JPH08232754A - 内燃機関のシリンダおよびその製造方法 - Google Patents

内燃機関のシリンダおよびその製造方法

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JPH08232754A
JPH08232754A JP3325895A JP3325895A JPH08232754A JP H08232754 A JPH08232754 A JP H08232754A JP 3325895 A JP3325895 A JP 3325895A JP 3325895 A JP3325895 A JP 3325895A JP H08232754 A JPH08232754 A JP H08232754A
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JP
Japan
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cylinder
internal combustion
combustion engine
piston
plating
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JP3325895A
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English (en)
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Eiji Matsumoto
栄治 松本
Hitoshi Muramatsu
仁 村松
Nobutoshi Konagai
信寿 小長井
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、ピストンスカート部の摩耗
損傷を防止しながらピストンリングの摺動による耐摩耗
性を保持し、かつピストンスカート部の摩耗防止処理等
が不要になることによってコスト低減を図ることが可能
な内燃機関のシリンダおよびその製造方法を提供するこ
とにある。 【構成】 本発明に係る内燃機関のシリンダ1は、表面
処理により、摺動する相手材のピストンリング7に対応
させてシリンダライナー4の内面に表面処理皮膜8,9
を施し、各部位の表面性状を異ならしめている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のシリンダに係
り、特に内面が硬化処理又は表面処理される内燃機関の
シリンダおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、内燃機関のシリンダ内面は、鋳鉄
を用いた場合を除いて、苛酷な摩耗条件に対応できるよ
うにするため、全面に均一な硬化処理や表面処理が行わ
れている。このような硬化処理には、粒子分散や繊維強
化合金等を適用するものがある。また、表面処理には、
主なものとして、SiC等の硬質粒子を共析させたNi
めっき(ニカジル,NiーP−SiCめっきなどの分散
めっき)や、加熱した溶射材料のCr2 3 ーMo,F
eーCrーCを吹き付けてコーテングする溶射法があ
る。
【0003】これら処理の特徴は、耐摩耗性に優れる硬
質皮膜中に、さらに硬質粒子を存在させることにある。
この硬質粒子が相手材との接触点となり、母材の硬質皮
膜を保護することにより耐摩耗性を確保している。相手
材としては、アルミニウム合金ピストンや、Crめっき
等の施されたピストンリングがある。
【0004】その中でも、耐摩耗性皮膜を形成する分散
めっきが主流となっている。この分散めっきでは、マト
リックス(めっき皮膜素材のこと)としてNi,Niー
P,Cr,Cu等が用いられ、分散粒子としてSiC
(炭化ケイ素),Al2 3 (アルミナ),Si3 4
(窒化ケイ素),BN(窒化ホウ素),PTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン),MoS2 (二硫化モリブデ
ン),ダイヤモンド等が用いられている。
【0005】分散粒子は機能上、2つに分類される。1
つは、皮膜中にSiC,Al2 3,Si3 4 等の硬
質粒子を共析させ、相手材との接触点にすることにより
耐摩耗性を確保するものである。他の1つは、分散粒子
として自己潤滑性粒子のBN,PTFE,MoS2 等の
軟質粒子を共析させ、摺動時の摩擦抵抗を低減させるの
を目的としたものである。後者は、硬質粒子を共析させ
た前者の皮膜に対して耐摩耗性は劣るが、焼き付きやス
カッフィングは起こりにくく、相手材への対損傷性も低
くなっている。なお、分散粒子を均一にマトリックス中
に分散共析させるには、粒子径の選択,粒子の懸濁量,
めっき液の攪拌法,被処理物の揺動法などについての考
慮が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の内燃機関では、図11〜図13に示す如く、ク
ランク51の往復回転運動に伴い、ピストンピン52に
対して垂直方向へQのピストンスラスト力(首振り挙動
に起因する力)が働くことになるので、ピストン53は
図12におけるD−D´方向に首振り挙動を起こす。そ
