JPH09103833A - 意匠性に優れた印刷缶の製造方法 - Google Patents

意匠性に優れた印刷缶の製造方法

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JPH09103833A
JPH09103833A JP7261634A JP26163495A JPH09103833A JP H09103833 A JPH09103833 A JP H09103833A JP 7261634 A JP7261634 A JP 7261634A JP 26163495 A JP26163495 A JP 26163495A JP H09103833 A JPH09103833 A JP H09103833A
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JP
Japan
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ink
resin
curing
paint
heat
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JP7261634A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Goto
弘明 後藤
Hiroshi Sasaki
佐々木  洋
Seishichi Kobayashi
誠七 小林
Shinya Otsuka
晋也 大塚
Yasuhiro Yugawa
泰洋 湯川
Yoshiki Watanabe
芳樹 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠性に優れた印刷シームレス缶、特に加工
性、耐熱性並びに耐熱水性、耐磨耗性、光沢性等の全て
を満足する印刷層を形成させた印刷薄肉化シームレス缶
の製造方法を提供するにある。 【解決手段】 薄肉化シームレス缶の外面側に、(1)
紫外線硬化性と熱硬化性とを兼ね備えたインキ乃至塗料
或いは(2)紫外線硬化性を有し且つ紫外線照射により
熱硬化性が付与されるインキ乃至塗料を紫外線の照射に
より硬化させた後、印刷缶のネック成形或いはビード加
工等のデザインや強度保持上必要な各種成形を行い、そ
の後に該成形缶を短時間の熱処理に付して、紫外線硬化
膜の熱硬化を行い、これにより強靭な硬化塗膜を形成さ
せることを特徴とする印刷缶の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、意匠性の優れた印
刷シームレス缶の製造方法に関するもので、より詳細に
は、ネックイン加工部等を含めて、レトルト後にも印刷
の外観特性が優れたレベルに維持される印刷シームレス
缶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、側面無継目の所謂シームレス缶と
しては、アルミニウム板、ブリキ板或いはティン・フリ
ー・スチール板等の金属素材を、絞りダイスとポンチと
の間で少なくとも1段の絞り加工に付し、側面に継目の
ない胴部と該胴部に継目なしに一体に接続された底部と
から成るカップに形成し、次いで所望により前記胴部
に、しごきポンチとしごきダイスとの間でしごき加工を
加えて、容器胴部を薄肉化する缶の製造方法が知られて
いる。
【0003】また、しごき加工の代わりに、再絞りダイ
スの曲率コーナ部で側壁部を曲げ伸ばしして側壁部を薄
肉化する製法も既に知られている(特表昭56−501
442号公報)。
【0004】容器素材を節約し且つ一定量の金属素材か
ら缶ハイト(高さ)の大きい缶を製造しようとする目的
には、容器胴部をしごき加工或いは曲げ伸ばし加工によ
って薄肉化することは好ましいことである。
【0005】また、側面無継目缶の有機被覆法として
は、一般に広く使用されている成形後の缶に有機塗料を
施す方法の他に、成形前の金属素材に予め樹脂フィルム
をラミネートする方法等が知られており、この例とし
て、特公昭59−34580号公報には、金属素材にテ
レフタル酸とテトラメチレングリコールとから誘導され
たポリエステルフィルムをラミネートしたものを用いる
ことが記載されている。また、曲げ伸ばしによる再絞り
缶の製造に際して、ビニルオルガノゾル、エポキシ、フ
ェノリクス、ポリエステル、アクリル等の被覆金属板を
用いることも知られている。
【0006】シームレス缶の外面に印刷インキ層と仕上
げニス層とを設けることは公知であり、例えば、実公平
6−16739号公報には、TFS(電解クロム酸処理
鋼板)の内面にクリアポリエステルフィルム及び外面に
二酸化チタン配合ポリエステルフィルムを積層したもの
を深絞りし、このカップの外面に印刷インキ層と仕上げ
ニス層とを塗布し、これを焼き付けした後、ネックイン
