JPH085996Y2 - 作業機械の安全装置 - Google Patents

作業機械の安全装置

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JPH085996Y2
JPH085996Y2 JP8604291U JP8604291U JPH085996Y2 JP H085996 Y2 JPH085996 Y2 JP H085996Y2 JP 8604291 U JP8604291 U JP 8604291U JP 8604291 U JP8604291 U JP 8604291U JP H085996 Y2 JPH085996 Y2 JP H085996Y2
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勲 澤村
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、下部走行体に上部旋回
体が設置されたクレーン等の作業機械において、その吊
り走行時における安全動作を制御するための装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】上部旋回体を備えたクレーン等の作業機
械においては、一般に、その下部走行体が停止した状態
で吊上げ作業が行われるが、場合によっては、荷を吊上
げた状態のまま走行運転が行われる場合がある。このよ
うな吊り走行時においては、吊上げ能力が必然的に著し
く低減されることになる。
【0003】図5は、従来の作業機械において設定され
る吊り走行時の吊上げ能力の一例を示したものである。
この図では、吊上げ荷重を一定とした時の許容作業半径
によって吊上げ能力を表している。同図に示すように、
従来の作業機械では、前方の限られた領域にのみ大きな
許容作業半径R1が設定され、それ以外の大半の領域に
上記許容作業半径R1よりも小さな許容作業半径R2が
設定されており、上記前方領域の角度αは前後中心線を
挾んで約2°と極めて僅かなものとなっている。そし
て、リミットスイッチ等で上部旋回体が上記のどの領域
にあるかを検出し、その検出結果に応じて許容作業半径
を設定するような制御が行われている。
【0004】しかしながら、上記のような領域による
と、大きな能力をもつ前方領域で所定重量の荷を吊上げ
ることができても、その状態のまま、吊り走行中に上部
旋回体を僅かに旋回させるだけで、吊上げ状態が作業領
域から急激に外れることになってしまう。そこで従来
は、前方領域で荷を吊上げた後に走行する場合、誤って
旋回運転が行われるのを防ぐため、予め旋回ブレーキ等
で上部旋回体を前方位置に固定しておくよう、運転者に
勧告が行われている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】上記のようにして上部
旋回体を前方位置に固定しておくことにより、吊り走行
中に上部旋回体が許容作業領域から外れるおそれはほと
んどなくなるが、このような上部旋回体の固定は運転者
が手動で行うものであり、固定操作を忘れたまま吊り走
行が行われる可能性が依然として存在する。すなわち、
従来装置では吊り走行時における危険方向への旋回が完
全に防止されているとはいえず、より確実に安全動作を
行うことのできる装置の開発が望まれている。
【0006】逆に、上記前方領域での吊上げ荷重が小さ
く、かつその作業半径が小さい場合には、上部旋回体を
特に前方位置に固定しなくても、吊り走行中安全に上部
旋回体を旋回させることができるが、この場合には、運
転者が、現在の吊上げ状態において上部旋回体を側方へ
安全に旋回できるか否かを旋回動作開始前に慎重に判断
しなければならず、このため運転者の負担が過大となっ
ている。
【0007】本考案は、このような事情に鑑み、吊り走
行時の安全性を高め、かつ運転者の負担を軽減すること
ができる作業機械の安全装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、下部走行体に
上部旋回体が旋回可能に設置されるとともに、この上部
旋回体を前方位置に固定する状態と解放する状態とに切
換えられる旋回規制手段を備えた作業機械において、上
記旋回規制手段により上部旋回体が固定されているか否
かを検出する検出手段と、この検出手段により上部旋回
体が固定されていることが検出された場合には上記作業
機械の吊り走行時について第1の吊上げ能力を設定し、
上記検出手段により上部旋回体が解放されていることが
