JPH08735U - 風呂用の循環温水装置 - Google Patents
風呂用の循環温水装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 1次フィルターを簡単かつ容易に、しかも綺
麗に洗浄して、粒状フィルターに生息する微生物を元気
にし、微生物によって温水を清澄に保持する。 【構成】 風呂用の循環温水装置は、微生物によって温
水を清澄にし、かつ温水を39〜46℃の範囲に加温す
るヒーター10を内蔵する循環温水器Jを備える。浴槽
7を循環温水器Jに連結する吸入側循環パイプ5の浴槽
内開口部分の浴槽内側に1次フィルターAを装着してい
る。1次フィルターAは、ケーシング8と、ケーシング
8に内蔵されたフィルター素材33とからなり、ケーシ
ング8は吸入側循環パイプ5の浴槽内開口部分に脱着自
在に装着されている。
麗に洗浄して、粒状フィルターに生息する微生物を元気
にし、微生物によって温水を清澄に保持する。 【構成】 風呂用の循環温水装置は、微生物によって温
水を清澄にし、かつ温水を39〜46℃の範囲に加温す
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Description
【0001】
この考案は風呂の浴槽内の温水を循環させて、適温に加温すると共に、温水内 の汚れを除去する風呂用の循環温水装置に関する。
【0002】
浴槽に連結されて、温水を24時間循環させる家庭用風呂の循環温水装置は開 発されている。この循環温水装置は、温水の温度をセンサで検出し、温水路内に 設けられたヒータでもって、温水を常時39〜46℃の適温にコントロールして いる。また、温水内に含まれる垢や細菌等を除去して清澄に保持して循環させて いる。
【0003】 この方式の風呂は、毎日新しい水に入れ換えて水を加温する必要がない。この ため、節水、省エネルギーの両特性が同時に満足できる。さらに1日24時間い つでも入浴できるという極めて便利な特長がある。この方式の風呂は、フィルタ ーでもって温水を24時間連続濾過して清澄に保持するため、フィルターには、 温水を長時間清澄に濾過できる特性が要求される。
【0004】 従来の循環温水装置は、第5図に示すように、フィルターシート1を、天然石 の粒状フィルター2の間に配設し、このフィルターシート1と粒状フィルター2 とで温水の汚れを除去していた。この構造の循環温水装置は、温水に含まれる汚 れや異物をフィルターシート1で除去するので、ここに汚れが堆積する。フィル ターシート1に汚れが溜って目詰まりすると、温水循環量が減少する。温水循環 量の減少は、粒状フィルターの濾過能力を著しく低下させる。それは、粒状フィ ルターが下記の状態で温水を清澄に保持することが理由である。
【0005】 すなわち、温水を循環させる粒状フィルターは、温水に含まれる異物を物理的 に濾過して除去するものではない。粒状フィルターは、濾過される異物に比較し て著しく大きな粒を集合したものであるにもかかわらず、温水に含まれる極微細 な異物を除去して清澄に保持する作用がある。それは、粒を集合した粒状フィル ターが、微生物の作用で温水を清澄に保持するからである。
【0006】 適温に加温された温水の循環路に粒状のフィルターを配設すると、微生物の繁 殖に快適な環境ができて、好気性の微生物が寄生する。微生物は、温水に含まれ るアンモニアやタンパク質を餌として食べて分解する。従って、温水中の汗や垢 が、微生物で効果的に除去される。
【0007】 この状態で温水を清澄化する方式は、単に機械的に異物を濾過するのでないの で、濾過される異物とは比較にならない大粒の粒状フィルターを使用して、目に 見えないような微細な汚れを分解して、これを綺麗に除去できる。このため、温 水は極めて透明度の高い状態に保持される。
【0008】 しかしながら、粒状のフィルターが効率よく温水を清澄化するには、微生物の 働きを活発にしておくことが大切である。このために、温水循環量を多くして好 気性の微生物に充分な酸素を供給し、また、微生物の餌となる汗や垢等を補給す る必要がある。温水循環量が少なくなると、酸素と餌の供給量が減少し、微生物 の温水清澄能力が低下する。