加工及びフランジ加工を行って、缶とすることが記載さ
れている。
【0007】また、シームレス缶に紫外線硬化性塗料を
設けることも既に知られており、特開平7−13223
6号公報には、底面に設けた環状の凸部に紫外線硬化さ
れた塗膜を有することを特徴とする2ピース缶が記載さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】シームレス缶では、巻
き締める蓋の径を縮小することが包装コストを低減させ
るためにまたデザイン上も重要であり、このために成形
し、印刷した後の缶胴上部に一段或いは多段のネックイ
ン加工が行われている。また、印刷後の缶胴を補強する
目的でビード加工を行うことも行われている。
【0009】用いる印刷インクや仕上げニスは、ネック
イン等の縮径加工に耐える加工性を有することが要求さ
れ、また内容物充填後のレトルト殺菌に耐える耐熱性、
耐熱水性を有することも要求される。また、缶詰製品の
宿命として、製缶工程、充填工程、殺菌工程や、流通過
程で缶体同士が接触し、こすれ合うことも避け得ない。
【0010】シームレス缶表面の印刷層は、内容物を明
確に表示するという重大な役目を有するばかりではな
く、缶詰製品の商品価値をも高めるという役目をも担う
ものであるが、上述した加工性、耐熱性並びに耐熱水
性、耐磨耗性、光沢性等の全てを満足する印刷層を形成
させることは至難に近いものといわねばならない。
【0011】特に、金属板とその両側に設けた熱可塑性
樹脂フィルムとのラミネートから形成された薄肉化シー
ムレス缶では、印刷層が熱可塑性樹脂フィルム上に施さ
れ、印刷層が直接金属上に施される場合に比して密着性
に乏しいことから、上記要求を満足させることは一層難
しい問題となる。
【0012】従って、本発明の目的は、意匠性に優れた
印刷シームレス缶、特に加工性、耐熱性並びに耐熱水
性、耐磨耗性、光沢性等の全てを満足する印刷層を形成
させた印刷薄肉化シームレス缶の製造方法を提供するに
ある。
【0013】本発明の他の目的は、金属板と熱可塑性樹
脂フィルムとのラミネートから形成されていながら、上
記の特性を有する印刷層を備えた印刷シームレス缶を製
造できる方法を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、薄肉化
シームレス缶の外面側に、(1)紫外線硬化性と熱硬化
性とを兼ね備えたインキ乃至塗料或いは(2)紫外線硬
化性を有し且つ紫外線照射により熱硬化性が付与される
インキ乃至塗料を紫外線の照射により硬化させた後、印
刷缶のネック成形或いはビード加工等のデザインや強度
保持上必要な各種成形を行い、その後に該成形缶を短時
間の熱処理に付して、紫外線硬化膜の熱硬化を行い、こ
れにより強靭な硬化塗膜を形成させることを特徴とする
印刷缶の製造方法が提供される。
【0015】紫外線硬化性と熱硬化性とを兼ね備えたイ
ンキ乃至塗料(1)としては、光重合開始剤と熱重合開
始剤とを含有するものを使用でき、また紫外線硬化性を
有し且つ紫外線照射により熱硬化性が付与されるインキ
乃至塗料(2)としては、光カチオン硬化成分を含むイ
ンキ乃至塗料が使用でき、後者のインキ乃至塗料では、
紫外線硬化インキ乃至塗料が硬化活性を有する内に熱硬
化を行う。
【0016】本発明は、薄肉化シームレス缶が金属板と
その両側に設けた熱可塑性樹脂フィルムとのラミネート
を絞り成形し、曲げ伸ばし及び/またはしごき加工によ
り側壁部を薄肉化することにより得られたものである場
合、特に顕著な効果がある。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の印刷シームレス缶の製造
方法では、インキ乃至塗料として、(1)紫外線硬化性
と熱硬化性とを兼ね備えたインキ乃至塗料或いは(2)
紫外線硬化性を有し且つ紫外線照射により熱硬化性が付
与されるインキ乃至塗料を選択使用すること、及び印刷
缶のネック成形或いはビード加工等のデザインや強度保
持上必要な各種成形を間に挟んで、その前に紫外線照射
によるインキ乃至塗料の硬化を行い、その後に該成形缶
を短時間の熱処理に付して、紫外線硬化膜の熱硬化を行
うことが特徴である。
【0018】即ち、印刷シームレス缶の製造では、ネッ
ク成形或いはビード加工等のデザインや強度保持上必要
な各種成形に先だって、インキ乃至塗料を施すことが必
須不可欠であるが、上記の紫外線硬化性及び熱硬化性の
インキ乃至塗料を紫外線硬化にとどめておくことで、成
形時における印刷層の強靭性及び密着性等が付与される
と共に、印刷層へのクラック発生等が防止される。
【0019】紫外線硬化された印刷層を、ネック成形或
いはビード加工等のデザインや強度保持上必要な各種成
形を行った後、紫外線硬化印刷層を短時間の熱処理によ
り加熱硬化させる。これにより、印刷層は耐熱性並びに
耐熱水性、耐磨耗性、光沢性等に優れたものとなり、レ
