼアクチベーターの例には、サ イトカイン、例えばインターロイキン2、インターロイキン3及びインターロイ キン5が含まれる。これらの因子は細胞質チロシンキナーゼを活性化する特定の リンパ球レセプターに結合する。 PKCの作用及びタンパク質チロシンキナーゼ作用を図5に示す。本発明の安定 な銅(I)錯体は、PKC及びタンパク質チロシンキナーゼを含む、細胞内シグナ ル変換に関与する1又は複数の酵素を阻害することによってシグナル変換調節因 子として働く。 上記の症状を処置するために動物に投与する場合には、この安定 な銅(I)錯体はまず1又は数種の適当な担体又は希釈剤と混合して局所、経口 又は非経口服用にとって適当な薬理調製品にする。ところで、かかる希釈剤又は 担体は、この安定な銅(I)錯体と相互作用してその効果を有意に低めてしまう か、又は銅(I)を酸化せしめてしまうものであるべきでない。有効な投与量は 、体重のkg当り約0.01〜100mgの安定な銅(I)錯体の投与量を導入するのが好 ましいであろう。 経口投与のために組成物を封入(例えば、リードゼラチンのコーティングの中 に封入)するための方法は当業界において公知である(例えば、Baker,Richard ,Controlled Release of Biological Active Agents,John Wiley and Sons,1 986を参照のこと)(引用することで本明細書に組入れる)。非経口服用(例え ば、静脈内、皮下内又は筋肉内注射)にとって適当な担体には、滅菌水、生理食 塩水、静菌食塩水(0.9mg/mlのベンジルアルコール含有食塩水)及びリン酸緩 衝食塩水が含まれる。この安定な銅(I)錯体は、生理学的に許容され希釈剤( 例えば食塩水及び滅菌水)を含む液状として局所塗布するか、又は所望の性質、 稠度、粘度及び外観を付与するように追加の成分を含むローション、クリーム又 はゲルとして塗布してよい。かかる追加の成分は当業者にとって周知であり、そ して乳化剤、例えば非イオン性エトキシル化及び非エトキシル化界面活性剤、脂 肪アルコール、脂肪酸、有機もしくは無機塩基、保存剤、蝋エステル、ステロイ ドアルコール、トリグリセリドエステル、リン脂質、例えばレシチン及びセファ リン、多価アルコールエステル、脂肪アルコールエステル、親水性ラノリン誘導 体、親水性ハチ蝋誘導体、炭化水素油、例えばヤシ油、ココナッツ油、鉱油、コ コアバター蝋、シリコン油、pHバランサー及びセルロース誘導体が含まれる。 局所投与は所定量の調製品を所望の箇所、例えば創傷又は炎症箇所に直接塗布 することにより成し遂げられうる。必要な投与量は処置すべき特定の症状、症状 の重度及び処置期間に従って変わるであろう。好ましくは、この安定な銅(I) 錯体をローション、クリーム又はゲルの形態で局所塗布するとき、その調製品は 約1%〜約20%の浸透促進剤を含めうる。浸透促進剤の例にはジメチルスルホキ シド(DMSO)、尿素及びユーカリプトール(eucalyptol)が含まれる。局所服用 にとっての液状調製品の場合、浸透促進剤(例えばDMSO)の濃度はその調製品の 約30%〜約80%を占めうる。 上記の活性に加えて、本発明の安定な銅(I)錯体は育毛剤としての用途も有 する。抜け毛は人間にとって共通の悩みであり、最も一般的なのは「脱毛症」で あり、この場合男性は年齢を経るに従い頭髪を失っていくものである(「男性型 禿頭症」とも呼ばれる)。その他の抜け毛の悩みには、円形脱毛症(AA)、女性 型禿頭症及び二次的脱毛症(例えば化学療法及び/又は放射線処置にかかわる抜 け毛)が含まれる。本発明の安定な銅(I)錯体は上記の特定の悩みを含む全て の抜け毛の悩みにかかわる育毛の刺激において極めて有用である。 毛髪は通常「硬毛」と「軟毛」との2つのタイプに分けられる。硬毛は粗く、 色素入りの毛髪であり、それは真皮内の深くに広がる小胞から発生する。「軟毛 」は一般に薄く、色素のない毛髪であり、より小さく、且つ真皮の表層に位置す る毛胞から成長する。脱毛が進行すると、硬毛から軟毛型の毛髪に至る変化が起 こる。脱毛に寄与するその他の変化は毛髪の育毛サイクルにおける変化である。 毛髪は一般に発育相(活性な毛髪成長)、退行期(過渡期)及び休止期(新たな 成育前に毛幹が隠される休息期)の3サイクルを経る。禿が進行すると、各期に おける毛胞の割合のシフトが起こり、大 半のシフトは発育相から退行期のシフトである。毛胞の大きさは全体の数が比較 的に一定であり続ける際に減少することも知られている。 前述の通り、本発明の安定な銅(I)錯体は温血動物の育毛にとっての刺激剤 としての有用性を有する。本発明の一の態様において、この銅(I)錯体は処置 すべき箇所に、適当なビヒクルと一緒に、0.1mlのビヒクル当り約100〜500マイ クログラムの銅(I)錯体の濃度において皮下内的に投与できうる。これに係る 適当なビヒクルには、食塩水、滅菌水等が含まれる。 別の態様において、この安定な銅(I)錯体は、有効な量の局所用調製品を頭 皮に塗布することにより、液状、ローション、クリーム又はゲルの形態で局所塗 布してよい。育毛速度を刺激するのに足りるあらゆる量が有効であり、そして処 置は育毛指数の向上があるまで繰り返してよい。好ましくは、適切な局所育毛用 調製品は0.1〜約20重量%の安定な銅(I)錯体を含む(この調製品の総重量を 基礎に)。 本発明の局所育毛用調製品は約0.5〜約10%の乳化剤又は界面活性剤を含みう る。非イオン性界面活性剤及びイオン性界面活性剤を本発明の目的のために使用 してよい。適当な非イオン性界面活性剤の例は、ノニルフェノキシポリエトキシ エタノール(Nonoxynol-a)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(Brij-97) 、様々なポリオキシエチレンエーテル(Tritons)、及びエチレンオキシドと様 々な分子量のプロピレンオキシド(例えばPluronic 68)との様々なブロックコ ポリマーである。許容されうる調製品は約1〜約10%の一定のイオン性界面活性 剤を含みうる。これらのイオン性界面活性剤は非イオン性界面活性剤に加えて、 又はその代わりに用いてよい。イオン性界面活性剤の例はラウリル硫酸ナトリウ ム及び類似の化合物 である。 乳化剤又は界面活性剤に加えて、又はその代わりに、本発明の局所育毛用調製 品は約1〜約20%の浸透促進剤を含みうる。浸透促進剤の例はDMSO及び尿素であ る。局所的に塗布すべき液状調製品の場合、浸透促進剤、例えばDMSOの濃度は局 所調製品の約30%〜約80%を占めうる。局所育毛用調製品の残りは、不活性の生 理学的に許容される担体でありうる。適当な担体には、限定することなく、水、 生理食塩水、静菌食塩水(0.9mg/mlのベンジルアルコール含有食塩水)、石油 ベースクリーム(例えばUSP親水性オイントメント及び類似のクリーム、Unibase ,Park-Davis)、様々なタイプの薬理学的に許容されるゲル、並びに短鎖アルコ ール及びグリコール(例えばエチルアルコール及びプロピレングリコール)。 以下は本発明における適切な育毛用調製品の例である: 調製品A: 銅(I)錯体 10.0%(w/w) ヒドロキシエチルセルロース 3.0% プロピレングリコール 20.0% Nonoxynol-9 3.0% ラウリル硫酸ナトリウム 2.0% ベンジルアルコール 2.0% 0.2Nリン酸バッファー 60.0% 調製品B: 銅(I)錯体 10.0%(w/w) Nonoxynol-9 3.0% エチルアルコール 87.0% 調製品C: 銅(I)錯体 5.0%(w/v) エチルアルコール 47.5% イソプロピルアルコール 4.0% プロピレングリコール 20.0% Laoneth-4 1.0% 水 22.5% 調製品D: 銅(I)錯体 5.0%(w/v) 水 95.0% 調製品E: 銅(I)錯体 5.0%(w/v) ヒドロキシプロピルセルロース 2.0% グリセリン 20.0% Nonoxynol-9 3.0% 水 70.7% 調製品F: 銅(I)錯体 1.0%(w/w) Nonoxynol-9 5.0% Unibaseクリーム 94.0% 調製品G: 銅(I)錯体 2.0%(w/w) Nonoxynol-9 3.0% プロピレングリコール 50.0% フタノール 30.0% 水 15.0% 本発明の銅(I)錯体は抗ウィルス剤としての有用性も有し、そしてAIDSウィ ルスの阻害において極めて有効である。ヒト後天性免疫不全症又は「AIDS」は現 状治癒することのできない致命的な病気 である。この病気はヒト免疫不全ウィルス、通称「HIV」として知られるウィル スにより引き起こされるものと信じられている。このウィルスはHIV感染個体よ り、体液の交換を介して伝搬される。HIV感染症は大いていの場合は感染パート ナーとの性的接触により、及び感染個体により事前使用された皮下注射器の静脈 ドラッグ使用者間の共有によりもたらされる。HIV感染妊婦は胎盤伝染により彼 女の胎児に感染を及ぼすことがあり、そしてHIV感染血液は輸血に委ねられる個 体にとっての感染の可能性のある起源である。 HIV感染症は免疫系の抑制を引き起こす。免疫抑制は、健全な免疫系によりバ ランスのとられているはずの様々な日和見感染症及び症状に感染個体をかかり易 いものにしてしまう。