JPH0881822A - 多糸条製糸によるポリアミド繊維の製造方法 - Google Patents

多糸条製糸によるポリアミド繊維の製造方法

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JPH0881822A
JPH0881822A JP21393794A JP21393794A JPH0881822A JP H0881822 A JPH0881822 A JP H0881822A JP 21393794 A JP21393794 A JP 21393794A JP 21393794 A JP21393794 A JP 21393794A JP H0881822 A JPH0881822 A JP H0881822A
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Daisuke Kawakami
大輔 川上
Hiroshi Takahashi
洋 高橋
Hideo Nagahara
秀夫 長原
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 それぞれに溶融紡糸され冷却固化されたポ
リアミドフィラメント糸の2糸条以上を同一引取りロー
ラ上に導き3000m/分以下の紡糸速度(V)で引取
る多糸条製糸方法において、含水系油剤の付与から引取
りに至るまでの糸条走行時間を全糸条について[0.0
07×d×(V/500)1/2 ]秒以上(但し、V、d
は、前記引取り時の紡糸速度(m/分)、フィラメント
糸の単糸繊度(デニール)である)とする。 【効果】 低速引取りでポリアミド繊維の多糸条製糸
を行う場合でも、ローラ上での糸揺れ等のトラブルを誘
発せずに安定して製糸することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多糸条製糸によるポリ
アミド繊維の製造方法の改良に関する。さらに詳しく
は、ローラ上での糸揺れ、糸たるみ、糸巻付き、糸切れ
等のトラブルが抑制され製糸安定性に優れた多糸条製糸
によるポリアミド繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融紡糸され冷却固化された繊維には、
工程安定性の向上のためにオイリングローラや給油ガイ
ドによって紡糸油剤が付与される。この紡糸油剤は、油
剤有効成分の分散媒や溶媒として水を用いた含水系油剤
と、分散媒や溶媒として有機溶剤を用いた非含水系油剤
とに大別され、繊維の性質や用途によって使い分けられ
ている。
【0003】含水系油剤は、コスト面で有利であり、安
全性が高く防災面からも有利であり、また、温度による
粘度変化が少なく製品の品質均一性が良いことなどの理
由から、ポリエステル繊維などの低吸水性ポリマの繊維
製造では広く使用されている。
【0004】ところが、ポリアミドは吸水性が高く結晶
性であるために、ポリアミド繊維の場合、水分の影響で
表層に結晶層が形成されて繊維強度が低下したり、製糸
工程中に膨潤が起こって工程通過性が著しく低下する等
の弊害が生じ易いので、水を含まない非含水系油剤が多
く使われてきた。
【0005】しかし、非含水油剤よりも含水系油剤の方
が上記したような多くの長所を有するので、ポリアミド
繊維の製糸においても含水系油剤を用いるために多大の
努力が払われてきている。
【0006】ところで、非含水系油剤から含水系油剤の
切替えとは別に生産性向上の観点から、1糸条製糸から
多糸条製糸への転換が行われてきている。
【0007】この2つの技術はポリエステルなどの非吸
水性ポリマでは完全に組合わされ、含水給油−多糸条製
糸の形で実施化されてきている。
【0008】しかしながら、吸水性ポリマであるポリア
ミドでは、その2つの技術を組合せて実施することは工
業的安定生産上の制約が大きいので、紡速3000m/
分以下では、含水給油−1糸条製糸、或いは非含水給油
−多糸条製糸の形で実施せざるを得ないと考えられてき
た。
【0009】即ち、紡速が3000m/分を越える高速
紡糸では給油時に既に配向結晶化が進んでいるために含
水系油剤を付与しても繊維内部にまで水分が拡散せず、
膨潤が起こり難く、安定した製糸が可能である。これ
は、例えば、特開昭60−104511号公報や特開平
1−30669号公報等に記載されている。この高速紡
糸方法では水分による膨潤が起こらないうちに糸は引取
りローラに到達するため、各糸条が引取りローラに達す
るまでの所要時間が異なる多糸条製糸を行っても糸条間
の糸物性差は小さく安定した製糸が可能である。
【0010】また、3000m/分以下の低速紡速にお
いて含水系油剤を給油することは、例えば特開昭62−
238814号公報等に記載されているように1糸条ず
