JPH0859993A - 熱可塑性樹脂組成物からなる成形品 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物からなる成形品Info
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- JPH0859993A JPH0859993A JP21827494A JP21827494A JPH0859993A JP H0859993 A JPH0859993 A JP H0859993A JP 21827494 A JP21827494 A JP 21827494A JP 21827494 A JP21827494 A JP 21827494A JP H0859993 A JPH0859993 A JP H0859993A
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- Japan
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- resin
- resin composition
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- thermoplastic
- thermoplastic resin
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱可塑性樹脂組成物からなる成形品であっ
て、特に耐熱性、成形性に優れ、各種素材との密着性が
改善された熱可塑性樹脂組成物を溶融押出することによ
ってなる成形品に関する。 【構成】 ポリアリーレンスルフィド樹脂と熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂を必須成分として含む熱可塑性樹脂組
成物を溶融押出することによってなり、ビカット軟化点
温度が200℃以上である成形品、例えばシート、フィ
ルム、繊維。
て、特に耐熱性、成形性に優れ、各種素材との密着性が
改善された熱可塑性樹脂組成物を溶融押出することによ
ってなる成形品に関する。 【構成】 ポリアリーレンスルフィド樹脂と熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂を必須成分として含む熱可塑性樹脂組
成物を溶融押出することによってなり、ビカット軟化点
温度が200℃以上である成形品、例えばシート、フィ
ルム、繊維。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物から
なる成形品であって、特に耐熱性、成形性に優れ、各種
素材との密着性が改善された熱可塑性樹脂組成物を溶融
押出することによってなる成形品に関する。
なる成形品であって、特に耐熱性、成形性に優れ、各種
素材との密着性が改善された熱可塑性樹脂組成物を溶融
押出することによってなる成形品に関する。
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂(PP
S)は、耐熱性、剛性、電気絶縁性、耐薬品性、難燃性
に優れた熱可塑性樹脂であるので電気・電子部品や自動
車部品、精密機器用部品など広範な用途に使用されてい
る。例えばシートやフィルム状に成形されたものはコン
デンサー用フィルム、フレキシブルプリント配線板、磁
気記録媒体のベースフィルムなどの用途に検討されてお
り、また繊維状に成形されたものは各種フィルター、電
気絶縁材、抄紙カンバス用繊維など種々の用途への利用
が期待されている。ところが、PPSは結晶性ポリマー
であるため、融点以上の温度では流動性が極端に増し、
流動性をコントロールすることが困難であり、シートや
フィルム、繊維を得るために押出成形を行なうと、肉厚
の均一な成形品とならない問題があった。溶融溶度を上
げるために高分子量のPPSを得る方法が特開平4−2
55721号公報などに開示されているが、特定の重合
条件を要し、またこれらの方法で得られたPPSでは、
品質の安定した押出成形品を得ることは難しい。またP
PSは結晶性ポリマーであるため、成形収縮率や線膨脹
係数に異方性がある。したがってPPSの未延伸のシー
トを熱処理して結晶化させることにより耐熱性を高めた
ものは、熱処理の過程でシートが局所的に膨張・収縮し
たり、またPPS内部に存在する微量の低沸点物が噴出
したりすることにより、平面性に欠け表面状態の悪いも
のであることが多かった。これらの問題を改善するため
にいくつかの技術が特開昭59−184619号公報、
特開平2−255839号公報、特開平4−14891
7号公報などに開示されているが、複雑な工程を要し生
産性に劣る欠点があった。またPPSはその化学構造の
持つ特性から本質的に金属や無機・有機の各種素材との
接着性に劣り、PPSシートやPPS繊維を他素材から
なる成形品の上に積層してなる積層体は、使用するうち
に剥離するおそれがあるなど信頼性に欠ける問題があっ
た。PPSシートの接着性を改善する技術としてはシー
ト表面にコロナ放電処理やプラズマ処理を行なう技術が
特開昭57−187327号公報や特開平2−4903
5号公報、特開平2−107641号公報などに開示さ
れているが、これらの技術は特別な装置を要し、余計な
コストがかかるものであった。こうした事情からPPS
の欠点である成形収縮率や線膨張係数の異方性および各
種素材との接着性が改善され、精度が厳しく要求される
用途に用いても十分に信頼性の高い成形品が望まれてい
るが、上記の要望を全て満たす成形品は従来知られてい
なかった。
S)は、耐熱性、剛性、電気絶縁性、耐薬品性、難燃性
に優れた熱可塑性樹脂であるので電気・電子部品や自動
車部品、精密機器用部品など広範な用途に使用されてい
る。例えばシートやフィルム状に成形されたものはコン
デンサー用フィルム、フレキシブルプリント配線板、磁
気記録媒体のベースフィルムなどの用途に検討されてお
り、また繊維状に成形されたものは各種フィルター、電
気絶縁材、抄紙カンバス用繊維など種々の用途への利用
が期待されている。ところが、PPSは結晶性ポリマー
であるため、融点以上の温度では流動性が極端に増し、
流動性をコントロールすることが困難であり、シートや
フィルム、繊維を得るために押出成形を行なうと、肉厚
の均一な成形品とならない問題があった。溶融溶度を上
げるために高分子量のPPSを得る方法が特開平4−2
55721号公報などに開示されているが、特定の重合
条件を要し、またこれらの方法で得られたPPSでは、
品質の安定した押出成形品を得ることは難しい。またP
PSは結晶性ポリマーであるため、成形収縮率や線膨脹
係数に異方性がある。したがってPPSの未延伸のシー
トを熱処理して結晶化させることにより耐熱性を高めた
ものは、熱処理の過程でシートが局所的に膨張・収縮し
たり、またPPS内部に存在する微量の低沸点物が噴出
したりすることにより、平面性に欠け表面状態の悪いも
のであることが多かった。これらの問題を改善するため
にいくつかの技術が特開昭59−184619号公報、
特開平2−255839号公報、特開平4−14891
7号公報などに開示されているが、複雑な工程を要し生
産性に劣る欠点があった。またPPSはその化学構造の
持つ特性から本質的に金属や無機・有機の各種素材との
接着性に劣り、PPSシートやPPS繊維を他素材から
なる成形品の上に積層してなる積層体は、使用するうち
に剥離するおそれがあるなど信頼性に欠ける問題があっ
た。PPSシートの接着性を改善する技術としてはシー
ト表面にコロナ放電処理やプラズマ処理を行なう技術が
特開昭57−187327号公報や特開平2−4903
5号公報、特開平2−107641号公報などに開示さ
れているが、これらの技術は特別な装置を要し、余計な
コストがかかるものであった。こうした事情からPPS
の欠点である成形収縮率や線膨張係数の異方性および各
種素材との接着性が改善され、精度が厳しく要求される
用途に用いても十分に信頼性の高い成形品が望まれてい
るが、上記の要望を全て満たす成形品は従来知られてい
なかった。
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
一挙に解決した成形品を提供するものであり、耐熱性、
溶融押出性に優れ、成形収縮率や線膨張係数の異方性が
改善され、しかも各種素材との接着性が改善された熱可
塑性樹脂組成物を溶融押出してなる成形品を提供するこ
とを目的とするものである。
一挙に解決した成形品を提供するものであり、耐熱性、
溶融押出性に優れ、成形収縮率や線膨張係数の異方性が
改善され、しかも各種素材との接着性が改善された熱可
塑性樹脂組成物を溶融押出してなる成形品を提供するこ
とを目的とするものである。
【0002】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアリーレ
ンスルフィド樹脂と熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含有
することを必須とする熱可塑性樹脂組成物を溶融押出し
することによってなり、ビカット軟化温度が200℃以
上である成形品、特にシート・フィルムおよび繊維であ
る成形品を提供するものである。本発明に用いられる熱
可塑性ノルボルネン系樹脂は、その繰り返し単位中にノ
ルボルナン骨格を有するものである。例えば、この熱可
塑性樹脂としては、一般式(I)〜(IV)で表わされ
るノルボルナン骨格を含むものである。
ンスルフィド樹脂と熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含有
することを必須とする熱可塑性樹脂組成物を溶融押出し
することによってなり、ビカット軟化温度が200℃以
上である成形品、特にシート・フィルムおよび繊維であ
る成形品を提供するものである。本発明に用いられる熱