破錠された免疫系の結果として、日和見感染症及び症状の 処置に対するAIDS患者の応答性のなさに基づき、死がHIV感染症からもたらされ る。ウィルスは往々にして休止しうるため、HIV感染に由来するAIDSの出現は10 年近くかかりうる。 AIDSの処置のための一の手法は、HIV感染症に由来する日和見感染症又は症状 を標的とする。しかしながら、かかる感染症又は症状の処置は究極的には有効で なく、そして感染個体の寿命は延命するが、基本的なHIV感染症は処置しない。A IDSの処置の第二の手法は病気自体の原因を標的とする。AIDSはウィルス感染症 に由来するため、ウィルスの不活性化は最終的に治癒を司りうる。ウィルスの不 活性化又は阻害の可能な物質を「抗ウィルス剤」と本明細書では呼んでいる。 AIDSの処置における抗ウィルス剤の作用の態様を理解するため、HIV感染症の 過程の理解が必須である。HIVは正常な免疫応答にとって必要なT−ヘルパー細 胞として知られる特定の免疫細胞に慢性的に感染する。このHIV感染T−ヘルパ ー細胞はウィルスに対する 宿主を担い、そしてウィルスの再生を助長する(ウィルス再生の過程は一般に「 複製」と呼ぶ)。HIV感染症を経て、感染宿主細胞は事実上に死に至り、複製し たHIVウィルスは放出され、そしてその感染は別の細胞に伝搬される。このサイ クルは弱まるとなく続き、T−ヘルパー細胞集団を枯渇に至らしめ、そしてある 時期において、免疫系を弱めてAIDS症状を発症させる。T−ヘルパー細胞は身体 から常に生産されているため、これらの細胞の集団は更なるHIV感染を伴うこと なく再樹立されうる。従って、HIV感染の進行(及びその後のAIDSの発症)はウ ィルスの複製の予防又は阻害により抑制することができ、そしてHIVの複製を阻 害又は予防できる抗ウィルス剤はAIDSの処置において有効でろう。 遺伝子レベルにおいて、HIV複製は宿主細胞のゲノムへのウィルス性デオキシ リボ核酸(「DNA」)の挿入を必要とする。宿主細胞のゲノムは細胞自身のDNAよ り成り、そして細胞自身の機能及び増殖にとって必須の物質の合成を司っている 。ウィルスDNAが宿主のゲノムの中に挿入されると、その宿主はHIVの複製を助長 する。挿入したウィルスDNAはウィルスリボ核酸(「RNA」)に由来する酵素生成 物であり、そして酵素の作用はHIV逆転写酵素として知られる。HIV逆転換酵素の 阻害は宿主のゲノムに至る挿入にとって必要なウィルスDNAの形成を妨害する。 ウィルス複製は宿主細胞ゲノムの中のウィルスDNAのなさにより妨げられる。HIV 逆転写酵素を阻害する抗ウィルス剤は従ってAIDSの処置にとっての有能な治療薬 である。 従って、本発明の更なる別の態様において、HIV複製を阻害するための抗ウィ ルス剤、並びにHIV感染患者へのその投与に関する方法を開示する。本発明の抗 ウィルス剤は上記の安定な銅(I)錯体であり、そしてその方法は薬理学的に許 容される担体又は希釈剤と 組合され安定な銅(I)錯体を含む治療的に有効な量の組成物の投与を含む。以 下の理論に拘束されるつもりはないが、本発明の銅(I)錯体は、HIV感染細胞 への銅(I)の輸送を増強し、HIVプロテアーゼを阻害又は不活性化し、それ故H IVの複製を阻害するものと信じられている。本明細書で用いる「HIV」なる語はH IV-1及びHIV-2の如くの様々なウィルスの株を含む。 本発明の安定な銅(I)錯体の投与は、感染動物又は患者(人間の患者を含む )に対する治療的に有効な量の銅(I)錯体の全身投与をもたらすであろう任意 の方法で成し遂げられうる。例えば、かかる投与は注射(筋肉内、静脈内、皮下 )、経口、経鼻、又は座薬服用であってもよい。一般に、本発明の調製品は注射 の様々な形態のための溶液中の安定な銅(I)錯体、又は経口、鼻口もしくは座 薬投与服用のための安定な銅(I)錯体の徐放のために製剤化され、且つ一般に 1又は複数種の不活性な生理学的に許容される担体を含む調製品中の安定な銅( I)錯体を含む。本明細書において用いる「有効な量」なる語は、患者における HIV複製を阻害する安定な銅(I)錯体の量を意味する。適当な投与量は体重のk g当り約0.01〜100mgの安定な銅(I)錯体に範囲しうる。 本発明の安定な銅(I)錯体は公知の技術を利用してHIV複製を阻害するその 能力についてスクリーンできうる。例えば、HIVウィルス複製はBergeronら(J. Virol. 66:5777〜5787,1992)により開示されている細胞障害作用(CPE)を 利用してモニターできうる。本アッセイにおいて、感染の度合いは融合した細胞 膜(「シンシチウム」)の外観によりモニターする。他方、HIVプロテアーゼの 活性に向けられたアッセイを採用してよい。例えば、以下の参考文献に記載のア ッセイ及び技術が採用できうる: Ashorn et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 87: 7472-747 6,1990; Schramm et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun. 179:847-851,1 991; Sham et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun. 175:914-919,1991; an d Roberts et al.,Science 248:358-361,1990。 更に、HIV複製を阻害する本発明の安定な銅(I)錯体の能力は本明細書の以下 の実施例5に開示のアッセイにより決定されうる。 本発明の安定な銅(I)錯体は、HIV複製を阻害するのに加えて、その他のウ ィルス、例えばヒトT−細胞白血病(HTLV)I及び/又はII、ヒトヘルペスウィ ルス、サイトメガロウィルス(CMV)、脳心筋炎ウィルス(ECMV)、エプステイ ン・バー・ウィルス(EBV)、ヒト肝炎ウィルス、バリセラ・ゾスター(Varicel la Zoster)ウィルス、リノウィルス及びルベラウィルスの複製を阻害する。当 業者は、本発明の安定な銅(I)錯体をそれらのウィルスについての阻害活性に ついて容易にアッセイできる。例えば、実施例15は脳心筋炎ウィルス(EMCV)及 びサイトメガロウィルス(CMV)の両者に及ぼす本発明の安定な銅(I)錯体の 阻害作用を示している。 本発明の安定な銅(I)錯体の生物活性に加えて、本発明の多座配位子は遊離 な多座配位子(即ち、銅(I)抜き)として単独で投与したにも生物活性を有す る。かかる生物活性には上記の活性、例えば抗ウィルス活性、並びに胃腸組織損 傷に対する予防剤として活性が含まれる。以下の理論に拘束されるつもりはない が、本発明の多座配位子を遊離配位子として投与したとき、少なくとも部分的に 、インビボにおいて銅(I)を排除して安定な銅(I)錯体をもたらすことによ ってそれらが機能するものと信じられている。 以下の実施例は例示のために示し、何ら限定を意図するつもりはない。 実施例 以下の実施例は本発明の安定な銅(I)錯体の一定の実施態様の調製品及び用 途を例示する。これらの実施例をまとめると以下の通りとなる: 実施例1は1:1及び2:1のモル比でのネオキュプロイン銅(I)の合成を例 示する;実施例2は本発明の代表的な銅(I)錯体のスーパーオキシドジスムタ ーゼ(SOD)-擬似活性を例証する(陽性コントロールとして銅(II)−ペプチド 錯体を使用);実施例3は本発明の代表的な銅(I)錯体の創傷治癒活性を例示 する;実施例4は本発明の代表的な銅(I)錯体の育毛活性を示す;実施例5は 本発明の代表的な銅(I)錯体によるHIV複製の阻害を示す;実施例6はエタノ ール誘発型胃粘膜損傷に対する創傷治癒及び予防の両者についての本発明の代表 的な「遊離」多座配位子の活性を示す;実施例7及び8は、代表的な安定な銅( I)錯体による、シクロオキシゲナーゼ−1及びシクロオキシゲナーゼ−2の阻 害をそれぞれ例示する;実施例9は代表的な安定な銅(I)錯体による5′−リ ポキシゲナーゼの阻害を例示する;実施例10は代表的な安定な銅(I)錯体によ るリューコトリエンC4シンセターゼの阻害を例示する;実施例11は代表的な安 定な銅(I)錯体によるエラスターゼの阻害を例示する;実施例12は代表的な安 定な銅(I)によるアセチル補酵素Aシンセターゼの阻害を例示する;実施例13 は代表的な安定な銅(I)錯体によるHMG-CoAリダクターゼの阻害を例示する; 実施例14は代表的な安定な銅(I)錯体の様々な異性体によるHIV-1活性の阻害 を例示する;実施例15は代表的な安定な銅(I)錯体及び代表的な遊離多座配位 子の抗ウィルス活性を例示する;実施例16は代表的な安定な銅(I)錯体による HIV-1及びHIV-2の阻害を例示する;実施例17は代表的な安定な銅(I)錯体に よるHIV逆転写 酵素の阻害を例示する;そして実施例18及び19は代表的な安定な銅(I)錯体に よるタンパク質キナーゼC及び様々なチロシンキナーゼの阻害をそれぞれ示す。