JPH0633990A - 内燃機関のローリングモーメント消去装置 - Google Patents

内燃機関のローリングモーメント消去装置

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JPH0633990A
JPH0633990A JP19113892A JP19113892A JPH0633990A JP H0633990 A JPH0633990 A JP H0633990A JP 19113892 A JP19113892 A JP 19113892A JP 19113892 A JP19113892 A JP 19113892A JP H0633990 A JPH0633990 A JP H0633990A
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JP
Japan
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moment
flywheel system
internal combustion
main
combustion engine
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JP19113892A
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Fumiyasu Niwa
史泰 丹羽
Koji Kadomatsu
晃司 門松
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車体の騒音を十分に低減することにある。 【構成】 本発明は、内燃機関10のクランクシャフト
12に一体結合されて回転する主フライホイール系13
と、内燃機関の本体11にクランク軸12と平行状態で
枢支されると共に主フライホイール系13により逆転増
速手段15,16を介して逆転増速回転される副フライ
ホイール系14とを有し、主フライホイール系13の慣
性モーメントI1と副フライホイール系の慣性モーメン
トI2及び逆転増速手段15,16の変速比ρとが、I1
≒ρ×I2の関係を保つことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関本体内で回転
する回転体のトルク変動に伴い生じるエンジンや車体振
動を低減させる内燃機関のローリングモーメント消去装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関はその運転時において、各気筒
毎に一定クランク角毎に、爆発行程を行なう。これ故、
内燃機関本体には上下方向の振動や、クランクシャフト
の回転中心線回りの回転振動及びクランクシャフト自体
のねじり振動が発生する。ここで、内燃機関本体に加わ
る上下方向の振動は燃焼室の爆発行程で内燃機関本体に
直接加わり、内燃機関本体の騒音の要因と成っている。
更に、内燃機関本体に加わる回転振動はクランクシャフ
トの長手方向に分散して対向する各気筒の爆発行程で生
じた回転変動に伴うもので、これらは軸受部を介して内
燃機関の本体側にローリングモーメントとして加わり、
内燃機関本体の騒音の要因と成っている。更に、クラン
クシャフトのねじり振動も軸受部を介して内燃機関の本
体側に振動として伝達され、内燃機関本体の騒音の要因
と成っている。
【0003】これら各騒音要因の内、内燃機関本体に加
わる上下方向の振動は、クランクシャフトに並設され、
不釣合質量の回転によって上下方向の振動を打ち消す逆
振動を生じさせるサイレントシャフトを用いることによ
って低減出来ることが知られている。他方、クランクシ
ャフトのねじり振動もクランクシャフトに一体的に装着
されるクランク軸ねじり振動ダンパによって低減出来る
ことが知られている。これらに対して、内燃機関本体内
の回転体のトルク変動に基づく内燃機関本体のローリン
グモーメントによる回転振動を低減させる装置として
は、十分な振動低減効果を示すものが知られていない。
たとえば、実願昭51−41924号公報にはクランク
軸に複数に分割したフライホイールを取付、フライホイ
ールの大径化を防いだものや、実願昭56−42546
号公報にはフライホイールに不釣合質量を追加して上下
振動を低減させるものや、実願昭51−34922号公
報には2輪車の発進時にエンジン本体が受ける爆発反力