可塑性ノルボルネン系樹脂は、その繰り返し単位中にノ
ルボルナン骨格を有するものである。例えば、この熱可
塑性樹脂としては、一般式(I)〜(IV)で表わされ
るノルボルナン骨格を含むものである。
【0003】
【化1】
【0004】
【化2】
【0005】
【化3】
【0006】
【化4】
【0007】(式中、A、B、CおよびDは、水素原子
または1価の有機基を示す。) 本発明で使用されるノルボルナン骨格を有する熱可塑性
樹脂は、十分な強度を得るために、その重量平均分子量
は5,000〜100万、好ましくは8,000〜20
万である。本発明において使用することのできるノルボ
ルナン骨格を有する熱可塑性樹脂としては、例えば特開
昭60−168708号公報、特開昭62−25240
6号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2
−133413号公報、特開昭63−145324号公
報、特開昭63−264626号公報、特開平1−24
0517号公報、特公昭57−8815号公報などに記
載されている樹脂などを挙げることができる。これらの
樹脂の中でも、特にノルボルネン系モノマーの開環重合
体を水素添加した樹脂が非晶性ポリマーであるため、P
PSの成形収縮率や線膨張係数における異方性が大幅に
改善できるので好ましい。この熱可塑性樹脂の具体例と
しては、下記一般式(V)で表わされる少なくとも1種
のテトラシクロドデセン誘導体または該テトラシクロド
デセンと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス
重合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重
合体を挙げることができる。
または1価の有機基を示す。) 本発明で使用されるノルボルナン骨格を有する熱可塑性
樹脂は、十分な強度を得るために、その重量平均分子量
は5,000〜100万、好ましくは8,000〜20
万である。本発明において使用することのできるノルボ
ルナン骨格を有する熱可塑性樹脂としては、例えば特開
昭60−168708号公報、特開昭62−25240
6号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2
−133413号公報、特開昭63−145324号公
報、特開昭63−264626号公報、特開平1−24
0517号公報、特公昭57−8815号公報などに記
載されている樹脂などを挙げることができる。これらの
樹脂の中でも、特にノルボルネン系モノマーの開環重合
体を水素添加した樹脂が非晶性ポリマーであるため、P
PSの成形収縮率や線膨張係数における異方性が大幅に
改善できるので好ましい。この熱可塑性樹脂の具体例と
しては、下記一般式(V)で表わされる少なくとも1種
のテトラシクロドデセン誘導体または該テトラシクロド
デセンと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス
重合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重
合体を挙げることができる。
【0008】
【化5】
【0009】(式中、A〜Dは前記に同じ。) 前記一般式(V)で表わされるテトラシクロドデセン誘
導体において、A、B、CおよびDのうちに極性基を含
むことが他材料との密着性、耐熱性、ポリアリーレンス
ルフィド樹脂との相溶性の点から好ましい。さらに、こ
の極性基が−(CH2 )nCOOR3 (ここで、R3 は
炭素数1〜20の炭化水素基、nは0〜10の整数を示
す)で表わされる基であることが、得られる水添重合体
が高いガラス転移温度を有するものとなるので好まし
い。特に、この−(CH2 )nCOOR3 で表わされる
極性置換基は、一般式(V)のテトラシクロドデセン誘
導体の1分子あたりに1個含有されることが吸水性を低
下させる点から好ましい。前記一般式において、R3 は
炭素数1〜20の炭化水素基であるが、炭素数が多くな
るほど得られる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では
好ましいが、得られる水添重合体のガラス転移温度との
バランスの点から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基また
は炭素数5以上の(多)環状アルキル基であることが好
ましく、特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基で
あることが好ましい。
導体において、A、B、CおよびDのうちに極性基を含
むことが他材料との密着性、耐熱性、ポリアリーレンス
ルフィド樹脂との相溶性の点から好ましい。さらに、こ
の極性基が−(CH2 )nCOOR3 (ここで、R3 は
炭素数1〜20の炭化水素基、nは0〜10の整数を示
す)で表わされる基であることが、得られる水添重合体
が高いガラス転移温度を有するものとなるので好まし
い。特に、この−(CH2 )nCOOR3 で表わされる
極性置換基は、一般式(V)のテトラシクロドデセン誘
導体の1分子あたりに1個含有されることが吸水性を低
下させる点から好ましい。前記一般式において、R3 は
炭素数1〜20の炭化水素基であるが、炭素数が多くな
るほど得られる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では
好ましいが、得られる水添重合体のガラス転移温度との
バランスの点から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基また
は炭素数5以上の(多)環状アルキル基であることが好
ましく、特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基で
あることが好ましい。
【0010】さらに、−(CH2 )nCOOR3 で表わ
される基が結合した炭素原子に、同時に炭素数1〜10
の炭化水素基が置換基として結合されている一般式
(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、吸湿性を低下
させるので好ましい。特に、この置換基がメチル基また
はエチル基である一般式(V)のテトラシクロドデセン
誘導体は、その合成が容易な点で好ましい。具体的に
は、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
〔4,4,0,12.5 17.10〕ドデカ−8−エンが好ま
しい。これらのテトラシクロドデセン誘導体、あるいは
これと共重合可能な不飽和環状化合物の混合物は、例え
ば特開平4−77520号公報第4頁右上欄12行〜第
6頁右下欄第6行に記載された方法によってメタセシス
重合、水素添加され、本発明に使用される熱可塑性樹脂
とすることができる。
される基が結合した炭素原子に、同時に炭素数1〜10
の炭化水素基が置換基として結合されている一般式
(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、吸湿性を低下
させるので好ましい。特に、この置換基がメチル基また
はエチル基である一般式(V)のテトラシクロドデセン
誘導体は、その合成が容易な点で好ましい。具体的に
は、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
〔4,4,0,12.5 17.10〕ドデカ−8−エンが好ま
しい。これらのテトラシクロドデセン誘導体、あるいは
これと共重合可能な不飽和環状化合物の混合物は、例え
ば特開平4−77520号公報第4頁右上欄12行〜第
6頁右下欄第6行に記載された方法によってメタセシス
重合、水素添加され、本発明に使用される熱可塑性樹脂
とすることができる。
【0011】本発明において、ノルボルナン骨格を有す
る熱可塑性樹脂は、クロロホルム中、30℃で測定され
る固有粘度(ηinh )が、0.2〜1.5dl/g、好
ましくは0.3〜1.0dl/gである。固有粘度(η
inh )が0.2dl/g未満では、機械的特性に劣り耐
衝撃性が低下し、一方1.5dl/gを超えると加工性
が劣り、また押出成形性が劣る。また、水添重合体の水
素添加率は60MHz、 1H−NMRで測定した値が5
0%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは9
8%以上である。水素添加率が高いほど熱や光に対する
安定性が優れる。なお、本発明のノルボルナン骨格を有
する熱可塑性樹脂として使用される水添重合体は、溶融
押出成形におけるシート表面の肌あれなどの不良発生防
止の面から該水添重合体中に含まれるゲル含有量が5重
量%以下であることが好ましく、さらに1重量%以下で
あることが特に好ましい。また、前記水添重合体の軟化
温度は90℃以上、ガラス転移温度100℃以上、特に
130℃以上であることがポリアリーレンスルフィド樹
脂に配合した際、ポリアリーレンスルフィド樹脂の耐熱
性を大きく損ねない上で好ましい。本発明に用いられる
ポリアリーレンスルフィド樹脂は、主とする構成単位が
一般式:−Ar−S−(式中、Arは2価の芳香族基を
表わす。)で表わされる重合体である。このポリアリー
レン基を構成する2価の芳香族基としては、p−フェニ
レン基、m−フェニレン基、2,6−ナフタレン基、
4,4′−ビフェニレン基、p,p′−ビベンジル基、
およびこれらの核置換基などが代表例として挙げられ
る。これらの内では核置換基のp−フェニレン基を有す
るポリ−p−フェニレンスルフィドが成形加工性の点で
好ましい。本発明においてポリアリーレンスルフィド樹
脂は、上記構成単位を1分子中に少なくとも70モル%
以上含有していることが必要である。この主成分が70
モル%未満であると、得られるポリアリーレンスルフィ
