JPH0851978A - TGF−βレセプタータイプII遺伝子 - Google Patents

TGF−βレセプタータイプII遺伝子

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JPH0851978A
JPH0851978A JP6187031A JP18703194A JPH0851978A JP H0851978 A JPH0851978 A JP H0851978A JP 6187031 A JP6187031 A JP 6187031A JP 18703194 A JP18703194 A JP 18703194A JP H0851978 A JPH0851978 A JP H0851978A
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Hideo Okai
秀雄 大貝
Mihoko Manabe
美穂子 真鍋
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、配列番号:1で示されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を含むTGF−βレセプタータ
イプII遺伝子、殊に配列番号:2で示される塩基配列
を含む上記TGF−βレセプタータイプII遺伝子を提
供する。 【効果】本発明遺伝子は、その利用によりTGF−βレ
セプター蛋白を発現でき、該蛋白は殊に癌の治療等に有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TGF−βレセプター
タイプII遺伝子、より詳しくは例えば癌細胞の増殖抑
制等に有用な配列番号:1で示されるアミノ酸配列をコ
ードする塩基配列を含むヒトTGF−βレセプタータイ
プII遺伝子に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】TGF−β(Transforming gro
wth factor- β)は、非腫瘍性線維芽細胞の軟寒天培地
での増殖を促進する物質として見出され、1983年に
血小板から純化精製された(Assoian RK et al., J.Bio
l.Chem., 258, 7155-7160 (1983))分子量約25000
の蛋白物質である。現在、該TGF−βはβ1 〜β5
での5種類が報告されており(Roberts,A.B. and Spor
n,M.B.,Handbook of ExperimentalPharmacology, part
I, Springer-Verlag, Berlin, pp419-427 (1990))、様
々な細胞の増殖・分化を正あるいは負に調節する作用を
有することが明らかにされている(Massague,J., Annu.
Rev.Cell.Biol., 6, 67-641 (1990))。即ち、TGF−
βの機能は、胚発生の誘導、細胞の増殖、血管新生、創
傷治癒、細胞外基質の産生等多岐に亘っている。
【0003】一方、上記TGF−βレセプターについて
は、I型、II型、III型の3種が多くの細胞で発現
することが知られており、近年II型及びIII型レセ
プターが相次いでクローニングされた(Lin,H.Y. et a
l., Cell,68, 775-785 (1992); Lopez-Casillas,F. et
al., Cell,67, 785-795 (1991) ; Wang,X.-F. et al.,
Cell, 67, 797-805 (1991))。
【0004】しかして、癌細胞の増殖は多種の増殖因子
によって、オートクリンあるいはパラクリン的に調節さ
れており、上記TGF−βも種々の癌細胞で産生される
が、その増殖に対しては抑制的に働き、一部の癌細胞に
おいてはアポトーシス(apoptosis)を惹起することが報
告されている(Yanagihara,K. and Tsumuraya,M. Cance
r Res., 52, 4042-4045 (1992))。間質細胞から産生さ
れるTGF−βは宿主側の癌細胞に対する防御反応と考
えられるが、癌細胞側からみれば、増殖に不利なTGF
−βを産生することは不合理であり、癌細胞が増殖を続
けるにはTGF−βレセプターの異常が考えられる。こ
の点より、該TGF−βレセプターの癌細胞増殖抑制作
用(制癌作用)を期待した臨床的利用が、斯界でその研
究開発を待たれている。
【0005】更に、TGF−βは、上記癌細胞に限ら
ず、各種の細胞に対してその恒常性を維持する多機能性
細胞調節因子(multifunctional egulator)として認識
されてきており、血液・免疫系に対しても、例えば造血
系細胞の増殖・分化に対して抑制的に働くこと(Keller
JR et al., J.Exp.Med., 168, 737-750 (1988) ; Kell
er JR et al., J.Cell Biochem.,39, 175-184 (198
9))、IL−2依存性T細胞等の免疫担当細胞の異常拡
大を防ぐ増殖抑制作用を発揮すること(Kehrl JH, eta
l., J.Exp.Med., 163, 1037-1050 (1986) )等が知られ
ている。
【0006】また、TGF−βは、心疾患、特に心筋梗
塞の治療にも有用であることが示唆され(Tompson, et
al., Growth Factors, 1, 91-99 (1988))、肺疾患、特
に肺線維症や、再生不良性貧血の発症にも関与し(Khal
il, et al., J.Exp.Med., 1 70, 727-737 (1989) )、肝
臓に対しても肝再生や肝臓線維化に抑制的に作用し(Br
aawn, et al., Proc.Natl.Acad.Sci., USA, 85, 1539-1
543 (1988))、腎疾患(糸球体増殖性疾患)に対しても
メサンギウム細胞の増殖を抑制し、TGF−βに対する
中和抗体の投与により急性糸球体腎炎の進展が抑えられ
(Broder, et al., Ciba Foundation Symposium No.157
(abstract) )、更に膵臓から分離した島細胞のインス
リン分泌を劇的に促進し(Totsuka, et al., Biochem.B
iophys.Res.Commun., 158, 1060-1065 (1989) )、甲状
腺ろ胞細胞の増殖を抑制すること(Grabeck, et al.,
J.Clin.Invest.,83, 764-770 (1989))も知られてい
る。
【0007】加えて、TGF−βは、その免疫抑制作用
と骨形成促進作用とから、骨折治癒、骨接合等の外科的
利用も提案され(野田政樹、実験医学 8, 345 (1990) ;
Wang,E.A., et al., Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,87, 22
20 (1990) 、また、血小板に高濃度に含まれることから
