JPH0869816A - 高分子固体電解質の製造方法 - Google Patents

高分子固体電解質の製造方法

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JPH0869816A
JPH0869816A JP6226116A JP22611694A JPH0869816A JP H0869816 A JPH0869816 A JP H0869816A JP 6226116 A JP6226116 A JP 6226116A JP 22611694 A JP22611694 A JP 22611694A JP H0869816 A JPH0869816 A JP H0869816A
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JP
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polymer
low
polarity
phase
solid electrolyte
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JP6226116A
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Toshihiro Ichino
敏弘 市野
Yukitoshi Takeshita
幸俊 竹下
Mikio Takeshima
幹夫 竹島
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NTT Inc
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオン伝導性と機械的強度が高い高分子固体
電解質の製造方法を提供する。 【構成】 高極性高分子微粒子と架橋性反応性を持つ低
極性高分子微粒子の混合分散液から分散媒体を除去し、
高分子微粒子同志を凝集、融着させて高極性高分子相と
低極性高分子相からなる高分子マトリクスを形成した
後、該高極性高分子相に電解液を含浸させる高分子固体
電解質の製造方法において、 高分子マトリクス形成
過程が、高分子マトリクス前駆体を前記低極性高分子相
の良溶媒に浸漬する工程と、低極性高分子相を加熱架橋
させる2工程を含む方法、又は 高分子マトリクス形
成過程における加熱処理工程が、低極性高分子の架橋反
応温度未満と以上で加熱処理する2工程を含む方法のい
ずれかである高分子固体電解質の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウム2次電池など
の高エネルギー密度電池に使用できる高分子固体電解質
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電子機器の発展に伴い、これら機器
に電力を供給する電池が高い関心を集めている。中でも
リチウム2次電池は最も高いエネルギー密度を有し、精
力的に開発が進められている。このようなリチウム2次
電池に対し、液漏れがなく、機器の隙間に実装できるよ
うな加工性を付与できる高分子固体電解質が興味を集め
ている。高分子固体電解質には高いイオン伝導性と機械
的強度を付与することが求められている。このような要
求を満足するために本発明者らは、低極性高分子相と高
極性高分子相からなる高分子マトリクスの高極性高分子
相に電解液を含浸した高分子固体電解質を提案した(特
願平5−22014号明細書参照)。この電解質では、
低極性の高分子相が機械的強度を保ち、電解液を含浸し
た高極性高分子相がイオン伝導路相となっている。この
ような高分子固体電解質は、高極性高分子微粒子と低極
性高分子微粒子の混合分散液から加熱処理により分散媒
体を除去し、高分子微粒子同志を凝集・融着させて高極
性高分子相と低極性高分子相からなる高分子マトリクス
を形成した後、高分子マトリクスを電解液に浸漬して高
極性高分子相に電解液を含浸させることにより製造でき
る。この高分子マトリクスの形成過程において、高分子
微粒子同志は分散媒体の除去につれて次第に凝集し、高
分子微粒子表面近傍の高分子が相互に拡散(この現象を
相互拡散と称する)することにより融着して連続した低
極性高分子相と高極性高分子相が各々形成される。更に
電解液に含浸過程においては、電解液は高極性高分子相
