JPH0870812A - 新規なコク味調味料素材 - Google Patents

新規なコク味調味料素材

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JPH0870812A
JPH0870812A JP6212280A JP21228094A JPH0870812A JP H0870812 A JPH0870812 A JP H0870812A JP 6212280 A JP6212280 A JP 6212280A JP 21228094 A JP21228094 A JP 21228094A JP H0870812 A JPH0870812 A JP H0870812A
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典彦 山田
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素央 黒田
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努 原田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 飲食品に容易に「しまり」および「あつみ、
こく」を付与しまたはこれを増強する。 【構成】 トロポニンおよびトロポミオシン(またはこ
れに加えて天然エキスのエキス分の低分子画分)を含有
するコク味調味料素材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トロポニン、トロポミ
オシンおよび天然エキスのエキス分の低分子画分を水中
で加熱することにより「しまり」および「あつみ、こ
く」付与物質が生成する現象を利用した「しまり」およ
び「あつみ、こく」付与機能を有する調味料素材および
コク味調味料に関する。
【0002】
【従来の技術】各種料理のベースとして、畜肉エキス、
チキンエキス、魚介類エキス、野菜エキスなどの天然エ
キスが業務用として広く用いられている。これらの天然
エキスの機能は、食品の味全体をひきしめ、複雑な味と
幅を与える、すなわち、「しまり」および「あつみ、こ
く」を与える、食品材料の味の不足を補うなどとされて
いる。
【0003】しかし、これらの天然エキスは高価であ
り、入手しがたいものであるため、一般的には、これら
天然エキスの一部を用いた加工品および代替品が製造・
市販され利用されている。また、かつお節、煮干、だし
昆布、シイタケなどの基本だし、およびこれらの天然材
料に食塩、砂糖、うま味調味料、アミノ酸などを配合し
た風味調味料も広く使われている。これら市販の天然エ
キスの加工品および代替品などは、その組成がグルタミ
ン酸ナトリウムを中心としたアミノ酸、核酸、有機酸な
どの低分子物質を主成分に構成されているために、やは
り天然のエキスと比較してみると、呈味が単純であり、
ぼけているという欠点を有している。
【0004】従来、このような欠点を補うためには、H
VP(植物蛋白加水分解物)、HAP(動物蛋白加水分
解物)、酵母エキス等を添加することにより、コク味、
複雑味を付与し、呈味の改善を計っているが、HVPお
よびHAPは、分解臭を有しているために、また、酵母
エキスは、酵母特有の風味を有しているため、自ずから
その使用量に制限が生じ、いわゆるモデルとした天然エ
キスとは明らかに呈味・風味が異なり天然感、複雑感に
欠けると言う欠点を有し満足できるものではなかった。
特に、味全体をととのえて味をひきしめる、「しま
り」、ならびに、後味の伸びや深みを与える「あつみ、
こく」といった言葉で示されるような呈味において顕著
な違いが有るという問題点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前項記載の従来技術の
背景下に、本発明は、飲食品にビーフブイヨンや鰹節だ
し汁などの天然素材の持つ「しまり」および「あつみ、
こく」を付与するための新規な調味料素材、コク味調味
料、並びに「しまり」および「あつみ、こく」付与方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決につき鋭意工夫を重ねた結果、トロポニンおよびト
ロポミオシンを各種エキス調味料中で加熱を行うと、天
然素材特有の「しまり」および「あつみ、こく」を有す
る、新規「しまり」および「あつみ、こく」付与機能を
有する高分子成分が生成すること、しかもこの物質はト
ロポニン、トロポミオシンおよび天然エキスのエキス分
の低分子画分の3者の反応により生ずるものであること
