JPH0897525A - 配線構造体とその製造法 - Google Patents

配線構造体とその製造法

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JPH0897525A
JPH0897525A JP7173710A JP17371095A JPH0897525A JP H0897525 A JPH0897525 A JP H0897525A JP 7173710 A JP7173710 A JP 7173710A JP 17371095 A JP17371095 A JP 17371095A JP H0897525 A JPH0897525 A JP H0897525A
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • C08G73/06Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain of the macromolecule
    • C08G73/10Polyimides; Polyester-imides; Polyamide-imides; Polyamide acids or similar polyimide precursors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】銅配線からポリイミド絶縁層への銅の溶出を抑
制し、さらに、絶縁層のクラック発生を抑止して、絶縁
層の機械特性、界面接着性に優れ、高信頼性の配線構造
体およびその低コストな製造法。 【構成】銅配線表面に直接ポリイミド前駆体組成物を塗
布し、これを加熱硬化させてポリイミド絶縁膜を得る場
合には、ポリイミドの前駆体として、カルボキシル基の
酸性度の低いポリアミド酸を用いるか、あるいは、塩基
性化合物を含むポリイミド前駆体組成物を用いる。ま
た、銅配線14,14aの露出部分を酸性度の低いポリ
アミド酸を加熱重合させて得られるポリイミドからなる
銅拡散阻止層16で覆い、酸性度の高いポリアミド酸が
直接銅に直接接触しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に銅からなる配線材
料と、主にポリイミドからなる絶縁膜とを備える薄膜配
線を有する配線構造体およびその製造法に係り、特に、
高集積実装基板およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSI(大規模集積回路)を実装
するための配線基板など、配線構造体の多層化、高集積
化、高性能化が進んでいる。これに伴い、超高速の集積
回路チップを直接搭載させるための多層配線基板の開発
が進められている。この多層配線基板にはセラミック基
板上に多層に導体パターンを高密度で設けた薄膜多層配
線が形成されることが多くなっている。そこで、薄膜多
層配線の絶縁膜には、高度な特性が要求されるようにな
ってきている。現在、この絶縁膜の材料の一つとして、
ポリイミドが広く使用されている。
【0003】ポリイミドは、一般に、ジアミン成分とテ
トラカルボン酸二無水物成分とを極性有機溶媒中で重合
反応させてポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を生成
し、これを加熱等により脱水閉環させる方法で得られ
る。
【0004】従来より行われている薄膜配線基板の製造
の方法は、例えば、「アイ・イー・イー・イー トラン
ザクションズ オン コンポーネンツ ハイブリッド
アンド マニュファクチュアリング テクノロジ」第1
3巻2号 1990年6月第440〜443頁(IEE
E TRANSACTIONS ON COMPONE
NTS,HYBRIDS,AND MANUFACTU
RING TECHNOLOGY,VOL.13,NO
2,JUNE1990,440〜443)において論じ
られており、また、具体的な例については特開平4−2
3390号公報などに記載されている。
【0005】上記従来技術では、Cuよりなる導体パタ
ーン上にポリイミド前駆体であるポリアミド酸ワニスを
塗布し、加熱硬化することによってポリイミド絶縁膜を
形成している。しかし、従来より知られているポリイミ
ドでは、例えば「ジャーナルオブ ヴァキューム サイ
エンス アンド テクノロジ(Journal of VacuumScien
ce and Technology)」A,第7巻,3号(1989)の第1402〜14
12頁や、同誌A,第9巻,6号(1991)の第2963〜2974頁に記
載されているように、銅に接触した状態で、この脱水閉
環のための加熱を行うと、銅がポリイミド(またはポリ
イミド前駆体)内に溶出し、この溶出した銅によって、
高温時にポリイミドが分解するという問題があった。そ
こで、ポリイミド内に溶出した銅によりポリイミドが高
温で分解するという問題を解決するために、300℃以
上の高温時の加熱を、アルゴンと水素の混合ガスのよう
な還元性のガスを用いた還元性の雰囲気中で行なうこと
という方法が知られている。
【0006】しかし、この方法では、ポリイミドが高温
で分解するという問題は解決できるが、ポリイミドまた
はポリイミド前駆体内への銅の溶出は抑えることができ
ない。ポリイミド(またはポリイミド前駆体)内部へ溶
出した銅は、銅とポリイミドとの間での接着性の低下を
きたし、さらに、誘電率を上昇させるため、信号伝送遅
延時間を増大させる。また、上記の還元性ガスは高価で
あるから、特に配線を多層に繰返し形成する製品を製造
する場合には、製品のコスト高につながるという別の問
題も生ずる。
【0007】この、銅がポリイミド内に溶出するという
問題を解決するための案として、ポリイミド前駆体(ポ
リアミド酸)のカルボキシル基をエステル化する方法が
考えられる。この場合、エステル化したポリイミド前駆
体が高価であるために、特に配線を多層に繰返し形成す
る製品を製造する場合には製品のコスト高につながると
いう問題がある。また、エステル化の原料である酸塩化
物が水分に対して不安定であるために、ポリイミド前駆
体のエステル化率が必ずしも100%にはならず、カル
ボキシル基が少量ながら残ってしまうという問題もあ
る。さらに、酸塩化物によるポリイミド前駆体のエステ
ル化反応では、カルボキシル基と等モル量の塩酸が生成
し、これを100%除くのは容易ではないという問題も
ある。すなわち、エステル化したポリイミド前駆体を用
いる場合、カルボキシル基や塩酸等の酸成分がポリイミ
ド前駆体溶液内に残ってしまい、この酸が金属銅の溶出
を促進してしまうため、結果的に、銅がポリイミド内に
溶出する現象を抑制しきれないという問題があった。
【0008】一方、銅のポリイミド内への溶出を防止す
る別の方法として、銅の露出部をポリイミドに溶出しな
い別の金属で被覆してからポリイミドを形成するという
方法が知られている。しかし、この場合、銅以外の別の
金属を形成する工程が増加するために製品のコスト高を
招くという問題がある。また、ニッケルやアルミニウム
等を銅の被覆に用いた場合には、銅を被覆した金属が、
加熱に際して銅と相互拡散するため、配線全体としての
抵抗値の増加を招く原因となる。さらに、被覆した金属
の表面にまで銅が拡散してしまうと、結果的に銅がポリ
イミド内へ溶出してしまうという問題があった。
【0009】そこで、本発明者らは、これらの問題に鑑
み、エステル化したポリイミド前駆体を用いることな
く、またポリイミド前駆体の加熱硬化中に高価な還元性
ガスを用いることなく、ポリイミドまたはその前駆体へ
の銅の溶出を抑止する、すなわち、銅とポリイミド前駆
体との反応を抑止する製造法、および、銅の溶出のない
配線構造体を提供することを目的として、鋭意検討を重
ねた結果、本発明に至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上述べたように、配線
の一部として銅を用い、該銅と直接に接する絶縁膜がポ
リイミド前駆体から加熱により形成されるポリイミドで
ある場合には、該銅とポリイミド前駆体との界面での反
応を抑止すること、さらに、上層金属層との接続をする
ためのヴィア配線を形成する場合には、絶縁膜の応力を
低減することが、配線構造体を製造する上で必須とな
る。
【0011】そこで、本発明では、カルボキシル基の酸
性度の低いポリイミド前駆体を用いること、塩基性化合
物により系の酸性度を抑制したポリイミド前駆体組成物
を用いること、ポリイミド前駆体の加熱硬化の際に、雰
囲気中の酸素濃度を制限すること、および/または、ポ
リイミド膜の膜厚を薄くすることにより、銅とポリイミ
ド前駆体との反応を抑制する。
【0012】ところで、マルチチップモジュ−ル等の配
線基板の薄膜多層配線層を、配線として銅を用い、絶縁
膜としてポリイミドを用いて形成する場合、上で述べた
問題の他に、絶縁膜の平坦化を図るために機械的な手段
により研磨すると、ポリイミドの絶縁膜にクラックが発
生することがあるという問題に遭遇した。
【0013】そこで、本発明では、絶縁膜を第1の絶縁
膜と第2の絶縁膜とからなる複合膜とすることが望まし
い。
【0014】ここで、銅配線上に直接形成される第1の
絶縁膜としては、銅との反応性を抑制した有機高分子膜
(銅の拡散を阻止する拡散阻止層)とする。このように
すれば、銅の露出部分を拡散阻止層で覆ったのち、この
拡散阻止層表面に第2の絶縁層を形成するため、第2の
絶縁層の形成に酸性度の高いポリアミド酸を用いたとし
ても、このポリアミド酸が銅に直接接触しないため、銅
の拡散は阻止される。また、本発明では、銅の露出部分
を有機高分子化合物で覆うため、ポリイミドに溶出しな
い別の金属で銅を被覆する場合と異なり、被覆材と銅と
の相互拡散などの問題も生じない。
【0015】第1の絶縁膜表面に形成される第2の絶縁
膜としては、低熱膨張性ポリイミド膜を用いることが望
ましい。このようにすれば、膜応力を低減できるため、
ポリイミドの機械的特性を維持しつつ、銅とポリイミド
との界面接着性に優れ、かつ、クラックの発生しない、
配線基板全体として高信頼性である配線構造体が得られ
る。
【0016】以下に、本発明の、(1)銅とポリイミド
前駆体との反応の抑止、(2)配線構造体製造時のポリ
イミド膜に発生するクラックの防止、の2つの課題を解
決した際に用いた手段の作用につき述べる。
【0017】(1)銅とポリイミド前駆体との反応の抑
止 先ず、銅とポリイミド前駆体との反応の抑止の達成方法
に関して、その作用を詳細に説明する。
【0018】銅のポリイミドまたはポリイミド前駆体へ
の溶出は、銅とポリイミド前駆体との反応により起こる
と考えられる。銅とポリイミド前駆体との反応は、ポリ
イミド前駆体中に存在するカルボン酸から解離する酸に
よる金属銅のイオン化反応、すなわち、下記の反応式
1、反応式2のいずれかで表わされる酸化還元反応であ
ると捉えることができる。
【0019】
【化14】
【0020】これらの酸化還元反応の標準電位Eは、反
応式1で表わされる反応の場合、E=−0.68Vであ
り、反応式2で表わされる反応の場合E=+1.78V
である。標準電位Eは、いわゆるネルンスト(Nern
st)の式において、左辺のCuと右辺のCuイオンが
等しい活量にある場合の左辺と右辺の電位の差を表した
ものであり、一般に、この値が正の場合は反応が右側に
自発的に進行し、負の場合には右側に進行しにくい。
【0021】反応式1の反応は、標準電位が負であり、
自発的には進行しない。反応式2の反応は、標準電位が
正であり、自発的に進行する。従って、銅とポリイミド
の反応は、酸による銅のイオン化とそれに伴う水素発生
反応という、反応式1の形態ではなく、酸と銅と酸素の
3者が関与する水生成反応(反応式2)であると考えら
れる。
【0022】そこで、上述の反応に関するネルンスト
(Nernst)の式を再度詳細に考察してみる。上述
の反応式2の標準電位Eは、左辺のCuと右辺のCuイ
オンが等しい活量にある場合、すなわち近似的には左辺
のCuの約1/2が反応してCuイオンになってしまっ
た場合の左辺と右辺の電位の差を表していた。反応をよ
り定量的に議論するには、酸素の分圧や水素イオン濃度
及びCuイオンの活量を考慮した下記数式1(”Atlas
of Electrochemical Equilibria in Aqueous solution
s”(1966年、Pergamon Press Ltd.発行)の第386頁、
第541頁に記載されている)が必要となる。
【0023】 E=1.78−0.12pH+0.03log(pO2) −0.06log[Cu2+] …… 数式1 この式の左辺Eは、反応式2の反応の前後での電位の
差、すなわちポテンシャルエネルギーの差を表してお
り、右辺には酸素濃度と水素イオン濃度が、それぞれ酸
素分圧(pO2)、水素イオン指数(pH)という形で
表れている。Eの数値がより小さくなれば、反応は進行
しにくくなる。
【0024】ここで、例としてポリイミドをエステル化
した場合を考えて見る。この場合、エステル化率が10
0%であれば、pHは近似的に中性であると考えられる
がpH=7ではE=0とはならない。すなわち、ポリイ
ミドの前駆体をエステル化しても式(2)の反応はまだ