【0009】 このことは、微生物が繁殖するまでは、粒状フィルターが温水を清澄にできず 、白濁することからも明かである。循環温水装置を初めて使用するときには、粒 状フィルターに微生物が繁殖していない。いいかえると、循環温水装置を浴槽に 連結し、浴槽に水を入れて循環温水装置を起動した最初は、温水を循環しても、 ほとんど微生物は粒状フィルターに繁殖していない。
【0010】 循環温水装置を使用するにしたがって、粒状フィルターに付着していた、ある いは、温水に含まれていた好気性の微生物が粒状フィルターを住みかとして繁殖 する。微生物が繁殖するまでの間、粒状フィルターは温水を清澄にする作用がほ とんどない。このため、この間温水は白濁状態にあって、清澄にできない。
【0011】 数日〜数週間使用すると、粒状フィルターに微生物が繁殖して、温水を清澄化 できるようになる。このように、粒状フィルターは、微生物の働きを無視しては 温水を清澄化できない。
【0012】 このため、適温に加温された浴槽水を常に清澄に保持する装置は、いかにして 微生物を活発に働かせられるかが極めて大切である。微生物の働きを活発に保持 できると、浴槽水は極めて清澄な状態に濾過されるが、微生物の働きが低下する と、温水が白濁して綺麗に保持できなくなるからである。適温に加温された浴槽 水を、粒状フィルターに24時間連続的に循環させて、微生物で清澄に保持する 装置は、微生物が活発に働くかぎり、浴槽水を濾過しないで毎日水を入れ換える 温水よりも相当に綺麗に保持できる。元気な微生物で清澄化される温水は、透明 度が高く、極めて綺麗な状態に保持される。毎日水を入れ換えて使用する風呂は 、水を交換した直後は温水を綺麗な状態にできるが、1人でも入浴すると、温水 が汚れ、水面には垢等が浮遊し、水の透明度も低下する。ところが、微生物が温 水を連続的に濾過する装置は、極めて多数人が入浴しても、温水を極めて清澄な 状態に保持できる特長がある。ただ、このことを実現するためには、いかにして 微生物を活発に保持できるかが大切である。
【0013】 第5図に示す従来の循環温水装置は、短時間でフィルターシート1が目詰まり してしまう。フィルターシート1が目詰まりすると、温水循環量が減少し、微生 物の働きは弱くなる。このため、循環ポンプ3の運転を停止して、フィルターシ ート1を頻繁に洗浄する必要がある。しかしながら、この構造の循環温水装置は 、フィルターシート1を洗浄するために、ケーシングを開いて取り出す必要があ るので、実際には再々にフィルターシート1を洗浄できない。このため、フィル ターシート1が目詰まりして、温水循環量が低下し、微生物の働きが低下して温 水が白濁するのを阻止できない欠点があった。
【0014】 また、この構造の循環温水装置は、ケーシングを開いてフィルターシート1を 取り出すときに、フィルターシート1の上に載った汚れが水と一緒に下方に流下 する。このため、フィルターシート1を除去するときに、温水に汚れが混入する 欠点があった。従って、フィルターシート清掃時に浴槽に流入する汚れた温水を 排水し、新しい水に入れ換える必要があった。すなわち、フィルター清掃時に水 を入れ換える必要があり、その後、ヒータが多量の電力を消費して温水を加温す る必要があった。
【0015】 ところが、温水を連続的に循環させて、毎日交換しない装置は、温水を一定温 度に保持すれば足りる。このため、温水の自然冷却分だけヒータを加温すればよ く、ヒータの容量を小さくできる。
【0016】 例えば、本考案者が製造している循環温水器は、960Wのヒータを備える。 このヒーターで、200リットルの水を常温から入浴できる温度である約40℃ まで30℃昇温するには約7時間もかかる。このため、フィルターを清掃して水 を入れ換えると、フィルターを清掃して7時間は入浴できなくなる。ヒータの容 量を大きく、例えば2〜3KWとすればよいが、ヒータ容量が大きいと、通常の コンセントから接続できず、専用の配線を必要とするので、配線工事が難しくな る。
