JPH0892357A - 変性ノルボルネン系樹脂の製造方法 - Google Patents

変性ノルボルネン系樹脂の製造方法

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JPH0892357A
JPH0892357A JP25754294A JP25754294A JPH0892357A JP H0892357 A JPH0892357 A JP H0892357A JP 25754294 A JP25754294 A JP 25754294A JP 25754294 A JP25754294 A JP 25754294A JP H0892357 A JPH0892357 A JP H0892357A
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polymer
resin
norbornene
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JP25754294A
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English (en)
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Teruhiko Suzuki
輝彦 鈴木
Kazuyo Ishimaru
一世 石丸
Yasuo Tsunokai
靖男 角替
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも末端のひとつにビニル基を有する
高分子モノマー(例えば、n−ブチルリチウムのような
アルキルリチウム触媒を用いてリビングアニオン重合し
たポリスチレンにアリルクロリドなどを反応させて末端
にビニル基を導入したもの)の存在下に、ノルボルネン
系モノマー(例えば、6−メチル−1,4:4,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレンなど)をメタセシス重合触媒を用いて
開環重合させ、ポリスチレンブロックとノルボルネン系
開環重合体ブロックから成るブロック共重合体を含有す
る重合体の混合物である樹脂を得る。必要に応じてさら
に水素添加する。 【効果】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂の特性を有しつ
つ、ブロック共重合した重合体の特性を有する樹脂が得
られる。例えば、ポリスチレンとブロック共重合し、芳
香族環構造を残したまま、主鎖の二重結合が飽和するよ
うに水素添加することにより、耐熱劣化性などに優れ、
屈折率の大きな透明材料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な変性ノルボルネ
ン系樹脂およびその水素添加物の製造方法に関し、さら
に詳しくは、異種重合体ブロックとノルボルネン系開環
重合体ブロックから成る変性ノルボルネン系樹脂及びそ
の水素添加物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノルボルネン系開環重合体やその水素添
加物は、耐熱性、透明性、低吸湿性、低吸水性、耐薬品
性、耐湿性、耐水性、透明性、低複屈折性の樹脂として
光学材料、医療材料、電気絶縁材料、自動車部品材料な
どとして広く用いられている。特に、ノルボルネン系開
環重合体やその水素添加物は、他の透明な熱可塑性樹脂
と比較しても低複屈折性に優れており、光学材料として
注目を浴びている。
【0003】しかし、技術の進歩に従い、使用目的によ
っては、ノルボルネン系開環重合体やその水素添加物に
様々な性質を導入することが求められるようになってき
た。例えば、ノルボルネン系開環重合体やその水素添加
物は屈折率が大きいという特性を有していたがが、光学
部品を薄くするため、より高屈折率のものが求められる
ようになっている。従来、ポリマー構造中に芳香族環構
造を導入すると屈折率が高くなることが示唆されている
(例えば、特開昭61−42602号公報など)。そこ
で、ノルボルネン系ポリマーにおいても、樹脂構造中に
多くの芳香族環構造を導入することが考えられる。しか
し、ノルボルネン系モノマーとメタセシス共重合できる
モノマーは限られている。例えば、スチレンをコモノマ
ーとしてノルボルネン系モノマーとメタセシス共重合し
ても、ノルボルネン系開環重合体の末端に導入されるだ
けであり、導入量が小さいため、高屈折率の重合体やそ
の水素添加物は得られなかった。
【0004】また、他の方法として、ノルボルネン系モ
ノマーをスチレン・ブタジエンゴムやスチレン・ブタジ
エン・スチレン・ブロック共重合体のの存在下で開環重
合させたグラフト共重合体を水素添加させる方法が知ら
れている(例えば、特開平3−54220号公報な
ど)。しかし、この方法では、開環重合時にグラフト化
反応率が低いために目的とする改質効果が得られにく
く、また得られた重合体は一般に分子量分布(Mw/M
n)が大きいために成形性が悪いという問題があり、ノ
ルボルネン系重合体に他の特性を導入するという目的に
は適するものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ノルボ
ルネン系開環重合体に異種重合体を導入する方法につい
て鋭意研究の結果、改質目的に適した重合体の末端部分
にエチレン性不飽和結合を導入し、それを高分子モノマ
ーとしてノルボルネン系モノマーとメタセシス共重合さ
せることにより、ノルボルネン系開環重合体ブロックと
異種重合体ブロックを有するブロック共重合体が効率的
によく得られること、また、成形性がよいことを見い出
し、本発明を完成させるに到った。
【0006】
【課題を解決する手段】かくして、本発明によれば、主
鎖の少なくともひとつの末端部分にエチレン性不飽和結
合を有する高分子モノマーの存在下にノルボルネン系モ
ノマーをメタセシス触媒により開環重合することを特徴
とする変性ノルボルネン系樹脂の製造方法、及び該変性
ノルボルネン系樹脂を水素添加することを特徴とする水
素添加変性ノルボルネン系樹脂の製造方法が提供され
る。
【0007】(Aブロックの異種重合体)本発明におい
ては、まず、ブロック共重合体のAブロックとなる異種
重合体を重合する。
【0008】異種重合体を得るのに用いられるモノマー
は特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1
−ブテン、イソブテンなどのモノオレフィン類; スチ
レン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニ
ルナフタレンなどのスチレン類; などが例示される。
これらのモノマーは、アルキル基をはじめ、ハロゲン、
シアノ基、シリル基などの極性基で置換されたものであ
ってもよい。しかし、カルボキシル基や水酸基は、後述
のメタセシス開環重合反応を阻害する可能性があるの
で、このような置換基を含まないモノマーを用いないこ
とが好ましい。
【0009】本発明の目的を害さない範囲で、ブタジエ
ン、イソプレンなどのジオレフィン類; クロロプレン
などのジオレフィン類の極性置換体; などの共役ジエ
ンのような他のモノマーを併用してもよい。しかし、共
役ジエンを用いると側鎖にビニル基が導入されることが
あり、後の開環重合工程でこのビニル基グラフト重合
し、樹脂の粘度が高くなり、成形性が悪くなることがあ
る。そのため、本発明に用いるAブロックはビニル基を
有する繰り返し構造単位の含有量を好ましくは15重量
%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好まし
くは5重量%以下、特に好ましくは0重量%にする。
【0010】これらのモノマーを重合して異種重合体を
得る方法は特に限定されず、通常の炭化水素系重合体の
製造方法、例えば、溶液重合、乳化重合、塊状重合など
のラジカル重合法; 有機アルカリ金属化合物などを触
媒として用いたアニオン重合法; BF3、AlCl3
TiCl4などを触媒として用いたカチオン重合法;な
どが例示される。これらの中でも、異種重合体を高分子
モノマーとするために末端にビニル基を導入しやすい方
法が好ましく、具体的にはカチオン重合法の一種である
リビングアニオン重合法が好ましい。
【0011】リビングアニオン重合法に用いられる溶媒
は、異種重合体を溶解し、モノマーの重合反応を阻害す
る溶媒でない限り特に限定されず、メタセシス開環重合
を阻害しない溶媒が好ましい。そのような溶媒として
は、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シ
