JPH0899086A - ボイラ給水処理装置 - Google Patents

ボイラ給水処理装置

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JPH0899086A
JPH0899086A JP23701094A JP23701094A JPH0899086A JP H0899086 A JPH0899086 A JP H0899086A JP 23701094 A JP23701094 A JP 23701094A JP 23701094 A JP23701094 A JP 23701094A JP H0899086 A JPH0899086 A JP H0899086A
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重美 藤原
Seiichi Onoda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低DO濃度で、薬剤を用いずにボイラ本体や
配管の腐食を防止できるボイラ給水を、長期にわたり安
定に得る。 【構成】 逆浸透膜分離装置4と、脱酸素機能を有する
脱酸素樹脂装置7とを備えるボイラ給水処理装置。 【効果】 逆浸透膜分離装置における脱塩処理で、原水
中のHCO3 -も除去されるため、腐食原因となるCO2
の発生は低減され、良好な腐食防止効果が得られる。逆
浸透膜分離処理により、脱酸素樹脂のファウリングも防
止される。脱酸素樹脂装置では、効率的な脱酸素処理を
行って、著しく低DO濃度のボイラ給水を生産できる。
脱酸素樹脂は高温でも劣化が起き難いため、水温が高い
場合であっても劣化せず、長期間安定した処理を行え
る。脱酸素剤やスケール防止剤が不要となり、薬剤注入
作業が解消され、純度の高い蒸気を得ることができ、安
全性等の面でも有利である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はボイラ給水処理装置に係
り、特に、溶存酸素(DO)濃度が低く、ボイラ本体の
みならず、蒸気配管や復水配管の防食にも有効なボイラ
給水を得ることができるボイラ給水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ボイラの補給水としては、原水
(市水、地下水、工業用水等)から軟化器により硬度成
分を取り除いた軟化水が用いられ、また、ボイラ処理剤
として、脱酸素剤、スケール防止剤などの薬剤が添加使
用されている。
【0003】一方、電子産業分野において、電子部品洗
浄用の超純水の脱酸素処理のために、従来、脱酸素樹脂
が利用されている(特開平6−23349号公報)。ま
た、電子産業分野等において、水の軟化及び脱酸素を行
って超純水を製造する目的で、逆浸透膜分離装置と脱気
膜装置とを組み合せた処理装置も提案されている(特公
平6−38894号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の軟化水をボイラ
給水として用いた場合、薬剤の使用の有無にかかわら
ず、ボイラ中で炭酸ガス(CO2 )の発生が起こり、こ
れが蒸気配管や復水配管の腐食原因となっていた。
【0005】また、ボイラ処理剤として各種の薬剤を用
いる方法では、蒸気の用途等を考慮して、安全性の高い
薬品を選定する必要がある上に、運転管理や給水ライン
の腐食等の面で様々な問題があった。即ち、例えば、温
度が比較的低い給水ラインでは、薬剤による脱酸素が不
十分となり腐食が発生する場合がある。
【0006】一方、脱酸素樹脂は、電子産業分野におけ
る超純水の製造工程においては有効であるが、ボイラ給
水の処理に用いた場合には、脱酸素樹脂にファウリング
障害が生じ、脱酸素能が低下する。このため、現状で
は、ボイラ給水の処理のために、脱酸素樹脂は殆ど用い
られていない。
【0007】また、やはり電子産業分野の超純水の製造
技術として提案されている逆浸透膜分離装置及び脱気膜
装置を、ボイラ給水の処理に適用した場合には、脱酸素
レベルがDO濃度0.5ppm程度と、十分ではなく、
しかも、給水温度が高いため、脱気膜の劣化が著しく、
長期の使用に耐えない上に、脱酸素レベルが低下すると
いう問題がある。
【0008】即ち、実際のボイラ給水系では、ボイラか