のため、ピストン53とシリンダライナー(シリンダス
リーブ)54との接触は、これらピストン53とシリン
ダライナー54との摺動の他に、ピストンスカート部5
5とシリンダライナー54との衝突という態様でも生じ
る。なお、図11において、F1 は爆発荷重、F2 は往
復質量による慣性力、Pはコンロッド56の圧縮力であ
り、矢印aは往復運動方向を示し、矢印bは回転方向を
示している。
【0007】ところで、ピストンリング57はCrめっ
きされ、シリンダライナー54は前記の表面処理で保護
されているが、ピストンスカート部55は相対的に軟質
なアルミニウム合金がむき出しになっている。この結
果、シリンダライナー54の表面処理皮膜に存在する硬
質粒子に起因して、ピストンスカート部55に摩耗損傷
が生じることになる。ピストンスカート部55の摩耗を
防止するには、シリンダライナー54の表面処理皮膜に
存在する硬質粒子の量を減らしたり、あるいは無くす必
要があるが、これによると当該シリンダライナー54の
耐摩耗性が低下してしまう。したがって、シリンダライ
ナー54のピストンリング57に対する耐摩耗性と、ピ
ストンスカート部55に対する摩耗損傷防止との両立は
困難であった。
【0008】一方、図14に示す如く、シリンダライナ
ー54の内面に自己潤滑性粒子を共析させた分散めっき
皮膜58を施している内燃機関では、苛酷な使用条件下
にあるレース用エンジンなどの場合、ピストンリング5
7の摺動によってめっき皮膜58に摩耗が生じることが
ある。この摩耗は、軟質な自己潤滑性粒子がめっき皮膜
58に共析することによるめっき皮膜硬度の低下が主な
原因である。自己潤滑性粒子をめっき皮膜58から除い
た場合には皮膜硬度が上昇するので、ピストンリング5
7との摺動によるめっき皮膜58の摩耗は防止できる
が、その反面、ピストンスカート部55の摩耗損傷が生
じ易くなるという問題があった。したがって、自己潤滑
性粒子を共析するめっき皮膜58についても、上述と同
様、ピストンリング57に対する耐摩耗性と、ピストン
スカート部55に対する摩耗損傷防止との両立は困難で
あった。
【0009】本発明はこのような実状に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、ピストンスカート部の摩耗
損傷を防止しながらピストンリングの摺動による耐摩耗
性を保持し、かつピストンスカート部の摩耗防止処理等
が不要になることによってコスト低減を図ることが可能
な内燃機関のシリンダおよびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の有する課
題を解決するために、本発明においては、表面処理又は
硬化処理により、摺動する相手材に対応させて内面の各
部位の表面性状を異ならしめている。
【0011】また、他の本発明においては、内面に硬質
粒子を含む分散めっきが施された内燃機関のシリンダに
おいて、上記硬質粒子の共析量を、ピストンリングの摺
動面に対するよりもその他の部位の摺動面の方を減らし
て構成している。
【0012】さらに、他の本発明においては、内面に硬
質粒子を含む分散めっきが施された内燃機関のシリンダ
において、上記硬質粒子の共析量を、ピストン上死点か
らピストンピンの位置までの摺動面に対するよりもその
他の部位の摺動面の方を減らして構成している。
【0013】そして、他の本発明においては、内面に硬
質粒子を含む分散めっきが施された内燃機関のシリンダ
において、上記硬質粒子の共析量を調整することによっ
て、ピストン上死点からピストンピンの位置までの摺動
面と、ピストンリングが摺動しない部位の摺動面との間
の位置に、皮膜硬度が上記両摺動面の間にある中間域の
摺動面を設けている。
【0014】また、他の本発明においては、めっき装置
にシリンダライナーとなるアルミニウム合金スリーブを
装着するとともに、めっき液槽内に上記めっき装置およ
びアルミニウム合金スリーブを配設し、上記めっき装置
の噴射治具から硬質粒子を含むめっき液を上記アルミニ
ウム合金スリーブの適用箇所の内面に吹き付けて分散め
っきを施し、これによって硬質粒子の共析量が異なる摺
動面を有するシリンダを製造している。
【0015】さらに、他の本発明においては、内面に自
己潤滑性粒子を含む分散めっきが施された内燃機関のシ
リンダにおいて、ピストン下死点でのピストンリング直
下の位置を境界にして高硬度域と低硬度域に分け、該高
硬度域では自己潤滑性粒子の共析量を減らして高硬度に
構成している。
【0016】そして、他の本発明においては、内面に自
己潤滑性粒子を含む分散めっきが施された内燃機関のシ
リンダにおいて、ピストン上死点でのピストンリング直
下の位置を境界にして自己潤滑性粒子の共析量を変える
ことにより、上記内面の摺動面を高硬度域と低硬度域に
分けて構成している。
【0017】また、他の本発明においては、内面に自己
潤滑性粒子を含む分散めっきが施された内燃機関のシリ
ンダにおいて、ピストン上死点でのピストンリング直下
の位置およびピストン下死点でのピストンリング直下の
位置を境界にして自己潤滑性粒子の共析量を変えること
により、上記内面の摺動面を高硬度域、中硬度域および
低硬度域に分けて構成している。
【0018】
【作用】本発明に係る内燃機関のシリンダでは、分散め