クロヘキサンなどの脂肪族炭化水素; ベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素; メチレンジク
ロリド、ジクロルエタン、ジクロルスチレン、テトラク
ロルエタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの
ハロゲン化炭化水素; ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフランなどのエーテル類; などが挙げられる。溶媒
の使用量は、モノマー100重量部に対して、100重
量部以上、好ましくは150重量部以上、より好ましく
は200重量部以上、2,000重量部以下、好ましく
は1,500重量部以下、より好ましくは1,000重
量部以下の範囲である。
【0012】アルキルリチウム触媒としては、n−ブチ
ルリチウム、sec−ブチルリチウムなど1価のアルキ
ルリチウム; ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタ
ン、1,6−ジリチオヘキサンなどの2価のアルキルリ
チウム; が例示される。アルキルリチウム触媒の価数
によって、得られる異種重合体のリビングカルボアニオ
ンを有する末端の数が異なる。
【0013】アルキルリチウムを触媒として用いる場
合、触媒量は、アルキルリチウムの種類、モノマー、目
的とする異種重合体の重量平均分子量に応じて決められ
る。例えば、n−ブチルリチウムを用いて重量平均分子
量約200,000のポリスチレンを合成する場合は、
通常、モノマー1kgに対して約5ミリモル用いる。触
媒量を増やすと重量平均分子量は小さくなり、触媒量を
減らすと重量平均分子量は大きくなる。
【0014】本発明において、異種重合体はゲル・パー
ミエーション・クロマトグラフィによるポリスチレン換
算値で重量平均分子量が1,000以上、好ましくは
2,000以上、特に好ましくは5,000以上、50
0,000以下、好ましくは400,000以下、より
好ましくは300,000以下の範囲のものである。分
子量が小さすぎると耐衝撃性が低く、大きすぎると溶液
粘度が高くなりBブロックとの結合などが困難になり、
生産性が悪くなる。
【0015】(高分子モノマー)本発明において用いる
高分子モノマーは、上記の異種重合体の少なくともひと
つの末端部分にエチレン性不飽和結合を導入したもので
ある。導入方法は特に限定されない。例えば、異種重合
体がラジカル重合やメタセシス重合したものであれば、
連鎖移動によって末端に二重結合を導入することも可能
である。導入が容易で、分子量の制御が容易な点から、
ブチルリチウムなどのアルキルリチウム触媒を用いたリ
ビングアニオン重合法で重合した異種重合体に、その末
端に存在するリビングカルボアニオンと反応する官能基
とエチレン性不飽和結合を有する有機化合物を反応させ
る方法が好ましい。
【0016】この好ましい反応に用いるリビングカルボ
アニオンと反応する官能基と炭素=炭素二重結合を有す
る有機化合物としては、アリルクロリド、アリルブロミ
ド、ビニルクロリド、ビニルブロミド、4−クロロ−1
−ブテン、5−ブロモ−1−ペンテンなど、一般式1
【化1】 (式中、R1〜R5は水素または炭化水素基、好ましくは
水素または炭素数1〜4の炭化水素基、より好ましくは
水素または炭素数1〜2の炭化水素基、特に好ましくは
水素、Xはハロゲン、nは0以上の整数、好ましくは0
〜2の整数、特に好ましくは1を表す。)で表される有
機化合物が例示される。通常、重合反応液にこれらの有
機化合物を添加することで、容易に反応する。
【0017】この有機化合物の添加量はリビングカルボ
アニオン量、通常は用いたアルキルリチウム触媒のモル
数とアルキルリチウム触媒1分子中のリチウム数の積
(モル数)に対して、1.0倍以上、好ましくは1.1
倍以上、より好ましくは1.2倍以上、20倍以下、好
ましくは10倍以下、より好ましくは5倍以下である。
この有機化合物の添加量が少なすぎると、反応に時間が
かかったり、エチレン性不飽和結合が導入されない異種
重合体が多くなり、この有機化合物の添加量が多すぎる
と、無駄になるほか除去が困難になる。用いた異種重合
体量に対する合成される高分子モノマー量の割合(以
下、エチレン性不飽和結合導入率という)は60%以
上、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上
である。エチレン性不飽和結合導入前と導入後では、重
量平均分子量や溶媒への溶解性などは実質的に変化しな
い。そのため、高分子モノマーからエチレン性不飽和結
合が導入されなかった異種重合体を分離するのは困難で
あるが、導入されなかった異種重合体はメタセシス重合
にほとんど影響しないので、本発明においては、通常、
両者が混合されたままのものの存在下に、好ましくは合
成後の高分子モノマー合成反応液を含有する反応系で、
ノルボルネン系モノマーをメタセシス重合する。
【0018】なお、多価のアルキルリチウムを用いて重
合した異種重合体は、その価数に応じた末端を有し、そ
れぞれの末端にエチレン性不飽和結合が導入されうる。
本発明の製造方法によれば、後述のように、高分子モノ
マーのエチレン性不飽和結合を有する末端部分の数によ
り、得られるブロック共重合体の型が異なることがある
ので、必要があれば、目的に応じた高分子モノマーを使
用するようにする。
【0019】(Bブロック)本発明のブロック共重合体
のBブロックはノルボルネン系モノマーを開環重合した
ブロックである。本願においては、前記の高分子モノマ
ーの存在下でノルボルネン系モノマーを開環重合してB
ブロックを合成する。
【0020】ノルボルネン系モノマーは、特開昭51−
80400号公報、特開昭60−26024号公報、特
開平1−168725号公報、特開平1−190726
号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−12
2137号公報、特開平4−63807号公報、特開平
2−227424号公報、特開平2−276842号公
報などで公知のモノマーであって、例えば、ノルボルネ
ン、そのアルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体お
よびこれら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、
水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド
基、イミド基、シリル基等の極性基置換体、例えば、2
−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,
5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノ
ルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−
2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5
−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネ
ン、5−ヘキシル−2−ノルボエルネン、5−オクチル
−2−ノルボルネン、5−オクタデシル−2−ノルボル
ネン等; ノルボルネンに一つ以上のシクロペンタジエ
ンが付加したモノマー、その前記と同様の誘導体や置換
体、例えば、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−2,3−シクロペンタジエノ
オクタヒドロナフタレン、6−メチル−1,4:5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、1,4:5,10:6,9−ト
リメタノ−1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,
9a,10,10a−ドデカヒドロー2,3−シクロペ
ンタジエノアントラセン等; シクロペンタジエンのデ
ィールス−アルダー反応により多量化した多環構造のモ
ノマー、その前記と同様の誘導体や置換体、例えば、ジ
シクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタ
ジエン等; シクロペンタジエンとテトラヒドロインデ
ン等との付加物、その前記と同様の誘導体や置換体、例
えば、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,