を見いだし、このような知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
【0007】なお、本発明に言う「しまり」および「あ
つみ、こく」とは、ビーフブイヨンやかつお節だし汁な
どの天然素材の持つ呈味質であり、味全体をひきしめる
とともに後味の伸びおよび深みを表現するものである。
このような呈味質は上記に示した、グルタミン酸ナトリ
ウムなどのアミノ酸類、イノシン酸ナトリウムやグアニ
ル酸ナトリウムなどの核酸関連化合物およびHVP、H
APや酵母エキスなどの調味料素材では再現できないも
のである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明の実施態様の第1は、トロポニンお
よびトロポミオシンを含有することを特徴とする新規な
コク味調味料素材に関する。このようなコク味調味料
は、このままの形態で流通に置くことができる。
【0010】トロポニンおよびトロポミオシンは、周知
のように、種々の動物や菌類から抽出して得ることので
きる物質であるが、本発明にはその由来のいずれのもの
も使用可能である。トロポニンおよびトロポミオシン
は、筋収縮・弛緩のカルシウムイオンによる制御を媒介
する調節蛋白としてよく知られており、両者とも動物の
筋肉中の蛋白の約5%を占めることも、これまた周知の
通りである。
【0011】本発明の実施態様の第2は、トロポニンお
よびトロポミオシンに加えて、天然エキスのエキス分の
低分子画分及び/又はその代替物をも含有することを特
徴とする新規なコク味調味料素材に関する。このような
コク味調味料素材もまた、この形態で流通に置くことが
できる。
【0012】トロポニンおよびトロポミオシンは、上に
説明した通りである。
【0013】天然エキスのエキス分の低分子画分は、要
するに、トロポニンおよびトロポミオシンと水中で加熱
したときに「しまり」および「あつみ、こく」付与機能
を有する高分子物質を与えることのできる低分子画分
で、例えばビーフエキスの場合はゲル濾過カラム「トヨ
パールHW−55F」(東ソー(株)製)により測定し
たときの分画分子量約10,000以下の画分である。
このような低分子画分は、天然エキスから分取したもの
でもよいが、未分取のビーフエキス、ポークエキスやチ
キンエキスなどの畜肉系エキス調味料、カツオエキス、
サバエキス、ホタテガイエキスやアサリエキスなどの魚
介系エキス調味料および酵母エキス等の天然エキスその
ままの形態でも使用可能であり、さらにまた、天然エキ
スを配合した配合エキスの形態、或いは、アミノ酸混合
物等の天然エキス代替物や天然エキスと天然エキス代替
物との配合品等でも使用可能である。
【0014】本発明の実施態様の第3は、(1)トロポニ
ン、(2)トロポミオシンおよび(3)天然エキスのエキス分
の低分子画分及び/又はその代替物を水中で加熱するこ
とにより製造されたことを特徴とする新規なコク味調味
料に関する。
【0015】このようなコク味調味料、すなわちビーフ
ブイヨンやかつお節だし汁などの天然素材に特有の「し
まり」および「あつみ、こく」を付与する機能を有する
コク味調味料は、例えば、以下に示す方法で得ることが
可能である。トロポニンおよびトロポミオシンをカツオ
エキスやビーフエキスなどの調味料溶液中に溶解し、
「しまり」および「あつみ、こく」付与機能を有する高
分子物質の生成するに適当な条件で加熱する。このよう
な条件は、例えば、50〜150℃における、1〜5時
間の加熱である。なお、このときのトロポニンの添加濃
度は溶液に対して例えば0.01〜10%(上乗せ、固
形物換算)、そしてトロポミオシンの添加濃度は0.0
1〜10%(上乗せ、同上)である。また、加熱時にお
いて、エキス調味料溶液の固形分濃度を、例えば、5〜
80%に調整して反応を行なうが、特にこの濃度に限定
されるものではない。
【0016】加熱後の反応液は、そのままで、または適
宜、透析、限外濾過あるいはエタノール沈澱などの方法
を用いて、高分子画分すなわち蛋白質を中心とした画分
を回収して、本発明の調味料素材が製造される。前者の
場合、すなわち、加熱反応後の調味料溶液はそのままの
状態で「しまり」および「あつみ、こく」の増強された
調味料溶液となる。
【0017】このようにして得られた「しまり」および
「あつみ、こく」を付与する物質は、日本料理のだし、
たとえば、かつお節、鶏肉、魚貝、こんぶ、牛肉、シイ
タケなどの素汁に添加し、西洋料理のスープストック、
たとえば、牛肉、鶏肉、豚肉、魚貝などの素汁に添加
し、中華料理のタン、たとえば、牛肉、鶏肉、豚肉、ハ
ム、貝柱、アワビ、エビ、スルメ、シイタケ、ハクサ
イ、セロリなどの素汁に添加することにより、これらに
