JPH085840B2 - ジャスモン酸の光学分割方法 - Google Patents
ジャスモン酸の光学分割方法Info
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- JPH085840B2 JPH085840B2 JP2060365A JP6036590A JPH085840B2 JP H085840 B2 JPH085840 B2 JP H085840B2 JP 2060365 A JP2060365 A JP 2060365A JP 6036590 A JP6036590 A JP 6036590A JP H085840 B2 JPH085840 B2 JP H085840B2
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Description
本発明は、(±)−ジャスモン酸の光学分割方法に関
する。本発明の方法で得られる光学活性なジャスモン酸
は、例えば、香気を有する光学活性なジャスモン酸メチ
ルの原料として有用である。
する。本発明の方法で得られる光学活性なジャスモン酸
は、例えば、香気を有する光学活性なジャスモン酸メチ
ルの原料として有用である。
ジャスモン酸メチルは、ジャスミン花様の強い香気を
有し、化粧品や食品調合香料、合成花精油、医薬、化学
薬品などの分野で有用な化学物質である。 ところで、ジャスモン酸メチルは、式 で表わされる。この式から明らかなように、ジャスモン
酸メチルは、キラル中心を2つ(五員環中の2つの不斉
炭素)もっており、4種の光学異性体が存在する。ジャ
スモン酸メチルが独特の香気を有するのは、特定の光学
異性体によるものであることが西田らによって指摘され
ている〔Agric.Biol.Chem.,49(3),769−772(198
5)〕。 一般に、工業的に製造されるジャスモン酸メチルは、
これら4種の光学異性体の混合物であって、目的とする
光学異性体は少量しか含まれていない。したがって、目
的とする特定の光学異性体を高濃度で得ることができれ
ば、その工業的な意義は大きい。従来、ジャスモン酸メ
チルの光学分割については、殆ど研究されておらず、わ
ずかに前記西田らの文献において、ジャスモン酸を1−
ボルネオールのエステルに変換した後、HPLC(高速液体
クロマトグラフィー)を用いて分離したという報告があ
るのみである。 HPLC法による光学異性体の分割は、実験室的な価値は
あるけれども、一般に、生産性や経済性に難点があるた
め、工業的製造法としては適していない。工業的には、
酸と塩基との組み合わせによりジアステレオマー塩を形
成させ、生成する塩の溶解度の差によって、一方のジア
ステレオマー塩のみを難溶性塩として沈殿させて分離で
きることが望ましい。 そこで、ジャスモン酸に、分割剤として光学活性なア
ミン(塩基)を作用させて、ジアステレオマー塩を形成
させることにより、光学分割する方法が考えられるが、
従来、このジアステレオマー法では、結晶性の良い塩を
得るのに適した光学分割剤は、見出されていなかった。
有し、化粧品や食品調合香料、合成花精油、医薬、化学
薬品などの分野で有用な化学物質である。 ところで、ジャスモン酸メチルは、式 で表わされる。この式から明らかなように、ジャスモン
酸メチルは、キラル中心を2つ(五員環中の2つの不斉
炭素)もっており、4種の光学異性体が存在する。ジャ
スモン酸メチルが独特の香気を有するのは、特定の光学
異性体によるものであることが西田らによって指摘され
ている〔Agric.Biol.Chem.,49(3),769−772(198
5)〕。 一般に、工業的に製造されるジャスモン酸メチルは、
これら4種の光学異性体の混合物であって、目的とする
光学異性体は少量しか含まれていない。したがって、目
的とする特定の光学異性体を高濃度で得ることができれ
ば、その工業的な意義は大きい。従来、ジャスモン酸メ
チルの光学分割については、殆ど研究されておらず、わ
ずかに前記西田らの文献において、ジャスモン酸を1−
ボルネオールのエステルに変換した後、HPLC(高速液体
クロマトグラフィー)を用いて分離したという報告があ
るのみである。 HPLC法による光学異性体の分割は、実験室的な価値は
あるけれども、一般に、生産性や経済性に難点があるた
め、工業的製造法としては適していない。工業的には、
酸と塩基との組み合わせによりジアステレオマー塩を形
成させ、生成する塩の溶解度の差によって、一方のジア