トルト殺菌やその後の缶同士の衝突、こすれ等に耐える
ものとなる。
【0020】シームレス缶に施した印刷層を、その後の
成形操作に先立って完全に硬化させた場合には、耐熱性
並びに耐熱水性、耐磨耗性、光沢性等は向上するとして
も、ネック成形或いはビード加工等に際して、印刷層に
クラック等が発生し、印刷層の美観等が損なわれること
になる。これに対して、本発明に従い、紫外線硬化性及
び熱硬化性を有する塗料乃至インキを紫外線硬化させる
と、加工に耐える凝集力や密着性が得られると共に加工
に耐える強靭性が保持され、しかも加工後に熱硬化によ
り完全硬化させることにより、耐熱性や耐熱水性が発現
するのである。
【0021】[製造方法の概略]本発明の製造方法の概
略の工程を示す図1において、この方法は、内面有機被
覆金属製カップの成形工程、紫外線硬化型インキ及び紫
外線硬化型仕上ワニスを施す印刷工程、インキ層及び仕
上ワニス層を紫外線硬化させる工程、印刷金属製カップ
状容器の開口端上部にネックイン加工及びフランジ加工
を行う加工工程、加工後の缶体を熱硬化させる工程から
成る。
【0022】上記成形工程と印刷工程との間には、絞り
加工カップの耳の部分をカットするトリミング工程や、
内面側有機被覆が熱可塑性樹脂である場合、被覆と金属
との密着性を高めるための熱固定工程が追加されること
もある。
【0023】この印刷工程及び紫外線硬化工程を説明す
るための図2において、印刷用ターレット1と硬化用タ
ーレット2とが隣接して配置されており、これらターレ
ットの周囲に缶3は回転可能に保持されて、自転と公転
とを行うように保持される。印刷用ターレット1の周囲
に沿って、印刷ユニット4と仕上げニス塗布ユニット5
とが配置されており、一方硬化用ターレット2の周囲に
沿って紫外線光源6が配置されている。
【0024】成形され、トリミングされた有機被覆金属
カップ3は、供給機構7により印刷用ターレット1に供
給され、その側壁外面に印刷ユニット4により紫外線硬
化型インキ層が施され、このインキ層の上に仕上げニス
塗布ユニット5により、ウエット・オン・ウエットの関
係で、紫外線硬化型仕上ワニス層が施される。印刷済み
のカップ3aは硬化用ターレット2に乗り移り、その周
囲に設けられた紫外線光源で照射されて、印刷インキ層
と仕上げニス層の紫外線硬化が行われる。印刷済みのカ
ップ3bは排出機構8により装置外に排出される。
【0025】図2に示す装置では、印刷インキ層と仕上
げニス層とがウエット・オン・ウエットに施され、これ
ら両層の硬化が同時に行われるが、2ヘッドの装置の代
わりに1ヘッドの装置2台を直列に接続させて使用し、
最初の装置で紫外線硬化型インキの印刷と紫外線硬化と
を行い、次の装置で紫外線硬化型仕上ワニスのウエット
・オン・ドライの塗布と仕上げワニスの紫外線硬化を行
うようにしてもよい。
【0026】[内面側有機被覆金属製カップの製造工
程]本発明に用いる金属製カップは、内面側有機被覆を
有する限り、任意のものでよく、有機被覆金属板をカッ
プに成形したものでも、金属製カップに後から有機被覆
を設けたものでもよいが、製造の容易さ及び簡略さの点
で、有機被覆金属板をカップに成形したものが好適であ
る。
【0027】この金属製カップは、金属板、特に有機被
覆金属板を、絞り再絞り加工、絞り再絞りしごき加工、
絞り曲げ延ばし再絞り加工、絞り曲げ延ばし再絞りしご
き加工等に付することにより得られる。
【0028】このカップの断面構造の一例を示す図3に
おいて、このカップ10は金属基体11とその内面側表
面上に設けられた内面有機被膜12と基体の他方の表面
に設けられた外面有機被膜14とから成っている。断面
構造の他の例を示す図4において、断面構造は図3の場
合と同様であるが、金属基体表面と内面有機被膜12と
の間、並びに金属基体表面と外面有機被膜14との間
に、それぞれ接着剤層15a,15bが介在されている
点で構造を異にしている。
【0029】本発明では、金属板としては各種表面処理
鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使用される。
【0030】表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍
後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメ
ッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の
一種または二種以上行ったものを用いることができる。
好適な表面処理鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板で
あり、特に10乃至200mg/m2 の金属クロム層と
1乃至50mg/m2 (金属クロム換算)のクロム酸化