つを引取って巻取るという1糸条製糸方法においては可
能である。
【0011】さらにまた、含水系油剤付与の他にさらに
積極的に水分を付与した後に巻取る方法が特開昭61−
186514号公報で提案されているが、この場合も1
糸条製糸方法で行われている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油剤が
付与されてから各糸条が同一の引取りローラに引取られ
るまでの所要時間が糸条毎に異なる多糸条製糸の場合
は、3000m/分以下の低速紡速で含水系油剤の給油
を行っても、ローラ上で糸揺れ、糸たるみ、糸巻付き、
糸切れ等のトラブルが誘発され安定製糸が困難であっ
た。
【0013】そこで、本発明は、上記従来技術の問題点
を解決し、3000m/分以下で低速引取りする紡糸方
法でも含水系油剤の給油によるポリアミド繊維の多糸条
製糸が安定して実施できる方法の提供を主たる目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明のポリアミド繊維の製造方法は、それぞれ
に溶融紡糸され冷却固化されたポリアミドフィラメント
糸の2糸条以上を同一引取りローラ上に導き3000m
/分以下の紡糸速度(V)で引取る多糸条製糸方法にお
いて、前記冷却固化に続いて各フィラメント糸毎に水分
を付与し、該水分付与から前記引取りに至るまでの糸条
走行時間を全糸条について[0.007×d×(V/5
00)1/2 ]秒以上(但し、V、dは、前記引取り時の
紡糸速度(m/分)、フィラメント糸の単糸繊度(デニ
ール)である)とすることを特徴とする。
【0015】以下、本発明法を詳細に説明する。
【0016】本発明における糸条(フィラメント糸)と
は通常の方法で溶融紡糸され、冷却固化されて集束され
た後、同一の糸道を通って製糸工程を通過して巻取られ
るフィラメントの集合のことを言う。同一の糸条を形成
するフィラメントは同一の口金から紡出される。異なる
糸条は異なる口金からそれぞれ溶融紡糸されて形成され
たものでもよいし、また、同一の口金から溶融紡糸され
た後に複数糸条に分けられて形成されたものでもよい。
【0017】本発明における多糸条製糸方法において製
造される糸条数は2糸条以上、好ましくは3糸条以上で
あり、少なくともその中の2糸条については、水分付着
からローラでの引取りまでの距離が異なっている。
【0018】本発明におけるポリアミドは溶融紡糸可能
であれば何でもよく、例えば、ポリヘキサメチレンアジ
パミド(ナイロン66)、ポリカプラミド(ナイロン
6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4
6)、ナイロン610、ナイロン12或いはこれらナイ
ロンを主体とする共重合体(例えば共重合単位が30%
以下のナイロン共重合体)が挙げられる。特にナイロン
6またはナイロン66が好ましい。
【0019】このポリアミドには、熱安定剤、酸化防止
剤、顔料、滑剤等の通常の繊維用添加剤が添加されてい
てもよい。
【0020】このポリアミドの重合度は、所望水準の繊
維強度を得るために硫酸相対粘度で2.5以上であるこ
とが望ましく、更に好ましくは3.0以上である。
【0021】なお、この硫酸相対粘度は、98%硫酸に
ポリマ濃度1.0g/dlとなるように溶解せしめた溶
液の25℃における相対粘度である。
【0022】本発明法はその代表例を模式的に示す図1
のようにして実施されればよい。図1において、スピン
ヘッド1の下部に取付けられた紡糸口金2から溶融紡糸
されたポリアミド紡出糸条は、加熱筒3によって徐冷さ
れ、続いて、冷却風チャンバ5によって急冷されて固化
し、オイリングローラ6によって給油され、自由回転す
るターンローラ7によって糸道変更され、続いて、共通
の引取りローラ8に導かれる。
【0023】このように、溶融紡糸後、異なる糸道を通
過して冷却固化及び給油された2糸条以上の糸条は全て
この1つの引取りローラ8を介した後に、次の工程に移
るのであり、この引取りローラ8に至るまでの各糸条の
走行時間は図1に示すように多糸条製糸の場合は自ずと
異なってくる。
【0024】溶融紡出された糸条の冷却固化は、図示し
たように徐冷及び急冷によって行うことが好ましいが、
徐冷せずに急冷する方法で行ってもよい。これら徐冷及
び急冷は通常の方法で行えばよく、糸温度がポリアミド
の融点より20℃以上低くなった時点で繊維は固化す
る。
【0025】冷却固化された各糸条は含水系油剤を給油
され、所定時間後に引取りローラ8によって引取られ
る。
【0026】本発明法を実施する際の紡糸速度は、30
00m/分以下であることが必要である。好ましくは2
000m/分以下、更に好ましくは1000m/分であ
る。この紡糸速度は引取りローラ8の回転速度によって
制御される。