ステレオマー塩のみを難溶性塩として沈殿させて分離で
きることが望ましい。 そこで、ジャスモン酸に、分割剤として光学活性なア
ミン(塩基)を作用させて、ジアステレオマー塩を形成
させることにより、光学分割する方法が考えられるが、
従来、このジアステレオマー法では、結晶性の良い塩を
得るのに適した光学分割剤は、見出されていなかった。
本発明の目的は、ジアステレオマー法により、ジャス
モン酸を効率よく光学分割する方法を提供することにあ
る。 本発明者らは、前記従来技術の有する問題点を解決す
るために鋭意研究した結果、ジャスモン酸に、分割剤と
して特定の光学活性なアミンを作用させると、効率よく
光学分割できることを見出した。 すなわち、適当な溶媒中で、(±)−ジャスモン酸
に、光学活性な1−(p−トリル)エチルアミンを作用
させると、一方のジアステレオマー塩を難溶性の結晶と
して析出させることができることを見出した。得られた
光学活性なジャスモン酸をエステル化すれば、光学活性
なジャスモン酸メチルを得ることができる。本発明は、
これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
モン酸を効率よく光学分割する方法を提供することにあ
る。 本発明者らは、前記従来技術の有する問題点を解決す
るために鋭意研究した結果、ジャスモン酸に、分割剤と
して特定の光学活性なアミンを作用させると、効率よく
光学分割できることを見出した。 すなわち、適当な溶媒中で、(±)−ジャスモン酸
に、光学活性な1−(p−トリル)エチルアミンを作用
させると、一方のジアステレオマー塩を難溶性の結晶と
して析出させることができることを見出した。得られた
光学活性なジャスモン酸をエステル化すれば、光学活性
なジャスモン酸メチルを得ることができる。本発明は、
これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、式 で示される(±)−ジャスモン酸に、光学活性な1−
(p−トリル)エチルアミンを作用させることを特徴と
する(±)−ジャスモン酸の光学分割方法が提供され
る。 以下、本発明について詳述する。 本発明において、出発原料として使用する(±)−ジ
ャスモン酸自体は、公知の化合物である。したがって、
本発明で使用する(±)−ジャスモン酸は、特定の製造
法により得られたものに限定されるものではないが、通
常、(±)−ジャスモン酸メチルの加水分解により、容
易に、しかも高収率で得ることができる。ジャスモン酸
には、五員環中に2個の不斉炭素が存在し、2組のエナ
ンチオマーおよびジアステレオマーが存在するが、本発
明は、エナンチオマーの分離に関するものである。 (±)−ジャスモン酸に光学活性な1−(p−トリ
ル)エチルアミンを作用させるには、適当な溶媒中でこ
れらの化合物を加熱溶解させればよい。 溶媒としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソールなど
のエーテル類;ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサンな
どの飽和脂肪族炭化水素類;トルエン、ベンゼン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノー
ル、2−プロパノールなどのアルコール類;アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケ
トン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;な
どを挙げることができる。これらの溶媒は、それぞれ単
独で使用するか、あるいは2種以上を混合して使用す
る。 分割剤である光学活性な1−(p−トリル)エチルア
ミンの使用割合は、特に限定されないが、出発原料の
(±)−ジャスモン酸に対して、通常、0.5〜1.1倍(モ
ル比)の範囲が分割効率の観点から見て好ましい。 本発明においては、(±)−ジャスモン酸に、光学活
性な1−(p−トリル)エチルアミンを作用させること
が必要である。分割剤として、他の公知の光学活性アミ
ンを使用しても、効率よく分割することは困難である。
(±)−ジャスモン酸〔以下、(±)−JAと略記〕に、
(+)−1−(p−トリル)エチルアミン〔以下、
(+)−TEAと略記〕を作用させると、難溶性のジアス
テレオマー塩として(−)−JA・(+)−TEA塩を、結