進行する余地のあることがわかる。
【0025】一方、酸素の濃度に関して見てみると、p
2は1以下の数値が入るため、pO2を含む項は全体と
しては負となり、酸素濃度が低いほどEの数値は小さく
なり、式(2)の反応は進行しにくくなるものと考えら
れる。
【0026】以上の考察から、銅とポリイミド前駆体と
の反応を抑止する手段として、系の酸性度を低減する
(pHを高める)こと、系の酸素濃度を低減すること、
の2つが考えられる。
【0027】なお、これらの推測には、反応の前後での
ポテンシャルエネルギーの差から平衡論的に導き出され
たものであり、反応速度論的な考慮はされていないこ
と、数式1に表れている数値や係数は理想状態に関する
ものであること、等から実際の効果はあくまでも実験に
て検証する必要がある。そこで、後述する実施例に示す
ように、本発明者等は、多くの実験によりこれを検証
し、実際に、上記の何れも銅とポリイミド前駆体との反
応を抑止する上で飛躍的な効果があることを突き止め、
本発明に至った。
【0028】反応抑制のための上述の2つの手段のう
ち、本発明では、系の酸性度を低減する手段を採用す
る。本発明では、低酸性度のポリイミド前駆体として、
以下の一般式(化1)で表される繰返し単位を有するポ
リイミドの前駆体を用いる。
【0029】
【化1】
【0030】(式中、R1は、(化2)
【0031】
【化2】
【0032】から選ばれる少なくとも一種の4価の有機
基であり、R2は芳香環を含む2価の有機基である。) なお、本明細書において、「ポリイミドの前駆体」と
は、ポリアミド酸と、酸二無水物およびジアミンとの、
少なくともいずれかをさす。なお、一般式(化1)で表
される繰返し単位を有するポリイミドの前駆体は、下記
一般式(化15)のポリアミド酸と、下記一般式(化1
6)の酸二無水物および下記一般式(化17)のジアミ
ンとの、少なくともいずれかである。なお、(化15)
〜(化17)におけるR1およびR2は、上述の一般式
(化1)と同様である。
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】一般式(化1)のポリイミドの前駆体のう
ち、一般式(化15)のポリアミド酸は、カルボキシル
基を有する酸である。この一般式(化15)のポリアミ
ド酸の酸性度は、そのカルボキシル基からの水素イオン
の解離の程度に依存する。その解離の程度はR1の構造
に依存し、1個のカルボキシル基が結合した芳香環に、
他にどのような置換基が結合しているかで決まる。これ
は、ハメット(Hammett)則という経験的な規則
として知られている。幾つかのR1について計算して求
めた、ハメット則における水素イオンの解離の程度を示
すσ値を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1で、用いた略称は、つぎの通りであ
る。
【0039】PMDA:ピロメリット酸二無水物 BTDA:3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物 BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物 TPDA:p−ターフェニル−3,3”,4,4”−テ
トラカルボン酸二無水物 m−TPDA:m−ターフェニル−3,3”,4,4”
−テトラカルボン酸二無水物 ODPA:3,3’,4,4’−オキシジフタル酸二無
水物 表1から明らかなように、一般に用いられるPMDAや
BTDAでは、σ値が正となり酸性度が大きい。一方
で、BPDA、ODPA、TPDAではσ値が0以下と
なり、酸性度が小さい。これにより、前述のR1が(化
2)である場合にそのポリイミド前駆体の酸性度が低
く、銅の溶出を低く抑えることが可能となることがわか
る。
【0040】上述のR2は、R1の芳香環に直接的に結合
していないので、ポリイミド前駆体の酸性度にほとんど
影響を与えない。ハメット則は水溶液中での経験則であ
るため、本発明のポリイミド前駆体溶液のような有機溶
媒系に直接適用する際は、実際の効果を実験により検証
する必要がある。後述の実施例で示されるように、本発
明者等は、本発明の(化1)で示される化合物の前駆体
は、水溶液中の場合のみならず本発明の対象とする有機
溶媒系でも、銅の拡散抑制に有効であることを検証し
た。
【0041】ところで、本発明で用いている塩基性化合
物は、ポリイミド前駆体中のカルボキシル基を中和し、
ポリイミド前駆体を含む溶液全体の酸性度を下げ、従っ
てpHを上昇させる働きをするという効果を有する。そ
の結果、塩基性化合物の存在は、前述の数式1の左辺に
ある反応の電位を小さくし、反応を抑止する方向に働
く。また、カルボキシル基を中和してあまるほど過剰に
添加された塩基性化合物は、さらに系のpHを上昇させ
ることとなり、一層、銅との反応を抑止する効果が増
す。従って、絶縁層の形成に用いられるポリイミド前駆
体組成物は、含まれるポリイミド前駆体1当量に対し
て、1当量以上の前記塩基性化合物を含むことが好まし
い。すなわち、該ポリイミド前駆体組成物は、反応点の
数が、前記ポリイミド前駆体全体の含むカルボキシル基
の総数以上になる量の塩基性化合物を含むことが好まし
い。
【0042】また、本発明では、上述の配線構造体の製
造方法も提供される。ポリイミドの焼成工程では、雰囲
気中の酸素濃度を0.5%以下にすることが望ましい。
配線構造体の製造法において、銅がポリイミド前駆体に
溶出する過程における酸素の影響は極めて大きい。この
酸素濃度を低減することによりポリイミド前駆体に銅が
溶出するのを抑止することができる。特に抑止効果の大
きい酸素濃度の領域は0.5%以下であり、この濃度を
超えると急激に銅の溶出量が増大する。この手段として
通常の液体窒素から発生する窒素ガスをポリイミド前駆
体塗布後のベーク時の雰囲気として用いることができ、
100ppm以下の低酸素濃度の雰囲気は容易に達成可
能である。この酸素濃度を低減することと前述のポリイ
ミド前駆体を含む溶液系の酸性度を低減することとは、
銅の溶出を抑止する効果に関して加成性が成立つ。従っ
て、できる限り銅とポリイミド前駆体が接する際の雰囲
気の酸素濃度を低減し、さらに、用いるポリイミド前駆
体(またはその組成物)の酸性度を低減することで、銅
の溶出量を最小限度に抑えることが可能となる。
【0043】そこで、本発明では、ポリイミド前駆体の
加熱硬化時には、雰囲気の酸素濃度を0.5体積%以下
にすることが望ましい。系の酸素濃度を0.5体積%以
下に低減すれば、銅の溶出をさらに阻害することができ
るからである。
【0044】つぎに、溶媒の存在による影響について考
える。Cuとポリイミドワニスとの反応は、溶媒の存在
によって促進される。これは、溶媒により銅イオンの分
散が促進されることと、溶媒が存在する間は、系内の温
度上昇が抑制されるためイミド化の進行が阻害されるこ
ととによる。
【0045】しかし、ポリイミドワニスからの溶媒の蒸
発は、雰囲気との接触面である膜表面で起こるため、C
u導体層とポリイミドワニスとの界面では、膜表面より
も長時間溶媒が残存することになる。従って、熱硬化時
に溶媒をできるだけ早く気化させることが反応防止には
有効であると考えられる。しかし、熱硬化温度を急激に
上昇させて溶媒の蒸発時間を短くすることは、膜膨れな
どの原因になり難しい。また、極端に熱硬化温度を高く
すると、膜表面が急激に硬化してしまうため、かえって
内部の溶媒の留去を阻害する結果ともなりかねない。従
って、熱硬化温度を高くすることには、限界がある。
【0046】そこで、本発明者らは、ポリイミドの形成
膜厚に着目して、検討を行った。厚いポリイミド膜を得
るためには、厚いポリイミドワニス膜を形成しなければ
ならないため、膜内での溶媒の存在時間は長くなる。従
って、ポリイミドの形成膜厚が大きいほどCuとポリイ
ミドとの反応は生じ易くなり、ポリイミド膜中へのCu
の拡散量が増えることになる。
【0047】発明者らの実験によれば、ポリイミドの形
成膜厚を6.5μm以上にした場合に、Cu層との界面
近傍のポリイミド層にCuが高濃度で存在する領域が形
成されることが確認された。図9に、セラミック絶縁層
と、銅層と、ポリイミド絶縁層とをこの順で積層した場
合の、ポリイミド層におけるCu元素の拡散状況を、形
成膜厚dに対して観察して得られたグラフである。な
お、ポリイミド膜の形成は、銅層表面に、ピロメリット
酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルと
を重合させて得られるポリアミド酸のワニスを塗布し、
加熱してイミド化させて行った。
【0048】図2(a)は、ポリイミド膜の膜厚が10
μmのポリイミド層4中のCu元素濃度分布を示したも
ので、横軸が銅/ポリイミド界面からの距離、縦軸が銅
濃度である。この図からわかるように、銅/ポリイミド
界面からの距離が大きくなるにつれて、Cu元素濃度が
減少し、銅/ポリイミド界面からの距離が小さいところ
にCu濃度の高い層(以下、高濃度層という)が存在し
ている。
【0049】一方、図2(b)は、高濃度層の膜厚とポ
リイミド層4の形成膜厚との関係を示すグラフである。
この図よりポリイミド層4の形成膜厚が6.5μmのと
ころで高濃度層の膜厚が急激に増大し、それ以下では高
濃度層がほとんど形成されていないことがわかる。これ
より、ポリイミド層4の形成膜厚を6.5μm以下に形
成している本実施例においては、高濃度層がほとんど形
成されていないことがわかる。
【0050】このCuが高濃度で存在する領域は、Cu
導体パターン近傍のポリイミド膜の機械強度低下の原因
であり、この高濃度層を無くすことが機械強度低下防止
に必要となる。そのため、少なくとも、配線上に形成さ
れるポリイミド膜の形成膜厚は、6.5μm以下にする
ことが望ましい。このようにすることにより、有機溶媒
の気化時間の短縮を図ることができる。有機溶媒の存在
時間が短かければ、ポリイミド膜中へのCu拡散を抑制
して、Cuとの界面近傍へのCu高濃度層の形成を防止
することができ、Cu拡散によるポリイミド膜の耐熱性
および機械強度の低下を防止できる。
【0051】(2)配線構造体製造時のポリイミド膜に
発生するクラックの防止 次に、クラックを防止する手段につき説明する。既に述
べたように、配線構造体の製造において、ポリイミド膜
にクラックを生ずる場合がある。例えば、図8(a)に
示されるように、基板1に平行に形成された配線2を上
層の配線と接続するためにヴィア配線3を形成し、図8
(b)に示されるように絶縁膜としてポリイミド4を形
成する。次いで図8(c)に示されるように絶縁膜平坦
化のためにポリイミド4を研磨し、ヴィア配線3の頭出
しを行なうとヴィア配線3の周囲にクラックを生じ、更
にその上に配線を形成することを試みても、配線の断線
をきたし不良となってしまう場合がある。クラックが発
生する理由は、基板とポリイミド若しくは基板とメタル
との間にそれらの熱膨張係数差に基づく応力が発生する
ためである。
【0052】このクラックの発生は、ポリイミド膜に働
く膜応力を低減することで防止することができる。ここ
で、膜応力を低減することによりクラックの発生を防止
できる理由を、図8を用いて考察する。
【0053】図8(c)に示されるような、ヴィア配線
3の上面が露出した平坦な絶縁膜4を得るために、ポリ
イミド膜4を研磨すると、ヴィア配線3の周囲にクラッ
クを生ずる場合がある。これは、基板1とポリイミド3
との間に、それらの熱膨張係数差に基づく応力が発生す
るためである。この応力は、ポリイミド膜4を研磨する
前(図8(b)に図示)には、ヴィア配線3上のポリイ
ミド4aがつなぎとなっているため問題にならない。し
かし、研磨後には、このつなぎが無くなるため、ヴィア
配線の周囲では膜応力がポリイミドを引き裂く力となっ
て働く。クラックは、この力により発生するものと考え
られる。このポリイミド膜4を引き裂く力は、ヴィア配
線の形を角形状から丸い形状にしても防ぎきれるもので
はなく、膜応力自体を低減しない限り根本的な解決は困
難であるものと考えられる。
【0054】そこで、本発明では、膜応力を低減するた
めに、絶縁層を、上記の銅との反応性の乏しいポリイミ
ドからなる第1の絶縁膜と、低熱膨張性のポリイミドか
らなる第2の絶縁膜との、少なくとも2層にすることが
望ましい。配線層上に第1の絶縁膜を形成し、さらに第
1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成して、全体として一
のポリイミド絶縁層とすることにより、本発明では、配
線上に直接形成される部分のポリイミド層にかかる熱応
力を低減することができる。これにより、研磨後のクラ
ックの発生が抑制される。
【0055】このポリイミド膜に働く応力を低減するた
めに、本発明では、低熱膨張性ポリイミドを用いる。そ
の結果、応力を低減でき、クラックを防止することがで
きる。その際の応力は絶縁膜全体として35MPa(メ
ガパスカル)以下とすることが望ましい。この低応力達
成のために、前述の低熱膨張性ポリイミドの膜厚の絶縁
膜全体に占める割合が50%以上である必要がある。こ
れは、非低熱膨張性ポリイミドの膜応力が45MPa程
