JPH0871655A - 波打ちのない良好な形状をもつ広幅材の製造方法及び予備成形装置 - Google Patents
波打ちのない良好な形状をもつ広幅材の製造方法及び予備成形装置Info
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- JPH0871655A JPH0871655A JP24068894A JP24068894A JPH0871655A JP H0871655 A JPH0871655 A JP H0871655A JP 24068894 A JP24068894 A JP 24068894A JP 24068894 A JP24068894 A JP 24068894A JP H0871655 A JPH0871655 A JP H0871655A
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Landscapes
- Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 一部に折り曲げ部をもち形状精度の良好な広
幅材を得る。 【構成】 長手方向に延びた単数又は複数の折れ線に沿
って金属帯を多段のロール成形機で幅方向に折り曲げ、
広い面積にわたって曲げ加工が施されていない平坦部を
もつ広幅材を製造する際、ロール成形機の入側に配置し
た予備成形装置10で折曲げ部に相当する金属帯20の
長手方向線長が平坦部に相当する金属帯20の長手方向
線長よりも長くする。予備成形装置10には、無駆動の
ロールを多段に配置したものが使用される。たとえば、
コーンケーブ状の上ロール11〜13をフラットな下ロ
ール15〜18に対向させ、下ロール15〜18に対し
て上ロール11〜13を相対移動させることにより押込
み量を調整する。 【効果】 長手方向線長差は、ロール成形時に折曲げ部
の長手方向収縮を相殺し、圧縮応力に起因した波打ちが
平坦部に発生することを防止する。
幅材を得る。 【構成】 長手方向に延びた単数又は複数の折れ線に沿
って金属帯を多段のロール成形機で幅方向に折り曲げ、
広い面積にわたって曲げ加工が施されていない平坦部を
もつ広幅材を製造する際、ロール成形機の入側に配置し
た予備成形装置10で折曲げ部に相当する金属帯20の
長手方向線長が平坦部に相当する金属帯20の長手方向
線長よりも長くする。予備成形装置10には、無駆動の
ロールを多段に配置したものが使用される。たとえば、
コーンケーブ状の上ロール11〜13をフラットな下ロ
ール15〜18に対向させ、下ロール15〜18に対し
て上ロール11〜13を相対移動させることにより押込
み量を調整する。 【効果】 長手方向線長差は、ロール成形時に折曲げ部
の長手方向収縮を相殺し、圧縮応力に起因した波打ちが
平坦部に発生することを防止する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多段の冷間ロール成形
機で金属帯又は金属板を幅方向に折り曲げ、平坦部の面
積が大きい広幅材を製造する方法及び装置に関する。
機で金属帯又は金属板を幅方向に折り曲げ、平坦部の面
積が大きい広幅材を製造する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】平坦部面積が大きく、一部に折曲げ部が
形成されている広幅材は、屋根板,壁材等の建築用資材
から蛍光灯反射板等の部品まで、広範な用途で使用され
ている。この広幅材は、プレス曲げによって所定形状に
成形する方法,多段の冷間ロール成形機を使用して連続
的に曲げ加工を行う冷間ロール成形法等によって製造さ
れている。なかでも、冷間ロール成形法は、バッチタイ
プのプレス曲げに比較して生産性が優れていることか
ら、広く採用されている。冷間ロール成形法で広幅材を
製造するとき、曲げ加工を行っていない平坦部に波打ち
が発生し易い。たとえば、図1(a)に示すように幅方
向両端に折曲げ部1を設け、中央を平坦部2とした広幅
材では、曲げ加工が施されていない平坦部2にポケット
ウエーブと称される波打ち3が発生する。波打ち3は、
折曲げ部1に比較して平坦部2の面積が大きくなるほ
ど、発生する傾向が強くなる。長手方向に延びた複数の
折曲げ線に沿って金属帯材を幅方向に折曲げて複数の折
曲げ部を形成した場合でも、図1(b)に示されるよう
に、平坦部2に波打ち3が発生する。中央に折曲げ部1
を設けた広幅材では、図1(c)に示すように、幅方向
両側の平坦部2にサイドウエーブと称される波打ち3が
発生する。
形成されている広幅材は、屋根板,壁材等の建築用資材
から蛍光灯反射板等の部品まで、広範な用途で使用され
ている。この広幅材は、プレス曲げによって所定形状に
成形する方法,多段の冷間ロール成形機を使用して連続
的に曲げ加工を行う冷間ロール成形法等によって製造さ
れている。なかでも、冷間ロール成形法は、バッチタイ
プのプレス曲げに比較して生産性が優れていることか
ら、広く採用されている。冷間ロール成形法で広幅材を
製造するとき、曲げ加工を行っていない平坦部に波打ち
が発生し易い。たとえば、図1(a)に示すように幅方
向両端に折曲げ部1を設け、中央を平坦部2とした広幅
材では、曲げ加工が施されていない平坦部2にポケット
ウエーブと称される波打ち3が発生する。波打ち3は、
折曲げ部1に比較して平坦部2の面積が大きくなるほ
ど、発生する傾向が強くなる。長手方向に延びた複数の
折曲げ線に沿って金属帯材を幅方向に折曲げて複数の折
曲げ部を形成した場合でも、図1(b)に示されるよう
に、平坦部2に波打ち3が発生する。中央に折曲げ部1
を設けた広幅材では、図1(c)に示すように、幅方向
両側の平坦部2にサイドウエーブと称される波打ち3が