に選択的に浸透してイオン伝導路相になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような高分子固体
電解質の製造工程において、低極性高分子相にもわずか
ながら電解液が侵入し、低極性高分子相が可塑化して、
高分子固体電解質の強度が低下する問題があった。この
ような強度の低下は、低極性高分子相に架橋構造を導入
することにより抑制できることを先に提案した。しかし
ながら、この架橋構造の導入は、高分子マトリクスの形
成時に一定条件の加熱処理を施すことにより行っていた
ため、低極性高分子微粒子同志が融着する前に架橋反応
が進行してしまい、低極性微粒子間の融着を阻害して強
度が十分に上らないという新たな問題点が生じた。本発
明はこのような現状にかんがみてなされたものであり、
その目的はイオン伝導性と機械的強度が高い高分子固体
電解質の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は高分子固体電解質の製造方法に関す
る発明であって、高極性高分子微粒子と架橋性反応性を
持つ低極性高分子微粒子の混合分散液から分散媒体を除
去し、高分子微粒子同志を凝集、融着させて高極性高分
子相と低極性高分子相からなる高分子マトリクスを形成
した後、該高分子マトリクスを電解液に浸漬して前記高
極性高分子相に電解液を含浸させることを特徴とする高
分子固体電解質の製造方法において、上記高分子マトリ
クス形成過程が、前記低極性高分子微粒子同志の凝集・
融着が完了する前に高分子マトリクス前駆体を前記低極
性高分子相の良溶媒に浸漬する第1の工程と、前記低極
性高分子相を架橋させるため低極性高分子の架橋反応温
度以上に加熱する第2の工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の第2の発明は、他の高分子固体電解質の
製造方法に関する発明であって、高極性高分子微粒子と
架橋性反応性を持つ低極性高分子微粒子の混合分散液か
ら加熱処理により分散媒体を除去し、高分子微粒子同志
を凝集、融着させて高極性高分子相と低極性高分子相か
らなる高分子マトリクスを形成した後、該高分子マトリ
クスを電解液に浸漬して前記高極性高分子相に電解液を
含浸させることを特徴とする高分子固体電解質の製造方
法において、高分子マトリクス形成過程における加熱処
理工程が、前記低極性高分子微粒子同志の凝集・融着が
完了して低極性高分子相を形成するまで低極性高分子相
の架橋反応温度未満を維持する第1の加熱処理工程と、
その後前記低極性高分子相を架橋させるため低極性高分
子の架橋反応温度以上に昇温して維持する第2の加熱処
理工程からなることを特徴とする。
【0005】本発明者らは、前記目的を達成するために
高分子マトリクス形成時の処理条件について鋭意検討努
力を重ねた結果、低極性高分子微粒子を凝集させて相互
拡散により融着させ、更に低極性高分子相の架橋反応を
十分に進行させるためには、高分子マトリクスの形成が
完了する前に(この状態の高分子微粒子凝集・融着体を
高分子マトリクス前駆体と称する)低極性高分子相を溶
媒により膨潤・可塑化することが効果的なことを明らか
にした。また、本発明者らは、前記目的を達成するため
に高分子マトリクス形成時の加熱処理条件について鋭意
検討努力を重ねた結果、低極性高分子微粒子を凝集させ
て相互拡散により融着させ、更に低極性高分子相の架橋
反応を十分に進行させるためには、高分子マトリクス形
成時の加熱条件を制御することが効果的なことを明らか
にした。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。ま
ず、本発明の第1の発明における高分子マトリクスの形
成過程は、1)分散媒体の蒸発、2)高分子微粒子の凝
集、3)高分子微粒子間の高分子の相互拡散とそれに伴
う高分子微粒子の融着からなる。したがって、上記の
3)の過程で低極性高分子微粒子の融着及び高分子の相
互拡散が十分進んだ後に架橋するのが最も効果的に高分
子固体電解質の強度を上げることができる。したがっ
て、3)の過程で低極性高分子微粒子の融着及び高分子
の相互拡散が十分進ませるためには、低極性高分子の良
溶媒により低極性高分子を膨潤・可塑化するのが効果的
である。そして、その後に低極性高分子の架橋反応温度
以上に加熱して架橋反応を進行させる必要がある。