による2輪車自体の倒れを防止する装置が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、これらの
従来技術は、単にフライホイールの分割化による装着性
の改良を図るものや、フライホイールに上下振動を低減
させる機能を兼ねさせるものや、2輪車の発進時の倒れ
防止を図るものであり、内燃機関本体の爆発反力に基づ
く残留ローリングモーメントによる回転振動を積極的に
十分に消去させる装置とは成っていない。このため、内
燃機関の運転時における回転振動を確実に消去させて、
車体の騒音を十分に低減できる装置が望まれている。本
発明の目的は、車体の騒音を十分に低減できる内燃機関
のローリングモーメント消去装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、内燃機関のクランク軸に一体結合され
て回転する主フライホイール系と、上記内燃機関の本体
に上記クランク軸と平行状態で枢支されると共に主フラ
イホイール系により逆転伝動手段を介して逆転増速回転
される副フライホイール系とを有し、上記主フライホイ
ール系の慣性モーメントI1と上記副フライホイール系
の慣性モーメントI2及び逆転伝動手段の変速比ρとが
次の関係、即ち、 I1≒ρ×I2 を保つことを特徴とする。
【0006】
【作用】主フライホイール系と逆転する副フライホイー
ル系とがI1≒ρ×I2の関係を保持して分割配備される
ので、主フライホイール系が内燃機関本体に与えたロー
リングモーメントを逆回転する副フライホイール系が内
燃機関本体に与える逆向きのローリングモーメントによ
って打ち消すことが出来る。
【0007】
【実施例】図1には本発明による内燃機関のローリング
モーメント消去装置の基本的実施例を示した。
【0008】ここで、内燃機関10の本体11は中央部
長手方向にクランクシャフト12を枢支する。このクラ
ンクシャフト12の軸受20は長手方向に所定間隔を隔
てて複数配設され、クランクシャフト12を本体11内
に枢着する。本体11の一側端側(紙面手前側)にはク
ランクシャフト12と一体に主フライホイール13が結
合され、更に、本体11の一側面にはクランクシャフト
12と所定量離れて平行な方向に沿って位置する回転中
心線L1の回りに回転する副フライホイール14が対設
される。なお、副フライホイール14の副回転軸21は
軸受22を介して本体11に枢支されている。この主フ
ライホイール13の半径r1に対して副フライホイール
14の半径r2は小さく設定され、両者の比であるr1
/r2は1以上の値である増速比ρを表している。な
お、ここでは主ギア15と副ギア16のギア比、即ち増
速比(ここでの変速比)ρが(ρ=2.5)と設定され
ている。そして、主フライホイール13上の主ギア15
とこれに噛み合い逆転する副フライホイール14の副ギ
ア16とが逆転伝動手段を構成する。
【0009】図2,図3に示すように、クランクシャフ
ト12はその一端側に主フライホイール13(クラッチ
17の基板を成し、ここには一体的に回転するクラッチ
ケース171やプレッシプレート172が取り付けられ
る)を一体的に結合し、その中間部には複数の気筒(こ
こでは1番気筒♯1乃至4番気筒♯4から成る)の各ピ
ストン18をコンロッド19を介して連結しており、ク
ランクシャフト12と一体化されている部材が主フライ
ホイール系を成し、ここではその慣性モーメントをI1
とする。他方、副フライホイール14とその副回転軸2
1とが副フライホイール系を成し、その慣性モーメント
をI2とする。なお、ここでは副フライホイール系がこ
こでのトルクバランサーの主要部を成している。ここで
は特に、下記する残留ローリングモーメントの完全消去
条件達成のため、主フライホイール系慣性モーメントI
1と副フライホイール系慣性モーメントI2との関係がI
1=ρ×I2(後述する(3)式である)を満足するよう
に各慣性モーメントI1、I2及び増速比ρが設定される
ことと成る。
【0010】更に、後述するように機関の運動特性(応
答性)の低下を防止すべく、主フライホイール系慣性モ
ーメントI1の低減対策が採られており、ここでは、主
フライホイール系慣性体である主フライホイール13、
クラッチケース18及びプレッシャプレート19を共に
アルミ合金化している。なお、これら主フライホイール
系慣性体をチタン合金化して軽量化を図っても良い。処
で、上述の残留ローリングモーメントの完全消去条件は
下記のように導かれた。
【0011】通常のエンジン(ローリングモーメント消
去装置を備えたエンジン10も同様)では運転時におい
