JPH0899934A - 酪酸エステルの精製法 - Google Patents

酪酸エステルの精製法

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JPH0899934A
JPH0899934A JP23536894A JP23536894A JPH0899934A JP H0899934 A JPH0899934 A JP H0899934A JP 23536894 A JP23536894 A JP 23536894A JP 23536894 A JP23536894 A JP 23536894A JP H0899934 A JPH0899934 A JP H0899934A
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JP
Japan
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butyric acid
acid ester
methyl
ester
basic substance
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JP23536894A
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Inventor
Shigeo Nakamura
茂男 中村
Shingo Inoue
進吾 井上
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 酪酸エステルに含まれるカルボン酸を塩基性
物質で接触中和し、次いで、蒸留を行うことを特徴とす
る酪酸エステルの精製方法。 【効果】 プロセス工程液の酪酸エステルから、ポリマ
ーを副生させず、カルボン酸を容易に、かつ、高収率で
工業的に分離除去できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタクリル酸メチル及
びメタクリル酸を製造する工程から得られる、ヒドロキ
シイソ酪酸メチル及びメトキシイソ酪酸メチル(以下、
酪酸エステルと略す)の精製法に関するものである。詳
しくは酪酸エステルに含有するカルボン酸を除去し、カ
ルボン酸を含まない酪酸エステルを得る為の精製法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、酪酸エステルは、その優れた特徴
から洗浄剤、塗料溶剤、有機合成原料等の幅広い分野で
の活用が可能であり需用が拡大しており、特に腐食、臭
気、変質等の防止のためカルボン酸を含まない高品質の
酪酸エステルが要求されている。
【0003】従来、工業化製造プロセスではアセトンシ
アンヒドリン又はメタクリロニトリルに硫酸とメタノー
ルを反応せしめて、得られた反応液より抽出及び蒸留な
どの手段で硫酸分(硫安、重硫安、硫酸)及び低沸点物
を除去した後、さらに蒸留によりメタクリル酸メチルと
メタクリル酸を精製回収する。このメタクリル酸メチル
とメタクリル酸の中間留分としてカルボン酸を0.1〜
30wt%程度まで分離除去した酪酸エステルのプロセ
ス工程液が得られている。
【0004】このプロセス工程液よりカルボン酸を分離
除去するために蒸留を行う場合には、酪酸エステルとカ
ルボン酸の沸点が比較的近く、かつ、気相会合などの影
響があって蒸留段数や環流比を上げても完全に分離除去
することは困難であった。また、カルボン酸中のメタク
リル酸の重合防止のためにハイドロキノン等の重合禁止
剤の添加、または、精製塔の塔底濃縮率を下げること、
または、蒸留圧力を低くして蒸留温度を下げる等の工夫
を行った場合は操作が複雑になり、かつ、酪酸エステル
の回収率が低く、工業的に完成された方法とは言えな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アセトンシ
アンヒドリン又はメタクリロニトリルに硫酸とメタノー
ルを反応せしめて得た、副生成物の酪酸エステルからカ
ルボン酸を容易に操作性良く、高効率で工業的に分離除
去する方法を提供する事を課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するための研究を重ね本発明に至った。即ち、本
発明は、アセトンシアンヒドリン又はメタクリロニトリ
ルに硫酸とメタノールを反応せしめてメタクリル酸メチ
ル及びメタクリル酸を製造する工程から得られる、30
wt%以下のカルボン酸を含有する酪酸エステルを塩基
性物質と接触させ、次いで、蒸留することによりカルボ
ン酸を含有しない酪酸エステルを得ることを特徴とする
酪酸エステルの精製法を提供するものである。
【0007】更に、得られる酪酸エステルがヒドロキシ
イソ酪酸メチル及びメトキシイソ酪酸メチルであること
を特徴とするものである。また、本発明に用いられる塩
基性物質として、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の
水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩及びアンモニア及びアミン
類の脂肪族第一アミンたとえばメチルアミン、エチルア
ミンプロピルアミン、イソプロピルアミン等、脂肪族第
二アミンたとえばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ
プロピルアミン、ジイソプロピルアミン等、脂肪族第三
アミンたとえばトリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、などか
ら選ばれた一種又は二種以上を用いることを特徴とする
ものである。
【0008】以下本発明をさらに詳細に説明する。本発
明の原料となる酪酸エステルはアセトンシアンヒドリン
又はメタクリロニトリルに硫酸とメタノールを反応させ
メタクリル酸メチルを製造する際、副生成物として得る
ことができるものである。さらに詳しくは、上記反応で
得られた反応液より抽出及び蒸留などの手段で硫酸分
(硫安、重硫安、硫酸)及び低沸点物を除去した後、さ
らに蒸留によりメタクリル酸メチルとメタクリル酸を精
製回収する際に、このメタクリル酸メチルとメタクリル
酸の中間留分として得られる、カルボン酸を0.1〜3
0wt%程度まで分離除去した酪酸エステルのプロセス
工程液である。
【0009】上記製造工程より回収した、本発明の原料
となる酪酸エステル中には、不純物品として、一般にカ
ルボン酸のメタクリル酸濃度が0.1〜30wt%、酢
酸・プロピオン酸・アクリル酸・酪酸・クロトン酸の合
計が0.01〜5wt%、そして、水分が0.03〜3
wt%程度含まれる。勿論、これらの濃度は、反応槽・
抽出塔・蒸留塔等の設備・操作条件により変化し、異な
った品質のものが得られることは言うまでもない。
【0010】本発明は、上記した酪酸エステル中に含ま
れる、カルボン酸を塩基性物質で接触中和した後に、蒸
留を行うことにより、カルボン酸を含まない酪酸エステ
ルを得るものである。即ち、まず、酪酸エステル中に含
まれるカルボン酸(全酸)モル数の1モル倍以上、好ま
しくは1〜3モル倍の塩基性物質を温度130℃以下、
好ましくは、過度の温度による副分解及びポリマーの発
生を押さえるため0〜40℃で加え、塩基性物質と良く
混合し接触中和を行いカルボン酸塩を形成させる。
【0011】接触中和の時間は、カルボン酸の濃度及び
塩基性物質の種類、形状、寸法、量及び反応器の形状、
撹拌条件等で決定する。好ましくは、副分解及びポリマ
ーの発生を押さえるため1時間以内が良い。塩基性物質
としては、アルカリ金属たとえばナトリウム、カリウ
ム、アルカリ土類金属たとえばカルシウム、マグネシウ
ムなどの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩及びアンモニア及
びアミン類の脂肪族第一アミンたとえばメチルアミン、
エチルアミンプロピルアミン、イソプロピルアミン等、
脂肪族第二アミンたとえばジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン等、脂
肪族第三アミンたとえばトリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン
等から選ばれた一種又は二種以上を併用しても良く、特
に水酸化ナトリウムが好ましい。これらの形状は塊状、
粉状、又は水溶液状を選ばないが、蒸留精製時の初留カ
ットロスや製品中水分の増加を考慮すると固体状が好ま
しい。
【0012】ここで、蒸留精製前に、上記塩基性物質で
の中和液から、接触中和で生じた沈殿物(スラリー状物
質)を静置槽や遠心濾過器等で分離除去してもよいが、
特に分離除去を行わなくてもよい。次いで、上記原料の
酪酸エステル中の不純物及び塩基性物質との接触中和の
過程で生成した不純物の低沸点不純物(水分、メタノー
ル、メタクリル酸メチル等)を初留として留出分離した
後、高沸点不純物(カルボン酸塩、ポリマー等)が炊き
あがらないようにして蒸留分離すると、その中間留分と
してカルボン酸を含まない高品質の酪酸エステルが得ら
れる。また、本発明において、飽和エステルを塩基性物
質と接触中和することにより、飽和エステルの分解等の
損失もなく、不飽和物質であるメタクリル酸メチル及び
メタクリル酸等の重合が激減し、安定した蒸留が行える
ことを見いだした。これは、塩基性物質と接触させるこ
とにより、不飽和物質のラジカル重合を抑制するのと同
時に、不飽和物質の重合を促進する、或種の不純物が何
らかの変性を受けるためと推定される。
【0013】上記蒸留は、単蒸留塔で行っても良いし、
端切りロスを少なくするため段数を持った蒸留塔で行っ
ても良い。蒸留方法は、低沸点不純物分離蒸留塔と高沸
点不純物分離蒸留塔の2塔で行っても良いし、あるい
は、一つの蒸留塔で低沸点不純物と高沸点不純物を同時
に分離し、目的とする高品質酪酸エステルをこの蒸留塔
の側流として抜きだしても良い。これらは、回分的方法
あるいは連続的方法で操作される。
【0014】これらの操作は、減圧、常圧、加圧のいず
れの操作でも可能であるが、不純物の分解抑制、蒸留温
度、精製コスト等を考慮すると圧力10〜760mmH
g・温度60〜160℃で蒸留するのが好ましい。以上
により、カルボン酸を含まない酪酸エステルを不飽和酸
の重合が極めて少なく(ポリマーの副生が少なく)、効
率よく製造することができる
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により説明
