JPH0899897A - インターロイキン−2吸着型脂質小球体 - Google Patents
インターロイキン−2吸着型脂質小球体Info
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Abstract
質小球体を含み、IL−2保持率の高いIL−2吸着型
脂質小球体製剤を容易に調製するためのキット、および
該キットを用いて製造されるIL−2吸着型脂質小球体
製剤、さらに該製剤の製造方法を提供する。 【効果】 脂質小球体とIL−2とを、脂質小球体の荷
電に関係なく、水性媒体中で接触させることにより、保
持率の高いIL−2吸着型脂質小球体製剤を調製し得
る。このため、製剤化が容易である点で優れている。ま
た、本発明により提供されるIL−2吸着型脂質小球体
製剤は、持続放出性であるため、IL−2の血中濃度半
減期を延長して、IL−2の薬効を持続し、副作用を軽
減し得る。
Description
−2(IL−2)を水性媒体中で脂質小球体と接触させ
て、インターロイキン−2吸着型脂質小球体製剤を調製
するための調製用キット、該キットによりIL−2吸着
型脂質小球体製剤を調製する方法、およびそれにより調
製されるIL−2吸着型脂質小球体製剤に関する。
T細胞由来の分子量約15,000の糖タンパク質分子であ
り、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、
単球、マクロファージなどに対して増殖、分化、または
機能活性化を促すなど、多様な作用を有することが知ら
れている。現在では、IL−2は遺伝子工学を用いて大
量生産され、抗腫瘍免疫療法などの臨床応用が行われて
いる。しかし、その高用量の全身投与により、重篤な副
作用を引き起こすという問題点がある。
血中濃度半減期を延長するなど、IL−2の分布および
吸収を変化させることにより全身毒性を軽減するという
目的で、IL−2をリポソーム膜に内包させる方法が考
案された。Andersonらは、リポソーム調製時にIL−2
を内包させる方法として、凍結融解や音波処理を数回繰
り返す方法を開示したが、これらの工程は繁雑であるた
め工業化には適していない(Cancer Res., 50, 1853-18
56(1990))。また、Bergersらにより、IL−2の内包
率を高める方法として、リポソーム膜脂質の電荷および
調製液のpHが検討されているが、IL−2の内包率は
81%にすぎない(Pharm. Res., 10(12),1715-1721(199
3))。
電リポソームを調製後、反対荷電の薬物を膜表面に吸着
させる吸着型リポソーム製剤の製造方法が報告されてい
る(特開平4-82839号公報、および特開平4-103527号公
報)。これらの吸着型リポソーム製剤では、適用薬物の
種類が反対荷電の薬物に限定されるため、膜脂質の種類
および調製法が限定される。
課題を解決するものであり、その目的は、IL−2吸着
型脂質小球体製剤を高い保持率で容易に調製するための
キット、それにより製造されるIL−2吸着型脂質小球
体製剤、および該製剤の製造方法を提供することにあ
る。
討を行った結果、脂質小球体とインターロイキン−2
(IL−2)とを、荷電に関係なく、水性媒体中で接触
させることにより、保持率の高いIL−2吸着型脂質小
球体製剤を調製し得ることを見いだした。
小球体製剤の調製用キットは、インターロイキン−2を
水性媒体中で脂質小球体と接触させる工程によりインタ
ーロイキン−2吸着型脂質小球体製剤を調製するため
の、インターロイキン−2および脂質小球体を含み、イ
ンターロイキン−2が脂質小球体の脂質100重量部に
対して1〜0.0001重量部の割合で含有される。
体は、リポソームまたはリピッドマイクロスフェアーで
ある。
体の脂質の主成分は、中性リン脂質である。
脂質は、合成または天然ホスファチジルコリン、スフィ
ンゴミエリン、またはそれらの混合物である。
脂質は、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパル
ミトイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスフ
ァチジルコリン、ジベヘノイルホスファチジルコリン、
ジリグノセロイルホスファチジルコリン、スフィンゴミ
エリン、卵黄レシチン、大豆レシチン、水添卵黄レシチ
ン、および水添大豆レシチンからなる群より選択される
少なくとも1種の脂質である。
チジルコリンは、合成ホスファチジルコリンである。
体は荷電脂質を含む。
体は非荷電脂質からなる。
体は、インターロイキン−2と同じ極性の荷電であるか
または非荷電である。
体およびインターロイキン−2の少なくとも一方は非荷
電である。