て、各気筒毎に所定クランク角毎に爆発行程が成され、
その時のクランクシャフト12は同クランクシャフト回
りの爆発モーメントP(時計方向)に応じた回転運動を
行なう。他方、本体11は爆発反力に応じたクランクシ
ャフト回りの爆発反力モーメント−P(反時計方向)を
受け、この爆発反力モーメント−Pが従来の残留ローリ
ングモーメントとしてエンジン10の回転振動となり、
これが車体側に伝わり、騒音要因となっていた。ここで
のローリングモーメント消去装置は、エンジンの残留ロ
ーリングモーメントを低減させるべく、主フライホイー
ル系慣性モーメントI1に主ギア15と副ギア16とか
ら成る逆転増速手段を介して副フライホイール系慣性モ
ーメントI2を連結した構成を採っている。
【0012】図1に示すように、副フライホイール14
と一体の副回転軸21は軸受22を介して本体11に枢
着されている。この場合、爆発行程でクランクシャフト
12は軸受20のがた分(図1中に軸受20の隙間相当
の円及びそのがた分s1を模式的に示した)下方に変位
する。これと同時に、クランクシャフト12に同クラン
クシャフト回りの爆発モーメントP(時計方向)が加わ
り、これに伴って、主フライホイール系の主ギア15の
噛み合い歯面がP(=r1×n2)のモーメント(反時
計方向)を副ギア16に伝え、副フライホイール系の副
ギア16は噛み合い歯面より押圧力n2を上向きに受け
る。なお、この時主ギア15と副ギア16の両歯面では
上向きの押圧力n2とこれと同値の下向きの反作用力n
1が釣合い、クランクシャフト12はこの反作用力n1
で下方に変位して軸受20を介し本体に下向きの押圧力
N1(下向きの反作用力n1と同値)を与えることにな
る。
【0013】次に、押圧力n2を上向きに受けた副ギア
16側の副回転軸21は軸受22のがた分(図1中に軸
受22の隙間相当の円及びそのがた分s2を模式的に示
した)だけ上方に変位すると同時に、本体11に上向き
の押圧力N2(副ギア14の噛み合い歯面が受けた押圧
力n2と同値)を加える。この結果、クランクシャフト
12と軸受22間の間隔をLrとすると、本体11には
クランクシャフト12回りのモーメントM(=Lr×N
2)(時計方向)が働く。このモーメントMはクランク
シャフト回りの爆発反力モーメント−P(反時計方向)
を打ち消すように働き、両値が一致する時、残留ローリ
ングモーメントを完全消去出来るものと見做せる。
【0014】そこで、このような図1の内燃機関のロー
リングモーメント消去装置の原理に基づく運動方程式を
後述の(1),(2),(3)式として導き、更に、ロ
ーリングモーメント消去性能特性線図(図4参照)を作
成した。
【0015】即ち、ここで、Iを本体11の慣性モーメ
ント、I1を主フライホイール系慣性モーメント、I2を
副フライホイール系慣性モーメント、φを本体11の回
転角、φ1を主フライホイール系の回転角、φ2を副フ
ライホイール系回転角、Nを軸受20,22とクランク
シャフト12及び副回転軸21でのあるいは両歯面間で
の作用反作用力、Pを燃焼や往復慣性質量により本体1
1が受けるトルク(爆発力及び爆発反力の各モーメント
に相当する)とする。なお、φの微分値をΔφ、Δφの
微分値をdΔφ/dtと記す。
【0016】 本体11の運動方程式 I×dΔφ/dt=N×(r1+r2)−P・・・・・(a) 主フライホイールの運動方程式 I1×(dΔφ1/dt)=−N×r1+P・・・・・・(b) 副フライホイールの運動方程式 I2×(dΔφ2/dt)=−N×r2・・・・・・・・(c) ギア拘束条件 (φ2−φ)/(φ1−φ)=−r1/r2・・・・・・(d) 但し、φ2≫φ、φ1≫φの場合は{φ2/φ1≒−r1/
r2・・・(d)’}を採用する。
【0017】(d)’の微分処理を2回すると(dΔφ
2/dt)=−(r1/r2)×(dΔφ1/dt)とな
り、これを(c)に代入しすると、 I2×(−(r1/r2)×(dΔφ1/dt))=−N×r2 ∴N=(r1/r22)×I2×(dΔφ1/dt)・・・・(e) (e)式を(b)式に代入しNを削除する。
【0018】 I1×(dΔφ1/dt)=−(r1/r22)×I2×(dΔφ1/dt) ×r1+P ∴ {I1+(r1/r2)2×I2}×(dΔφ1/dt)=P・・・・(f) ここでローリングモーメント消去装置無しの場合の主フ
ライホイール系の運動方程式(I1×(dΔφ1/dt)
=P)と(f)式を比較すると、図1の構成を採った場