晶として析出させることができる。また、(±)−JAに
(−)−TEAを作用させると、難溶性のジアステレオマ
ー塩として(+)−JA・(−)−TEA塩を、結晶として
析出させることができる。 難溶性ジアステレオマー塩を溶媒から析出させるに
は、各溶媒の凝固点から沸点までの間の温度、好ましく
は室温から沸点までの温度範囲で、出発原料の酸と分割
剤の光学活性なアミンとを作用させて塩を形成させ、析
出させればよい。通常は、出発原料と分割剤とを、比較
的少量の溶媒に加熱溶解させ、しかる後、得られた溶液
を徐冷することにより、難溶性のジアステレオマー塩を
析出させる方法が好ましい。得られた難溶性のジアステ
レオマー塩は、濾別、遠心分離などの通常の固液分離法
により、反応混合物から容易に分離することができる。
また、分離した難溶性ジアステレオマー塩の結晶は、必
要に応じて再結晶することによりその純度を高めること
ができる。 このようにして得られた難溶性のジアステレオマー塩
を分解するには、公知のいかなる方法によってもよい
が、通常は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの
水溶性塩基の水溶液で処理し、遊離した光学活性なアミ
ンをエーテルやベンゼンなどの有機溶媒で抽出して回収
した後、水層に塩酸、硫酸などの鉱酸を作用させて、遊
離した光学活性なジャスモン酸をエーテルやベンゼンな
どの有機溶媒で抽出し、次いで、溶媒を留去する方法を
採用することが好ましい。 かくして、難溶性の(−)−JA・(+)−TEA塩から
は、(−)−JAが得られ、難溶性の(+)−JA・(−)
−TEA塩からは、(+)−JAが得られる。回収した分割
剤の光学活性な(+)−TEA、及び(−)−TEAは、再使
用が可能である。 光学活性なジャスモン酸は、通常の方法、例えば、ジ
アゾメタンによりメチルエステル化するか、あるいは塩
化チオニルにより酸塩化物に変換した後、メタノールと
反応させる方法、または、メタノールと酸触媒の存在下
で反応させる方法などによって、光学活性なジャスモン
酸メチルに容易に変換することができる。したがって、
光学活性なジャスモン酸から、香料として特に有用なジ
ャスモン酸メチルの光学異性体を高濃度で得ることが可
能である。
(p−トリル)エチルアミンを作用させることを特徴と
する(±)−ジャスモン酸の光学分割方法が提供され
る。 以下、本発明について詳述する。 本発明において、出発原料として使用する(±)−ジ
ャスモン酸自体は、公知の化合物である。したがって、
本発明で使用する(±)−ジャスモン酸は、特定の製造
法により得られたものに限定されるものではないが、通
常、(±)−ジャスモン酸メチルの加水分解により、容
易に、しかも高収率で得ることができる。ジャスモン酸
には、五員環中に2個の不斉炭素が存在し、2組のエナ
ンチオマーおよびジアステレオマーが存在するが、本発
明は、エナンチオマーの分離に関するものである。 (±)−ジャスモン酸に光学活性な1−(p−トリ
ル)エチルアミンを作用させるには、適当な溶媒中でこ
れらの化合物を加熱溶解させればよい。 溶媒としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソールなど
のエーテル類;ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサンな
どの飽和脂肪族炭化水素類;トルエン、ベンゼン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノー
ル、2−プロパノールなどのアルコール類;アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケ
トン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;な
どを挙げることができる。これらの溶媒は、それぞれ単
独で使用するか、あるいは2種以上を混合して使用す
る。 分割剤である光学活性な1−(p−トリル)エチルア
ミンの使用割合は、特に限定されないが、出発原料の
(±)−ジャスモン酸に対して、通常、0.5〜1.1倍(モ
ル比)の範囲が分割効率の観点から見て好ましい。 本発明においては、(±)−ジャスモン酸に、光学活
性な1−(p−トリル)エチルアミンを作用させること
が必要である。分割剤として、他の公知の光学活性アミ
ンを使用しても、効率よく分割することは困難である。
