JPH0874976A - 歯車装置 - Google Patents

歯車装置

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JPH0874976A
JPH0874976A JP21293294A JP21293294A JPH0874976A JP H0874976 A JPH0874976 A JP H0874976A JP 21293294 A JP21293294 A JP 21293294A JP 21293294 A JP21293294 A JP 21293294A JP H0874976 A JPH0874976 A JP H0874976A
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JP
Japan
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gear
drive gear
driven gear
elastic body
angular acceleration
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JP21293294A
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Tadayuki Kubo
忠之 久保
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バックラッシュに起因する歯打ち音の発生を抑
制するとともに、不要なフリクションの増加を防止す
る。 【構成】内燃機関のバランサ装置8 は、クランクジャー
ナル4 の軸線L を中心としてクランクシャフトと一体回
転する駆動ギア10と、そのギア10に噛み合わされた第1
の従動ギア17とを備える。駆動ギア10側面の軸線L を中
心とする円上であって、内燃機関の燃焼サイクルにより
駆動ギア10における角加速度の変動の傾向がかわるとき
に同駆動ギア10と従動ギア17とが噛み合う箇所に、弾性
体27a,27b,27c,27d を取付ける。各弾性体27a 〜27d
は、駆動ギア10に周期的に発生する角加速度の変動タイ
ミングに応じて、従動ギア17に対し他のタイミングより
も回転抵抗を多く付与する。回転抵抗の付与により両ギ
ア10,17 の相対回転が規制され、歯11,18 同志の衝突が
緩和される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力側の歯車と、その
歯車に噛み合わされた出力側の歯車とを備え両歯車間で
動力を伝達するようにした歯車装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、二軸間において、一方の軸の回
転を他方の軸に伝達する機構として、各軸上にそれぞれ
歯車を一体回転可能に取付け、両歯車を互いに噛み合わ
せた、いわゆる歯車装置が知られている。この歯車装置
においては、両歯車の噛み合い部分における歯間の隙間
(バックラッシュ)が原因となって、歯打ち音が生ずる
問題がある。
【0003】そこで、上記の問題を低コストで解消する
歯車装置が例えば公開技報番号89−5920(社団法
人発明協会発行)に開示されている。この装置では、入
力側の歯車の側面に円板状の弾性体が固定され、出力側
の歯車の歯がこの弾性体に圧接するように構成されてい
る。この歯車装置によれば、入力側の歯車が回転される
と、その回転は弾性体を介して出力側の歯車に伝達され
る。弾性体の介在により両歯車の歯同志の直接接触が抑
制され、歯打ち音の発生が防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の歯車装置では、
上述したように、入力側の歯車から出力側の歯車への回
転力の伝達経路に弾性体が介在され、後者の歯車のいず
れかの歯が常にこの弾性体に圧接するようになってい
る。このため、歯車装置は、両歯車間での歯同志の接触
を抑制し歯打ち音の発生を防止できる反面、歯が弾性体
を変形させながら接触するので、その分フリクションが
増加しエネルギーロスが生ずる。
【0005】この現象は、歯打ち音が歯車の所定の回転
位相でのみ発生する場合に特に問題となる。例えば、ピ
ストンの往復運動をコネクティングロッドを介してクラ
ンクシャフトの回転運動に変換して動力を得るタイプの
内燃機関においては、混合気の燃焼サイクルに同期して
クランクシャフトの回転速度(又は角加速度)が変動す
る。このような内燃機関に上記歯車装置を適用し、クラ
ンクシャフトの回転を利用して同歯車装置を作動させよ
うとすると、前記角加速度の変動が増加から減少に転ず
るとき、あるいは減少から増加に転ずるときにのみ大き
な歯打ち音が発生する。それ以外のタイミングでは歯打
ち音の発生がほとんど見られない。従って、このような
歯打ち音の小さなときにも、出力側の歯車の歯を弾性体
に圧接させれば、フリクションが不要に増大しエネルギ
ーロスが生ずる。
【0006】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的はバックラッシュに起因する歯打ち
音の発生を抑制するとともに、不要なフリクションの増
加を防止できる歯車装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、入力側の歯車と、前記入力側の歯車に噛み