検出された場合には上記作業機械の吊り走行時について
全旋回領域にわたり上記第1の吊上げ能力よりも低い第
2の吊上げ能力を設定する能力設定手段と、この能力設
定手段により設定された吊上げ能力に基づいて上記吊り
走行時における上部旋回体の安全動作を制御する安全動
作制御手段とを備えたものである。
【0009】
【作用】上記構成によれば、上部旋回体が前方位置に固
定された状態、すなわち上部旋回体が側方に旋回するお
それのない状態では、第1の吊上げ能力、具体的には従
来の装置において前方領域に設定される能力と同様の高
い吊上げ能力が設定される。これに対し、上部旋回体が
解放された状態、すなわち上部旋回体がいつでも旋回可
能な状態にある場合には、全旋回領域にわたって上記第
1の吊上げ能力よりも小さな第2の吊上げ能力が設定さ
れるので、運転者は旋回角の変化に対する能力変化を考
慮することなく安全に旋回運転を行うことができる。
【0010】
【実施例】図2は本考案が適用される作業機械の一例と
してクレーンCRを示したものである。なお、本考案
は、このようなクレーンCRに限らず、下部走行体に対
して上部旋回体が旋回可能に設置された種々の作業機械
について適用が可能である。
【0011】このクレーンCRは、ホイールを有する走
行可能なロアフレーム(下部走行体を構成)100と、
このロアフレーム100に対して鉛直方向の旋回軸10
1周りに旋回可能に設置されたブームフット(上部旋回
体を構成)102とを備え、このブームフット102
に、N個のブーム部材B1〜BNからなる伸縮可能なブー
ム(上部旋回体を構成)BMが取付けられている。この
ブームBMは、起伏シリンダ110の伸縮作動により、
水平方向の回動軸103を中心に回動可能(起伏可能)
に構成され、その先端部(ブームポイント)にロープ1
04で吊り荷Cが吊り下げられるようになっている。ま
た、上記ロアフレーム100の前後左右の4隅には、停
止作業時に側方に張り出されるアウトリガジャッキ10
5が配設されている。
【0012】図3,4は、上記上部旋回体をロアフレー
ム100に対して前方位置に固定するための旋回ロック
装置を示したものである。図において、106は上部旋
回体の底板であり、この底板106に対して旋回ロック
ピン12が昇降可能に設けられている。この旋回ロック
ピン12は、上記底板106を上下方向に貫通する上下
軸16を有し、その下端部にピン本体14が固定され、
上端部に取手18が固定されている。これに対し、ロア
フレーム100の天板100a上には補強板107が固
定され、この補強板107及び上記天板100aの双方
を上下方向に貫通するようにしてピン穴108が穿設さ
れており、このピン穴108に対して上記ピン本体14
が上下方向に挿脱自在となっている。
【0013】上記軸16の略中間部には、係合ピン19
が側方に突設されている。これに対し、上記底板106
上において旋回ロックピン12の軸16の近傍の位置に
は、平面視L字状(図4参照)のロックピン支持ブラケ
ット20が立設されており、このロックピン支持ブラケ
ット20に、上記係合ピン19が通過可能な幅をもつ貫
通溝25が形成されている。この貫通溝25は、上下方
向に延びる第1の上下溝21と、この上下溝21の上端
から水平方向に延びる第1の水平溝22と、この第1の
水平溝22の端からこの第1の水平溝22と直交する水
平方向に延びる第2の水平溝23と、この第2の水平溝
23の終端から下方に延びる第2の上下溝24とからな
っている。
【0014】そして、上記係合ピン19を第1の上下溝
21に沿わせながら、この係合ピン19が第1の上下溝
21の終端(下端)に当接する位置まで旋回ロックピン
12を下降させることにより、ピン本体14がピン穴1
08内に挿入され(図3の実線位置)、これにより、上
部旋回体がロアフレーム100に対して前方位置に旋回
不能に固定されるように各部材が配置されている。ま
た、このロック状態から取手18を把持して旋回ロック
ピン12全体を引上げ、その係合ピン19が第1の上下
溝21の上端に到達した地点(図3の上側二点鎖線位
置)で旋回ロックピン12全体を図4の矢印方向(同図
実線位置から二点鎖線位置に向かう方向)に回すことに
より上記係合ピン19を第1の水平溝22及び第2の水
平溝23を通過させ、この位置からさらに上記係合ピン
19を第2の上下溝24内に落し込むことにより(図3
の下側二点鎖線位置)、ピン本体14をロック穴108
から抜いた状態で旋回ロックピン12をロックピン支持