発生する。
【0003】波打ちの発生に関し、「塑性と加工」第2
3巻第258号(1982−7)第664〜671頁で
は、多段ロールで金属帯又は金属板を曲げ加工する過程
で、折曲げ部が長手方向に収縮することに原因があると
報告されている。長手方向に関する折曲げ部の収縮は、
曲げ加工を行っていない平坦部に圧縮応力を発生させ
る。折曲げ部の収縮量増加に伴って平坦部の圧縮応力が
大きくなり、結果としてポケットウエーブ,サイドウエ
ーブ等の波打ちが平坦部に発生する。波打ちに発生によ
り、広幅材の外観が著しく損なわれる。特に、表面に反
射像が映し出される化粧板等の用途として使用する場
合、平坦部に発生した僅かな波打ちであっても、極めて
目に付き易い歪みが反射像に生じ、広幅材の商品価値を
大きく低下させる。波打ち発生を防止するため、従来か
ら種々の方法が検討されている。たとえば、特開昭56
−36328号公報では、ロール成形機に送り込まれる
直前の金属帯を板幅より小さいロールで圧下することが
提案されている。また、降伏点及び降伏伸びの大きな材
料を素材として使用することにより、波打ちを抑制する
ことが「塑性と加工」第20巻第225号(1979−
10)第933〜939頁に紹介されている。特願昭5
4−141644号は、普通鋼及び降伏伸びが生じない
ステンレス鋼等の材料をロール成形する際、成形中に折
曲げ部又は折曲げ部近傍を圧延して長手方向に伸び歪み
を与えることを提案している。
3巻第258号(1982−7)第664〜671頁で
は、多段ロールで金属帯又は金属板を曲げ加工する過程
で、折曲げ部が長手方向に収縮することに原因があると
報告されている。長手方向に関する折曲げ部の収縮は、
曲げ加工を行っていない平坦部に圧縮応力を発生させ
る。折曲げ部の収縮量増加に伴って平坦部の圧縮応力が
大きくなり、結果としてポケットウエーブ,サイドウエ
ーブ等の波打ちが平坦部に発生する。波打ちに発生によ
り、広幅材の外観が著しく損なわれる。特に、表面に反
射像が映し出される化粧板等の用途として使用する場
合、平坦部に発生した僅かな波打ちであっても、極めて
目に付き易い歪みが反射像に生じ、広幅材の商品価値を
大きく低下させる。波打ち発生を防止するため、従来か
ら種々の方法が検討されている。たとえば、特開昭56
−36328号公報では、ロール成形機に送り込まれる
直前の金属帯を板幅より小さいロールで圧下することが
提案されている。また、降伏点及び降伏伸びの大きな材
料を素材として使用することにより、波打ちを抑制する
ことが「塑性と加工」第20巻第225号(1979−
10)第933〜939頁に紹介されている。特願昭5
4−141644号は、普通鋼及び降伏伸びが生じない
ステンレス鋼等の材料をロール成形する際、成形中に折
曲げ部又は折曲げ部近傍を圧延して長手方向に伸び歪み
を与えることを提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ロール成形直前に幅狭
の圧下ロールで金属帯板を圧下するとき、内在している
歪みが解放されるものの、成形中に金属帯板に加わる歪
みに対しては幅狭の圧下ロールは有効でない。すなわ
ち、ロール成形されている金属帯又は金属板には、板幅
方向に関して異なる大きさの歪みが付与され、結果とし
て成形後の金属帯又は金属板にポケットウエーブ,サイ
ドウエーブ等の形状不良を発生させる。降伏点及び降伏
伸びの大きな素材を使用することにより波打ちを抑制す
る方法では、従来から使用されているロール成形設備を
そのまま使用できる利点がある。しかし、成形可能な素
材は、普通鋼等の降伏伸びを生じる材料に限られる。降
伏伸びが大きな材料であっても、成形条件や降伏点,降
伏伸び以外の材料特性値の若干の相違によってはポケッ
トウエーブ等の波打ちが生じる場合があり、波打ちを完
全に防止するまでに至っていない。
の圧下ロールで金属帯板を圧下するとき、内在している
歪みが解放されるものの、成形中に金属帯板に加わる歪
みに対しては幅狭の圧下ロールは有効でない。すなわ
ち、ロール成形されている金属帯又は金属板には、板幅
方向に関して異なる大きさの歪みが付与され、結果とし
て成形後の金属帯又は金属板にポケットウエーブ,サイ
ドウエーブ等の形状不良を発生させる。降伏点及び降伏
伸びの大きな素材を使用することにより波打ちを抑制す
る方法では、従来から使用されているロール成形設備を
そのまま使用できる利点がある。しかし、成形可能な素
材は、普通鋼等の降伏伸びを生じる材料に限られる。降
伏伸びが大きな材料であっても、成形条件や降伏点,降
伏伸び以外の材料特性値の若干の相違によってはポケッ
トウエーブ等の波打ちが生じる場合があり、波打ちを完
全に防止するまでに至っていない。
【0005】成形前又は成形中に圧延によって伸び歪み
を折曲げ部又は折曲げ部近傍に付与する方法は、特殊な
成形ロールを必要にすると共に、剛性強度が大きな成形
スタンドが要求される。すなわち、従来から使用されて
いるロール成形設備をそのまま使用することができず、
改造するにしても設備負担が大きくなる。また、圧延量
を制御するためにロール圧下量の高精度制御が必要とさ
れ、一般のロール成形に比較して操業条件の管理レベル
が格段に厳しくなる。しかも、表面処理鋼板,ステンレ
ス鋼帯,チタン又はチタンの表面処理材等のように表面
性状が重視される材料では、圧延によって表面品質が損
なわれる危険もある。本発明は、このような問題を解消
すべく案出されたものであり、折曲げ部及び平坦部に相
当する部分で素材の長手方向線長を変えることにより、
ロール成形時に折曲げ部に発生した収縮を相殺し、平坦
部に波打ちのない形状特性が優れた広幅材を得ることを
目的とする。
を折曲げ部又は折曲げ部近傍に付与する方法は、特殊な