8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ
−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ
−2,3−シクロペンタジエノナフタレン等; 等が挙
げられる。
【0021】また、ノルボルネン系モノマーの開環重合
にあたっては、本発明の効果を阻害しない範囲で、ノル
ボルネン系モノマーとメタセシス共重合可能なモノマ
ー、例えば、シクロブテン、1−メチルシクロペンテ
ン、3−メチルシクロブテン、3,4−ジイソプロペニ
ルシクロブテン、シクロペンテン、3−メチルシクロペ
ンテン、シクロオクテン、1−メチルシクロオクテン、
5−メチルシクロオクテン、シクロオクタテトラエン、
1,5−シクロオクタジン、シクロドデセンなどの単環
シクロオレフィン; アセチレンや、プロピン、1−ブ
テンなどの置換アセチレンであるアセチレン類; 1,
6−ヘプタジエンなどの両端部分に二重結合を持つジエ
ン類; などをノルボルネン系モノマーと併用してもよ
い。耐熱性、透明性、成形性、耐衝撃性を損なわないた
めには、Bブロックを構成する繰り返し構造単位の30
%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%
以上がノルボルネン系モノマーが開環した繰り返し構造
単位となるようにする。
【0022】これらのモノマーはメタセシス重合触媒を
用いて開環重合される。メタセシス重合触媒は、例え
ば、特公称41−20111号公報、特開昭46−14
910号公報、特公昭57−17883号公報、特公昭
57−61044号公報、特開昭54−86600号公
報、特開昭58−127728号公報、特開平1−24
0517号公報などで公知のものであり、本質的に
(a)遷移金属化合物触媒成分と(b)金属化合物助触
媒成分から成る。
【0023】メタセシス重合触媒に用いる(a)遷移金
属化合物触媒成分は、デミングの周期律表IVB、V
B、VIB、VIIB、またはVIII族の遷移金属の
化合物であり、これらの遷移金属のハロゲン化物、オキ
シハロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシ
ド、カルボン酸塩、(オキシ)アセチルアセトネート、
カルボニル錯体、アセトニトリル錯体、ヒドリド錯体、
これらの誘導体、これらまたはこれらの誘導体のP(C
565などの錯化剤による錯化物が挙げられる。具体
的には、TiCl4、TiBr4、VOBr3、WBr4
WBr6、WCl2 、WCl4、WCl5、WCl6、W
4、WI2、WOCl4、MoBr2、MoBr3、Mo
Br4、MoCl4、MoCl4、MoF4、MoOC
4、WO2、H2WO4、NaWO4、K2WO4、(H
42WO4、CaWO4、CuWO4、MgWO4、(C
O)5WC(OC25)(CH3)、(CO)5WC(O
25)(C45)、トリデシルアンモニウムモリブデ
ン酸塩、トリデシルアンモニウムタングステン酸塩など
が例示される。実用上、重合活性などの点から、W、M
o、Ti、またはVの化合物が好ましく、特にこれらの
ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、またはアルコキシ
ハロゲン化物が好ましい。
【0024】メタセシス重合触媒に用いる(b)金属化
合物助触媒成分は、デミングの周期律表第IA、II
A、IIB、IIIA、またはIVA族金属の化合物で
少なくとも一つの金属元素−炭素結合、または金属元素
−水素結合を有するものであり、例えば、Al、Sn、
Li、Na、Mg、Zn、Cd、Bなどの有機化合物な
どが挙げられる。具体的には、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアル
ミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジエチ
ルアルミニウムモノクロリド、ジ−n−プロピルアルミ
ニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムモノブロミ
ド、ジエチルアルミニウムモノイオジド、ジエチルアル
ミニウムモノヒドリド、ジ−n−プロピルアルミニウム
モノヒドリド、ジイソブチルアルミニウムモノヒドリ
ド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド
などの有機アルミニウム化合物;テトラメチルスズ、ジ
エチルジメチルスズ、テトラエチルスズ、ジブチルジエ
チルスズ、テトラブチルスズなどの有機スズ化合物;
n−ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物; n−
ペンチルナトリウムなどの有機ナトリウム化合物; メ
チルマグネシウムイオジド、エチルマグネシウムブロミ
ド、t−ブチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシ
ウムクロリドなどの有機マグネシウム化合物; ジエチ
ル亜鉛などの有機亜鉛化合物; ジエチルカドミウムな
どの有機カドミウム化合物; トリメチルホウ素などの
有機ホウ素化合物; などが挙げられる。
【0025】(a)成分、(b)成分のほかに第三成分
を加えて、メタセシス重合活性を高めることができる。
そのような第三成分としては、脂肪族第三級アミン、芳
香族第三級アミン、分子状酸素、アルコール、エーテ
ル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エ
ステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハロ
ゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などが挙
げられる。その中でも、脂肪族または芳香族第三級アミ
ンが好ましく、その具体例としては、トリエチルアミ
ン、ジメチルアニリン、トリ−n−ブチルアミン、ピリ
ジン、α−ピコリンなど挙げられる。また、アルコール
など、OH基を含有する化合物は、化学量論量を超えて
加えると、メタセシス重合活性を阻害する不活性化剤と
して機能するので、化学量論量以下加えるようにする必
要がある。なお、ここでいう化学量論量とは、(a)成
分のモル数と(a)成分に含有されている遷移金属の酸
化数の積をOH基を含有する化学物の一分子当りのOH
基の数で除した数値で表されるモル数をいう。
【0026】これらの成分の量的関係は(a)成分の金
属元素1モルに対して(b)成分の金属元素1モル以
上、好ましくは2モル以上、100モル以下、好ましく
は50モル以下、また通常(a)成分1モルに対して第
三成分が0.005モル以上、好ましくは0.05モル
以上、10モル以下、好ましくは3モル以下の範囲で用
いられる。(a)成分に対して(b)成分が少なすぎる
と(a)成分の量に対して十分な活性が得られず、多す
ぎると過剰な(b)成分の除去が困難になったり、コス
トが高くなる。(a)成分に対して第三成分が少なすぎ
ると第三成分添加の効果が小さく、多すぎると過剰な第
三成分の除去が困難になったり、コストが高くなる。
【0027】メタセシス重合は、通常、不活性有機溶媒
中で行う。用いる溶媒は特に限定されない。ブロック共
重合体を効率よく得るためには、第一段階として、Aブ
ロックを構成する異種重合体の重合を前述の好ましい溶
媒中で行い、第二段階として、第一段階の重合後の重合
反応液にエチレン性不飽和結合導入に用いる有機化合物
を添加して反応させて高分子モノマーを合成し、さらに
第三段階として、第二段階の合成後の高分子モノマー合
成反応液を必要に応じて濃度を調節して高分子モノマー
を適切な量にした上で、ノルボルネン系モノマーとメタ
セシス重合触媒を該反応液に加えて行うことが好まし
い。
【0028】ノルボルネン系モノマーは溶媒100重量
部に対し、3重量部以上、好ましくは5重量部以上、よ
り好ましくは10重量部以上、50重量部以下、好まし
くは40重量部以下、より好ましくは35重量部以下の
範囲で、メタセシス重合触媒は(a)成分をノルボルネ
ン系モノマー100モルに対し、0.001モル以上、
好ましくは0.005モル以上、より好ましくは0.0
1モル以上、10モル以下、好ましくは5モル以下、よ
り好ましくは2モル以下の範囲で添加する。
【0029】なお、開環重合に用いる高分子モノマーの
量は、高分子モノマーの分子量、重合活性、開環重合条
件などを考慮した上で、目的とする変性ノルボルネン系
樹脂に応じて決める必要がある。通常、高分子モノマー
を、開環重合後の固形分(後述の各種重合体の混合物で
ある本発明の変性ノルボルネン系樹脂)に対して、0.