【0027】本発明で多糸条を導いて引取るローラは、
紡糸速度を決定するためのローラである。ターンローラ
7のように単に糸道を変更するだけに設けられ糸条走行
速度を制御する機能をもたないローラや、糸条集束を図
るために設けられ糸条走行速度を制御する機能をもたな
いローラ(図示なし)は、本発明にいう引取りローラに
は該当しない。
【0028】引取りローラ8で引取られる糸条は、この
引取りと同時にこの引取りローラに直接巻取ってもよい
し、この引取りローラを通過した後に延伸することなく
巻取ってもよいし、また、この引取りローラに続いて延
伸及び熱処理した後に巻取ってもよい(図示なし)。
【0029】続いて延伸及び熱処理する場合には、上記
引取りローラとそれに続いて設けられた延伸ローラとの
間で延伸を行えばよく、多段延伸であってもよい。その
延伸ローラは形状、表面形態、昇温の可否を問わない。
また、熱処理は、その延伸ローラを加熱ローラとしそれ
を巻回すことによって行ってもよいし、また、他の加熱
手段を通過させることによって行ってもよい。
【0030】巻取りは、通常の巻取り装置によって行え
ばよい。
【0031】巻取られたポリアミド繊維糸条は必要に応
じて延伸や後処理をされる。
【0032】図1の場合には冷却固化に続く水分付与手
段の代表例として含水給油を採用しているが、この水分
付与は給油とは別に行われてもよい。要は、何らかの手
段によって冷却固化に続いて水分付与が行われることが
重要である。
【0033】例えば、40℃以上の飽和水蒸気、水を液
状粒子として含むエアロゾル、または、5%以上好まし
くは10%以上の水分を含む液体を繊維に付着する方法
が挙げられる。その付与手段としては、例えば、加熱水
蒸気の付与、ノズルを使ったミスト付与、オイリングロ
ーラや給油ノズルによる液体の直接付着などが挙げられ
る。なお、糸条が走行する通常の雰囲気中に含まれる水
分が走行中の繊維に付着する程度は本発明にいう水分付
与に該当しない。
【0034】以上のように水分付与方法は多く挙げられ
るが、装置の単純さや均一付着の観点から、油剤濃度5
%以上25%以下の含水系油剤をオイリングローラ或い
は給油ガイドによって給油する方法が好ましい。
【0035】この水分付与によって付与される水分の量
は、繊維に対して0.5重量%以上であることが好まし
く、特に0.5〜10.0重量%が好ましい。この水分
付与量が少な過ぎると本発明の所期の目的を十分に達成
することが難しい。逆に多過ぎるとローラ周囲の汚染が
増大するので好ましくない。
【0036】本発明法においては、全ての糸条が、水分
付与から[0.007×d×(V/500)1/2 ]秒以
上(但し、V、dは、前記引取り時の紡糸速度(m/
分)、フィラメント糸の単糸繊度(デニール)である)
経過後に、引取りローラ8で引取れることが重要であ
る。
【0037】即ち、この引取りまでの時間Tは、水分付
与から引取りローラに到達するまでの時間が最も短い糸
条(図1においては紡糸装置Dから溶融紡糸された糸条
が該当する)について制御すればよい。
【0038】なお、上記式において用いる単糸繊度d
は、引取りローラ8に引取られる時点の糸条における単
糸繊度(デニール)の値であればよい。
【0039】本発明において、水分付与から引取りロー
ラ8に到達するまでの時間Tは、全糸条について、
[0.007×d×(V/500)1/2 ]秒以上である
ことが必要であり、好ましくは[0.010×d×(V
/500)1/2 ]秒以上がよい。この条件を満足する
と、どの糸条も引取りローラ到達までに糸内部まで水分
が浸透し膨潤が終了するため引取り速度を3000m/
分以下でも安定した製糸性を得ることができる。
【0040】これに対し、[0.007×d×(V/5
00)1/2 ]秒未満の糸条は、繊維内部に十分水分が拡
散する前にローラで引取られることになるので、上記時
間を満足しない糸条が存在する多糸条製糸方法では、同
時に引取られる多糸条において糸条による膨潤程度の異
なりが生じ、これに起因する糸揺れ、ローラへの糸巻付
きな、糸たるみ、糸切れ等のトラブルが誘発され製糸安
定性が低下する。
【0041】以上、油剤付与という形での水分の付与例
を挙げたが、含水給油によりポリアミド繊維を多糸条製
糸する場合の製糸の困難さは、本質的に糸内部への水の
拡散とそれに伴う糸の膨潤が原因である。
【0042】従って、本発明法は、冷却固化後、引取り
ローラ前に含水油剤を付与する場合だけでなく、水分付
与や給油を2段以上に分けて行う場合にも適用でき、そ
の場合は、最初に実質的な水分付与が行われる時点を本
発明にいう水分付与とすればよい。
【0043】これに対し、3000m/分以上の紡糸速
度で多糸条製糸を行う従来の方法では、糸の配向結晶化
が早く進行して糸内部への水分の拡散が抑制されて膨潤