体には、インターロイキン−2以外の薬物が内包、分
配、または吸着されている。
体の平均粒子径は500nm以下である。
のpHは約3〜9である。
のpHは、インターロイキン−2の等電点付近である。
は、上記脂質小球体および/またはインターロイキン−
2の凍結乾燥物を含む。
は、水性媒体をさらに含む。
は、脂質小球体水分散液および凍結乾燥されたインター
ロイキン−2水溶液を含有する。
小球体製剤の調製方法は、インターロイキン−2を水性
媒体中で脂質小球体と接触させる工程を包含する。
いずれかに記載のキットを用いる。本発明のインターロ
イキン−2吸着型脂質小球体製剤は、好ましくは上記い
ずれかに記載の方法により調製される。
ゲル濾過において、インターロイキン−2の脂質小球体
への吸着保持量が80〜100%である。
脂質小球体の脂質を100重量部、そしてインターロイ
キン−2を1〜0.0001重量部の割合で含む。
凍結乾燥されている。
体製剤の調製用キットは、少なくともIL−2と脂質小
球体を、1つの投与体系として組合せた構成を有してい
ればよく、その組合せの形態は問わない。すなわち、そ
の定義には、組合せ製剤に相当するものも含まれる。注
射筒のような医療器具などがさらにセットされていても
よい。この脂質小球体は、リポソームおよびリピッドマ
イクロスフェアーのうち少なくとも1種である。IL−
2吸着型脂質小球体製剤は、キット中のIL−2を水性
媒体中で脂質小球体と接触させる工程により調製され得
る。IL−2と脂質小球体とを接触させるための工程は
特に限定されない。例えば、本発明のキットが、IL−
2と脂質小球体とを混合して乾燥(例えば、凍結乾燥)
したものを含む場合、この乾燥物に用時に水性媒体を加
えて再生し、IL−2吸着型脂質小球体製剤を調製する
ことができる。本発明のキットが、例えば、IL−2と
脂質小球体とを別々に、両方とも乾燥物、あるいはいず
れか一方が乾燥物であり他方が水溶液または分散液であ
るものを含む場合、用時に、必要に応じて水性媒体を加
えてこれらを混合することにより調製し得る。これらの
場合、本発明のキットは、適切なpHに調製された水性
媒体を含んでいてもよい。本発明のキットは、脂質小球
体分散液とIL−2水溶液とを含んでいてもよい。さら
に、脂質小球体とIL−2とを含む水性媒体を調製し
て、一旦IL−2吸着型脂質小球体製剤を形成させた
後、凍結乾燥して製造されるキットも包含する。このよ
うなキットは、単に水性媒体中にもどすだけで容易に吸
着型脂質小球体製剤が再生される。本発明のIL−2吸
着型脂質小球体製剤の調製用キットに含まれる脂質小球
体は、以下で述べるように水分散液として調製されたも
のでも、あるいは、通常の方法により凍結乾燥製剤また
は噴霧乾燥製剤などとして調製されたものでもよい。
うに、リポソームおよびリピッドマイクロスフェアーを
包含する。リポソームの粒子径は、約20nm〜数μ
m、好ましくは、約500nm以下、さらに好ましく
は、約200nm以下である。また、リピッドマイクロ
スフェアーとは、例えば、大豆油などの植物油をリン脂
質(レシチンなど)とともに水に懸濁して得られる小さ
な脂肪粒子をいう。一般に、リピッドマイクロスフェア
ーの平均粒子径は、約200nmである。
マイクロスフェアーのリン脂質の主成分としては、中性
リン脂質が用いられ得る。中性リン脂質としては、分子
全体として中性領域で電荷を有していない脂質であれ
ば、特に限定されない。例えば、合成または天然ホスフ
ァチジルコリン、スフィンゴミエリンなど、またはそれ
らの混合物が用いられ得る。天然ホスファチジルコリン
には、各種レシチンも包含され得、不飽和型でも飽和型
(水素添加型)であってもよい。例えば、ジステアロイ
ルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジ
ルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジベ
ヘノイルホスファチジルコリン、ジリグノセロイルホス
ファチジルコリン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチ
ン、大豆レシチン、水添卵黄レシチン、水添大豆レシチ
ンなどが挙げられ、これらからなる群より選択される1
種または2種以上の脂質が用いられ得るが、相転移温度
の高いものが好ましい。2種以上の脂質を用いる場合、
その混合割合は特に限定されない。
調製に用いられるリポソームまたはリピッドマイクロス
フェアーのリン脂質は、主として上記の非荷電脂質から
なり、必要に応じて、荷電脂質が含有される。正荷電脂
質としては、毒性を有さない正荷電物質であれば特に限
定されない。例えば、ステアリルアミン、オレイルアミ