っきに含まれる硬質粒子や自己潤滑性粒子の共析量など
調整することにより、ピストンリング等が摺動する相手
材に対応させて高硬度域と低硬度域等、内面の各部位の
表面性状を異ならしめているため、ピストンスカート部
に摩耗防止処理を施すことなく、該ピストンスカート部
の摩耗損傷を防ぎながらピストンリングに対する耐摩耗
性を保持した摺動面が得られることになる。
【0019】また、他の本発明に係る内燃機関のシリン
ダの製造方法では、めっき装置にシリンダライナーとな
るアルミニウム合金スリーブを装着するとともに、めっ
き液槽内に上記めっき装置およびアルミニウム合金スリ
ーブを配設し、上記めっき装置の噴射治具から硬質粒子
を含むめっき液を上記アルミニウム合金スリーブの適用
箇所の内面に吹き付けて分散めっきを施し、これによっ
て硬質粒子の共析量が異なる摺動面を有するシリンダを
製造しているため、ピストンリングが摺動する部分と摺
動しない部分に応じて、ピストンリングとの耐摩耗性を
保持する皮膜を確実に作製することが可能になる。
【0020】さらに、他の本発明に係る内燃機関のシリ
ンダでは、ピストン上下死点でのピストンリング直下の
位置などを境界にして、分散めっきに含まれる硬質粒子
や自己潤滑性粒子の共析量など調整することにより皮膜
硬度を変え、摺動面が高硬度域、中硬度域および低硬度
域に分けられているため、高硬度域と低硬度域の境界に
おける急激な硬度変化が無くなり、高硬度域と低硬度域
の境界部におけるシリンダライナーの段付き摩耗を防げ
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0022】図1および図2は本発明に係る内燃機関の
シリンダの一実施例を示している。図において、1はシ
リンダブロック2に設けられるシリンダ、3はシリンダ
1内を摺動して上死点と下死点の間を往復するピストン
であり、該シリンダ1はシリンダライナー(シリンダス
リーブ)4を使用することによって形成されている。ピ
ストン3は、シリンダ1内の爆発圧力をコネクティング
ロッド5を介してクランクシャフト6に伝え、該クラン
クシャフト6を回転させるとともに、混合気の吸入・圧
縮および燃焼ガスの排出の作用を行うもので、上部には
ピストンリング(4サイクルエンジンの場合はオイルリ
ング、2サイクルエンジンの場合はセカンドリング)7
が嵌着されており、その下部はピストンスカート部3a
となっている。
【0023】上記シリンダライナー4の摺動面には、内
燃機関の損傷を減少させるため、硬質粒子を含む分散め
っきを施すことによって表面処理皮膜8,9が上下に形
成されている。シリンダライナー4の摺動面は、爆発行
程の初期(ピストン3の上死点位置付近)において、ピ
ストンリング7による摩耗やスカッフィング(かき傷)
力を強く受けるが、その他の行程においてはそれほど強
い力を受けない。そこで、シリンダライナー4の摺動面
には、図1に示すような2つの領域に分けて各々異なる
性質の表面処理皮膜8,9が形成されている。なお、図
1において実線は上死点でのピストン3の位置を示し、
鎖線は下死点でのピストン3の位置を示している。
【0024】すなわち、シリンダライナー4の摺動面
は、ピストン3が下死点である時のピストンリング7の
接触点を境界にして、上死点側をA領域とし、その反対
側をB領域としており、ピストンリング7はA領域内で
摺動し、ピストン3の首振り挙動によるピストンスカー
ト部3aの摩耗は主にB領域で起こることになる。した
がって、B領域ではピストンリング7との摩耗を考慮す
る必要がないため、A領域の表面処理皮膜8に比べても
っと軟質あるいは対損傷性の低い表面処理皮膜9をシリ
ンダライナー4の摺動面に施すことによって、ピストン
スカート部3aの摩耗損傷を減らすように構成されてい
る。
【0025】次に、本実施例のシリンダライナー4の摺
動面にNiーPーSiCめっきを行って表面処理皮膜
8,9を形成する場合を具体的に説明する。NiーPー
SiCめっきは、Hmv650程度のビッカース硬さの
NiーPめっき皮膜中に、Hmv2500程度の硬質粒
子たるSiC粒子を共析させた分散めっき(複合めっ
き)であり、ピストン3の摺動の際にはSiC粒子が相
手材との接触点となり、母材(NiーPめっき)を保護
する役目を果たしている。そのため、めっき皮膜自身は
耐摩耗性に優れている反面、相手材を摩耗しやすい(対
摩耗損傷性が高い)という問題も具備している。
【0026】上記シリンダライナー4の製造方法は次の
とおりである。まず、図2に示すように、シリンダブロ
ック2とは別体に作製され、シリンダライナー4となる
アルミニウム合金スリーブ10を用意し、当該アルミニ
ウム合金スリーブ10を陽極棒11と一緒にめっき装置
12に装着する。次いで、これらアルミニウム合金スリ
ーブ10、めっき装置12等をめっき液槽13内のめっ
き液14中に投入して電圧を印加し、めっきを行う。
【0027】めっき液14には、Ni2+イオン,次亜リ
ン酸,SiC粒子が存在しており、電圧の印加によって
陰極のアルミニウム合金スリーブ10の表面にNi,
P,SiCが析出、共析してNiーPーSiCめっき皮
膜が形成される。このめっき皮膜中のSiCは、硬質の
セラミックス粒子であるので、ピストンリング7に対す