合、その主フライホイール系の運動はみかけ上慣性モー
メントが{I1+(r1/r2)2×I2}と成っている
ことがわかる。そこで、ここでは以後、等価慣性モーメ
ントI’(=I1+(r1/r2)2×I2)、増速比ρ
(=r1/r2)と呼ぶ。
【0019】ここで、(f)式を(e)式に代入する
と、 N=(r1/r2)×I2×(ρ/(I1+ρ2×I2)) =r1×I2×P/(r22×I’)・・・・・・・(g) (g)式を(a)式に代入、 I×dΔφ/dt=r1×I2×P/(r22×I’)×(r1+r2)−P =P/(r22×I’){r1×I2×(r1+r2)−(r22×I’)} =P/(r22×I’){r1×I2×(r1+r2)−(r22×(I1+ (r1/r2)2×I2)} =P/I’×{(r1+r2)×I2−I1} =−(I1−ρ×I2)/I’×P・・・・・・(h) この式とローリングモーメント消去装置無しの場合の本
体11の運動方程式(I×dΔφ/dt=−P)とを比
較すると、ローリングモーメント消去装置を付けること
によって外力は(I1−ρ×I2)/I’倍に成っている
ことが明らかである。
【0020】即ち、エンジンの本体11が受ける残留ロ
ーリングモーメント比(回転振動量)は、 αm=(I1−ρ×I2)/(I1+ρ2×I2}・・・・・・(1) として表され、更に、本体11が受ける低速こもり音あ
るいは動力性能の判断値である等価慣性モーメントは、 I’=I1+ρ2×I2・・・・(2) として表される。更に、残留ローリングモーメント比α
mをゼロとするのは、即ち、完全バランスの条件は
(h)式がゼロの場合、即ち、下記の(3)式を満たす
ことと成る。
【0021】I1=ρ×I2・・・・・・・(3) (1),(2),(3)の各式によれば、低速こもり音
あるいは動力性能の判断値を低減、即ち改善するには、
増速比ρを大きくして副フライホイール系慣性モーメン
トI2を小さくすることと成る。あるいは、主フライホ
イール系慣性モーメントI1自体を小さくすることによ
って、(2)式の等価慣性モーメントI’の低減および
(3)式の完全消去条件の達成が共に容易となることが
判明した。
【0022】このような(1)式乃至(3)式に基づき
図1の内燃機関のローリングモーメント消去装置の原理
に基づくローリングモーメント消去性能特性線図の一例
を図4に示した。この性能特性線図上に、図1の内燃機
関のローリングモーメント消去装置の特性点をP1とし
て示した。
【0023】ここでは主フライホイール系慣性体である
主フライホイール13、クラッチケース18及びプレッ
シプレート19を共にアルミ合金化し、その慣性モーメ
ントI1を(=0.04Kgm)とし、副フライホイー
ル系慣性モーメントI2を(=0.016Kgm)と
し、増速比ρ(=2.5)とした。このため、図4より
明らかなように、残留ローリングモーメント比αmがほ
ぼゼロで、これを完全消去出来、等価慣性モーメント
I’も1.4近傍で比較的小さく、低速こもり音や動力
性能の低下を押さえることが出来、ほぼ、ローリングモ
ーメント消去性能特性を理想域aに保持出来る。なお、
図5に示すように、クランクシャフト12の慣性低減を
図るべく、ウエイト部分を破線mで示す現行形状より実
線nで示す形状に修正して主フライホイール系慣性モー
メントI1の低減を図ることが望ましく、これによっ
て、等価慣性モーメントI’をより低減することが出来
る。
【0024】図4中のローリングモーメント消去性能特
性線図上の現状点P2は、ローリングモーメント消去装
置を備えない現状のエンジンの性能特性の一例を示す。
ここで現状点P2は振動低減効果小域cにあり、主フラ
イホイール系慣性モーメントI1が現状値(=0.12
Kgm)にあり、その残留ローリングモーメント比αm
が1.0(0dB)にある。これに対して、ローリング
モーメント消去装置を備えたエンジンの各々異なる他の
一例を特性点P3,P4でそれぞれ示した。ここで特性
点P3の場合、副フライホイール系の重量寸法が大で動
力性能悪化域bにあり、主フライホイール系慣性モーメ
ントI1が現状値(=0.12Kgm)にあり、副フラ
イホイール系慣性モーメントI2が例えば、(=0.0
48Kgm)にあり、増速比がρ(=2.5)と設定さ
れた。
【0025】このP3点の特性は完全消去条件である
(3)式を満たし、残留ローリングモーメント比αmが
ほぼゼロであるが、副フライホイール系慣性モーメント
I2及び主フライホイール系慣性モーメントI1が比較的
大きく、等価慣性モーメントI’(=I1+ρ2×I2)
