JPH08512342A - 金属でカプセル化された固体潤滑剤被覆系 - Google Patents

金属でカプセル化された固体潤滑剤被覆系

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JPH08512342A JP7503882A JP50388295A JPH08512342A JP H08512342 A JPH08512342 A JP H08512342A JP 7503882 A JP7503882 A JP 7503882A JP 50388295 A JP50388295 A JP 50388295A JP H08512342 A JPH08512342 A JP H08512342A
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ナゲスウォー ラオ,ブイ.ダーガ
アラン ローズ,ロバート
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フォード モーター カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 少なくとも黒鉛とMoS2と(他にBnとNaFとLiFとCaF2とWS2とを含んでもよい)からなる固体潤滑剤粒子のコアと、このコアをカプセル化する薄い軟質金属シェル(Ni,Co,Fe,Zn,Sn,MgまたはCu)とを含む粒体を有する熱スプレー可能な粉末。コア粒子のいくつかは、SiCと、NiCrAlと、FeMnと、FeCrAlと、FeWNiVCrと、NiCrMoVWと、FeCrMoWVと、CoFeNiCrMoWVと、NiCrMoVと、CoMoCrVWとからなる群の硬性耐摩耗性粒子であってもよい。高温かつ湿潤滑の作用を受ける金属摩耗界面に対する固体潤滑剤被覆系であって、(a)少なくとも黒鉛とMoS2とを有する油を引付ける固体潤滑剤混合物の粒子と、(b)この粒子をカプセル化し、共に溶融されて前記金属界面に融着される被覆を構成する粒子のネットワークを形成するための軟質金属シェルとを有し、この被覆は少なくとも2〜10容積%の気孔率を有するシステム。滑り摩耗を受ける金属面に、耐摩擦被覆を形成する方法であって、少なくとも黒鉛およびMoS2の固体潤滑剤のコアと、溶融可能な軟質金属製の薄いシェルとを事実上含む粒体の粉末を形成し、この粉末を軽質金属面上にプラズマスプレーして被覆を形成し、この被覆を約25〜175ミクロンの均一な厚さに、平滑化仕上げする方法。1または複数の耐摩擦被覆されたシリンダ内壁を有するエンジンブロックであって、このシリンダ内壁に溶融された粒体の被覆を備え、この粒体は軟質金属シェル内にカプセル化された固体潤滑剤微粒子を有し、このシェルは、共に溶融されて所定の気孔率のネットワークを形成し、この固体潤滑剤は少なくとも黒鉛とMoS2とを含み、更に、前記被覆の気孔内に保持された潤滑液体油を備えるエンジンブロック。

Description

【発明の詳細な説明】 金属でカプセル化された固体潤滑剤被覆系 発明の背景 技術分野 本発明は流体潤滑された金属摩耗界面または接触の技術、特に、完全なまたは 部分的な流体潤滑で作用しつつ、高温において高い擦過(スクレーピング)単位 荷重または支持単位荷重に耐えるように修正されたこの界面に対する耐摩擦固体 フィルム潤滑剤の使用に関する。先行技術の説明 軸受用の所定の固体フィルム潤滑剤の有用性が数年前から知られている。米国 特許明細書第1654509(1927)号明細書は厚い被覆を形成するための 、金属結合材(すなわち、鉄、アルミニウム、青銅、錫、鉛、バビットまたは銅 )で捕捉されるかまたは被覆された粉末黒鉛の使用を開示し、全ての金属は黒鉛 を埋設するために、溶融またはアークスプレーで少なくとも熱可塑性状態に加熱 される。被覆は限定された減摩擦特性を提供する。不幸にも、(i)黒鉛は金属 の大きな摩耗以外で露出されず、したがって、非常に低い摩擦を実現しない、( ii)金属は黒鉛を捕捉または埋設する前は溶融状態にあり、熱効果および歪み を生じさせ、(iii)金属の酸化物は主潤滑剤として作用する。先行技術によ れば、米国特許第5080056号明細書に開示されているように、アルミニウ ム青銅を固体フィルム潤滑剤としてエンジンのシリンダ孔面(ボア面)に(酸素 燃料で)熱スプレーする利点も認識されている。高温でのこの被覆の潤滑特性は 、(i)通常、鋳鉄、モリブデン被覆された鋳鉄、または電気メッキされた硬質 クロムを含むピストンリング材料との適合性を欠如しているために、さらに(i i)酸素燃料による材料の熱スプレーは、非常に大きな熱入力があるため、熱を 急速に分散してその被覆された部分の歪みを防止するための精密な部材仕上げ加 工を必要とし、満足できない。 本発明者のうちの或る者は、高温で使用可能であるが、金属ではなくセラミッ クとの面接触のために設計され、一般的に液体不存在下での低荷重応用例におけ る所定の固体潤滑剤を先に開示している。開示された或る固体潤滑剤は、ニッケ ルとクロム合金とからなるシール支持体上にかなりの量が広げられた高粘性の熱 可塑性ポリマー結合材中に黒鉛と窒化硼素とを含んでいる。この組成は、作動温 度または作動温度以上でおよび乾燥作動状態においてのみ作用しつつ、荷重が作 用する表面で軟化させる硬質被覆を提供するように設計されている。熱可塑性ポ リマーをベース(基材)とする組成物は、シリンダボアのような荷重を受けるエ ンジン部品の要求を満たすには満足できない。かかるエンジン部品は、単位荷重 が非常に高く(ほぼ500psi(約35kg/cm2))、表面温度が高く、 スクレーピングを起すからである。