合わされた出力側の歯車と、前記入力側又は出力側の歯
車に周期的に発生する角加速度の変動タイミングに応じ
て、出力側又は入力側の歯車に他のタイミングよりも回
転抵抗を多く付与する回転抵抗付与手段とを備えてい
る。
【0008】
【作用】入力側の歯車が回転されると、その回転は同歯
車に噛み合わされた出力側の歯車に伝達される。この伝
達により出力側の歯車が回転する。
【0009】入力側(又は出力側)の歯車の角加速度は
周期的に変動する。一方の歯車における角加速度の変動
の傾向がかわるとき(変動が増加から減少にかわると
き、あるいは減少から増加にかわるとき)、他方の歯車
は慣性によりそれまでの角加速度を維持しながら回転し
ようとする。このため、角加速度の変動の傾向がかわる
タイミングでは、両歯車の噛み合い部分における歯間に
存在するバックラッシュにより両歯車が相対回転し、両
歯車の歯同志が接触して歯打ち音が発生しやすくなる。
しかし、このタイミングでは、変動の傾向がかわってい
ない方の歯車に対し、回転抵抗付与手段によって多くの
回転抵抗が付与される。この回転抵抗により、変動の傾
向がかわる歯車に対する、傾向がかわらない歯車の相対
回転が抑制される。これにともない両歯車の歯同志の接
触が阻止あるいは抑制される。
【0010】これとは逆に、角加速度の変動の傾向がか
わらないタイミングでは、かわるタイミングに比べて回
転抵抗付与手段による回転抵抗が小さくなる。このた
め、常に回転抵抗を付与する場合(従来技術)に比較し
て、同付与に起因するフリクションの増加が少なくな
る。
【0011】このように、角加速度の変動の傾向がかわ
って歯打ち音の発生しやすいタイミングでは、フリクシ
ョンの低減よりも歯打ち音の抑制が優先され、大きな回
転抵抗が付与される。角加速度の変動の傾向がかわらず
歯打ち音がほとんど発生しないタイミングでは、その歯
打ち音を抑制する必要がないことから、回転抵抗の付与
が抑制される。その結果、回転抵抗付与によるフリクシ
ョンの不要な増加が防止される。
【0012】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明の歯車装置を、内燃機関に
設けられ、かつピストン、コネクティングロッド等によ
る慣性力や慣性偶力を消去して同内燃機関の振動を減衰
するためのバランサ装置に具体化した第1実施例を図1
〜9に従って説明する。
【0013】図2,3に示すように、多気筒(例えば4
気筒)を有する内燃機関1のシリンダブロック2にはク
ランクシャフト3が設けられている。クランクシャフト
3は、ピストンの往復運動を回転運動に変換して動力を
取り出すためのもので、クランクジャーナル4、クラン
クピン5、クランクアーム6、カウンタウエイト7等か
ら構成されている。クランクシャフト3は、クランクジ
ャーナル4においてシリンダブロック2に回転可能に支
持されている。各クランクピン5にはそれぞれコネクテ
ィングロッドを介してピストンが連結されている。
【0014】クランクシャフト3及びその下方にはバラ
ンサ装置8が設けられている。この装置8について説明
すると、所定のクランクアーム6及びカウンタウエイト
7の各一側部(図3の左側部)は、クランクジャーナル
4の軸線Lを自身の回転中心とする取付部9によって構
成されている。取付部9の外周には、入力側の歯車とし
て駆動ギア10が固定されている。
【0015】駆動ギア10の直下には上下一対のハウジ
ング12,13が配置され、これらは複数本のボルト1
4によってシリンダブロック2に締付固定されている。
両ハウジング12,13内には第1のバランスシャフト
15が配設されている。図1〜3に示すように、バラン
スシャフト15は軸16、出力側の歯車としての第1の
従動ギア17及び振動減衰用ウエイト19からなる。軸
16はクランクジャーナル4の軸線Lに平行に配置さ
れ、両ハウジング12,13間で回転可能に支持されて
いる。従動ギア17は駆動ギア10の半数の歯18を有
し、駆動ギア10の歯11に噛み合わされている。従動
ギア17及びウエイト19はともに軸16上に一体回転
可能に取付けられている。
【0016】両ハウジング12,13内であってバラン
スシャフト15の側方近傍には、第2のバランスシャフ
ト20が配設されている。バランスシャフト20は第1
のバランスシャフト15と同様に、軸21、第2の従動
ギア22及び振動減衰用ウエイト24からなる。軸21
は、バランスシャフト15の軸16に対し平行に配設さ
れ、両ハウジング12,13間で回転可能に支持されて
いる。従動ギア22は駆動ギア10の半数の歯23を有
し、第1の従動ギア17よりも薄肉状に形成されてい
る。従動ギア22は、駆動ギア10と干渉しないように
同駆動ギア10から軸線L方向へ若干ずれた位置におい
て軸21上に一体回転可能に取付けられ、第1の従動ギ
ア17に噛み合わされている。ウエイト24も同様に軸
21上に一体回転可能に取付けられている。
【0017】前記のように構成されたバランサ装置8に
よれば、駆動ギア10がクランクシャフト3と一体回転
すると、その回転は第1の従動ギア17に伝達され、同
従動ギア17、軸16及びウエイト19が一体回転す
る。また、第1の従動ギア17の回転は第2の従動ギア
22に伝達され、同従動ギア22、軸21及びウエイト
24が一体回転する。両ウエイト19,24の回転によ
り、ピストン、コネクティングロッド等による慣性力や
慣性偶力を消去する方向の荷重が発生し、同荷重がクラ