【0017】 本考案者は、フィルターが目詰まりするまでの期間を延長することを目的に種 々の形状のフィルターを試作した。最も目詰まりし難いフィルターは、耐水性の 濾紙を波形に折曲し、全体の形状を円筒状として表面積を著しく広くしたもので あった。しかしながら、この構造のフィルターも、使用するに従って温水の透過 圧力損失が大きくなって温水循環量が減少し、さらに、1〜2ケ月に1度は交換 する必要があった。本考案者は、この円筒状のフィルターの通水方向を特定し、 フィルター交換時に堆積した流れが温水に混入しない方式を開発した(実願昭6 0−204625号)。
【0018】
しかしながら、この新方式によってもフィルターの交換期間を著しく延長する ことはできなかった。本考案者は、なんとかフィルターのメンテナンスを簡素化 するために、堆積した濾さいを子細に観察した。その結果、比較的大きな粒状に 成長した有機質柔軟体と毛髪とがフィルターの目詰まりの最大原因となっている ことを究明した。
【0019】 従って、有機質柔軟体と毛髪とが堆積されないとすれば、フィルターの使用期 間は著しく延長できる。特に、有機質柔軟体は付着性に富み、しかも温水流動圧 で押圧されると自由に変形されてプレス状態となって目詰まりを起こし易い特性 がある。
【0020】 この考案は、これ等従来の循環温水装置が有する欠点を解決することを目的に 開発されたもので、この考案の重要な目的は、保守、点検が容易にできる風呂用 の循環温水装置を提供するにある。
【0021】 また、この考案の他の重要な目的は、1次フィルターに堆積する異物を簡単に 除去して、温水循環量の低下を防止できる風呂用の循環温水装置を提供するにあ る。
【0022】 さらにまた、この考案の他の重要な目的は、長期間にわたって優れた濾過作用 を実現し、温水内の異物を効果的に除去できる風呂用の循環温水装置を提供する にある。
【0023】
この考案の風呂用の循環温水装置は、前述の目的を達成するために下記の構成 を備えている。 この考案の風呂用の循環温水装置は、循環パイプ(5)、(6)介して浴槽(7) に連 結される循環温水器(J)を備えている。循環温水器(J)は温水路を有し、この温水 路に、循環ポンプ(9)とヒータ(10)と粒状フィルター(21)とを設けている。循環 ポンプ(9)は、浴槽内の温水を吸入して温水路に強制循環させ、循環される温水 を、ヒータ(10)でもって39〜46℃の範囲に加温し、加温された温水を粒状フ ィルター(21)で濾過して浴槽に還流するように構成している。
【0024】 さらに、この考案の風呂用の循環温水装置は、吸入側循環パイプ5の浴槽内開 口部分に、浴槽内側に1次フィルターAを装着している。1次フィルターは、吸 入側循環パイプ(5)に連結されているケーシングと、このケーシングに内蔵され たフィルター素材(33)とを備える。1次フィルターのケーシングは、吸入側循環 パイプ5の浴槽内開口部分に脱着自在に装着されている。
【0025】
この考案の風呂用の循環温水装置は、循環パイプ5、6を介して、循環温水器 Jを浴槽7に連結している。循環温水器Jは、浴槽7の温水を循環させる。循環 温水器Jに循環される温水は、ヒータ10で加温されて39〜46℃に保持され 、また、循環温水器Jの粒状フィルター21に生息する微生物で清澄に保持され る。
【0026】 この考案の循環温水装置は、浴槽の温水を、1次フィルターAのフィルター素 材33で濾過した後、循環温水器Jに循環させる。それは、吸入側循環パイプ5 の開口端に1次フィルターAを連結しているからである。1次フィルターAのフ ィルター素材33で濾過された温水は、フィルターの目詰まりの最大の原因とな る、有機質柔軟体と毛髪が除去されている。
【0027】
以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。 第1図に示す風呂用の循環温水装置は、吸入側循環パイプ5と排出側循環パイ プ6と、これ等の循環パイプを介して浴槽に連結される循環温水器Jと、吸入側 循環パイプ5の浴槽内開口端に設けられた1次フィルターAとを備えている。