ンなどの塩基性脂質、Na−アシル−L−アルギニンな
どの塩基性アミノ酸系界面活性剤などが挙げられる。負
荷電脂質としては、毒性を有さない負荷電物質であれば
特に限定されない。例えば、ホスファチジルセリン、天
然由来のホスファチジルグリセロール、ジミリストイル
ホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファ
チジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグ
リセロール、カルジオリピン、ホスファチジルイノシト
ール、ホスファチジン酸などの酸性リン脂質、ガングリ
オシドGM1、ガングリオシドGM3などのシアル酸を有
するガングリオシド類、ジセチルリン酸などの酸性脂
質、N−アシル−L−グルタミン酸などの酸性アミノ酸
系界面活性剤、オレイン酸、ステアリン酸などの脂肪酸
が挙げられる。
えば、脂質小球体に用いた脂質の重量の合計を100%
として、0〜100%、好ましくは0〜約30%の割合
で含有される。
調製に用いられるリピッドマイクロスフェアーの、上記
リン脂質と併用して用いられる主な脂質としては、植物
油(例えば、大豆油、ゴマ油、サフラワー油)または合
成もしくは半合成の中鎖脂肪酸トリグリセリド(例え
ば、ミグリオール、ODO(登録商標))が用いられ得
る。植物油または中鎖脂肪酸トリグリセリドに対するリ
ン脂質の割合は、植物油または中鎖脂肪酸トリグリセリ
ドを100重量部とした場合、5〜50重量部、好まし
くは10〜25重量部である。
の種々のリン脂質および荷電脂質以外に、さらにホスフ
ァチジルエタノールアミン、膜安定化剤としてコレステ
ロールなどのステロール類、抗酸化剤としてα−トコフ
ェロールなどが加えられていてもよい。このような添加
物質の添加割合は、例えば、脂質の合計を100重量部
とすると、ホスファチジルエタノールアミンは0〜30
重量部、安定化剤として用いられるステロール類は0〜
100重量部、好ましくは20〜55重量部、抗酸化剤
として用いられるα−トコフェロールなどは0〜20重
量部、好ましくは1重量部前後である。
に限定されず、種々の公知の方法により調製され得る。
例えば、リポソームの調製方法についていえば、超音波
調製法、ボルテックス法、界面活性剤法、エタノール注
入法、エーテル注入法、フレンチプレス法、逆相蒸発法
などが挙げられる。これらの調製法により得られるリポ
ソームの構造としては、多重層リポソーム(MLV)、
小さな1枚膜リポソーム(SUV)、大きな1枚膜リポ
ソーム(LUV)、逆相法リポソーム(REV)などが
挙げられる。一方、リピッドマイクロスフェアーの調製
の場合は、リポソームの調製の場合とは異なり、リン脂
質以外に、大豆油、ゴマ油などの植物油あるいは合成ま
たは半合成の中鎖脂肪酸トリグリセリドを用いる。その
調製方法は、特に限定されないが、例えば、水に対して
植物油または中鎖脂肪酸トリグリセリドを2〜20%、
そしてリン脂質をその12%加えたものを、高圧乳化機
にかけることにより、リピッドマイクロスフェアーを調
製し得る。本発明に用いるリピッドマイクロスフェアー
の粒子径は、特に限定されないが、一般的には平均20
0nmである。さらに、これらの脂質小球体の表面は、例
えば、ガラクトース、マンノース、ラクトース、モノク
ローナル抗体、アミノ酸などの組織親和性または臓器親
和性を有する分子、または、例えば、ポリエチレングリ
コール、プルラン、マンナン、ポリアミノ酸などの親水
性ポリマーで化学的または物理的に修飾されていてもよ
い。
外の他の薬物または生理活性物質、例えば、5−フルオ
ロウラシル、ドクソルビシン、γ−インターフェロン、
マイトマイシンC、白金錯体、シクロホスファミドなど
を内包、分配、または吸着したものであってもよい。
小球体の安定性から通常約3〜9程度であり、好ましく
は6〜9であり、さらに好ましくはIL−2の等電点付
近の約7〜8である。pHの調整に用い得る酸として
は、塩酸、硝酸、臭化水素酸などの無機酸、あるいは乳
酸、グリセリン酸、酢酸、クエン酸などの有機酸、好ま
しくは、塩酸、酢酸、または乳酸である。塩基として
は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ムなどの一価の水酸化物、あるいはトリエチルアミン、
トリメチルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルア
ミン、トリスアミノメタンなどのアミン類を、好ましく
は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムを挙げることが
でき、さらには第一リン酸カリウム、第二リン酸ナトリ