実施例1 銅(I)−ネオキュプロインの合成 以下の性質を有するネオキュプロイン水和物をAldrich Chemical Companyより 入手した:mp161-163℃;1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 8.32(2H,d,J=8 .2),7.85(2H,s),7.60(2H,d,J=8.1),2.79(6H,s),13C NMR(125MHz,DMSO-d6)δ 158.0,144.6,136.1,126.4,125.3,123.1,24.9 。A.ネオキュプロイン銅(I)(1:1) 塩化第一銅(1.98g,20.0mmol)をアセトニトリル(150ml)中のネオキュプ ロイン水和物(4.53g,20.0mmol)の撹拌真空脱気溶液に加えた。この溶液を2 時間撹拌した。得られる懸濁物を沸騰するまで加熱し、次いで濾過した。その濾 液を約100mlの容器に至るまで煮沸した。この溶液をゆっくり冷却し、濃赤色の 針を得た: mp280-284℃(分解限界310-320℃)(Healy et al.,J.Chem.Soc.Dalton Tra ns. 2531,1985);1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 8.74(2H,d,J=8.2) ,8.21(2H,s),7.95(2H,d,J=8.2),2.38(6H,s);13C NMR (125MHz,DMSO-d6)δ 157.6,142.2,137.4,127.1,125.9,125.6,25.1;C1 4 H12ClCuN2についての分析計算値:C,54.73;H,3.94;N,9.12;Cl,11.54 。実測値:C,54.67;H,3.89;N,9.04;Cl,11.40。B.ネオキュプロイン銅(I)(2:1) 無水エタノール(150ml)中のネオキュプロイン水和物(4.53g,20.0mmol) の真空脱気溶液を窒素雰囲気下でカヌーレを介して塩化第一銅(990mg,10.0mmo l)に加えた。得られる明赤色溶液を室温で 2時間撹拌した。この混合物を濾過して少量の不溶性物質を除去し、そしてエバ ポレートにかけて5.64g(100%)の明赤色固体を得た。水性メタノールからの 再結晶化は非常に微細な針をもたらした: mp231-233℃;UV-vis λmax(95%エタノール)207nm(ε=63,750M-1cm-1) ,226nm(ε=76,250),272nm(ε=60,000),454nm(ε=6,750),1H NMR( 500MHz,DMSO-d6)δ 8.75(2H,br,s),8.22(2H,s),7.96(2H, br,s),2.40(6H,s),13C NMR(125MHz,DMSO-d6)δ 157.6,142.2,1 37.3,127.1,125.8,125.6,25.0;C28H24ClCuN4についての分析計算値:C,6 5.24;H,4.69;N,10.87;Cl,6.88;Cu,12.33。実測値:C,65.01;H,4 .73;N,10.75;Cl,6.84;Cu,12.70。実施例2 銅(I)錯体のスーパーオキシドジスムターセ擬似活性 ここにおいて用いている、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性におい て活性を有する化合物を「SOD擬似体」と呼ぶ。本実施例において、本発明の代 表的な銅(I)錯体キサンチンオキシダーゼ/NBT法(Oerly and Spits,Handbo ok of Methods for Oxygen Radical Research ,R.Greenwald(ed.),pp.217- 220,1985; Auclair and Voisin,Handbook of Methods for Oxygen Radical Re search ,R.Greenwald(ed.),pp.123-132,1985を参照のこと)による測定に 従い、SOD擬似活性について評価した。反応体は以下のものを含んだ:100μMの キサンチン、56μMのNBT(ニトロブルーテトラゾリウム)、1単位のカタラー ゼ、50mMのリン酸カリウムバッファー、pH7.8。反応は560nmにおいての約0.025 /minの吸収の上昇を得るのに十分な量での1.7mlの総容量でのキサンチンオキシ ダーゼの添加により開示させた。このキサンチンオキシダーゼは毎日改めて調製 し、そして使用時まで氷上に保存しておいた。 キサンチンオキシダーゼを除く反応の主成分を加え、そして光度計を560nmにお いて0に調整した。反応はキサンチンオキシダーゼの添加により開始した。試薬 は全てSigma Chemical Co.より入手した。 560nmでの吸収の測定を1〜2分の間隔で少なくとも16分間行った。コントロ ールは銅(I)錯体を全く含まない反応体より成る。本実施例において試験した 銅(I)錯体は以下の通りである:バソキュプロインジスルホネート銅(I)( 「BCDS:Cu(I)」);ネオキュプロイン銅(I)(「NC:Cu(I)」);及び2 ,2′−ビキノリン銅(I)(「BQ:Cu(I)」)。陽性コントロールとして、S OD擬似体として知られているペプチド−銅(II)錯体(即ち、グリシル−L−ヒ スチジル−L−リジン:銅(II)又は「GHK:Cu」)を含む反応体も使用した。 一単位のSOD活性はNBTとのコントロール反応を50%阻害するマイクロモルにおけ るサンプル量とする。次いで比活性を、コントロール反応の50%阻害をもたらす のに必要な銅(I)錯体のマイクロモル数と比較することにより得る。その値が 低いほど、その化合物はSOD擬似体としてより活性である。この実験の結果を以 下の表8に紹介する。 実施例3 銅(I)錯体の創傷治癒活性 ラットにおけるステンレススチール創傷チャンバーの皮下移植は開腔創傷の治 癒にとってのモデルを司る。これらのチャンバーの移植は創傷治癒に関与する一 連の段階、即ち、フィブリン擬塊形成、白血球の浸潤、コラーゲンの合成及び新 血管形成を反映する一連の応答を誘発する。 このアッセイはラットの背側中線上へのステンレススチールチャンバー(1× 2.5cmのシリンダー状 312SS、20メッシュ、テフロンエンドキャップ付き)の移 植を含む。チャンバーの埋没のために1週間経過後、各ラット上のチャンバーに 2.7μmolの銅(I)錯体(即ち、BCDS銅(I)1:1又は2:1を含む0.2mlの 食塩水溶液又は銅(I)錯体のない(即ち、コントロール)同容量の食塩水(0. 2ml)を注射した。注射は5,7,9,12,14,16及び19日目に 施した。21日目にチャンバーを取り除いた。 このチャンバーを凍結乾燥し、そして内容物を生化学分析のために取り出した 。検査した生化学的パラメーターには、総乾燥重量、タンパク質含有量、コラー ゲン含有量(即ち、酸加水分解後のヒドロキシプロリン含有量)及びグリコサミ ノグリカン含有量又は「GAG」(即ち、酸加水分解後のウロン酸含有量)が含ま れる。 タンパク質は標準品として牛血清アルブミン(BSA)を用い、Lowry et al.法 (J.Biol.Chem. 193:265-275,1951)により決定した。コラーゲン含有量は 加水分解及びコラーゲンに特異的なアミノ酸であるヒドロキシプロリン(Bergma n et al.,Clin.Chim.Acta 27:347-349,1970)についての比色アッセイに より決定した。グリコサミノグリカン含有量はウロン酸(UA)の量の定量により 決定した。ホモジネートのアリコートを0.5MのNaOHに溶かし、沈殿させ、そし てエタノールで洗い、次いでウロン酸を試薬として2−フェニルフェノールを用 いる比色アッセイにより決定した(Vilim,V.,Biomed.Biochem.Acta. 44(11 /12s):1717−1720,1985)。グルコサミノグリカン含有量はチャンバー当り のウロン酸のμgとして表わす。 この実験の結果を図1に示す。詳しくは、BCDS銅(I)は1:1及び2:1の 両比において、注射を施したチャンバーのグルコサミノグルカン含有量を有意に 刺激せしめた。更に、BCDS銅(I)は両比において、注射を施したチャンバーの コラーゲン含有量を刺激した。コラーゲン及びグリコサミノグリカンは創傷治癒 にかかわる組織再生にとって重要な2つの臨界的細胞外マトリックス成分である 。実施例4 銅(I)錯体による育毛の刺激 以下の実施例は本発明の銅(I)錯体の皮下内注射後の温血動物の育毛刺激を 例示する。 C3Hマウス(生後60日、育毛休止期)の背中を電気クリッパーを用いて1 日目においてきつくクリップを施した。次に表示の銅錯体を含む滅菌食塩水溶液 をそのマウスのクリップを施した領域内の2箇所に皮下内的に注射した(即ち、 皮膚の下に浸潤させた)。2箇所での注射は各マウスのクリップを施した領域内 の2つの試験箇所を司る。各注射(0.1ml)は滅菌食塩水溶液中の表示量の銅( I)錯体(即ち、0.14μmol及び1.4μmolのBCDS銅(I)(1:1)錯体)を含 む。食塩水注射マウス(0.1ml)のグループはコントロールを司る。銅(I)錯 体の注射後、育毛の徴候が10日以内に認められた。第一の目視徴候はその注射部 位を囲む円形領域における皮膚の暗色化にあった。この領域のサイズは一般に投 与量依存性であり、投与量の上昇に従い増大する。この実験において用いた0.1m lの注射は直径約0.5cm2〜5cm2の育毛円をもたらした。活性育毛は注射後14〜20 日で生じ、最大効果は29日目に認められた。