度である一方で、低熱膨張性ポリイミドの膜応力は25
MPa以下となるものが多く、しかもそれらを積層した
複合膜の膜応力にはほぼ加成性が成り立つためである。
【0056】
【作用】つぎに、本発明のうち、銅とポリイミド前駆体
との反応の抑止法につき詳細に説明する。本発明では、
配線層と絶縁層とを有する配線構造体において、上記配
線層の配線は、少なくとも一部が銅からなり、絶縁層
は、下記一般式(化1)で表される繰返し単位を有する
ポリイミドからなることを特徴とする配線構造体が提供
される。
【0057】
【化1】
【0058】ここで、R1は、(化2)
【0059】
【化2】
【0060】のうちから選ばれる少なくとも一種の4価
の有機基であり、R2は芳香環を含む2価の有機基であ
る。このポリイミドの前駆体であるポリアミド酸は酸性
度が低いため、このポリイミドの前駆体を用いれば、銅
の溶出を抑制することができる。また、R2は芳香環を
含む2価の有機基であり、下記(化3)
【0061】
【化3】
【0062】から選ばれる少なくとも一種を用いること
が好ましい。R2は一般式(化1)のポリイミドの前駆
体の酸性度にほとんど影響を与えないため、ポリイミド
前駆体の熱硬化物であるポリイミドに良好な熱特性や機
械特性を与える基を任意に用いることができる。本発明
で用いられるポリアミド酸およびポリイミドの重量平均
分子量は、機械特性の観点から、2万以上であることが
望ましく、通常、2万〜10万程度である。
【0063】なお、ポリイミド前駆体組成物に塩基性化
合物を含めることにより、銅の溶出を抑制することもで
きる。これは、この塩基性化合物がポリイミド前駆体の
カルボキシル基を中和するために、系全体の酸性度が低
下し、結果として銅との反応を抑止するからである。ま
た、該塩基性化合物の量はポリイミド前駆体のカルボキ
シル基を実質的に中和できる量以上とすることが望まし
いが、ポリイミド前駆体の溶液の安定性が大きくは損な
われない程度に更に多めに添加してもよい。多めに添加
された分は、系全体の酸性度を更に低下させる方向に働
き、一層銅との反応を抑止する効果が増す。
【0064】この塩基化合物としては、ポリイミド前駆
体のカルボキシル基を中和し、かつポリイミド前駆体の
安定性を大きく損なわず、ポリイミド前駆体を熱硬化し
ポリイミドとした際にポリイミドの機械特性や電気的特
性を大きく損なうものでなければ如何なるものでも使用
することができる。なお、塩基性化合物としては、下記
(化4)から選ばれる少なくとも一種のアミン化合物で
あることが好ましい。
【0065】
【化4】
【0066】特に該塩基性化合物が上記(化4)のアミ
ン化合物の場合には、ポリイミド前駆体から加熱により
ポリイミドを形成する際、最終的には殆どが蒸発、分
解、散逸しポリイミド中に殆ど残留しないために、過剰
の添加は問題無く行なうことができる。したがって、こ
の塩基化合物の量は、ポリイミド前駆体1当量に対し
て、1当量以上であることが望ましい。なお、ポリイミ
ドの当量は、カルボキシル基1つあたりを1価として計
算して求められる量であり、塩基化合物の当量は、酸と
の酸塩基相互作用を考えたとき、反応点となる部位1つ
を一価として計算して求められる量である。
【0067】なお、絶縁膜の形成に、上述の一般式(化
1)で表されるポリイミドの前駆体と、上述の塩基性化
合物とを含むポリイミド前駆体組成物を用いれば、それ
自体酸性度の低いポリアミド酸のカルボキシル基をさら
に中和することで、系全体の酸性度をさらに低下させる
ことができ、銅の溶出抑制のために特に有効である。
【0068】また、ポリイミド膜の機械強度は、絶縁膜
の持っている膜応力が低いほど高くなるため、ポリイミ
ドとCuの反応を防止すると同時に、ポリイミド絶縁膜
全体の膜応力を下げることがポリイミド膜の機械強度低
下の抑制には有効である。そこで、本発明では、配線層
と絶縁層とを有する配線構造体において、該配線層の配
線は、少なくとも一部が銅からなり、絶縁層は、配線層
上に形成される第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形
成される第2の絶縁膜とを、少なくとも備え、第1の絶
縁膜は、上述のポリイミド前駆体組成物(一般式(化
1)で表されるポリイミドの前駆体、および/または、
塩基性化合物を含む)から得られる第1のポリイミドか
らなり、第2の絶縁膜は、上記第1のポリイミドより熱
膨張係数の小さい第2のポリイミドからなることを特徴
とする配線構造体が提供される。前記第1の絶縁膜の厚
さは、前記第2の絶縁膜より薄いことが望ましい。この
ように、絶縁層を、熱膨張性の低いポリイミドからなる
絶縁膜を含む複合層とすることにより、絶縁層全体の膜
応力を低減することができる。
【0069】なお、第1のポリイミドとしては、上述の
一般式(化1)で表される繰返し単位を有するポリイミ
ドを用いることが望ましく、第1の絶縁膜の厚さは、
6.5μm以下にすることが望ましい。また、第2の絶
縁膜の厚さは、第1の絶縁膜より厚いことが望ましく、
6.5μm以上20μm以下であることがさらに望まし
い。
【0070】なお、第2の絶縁膜に用いられる低応力達
成のための低熱膨張性ポリイミドとしては、その上層に
形成される金属層やポリイミドとの接着性が良好である
ものが望ましい。
【0071】例えば、第2のポリイミドの第1の例とし
ては、下記一般式(化5)で表される繰返し単位と、
(化6)で表される繰り返し単位とを有し、一分子中に
含まれる、一般式(化5)で表わされる繰返し単位の数
と一般式(化6)で表される繰り返し単位の数との合計
を100としたときの、一般式(化5)で表される繰り
返し単位の数は95未満であり、一般式(化6)で表さ
れる繰り返し単位の数は5以上であるポリイミドが挙げ
られる。
【0072】
【化5】
【0073】
【化6】
【0074】(式中、R3は下記(化7)
【0075】
【化7】
【0076】から選ばれる少なくとも一種の4価の有機
基であり、R4は下記(化8)
【0077】
【化8】
【0078】から選ばれる少なくとも一種の2価の有機
基であり、R5は下記(化9)
【0079】
【化9】
【0080】から選ばれる少なくとも一種の2価の有機
基である。) このポリイミドは、このポリイミドの前駆体を加熱硬化
させて得られる。このポリイミドの前駆体のうちのポリ
アミド酸は、下記一般式(化18)で表される繰返し単
位と、(化19)で表される繰り返し単位とを有し、一
分子中に含まれる、一般式(化18)で表わされる繰返
し単位の数と一般式(化19)で表される繰り返し単位
の数との合計を100としたときの、一般式(化18)
で表される繰り返し単位の数は95未満であり、一般式
(化19)で表される繰り返し単位の数は5以上である
ポリアミド酸である。
【0081】
【化18】
【0082】
【化19】
【0083】また、下記一般式(化20)の酸二無水物
と、2種類のジアミンからなるジアミン混合物とを混合
し、加熱硬化させることにより、上記ポリアミド酸が得
られ、さらに加熱硬化させれば、上記(化5)および
(化6)で表されるポリイミドが得られる。ここで、ジ
アミン混合物は、95%(モル比)未満の下記一般式
(化21)のジアミンと、5%(モル比)以上の下記一
般式(化22)のジアミンとの混合物である。なお、
(化18)〜(化22)におけるR3〜R5は、上述の一
般式(化5)および(化6)と同様である。
【0084】
【化20】
【0085】
【化21】
【0086】
【化22】
【0087】第2のポリイミドの第2の例としては、下
記一般式(化10)で表される繰返し単位と、(化1
1)で表される繰り返し単位とを有し、一分子中に含ま
れる、一般式(化10)で表わされる繰返し単位の数と
一般式(化11)で表される繰り返し単位の数との合計
を100としたときの、一般式(化10)で表される繰
り返し単位の数は85〜50であり、一般式(化11)
で表される繰り返し単位の数は50〜15である第2の
ポリイミドが挙げられる。
【0088】
【化10】
【0089】
【化11】
【0090】(式中、R3は下記(化7)
【0091】
【化7】
【0092】から選ばれる少なくとも一種の4価の有機
基であり、R6は下記(化12)
【0093】
【化12】
【0094】から選ばれる少なくとも一種の2価の有機
基であり、R7は下記(化13)
【0095】
【化13】
【0096】から選ばれる少なくとも一種の2価の有機
基である。) このポリイミドは、このポリイミドの前駆体を加熱硬化
させて得られる。このポリイミドの前駆体のうちのポリ
アミド酸は、下記一般式(化23)で表される繰返し単
位と、(化24)で表される繰り返し単位とを有し、一
分子中に含まれる、一般式(化23)で表わされる繰返
し単位の数と一般式(化24)で表される繰り返し単位
の数との合計を100としたときの、一般式(化23)
で表される繰り返し単位の数は95未満であり、一般式
(化24)で表される繰り返し単位の数は5以上である
ポリアミド酸である。
【0097】
【化23】
【0098】
【化24】
【0099】また、上記一般式(化20)の酸二無水物
と、2種類のジアミンからなるジアミン混合物とを混合
し、加熱硬化させることにより、上記ポリアミド酸が得
られ、さらに加熱硬化させれば、上記(化10)および
(化11)で表されるポリイミドが得られる。ここで、
ジアミン混合物は、95%(モル比)未満の下記一般式
(化25)のジアミンと、5%(モル比)以上の下記一
般式(化26)のジアミンとの混合物である。なお、
(化20)におけるR3と、(化25)および(化2
6)におけるR6およびR7は、いずれも、上述の一般式
(化10)および(化11)と同様である。
【0100】
【化25】
【0101】
【化26】
【0102】上記2例の低熱膨張性ポリイミドのうち、
第1の例では、芳香環にメチル基を有する有機基成分を
ポリイミド分子鎖中に導入することにより上層金属や上
層に形成されるポリイミドとの接着を確保する。これ
は、芳香環にメチル基を有する有機基が、酸素によるア
ッシングやアルゴンイオンを用いたスパッタリング等の
処理により極めて活性な表面状態を作り出すことができ
るためであり、その結果として上述の接着を確保するこ
とができる。その割合はモル比で5%以上必要であり、
充分な効果を達成できる。また、第2の例では、エ−テ
ル結合を有する有機基成分をポリイミド分子鎖中に導入
することにより上層に形成される金属やポリイミドとの
接着を確保する。エ−テル結合を有する有機基成分は本
来上層金属や上層に形成されるポリイミドとの接着性に
優れているが、反面ポリイミドが低熱膨張性となるため
の阻害要因となる。そのため、上述に記載のようにある
割合に限定された範囲で低応力と上述の高接着性が達成
できる。
【0103】前述の全てのポリイミド前駆体は、必要な
テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを極性
有機溶剤中で撹拌し、重合反応させポリイミド前駆体
(ポリアミド酸)を生成することで容易に得ることがで
きる。ここで、酸二無水物とジアミンの量は、化学量論
的にほぼ同等であることが望ましい。
【0104】また使用できる極性有機溶剤としては、例
えば、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラ
メチレンスルホン、p−クロロフェノ−ル、p−ブロモ
フェノ−ル等があげられ、これらの少なくとも1種以上
を用いることができるが、必ずしもこれらに限定される
ものではなく、ポリイミド前駆体が溶解するものであれ
ば、何れのものでも使用可能である。
【0105】さらに、塩基性化合物を含んだポリイミド
前駆体組成物を得るには、該ポリイミド前駆体を上記方
法により合成後、得られた反応溶液に塩基性化合物を添
加し、撹拌すればよい。
【0106】本発明では、配線構造体の製造方法も提供
される。ここで、配線構造体とは、配線と絶縁層とを有
する電子装置をいい、半導体集積回路素子、配線基板、
サーマルヘッド、磁気ヘッド等が含まれる。ここでは、
例として、薄膜・厚膜複合多層配線基板の製造方法を説
明する。
【0107】まず、配線を有するセラミック基板表面
に、導体パターンを形成して、配線層とする。導体パタ
ーンの形成には、フォトリソグラフィ法や、アディティ
ブ法など、周知の方法を用いることができる。なお、銅
配線層は、その上層および下層の少なくともいずれか一
方に、Cr、Ti、Ta、W、Nb、およびTiWのう
ちから選ばれた材料よりなる導体層を備えることが望ま
しい。
【0108】つぎに、この配線層表面に、ポリイミド前
駆体組成物の膜を形成する。成膜方法は、スピンコート
など、周知の方法を用いることができる。このポリイミ
ド前駆体組成物の膜を、加熱することにより硬化させる
ことにより、ポリイミドからなる絶縁膜が得られる。な
お、ポリイミド前駆体組成物は、上述の一般式(化1)
で表されるポリイミドの前駆体と、塩基性化合物との、
少なくともいずれかを含むことが望ましい。また、溶媒
の存在時間を短くするために、ポリイミド前駆体組成物
の膜厚は、加熱硬化させて得られる絶縁膜の膜厚が6.