001重量%部以上、好ましくは0.1重量%以上、よ
り好ましくは1重量%以上、50重量%以下、好ましく
は40重量%以下、より好ましくは30重量%以下にな
るようにする。高分子モノマー合成反応液を用いる場合
は、モノマーが上記の範囲になるようにすればよい。高
分子モノマーが多すぎると、変性ノルボルネン系樹脂の
ノルボルネン系樹脂としての特性が損なわれ、少なすぎ
ると異種重合体の特性が十分に導入されない。
【0030】(ブロック共重合体)前記高分子モノマー
の存在下でノルボルネン系モノマーのメタセシス重合を
行うと、高分子モノマーが連鎖移動剤として機能するた
め、末端に高分子モノマーが結合したノルボルネン開環
重合体、すなわち異種重合体ブロックとノルボルネン系
開環重合体ブロックを有するブロック共重合体が得られ
る。高分子モノマーが末端部分の一つにのみエチレン性
不飽和結合を有している場合、主としてAB型のブロッ
ク共重合体が得られる。また、高分子モノマーが直鎖状
であり、両末端部分にエチレン性不飽和結合を有してい
る場合、やはり主としてAB型のブロック共重合体が得
られるが、BAB型、ABA型のような他の構造をとる
こともある。また、高分子モノマーが末端部分以外にも
エチレン性不飽和結合を有する場合には、Aブロックの
側鎖にBブロックが形成されたブロック共重合体が得ら
れるが、末端部分のエチレン性不飽和結合に比べると反
応性が低いため、末端部分以外のエチレン性不飽和結合
の数が多すぎない限り、そのようなブロック共重合体は
実質的に問題となる量とならないと考えられる。
【0031】ブロック共重合体を含有する変性ノルボル
ネン系樹脂を回収するには多量の貧溶媒中に溶液を注ぎ
こみ、析出させて、溶媒を濾過して除去すればよい。用
いる貧溶媒としては、メタノール、イソプロパノール、
アセトンなどが例示される。この回収した変性ノルボル
ネン系樹脂は、通常、前述のようなブロック共重合体の
ほかに、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、高分子
モノマーである末端にのみビニル結合を有する異種重合
体、末端にビニル結合が導入できなかった異種重合体な
どの混合物である。
【0032】本発明の製造方法で得られた変性ノルボル
ネン系樹脂は、混合物のままで、ゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィで測定したポリスチレン換算値で
重量平均分子量で10,000以上、好ましくは15,
000以上、より好ましくは20,000以上、50
0,000以下、好ましくは400,000以下、より
好ましくは300,000以下、数平均分子量で8,0
00以上、好ましくは10,000以上、より好ましく
は15,000以上、300,000以下、好ましくは
250,000以下、より好ましくは150,000以
下、分子量分布が4.0以下、好ましくは3.5以下、
より好ましくは3.0以下のものである。分子量が小さ
すぎると機械的強度が不足し、大きすぎると射出成形な
どでの成形性が悪くなる。また、分子量分布も大きすぎ
ると、成形性が悪くなる。
【0033】また、ブロック共重合体中、Aブロックは
好ましくは1重量%以上、より好ましくは10重量%以
上、特に好ましくは30重量%以上、70重量%以下、
好ましくは65重量%以下、より好ましくは60重量%
以下になるようにする。
【0034】ブロック共重合体を分離するには、各ブロ
ックを構成している重合体の溶媒への溶解性に応じて、
Aブロックの異種重合体の良溶媒でBブロックの開環重
合体の貧溶媒である溶媒と、Aブロックの異種重合体の
貧溶媒でBブロックの開環重合体の良溶媒である溶媒と
で交互に洗浄することにより、ブロック共重合体を構成
していないAブロックの異種重合体(末端にエチレン性
不飽和結合が導入されなかった異種重合体と未反応の高
分子モノマー)、ブロック共重合体を構成していない開
環重合体を除去すればよい。例えば、高分子モノマーと
して、末端にビニル結合を有するポリスチレン、ノルボ
ルネン系モノマーとして6−メチル−1,4:5,8−
ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オク
タヒドロナフタレンを用いてブロック共重合体を合成し
た場合は、開環重合体の良溶媒であってポリスチレンの
貧溶媒であるn−ペンタンと、開環重合体の貧溶媒であ
ってポリスチレンの良溶媒である酢酸メチルの組み合わ
せなどを用いて、ブロック共重合体を分離する。しか
し、ブロック共重合体の各ブロックの量比などによって
は、分離できないこともあり、通常は分離せずにこれら
の混合物をそのまま樹脂として用いる。ブロック共重合
体を構成していないAブロックの異種重合体か、ブロッ
ク共重合体を構成していない開環重合体か、いずれか一
方を分離して用いてもよい。
【0035】(水素添加された樹脂)本発明の製造方法
で製造された樹脂中には主鎖に不飽和結合を有する重合
体が存在する。主鎖に不飽和結合が存在すると、樹脂は
劣化しやすい。そのため、樹脂を水素添加し、不飽和結
合を飽和させることが好ましい。
【0036】水素添加は水素添加触媒の存在下に樹脂を
水素と接触させて行う。通常、溶媒中で水素添加する
が、用いる溶媒はBブロックの重合に用いたものでよ
い。重合反応液の溶媒をそのまま水素添加反応の溶媒と
して用いる場合は、必ずしも樹脂を析出、凝固させた後
に水素添加反応液を調製する必要はなく、重合反応後の
重合反応液に水素添加触媒を添加して水素添加反応液と
することができる。その場合、水素添加触媒の添加前に
重合触媒の不活性化剤、例えば、メタノール、ブタノー
ル、イソプロパノールなどアルコール類や水などのOH
基を有する化合物を重合反応液に添加して反応を停止し
てもよい。不活性化剤としてアルコール類を用いる場合
は、アルキルリチウム1モルに対し、通常1モル以上3
モルを添加する。少なすぎると重合反応が停止できず、
多すぎると効率が悪い。ただし、水素添加触媒として後
述の均一系触媒を用いる場合は水素添加活性低下の原因
となることがあり、不活性化剤を添加せずに水素添加触
媒を添加するほうが工程として効率のよい場合もあり、
不活性化剤の使用は工程の効率によって決める。
【0037】水素添加触媒は、(c)遷移金属化合物と
(d)還元性金属化合物から成る均一系触媒でも、不均
一触媒であってもよい。均一系触媒は、水素添加反応液
中で分散しやすいので添加量が少なくてよく、また高温
高圧にしなくても活性を有するので重合体の分解やゲル
化が起こらず、低コスト性や品質安定性等に優れる。不
均一触媒は高温高圧にすることで高活性となり、短時間
で水素添加でき、さらに除去が容易である等の生産効率
に優れる。
【0038】均一系触媒は、特開昭58−43412号
公報、特開昭60−26024号公報、特開昭64−2
4826号公報、特開平1−138257号公報等で公
知のものである。(c)遷移金属化合物としては、デミ
ングの周期律表の第I族、または第IV族から第VII
I族のいずれかに属する遷移金属の化合物、例えば、C
r、Mo、Fe、Mn、Co、Ni、Pd、Ru等の遷
移金属のハロゲン化物、アルコキシド、アセチルアセト
ネート、スルファネート、カルボキシレート、ナフテネ
ート、トリフルオロアセテート、ステアレート等が挙げ
られ、具体的な化合物としては、クロム(III)アセ
チルアセトネート、マンガン(III)アセチルアセト
ネート、鉄(III)アセチルアセトネート、コバルト
(III)アセチルアセトネート、ビス−(トリフェニ
ルホスフィン)−コバルトジクロリド、ニッケル(I
I)アセチルアセトネート、ビス−(トリブチルホスフ
ィン)−パラジウム等が挙げられる。また、(d)還元
性金属化合物としては、デミングの周期律表第IA、I
IA、IIB、IIIA、またはIVA族金属の化合物
であって、少なくとも一つの金属元素−炭素結合、また
は金属元素−水素結合を有するものであり、例えば、A
l化合物、Li化合物、Zn化合物、Mg化合物等が挙
げられ、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリフ
ェニルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、
エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニ
ウムヒドリド、メチルリチウム、n−プロピルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、p−トリルリチウム、キ
シリルリチウム、ジフェニル亜鉛、ビス(シクロペンタ
ジエニル)亜鉛、ジメチルマグネシウム、メチルマグネ