が4.0以上となり、極めて動力性能が低く成る。同様
に、P4点の場合も副フライホイール系の重量寸法が大
で、動力性能悪化域bにあり、主フライホイール系慣性
モーメントI1が現状値(=0.12Kgm)にあり、
副フライホイール系慣性モーメントI2が例えば、(=
0.026Kgm)にあり、増速比がρ(=4.6)と
設定された。この場合も、等価慣性モーメントI’が
2.8近傍となり、P3点よりは改善されるが十分とは
いえない。
【0026】このように、図1の内燃機関のローリング
モーメント消去装置は(3)式を満たすと共に主フライ
ホイール系慣性体である主フライホイール13、クラッ
チケース18及びプレッシプレート19を共にアルミ合
金化し、その慣性モーメントI1を(=0.04Kg
m)と低く押さえたので、残留ローリングモーメント比
αmをほぼゼロに押さえ、等価慣性モーメントI’を比
較的小さく設定出来、振動低減効果と低速こもり音を押
さえ動力性能の低下を防止出来る。図6には本発明の他
の実施例としての内燃機関のローリングモーメント消去
装置を直列4気筒エンジン(以後単にエンジンと記す)
10aに装着した図が示されている。
【0027】なお、このエンジン10aの本体11aは
概略的に見るとシリンダブロック31とその上側のシリ
ンダヘッド32と、下側のクランクケース33及びオイ
ルパン34とによって構成されている。ここでも本体1
1aは中央部長手方向にクランクシャフト12aを枢支
し、各軸受20aは長手方向に所定間隔を隔てて複数配
設され、クランクシャフト12aを本体11a内に枢着
する。シリンダブロック31の一側端側(紙面手前側)
にはクランクシャフト12aと一体にクランクプーリ3
5が、他端側には図示しない周知の流体継手のケーシン
グが一体的に取り付けられている。ここでクランクシャ
フト12aはこれら各慣性体と一体と見做され、主フラ
イホイール系慣性モーメントI1の主フライホイール系
を構成している。
【0028】更に、クランクプーリ35には両面Vリブ
ドベルト36が巻き掛けされ、これはエンジン補機類で
あるパワステポンプ37、テンショナー38及び副フラ
イホイール39を駆動するように構成されている。な
お、クランクプーリ35は2段に両面Vリブドベルト3
6,40を巻き掛けしており、他方の両面Vリブドベル
ト40は一対のカムプーリ41,42及び複数のテンシ
ョナ43等に掛け渡された構造を成す。他方、副フライ
ホイール39及びその副回転軸44はこれを収容するケ
ーシング27を介してシリンダブロック31及びクラン
クケース33の外壁面にその回転中心線L1をクランク
シャフト12と平行状にして取り付けられる。この副フ
ライホイール39及びその副回転軸44が副フライホイ
ール系慣性モーメントI 2の副フライホイール系を構成
している。
【0029】このケーシング27は図7に示すように、
概略筒状を成し、副フライホイール39の収容部271
及び逆転伝動手段としての遊星ギア列PGを収容する増
速手段収容部272とを備える。収容部271には副回
転軸44を枢支する一対の軸受45,45が装着され
る。この遊星ギア列PGは一方の軸受45より突出する
副回転軸44に一体的に取り付けられるサンギア46
と、サンギア46に噛合する複数の遊星ギア47と、こ
れら遊星ギア47に噛み合う内歯を備えたリングギア4
8とから成り、リングギア48が両面Vリブドベルト3
6を介しクランクプーリ35より受けた回転を増速比ρ
で増速し、且つ逆転させてサンギア46に伝達するよう
に構成されている。なお、ここでの増速比ρは3.6に
設定されている。なお、リングギア48はその外周側が
プーリ部49と一体結合され、プーリ部49は両面Vリ
ブドベルト36が巻き掛けされ、しかもこのプーリ部4
9の一端は増速手段収容部272の側壁に軸方向のずれ
を規制されるように枢支されている。
【0030】ここでの両面Vリブドベルト36はクラン
クプーリ35及びプーリ部49の外側にそれぞれ巻き掛
けされ、同方向に回転を伝達しており、これと逆転伝動
手段としての遊星ギア列PGとの働きで、副フライホイ
ール39は主フライホイール系に対して増速比ρで逆回
転するよう構成されている。特にここでは、クランクシ
ャフト12aとクランクプーリ35と図示しない流体継
手のケーシングとから成る主フライホイール系慣性モー
メントI1が(=0、05Kgm)とされ、副フライホ
イール39の副フライホイール系慣性モーメントI2が
(=0.014Kgm)とされ、増速比ρが(=3.