成形ロールを必要にすると共に、剛性強度が大きな成形
スタンドが要求される。すなわち、従来から使用されて
いるロール成形設備をそのまま使用することができず、
改造するにしても設備負担が大きくなる。また、圧延量
を制御するためにロール圧下量の高精度制御が必要とさ
れ、一般のロール成形に比較して操業条件の管理レベル
が格段に厳しくなる。しかも、表面処理鋼板,ステンレ
ス鋼帯,チタン又はチタンの表面処理材等のように表面
性状が重視される材料では、圧延によって表面品質が損
なわれる危険もある。本発明は、このような問題を解消
すべく案出されたものであり、折曲げ部及び平坦部に相
当する部分で素材の長手方向線長を変えることにより、
ロール成形時に折曲げ部に発生した収縮を相殺し、平坦
部に波打ちのない形状特性が優れた広幅材を得ることを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の広幅材製造方法
は、その目的を達成するため、長手方向に延びた単数又
は複数の折れ線に沿って金属帯又は金属板を多段のロー
ル成形機で幅方向に折り曲げ、広い面積にわたって曲げ
加工が施されていない平坦部をもつ広幅材を製造する
際、前記ロール成形機の入側に無駆動の予成形ロールを
多段に配置し、前記広幅材の折曲げ部に相当する前記金
属帯又は金属板の長手方向線長が前記平坦部に相当する
前記金属帯又は金属板の長手方向線長よりも長くなるよ
うに前記予成形ロールによって前記金属帯又は金属板を
予備成形することを特徴とする。
は、その目的を達成するため、長手方向に延びた単数又
は複数の折れ線に沿って金属帯又は金属板を多段のロー
ル成形機で幅方向に折り曲げ、広い面積にわたって曲げ
加工が施されていない平坦部をもつ広幅材を製造する
際、前記ロール成形機の入側に無駆動の予成形ロールを
多段に配置し、前記広幅材の折曲げ部に相当する前記金
属帯又は金属板の長手方向線長が前記平坦部に相当する
前記金属帯又は金属板の長手方向線長よりも長くなるよ
うに前記予成形ロールによって前記金属帯又は金属板を
予備成形することを特徴とする。
【0007】金属帯又は金属板に付ける幅方向に関する
長手方向線長差は、押込み量が軸長方向で異なる予成形
ロールをロール成形機の入側に多段配置し、これら予成
形ロールによって付けられる。予成形ロールの押込み量
は、上下に配置されている予成形ロールの軸心間距離の
調整によって変更することができる。金属帯又は金属板
に付ける長手方向線長差は、ロール成形時に折曲げ部の
長手方向収縮を相殺する値に設定する。また、本発明の
予備成形装置は、長手方向に延びた単数又は複数の折れ
線に沿って金属帯又は金属板を幅方向に折り曲げる多段
のロール成形機の入側上下に多段配置した無駆動の予成
形ロールを備え、前記広幅材の折曲げ部に相当する前記
金属帯又は金属板の長手方向線長が前記平坦部に相当す
る前記金属帯又は金属板の長手方向線長よりも長くなる
ように、個々の予成形ロールは押込み量が軸長方向で異
なるプロフィールをもつことを特徴とする。予成形ロー
ルは、個々に独立して又は相互に連動して押込み方向に
関し移動自在に設けることができる。
長手方向線長差は、押込み量が軸長方向で異なる予成形
ロールをロール成形機の入側に多段配置し、これら予成
形ロールによって付けられる。予成形ロールの押込み量
は、上下に配置されている予成形ロールの軸心間距離の
調整によって変更することができる。金属帯又は金属板
に付ける長手方向線長差は、ロール成形時に折曲げ部の
長手方向収縮を相殺する値に設定する。また、本発明の
予備成形装置は、長手方向に延びた単数又は複数の折れ
線に沿って金属帯又は金属板を幅方向に折り曲げる多段
のロール成形機の入側上下に多段配置した無駆動の予成
形ロールを備え、前記広幅材の折曲げ部に相当する前記
金属帯又は金属板の長手方向線長が前記平坦部に相当す
る前記金属帯又は金属板の長手方向線長よりも長くなる
ように、個々の予成形ロールは押込み量が軸長方向で異
なるプロフィールをもつことを特徴とする。予成形ロー
ルは、個々に独立して又は相互に連動して押込み方向に
関し移動自在に設けることができる。
【0008】
【作用】広幅材となる素材は、折曲げ部に相当する長手
方向線長が平坦部に相当する長手方向線長よりも長くな
っている。この素材を冷間ロール成形すると、折曲げ部
近傍に発生する長手方向の圧縮歪みは、長手方向線長差
の素材幅方向分布によって相殺される。そのため、曲げ
加工が施されない平坦部では、作用する圧縮応力が座屈
限界以下に抑制され、波打ちの発生が防止される。素材
に付ける長手方向線長差は、素材の板厚,硬さ,折曲げ
部及び平坦部のサイズによって変わるものであり、一概
に定めることができない。しかし、本発明者等の実験に
よるとき、次式で規定される値に長手方向線長差率Δε
を維持するとき、波打ちの発生が防止されることが確認
された。長手方向線長差率Δεと急峻度λとの関係は、
Δε=2.47・λ2 で表される。急峻度λは、図2
(c)で示すように個々の波打ちの高さをhi とし、長
さをli とするとき、(Σhi /Σli )で定義され
る。また、波打ち防止に必要な幅方向に関する長手方向
線長差の最大値Δεmax は、次式で表される。
方向線長が平坦部に相当する長手方向線長よりも長くな
っている。この素材を冷間ロール成形すると、折曲げ部
近傍に発生する長手方向の圧縮歪みは、長手方向線長差
の素材幅方向分布によって相殺される。そのため、曲げ
加工が施されない平坦部では、作用する圧縮応力が座屈
限界以下に抑制され、波打ちの発生が防止される。素材
に付ける長手方向線長差は、素材の板厚,硬さ,折曲げ
部及び平坦部のサイズによって変わるものであり、一概
に定めることができない。しかし、本発明者等の実験に