ンクシャフト3の振動を低減させる。
【0018】前述した基本的構成に加え、本実施例では
駆動ギア10及び両従動ギア17,22が、それぞれ鉄
等の熱膨張率の比較的小さな材料によって形成されてい
る。また、図1,4に示すように駆動ギア10の側面に
は、クランクジャーナル4の軸線Lを自身の軸線とする
略円環状のフランジ25が固定されている。フランジ2
5の両端は取付部9の突起9aに係止されている。フラ
ンジ25の外周には変位手段としての円環状の熱膨張体
26が嵌合されている。熱膨張体26は、前記駆動ギア
10、両従動ギア17,22を構成する鉄よりも熱膨張
率の大きな材料、例えばアルミニウム、銅等を用いて形
成されている。
【0019】熱膨張体26の外周には、薄板状をなす4
片の弾性体27a,27b,27c,27dがそれぞれ
貼り付けられている。各弾性体27a〜27dは例えば
ゴム、軟質樹脂、皮革等の弾性材料を用いて形成されて
いる。ここで、各弾性体27a〜27dは、駆動ギア1
0において第1の従動ギア17との間で歯打ち音が発生
すると推測される4箇所にのみ貼り付けられている。
【0020】この歯打ち音の貼り付け位置について詳し
く説明する。図7は、バランサ装置8付きの内燃機関1
を実際に作動させたときの、上死点判別信号の発生タイ
ミングと、歯打ち音の発生タイミングと、クランクシャ
フト3の角加速度の変動と、同シャフト3の回転速度の
変動とを示している。ただし、バランサ装置8の駆動ギ
ア10には前述した弾性体27a〜27dが貼り付けら
れていない。上死点判別信号は、各ピストンが上死点に
達したときにセンサによって検出される信号である。
【0021】この内燃機関1は、クランクシャフト3が
2回転する間(720°回転する間)に、吸入行程、圧
縮行程、爆発行程(膨張行程)及び排気行程の4つの行
程からなる燃焼サイクルを実行する、いわゆる4サイク
ルの機関である。また、この内燃機関1は4つの気筒を
有しており、各気筒の燃焼サイクルが予め定められた一
定の順に行われる。ここで、上死点判別信号が検出され
るタイミングを基準タイミング(クランク角0°)と定
義する。すると、図7から明らかなように、角加速度の
変動が増加から減少に転じたとき(クランク角が20
°,200°,380°,560°のとき)に大きな歯
打ち音が発生している。また、クランクシャフト3の角
加速度の変動が減少から増加に転じたとき(クランク角
が110°,290°,470°,650°のとき)に
大きな歯打ち音が発生している。なお、角加速度の変動
の傾向がかわるときには、クランクシャフト3の回転速
度の変動が瞬間的に「0」になる。
【0022】このように角加速度の変動の傾向がかわる
ときには、次のようにして歯打ち音が発生するものと推
定される。図9(a)は、例えば図7におけるクランク
角が20°未満のときの駆動ギア10と第1の従動ギア
17との噛み合い状態を示している。このタイミングで
はクランクシャフト3の角加速度の変動量が増加してお
り、駆動ギア10の回転方向(矢印A方向)前側の歯面
11aが、第1の従動ギア17の回転方向後側の歯面1
8bに当接している。両歯面11a,18bが互いに当
接した状態で、駆動ギア10及び第1の従動ギア17
が、同一の回転速度及び同一の角加速度で回転してい
る。
【0023】図9(b)に示すように、クランク角が2
0°,200°,380°,560°のとき、クランク
シャフト3の角加速度の変動が増加から減少に転ずる。
この際、第1の従動ギア17は慣性力によってそれまで
の角加速度及び回転速度を保ちながら回転する。従動ギ
ア17の角加速度及び回転速度が駆動ギア10のそれら
を上回り、同従動ギア17の歯面18bが駆動ギア10
の歯面11aから離間する。両ギア10,17間のバッ
クラッシュの分だけ、従動ギア17が駆動ギア10に対
して相対回転する。すると、図9(c)に示すように、
従動ギア17の回転方向前側の歯面18aが駆動ギア1
0の回転方向後側の歯面11bに衝突し、打音(歯打ち
音)が発生する。この衝突により、従動ギア17の角加
速度及び回転速度が低下する。
【0024】クランク角が110°,290°,470
°,650°であって、駆動ギア10の角加速度の変動
が減少から増加に転じ、同角加速度及び回転速度が従動
ギア17のそれらを上回ると、図9(d)に示すように
駆動ギア10の歯面11bが従動ギア17の歯面18a
から離間する。バックラッシュの分だけ、駆動ギア10
が従動ギア17に対して相対回転する。すると、図9
(a)に示すように、駆動ギア10の回転方向前側の歯
面11aが従動ギア17の回転方向後側の歯面18bに
衝突し、打音(歯打ち音)が発生する。
【0025】このような歯打ち音の発生を防止するため
には、角加速度の変動の傾向がかわる際に、従動ギア1
7に対し他のタイミングよりも大きな回転抵抗を付与
し、両ギア10,17の相対回転を抑制すればよい。
【0026】この観点から、本実施例では第1の従動ギ
ア17と噛み合う駆動ギア10において、歯打ち音の発
生が推測される4箇所に弾性体27a,27b,27
c,27dがそれぞれ貼り付けられている。より詳しく
は、駆動ギア10における取付部9の突起9aが最上位
置(12時の位置)へ至ったときのクランク角を、説明
の便宜上基準のクランク角(0°)とする。すると、図
8(a)に示すように、駆動ギア10において、クラン
ク角が20°,380°,740°のときに従動ギア1
7に噛み合う箇所に弾性体27aが貼り付けられてい