(±)−ジャスモン酸〔以下、(±)−JAと略記〕に、
(+)−1−(p−トリル)エチルアミン〔以下、
(+)−TEAと略記〕を作用させると、難溶性のジアス
テレオマー塩として(−)−JA・(+)−TEA塩を、結
晶として析出させることができる。また、(±)−JAに
(−)−TEAを作用させると、難溶性のジアステレオマ
ー塩として(+)−JA・(−)−TEA塩を、結晶として
析出させることができる。 難溶性ジアステレオマー塩を溶媒から析出させるに
は、各溶媒の凝固点から沸点までの間の温度、好ましく
は室温から沸点までの温度範囲で、出発原料の酸と分割
剤の光学活性なアミンとを作用させて塩を形成させ、析
出させればよい。通常は、出発原料と分割剤とを、比較
的少量の溶媒に加熱溶解させ、しかる後、得られた溶液
を徐冷することにより、難溶性のジアステレオマー塩を
析出させる方法が好ましい。得られた難溶性のジアステ
レオマー塩は、濾別、遠心分離などの通常の固液分離法
により、反応混合物から容易に分離することができる。
また、分離した難溶性ジアステレオマー塩の結晶は、必
要に応じて再結晶することによりその純度を高めること
ができる。 このようにして得られた難溶性のジアステレオマー塩
を分解するには、公知のいかなる方法によってもよい
が、通常は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの
水溶性塩基の水溶液で処理し、遊離した光学活性なアミ
ンをエーテルやベンゼンなどの有機溶媒で抽出して回収
した後、水層に塩酸、硫酸などの鉱酸を作用させて、遊
離した光学活性なジャスモン酸をエーテルやベンゼンな
どの有機溶媒で抽出し、次いで、溶媒を留去する方法を
採用することが好ましい。 かくして、難溶性の(−)−JA・(+)−TEA塩から
は、(−)−JAが得られ、難溶性の(+)−JA・(−)
−TEA塩からは、(+)−JAが得られる。回収した分割
剤の光学活性な(+)−TEA、及び(−)−TEAは、再使
用が可能である。 光学活性なジャスモン酸は、通常の方法、例えば、ジ
アゾメタンによりメチルエステル化するか、あるいは塩
化チオニルにより酸塩化物に変換した後、メタノールと
反応させる方法、または、メタノールと酸触媒の存在下
で反応させる方法などによって、光学活性なジャスモン
酸メチルに容易に変換することができる。したがって、
光学活性なジャスモン酸から、香料として特に有用なジ
ャスモン酸メチルの光学異性体を高濃度で得ることが可
能である。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明についてよ
り具体的に説明する。 [実施例1] (±)−ジャスモン酸の光学分割 (±)−ジャスモン酸メチルに2倍モルの水酸化カリ
ウムのメタノール溶液を加え、室温で20時間攪拌するこ
とにより加水分解し、塩酸で中和した後トルエンで抽出
して(±)−ジャスモン酸〔(±)−JA〕のトルエン溶
液を得た。この(±)−JAのトルエン溶液8ml(JA換算4
20mg、2mmol)に、(+)−1−(p−トリル)エチル
アミン〔(+)−TEA〕270mg(2mmol)を加え、そこへ
エーテル:ヘキサン(5:2)の混合溶媒0.7mlを加え、加
熱溶解した。次いで、室温にまで徐冷してから一晩冷蔵
庫に放置した後、析出した結晶を濾別することにより、
(−)−JA・(+)−TEA塩226mg(0.6mmol)を得た。
該塩の用いた(±)−JAの半量に対する収率は、66%で
あった。また、[α]Dは、−21.2°(c=1.0、メタノ
ール)で、融点は、87〜97℃であった。 この塩に、1規定の水酸化ナトリウム水溶液0.85mlを
加えて、遊離した(+)−TEAをエーテルで抽出除去し
た後、水層に1規定の塩酸1.28mlを加えてトルエンで抽
出した。トルエン層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去する
ことにより、(−)−JAを119mg(0.57mmol)得た。こ
の(−)−JAの[α]D 25は、−55.3°(c=1.0、トル
エン)であった。 得られた(−)−JA66mg(0.3mmol)を、塩化チオニ
ルを用いてジャスモン酸クロリドとした後、メタノール
でメチル化して(−)−ジャスモン酸メチルを49mg(0.
23mmol)得た。この(−)−ジャスモン酸メチルは、沸
点が125℃/0.15mmHgで、[α]D 22が−50.9°(c=0.