ド樹脂の結晶性が低下したり、転移温度が低かったり、
成形品の物性が悪いなど好ましくない結果を生じる。さ
らに、本発明においてポリアリーレンスルフィド樹脂は
1分子中に30モル%未満であれば、3価以上の結合手
を有する芳香族基、例えば1,2,4−結合フェニレン
核や脂肪族基、ヘテロ原子含有基などを含んでいてもさ
しつかえない。上記ポリアリーレンスルフィド樹脂を製
造する方法としては、ジハロゲン化芳香族化合物とジオ
ール芳香族化合物またはモノハロゲン化芳香族チオール
の縮合反応あるいはジハロゲン化芳香族化合物と、硫化
アルカリあるいは水硫化アルカリとアルカリまたは硫化
水素とアルカリ化合物からの脱塩縮合反応を利用する方
法などを例示することができるが、これらに限定される
ものではない。熱可塑性ノルボルネン系樹脂とポリアリ
ーレンスルフィド樹脂の混合には、相溶性を高めるため
に、相溶化剤を用いることができる。その一例としてオ
レフィン単位とカルボキシル基、酸無水物基、オキサゾ
リン基およびエポキシ基から選ばれた少なくとも1種の
官能基を有する不飽和化合物単位とを主体とする共重合
体と、少なくとも1種のビニル化合物からなるビニル系
(共)重合体よりなる多層構造を有する重合体を相溶化
剤として用いると、熱可塑性ノルボルネン系樹脂とポリ
アリーレンスルフィド樹脂は互いに一層相溶するように
なる。相溶化剤の使用割合は、熱可塑性ノルボルネン系
樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂の合計100重量
部に対して、通常0.1〜20重量部である。ここで、
多層構造を有する重合体中のオレフィン単位とカルボキ
シル基、酸無水物基、オキサゾリン基、エポキシ基から
選ばれた少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物
単位とを主体とする共重合体(以下、「共重合体I」と
いう。)とは、例えばオレフィンと上記の官能基を有す
る不飽和化合物および必要に応じて他の不飽和化合物と
の二元、三元または多元の共重合体である。上記共重合
体I中のオレフィンとしては、エチレン、プロピレンが
好ましく、特に好ましいのはエチレンである。
る熱可塑性樹脂は、クロロホルム中、30℃で測定され
る固有粘度(ηinh )が、0.2〜1.5dl/g、好
ましくは0.3〜1.0dl/gである。固有粘度(η
inh )が0.2dl/g未満では、機械的特性に劣り耐
衝撃性が低下し、一方1.5dl/gを超えると加工性
が劣り、また押出成形性が劣る。また、水添重合体の水
素添加率は60MHz、 1H−NMRで測定した値が5
0%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは9
8%以上である。水素添加率が高いほど熱や光に対する
安定性が優れる。なお、本発明のノルボルナン骨格を有
する熱可塑性樹脂として使用される水添重合体は、溶融
押出成形におけるシート表面の肌あれなどの不良発生防
止の面から該水添重合体中に含まれるゲル含有量が5重
量%以下であることが好ましく、さらに1重量%以下で
あることが特に好ましい。また、前記水添重合体の軟化
温度は90℃以上、ガラス転移温度100℃以上、特に
130℃以上であることがポリアリーレンスルフィド樹
脂に配合した際、ポリアリーレンスルフィド樹脂の耐熱
性を大きく損ねない上で好ましい。本発明に用いられる
ポリアリーレンスルフィド樹脂は、主とする構成単位が
一般式:−Ar−S−(式中、Arは2価の芳香族基を
表わす。)で表わされる重合体である。このポリアリー
レン基を構成する2価の芳香族基としては、p−フェニ
レン基、m−フェニレン基、2,6−ナフタレン基、
4,4′−ビフェニレン基、p,p′−ビベンジル基、
およびこれらの核置換基などが代表例として挙げられ
る。これらの内では核置換基のp−フェニレン基を有す
るポリ−p−フェニレンスルフィドが成形加工性の点で
好ましい。本発明においてポリアリーレンスルフィド樹
脂は、上記構成単位を1分子中に少なくとも70モル%
以上含有していることが必要である。この主成分が70
モル%未満であると、得られるポリアリーレンスルフィ
ド樹脂の結晶性が低下したり、転移温度が低かったり、
成形品の物性が悪いなど好ましくない結果を生じる。さ
らに、本発明においてポリアリーレンスルフィド樹脂は
1分子中に30モル%未満であれば、3価以上の結合手
を有する芳香族基、例えば1,2,4−結合フェニレン
核や脂肪族基、ヘテロ原子含有基などを含んでいてもさ
しつかえない。上記ポリアリーレンスルフィド樹脂を製
造する方法としては、ジハロゲン化芳香族化合物とジオ
ール芳香族化合物またはモノハロゲン化芳香族チオール
の縮合反応あるいはジハロゲン化芳香族化合物と、硫化
アルカリあるいは水硫化アルカリとアルカリまたは硫化
水素とアルカリ化合物からの脱塩縮合反応を利用する方
法などを例示することができるが、これらに限定される
ものではない。熱可塑性ノルボルネン系樹脂とポリアリ
ーレンスルフィド樹脂の混合には、相溶性を高めるため
に、相溶化剤を用いることができる。その一例としてオ
レフィン単位とカルボキシル基、酸無水物基、オキサゾ
リン基およびエポキシ基から選ばれた少なくとも1種の
官能基を有する不飽和化合物単位とを主体とする共重合
体と、少なくとも1種のビニル化合物からなるビニル系
(共)重合体よりなる多層構造を有する重合体を相溶化
剤として用いると、熱可塑性ノルボルネン系樹脂とポリ
アリーレンスルフィド樹脂は互いに一層相溶するように
なる。相溶化剤の使用割合は、熱可塑性ノルボルネン系
樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂の合計100重量
部に対して、通常0.1〜20重量部である。ここで、
多層構造を有する重合体中のオレフィン単位とカルボキ
シル基、酸無水物基、オキサゾリン基、エポキシ基から
選ばれた少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物
単位とを主体とする共重合体(以下、「共重合体I」と
いう。)とは、例えばオレフィンと上記の官能基を有す
る不飽和化合物および必要に応じて他の不飽和化合物と
の二元、三元または多元の共重合体である。上記共重合
体I中のオレフィンとしては、エチレン、プロピレンが
好ましく、特に好ましいのはエチレンである。
【0012】カルボキシル基含有不飽和化合物として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸など、酸無
水物基含有不飽和化合物としては、無水マレイン酸、無
水イタコン酸などが、オキサゾリン基含有不飽和化合物
としては、ビニルオキサゾリンなど、エポキシ基含有不
飽和化合物としては、グリシジルメタクリレート、アリ
ルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。好ま
しい官能基は、エポキシ基、酸無水物基である。上記重
合体Iのオレフィン量は通常60〜99.5重量%、官
能基を有する不飽和化合物単量体は通常0.5〜40重
量%、他の不飽和単量体量は通常0〜39.5重量%で
ある。また、多相構造中の少なくとも1種のビニル化合
物からなるビニル系共重合体とは、具体的にはスチレ
ン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレ
ン、イソプロピルスチレン、クロルスチレン、α−メチ
ルスチレン、α−エチルスチレンなどの芳香族ビニル単
量体、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、ドデシ
ル、オクタデシなどのエステル類、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルシア
ン化合物、およびアクリル酸アミド系化合物などのカル
ボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン基、およびエポ
キシ基を有さないビニル化合物を1種または2種以上重
合した数平均重合度が、通常5〜10,000、好まし
くは10〜10,000の重合体である。多相構造成分
は、共重合体Iまたはビニル系(共)重合体マトリック
ス中に、それとは異なる成分であるビニル共重合体また
は共重合体Iが球状に均一に分散しているものである。
分散している重合体の粒子径は0.001〜10μm、
好ましくは0.01〜5μmである。分散重合体粒子径
が0.001μm未満の場合、あるいは10μmを超え
る場合、得られた組成物の機械的強度が低下するので好
ましくない。多相構造成分は、共重合体を通常5〜95
重量%、好ましくは20〜90重量%含有することが本
発明の目的を達成する上で好ましい。多相構造成分を製
造する方法は、一般によく知られている連鎖移動法、電
離性放射線照射性など、いずれの方法によってもよい
が、最も好ましいものは、特開昭64−48856号公
報記載の方法である。
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸など、酸無
水物基含有不飽和化合物としては、無水マレイン酸、無
水イタコン酸などが、オキサゾリン基含有不飽和化合物
としては、ビニルオキサゾリンなど、エポキシ基含有不
飽和化合物としては、グリシジルメタクリレート、アリ
ルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。好ま
しい官能基は、エポキシ基、酸無水物基である。上記重
合体Iのオレフィン量は通常60〜99.5重量%、官
能基を有する不飽和化合物単量体は通常0.5〜40重
量%、他の不飽和単量体量は通常0〜39.5重量%で
ある。また、多相構造中の少なくとも1種のビニル化合
物からなるビニル系共重合体とは、具体的にはスチレ