創傷治療に有用であることが示され(Mustoe,T. et a
l., Science,237, 1333 (1987))、特にヒト皮膚線維芽
細胞の増殖にも関与し、表皮ケラチノサイトに対する増
殖抑制作用(Shipley G.D., et al., Cancer Res.,46,
2085-2091 (1986))やフィブロネクチンの分泌促進作用
(Wikner N.E., et al., J.Invest.Dermatol., 91, 207
-212 (1988) )が報告され、之等より創傷治療促進物質
としての皮膚科領域での臨床応用も研究、開発されつつ
ある。
【0008】従って、TGF−β及びそのレセプターを
遺伝子工学的手法により大量に製造できれば、之等各種
の疾患等の発症機序の解明に役立ち、ひいては之等各種
疾患等の治療法も確立可能となると考えられる。
【0009】本発明者らは、上記目的より鋭意研究の結
果、先に、マウスTGFβI型レセプターのcDNAを
プローブとして用いて、市販のPHA刺激T細胞cDN
Aライブラリーからプラークハイブリダイゼーション法
により、TGF−βレセプタータイプI遺伝子のクロー
ニングに成功し、この遺伝子に係わる発明を完成し、特
許出願した(特願閉5−316113号)。
【0010】また、本発明者らは引き続く研究におい
て、先にリンらにより報告されたヒトTGFβレセプタ
ータイプIIcDNA(Lin,H.Y. et al., Cell,68, 77
5-785(1992))とは、幾つかの点で本質的に異なる新し
い配列を有する同タイプII遺伝子を同定、解明するに
至りここに本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
配列番号:1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基
配列を含むことを特徴とするTGF−βレセプタータイ
プII遺伝子、及び配列番号:2で示される塩基配列を
含むTGF−βレセプタータイプII遺伝子が提供され
る。
【0012】以下、本明細書におけるアミノ酸、ペプチ
ド、塩基配列、核酸等の略号による表示は、IUPA
C、IUBの規定、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む
明細書等の作成のためのガイドライン」(特許庁編)及
び当該分野における慣用記号に従うものとする。
【0013】本発明により提供される上記配列番号:1
で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列、代表的
には配列番号:2で示される塩基配列は、先のリンらの
報告に係わる同タイプII遺伝子のcDNAと対比し
て、第1に、cDNAの細胞外ドメイン(extracellar
domain)をコードする部分に75塩基の挿入があり、該
ドメインのN末端から9番目のアミノ酸残基であるVa
lが消失し、これに代わって新たに特定の26アミノ酸
残基が増加し、差し引き25アミノ酸残基の付加が認め
られる点で相違している。この相違は、遺伝子からmR
NAが転写された後のスプライシングの差(Alternativ
e splicing)によるものと考えられる。
【0014】第2に、本発明遺伝子は、その53番目の
アミノ酸であるPheをコードするコドンTTTがSe
rをコードするTCTに変化しており、第3に、同43
9番目のアミノ酸AlaをコードするコドンGCTがV
alをコードするGTTに変化している。
【0015】上記特徴を有する本発明遺伝子は、そのN
端に更にメチオニンから始まるTGF−βレセプター遺
伝子発現のための17アミノ酸残基からなるシグナルペ
プチドのアミノ酸配列をコードする塩基配列を、またそ
のC端に更に疎水性の貫膜領域(hydrophobic transmem
brane region)及びこれに引き続く細胞内ドメイン(cy
toplasmic domain)を有する形態でクローニングされ
る。従って、本発明遺伝子には、上記配列番号:1で示
されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のみならず、
これと共に上記シグナル配列や貫膜領域及び細胞内ドメ
インの塩基配列を含むものも包含される。
【0016】また本発明遺伝子は、上記配列番号:2に
示されるように、一本鎖DNA配列で表されるが、本発
明はかかる一本鎖DNA配列に相補的なDNA配列や之
等の両者を含むコンポーネントもまた包含するものであ
る。尚、上記配列番号:2に示す本発明遺伝子を表わす
DNA配列は、配列番号:1に示すアミノ酸配列に従う
各アミノ酸残基をコードするコドンの一つの組合わせ例
であり、本発明遺伝子はこれに限らず、上記アミノ酸配
列を変えることなく各アミノ酸残基に対して任意のコド
ンを組合わせ選択したDNA塩基配列を有することも勿
論可能である。該コドンの選択は、遺伝子組換えに利用
する宿主のコドン使用頻度を考慮した常法に従うことが
でき(Ncl.Acids Res., 9, 43-74(1981))、之等は常法
に従って化学合成等により製造できる。
【0017】更に本発明遺伝子には、上記で示されるア
ミノ酸配列の一部のアミノ酸乃至アミノ酸配列を欠失、
付加等により改変してなり、TGF−βレセプターと同
様の活性を有する同効物をコードするDNA配列もまた
包含される。之等ポリペプチドの製造、改変(変異)等
は天然に生じることもあり、また翻訳後の修飾により製
造することができる。更に遺伝子工学的手法により天然
の遺伝子(本発明遺伝子)を、例えばサイトスペシフィ
ック・ミュータゲネシス等の方法により改変したり、ホ
スファイトトリエステル法等の化学合成手段により変異
させたDNAを合成したり、両者を組合せて所望の遺伝
子を合成することができる。
【0018】本発明遺伝子は、これを利用して、即ち例
えばこれを微生物のベクターに組込み、形質転換された
微生物を培養することによって、TGF−βレセプター
を容易に大量に発現でき、該蛋白を単離、提供できる。
これはTGF−β阻害活性を有することから、前述した
癌細胞増殖抑制を始めとして各種薬理用途に有効であ
り、また、各種の疾患の発生機序等や病態の解明等にも
役立つものである。
【0019】また本発明の遺伝子を利用して得られるT
GF−βレセプターは、これを用いて、TGF−βレセ
プターに特異的な抗体を作成することもできる。ここで
抗原として用いられるコンポーネントは、上記遺伝子工
学的手法に従って大量に産生される蛋白を用いることが
でき、得られる抗体はポリクローナル抗体及びモノクロ
ーナル抗体のいずれでもよく、之等抗体は蛋白の精製、
測定、識別等に有利に利用できる。更に、本発明遺伝子
の一部又は全部の塩基配列を標識プローブとして用いた
各種遺伝子工学的手法によれば、ヒトTGF−βレセプ
ター遺伝子にてコードされるアミノ酸配列のヒトTGF
−βレセプター乃至その同効物を容易に製造、精製で
き、また之等に対する抗体を得ることも可能である。