開示されている他の固体潤滑剤は、ニッケル 、銅またはコバルト結合材のハロゲン塩またはMoS2(組合わせとしてではな く)であり、組成物は、乾燥状態でセラミック(主に、リチウムアルミニウムシ リケートおよびマグネシウムアルミニウムシリケート)に対して働くように設計 され、したがって、正しいマトリックスも使用されず固体潤滑剤の正しい組合わ せも使用されなかったために、該被覆は、それを調整しないかぎり、内燃シリン ダ内壁に対し安定かつ耐久性のある耐摩擦被覆を付与するには有効ではない。形 成物が、該組成物中の金属の部分的酸化により、セラミックに適合する酸化物( たとえば、銅酸化物またはニッケル酸化物)を作るように設計された点は特に重 要である。これらのシステムは300〜500ミクロンの摩耗を許容するように 設計されている。シリンダボアへの適用では、5〜10ミクロンの摩耗しか許さ れない。 本発明の目的は、内燃エンジンの軽金属(たとえば、シリコン、亜鉛または銅 等と、アルミニウム、マグネシウムまたはチタンのいずれかとの合金)シリンダ 孔面(ボア面)を被覆するためのプラズマスプレー可能な粉末を提供することで あり、この粉末は所定の選択された固体潤滑剤粒子(CaF2、MoS2、LiF )をカプセル化する軟質金属を有し、選択的に、軟質金属でカプセル化される硬 質の耐摩耗性粒子を有する。カプセル化は軽金属孔面に対する改善された溶融を 促進し、粒子間での溶融金属のレース状のネットワーク(網状体)を促進する。 他の目的は、(通常のまたは改善されたピストンリングに作用する荷重に首尾 よく耐えながら)油潤滑が不足しているときにまたは油が過剰な場合に、700 °Fより高い温度における(特に、シリンダ内壁に沿う)高温使用に対する摩擦 を経済的に減少する被覆組成物を提供することである。 本発明の他の目的は、より大きな粉末粒体径で優れた密着性と正確な付着を達 成しつつ、それほどエネルギーを必要としないプラズマスプレー法でシリンダボ ア壁の狭い領域または選択された領域で迅速に被覆を施して、被覆されたシリン ダ壁を形成する低コストの方法を提供することであり、この方法はシリンダボア 表面の粗加工と仕上げ加工をそれほど必要としない。 更に他の目的は、(i)ガソリン駆動車両の燃費を2〜4%向上させながら、 ピストン装置の摩擦の減少とピストンのブローバイの減少とを達成し、(ii) 炭化水素の放出を減少させ、(iii)中間速度(すなわち、1000〜300 0rpm)において広スロットル開度状態でエンジン振動を少なくとも20%減 少させる、エンジン用の被覆されたアルミニウム合金シリンダ壁製品を提供する ことである。 発明の概要 第1の観点によれば、本発明は(a)少なくとも黒鉛とMoS2とを含む固体 潤滑剤粒子のコア(芯材)と、(b)このコアをカプセル化する薄い軟質金属シ ェル(殻)とを有する粉末粒体を有する熱スプレー可能な粉末である。追加の粉 末粒体は、六方晶BNと、LiFと、CaF2と、WS2と、LiF/CaF2ま たはLiF/NaF2の共晶混合物とからなる群の他の固体潤滑剤を含んでもよ く、追加の粉末粒子はSiCと、NiCrAlと、FeWNiVCr、NiCr MoVW,DeCrMoWV、CoFeNiCrMoWV、NiCrMoVおよ びCoMoCrVWのような金属間化合物(レーブ相(lave phase)として知られ ている)とからなる群から選択された硬質の耐摩耗性粒子を含んでもよい。 他の観点によれば、本発明は、高温および湿式潤滑の作用を受ける金属摩耗界 面に対する固体潤滑剤被覆系であって、(a)少なくとも黒鉛とMoS2とを含 む油吸引固体潤滑剤の粒子と、(b)この粒子をカプセル化し、共に溶融して金 属界面に付着する被覆を構成する粒体ネットワーク(網状体)を形成するための 軟質金属シェルとを含み、この被覆は少なくとも2〜10容積%の気孔率を有す る。この被覆は40〜250ミクロンの範囲の付着厚さを有し、約25〜175 ミクロンの厚さにホーニング(研磨)仕上げされるのが好ましい。 さらに他の観点によれば、本発明は、滑り摩耗を受ける金属面上に耐摩擦被覆 を形成する方法であって、(a)黒鉛およびMoS2の固体潤滑剤のコアと、溶 融可能な軟質金属製の薄いシェルとを事実上含む粒体を有するカプセル化された 粉末を形成し、(b)この粉末を軽金属面上にプラズマスプレーして被覆を形成 し、(c)この被覆を約25〜175ミクロンの均一な厚さに平滑化仕上げする ことを含む方法である。軽金属面は、アルミニウムと、マグネシウムと、チタン とからなる群から選択された金属または合金金属から形成され、プラズマスプレ ーの直前に軽金属または金属合金を新たに露出するために清浄化される。 本発明の更に他の観点によれば、1または複数の耐摩擦被覆されたシリンダ内 壁を有するエンジンブロックであって、(a)少なくとも1の金属製シリンダ壁 を有する金属製エンジンブロックと、(b)このシリンダ内壁に融合された粒体 の被覆とを有し、この粒体は軟質金属シェル内にカプセル化された固体潤滑剤粒 子を含み、該シェルは、共に溶融して限定された気孔率のネットワーク(網状体 )を形成し、該固体潤滑剤は黒鉛とMoS2とを有し、更に、(c)上記被覆の 気孔内に保持された液体潤滑油とを含む。被覆の軟質金属は50Rc以下の硬度 (好ましくはRc20〜30)を有し、この軟質金属は本来的にシリンダ内壁金 属と接着適合する少量の合金金属を更に含んでもよい。 