5μm以下になるような膜厚にすることが望ましい。
【0109】このポリイミド前駆体組成物の膜を加熱硬
化させると、ポリイミドからなる絶縁膜が得られる。こ
のポリイミド前駆体の加熱硬化の工程においては、雰囲
気中の酸素濃度を0.5v/v%以下にすることが望ま
しく、酸素がない雰囲気で行うことがさらに望ましい。
なお、このようにして得られた絶縁膜表面に、さらに、
低熱膨張性のポリイミドからなる膜を形成し、絶縁膜を
複合膜にする工程を設けてもよい。
【0110】また、絶縁膜表面に導体配線を形成する工
程と、該導体配線上に絶縁膜をさらに形成する工程とを
この順で繰り返せば、複数の配線層を備える多層配線基
板を得ることができる。
【0111】つぎに、基本的な製造工程例を説明する。
薄膜配線基板の基本的な構造を、図10に示す。薄膜配
線基板の基本的な製造工程例としては、(a) 図10
(a)に示すように、Cu導体からなる配線層102上
にポリイミドからなる絶縁層104を形成する場合、
(b) 図10(b)に示すように、Cu導体からなる
配線層102およびビア106上に、ポリイミドからな
る絶縁層104を形成する場合、および、(c) 図1
0(c)に示すように、絶縁層107中のスルーホール
100上に存在するCu導体からなる配線層103上に
ポリイミドからなる絶縁層104を形成する場合、など
が挙げられる。
【0112】最初に図10(a)に示した構造の製造工
程について説明する。絶縁層101上に、通常のスパッ
タリング法を用いてCu膜を成膜し、このCu膜を、周
知のフォトエッチング法を用いて所定のパターン形状に
加工して、Cuからなる配線層102を形成する。得ら
れた配線層102上に、ポリイミド前駆体組成物をスピ
ンコート等により成膜し、加熱硬化させてポリイミド層
104を形成する。以上により、図10(a)に示した
構造の配線基板が得られる。
【0113】次に、図10(b)に示した構造の製造工
程について説明する。絶縁層101上に、通常のスパッ
タリング法を用いてCu膜を成膜する。このCu膜表面
に、周知のプロセスによりめっき用のレジストパターン
を形成し、めっき法によりCu導体からなるビア配線1
06を形成する。つぎに、めっき用レジストを除去した
後に周知のフォトエッチング法によりビアパッド105
と配線102aと有する配線層102を形成する。つい
で、配線層102上にポリイミド前駆体組成物をスピン
コート等により成膜し、加熱硬化させてポリイミド層4
を形成する。以上により、図10(b)に示した構造の
配線基板が得られる。
【0114】次に、図10(c)に示した構造の製造工
程について説明する。絶縁層101上に、通常のスパッ
タリング法を用いてCu膜を成膜し、周知のフォトエッ
チング法を用いて所定のパターン形状に加工し、Cuか
らなる配線層2を形成する。ついで、感光性ポリイミド
前駆体組成物を用い、周知のフォトリソグラフィー法に
よってスルーホール100を設けた絶縁層107を形成
する。つぎに、通常のスパッタリング法を用いてCu膜
を成膜し、周知のフォトエッチング法を用いて所定のパ
ターン形状に加工し、Cu導体からなる配線層103を
形成する。最後に、配線層103上にポリイミド前駆体
組成物をスピンコート等により成膜し、加熱硬化させて
ポリイミド層4を形成する。以上により、図10(c)
に示す構造を有する配線基板が得られる。
【0115】上述の(a)〜(c)のいずれの場合も、
導体(配線層102,103およびビア配線106)上
にポリイミド層4を形成する場合、ポリイミド層104
の形成には、ポリイミド前駆体を含むポリイミド前駆体
組成物を用いるが、このポリイミド前駆体として、上述
の一般式(化1)で表されるポリイミドの前駆体を用い
るか、あるいは、組成物中に塩基性化合物をさらに含む
ようにする。
【0116】なお、上述の(a)〜(c)の各場合と
も、ポリイミド層104の形成膜厚dは、6.5μm以
下にすることが望ましい。しかし、(b)および(c)
の場合、ポリイミド層4が最も厚くなるところは、Cu
導体パターンのパターンエッジ部である。そこで、該パ
ターンエッジ部の膜厚d´をも6.5μm以下に形成す
ることが望ましい。しかし、通常は、平坦部の膜厚dと
パターンエッジ部の膜厚d´との差は小さいので、平坦
部の膜厚dを6.5μm以下にすれば、十分な効果が得
られる。
【0117】絶縁層104の形成膜厚dは、6.5μm
以下にすることが望ましい。しかし、絶縁層104の形
成膜厚dを6.5μmより厚くする必要がある場合に
は、絶縁層104を2層以上の多層構造とすればよい。
すなわち、配線上に直接形成される層の形成膜厚dを
6.5μm以下にし、この層の表面に、さらに絶縁層を
形成すれば、絶縁層104全体の厚さを、6.5μmよ
り厚くしても、十分な効果が得られる。
【0118】なお、上述の(a)〜(c)のいずれの場
合も、絶縁層101は、高分子材料およびセラミック材
料のいずれの材料からなるものであってもよい。また、
Cu導体からなる配線層102は、上述のようなフォト
リソグラフィの手法によらずに、印刷や、アディティブ
法など、他の方法によって配線パターンを形成してもよ
い。さらに、上述の例では、Cuの成膜をスパッタリン
グ法によって行っているが、めっき法などを用いても差
支えない。また、上述の例では、ビア6をめっきにより
形成しているが、スパッタリング法によってCuを成膜
し、周知のフォトエッチングによって加工することによ
り形成しても良い。スルーホールの形成についても、上
述のような感光性材料を用いた方法に限らず、機械的穿
孔など、他の方法により行ってもよい。
【0119】また、ポリイミド前駆体組成物の成膜は、
スピンコート等による塗布に限らず、例えば、ポリイミ
ド前駆体組成物からなるシートを載置するなど、他の方
法を用いて行ってもよい。ポリイミド前駆体の加熱硬化
は、窒素気流中あるいは真空中など、酸素の少ない雰囲
気において行うことが望ましい。
【0120】さらに、上述の例では、配線層102,1
03はCu単体で構成しているが、絶縁層104との密
着性を確保するために、配線層102,103の上面や
下面にCr、Ti、Ta、W、Nb、およびTiWの中
から選んだ材料からなる薄膜層を形成しても良い。この
場合の本発明の効果はCu導体パターンの側壁に対して
現れる。
【0121】つぎに、多層配線基板を形成する場合の製
造工程例について説明する。導体配線119を備えるセ
ラミック基板111上に薄膜多層配線112を形成する
場合の、製造途中の多層配線基板の断面図を、図11に
示す。図11に示した多層配線基板は、導体配線119
を備えるセラミック基板と、3層の絶縁層110と、厚
膜基板101と薄膜多層配線102の整合をとるための
整合層114と、平面配線116と、ビア配線113
と、ビアパッド115とを備える。各絶縁層110は、
それぞれ、第1のポリイミド膜117と、第2のポリイ
ミド膜118とを備える。多層配線基板は、例えば、つ
ぎの(1)〜(12)の工程により作製される。
【0122】(1) セラミック基板111を洗浄し、
酸素プラズマ処理を行って基板表面の清浄化を行う。
【0123】(2) 逆スパッタリングにより基板表面
の清浄化を行った後、セラミック基板111表面に、ス
パッタリング法によりCr、Cu、Crを順次成膜し、
Cr/Cu/Cr積層膜を形成する。ここで、Cr/C
u/CrはCr膜、Cu膜、Cr膜を、この順で順次積
層した構造を表す。
【0124】(3) Cr/Cu/Cr積層膜表面に、
周知のフォトリソグラフィ法によりレジストパターンを
形成し、選択性エッチングによりCr/Cu/Cr積層
膜の最上層のCr膜をパターン化した後、電気めっきを
用いてCu膜を成長させ、Cu導体よりなるビア113
aを形成する。さらに、周知のフォトエッチング法によ
りCr/Cu/Cr積層膜のパターン分離を行い、整合
層114のパターンを形成する。
【0125】(4) セラミック基板111表面の露出
部分と、整合層114およびビア113aとを覆うよう
に、第1のポリイミド前駆体組成物をスピンコートによ
り塗布し、加熱硬化させて、第1の絶縁層110aの第
1のポリイミド膜117aを形成する。ここで、第1の
ポリイミド前駆体組成物は、ポリイミド前駆体として、
上述の一般式(化1)で表されるポリイミドの前駆体を
含むか、あるいは、塩基性化合物を含むことが望まし
い。また、この第1のポリイミド膜117aの膜厚は
6.5μm以下にすることが望ましい。このようにする
ことにより、第1のポリイミド膜117a中へのCu拡
散を防止することができる。
【0126】(5) 次いで、第1のポリイミド膜11
7a表面に、第2のポリイミド前駆体組成物をスピンコ
ートにより塗布し、加熱硬化させて、第1の絶縁層11
0aの第2のポリイミド膜118aを形成する。この第
2のポリイミド膜118aの形成膜厚は、第1の絶縁層
110aの必要膜厚に応じて定めれば良い。第2のポリ
イミド膜118aは、第1のポリイミド膜117aと同
材料であっても良いが、異なっても差支えなく、熱膨張
の少ないポリイミドを用いることが望ましい。この低熱
膨張性ポリイミドには、上述の一般式(化5)で表され
る繰返し単位と(化6)で表される繰り返し単位とを有
するポリイミド、および、上述の一般式(化10)で表
される繰返し単位と、(化11)で表される繰り返し単
位とを有するポリイミドの少なくともいずれかが好適で
ある。また、ここでは、絶縁層110を2つの絶縁膜1
17,118の複合膜としているが、さらに第2のポリ
イミド膜118表面に絶縁膜を形成し、3層以上の複合
膜としてもよい。
【0127】(6) 得られた第1の絶縁層110a表
面を、テープラップ法やポリッシュ法などの機械研磨法
により研磨し、ビア113aの頭出しと絶縁層110a
の平坦化とを行ったのち、絶縁層110a表面およびビ
ア113a露出部分の洗浄と酸素プラズマ処理とを行
い、表面を清浄化する。
【0128】(7) 上述の(2)〜(3)と同様にし
て、絶縁層110a表面およびビア113a露出部分に
Cr/Cu/Cr積層膜を成膜したのち、最上層Cr膜
をパターン化した後、電気めっきを用いてCuを成長さ
せ、Cuよりなるビア113bを形成し、Cr/Cu/
Cr積層膜をパターン分離してビアパッド115aおよ
び配線層116aを得る。
【0129】(8) 上述の(4)と同様にして、第1
の絶縁層110a表面と、平面配線116a、ビアパッ
ド115aおよびビア113bとを覆うように、第1の
ポリイミド前駆体組成物をスピンコートにより塗布し、
加熱硬化させて、第2の絶縁層110bの第1のポリイ
ミド膜117bを形成する。第1の絶縁層110aの場
合と同様に、ここで、第1のポリイミド前駆体組成物
は、ポリイミド前駆体として、上述の一般式(化1)で
表されるポリイミドの前駆体を含むか、あるいは、塩基
性化合物を含むことが望ましい。また、この第1のポリ
イミド膜117bの膜厚も、6.5μm以下にすること
が望ましい。
【0130】(9) 次いで、上述の(5)と同様にし
て、第1のポリイミド膜117b表面に、第2のポリイ
ミド膜118bを形成する。これにより、第2の絶縁層
110bが形成されたことになる。
【0131】(10) 得られた第2の絶縁層110b
表面を、上述の(6)と同様にして研磨し、ビア113
aの頭出しおよび平坦化と、表面の清浄化を行ったの
ち、上述の(7)と同様にして、ビア113c、ビアパ
ッド115bおよび配線層116bを形成する。
【0132】(11) さらに、上述の(8)〜(9)
と同様にして、第2の絶縁層110b表面と、平面配線
116b、ビアパッド115bおよびビア113cとを
覆うように、第3の絶縁層110cの第1のポリイミド
膜117cおよび第2のポリイミド膜118cを形成
し、第3の絶縁層110cを得る。
【0133】(12) 以上により、図3に示した、製
造途中の多層配線基板が作製される。さらに、(10)
〜(11)の工程を繰り返すことにより、配線層の積層
数を増やすことができる。所望の積層が得られたら、最
後に、表面を研磨し、清浄化したのち、半導体チップな
どとの接続のための表面電極(図示せず)を形成するこ
とにより、多層配線基板が得られる。
【0134】従来より用いられてきた製造方法では、上
述の(6)および(10)に相当する研磨工程におい