ブラケット20に係止できるようになっている。
【0015】さらに、このロックピン支持ブラケット2
0の外側面には、リミットスイッチからなる旋回ロック
検出スイッチ26が設けられている。この旋回ロック検
出スイッチ26は、検出板28を有し、上記旋回ロック
ピン12の係合ピン19が図3実線に示す位置にある状
態、すなわち第1の上下溝21の下端に位置する状態で
のみ、この係合ピン19に上記検出板28が押圧される
位置に、配設されている。すなわち、この旋回ロック検
出スイッチ26は、旋回ロックピン12が下降してピン
本体14がロック穴108内に挿入された状態、換言す
れば上部旋回体が前方位置に固定された状態でのみオン
に切換えられるようになっている。
【0016】図1に示すように、このクレーンCRに
は、上記旋回ロック検出スイッチ26の他、ブームBM
の作業半径R(図2参照)を検出する作業半径検出手段
30や、ブームBMの吊上げ荷重W(図2参照)を検出
する吊上げ能力検出手段32等が設けられており、これ
らの検出器からの各種検出信号は、同図に示すコントロ
ーラ40に入力されるようになっている。
【0017】このコントローラ40は、第1能力記憶手
段41、第2能力記憶手段42、能力選択手段44、及
び安全動作制御手段46を備えている。
【0018】第1能力記憶手段(能力設定手段を構成)
41は、クレーンCRの吊り走行時において、上部旋回
体が前方位置に固定されていると仮定した場合にこれに
与え得る最大吊上げ能力(第1の吊上げ能力)を記憶す
るものであり、第2能力記憶手段(能力設定手段を構
成)42は、吊り走行時において上部旋回体を全周にわ
たって安全に旋回できる最大吊上げ能力(第2の吊上げ
能力)を記憶するものである。従って、上記第1の吊上
げ能力は第2の吊上げ能力よりも大きな能力となってい
る。具体的に、これらの吊上げ能力は、種々の作業半径
Rに対応する許容吊上げ荷重(定格荷重)という形で記
憶されており、従って、作業半径Rを一定とした場合、
第1能力記憶手段41において記憶されている定格荷重
は、第2能力記憶手段42で記憶されているそれよりも
大きな値となっている。
【0019】能力選択手段(能力設定手段を構成)44
は、上記旋回ロック検出スイッチ26からの検出信号を
受け、これがオンの場合、すなわち旋回ロックピン12
により上部旋回体がロックされていることが検出されて
いる場合には、上記第1能力記憶手段41で記憶されて
いる第1の吊上げ能力を実際の吊上げ能力として設定
し、逆に上記検出信号がオフの場合、すなわち旋回ロッ
クピン12によるロックが解除されていることが検出さ
れている場合には、上記第2能力記憶手段42で記憶さ
れている第2の吊上げ能力を実際の吊上げ能力として全
周にわたり(すなわち全ての旋回角について)設定する
ものである。
【0020】安全動作制御手段46は、上記能力選択手
段44で選択された吊上げ能力に基づき、上部旋回体の
安全動作を制御するものである。具体的には、作業半径
検出手段30で検出される作業半径Rや、吊上げ荷重検
出手段32で検出されるブームBMの吊上げ荷重Wに基
づいて、現在の作業状態を把握し、この作業状態が上記
吊上げ能力を超えそうになった時点で警報器52に制御
信号を出力して警報を行わせるとともに、吊上げ能力に
達した時点で旋回油圧回路50やブーム形態制御油圧回
路54に制御信号を出力することにより、旋回動作や、
作業半径Rが大きくなる動作(すなわちブームBの伸長
動作老いよ微倒伏動作)、ロープ104の巻き上げ動作
をそれぞれ強制停止させるといった制御を行うものであ
る。
【0021】次に、この装置の作用を説明する。
【0022】まず、図3,4に示す旋回ロックピン12
を下降させて上部旋回体を前方位置に固定した場合に
は、このロック操作により旋回ロック検出スイッチ26
がオンに切換えられ、能力選択手段44においては比較
的大きな第1の吊上げ能力が設定される。この状態で
は、誤って上部旋回体の旋回操作を行っても、この上部
旋回体は上記旋回ロックピン12の固定により実際は側
方へ旋回することができないので、大きな第1の吊上げ
能力を設定しても、クレーンCRの安全性を損なうこと
はない。
【0023】これに対し、上記旋回ロックピン12を引
き上げて上部旋回体のロックを解除した場合には、この
解放操作により旋回ロック検出スイッチ26がオフに切
換えられ、能力選択手段44においては全周にわたって
許容し得る第2の吊上げ能力が設定される。すなわち、
上部旋回体が旋回可能な状態では必ず、全周にわたって