5、メタノール)であり、文献値(*1)より計算した光学
純度が74.9%であった。 (*1)Ritsuo NISHIDA,Terry E.ACREE & Hiroshi FU
KAMI,Agric,Biol.Chem.,49(3),769−772(1985) [実施例2] (±)−ジャスモン酸の光学分割 実施例1と同様にして(±)−JAのトルエン溶液を得
た。このトルエン溶液を濃縮後蒸留して得た(±)−JA
420mg(2mmol)に、(−)−TEA270mg(2mmol)を加
え、そこへシクロヘキサン1.5mlを加えて、加熱溶解し
た。室温にまで冷却してから、冷蔵庫に20時間放置した
後、析出した結晶を濾別することにより、(+)−JA・
(−)−TEA塩を270mg(0.78mmol)得た。用いた(±)
−JAの半量に対する収率は78%であった。また、[α]
Dは、+27.8°(c=1.3、メタノール)で、融点は、96
〜100℃であった。 この塩に1規定の水酸化ナトリウム水溶液1mlを加
え、遊離した(−)−TEAをトルエンで抽出除去した
後、水層に1規定の塩酸1.5mlを加えて、トルエンで抽
出した。トルエン層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去する
ことにより、(+)−JAを125mg(0.59mmol)得た。こ
の(+)−JAは、沸点が150℃/0.2mmHgで、[α]D 21が
+67.9°(c=0.9、クロロホルム)であった。得られ
た(+)−JAを光学活性な1−(1−ナフチル)エチル
アミンとのアミドに誘導し、高速液体クロマトグラフィ
ーで分析した結果、光学純度73.0%であった。したがっ
て、(+)−JA・(−)−TEA塩の結晶操作による収率7
8%および光学純度の値から、分割効率(収率×光学純
度÷100)は、56.9%であった。 [比較例1] (±)−ジャスモン酸の光学分割 分割剤として第1表に示す各種の光学活性なアミンを
用い、溶剤の種類をかえた以外は、実施例2と同様に操
作を行なって、難溶性のジアステレオマー塩を析出さ
せ、さらに得られた塩を同様にして分解し、光学活性な
JAを得た。結果を第1表に示す。第1表から明らかなよ
うに、(±)−JAの分割剤として、他の光学活性なアミ
ンを用いても、分割効率が低く、実用的ではない。 実施例および比較例で用いた分割剤は、次の通りであ
る。 TEA:1−(p−トリル)エチルアミン IPA:1−(4−イソプロピルフェニル)エチルアミ
ン N−BMBA:N−ベンジル−1−(フェニル)エチルア
ミン Cisアミン:シス−2−ベンズアミドシクロヘキサ
ンカルボン酸 DPEA:2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール PTE:1−フェニル−2−(p−トリル)エチルアミ
ン
り具体的に説明する。 [実施例1] (±)−ジャスモン酸の光学分割 (±)−ジャスモン酸メチルに2倍モルの水酸化カリ
ウムのメタノール溶液を加え、室温で20時間攪拌するこ
とにより加水分解し、塩酸で中和した後トルエンで抽出
して(±)−ジャスモン酸〔(±)−JA〕のトルエン溶
液を得た。この(±)−JAのトルエン溶液8ml(JA換算4
20mg、2mmol)に、(+)−1−(p−トリル)エチル
アミン〔(+)−TEA〕270mg(2mmol)を加え、そこへ
エーテル:ヘキサン(5:2)の混合溶媒0.7mlを加え、加
熱溶解した。次いで、室温にまで徐冷してから一晩冷蔵
庫に放置した後、析出した結晶を濾別することにより、
(−)−JA・(+)−TEA塩226mg(0.6mmol)を得た。
該塩の用いた(±)−JAの半量に対する収率は、66%で
あった。また、[α]Dは、−21.2°(c=1.0、メタノ
ール)で、融点は、87〜97℃であった。 この塩に、1規定の水酸化ナトリウム水溶液0.85mlを
加えて、遊離した(+)−TEAをエーテルで抽出除去し
た後、水層に1規定の塩酸1.28mlを加えてトルエンで抽
出した。トルエン層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去する
ことにより、(−)−JAを119mg(0.57mmol)得た。こ
の(−)−JAの[α]D 25は、−55.3°(c=1.0、トル
エン)であった。 得られた(−)−JA66mg(0.3mmol)を、塩化チオニ
ルを用いてジャスモン酸クロリドとした後、メタノール
でメチル化して(−)−ジャスモン酸メチルを49mg(0.
23mmol)得た。この(−)−ジャスモン酸メチルは、沸
点が125℃/0.15mmHgで、[α]D 22が−50.9°(c=0.