て、ビア113aの周辺の第1の絶縁層110aに相当
する箇所や、ビア113bの周辺の第2の絶縁層110
bに相当する箇所に、クラックの発生が見られることが
あった。しかし、本発明の第1の態様によれば、上述の
一般式(化1)により表されるポリイミドの前駆体を含
むポリイミド前駆体組成物を用いて第1のポリイミド膜
117を形成することにより、クラックの発生を抑制す
る。また、本発明の第2の態様によれば、塩基性化合物
を含むポリイミド前駆体組成物を用いて第1のポリイミ
ド膜117を形成することにより、クラックの発生を抑
制する。さらに、本発明の第3の態様では、第1のポリ
イミド膜117の膜厚を6.5μm以下にすることによ
り、クラックの発生を抑制する。
【0135】つぎに、厚膜多層基板の両面に薄膜配線と
I/O(入出力)ピンを形成するための薄膜メタライズ
を形成した厚膜・薄膜複合配線基板の製造方法の例を、
図12を用いて説明する。
【0136】図12に示した配線基板は、内部配線11
9を備えるセラミック基板111の表裏一方の面に、厚
膜基板111と薄膜配線の整合をとるための金属層パタ
ーン(整合層)114と、ビア54と、半導体チップ等
との接続のための金属層パターン(表面電極)127
と、絶縁層110とを備える。絶縁層110は、第1の
ポリイミド膜(絶縁膜)117と第2のポリイミド膜
(絶縁膜)118とを備える。また、セラミック基板1
11の他方の面には、入出力(I/O)ピン取り付けの
際の応力分散のための3層からなる金属層パターン12
1と、入出力端子接続のための金属層パターン(表面電
極)123と、表面電極123にはんだ125を介して
接続されたI/Oピン126と、第1の絶縁層122お
よび第2の絶縁層124とを備える。
【0137】この配線基板は、つぎの(21)〜(3
0)の工程により作製することができる。なお、ここで
は、上記I/Oピン126のある側の面を裏面側の面と
呼び、その反対側の面を表面側の面と呼ぶことにする。
【0138】(21) セラミック基板111を洗浄
し、酸素プラズマ処理によりセラミック基板111の表
裏両面の清浄化を行ったのち、上述の(2)と同様にし
て、セラミック基板111の表裏両面にCr/Cu/C
r積層膜を形成し、裏面側のCr/Cu/Cr積層膜表
面を、ポリイミド膜等からなる保護膜(図示せず)によ
り覆う。
【0139】(22) セラミック基板111の表面側
のCr/Cu/Cr積層膜表面に、上述の(3)と同様
にして、Cuよりなるビア113を形成したのち、パタ
ーン分離し、整合層として働く金属層パターン(整合パ
ッド)114を得る。
【0140】(23) (22)の工程により露出した
セラミック基板111表面と、整合パッド114および
ビア113とを覆うように、上述の(4)と同様にして
第1のポリイミド前駆体を塗布し、加熱硬化させて第1
のポリイミド膜117を形成する。
【0141】(24) 次いで、第1のポリイミド膜1
17表面に、上述の(5)と同様にして、第2のポリイ
ミド前駆体組成物を塗布し、加熱硬化させて第2のポリ
イミド膜118を形成する。これにより2層構造の絶縁
膜110が得られる。なお、第2のポリイミド膜118
の形成膜厚は、表面側に形成する絶縁層110の必要膜
厚に応じて定めれば良い。
【0142】(25) 裏面側の面に形成してある保護
膜(図示せず)を酸素アッシングなどにより除去するし
たのち、周知のフォトエッチング法により、裏面側のC
r/Cu/Cr積層膜のパターン分離を行い、金属層パ
ターン121を形成する。
【0143】(26) (25)の工程により露出した
セラミック基板111表面と金属層パターン121とを
覆うように、上述の(24)と同様にして、ポリイミド
前駆体組成物を塗布し、加熱硬化させて、裏面側の第1
の絶縁層122を形成する。
【0144】(27) この第1の絶縁層122に、周
知のフォトエッチング法あるいはレーザアブレーション
法などにより、金属層パターン61に達する貫通孔をあ
け、逆スパッタリングにより露出した金属層パターン6
1表面および第1のポリイミド膜122表面の清浄化を
行った後、スパッタリング法などによりCr膜を成膜
し、さらに、このCr膜表面に、はんだと接続可能な金
属(NiあるいはNi−W)からなる薄膜層を成膜す
る。次いで、周知のフォトエッチング法によりこの金属
膜(Cr膜、および、はんだと接続可能な金属の膜)の
パターン化を行い、表面電極123を得る。
【0145】(28) 表面電極123および第1の絶
縁層122の表面に、第2のポリイミド前駆体組成物を
スピンコートにより塗布し、加熱硬化させて、第2の絶
縁層124を形成する。
【0146】(29) テープラップ法やポリッシュ法
などの機械研磨法を用いて、表面側の絶縁層110表面
を研磨し、ビア113の頭出しと平坦化とを行ったの
ち、基板の洗浄と酸素プラズマ処理を行い、表面を清浄
化し、さらに逆スパッタリングにより表面側の面の清浄
化を行ったのち、この表面側の面に、スパッタリング法
等によりCr膜およびはんだと接続可能な金属(Ni−
WあるいはNi)からなる薄膜層を順次成膜する。次い
で、周知のフォトエッチング法によりCr膜およびはん
だと接続可能な金属の膜のパターン化を行い、表面電極
127を形成する。
【0147】(30) レーザアブレーション法などに
より、裏面側の第2の絶縁膜124に、裏面側の表面電
極123に達する貫通孔(スルーホール)をあけて、裏
面側表面電極123表面の一部を露出させたのち、表裏
両面の表面電極127,123の露出部分に、置換めっ
きなどにより、Au層(図示せず)を設ける。最後に、
はんだ125を用いてI/Oピン126を裏面側の表面
電極123に接続する。
【0148】以上により、図4に示した配線基板が作製
される。上記工程例では、表面側には2層構造の絶縁層
110を、裏面側には2層の単層構造絶縁層122,1
24を、それぞれ形成している。
【0149】以上の工程のうち、表面側に形成される第
1のポリイミド膜117(工程(23)により形成)
と、裏面側に形成される第1の絶縁層122(工程(2
6)により形成)とは、第1のポリイミド前駆体組成物
を用いて形成される。ここで、第1のポリイミド前駆体
組成物は、ポリイミド前駆体として、上述の一般式(化
1)で表されるポリイミドの前駆体を含むか、あるい
は、塩基性化合物を含むことが望ましい。また、第1の
ポリイミド膜117の形成と、第1の絶縁層122の形
成とに、同じポリイミド前駆体組成物を用いてもよく、
互いに異なる組成物を用いてもよい。なお、この第1の
ポリイミド膜117および第1の絶縁膜122の膜厚
は、それぞれ6.5μm以下にすることが望ましい。本
発明によれば、第1のポリイミド膜117および第1の
絶縁層122中へのCu拡散を防止することができ、こ
れによる耐熱性劣化や機械強度の低下が回避される。
【0150】実際、従来は、工程(29)に相当する研
磨工程において、ビア113の周辺の絶縁層110にク
ラックの発生などが見られたが、本発明を適用した上記
工程では、クラックは発生しない。なお、表面側の絶縁
層110は、3層以上にしても差支えない。
【0151】また、表面側に形成される第2のポリイミ
ド膜118(工程(24)により形成)と、裏面側に形
成される第2の絶縁層124(工程(28)により形
成)とは、第2のポリイミド前駆体組成物を用いて形成
される。この第2のポリイミド前駆体組成物は、第1の
ポリイミド前駆体組成物と同じものであっても良いが、
異なっても差支えなく、第2のポリイミド膜118の形
成と、第2の絶縁層124の形成とに、同じポリイミド
前駆体組成物を用いてもよく、互いに異なる組成物を用
いてもよいが、いずれも熱膨張の少ないポリイミドを用
いることが望ましい。
【0152】この低熱膨張性ポリイミドには、上述の一
般式(化5)で表される繰返し単位と(化6)で表され
る繰り返し単位とを有するポリイミド、および、上述の
一般式(化10)で表される繰返し単位と、(化11)
で表される繰り返し単位とを有するポリイミドの少なく
ともいずれかが好適である。
【0153】
【実施例】次に、本発明の実施例を、図面を用いて説明
する。なお、以下に記載する各合成例では、粘度の測定
にE型粘度計(DV□−E型ディジタル粘度計((株)
トキメック製)を使用した。
【0154】まず、ポリイミド前駆体を合成し、反応溶
液に適宜塩基性化合物を添加して、反応溶媒の残存した
ワニスとして、ポリイミド前駆体組成物を得た(合成例
1〜10、14〜16)。得られたワニスの固形分濃度
および粘度を、表2に示す。
【0155】
【表2】
【0156】表2で用いた化合物の略号は、それぞれ、 BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物 ODPA:3,3’,4,4’−オキシジフタル酸二無
水物 TPDA:p−ターフェニル−3,3”,4,4”−テ
トラカルボン酸二無水物 m−TPDA:m−ターフェニル−3,3”,4,4”
−テトラカルボン酸二無水物 DDE:4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル BAPB:4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン HFBAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン PDA:p−フェニレンジアミン DMBP:3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル DAPM:3−ジメチルアミノプロピルメタクリレート 4−MPY:4−メチルピリジン PMDA:ピロメリット酸二無水物 BTDA:3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物 を示す。
【0157】<合成例1>室温、窒素気流下、ジアミン
成分として4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルを3
0.0g(0.15mol)を、N,N−ジメチルアセ
トアミド(DMAc)と1−メチル−2−ピロリドン
(NMP)の1:1の混合溶媒420gに撹拌しつつ溶
解した。次いで、酸二無水物として3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物44.1g
(0.15mol)を混入し、窒素気流下で撹拌しつつ
溶解した(全固形分濃度15wt/wt%)。反応溶液
の粘度は、酸二無水物添加後、6時間経過時に600ポ
アズに達した。さらにこの溶液を55〜70℃の温度範
囲で約6時間加熱してその粘度を30ポアズとし、配線
構造体を製造する際に用いるポリイミド前駆体組成物
(表2のワニス番号1)を得た。
【0158】<合成例2>合成例1と同様にして得られ
たポリイミド前駆体組成物に、塩基性化合物として、3
−ジメチルアミノプロピルメタクリレートを51.4g
(0.30mol)添加した。添加後、溶液の粘度が5
5ポアズまで上昇した。次いで、該溶液を35℃で4時
間加熱しその粘度を40ポアズとし、配線構造体を製造
する際に用いるポリイミド前駆体組成物(表2のワニス
番号2)を得た。
【0159】<合成例3〜10、14〜15>表2のワ
ニス番号3〜10、14〜15の欄に示される成分をそ
れぞれ用いて、合成例1または合成例2と同様の方法で
ポリイミド前駆体を合成し、表2に示す固形分濃度およ
び粘度のポリイミド前駆体組成物(ワニス番号3〜1
0、14〜16)を得た。なお、これらの合成例におい
ても、合成例1および2と同様に、酸二無水物およびジ
アミンの量はそれぞれ0.15molとし、塩基性化合
物を添加する場合、その量は0.30molとした。
【0160】<比較合成例>合成例1と同様の方法で、
表3に示した原料をそれぞれ0.15mol用いてポリ
イミド前駆体を合成し、ポリイミド前駆体組成物(表3
のワニス番号11〜13)を得た。なお、表3では、化
合物名を表2と同様の略号を用いて記載した。
【0161】
【表3】
【0162】<実験例1>200ml用の丸底フラスコ
に表2のワニス番号1のポリイミド前駆体ワニス(合成
例1で合成したもの)を30g取り、アトマイズ銅(粒
径約15μm、純度99.999wt/wt%)を0.