る耐摩耗性は良好であるが、ピストンスカート部3aへ
の摩耗損傷に対する影響が大きい。
【0028】そこで、めっき装置12には塩化ビニル製
の噴射治具15が設けられており、該噴射治具15を用
いてピストンリング7との摺動が行われない部位(B領
域)のSiC共析量を減らすようにしている。噴射治具
15は、外周面に多数の噴射孔16を穿設した円筒状に
形成されており、これら噴射孔16からめっき液14を
アルミニウム合金スリーブ10のB領域における内面に
一様に吹き付けるようになっている。また、噴射治具1
5には送液パイプ17の一端部が固定され、該送液パイ
プ17の他端部はコネクタ18を介して送液ポンプ19
に接続されており、この送液ポンプ19はめっき液14
を採取して噴射治具15へ送液するように構成されてい
る。
【0029】本実施例では、アルミニウム合金スリーブ
10の内径はφ85mm、噴射孔16の径はφ5mm、
送液パイプ17の径はφ30mm、送液ポンプ19の送
液量は70l/minにそれぞれ設定されたものを使用
している。なお、図2において矢印はめっき液14の流
れを示している。
【0030】ところで、NiーPーSiCめっきのよう
に、粒子を皮膜に分散させる分散めっき(複合めっき)
では、被めっき面に接触するめっき液の流速により、粒
子分散の量(共析量)を増減させ得ることが知られてい
る。図2におけるB領域では、噴射治具15の噴射孔1
6からのめっき液14の噴射によって、A領域に対する
よりも被めっき面(アルミニウム合金スリーブ10)が
流速の大きいめっき液14に晒されることになり、その
結果、B領域のめっき皮膜9におけるSiCの共析量を
減らすことが可能になる。
【0031】したがって、硬質粒子たるSiCの共析量
がA領域よりもB領域の方が少ない表面処理皮膜8,9
を内面に施したアルミニウム合金スリーブ10が形成さ
れることになる。しかる後、このアルミニウム合金スリ
ーブ10をめっき装置12から取り外し、シリンダライ
ナー4として金型内にセットしてAl溶湯を注入するこ
とにより鍛造を行う。すると、シリンダブロック素材が
形成されるため、該シリンダブロック素材に所定の機械
加工を施せば、図1に示すようなシリンダ1が得られ
る。
【0032】本実施例のシリンダ1によれば、ピストン
3がシリンダライナー4内を摺動しても、ピストンスカ
ート部3aはA領域の表面処理皮膜8よりもSiCの共
析量の少ない表面処理皮膜9が施されたB領域を摺動す
るので、従来で問題となっていたピストンスカート部3
aの摩耗損傷を減少させることができる。また、本実施
例の製造方法では、めっき液14の噴射によってアルミ
ニウム合金スリーブ10内のめっき液14の流動が促進
されるとともに、めっき皮膜表面へのNi2+イオンの供
給がなされるため、めっき不良の「コゲ」等の原因とな
る高電流部の発生を抑制することができる。しかも、め
っき皮膜8,9の全体におけるSiC共析量の総量が低
下するので、SiC粉末コストの低減、後加工(ホーニ
ング,内面研削)の際の加工時間の短縮および砥石等工
具の寿命延長が可能となり、コストを削減することがで
きる。
【0033】本実施例では、NiーPーSiCめっきに
つき述べたが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はなく、硬質粒子を共析させるめっき処理一般に適用可
能である。また、適用品目についても、内燃機関のあら
ゆる形状、材質のエンジンシリンダライナーに適用でき
る(2ストローク,4ストローク等の構造や、シリンダ
ブロック一体化あるいは別体のスリーブ等の形状などに
は拘束されない)。
【0034】さらに、摺動条件によっては、図1に示し
たA領域とB領域を変更することにより、ピストンスカ
ート部3aの摩耗損傷の抑制が可能となる。次に、A領
域およびB領域の2つの変更例を図3〜図5に示す。こ
れら変更例では、相対的にSiC共析量の多い領域をA
領域とし、SiC共析量を減じた領域をB領域としてい
る。なお、上記発明の実施例と同一部材には同一符号を
付して説明を省略する。
【0035】図3は本発明に係る内燃機関のシリンダの
変更例1を示している。この変更例1では、シリンダラ
イナー4において、ピストン3との摩耗条件が最も厳し
いピストン3の上死点とピストンピン20との間の部位
をA領域とし、その他の部位をB領域としている。そし
て、シリンダライナー4のA領域には表面処理皮膜8が
施され、B領域にはSiCの共析量を減じた表面処理皮
膜9が施されている。これによって、ピストンスカート
部3aの摩耗損傷を上記発明の実施例よりも更に抑制す
ることができた。なお、変更例1に係るシリンダ1の製
造は、図2で示した上記発明の実施方法に準じて行う。
【0036】図4および図5は本発明に係る内燃機関の
シリンダの変更例2を示している。この変更例2では、
シリンダライナー4におけるA領域とB領域との間に、
中間域としてC領域を設けた構造となっている。すなわ
ち、A領域は図3の変更例1と同じ領域であり、またB
領域は図1の実施例と同じ領域であり、C領域はA領域
およびB領域の両者間に位置し、A,B,C領域には表
面処理皮膜8,9,21がそれぞれ施されている。本変
更例2のシリンダライナー4では、めっき皮膜8,9,