【0020】本発明遺伝子の単離は、一般的遺伝子工学
的手法により、例えば先のリンらの報告に係わるTGF
βII型レセプターのcDNA(TGF−βレセプター
発現能を有する細胞より全RNAを分離し、これよりm
RNAを単離、精製し、常法に従い合成されるcDN
A)をプローブとして用いて、市販のPHA刺激T細胞
cDNAライブラリーからプラークハイブリダイゼーシ
ョン法に従い、陽性クローンを選択し、該陽性クローン
を精製し、常法に従いその塩基配列を決定することによ
り実施できる。かくして、本発明遺伝子(TGF−βI
I型レセプターのcDNA)を得ることができる。
【0021】上記方法において、全RNAの分離に用い
られる起源細胞は、TGF−βレセプターの存在が知ら
れている各種動物の細胞、組織や之等に由来する培養細
胞の可溶性画分等のいすれでもよく、これは培養上清か
ら各種のクロマトグラフィー操作に従って単離精製する
ことができる。
【0022】上記TGF−βレセプター発現起源細胞
は、適当な細胞培養培地を利用して、常法の細胞培養法
に従って培養できる。ここで用いられる培地としては、
例えばRPMI−1640培地、CEM培地、CMRL
−1066培地、ダルベッコ改変イーグルの最小必須培
地(Eagle's MEM )、フィッシャーの培地、F−10培
地等を例示できる。之等培地には必要に応じて牛胎児血
清(FCS)等の血清やアルブミン等の血清成分を適宜
添加することもできる。培養は、通常の方法、例えば炭
酸ガス培養法等により実施でき、一般には約30〜40
℃程度、好ましくは約37℃前後で、約5〜17日間、
好ましくは約8〜11日間程度を要して行なわれる。
【0023】上記培養細胞乃至組織からの全RNAの分
離は、一般的な抽出法に従い実施でき、この抽出操作
は、上記培養により培養上清中にTGF−βレセプター
が最も多く生産蓄積される時期に行なわれるのがよい。
また、上記起源組織乃至培養細胞からの全RNAの抽出
は、例えば組織を用いる場合は、氷冷下にEDTA、D
TT(ジチオスレイトール)等を加えたリン酸カリウム
緩衝液等の適当な緩衝液中で、組織を破砕後、グアニジ
ン・イソシアネート混合液や適当な界面活性剤、例えば
SDS、NP−40、トリトンX100、デオキシコー
ル酸等を用いて、或はホモジナイザーや凍結融解等の物
理的方法によって、部分的に又は完全に破壊、可溶化さ
せた後、染色体DNAをポリトロン(POLYTRON, Kinema
tica Switzerland)等のミキサーもしくは注射筒を用い
てある程度せん断し、その後、蛋白質と核酸分画とを分
別することにより行ない得る。この操作には、特にフェ
ノール・クロロホルム抽出もしくは100000×g程
度の超遠心を用いる塩化セシウム重層法(Chirgwin,J.
M., et al., Biochemistry,18, 5294(1979))等を一般
的に採用できる。また、上記各方法においては、RNa
seによるRNAの分解を防ぐために、RNaseイン
ヒビター、例えばヘパリン、ポリビニル硫酸、ジエチル
ピロカーボネート、バナジウム複合体、ベントナイト、
マカロイド等を添加しておくのがよい。
【0024】上記抽出操作に従い得られるRNAからの
mRNAの分離、精製は、抽出物を例えばオリゴdT−
セルロース(Collaborative Research Inc. )、ポリU
−セファロース(Pharmacia 社)、セファロース2B
(ファルマシア社製)等の吸着カラムを用いる方法によ
り又はバッチ法により実施できる。
【0025】上記により得られる精製mRNAは、通常
不安定であり、安定な相補DNA(cDNA)の型に代
えられ、目的遺伝子の増幅を可能とするために微生物由
来のレプリコンに接続される。インビトロでの上記mR
NAのcDNAへの変換、即ちcDNAの合成は、一般
に次のようにして行なうことができる。
【0026】即ち、まずオリゴdTをプライマーとし
(このプライマーは遊離のオリゴdTもしくは既にベク
タープライマーに付加されたオリゴdTのいずれであっ
てもよい)、mRNAを鋳型としてdNTP(dAT
P、dGTP、dCTP又はdTTP)の存在下で、逆
転写酵素を用いてmRNAからこれに相補的な一本鎖c
DNAを合成する。次のステップは上記において遊離の
オリゴdTを用いたか、ベクタープライマーに付加され
たオリゴdTを用いたかにより、それぞれ以下の如く異
なる。
【0027】前者の場合、鋳型としたmRNAをアルカ
リ処理等により分解して除去し、その後一本鎖DNAを
鋳型として、逆転写酵素又はDNAポリメラーゼを用い
て、二本鎖DNAを作成する。次に得られる二本鎖DN
Aの両端をエキソヌクレアーゼで処理し、そのそれぞれ
に適当なリンカーDNA又はアニーリング可能な組合せ
の塩基を複数付加し、これを適当なベクターに組込む。
これは使用するベクターに応じてそれぞれ公知の方法、
例えばグブラーとホフマンの方法等に従って行なうこと
ができる。また上記cDNAの合成には、市販のcDN
A合成キットを用いることもでき、これによればより操
作が容易となる利点がある。ここで用いられるベクター
としては、特に制限はないが、λgt系のファージベク
ターやEK系プラスミドベクター等を単独でもしくは組
合せて、宿主に応じて適当に選択するのがよい。上記λ
gt系のファージベクターの具体例としては、λgt1
0、λgt11などを例示できる。之等λgt系ファー
ジベクターを用いる方法は、ヤングらの方法に準じるこ
とができる(Young,R.A., et al., in DNA Cloning, 1,
49(1985) )。
【0028】また後者の場合、鋳型としたmRNAを残
存させたまま、上記と同様のアニーリング可能な組合せ
の塩基を複数付加した開環状プラスミドと、リンカーD
NA(しばしば動物細胞で自立複製できる領域とmRN
Aの転写プロモーター領域を含むDNA断片が用いられ
る)とを、アニーリングさせて閉環状とした後、dNT
P存在下でRNaseHとDNAポリメラーゼIとを共
存させて、mRNAをDNA鎖に置換して完全なプラス
ミドDNAを作成する。
【0029】上記の如くして得られるDNAは、これを
ベクターの宿主、例えばエシェリヒア コリ(Esherichi
a coli) 、バチルス ズブチリス(Bacillus subtilis)
、サッカロミセス セレビシアエ (Saccharomyces cer
evisiae) 等の適当な宿主内に導入して、これを形質転
換できる。このDNAの宿主への導入及び形質転換法と
しては、一般に用いられる方法、例えば主として対数増
殖期にある細胞を集め、CaCl2 処理して自然にDN
Aを取り込みやすい状態にしてプラスミドを取り込ませ
る方法等を採用できる。上記方法においては、通常知ら
れているように形質転換の効率を一層向上させるために
MgCl2 やRbClを更に共存させることもできる。
また微生物細胞をスフェロプラスト又はプロトプラスト
化してから形質転換させる方法も採用できる。之等の方