図面の簡単な説明 第1図は本発明を具体化する粉末粒体の1種を大幅に拡大した図であり; 第2図は本発明で有用な他の粉末粒体を示す、第1図と同様な図であり; 第3図は本発明の被着被覆系の一部を示す顕微的概略図であり; 第4図は被覆がホーニング(研磨)されかつ滑り摩擦応用として使用された第 3図と同様な図であり、; 第5図はクーロン摩擦に影響を及ぼす力の概略図であり; 第6図はクーロン摩擦に影響を及ぼす垂直面の不規則性を示す界面の横断面の 大幅に拡大した顕微的図であり; 第7図はクーロン摩擦に影響を及ぼす界面上への固体フィルムの組込みを示す 第6図に類似する図であり; 第8図は応力および温度の関数としての表面フィルムの塑性流の立上がり(ons et)の線図であり; 第9図は表面フィルムの温度の関数としての表面エネルギー(硬度)の線図で あり; 第10図は時間の関数としての黒鉛塊の摩擦係数の線図であり; 第11図は500°F(260℃)の温度でテストされた本発明の被覆系の時 間の関数としての摩擦係数および摩耗の線図であり; 第12図は本発明の方法に含まれた工程を概略的に示すブロック図であり; 第13図はシリンダブロックボアに配置される所定位置のライナーの一部の拡 大断面図であり; 第14図はシリンダボア被覆系上への装填を促進するピストンリングの移動を 示す、シリンダボア内のピストンを往復動させるための機構の概略図であり; 第15図は横断面が示されているシリンダボアに高温でプラズマ被覆を被着さ せる被覆装置の図であり;そして、 第16図はエンジンの全摩擦と振動とこのエンジンの作動のための燃料消費と を減少させるための環境における被覆されたシリンダボアの1つを示す、本発明 の製品を含む内燃エンジンの横断面図である。 詳細な説明および最良の形態 通常、油浴される金属接触面間における高温での摩擦係数の大幅な減少を達成 するために、被覆系は、少なくとも10psi(0.7kg/cm2)に荷重負 荷されたときに、黒鉛またはいずれか1の潤滑剤自体に依存することはできない が、所望の気孔率を保持しつつ、互いにかつ滑り界面の金属に容易に融合可能な 軟質金属シェル内にカプセル化される固体潤滑剤粒子の特定の組合わせに依存す ることが可能である。 第3図に示すように、本発明のシステムは金属基板または壁10に付着した粉 末粒体の層Aを備え、各粒体は固体潤滑剤粒子のコア11と、接触領域13で隣 接シェル(殻)に融合されて気孔14を有する溶融したネットワークを形成する 軟質金属シェル12とを有している。固体潤滑剤粒子は、それぞれ潤滑剤コアの 30〜70重量%および30〜90重量%量が被覆Aに存在する少なくとも黒鉛 とMoS2とを含まなければならない。窒化硼素と、二硫化カルシウムと、フッ 化リチウムと、フッ化ナトリウムと、LiF/CaF2またはLiF/NaF2の 共晶混合物と、二硫化タングステンとからなる群から選択されたその他の固体潤 滑剤粒子を更に含むことが好ましい。これらの他の固体潤滑剤粒子が被覆に存在 する場合、これらの粒子は潤滑剤コア(芯材)の約5〜20重量%量が存在して いなければならない。また、所定の粒子のコアは、シリコンカーバイド、FeC rAl、NiCrAl、またはFeCrMn鋼と、FeWNiVCr、NiCr MoVW、DeCrMoWV、CoFeNiCrMoWV、NiCrMoVおよ びCoMoCrVWの金属間化合物のようなレーブ相とからなる群から選択され た硬質の耐摩耗性粒子15で形成してもよい。この耐摩耗性粒子は全コアの5〜 25重量%の範囲に制御された少量が存在していなければならない。このように 制御された量のこれらの耐摩耗性粒子15は下記作用を促進する:粒体マトリッ クスにサブミクロン寸法の粒子で均一に分布されるときに、荷重キャリアとして 作用し、好適なホーニングにより、蓄えられた油および固体潤滑剤を保持する隣 接する逃げ領域を形成する。 被覆系を形成する際の原材料として有用な粉末は固体潤滑剤のコアを含む粉末 粒体16を有している(第1図参照)。この粒体16は約5〜40ミクロンの厚 さ19と、50:50〜90:10の範囲のシェルとコアとの容積比と、70: 30〜95:5の範囲のシェルと潤滑剤コアとの重量比とを有する軟質金属製の カプセル化シェル18で囲まれた固体潤滑剤のコア17を有する。固体潤滑剤コ ア粒体の平均粒径は約2〜10ミクロンの範囲であり、軟質金属シェルの硬度は Rc40以下であり、好ましくはRc20である。軟質金属シェルは上述の群か ら選択されたときに、少なくとも1200°F(649℃)の温度まで安定して いる。 粉末粒体20は硬質の耐摩耗性コア粒子21を有している(第2図参照)。こ の粒体は(Ni、Co、Cu、Zn、Sn、MgおよびFeから、金属または金 属合金として選択される)軟質金属シェル22でカプセル化された上述の材料を 含む耐摩耗性コア21を有する。また、この金属は高温に晒されて酸化するため に、この粒子は摩擦の減少に寄与し;NiO、CoOまたはCu2Oのような酸 化物は固有の低摩擦係数を有する。軟質金属シェルの厚さ23は半径方向横断面 の約5〜40ミクロンまたは70〜80%の範囲である。耐摩耗性粒体20の平 均粒径は0.2〜5.0ミクロンの範囲であり、シェルとコアとの容積比は約9 5:5〜80:20であり、重量比は約95:5〜70:30である。 カプセル化された固体潤滑剤粒子は固体潤滑剤を軟質金属の溶融浴に配置しか つ撹拌し、その後、スラリーを粉砕してカプセル化された潤滑剤粒子16を形成 する処理で形成可能である。粉末はスプレー乾燥でも形成可能であり;このため に、軟質金属と固体潤滑剤の極微細粒子の水をベース(基材)としたスラリーを 準備する。このスラリーはアラビアゴムおよび(または)ポリビニールアルコー ルまたはカルボワックスのような0.5〜1.5重量%の水溶性有機結合材と混 合される。この混合されたスラリーはその後、熱スプレーにより300°F(1 49℃)または約300°F(149℃)で加熱循環空気室内においてアトマイ ジングされる。後者の周知の方法はカナダのスケリット・ゴードン社により開発 されかつ商業的に実施されている湿式金属付着法(hydrometallurgical depositi on)である。 第4図に示すように、好ましい被覆は、運転で使用するときに、エンジン始動 時の使用の結果としてまたはホーニング(研磨)線26(第3図参照)に沿う被 着粒子のホーニングの結果として光沢を有する、すなわち研磨された外面24を 有する(第3図参照)。