【0028】 循環温水器Jは、浴槽7に、浴槽7内の温水を連続して循環させ、温水を、例 えば39℃〜46℃の範囲の設定温度に保持し、温水内の汚れを除去して殺菌す る。
【0029】 循環温水器Jは、細高い筒状のケーシング8と、ケーシング8内の温水路に設 けられた循環ポンプ9と、ヒータ10と、フィルター11とを備えている。即ち 、循環温水器Jは、ケーシング8と、このケーシング8の底部に配設された循環 ポンプ9と、この循環ポンプ9の吐出側に連結されて、温水をケーシング上部に 押し上げる温水管12と、この温水管12から排出された温水を濾過するフィル ター11と、フィルター11で濾過された清澄な温水を設定温度に加温するヒー タ10とを備えている。
【0030】 ケーシング8は、外筒13と内筒14とで2重円筒状に形成され、外筒13と 内筒14との間に断熱材15が充填され、断熱処理されて内筒14が水密構造の 温水路の一部を形成する。
【0031】 ケーシング8は内筒14内に上方から収納されたフィルター11を取り出して 清掃できるように、上端が開閉自在な蓋16で閉塞されている。蓋16は、これ を固定した状態で、内筒14の上端を水密に密閉する。
【0032】 蓋16には空気抜弁17が連結され、空気抜弁17でもって、内筒14の上部 に溜る空気を外部に排出する。
【0033】 内筒14の下部は水密に底板18が固定され、底板18と内筒12と蓋16と で水密に閉塞された温水室19を形成している。
【0034】 内筒14の中心は垂直に貫通して上端開口の温水管12が配設され、この温水 管12の下端は循環ポンプ9の吐出側に連結され、循環ポンプ9の吸入側は循環 パイプ5を介して浴槽7の底部に連結されている。
【0035】 温水室19には、4段のフィルターを引き出し自在に内蔵している。フィルタ ー11は、最上段のシート状フィルター20と、天然石を使用した粒状フィルタ ー21とからなる。
【0036】 シート状フィルター20は、第2図の水平断面図に示すように、全体の形状が 円筒状に形成された濾紙22が、底板23と上板24とで挟着されており、中心 に温水管12が挿通される通孔25が開口するパイプ26が固定されている。
【0037】 濾紙22は、これを温水が通過して汚れが濾過できる全てのシート材、例えば 、天然あるいは合成パルプを抄紙した紙、不織布、織布等が使用でき、全体の表 面積を増大する為に、波形に折曲されている。
【0038】 底板23と上板24とは、外周の相対向面に溝が設けられ、この溝に濾紙22 の上面と下面とが∂着されて濾紙22が底板23と上板24とに固定されている 。
【0039】 底板23は温水が通過しないように全体が閉塞され、上板24は中央部分に温 水の流入口27が開口され、上板24と底板23とは、中心のパイプ26を介し て互いに連結されている。
【0040】 上板24はこれを内筒に挿入した状態で内筒14の内面に接触する外形を有し 、底板23は内筒14の内面よりも外形が小さく、内筒14との間に、温水流下 用の隙間を生ずる。
【0041】 底付き筒状のシート状フィルターは、内部に天然石等の、フィルター材を充填 することも可能である。
【0042】 粒状フィルター21は内筒14内に引き出し自在に装着されている。上方から 流入した温水が、これを上下に貫通して流下することによって、温水が粒状の天 然石28で濾過殺菌されるように、上方開口されて、底に通水孔が穿設された円 筒状に形成されて、中心に、温水管12が貫通されるパイプ29が固定されてい る。
【0043】 第3図および第4図に示す1次フィルターAは、吸入側の循環パイプ5の浴槽 7内開口端に簡単に脱着できるケーシングと、このケーシングに内蔵されたフィ ルター素材33とを備える。ケーシングは、循環パイプ5の開口端に出入り自在 な、すなわち、循環パイプ5内径よりも多少外径が細い挿入筒30と、循環パイ プ5開口端縁に当たる鍔31と、内蔵するフィルター素材33の表面を覆うカバ ー34とで構成される。フィルター素材33は、ケーシングの鍔31に連通する 筒体32内に設けられている。