物層とを備えたものであり、このものは塗膜密着性と耐
腐食性との組合せに優れている。表面処理鋼板の他の例
は、0.5乃至11.2g/m2 の錫メッキ量を有する
硬質ブリキ板である。このブリキ板は、金属クロム換算
で、クロム量が1乃至30mg/m2 となるようなクロ
ム酸処理或いはクロム酸/リン酸処理が行われているこ
とが望ましい。更に他の例としてはアルミニウムメッ
キ、アルミニウム圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板
が用いられる。
【0031】軽金属板としては、所謂純アルミニウム板
の他にアルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加
工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn:0.
2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Z
n:0.25乃至0.3重量%、及びCu:0.15乃
至0.25重量%、残部がAlの組成を有するものであ
る。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量
が20乃至300mg/m2 となるようなクロム酸処理
或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが望ま
しい。
【0032】金属板の素板厚、即ち缶底部の厚み(tB)
は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによっても相
違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚みを有
するのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合には、
0.10乃至0.30mmの厚み、また軽金属板の場合
には0.15乃至0.40mmの厚みを有するのがよ
い。
【0033】金属基体上に設ける有機被覆は、熱可塑性
樹脂でも、熱硬化性樹脂でも或いはその組成物であって
もよいが、本発明は内面側有機被覆が熱可塑性樹脂であ
る場合に特に効果が大きい。
【0034】上記金属板上に被覆される熱可塑性樹脂と
しては、結晶性の熱可塑性樹脂が好ましく、その例とし
て、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリルエステル共重合体、アイオノマー等のオレ
フィン系樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート
/イソフタレート共重合体等のポリエステル;ナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12等の
ポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン等を
挙げることができる。
【0035】上記熱可塑性樹脂の被覆層には、金属板を
隠蔽し、また絞り−再絞り成形時等に金属板へのしわ押
え力の伝達を助ける目的で無機フィラー(顔料)を含有
させることができる。また、このフィルムにはそれ自体
公知のフィルム用配合剤、例えば非晶質シリカ等のアン
チブロッキング剤、各種帯電防止剤、滑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤等を公知の処方に従って配合すること
ができる。
【0036】無機フィラーとしては、ルチル型またはア
ナターゼ型の二酸化チタン、亜鉛華、グロスホワイト等
の無機白色顔料;バライト、沈降性硫酸バライト、炭酸
カルシウム、石膏、沈降性シリカ、エアロジル、タル
ク、焼成或は未焼成クレイ、炭酸バリウム、アルミナホ
ワイト、合成乃至天然のマイカ、合成ケイ酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム等の白色体質顔料;カーボンブラ
ック、マグネタイト等の黒色顔料;ベンガラ等の赤色顔
料;シエナ等の黄色顔料;群青、コバルト青等の青色顔
料を挙げることができる。これらの無機フィラーは、樹
脂当り10乃至500重量%、特に10乃至300重量
%の量で配合させることができる。
【0037】被覆熱可塑性樹脂の金属板への被覆は、熱
融着法、ドライラミネーション、押出コート法等により
行われ、被覆樹脂と金属板との間に接着性(熱融着性)
が乏しい場合には、例えばウレタン系接着剤、エポキシ
系接着剤、酸変性オレフィン樹脂系接着剤、コポリアミ
ド系接着剤、コポリエステル系接着剤等を介在させるこ
とができる。
【0038】また、熱可塑性樹脂の厚みは、一般に3乃
至50μm、特に5乃至40μmの範囲にあることが望
ましい。フィルムを用いた熱融着の場合、未延伸のもの