21に共析しているSiC共析量をA領域>C領域>B
領域の順に少なくすることによって、皮膜硬度について
もA領域>C領域>B領域の順に小さくなっている。し
たがって、変更例2の構造によれば、シリンダライナー
4におけるA領域とB領域との境界における皮膜硬度の
急激な変化を避けることができ、当該境界部におけるシ
リンダライナー4の段付き摩耗を防止できる。
【0037】上記変更例2に係るシリンダ1の製造方法
では、図2における噴射治具15および噴射孔16の形
状を変更して、図5で示すような構造としている。この
構造は、図2に示すものと基本的には同一であるが、C
領域におけるめっき皮膜21のSiC共析量をB領域に
おけるめっき皮膜9のそれよりも増加させる必要があ
る。そのため、噴射治具25における噴射孔26の配設
密度を変化させている。
【0038】具体的には、めっき皮膜21のC領域に相
当するアルミニウム合金スリーブ10にめっき液を噴射
する噴射孔26の配設密度をB領域のそれよりも減少さ
せている。すなわち、C領域では噴射孔26の単位面積
あたりの数をB領域のそれよりも少なくしている。これ
により、B領域に対してC領域は、相対的に小さい流速
のめっき液に晒されることになる。その結果、C領域の
めっき皮膜21におけるSiC共析量はB領域のめっき
皮膜9に対して増加し、C領域の皮膜硬度はA領域とB
領域の間となり、シリンダライナー4の段付き摩耗の防
止が可能になる。
【0039】なお、図5に示した噴射治具25は、本発
明を実施するために用いた治具の一例であり、本発明の
適用はこの噴射治具25のみに限定されない。また、A
〜C領域についても、エンジンの形状,種類,燃焼条件
などの要因に基づいて、治具の変更・修正による領域の
変更が可能であり、A〜C領域は本発明で示した領域の
みに限定されない。すなわち、本発明の各実施例によれ
ば、SiC共析量の少ない処理皮膜9を任意の位置に作
製することができる。
【0040】図6および図7は他の本発明に係る内燃機
関のシリンダの一実施例を示しており、上記した発明と
同一部材には同一符号を付して説明を省略する。本発明
の実施例では、シリンダ1の内面に自己潤滑性粒子を共
析させた分散めっきを行う際に、ピストンリング7の摺
動面での自己潤滑性粒子の共析量をその他の部位よりも
減らすことによって、相手材たるピストンスカート部3
aの摩耗損傷防止と、ピストンリング7の摺動によるシ
リンダ1の内面における耐摩耗性との両立を図った構造
になっている。
【0041】すなわち、自己潤滑性粒子を共析させため
っき皮膜では、当該自己潤滑性粒子が軟質であることに
起因するめっき皮膜の硬度低下および摩擦係数の低下が
生じるため、相手材のピストンスカート部3aの摩耗損
傷は起こらない。しかし、めっき皮膜の低硬度に起因す
るピストンリング7の摺動に際してのめっき皮膜の摩耗
が生じる。一方、自己潤滑性粒子の共析量を減らしため
っき皮膜では、皮膜硬度の上昇により、ピストンリング
7の摺動に際してのめっき皮膜の摩耗は生じないが、そ
の反面、ピストンスカート部3aの摩耗損傷は起こる。
そこで、本発明の実施例では、シリンダ1の内面におい
て、自己潤滑性粒子の共析量を減らした高硬度域とそう
でない低硬度域、あるいは両者の中間硬度の中硬度域を
設けることによって、上記の問題に対応できるようにし
ている。
【0042】しかして、本実施例のシリンダライナー4
の摺動面は、ピストン3が下死点である時のピストンリ
ング7直下の位置Dを境界にして硬度域を分割してお
り、ピストンリング7が摺動する上死点側を高硬度域の
A領域とし、ピストンリング7が摺動しない反対側を低
硬度域のB領域としている。このため、A領域では、め
っき皮膜に共析する自己潤滑性粒子を少なくして高硬度
のめっき皮膜28を作製し、B領域ではめっき皮膜に共
析する自己潤滑性粒子を少なくすることなく低硬度のめ
っき皮膜29を作製している。
【0043】次に、本実施例のシリンダライナー4の摺
動面にNiーP−BNめっきを行ってめっき皮膜28,
29を形成する場合を具体的に説明する。NiーPーB
Nめっきは、Hmv650程度のビッカース硬さのNi
ーPめっき皮膜中に、軟質の自己潤滑性粒子たるBN粒
子を共析させた分散めっき(複合めっき)であり、BN
粒子の共析によりめっき皮膜硬度および摩擦係数が低下
することになる。そして、ピストンリング7との摺動に
対する耐摩耗性も低下する。 本実施例のシリンダライ
ナー4では、高硬度域のA領域におけるめっき皮膜28
中のBN粒子共析量を減らして皮膜硬度を高め、低硬度
域のB領域におけるめっき皮膜29では通常のBN粒子
共析量(3〜8面積%)としている。
【0044】上記めっき皮膜28,29を施したシリン
ダライナー4の製造方法は次のとおりである。まず、図
7に示すように、シリンダブロック2とは別体に作製し
たアルミニウム合金スリーブ10を用意し、当該アルミ
ニウム合金スリーブ10を陽極棒11と一緒にめっき装
置22に装着する。本実施例のめっき装置22では、高
硬度域のA領域のBN粒子共析量を減らすために、懸架
材23を用いて噴射治具35が陽極棒11に懸架されて
いる。噴射治具35は、外周面に多数の噴射孔36を穿
設した円筒状に形成されており、これら噴射孔36から