注射箇所において育毛のあったマウ スの数及び育毛領域の直径の両方を21日目に測定した。陽性応答を、この研究に おいて注射を施したマウスの総数に比しての、注射部位において育毛を示すマウ スの数として表わす。この実験の結果を以下の表9に示す。 実施例5 銅(I)錯体のHIV複製の阻害 本実施例においては、フィトヘマグルチニン(PHA)刺激末梢血液単核細胞に 及ぼすバソキュプロインジスルホン酸(BCDS)銅(I)(2:1)錯体の阻害作 用を示す。 PHA刺激末梢血液単核細胞(PBMC)を上記の銅(I)錯体の存在下でHIVIIIB により刺激せしめ、そして銅(I)錯体の存在下で2週間培養した。HIV複製の 程度を1及び2週目において、p24抗原捕捉ELISAアッセイによりアッセイした 。より詳しくは、PBMCをPHAにより、24〜72時間にわたり、RPMI−1640、10%の 胎児牛血清及び50μg/mlのゲンタマイシンを含む基礎培地の中で刺激を施し、 次いで250単位/mlのIL−2の存在下で一夜培養した。処理したPBMCを遠心によ ペレット化し、そして適当な希釈率の銅(I)錯体の加えた又は銅(I)錯体の 加えられていない(即ちコントロール)基礎培地の中で0.75×106/mlにまで再 懸濁した。各0.5mlの細胞アリコートに、0.5mlの適当なHIV希釈物を加えた。こ のウィルス−細胞混合物を37℃で2時間、5%のCO2の多湿雰囲気の中でインキ ュベートした。インキュベーション後、PBMCをリン酸緩衝食塩水で2回洗った。 細胞を銅(I)錯体を有する(又は有さない)基礎培地の中に5mlにおいて7× 104細胞/mlに再懸濁した。各細胞アリコートを48穴組織培養プレートの4つの 複製ウェルに分注した。細胞に適切な培地を週2回供給した。 1週及び2週の培養時点において、HIV複製の程度をp24抗原捕捉アッセイキ ット(Coulter Corp.,Hialeah,Florida)によりアッセイした。PBMCを緩衝化 清浄剤で処理してウィルスタンパク質を遊離させた。その細胞抽出物をイムノア ッセイタイタープレートに吸着させ、そして酵素に複合したモノクローナル抗− p24抗体の結合によりp24を検出した。発色基質の添加後、p24の量を吸光学的 に 定量した。 この実験の結果を図2に示す。詳しくは、50μMの濃度のBCDS銅(I)(2: 1)錯体は表示のウィルス希釈率において1週目及び2週目の両方においてHIV 複製を完全に阻害した。更に、5μMの濃度のBCDS銅(I)(2:1)錯体は10-6 のウィルス希釈率において2週目においてHIV複製を完全に阻害した。実施例6 「遊離」多座配位子の活性 本実施例は本発明の遊離多座配位子の活性を示す。ここで用いる「遊離」配位 子は投与前は銅(I)イオンと錯形成していない。A.エタノール誘発型胃粘膜の阻害 幼若Sprague-Dawleyラットをこの実施例において使用した。24時間絶食後、ラ ットを銅(I)−遊離配位子としてのバソキュプロインジスルホン酸(BCDS)に よる様々な投与量(即ち、0.76及び37.6mg/kg体重)での経口付与により処置し た。BCDS処置の1時間後、その動物に1mlの95%のエタノールを経口付与により 与え、胃粘膜の侵食を起こさせた。表10に示している通り、BCDS予備処置は、コ ントロール動物に認められた粘膜損傷に対する投与量依存性予防をもたらした。 B.創傷治癒活性 BCDS配位子を、実施例3に開示のラット創傷チャンバーモデルにおいても調べ た。この実験の結果を表11に示す。 これらの結果は、グルコサミノグリカン合成が遊離BCDS配位子の投与により刺 激されることを示唆している。実施例7 ネオキュプロイン及びBCDS銅(I)錯体(2:1)によるシクロオキシゲナーゼ −1の阻害 シクロキシゲナーゼはアラキドン酸の酸化的代謝によるプロスタグランジン及 びトロンボキサンの形成に関与する(図3参照のこと)。 本実験において、ラットの精襄由来のシクロキシゲナーゼ−1をアラキドン酸 (100μM)と37℃で2分間、0.3から300μMに至るネオキュプロイン銅(I) 又はBCDS銅(I)の濃度でネオキュプロイン銅(I)(2:1)又はBCDS銅(I )(2:1)の存在下又は非存在下でインキュベートした。このアッセイはトリ クロロ酢酸(TCA)の添加により停止させ、そしてシクロオキシゲナーゼ−1活 性は530nmでの吸収を測定することにより決定した(Evans et al.,「Actions o f Cannabis Constituents on Enzymes of Arachidonate Metabolism:Anti-infl ammatory Potential,」Biochem.Pharmacol. 36:2035−2037,1987;Boopat hy and Balasubramanian,「Purification and Characterization of Sheep Pla telet Cyclooxy genase,」Biochem J. 239:371-377,1988)。 ネオキュプロイン銅(I)(2:1)は23μMのIC50でシクロオキシゲナーゼ −1を阻害することがわかった(表12参照のこと)。BCDS銅(I)(2:1) 錯体は300μMの濃度において約44%の阻害を供した。これらの結果は、本発明 の安定な銅(I)錯体が、シクロオキシゲナーゼ−1の阻害を介してのプロスタ グランジン合成の有能な阻害剤であることを実証する。 実施例8 ネオキュプロイン及びBCDS針(I)錯体(2:1)によるシクロオキシゲナーゼ の阻害 プロスタグランジンHシンターゼ−2としても知られるシクロオキシゲナーゼ −2は非エステル化前駆体の酸素化を触媒してプロスタグランジンHを含む環式 エンドペルオキシド誘導体を形成せしめる(図3参照のこと)。 本実験においては、ヒツジの胎盤由来のシクロオキシゲナーゼ−2 80単位/ チューブを1mMのグルタチオン(GSH)、1mMのヒドロキノン、2.5μMのヘモグ ロビン、及びネオキュプロイン銅(I)(2:1)又はBCDS銅(I)(2:1) のいづれかと、ネオキュプ ロイン銅(I)又はBCDS銅(I)の濃度を0.3〜300μMで25℃で1分予備インキ ュベートした。反応はアラキドン酸(100μM)の添加により開始し、そして37 ℃で20分後にTCAの添加により停止させた。沈殿タンパク質の遠心分離後、チオ バルビチュレートを加え、そしてシクロオキシゲナーゼ活性を530nmでの吸収に より決定した(Evans et al.,前掲;Boopathy and Balasubramanian,前掲;O ’Sullivan et al.,「Lipopolysaccharide Induces Prostaglandin H Synthese -2 in Alveolar Macrophages,」Biochem.Biophys.Res.Commun. 187:1123 −1127,1992を参照のこと)。 ネオキュプロイン銅(I)(2:1)は推定25μMのIC50でシクロオキシゲナ ーゼ−2を阻害することが認められ(表13参照のこと)、これはシクロオキシゲ ナーゼ−1についての実施例7の結果と類似する。BCDS銅(I)(2:1)は30 0μMのスクリーニング濃度において約34%の阻害をもたらした。これらの結果 は、本発明の安定な銅(I)錯体がシクロオキシゲナーゼ−2の阻害を介しての プロスタグランジン合成の有能な阻害剤でもあることを示す。 実施例9 ネオキュプロイン及びBCDS銅(I)錯体(2:1)による5−リポ キシゲナーゼの阻害 5−リポキシゲナーゼは好塩球、多形核(PMN)白血球、マクロファージ、マ スト細胞及び任意の炎症応答している器官中の主要リポキシゲナーゼである。図 3に示す通り、5−リポキシゲナーゼの作用はリューコトリエンLTB4及びLTC4の 前駆体である5−HPETE及び5−HETEの形成を招く。 本実験において、5−リポキシゲナーゼアッセイをラット好塩基性白血病細胞 (RBL-1)から調製した粗酵素調製品を用いて行った。0.3から300μMまでの濃 度でのネオキュプロイン銅(I)(2:1)又はBCDS銅(I)(2:1)を5− リポキシゲナーゼと室温で5分予備インキュベートし、そして反応をアラキドン 酸基質の添加により開始させた。室温で8分のインキュベーション後、その反応 をクエン酸の添加により終了させた。5−HETEのレベルは特異的な5−HETE RIA により決定した(Shimuzu et al.,「Enzyme with Dual Lipoxygenase Activiti es Catalyzes Leukotriene A4 Synthesis from Arachidonic Acid,」Proc.Nat l.Acad.Sci.U.S.A.81 :689-693,1984;Egan and Gale,「Inhibition of Ma mmalian5-Lipoxygenase by Aromatic Disulfides,」J.Biol.Chem. 260:115 54-11559,1985)。 BCDS銅(I)(2:1)及びネオキュプロイン銅(I)(2:1)は共に10μ M末端の推定IC50をもつ5−リポキシゲナーゼの阻害剤であることがわかった( 表14参照のこと)。