でも延伸のものでもよい。
【0039】特に好適なフィルムとして、エチレンテレ
フタレート単位を主体とするポリエステルを、T−ダイ
法やインフレーション製膜法でフィルムに成形し、この
フィルムを延伸温度で、逐次或いは同時二軸延伸し、延
伸後のフィルムを熱固定することにより製造されたフィ
ルムを挙げることができる。
【0040】原料ポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタレートそのものも著しく制限された延伸、熱固
定及びラミネート条件下で使用可能であるが、フィルム
の到達し得る最高結晶化度を下げることが耐衝撃性や加
工性の点で望ましく、この目的のためにポリエステル中
にエチレンテレフタレート以外の共重合エステル単位を
導入するのがよい。本発明ではエチレンテレフタレート
単位を主体とし、他のエステル単位の少量を含む融点が
210乃至252℃共重合ポリエステルの二軸延伸フィ
ルムを用いることが特に好ましい。尚、ホモポリエチレ
ンテレフタレートの融点は一般に255〜265℃であ
る。
【0041】一般に共重合ポリエステル中の二塩基酸成
分の70モル%以上、特に75モル%以上がテレフタル
酸成分から成り、ジオール成分の70モル%以上、特に
75モル%以上がエチレングリコールから成り、二塩基
酸成分及び/又はジオール成分の1乃至30モル%、特
に5乃至25%がテレフタル酸以外の二塩基酸成分及び
/又はエチレングリコール以外のジオール成分から成る
ことが好ましい。
【0042】テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イ
ソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸:シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸:コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸:の1種
又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール
以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,
6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の
1種又は2種以上が挙げられる。勿論、これらのコモノ
マーの組合せは、共重合ポリエステルの融点を前記範囲
とするものでなければならない。
【0043】用いるコポリエステルは、フィルムを形成
するに足る分子量を有するべきであり、このためには固
有粘度(I.V.)が0.55乃至1.9dl/g、特
に0.65乃至1.4dl/gの範囲にあるものが望ま
しい。
【0044】フィルムの延伸は一般に80乃至110℃
の温度で、面積延伸倍率が2.5乃至16.0、特に
4.0乃至14.0となる範囲で行うのがよく、フィル
ムの熱固定は、130乃至240℃、特に150乃至2
30℃の範囲で行うのがよい。
【0045】コポリエステルフィルムは、二軸延伸され
ていることが重要である。二軸配向の程度は、偏光蛍光
法、複屈折法、密度勾配管法密度等でも確認することが
できる。
【0046】積層に際しては、過度の結晶化を防ぐ目的
で、積層されるフィルムが結晶化温度域を通過する時間
を可及的に短くし、好ましくはこの温度域を10秒以
内、特に5秒以内で通過するようにする。このために、
積層に際して金属素材のみを加熱し、フィルム積層後直
ちに積層体を強制冷却するようにする。冷却には、冷
風、冷水との直接的な接触や強制冷却された冷却ローラ
の圧接が用いられる。この積層に際してフィルムを融点
近傍の温度に加熱し、積層後急冷を行えば、結晶配向度
を緩和させることも可能なことが理解されるべきであ
る。
【0047】接着用プライマーを用いる場合に、フィル
ムへの接着用プライマーとの密着性を高めるために、フ
ィルムの表面をコロナ放電処理しておくことが一般に望
ましい。コロナ放電処理の程度は、そのぬれ張力が44
dyne/cm 以上となるようなものであることが望ましい。
【0048】この他、フィルムへのプラズマ処理、火炎
処理等のそれ自体公知の接着性向上表面処理やウレタン
樹脂系、変性ポリエステル樹脂系等の接着性向上コーテ
ィング処理を行っておくことも可能である。
【0049】ポリエステルフィルムと金属素材の間に所
望により設ける接着プライマーは、金属素材とフィルム
との両方に優れた接着性を示すものである。密着性と耐
腐食性とに優れたプライマー塗料の代表的なものは、種
々のフェノール類とホルムアルデヒドから誘導されるレ
ゾール型フェノールアルデヒド樹脂と、ビスフェノール
型エポキシ樹脂とから成るフェノールエポキシ系塗料で