この被覆は追加的潤滑のための流体油を保持する所定の 所望量の気孔14を有する。固体潤滑剤が、滑り界面での運転使用の結果として 、ホーニング面すなわち研磨面24に分布または拡がる。 油浴環境での摩擦は、一部には流体摩擦と油フィルム(通常に、流体力学的摩 擦と呼称される、種々の速度で剪断される流体の層)に依存し、より重要なこと として、(境界摩擦としても参照される)接触する硬質固体体間の乾式摩擦また はクーロン摩擦に依存する。乾式摩擦は滑り係合方向に対して接線方向かつ反対 方向である。第5図に示すように、摩擦の機械的作用が視覚化されている。ブロ ック(塊体)の重量はテーブルC上に垂直力Nを及ぼし、この垂直力は(表面で の金属の原子間結合に帰因する)各係合こぶ部27で複数の荷重力N−1に展開 される(第6図参照)。各係合こぶ部27での小さな反作用力の全接線方向成分 の合成力が全摩擦力Fである。こぶ部は顕微鏡で観察したときの表面の固有の不 規則性または凹凸である。係合面が相対動の状態にあるときに、こぶ部の上部に より近接して接触し、したがって、接線方向の反作用力は小さくなる。上記体が 休止状態にあるときに、摩擦係数は小さくなる。摩擦は乾燥面の不規則部分の変 形および裂開と、係合面の硬度と、酸化物または油のような表面フィルムの存在 とにより影響を受ける。その結果として、実際の摩擦は理想化された完全な接触 摩擦とは異なり、係合面の剪断応力と降伏応力との間の比に依存する。したがっ て、各係合面(第7図参照)におけるフィルムの存在は、フィルムの剪断および 降伏応力能力ならびにその相対硬度に依存する摩擦係数を変化させる作用をする 。このフィルムはフィルム内で境界層の剪断または滑りを形成して摩擦を減少す る。この剪断は、こぶ部がフィルムに対する硬質支持体になる領域に事実上集中 する。この局所化は摩擦を更に減らす。 また、局所的高温は接触点での付着に影響を与える可能性があるので、摩擦は 、温度により大きな影響を受ける。第8図に示すように、温度が上昇するにつれ て、スリップの臨界応力は低下し、同じ荷重に対する実際の接触面積を増加させ 、これにより、摩擦を増加させる。第9図に示すように、温度が溶融点に接近す るにつれて硬度(E)が低下する。 第10図に示すように、温度の影響は、特に黒鉛について明らかである。塊状 黒鉛の摩擦係数は500°F(260℃)で超0.4、800°F(427℃) で超0.5、1000°F(537℃)でさらに大きく急速に増加する。400 °F(204℃)以下での黒鉛の摩擦係数は0.05未満でほぼ均一となる。こ れと第11図に示されている本発明の被覆系の摩擦特性および摩耗特性の係数と を比較されたい。摩擦係数がほぼ均一に0.1未満にとどまり、摩耗が500° F(260℃)において約0.001インチ(約0.025mm)/100時間 でほぼ均一である(第11図参照)。第11図の被覆は温度安定ポリマーにおい て黒鉛および窒化硼素の粒子のみを含んでいる。 少なくとも黒鉛および二硫化モリブデンは被覆の5〜30重量%の量が固体潤 滑剤粒子中に存在していなければならない。上述のように、黒鉛は、固体潤滑剤 として、最高ほぼ400°F(204℃)の温度までしか有効でなく、黒鉛自体 がピストンリングによって剥離されるがごとき非常に劣った荷重支持能力を有す る。二硫化モリブデンは固体潤滑剤の30〜100重量%の量が存在していなけ ればならず、最も重要なことは、荷重支持能力と、最高でなくとも580°F( 304℃)の温度での混合物の温度安定性とを増すのに有効であるが、空気また は非還元雰囲気中において580°F(304℃)を超える温度でモリブデンと 硫黄とに分解する。二硫化モリブデンは油不存在下または油存在下で摩擦を減少 し、最も重要なことに、上記高温で少なくとも10psi(0.7kg/cm2 )の荷重を支持する。また、二硫化モリブデンは油吸引材であり、湿式潤滑を取 扱う必要がある本発明において非常に有用である。 窒化硼素は、選択された場合、固体潤滑剤の5〜50重量%の量が存在してい なければならず、最高700°F(371℃)までの高温での混合物の安定性を 増し、同時に二硫化モリブデンおよび黒鉛の成分の温度を安定化させる。窒化硼 素は有効な油吸引材である。 二硫化カルシウムおよびフッ化リチウムは油吸引材であり、最高1500°F (815℃)および最高1200°F(648℃)までの各温度で安定し、50 psi(3.5kg/cm2)以下またはそれ以上の荷重に耐える。これらの固 体潤滑剤は0.1〜0.2の乾燥摩擦係数を有する。 気孔率は、特に、エンジンのピストンとシリンダ内壁とが接触するときに、滑 り接触の作用中、湿った油が充填物として被覆の気孔に保持されるのを許容する 。通常の作動条件下での燃焼室のシリンダボア面の最高温帯域がわずか540° F(282℃)であっても、一般的なエンジンシリンダ壁は所定の帯域において およびクーラントまたはオイルポンプの故障のような所定のエンジン作動条件下 で700°F(371℃)のような高温に晒されるために、被覆の温度安定性は 重要である。最適な固体潤滑剤混合物は黒鉛および二硫化モリブデンより優れた 潤滑剤を含んでいる。被着状態における被覆粒体の摩擦係数は室温で0.07〜 0.08の範囲であり、摩擦係数は700°F(371℃)で0.03と低い。 第4図の露出したコアおよび塗布面にわたって、固体潤滑体を更に強化するた めに、被覆系は、より多くの固体潤滑剤を含む熱硬化性ポリマーエマルジョンの 上層(オーバーレイ)を更に含んでもよい。固体潤滑剤は、黒鉛、MoS2、B Nのうちの少なくとも2種を含むべきである。熱硬化性ポリマーは、ポリマーの 25〜70%の量が存在するビスフェノールAのような熱硬化性エポキシを含み 、このエポキシは、架橋し、油を引き付けつつ、炭化水素と水蒸気を黒鉛に移動 付与させるタイプである。