これらの結果は、本発明の安定な銅(I)錯体が好中球5 −リポキシゲナーゼの有能な阻害剤であり、それ故炎症部位での炎症性脂質媒介 因子の蓄積を防ぐことを示す。 実施例10 ネオキュプロイン及びBCDS銅(I)錯体(2:1)によるリューコトリエンC4 シンセターゼの阻害 リューコトリエンC4(LTC4)シンセターゼは、図3に示す通り、C6部位での 還元グルタチオンの添加により、LTA4からLTC4の形成にかかわっている。 本実施例において、LTC4シンセターゼはラット好塩基性白血病細胞(RBL−1 )由来の粗画分として用意した。この粗酵素画分を試験化合物、LTA4メチルエス テル、アルブミン(生成物の安定化のため)及び硼酸セリン(LTC4からLTD4に至 る変換を防ぐため)と37℃で15分インキュベートした。反応は氷冷メタノールの 添加により停止させ、次いでLTC4濃度を特異的RIAにより決定した(Bach et al. ,「Inhibition by Sulfasalazine of LTC4 Synthetase and of Rat Liver Glut athione S-Transferases,」Biochem.Pharmacol. 34:2695−2704,1985;Fi tzpatrick et al.,「Albumin Stabilizes Leukotriene A4,」J.Biol.Chem. 257:4680−4683,1982)。 BCDS銅(I)(2:1)及びネオキュプロイン銅(I)(2:1)は共にそれ ぞれ87及び285μMの推定IC50のLTC4シンセターゼ阻害剤であることがわかった (表15参照のこと)。これらの結果は、この安定な銅(I)錯体が好中球LTC4 シンセターゼの有能な阻害剤であり、それ故炎症部位での炎症性脂質媒介因子の 蓄積を防ぐことを示す。 実施例11 BCD銅(I)(2:1)によるエラスターゼの阻害 エラスターゼによる様々な細胞標的のタンパク質分解は、気腫、リウマチ様関 節炎及び乾鮮を含む数多くの病理学的症状に関与する。 本実験において、ヒト好中球はエラスターゼの起源である。詳しくは、ヒト好 中球エラスターゼを新血から、デキストラン沈降、白血球単離、細胞溶解及びエ ラスターゼ含有サブ細胞顆粒のホモジナ イゼーションを経て粗形態で調製した。BCDS銅(I)(2:1)を酵素及び基質 (メトキシスクシニル−アラニル−アラニル−プロピル−バリン−4−ニトロア ナリド)と25℃で8分インキュベートした。この反応を、その試験管を沸騰水中 に5分間浸すことにより停止させた。タンパク質分解生成物の吸光度分析を410n mで測定した(Baugh and Travis,「Human Leukocyte Granule Elastase,Rapid Isolation and Characterization,」biochemistry 15:836-841,1976)。 BCDS銅(I)(2:1)は12μMの推定IC50でヒト好中球エラスターゼを阻害 することがわかった(表16参照のこと)。これらの結果は、本発明の安定な銅 (I)錯体が好中球エラスターゼの有能な阻害剤であり、それ故炎症部位での正 常組織の崩壊を予防又は抑制することを示す。 実施例12 ネオキュプロイン及びBCDS銅(I)(2:1)によるアセチル補酵素A(CoA) シンセターゼの阻害 本実験において、2種の安定な銅(I)錯体、ネオキュプロイン銅(I)(2 :1)及びBCDS銅(I)(2:1)の、脂質の形成に関与する一定の重要な酵素 を阻害する能力を実証する。 CoAシンセターゼ(酵母)活性はラベル化基質〔3H〕酢酸ナトリウムの利用 によるモニターした(Grayson and WestKaemper,「Stable Analogs of Acyl Ad enylaes,Inhibition of Acetyl and Acyl(acyl-CoA)CoA Synthetase by Aden osine 5′-alkylphosphates,」Life Sci. 43:437-444,1988)。0.1Mの グリシン−NaOH(pH9.0)、ATP及び基質を含む反応バッファーを27℃で5分予備 インキュベートし、次いで2nMの補酵素Aを添加して更に27℃で5分インキュベ ートした。その反応をHClの添加により停止させ、そして残留基質をシンチレー ション計測により決定した。 この実験の結果を表17に示す。BCDS銅(I)(2:1)及びネオキュプロイン 銅(I)(2:1)は共にアセチルCoAシンセターゼ活性を阻害することがわか った。 試験した安定な銅(I)錯体は共に30〜50μMの推定IC50でアセチルCoAシン セターゼを阻害することがわかった。これらの結果は、本発明の安定な銅(I) 錯体が脂質調節(例えば脂肪低下)剤として働きうることを示唆する。実施例13 ネオキュプロイン及びBCDS銅(I)(2:1)によるHMG-CoAリダ クターゼの阻害 本実験において、HMG-CoAリダクターゼをラットの肝臓から単離し、そして〔1 4 C〕HMG-CoA及びネオキュプロイン銅(I)(2:1)又はBCDS銅(I)(2: 1)と37℃で15分インキュベートした。反応をHClの添加により停止させ、そし て〔14C〕MVAをカラム濾過によって安全基質から分離させた(Kubo and Strott ,「Differential Activity of 3-hydroxy-3-methylglutaryl Coenzyme A Reduc tase in Zones of the Adrenal Cortex,」Endocrinology 120:214-221,1987 ;Heller and Gould,「Solubilizaiton and Partial Purification of Hepatic 3-hydroxy-3-methylglutaryl Coenzyme A Reductase,」Biochem.Biophys.Re s.Comm. 50:859-865.1973)。 30μMでの試験は、ネオキュプロイン銅(I)(2:1)及びBCDS銅(I)( 2:1)が共にHMG-CoAリダクターゼ酵素を阻害することを示唆した。この実験 の結果を表18に示す。 試験した安定な銅(I)錯体は共に30μMより高い推定IC50でHMG-CoAリダク ターゼを阻害することがわかった。これらの結果は、本発明の安定な銅(I)錯 体が脂質調節(例えば脂肪低下)剤として働きうることを示唆する。実施例14 BCDS銅(I)(2:1)異性体によるHIV-1活性の阻害 本実施例において示す実験は、種々のBCDS銅(I)(2:1)異性体の抗-HIV 活性に及ぼす効果を実証する。2通りの実験はウィルス複製にとってのマーカー としてのp24抗原捕捉を利用し、一方、2通りの別の実験は感染の経過をモニタ ーするために逆転写酵素活性を利用した。全部で3通りの実験において感染をHI V-1で処理したヒト末梢血液単離細胞(PBIMC)の培養物において実施した。 本実験において採用したBCDS銅(I)の位置異性体を構造式IIe,IIe′及び IIe″と特定し、そして以下に示す: 構造式IIeはパラ−パラ(「PP」)BCDS異性体と呼び、なぜなら両ジスルホン 酸/ナトリウム塩成分がパラ位に位置しているからである。同様にして、構造式 IIe′及びIIe″をここではそれぞれメタ−パラ(「MP」)及びメタ−メタ(「 MM」)BCDS異性体と呼んでいる。更に、PP,MP及びMM BCDS異性体の約5:39: 56のPP:MP: MMの比を有する混合物(ここでは単に「BCDS」と呼ぶ)も試験した。 第一の実験において、2通りの濃度(即ち、10及び25μM)のBCDS,MP−BCDS 及びMM−BCDS銅(I)(2:1)の抗-HIV活性を対比させた。これらの濃度はBC DS銅(I)によるHIV複製の阻害に関して、それぞれ部分的及び完全に有効であ ることが予め決定されている。 HIV複製の阻害を評価するための実施例5に記載のものと同一の方法論を本実 験に採用した。この実験の結果を表19に示す。 第二の実験において、BCDS銅(I)及びPP-BCDS銅(I)の活性を上記のよう にして比較した。この実験の結果を表20に記す。この実験において、p24の濃度 は上記の実験におけるものより低くした。これはこの実験において利用した異な るELISA技術に基づく。p24検出についての標準曲線は300pg/mlで最大であった 。300を超える値は全てp24濃度を推定するのに反応速度外挿を必要とする。か かる外挿は実際のp24の濃度より実質的に低い評価をもたらす。より正確な推定 値を得るため、サンプルの一連の希釈を、読み取り値が標準曲線の中央にくるよ うに行い、そしてp24濃度を得るためのその読み取り値に希釈率を適用した。こ の方法(第一実験において利用した方法;上記の表19参照のこと)は濃度が高い が、希釈誤差に原因する高い評価値をもたらす。にもかかわらず、各実験におけ る一のサンプルとその隣りのサンプルとの比較は試験した安定な銅(I)錯体の 阻害効果を反映する。 第三の実験において、BCDS,PP-BCDS,MP-BCDS及びMM-BCDS銅(I)(2:1 )の抗-HIV活性を、感染マーカーとして逆転写酵素活性を測定することにより同 タイプの培養物(即ち、HIV-1、PMBC)をモニターすることにより決定した。