る。図8(b)に示すように、駆動ギア10において、
クランク角が110°,470°のときに従動ギア17
に噛み合う箇所に弾性体27bが貼り付けられている。
図8(c)に示すように駆動ギア10において、クラン
ク角が200°,560°のときに従動ギア17に噛み
合う箇所に弾性体27cが貼り付けられている。図8
(d)に示すように、駆動ギア10において、クランク
角が290°,650°のときに従動ギア17に噛み合
う箇所に弾性体27dが貼り付けられている。従って、
所定の弾性体と軸線Lとを結ぶ線に対し、隣接の弾性体
と軸線Lとを結ぶ線がなす角度は約90°となってい
る。
【0027】さらに、熱膨張体26が収縮したとき(図
5)に弾性体27a〜27dが従動ギア17の歯18に
接触せず、熱膨張体26が膨張したとき(図6)に弾性
体27a〜27dが歯18に圧接して回転抵抗を付与す
るように、熱膨張体26及び弾性体27a〜27dの各
厚みが設定されている。そして、各弾性体27a〜27
dは、駆動ギア10に周期的に発生する角加速度の変動
タイミングに応じて、従動ギア17に対し他のタイミン
グよりも回転抵抗を多く付与する回転抵抗付与手段を構
成している。
【0028】次に、上記のように構成された本実施例の
作用及び効果について説明する。図5は内燃機関1の始
動時等において、冷却水の温度、潤滑油の温度等を含む
機関自体の温度が低いとき(冷間時)の、バランサ装置
8の状態を示している。内燃機関1の作動にともない、
クランクシャフト3と一体で駆動ギア10が回転する
と、その回転は同ギア10に噛み合わされた第1の従動
ギア17に伝達される。この伝達により従動ギア17が
回転する。
【0029】このとき、熱膨張体26が収縮しているた
め、駆動ギア10の回転にともない弾性体27a〜27
dが従動ギア17と対応する箇所まで移動しても、同弾
性体27a〜27dは従動ギア17の歯18に接触しな
い。駆動ギア10と従動ギア17とは歯11,18間に
所定のバックラッシュを生じた状態のまま噛み合わせら
れる。
【0030】このような冷間時には、バックラッシュに
起因する歯打ち音の発生を抑制することよりも、もしろ
フリクションを低減させることの方が優先されるべきで
ある。すなわち、冷間時には潤滑油の粘度が大きいの
で、駆動力を伝達するための各種シャフトのフリクショ
ンが大きい。そのため、駆動ギア10及び従動ギア17
間の相対回転が少なく歯打ち音がもともと小さい。仮
に、この状況下においても従動ギア17の歯18が弾性
体27a〜27dに接触するように構成されているとす
ると、その接触により従動ギア17に回転抵抗が加わ
り、各種シャフトの駆動トルクが増加する。これにとも
ない内燃機関1の負荷が大きくなり、燃費の低下を招く
ことになる。
【0031】これに対し、本実施例では冷間時に弾性体
27a〜27dが従動ギア17の歯18に接触せず、同
従動ギア17に不要な回転抵抗が加わらない。このた
め、負荷の増大を抑制し、燃費の低下を防止できる。
【0032】内燃機関1の作動に従い、冷却水の温度や
潤滑油の温度を含む機関自体の温度が上昇する(暖機さ
れる)と、図6に示すように熱膨張体26が膨張し、弾
性体27a〜27dが半径方向外方へ押し出される。駆
動ギア10の回転にともない弾性体27a〜27dが従
動ギア17と対応する箇所まで移動すると、同弾性体2
7a〜27dは従動ギア17の歯18に接触するように
なる。
【0033】このような内燃機関1の暖機時及び暖機後
には、冷間時に比べて潤滑油の粘度が小さく、駆動力を
伝達するための各種シャフトのフリクションが小さくな
る。そのため、駆動ギア10及び従動ギア17間の相対
回転量が冷間時のそれよりも大きくなりやすい。
【0034】一方、上述したように内燃機関1において
は、燃焼サイクルによりクランクシャフト3(駆動ギア
10)の角加速度が周期的に変動する。このため、変動
の傾向がかわるタイミングでは、両ギア10,17の歯
11,18間に存在するバックラッシュにより両ギア1
0,17が相対回転し、歯面(11a,18b),(1
1b,18a)同志が接触して歯打ち音が発生しやすく
なる。
【0035】しかし、本実施例では駆動ギア10におけ
る角加速度の変動の傾向がかわる箇所(クランク角が2
0°,110°,200°,290°,380°,47
0°,560°,650°,740°)にそれぞれ弾性
体27a〜27dが貼り付けられている。これらの4片
の弾性体27a〜27dが従動ギア17の歯18に間欠
的に圧接し、同従動ギア17に対し他のタイミングより
も多くの回転抵抗が付与される。この回転抵抗により、
駆動ギア10に対する従動ギア18の相対回転が抑制さ
れる。これにともない、両ギア10,17の歯面(11
a,18b),(11b,18a)同志の接触が阻止あ
るいは抑制される。
【0036】これとは逆に、角加速度の変動の傾向がか
わらないタイミングでは、かわるタイミングに比べて弾
性体27a〜27dによる回転抵抗が小さくなる(この
場合、零になる)。このため、円環状の弾性体を出力側
の歯車に圧接させて常に回転抵抗を付与する従来技術に
比較して、本実施例では同付与に起因するフリクション
の増加を少なくできる。
【0037】このように本実施例によれば、角加速度の
変動の傾向がかわって歯打ち音が発生すると推定される
タイミングでは、フリクションの低減よりも歯打ち音の
発生防止を優先している。このため、従動ギア17に回