【0044】 挿入筒30と鍔31と筒体32とは合成樹脂でもって一体的に成形され、フィ ルター素材33とカバー34とはこれに脱着自在に装着されている。
【0045】 フィルター素材33には、例えば連続気泡を有する合成樹脂発泡体、耐水性の 濾紙、不織布、網材、あるいは小石等の微粉体を通水性の袋に収納したものが、 単独で、あるいは複数種が積層状態で使用できる。フィルター素材33は、これ でもって温水に含まれる全ての異物を除去する必要はなく、温水中の有機質柔軟 体を効果的に除去するものがよい。従って、フィルター素材33は、循環温水器 内のシート状フィルター20に比べて網目の大きい濾材、例えば平均的な空隙の 大きさや網目の大きさが0.2mm以上、好ましくは0.3〜5mm程度のものを使 用する。
【0046】 フィルター素材33は、手で自由に変形できる柔軟なものが便利に使用できる 。柔軟なフィルター素材33は、表面に多量の付着物が堆積して、水圧で強固に 吸入開口端に吸着されても、フィルター素材33の一部を引っ張って変形するだ けで簡単に除去できる。柔軟なフィルター素材33は、第3図に示すように、裏 面に多孔板等強固な板材35を設け、これで水圧によるたわみを防止するのがよ い。
【0047】 第3図に示す1次フィルターAは、これを引き抜くだけで吸入側の循環パイプ 5から外すことができ、又、フィルター素材33洗浄後、吸入開口端に挿通する だけで、吸入水圧で脱落しない状態に吸着される。
【0048】 このように構成された、循環温水装置は、第1図に示すように、循環ポンプ9 が浴槽7内の温水を吸入し、1次フィルターAでもって毛髪や大粒の有機質柔軟 体を濾過し、その後、温水管12を通ってシート状フィルター20に送り込まれ 、ここで温水に含まれる微細粒子が濾紙22の内側に除去され、清澄な温水が粒 状フィルター21に流下され、更にここで殺菌、濾過された温水が、温水室19 の下部を通って浴槽7に還流される。
【0049】 温水室19には図示しないが、温度センサが配設され、これでもってヒータ1 0の通電状態が制御されて、温水の温度が設定温度に制御される。
【0050】
この考案の循環温水装置は、付着性に富む比較的に大粒の有機質柔軟体を、循 環パイプの吸入開口端に設けられた1次フィルターのフィルター素材で濾過して 温水から分離する。有機質柔軟体が微細な粒子である場合、1次フィルターのフ ィルター素材で高能率に濾過できないかも知れない。しかしながら、好都合なこ とに、温水に含まれる有機質柔軟体は、温水中で特定の形状を持たない柔軟な物 質で、平均的な大きさは比較的大きく、網目が1mmもある粗いフィルター素材で 効果的に濾過できる。
【0051】 この考案の循環温水装置は、1次フィルターのフィルター素材で有機質柔軟体 を除去した温水を、循環温水器内の粒状フィルターに流入する。従って、粒状フ ィルターに供給される温水には、粒状フィルターの隙間に堆積してこれを目詰ま りさせる原因となる有機質柔軟体と毛髪とが除去されている。このため、粒状フ ィルターに堆積してこれを目詰まりさせる有機質柔軟体の堆積量を極減でき、粒 状フィルターの使用期間を飛躍的に延長できる。
【0052】 ちなみに、本考案者の実験では、1次フィルターを使用しない循環温水装置は 、改良されたフィルターを内蔵するものであっても、前にも述べたように、通常 の家庭用風呂の場合1〜2カ月で目詰まりして濾過効果が低下する。これに対し 、網目が1mm、表面積20cm2のフィルター素材を内蔵する1次フィルターを装 備するこの考案の装置は、1次フィルターを1〜数日に1回の割合で洗浄する限 り、4〜5カ月使用後も粒状フィルターは濾過効果がほとんど低下しなかった。
【0053】 第6図は、この考案の循環温水装置と従来の装置との流量の変化を示している 。この図において、曲線Aはこの考案の循環温水装置の使用時間に対する流量の 変化を示している。曲線Bは1次フィルターのない従来の循環温水装置の流量変 化を示している。