法の詳細は、グブラーとホフマンの方法(Gubler,U. an
d Hoffman,B.J., Gene, 25, 263(1983) )に記載されて
いる。また一般にファージベクターとしてよく用いられ
ているλファージをベクターとする場合は、インビトロ
パッケージング(in vitro packaging)にて、λファー
ジによるcDNAライブラリーを作製することができ
る。尚、該cDNAライブラリーとしては、市販のcD
NAライブラリー、例えばクローンテック(Clontech)
社より市販の各種cDNAライブラリーを用いることも
できる。
【0030】かくして得られるcDNAライブラリーか
らの、本発明目的遺伝子のスクリーニングは、通常の方
法により実施できる。該スクリーニング方法としては、
例えばcDNAの産生する蛋白質に対してTGF−βレ
セプター特異抗体を使用して、ウエスタンブロッティン
グにより対応するcDNAクローンを選択する方法、目
的のDNA配列に選択的に結合するプローブを用いたサ
ザンブロッティング法、ノーザンブロッティング法等や
之等の組合せを例示できる。ここで用いられるプローブ
としては、目的のDNA又はRNA配列又はそれにより
コードされるアミノ酸配列に関する情報をもとにして化
学合成されたDNA配列等を用いるのが一般的であり、
天然から調製されたDNAやRNAもかかるプローブと
して利用できる。
【0031】上記プローブの調製は、より詳しくは、以
下の如くして実施される。即ち、TGF−βレセプター
タイプII蛋白を含む組織もしくは培養細胞より得られ
るRNAからオリゴdT−セルロースカラムにてポリ
(A)+RNAを選別し、上記方法に従い一本鎖cDN
Aを合成し、反応を停止させた後、TGF−βレセプタ
ータイプIIの一部のアミノ酸配列情報に対応すると考
えられるプライマーを自動オリゴヌクレオチド合成機で
合成し、これを用いてPCR法(Saiki,R.K., etal., S
cience, 230, 1350-1354(1985) )により一本鎖cDN
Aを増幅させる。
【0032】次に増幅させたcDNA断片を1.0%ア
ガロースゲル電気泳動により単離精製する。上記で得ら
れるDNA断片の塩基配列の決定は、常法に従うことが
できる。例えば得られたDNA断片を適当な制限酵素に
てDNA消化した後、ジデオキシ法(Sanger F., Nickl
en S. and Coulson A.R., DNA sequencing with chain-
terminating inhibitors, Proc.Natl.Acad.Sci., U.S.
A.,74,5463-5467(1977))やマキサム−ギルバート法(M
axam,A.M. and Gilbert,W., Method in Enzymology,65,
499(1980) )等により行なうことができる。更に、上
記塩基配列の決定は、市販のシークエンスキット等を用
いても容易に行ない得る。
【0033】かくして、決定された本発明遺伝子(TG
F−βレセプタータイプII)を含む全DNA塩基配列
は配列番号:3に示す通りである。
【0034】本発明においては、上記で配列決定された
DNA断片の一部をプローブとし、これを例えばランダ
ムプライムDNAラベル化法(Feinberg,A.P., et al.,
Anal.Biochem., 137, 266-267(1984))を用いたランダ
ムプライムDNAラベリングキット(宝酒造社製、アマ
ーシャム社製等)を用いて標識し、かくして得られる標
識プローブを目的とするTGF−βレセプタータイプI
I遺伝子のスクリーニングに利用することもできる。
【0035】目的DNAのスクリーニングは、上記標識
プローブ等を用いて、ベントンとデービスにより開発さ
れたプラークハイブリダイゼーション法(Benton,W. an
d Davis,R., Science, 196, 383-394(1977) )に従って
実施できる。
【0036】上記で得られる本発明遺伝子は、常法に従
って各種プラスミドにクローニングできる。例えば適当
な制限酵素にて切断後、精製した本発明遺伝子断片を、
同制限酵素にて切断して精製したプラスミド等のクロー
ニングベクターの切断部位に挿入すればよく、これによ
り組換え体プラスミドを収得できる。該組換え体を適当
な宿主、例えば大腸菌に形質導入し、該形質転換体よ
り、通常公知の方法、例えばMolecular Cloning (A Lab
oratory Manual), T.Maniatis, E.F.Fritsch, J.Sambro
ok, Cold Spring Harbor Laboratory (1982) p104-106
に記載の方法等に従うことにより、該遺伝子がコードさ
れるクローンの制限酵素地図を作成できる。上記クロー
ンの塩基配列決定は、これを適当な制限酵素にて消化
後、前記ジデオキシ法やマキサム−ギルバート法等に従
い実施できる。更に上記塩基配列の決定は、市販のシー
クエンスキット等を用いても容易に行ない得る。
【0037】かくして、決定された本発明のヒトTGF
−βレセプタータイプII遺伝子の細胞外ドメインのD
NA塩基配列及びこれによりコードされる対応アミノ酸
配列は、配列番号:1及び配列番号:2に示す通りであ
る。
【0038】上記配列番号:2及び前記配列番号:3よ
り明らかなように、本発明遺伝子(細胞外ドメイン)の
DNA配列は、5′側38塩基の非翻訳領域に続く17
79塩基(終始コドンTGAを含む)の翻訳領域とそれ
に続く3′側の非翻訳領域(101塩基)を含めた全体
で1918個の塩基からっている。上記翻訳領域は、5
92個のアミノ酸残基の蛋白質に相当する。
【0039】上記本発明遺伝子(DNA)を利用して、
公知の各種遺伝子組換え技術〔例えばScience, 224,143
1,(1984) ; Biochem.Biophys.Res.Comm., 130, 692 (19
85): Proc.Natl.Acad.Sci., U.S.A., 80, 5990 (1983)
等参照〕に従って、組換え体TGF−βレセプタータイ
プIIを得ることができる。
【0040】該TGF−βレセプタータイプIIの製造
は、より詳細には、本発明遺伝子が宿主細胞中で発現で
きる組換えDNAを作成し、これを宿主細胞に導入して
形質転換し、該形質転換株を培養することにより行なわ
れる。ここで宿主細胞としては、真核生物及び原核生物
のいずれも用いることができる。脊椎動物細胞の発現ベ
クターとしては、通常発現しようとする遺伝子の上流に
位置するプロモーター、RNAのスプライス部位、ポリ
アデニル化部位及び転写終了配列等を保有するものを使
用でき、これは更に必要により複製起点を有していても
よい。また真核微生物としては、酵母が一般によく用い
られ、中でもサッカロミセス属酵母を有利に利用でき
る。該酵母等の真核微生物の発現ベクターとしては、例
えば酸性ホスフアターゼ遺伝子に対するプロモーターを
有するpAM82〔A.Miyanohara et al, Proc. Natl.