こ の実験にとってのPBMC培養条件は実施例5に記載の通りである。6日間のインキ ュベーション後、細胞抽出物中のHIV-1逆転写酵素の活性を培養物中のウィルス の複製にとってのマーカーとして決定した。PBMC培養物中のHIV-1逆転写酵素の 測定は公知の技術により実施できうる(Chattopadhyay et al.,「Purification and Characterization of Heterodimeric Human Immunodeficiency Virus Type 1(HIV-1)Reverse Transcriptase Produced by an In Vitro Processing of p 66 with Recombinant HIV-1 Protease,」J.Biol.Chem. 267:14227-14232, 1992)。この実験の結果を表21に示す。 第四の実験において、AZTに比してのHIV-1,HIV-2及びSIVの 阻害を、BCDS銅(I)、PP−BCDS銅(I)、MP−BCDS銅(I)及びMM−BCDS銅( I)について決定した。感染力をモニターするために逆転転写酵素アッセイを利 用する上記の実験条件を利用した。この実験の結果を表22に示す。表22に示すデ ーターは表21のそれとは異なる形式で報告していることに注意すべきである。詳 しくは、表22のデーターは計算EC50値を示している。EC50は阻害データー(例え ば表21に示すもの)からの非線形回折により決定し、そして逆転写酵素活性の50 %阻害を成し遂げるのに必要な試験化合物の濃度について外挿している。 実施例15 安定な銅(I)錯体の抗−ウィルス活性 本実施例は、本発明の安定な銅(I)化合物及び遊離配位子が一般の抗ウィル ス活性を有することを例証する。本実験において、BCDS銅(I)及びBCDS単独( 即ち、遊離配位子)をそのネズミウィルス脳心筋炎(EMCV)及びサイトメガロウ ィルス(CMV)を阻害する能力についてアッセイした。EMCVの阻害549細胞(ヒト肺)の培養物にEMCVを24〜48時間かけて、BCDS銅(I)又はB CDS単独のいづれかの存在下で感染せしめた。これらの細胞DMEM(10%のFBS)の 中で使用前3〜4日間にわたり培養した。その培養を次いで除去し、そしてその 細胞を培地中の30〜90%の細胞を殺すように十分な無血清DMEM中のEMCVとインキ ュベートした。試験化合物の存在下(又は非存在下)でのEMCVとの細胞の2〜3 時間のインキュベーション後、完全培地(DMEM+10%のFBS)を加え、そしてそ の細胞を0.0001〜0.0005Mに範囲する濃度の試験化合物の存在下又は非存在下で 1〜2日間インキュベートした。 次にこの培養物の生存率をミトコンドリア機能試験により測定した(Mossman ,J.Immunol.Meth. 65:55−63.1983)。細胞をEMCV感染の死滅から守る試 験化合物の能力を、平行の未感染細胞のミトコンドリア活性と対比させて%保護 として計算した。この実験の結果を表23に示した。 CMVの阻害 正常な二倍体ヒト繊維業細胞を単離し、そしてEarlesバランス塩を含み、且つ 10%の胎児牛血清(FBS)の添加された最少必須培地(MEM)で培養した。サイト メガロスウィルス(CMV)を、BCDS及びBCDS銅(I)(2:1)の存在下又は非 存在下の培養物に加えた。各試 験グループにおいて5つの培養物を採用したが、ただし未感染細胞グループは8 つの培養物を利用した。未感染細胞グループは試験化合物の任意の直接的な細胞 障害作用の非存在下で抗ウィルス活性が得られることを保証するために利用した 。 1週間のインキュベーション後、細胞生存率(即ち、ミトコンドリア機能)を 調べ、そしてウィルスの病理学的作用(CPE)を防ぐこの試験化合物の能力を以 下の式により%保護として計算した: %保護=(Vt−Vv)/(Vu−Vv)×100 (式中、Vtは試験培養物の生存率を表わし、Vvはウィルス単独での培養物の生 存率を表わし、そしてVuは未感染細胞の生存率で表わす)。 この実験の結果を表24に示す。この試験化合物で処理した未感染細胞に対する 細胞障害作用は認められなかった。 実施例16 安定な銅(I)錯体によるHIV-1及びHIV-2プロテアーゼの阻害 本実施例はHIV-1及びHIV-2プロテアーゼを阻害する本発明の安定な銅(I) 錯体の能力を例示する。HIV-1プロテアーゼ125I-SPAアッセイ 本実験においては、SPAビーズ(シンチレーション近傍アッセイをHIV-1プロ テアーゼについてのアッセイのためにペプチド基質に 複合させた。この基質は以下の配列を有するに残基のペプチドとした: AcN-Tyr-Arg-Ala-Arg-Val-Phe-Phe-Val-Arg-Ala-Ala-Lys-COOH このペプチドを末端ケロシン残基上でモノヨウ素化し、末端リジン上のε−ア ミノ基を介してビオチニル化し、そしてストレプトアビジン結合を介してSPAビ ーズに連結した。 HIV-1プロテアーゼはペプチド基質をPhe-Phe結合において解裂させ、ビーズ から125I−フラグメントを遊離させる。ペプチドは解裂すると、SPAビーズの発 光をもはや刺激できず、従ってシグナルは減退する。減退率はHIV-1プロテアー ゼの活性に比例する。反応速度及びアッセイ試験用のアフィニティー精製した組 換HIV-1プロテアーゼをこの実験において用いた。 2タイプのコントロールをこのアッセイで実施し、一方は試験化合物(即ち、 BCDS銅(I)(2:1))による可能な発光消失について試験するための酵素抜 きのものであり、そして他方はアセチルペプスタチンを伴う陽性コントロールで ある。このアッセイにおいて用いたものよりも10倍の濃度において、BCDS銅(I )(2:1)の存在下で消失は検出されなかった。 この実験の結果を表25に示す。示しているデーターは、酵素抜きのコントロー ル反応に対する%阻害の平均±SDである。上記の通り、IC50投与量阻害線が50% 阻害線と交差する点から推定した。このHIV-1プロテアーゼアッセイによる推定 IC50は11μMであった。 HIV-2プロテアーゼ125I-SPAアッセイ 上記の実験のように、SPAビーズをHIV-2プロテアーゼについてのアッセイの ためにペプチド基質に複合させた。この基質は上記の12残基ペプチドとし、そし て末端チロシン残基上でモノヨウ素化し、末端リジン基上でε−アミノ基を介し てビオチニル化し、そしてストレプトアビジン結合を介してSPAビーズに連結し た。 HIV-2プロテアーゼはペプチド基質をPhe-Phe結合において解裂し、ビーズか ら125I−フラグメントを遊離させる。ペプチドは解裂すると、もはやSPAビーズ における発光を刺激できず、従ってシグナルは減退する。減退の速度はHIV-2プ ロテアーゼの活性に比例する。反応速度及びアッセイ試験用のアフィニティー精 製した組換HIV-2プロテアーゼをこの実験において用いた。HIV-2プロテアーゼ はHIV-1プロテアーゼと約50%の配列相同性を有し、そしてシミアン免疫不全ウ ィルス(SIV)プロテアーゼに類似する。 ここでも2タイプのコントロールアッセイを流し、一方は酵素抜き、そして他 方は陽性コントロールとしてアセチルペプスタチンを用いた。 この実験の結果を表26に示す。紹介のデーターは酵素抜きのコントロール反応 に対する%阻害の平均±SDである。IC50は、投与量阻害線が50%阻害線と交差す る点から推定した。このHIV-2プロテアーゼアッセイによる推定IC50は10μMで あった。 実施例17 安定な銅(I)錯体によるHIV逆転写酵素の阻害 本実施例は本発明の安定な銅(I)錯体、BCDS銅(I)(2:1)のHIV逆転 写酵素活性を阻害する能力を例証する。 上記の実施例16において示している通り、SPA(シンチレーション近傍アッセ イ)ビーズを逆転写酵素活性についてアッセイするために用いた。この逆転写酵 素(10μl)を3H−デオキシリボヌクレオチド(10μl)、ビオチンに連結さ せたDNAプライマー(10μl)及びRNA鋳型とインキュベートした。37℃で20分の インキュベーション後、その反応を停止させ、そしてラベルした生成物を、ビオ チン連結DNAプライマーに結合するストレプトアビジンに複合せしめてあるSPAビ ーズの添加により回収した。 反応の程度をシンチレーション計測により決定した。上昇する濃度のBCDS銅( I)(2:1)を加え、そして反応の程度を上記の方法により改定した。 この実験の結果を表27に示す。このデーターは、試験化合物抜きのコントロー ル反応に対する%阻害の平均ISDを示す。IC50は投与量阻害線が50%の阻害線と 交差する点から推定した。推定IC50は11μMであった。 実施例18 安定な銅(I)錯体によるタンパク質キナーゼCの阻害 本実施例は代表的な安定な銅(I)錯体、BCDS銅(I)(2:1)及びネオキ ュプロイン銅(I)(2:1)の細胞内シグナル変換に関与する酵素を阻害する 能力を例示する。この実験において試験した酵素は様々なタンパク質キナーゼC 異性酵素(並びに成長因子及びサイトカインに特異的なタンパク質チロシンキナ ーゼ)とした。