ポリマーはまた、ジシアンジアミドのような、ポリマ ーの約2〜5%が存在する硬化剤を含むべきであり;ポリマーはまた、2,4, 6トリジメチルアミノエチルフェノールのような分散剤を0.3〜1.5%を含 んでもよい。 エマルジョンは、固体潤滑剤の粒子を懸濁するミネラルスピリットまたはブチ ルアセテートを含んでもよい。エマルジョンは、室温で、エマルジョンスプレー 、例えばローラーによる塗布、またはエマルジョンを担持するテープのような種 々の方法により基体すなわちエンジンボア面に塗布できる。 粉末シェルの軟質金属は、基板または界面金属材料に特に適合し、付着する他 の金属合金成分を含んでもよい。たとえば、純銅シェルをアルミニウム基板に融 着することは困難であり、シェル金属への4〜5%のアルミニウムの合金添加は 、必要な融合を促進する。融合付着を促進するために、そのような合金化金属を シェル金属に3〜7%添加することが望ましい。被覆面を形成する方法 第12図に示すように、シリンダー内壁のような被覆面を作る本発明の包括的 な方法は、(a)黒鉛およびMoS2の固体潤滑剤コアと、融合可能な軟質金属 の薄いシェルとを含む粒体を有するカプセル化された粉末を形成し、(b)清浄 化された、または新たに露出した軽金属面に上記粉末をプラズマスプレーして被 覆を形成し、(c)この被覆を約25〜60ミクロンの厚さに平滑化仕上げする 工程を含む。 この方法は、ここで言及しておくべき幾つかの新たな特徴を有する。プラズマ スプレーされた粉末は、(i)液体油の含浸を許す制御された気孔を形成し;( ii)カプセル化された粉末粒体は、ホーニング(研磨)されたときに、シェル 金属のエッジが、境界層の剪断がその上に塗られた固体潤滑剤に生じ、更に摩 擦を減少させる、硬質支持凹凸部のより小さい局部領域(微細溝に類似する)を 提供するように、表面に凹凸部を形成し、および(ii)結合した金属ネットワ ーク(網状体)がプラズマスプレー過程で軟質金属シェルの外皮のみを溶融する 結果として生ずる。第13図に示すように、被覆される表面としてライナーが用 いられるならば、ライナー30は、好ましくは親孔面(ボア面)31と同一の材 料により構成される。しかし、ライナーは、親内壁(元の内壁)の金属より高い 強度を有する金属とすることができる。これは、親内壁に使用した金属の合金を 作ることにより、しばしば達成される。例えば、ライナー用のC−355または C−356アルミニウム合金は、アルミニウム製エンジンブロックに一般に使用 されている319アルミニウム合金よりも強い。ライナーは、ブロックと基本的 に同一の熱伝導性および熱膨脹特性を有しなければならない。好ましくは、後に 説明するように、ライナー30のみが、少なくとも上部領域32において、内側 が被覆されており、ライナーは次いで、親孔(ボア)を室温に維持しつつ、約− 40°F(−4.4℃)に冷凍するか、またはライナーを室温に維持しつつ、親 孔を270°F(約132℃)に加熱するか、または可能ならば2つの手順の組 合せにより、親孔に組み立てられる。いずれの場合でも、親孔のそのような温度 差条件にライナーを置くことにより、収縮嵌合が得られる。好ましくは、ライナ ーは、銅箔とエポキシとの混合物により、その外面の33(室温にある)におい て被覆され、エポキシは、被覆に使用するのに記載したタイプのものである。そ のようなエポキシ被覆内の銅箔は、ライナーと軽金属製親孔との間の非常に強固 な結合を保証するだけでなく、微視的に見て、それらの間の熱伝導を増加させる 。 流動性粉末のプラズマスプレーは、軟質金属シェル内にカプセル化された固体 潤滑剤の粒子からなる粉末粒体の結合した多孔質層を形成するために実施される 。流動性粉末は、固体潤滑剤膜と、スプレー乾燥により得られた軟質金属粉末と からなる複合体であり、この場合、燃焼性の、灰分を含まない有機結合材(1% のカルボワックスのような)および(または)0.5%アラビアゴムがスラリー を生成するために使用され、このスラリーからスプレー乾燥された粉末が生成さ れる。第2に、被覆は約25〜60ミクロンの厚さ34にホーニング(研磨)さ れ、 35においてコア固体潤滑剤が露出し、それとともに、追加の潤滑性を提供する シェルエッジ36を示す(第4図参照)。 ニッケルのような軟質金属シェル内に収容された固体潤滑剤の粉末粒体を有す るだけでなく、FeCrMnまたはFeMnのような固体硬質金属の粉末粒体を 有することが望ましい。これら2種の異なる粒体の外側シェルは、溶融し、プラ ズマスプレー過程で合金化し、FeCrNiMnおよびFeMnのような、かな り硬質の合金化した金属ネットワーク(網状体)を生成する。 被覆は、約40〜140ミクロンの範囲の被着厚さで基体にプラズマスプレー される。基体面は、好ましくは清浄化され、プラズマスプレーの前に新たな金属 を提供するか、または燐酸塩による前処理が施される。この表面は、二塩化エチ レンのような、OSHAにより認められた溶媒により脱脂されて準備され、次い でイソプロピルアルコールにより洗浄される。表面は、清浄なグリットによりグ リット噴射処理される。あるいは、表面は、希HF、次いで希HNO3によるエ ッチングにより清浄化され、更に洗浄される。ワイヤブラッシングもまた、こす ることなく金属を移動させる。このプラズマスプレーに有用な流動性粉末は、好 ましくは20〜75ミクロンの平均粒径を有しているが、実用的な大量生産のた めには、この範囲は30〜55ミクロンに制限されるべきである。30〜55ミ クロンの粒子は自由な流動性を有し、これはプラズマガンに供給するのに必要で ある。30ミクロン未満では、粉末は自由に流れないであろう。55ミクロンを 超えると、被覆に層形成が生じ、粒子の均一な混合を欠いてしまう。