Acad. Sci., U.S.A., 80, 1-5 (1983)〕等を利用でき
る。原核生物の宿主としては、大腸菌や枯草菌が一般に
よく用いられる。之等を宿主とする場合、本発明では例
えば該宿主菌中で複製可能なプラスミドベクターを用
い、このベクター中に本発明遺伝子が発現できるように
該遺伝子の上流にプロモーター及びSD(シヤイン・ア
ンド・ダルガーノ)塩基配列、更に蛋白合成開始に必要
な開始コドン(例えばATG)を付与した発現プラスミ
ドを利用するのが好ましい。上記宿主としての大腸菌と
しては、エシエリヒア・コリ(Escherichiacoli)K1
2株等がよく用いられ、ベクターとしては一般にpBR
322がよく用いられるが、之等に限定されず公知の各
種の菌株及びベクターをも利用できる。プロモーターと
しては、例えばトリプトファン(trp)プロモータ
ー、lppプロモーター、lac プロモーター、PL プロモ
ーター等を使用できる。
【0041】かくして得られる所望の組換えDNAの宿
主細胞への導入方法及びこれによる形質転換方法として
は、一般的な各種方法を採用できる。また得られる形質
転換体は、常法に従い培養でき、該培養により本発明遺
伝子によりコードされる目的のTGF−βレセプターが
生産、蓄積される。該培養に用いられる培地としては、
採用した宿主細胞に応じて慣用される各種のものを適宜
選択利用できる。例えば宿主細胞として大腸菌等を利用
した形質転換体の培養には、LB培地、E培地、M9培
地、M63培地等を使用でき、之等培地には更に必要に
応じて通常公知の各種の炭素源、窒素源、無機塩、ビタ
ミン類、天然物抽出物、生理活性物質等を添加できる。
上記形質転換体の培養は、宿主細胞の生育に適した条件
下で実施でき、大腸菌の場合は例えばpH約5〜8、好
ましくは7又はその付近、温度約20〜43℃、好まし
くは37℃又はその付近を採用できる。上記により、形
質転換体の細胞内乃至は細胞外に目的とする組換えTG
F−βレセプター蛋白が生産、蓄積乃至分泌される。
【0042】該目的蛋白は、その物理的性質、化学的性
質等を利用した各種の分離操作(「生化学データーブッ
クII」、1175-1259 頁、第1版第1刷、1980年 6月23
日株式会社東京化学同人発行;Biochemistry, vol.25,
No.25, 8274-8277(1986); Eur. J. Biochem., 163, 313
-321 (1987) 等参照)により分離、精製できる。該方法
としては、具体的には例えば通常の再構成処理、蛋白沈
澱剤による処理(塩析法)、遠心分離、浸透圧ショック
法、超音波破砕、限外濾過、分子篩クロマトグラフィー
(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換ク
ロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の各種液体
クロマトグラフィー、透析法、之等の組合せ等を例示で
きる。上記により容易に高収率で所望の組換え蛋白を工
業的規模で製造できる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、TGF−βレセプター
タイプII遺伝子が提供される。該遺伝子を用いれば、
TGF−βレセプタータイプII蛋白を容易に大量に製
造することができ、該TGF−βレセプタータイプII
は、TGF−βの阻害活性を有することから、癌を始め
とする各種疾患の治療に利用可能である。
【0044】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、実
施例を挙げる。
【0045】
【実施例1】TGF−βレセプタータイプIIのクロー
ニング (1)cDNAライブラリー cDNAライブラリーとしては、クローンテック社製ヒ
トKeratinocyte cDNA(epidermal primary culture, ad
ult, oligo(dT)-primed, CLHL1045b, 東洋紡社販売)
を用いた。これはベクターλgt10に0.5〜3.8
kb(平均1.1kb)のcDNAが挿入されたもので
あり、上記市販品には専用の宿主大腸菌としてC600
株が添付されている。
【0046】(2)TGF−βレセプタータイプIIス
クリーニングプローブの調製 HepG2細胞(ヒト肝癌由来細胞株、大日本製薬社
製)から抽出した粗RNAを鋳型として用いて、下記表
1に示す2本のプライマーで増幅させて、0.5Kbの
cDNA断片を調製し、これをプローブとした。該プロ
ーブはヒトTGFβレセプタータイプIIのcDNA
中、分泌シグナル配列と細胞外ドメインをコードする部
分であり、そのcDNA断片の配列を配列番号:4に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】(3)プラークハイブリダイゼーション法
によるクローニング 上記(1)のcDNAライブラリーと上記(2)のスク
リーニング用プローブとを用いて、ベントンとデービス
により開発されたプラークハイブリダイゼーション法
(Science, 196, 383-394(1977) )に従って、以下の通
り実施した。
【0049】まず、0.2%マルトース添加L培地(1
%バクトトリプトン、0.5%酵母エキス及び0.5%
NaCl)中、37℃で一夜培養した宿主菌C600株
中に、その1.5mlに対して、約5万個のプラークが
生じるように希釈した上記(1)のcDNAライブラリ
ーを加え、37℃で15分間インキュベートした後、こ
れを50℃に加温したトップアガー(25ml)と混合
し、混合物を直ちに10mM MgSO4 添加L培地2
50mlを入れたプラスチックシャーレ(24.5×2
4.5cm)の上に撒き広げて固まらせた。上記シャー
レを37℃で一夜培養すると培地表面に多数のプラーク
が形成された。
【0050】次に、上記シャーレ上にナイロンメンブラ
ンフィルター(バイオダインA、孔径0.2μm、22
2×222mm、ポール(Pall)社製)を載せて1分間接
触させることにより培地表面のλファージをフィルター
に吸着させた。このフィルターを3分間変性溶液(0.