シウムブロリド、リチウムアルミニウムヒドリド等が挙
げられる。(c)成分と(d)成分の組み合わせとして
具体的には、(c)成分としてMn、Fe、Co、また
はNiの有機金属化合物、ハロゲン化物、アルコキシ
ド、アセチルアセトネート、スルフォネート、またはナ
フテネート、(d)成分としてAl、Li、Zn、Mg
等の有機化合物、または水素化物を組み合わせた触媒が
高活性であり、また不純物による反応阻害・活性低下の
影響が小さいので好ましく、(c)成分としてTi、F
e、Co、またはNiの有機金属化合物、ハロゲン化
物、アルコキシド、またはアセチルアセトネート、
(d)成分として、アルキルアルミニウム、またはアル
キルリチウムを組み合わせた触媒が特に高活性であり、
また不純物による反応阻害・活性低下の影響が特に小さ
いので、より好ましい。これらの成分の量的関係は、各
成分の種類にもよるが、一般に(c)成分の金属元素1
モルに対し(d)成分の金属元素が0.5モル以上、好
ましくは1モル以上、50モル以下、好ましくは8モル
以下である。多すぎても少なすぎても水素添加反応の活
性は不十分である。特に多すぎる場合は、ゲル化や副反
応が起こることもある。
【0039】また、不均一触媒も公知のものであり、例
えば、Ni、Pd等の水素添加触媒金属を担体に担持さ
せたものが挙げられる。特に、不純物等の混入が少ない
ほど好ましい場合は、担体として、アルミナやケイソウ
土等の吸着剤を用いることが好ましく、また、細孔容積
0.5cm3/g以上、好ましくは0.7cm3/g以
上、好ましくは250cm2/g以上のアルミナ類を用
いるのが好ましい。このような担体を用いると重合に用
いた触媒に由来する等の遷移金属原子等を吸着させるこ
とができ、不純物の少ない樹脂を得ることができる。
【0040】なお、Bブロックの重合反応液に水素添加
触媒を加えて水素添加するにあたっては、重合反応後の
溶媒の揮発などにより樹脂濃度が変わっていることがあ
る。その場合、樹脂固形分に対して、溶媒の量を重量比
で1倍以上、好ましくは2倍以上、100倍以下、好ま
しくは20倍以下になるように調整しなおすことが好ま
しい。
【0041】水素添加反応に用いる水素添加触媒の量
は、均一系触媒の場合、各成分の種類、組み合わせによ
って異なるが、通常、樹脂100gに対して、(c)成
分の遷移金属化合物が0.001ミリモル以上、好まし
くは0.1ミリモル以上、1000ミリモル以下、好ま
しくは100ミリモル以下である。また、不均一系触媒
の場合も、水素添加反応に用いる水素添加触媒の量は、
触媒金属の種類や担体への担持の状態等によって異なる
が、通常、樹脂100gに対して、触媒金属量が0.1
g以上、好ましくは1.0g以上、20g以下、好まし
くは15g以下である。水素添加触媒を水素添加反応液
に過剰に添加するとコストがかかる上、水素添加触媒の
除去等の後処理が困難であり、少なすぎると反応効率が
悪くなる。
【0042】水素添加反応は、水素を水素添加反応液中
に導入することによって行われ、例えば、攪拌下にて導
入された水素を十分に樹脂と接触させる方法が好まし
い。水素圧力は、通常、0.1kg/cm2以上、好ま
しくは2kg/cm2以上、100kg/cm2以下、好
ましくは40kg/cm2以下の範囲で反応させる。水
素圧力が低すぎると水素添加反応が進行せず、高すぎる
と反応のコントロールが難しく、また副反応やゲル化を
引き起こすこともある。
【0043】水素添加反応は、通常、0℃以上、250
℃以下、均一系触媒を用いる場合は、好ましくは20℃
以上、100℃以下、不均一系触媒を用いる場合は、好
ましくは200℃以上、より好ましくは210℃以上、
240℃以下、より好ましくは230℃以下で実施され
る。温度が低すぎると反応速度が遅く、高すぎると樹脂
や水素添加された樹脂の分解やゲル化が起こり易く、エ
ネルギーコストも高くなる。
【0044】本発明の水素添加された樹脂は、各成分の
主鎖の不飽和結合の50%以上、好ましくは70%以
上、より好ましくは80%以上が飽和したものである。
例えば、側鎖に芳香族環構造を有しているブロック共重
合体を含有している場合、芳香族環構造の水素添加率
は、耐熱劣化性、耐光劣化性、耐候劣化性などに大きな
影響はない。しかし、例えば、芳香環構造の水素添加率
が低いほど屈折率が高くなるなど、物性が変わる。例え
ば、(c)成分としてビス(シクロペンタジエニル)チ
タニウムジクロライドと(d)成分としてアルキルリチ
ウムを組み合わせた水素添加触媒(特公昭63−484
1号公報)、(c)成分としてジアルキル−ビス(シク
ロペンタジエニル)チタニウムと(d)成分として還元
性マグネシウム化合物を組み合わせた水素添加触媒(特
開昭61−28507号公報)、(c)成分としてジア
ルキル−ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムと
(d)成分としてアルコキシリチウムを組み合わせた水
素添加触媒(特開平1−275606号公報)等を用い
ることにより、樹脂中の芳香族環の不飽和結合を水素添
加させないで、他の不飽和結合のみを水素添加すること
も可能であり、芳香環構造の水素添加率は目的に応じて
選択すればよい。
【0045】水素添加反応液から水素添加された樹脂を
回収する方法は特に限定されない。前述の樹脂の回収の
ように、水素添加反応液を多量の貧溶媒、メタノール、
イソプロパノール、アセトンなどに加えて水素添加され
た樹脂を析出、凝固させ、溶媒を濾過して除去すればよ
い。なお、水素添加前にノルボルネン系開環重合体や高
分子モノマーを除去していない場合は、ブロック共重合
体水素添加物、ノルボルネン系開環重合体水素添加物、
末端のビニル結合が飽和した高分子モノマーが混合した
樹脂が得られる。水素添加する前と同様に、ノルボルネ
ン系開環重合体水素添加物、末端のビニル結合が飽和し
た高分子モノマーなどを除去することが可能な場合もあ
るが、除去することが困難な場合があり、通常は、混合
物のまま、樹脂として用いる。
【0046】本発明の水素添加された樹脂は、前述の樹
脂(重合したのみで各成分を分離していないもの)の各
成分が水素添加されたものを混合したままで、ゲル・パ
ーミエーション・クロマトグラフィで測定したポリスチ
レン換算値で重量平均分子量で10,000以上、好ま
しくは15,000以上、より好ましくは20,000
以上、500,000以下、好ましくは400,000
以下、より好ましくは300,000以下、数平均分子
量で8,000以上、好ましくは10,000以上、よ
り好ましくは15,000以上、300,000以下、
好ましくは250,000以下、より好ましくは15
0,000以下、分子量分布が4.0以下、好ましくは
3.5以下、より好ましくは3.0以下のものである。
また、この内、ブロック共重合体のAブロックとなって
いるものと高分子モノマーのままのものを合わせた高分
子モノマー由来分が0.001重量%部以上、好ましく
は0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、5
0重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好まし
くは30重量%以下である。
【0047】本発明においては、目的とする特性に応じ
て、高分子モノマーの種類と量を選択する。例えば、高
分子モノマーとして、末端にビニル結合を導入したスチ
レン類の重合体(以下、ポリスチレンモノマーという)
を用いて得た水素添加された樹脂(重合したのみで各成
分を分離していないもの)の25℃における波長589
nmの屈折率〔nD25〕は1.50以上、好ましくは
1.52以上、より好ましくは1.54以上以上であ
る。メタセシス重合に用いるポリスチレンモノマー量を
増やし、水素添加触媒を選択して芳香族環構造を水素添
加後も残存させることにより、従来知られているノルボ
ルネン系開環重合体やその水素添加物の屈折率よりも高
いものも得ることができる。この樹脂のTgは80℃以
上、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃
以上、250℃以下、好ましくは200℃以下、より好
ましくは180℃以下である。また、この水素添加され
た樹脂をプレス成形した厚さ1.2mmの板を用いた光
線透過率は、400〜830nmの波長領域のどの波長
においても80%以上、好ましくは85%以上、より好
ましくは90%以上である。さらにこの水素添加された
樹脂は薬品の吸着が少なく、特にアルコール類、アミン
類、エステル類、アミド類、エーテル類、カルボン酸
類、アミノ酸類などの極性基を有する化合物の吸着が少
ない。