ン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレ
ン、イソプロピルスチレン、クロルスチレン、α−メチ
ルスチレン、α−エチルスチレンなどの芳香族ビニル単
量体、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、ドデシ
ル、オクタデシなどのエステル類、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルシア
ン化合物、およびアクリル酸アミド系化合物などのカル
ボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン基、およびエポ
キシ基を有さないビニル化合物を1種または2種以上重
合した数平均重合度が、通常5〜10,000、好まし
くは10〜10,000の重合体である。多相構造成分
は、共重合体Iまたはビニル系(共)重合体マトリック
ス中に、それとは異なる成分であるビニル共重合体また
は共重合体Iが球状に均一に分散しているものである。
分散している重合体の粒子径は0.001〜10μm、
好ましくは0.01〜5μmである。分散重合体粒子径
が0.001μm未満の場合、あるいは10μmを超え
る場合、得られた組成物の機械的強度が低下するので好
ましくない。多相構造成分は、共重合体を通常5〜95
重量%、好ましくは20〜90重量%含有することが本
発明の目的を達成する上で好ましい。多相構造成分を製
造する方法は、一般によく知られている連鎖移動法、電
離性放射線照射性など、いずれの方法によってもよい
が、最も好ましいものは、特開昭64−48856号公
報記載の方法である。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応
じて無機充填材が配合されていてもよい。無機充填材の
例としては、例えばガラス繊維、チタン酸カリウム繊
維、アスベスト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、セラミック
繊維、ジルコニア繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、石
コウ繊維などの繊維状充填材、および硫酸バリウム、硫
酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、カオリン、クレー、
バイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオラ
イト、マイカ、雲母、ネフェリンシナイト、タルク、ア
タルバルジャイト、ワラストナイト、PMF、珪酸カル
シウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化チタン、
酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化
鉄、二硫化モリブデン、石コウ、ガラスビーズ、ガラス
バルーン、ガラスパウダー、ガラスフレーク、シリカパ
ウダー、シリカビーズなどの無機充填材などが挙げられ
る。繊維状充填材を用いる場合、その平均径は剛性と耐
衝撃性とのバランスの面から0.1〜250μmの範囲
内にあることが好ましい。
じて無機充填材が配合されていてもよい。無機充填材の
例としては、例えばガラス繊維、チタン酸カリウム繊
維、アスベスト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、セラミック
繊維、ジルコニア繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、石
コウ繊維などの繊維状充填材、および硫酸バリウム、硫
酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、カオリン、クレー、
バイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオラ
イト、マイカ、雲母、ネフェリンシナイト、タルク、ア
タルバルジャイト、ワラストナイト、PMF、珪酸カル
シウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化チタン、
酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化
鉄、二硫化モリブデン、石コウ、ガラスビーズ、ガラス
バルーン、ガラスパウダー、ガラスフレーク、シリカパ
ウダー、シリカビーズなどの無機充填材などが挙げられ
る。繊維状充填材を用いる場合、その平均径は剛性と耐
衝撃性とのバランスの面から0.1〜250μmの範囲
内にあることが好ましい。
【0014】本発明に用いる熱可塑性ノルボルネン系樹
脂は非晶性であるので、結晶性であるポリアリーレンス
ルフィド樹脂に較べ溶融時の流動性の極端な増加がな
く、成形収縮率や線膨張係数の異方性が小さい。よって
熱可塑性ノルボルネン系樹脂をポリアリーレンスルフィ
ド樹脂に配合することにより、ポリアリーレンスルフィ
ド樹脂の上記欠点を大幅に改善することができ、成形品
の押出成形性、寸法精度が向上する。しかも、熱可塑性
ノルボルネン系樹脂はガラス転移温度が高い樹脂であ
り、ポリアリーレンスルフィド樹脂に配合してもポリア
リーレンスルフィド樹脂が元来有する高い耐熱性を大き
く損ねることがない。しかし、熱可塑性ノルボルネン系
樹脂が過剰に配合された樹脂組成物で成形品を成形する
と、高温下で長時間使用するうちに成形品が変形した
り、またプリント配線板のようにハンダ付けが必要な用
途ではハンダ付け工程時に加わる高温の熱(230〜3
00℃程度)により成形品が変形したり、信頼性が著し
く低下することがある。したがって、本発明の成形品に
各種用途に使用するのに十分な耐熱性を持たせるために
は、樹脂組成物の熱変形温度は荷重66psiにおいて
180℃を超えていることが好ましく、ビカット軟化温
度は200℃以上である。本発明において、上記の熱変
形温度、押出成形性、成形収縮における異方性を満たす
熱可塑性樹脂組成物を得るには、熱可塑性ノルボルネン
系樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂との合計100
重量部に対して熱可塑性ノルボルネン系樹脂とポリアリ
ーレンスルフィド樹脂はそれぞれ1〜60重量%、99
〜40重量%の範囲、好ましくはそれぞれ5〜40重量
%、95〜60重量%の範囲で含まれていることが望ま
しい。熱可塑性ノルボルネン系樹脂が1重量%未満で
は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の結晶性に基づく諸
欠点が改善されず、樹脂組成物の成形収縮率や線膨張係
数の異方性が大きくなり、樹脂溶融時の流動性が大きく
なりすぎて溶融押出成形が困難になり、また各種素材と
の密着性に劣るものとなるため、このような組成物で形
成された成形品は信頼性に劣るものとなる。また、熱可
塑性ノルボルネン系樹脂が60重量%を超えると、組成
物の熱変形温度が著しく低下してしまい、このような組
成物で成形された成形品は高温下での長時間使用やハン
ダ付け工程時にかかる高温の熱により変形するおそれが
ある。特に熱可塑性ノルボルネン系樹脂が、ノルボルナ
ン骨格に極性置換基を有しない樹脂である場合は1〜4
0重量%の範囲内であることが望ましい。
脂は非晶性であるので、結晶性であるポリアリーレンス
ルフィド樹脂に較べ溶融時の流動性の極端な増加がな
く、成形収縮率や線膨張係数の異方性が小さい。よって
熱可塑性ノルボルネン系樹脂をポリアリーレンスルフィ
ド樹脂に配合することにより、ポリアリーレンスルフィ
ド樹脂の上記欠点を大幅に改善することができ、成形品
の押出成形性、寸法精度が向上する。しかも、熱可塑性
ノルボルネン系樹脂はガラス転移温度が高い樹脂であ
り、ポリアリーレンスルフィド樹脂に配合してもポリア
リーレンスルフィド樹脂が元来有する高い耐熱性を大き
く損ねることがない。しかし、熱可塑性ノルボルネン系
樹脂が過剰に配合された樹脂組成物で成形品を成形する
と、高温下で長時間使用するうちに成形品が変形した
り、またプリント配線板のようにハンダ付けが必要な用
途ではハンダ付け工程時に加わる高温の熱(230〜3
00℃程度)により成形品が変形したり、信頼性が著し
く低下することがある。したがって、本発明の成形品に
各種用途に使用するのに十分な耐熱性を持たせるために
は、樹脂組成物の熱変形温度は荷重66psiにおいて
180℃を超えていることが好ましく、ビカット軟化温
度は200℃以上である。本発明において、上記の熱変
形温度、押出成形性、成形収縮における異方性を満たす
熱可塑性樹脂組成物を得るには、熱可塑性ノルボルネン
系樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂との合計100
重量部に対して熱可塑性ノルボルネン系樹脂とポリアリ
ーレンスルフィド樹脂はそれぞれ1〜60重量%、99
〜40重量%の範囲、好ましくはそれぞれ5〜40重量
%、95〜60重量%の範囲で含まれていることが望ま
しい。熱可塑性ノルボルネン系樹脂が1重量%未満で
は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の結晶性に基づく諸
欠点が改善されず、樹脂組成物の成形収縮率や線膨張係
数の異方性が大きくなり、樹脂溶融時の流動性が大きく
なりすぎて溶融押出成形が困難になり、また各種素材と
の密着性に劣るものとなるため、このような組成物で形
成された成形品は信頼性に劣るものとなる。また、熱可
塑性ノルボルネン系樹脂が60重量%を超えると、組成
物の熱変形温度が著しく低下してしまい、このような組
成物で成形された成形品は高温下での長時間使用やハン
ダ付け工程時にかかる高温の熱により変形するおそれが