めっき液24をアルミニウム合金スリーブ10のA領域
における内面に対して一様に吹き付けるようになってい
る。
【0045】また、噴射治具35には送液パイプ17の
一端部が固定され、この送液パイプ17の他端部はコネ
クタ18を介して送液ポンプ19に接続されている。送
液ポンプ19は、相対的にBN懸濁量の低いめっき液上
層24aから採取口37を介して採取し、噴射治具35
へ送液するように構成されている。なお、本実施例の実
施条件は図2の実施例と同様である。しかも、NiーP
−BNめっきも、図2の実施例におけるNiーP−Si
Cめっきと同様、めっき液の流速によって粒子分散量
(共析量)を増減させることができる。
【0046】したがって、図7における高硬度域のA領
域では、噴射治具35の噴射孔36からのめっき液24
の噴射によって、B領域に対するよりも流速が大きくか
つBN懸濁量の少ないめっき液24aに晒されることに
なり、その結果、A領域のめっき皮膜28におけるBN
粒子の共析量を減らすことが可能になる。これによっ
て、A領域の高硬度化が可能になった。その他の製造手
順は図1および図2に示す発明の実施例と同様である。
【0047】本実施例のシリンダライナー4を用いて製
造されたシリンダ1に付き、自己潤滑性粒子としてBN
(窒化ホウ素),PTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン),MoS2 (二硫化モリブデン)を各々使用してN
iーPめっき皮膜に共析させ、成膜状態の観察,皮膜硬
度,エンジン摺動テストを行った。その結果は以下の表
1に示す通りである。
【0048】
【表1】
【0049】この結果より、自己潤滑性粒子を用いた分
散めっきにおいて、上記した効果を発揮するのは、Ni
ーP−BNめっきが最も望ましいことが判った。上記し
たBNには、六方晶と正方晶があるが、自己潤滑性を示
す六方晶のものに限定される。
【0050】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。本実施例は、上記実施例において、低硬度域たるB
領域のBN共析量を増加させながら、しかも高硬度域た
るA領域の高硬度を維持するものである。この場合は、
BN懸濁量の多いめっき液下層24bよりめっき液24
を採取し、これを上記実施例と同様、高硬度域のA領域
に吹き付ける。この時、吹き付けるめっき液24は上記
実施例に比べてBN懸濁量が多いので、吹き付ける流速
を高める必要がある。
【0051】A領域に相当するシリンダライナー4に衝
突しためっき液24は衝突時の流速を失う。そして、懸
濁しているBN粒子は沈降していき、その過程で低硬度
域のB領域に共析していく。これによって、A領域の高
硬度を維持し、かつB領域のBN共析量を増加させるこ
とができる。ここで、図2および図7で示す実施例に対
して変更した実施条件は次の通りである。すなわち、噴
射孔36の径はφ4mm、送液パイプ17の径はφ45
mm、送液ポンプ19の送液量は110l/min、採
取口37の位置はめっき液下層24bにそれぞれ設定し
ている。
【0052】本発明は既述の実施例に限定されるもので
はなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形およ
び変更が可能であり、次に高硬度域および低硬度域の2
つの変更例を図8〜図10に示す。なお、上記実施例と
同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0053】図8は他の本発明に係る内燃機関のシリン
ダの変更例1を示している。この変更例1では、シリン
ダライナー4において、ピストン3が上死点である時の
ピストンリング7直下の位置Eを境界にして硬度域を分
割しており、ピストン3との摩耗条件が最も厳しい上死
点側を高硬度域のA領域とし、その反対側を低硬度域の
B領域としている。これによって、ピストンスカート部
3aの摩耗損傷を上記実施例よりも更に抑制することが
できた。なお、変更例1のシリンダの製造は、図7で示
した実施方法に準じて行う。
【0054】図9および図10は他の本発明に係る内燃
機関のシリンダの変更例1を示している。この変更例2
では、シリンダライナー4におけるA領域とB領域との
間に、中硬度域としてC領域を設けた構造となってい
る。すなわち、A領域は図8の変更例1と同じ領域であ
り、またB領域は図6の実施例と同じ領域であり、C領
域はA領域およびB領域の両者間に位置し、A,B,C
領域にはめっき皮膜28,29,30がそれぞれ施され
ている。本変更例2のシリンダライナー4では、めっき
皮膜28,29,30に共析しているBN粒子共析量を
A領域<C領域<B領域の順に多くすることによって、
皮膜硬度はA領域>C領域>B領域の順に小さくなって
いる。
【0055】上記変更例2の製造方法では、図7におけ
る噴射治具35の噴射孔36の形状変更で対応できる。
すなわち、図10で示す噴射治具45では、高硬度域の
A領域と中硬度域のC領域におけるめっき皮膜28,3
0中のBN粒子共析量を変化させるため、外周面に併設
するA領域の噴射孔46a(径はφ5mm、1.5個/
cm2 )とC領域の噴射孔46b(径はφ7mm、0.