【0054】 曲線A、Bで示すように、循環温水装置は温水を濾過するに従って、フィルタ ーに異物が堆積して透過圧力損失が増大し、その結果流量が減少する。ところが 、この考案の循環温水装置は、1次フィルターを洗浄する毎に、フィルターの目 詰まりが解消され、長期間にわたって循環流量の低下を防止できる。
【0055】 これに対して、従来の循環温水装置は、フィルターを洗浄することが極めて難 しいので、フィルターに堆積する異物によって循環流量が低下する。
【0056】 循環流量の低下は、浴槽内温水の白濁に影響を与える。それは、粒状フィルタ ーに供給される流量が低下すると、温水を清澄化する微生物の能力が低下し、ま た、粒状フィルターへの循環水量が少なくなるからである。
【0057】 1表は、この考案の風呂用の循環温水装置と、1次フィルターのない従来の循 環温水装置との水質の測定結果を示している。
【0058】 この考案の循環温水装置には、第1図に示す構造のものを使用し、従来の循環 温水装置には、第5図に示すように、浴槽内に1次フィルターのないものを使用 した。すなわち、浴槽内の1次フィルターによる作用効果を明確にするために、 この考案の循環温水装置と従来の循環温水装置とは、浴槽内の1次フィルターの 有無以外の構造を同じにして比較した。
【0059】 この表に示すように、この考案の循環温水装置は、140人(従来の循環温水 装置の入浴者数は56人であったので総入浴者数は従来の2.5倍)と著しく大 勢入浴したにもかかわらず、温水は著しく清澄に保持されていた。
【0060】 例えば、一般細菌を比較すると、この考案の循環温水装置で濾過された温水は 、35個/ミリリットルと極めて少なかったのに対し、従来の循環温水装置では 4000個/ミリリットルと100倍以上となった。ちなみに、一般細菌数につ いて、厚生省令第56号では「100以下」の基準値に規定している。
【0061】
【表1】
【0062】 また大腸菌群は、この考案の循環温水装置ではゼロMPN/100ミリリット ルであったのに対し、従来の循環温水装置ではこれが検出された。大腸菌群は、 厚生省令第56号では「検出されないこと」と規定されている。
【0063】 また、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素は、この考案の循環温水装置が2.0m g/リットルであったのに対し、従来の循環温水装置は、12.3mg/リット ルもあった。この硝酸性窒素および亜硝酸性窒素は、厚生省令第56号では「1 0mg/リットル以下」と規定されている。
【0064】 さらにまた、温水の汚れを示す濁度は、この考案の循環温水装置が0.1度未 満であったのに対し、従来の循環温水装置は、1未満であり、この考案の装置は 10倍も温水を清澄にできた。濁度については、厚生省令第56号で「2度未満 」と規定されている。
【0065】 さらに、臭気に付いては、この考案の循環温水装置では異常臭が感じられなか ったのに対し、従来の循環温水装置では異臭が感じられた。
【0066】 ただし、1表の作成において、測定条件を下記のように設定した。 この考案の循環温水装置は、約70日の間に140人入浴した温水を採取し て測定した。 従来の循環温水装置は、15日の間に56人入浴した温水を採取して測定し た。 循環温水器に内蔵するモーターは、200Wとした。 粒状フィルターには粒子径が5mm〜15mmのものが混在するものを使用した 。 この考案の循環温水装置に装備する1次フィルターのフィルター素材には、 連続気泡に発泡されたウレタンフォームを使用した。 ウレタンフォームの直形は105mmφ、厚さは10mmとした。 1次フィルターは、2日に1回の割で洗浄した。 このように、この考案の循環温水装置は、多くの人が入浴するにもかかわらず 、温水を長期間にわたって清澄に保持できる特長を実現する。