6)と設定される。 このため、(3)式は下記の要に
満足されている。
【0031】 I1=ρ×I2=3.6×0.014≒0.05・・・・・・(3) この時、残留ローリングモーメント比≒0.1(−20
dB)、等価慣性モーメントI’≒1.3となり、回転
振動の低減、低速こもり音あるいは動力性能の判断値を
低減できる理想域a内に特性点P5(図4参照)を保持
できる。
【0032】図8には本発明の他の実施例としての内燃
機関のローリングモーメント消去装置を示した。この装
置は図6のものとほぼ同様のエンジンに装着され、ここ
では、同一部材には同一符号を付し、エンジン部分の重
複説明を略す。
【0033】図8のエンジン11aのクランクプーリ3
5の両面Vリブドベルト36はエンジン補機類である副
フライホイールを成すオルタネータ50、テンショナー
51を駆動するように構成されている。ここでのクラン
クシャフト12aもクランクプーリ35と図示しない流
体継手のケーシングとで主フライホイール系慣性モーメ
ントI1の主フライホイール系を構成している。
【0034】他方、図9に示すように、オルタネータ5
0は周知のオルタネータ構成部52と同構成部のオルタ
ネータ回転軸53に一体結合される副フライホイール5
4とで構成されている。このうち、オルタネータ構成部
52の外周のケーシング55は本体11aに適宜のブラ
ケットを介して固着され、ケーシング中央の軸受56に
オルタネータ回転軸53が枢着されている。なお、オル
タネータ回転軸53の回転中心線L2もクランクシャフ
ト12aに平行状態で配設される。このオルタネータ回
転軸53は中央にオルタネータ構成部52内のロータ5
8を、その一端にオルタネータプーリ57を、他端に副
フライホイール54をそれぞれ一体的に取付ており、こ
れらが副フライホイール系慣性モーメントI2の副フラ
イホイールを構成している。
【0035】ここで、クランクプーリ35は両面Vリブ
ドベルト36の内側に配設され、オルタネータプーリ5
7は両面Vリブドベルト36の外側に配設される。この
ため両面Vリブドベルト36はクランクプーリ35の回
転を逆転させてオルタネータプーリ57に伝達する。し
かも。このクランクプーリ35の半径r3に対してオル
タネータプーリ57の半径r4は小さく設定され、両者
の比である増速比ρ(=r3/r4)がここでは(=
2.5)と設定される。このため、ここでは両面Vリブ
ドベルト36及び一対のクランクプーリ35及びオルタ
ネータプーリ57がここでの逆転増速手段を構成するこ
とと成る。特にここでは、クランクシャフト12a側の
主フライホイール系慣性モーメントI1が(=0、05
Kgm)とされ、オルタネータプーリ57側の副フライ
ホイール系慣性モーメントI2が(=0.009Kg
m)とされ、増速比ρが(=2.5)と設定された。こ
の時、残留ローリングモーメント比はαm≒0.31
(−10dB)となり、等価慣性モーメントはI’≒
1.1となり、回転振動の低減、低速こもり音あるいは
動力性能の判断値を十分低減可能な特性点P6(図4参
照)を保持できる。
【0036】なお、図8の装置を装着したエンジンの振
動特性を図10と図11に示した。ここで、4気筒のエ
ンジン10aは休筒運転(2気筒運転)され、その際に
発生するC1成分の振動を計測した。ここで、図10は
運転席のシートライザ位置を計測位置として上下振動を
計測した。図11はエンジン本体11上を計測位置とし
てローリング振動(回転振動)を計測した。両図中の実
線はローリングモーメント消去装置装着時の計測値を、
破線は非装着を示す。両図より明らかなように、ローリ
ングモーメント消去装置を備えたエンジン10aは実線
で示したように、休筒運転時(2気筒運転)において、
上下振動及びローリング振動をそれぞれ10dB程度低
減させるという効果が明らかと成っている。
【0037】上述の処において変速比ρを主に増速比と
して説明したが、場合によっては減速比を用いて良い。
この場合もローリングモーメントを打ち消す逆向きのロ
ーリングモーメントを発生出来るので、回転振動を消去
できる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明の内燃機関のロー