する。
【0016】
【実施例1】アセトンシアンヒドリン及びメタクリロニ
トリルに硫酸とメタノールを反応させメタクリル酸メチ
ル及びメタクリル酸の製造工程より得られる、原料の酪
酸エステルは次のような組成であった。 〔原料酪酸エステル〕 α−ヒドロキシイソ酪酸メチル 70.06 wt% β−メトキシイソ酪酸メチル 23.96 wt% メタクリル酸 3.75 wt% 全 酸(メタクリル酸として) 4.55 wt% メタクリル酸メチル 0.38 wt% 水 分 1.02 wt% 上記、酪酸エステルを原料として、撹拌機付き丸底フラ
スコに原料1kgを入れ、フラスコ内部を撹拌しながら
原料に含有する全酸(メタクリル酸として)モル数の
1.2モル倍の固形水酸化ナトリウムを少量ずつ添加
し、室温で30分間撹拌処理したところ、白色のカルボ
ン酸ナトリウムの結晶が析出した。
【0017】次いで、丸底フラスコに留出管と冷却管を
付け、内部を撹拌しながら大気圧下で140℃に温度調
節したオイルバスに急激な留出速度に成らないように徐
々に入れ、最終オイルバス温度を170℃まで昇温しな
がら単蒸留を行った。原料仕込量の5%を初留として除
いた後、残りの900gを単蒸留留出させたところ、回
収された酪酸エステルとして次の物が得られた。 〔回収酪酸エステル〕 α−ヒドロキシイソ酪酸メチル 74.48 wt% β−メトキシイソ酪酸メチル 25.46 wt% メタクリル酸 不検出 wt% 全 酸(メタクリル酸として) 不検出 wt% メタクリル酸メチル 0.045 wt% 水 分 0.015 wt% 次いで、この単蒸留後の釜残固形物107gに水100
gを追加し撹拌したところ、釜残固形物はすぐ溶け容易
に排出できた。さらに、重合防止剤を添加しなかったに
も関わらず、丸底フラスコ壁伝熱部にはポリマーの付着
による汚れは認められなかった。
【0018】
【実施例2】実施例1と同じ原料、方法に於いて、水酸
化ナトリウム撹拌処理を行った。次いで、丸底フラスコ
に留出管と冷却管を付け、内部を撹拌しながら塔頂圧力
を100mmHgに減圧し、120℃に温度調節したオ
イルバスに急激な留出速度に成らないように徐々に入
れ、最終オイルバス温度を150℃まで昇温しながら減
圧単蒸留を行った。原料仕込量の5%を初留として除い
た後、残りの900gを減圧単蒸留留出させたところ、
回収された酪酸エステルは次のようになった。 〔回収酪酸エステル〕 α−ヒドロキシイソ酪酸メチル 74.52 wt% β−メトキシイソ酪酸メチル 25.32 wt% メタクリル酸 不検出 wt% 全 酸(メタクリル酸として) 不検出 wt% メタクリル酸メチル 0.005 wt% 水 分 0.008 wt% 次いで、この単蒸留後の釜残固形物107gに水50g
を追加し撹拌したところ、釜残固形物はすぐ溶け容易に
排出できた。さらに、実施例1と同じくポリマーの付着
による汚れは認められなかった。
【0019】
【比較例1】実施例1の方法に於いて、水酸化ナトリウ
ムの添加処理を省き、重合防止剤ハイドロキノン5gを
入れ、同じ原料、装置、操作で行ったところ、回収され
た酪酸エステルはメタクリル酸を多く含んだ次のような
組成であった。 〔回収酪酸エステル〕 α−ヒドロキシイソ酪酸メチル 70.85 wt% β−メトキシイソ酪酸メチル 24.62 wt% メタクリル酸 3.66 wt% 全 酸(メタクリル酸として) 3.81 wt% メタクリル酸メチル 0.053 wt% 水 分 0.018 wt% 次いで、この単蒸留後の釜残及び丸底フラスコ壁伝熱部
に粘着性の白濁ポリマーが発生していた、この釜残50
gに水100gを追加し撹拌したところ、水には溶けず
フラスコ壁にこびり着き容易に排出できず、操作性が悪
かった。
【0020】
【発明の効果】本発明によって、酪酸エステルからポリ
マーを副生させず、カルボン酸を容易に、かつ、高収率
で工業的に分離除去できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトンシアンヒドリン又はメタクリロ
    ニトリルに硫酸とメタノールを反応せしめてメタクリル
    酸メチル及びメタクリル酸を製造する工程から得られ
    る、30wt%以下のカルボン酸を含有する酪酸エステ
    ルを塩基性物質と接触させ、蒸留により酪酸エステルを
    取得することを特徴とする酪酸エステルの精製法。
  2. 【請求項2】 酪酸エステルがヒドロキシイソ酪酸メチ
    ル及びメトキシイソ酪酸メチルであることを特徴とする
    請求項1記載の精製方法。
  3. 【請求項3】 塩基性物質として、アルカリ金属及びア
    ルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩及びアン
    モニア及びアミン類の脂肪族第一アミン、脂肪族第二ア
    ミン、脂肪族第三アミンから選ばれた一種又は二種以上
    を用いることを特徴とする請求項1記載の精製方法。
JP23536894A 1994-09-29 1994-09-29 酪酸エステルの精製法 Withdrawn JPH0899934A (ja)

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