転抵抗を付与し、駆動ギア10及び従動ギア17の相対
回転を抑制して歯打ち音の発生を防止できる。また、角
加速度の変動の傾向がかわらないタイミングでは、歯打
ち音の発生を防止する必要がないことから、弾性体27
a〜27dにより従動ギア17に対し回転抵抗を付与し
ないようにしている。このため、回転抵抗付与にともな
うフリクションの不要な増加を防止し、燃費の悪化を防
止できる。
【0038】また、本実施例では、従動ギア17よりも
大径の駆動ギア10に熱膨張体26及び弾性体27a〜
27dを取付けている。このため、これらの部材26,
27a〜27dを小径の従動ギア17に設けた場合に比
べ、熱膨張体26の熱膨張作用を十分に引き出すことが
でき、温度変化に敏感に対応することができる。
【0039】さらに、本実施例では、駆動ギア10に弾
性体27a〜27dを取付け、同ギア10の角加速度の
変動の傾向がかわるときにのみ従動ギア17に圧接して
回転抵抗を付与するようにしている。このため、回転抵
抗付与手段として弾性体27a〜27d以外のものを用
いた場合に比較し、簡単な構成で歯打ち音の発生を防止
しつつフリクションの増加を抑制できる。 (第2実施例)次に、本発明を具体化した第2実施例を
図10に従って説明する。なお、第2実施例において第
1実施例と同一の構成については同一番号を付し、その
詳細な説明を省略する。
【0040】クランクシャフト3において、駆動ギア1
0とは異なる位置に駆動ローラ28が固着されている。
駆動ローラ28は、クランクジャーナル4の軸線Lを中
心としてクランクシャフト3と一体で回転される。第1
のバランスシャフト15の軸16上であって、駆動ロー
ラ28と対応する位置には従動ローラ29が固着されて
いる。
【0041】駆動ローラ28の外周には、アルミニウ
ム、銅等の鉄よりも熱膨張率の大きな材料からなる円環
状の熱膨張体30が取付けられている。熱膨張体30の
外周であって、第1実施例の駆動ギア10における弾性
体27a〜27dの貼り付け位置と対応する箇所(同一
回転位相)には、4片の薄板状の弾性体31が貼り付け
られている。さらに、従動ローラ29の外周には円環状
の弾性体32が嵌合されている。駆動ギア10上の熱膨
張体26及び弾性体27a〜27dは省略されている。
【0042】そして、熱膨張体30が収縮している状態
では、駆動ローラ28外周の弾性体31が従動ローラ2
9外周の弾性体32に接触しないように設定されてい
る。また、熱膨張体30が膨張している状態では、駆動
ローラ28外周の弾性体31が熱膨張体30の膨張作用
により半径方向外方へ押し出され、同弾性体31が従動
ローラ29外周の弾性体32に圧接されるようになって
いる。
【0043】また、弾性体31,32同志が圧接されて
いるときの、駆動ローラ28の回転中心から弾性体31
外面までの距離と、従動ローラ29の回転中心から弾性
体32外周面までの距離との比(半径比)が、駆動ギア
10の半径と従動ギア17の半径との比(変速比)に等
しくなるように設定されている。
【0044】次に、上記構成の第2実施例の作用及び効
果について説明する。内燃機関1の冷間時には熱膨張体
30が収縮している。このため、駆動ローラ28の回転
にともない各弾性体31が従動ローラ29と対応する箇
所まで移動しても、同弾性体31は従動ローラ29外周
の弾性体32に接触しない。駆動ギア10と従動ギア1
7とは歯11,18間に所定のバックラッシュを生じた
状態のまま噛み合わせられる。
【0045】このような冷間時には潤滑油の粘度が大き
いので、駆動力を伝達するための各種シャフトのフリク
ションが大きい。そのため、駆動ギア10及び従動ギア
17間の相対回転が少なく歯打ち音がもともと小さい。
仮に、この状況下においても従動ローラ29外周の弾性
体32が駆動ローラ28外周の弾性体31に接触するよ
うに構成されているとすると、その接触により従動ギア
17に回転抵抗が加わり、各種シャフトの駆動トルクが
増加する。これにともない内燃機関1の負荷が大きくな
り、燃費の低下を招くことになる。
【0046】これに対し、本実施例では冷間時に弾性体
31,32同志が接触せず、従動ギア17に不要な回転
抵抗が加わらない。このため、負荷の増大を抑制し、燃
費の低下を防止できる。
【0047】内燃機関1の作動に従い同機関が暖機され
ると熱膨張体30が膨張し、弾性体31が半径方向外方
へ押し出される。駆動ギア10の回転にともない弾性体
31が、歯打ち音の発生推定箇所と対応する回転位相ま
で移動すると、同弾性体31は従動ローラ29外周の弾
性体32に接触するようになる。
【0048】このような内燃機関1の暖機時及び暖機後
には、冷間時に比べて潤滑油の粘度が小さく、駆動力を
伝達するための各種シャフトのフリクションが小さくな
る。そのため、駆動ギア10及び従動ギア17間の相対
回転量が冷間時のそれよりも大きくなりやすい。
【0049】一方、上述したように内燃機関1において
は、燃焼サイクルによりクランクシャフト3(駆動ギア
10)の角加速度が周期的に変動する。このため、変動
の傾向がかわるタイミングでは、歯11,18間に存在
するバックラッシュにより両ギア10,17が相対回転
し、歯面(11a,18b),(11b,18a)同志
が接触して歯打ち音が発生しやすくなる。
【0050】しかし、本実施例では、駆動ギア10及び
従動ギア17の変速比が、駆動ローラ28及び従動ロー
ラ29の半径比と等しくなっているため、駆動ローラ2
8外周の弾性体31が従動ローラ29の弾性体32に圧