【0048】ポリスチレンモノマー以外の高分子モノマ
ーを用いた場合も、その種類に応じて樹脂の特性が決ま
る。高分子モノマーの量が少ない場合は、水素添加され
た樹脂の耐水性、耐湿性、吸水性、吸湿性、電気特性、
耐熱性、耐光劣化性、耐候劣化性、耐熱劣化性、不純物
の低溶出性などは、通常、ノルボルネン系開環重合体水
素添加物と同程度であり、水素添加していない重合体組
成物のそれらの特性は水素添加していないノルボルネン
系開環重合体の特性と同程度である。
【0049】なお、水素添加前の樹脂と同様に、水素添
加された樹脂から、ブロック共重合体水素添加物だけを
分離してもよいが、各ブロックの量比などによっては分
離できない場合もあり、通常は、重合体の混合物のまま
用いる。取り除ける成分だけ取り除いてもよい。
【0050】(成形)本発明の樹脂は、周知の熱可塑性
樹脂の成形法、例えば、射出成形法、押し出し成形法、
キャスト成形法、インフレーション成形法、ブロー成形
法、真空成形法、プレス成形法、圧縮成形法、回転成形
法、カレンダー成形法、圧延成形法、切削成形法等によ
って成形加工することができる。
【0051】(用途)本発明の製造方法で得られる水素
添加された樹脂は、用いた高分子モノマーによって様々
な特性を有するが、その特性に応じて、光学材料をはじ
めとして各種成形品として広範な分野において有用であ
る。例えば、光ディスク、光学レンズ、プリズム、光拡
散板、光カード、光ファイバー、光学ミラー、液晶表示
素子基板、導光板、偏光フィルム、位相差フィルム等の
光学材料; 液体、粉体、または固体薬品の容器(注射
用の液体薬品容器、アンプル、バイアル、プレフィルド
シリンジ、輸液用バッグ、密封薬袋、プレス・スルー・
パッケージ、固体薬品容器、点眼薬容器等)、サンプリ
ング容器(血液検査用サンプリング試験管、薬品容器用
キャップ、採血管、検体容器等)、医療器具(注射器
等)、医療器具等の滅菌容器(メス用、鉗子用、ガーゼ
用、コンタクトレンズ用等)、実験・分析器具(ビーカ
ー、シャーレ、フラスコ、試験管、遠心管等)、医療用
光学部品(医療検査用プラスチックレンズ等)、配管材
料(医療用輸液チューブ、配管、継ぎ手、バルブ等)、
人工臓器やその部品義(歯床、人工心臓、人造歯根等)
等の医療用器材; 処理用または移送用容器(タンク、
トレイ、キャリア、ケース等)、保護材(キャリアテー
プ、セパレーション・フィルム等)、配管類(パイプ、
チューブ、バルブ、流量計、フィルター、ポンプ等)、
液体用容器類(サンプリング容器、ボトル、アンプルバ
ッグ等)の電子部品処理用器材; 被覆材(電線用、ケ
ーブル用等)、民生用・産業用電子機器匡体(複写機、
コンピューター、プリンター、テレビ、ビデオデッキ、
ビデオカメラ等)、構造部材(パラボラアンテナ構造部
材、フラットアンテナ構造部材、レーダードーム構造部
材等)等の電気絶縁材料; 一般回路基板(硬質プリン
ト基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント配線
板等)、高周波回路基板(衛星通信機器用回路基板等)
等の回路基板; 透明導電性フィルム(液晶基板、光メ
モリー、面発熱体等)の基材; 半導体封止材(トラン
ジスタ封止材、IC封止材、LSI封止材、LED封止
材等)、電気・電子部品の封止材(モーター封止材、コ
ンデンサー封止材、スイッチ封止材、センサー封止材
等)の封止材; ルームミラーやメーター類のカバーな
ど自動車用内装材料; ドアミラー、フェンダーミラ
ー、ビーム用レンズ、ライト・カバーなど自動車用外装
材料; 等が挙げられる。
【0052】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を具体的に説
明する。なお、数平均分子量Mnと重量平均分子量Mw
はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィによるポ
リスチレン換算値として、異種重合体末端のエチレン性
不飽和結合の導入率は1H−NMRにより、レターデー
ション値は波長830nmのダブルパス法により、光線
透過率は吸光光度計を用いて測定した。また、乾燥は7
0℃、約10torrに24時間保持して行った。
【0053】参考例1 シクロヘキサン200重量部、スチレン30重量部、n
−ブチルエーテル0.81重量部、n−ブチルリチウム
0.20重量部を混合し、攪拌しながら、50℃で1時
間重合した。続いて、アリルクロリド0.48重量部を
加え、攪拌しながら、50℃で1時間反応した後、50
0重量部のイソプロパノール中に反応液を注ぎ、ポリマ
ーを析出させ、回収、濾別、乾燥してポリマー30重量
部を得た。得られたポリマーは重量平均分子量約10,
200、数平均分子量約9,600、分子量分布Mw/
Mnは1.06のポリスチレンであり、その内のポリマ
ー末端のビニル結合が導入された本発明に用いる高分子
モノマーは約96%であった。
【0054】実施例1 窒素雰囲気下、参考例1で得たポリマー15重量部をシ
クロヘキサン240重量部に溶解し、6−メチル−1,
4:4,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−オクタヒドロナフタレン45重量部、n−テ
トラブチルスズ0.09重量部、六塩化タングステンの
0.8重量%シクロヘキサン溶液7重量部を加えて、6
0℃、1気圧にて1時間反応させた。得られた重合反応
液の一部を重量比で約2倍のイソプロパノールに注ぎ、
樹脂を析出させ、回収、乾燥した。この樹脂をそのまま
用いて測定した重量平均分子量約47,000、数平均
分子量約19,600、分子量分布Mw/Mnは2.4
0であった。
【0055】この重合反応液100重量部を200重量
部の酢酸メチルに注ぎ、樹脂の一部を凝固させて回収
し、さらにシクロヘキサン100重量部に溶解、200
重量部の酢酸メチル中に注いでの回収を4回繰り返し
た。4回目の回収後のシクロヘキサン・酢酸メチル混合
液中には、ポリスチレンは認められなかった。回収され
た樹脂は、重量平均分子量約49,000、数平均分子
量約21,000、分子量分布Mw/Mnは2.33で
あった。
【0056】回収した樹脂の一部を乾燥後、IR分析を
行った。スチレン由来の吸収699cm-1と6−メチル
−1,4:4,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン由来のトランス
結合の存在を示す吸収975cm-1が確認された。この
樹脂からは洗浄によってポリスチレンが実質的に除去さ
れていることから、この樹脂中にポリスチレンブロック
(Aブロック)と6−メチル−1,4:4,8−ジメタ
ノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒド
ロナフタレンの開環重合体ブロック(Bブロック)を有
しているブロック共重合体が含まれていることがわかっ
た。また、1H−NMR分析により、残存しているポリ
スチレン量、すなわちブロック共重合体中のAブロック
として導入されていたポリスチレン量は、高分子モノマ
ーの反応に用いたスチレン量に対して、92%であっ
た。また、分子量などから推定されるブロック共重合体
分子中、ポリスチレンブロックは38重量%であった。
【0057】また、このポリスチレンを実質的に除去し
た樹脂20重量部をシクロヘキサン80重量部に溶解
し、これにコバルト(III)アセチルアセトナート1
重量部を加えてオートクレーブに仕込み、続いてトリエ
チルアルミニウムの15重量%シクロヘキサン溶液7重
量部を加えた後、水素圧力10kgf/cm2、温度8
0℃で2時間反応させた。この水素添加反応液を多量の
イソプロパノールに注ぎ、水素添加された樹脂を凝固さ
せ回収後、乾燥した。得られた水素添加物は、重量平均
分子量約69,000、数平均分子量約28,800、
分子量分布Mw/Mn2.40、1H−NMR分析によ
り、オレフィン由来の二重結合に対する水素添加率は9
9.9%で、芳香環由来の二重結合に対する水素添加率
は0%であった。
【0058】水素添加物を200℃、300kgf/c
2でプレス成形し、厚さ1.2mm、直径12.5c
mの円盤を作製した。この円盤の光線透過率は400〜
830nmの領域で92%以上であり、レタデーション
値は20nm以下、屈折率は1.54であった。また、
この円盤を用いて測定した体積固有抵抗値は5×1016
Ωcm以上、また、102Hz、106Hz、109Hz
の周波数のいずれにおいても誘電率と誘電正接はそれぞ
れ2.40、5×10-4であった。このことから、この
水素添加物が光学材料、電気絶縁材料として適した特性
を有していることがわかった。
【0059】実施例2 実施例1で得た重合反応液100重量部、コバルト(I