タンパク質キナーゼC(非選択)アッセイ 本実験においては、この反応混合物の20mMのトリス-HCl,pH7.4,〔34p〕-AT P、ホスファチジルセリン、ラット脳由来の部分精製PKC及び試験化合物のいづれ かを含む(Hunnun,et al.「Activation of Protein Kinase C by Triton X-10 0 Mixed Micelles Containing Diacylglycerol and Phosphatidylserine,」J. Boil.Chem. 260:10039-10043,1985;Jeng,et al.,「Purification of Stab le Protein Kinase C from Mouse Brain Cytosol by Specific Ligand Elution Using Fast protein Liquid Chromatography,」Cancer.Res. 46:1966−1971 ,1986)。10分のインキュベーション後、25μlのアリコートを取り出し、ホス ホセルロース紙に点着し、冷リン酸で3回洗い、乾かし、そしてホスホリル化生 成物を決定するために計測した。この実験の結果を表28に示す。 タンパク質キナーゼCαアッセイ タンパク質キナーゼCαは主要タンパク質キナーゼC異性体の一つである。タ ンパク質キナーゼCは多種多様な成長因子、ホルモンの作用及び神経伝達作用を 媒介するセリン/スレオニンタンパク質キナーゼファミリーである。 本実験においては、タンパク質キナーゼCαを公開手順(3)の改良法を利用 してラットの脳から均質となるまで精製した。単離したPKCαの純度はSDS/ポリ アクリルアミドゲル電気泳動及び異性体−特異的状態により確認した。この酵素 を試験化合物と予備インキュベートし、そしてこの活性を、カルシウム、ホスフ ァチジルセリン、ジオレイン及び〔32P〕ATPの非存在下及び存在下でその酵素 がヒストンH1をホスホリル化する能力により測定した。5分のインキュベーシ ョン後、その反応を酢酸の添加により停止させ、50μlのアリコートを取り出し 、ホスホセルロース紙上に点着し、水 で3回洗い、乾かし、そしてホスホリル化生成物を決定するために計測した。表 29に示すデーターはこの安定な銅(I)錯体の添加がタンパク質キナーゼCαの 活性を阻害することを示した。 タンパク質キナーゼCβアッセイ タンパク質キナーゼCβは別の主要タンパク質キナーゼC異性体である。タン パク質キナーゼCは多種多様な成長因子、ホルモンの作用、及び神経伝達体の作 用を媒介するセリン/スレオニンタンパク質キナーゼのファミリーである。 この実験においては、タンパク質キナーゼCβ(これはβI及びβII形態を含 む)を公開プロトコールの改良法を利用してラットの脳から均質となるまで精製 した(Woodgett and Hunter,「Isolation and Characterization of Two Disti nct Forms of Protein Kinase C,」J.Biol.Chem. 262:4836−4848,1987) 。単離したKPCαの純度はSDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動及び異性体特異 的抗体により確認した。この酵素を試験化合物と予備インキュベ ートし、そしてこの活性を、カルシウム、ホスファチジルセリン、ジオレイン及 び〔32P〕ATPの非存在下及び存在下でその酵素がヒストンH1をホスホリル化 する能力により測定した。5分のインキュベーション後、その反応を酢酸の添加 により停止させ、50μlのアリコートを取り出し、ホスホセルロース紙上に点着 し、水で3回洗い、乾かし、そしてホスホリル化生成物を決定するために計測し た。 表30に示すデーターは、安定な銅(I)錯体の添加がタンパク質キナーゼCβ の活性を阻害することを示した。 タンパク質キナーゼCγアッセイ タンパク質キナーゼCγは別の主要タンパク質キナーゼC異性体である。タン パク質キナーゼCは多種多様な成長因子、ホルモンの作用及び神経伝達作用を媒 介するセリン/スレオニンタンパク質キナーゼファミリーである。 本実験においては、タンパク質キナーゼCγはバキュロウィルス 組換ウサギ脳タンパク質キナーゼCγ異性体を発現する昆虫細胞から精製した。 この酵素を試験化合物と予備インキュベートし、そしてこの活性を、カルシウム 、ホスファチジルセリン、ジオレイン及び〔32P〕ATPの非存在下及び存在下で その酵素がヒストンH1をホスホリル化する能力により測定した。5分のインキ ュベーション後、その反応を酢酸の添加により停止させ、50μlのアリコートを 取り出し、ホスホセルロース紙上に点着し、水で3回洗い、乾かし、そしてホス ホリル化生成物を決定するために計測した。 表31に示すデーターは、安定な銅(I)錯体の添加がタンパク質キナーゼCγ の活性を阻害することを示す。 表28〜31におけるデーターを各酵素の50%阻害投与量(IC50)を決定するため に用いた。このデーターを以下の表32に示す。これらの結果は、本発明の安定な 銅(I)錯体がタンパク質キナーゼCの有能な阻害剤であることを示す。 実施例19 安定な銅(I)錯体によるタンパク質チロシンキナーゼの阻害 本実施例は代表的な安定な銅(I)錯体、BCDS銅(I)(2:1)及びネオキ ュプロイン銅(I)(2:1)の細胞内シグナル変換に関与する酵素を阻害する 能力を例示する。この実験において試験した酵素は成長因子及びサイトカインに 特異的なタンパク質チロシンキナーゼである。表皮成長因子(EGF)レセプターチロシンキナーゼ(ヒト組換体)アッセイ EGFレセプターに対するEGFはTFG-α(形質転換成長因子α)の結合はこのレセ プターのチロシンキナーゼ部の活性化をもたらす。このキナーゼはいくつかの細 胞質ゾルタンパク質をホスホリル化し、このことは細胞の有糸分裂を、そしてあ る場合においては細胞の形質転換を事実上招く細胞内シグナル経路の誘引をもた らす。EGFチロシンキナーゼの阻害は悪性細胞にとっての化学療法のために有用 である。 この実験において、ヒト表皮成長因子チロシンキナーゼドメインの組換形態を アッセイした(Geissler et al.,「Thiazolidine-Dio nes: Biochemical and Biological Activity of a Novel Class of Tyrosine Pr otein Kinase Inhibitors,」J.Boil.Chem. 165:22255-22261,1990; Wedeg artner and Gill,「Activation of the Purified Protein Kinase Domain of t he Epidermal Growth Factor Receptor,」J.Biol.Chem. 264:11346-11353 ,1989; Yaish et al.,「Blocking of EGF-dependent Cell Proliferation by EGF-Receptor Kinase Inhibitors,」Science 242:933-935,1988)。 キナーゼアッセイは基質として固定化合成ポリペプチドを採用することにより 69KDのキナーゼドメインの活性を測定する。10分の反応後、ホスホリル化チロシ ン残基をモノクローナル抗−ホスホチロシン抗体とインキュベートすることによ り検出した。結合抗−ホスホチロシン抗体は、ビオチン連結抗−マウスIgG、次 いでストレプトアビジン連結β−ガラクトシダーゼ酵素とインキュベートするこ とにより定量した。フルオロセイン−ジ−β−ガラクトシドからフルオロセイン に至る変換に由来する蛍光を測定した。この実験の結果を表33に示す。 p56Ickチロシンキナーゼアッセイ Ickチロシンキナーゼは細胞質チロシンキナーゼのsrcファミリーの構成員であ る。これはT−リンパ球及びNK細胞の中でのみ発現される。このp56Ickチロシ ンキナーゼ56kDのタンパク質であり、これはこれらの細胞の細胞質膜の細胞質側 に結合していることがわかっている。これはT−リンパ球の活性化をもたらすIL −2シグナルの伝達を司る。特異的なIL−2レセプターに対するIL−2の結合は p56Ickチロシンキナーゼの活性化を招く。更に、p56Ickチロシンキナーゼは抗 原活性化CD4及びCD8T−細胞レセプターにとってのシグナル変換において機能 することが見い出されている。 この実験においては、p56Ickチロシンキナーゼを牛の脳腺から精製した。キ ナーゼアッセイは基質として固定化合成ポリペプチドを利用することにより69kD のキナーゼドメインの活性を測定する。この試験化合物を酵素と15分間予備イン キュベートした。100μMのATPとの10分間の反応後、ホスホリル化チロシン残基 をモノクローナル抗−ホスホチロシン抗体とのインキュベーションにより検出す る。結合した抗−ホスホチロシン抗体をビオチン−連結抗−マウスIgG、次いで ストレプトアビジン連結β−ガラクトシダーゼ酵素とのインキュベーションによ り定量した。