ある。特に熱可塑性ノルボルネン系樹脂が、ノルボルナ
ン骨格に極性置換基を有しない樹脂である場合は1〜4
0重量%の範囲内であることが望ましい。
【0015】本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物に
は、本発明の効果を損ねない範囲で、他の熱可塑性樹脂
やエラストマーを配合することも可能である。これら熱
可塑性樹脂としては、例えばポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、
ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスル
フォンポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリ四
フッ化エチレン、ポリ二フッ化エチレン、ポリスチレン
などが挙げられ、エラストマーとしては、ポリオレフィ
ン系ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどが挙げられ
る。その他、本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物は、
必要に応じて帯電防止剤、着色剤、難燃剤、酸化防止
剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジ
メチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−(4−エ
チル−6−t−ブチルフェノール)、トリス(ジ−ノニ
ルフェニルホスファイド)、紫外線吸収剤、例えばp−
t−ブチルフェニルサリシレート、2,2′−ジヒドロ
キシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−(2′ジヒ
ドロキシ−4′−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール、「TINUVIN320」[チバガイギー社
製]、「TINUVIN329」[チバガイギー社
製]、「TINUVIN622LD」[チバガイギー社
製]、「CHIMASSORB119FL」[チバガイ
ギー社製]、滑剤、例えばパラフィンワックス、ステア
リン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステア
ロアミド、m−ブチルステアレート、ケトンワックス、
オクチルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリ
セリドなどを必要量添加してもよい。本発明において、
熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度は300℃、剪断速度
1,000sec-1において、1,000〜25,00
0ポイズの範囲にあることが好ましく、特に3,000
〜10,000ポイズの範囲にあることが好ましい。溶
融粘度が1,000ポイズ未満では流動性が大きくなり
すぎ製膜性に劣り押出成形品を安定して得ることが難し
く、成形品の強度が低下する。一方、25,000ポイ
ズを超えると粘度が高くなりすぎ、品質の安定した押出
成形品を成形することが難しくなる。本発明に使用する
熱可塑性樹脂組成物は、単軸押出機、多軸押出機、バン
バリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの混
合機を用い、樹脂組成物および充填剤、難燃剤、さらに
必要に応じて使用される添加剤を混合することによって
得られる。本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物の製造
方法の例を示すと、ミキサーで各成分を混合した後押出
機を用い、240〜360℃で溶融混練りして造粒物を
得る方法、さらに簡便な方法としては、各成分を直接成
形機内で溶融混練りしてペレットを得る方法などが挙げ
られる。また、二軸押出機を用いて樹脂成分を混練りし
ながら充填剤、難燃剤を後から添加してペレットを作成
する方法がある。本発明の成形品を押出成形する方法は
特に制限はないが、例えばシートやフィルムに成形する
場合は溶融押出機を用い、成形温度260〜380℃の
範囲に加熱された上記樹脂組成物をT型またはマニホー
ルド型のダイから押出し、各種ロールで巻き取ることに
より、シートやフィルムに成形加工することができる。
また、シート状の成形物をさらに一軸または二軸方向に
延伸して加工することも可能である。また繊維とするに
は、例えば溶融押出温度260〜380℃の範囲に加熱
された上記樹脂組成物を紡糸口金から溶融押出し、紡糸
する方法が挙げられる。またこれら繊維は公知の方法で
延伸されたものであってもよい。その他、上記熱可塑性
樹脂は適当なダイから押出することにより、棒状やチュ
ーブ状など種々の押出成形品とすることができる。これ
らの押出成形品は、さらに延伸されたものであってもよ
い。
は、本発明の効果を損ねない範囲で、他の熱可塑性樹脂
やエラストマーを配合することも可能である。これら熱
可塑性樹脂としては、例えばポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、
ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスル
フォンポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリ四
フッ化エチレン、ポリ二フッ化エチレン、ポリスチレン
などが挙げられ、エラストマーとしては、ポリオレフィ
ン系ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどが挙げられ
る。その他、本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物は、
必要に応じて帯電防止剤、着色剤、難燃剤、酸化防止
剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジ
メチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−(4−エ
チル−6−t−ブチルフェノール)、トリス(ジ−ノニ
ルフェニルホスファイド)、紫外線吸収剤、例えばp−
t−ブチルフェニルサリシレート、2,2′−ジヒドロ
キシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−(2′ジヒ
ドロキシ−4′−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール、「TINUVIN320」[チバガイギー社
製]、「TINUVIN329」[チバガイギー社
製]、「TINUVIN622LD」[チバガイギー社
製]、「CHIMASSORB119FL」[チバガイ
ギー社製]、滑剤、例えばパラフィンワックス、ステア
リン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステア
ロアミド、m−ブチルステアレート、ケトンワックス、
オクチルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリ
セリドなどを必要量添加してもよい。本発明において、
熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度は300℃、剪断速度
1,000sec-1において、1,000〜25,00
0ポイズの範囲にあることが好ましく、特に3,000
〜10,000ポイズの範囲にあることが好ましい。溶
融粘度が1,000ポイズ未満では流動性が大きくなり
すぎ製膜性に劣り押出成形品を安定して得ることが難し
く、成形品の強度が低下する。一方、25,000ポイ
ズを超えると粘度が高くなりすぎ、品質の安定した押出
成形品を成形することが難しくなる。本発明に使用する
熱可塑性樹脂組成物は、単軸押出機、多軸押出機、バン
バリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの混
合機を用い、樹脂組成物および充填剤、難燃剤、さらに
必要に応じて使用される添加剤を混合することによって
得られる。本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物の製造
方法の例を示すと、ミキサーで各成分を混合した後押出
機を用い、240〜360℃で溶融混練りして造粒物を
得る方法、さらに簡便な方法としては、各成分を直接成
形機内で溶融混練りしてペレットを得る方法などが挙げ
られる。また、二軸押出機を用いて樹脂成分を混練りし
ながら充填剤、難燃剤を後から添加してペレットを作成
する方法がある。本発明の成形品を押出成形する方法は
特に制限はないが、例えばシートやフィルムに成形する
場合は溶融押出機を用い、成形温度260〜380℃の
範囲に加熱された上記樹脂組成物をT型またはマニホー
ルド型のダイから押出し、各種ロールで巻き取ることに
より、シートやフィルムに成形加工することができる。
また、シート状の成形物をさらに一軸または二軸方向に
延伸して加工することも可能である。また繊維とするに
は、例えば溶融押出温度260〜380℃の範囲に加熱
された上記樹脂組成物を紡糸口金から溶融押出し、紡糸
する方法が挙げられる。またこれら繊維は公知の方法で
延伸されたものであってもよい。その他、上記熱可塑性
樹脂は適当なダイから押出することにより、棒状やチュ
ーブ状など種々の押出成形品とすることができる。これ
らの押出成形品は、さらに延伸されたものであってもよ
い。
【0016】本発明の成形品は、その表面に着色層が設
けられていてもよい。これら着色層を形成する塗料は特
に限定されず、有機溶剤、水などに数平均分子量が通常