5個/cm2 )の孔径および密度を変えている。これに
より、アルミニウム合金スリーブ10の内面に衝突する
めっき液24の流速をA領域に対してC領域はゆるやか
とし、結果としてめっき皮膜の硬度に変化をつけてい
る。
【0056】したがって、変更例2の構造によれば、高
硬度域のA領域、中硬度域のC領域および低硬度域のB
領域における皮膜硬度とBN共析量は、それぞれHmv
650(0.4面積%)、Hmv600(2.5面積
%)およびHmv540(6.5面積%)となるため、
シリンダライナー4におけるA領域とB領域との境界に
おける皮膜硬度の急激な変化を避けることができ、当該
境界部におけるシリンダライナー4の段付き摩耗を防止
できる。
【0057】
【発明の効果】上述の如く、本発明に係る内燃機関のシ
リンダは、表面処理又は硬化処理により、摺動する相手
材に対応させて内面の各部位の表面性状を異ならしめて
いるので、ピストンスカート部の摩耗損傷を防止しなが
ら、処理皮膜によってピストンリングの摺動に対する耐
摩耗性を保持できるとともに、ピストンスカート部の摩
耗防止処理(アルマイト等)を施す必要がなくなり、コ
スト削減に寄与することができる。
【0058】また、本発明に係る内燃機関のシリンダ
は、内面に硬質粒子を含む分散めっきが施されるもので
あって、上記硬質粒子の共析量を、ピストンリングの摺
動面に対するよりもその他の部位の摺動面の方を減らし
たり、あるいはピストン上死点からピストンピンの位置
までの摺動面に対するよりもその他の部位の摺動面の方
を減らして構成しているので、ピストンスカート部の摩
耗損傷をより一層効果的に防止することができる。
【0059】さらに、本発明に係る内燃機関のシリンダ
は、内面に硬質粒子を含む分散めっきが施されるもので
あって、上記硬質粒子の共析量を調整することによっ
て、ピストン上死点からピストンピンの位置までの摺動
面と、ピストンリングが摺動しない部位の摺動面との間
の位置に、皮膜硬度が上記両摺動面の間にある中間域の
摺動面を設けているので、中硬度にある中間域の存在に
より高硬度域から低硬度域に向かって境界部の硬度を緩
やかに変化させることができ、シリンダライナーの段付
き摩耗およびピストンスカート部の摩耗損傷をより一層
効果的に防ぐことができる。
【0060】そして、本発明に係る内燃機関のシリンダ
の製造方法は、めっき装置にシリンダライナーとなるア
ルミニウム合金スリーブを装着するとともに、めっき液
槽内に上記めっき装置およびアルミニウム合金スリーブ
を配設し、上記めっき装置の噴射治具から硬質粒子を含
むめっき液を上記アルミニウム合金スリーブの適用箇所
の内面に吹き付けて分散めっきを施し、これによって硬
質粒子の共析量が異なる摺動面を有するシリンダを製造
しているので、ピストンリングが摺動する部分と摺動し
ない部分に応じて、ピストンリングとの耐摩耗性を保持
する皮膜を確実に作製できる上、各エンジン毎の燃焼条
件や相手材のピストンリング材質、ピストン材質の種類
によってシリンダライナー内面の各部のめっき皮膜硬度
を治具調整で容易に変えることが可能となり、治具調整
に要するコストも安価に済む。
【0061】また、他の本発明に係る内燃機関のシリン
ダは、内面に自己潤滑性粒子を含む分散めっきが施され
るものであって、ピストン下死点でのピストンリング直
下の位置を境界にして高硬度域と低硬度域に分け、該高
硬度域では自己潤滑性粒子の共析量を減らして高硬度に
構成したり、あるいはピストン上死点でのピストンリン
グ直下の位置を境界にして自己潤滑性粒子の共析量を変
えることにより、上記内面の摺動面を高硬度域と低硬度
域に分けて構成しているので、上記した発明と同様、ピ
ストンスカート部の摩耗損傷を防止しながら、めっき皮
膜によってピストンリングの摺動に対する耐摩耗性を保
持できるとともに、ピストンスカート部の摩耗防止処理
(アルマイト等)を施す必要がなくなり、コスト削減に
寄与することができる。
【0062】さらに、本発明に係る内燃機関のシリンダ
は、内面に自己潤滑性粒子を含む分散めっきが施される
ものであって、ピストン上死点でのピストンリング直下
の位置およびピストン下死点でのピストンリング直下の
位置を境界にして自己潤滑性粒子の共析量を変えること
により、上記内面の摺動面を高硬度域、中硬度域および
低硬度域に分けて構成しているので、上記した発明と同
様、中硬度域の存在により高硬度域から低硬度域に向か
って境界部の硬度を緩やかに変化させることができ、シ
リンダライナーの段付き摩耗およびピストンスカート部
の摩耗損傷をより一層効果的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る内燃機関のシリンダに
使用されるシリンダライナーとピストンとの位置関係を
概念的に示す断面図である。
【図2】上記シリンダライナーの製造工程を示す概念図
である。
【図3】本発明の変更例1に係るシリンダライナーとピ
ストンとの位置関係を概念的に示す断面図である。
【図4】本発明の変更例2に係るシリンダライナーとピ
ストンとの位置関係を概念的に示す断面図である。
【図5】上記変更例2に係るシリンダライナーの製造工
程を示す概念図である。
【図6】他の本発明の一実施例に係る内燃機関のシリン