5N NaOH+1.5M NaCl)と接触させ、次
いで3分間中和溶液(0.5MトリスHCl(pH7.
0)+1.5M NaCl)と接触させ、更に3分間2
×SSC溶液(3M NaCl17.54g/l+0.
3M クエン酸ナトリウム・2水和物8.82g/l)
と接触させた。得られたフィルターを風乾させた後、8
0℃、2時間の加熱処理を施した。
【0051】その後、フィルターをハイブリダイゼーシ
ョンバッグに入れ、プレハイブリダイゼーション溶液
(100×デンハルト溶液5ml、20×SSC溶液2
5ml、1MトリスHCl(pH7.5)5ml、10
%SDS1ml、超音波処理サケ精子DNA(sssD
NA、50〜100μg/ml)1ml及びdH2 O6
3ml)をフィルター一枚当り50ml加えて、バッグ
内に気泡が残らないように注意して封をし、65℃で一
夜放置した。
【0052】次に、バッグからプレハイブリダイゼーシ
ョン溶液を除き、標識プローブ5μlを添加したハイブ
リダイゼーション溶液(100×デンハルト溶液1m
l、20×SSC溶液25ml、1MトリスHCl(p
H7.5)5ml、10%SDS1ml、sssDN
A)1ml、dH2 O67ml及び標識プローブ106
cpm/バッグ)をフィルター一枚当り50ml加え
て、55℃で一夜放置した。上記標識プローブは、前記
(2)に示した0.5kbのプローブDNAをランダム
プライマーDNAラベリングキット(宝酒造社製)を用
いて、メーカーの使用マニュアルに従って作製した。
【0053】その後、バッグから取り出したフィルター
を、55℃に加温した洗浄液(2×SSC+0.1%S
DS)中で20分間放置した。この洗浄操作を4回繰り
返した後、最後に0.2×SSC+0.1%SDSの洗
浄液中で20分間を要して洗浄した後、風乾させた。風
乾したフィルターをサランラップで包み、X線フィルム
と接触させて、−80℃で2日間放置した後、このX線
フィルムを現像した。
【0054】以上の操作の結果、X線フィルム上で黒い
スポットとして確認できるポジティプシグナルが6個得
られた。上記X線フィルムを元のシャーレと照合して、
上記シグナルの見つかった位置に対応するプラークをパ
スツールピペットの先端で寒天培地ごと吸い取り、その
中に含まれるファージ粒子を1mlのλdil溶液(1
00mM NaCl、10mM MgSO4 、35mM
トリスHCl(pH7.5)、0.1%ゼラチン)で抽
出した。
【0055】かくして得られたポジティブシグナルに対
応するファージ粒子抽出液のそれぞれについて、λdi
l溶液で、500、5000及び50000倍に希釈し
た液を調製し、之等の各100μlに対して、0.2%
マルトース添加L培地中で37℃で一夜培養したC60
0株の液200μlを加え、37℃で15分間インキュ
ベートした後、50℃に加温したトップアガー2.5m
lと混合して、直ちに10mM MgSO4 添加L寒天
培地25mlを含む直径9cmのプラスチックシャーレ
上に撒き拡げて固まらせた。
【0056】37℃で一夜培養後に1シャーレ当り10
0個程度のプラークが形成されたシャーレを選び、これ
を用いて、前記と同様にフィルター吸着、ハイブリダイ
ゼーション、洗浄及びオートラジオグラフィーの各操作
を繰り返すことにより、ポジティブシグナルを示す組換
えファージを2株単離した。之等をそれぞれ「λKβR
II−1」及び「λKβRII−6」とする。
【0057】(4)組換えファージDNAの調製 大腸菌LE392株(F- 、hsdR514(rk -
k + )、supE44、supF58、lacY1、
galK2、galT22、metB1、trpR5
5、λ- 、macA- 、mcrB+ 、東洋紡社製)をT
−mal培地(1%バクトトリプトン、0.25%Na
Cl及び0.2%マルトース)5ml中で37℃下に一
夜培養して得た菌体を、λdil溶液1mlに懸濁させ
た。この懸濁液70μlに、上で単離した組換えファー
ジのλdil溶液10μlを加え、37℃で15分間保
温した後、L−MgSO4 培地(10mM MgSO4
添加L培地)5mlを加え、37℃で約6時間培養し
た。一度濁った液が再び透明となってきた時点でクロロ
ホルム70μlを加えて更に15分間37℃で培養し、
遠心分離(10000rpm、10分間、4℃)して上
清を得た。
【0058】上記上清にPEG溶液(10%ポリエチレ
ングリコールと11.7%のNaClを含むλdil培
地)5mlを加えてよく混ぜて4℃で一夜放置した後、
この混合液を遠心分離(12000rpm、10分間、
4℃)して沈殿を集めた。沈殿をL培地375μlに溶
かし、ジエチルアミノエチルセルロース(ワットマン社
製、DE52)のL培地懸濁液(20〜30w/w%)
375μlを加えて充分混合した後、遠心分離(120
00rpm、5分間、室温)して上清を得た。該上清を
フェノール抽出、次いでフェノール・クロロホルム抽出
し、最後に3M酢酸ナトリウム(pH5)75μlとイ
ソプロパノール500μlを加えて、−20℃で90分
以上静置し、生じた沈殿を遠心分離(12000rp
m、5分間、4℃)で集め、乾燥させた後、TE(10
mMトリスHCl(pH8.0)+1mM EDTA)
50μlに溶解させた。
【0059】(5)λKβRII−6株の2.8kbE
coRI断片のサブクローニング 調製したλDNA溶液10μlを、反応液200μl中
の制限酵素EcoRI(宝酒造社製)40ユニットで、
37℃下に4.5時間反応させて消化し、1%アガロー
スゲル電気泳動して、エチジウムブロマイド染色した結
果、λKβRII−1株及びλKβRII−6株ともに
約2.8kbのDNA断片が生成していることが確認さ
れた。
【0060】上記ゲルからλKβRII−6株の2.8
kbDNA断片を切り出し、DNA回収用フィルター付
遠心チューブSuprec−01(宝酒造社製)でDN
Aを回収した。
【0061】一方、ベクターとしてプラスミドpU19
(宝酒造社製)5μgをEcoRI40ユニットで消化
し、その内の0.5μg相当を上記で回収したDNA断
片と混合し、T4DNAリガーゼ(宝酒造社製)で結合
させた(反応容量40μl)。結合させたDNAで大腸
菌JM107株を形質転換し、これをアンピシリン10
0μg/ml、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリ
ル−β−D−ガラクトシド40μg/ml及びイソプロ
ピル−β−D−チオガラクトピラノシド1mMを含むL
寒天培地に接種し、37℃で一夜培養した後、白色を呈
するコロニーを分離した。得られたコロニーからミニプ
レパレーション法でプラスミドDNAを調製し、この組
換えプラスミドに約2.8kbのcDNA断片が挿入さ