1,000〜1,000,000の塗料用合成樹脂、さ
らに必要により顔料、塗料、金属、金属化合物などを溶
解、懸濁させたものでよい。ここで、使用可能な溶剤と
しては、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、
酢酸エチル、ペンタン、オクタンなどを挙げることがで
きる。塗料の例を挙げると、メラミン樹脂系塗料、塩化
ビニル樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂
系塗料、ポリエステル系塗料、アクリル樹脂系塗料、A
BS樹脂系塗料、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン塗料、
アクリル樹脂系エマルジョン塗料、アルキッド樹脂系塗
料、ポリアミド樹脂系塗料、ポリイミド樹脂系塗料、ポ
リフッ化ビニリデン樹脂系塗料、シリコーン樹脂系塗
料、ポリブタジエン系塗料などが挙げられる。上記のよ
うな塗料を本発明の成形品に塗装する方法は特に限定さ
れないが、例えばハケ塗り、吹き付け、ロールコート、
ディッピングなどの塗装手段を挙げることができる。こ
の場合は本発明の成形品には、より強固な着色層を形成
するために、塗装前にあらかじめ溶剤処理や酸化剤処理
などの表面処理が施されていてもよい。また、本発明の
成形品を着色された成形品とするには、上記で挙げた方
法の他に、各種塗料、顔料を成形前にあらかじめ含ませ
たものを用いて成形する方法も挙げることができる。本
発明の成形品には印刷が施されていてもよい。ここで本
発明の成形品に印刷を施す方法は特に限定されず、グラ
フィック、フレキソグラフィック、シルクスクリーン、
ドライオフセット、転写、スタンピングなどの公知の方
法を用いることができる。本発明の成形品に他の成形品
を組み合わせて使用する場合は、接着性を高める目的で
本発明の成形品に着色剤やカップリング剤などの着色層
が施されていてもよい。これら接着剤層を形成する接着
剤は一般に用いられている公知のものを使用することが
でき、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シアノア
クリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、シリコン系接
着剤、紫外線硬化型接着剤、ホットメルト型接着剤や熱
可塑性ノルボルネン系樹脂を有機溶剤に溶かした溶液な
どを用いることができる。これらの中では、熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂を有機溶剤に溶かしてなる溶液が、本
発明の熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性ノルボルネン系
樹脂と相溶することにより、密着性が特に高くなるので
好ましい。ここで接着剤として熱可塑性ノルボルネン系
樹脂を有機溶剤に溶かしてなる溶液を用いる場合は、そ
の構造が本発明の成形品に用いる熱可塑性樹脂組成物中
の熱可塑性ノルボルネン系樹脂の構造と同一であっても
よく、異なっていてもよいが、同一構造のものが好まし
い。また、超音波溶着法を用いて本発明の成形品と他の
成形品を接着することもできる。本発明の成形品は、高
温下での電気絶縁用フィルム、包装材料、内装用カバー
フィルム、磁気テープペース、写真フィルム用ベース、
誘電体ペース、フロッピーディスク用ベースフィルム、
コンデンサー用フィルム、フレキシブルプリント配線
板、チップキャリア、TABテープなどのシートやフィ
ルム;衣料、詰綿、不織布、人工皮革、人工ファー、フ
ロック加工、モケット、各種フィルター、電気絶縁材、
抄紙カンバスなど繊維;熱水配管、化学プラント用薬品
配管用パイプ;その他押出形成品として各種電気・電子
部品、自動車部品、精密機械部品、日用品などの広範な
用途に用いることができる。
けられていてもよい。これら着色層を形成する塗料は特
に限定されず、有機溶剤、水などに数平均分子量が通常
1,000〜1,000,000の塗料用合成樹脂、さ
らに必要により顔料、塗料、金属、金属化合物などを溶
解、懸濁させたものでよい。ここで、使用可能な溶剤と
しては、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、
酢酸エチル、ペンタン、オクタンなどを挙げることがで
きる。塗料の例を挙げると、メラミン樹脂系塗料、塩化
ビニル樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂
系塗料、ポリエステル系塗料、アクリル樹脂系塗料、A
BS樹脂系塗料、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン塗料、
アクリル樹脂系エマルジョン塗料、アルキッド樹脂系塗
料、ポリアミド樹脂系塗料、ポリイミド樹脂系塗料、ポ
リフッ化ビニリデン樹脂系塗料、シリコーン樹脂系塗
料、ポリブタジエン系塗料などが挙げられる。上記のよ
うな塗料を本発明の成形品に塗装する方法は特に限定さ
れないが、例えばハケ塗り、吹き付け、ロールコート、
ディッピングなどの塗装手段を挙げることができる。こ
の場合は本発明の成形品には、より強固な着色層を形成
するために、塗装前にあらかじめ溶剤処理や酸化剤処理
などの表面処理が施されていてもよい。また、本発明の
成形品を着色された成形品とするには、上記で挙げた方
法の他に、各種塗料、顔料を成形前にあらかじめ含ませ
たものを用いて成形する方法も挙げることができる。本
発明の成形品には印刷が施されていてもよい。ここで本
発明の成形品に印刷を施す方法は特に限定されず、グラ
フィック、フレキソグラフィック、シルクスクリーン、
ドライオフセット、転写、スタンピングなどの公知の方
法を用いることができる。本発明の成形品に他の成形品
を組み合わせて使用する場合は、接着性を高める目的で
本発明の成形品に着色剤やカップリング剤などの着色層
が施されていてもよい。これら接着剤層を形成する接着
剤は一般に用いられている公知のものを使用することが
でき、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シアノア
クリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、シリコン系接
着剤、紫外線硬化型接着剤、ホットメルト型接着剤や熱
可塑性ノルボルネン系樹脂を有機溶剤に溶かした溶液な
どを用いることができる。これらの中では、熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂を有機溶剤に溶かしてなる溶液が、本
発明の熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性ノルボルネン系
樹脂と相溶することにより、密着性が特に高くなるので
好ましい。ここで接着剤として熱可塑性ノルボルネン系
樹脂を有機溶剤に溶かしてなる溶液を用いる場合は、そ
の構造が本発明の成形品に用いる熱可塑性樹脂組成物中
の熱可塑性ノルボルネン系樹脂の構造と同一であっても
よく、異なっていてもよいが、同一構造のものが好まし
い。また、超音波溶着法を用いて本発明の成形品と他の
成形品を接着することもできる。本発明の成形品は、高
温下での電気絶縁用フィルム、包装材料、内装用カバー
フィルム、磁気テープペース、写真フィルム用ベース、
誘電体ペース、フロッピーディスク用ベースフィルム、
コンデンサー用フィルム、フレキシブルプリント配線
板、チップキャリア、TABテープなどのシートやフィ
ルム;衣料、詰綿、不織布、人工皮革、人工ファー、フ
ロック加工、モケット、各種フィルター、電気絶縁材、
抄紙カンバスなど繊維;熱水配管、化学プラント用薬品
配管用パイプ;その他押出形成品として各種電気・電子
部品、自動車部品、精密機械部品、日用品などの広範な
用途に用いることができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は特に断わらな
いかぎり重量基準である。また、実施例中の各種の測定
は、次のとおりである。ビカット軟化温度 JIS K7206に準じ、1/8″の厚みの試験片を
用いて、荷重1kg、昇温速度50℃/hで測定した。押出成形性 ○:安定して連続に均質な成形品を押出しできたもの。 ×:均質な成形品を押出しできなかったもの。ハンダ耐熱性 成形したフィルムを260℃ハンダ浴に5秒間浮かべハ
ンダ浴に浮かべる前後の試料の状態を比較して次の基準
に従って判定した。 ○:全く変わらない。 △:やや変形があるものの、形をとどめている。 ×:変形が激しく、元の形をとどめていない。加熱収縮率 ASTM D2838に準じて180℃で30分加熱後
のフィルムの長手方向(MD)と幅方向(TD)におけ
る収縮率を測定した。塗装性 以下の評価基準に従って塗膜の外観を目視評価した。 ○:良好、△:若干劣る、×:悪い塗膜の密着性 塗装したフィルムに1mm×1mmのマス目100個を
カッターで刻み、セロハンテープ剥離試験を行なって、
以下の評価基準に従って密着性を評価した。 ○:剥離された目の数が0のもの。 △:剥離された目の数が1〜10個のもの。 ×:剥離された目の数が10個を超えるもの。 参考例(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂の製造 (a)−1 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4,4,0,12.5 ,17.10]ドデカ−3−エン10
0g、1,2−ジメトキシエタン60g、シクロヘキサ
ン240g、1−ヘキセン8g、およびジエチルアルミ
ニウムクロライド0.96モル/リットルのトルエン溶
液3.4mlを内容積1リットルのオートクレーブに加
えた。一方、別のフラスコに六塩化タングステンの0.