らの復水を給水として回収利用することが多く、復水回
収率によっても異なるが、通常の場合、給水温度は、2
〜3割の復水回収率で40〜50℃程度、8〜9割の復
水回収率で80〜90℃程度の高温となり、脱気膜を著
しく劣化させ、十分な脱酸素効果を得ることができな
い。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、DO
濃度が著しく低く、ボイラ薬剤を用いることなく、ボイ
ラ本体や蒸気配管、復水配管の腐食を有効に防止するこ
とができるボイラ給水を、長期にわたり安定に得ること
ができるボイラ給水処理装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のボイラ給水処理
装置は、逆浸透膜分離装置と、脱酸素機能を有する脱酸
素樹脂装置とを備えてなることを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明のボイラ給水処理装置において、原水
は、逆浸透膜分離装置で脱塩処理される。この逆浸透膜
分離装置における脱塩処理において、原水中の重炭酸イ
オン(HCO3 -)も除去されるため、蒸気配管や復水配
管等で腐食原因となる炭酸ガス(CO2 )の発生は低減
され、良好な腐食防止効果が得られる。また、逆浸透膜
分離装置における処理により、脱酸素樹脂装置の樹脂の
ファウリングも防止され、安定した脱酸素能力を長期間
確保することが可能となる。
【0012】脱酸素樹脂装置では、効率的な脱酸素処理
を行って、DO濃度が数ppbと著しく低DO濃度のボ
イラ給水を生産することができる。この脱酸素樹脂装置
における処理に当り、脱酸素樹脂は高温でも劣化が起き
難いため、流入水温度が高い場合であっても、脱気膜の
ような劣化を起こすことがなく、長期間安定した処理を
行える。
【0013】本発明のボイラ給水処理装置によれば、十
分に低DO濃度で純度の高いボイラ給水が得られること
から、脱酸素剤やスケール防止剤が不要となり、薬剤注
入のための作業が解消され、純度の高い蒸気を得ること
ができることから、安全性等の面でも工業的に極めて有
利である。
【0014】
【実施例】以下に図面を参照して本発明のボイラ給水処
理装置の実施例について詳細に説明する。
【0015】図1は本発明のボイラ給水処理装置を設け
たボイラ給水処理システムの一実施例を示す系統図であ
る。図中、1は活性炭処理装置、2は熱交換器、3はガ
ードフィルター、4は逆浸透膜分離装置、5はホットウ
ェルタンク(給水タンク)、6はガードフィルター、7
は脱酸素樹脂装置、8は水素ガスボンベ、9はボイラで
ある。11〜25の各符号は配管を示し、P1 ,P2
3 はポンプを示す。
【0016】本実施例においては、補給水(市水、地下
水、軟水、工業用水等の原水)を、前処理として、残留
塩素を除去するための活性炭処理装置1、流量を安定し
て確保するための熱交換器2、及び、ファウリング防止
のためのガードフィルター3に通水した後、逆浸透膜分
離装置4で処理する。逆浸透膜分離装置4の処理水(透
過水)は配管16よりホットウェルタンク(給水タン
ク)5に送給され、濃縮水は配管15より系外へ排水さ
れる。このホットウェルタンク5には、配管25よりボ
イラ9の復水が循環回収されている。
【0017】ホットウェルタンク5内の水は、ガードフ
ィルター6を経て、配管19より水素が供給された後、
脱酸素樹脂装置7に導入される。脱酸素樹脂装置7で脱
酸素された水は、配管20より、ボイラ9への給水配管
21に送給され、ボイラ9に給水される。配管20より
送給された水が過剰となった場合はホットウェルタンク
5に返送される。ボイラ9で発生する蒸気は配管22か
ら、配管23を経て需要箇所に送給され、復水は配管2
4より回収される。
【0018】このようなボイラ給水処理システムにおい
て、補給水は、逆浸透膜分離装置4で効率的に脱塩処理
される。この逆浸透膜分離装置4における脱塩処理にお
いては、補給水中の重炭酸イオン(HCO3 -)も除去さ
れるため、蒸気配管や復水配管等の腐食原因となる炭酸
ガス(CO2 )の発生を低減できる。また、逆浸透膜分
離装置4によれば、スケール及び腐食防止のための脱塩
を行うばかりでなく、脱酸素樹脂のファウリング防止作
用も達成される。
【0019】本発明において、逆浸透膜分離装置による