このことは 、そのような範囲外の粒子を除去しなければならないことを意味しない;むしろ 、より細かい粒子をワックスで所望のサイズに塊成化し、大きな粒子を所望のサ イズにボール・ミックスすることができる。このように、すべての粉末粒体を使 用することができる。 このカプセル化された粒体のコアを形成する固体潤滑剤は、既に述べたクラス の黒鉛、二硫化モリブデンであり、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、フッ 化リチウム、窒化硼素および二硫化タングステンを更に含んでもよい。軟質金属 シェルは、ニッケル、ボロン、コバルト、または鉄のクラスから選択され、また はそのように選択された金属の合金である。 多くの場合に、シリンダボア面全体の一部のみを被覆することが必要である。 第14図に示すように、通常の滑りピストンリング37の位置は、内壁31に沿 って直線状に距離38を動く。被覆と接触するピストンリングの位置は、約60 °のクランク移動を表す角度の間を、クランクアーム39により移動する。この 距離は、ピストンリングの全直線運動40(上死点・・TDCと、下死点・・B DCとの間)の約1/3である。距離38は、内壁のホットゾーン(高温帯域) を示し、このホットゾーンでは潤滑は変化する場合があり、内壁は擦過およびピ ストンスラップを最も受けやすく、また、それは実質的な量のエンジンの摩擦損 失の源であり、一方、湿潤滑が不具合の場合に内壁の融着摩耗(スカッフィング )を生ずる。被覆が内壁の深さの一部に限定されるときには、短い被覆およびボ アの残部にわたって、固体潤滑剤を有する有機ポリマーの表層(オーバーレイ) を用いることが望ましい。不連続または段差が、短い被覆及び親内壁の間に形成 可能であり;このような段差は、ピストンリングを不安定にする可能性がある。 段差のホーニングは、その厳しさを減少させるが、表層は段差を除去または減少 させる。 プラズマスプレーは、第15図に示すような装置により実施され、この装置は 、アークを生成する一対の内部電極42,43を有しかつそれを通して粉末金属 および不活性ガスが導入されてプラズマを形成するスプレーガン41を用いる。 粉末金属はスリップリング45に接続された供給ライン44を通して導入可能で あり、このスリップリングはノズル47に供給する粉末チャンネル46に接続さ れている。プラズマは、粉末のシェルのみに沿ってそれと共に搬送される粉末を 加熱する。ガンは関節腕48に装架され、この関節腕は偏心ポジショナー51に 装架されたジャーナル49により円運動と直線運動の組合せ動で移動し、次いで 偏心ポジショナー51は、モーター52により駆動される回転ディスク50に装 架される。ガンのノズル47は、スプレーパターン54が、ガンの関節運動の結 果として、内孔面55を環状および上下に直線状に運動するように、固設旋回ジ ャーナル53内で支持されている。 本発明の更に他の態様は、上記方法を実施することから得られた完成品、およ び本明細書に記載した化学物質の用途である。第16図に示すように、製品は、 1つまたはそれ以上の耐摩擦被覆シリンダ内壁61を有するエンジンブロック6 0であり:シリンダ内壁61に融着された粉末粒体の被覆62を備え、この粒体 は軟質金属シェル内にカプセル化され少なくとも固体潤滑剤粒子を含み、このシ ェルは、溶融して所定の気孔率のネットワークを形成し、この固体潤滑剤は黒鉛 およびMoS2を含み、更に、;上記被覆の気孔内に保持された液体油潤滑を含 む。被覆の軟質金属は、60Rc以下の硬度を有するべきである。シリンダー壁 の金属は、好ましくはアルミニウム、チタン、マグネシウムおよびそのような金 属と銅、亜鉛またはシリコンとの合金からなる群から選ばれたものである。軟質 金属はまた、シリンダ内壁金属と接着適合し得る少量の合金を更に含んでもよい 。 この製品は、境界層摩擦およびほぼゼロのピストン/シリンダボア隙間でエン ジンを作動する能力の減少のため、少なくとも25%のピストン系摩擦の減少か ら生ずるエンジン摩擦の減少により特徴づけられる。更に、この製品は、同時に 出願された特許出願に開示されているように、ピストンリングの設計の適合性の ため、少なくとも25%のエンジンの炭化水素放出の減少、それによるトップラ ンド隙間容積の減少を示す。エンジンのブローバイ(ピストンリングを通って逃 げる燃焼ガス)は、上記ピストンリング構造と結び付いたほぼゼロの隙間のため 、約25%減少する。エンジンを適切な温度に維持するために使用される冷媒の 温度は、非常に低粘度の油がそのような変化とともに使用可能であるので、20 °F(6.7℃)減少可能である。油の温度は、燃焼室表面へのタールの付着の 防止と、燃費および出力の付随的改良による、少なくとも1までのエンジンの圧 縮比の増加とに関連して少なくとも50°F(10℃)減少可能である。 本発明による、被覆されたブロックの他の態様は、メタノールを含むフレック ス(flex)燃料を用いたときに形成される耐蟻酸性である。典型的には、そ のようなフレックス(flex)燃料を用いた特定のエンジン条件の下での蟻酸 の形成の結果として、20000マイル(32180km)またはそれ以上で、 エンジンはその表面劣化を生じるであろう。被覆された内壁を用いると、この耐 蟻酸腐食性が除去される。更に、被覆された製品は、通常のリングがそれに載置 されるので、シリンダーボア内に真円度のより大きな精度を形成し、上述のブロ ーバイおよび摩擦の減少に寄与する。境界摩擦成分の減少および境界/乾燥摩擦 係数自体の減少により、摩擦の減少が得られる。 被覆されたブロックは、エンジン効率の全体作用において重要な役割を果たす 。第16図に示すように、ブロックは、その側部に沿って内側冷却ジャケット6 3を有しかつ共働して吸気および排気通路65,66を収容するヘッド64を収 容し、これらの通路はカムシャフト70により作動されるバルブ列69により操 作される吸気および排気弁により開閉される。 