よるとき、次式で規定される値に長手方向線長差率Δε
を維持するとき、波打ちの発生が防止されることが確認
された。長手方向線長差率Δεと急峻度λとの関係は、
Δε=2.47・λ2 で表される。急峻度λは、図2
(c)で示すように個々の波打ちの高さをhi とし、長
さをli とするとき、(Σhi /Σli )で定義され
る。また、波打ち防止に必要な幅方向に関する長手方向
線長差の最大値Δεmax は、次式で表される。
【0009】
【数1】
【0010】ただし、F:個々の予歪みの付与対象範囲
の曲げ部の長さ(mm) n:個々の予歪みの付与対象範囲の曲げ部の曲げ角数
(90度で1と数え、曲げ角1つにつき90度でないも
のは、角度の大きさに応じて0〜2として数える) W:平坦部の幅(mm) t:板厚(mm) N:ロール成形の成形段数 Y0:適用する成形条件で良好な形状を得るために必要な
降伏伸び(%) Y:素材金属板の降伏伸び(%)、ただしY0 −Y<0
のときはY0−Y=0で計算する。 H:素材金属板の硬さ(HV) a:断面の形状及び成形段数に応じた係数であり、通常
0.5〜2×Nの範囲にある。 b:素材金属板の材質に応じた係数であり、普通鋼では
約3〜10,フェライト系ステンレス鋼では約5〜1
5,オーステナイト系ステンレス鋼では約7〜20の範
囲にある。
の曲げ部の長さ(mm) n:個々の予歪みの付与対象範囲の曲げ部の曲げ角数
(90度で1と数え、曲げ角1つにつき90度でないも
のは、角度の大きさに応じて0〜2として数える) W:平坦部の幅(mm) t:板厚(mm) N:ロール成形の成形段数 Y0:適用する成形条件で良好な形状を得るために必要な
降伏伸び(%) Y:素材金属板の降伏伸び(%)、ただしY0 −Y<0
のときはY0−Y=0で計算する。 H:素材金属板の硬さ(HV) a:断面の形状及び成形段数に応じた係数であり、通常
0.5〜2×Nの範囲にある。 b:素材金属板の材質に応じた係数であり、普通鋼では
約3〜10,フェライト系ステンレス鋼では約5〜1
5,オーステナイト系ステンレス鋼では約7〜20の範
囲にある。
【0011】成形の程度が厳しいほど、材料特性が劣る
ほど、また平坦部が座屈し易いほど、ポケットウエーブ
等の形状不良が大きくなる。断面形状の因子ではF・n
・tが大きいほど成形が難しく、W/tが大きいほど平
坦部が座屈し易い。成形条件に関する因子では、成形段
数が少ないほど、すなわち1/Nが大きいほど、成形が
厳しくなる。材料面では、Y,Hが小さいほど、形状不
良が発生し易くなる。このようなことから、形状不良の
発生し易いほど、前掲した関係式に従って長手方向線長
差率Δεを大きくとる。F・n・tは、ロール成形加工
の厳しさに関する指標であり、「塑性と加工」第24巻
第270号(1983−3)第707〜714頁に形状
因子として紹介されている。形状因子と成形の厳しさ
は、断面形状の種類によっては必ずしも一致しない。ま
た、成形段数に関しては、成形段数が同じでもロール設
計の良否による影響が大きいため、係数aによって補正
する。更に、材料の種類によっても基本的な変形特性が
大きく異なるため、降伏伸びY及び硬さHだけでは精度
が悪いことから、修正係数bで補正する。
ほど、また平坦部が座屈し易いほど、ポケットウエーブ
等の形状不良が大きくなる。断面形状の因子ではF・n
・tが大きいほど成形が難しく、W/tが大きいほど平
坦部が座屈し易い。成形条件に関する因子では、成形段
数が少ないほど、すなわち1/Nが大きいほど、成形が
厳しくなる。材料面では、Y,Hが小さいほど、形状不
良が発生し易くなる。このようなことから、形状不良の
発生し易いほど、前掲した関係式に従って長手方向線長
差率Δεを大きくとる。F・n・tは、ロール成形加工
の厳しさに関する指標であり、「塑性と加工」第24巻
第270号(1983−3)第707〜714頁に形状
因子として紹介されている。形状因子と成形の厳しさ
は、断面形状の種類によっては必ずしも一致しない。ま
た、成形段数に関しては、成形段数が同じでもロール設
計の良否による影響が大きいため、係数aによって補正
する。更に、材料の種類によっても基本的な変形特性が
大きく異なるため、降伏伸びY及び硬さHだけでは精度
が悪いことから、修正係数bで補正する。
【0012】具体的には、折曲げ部及びその近傍に当る
部分の線長のうち最も大きい値をL1 ,平坦部になる部
分の線長のうち最も小さい値をL2 とするとき、線長差
率Δε[=(L1 −L2 )/L2 ]が2.0×10-4〜
7.5×10-3の範囲にある長手方向線長差率を成形前
の金属帯又は金属板に付けることが好ましい。この線長
差により成形時の収縮が相殺され、ポケットウエーブ等
の波打ちが目視観察されない形状特性の良好な広幅材が
得られる。線長差率Δεが2.0×10-4を下回ると、
波打ち抑制効果が小さく、若干の波打ちが発生する場合
がある。逆に7.5×10-3を超える線長差率Δεで
は、折曲げ部近傍の長手方向線長が平坦部に比べて大き
くなりすぎ、通板過程或いは成形過程等で素材に折曲り
等のトラブルが発生する虞れがある。なお、通常の冷延
鋼板における長手方向線長差率は、おおよそ1×10-4
以下[急峻度λに換算して0.64%:図2(c)参
照]で、本発明に従った線長差率Δεの下限値2.0×
10-4よりも相当小さい。
部分の線長のうち最も大きい値をL1 ,平坦部になる部
分の線長のうち最も小さい値をL2 とするとき、線長差
率Δε[=(L1 −L2 )/L2 ]が2.0×10-4〜
7.5×10-3の範囲にある長手方向線長差率を成形前
の金属帯又は金属板に付けることが好ましい。この線長
差により成形時の収縮が相殺され、ポケットウエーブ等
の波打ちが目視観察されない形状特性の良好な広幅材が