【0067】 さらに、この考案の風呂用の循環温水装置は、1次フィルターを、吸入側循環 パイプの浴槽内に脱着自在に装着している。この1次フィルターは、吸入側循環 パイプから外して、簡単かつ容易に洗浄して、付着する有機質柔軟体等を綺麗に 除去できる特長がある。たとえば、毎日入浴するときに、1次フィルターを吸入 側循環パイプから外し、これを洗面器に水を入れて洗浄して、付着する有機質柔 軟体を完全に除去できる。1次フィルターで除去される有機質柔軟体は、付着性 に富むのでフィルター素材の表面に水を流すだけでは完全に除去できない。しか しながら、1次フィルターに逆向きに水道水を勢いよくかけることによって、こ れに付着する有機質柔軟体は、完全に除去される。
【0068】 簡単に除去できない有機質柔軟体を、綺麗に洗浄できることは、この考案の循 環温水装置にとって非常に大切なことである。それは、有機質柔軟体が簡単に分 離できない性質を逆に有効に利用して、1次フィルターに濾過された有機質柔軟 体が温水に混入するのを防止できるからである。付着性に富む有機質柔軟体は、 洗浄して簡単に除去できないので、浄洗するときには欠点となる。しかしながら 、この性質は、1次フィルターを浴槽水中で吸入側循環パイプから外すときに、 付着していた有機質柔軟体が温水中に混合しない特長がある。1次フィルターを 吸入側循環パイプから外すときに、付着した有機質柔軟体が温水に混入すると、 有機質柔軟体は、温水と一緒に吸入側循環パイプから循環温水器の粒状フィルタ ーに流入される。とくに、1次フィルターは、吸入側循環パイプの吸入側に配設 されているので、有機質柔軟体が1次フィルターから分離して温水に混入すると 、ほとんど瞬時に吸入側循環パイプに吸入される。このため、1次フィルターか ら温水に混入した有機質柔軟体を除去する暇もない。1次フィルターから分離さ れた有機質柔軟体を、温水から分離するためには、循環ポンプの運転を停止して 、有機質柔軟体が温水と一緒に吸入側循環パイプに吸入されないようにする必要 がある。しかしながら、循環温水装置は、24時間連続運転していつでも入浴で きるするための装置であるから、循環ポンプを停止することがなく、簡単に運転 を停止することができない。このため、1次フィルターを吸入側循環パイプから 外すときに、付着した有機質柔軟体が1次フィルターから温水に混入しないのが よい。好都合なことに、有機質柔軟体はこの性質を備えている。ただ、1次フィ ルターから簡単に分離できない有機質柔軟体は、1次フィルターを洗浄するとき にも簡単に除去できない。この考案の循環温水装置は、この弊害を防止するため に、1次フィルターを脱着自在に吸入側循環パイプに装着し、吸入側循環パイプ から外して、逆洗する等の方法で、付着性に富む有機質柔軟体を簡単に、しかも 綺麗に除去できるようにしている。このため、この考案の循環温装置は、1次フ ィルターを吸入側循環パイプから外すときに、付着する有機質柔軟体が温水に混 入しないようにでき、しかも、洗浄するときには、有機質柔軟体を簡単かつ容易 に、しかも綺麗に除去できる優れた特長がある。
【0069】 このように、1次フィルターを簡単に洗浄できるこの考案の循環温水装置は、 入浴したときに、1次フィルターを洗浄して常に綺麗に保持できる。したがって 、1次フィルターは温水を効率よく濾過して有機質柔軟体を除去し、有機質柔軟 体の除去された温水は循環温水器の粒状フィルターに濾過される。このため、粒 状フィルターが有機質柔軟体で目詰まりすることがなく、粒状フィルターに生息 する微生物に、多量の温水と、酸素とを供給して、温水を理想的な状態に濾過で きる特長がある。
【図1】第1図はこの考案の一実施例を示す装置の概略
断面図
断面図
【図2】第2図はシート状フィルターの平面図
【図3】1次フィルターの断面図および正面図
【図4】1次フィルターの断面図および正面図
【図5】従来の風呂用の循環温水装置の概略断面図
【図6】この考案の循環温水装置と従来の装置との流量
の変化を示すグラフ
の変化を示すグラフ