3g添加し、窒素気流下で毎分300回転の速度で30
分間撹拌した。撹拌する際の温度は23℃、50℃、8
0℃の3種類とした。このとき、フラスコ内部の酸素濃
度を酸素濃度計にて測定したところ、いずれも約500
ppm(vol/vol)であった。
【0163】次いで、ワニスをポアサイズ3μmのフィ
ルタにて窒素により加圧濾過し、未反応の銅をワニスか
ら完全に除去した。濾過したワニスをガラス基板にスピ
ン塗布し、窒素気流下、130℃の温度で30分間プリ
ベークした後、該ワニスから生成したポリイミド前駆体
のフィルムを剥離した。次いで、ポリイミド前駆体のフ
ィルムをフレームへ装着し、窒素気流下で、200℃で
30分間ベークしたのち、350℃で30分間ベーク
し、銅が均一に分散したポリイミドフィルムを得た。こ
のフィルム中に存在する銅の濃度をケイ光X線法により
定量した。その結果を図2に示す。これは、ポリイミド
前駆体であるワニスと銅が反応し、ワニス中に溶出した
銅の量を表している。本実験例の結果から、この図に示
される様に、温度が上昇してもワニス中に銅は殆ど溶出
せず、酸性度の低いポリイミド前駆体の使用と酸素濃度
の低い雰囲気が、ポリイミド前駆体と銅との反応を抑止
する上で極めて効果があることがわかる。
【0164】<実験例2>表2にワニス番号2として示
す、塩基性化合物を含むワニスを用いることの他は、実
験例1と同様の実験を行った。その結果を図3に示す。
この図に示される様に、温度が上昇してもワニス中に銅
は殆ど溶出せず、酸性度の低いポリイミド前駆体の使用
と酸素濃度の低い雰囲気が、ポリイミド前駆体と銅との
反応を抑止する上で極めて効果があることが示された。
この例では実験例1の場合と比較して、さらに銅との反
応性が抑止されていることがわかる。
【0165】<実験例3>表2にワニス番号16として
示す、塩基性化合物を含むワニスを用いることの他は、
実験例1と同様の実験を行った。その結果を図13に示
す。本実験例では、実験例2と異なり、カルボキシル基
の酸性度の高いポリアミド酸を用いているにもかかわら
ず、図13に示される様に、温度が上昇してもワニス中
に銅は殆ど溶出せず、塩基性化合物の添加と、酸素濃度
の低い雰囲気とにより、ポリイミド前駆体と銅との反応
が抑止されていることがわかる。
【0166】<比較実験例1>ワニスとして表3のワニ
ス番号13を用いることの他は、実験例1と同様の実験
を行った。その結果を図4に示す。この図に示される様
に、温度の上昇とともにワニス中に銅が溶出する量が増
加し、しかもその絶対量が前述の実験例1〜3と比較す
るとはるかに多い。従って、酸素濃度の低い雰囲気下で
も、酸性度の高いポリイミド前駆体を使用し、酸性度を
下げるための塩基性化合物の添加がなければ、ポリイミ
ド前駆体と銅との反応を抑止することが困難になると考
えられる。実際、さらに酸素濃度を低くし、80ppm
(vol/vol)にて同様の実験を行ったが、図4と
ほぼ同様の結果となった。
【0167】<実験例4>シリコンウエハ(直径4イン
チ)上にスパッタリング法により0.05μmの厚さの
クロム膜と、2μmの厚さの銅膜とを順に成膜し、その
上に、表2のワニス番号2のワニス(合成例2で調製し
たもの)をスピン塗布し、ベーク炉に窒素気流下23℃
にて投入後、毎分2℃の速度で昇温し400℃に到達後
60分間保持した後取り出した。この時、ベーク炉中の
酸素濃度は6〜10ppm(vol/vol)であっ
た。取り出したウエハをSIMS(Secondary Ion Mass
Spectrometry:二次イオン質量分析)法により、ポリ
イミド側から深さ方向へ銅の濃度を計測した。結果を図
5に示す。図5(a)は、測定したウエハの部分断面図
である。このウエハは、基板53上に、クロム層54、
銅層55、ポリイミド層56を、この順で備える。ま
た、図5(b)は、SIMS法による測定結果のグラフ
である。本実験例3の測定結果は、曲線51として図示
されている。
【0168】この図から、本実験例では、銅の濃度はポ
リイミドと銅の極界面近傍までは低く抑えられているこ
とがわかる。また、本実験例では、特に界面近傍におけ
る銅濃度4000ppm(wt/wt)以上の領域に関
しては、0.1μm以下という極めて薄い厚さでしか銅
は高濃度で存在していない。この結果から、前述の実験
例1〜2に示されたような室温〜80℃の温度領域のみ
ならず、ポリイミドを形成する全温度工程にわたって
も、酸素濃度の低い雰囲気と酸性度の低いポリイミド前
駆体を用いることにより、銅とポリイミドとの反応を抑
止し、ポリイミドの分解を防ぐことができることわか
る。
【0169】なお、本実験例でSIMS用に作製したウ
エハに対して、さらに窒素気流下400℃の加熱処理を
追加しても、SIMS法による測定結果にほとんど変化
は見られなかった。従って、この結果から、ポリイミド
前駆体が完全にイミド化した後では、もはや銅はほどん
どポリイミド側に浸入しないことがわかる。
【0170】<比較実験例2>ワニスとして、ワニス番
号13を用いることの他は実験例3と同様にして、調製
されたウエハの銅濃度を測定した。その結果を図5
(b)に曲線52として図示する。この図から、酸性度
の高いワニスを用いると酸素濃度を低減してもポリイミ
ド側に銅が大量に溶出することがわかる。特に界面近傍
における銅濃度4000ppm(wt/wt)以上の領
域に関しては、銅は2μm程度の極めて厚い領域にわた
って存在しており、ポリイミドの表面側でも、ほとんど
の領域で銅が1000ppm(wt/wt)以上の高濃
度で存在していることがわかる。
【0171】なお、本比較実験例でSIMS用に作製し
たウエハに対して、さらに窒素気流下400℃での加熱
処理を10時間追加したところ、ポリイミド膜は極めて
脆くなり、いたるところにクラックが発生し、ポリイミ
ド膜の剥がれも見られた。ちなみに、銅膜を形成するこ
となく、ワニス番号13のワニスを直接シリコンウエハ
に形成したものについて同様の加熱処理を行ったが、ポ
リイミド膜に脆くなる等の大きな変化は見られなかっ
た。従って、このポリイミド膜が脆くなり、クラックが
発生した原因は銅がポリイミド内に大量に溶出したため
であることがわかる。
【0172】<実験例5>シリコンウエハ(直径4イン
チ)上に、スパッタリング法により、クロム0.05μ
mの厚さのクロム膜および2μmの厚さの銅膜を順に成
膜し、その上に表2のワニス番号2のワニスをスピン塗
布し、ベーク炉に窒素気流下23℃にて投入後、毎分2
℃の速度で昇温し400℃に到達後60分間保持した後
取りだした。この際、ベーク炉内の酸素濃度を、10p
pm(0.001vol/vol%)、1000ppm
(0.1vol/vol%)、10000ppm(1v
ol/vol%)、20.6vol/vol%(空気)
の4種類とした。次いで、銅膜およびポリイミド膜の形
成されたクロム膜をウエハから剥離し、この、クロム、
銅、ポリイミドの三層の膜から、クロムと銅とをそれぞ
れウエットエッチングにより除去して、ポリイミドフィ
ルムを得た。
【0173】このようにして得たポリイミドフィルムに
含まれる銅の量を、ケイ光X線法により定量した。その
結果を図6に曲線61として図示する。この図に示され
るように、本実験例から、酸素濃度低い領域ではポリイ
ミド中に銅がほとんど溶出していないが、1vol/v
ol%を超えると銅の量が急激に増加していることがわ
かる。従って、ポリイミドを形成するための全温度工程
にわたってみた場合にも、酸素濃度の低い雰囲気と、酸
性度の低いポリイミド前駆体とを用いることにより、銅
とポリイミドとの反応を効果的に抑止することが可能で
ある。図6から、銅とポリイミドとの反応を実用的に抑
止するには、0.5vol/vol%以下の酸素濃度に
保持することが効果的であることがわかる。
【0174】<比較実験例3>ワニスとして表3のワニ
ス番号13を用いることの他は、実験例5と同様の実験
を行った。その結果を図6に曲線62として示す。この
図に示されるように、本比較実験例から、酸性度の高い
ワニスを用いると酸素濃度を低減してもポリイミド側に
銅が大量に溶出してしまうことがわかる。ちなみに、こ
の例で、ベーク時の雰囲気を空気とした場合には、形成
されるポリイミド膜が極めて脆く、そのため剥離するこ
とが不可能であり銅の定量を行うには至らなかった。
【0175】<実験例6>実験例5で作製したポリイミ
ドフィルムにアルミニウムで電極を形成し、ポリイミド
膜の誘電率を測定した。その結果を表4のワニス番号2
の欄に示す。なお、ワニス番号2をシリコンウエハ上に
直接に塗布して形成したポリイミドの比誘電率は3.1
である。この表に示したように、本実験例5の結果か
ら、誘電率は、ベーク雰囲気中の酸素濃度が1vol/
vol%以上では大きく上昇してしまうが、1000p
pm(vol/vol)までは3.1の正常な値を示す
ことがわかる。なお、シリコンウエハ上に直接ワニス番
号2から形成したポリイミド膜では、空気中でベークし
ても大きな誘電率の上昇は見られなかったことから、誘
電率の上昇原因は、ポリイミド内への銅の溶出が原因で
あると思われる。この例に見られるように、酸素濃度の
低い雰囲気と酸性度の低いポリイミド前駆体を用いるこ
とにより、誘電率の上昇を効果的に抑止することが可能
である。
【0176】
【表4】
【0177】<比較実験例4>ワニスとしてワニス番号
13を用いたことの他は、実施例5と同様の実験を行っ
た。その結果を表4のワニス番号13の欄に示す。ワニ
ス番号13をシリコンウエハ上に直接に塗布して形成し
たポリイミドの比誘電率は3.5であるので、この表に
示した実験結果から、酸素濃度10ppm(vol/v
ol)から誘電率が上昇し始め、1vol/vol%を
超えると急激に増加することがわかる。実施例5の場合
との比較から、ベーク雰囲気の酸素濃度を低く保持して
も、酸性度の高いポリイミド前駆体を用いると、誘電率
の上昇を抑止することが困難であることが示される。
【0178】<実施例1>本実施例では、表2のワニス
番号1のワニスと表2のワニス番号9のワニスとを用い
て、銅−ポリイミド系多層配線構造体を作製した。本実
施例における銅−ポリイミド系多層配線構造体の製造プ
ロセスを図1に示す。
【0179】(1)まず、内部にタングステン配線22
を有するムライト系セラミック基板11(図1(a)に
図示、127mm角、3mm厚)を用意した。
【0180】(2)基板11の配線層を形成する面に、
めっき下地膜として、スパッタ法により、クロム層(膜
厚0.05μm)と銅層(0.5μm)とを順次形成
し、電極層12とした(図1(b))。
【0181】(3)次いで、電極層12上にポジタイプ
レジスト13を回転塗布し、窒素雰囲気中90℃で30
分加熱した。この時のレジスト13の膜厚は10μmで
あった(図1(c))。このようにして得たレジスト膜
13つきの基板に、所定のマスクで露光、現像、リンス
処理を行ない、所定のレジストパターンを得たのち(図
1(d))、電気めっき法により銅めっきを行なって、
銅の配線層14を得た(図1(e))。めっき液組成は
CuSO4/5H2O(70g/l)、H2SO4(140
g/l)、HCl(50ppm(wt/vol))であ
り、電流密度は1.0(A/dm2)、8μm厚の銅を
得るための所要時間は35分であった。銅めっき終了
後、水洗し、乾燥を90℃で1時間行なった。
【0182】(4)さらに、(3)の工程(図1(c)
〜(e))を繰り返し(図1(f)〜(h))、銅のヴ
ィア配線14aを形成したのち、レジスト13を剥離液
にて剥離した(図1(i))。
【0183】(5)次いで、めっき下地膜である銅およ
びクロムのうち、(3),(4)の工程により形成され
た銅めっき層14,14aに接していない部分を、塩化
アンモニウム系エッチング液、および過マンガン酸カリ
ウム系エッチング液にてそれぞれ選択的に除去した(図
1(j))。
【0184】(6)次に、銅と直接に接するポリイミド
前駆体として表2のワニス番号1のワニスを回転塗布
し、500ppm(vol/vol)の酸素濃度を有す
る窒素気流下、30℃で加熱炉に投入し、毎分4℃で昇
温し、200℃で30分保持後、さらに毎分4℃で昇温
し、350℃で60分同様の窒素雰囲気下で加熱して、
第1の絶縁膜16を形成した。加熱後の膜厚は5μmで
あった。なお、本実施例では、第1の絶縁膜16、第2
の絶縁膜17、ポリイミド層15の膜厚は、第1の絶縁
膜16が、配線14を介さず、直接下の絶縁層(セラミ
ック基板11またはポリイミド層15)に接している箇
所で測定した。
【0185】さらに、低熱膨張性のポリイミドとなる表