接し、従動ギア17に対し他のタイミングよりも多くの
回転抵抗が付与される。この付与により、駆動ギア10
に対する従動ギア17の相対回転が抑制される。これに
ともない、両ギア10,17の歯面(11a,18
b),(11b,18a)同志の接触が阻止あるいは抑
制される。
【0051】これとは逆に、角加速度の変動の傾向がか
わらないタイミングでは、かわるタイミングに比べて弾
性体31による回転抵抗が小さくなる(この場合、零に
なる)。このため、円環状の弾性体を駆動ローラ28外
周に取付け、これを従動ローラ29外周の弾性体32に
圧接させて常に回転抵抗を付与する場合に比較して、本
実施例では同付与に起因するフリクションの不要な増加
を抑制できる。
【0052】また、本実施例では、従動ローラ29より
も大径の駆動ローラ28に熱膨張体30及び弾性体31
を取付けている。このため、これらの部材30,31を
小径の従動ローラ29に設けた場合に比べ、熱膨張体3
0の熱膨張作用を十分に引き出すことができ、温度変化
に敏感に対応することができる。
【0053】さらに、本実施例では、駆動ローラ28及
び従動ローラ29を、駆動ギア10及び従動ギア17と
は別の位置に配設する構成なので、両ローラ28,29
を温度変化の激しい環境下に配置することが可能とな
る。この環境下では熱膨張体30の熱膨張による変化が
顕著となるため、温度変化に対し、一層機敏に対応でき
る。
【0054】本実施例では、駆動ローラ28に弾性体3
1を取付け、駆動ギア10の角加速度の変動の傾向がか
わるときにのみ同弾性体31を従動ローラ29に圧接さ
せ、従動ギア17に回転抵抗を付与するようにしてい
る。このため、回転抵抗付与手段として弾性体31以外
のものを用いた場合に比較し、簡単な構成で歯打ち音の
発生を防止しつつフリクションの増加を抑制できる。
【0055】なお、本発明は次に示す別の実施例に具体
化することができる。 (1)回転抵抗付与手段としては、弾性体27a〜27
d,31に代えて以下のものを用いることができる。す
なわち、内燃機関1の潤滑油の温度、入力軸(第1,2
実施例ではクランクシャフト3)の回転変動、出力軸
(第1,2実施例では第1のバランスシャフト15の軸
16)の回転変動等を電気的に検出する。その検出値に
基づき歯打ち音が発生するタイミングを推定し、同タイ
ミングが到来したとき、いずれか一方の歯車(駆動ギア
10又は従動ギア17)の側面にその歯車の回転を規制
するための部材を押し付けるようにする。このようにし
ても、前記第1,2実施例と同様の作用及び効果を奏す
る。
【0056】(2)第1,2実施例では、内燃機関1の
燃焼サイクルにより駆動ギア10における角加速度の変
動の傾向がかわるときに従動ギア17により多くの回転
抵抗を付与するようにした。それ以外にも、例えば潤滑
油の劣化や、ギア10,17における歯11,18の摩
耗により駆動ギア10の角加速度が変動するようになっ
た場合には、それ以前のタイミングよりも大きな回転抵
抗を従動ギア17に付与するようにしてもよい。
【0057】(3)本発明は、前述した内燃機関1のバ
ランサ装置8以外にも、入力側又は出力側の歯車の角加
速度が周期的に変動するタイプの歯車装置に具体化する
ことができる。例えば、織機においてメインシャフト
と、同シャフトを駆動するモータとの間に介在される歯
車装置においては、筬(おさ)等の往復運動にともない
メインシャフトに加わる負荷が変動し、同シャフトの角
加速度が周期的に変動する。従って、この場合にも弾性
体等の回転抵抗付与手段を設ければ、歯打ち音の発生を
防止しつつフリクションの増加を抑制できる。
【0058】また、本発明は、駆動力の伝達経路に不等
速ジョイント(フック式ジョイント)を介在させた歯車
装置にも適用できる。フック式ジョイントは、入力軸に
取付けられた入力側ヨークと、出力軸に取付けられた出
力側ヨークと、両ヨークを連結する十字軸とから構成さ
れている。同ジョイントでは、入力軸の回転速度が一定
であっても、出力軸の回転速度は1回転当たり2回変動
する。この変動は両軸のなす角度が大きくなるほど大き
くなる。この出力軸に入力側の歯車を取付ければ、同歯
車の角加速度が周期的に変動する。従って、前記入力側
の歯車に出力側の歯車を噛み合わせるとともに弾性体等
の回転抵抗付与手段を設ければ、歯打ち音の発生を防止
しつつフリクションの増加を抑制できる。
【0059】さらには、本発明をトランスミッション
(変速機)や工作機械の歯車装置として具体化すること
も可能である。 (4)第1実施例における熱膨張体26及び弾性体27
a〜27dを、駆動ギア10に代えて第1の従動ギア1
7に設けてもよい。また、これらの熱膨張体26,27
a〜27dは、駆動伝達系の少なくとも1ヶ所に設けら
れていればよく、例えば第2の従動ギア22に設けても
よい。特に、上記各実施例のように駆動源に近いギア間
に設けるのが駆動源への負荷低減という意味から好まし
く、各ギア間に全て設けるのが最適である。
【0060】(5)第2実施例では、駆動ローラ28及
び従動ローラ29にそれぞれ弾性体31,32を設けた
が、いずれか一方のローラ28,29のみに弾性体を設
けてもよい。
【0061】(6)熱膨張体26,30としては、アル
ミニウム,銅以外にも、形状記憶合金や形状記憶樹脂を
用いてもよい。 (7)第1,2実施例における熱膨張体26,30に代
え、温度センサによりギア10,17自体(ローラ2