得られる。線長差率Δεが2.0×10-4を下回ると、
波打ち抑制効果が小さく、若干の波打ちが発生する場合
がある。逆に7.5×10-3を超える線長差率Δεで
は、折曲げ部近傍の長手方向線長が平坦部に比べて大き
くなりすぎ、通板過程或いは成形過程等で素材に折曲り
等のトラブルが発生する虞れがある。なお、通常の冷延
鋼板における長手方向線長差率は、おおよそ1×10-4
以下[急峻度λに換算して0.64%:図2(c)参
照]で、本発明に従った線長差率Δεの下限値2.0×
10-4よりも相当小さい。
【0013】折曲げ部になる部分及び平坦部になる部分
をそれぞれ異なる長手方向線長にするためには、通板過
程或いは成形ロールを素材が通過する際、素材幅方向に
関する走行距離を変える。この点、本発明者等が先に提
案した特願平5−332361号では、走行距離が各部
で異なるように設計したロールを使用し、張力付与状態
で金属帯又は金属板を予備成形している。これに対し、
本発明では、ロール成形機の入側にロール軸方向に押し
込み量が変わるロールを上下に多段配置し、上ロールと
下ロールとの間に金属帯又は金属板を通板させることに
よって、幅方向に関して異なる長手方向線長差を金属帯
又は金属板に付ける。この方式によると、ロールを無駆
動で使用することができるため、たとえば既存のロール
成形機に付設するだけで形状特性の良好な広幅材が製造
される設備となる。また、無駆動のロールを使用すると
き、ロール成形機との同期をとる必要がないので、操作
性も向上する。
をそれぞれ異なる長手方向線長にするためには、通板過
程或いは成形ロールを素材が通過する際、素材幅方向に
関する走行距離を変える。この点、本発明者等が先に提
案した特願平5−332361号では、走行距離が各部
で異なるように設計したロールを使用し、張力付与状態
で金属帯又は金属板を予備成形している。これに対し、
本発明では、ロール成形機の入側にロール軸方向に押し
込み量が変わるロールを上下に多段配置し、上ロールと
下ロールとの間に金属帯又は金属板を通板させることに
よって、幅方向に関して異なる長手方向線長差を金属帯
又は金属板に付ける。この方式によると、ロールを無駆
動で使用することができるため、たとえば既存のロール
成形機に付設するだけで形状特性の良好な広幅材が製造
される設備となる。また、無駆動のロールを使用すると
き、ロール成形機との同期をとる必要がないので、操作
性も向上する。
【0014】たとえば、図1(a)に示した幅方向両端
に折曲げ部1がある広幅材を得る場合、幅方向中央部に
比較して折曲げ部1に相当する幅方向両端部の長手方向
線長が大きな素材が必要とされる。そこで、ロール成形
機の入側に、図3(a)に示すような複数の予成形ロー
ルを多段に配置した予備成形装置10を設ける。予備成
形装置10は、上ロール11,12・・及び下ロール1
5,16・・で構成される。これら予成形ロールのう
ち、単数又は複数は、コーンケーブ状のプロフィールを
もっている。たとえば、上段に配置した上ロール12
は、図3(b)に示すように中央部に直径が最も小さい
最小直径部12aがあり、最小直径部12aから軸方向
両端部12b,12bに向かって単一曲率の曲面,円錐
面等の任意の曲面で形成される周面部12cを備えてい
る。
に折曲げ部1がある広幅材を得る場合、幅方向中央部に
比較して折曲げ部1に相当する幅方向両端部の長手方向
線長が大きな素材が必要とされる。そこで、ロール成形
機の入側に、図3(a)に示すような複数の予成形ロー
ルを多段に配置した予備成形装置10を設ける。予備成
形装置10は、上ロール11,12・・及び下ロール1
5,16・・で構成される。これら予成形ロールのう
ち、単数又は複数は、コーンケーブ状のプロフィールを
もっている。たとえば、上段に配置した上ロール12
は、図3(b)に示すように中央部に直径が最も小さい
最小直径部12aがあり、最小直径部12aから軸方向
両端部12b,12bに向かって単一曲率の曲面,円錐
面等の任意の曲面で形成される周面部12cを備えてい
る。
【0015】このようなプロフィールをもつロール1
1,12・・及び15,16・・を上下に対向させると
き、各ロールのコーンケーブプロフィールに応じてロー
ル軸方向に関して距離が異なる通板ラインが形成され
る。すなわち、ロール中央部付近では通板距離が最も短
く、ロール端部近傍になるに従って通板距離が大きくな
る。また、上ロール11,12・・及び下ロール15,
16・・を相対的に接近・離間させる、すなわち押込み
量の調整により、幅方向に関する通板ラインの距離差も
変更できる。金属帯又は金属板20は、図3(a)で右
側から送り込まれ、予備成形装置10を通過する過程
で、幅方向に関して距離が異なる走行ラインを通る。押
込み量が最も大きい端部12b,12bの近傍では、金
属帯又は金属板20の走行距離が長くなる。他方、押込
み量が小さい最小直径部12aでは、金属帯又は金属板
20が最も短い走行距離をとる。その結果、金属帯又は
金属板20は、幅方向両端部が部分的に伸ばされ、図3
(c)に示すようにエッジウエーブ21が両端部に発生
し、両端部と中央部との間に長手方向線長差が付けられ
る。このようにして必要な線長差が付けられた金属帯又
は金属板20をロール成形によって幅方向に折り曲げる
とき、図1に示す波打ち3のない平坦部2が得られる。
予備成形装置10は、冷間ロール成形機から独立させて
もよい。この場合、予備成形装置で、予め成形する広幅
材の形状に応じて幅方向に長手方向線長差率の分布を持
った広幅材用素材コイルを製造する。このコイルを冷間
ロール成形機で成形することによって、形状の優れた広
幅材を成形する。
1,12・・及び15,16・・を上下に対向させると
き、各ロールのコーンケーブプロフィールに応じてロー