II)アセチルアセトナート1重量部をオートクレーブ
に仕込み、続いてトリエチルアルミニウムの15重量%
シクロヘキサン溶液7重量部を加えた後、水素圧力10
kgf/cm2、温度80℃で2時間反応させた。この
水素添加反応液を多量のイソプロパノールに注ぎ、水素
添加された樹脂を凝固させ回収後、乾燥した。この回収
された20重量部の水素添加された樹脂は、重量平均分
子量約68,000、数平均分子量約28,300、分
子量分布Mw/Mn2.40、1H−NMR分析によ
り、オレフィン由来の二重結合に対する水素添加率は9
9.9%で、芳香環由来の二重結合に対する水素添加率
は0%であった。また、この樹脂中、高分子モノマー由
来分であるポリスチレン分は25重量%であった。
【0060】この樹脂水素添加物を200℃、300k
gf/cm2でプレス成形し、厚さ1.2mm、直径1
2.5cmの円盤を作製した。この円盤の光線透過率は
400〜830nmの領域で92%以上であり、レタデ
ーション値は20nm以下、屈折率は1.54であっ
た。また、この円盤を用いて測定した体積固有抵抗値は
5×1016Ωcm以上、また、102Hz、106Hz、
109Hzの周波数のいずれにおいても誘電率と誘電正
接はそれぞれ2.41、5×10-4であった。このこと
から、この水素添加物が光学材料、電気絶縁材料として
適した特性を有していることがわかった。
【0061】比較例1 シクロヘキサン200重量部、スチレン30重量部、n
−ブチルエーテル0.81重量部、n−ブチルリチウム
0.20重量部を混合し、攪拌しながら、50℃で1時
間重合した後、500重量部のイソプロパノール中に反
応液を注ぎ、ポリマーを析出させ、回収、乾燥してポリ
マー30重量部を得た。
【0062】参考例1で得たポリマーの代わりにこのポ
リマーを用いる以外は実施例1と同様に、開環重合し、
得られた樹脂を析出、回収した。
【0063】この樹脂1重量部をシクロヘキサン10重
量部に再溶解し、20重量部の酢酸メチルに注いだが、
樹脂の一部を凝固させ回収し、酢酸メチルで洗浄した。
酢酸メチル溶液を回収して、酢酸メチルをエバポレート
で除き、得られた固形分を乾燥して、IR分析を行った
ところ、ポリスチレンであった。さらに、洗浄後樹脂を
酢酸メチルでさらに3回洗浄したが、この最後の1回の
酢酸メチル中にはポリスチレンは認められなかった。
【0064】繰り返し洗浄した樹脂を酢酸メチル中で凝
固させ、回収した樹脂の一部を乾燥後、IR分析を行っ
た。スチレン由来の吸収699cm-1は認められず、6
−メチル−1,4:4,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン由来の
吸収975cm-1は認められた。この結果から、この樹
脂中に共重合体が含まれていないことが確認された。
【0065】参考例2 n−ブチルエーテル量を0.20重量部、n−ブチルリ
チウム量を0.05重量部、アリルクロリド量を0.0
6重量部に変更する以外は参考例1と同様にポリマーを
重合し、末端にビニル結合を導入し、反応液を得た。こ
の一部を分析したところ、ポリスチレン30重量部を得
られており、その重量平均分子量は約34,400、数
平均分子量は約31,600、分子量分布Mw/Mnは
1.09、ポリマー末端にビニル結合が導入されたもの
がその内の約84%であった。
【0066】実施例3 参考例1で得たポリマーのシクロヘキサン溶液の代わり
に、参考例2で得た反応液190重量部にシクロヘキサ
ンを100重量部加えたものを用いる以外は実施例1と
同様に開環重合を行った。得られた樹脂はそのまま測定
した重量平均分子量90,000、数平均分子量33,
600、分子量分布2.68であった。なお、実施例1
と同様にして、この樹脂中にはポリスチレンブロックと
6−メチル−1,4:4,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレンの
開環重合体ブロックから成るブロック共重合体を含んで
いることが確認された。ブロック共重合体中のAブロッ
クとして導入されていたポリスチレン量は、高分子モノ
マーの反応に用いたスチレン量に対して、76%であっ
た。分子量などから推定されるブロック共重合体分子
中、ポリスチレンブロックは59重量%であった。
【0067】この樹脂をポリスチレンを除去しないま
ま、実施例1と同様に水素添加した。この水素添加され
た樹脂は、重量平均分子量103,000、数平均分子
量38,100、分子量分布Mw/Mn2.70、1
−NMR分析により、オレフィン由来の二重結合に対す
る水素添加率は99.9%で、芳香環由来の二重結合に
対する水素添加率は0%であった。また、この樹脂中、
高分子モノマー由来分であるポリスチレン分は36重量
%であった。
【0068】この樹脂水素添加物を200℃、300k
gf/cm2でプレス成形し、厚さ1.2mm、直径1
2.5cmの円盤を作製した。この円盤の光線透過率は
400〜830nmの領域で90%以上であり、レタデ
ーション値は20nm以下、屈折率は1.55であっ
た。また、この円盤を用いて測定した体積固有抵抗値は
5×1016Ωcm以上、また、102Hz、106Hz、
109Hzの周波数のいずれにおいても誘電率と誘電正
接はそれぞれ2.43、5×10-4であった。このこと
から、この水素添加物が光学材料、電気絶縁材料として
適した特性を有していることがわかった。
【0069】参考例3 シクロヘキサン200重量部、スチレン30重量部、n
−ブチルエーテル0.003重量部、n−ブチルリチウ
ム0.015重量部を混合し、攪拌しながら、50℃で
1時間重合し、アリルクロリド0.04重量部を加え、
攪拌しながら、50℃で1時間反応した後、500重量
部のイソプロパノール中に反応液を注ぎ、ポリマーを析
出させ、回収、乾燥してポリマー約30重量部を得た。
得られたポリマーの重量平均分子量約135,000、
数平均分子量約125,000、分子量分布Mw/Mn
は1.08、末端のビニル結合導入率は約80%であっ
た。
【0070】実施例4 窒素雰囲気下、参考例3で得たポリマー1重量部をシク
ロヘキサン235重量部に溶解し、6−メチル−1,
4:4,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−オクタヒドロナフタレン60重量部、1−ヘ
キセン0.30重量部、n−テトラブチルスズ0.09
重量部、六塩化タングステンの0.8重量%シクロヘキ
サン溶液7重量部を加えて、60℃、1気圧にて1時間
反応させた。得られた重合反応液の一部を重量比で約2
倍のイソプロパノールに注ぎ、重合体を析出させ、回
収、乾燥した。この樹脂をそのまま用いて測定した重量
平均分子量約36,500、数平均分子量約18,40
0、分子量分布Mw/Mnは1.98であった。また、
実施例1と同様にしてこの重合体成物中には、ポリスチ
レンブロックと6−メチル−1,4:4,8−ジメタノ
−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレンの開環重合体ブロックからなるブロック共重
合体が含有していることがわかった。また、1H−NM
R分析により、残存しているポリスチレン量、すなわち
ブロック共重合体中のAブロックとして導入されていた
ポリスチレン量は、高分子モノマーの反応に用いたスチ
レン量に対して、86%であった。また、分子量などか
ら推測されるブロック共重合体中、ポリスチレンブロッ
クは40重量%であった。
【0071】重合反応液100重量部にアルミナ担持ニ
ッケル触媒(触媒1重量部中、ニッケル0.5重量部、
酸化ニッケル0.2重量部、細孔容積0.8cm3
g、比表面積300m2/g)1重量部を加え、オート
クレーブ中で210℃、水素圧力45kgf/cm2
4時間反応させ、実施例1と同様に水素添加された樹脂
を回収した。
【0072】水素添加された樹脂は、重量平均分子量4
1,200、数平均分子量20,100、分子量分布M
w/Mn2.05、1H−NMR分析により、オレフィ
ン由来の二重結合に対する水素添加率は99.9%で、
芳香環由来の二重結合に対する水素添加率は32%であ
った。
【0073】この水素添加された樹脂17重量部に老化
防止剤(チバガイギー社製、イルガノックス1010)
0.008重量部を添加し、二軸押出機(東芝機械社製
TEM−35B、スクリュー径37mm、L/D=3
2、スクリュー回転数250rpm、樹脂温度235
℃、フィードレート10kg/時間)で押し出し、ペレ
ットとした。
【0074】このペレットを用いて、型締め圧350
t、樹脂温度240℃、金型温度70℃で射出成形し、