処理としては、スパイラル型の非対称酢酸セルロール
(CA)膜を用い、操作圧力25〜30kg/cm2
行うか、或いは、スパイラル型の架橋アラミド系複合
(PA)膜を用い、操作圧力10〜20kg/cm2
行うのが好ましい。特に、ボイラ給水に適する水質を得
るにはスパイラル型の架橋アラミド系複合(PA)膜を
用いて、操作圧力15〜20kg/cm2 で行うのが望
ましいが、何らこのような処理条件に限定されるもので
はない。
【0020】このような逆浸透膜分離装置によれば、高
い補給水脱塩能力で、得られる処理水(逆浸透膜透過
水)中のNa/SiO2 比を大きくする作用が得られ
る。
【0021】一方、脱酸素樹脂装置による脱酸素反応
は、脱酸素樹脂に担持された触媒の存在下、下記反応式
に従って行われる。
【0022】2H2 +O2 → 2H2 O 即ち、被処理水中のDOと、これに添加される水素とが
混じり合い、触媒表面での化学反応により水が生成して
脱酸素が行われる。
【0023】本発明において、脱酸素樹脂としては、強
塩基性ゲル型のイオン交換樹脂等の樹脂表面にパラジウ
ム触媒を500〜2000mg/l−樹脂の割合で担持
させたものが好ましいが、何らこのようなものに限定さ
れるものではなく、脱酸素機能を有するものであれば、
他の触媒を担持した樹脂であっても良い。
【0024】図1に示す実施例において、例えば、下記
条件にて処理を行うことにより、ボイラ9に下記のよう
な水質の給水を長期にわたり安定に供給することがで
き、薬剤を添加することなく、ボイラ本体や蒸気配管、
復水配管の腐食を防止して、安全な運転を行うことがで
きた。
【0025】処理条件 逆浸透膜分離装置: 膜:スパイラル型の架橋アラミド複合膜 操作圧力:15kg/cm2 脱酸素樹脂装置: 触媒樹脂:強塩基性ゲル型のイオン交換樹脂にPd触媒
を1000mg/l−樹脂の割合で充填したもの 樹脂充填量:40リットル 通水速度:2000リットル/hr 水素供給量:200ミリリットル/min 給水量: 配管25からの復水量:280リットル/hr 配管16からの透過水量:210リットル/hr 配管20からの脱酸素処理水量:2000リットル/h
r ボイラ9への給水量:490リットル/hrボイラ9への給水水質 Mアルカリ度:2mg−CaCO3 /l未満(分析下限
値以下) DO:50ppb なお、図1に示すシステムは、本発明のボイラ給水処理
装置の適用の一実施例であって、本発明はその要旨を超
えない限り、何ら図示のものに限定されるものではな
い。例えば、本発明のボイラ給水処理装置は、補給水を
逆浸透膜分離装置で処理した後、透過水を直接脱酸素樹
脂装置に通水して処理するものであっても良い。又、水
素源としても水素ボンベに限られず、水素ガスを発生す
るものであれば何でも良い。
【0026】以下に、実験例を挙げて、本発明による効
果をより詳細に説明する。
【0027】実験例1 脱酸素樹脂(強塩基性ゲル型のイオン交換樹脂にPdを
1000mg/l−樹脂担持したもの。)1リットルを
充填したカラムの前段に、前処理装置を設け、軟水に表
1に示す前処理を施した後、水素ガスを添加して脱酸素
樹脂カラムに下記通水条件で連続通水した(ただし、N
o. 2では前処理なし。)。
【0028】このときの脱酸素樹脂のファウリング状況
を、樹脂のスライム付着状況及び処理水のDO濃度の上
昇により調べた結果を表1に示した。なお、樹脂のスラ
イム付着状況は、脱酸素能力の低下の有無にかかわら
ず、樹脂の顕微鏡観察による結果で調べた。
【0029】通水条件 通水量:100リットル/hr 脱酸素樹脂量:1リットル 通水温度:20〜25℃ 通水期間:6ヶ月(ただし、途中で脱酸素能力が低下し
たものは、その時点で通水を停止した。)
【0030】
【表1】
【0031】表1より、逆浸透膜分離処理を施すことに
より、脱酸素樹脂のファウリングを有効に防止すること
ができることが明らかである。
【0032】実験例2 図2に示すテストボイラ30(本体材質:SUS31
6)に表2に示す給水を供給して下記試験条件で腐食試
験を行い、結果を表2に示した。なお、図2において、
31は給水配管、32は給水ポンプ、33は蒸気配管、
34は圧力調整弁、35はヒーター、36はテストチュ
ーブ(材質:SB42)、37はボイラ缶である。