「しまり」および「あつみ、こく」を付与し、その呈味
機能を増強させることが判明した。また、前述のごと
く、上記の天然エキスの加工品および代替品、特にアミ
ノ酸混合物として比較的安価に利用できるHVP、HA
P、酵母エキスに添加したり、低品質の安価なビーフエ
キスに添加した場合にも、また基本だし素材または従来
の風味調味料に添加しまたはこれと併用した場合にも、
味全体をまとめ、「しまり」および「あつみ、こく」を
付与しまたはこれを増強するとともに、これらを高品質
なものに改良することができる。
【0018】尚、「しまり」および「あつみ、こく」を
付与する物質の濃度は、これを添加使用する対象とする
飲食品、調味料などに応じてその至適使用量の範囲が異
なるが、当業者であれば簡単な事前トライアルにより適
当な使用量を極めて容易に定めることができる。本発明
者の経験では、例えば、液中濃度が0.005%〜2%
となるように添加することにより、従来の調味料素材な
どに欠けていた「しまり」および「あつみ、こく」を付
与し、味全体をととのえ、味をひきしめることにより味
のぼけを抑制することができた。
【0019】本発明の実施態様の第5は、飲食品または
その原材料を、(1)トロポニン、(2)トロポミオシンおよ
び(3)天然エキスのエキス分の低分子画分及び/又はそ
の代替物の中の少なくとも1種を添加しかつこれら(1)
〜(3)の3種全ての存在下に加熱することにより「しま
り」および「あつみ、こく」が付与されまたは増強され
て製造されたことを特徴とする「しまり」および「あつ
み、こく」を有する飲食品に関する。
【0020】このような「しまり」および「あつみ、こ
く」を有する飲食品には、いわゆる調味料素材そのもの
も含まれることは、本発明の、これまでに説明した性質
上、明らかである。
【0021】また、このような「しまり」および「あつ
み、こく」を有する飲食品の製造法についても、飲食品
またはその原材料を、(1)トロポニン、(2)トロポミオシ
ンおよび(3)天然エキスのエキス分の低分子画分及び/
又はその代替物の少なくとも1種を添加しかつ3種全て
の存在下に、これら3種から「しまり」および「あつ
み、こく」付与機能を有する物質が生成する条件下で加
熱することを除いては、特別の制限はなく、適宜従来の
飲食品の製造法に準ずることができる。
【0022】このような製造法によれば、既存の飲食品
に「しまり」および「あつみ、こく」を付与することが
でき、または既に付与されていた「しまり」および「あ
つみ、こく」を増強することもできる。また、飲食品の
原材料から飲食品を加熱して製造する場合には、差し仕
えがなければ、この加熱工程に上記の「しまり」および
「あつみ、こく」付与機能を有する物質を生成せしめる
加熱をかねさせることができる。
【0023】本発明に係わる「しまり」および「あつ
み、こく」付与機能を有する物質は、先に説明したよう
に、(1)トロポニン、(2)トロポミオシンおよび(3)天然
エキスのエキス分の低分子画分及び/又はその代替物の
3種を水中で加熱することにより生成する。従って、本
発明に係わる「しまり」および「あつみ、こく」を有す
る飲食品の製造法において、既存の飲食品または飲食品
の原材料には、少なくとも「しまり」および「あつみ、
こく」付与機能を有する物質の生成しうる程度の水分の
含まれていることまたは添加することを前提とする。
【0024】また、前記3種は、これらを全てあらため
て添加する必要はなく、既存の飲食品または飲食品の原
材料に既に存在している場合は、それをそのまま利用す
ることができる。ただし、これら3種のうち、少なくと
も1者はあらためて添加しなければならないことは言う
までもない。
【0025】
【実施例】以下に、天然素材に特有の「しまり」および
「あつみ、こく」を付与する物質を得る方法とその添加
効果を実施例をあげて説明する。 なお、本発明の技術
的範囲はこれら実施例によって制限されるものではない
ことはもちろんである。
【0026】
【実施例1】牛肉から西田らの方法(ジャーナル オブ
バイオロジカル ケミストリイ(Journal of Biologi
cal Chemistry), 261, 16749 (1986))により調製した
トロポニン250mgおよびトロポミオシン250mg
を市販ビーフエキス調味料溶液500mlに溶解し、鍋
で95℃において、3時間加熱を行った。このときのエ
キス調味料溶液の固形分濃度を予め15%に調整してお
いた。加熱後の反応液について水に対して透析を行い、
透析膜内液(高分子画分:分子量10,000以上)す
なわち蛋白質を中心とした画分約0.4g(乾重量)を
得た。
【0027】このようにして得られた物質を市販コンソ