2のワニス番号9のワニスを回転塗布し、500ppm
(vol/vol)の酸素濃度を有する窒素気流下、1
40℃で加熱炉に投入し60分保持後、毎分4℃で昇温
し、200℃で30分保持後、さらに毎分4℃で昇温
し、350℃で60分同様の窒素雰囲気下で加熱して、
第2の絶縁膜17を形成した。ワニス番号9から加熱に
より得た部分17の膜厚は13μmであった。
【0186】このようにして得られた第1の絶縁膜16
と第2の絶縁膜17とを合わせたポリイミド膜15全体
の膜厚は18μmとなった(図1(k))。
【0187】(7)得られたポリイミド層15の表面
を、アルミナ粒子の付着したテープ(#500〜#40
00)により研磨し、ポリイミド層15を平坦化して、
全ポリイミド膜15の厚さを16μmとした(図1
(l))。
【0188】(8)さらに、(2)〜(7)の工程(図
1(b)〜(l))を3回繰り返し、4層の配線層を有
する銅−ポリイミド系多層配線構造体を得た。
【0189】以上の工程により得られた多層配線構造体
においては、Cuとポリイミドの界面付近にボイドやは
がれ、クラック等は無く、全ての配線にわたって良好な
電気的導通が得られた。
【0190】<実施例2〜4>第1の絶縁膜(銅表面上
に形成されるポリイミド層)16を、表2のワニス番号
2、ワニス番号4、ワニス番号6のポリイミド前駆体ワ
ニスをそれぞれ用いて形成し、第2の絶縁膜(第1の絶
縁膜上に形成される低熱膨張性ポリイミドによるポリイ
ミド層)17を、表2のワニス番号9のポリイミド前駆
体ワニスを用いて形成した他は、実施例1と同様の方法
で、5層の配線層を有する銅−ポリイミド系多層配線構
造体を得た。ただし、実施例1では、(8)の工程で
(2)〜(7)の工程を3回繰り返したが、本実施例7
〜9では、4回繰り返した。得られた多層配線構造体に
おいては、Cuとポリイミドの界面付近にボイドやはが
れ、クラック等は無く、全ての配線にわたって良好な電
気的導通が得られた。
【0191】<実施例5〜11>第1の絶縁膜16を、
表2のワニス番号3、ワニス番号5、ワニス番号7、ワ
ニス番号8、ワニス番号14、ワニス番号15、ワニス
番号16のポリイミド前駆体ワニスを用いて形成し、第
2の絶縁膜17を、表2のワニス番号10のポリイミド
前駆体ワニスを用いて形成した他は、実施例7と同様の
方法で、5層の配線層を有する銅−ポリイミド系多層配
線構造体を得た。完成した多層配線構造体においては、
Cuとポリイミドの界面付近にボイドやはがれ、クラッ
ク等は無く、全ての配線にわたって良好な電気的導通が
得られた。
【0192】<比較実施例1〜2>第1の絶縁膜16
を、表3のワニス番号11あるいはワニス番号12を用
いて形成した他は、実施例1の工程(1)〜(7)と同
様にして、配線構造体を製造した。
【0193】本比較実施例1,2では、(6)の工程に
おいて、配線のCu上にワニス番号11あるいはワニス
番号12のポリイミド前駆体ワニスを塗布して、350
℃で60分加熱し、第1の絶縁膜16を作成した。この
第1の絶縁膜16を顕微鏡により観察したところ、ワニ
ス番号11(比較実施例1)、ワニス番号12(比較実
施例2)の何れの場合にも、ポリイミドのCu配線周辺
部分が、緑褐色に変色していた。
【0194】さらに、実施例1と同様に、ワニス番号9
のポリイミド前駆体ワニスを塗布し、350℃で60分
加熱して、第2の絶縁膜17を形成した。このようにし
て形成されたポリイミド層15を有する多層配線構造体
を顕微鏡により観察したところ、ワニス番号11(比較
実施例1)、ワニス番号12(比較実施例2)の何れの
場合にも、第1の絶縁膜16と第2の絶縁膜17との間
にフクレが見られた。
【0195】この後、工程(7)において、テープ研磨
によりポリイミドの平坦化を行ったところ、第1の絶縁
膜16とCu配線14との間に溝ができ、剥がれが見ら
れた。これは、ポリイミドへCuが大量に溶出した後
に、350℃の高温にさらされたために、ポリイミド膜
のCuとの界面を中心とした部分が分解し、界面の接着
性が低下したものと考えられる。
【0196】<比較実施例3>第1の絶縁膜16を、表
2のワニス番号2のワニスを用いて形成し、さらに、第
2の絶縁膜17も、低熱膨張性ポリイミドであるワニス
番号9のワニスの代わりにワニス番号2のワニスを用い
て作成することの他は、実施例1と同様の方法で多層配
線構造体を製造した。
【0197】その結果、ポリイミド膜15を形成後(工
程(6))、研磨によりポリイミド膜15を平坦化した
ところ(工程(7))、銅のヴィア配線14aの周囲に
クラックが観察された。その後、スパッタ法によりめっ
きのための電極12を形成を形成したところ(2回目の
工程(2))、クラックの部分で電極12の断線がみら
れた。さらに、上層配線のめっきを行ったところ(2回
目の工程(3))、めっきの生成が起こっていない部分
が多数見られた。この段階から、工程を先に進めること
ができず、この比較実施例では、配線構造体として完成
に至らなかった。
【0198】<実施例12>実施例1と同様にして4層
の配線層14を有する配線構造体を調製し、最上層のヴ
ィア配線14aの露出部分およびその周辺のポリイミド
層15表面の上に、クロム(0.05μm)、銅(5μ
m)、クロム(0.05μm)、ニッケル(2μm)の
順にスパッタ法で成膜後、レジストを用いたウエットエ
ッチングでパターンニングして、表面電極25を形成し
た。さらに、この表面電極25の周囲に、LSIとはん
だ接続する際のはんだ広がりを防止するために保護膜2
6を形成した。保護膜26は、ワニス番号2のポリイミ
ド前駆体ワニスをスピン塗布し、窒素気流中30℃でベ
ーク炉に投入後、毎分4℃で昇温し、400℃に到達後
60分間保持して形成した。このとき、ベーク炉内の酸
素濃度は0.1vol/vol%であった。得られた配
線構造体を図7に示す。このようにして作製した配線構
造体の、保護膜26の開口部27を、KrFガスによる
エキシマレーザーで加工し、LSIとの接続部とした。
保護膜26は良好に形成され、異常は見られなかった。
【0199】<実施例13>本実施例では、配線の一部
をスパッタリング法によって形成することにより、図1
に示した構造と類似の構造の配線構造体を得る。本実施
例における製造プロセスを、図14に示す。
【0200】(1)まず、配線22を備えるセラミック
基板11表面に、スパッタリング法によりCrを蒸着さ
せて膜厚0.05μmの第1のCr層132を形成し、
この第1のCr層132表面に、スパッタリング法によ
りCuを主成分とする導体層133(膜厚6μm)を形
成し、さらにこのCu層123表面に、スパッタリング
法によりCrを蒸着させて膜厚0.05μmの第2のC
r層134を形成した(図14(a))。
【0201】(2)つぎに、ビアを形成する部分136
を除く第2のCr層134表面にレジスト層135(膜
厚17μm)を形成し(図14(b))、レジストに覆
われていない部分136に露出しているCr層134を
エッチングにより除去して、下層のCu層134を露出
させ、ここに、めっき法によりCuを主成分とするビア
配線137(高さ17μm)を形成して(図14
(c))、レジスト層135を剥離したのち(図14
(d))。なお、めっき方法は、実施例1と同様とし
た。
【0202】(3)形成されたビア配線137と、レジ
スト層135の剥離により露出した第2のCr層134
表面とを覆うように、感光性レジスト138を塗布し
(図14(e))、所定のマスクを介して露光させ、現
像して、所定のパターンとしたのち(図14(f))、
露出した導体層132〜134をエッチングして除去し
(図14(g))、レジスト138を剥離した(図14
(h))。
【0203】(4)残った導体層132〜134とビア
配線137と基板11表面とを覆うように、表2のワニ
ス番号2のワニスを回転塗布したのち、70℃の加熱炉
中に入れ、酸素濃度100ppm(vol/vol)の
窒素気流下で、毎分2℃で昇温させ、350℃に達した
ら350℃のまま60分保持したのち、冷却した。これ
により、図14(i)に示すように、膜厚6μmの第1
のポリイミド膜139が形成された。
【0204】(5)得られた第1のポリイミド膜139
の表面に、表2のワニス番号9のワニスを回転塗布し、
酸素濃度100ppm(vol/vol)の窒素気流下
で、140℃の加熱炉中に入れ、140℃で60分保持
したのち、毎分4℃で昇温し、200℃に達したら、2
00℃のまま60分保持し、その後、さらに毎分4℃で
昇温し、350℃に達したら、350℃のまま60分保
持して、冷却した。これにより、図14(j)に示すよ
うに、膜厚14μmの第2のポリイミド膜140が形成
され、2層構造の絶縁膜131が得られた。得られた絶
縁膜131の膜厚は、20μmであった。
【0205】(6)最後に、実施例1と同様の方法によ
り、絶縁膜131を、膜厚が18μmになるまで研磨し
て平坦化し、図14(k)に示すように、ビア配線の頂
部を露出させた。
【0206】さらに、上述の(1)〜(6)の工程を3
回繰り返すことにより、4層の配線層を有する銅−ポリ
イミド系多層配線構造体を得た。得られた多層配線構造
体においては、銅とポリイミドとの界面付近にボイドや
剥がれ、クラック等は検出されず、すべての配線にわた
って良好な電気的導通が得られた。
【0207】<比較実施例4>保護膜26を形成するた
めのポリイミド前駆体として表3のワニス番号11を用
いることの他は、実施例11と同様にして配線構造体を
作製した。ワニス番号11を塗布しベーク後、取りだし
て観察したところ、電極25の側壁の部分でポリイミド
膜26が褐色に変色している部分とフクレが発生してい
る部分とが見られた。次いで、保護膜26の開口部27
をKrFガスによるエキシマレーザーで加工したとこ
ろ、電極25の端部にポリイミド層26が剥がれている
箇所が見られた。これは、電極25の端部の側壁でポリ
イミド前駆体と銅が反応した結果であると考えられる。
【0208】
【発明の効果】以上に説明したように、絶縁層の形成に
おいてCu表面に直接接触するポリイミド前駆体とし
て、本発明の第1の態様ではCuとの反応性が低いポリ
イミド前駆体を用い、本発明の第2の態様では塩基性化
合物を含むポリイミド前駆体組成物を用いるため、いず
れの態様でも、ポリイミド前駆体の加熱硬化に際してC
uの溶出が抑制される。従って、ポリイミドが劣化する
ことなく、ポリイミドの熱的、電気的、機械的特性に優
れ、Cuとポリイミドの界面接着性に優れる。
【0209】さらに、本発明では、ヴィア配線を形成す
る際には低熱膨張性のポリイミドによる絶縁層を形成す
ることで低応力化を図る。これにより、ポリイミド膜に
クラックを発生しない、配線基板全体として高信頼性で
ある多層配線構造体とその低コストな製造法を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のCu−ポリイミド多層配線構造体
の製造プロセスを示す説明図である。
【図2】 実験例1における、銅とポリイミド前駆体と
の反応性を示すグラフである。
【図3】 実験例2における、銅とポリイミド前駆体と
の反応性を示すグラフである。
【図4】 比較実験例1における、銅とポリイミド前駆
体との反応性を示すグラフである。
【図5】 ポリイミド膜に溶出した銅の濃度分布のSI
MSによる観測結果を示すグラフおよび観測対象の部分
断面図である。
【図6】 ポリイミド膜に溶出した銅の量のケイ光X線
法による測定結果を示すグラフである。
【図7】 実施例12において製造した多層配線構造体
の部分断面図である。
【図8】 従来技術の配線構造体の断面図である。
【図9】 ポリイミドの膜厚と溶出したCuの濃度との
関係を示すグラフである。
【図10】 本発明の配線基板の構造例を示す断面図で
ある。
【図11】 本発明の多層配線基板の構造例を示す断面
図である。
【図12】 本発明の多層基板の構造例を示す断面図で
ある。
【図13】 実施例3における、銅とポリイミド前駆体
との反応性を示すグラフである。
【図14】 実施例13における多層配線構造体の製造
プロセスを示す説明図である。
【符号の説明】
1…基板、2…配線、3…ヴィア配線、4…ポリイミド
膜、11…セラミック基板、12…電極層、13…フォ
トレジスト、14…銅配線、14a…ヴィア配線、15
…ポリイミド膜、16…第1の絶縁膜、17…第2の絶
縁膜、22…タングステン配線、25…表面電極、26
…保護膜、27…開口部、100…スルーホール部、1
01…絶縁層、102,103…配線層、104…ポリ
イミド層、105…ビアパッド、106…ビア、107