【0007】他方、本発明の第2の発明における高分子
マトリクスの形成過程は、1)分散媒体の蒸発、2)高
分子微粒子の凝集、3)高分子微粒子間の融着とそれに
伴う高分子間の相互拡散からなる。この過程において、
雰囲気温度が低極性高分子の架橋反応温度より高い場合
は、架橋反応が進む。したがって、上記3)の過程で低
極性高分子微粒子の融着及び高分子の相互拡散が十分進
んだ後に架橋するのが最も効果的に高分子固体電解質の
強度を上げることができる。したがって、1)及び2)
の過程、更に3)の過程で低極性高分子微粒子の融着及
び高分子の相互拡散が十分進むまでは、成膜雰囲気温度
が低極性高分子の架橋反応を起こす温度未満にする必要
がある。そして、その後に架橋反応温度以上に加熱して
架橋反応を進行させる必要がある。
【0008】具体的高分子固体電解質の作製方法とし
て、例えば次の方法が挙げられる。高極性高分子微粒子
を含有するラテックスと低極性高分子微粒子を含有する
ラテックスを混合後、分散媒体を除去すると高分子微粒
子同志は凝集・融着し、高極性高分子相と低極性高分子
相を有する高分子マトリクスシートが形成される。この
高分子マトリクスシートを電解液に浸漬して高分子固体
電解質が作製される。この際、電解液は高極性高分子相
に選択的に浸入、吸収される。このような作製手法にお
いて、低極性高分子微粒子の成分として、ブタジエン、
イソプレンなどジエン系モノマーを重合した高分子ある
いはこれらジエン系モノマーに他の低極性モノマーを共
重合した高分子を好適に用いることができる。このよう
な高分子は分子鎖内に2重結合を有し反応性を持ってい
る。この2重結合は熱などで開裂すると、付加反応、環
化反応等により分子内あるいは分子間で架橋構造を形成
することができる。そして、この架橋構造を導入するこ
とにより、電解液が低極性高分子相に浸入することによ
る機械的強度の低下を効果的に抑制できる。
【0009】上記に示したジエン系共重合体は、ブタジ
エン、イソプレンなどジエン系モノマーと低極性モノマ
ーから合成されるが、その代表的なものとしてブタジエ
ンとスチレンから合成されたスチレン−ブタジエン共重
合体ゴム(SBR)が好適に用いられる。その他の共重
合の相手となる低極性モノマーの例として、プロピレ
ン、イソブテン、エチレンが挙げられる。更に、ジビニ
ルベンゼンあるいはα−メチルスチレンなどのスチレン
の誘導体が挙げられる。これらのモノマーは、単独であ
るいは複数を組合せて用いてもよい。
【0010】高分子鎖間あるいは高分子鎖内をつなぐ他
の架橋結合の例として、エステル結合、アミド結合、ウ
レタン結合、エーテル結合、ケトン結合などが挙げられ
る。これらの結合は例えばエステル結合の場合、高分子
鎖のカルボキシル基と高分子鎖のアルコール性あるいは
フェノール性水酸基が縮合して生成することができる。
アミド結合の場合は、例えばカルボキシル基とアミノ基
の反応で生成することができる。ウレタン結合の場合
は、例えばアルコール性あるいはフェノール性水酸基と
イソシアネート基との反応で生成することができる。そ
の他にもアクリル基、メタクリル基などの反応性2重結
合を含む高分子の場合も、加熱により分子間あるいは分
子内に架橋結合を生成することができる。また、エポキ
シ基を反応させることにより架橋結合を形成することも
できる。
【0011】本発明の第2の発明にいては、前記高分子
マトリクスの形成過程において、低極性高分子微粒子の
融着及び高分子の相互拡散が十分進むまでは、雰囲気温
度を架橋反応が進行する温度未満に維持する必要があ
る。
【0012】本発明の高分子固体電解質の高極性高分子
相の成分としては、電解液を含浸できる極性があればよ
い。高極性高分子を形成するモノマーとしては、アクリ
ロニトリル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、メチルメ
タクリレート、メチルアクリレート、メタクリル酸(及
び金属塩)、アクリル酸(及び金属塩)、ビニルアルコ
ール、塩化ビニリデン、エチレンイミン、メタクリロニ
トリル、ビニルアセテート、ビニルピロリドンあるいは
これらの誘導体が挙げられる。これらモノマーを単独で
重合したり、複数で共重合させて高極性高分子を合成す
る。また、これらモノマーは他のモノマーと共重合させ
たりして使用することができる。例えば、ブタジエン、
イソプレン等の共役ジエン系モノマーと共重合させる