5、メタノール)であり、文献値(*1)より計算した光学
純度が74.9%であった。 (*1)Ritsuo NISHIDA,Terry E.ACREE & Hiroshi FU
KAMI,Agric,Biol.Chem.,49(3),769−772(1985) [実施例2] (±)−ジャスモン酸の光学分割 実施例1と同様にして(±)−JAのトルエン溶液を得
た。このトルエン溶液を濃縮後蒸留して得た(±)−JA
420mg(2mmol)に、(−)−TEA270mg(2mmol)を加
え、そこへシクロヘキサン1.5mlを加えて、加熱溶解し
た。室温にまで冷却してから、冷蔵庫に20時間放置した
後、析出した結晶を濾別することにより、(+)−JA・
(−)−TEA塩を270mg(0.78mmol)得た。用いた(±)
−JAの半量に対する収率は78%であった。また、[α]
Dは、+27.8°(c=1.3、メタノール)で、融点は、96
〜100℃であった。 この塩に1規定の水酸化ナトリウム水溶液1mlを加
え、遊離した(−)−TEAをトルエンで抽出除去した
後、水層に1規定の塩酸1.5mlを加えて、トルエンで抽
出した。トルエン層を乾燥後、減圧下に溶媒を留去する
ことにより、(+)−JAを125mg(0.59mmol)得た。こ
の(+)−JAは、沸点が150℃/0.2mmHgで、[α]D 21が
+67.9°(c=0.9、クロロホルム)であった。得られ
た(+)−JAを光学活性な1−(1−ナフチル)エチル
アミンとのアミドに誘導し、高速液体クロマトグラフィ
ーで分析した結果、光学純度73.0%であった。したがっ
て、(+)−JA・(−)−TEA塩の結晶操作による収率7
8%および光学純度の値から、分割効率(収率×光学純
度÷100)は、56.9%であった。 [比較例1] (±)−ジャスモン酸の光学分割 分割剤として第1表に示す各種の光学活性なアミンを
用い、溶剤の種類をかえた以外は、実施例2と同様に操
作を行なって、難溶性のジアステレオマー塩を析出さ
せ、さらに得られた塩を同様にして分解し、光学活性な
JAを得た。結果を第1表に示す。第1表から明らかなよ
うに、(±)−JAの分割剤として、他の光学活性なアミ
ンを用いても、分割効率が低く、実用的ではない。 実施例および比較例で用いた分割剤は、次の通りであ
る。 TEA:1−(p−トリル)エチルアミン IPA:1−(4−イソプロピルフェニル)エチルアミ
ン N−BMBA:N−ベンジル−1−(フェニル)エチルア
ミン Cisアミン:シス−2−ベンズアミドシクロヘキサ
ンカルボン酸 DPEA:2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール PTE:1−フェニル−2−(p−トリル)エチルアミ
ン
本発明によれば、ジアステレオマー法により、ジャス
モン酸を効率よく光学分割する方法が提供される。本発
明の方法によれば、ジャスモン酸に関し、多量の分割で
きる道を開いた。特に、1回の分別結晶化操作によって
光学純度73.0%、分割効率56.9%のものが得られること
は、注目に値する。さらに、得られた光学活性なジャス
モン酸から、光学活性なジャスモン酸メチルを容易に製
造することができ、特に、香料などに有用な光学異性体
を高濃度で製造する方法として、工業的な実施が期待で
きる。
モン酸を効率よく光学分割する方法が提供される。本発
明の方法によれば、ジャスモン酸に関し、多量の分割で
きる道を開いた。特に、1回の分別結晶化操作によって
光学純度73.0%、分割効率56.9%のものが得られること
は、注目に値する。さらに、得られた光学活性なジャス
モン酸から、光学活性なジャスモン酸メチルを容易に製
造することができ、特に、香料などに有用な光学異性体
を高濃度で製造する方法として、工業的な実施が期待で
きる。
Claims (1)
- 【請求項1】式 で示される(±)−ジャスモン酸に、光学活性な1−
(p−トリル)エチルアミンを作用させることを特徴と
する(±)−ジャスモン酸の光学分割方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2060365A JPH085840B2 (ja) | 1990-03-12 | 1990-03-12 | ジャスモン酸の光学分割方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2060365A JPH085840B2 (ja) | 1990-03-12 | 1990-03-12 | ジャスモン酸の光学分割方法 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16920195A Division JP2687939B2 (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | ジヒドロジャスモン酸の光学分割方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03261743A JPH03261743A (ja) | 1991-11-21 |
| JPH085840B2 true JPH085840B2 (ja) | 1996-01-24 |
Family
ID=13140044
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2060365A Expired - Fee Related JPH085840B2 (ja) | 1990-03-12 | 1990-03-12 | ジャスモン酸の光学分割方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH085840B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59152346A (ja) * | 1983-02-18 | 1984-08-31 | Hiroyuki Nohira | 光学活性2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸の製造法 |
-
1990
- 1990-03-12 JP JP2060365A patent/JPH085840B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03261743A (ja) | 1991-11-21 |
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