ル軸方向に関して距離が異なる通板ラインが形成され
る。すなわち、ロール中央部付近では通板距離が最も短
く、ロール端部近傍になるに従って通板距離が大きくな
る。また、上ロール11,12・・及び下ロール15,
16・・を相対的に接近・離間させる、すなわち押込み
量の調整により、幅方向に関する通板ラインの距離差も
変更できる。金属帯又は金属板20は、図3(a)で右
側から送り込まれ、予備成形装置10を通過する過程
で、幅方向に関して距離が異なる走行ラインを通る。押
込み量が最も大きい端部12b,12bの近傍では、金
属帯又は金属板20の走行距離が長くなる。他方、押込
み量が小さい最小直径部12aでは、金属帯又は金属板
20が最も短い走行距離をとる。その結果、金属帯又は
金属板20は、幅方向両端部が部分的に伸ばされ、図3
(c)に示すようにエッジウエーブ21が両端部に発生
し、両端部と中央部との間に長手方向線長差が付けられ
る。このようにして必要な線長差が付けられた金属帯又
は金属板20をロール成形によって幅方向に折り曲げる
とき、図1に示す波打ち3のない平坦部2が得られる。
予備成形装置10は、冷間ロール成形機から独立させて
もよい。この場合、予備成形装置で、予め成形する広幅
材の形状に応じて幅方向に長手方向線長差率の分布を持
った広幅材用素材コイルを製造する。このコイルを冷間
ロール成形機で成形することによって、形状の優れた広
幅材を成形する。
【0016】
比較例:板厚0.4mm,板幅222mm及び長さ20
00mmのSUS304鋼板を塗装した後、そのままの
状態で、10段冷間ロール成形機を使用して両端部が折
り曲げられた広幅材に曲げ成形した。図4は、ロール成
形機の各段における素材のプロフィールを示す。得られ
た広幅材は、図2(a)に示すように両端に折曲げ部1
があり、中央が平坦部2となっていた。広幅材の各部寸
法等を、図2(b)に示す。この広幅材は、SUS30
4鋼板を予備成形することなくそのまま折曲げ成形した
ため、折曲げ部1の長手方向収縮に起因したものと推察
される波打ち3が平坦部2に発生した。この広幅材にお
ける線長差Δεは1.04×10-4であり、各波打ち3
の長さli の合計Σli に対する高さhi の合計Σhi
の比で表される急峻度λは0.65%であった。
00mmのSUS304鋼板を塗装した後、そのままの
状態で、10段冷間ロール成形機を使用して両端部が折
り曲げられた広幅材に曲げ成形した。図4は、ロール成
形機の各段における素材のプロフィールを示す。得られ
た広幅材は、図2(a)に示すように両端に折曲げ部1
があり、中央が平坦部2となっていた。広幅材の各部寸
法等を、図2(b)に示す。この広幅材は、SUS30
4鋼板を予備成形することなくそのまま折曲げ成形した
ため、折曲げ部1の長手方向収縮に起因したものと推察
される波打ち3が平坦部2に発生した。この広幅材にお
ける線長差Δεは1.04×10-4であり、各波打ち3
の長さli の合計Σli に対する高さhi の合計Σhi
の比で表される急峻度λは0.65%であった。
【0017】本発明例:図3に示した予備成形装置10
を使用して同じSUS304鋼板を予備成形し、曲げ成
形される前の段階で折曲げ部1及び平坦部2に相当する
部分の長手方向線長に差をつけた。予備成形装置10に
は、ロール胴長250mm,両端部直径50mm及び中
央部直径45mmのコーンケーブロール3本を上ロール
11〜13として板幅方向に平行に100mmの間隔で
配置した。下ロール15〜18には、同様なコーンケー
ブロール又は直径50mm及び胴長250mmの円筒ロ
ール4本を使用し、板幅方向に平行で且つ金属板20を
挟んで上ロール11〜13と互い違いになるように10
0mmの間隙をもって配置した。表1は、このときのロ
ール配置を示す。ロール配置で押込み量を大きく設定
すると、張力の低い入側で金属板20に対するコーンケ
ーブロールの馴染みが悪化し、金属板20の中央部に長
手方向に添った疵が発生する場合がある。この疵発生
は、ロール配置によって防止することができる。ま
た、表1では、コーンケーブロールを主として上ロール
11〜13に使用しているが、上ロール11〜13又は
下ロール15〜18の何れがコーンケーブロールであっ
てもよい。
を使用して同じSUS304鋼板を予備成形し、曲げ成
形される前の段階で折曲げ部1及び平坦部2に相当する
部分の長手方向線長に差をつけた。予備成形装置10に
は、ロール胴長250mm,両端部直径50mm及び中
央部直径45mmのコーンケーブロール3本を上ロール
11〜13として板幅方向に平行に100mmの間隔で
配置した。下ロール15〜18には、同様なコーンケー
ブロール又は直径50mm及び胴長250mmの円筒ロ
ール4本を使用し、板幅方向に平行で且つ金属板20を
挟んで上ロール11〜13と互い違いになるように10
0mmの間隙をもって配置した。表1は、このときのロ
ール配置を示す。ロール配置で押込み量を大きく設定
すると、張力の低い入側で金属板20に対するコーンケ
ーブロールの馴染みが悪化し、金属板20の中央部に長
手方向に添った疵が発生する場合がある。この疵発生
は、ロール配置によって防止することができる。ま
た、表1では、コーンケーブロールを主として上ロール
11〜13に使用しているが、上ロール11〜13又は
下ロール15〜18の何れがコーンケーブロールであっ
てもよい。
【0018】
【表1】
【0019】下ロール15,18の最大径部の表面に共
通する面から上ロール11〜13の最大径部が押し込ま
れている距離、すなわち押込み量h(図3a参照)を調
整することにより、図5に示す予歪みλEWがSUS30
4鋼板の両端部に付与された。なお、予歪みλEWは、金