と、高分子は柔軟でゴム弾性を持ち、高分子電解質を作
製したとき、電極と良好な密着性を有するため好適であ
る。代表的なものとしてブタジエンとアクリロニトリル
から合成されたアクリロニトリル−ブタジエン共重合体
ゴム(NBR)が好適に用いられる。
【0013】本発明の高分子固体電解質に使用する電解
液は、その用途によって異なり、特に限定されない。例
えば、リチウム電池への応用を考えると、電解液の構成
要素の金属塩には、LiClO4 、LiBF4 、LiP
6 、LiNbF6 、LiSCN、Li(CF3
3 )、Li(C6 5 SO3 )、LiAsF6 等のリ
チウム塩が単独あるいは混合して用いられる。
【0014】また、電解液の溶媒にはプロピレンカーボ
ネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、
ジメチルカーボネート、ジメチルスルホキシド、アセト
ニトリル、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、ジエチル
カーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジ
エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテト
ラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテート等の
非プロトン性溶媒及びこれらを含む混合物が好適に用い
られる。なお、この電解液の濃度は、重量モル濃度で、
0.01〜5mol/kgとするのが好適である。
【0015】本発明の高分子固体電解質は、高分子微粒
子分散液から作製されるが、高分子微粒子分散液の安定
化のために安定剤を使ってもよく、それには界面活性剤
が好適に使われ、例えば、次のようなものが挙げられ
る:脂肪酸金属塩、ポリオキシエチレン、ポリエチレン
グリコール、ポリオキシプロピレン、アルキルベンゼン
スルホン酸金属塩、アルキル硫酸金属塩、ジオクチルス
ルホコハク酸金属塩、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エス
テル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロ
ック共重合体、ポリエーテル変性シリコーンオイル等の
単独あるいは混合物。高分子微粒子分散液の分散媒体に
は、水が好適に用いられるが、アルコール類など有機溶
媒あるいは水との混合物を使用することもできる。
【0016】高分子微粒子の分散液の除去の方法は通常
の方法でよく、常圧あるいは減圧下で乾燥すればよい。
【0017】本発明の第1の発明においては前記高分子
マトリクスの形成過程において、低極性高分子微粒子が
凝集し、融着が進行している高分子マトリクス前駆体の
状態で、高分子マトリクス前駆体を低極性高分子の良溶
媒に浸漬して高分子マトリクス前駆体の低極性高分子相
を膨潤させる。これにより、低極性高分子微粒子間の高
分子の相互拡散を促進することができる。この際、低極
性高分子重量の10重量%以上吸収される溶媒を選択す
るのが好適である。このような溶媒の選択は、高分子マ
トリクスの低極性高分子成分によって異なる。例えば高
分子マトリクスの低極性高分子成分がSBRのような炭
化水素系高分子の場合には、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素あるいはテト
ラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメ
トキシエタン、ジオキサンなどのエーテルなどの低極性
溶媒が好ましく、単独あるいはお互いに混合して、ある
いは他の溶媒と混合して使用することができる。高分子
マトリクスの膨潤の方法は通常の方法でよく、例えは、
高分子マトリクス前駆体を溶媒中に浸漬すればよい。浸
漬温度は、溶媒の凝固点より上でなければならない。ま
た、作業性の観点から、溶媒の沸点未満が望ましい。浸
漬する時間については、溶媒の吸収が低極性高分子重量
の10重量%以上になるまで行うのが好適である。その
後は、溶媒に浸漬したまま低極性高分子微粒子の融着を
進行させてもよいし、溶媒の外に出してもよい。融着の
進行過程は、このような状況下で放置することにより進