れていることを確認した。
【0062】(6)λKβRII−6株の2.8kbE
coRI断片の制限酵素地図の作製 上記(5)で得られた組換えプラスミドをApaLI、
AvaI、BglII、HincII、HpaI、Na
eI、NarI、NcoI、NspI、PstI、Sa
cI、SmaIの各制限酵素で消化し、1%又は1.8
%アガロースゲル電気泳動で分析することにより、その
制限酵素地図を作成した。
【0063】その結果、該プラスミドcDNA中には、
制限酵素BglII(1)、HincII(2)、Ps
tI(1)及びSacI(1)の認識部位がそれぞれ少
なくとも括弧内の数だけ存在することが判った。
【0064】上記で得られた制限酵素切断断片の長さを
電気泳動により求めた結果を図1に示す。
【0065】(7)λKβRII−6株の2.8kbE
coRI断片の塩基配列の決定 ファルマシア社製オートサイクルシークエンスキットを
用いて反応させた試料を、ファルマシアLKB社製A.
L.F.DNAシークエンサーで分析した。この分析法
で完全に解読できなかった部分については、同じ試料
を、クローンテック社製シークエナーゼバージョン2.
0DNAシークエンスキットで反応させ、宝酒造社製V
E−4型DNA塩基配列分析用電気泳動装置を使用して
分析、解読した。
【0066】かくして決定された塩基配列(図1に矢印
で示すDNA断片についての配列決定結果)を配列番
号:3に示す。
【0067】之等より、本発明TGF−βレセプタータ
イプII遺伝子は、翻訳領域及び5′側と3′側の非翻
訳領域を含めて全体で1918個の塩基からなり、翻訳
領域は592アミノ酸残基の蛋白質に相当する39〜1
817位の1779塩基の長さを有しており、この内3
9〜107位に対応する23アミノ酸残基はシグナルペ
プチドであり、108〜590位に対応する161アミ
ノ酸残基は細胞外ドメインであり、591〜680位に
対応する30アミノ酸残基は貫膜ドメインであり、68
1〜1814位に対応する378アミノ酸残基は細胞内
ドメインであることが判明した。
【配列表】
【0068】配列番号:1 配列の長さ:161 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:ペプチド 配列: Ile Pro Pro His Val Gln Lys Ser Asp Val Glu Met Glu Ala Gln Lys 5 10 15 Asp Glu Ile Ile Cys Pro Ser Cys Asn Arg Thr Ala His Pro Leu Arg 20 25 30 His Ile Asn Asn Asp Met Ile Val Thr Asp Asn Asn Gly Ala Val Lys 35 40 45 Phe Pro Gln Leu Cys Lys Ser Cys Asp Val Arg Phe Ser Thr Cys Asp 50 55 60 Asn Gln Lys Ser Cys Met Ser Asn Cys Ser Ile Thr Ser Ile Cys Glu 65 70 75 80 Lys Pro Gln Glu Val Cys Val Ala Val Trp Arg Lys Asn Asp Glu Asn 85 90 95 Ile Thr Leu Glu Thr Val Cys His Asp Pro Lys Leu Pro Tyr His Asp 100 105 110 Phe Ile Leu Glu Asp Ala Ala Ser Pro Lys Cys Ile Met Lys Glu Lys 115 120 125 Lys Lys Pro Gly Glu Thr Phe Phe Met Cys Ser Cys Ser Ser Asp Glu 130 135 140 Cys Asn Asp Asn Ile Ile Phe Ser Glu Glu Tyr Asn Thr Ser Asn Pro 145 150 155 160 Asp
【0069】配列番号:2 配列の長さ:483 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:cDNA 配列: ATCCCACCGC ACGTTCAGAA GTCGGATGTG GAAATGGAGG CCCAGAAAGA TGAAATCATC 60 TGCCCCAGCT GTAATAGGAC TGCCCATCCA CTGAGACATA TTAATAACGA CATGATAGTC 120 ACTGACAACA ACGGTGCAGT CAAGTTTCCA CAACTGTGTA AATCTTGTGA TGTGAGATTT 180 TCCACCTGTG ACAACCAGAA ATCCTGCATG AGCAACTGCA GCATCACCTC CATCTGTGAG 240 AAGCCACAGG AAGTCTGTGT GGCTGTATGG AGAAAGAATG ACGAGAACAT AACACTAGAG 300 ACAGTTTGCC ATGACCCCAA GCTCCCCTAC CATGACTTTA TTCTGGAAGA TGCTGCTTCT 360 CCAAAGTGCA TTATGAAGGA AAAAAAAAAG CCTGGTGAGA CTTTCTTCAT GTGTTCCTGT 420 AGCTCTGATG AGTGCAATGA CAACATCATC TTCTCAGAAG AATATAACAC CAGCAATCCT 480 GAC 483
【0070】配列番号:3 配列の長さ:1918 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:cDNA 直接の起源 ライブラリー名:ヒトT-Keratinocyte cDNA ライブラリ