メスープに0.01%、0.05%、0.1%、0.2
%となるように上乗せ添加し、その呈味をパネル5名に
てプロファイル評価した。この結果、上記物質を添加し
たサンプルは、いずれもコントロールである市販コンソ
メスープのもつ風味を変える事なく、「あつみ、こく」
の増強に加えて、いわゆる味全体をひきしめる「しま
り」を付与する事が判明した。しかし、その添加効果
は、0.05%以上の添加では大差がみられず、経済的
なことを考えると0.1%程度の添加で充分であると推
定された。
【0028】
【実施例2】実施例1と同様の方法により調製したトロ
ポニン250mgおよびトロポミオシン250mgを市
販酵母エキス調味料溶液250mlに溶解し、鍋で95
℃において、3時間加熱を行った。このときのエキス調
味料溶液の固形分濃度を予め30%に調整して反応を行
った。加熱後の反応液について水に対して透析を行い、
透析膜内液に生成した濁り物質(イオン強度が低下する
事により塩溶性蛋白が凝集した物)を遠心分離機(約1
0,000xg、20分)により集め、約0.1g(乾
重量)を得た。
【0029】このようにして得られた物質を市販コンソ
メスープに0.1%となるように上乗せ添加し、その呈
味をパネル5名にてプロファイル評価した。この結果、
上記物質を添加したサンプルは、いずれもコントロール
である市販コンソメスープのもつ風味を変える事なく、
「あつみ、こく」の増強に加えて、いわゆる味全体をひ
きしめる「しまり」を付与する事が判明した。
【0030】
【実施例3】市販ビーフカレースープ0.5Lに対し
て、実施例1と同様の方法で得たトロポニン約0.3g
を添加し、95℃で4時間加熱を行った。比較のため、
トロポニンを添加しなかった以外は全く同様に処理して
対照スープを得た。
【0031】両者を実施例と同様の方法にて官能検査に
供した結果は、下記表1に示す通りである。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】以上のように示した方法により、トロポ
ニンおよびトロポミオシンを各種エキス調味料中におい
て加熱することによって、「しまり」および「あつみ、
こく」といった言葉で示されるコク味を付与する調味料
素材を得ることが可能であった。
フロントページの続き (72)発明者 原田 努 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社食品総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トロポニンおよびトロポミオシンを原料
    とする調味料素材。
  2. 【請求項2】 トロポニンおよびトロポミオシンに加え
    て、天然エキスのエキス分の低分子画分及び/又はその
    代替物をも含有することを特徴とする請求項1記載の新
    規なコク味調味料素材。
  3. 【請求項3】 請求項2の素材を水中において加熱する
    ことにより製造されたことを特徴とする新規なコク味調
    味料。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のコク味調味料を配合され
    ていることを特徴とする天然エキス加工品、天然エキス
    代替物、基本だし素材又は風味調味料。
  5. 【請求項5】 飲食品またはその原材料を、(1)トロポ
    ニン、(2)トロポミオシン、(3)天然エキスのエキス分の
    低分子画分及び/又はその代替物の少なくとも1種を添
    加しかつ3種全ての存在下に加熱することにより「しま
    り」および「あつみ、こく」が付与されまたは増強され
    て製造されたことを特徴とする「しまり」および「あつ
    み、こく」を有する飲食品。
JP21228094A 1994-03-18 1994-09-06 新規なコク味調味料素材 Expired - Lifetime JP3317041B2 (ja)

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DE69517836T DE69517836T2 (de) 1994-03-18 1995-03-17 Proteinhaltiges Mittel zur Verbesserung der Geschmacksqualität von Lebensmitteln
US08/407,368 US5679397A (en) 1994-03-18 1995-03-20 Taste enhancer

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