ウム、炭酸ナトリウムなども使用することができる。ま
た、上記水性媒体のイオン濃度は、例えば0〜500m
Mである。
うなものであってもよいが、一般的には、市販の遺伝子
組換え型IL−2、好ましくは遺伝子組換え型ヒトIL
−2が用いられる。IL−2は、脂質小球体の脂質の合
計を100重量部とすると、1〜0.0001重量部、好まし
くは0.1〜0.001重量部の割合で調製時に混合される(I
L−2 1mg=107国内標準単位(JRU)換算)。また
は、IL−2/脂質小球体の混合比(JRU/nmole)は、1
0.0〜0.01、好ましくは5.0〜0.05、さらに好ましくは1.
0〜0.1である。
して、糖(例えば、グルコース、ガラクトースなどの単
糖類、マルトース、スクロースなどの二糖類、デキスト
ランなどの多糖類)、グリセロール、マンニトール、ソ
ルビトール、キシリトールなどのポリオール類、タンパ
ク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、水溶性高分子
(例えば、ゼラチン、ヒドロキシエチルデンプンな
ど)、界面活性剤などの添加物が含まれていてもよい。
は、(1)後述の実施例1〜11で記載されているよう
に、IL−2と脂質小球体との混合系をゲル濾過する
と、IL−2単独の場合の溶出分画とは異なる脂質小球
体の溶出分画に、そのIL−2の大部分、好ましくは8
0〜100%、さらに好ましくは90〜100%が一緒
に溶出してくることから、また(2)実施例15および
16に記載されているようにIL−2の血中濃度の持続
性を示すことから、単に脂質小球体とIL−2とが水性
媒体中に混合しているのではなく、脂質小球体にIL−
2が担持または吸着された形態であることがわかった。
本発明のIL−2吸着型脂質小球体製剤では、IL−2
が脂質小球体の中に内包されているのではなく、その外
側表面に吸着されている。
明する。
ロイルホスファチジルコリン(DSPC)100mgを含むクロ
ロホルム溶液5mlを300ml用ナス型フラスコに入れて、
ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧下で留去し
て、ナス型フラスコの内壁に脂質(DSPC)の薄い皮膜を
形成させた。これをさらにデシケーターに移して減圧下
で一晩、残留溶媒の除去を行った。次いで、この脂質皮
膜にリン酸緩衝生理食塩水2mlを加えて、60℃の湯浴上
で手で振とうを行うことにより乳濁化させ、リポソーム
(MLV)の粗分散液を得た。次に、孔径が0.4μmのnu
clepore membrane(Nucrepore Corporation)を装着し
たエクストルーダー(Lipex Biomembranes, Inc.)を用
いて、このリポソーム粗分散液を加圧濾過した。さら
に、この濾液を孔径0.1μmのnuclepore membrane(Nucr
epore Corporation)を用いて加圧濾過することによ
り、粒子直径が約100nmのDSPC-リポソーム分散液を得
た。次に、このようにして得られた粒子直径が約100nm
のDSPC-リポソーム分散液(脂質濃度:50μmol/ml)1m
lに対して、遺伝子組換え型インターロイキン−2(I
L−2)の50mM酢酸水溶液(840万国内標準単位(JRU)/m
l)42μlを加え、Sephadex G-75でゲル濾過(Pharmaci
a、カラム:径×長さ=1.0cm×25cm、展開溶媒:1%BS
Aを含むリン酸緩衝生理食塩液、試料:0.1ml)を行っ
た。分取した各分画中に含まれるIL−2を酵素免疫測
定法(EIA)(森ら、基礎と臨床、22(17)、5955 (19
88))で定量し、リポソーム分画に含まれるIL−2の
含量から、リポソームに吸着しているIL−2の割合
(保持率)を求めた。この結果を他の実施例の結果とと
もに表1に示す。なお、リポソームに保持されなかった
フリーのIL−2は、別の分画に分離して溶出した。
の代わりに、21μlを用いたこと以外は、実施例1と同
様である。
100mgと負荷電脂質であるジステアロイルホスファチジ
ルグリセロール(DSPG)10mgとの混合物を用いたこと以
外は、実施例1と同様である。
の代わりに、1.2μlを用いたこと以外は、実施例3と同
様である。
質であるジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)
を用いたこと以外は、実施例1と同様である。
の代わりに、1.2μlを用いたこと以外は、実施例5と同
様である。
100mgと負荷電脂質であるジパルミトイルホスファチジ
ルグリセロール(DPPG)10mgとの混合物を用いたこと以
外は、実施例5と同様である。
の代わりに、1.2μlを用いたこと以外は、実施例7と同