05モル/リットルの1,2−ジメトキシエタン溶液2
0mlとパラアルデヒドの0.1モル/リットルの1,
2−ジメトキシエタン溶液10mlを混合した。この混
合溶液4.9mlを前記オートクレーブ中の混合物に添
加した。密栓後、混合物を80℃に加熱して3時間撹拌
を行なった。得られた重合体溶液に1,2−ジメトキシ
エタンとシクロヘキサンの2/8(重量比)の混合溶媒
を加えて重合体/溶媒が1/10(重量比)にした後、
トリエタノールアミン20gを加えて10分間撹拌し
た。この重合溶液に、メタノール500gを加えて30
分間撹拌して静置した。2層に分離した上層を除き、再
びメタノールを加えて撹拌、静置後上層を除いた。同様
の操作をさらに2回行ない、得られた下層をシクロヘキ
サン、1,2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体
濃度が10%のシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエ
タン溶液を得た。この溶液に20gのパラジウム/シリ
カマグネシア[日揮化学(株)製、パラジウム量=5
%]を加えて、オートクレーブ中で水素圧40kg/c
m2 として165℃で4時間反応させた後、水添触媒を
ろ過によって取り除き、水添重合体溶液を得た。また、
この水添重合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエリス
リチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を水添重合
体に対して0.1%加えてから380℃で減圧化に脱溶
媒を行なった。次いで、溶融した樹脂をチッ素雰囲気下
で押出機によりペレット化し、固有粘度0.55dl/
g(30℃、クロロホルム中)、重量平均分子量8.0
×10 4 、水添率99.5%、ガラス転移温度168℃
の熱可塑性樹脂(a)−1を得た。 (a)−2 重合時間を4時間に変更した以外は(a)−1と同様に
メタセシス開環重合した後水添し、ペレット化して固有
粘度0.68dl/g(30℃、クロロホルム中)、水
添率99%、ガラス転移温度166℃の熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂(a)−2を得た。 (a)−3 6−エチリンデン2−テトラシクロドデセンを参考例1
と同様にメタセシス開環重合した後水添し、ペレット化
して固有粘度0.50dl/g(30℃、クロロホルム
中)、重量平均分子量6.2×104 、水添率99%、
ガラス転移温度140℃の熱可塑性樹脂(a)−3を得
た。 (a)−4 エチレン55モル%と2−メチル−1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン45モル%とを付加重合し、ペレット
化して固有粘度0.62dl/g(35℃、デカリン
中)、重量平均分子量9.5×104 、ガラス転移温度
140℃の熱可塑性樹脂(a)−4を得た。(b)ポリアリーレンスルフィド (b)−1:ポリフェニレンスルフィドLA−4X(リ
ニアタイプ)(株)トープレン製 (b)−2:ポリフェニレンスルフィドT−4(半架橋
タイプ)(株)トープレン製 相溶化剤:モディパーA4101 日本油脂(株)製
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は特に断わらな
いかぎり重量基準である。また、実施例中の各種の測定
は、次のとおりである。ビカット軟化温度 JIS K7206に準じ、1/8″の厚みの試験片を
用いて、荷重1kg、昇温速度50℃/hで測定した。押出成形性 ○:安定して連続に均質な成形品を押出しできたもの。 ×:均質な成形品を押出しできなかったもの。ハンダ耐熱性 成形したフィルムを260℃ハンダ浴に5秒間浮かべハ
ンダ浴に浮かべる前後の試料の状態を比較して次の基準
に従って判定した。 ○:全く変わらない。 △:やや変形があるものの、形をとどめている。 ×:変形が激しく、元の形をとどめていない。加熱収縮率 ASTM D2838に準じて180℃で30分加熱後
のフィルムの長手方向(MD)と幅方向(TD)におけ
る収縮率を測定した。塗装性 以下の評価基準に従って塗膜の外観を目視評価した。 ○:良好、△:若干劣る、×:悪い塗膜の密着性 塗装したフィルムに1mm×1mmのマス目100個を
カッターで刻み、セロハンテープ剥離試験を行なって、
以下の評価基準に従って密着性を評価した。 ○:剥離された目の数が0のもの。 △:剥離された目の数が1〜10個のもの。 ×:剥離された目の数が10個を超えるもの。 参考例(a)熱可塑性ノルボルネン系樹脂の製造 (a)−1 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4,4,0,12.5 ,17.10]ドデカ−3−エン10
0g、1,2−ジメトキシエタン60g、シクロヘキサ
ン240g、1−ヘキセン8g、およびジエチルアルミ
ニウムクロライド0.96モル/リットルのトルエン溶
液3.4mlを内容積1リットルのオートクレーブに加
えた。一方、別のフラスコに六塩化タングステンの0.
05モル/リットルの1,2−ジメトキシエタン溶液2
0mlとパラアルデヒドの0.1モル/リットルの1,
2−ジメトキシエタン溶液10mlを混合した。この混
合溶液4.9mlを前記オートクレーブ中の混合物に添
加した。密栓後、混合物を80℃に加熱して3時間撹拌
を行なった。得られた重合体溶液に1,2−ジメトキシ
エタンとシクロヘキサンの2/8(重量比)の混合溶媒
を加えて重合体/溶媒が1/10(重量比)にした後、
トリエタノールアミン20gを加えて10分間撹拌し
た。この重合溶液に、メタノール500gを加えて30
分間撹拌して静置した。2層に分離した上層を除き、再
びメタノールを加えて撹拌、静置後上層を除いた。同様
の操作をさらに2回行ない、得られた下層をシクロヘキ
サン、1,2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体
濃度が10%のシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエ
タン溶液を得た。この溶液に20gのパラジウム/シリ
カマグネシア[日揮化学(株)製、パラジウム量=5
%]を加えて、オートクレーブ中で水素圧40kg/c
m2 として165℃で4時間反応させた後、水添触媒を
ろ過によって取り除き、水添重合体溶液を得た。また、
この水添重合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエリス
リチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を水添重合
体に対して0.1%加えてから380℃で減圧化に脱溶
媒を行なった。次いで、溶融した樹脂をチッ素雰囲気下
で押出機によりペレット化し、固有粘度0.55dl/
g(30℃、クロロホルム中)、重量平均分子量8.0
×10 4 、水添率99.5%、ガラス転移温度168℃
の熱可塑性樹脂(a)−1を得た。 (a)−2 重合時間を4時間に変更した以外は(a)−1と同様に
メタセシス開環重合した後水添し、ペレット化して固有
粘度0.68dl/g(30℃、クロロホルム中)、水
添率99%、ガラス転移温度166℃の熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂(a)−2を得た。 (a)−3 6−エチリンデン2−テトラシクロドデセンを参考例1
と同様にメタセシス開環重合した後水添し、ペレット化
して固有粘度0.50dl/g(30℃、クロロホルム
中)、重量平均分子量6.2×104 、水添率99%、
ガラス転移温度140℃の熱可塑性樹脂(a)−3を得
た。 (a)−4 エチレン55モル%と2−メチル−1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン45モル%とを付加重合し、ペレット
化して固有粘度0.62dl/g(35℃、デカリン
中)、重量平均分子量9.5×104 、ガラス転移温度
140℃の熱可塑性樹脂(a)−4を得た。(b)ポリアリーレンスルフィド (b)−1:ポリフェニレンスルフィドLA−4X(リ
ニアタイプ)(株)トープレン製 (b)−2:ポリフェニレンスルフィドT−4(半架橋
タイプ)(株)トープレン製 相溶化剤:モディパーA4101 日本油脂(株)製
【0018】実施例1〜7、比較例1〜4 参考例の熱可塑性ノルボルネン系樹脂、ポリアリーレン
スルフィド樹脂、相溶化剤を表1に示す配合で、二軸押
出機を用いて300℃で溶融混合し、ペレット状の熱可
塑性樹脂組成物を製造した。これらの樹脂組成物につい
てビカット軟化温度を測定した。さらにこれらの樹脂組
成物を用い、樹脂温度を310℃に昇温加熱して溶融
し、T型ダイから押出成形して、幅20cm、厚さ10
0μmのフィルムを得た。これらのフィルムについて押
出成形性、ハンダ耐熱性、加熱収縮率を評価した。さら
に得られたフィルムに、アクリル系塗料(日本油脂
(株)製、ニッサンキャンディートーンR4C)とシン
ナー(日本油脂(株)製、ニッサンハイプラスNo.3
00)とを重量比で75/25の割合で混合した樹脂塗
料を、エヤースプレーガンを用い塗装した。乾燥は80
℃で30分行ない、乾燥膜厚が25μmの塗装を得た。
この塗装したフィルムの塗装性と塗膜密着性を評価し
た。以上の評価結果を表1に示す。
スルフィド樹脂、相溶化剤を表1に示す配合で、二軸押
出機を用いて300℃で溶融混合し、ペレット状の熱可
塑性樹脂組成物を製造した。これらの樹脂組成物につい
てビカット軟化温度を測定した。さらにこれらの樹脂組