8,29自体)あるいはその周囲の温度を検出し、その
検出温度に応じて機械的に弾性体27a〜27d,31
を変位させる機構を設けてもよい。
【0062】(8)第1,2実施例では円環状の熱膨張
体26,30を用いたが、これらを弾性体27a〜27
d,31の形状に合わせて小片に変更してもよい。ま
た、これらの熱膨張体26,30を省略してもよい。
【0063】(9)第1実施例における弾性体27a〜
27dを、駆動ギア10に対し側面以外の箇所に取付け
てもよい。例えば、駆動ギア10及び/又は第1の従動
ギア17の外周に円環状の溝を形成し、ここに弾性体2
7a〜27dを取付けてもよい。
【0064】(10)第1,2実施例における弾性体を
円環状に形成し、駆動ギア10において角加速度の変動
の傾向がかわる箇所の弾性体の厚みを、他の箇所よりも
大きくしてもよい。このようにしても、駆動ギア10に
周期的に発生する角加速度の変動タイミングに応じて、
従動ギア17に他のタイミングよりも回転抵抗を多く付
与できる。
【0065】以上、本発明の各実施例について説明した
が、各実施例から把握できる請求項以外の技術的思想に
ついて、以下にそれらの効果とともに記載する。 (イ)請求項1に記載の歯車装置において、前記回転抵
抗付与手段は、前記入力側又は出力側の歯車に取付けら
れ、かつ同歯車の角加速度の変動の傾向がかわるときに
のみ出力側又は入力側の歯車に圧接して回転抵抗を付与
する弾性体である歯車装置。このようにすれば、簡単な
構成で歯打ち音の発生を防止しつつフリクションの増加
を抑制できる。
【0066】(ロ)請求項1又は上記(イ)に記載の歯
車装置において、前記入力側の歯車は、内燃機関の燃焼
サイクルに同期して角加速度が変動するクランクシャフ
トに一体回転可能に取付けられたものである歯車装置。
この構成によると、クランクシャフトの角加速度は内燃
機関の燃焼サイクルに同期して変動するが、この変動に
起因する歯車間での歯打ち音の発生を確実に防止でき
る。また、フリクションの不要な増加を防止し、内燃機
関の燃費の悪化を防止できる。
【0067】(ハ)上記(ロ)に記載の歯車装置におい
て、前記入力側及び出力側の歯車は、内燃機関のクラン
クシャフトの振動を減衰するバランサ装置の一部を構成
するものであり、出力側の歯車は、振動減衰用ウエイト
に連結され、かつ前記入力側の歯車に噛み合わされてい
る歯車装置。この構成によると、歯打ち音の発生を防止
しフリクションの増加を防止しながら、クランクシャフ
トの振動を減衰できる。
【0068】(ニ)上記(ロ)に記載の歯車装置におい
て、前記内燃機関が低温状態のとき前記弾性体が入力側
又は出力側の歯車の歯から離間し、高温状態のとき弾性
体が前記歯に圧接するように、温度に応じて弾性体を歯
車の半径方向へ変位させる変位手段を設けた歯車装置。
このようにしたのは、内燃機関が低温状態のときにはそ
の潤滑油の粘度が大きく、駆動力を伝達するための各種
シャフトのフリクションが大きい。両歯車の相対回転が
少なく歯打ち音がもともと小さい。このときには、歯打
ち音の発生を抑制することよりも、むしろフリクション
の増加を抑制することの方が重要と考えられるからであ
る。この構成(ニ)によると、内燃機関の低温時には弾
性体が変位手段の作用により相手側の歯車に接触しなく
なる。そのため、弾性体の接触に起因するフリクション
の増加を抑制できる。
【0069】(ホ)上記(ニ)に記載の歯車装置におい
て、前記変位手段は、両歯車よりも熱膨張率の大きな材
料にて形成され、かつ弾性体の取付けられた側の歯車の
回転中心を中心とする円上に配置された熱膨張体であ
り、同弾性体はこの熱膨張体に取付けられている歯車装
置。このようにすれば、内燃機関の温度に応じて熱膨張
体が自動的に収縮あるいは膨張して体積変化するので、
簡単な構成で弾性体を歯車の半径方向へ変位させること
ができる。
【0070】(ヘ)上記(ホ)に記載の歯車装置におい
て、前記熱膨張体は入力側及び出力側の歯車のうち、大
きな外径を有する方の歯車に設けられている歯車装置。
この構成によると、熱膨張体を小径の歯車に設けた場合
に比べ、熱膨張体の熱膨張作用を十分に引き出すことが
でき、温度変化に敏感に対応することができる。
【0071】(ト)請求項1に記載の歯車装置におい
て、前記回転抵抗付与手段は、各歯車の軸に互いに対応
するように設けられた一対のローラと、一方のローラに
取付けられ、かつ歯車の角加速度の変動がかわるときに
のみ他方のローラに圧接して回転抵抗を付与する弾性体
とを備えた歯車装置。このようにすれば、簡単な構成で
歯打ち音の発生を防止しつつフリクションの増加を抑制
できる。
【0072】(チ)上記(ト)に記載の歯車装置におい
て、前記入力側の歯車を、内燃機関の燃焼サイクルに同
期して角加速度が変動するクランクシャフトに一体回転
可能に取付け、さらに前記内燃機関が低温状態のとき前
記弾性体が他方のローラから離間し、高温状態のとき弾
性体が前記ローラに圧接するように、温度に応じて弾性
体を一方のローラの半径方向へ変位させる変位手段を設
けた歯車装置。この構成によると、上述した(ニ)と同
様に、内燃機関の低温時には弾性体が変位手段の作用に
より相手側の歯車に接触しなくなる。そのため、弾性体
の接触に起因するフリクションの増加を抑制できる。さ
らには、両ローラを両歯車とは別の位置に配設する構成
なので、両ローラを温度変化の激しい環境下に配置する
ことができる。
【0073】なお、本明細書において、発明の構成に係