様である。
PCおよびDSPG(モル比10:1)からなるリポソーム(ML
V)の粗分散液(脂質濃度:50μmol/ml)を調製した
後、この調製液の20mlを高圧乳化機(Nanomizer LA-10
H: SAYAMA TRADING CO. LTD.)にかけて粉砕し、平均粒
径が約20nmの微粒子とした。この微細化したリポソーム
の分散液5mlで遺伝子組換え型インターロイキン−2の
製剤であるイムネース注35(35万国内標準単位(JRU)/
バイアル、塩野義製薬)の2.5バイアル分を溶解し、そ
の一部を実施例1に記載の方法でゲル濾過を行った。そ
の結果、リポソーム分画に含まれるIL−2の含量か
ら、リポソームのIL−2保持率が97.6%と算出され
た。
れも脂質濃度を一定にした場合の結果であり、脂質組成
または脂質とIL−2との混合比の適切な選択により、
90%以上の保持率を示すIL−2吸着型リポソーム製剤
が得られることを示している。いずれの脂質組成につい
ても、脂質に対するIL−2の混合比が低くなるほど吸
着保持率が高くなっている。また、荷電脂質の有無に関
係なく高い保持率を示すこと、およびこの実験がIL−
2の等電点付近のpH(約7.4)で行われたことから、
この高い保持率をもたらす主な原因が、IL−2とリポ
ソームとの疎水性相互作用による吸着であると考えられ
る。
U/ml)および脂質組成(DPPC/DPPG=10/1)を一定に
し、IL−2とリポソームとの混合比を変化させた以外
は、実施例1と同様に行った。Sephadex G-75でのゲル
濾過によるIL−2の溶出プロフィルを図1に、ゲル濾
過の結果より算出したIL−2の保持率を表2に示す。
この結果から、上記実施例1〜9の結果と同様に、脂質
に対するIL−2の混合比が低くなるほど、IL−2の
吸着保持率が高くなることがわかった。
/1、DSPC/DPPG=10/1、およびDPPC/DPPG=10/1のIL−
2吸着型リポソーム分散液(IL−2濃度:4×105JRU/
ml、脂質濃度:47μmol/ml)を、それぞれ実施例1と同
様の方法で得、そしてSephadex G-75でゲル濾過を行っ
た。ゲル濾過によるIL−2の溶出プロフィルを図2
に、ゲル濾過の結果より算出したIL−2の保持率を表
3に示す。この結果から、天然ホスファチジルコリンよ
りも合成ホスファチジルコリンの方がIL−2の吸着力
が強いことがわかった。
種々の孔径(1.0μm、0.4μm、0.2μm、および0.1μm)
のnucleopore membrane(Nucrepore Corporation)で加
圧濾過して、粒子径がそれぞれ1000nm、400nm、200nm、
および100nmのリポソームを得、30nmのリポソームは、
実施例9で用いた高圧乳化機にて調製した以外は、実施
例3と同様である。脂質濃度は、50μmole/mlである
が、リポソームの粒子径が30nmの場合のみ、30μmole/m
lで行った。結果を表4に示す。リポソームの粒子径が1
000nmの場合はIL−2の保持率がやや低かったが、そ
れ以外の場合においては、いずれも90%以上の保持率で
あった。
L−2の脂質に対する混合比を少なくし、粒子径を小さ
くした方がIL−2の吸着力を高めることができると考
えられる。そこで、市販のIL−2製剤であるイムネー
スを用いた場合について、実施例9と同様の方法で、混
合比と粒子径との関係を検討した。ただし、粒子径が30
nmの場合の脂質濃度は30μmole/mlで行った。その結果
を表5に示す。IL−2と脂質との混合比およびリポソ
ームの粒子径を適切に選択することにより、90%以上
の保持率のIL−2吸着型リポソーム製剤を得られ得る
ことが示された。これは、イムネース35(3.5×105JR
U)の1バイアルを1〜2mlのリポソーム分散液(脂質
濃度:50μmole/ml)に溶解することにより、IL−2
吸着型リポソーム製剤を容易に得られることを示してい
る。
グリセリン500mg、および注射用蒸留水20mlを混合し、
ホモジナイザー(ポリトロン(登録商標))により分散
し、大豆油2gを加えてさらにホモジナイザーにより処
理することにより、粗エマルジョンを得た。これを高圧
乳化機(Nanomizer LA-10H: SAYAMA TRADING CO. LT
D.)にかけて粉砕し、平均粒径が約200nmのリピッドマ
イクロスフェアーを得た。このリピッドマイクロスフェ
アー120μlに、注射用蒸留水1ml/バイアルで溶解した
イムネース注120μlを加え、この200μlについてSephad
ex G-75でゲル濾過を行った。このときの条件および保
持率の算出法は実施例1と同様である。この結果、IL
−2の保持率は89%であった。
られた、脂質組成がDSPC/DSPG=10/1のIL−2吸着型