ダに使用されるシリンダライナーを概念的に示す断面図
である。
【図7】図6のシリンダライナーの製造工程を示す概念
図である。
【図8】他の本発明の変更例1に係るシリンダライナー
を概念的に示す断面図である。
【図9】他の本発明の変更例2に係るシリンダライナー
を概念的に示す断面図である。
【図10】図9におけるシリンダライナーの製造工程を
示す概念図である。
【図11】従来の内燃機関のシリンダに作用する力を説
明する概念図である。
【図12】従来のピストンとシリンダライナーを概念的
に示す平面図である。
【図13】従来のピストンとシリンダライナーを概念的
に示す断面図である。
【図14】他の従来例において、内燃機関のシリンダに
使用されるシリンダライナーとピストンとの位置関係を
概念的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 シリンダブロック 3 ピストン 3a ピストンスカート部 4 シリンダライナー 7 ピストンリング 8,9,21 表面処理皮膜 10 アルミニウム合金スリーブ 11 陽極棒 12,22 めっき装置 13 めっき槽 14,24 めっき液 15,25,35,45 噴射治具 16,26,36,46a,46b 噴射孔 17 送液パイプ 18 コネクタ 19 送液ポンプ 20 ピストンピン 23 懸架材 28,29,30 めっき皮膜 37 採取口

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面処理又は硬化処理により、摺動する
    相手材に対応させて内面の各部位の表面性状を異ならし
    めたことを特徴とする内燃機関のシリンダ。
  2. 【請求項2】 内面に硬質粒子を含む分散めっきが施さ
    れた内燃機関のシリンダにおいて、上記硬質粒子の共析
    量を、ピストンリングの摺動面に対するよりもその他の
    部位の摺動面の方を減らして構成したことを特徴とする
    内燃機関のシリンダ。
  3. 【請求項3】 内面に硬質粒子を含む分散めっきが施さ
    れた内燃機関のシリンダにおいて、上記硬質粒子の共析
    量を、ピストン上死点からピストンピンの位置までの摺
    動面に対するよりもその他の部位の摺動面の方を減らし
    て構成したことを特徴とする内燃機関のシリンダ。
  4. 【請求項4】 内面に硬質粒子を含む分散めっきが施さ
    れた内燃機関のシリンダにおいて、上記硬質粒子の共析
    量を調整することによって、ピストン上死点からピスト
    ンピンの位置までの摺動面と、ピストンリングが摺動し
    ない部位の摺動面との間の位置に、皮膜硬度が上記両摺
    動面の間にある中間域の摺動面を設けたことを特徴とす
    る内燃機関のシリンダ。
  5. 【請求項5】 めっき装置にシリンダライナーとなるア
    ルミニウム合金スリーブを装着するとともに、めっき液
    槽内に上記めっき装置およびアルミニウム合金スリーブ
    を配設し、上記めっき装置の噴射治具から硬質粒子を含
    むめっき液を上記アルミニウム合金スリーブの適用箇所
    の内面に吹き付けて分散めっきを施し、これによって硬
    質粒子の共析量が異なる摺動面を有するシリンダを製造
    したことを特徴とする内燃機関のシリンダ製造方法。
  6. 【請求項6】 上記噴射治具のめっき液噴射孔は、めっ
    き皮膜の共析粒子量を変化させるべく、密度が部位によ
    り異なって設けられていることを特徴とする請求項5に
    記載の内燃機関のシリンダ製造方法。
  7. 【請求項7】 内面に自己潤滑性粒子を含む分散めっき
    が施された内燃機関のシリンダにおいて、ピストン下死
    点でのピストンリング直下の位置を境界にして高硬度域
    と低硬度域に分け、該高硬度域では自己潤滑性粒子の共
    析量を減らして高硬度に構成したことを特徴とする内燃
    機関のシリンダ。
  8. 【請求項8】 内面に自己潤滑性粒子を含む分散めっき
    が施された内燃機関のシリンダにおいて、ピストン上死
    点でのピストンリング直下の位置を境界にして自己潤滑
    性粒子の共析量を変えることにより、上記内面の摺動面
    を高硬度域と低硬度域に分けて構成したことを特徴とす
    る内燃機関のシリンダ。
  9. 【請求項9】 内面に自己潤滑性粒子を含む分散めっき
    が施された内燃機関のシリンダにおいて、ピストン上死
    点でのピストンリング直下の位置およびピストン下死点
    でのピストンリング直下の位置を境界にして自己潤滑性
    粒子の共析量を変えることにより、上記内面の摺動面を
    高硬度域、中硬度域および低硬度域に分けて構成したこ
    とを特徴とする内燃機関のシリンダ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014062490A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Suzuki Motor Corp シリンダボア内面の加工方法および加工装置

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