1…フィルターシート 2…天然石フィルター 3…循環ポンプ 4…蓋 5…循環パイプ 6…循環パイプ 7…浴槽 8…ケーシング 9…循環ポンプ 10…ヒータ 11…フィルター 12…温水管 13…外筒 14…内筒 15…断熱材 16…蓋 17…空気抜弁 18…底板 19…温水室 20…シート状フィル
ター 21…粒状フィルター 22…濾紙 23…底板 24…上板 25…通孔 26…パイプ 27…流入口 28…天然石 29…パイプ 30…挿入筒 31…鍔 32…筒体 33…フィルター素材 34…カバー 35…板材 A…1次フィルター J…循環温水器
ター 21…粒状フィルター 22…濾紙 23…底板 24…上板 25…通孔 26…パイプ 27…流入口 28…天然石 29…パイプ 30…挿入筒 31…鍔 32…筒体 33…フィルター素材 34…カバー 35…板材 A…1次フィルター J…循環温水器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月28日
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】追加
【補正内容】
【図2】
【図3】
【図4】
【図1】
【図5】
【図6】
Claims (1)
- 【請求項1】 循環パイプ(5)、(6)介して浴槽(7) に連
結される循環温水器(J)を備えており、循環温水器(J)は
温水路を有し、この温水路に、循環ポンプ(9)とヒータ
(10)と粒状フィルター(21)とが設けられており、循環ポ
ンプ(9)は浴槽内の温水を吸入して温水路に強制循環さ
せ、循環される温水を、ヒータ(10)でもって39〜46
℃の範囲に加温し、加温された温水を粒状フィルター(2
1)で濾過して浴槽に還流するように構成された風呂用の
循環温水装置において、 吸入側循環パイプ5の浴槽内開口部分に、浴槽内側に1
次フィルターAが装着されており、1次フィルターは、
吸入側循環パイプ(5)に連結されているケーシングと、
このケーシングに内蔵されたフィルター素材(33)とから
なり、1次フィルターのケーシングは、吸入側循環パイ
プ5の浴槽内開口部分に脱着自在に装着されていること
を特徴とする風呂用の循環温水装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4599093U JPH08735U (ja) | 1993-07-31 | 1993-07-31 | 風呂用の循環温水装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4599093U JPH08735U (ja) | 1993-07-31 | 1993-07-31 | 風呂用の循環温水装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08735U true JPH08735U (ja) | 1996-04-30 |
Family
ID=12734584
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4599093U Pending JPH08735U (ja) | 1993-07-31 | 1993-07-31 | 風呂用の循環温水装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08735U (ja) |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5915411B2 (ja) * | 1975-11-10 | 1984-04-09 | 株式会社山武 | ケイスウカイロ |
-
1993
- 1993-07-31 JP JP4599093U patent/JPH08735U/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5915411B2 (ja) * | 1975-11-10 | 1984-04-09 | 株式会社山武 | ケイスウカイロ |
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