行する。この過程の温度についても、溶媒の凝固点より
上、沸点未満が望ましい。また、高分子マトリクスのガ
ラス転移温度以上に設定するのが望ましい。十分低極性
高分子微粒子の融着が進んだ後に低極性高分子の架橋反
応温度以上に加熱して架橋反応を進行させる。加熱温度
については、架橋反応によって異なるが、例えばカルボ
キシル基とアルコール性水酸基の反応の場合には、90
℃以上が好適で、110℃以上は更に好適である。加熱
時間については、ゴム弾性領域の弾性率が10%以上増
加するまで加熱するのが好適である。加熱の方法は通常
の方法でよく、加熱、あるいは加熱と減圧を組合せても
よい。しかし、均一な高分子マトリクスフィルムを作製
するには、高分子微粒子の成分のガラス転移温度以上に
加熱するのが好適である。必要に応じて加圧プレスし
て、高分子マトリクスを任意の形状に成形することも可
能である。高分子微粒子の分散媒体あるいは低極性高分
子を可塑化する溶媒が固体電解質適用先の電池等に悪影
響を与えるときには、この分散媒体あるいは溶媒の沸点
以上に加熱するか、加熱と減圧処理を組合せて、分散媒
体を取り除かなければならない。
【0018】本発明の第2の発明においては前記高分子
マトリクスの形成過程において、低極性高分子微粒子の
融着及び高分子の相互拡散が十分進むまでは、雰囲気温
度を架橋反応が進行する温度未満に維持する必要がある
が、その後には加熱して架橋反応を進行させるのが好適
である。高分子微粒子の分散液の除去の方法は通常の方
法でよく、常圧あるいは減圧下で雰囲気温度を制御すれ
ばよい。加熱の方法は通常の方法でよく、加熱、あるい
は加熱と減圧を組合せてもよい。しかし、均一な高分子
マトリクスフィルムを作製するには、高分子微粒子の成
分のガラス転移温度以上に加熱するのが好適である。必
要に応じて加圧プレスして、高分子マトリクスを任意の
形状に成形することも可能である。分散媒体が、固体電
解質適用先の電池等に悪影響を与えるときには、この分
散媒体の沸点以上に加熱するか、加熱と減圧処理を組合
せて、分散媒体を取り除かなければならない。
【0019】電解液の含浸は通常の方法でよく、例えば
高分子マトリクスフィルムを電解液中に浸漬すればよ
い。電解液の含浸量は浸漬時間の長さで制御できるが、
高分子電解質中10重量%以上含浸させることが好適で
ある。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に詳しく説
明するが、本発明はこの実施例に限定されない。
【0021】実施例1 高分子微粒子分散液として、日本ゼオン社製自己架橋性
スチレン・ブタジエン共重合体(低極性高分子成分)ラ
テックス(SBRラテックス;商品名:Nipol2570
×5)と日本ゼオン社製アクリロニトリル・ブタジエン
共重合体(高極性高分子成分)ラテックス(NBRラテ
ックス;商品名:Nipol 1571) を固形分重量比5:
5で混合した後、ガラス基板上にキャストした後、室温
で8時間真空乾燥させて、高分子マトリクス前駆体のフ
ィルムを得た。次にこの高分子マトリクス前駆体フィル
ムをベンゼン/ヘキサン等容積混合溶媒に2時間浸漬し
た。次にSBR分子の架橋反応を起こさせるために13
0℃で5時間、真空雰囲気で加熱した。このとき真空度
は0.1Torrであった。この高分子マトリクスフィルム
をLiClO4 をプロピレンカーボネートと2−メチル
テトラヒドロフラン等容積混合溶媒に溶解した電解液
(LiClO4 濃度:0.1 mol/リットル)に1時間
浸漬して、高分子固体電解質を得た。この高分子電解質
をダンベル状試験片〔JIS2(1/3)〕に打ち抜
き、インストロン社製引張試験機で引張強度を測定した
(引張速度=20mm/min)。引張強度は19kg
f/cm2であった。また、イオン伝導度は1×10-3
S/cmであった。
【0022】比較例1 実施例1の高分子固体電解質の作製過程の高分子マトリ
クス形成過程において、高分子マトリクス前駆体フィル
ムを溶媒に浸漬する工程を除いた方法で高分子マトリク
スフィルムを得た。このように作製した高分子マトリク
スフィルムをLiClO4 をプロピレンカーボネートと
2−メチルテトラヒドロフラン等容積混合溶媒に溶解し
た電解液(LiClO4 濃度:0.1 mol/リットル)
に1時間浸漬して、高分子固体電解質を得た。実施例1
と同様に引張強度を測定したところ、11kgf/cm