直径200mm、高さ130mm、平均厚さ2.0mm
の円筒状で底面を一つ有する透明な容器と100mm×
50mm×2.0mmの試験片を作製した。
【0075】試験片の全光線透過率を測定したところ、
400〜830nmでは90.1%以上で透明性は良好
であった。また、濁度を測定したところ、0.1%であ
った。
【0076】成形した円筒状容器中にLB培地(バクト
トリプトン1重量%、イーストエクストラクト0.5重
量%、NaCl1重量%、グルコース0.1重量%の水
溶液をpH7.5に調製)300mlと寒天6g入れ、
アルミ箔でキャップをし、121℃、30分のスチーム
滅菌をして培地をゲル化させ、室温で冷却し、固化させ
た。37℃で3日間保温したが、菌類の増殖は認められ
なかった。処理後の外観は良好であり、目視で白濁、割
れ、変形は確認されなかった。
【0077】また、試験片を、pH9の炭酸ナトリウム
水溶液、pHの塩酸、エタノールに48時間浸漬した
後、外観を観察したが変化はなく、濁度、全光線透過率
にも変化はなかった。さらに試験片を、濃硫酸、30%
希硫酸、70%硝酸、リン酸、フッ硝酸(フッ酸7重量
%、硝酸42重量%、水51重量%)、37%塩酸、3
0%過酸化水素水、水酸化カリウム飽和水溶液、29%
アンモニア水、アセトン、イソプロピルアルコール、ト
リクロロエチレン、2.38重量%TMAHO水溶液、
アルミニウム用エッチング液(濃リン酸80重量%、硝
酸5重量%、氷酢酸5重量%、水10重量%)に5分間
浸漬した。試験片はトリクロロエチレンに溶解し、濃硫
酸で表面が炭化したが、それ以外の薬品には影響を受け
ず、良好な耐薬品性を有していることが示された。
【0078】さらに、試験片を10mm幅に切り、20
g分を蒸留水中で20分間超音波洗浄した後、40℃で
10時間乾燥した。この20g分の試験片を硬質ガラス
フラスコに入れ、蒸留水200gを加えた。硬質ガラス
製の蓋をして、50℃で24時間静置して、蒸留水を回
収した。
【0079】対照として、硬質ガラスフラスコに蒸留水
200gを入れ、硬質ガラス製の蓋をして同じく50℃
で24時間静置して、蒸留するを回収した。
【0080】この2種類の蒸留水の原子吸光法やイオン
クロマトグラフィ、燃焼−非分散型赤外線ガス分析法に
よる分析結果の差から、試験片からの溶出量を求めた結
果、タングステン原子量は0.01ppm(検出限界)
以下、ニッケル原子量も0.01ppm(検出限界)以
下、アルミニウム原子量も0.01ppm(検出限界)
以下、全有機炭素量は2ppm(検出限界)以下であっ
た。
【0081】この重合体水素添加物の10重量%シクロ
ヘキサン溶液を原子吸光分析により分析した結果、重合
体水素添加物中のタングステン原子量は0.01ppm
(検出限界)以下、ニッケル原子量も0.01ppm
(検出限界)以下、アルミニウム原子量も0.01pp
m(検出限界)以下であった。この重合体水素添加物1
00mgをドーマン燃焼装置で燃焼させ、5mlの純水
に吸収させ、イオンクロマトグラフィで分析した結果、
塩素原子量は0.02ppm(検出限界)以下であっ
た。
【0082】上記試験片を日本薬局方第12改正「輸液
用プラスチック試験法」に従い、用出物試験を行った。
泡立ちは3分以内に消失し、pH差は−0.03、紫外
線吸収は0.007、過マンガン酸カリウム還元性物質
0.10mlであり、この水素添加物は医療用途として
適した特性を有している。
【0083】比較例2 シクロヘキサン500重量部、スチレン30重量部、
1,3−ブタジエン70重量部、テトラヒドロフラン
0.90重量部、n−ブチルリチウム0.030重量部
を混合し、攪拌しながら、50℃で1時間重合した後、
1000重量部のイソプロパノール中に反応液を注ぎ、
ポリマーを析出させ、回収、乾燥してポリマー約30重
量部を得た。得られたポリマーは重量平均分子量約20
0、000、数平均分子量約178,500、分子量分
布Mw/Mnは1.12、ブタジエン単位の1,2−ビ
ニル結合含有率は50%のスチレン・ブタジエン・ラン
ダム共重合体であった。
【0084】参考例1で得たポリスチレン15重量部を
シクロヘキサン240重量部に溶解した溶液の代わり
に、このスチレン・ブタジエン・ランダム共重合体5重
量部をシクロヘキサン250重量部に溶解した溶液を用
いる以外は実施例1と同様に開環重合を行った。得られ
た樹脂は重量平均分子量約247,350、数平均分子
量約29,100、分子量分布Mw/Mn8.5であっ
た。
【0085】重合反応液100重量部にアルミナ担持ニ
ッケル触媒(触媒1重量部中、ニッケル0.5重量部、
酸化ニッケル0.2重量部、細孔容積0.8cm3
g、比表面積300m2/g)1重量部を加え、オート
クレーブ中で210℃、水素圧力45kgf/cm2
4時間反応させた。水素添加された樹脂の回収は実施例
1と同様に行った。
【0086】水素添加された樹脂の重量平均分子量は2
91,000、数平均分子量は37,300、分子量分
布Mw/Mnは7.8、1H−NMR分析により、オレ
フィン由来の二重結合に対する水素添加率は97.5%
で、芳香環由来の二重結合に対する水素添加率は14%
であった。
【0087】この水素添加された樹脂を樹脂温度200
℃、300kgf/cm2、3分間の条件で熱プレスに
より、20mm×15mm、厚さ3.0mmの板を成形
した。この板は白濁していた。
【0088】比較例3 窒素雰囲気下、6−メチル−1,4:4,8−ジメタノ
−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン45重量部、1−ヘキセン0.022重量
部、n−テトラブチルスズ0.09重量部、六塩化タン
グステンの0.8重量%シクロヘキサン溶液7重量部を
加えて、60℃、1気圧にて1時間反応させた。得られ
た重合体溶液を重量比で約2倍のイソプロパノールに注
ぎ、重合体を析出させ、回収、乾燥して重合体を得た。
この重合体は重量平均分子量約33,600、数平均分
子量約14,300、分子量分布Mw/Mn2.35で
あった。
【0089】IR分析を行ったところ、6−メチル−
1,4:4,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン由来の975c
-1の吸収が確認され、この重合体が6−メチル−1,
4:4,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−オクタヒドロナフタレンの開環重合体である
ことが認められた。
【0090】さらに、重合反応液100重量部、コバル
ト(III)アセチルアセトナート1重量部をオートク
レーブに仕込み、続いてトリエチルアルミニウムの15
重量%シクロヘキサン溶液7重量部を加えた後、水素圧
力10kgf/cm2、温度80℃で2時間反応させ
た。この水素添加反応液を多量のイソプロパノールに注
ぎ、重合体水素添加物を凝固させ回収後、乾燥した。こ
の水素添加物の重量平均分子量は約42,000、数平
均分子量は約17,500、分子量分布Mw/Mnは
2.4、1H−NMR分析により、オレフィン由来の二
重結合に対する水素添加率は99.9%であった。
【0091】この重合体水素添加物45重量部と参考例
1で得たポリスチレン25重量部を220℃に加熱した
ラボプラストミル中で混合した。
【0092】この混合物を樹脂温度200℃、300k
gf/cm2、3分間の条件で熱プレスにより、20m
m×15mm、厚さ3.0mmの板を成形した。この板
は白濁していた。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、炭化水素系重合体ブロ
ックとノルボルネン系開環重合体ブロックから成るブロ
ック共重合体をひとつの成分として含有する混合物であ
る樹脂が容易に得られ、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の
特性と炭化水素系重合体ブロックを構成する重合体の特
性を併せ持つ樹脂が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖の少なくともひとつの末端部分にエ
    チレン性不飽和結合を有する高分子モノマーの存在下に
    ノルボルネン系モノマーをメタセシス触媒により開環重
    合することを特徴とする変性ノルボルネン系樹脂の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の変性ノルボルネン系樹脂
    を水素添加することを特徴とする水素添加変性ノルボル
    ネン系樹脂の製造方法。
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