成物を用い、樹脂温度を310℃に昇温加熱して溶融
し、T型ダイから押出成形して、幅20cm、厚さ10
0μmのフィルムを得た。これらのフィルムについて押
出成形性、ハンダ耐熱性、加熱収縮率を評価した。さら
に得られたフィルムに、アクリル系塗料(日本油脂
(株)製、ニッサンキャンディートーンR4C)とシン
ナー(日本油脂(株)製、ニッサンハイプラスNo.3
00)とを重量比で75/25の割合で混合した樹脂塗
料を、エヤースプレーガンを用い塗装した。乾燥は80
℃で30分行ない、乾燥膜厚が25μmの塗装を得た。
この塗装したフィルムの塗装性と塗膜密着性を評価し
た。以上の評価結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかなように、本発明の成形品
に用いた熱可塑性樹脂組成物(実施例1〜7)は耐熱
性、成形性に優れ、加熱収縮における異方性が改善され
たものであり、塗装性にも優れたものである。これに対
し、比較例1は熱可塑性ノルボルネン系樹脂が配合され
ていないものであり、このような組成物は安定した押出
成形ができず、加熱収縮率の異方性が大きく、塗装膜と
の密着性にも劣るものである。また、比較例2〜4は熱
可塑性ノルボルネン系樹脂が過剰に含まれたものであ
り、これらはビカット軟化温度が200℃に満たないも
のでハンダ耐熱性において熱変形がみられるなど、成形
品としての耐熱性に劣るものである。 実施例8 実施例1の樹脂組成物を用い、押出温度320℃で口金
孔径2.8mmの口金から溶融紡糸し、80℃温水中で
冷却し、未延伸を得たこの糸は、押出途中で糸切れがな
く安定して連続押出しできたものであった。この未延伸
糸を90℃の延伸浴で3.5倍に延伸し、良質な繊維を
得ることができた。
に用いた熱可塑性樹脂組成物(実施例1〜7)は耐熱
性、成形性に優れ、加熱収縮における異方性が改善され
たものであり、塗装性にも優れたものである。これに対
し、比較例1は熱可塑性ノルボルネン系樹脂が配合され
ていないものであり、このような組成物は安定した押出
成形ができず、加熱収縮率の異方性が大きく、塗装膜と
の密着性にも劣るものである。また、比較例2〜4は熱
可塑性ノルボルネン系樹脂が過剰に含まれたものであ
り、これらはビカット軟化温度が200℃に満たないも
のでハンダ耐熱性において熱変形がみられるなど、成形
品としての耐熱性に劣るものである。 実施例8 実施例1の樹脂組成物を用い、押出温度320℃で口金
孔径2.8mmの口金から溶融紡糸し、80℃温水中で
冷却し、未延伸を得たこの糸は、押出途中で糸切れがな
く安定して連続押出しできたものであった。この未延伸
糸を90℃の延伸浴で3.5倍に延伸し、良質な繊維を
得ることができた。
【0021】
【発明の効果】本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物は耐
熱性、押出成形性に優れ、成形収縮率などの異方性が改
善されたものであり、各種素材との密着性にも優れてい
るので、このような樹脂組成物で押出成形された成形品
は厚みが均一で外観に優れたものであり、ハンダ付け工
程時や高温環境下での長時間使用による変形や性能劣化
のない極めて信頼性の高いものとなる。さらに本発明の
成形品は塗装性、印刷性にも優れているので様々な色や
模様をつけることができ、美観の優れた成形品とするこ
ともできる。
熱性、押出成形性に優れ、成形収縮率などの異方性が改
善されたものであり、各種素材との密着性にも優れてい
るので、このような樹脂組成物で押出成形された成形品
は厚みが均一で外観に優れたものであり、ハンダ付け工
程時や高温環境下での長時間使用による変形や性能劣化
のない極めて信頼性の高いものとなる。さらに本発明の
成形品は塗装性、印刷性にも優れているので様々な色や
模様をつけることができ、美観の優れた成形品とするこ
ともできる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリアリーレンスルフィド樹脂と熱可塑
性ノルボルネン系樹脂を必須成分として含む熱可塑性樹
脂組成物を溶融押出することによってなり、ビカット軟
化点温度が200℃以上である成形品。 - 【請求項2】 シートまたはフィルムである請求項1記
載の成形品。 - 【請求項3】 繊維である請求項1記載の成形品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21827494A JPH0859993A (ja) | 1994-08-19 | 1994-08-19 | 熱可塑性樹脂組成物からなる成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21827494A JPH0859993A (ja) | 1994-08-19 | 1994-08-19 | 熱可塑性樹脂組成物からなる成形品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0859993A true JPH0859993A (ja) | 1996-03-05 |
Family
ID=16717302
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21827494A Pending JPH0859993A (ja) | 1994-08-19 | 1994-08-19 | 熱可塑性樹脂組成物からなる成形品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0859993A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006299153A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Nippon Zeon Co Ltd | プリプレグ及び積層体 |
| JP2007186672A (ja) * | 2005-12-16 | 2007-07-26 | Toray Ind Inc | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および成形品 |
| WO2007129695A1 (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-15 | Toray Industries, Inc. | 二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム |
| WO2007129721A1 (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-15 | Toray Industries, Inc. | 二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム |
-
1994
- 1994-08-19 JP JP21827494A patent/JPH0859993A/ja active Pending
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006299153A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Nippon Zeon Co Ltd | プリプレグ及び積層体 |
| JP2007186672A (ja) * | 2005-12-16 | 2007-07-26 | Toray Ind Inc | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および成形品 |
| WO2007129695A1 (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-15 | Toray Industries, Inc. | 二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム |
| WO2007129721A1 (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-15 | Toray Industries, Inc. | 二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム |
| EP2025705A4 (en) * | 2006-05-10 | 2011-04-06 | Toray Industries | BIAXIALLY ORIENTATED ARYLENE POLYSULFIDE FILM |
| US8138279B2 (en) | 2006-05-10 | 2012-03-20 | Toray Industries, Inc. | Biaxially oriented polyarylene sulfide film |
| JP5239855B2 (ja) * | 2006-05-10 | 2013-07-17 | 東レ株式会社 | 二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム |
| KR101331465B1 (ko) * | 2006-05-10 | 2013-11-20 | 도레이 카부시키가이샤 | 2축 배향 폴리아릴렌술피드 필름 |
| JP5428335B2 (ja) * | 2006-05-10 | 2014-02-26 | 東レ株式会社 | 二軸配向ポリアリーレンスルフィドフィルム |
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