リポソーム製剤(平均粒子径:約100nm、IL−2濃
度:9.1×104JRU/ml、脂質濃度:50μmol/ml)の0.2ml
を、マウス(Jcl-BDF1、4週齢、約20g)の背部皮下に
投与して、経時的に採血を行った。IL−2の血中濃度
はEIAによって測定した。これと並行してIL−2単
独(1.9×105JRU/ml、0.2ml)の投与を行い、IL−2
の血中濃度推移を比較した。その結果を図3に示す。I
L−2単独の場合(図中の●)は、血中濃度の立ち上が
りが速く、消失も速いのに対して、IL−2吸着型リポ
ソーム製剤の場合(図中の○)は、血中濃度の持続性を
示した。
1のリポソーム(平均粒子径:約100nm)を、DSPGの代わ
りにDPPGを用いた以外は実施例3と同様の方法で調製し
た。IL−2とリポソームとの混合溶液(IL−2:7.
5×104JRU、脂質濃度:50μmol/ml)の0.2mlを、マウス
(slc-BDF1、4週齢、約20g)の尾静脈に投与して、投
与後のIL−2の各臓器における濃度をEIAにより測
定した。
いはIL−2単独(IL−2:0.955×104JRU/マウ
ス)の投与におけるIL−2の血中濃度の推移を比較し
た結果を示す。IL−2とリポソームとを混合してIL
−2吸着型リポソーム製剤(図中の○)として投与する
ことにより、IL−2単独投与(図中の●)と比較して
血中濃度−時間曲線下面積(AUC)が増加しており、
血中濃度の持続性を示した。図5に、IL−2/リポソ
ーム混合物あるいはIL−2単独を投与した場合の、各
臓器のIL−2の投与後4時間までのAUCを比較した
結果を示す。この投与条件下では、IL−2/リポソー
ム混合物は、肝臓および脾臓への分布が高いことがわか
った。特に脾臓への集積が顕著であった。これまで腎癌
およびメラノーマ癌患者に対して、IL−2の高投与量
が有効であることが報告されているが、IL−2の高投
与量による副作用の問題があった。しかし、本発明のI
L−2吸着型リポソーム製剤のAUCの増加、血中濃度
の持続、特定臓器への集積などの特性は、IL−2の投
与量の低下および副作用の軽減の可能性を示し、IL−
2の適用の拡大の可能性をも示すものである。
1)、平均粒子径約20nmのリポソームを、水分散液とし
て調製した。別に、IL−2の凍結乾燥品をバイアルと
して調製し、リポソーム分散液とセットにして、IL−
2吸着型リポソーム調製用のキットを製造した。IL−
2は、リポソームの脂質100重量部に対して0.01
重量部含まれる。このキットに含まれるIL−2を、実
施例9と同様にリポソーム分散液に溶解すれば、IL−
2吸着型脂質小球体製剤が調製される。
とIL−2を水性媒体中で接触させるだけで、高い保持
率のIL−2吸着型脂質小球体製剤を調製し得る。特
に、本発明のキットを用いる方法は、脂質小球体の荷電
とは関係なく、単に混合するだけでIL−2吸着型脂質
小球体製剤を得ることができるため、従来の方法と比べ
て非常に簡便である。また、容易に製剤化できることか
ら、用時調製が可能であり、製剤の安定性の面でも優れ
ている。得られたIL−2吸着型脂質小球体製剤は、I
L−2単独投与の場合と比べて、持続放出性であるた
め、IL−2の血中濃度半減期を延長して、IL−2の
薬効を持続し、副作用を軽減し得る。さらに、本発明の
製剤を静脈内あるいは動脈内投与することにより、標的
組織への選択的な送達も可能であり、IL−2を局所で
効果的に働かせ得る。
IL−2吸着型脂質小球体製剤またはIL−2単独の溶
出プロフィルを示す図である。
IL−2吸着型脂質小球体製剤またはIL−2単独の溶
出プロフィルを示す図である。
IL−2単独を、それぞれマウスに皮下投与した場合
の、IL−2の血中濃度の推移を示す図である。
IL−2単独をマウスの尾静脈に投与した場合の、IL
−2の血中濃度の推移を示す図である。
IL−2単独をマウスの尾静脈に投与した場合の、各臓
器のIL−2の投与後4時間までのAUC比を示す図で
ある。
Claims (24)
- 【請求項1】 インターロイキン−2を水性媒体中で脂
質小球体と接触させる工程によりインターロイキン−2
吸着型脂質小球体製剤を調製するための、インターロイ
キン−2および脂質小球体を含み、インターロイキン−
2が脂質小球体の脂質100重量部に対して1〜0.0
001重量部の割合で含有される、インターロイキン−
2吸着型脂質小球体製剤の調製用キット。 - 【請求項2】 前記脂質小球体がリポソームまたはリピ
ッドマイクロスフェアーである、請求項1に記載のキッ
ト。 - 【請求項3】 前記脂質小球体の脂質の主成分が中性リ
ン脂質である、請求項1に記載のキット。 - 【請求項4】 前記中性リン脂質が、合成または天然ホ