安全に旋回可能な吊上げ能力が設定されることになり、
この状態では上部旋回体の旋回によって吊上げ能力が変
化することがない。
【0024】以上のように、この装置は、従来のように
旋回ロックの有無にかかわらず旋回角に応じて吊上げ能
力を設定するのではなく、旋回ロックが行われているか
否かを検出し、旋回ロックが行われている状態でのみ、
前方能力に相当する大きな第1の吊上げ能力を設定する
ようにしたものであるので、旋回ロック操作を行わない
限り、大きな第1の吊上げ能力が設定されることはな
く、これによって安全性の向上を果たすことができる。
逆に、旋回ロックが行われていない状態では、全旋回領
域について許容し得る小さな第2の吊上げ能力を設定す
るようにしているので、この状態で運転者は、旋回角の
変化に対する吊上げ能力の変化を考慮することなく安心
して旋回操作を行うことができ、これにより運転者の負
担を大幅に軽減することができる。
【0025】なお、本考案はこのような実施例に限定さ
れるものでなく、例として次のような態様をとることも
可能である。
【0026】(1) 上記実施例では、上部旋回体を固定す
る手段として旋回ロックピン12を備えたものを示した
が、本考案における旋回規制手段は上部旋回体を前方位
置で確実に固定できるものであればよく、例えば旋回ブ
レーキを用いるようにしてもよい。
【0027】(2) 本考案において、安全動作制御手段4
6が制御する安全動作の具体的な種類は問わず、作業機
械の安全性を確保できる種々の動作について本考案を適
用することができる。
【0028】
【考案の効果】以上のように本考案は、上部旋回体が前
方位置に固定されているか否かを検出し、固定されてい
る場合には第1の吊上げ能力を設定し、解放されている
場合には上記第1の吊上げ能力よりも低い第2の吊上げ
能力を全旋回領域にわたって設定するようにしたもので
あるので、上部旋回体が旋回しない状態でのみ大きな第
1の吊上げ能力を設定することにより、安全性を向上さ
せることができるとともに、上部旋回体が解放されてい
る状態では、全旋回領域について許容し得る小さな第2
の吊上げ能力を設定することにより、運転者が旋回操作
の際に旋回角の変化に対する吊上げ能力の変化を考慮す
る必要性をなくし、これにより運転者の負担を大幅に軽
減することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例においてクレーンに備えられ
るコントローラの機能構成を示したブロック図である。
【図2】上記クレーンの側面図である。
【図3】上記クレーンにおける上部旋回体を固定するた
めの旋回ロック装置を示す一部断面側面図である。
【図4】上記旋回ロック装置の一部断面平面図である。
【図5】従来装置において設定される吊り走行時の吊上
げ能力を示す説明図である。
【符号の説明】
12 旋回ロックピン(旋回規制手段) 26 旋回ロック検出スイッチ(検出手段) 40 コントローラ 41 第1能力記憶手段(能力設定手段を構成) 42 第2能力記憶手段(能力設定手段を構成) 44 能力選択手段(能力設定手段を構成) 46 安全動作制御手段 100 ロアフレーム(下部走行体を構成) 102 ブームフット(上部旋回体を構成) BM ブーム(上部旋回体を構成)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部走行体に上部旋回体が旋回可能に設
    置されるとともに、この上部旋回体を前方位置に固定す
    る状態と解放する状態とに切換えられる旋回規制手段を
    備えた作業機械において、上記旋回規制手段により上部
    旋回体が固定されているか否かを検出する検出手段と、
    この検出手段により上部旋回体が固定されていることが
    検出された場合には上記作業機械の吊り走行時について
    第1の吊上げ能力を設定し、上記検出手段により上部旋
    回体が解放されていることが検出された場合には上記作
    業機械の吊り走行時について全旋回領域にわたり上記第
    1の吊上げ能力よりも低い第2の吊上げ能力を設定する
    能力設定手段と、この能力設定手段により設定された吊
    上げ能力に基づいて上記吊り走行時における上部旋回体
    の安全動作を制御する安全動作制御手段とを備えたこと
    を特徴とする作業機械の安全装置。
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