フルオロセイン−ジ−β−ガラクトシドからフルオロセインに至る 変換に由来する蛍光を測定した(Hatekeyama,et al.,「Interaction of the I L-2 Receptor with the sec-Family Kinase p56Ick:Identification of Novel Intermolecular Association,」Science 252:1523−1528,1991; Caron et al.,「Structural Requirements for Enhancement of T-cell Responsiveness by the Lymphocyte Specific Tyrosine Protein Kinase p56Ick,」Mol.Cell Biol. 12: 2720−2729,1992; Cheng et al.,「A Syntheric Peptide Derive d from p34cdc2 is a Specific and Efficient Substrate of src-Family Tyrosine Kin ases.」J.Biol.Chem. 267:2948−9256,1992)。 BCDS銅(I)及びネオキュプロイン銅(I)錯体は共にキナーゼ活性の有能な 阻害剤であることがわかった。この実験の結果を表34に示す。 p59fynチロシンキナーゼ活性 fynチロシンキナーゼも非レセプター連結細胞質チロシンキナーゼのsrcファミ リーの構成員である。p59fynチロシンキナーゼはT−細胞レセプター(TCR)を 介するシグナル変換の媒介を司る。このレセプターはリンホカイン分泌及び細胞 増殖にもたらすシグナルカスケードを司る。p59fynチロシンキナーゼはB−細 胞レセプターに結合するいくつかのキナーゼの一つでもある。 この実験においては、p59fynチロシンキナーゼを牛の胸腺から精製した。キ ナーゼアッセイは基質として固定化合成ポリペプチド を利用することにより69kDのキナーゼドメインの活性を測定する。この試験化合 物を酵素と15分間予備インキュベートした。100μMのATPとの10分間の反応後、 ホスホリル化チロシン残基をモノクローナル抗−ホスホチロシン抗体とのインキ ュベーションにより検出する。結合した抗−ホスホチロシン抗体をビオチン−連 結抗−マウスIgG、次いでストレプトアビジン連結β−ガラクトシダーゼ酵素と のインキュベーションにより定量した。フルオロセイン−ジ−β−ガラクトシド からフルオロセインに至る変換に由来する蛍光を測定した(Cooke et al.,「Re gulation of T-cell Receptor Signaling by a src Family Protein Tyrosine K inase p59fyn,」Cell 65: 281-291,1991; Grassman et al,「Protein Tyro sine Kinase p59fyn is Associated with the T-cell Receptor CD3 Complex i n Functional Human Lymphocytes,」Eur.J.Immunol. 22: 283-286,1992; A ppleby et al.,「Defective T-cell Receptor Signaling in Mice Lacking the Thymic Isoform of p59fyn,」Cell 70: 751-763,1992)。BCDS銅(I)及 びネオキュプロイン銅(I)錯体は共にキナーゼ活性の有能な阻害剤であること がわかった。この実験の結果を表35に示す。 表33〜35におけるデーターを、試験した各タンパク質チロシンキナーゼの50% 阻害投与量(IC50)を決定するために用いた。このデーターを表36に示す。これ らの結果は、本発明の安定な銅(I)錯体がこのクラスのチロシンキナーゼの有 能な阻害剤であることを示す。 本発明を例示の目的で説明してきたが、様々な改良を本発明の範囲を逸脱する ことなく施すことができることが理解されるであろう。従って、本発明の範囲は 請求の範囲以外に限定されることはない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 31/415 ADJ 9454−4C A61K 31/415 ADJ 31/42 9454−4C 31/42 31/425 9454−4C 31/425 31/44 9454−4C 31/44 31/495 9454−4C 31/495 31/50 9454−4C 31/50 31/505 9454−4C 31/505 C07D 401/14 241 9159−4C C07D 401/14 241 471/04 112 9283−4C 471/04 112Z 487/04 136 9271−4C 487/04 136 137 9271−4C 137 138 9271−4C 138 487/14 9271−4C 487/14 491/048 9271−4C 491/048 493/04 101 9165−4C 493/04 101A 106 9165−4C 106C 495/04 101 9165−4C 495/04 101 495/14 9165−4C 495/14 D 497/04 9165−4C 497/04 498/04 101 8415−4C 498/04 101 513/04 311 8415−4C 513/04 311 C12N 9/99 9152−4B C12N 9/99 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KG,KP,K R,KZ,LK,LV,MD,MG,MN,MW,NO ,NZ,PL,RO,RU,SD,SI,SK,TJ, TT,UA,UZ,VN (72)発明者 ブランカ,アンドリュー アメリカ合衆国,ワシントン 98275,ム キルテオ,ゴート トレイル ループ ロ ード 1656 (72)発明者 マーシュナー,トーマス エム. アメリカ合衆国,ワシントン 98105,シ アトル,ノース イースト フォーティー エイス ストリート 2310,アパートメン ト 733 (72)発明者 パット,レオナード エム. アメリカ合衆国,ワシントン 98125,シ アトル,フォーティース アベニュ ノー ス イースト 12016

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.活性治療物質としての安定な銅(I)錯体の利用。 2.薬理学的に許容される担体又は希釈剤と組合せた安定な銅(I)錯体を含 んで成る組成物。 3.前記安定な銅(I)錯体が(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1 ,10−フェナントロリンジスルホン酸ニナトリウム塩)銅(I)(2:1)であ る、請求項2記載の組成物。 4.前記安定な銅(I)錯体が(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1 ,10−フェナントロリンジスルホン酸ニナトリウム塩)銅(I)の単独の異性体 (2:1)である、請求項3記載の組成物。 5.前記安定な銅(I)錯体が(2,9−ジメチル−1,10−フェニル−1, 10−フェナントロリン)銅(I)(2:1)である、請求項2記載の組成物。 6.温血動物における創傷治癒力を高めるための方法であって、この動物に有 効な量の安定な銅(I)錯体を投与することを含んで成る方法。 7.反応性酸素物質に関係する酸化的又は炎症性損傷に対する温血動物の抵抗 力を強める又は回復させる方法であって、この動物に有効な量の安定な銅(I) 錯体を投与することを含んで成る方法。 8.温血動物における炎症を処置するための方法であって、この動物に有効な 量の安定な銅(I)錯体を投与することを含んで成る方法。 9.温血動物における脂質代謝を調節するための方法であって、この動物に有 効な量の安定な銅(I)錯体を投与することを含んで成る方法。 10.温血動物における育毛を剌激するための方法であって、この動物に有効な 量の安定な銅(I)錯体を投与することを含んで成る方法。 11.温血動物におけるシグナル変換を調節するための方法であって、この動物 に有効な量の安定な銅(I)錯体を投与することを含んで成る方法。 12.温血動物におけるタンパク質キナーゼCを阻害するための方法であって、 この動物に有効な量の安定な銅(I)錯体を投与することを含んで成る方法。 13.温血動物におけるタンパク質チロシンキナーゼを阻害するための方法であ って、この動物に有効な量の安定な銅(I)錯体を投与することを含んで成る方 法。 14.温血動物におけるウィルス複製を阻害するための方法であって、この動物 に有効な量の安定な銅(I)錯体を投与することを含んで成る方法。 15.前記ウィルスが、ヒトT−細胞白血病I及び/又はII,ヒトヘルペスウィ ルス、サイトメガロウィルス、脳心筋炎ウィルス、エプステイン・バー・ウィル ス、ヒト肝炎ウィルス、バリセラ・ゾスター・ウィルス、リノウィルス並びにル ベラウィルスより成る群から選ばれる、請求項14記載の方法。 16.前記ウィルスがヒト免疫栓ウィルスである、請求項14記載の方法。
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