可燃性ガスは、燃焼室72の中央に位置するスパークイグニッション71によ り着火されて、ピストン73を移動させ、次いで、連結棒74を作動させてクラ ンクケース76内で回転するクランクシャフト75を回転させる。その往復運動 中に油がクランクケース76から供給されかつブロック内で飛散され、ピストン 73を潤滑しかつ油に浸す。冷却流体はシリンダー内壁を循環して、そこから熱 を取出し、これは、吸気ストローク中の充填された空気/燃料への熱の入力を減 少させることにより、エンジンの効率に影響を与え、このようにして容積効率と パワーと燃費とを向上させる。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年8月30日 【補正内容】 請求の範囲 1. その粒体が、(i)黒鉛とMoS2とを含む固体潤滑剤粒子のコア(1 7)と、(ii)このコアをカプセル化する軟質金属シェル(18)とを含み、 前記軟質金属が、Ni、Co、Cu、Zn、Sn、MgおよびFeからなる群か ら選択された金属または少なくとも1の合金である熱スプレー可能な粉末であっ て、この粉末の他の粒体(20)は、軟質金属シェル(22)または全粒体でカ プセル化された耐摩耗性材料の粒子(21)を含み、前記耐摩耗性材料は、 SiC、FeMn、FeCrAl、NiCrAl、FeWNiVCr、 NiCrMoVW、FeCrMoWV、CoFeNiCrMoWV、 NiCrMoVおよびCoMoCrVWからなる群から選択されることを特徴と する熱スプレー可能な粉末。 2. 前記粉末は、六方晶BN、LiF、CaF2、WS2およびLiF/Ca F2またはLiF/NaFeの共晶混合物からなる群の少なくとも1の固体潤滑 剤のコアを有する他の粒子を含むことを更に特徴とする請求項1に記載の熱スプ レー可能な粉末。 3. 前記シェルは、約Rc50以下の硬さを有する請求項1または請求項2 に記載の粉末。 4. 前記軟質金属は、金属基体に融合するように形成され、前記軟質金属は 、前記基体金属と合金を形成する少量の結合金属を含む請求項1から請求項3ま でのいずれか1に記載の粉末。 5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の粉末を金属摩耗界面 にスプレーして形成された少なくとも2〜10容積%の気孔率を有する金属摩耗 界面に対する固体潤滑剤被覆。 6. 前記被覆は、その後、25〜175ミクロンの範囲の厚さにホーニング される、被着状態で40〜250ミクロンの範囲の厚さを有する請求項6に記載 の被覆。 7. Al、MgおよびTiからなる群から選択された軽金属またはその合金 である金属界面に塗布される請求項5または請求項6に記載の被覆であって、前 記シェルは、軟質金属の合金と、界面金属とを備え、この界面金属は、7重量% 以下の量が前記シェル内に存在する被覆。 8. 前記固体潤滑剤は、5〜60重量%の量が前記シェル内に存在する請求 項5から請求項7までのいずれか1項に記載の被覆。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C10M 125:04 103:00 103:06) C10N 10:02 10:04 10:06 10:08 10:10 10:12 10:14 10:16 20:00 20:06 30:08 40:25 50:08 (72)発明者 カバット,ダニエル マイクル アメリカ合衆国 48370 ミシガン州オッ クスフォード,ロウカスト バレイ レー ン 4190 【要約の続き】 のコアと、溶融可能な軟質金属製の薄いシェルとを事実 上含む粒体の粉末を形成し、この粉末を軽質金属面上に プラズマスプレーして被覆を形成し、この被覆を約25 〜175ミクロンの均一な厚さに、平滑化仕上げする方 法。1または複数の耐摩擦被覆されたシリンダ内壁を有 するエンジンブロックであって、このシリンダ内壁に溶 融された粒体の被覆を備え、この粒体は軟質金属シェル 内にカプセル化された固体潤滑剤微粒子を有し、このシ ェルは、共に溶融されて所定の気孔率のネットワークを 形成し、この固体潤滑剤は少なくとも黒鉛とMoS2と を含み、更に、前記被覆の気孔内に保持された潤滑液体 油を備えるエンジンブロック。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 熱スプレー可能な粉末であって、この粉末の粒体が、 (i)黒鉛およびMoS2からなる固体潤滑剤粒子のコアと、 (ii)このコアをカプセル化する軟質金属シェルとを事実上有する粉末。 2. 粉末の他の粒体が、六方晶BNと、LiFと、CaF2と、WS2と、L iF/CaF2またはLiF/NaFeの共晶混合物とからなる群の少なくとも 1の固体潤滑剤のコアを有する請求項1に記載の粉末。 3. 前記粉末の他の粒体は、少なくとも1のコアあるいは全粒体として、耐 摩耗性材料の粒子を含む請求項1に記載の粉末。 4. 前記耐摩耗性材料は、SiCと、FeMnと、FeCrAlと、NiC rAlと、FeWNiVCrと、NiCrMoVWと、FeCrMoWVと、C oFeNiCrMoWVと、NiCrMoVと、CoMoCrVWとからなる群 から選択される請求項3に記載の粉末。 5. 前記軟質金属は、Niと、Coと、Cuと、Znと、Snと、Mgと、 Feとからなる群から選択された少なくとも1の金属あるいは合金である請求項 1に記載の粉末。 6. 前記シェルは、約Rc50以下の硬さを有する請求項5に記載の粉末。 7. 前記軟質金属は、金属基体に融合するように形成され、前記軟質金属は 、この基体金属と合金を形成する少量の結合金属を含む請求項5に記載の粉末。 8. 前記軟質金属は、粉末の30〜90重量%の量が存在する請求項7に記 載の粉末。 9. 