2 であった。
【0023】実施例2 高分子微粒子分散液として、日本ゼオン社製自己架橋性
スチレン・ブタジエン共重合体(低極性高分子成分)ラ
テックス(SBRラテックス;商品名:Nipol2570
×5)と日本ゼオン社製アクリロニトリル・ブタジエン
共重合体(高極性高分子成分)ラテックス(NBRラテ
ックス;商品名:Nipol 1571) を固形分重量比5:
5で混合した後、ガラス基板上にキャストした後、常圧
・20℃で5時間乾燥した後、架橋反応が進行しない2
0℃で8時間真空乾燥させた。次にSBR分子の架橋反
応を起こさせるために130℃で5時間、真空雰囲気で
加熱した。このとき真空度は0.1Torrであった。この
高分子マトリクスフィルムをLiClO4 をプロピレン
カーボネートと2−メチルテトラヒドロフラン等容積混
合溶媒に溶解した電解液(LiClO4 濃度:0.1 m
ol/リットル)に1時間浸漬して、高分子固体電解質を
得た。この高分子電解質をダンベル状試験片〔JIS2
(1/3)〕に打ち抜き、インストロン社製引張試験機
で引張強度を測定した(引張速度=20mm/mi
n)。引張強度は13kgf/cm2 であった。このフ
ィルムのイオン伝導度も、1×10-3S/cmのオーダ
ーであった。
【0024】比較例2 実施例2の高分子固体電解質の作製過程の高分子マトリ
クス形成過程において、常圧・100℃で5時間乾燥し
た後130℃で5時間真空乾燥して、厚さ200μmの
高分子マトリクスフィルムを得た。このように作製した
高分子マトリクスフィルムをLiClO4 をプロピレン
カーボネートと2−メチルテトラヒドロフラン等容積混
合溶媒に溶解した電解液(LiClO4 濃度:0.1 m
ol/リットル)に1時間浸漬して、高分子固体電解質を
得た。実施例2と同様に引張強度を測定したところ、7
kgf/cm2 であった。
【0025】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
より、イオン伝導性と機械的強度が高い高分子固体電解
質を提供することができるという利点がある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高極性高分子微粒子と架橋性反応性を持
    つ低極性高分子微粒子の混合分散液から分散媒体を除去
    し、高分子微粒子同志を凝集、融着させて高極性高分子
    相と低極性高分子相からなる高分子マトリクスを形成し
    た後、該高分子マトリクスを電解液に浸漬して前記高極
    性高分子相に電解液を含浸させることを特徴とする高分
    子固体電解質の製造方法において、上記高分子マトリク
    ス形成過程が、前記低極性高分子微粒子同志の凝集・融
    着が完了する前に高分子マトリクス前駆体を前記低極性
    高分子相の良溶媒に浸漬する第1の工程と、前記低極性
    高分子相を架橋させるため低極性高分子の架橋反応温度
    以上に加熱する第2の工程を含むことを特徴とする高分
    子固体電解質の製造方法。
  2. 【請求項2】 高極性高分子微粒子と架橋性反応性を持
    つ低極性高分子微粒子の混合分散液から加熱処理により
    分散媒体を除去し、高分子微粒子同志を凝集、融着させ
    て高極性高分子相と低極性高分子相からなる高分子マト
    リクスを形成した後、該高分子マトリクスを電解液に浸
    漬して前記高極性高分子相に電解液を含浸させることを
    特徴とする高分子固体電解質の製造方法において、高分
    子マトリクス形成過程における加熱処理工程が、前記低
    極性高分子微粒子同志の凝集・融着が完了して低極性高
    分子相を形成するまで低極性高分子相の架橋反応温度未
    満を維持する第1の加熱処理工程と、その後前記低極性
    高分子相を架橋させるため低極性高分子の架橋反応温度
    以上に昇温して維持する第2の加熱処理工程からなるこ
    とを特徴とする高分子固体電解質の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007180041A (ja) * 2007-02-02 2007-07-12 Nitto Denko Corp 電池

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