スファチジルコリン、スフィンゴミエリン、またはそれ
らの混合物である、請求項3に記載のキット。 - 【請求項5】 前記中性リン脂質が、ジステアロイルホ
スファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコ
リン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジベヘノ
イルホスファチジルコリン、ジリグノセロイルホスファ
チジルコリン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチン、大
豆レシチン、水添卵黄レシチン、および水添大豆レシチ
ンからなる群より選択される少なくとも1種の脂質であ
る、請求項3記載のキット。 - 【請求項6】 前記ホスファチジルコリンが合成ホスフ
ァチジルコリンである、請求項4または5に記載のキッ
ト。 - 【請求項7】 前記脂質小球体が荷電脂質を含む、請求
項1に記載のキット。 - 【請求項8】 前記脂質小球体が非荷電脂質からなる、
請求項1に記載のキット。 - 【請求項9】 前記脂質小球体が、インターロイキン−
2と同じ極性の荷電であるかまたは非荷電である、請求
項1に記載のキット。 - 【請求項10】 前記脂質小球体およびインターロイキ
ン−2の少なくとも一方が非荷電である、請求項1に記
載のキット。 - 【請求項11】 前記脂質小球体にインターロイキン−
2以外の薬物が内包、分配、または吸着されている、請
求項1に記載のキット。 - 【請求項12】 前記脂質小球体の平均粒子径が500
nm以下である、請求項1に記載のキット。 - 【請求項13】 前記水性媒体のpHが約3〜9であ
る、請求項1に記載のキット。 - 【請求項14】 前記水性媒体のpHが、インターロイ
キン−2の等電点付近である、請求項1に記載のキッ
ト。 - 【請求項15】 前記脂質小球体および/またはインタ
ーロイキン−2の凍結乾燥物を含む、請求項1に記載の
キット。 - 【請求項16】 前記水性媒体をさらに含む、請求項1
に記載のキット。 - 【請求項17】 脂質小球体水分散液および凍結乾燥さ
れたインターロイキン−2を含有する、請求項1に記載
のキット。 - 【請求項18】 インターロイキン−2を水性媒体中で
脂質小球体と接触させる工程を包含する、インターロイ
キン−2吸着型脂質小球体製剤の調製方法。 - 【請求項19】 請求項1〜17のいずれかに記載のキ
ットを用いる、請求項18に記載の方法。 - 【請求項20】 インターロイキン−2吸着型脂質小球
体製剤。 - 【請求項21】 請求項18または19に記載の方法に
より調製される、請求項20に記載の製剤。 - 【請求項22】 ゲル濾過において、インターロイキン
−2の脂質小球体への吸着保持量が80〜100%であ
る、請求項20に記載の製剤。 - 【請求項23】 脂質小球体の脂質を100重量部、そ
してインターロイキン−2を1〜0.0001重量部の
割合で含む、請求項20に記載の製剤。 - 【請求項24】 凍結乾燥されている、請求項20に記
載の製剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7198764A JPH0899897A (ja) | 1994-08-05 | 1995-08-03 | インターロイキン−2吸着型脂質小球体 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18502094 | 1994-08-05 | ||
| JP6-185020 | 1994-08-05 | ||
| JP7198764A JPH0899897A (ja) | 1994-08-05 | 1995-08-03 | インターロイキン−2吸着型脂質小球体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0899897A true JPH0899897A (ja) | 1996-04-16 |
Family
ID=26502850
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7198764A Withdrawn JPH0899897A (ja) | 1994-08-05 | 1995-08-03 | インターロイキン−2吸着型脂質小球体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0899897A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1998055104A1 (fr) * | 1997-06-06 | 1998-12-10 | Shionogi & Co., Ltd. | Perfectionnement d'un systeme d'administration de medicament |