が生じ難く、そのため引取りローラに達した時の糸条間
の膨潤差は小さく、製糸性が悪影響を受けることは殆ど
ない。
【0044】また、紡糸速度3000m/分以下でも各
糸条毎に異なる引取りローラで引取り、その後に巻取っ
たり同一装置で延伸したりする多糸条製糸方法の場合
は、引取りローラに至るまでの距離を各糸条ともに同じ
にすることが容易に行えるから本発明法を適用する必要
はない。
【0045】本発明法で製糸されるポリアミド繊維の単
糸繊度は特に限定されないが、糸の太さ斑等を防ぐため
には2d以上が好ましく3d以上が更に好ましく、また
糸の内部に水を拡散させることにより十分な膨潤を生じ
させるためには30d以下が好ましく更に好ましくは2
5d以下である。
【0046】また、その糸条繊度は10〜2000D程
度であればよい。
【0047】本発明法は、高粘度ポリマを用いて高強度
ポリアミド繊維を製造する産業用ポリアミド繊維の製造
方法に好適である。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0049】なお、製糸安定性は、引取りローラ上にお
ける糸揺れの程度によって、糸揺れ5mm未満を良好、
5〜7mmをやや不良、7mmを越える場合を不良とし
て評価した。
【0050】[実施例1]ナイロン6ポリマ(硫酸相対
粘度3.0)を図1に示すような4糸条の多糸条製糸方
法によって延伸することなくナイロン6繊維糸条を製造
した。その時の製造条件は以下の如くである。
【0051】ポリマ吐出条件は、4つの口金からのポリ
マ全吐出量が300g/分、紡糸口金孔径が0.23m
mφ、口金1個の孔数が156個、紡糸温度(スピンヘ
ッド温度)が300℃とした。吐出された紡出糸条は徐
冷の後、冷却風温度が20℃、風速が0.75m/秒の
冷却風によって急冷した。オイリングローラで付与した
油剤は水分率が80%の含水油剤であり、この含水油剤
付与による水分付着量は1.8重量%、油分付着量は
0.4重量%、紡糸速度(引取りローラ8の周速)は6
20m/分とした。このとき引取られた糸の単糸繊度d
は6.98デニールであった。4糸条のうちオイリング
ローラ6から引取りローラ8までの糸条走行時間は、図
1の口金Aから吐出された糸条で0.1190秒(最
長)、口金Dから吐出された糸条で0.0941秒(最
短)であった。
【0052】この多糸条製糸を72時間継続したが、そ
の間にローラ上での糸たるみ、糸巻付き、糸切れ等のト
ラブルは殆ど発生せず、糸揺れも小さく製糸安定性は良
好であった。
【0053】[比較例1]実施例1の多糸条製糸装置に
おいて引取りローラ8の位置を変更することによってオ
イリングローラから引取りローラに至るまでの距離を変
更することによって実施例1と同様の製糸を行った。
【0054】その結果、ローラ上での糸たるみ、糸巻付
き、糸切れ等のトラブル発生頻度がやや多く、また、糸
揺れもやや大きく製糸安定性はやや劣っていた。
【0055】[比較例2]実施例1の多糸条製糸方法に
おいてポリマ吐出量を600g、単糸繊度d(デニー
ル)を13.96dと変更して実施例1と同様の製糸を
行った。
【0056】その結果、ローラ上での糸たるみ、糸巻付
き、糸切れ等のトラブル発生が目立ち糸揺れも大きく製
糸安定性は不良であった。
【0057】[実施例2]実施例1の多糸条製糸方法に
おいてポリマ全吐出量を600g/分、含水油剤付与に
よる水分付着量を1.8重量%、油分付着量を0.4重
量%、紡糸速度を2000m/分、単糸繊度を4.32
デニールとし、オイリングローラ6から引取りローラ8
までの糸条走行時間を、図1の口金Aから吐出された糸
条で0.1083秒(最長)、口金Dから吐出された糸
条で0.1005秒(最短)と変更して、実施例1と同
様の製糸を行った。
【0058】ローラ上での糸たるみ、糸巻付き、糸切れ
等のトラブルは殆ど発生せず、糸揺れも小さく製糸安定
性は良好であった。
【0059】[比較例3]実施例2の多糸条製糸装置に
おいて引取りローラ8の位置を変更することによってオ
イリングローラから引取りローラに至るまでの距離を変
更することによって実施例2と同様の製糸を行った。
【0060】その結果、ローラ上での糸たるみ、糸巻付
き、糸切れ等のトラブル発生が目立ち糸揺れも大きく製
糸安定性は不良であった。
【0061】[比較例4]実施例2の多糸条製糸方法に
おいてポリマ吐出量を1000g、単糸繊度d(デニー
ル)を7.21dと変更して実施例2と同様の製糸を行
った。
【0062】その結果、ローラ上での糸たるみ、糸巻付
き、糸切れ等のトラブルがやや多く糸揺れもやや大きく
製糸安定性はやや不良であった。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示されるように、水分付与から前記