る部材は、以下のように定義されるものとする。 (a)入力側及び出力側の歯車は、二軸間で回転力を伝
達する部材を意味し、二軸が互いに平行なもの(平歯
車、ハスバ歯車、ヤマバ歯車等)、二軸が互いに交わる
もの(スグバカサ歯車、ハスバカサ歯車、クラウンギア
等)、二軸がくい違うもの(ネジ歯車、ハイポイドギア
等)、及び特殊歯車(非円形歯車)を含む。
【0074】(b)弾性体は歯車の歯と対応したときに
弾性変形し、同歯に回転抵抗を付与する部材を意味し、
全体が弾性材料によって形成されたもの以外にも、内部
が中空になっているものや、さらにはその中空部分に気
体、液体等の流体が充填されたものを含む。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、歯
打ち音が発生すると推測されるタイミングに、歯車に対
し他のタイミングよりも回転抵抗を多く付与するように
している。このため、歯打ち音の発生を抑制するととも
に、不要なフリクションの増加を防止して、エネルギー
ロスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施例において、内燃
機関のバランサ装置内の駆動ギア及び両従動ギアの位置
関係を示す正面図である。
【図2】内燃機関のシリンダブロック及びバランサ装置
を示す正面図である。
【図3】クランクシャフト及びバランサ装置を示す側面
図である。
【図4】駆動ギアと第1の従動ギアとの噛み合い状態を
示す断面図である。
【図5】内燃機関の冷間時において駆動ギアと第1の従
動ギアとが噛み合っている状態を示す部分正面図であ
る。
【図6】内燃機関の暖機後において駆動ギアと第1の従
動ギアとが噛み合っている状態を示す部分正面図であ
る。
【図7】上死点判別信号、歯打ち音、クランクシャフト
の角加速度の変動及び回転速度の変動の対応関係を示す
タイミングチャートである。
【図8】(a)〜(d)は駆動ギアと両従動ギアとの対
応関係を説明する正面図である。
【図9】(a)〜(d)は歯打ち音が発生する現象を説
明するためのものであり、駆動ギアと第1の従動ギアと
の噛み合い状態を示す部分断面図である。
【図10】本発明を具体化した第2実施例において、駆
動ギア、第1の従動ギア、駆動ローラ及び従動ローラの
位置関係を示す断面図である。
【符号の説明】
10…入力側の歯車としての駆動ギア、17…出力側の
歯車としての第1の従動ギア、27a,27b,27
c,27d,31…回転抵抗付与手段としての弾性体。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力側の歯車と、 前記入力側の歯車に噛み合わされた出力側の歯車と、 前記入力側又は出力側の歯車に周期的に発生する角加速
    度の変動タイミングに応じて、出力側又は入力側の歯車
    に他のタイミングよりも回転抵抗を多く付与する回転抵
    抗付与手段とを備えた歯車装置。
JP21293294A 1994-09-06 1994-09-06 歯車装置 Pending JPH0874976A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE1023497B1 (nl) * 2015-10-07 2017-04-07 Atlas Copco Airpower, N.V. Overbrenging tussen een verbrandingsmotor en een compressorelement en een compressorinstallatie voorzien van dergelijke overbrenging

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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BE1023497B1 (nl) * 2015-10-07 2017-04-07 Atlas Copco Airpower, N.V. Overbrenging tussen een verbrandingsmotor en een compressorelement en een compressorinstallatie voorzien van dergelijke overbrenging
WO2017066852A1 (en) * 2015-10-07 2017-04-27 Atlas Copco Airpower, Naamloze Vennootschap Transmission between a combustion engine and a compressor element and a compressor installation provided with such a transmission
US10823271B2 (en) 2015-10-07 2020-11-03 Atlas Copco Airpower, Naamloze Vennootschap Transmission between a combustion engine and a compressor element and a compressor installation provided with such a transmission

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