属板20の幅方向端部における成形方向基準長さ中の波
高さの総和Σhi を基準長さΣli で除した値を金属板
20の両端部で平均化した値で表した。2種類のロール
組合せによる予備成形装置の成形条件のうち、押込み量
と出側引抜き力との関係を図5に示す。各ロール配置で
押込み量を変えた場合、図6に示したように金属板に付
与される予歪み量が変動した。この予歪み量を板幅方向
に関する急峻度の分布としてみると、ロール配置では
図7(a)、ロール配置では図7(b)の分布になっ
ていた。
通する面から上ロール11〜13の最大径部が押し込ま
れている距離、すなわち押込み量h(図3a参照)を調
整することにより、図5に示す予歪みλEWがSUS30
4鋼板の両端部に付与された。なお、予歪みλEWは、金
属板20の幅方向端部における成形方向基準長さ中の波
高さの総和Σhi を基準長さΣli で除した値を金属板
20の両端部で平均化した値で表した。2種類のロール
組合せによる予備成形装置の成形条件のうち、押込み量
と出側引抜き力との関係を図5に示す。各ロール配置で
押込み量を変えた場合、図6に示したように金属板に付
与される予歪み量が変動した。この予歪み量を板幅方向
に関する急峻度の分布としてみると、ロール配置では
図7(a)、ロール配置では図7(b)の分布になっ
ていた。
【0020】幅方向に関して異なる予歪みを付与したS
US304鋼板を、比較例と同じロール成形機を使用
し、図2(a)に示す形状をもつ広幅材に折り曲げた。
得られた広幅材の平坦部を観察し、付与した急峻度とポ
ケットウエーブの急峻度との関係を調査した。調査結果
をロール配置及びのそれぞれについて、図8の
(a)及び(b)に示す。図8から明らかなように、ロ
ール配置及びの何れにおいても、鋼板の幅方向端部
における急峻度λが2.5%以上の予歪みλEWを付与す
る予備成形を行ったものでは、平坦部2に波打ち3が何
ら検出されなかった。これに対し、急峻度2.5%に達
しない予歪みλEWを付与した鋼板をロール成形したと
き、若干の波打ち3が検出されたが、比較例に比べて格
段に良好な形状をもっていた。
US304鋼板を、比較例と同じロール成形機を使用
し、図2(a)に示す形状をもつ広幅材に折り曲げた。
得られた広幅材の平坦部を観察し、付与した急峻度とポ
ケットウエーブの急峻度との関係を調査した。調査結果
をロール配置及びのそれぞれについて、図8の
(a)及び(b)に示す。図8から明らかなように、ロ
ール配置及びの何れにおいても、鋼板の幅方向端部
における急峻度λが2.5%以上の予歪みλEWを付与す
る予備成形を行ったものでは、平坦部2に波打ち3が何
ら検出されなかった。これに対し、急峻度2.5%に達
しない予歪みλEWを付与した鋼板をロール成形したと
き、若干の波打ち3が検出されたが、比較例に比べて格
段に良好な形状をもっていた。
【0021】また、フラットな下ロール15〜18に対
向する上ロール11〜13だけをコーンケーブロールに
するよりも、上ロール11〜13及び下ロール15〜1
8の全てにコーンケーブロールを使用する方がより効果
的であることが判った。これは、全てをコーンケーブロ
ールとすることにより、幅方向に関する通板ラインの距
離差を大きくとることができ、その結果として予歪みの
幅方向分布により大きな差が付けられたことに由来する
ものと推察される。予備成形による作用を、SUS30
4鋼板に付けた幅方向に関する線長差率Δεで検討す
る。予備成形した素材における線長差率Δεを、曲げ成
形された広幅材における線長差率Δεとの関係で表2に
示す。表2において、線長差率Δεがプラスは幅方向両
端部の長手方向線長が中央部より長く、マイナスは幅方
向両端部の長手方向線長が中央部より短いことを示す。
向する上ロール11〜13だけをコーンケーブロールに
するよりも、上ロール11〜13及び下ロール15〜1
8の全てにコーンケーブロールを使用する方がより効果
的であることが判った。これは、全てをコーンケーブロ
ールとすることにより、幅方向に関する通板ラインの距
離差を大きくとることができ、その結果として予歪みの
幅方向分布により大きな差が付けられたことに由来する
ものと推察される。予備成形による作用を、SUS30
4鋼板に付けた幅方向に関する線長差率Δεで検討す
る。予備成形した素材における線長差率Δεを、曲げ成
形された広幅材における線長差率Δεとの関係で表2に
示す。表2において、線長差率Δεがプラスは幅方向両
端部の長手方向線長が中央部より長く、マイナスは幅方
向両端部の長手方向線長が中央部より短いことを示す。
【0022】表2から明らかなように、曲げ成形前の素
材に1.5×10-4〜3.68×10-4の線長差率Δε
を付けたとき、曲げ成形された広幅材の平坦部における
線長差率Δεの絶対値が2.5×10-4以上で急峻度λ
が0.32%以下になり、ポケットウエーブの発生が実
質的に防止された。1.5×10-4〜3.68×10-4
の線長差率Δεは、予歪みによる波打ちの形状をサイン
カーブで近似すると、塑性加工技術シリーズ第15冊
「矯正加工」第9頁に報告されているようにΔεmax =
2.47・λEW 2 の関係があることから、0.8〜3.
9%の予歪みλEWに相当する。
材に1.5×10-4〜3.68×10-4の線長差率Δε
を付けたとき、曲げ成形された広幅材の平坦部における
線長差率Δεの絶対値が2.5×10-4以上で急峻度λ
が0.32%以下になり、ポケットウエーブの発生が実
質的に防止された。1.5×10-4〜3.68×10-4
の線長差率Δεは、予歪みによる波打ちの形状をサイン
カーブで近似すると、塑性加工技術シリーズ第15冊
「矯正加工」第9頁に報告されているようにΔεmax =
2.47・λEW 2 の関係があることから、0.8〜3.