ー クローン名:CLHL1045b 配列の特徴: 特徴を表す記号:5′UTR 存在位置:1..38 特徴を決定した方法:S 配列の特徴: 特徴を表す記号:CDS 存在位置:39..1817 特徴を決定した方法:S 配列の特徴: 特徴を表す記号:3′UTR 存在位置:1818..1918 特徴を決定した方法:S 配列: GCTGGGGGCT CGGTCTATGA CGAGCAGCGG GGTCTGCCAT GGGTCGGGGG CTGCTCAGGG 60 GCCTGTGGCC GCTGCACATC GTCCTGTGGA CGCGTATCGC CAGCACGATC CCACCGCACG 120 TTCAGAAGTC GGATGTGGAA ATGGAGGCCC AGAAAGATGA AATCATCTGC CCCAGCTGTA 180 ATAGGACTGC CCATCCACTG AGACATATTA ATAACGACAT GATAGTCACT GACAACAACG 240 GTGCAGTCAA GTTTCCACAA CTGTGTAAAT CTTGTGATGT GAGATTTTCC ACCTGTGACA 300 ACCAGAAATC CTGCATGAGC AACTGCAGCA TCACCTCCAT CTGTGAGAAG CCACAGGAAG 360 TCTGTGTGGC TGTATGGAGA AAGAATGACG AGAACATAAC ACTAGAGACA GTTTGCCATG 420 ACCCCAAGCT CCCCTACCAT GACTTTATTC TGGAAGATGC TGCTTCTCCA AAGTGCATTA 480 TGAAGGAAAA AAAAAAGCCT GGTGAGACTT TCTTCATGTG TTCCTGTAGC TCTGATGAGT 540 GCAATGACAA CATCATCTTC TCAGAAGAAT ATAACACCAG CAATCCTGAC TTGTTGCTAG 600 TCATATTTCA AGTGACAGGC ATCAGCCTCC TGCCACCACT GGGAGTTGCC ATATCTGTCA 660 TCATCATCTT CTACTGCTAC CGCGTTAACC GGCAGCAGAA GCTGAGTTCA ACCTGGGAAA 720 CCGGCAAGAC GCGGAAGCTC ATGGAGTTCA GCGAGCACTG TGCCATCATC CTGGAAGATG 780 ACCGCTCTGA CATCAGCTCC ACGTGTGCCA ACAACATCAA CCACAACACA GAGCTGCTGC 840 CCATTGAGCT GGACACCCTG GTGGGGAAAG GTCGCTTTGC TGAGGTCTAT AAGGCCAAGC 900 TGAAGCAGAA CACTTCAGAG CAGTTTGAGA CAGTGGCAGT CAAGATCTTT CCCTATGAGG 960 AGTATGCCTC TTGGAAGACA GAGAAGGACA TCTTCTCAGA CATCAATCTG AAGCATGAGA 1020 ACATACTCCA GTTCCTGACG GCTGAGGAGC GGAAGACGGA GTTGGGGAAA CAATACTGGC 1080 TGATCACCGC CTTCCACGCC AAGGGCAACC TACAGGAGTA CCTGACGCGG CATGTCATCA 1140 GCTGGGAGGA CCTGCGCAAG CTGGGCAGCT CCCTCGCCCG GGGGATTGCT CACCTCCACA 1200 GTGATCACAC TCCATGTGGG AGGCCCAAGA TGCCCATCGT GCACAGGGAC CTCAAGAGCT 1260 CCAATATCCT CGTGAAGAAC GACCTAACCT GCTGCCTGTG TGACTTTGGG CTTTCCCTGC 1320 GTCTGGACCC TACTCTGTCT GTGGATGACC TGGCTAACAG TGGGCAGGTG GGAACTGCAA 1380 GATACATGGC TCCAGAAGTC CTAGAATCCA GGATGAATTT GGAGAATGTT GAGTCCTTCA 1440 AGCAGACCGA TGTCTACTCC ATGGCTCTGG TGCTCTGGGA AATGACATCT CGCTGTAATG 1500 CAGTGGGAGA AGTAAAAGAT TATGAGCCTC CATTTGGTTC CAAGGTGCGG GAGCACCCCT 1560 GTGTCGAAAG CATGAAGGAC AACGTGTTGA GAGATCGAGG GCGACCAGAA ATTCCCAGCT 1620 TCTGGCTCAA CCACCAGGGC ATCCAGATGG TGTGTGAGAC GTTGACTGAG TGCTGGGACC 1680 ACGACCCAGA GGCCCGTCTC ACAGCCCAGT GTGTGGCAGA ACGCTTCAGT GAGCTGGAGC 1740 ATCTGGACAG GCTCTCGGGG AGGAGCTGCT CGGAGGAGAA GATTCCTGAA GACGGCTCCC 1800 TAAACACTAC CAAATAGCTC TTCTGGGGCA GGCTGGCCCA TGTCCAAAGA GGCTGCCCCT 1860 CTCACCAAAG AATAGAGGCA GCAGGAAGCT CCCTGAACTG TGCTTCCTGG AAACCAAG 1918
【0071】配列番号:4 配列の長さ:503 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:cDNA 配列: TCTAGAGATG GGTCGGGGGC TGCTCAGGGG CCTGTGGCCG CTGCACATCG TCCTGTGGAC 60 GCGTATCGCC AGCACGATCC CACCGCACGT TCAGAAGTCG GTTAATAACG ACATGATAGT 120 CACTGACAAC AACAACGGTG CAGTCAAGTT TCCACAACTG TGTAAATTTT GTGATGTGAG 180 ATTTTCCACC TGTGACAACC AGAAATCCTG CATGAGCAAC TGCAGCATCA CCTCCATCTG 240 TGAGAAGCCA CAGCCACAGG AAGTCTGTGT GGCTGTATGG AGAAAAGAAT GACGAGAACA 300 TAACACTAGA GACAGTTTGC CATGACCCCA AGCTCCCCTA CCATGACTTT ATTCTGGAAG 360 ATGCTGCTTC TCCAAAGTGC ATTATGAAGG AAAAAAAAAA GCCTGGTGAG ACTTTCTTCA 420 TGTGTTCCTG TAGCTCTGAT GAGTGCAATG ACAACATCAT CTTCTCAGAA GAATATAACA 480 CCAGCAATCC TGACTAGGGA TCC 503
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の(6)に従い求められたプラスミド
λKβRII−6の制限酵素地図を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1で示されるアミノ酸配列をコ
    ードする塩基配列を含むことを特徴とするTGF−βレ
    セプタータイプII遺伝子。
  2. 【請求項2】配列番号:2で示される塩基配列を含む請
    求項1に記載のTGF−βレセプタータイプII遺伝
    子。
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