引取りに至るまでの糸条走行時間を全糸条について所定
時間以上とすることによって、製糸安定性が向上するこ
とがわかる。
【0065】
【発明の効果】本発明法によると、紡糸速度3000m
/分以下の低速引取りでポリアミド繊維の多糸条製糸を
行う場合でも、ローラ上での糸揺れ、糸たるみ、糸巻付
き、糸切れ等のトラブルを誘発することなく安定して製
糸することができ、毛羽の発生や太さ斑が少なく品質均
一性の優れたポリアミド繊維製品を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法を実施する際の紡糸工程の一例を模式
的に示す工程概略図である。
【符号の説明】 1:スピンヘッド、 2:紡糸口金、 3:加熱筒、
4:紡糸フィラメント糸、 5:冷却風チャンバ、
6:オイリングローラ、 7:ターンローラ、 8:引
取りローラ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれに溶融紡糸され冷却固化され
    たポリアミドフィラメント糸の2糸条以上を同一引取り
    ローラ上に導き3000m/分以下の紡糸速度(V)で
    引取る多糸条製糸方法において、前記冷却固化に続いて
    各フィラメント糸毎に水分を付与し、該水分付与から前
    記引取りに至るまでの糸条走行時間を全糸条について
    [0.007×d×(V/500)1/2 ]秒以上(但
    し、V、dは、前記引取り時の紡糸速度(m/分)、フ
    ィラメント糸の単糸繊度(デニール)である)とするこ
    とを特徴とする多糸条製糸によるポリアミド繊維の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記引取りと同時に又は前記引取りに
    続いて巻取ることを特徴とする請求項1記載の多糸条製
    糸によるポリアミド繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記引取りに続いて延伸及び熱処理を
    行った後に巻取ることを特徴とする請求項1記載の多糸
    条製糸によるポリアミド繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記各フィラメント糸への水分付与
    を、油剤濃度5〜25%の含水系油剤の付与により行う
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の多糸条製糸
    によるポリアミド繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記水分付与時に付与される水分の量
    が繊維に対して0.5重量%以上であることを特徴とす
    る請求項1、2、3又は4記載の多糸条製糸によるポリ
    アミド繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記水分付与から引取りローラーに至
    るまでの糸条走行時間を全糸条について[0.010×
    d×(V/500)1/2 ]秒以上とすることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4又は5記載の多糸条製糸による
    ポリアミド繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記紡糸速度(V)が2000m/分
    以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5
    又は6記載の多糸条製糸によるポリアミド繊維の製造方
    法。
JP21393794A 1994-09-07 1994-09-07 多糸条製糸によるポリアミド繊維の製造方法 Pending JPH0881822A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019034488A1 (de) * 2017-08-16 2019-02-21 Oerlikon Textile Gmbh & Co. Kg Verfahren und vorrichtung zur herstellung eines multifilen vollverstreckten fadens aus einer polyamidschmelze
US11807959B2 (en) * 2018-02-26 2023-11-07 Toray Industries, Inc. Polyamide-610 multifilament

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