リングモーメント消去装置は主フライホイール系に対し
て逆転する従動フライホイール系が、I1≒ρ×I2の関
係を保持して分割配備され、主フライホイール系が内燃
機関本体に与えたローリングモーメントを打ち消す逆向
きのローリングモーメントを発生出来るようにしたの
で、内燃機関より車体に伝えられる回転振動を消去で
き、これにより車体騒音を十分に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関のローリングモーメント消去
装置の基本的な実施例の概略全体構成図である。
【図2】図1のローリングモーメント消去装置を備えた
エンジンの概略側面図である。
【図3】図1のローリングモーメント消去装置を備えた
エンジンのクランクシャフト回りの機能を概略的に説明
するための概略分解斜視図である。
【図4】図1のローリングモーメント消去装置の振動低
減特性線図である。
【図5】図1のローリングモーメント消去装置に装着可
能なクランクシャフトの要部断面図である。
【図6】本発明の他の実施例としての内燃機関のローリ
ングモーメント消去装置の概略構成図である。
【図7】図5のローリングモーメント消去装置の副フラ
イホイール系の要部切欠側面図である。
【図8】本発明の他の実施例としての内燃機関のローリ
ングモーメント消去装置の概略構成図である。
【図9】図7のローリングモーメント消去装置の副フラ
イホイール系の要部切欠即断面図である。
【図10】図7のローリングモーメント消去装置のシー
トライザ位置での上下振動特性線図である。
【図11】図7のローリングモーメント消去装置のエン
ジン本体でのローリング振動特性線図である。
【符号の説明】 10 エンジン 11 本体 12 クランクシャフト 13 主フライホイール 14 副フライホイール 15 主ギア 16 副ギア 21 副回転軸 22 軸受 35 クランクプーリ I1 主フライホイール系慣性モーメント I2 副フライホイール系慣性モーメント ρ 増速比(変速比) αm 残留ローリングモーメント I’ 等価慣性モーメント

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関のクランク軸に一体結合されて回
    転する主フライホイール系と、上記内燃機関の本体に上
    記クランク軸と平行状態で枢支されると共に主フライホ
    イール系により逆転伝動手段を介して逆回転される副フ
    ライホイール系とを有し、上記主フライホイール系の慣
    性モーメントI1と上記副フライホイール系の慣性モー
    メントI2及び逆転伝動手段の変速比ρとが次の関係、
    即ち、 I1≒ρ×I2 を保つことを特徴とする内燃機関のローリングモーメン
    ト消去装置。
JP19113892A 1992-07-17 1992-07-17 内燃機関のローリングモーメント消去装置 Pending JPH0633990A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6612279B2 (en) 2000-03-28 2003-09-02 Nissan Motor Co., Ltd. Vibration reducing system for internal combustion engine
JP2011185307A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Toyota Motor Corp ダンパ装置および車両制御装置

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JPS5134922A (ja) * 1974-09-20 1976-03-25 Bontairu Kk Kinzokukotakuojusurukeshoso no keiseihoho
JPS61153036A (ja) * 1984-12-25 1986-07-11 Nissan Motor Co Ltd 自動車のエンジン振動低減装置

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