…絶縁層、110…絶縁層、110a…第1の絶縁層、
110b…第2の絶縁層、110c…第3の絶縁層、1
11…セラミック配線基板、112…薄膜多層配線基
板、113,113a,113b,113c…ビア、1
14…整合層、115,115a,115b…ビアパッ
ド、116,116a,116b…配線、117…第1
のポリイミド膜、117a…第1の絶縁層の第1のポリ
イミド膜、117b…第2の絶縁層の第1のポリイミド
膜、117c…第3の絶縁層の第1のポリイミド膜、1
18……第2のポリイミド膜、118a…第1の絶縁層
の第2のポリイミド膜、118b…第2の絶縁層の第2
のポリイミド膜、118c…第3の絶縁層の第2のポリ
イミド膜、119…導体配線、120…絶縁層、121
…金属層、122…第1の絶縁層、123,127…表
面電極、124…第2の絶縁層、125…はんだ、12
6…入出力ピン、131…絶縁層、132…第1のCr
層、133…Cu層、134…第2のCr層、135…
レジスト層、136…ビア形成部、137…ビア、13
8…感光性レジスト層、139…第1のポリイミド膜、
140…第2のポリイミド膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/46 T 6921−4E E 6921−4E (72)発明者 片岡 文雄 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 松山 治彦 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内 (72)発明者 松崎 永二 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 志儀 英孝 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 松嶋 直樹 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 山▲崎▼ 哲也 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 赤松 史郎 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 池田 省二 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配線層と絶縁層とを有する配線構造体にお
    いて、 上記配線層の配線は、少なくとも一部が銅からなり、 上記絶縁層の少なくとも一部は、下記一般式(化1)で
    表される繰返し単位を有する第1のポリイミドからなる
    ことを特徴とする配線構造体。 【化1】 (式中、R1は、(化2) 【化2】 から選ばれる少なくとも一種の4価の有機基であり、R
    2は芳香環を含む2価の有機基である。)
  2. 【請求項2】請求項1において、 上記R2は、下記(化3)から選ばれる少なくとも一種
    の2価の有機基であることを特徴とする配線構造体。 【化3】
  3. 【請求項3】請求項1において、 上記ポリイミドは、少なくとも、ポリイミド前駆体と塩
    基性化合物とを含むポリイミド前駆体組成物を加熱硬化
    させて得られるものであることを特徴とする配線構造
    体。
  4. 【請求項4】配線層と絶縁層とを有する配線構造体にお
    いて、 上記配線層の配線は、少なくとも一部が銅からなり、 上記絶縁層の少なくとも一部は、少なくとも、ポリイミ
    ド前駆体と塩基性化合物とを含むポリイミド前駆体組成
    物を加熱硬化させて得られる第1のポリイミドからなる
    ことを特徴とする配線構造体。
  5. 【請求項5】請求項3または4において、 上記塩基性化合物は、下記(化4)から選ばれる少なく
    とも一種のアミン化合物であることを特徴とする配線構
    造体。 【化4】
  6. 【請求項6】請求項3または4において、 上記ポリイミド前駆体組成物は、上記ポリイミド前駆体
    のカルボキシル基1個に対して、1分子以上の上記塩基
    性化合物を含むことを特徴とする配線構造体。
  7. 【請求項7】請求項1または4において、 上記絶縁層は、上記配線層上に形成される第1の絶縁膜
    と、該第1の絶縁膜上に形成される第2の絶縁膜とを、
    少なくとも備え、 上記第1の絶縁膜は、上記第1のポリイミドからなり、 上記第2の絶縁膜は、上記第1のポリイミドより熱膨張
    係数の小さい第2のポリイミドからなることを特徴とす
    る配線構造体。
  8. 【請求項8】請求項1または4において、 上記の絶縁膜の厚さは、6.5μm以下であることを特
    徴とする配線構造体。
  9. 【請求項9】請求項7において、 上記第1の絶縁膜の厚さは、6.5μm以下であること
    を特徴とする配線構造体。
  10. 【請求項10】請求項7において、 上記第2の絶縁膜の厚さは、上記第1の絶縁膜より厚い
    ことを特徴とする配線構造体。
  11. 【請求項11】請求項7において、 上記第2のポリイミドは、 下記一般式(化5)で表される繰返し単位と、下記一般
    式(化6)で表される繰り返し単位とを有し、一分子中
    に含まれる、一般式(化5)で表わされる繰返し単位の
    数と一般式(化6)で表される繰り返し単位の数との合
    計を100としたときの、一般式(化5)で表される繰
    り返し単位の数は95未満であり、一般式(化6)で表
    される繰り返し単位の数は5以上であることを特徴とす
    る配線構造体。 【化5】 【化6】 (式中、R3は下記(化7) 【化7】 から選ばれる少なくとも一種の4価の有機基であり、R
    4は下記(化8) 【化8】 から選ばれる少なくとも一種の2価の有機基であり、R
    5は下記(化9) 【化9】 から選ばれる少なくとも一種の2価の有機基である。)
  12. 【請求項12】請求項7において、 上記第2のポリイミドは、 下記一般式(化10)で表される繰返し単位と、下記一
    般式(化11)で表される繰り返し単位とを有し、一分
    子中に含まれる、一般式(化10)で表わされる繰返し
    単位の数と一般式(化11)で表される繰り返し単位の
    数との合計を100としたときの、一般式(化10)で
    表される繰り返し単位の数が85〜50であり、一般式
    (化11)で表される繰り返し単位の数は50〜15で
    あることを特徴とする配線構造体。 【化10】 【化11】 (式中、R3は下記(化7) 【化7】 から選ばれる少なくとも一種の4価の有機基であり、R
    6は下記(化12) 【化12】 から選ばれる少なくとも一種の2価の有機基であり、R
    7は下記(化13) 【化13】 から選ばれる少なくとも一種の2価の有機基である。)
  13. 【請求項13】配線層と絶縁層とを有する配線構造体の
    製造法において、 少なくとも一部が銅からなる配線層を形成する工程と、 上記配線層上に、下記一般式(化1)で表される繰返し
    単位を有する第1のポリイミドの前駆体を含む第1のポ
    リイミド前駆体組成物の層である第1のポリイミド前駆
    体層を形成する工程と、 上記第1のポリイミド前駆体層を加熱し、第1のポリイ
    ミド層を形成する第1のポリイミド層形成工程とを有す
    る配線構造体の製造法。 【化1】 (式中、R1は、(化2) 【化2】 から選ばれる少なくとも一種の4価の有機基であり、R
    2は芳香環を含む2価の有機基である。)
  14. 【請求項14】請求項13において、 上記R2は、下記(化3)から選ばれる少なくとも一種
    の2価の有機基であることを特徴とする配線構造体の製
    造法。 【化3】
  15. 【請求項15】請求項13において、 上記第1のポリイミド前駆体組成物は、塩基性化合物を
    さらに含むことを特徴とする配線構造体の製造法。
  16. 【請求項16】配線層と絶縁層とを有する配線構造体の
    製造法において、 少なくとも一部が銅からなる配線層を形成する工程と、 上記配線層上に、ポリイミド前駆体と塩基性化合物とを
    含む第1のポリイミド前駆体を含む第1のポリイミド前
    駆体組成物の層である第1のポリイミド前駆体層を形成
    する工程と、 上記第1のポリイミド前駆体層を加熱し、第1のポリイ
    ミド層を形成する第1のポリイミド層形成工程とを有す
    る配線構造体の製造法。
  17. 【請求項17】請求項13または16において、 上記第1のポリイミド前駆体層を形成する工程は、 酸素濃度が0.5v/v%以下の雰囲気下で行なわれる
    ことを特徴とする配線構造体の製造法。
  18. 【請求項18】請求項15または16において、 上記塩基性化合物は、下記(化4)から選ばれる少なく
    とも一種のアミン化合物であることを特徴とする配線構
    造体の製造法。 【化4】
  19. 【請求項19】請求項13または16において、 上記第1のポリイミド層形成工程の後に、 上記第1のポリイミド層表面に、上記第1のポリイミド
    よりも熱膨張係数の小さい第2のポリイミドの前駆体を
    含む第2のポリイミド前駆体組成物の層である第2のポ
    リイミド前駆体層を形成する工程と、 上記第2のポリイミド前駆体層を加熱し、第2のポリイ
    ミド層を形成する第2のポリイミド層形成工程とを有す
    る配線構造体の製造法。
  20. 【請求項20】請求項19において、 上記第2のポリイミドは、 下記一般式(化5)で表される繰返し単位と、下記一般
    式(化6)で表される繰り返し単位とを有し、一般式
    (化5)で表わされる繰返し単位の数と一般式(化6)
    で表される繰り返し単位の数との合計を100としたと
    きの、一般式(化5)で表される繰り返し単位の数は9
    5未満であり、一般式(化6)で表される繰り返し単位
    の数は5以上であることを特徴とする配線構造体の製造
    法。 【化5】 【化6】 (式中、R3は下記(化7) 【化7】 から選ばれる少なくとも一種の4価の有機基であり、R
    4は下記(化8) 【化8】 から選ばれる少なくとも一種の2価の有機基であり、R
    5は下記(化9) 【化9】 から選ばれる少なくとも一種の2価の有機基である。)
  21. 【請求項21】請求項19において、 上記第2のポリイミド前駆体は、 下記一般式(化10)で表される繰返し単位と、下記一
    般式(化11)で表される構造を繰り返し単位とを有
    し、一般式(化10)で表わされる繰返し単位の数と一
    般式(化11)で表される繰り返し単位の数との合計を
    100としたときの、一般式(化10)で表される繰り
    返し単位の数は85〜50であり、一般式(化11)で
    表される繰り返し単位の数は50〜15であることを特
    徴とする配線構造体の製造法。 【化10】 【化11】 (式中、R3は下記(化7) 【化7】 から選ばれる少なくとも一種の4価の有機基であり、R
    6は下記(化12) 【化12】 から選ばれる少なくとも一種の2価の有機基であり、R
    7は下記(化13) 【化13】 から選ばれる少なくとも一種の2価の有機基である。)
  22. 【請求項22】請求項13または16において、 上記第1のポリイミド前駆体層を形成する工程は、上記
    第1のポリイミド層の膜厚が、6.5μm以下になるよ
    うな厚さに、上記第1のポリイミド前駆体層を形成する
    工程であることを特徴とする配線構造体の製造法。
  23. 【請求項23】少なくとも一部が銅からなる配線と、ポ
    リイミドからなる絶縁層とを有する配線構造体におい
    て、 上記絶縁層への銅の拡散を阻止する、有機高分子化合物
    からなる拡散阻止層を有し、 上記配線の少なくとも一部は、上記拡散阻止層に覆われ
    ていることを特徴とする配線構造体。
  24. 【請求項24】配線層と絶縁層とを有する配線構造体の
    製造法において、 少なくとも一部が銅からなる配線を形成する工程と、 上記配線の露出部分を覆うように、有機高分子化合物か
    らなる拡散阻止層を形成する工程と、 上記拡散阻止層の表面に、ポリイミドからなる絶縁層を
    形成する工程とを有する配線構造体の製造法。
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