前記シェルは、約5〜40ミクロンの厚さを有する請求項1に記載の粉 末。 10. 高温かつ湿潤滑の作用を受ける金属摩耗界面に対する固体潤滑剤被覆 系であって、 (a)少なくとも黒鉛とMoS2とを含む油を引付ける固体潤滑剤の粒子と、 (b)この粒子をカプセル化し、共に溶融されて前記金属界面に融合付着される 被覆を構成する粒子のネットワークを形成するための軟質金属シェルとを有し、 この被覆は少なくとも2〜10容積%の気孔率を有するシステム。 11. 前記被覆系は、軟質金属シェルよりカプセル化されたまたは固体潤滑 剤粒子のシェルに溶融可能に混合された硬質耐摩耗性材料を更に含む請求項10 に記載のシステム。 12. 前記耐摩耗性粒子は、SiCと、FeMnと、FeCrAlと、Ni CrAlと、FeWNiVCrと、NiCrMoVWと、FeCrMoWVと、 CoFeNiCrMoWVと、NiCrMoVと、CoMoCrVWとからなる 群から選択される請求項11に記載のシステム。 13. 前記固体潤滑剤は、六方晶BNと、CaF2と、LiFと、WS2と、 LiF/CaF2またはLiF/NaF2の共晶混合物との少なくとも1を更に含 む請求項10に記載のシステム。 14. 前記軟質金属は、Rc50を超えない硬さを有し、Niと、Coと、 Cuと、Znと、Snと、Mgと、Feと、Siとからなる群から選択される請 求項10に記載のシステム。 15. 前記被覆は、被着状態で、40〜250ミクロンの範囲の厚さを有す る請求項10に記載のシステム。 16. 前記被覆は、約25〜175ミクロンの厚さにホーニングされる請求 項11に記載のシステム。 17. 前記金属界面は、Alと、Mgと、Tiとからなる群から選択された 軽金属またはその合金である請求項10に記載のシステム。 18. 前記金属潤滑剤は、5〜60重量%の量が前記被覆内に存在する請求 項10に記載のシステム。 19. 前記シェルは、軟質金属の合金と、界面金属とを備え、この界面金属 は、7重量%以下の量が前記シェル内に存在する請求項17に記載のシステム。 20. 前記黒鉛は、固体潤滑剤の5〜70容積%を形成し、前記MoS2は 、前記固体潤滑剤の5〜90容積%を形成する請求項10に記載のシステム。 21. 滑り摩耗を受ける金属面に、耐摩擦被覆を形成する方法であって、 (a)黒鉛およびMoS2の固体潤滑剤のコアと、融合可能な軟質金属の薄いシ ェルとを含む粒体を有する粉末を形成し、 (b)この粉末を軽質金属面上にプラズマスプレーして被覆を形成し、 (c)この被覆を約25〜175ミクロンの均一な厚さに、平滑化仕上げする、 方法。 22. 前記被覆は、40〜250ミクロンの範囲の厚さに被着される請求項 21に記載の方法。 23. 前記金属面は、プラズマスプレーの直前に、軽金属を新たに露出する ために清浄化にされる軽金属である請求項21に記載の方法。 24. 前記清浄化された軽金属面は、リン酸塩前処理を施される請求項23 に記載の方法。 25. 前記軽金属面は、内燃エンジンのシリンダ内壁である請求項21に記 載の方法。 26. 前記内壁は、エンジンのブロック内に挿入されあるいは鋳込まれたラ イナーである請求項25に記載の方法。 27. 前記粉末の粒子は、25〜55ミクロンの平均粒径を有する請求項2 1に記載の方法。 28. 前記固体潤滑剤は、六方晶BNと、CaF2と、LiFと、WS2と、 LiF/CaF2またはLiF/NaF2の共晶混合物との少なくとも1を更に備 える請求項21に記載のシステム。 29. 前記軽質金属は、Alと、Tiと、Mgとからなる群から選択された 金属、あるいは、Sn,Zn,CuおよびSi等の金属との合金である請求項2 1に記載の方法。 30. 前記プラズマは、少なくとも1200℃の温度を有する請求項21に 記載の方法。 31. 前記粉末は、軟質金属シェルのコア材料あるいは全体の粒子として存 在する耐摩耗性材料の粒子を含み、前記平滑化がホーニングにより行われる請求 項21に記載の方法。 32. 固体潤滑剤粒子および熱硬化性ポリマーの薄いエマルジョン層が、平 滑化された被覆上に付着される請求項21に記載の方法。 33. 前記層の固体潤滑剤粒子は、黒鉛とBNとMoS2との群から選択さ れた少なくとも2つを含む請求項32に記載の方法。 34. 1または複数の耐摩擦被覆されたシリンダ内壁を有するエンジンブロ ックであって、 (a)少なくとも1の金属製シリンダ壁を有する金属製エンジンブロックと、 (b)このシリンダ内壁に融合した粒体の被覆とを備え、この粒体は軟質金属シ ェル内にカプセル化された固体潤滑剤微粒子を有し、このシェルは、共に溶融さ れて所定の気孔率のネットワークを形成し、この固体潤滑剤は黒鉛とMoS2と を含み、更に、 (c)前記被覆の気孔内に保持された潤滑液体油とを備えるエンジンブロック。 35. 前記ネットワークは、更に、前記固体潤滑剤粒子のシェルに融合され かつ混合された耐摩耗性材料を含む請求項34に記載のエンジンブロック。 36. 前記軟質金属は、50Rc以下の硬さを有する請求項34に記載のエ ンジンブロック。 37. 前記軟質金属は、Niと、Coと、Cuと、Znと、Snと、Mgと 、Feとからなる群から選択される請求項34に記載のエンジンブロック。 38. 前記シリンダ壁用の金属は、Alと、Mgと、Tiとの群から選択さ れた金属または合金であり、前記軟質金属は、更に、前記シリンダ内壁金属に接 着適合する少量の合金を含む請求項34に記載のエンジンブロック。 39. 前記固体潤滑剤は、エンジンの使用中に前記シリンダ壁に付着して広 がる請求項34に記載のエンジンブロック。 40. 熱硬化性ポリマー内に包まれた固体潤滑剤の薄い層が、前記被覆上に 存在する請求項34に記載のエンジンブロック。
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