【0033】試験条件 試験時間:20hr 使用圧力:20kg/cm2 (213℃) 缶水:50倍濃縮水を想定して、pH11.0,シリカ
濃度30mg/lの缶水を缶内に満たした。(試験中、
50倍濃縮を維持した。)
【0034】
【表2】
【0035】表2より次のことが明らかである。即ち、
逆浸透膜分離処理した後、脱酸素樹脂で脱酸素処理した
水を給水したNo. 8では、純水を給水したNo. 7に比べ
て明らかに腐食量が少なく、テストチューブ表面も良好
な状態である。また、従来のヒドラジン処理のNo. 9に
比べても、同等以上の結果を得ることができ、逆浸透膜
分離装置と脱酸素樹脂装置との組み合せで、ボイラ本体
や配管の腐食を薬剤を用いることなく有効に防止できる
ことが明らかである。
【0036】実験例3 図3に示す試験装置により、下記手順に従って、腐食試
験を行った。なお、図中、41は給水配管、42はポン
プ、43はボイラ本体(ボイラ缶)、44は蒸気配管、
45は熱交換器、46はブロー配管、47a,47bは
冷却水配管、48は復水配管、49はテストピースカラ
ム、50はテストピース(軟鋼(硝酸及び硫酸エッチン
グ処理品))、51は排出配管である。
【0037】まず、ボイラ本体(ボイラ缶)43に、水
酸化ナトリウムを添加することにより表3に示すpHと
なるようにpH調整した初期投入水を入れ、所定の圧力
(10kg/cm2 )になるように加熱する。次に、表
3に示すMアルカリ度の逆浸透膜分離装置の処理水(R
O処理水)又は軟水を脱酸素樹脂装置で表3に示すDO
濃度に調整したものを給水として供給し、下記試験条件
でテストピース50の腐食速度及び復水水質を調べ、結
果を表3に示した。
【0038】試験条件 給水量:13リットル/hr ブロー率:7% 復水水温:50℃ 試験期間:5日間
【0039】
【表3】
【0040】表3より次のことが明らかである。即ち、
給水のDOが高い程、腐食速度が大きい。また、Mアル
カリ度が50mg−CaCO3 /lの給水に対して、逆
浸透膜分離処理を行って、Mアルカリ度を2mg−Ca
CO3 /l未満(分析下限値以下)とした給水を行った
場合には、腐食速度は大幅に低下する。
【0041】これらの結果から、逆浸透膜分離装置によ
るMアルカリ度の除去と、脱酸素樹脂装置による脱酸素
処理とで、ボイラ本体や蒸気配管、復水配管を有効に防
食できることが明らかである。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のボイラ給水
処理装置によれば、著しく低DO濃度で純度が高く、ボ
イラ本体や蒸気配管及び復水配管の防食に有効なボイラ
給水を長期にわたり安定かつ効率的に得ることができ
る。
【0043】本発明によれば、脱酸素剤やスケール防止
剤が不要となり、薬剤注入のための作業が解消され、純
度の高い蒸気を得ることができることから、安全性等の
面でも工業的に極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボイラ給水処理装置を設けたボイラ給
水処理システムの一実施例を示す系統図である。
【図2】実験例2で用いたテストボイラを示す概略的な
構成図である。
【図3】実験例3で用いた試験装置を示す系統図であ
る。
【符号の説明】
1 活性炭処理装置 2 熱交換器 3,6 ガードフィルター 4 逆浸透膜分離装置 5 ホットウェルタンク(給水タンク) 7 脱酸素樹脂装置 8 水素ガスボンベ 9 ボイラ 30 テストボイラ 36 テストチューブ 43 ボイラ本体 45 熱交換器 49 テストピースカラム 50 テストピース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 重美 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 小野田 成一 大阪府大阪市中央区北浜2丁目2番22号 栗田テクニカルサービス株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 逆浸透膜分離装置と、脱酸素機能を有す
    る脱酸素樹脂装置とを備えてなることを特徴とするボイ
    ラ給水処理装置。
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