| JP2007517909A (ja) * | 2004-01-14 | 2007-07-05 | ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド | 薬物送達に有用な脂質ベースの分散物 |
| JP2014514275A (ja) * | 2011-03-10 | 2014-06-19 | ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム | タンパク質ナノ粒子分散系 |
| US9622974B2 (en) | 2007-06-22 | 2017-04-18 | Board Of Regents, The University Of Texas | Formation of stable submicron peptide or protein particles by thin film freezing |
| WO2023062354A3 (en) * | 2021-10-11 | 2023-06-01 | Newimmune Ii, Llc | Nanoparticulate formulation |
-
1995
- 1995-08-03 JP JP7198764A patent/JPH0899897A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1998055104A1 (fr) * | 1997-06-06 | 1998-12-10 | Shionogi & Co., Ltd. | Perfectionnement d'un systeme d'administration de medicament |
| EP1013269A4 (en) * | 1997-06-06 | 2002-02-20 | Shionogi & Co | IMPROVEMENT OF A DRUG ADMINISTRATION SYSTEM |
| JP2007517909A (ja) * | 2004-01-14 | 2007-07-05 | ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド | 薬物送達に有用な脂質ベースの分散物 |
| US9622974B2 (en) | 2007-06-22 | 2017-04-18 | Board Of Regents, The University Of Texas | Formation of stable submicron peptide or protein particles by thin film freezing |
| US10285945B2 (en) | 2007-06-22 | 2019-05-14 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Formation of stable submicron peptide or protein particles by thin film freezing |
| US10898437B2 (en) | 2007-06-22 | 2021-01-26 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Formation of stable submicron peptide or protein particles by thin film freezing |
| US11759427B2 (en) | 2007-06-22 | 2023-09-19 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Formation of stable submicron peptide or protein particles by thin film freezing |
| JP2014514275A (ja) * | 2011-03-10 | 2014-06-19 | ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム | タンパク質ナノ粒子分散系 |
| WO2023062354A3 (en) * | 2021-10-11 | 2023-06-01 | Newimmune Ii, Llc | Nanoparticulate formulation |
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