9%の予歪みλEWに相当する。
【0023】
【表2】
【0024】以上のことから、予備成形装置10によっ
て金属帯又は金属板の幅方向両端部を予め伸びた状態に
しておき、幅方向に関して長手方向線長差が付けられた
金属帯又は金属板をロール成形するとき、ロール成形時
に生じる折曲げ部の収縮が長手方向線長差で相殺され、
形状特性の良好な広幅材が得られることが確認された。
長手方向線長差の板幅方向分布は、広幅材の目標形状に
応じて平坦部となる部分に比較して折り曲げ部となる部
分が大きな長手方向線長をもつように設定される。
て金属帯又は金属板の幅方向両端部を予め伸びた状態に
しておき、幅方向に関して長手方向線長差が付けられた
金属帯又は金属板をロール成形するとき、ロール成形時
に生じる折曲げ部の収縮が長手方向線長差で相殺され、
形状特性の良好な広幅材が得られることが確認された。
長手方向線長差の板幅方向分布は、広幅材の目標形状に
応じて平坦部となる部分に比較して折り曲げ部となる部
分が大きな長手方向線長をもつように設定される。
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、ロール成形で長手方向の折れ線に沿って金属帯又は
金属板を幅方向に折り曲げる際、折曲げ部及び平坦部の
それぞれに相当する部分で長手方向線長が異なるように
金属帯又は金属板を予備成形することにより、ポケット
ウエーブやサイドウエーブ等の波打ちが平坦部に発生す
ることを防止している。予備成形で付けられ長手方向線
長差は、ロール成形時における折曲げ部又は折曲げ部近
傍の長手方向収縮を相殺し、平坦部に作用する圧縮応力
を座屈限界以下に維持する。その結果、得られた広幅材
は、平坦部の形状特性に優れ、特に表面状態が重視され
る製品として使用される。また、長手方向線長差を付け
る予備成形装置として、無駆動のロールを多段に配置し
たものを使用していることから、従来のロール成形機に
対しても容易に付設される。
は、ロール成形で長手方向の折れ線に沿って金属帯又は
金属板を幅方向に折り曲げる際、折曲げ部及び平坦部の
それぞれに相当する部分で長手方向線長が異なるように
金属帯又は金属板を予備成形することにより、ポケット
ウエーブやサイドウエーブ等の波打ちが平坦部に発生す
ることを防止している。予備成形で付けられ長手方向線
長差は、ロール成形時における折曲げ部又は折曲げ部近
傍の長手方向収縮を相殺し、平坦部に作用する圧縮応力
を座屈限界以下に維持する。その結果、得られた広幅材
は、平坦部の形状特性に優れ、特に表面状態が重視され
る製品として使用される。また、長手方向線長差を付け
る予備成形装置として、無駆動のロールを多段に配置し
たものを使用していることから、従来のロール成形機に
対しても容易に付設される。
【図1】 長手方向の折れ線に沿って金属板の両端部を
折り曲げた広幅材(a),複数箇所で折り曲げた広幅材
(b)及び中央に折曲げ部を設けた広幅材(c)
折り曲げた広幅材(a),複数箇所で折り曲げた広幅材
(b)及び中央に折曲げ部を設けた広幅材(c)
【図2】 本発明の実施例1で得られた広幅材(a),
そのサイズ(b)及びポケットウエーブの発生状況
(c)
そのサイズ(b)及びポケットウエーブの発生状況
(c)
【図3】 本発明に従った予備成形装置(a),コーン
ケーブロールのプロフィール(b)及び予備成形装置を
通過した金属帯(c)
ケーブロールのプロフィール(b)及び予備成形装置を
通過した金属帯(c)
【図4】 10段の冷間ロール成形機で金属帯を折り曲
げたとき、各段における金属板のプロフィール
げたとき、各段における金属板のプロフィール
【図5】 本発明実施例におけるロール押込み量と出側
における引抜き力との関係
における引抜き力との関係
【図6】 各ロール配置で押込み仕込量を変えた場合に
金属板に付与された予歪み量
金属板に付与された予歪み量
【図7】 ロール配置及びのそれぞれにおいて、金
属板に付与した予歪みの幅方向分布を急峻度λとして表
したグラフ
属板に付与した予歪みの幅方向分布を急峻度λとして表
したグラフ
【図8】 ロール配置及びのそれぞれにおいて、金
属板に付与した予歪みとポケットウエーブの急峻度λと
の関係
属板に付与した予歪みとポケットウエーブの急峻度λと
の関係
1:折曲げ部 2:平坦部 3:波打ち 10:
予備成形装置 11〜13:上ロール 15〜1
8:下ロール 12a:最小直径部 12b:ロー
ル軸方向の端部 12c:一定曲率の曲面で形成した
周面部 20:金属帯又は金属板 21:エッジウ
エーブ
予備成形装置 11〜13:上ロール 15〜1
8:下ロール 12a:最小直径部 12b:ロー
ル軸方向の端部 12c:一定曲率の曲面で形成した
周面部 20:金属帯又は金属板 21:エッジウ
エーブ
Claims (5)
- 【請求項1】 長手方向に延びた単数又は複数の折れ線
に沿って金属帯又は金属板を多段のロール成形機で幅方
向に折り曲げ、広い面積にわたって曲げ加工が施されて
いない平坦部をもつ広幅材を製造する際、前記ロール成
形機の入側に無駆動の予成形ロールを多段に配置し、前
記広幅材の折曲げ部に相当する前記金属帯又は金属板の
長手方向線長が前記平坦部に相当する前記金属帯又は金
属板の長手方向線長よりも長くなるように前記予成形ロ
ールによって前記金属帯又は金属板を予備成形すること
を特徴とする波打ちのない良好な形状を持つ広幅材の製
造方法。 - 【請求項2】 押込み量が軸長方向で異なる予成形ロー
ルにより、広幅材の目標形状に応じた幅方向に関する長
手方向線長差を金属帯又は金属板に付ける請求項1記載
の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の長手方向線長差は、金属
帯又は金属板のロール成形時に折曲げ部の長手方向収縮
を相殺する値である広幅材の製造方法。 - 【請求項4】 長手方向に延びた単数又は複数の折れ線
に沿って金属帯又は金属板を幅方向に折り曲げる多段の
ロール成形機の入側上下に多段配置した無駆動の予成形
ロールを備え、前記広幅材の折曲げ部に相当する前記金
属帯又は金属板の長手方向線長が前記平坦部に相当する
前記金属帯又は金属板の長手方向線長よりも長くなるよ
うに、個々の予成形ロールは押込み量が軸長方向で異な
るプロフィールをもつことを特徴とする波打ちのない良
好な形状を持つ広幅材の予備成形装置。 - 【請求項5】 請求項3記載の予成形ロールは、個々に
独立して又は相互に連動して押込み方向に関し移動自在
に設けられている予備成形装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24068894A JPH0871655A (ja) | 1994-09-08 | 1994-09-08 | 波打ちのない良好な形状をもつ広幅材の製造方法及び予備成形装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24068894A JPH0871655A (ja) | 1994-09-08 | 1994-09-08 | 波打ちのない良好な形状をもつ広幅材の製造方法及び予備成形装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0871655A true JPH0871655A (ja) | 1996-03-19 |
Family
ID=17063237
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24068894A Withdrawn JPH0871655A (ja) | 1994-09-08 | 1994-09-08 | 波打ちのない良好な形状をもつ広幅材の製造方法及び予備成形装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0871655A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN111421078A (zh) * | 2020-04-03 | 2020-07-17 | 谢敏 | 折弯机 |
-
1994
- 1994-09-08 JP JP24068894A patent/JPH0871655A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN111421078A (zh) * | 2020-04-03 | 2020-07-17 | 谢敏 | 折弯机 |
| CN111421078B (zh) * | 2020-04-03 | 2022-09-30 | 无锡华尔众汽车部件有限公司 | 折弯机 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011120 |