あり、特にフェノール樹脂とエポキシ樹脂とを50:5
0乃至5:95重量比、特に40:60乃至10:90
の重量比で含有する塗料である。
【0050】接着プライマー層は、一般に0.3乃至5
μmの厚みに設けるのがよい。接着プライマー層は予め
金属素材上に設けてもよく或いは予めポリエステルフィ
ルム上に設けてもよい。
【0051】熱硬化性樹脂塗料としては、例えば、フェ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデ
ヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−
ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹
脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、油性樹脂、或は上記熱硬化性樹脂
と熱可塑性樹脂塗料、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニ
ル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合
体、飽和ポリエステル樹脂との組成物等を挙げることが
できる。これらの樹脂塗料は単独でも2種以上の組合せ
でも使用される。
【0052】上記熱硬化性樹脂塗料の内でも、エポキシ
樹脂(a)、ビスフェノール型エポキシ樹脂とこのエポ
キシ樹脂に対する硬化剤樹脂(b)との組み合わせが好
ましい。
【0053】これらの硬化剤樹脂の内でも、フェノール
ホルムアルデヒド樹脂、特に多環多価フェノールを含有
するフェノール−アルデヒド樹脂成分を用いることが、
フィルムに対する密着性、腐食成分に対するバリヤー性
及び耐加工性の点で望ましい。
【0054】エポキシ樹脂成分としては、この種の塗料
中のエポキシ樹脂成分として従来使用されているものは
すべて制限なしに使用し得るが、これらの内代表的なも
のとして、エピハロヒドリンとビスフェノールA[2,
2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]、ビ
スフェノールF等のビスフェノール類との縮合によって
製造した平均分子量800乃至5500、特に望ましく
は、1400乃至5500のエポキシ樹脂が挙げられ、
このものは内面側有機被覆に使用される。
【0055】このエポキシ樹脂は、下記化学式(1) 式中、Rはビスフェノール類の縮合残基であり、nは樹
脂の平均分子量が800乃至5500となるように選択
される数である。で表わされる。
【0056】尚、前述したエポキシ樹脂の分子量は、平
均分子量であり、従って、比較的低重合度の塗料用エポ
キシ樹脂と、高分子量の線状エポキシ樹脂、即ちフェノ
キシ樹脂とをその平均分子量が上記の範囲となるように
組合せて使用することは何等差し支えがない。
【0057】エポキシ樹脂に対する硬化剤樹脂成分とし
ては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等のエポキシ
基に対して反応性を有する極性基を有する任意の樹脂;
例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン
−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホル
ムアルデヒド樹脂、極性基含有ビニル樹脂、極性基含有
アクリル樹脂等の1種又は2種以上の組合せが使用され
る。これらの硬化剤樹脂の内でも、フェノールホルムア
ルデヒド樹脂、特に多環多価フェノールを含有するフェ
ノール−アルデヒド樹脂成分を用いることが、フィルム
に対する密着性、腐食成分に対するバリヤー性及び耐加
工性の点で望ましい。
【0058】使用するフェノール・アルデヒド樹脂成分
(b)も、この樹脂骨格中に多環フェノールを含有する
ものであれば、任意のものを用いることができる。
【0059】本明細書において、多環フェノールとは、
フェノール性水酸基が結合した環を複数個有するフェノ
ール類の意味であり、かかる多環フェノールの代表的な
例として、化学式(2) HO−Φ−R−Φ−OH ‥‥(2) 式中、Rは直接結合或は2価の橋絡基を表わし、Φはフ
ェニレン基(オルソ、メタ及び/またはパラ)を表す。
で表わされる2価フェノールが知られており、かかるフ
ェノールは本発明の目的に好適に使用される。前記式
(2)の2価フェノールにおいて、2価の橋絡基Rとし
ては、式−CR’R’−(式中、R’の各々は水素原
子、ハロゲン原子、炭素数4以下のアルキル基、または
パーハロアルキル基である)のアルキリデン基、−O
−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR0 −(式
中、R0 は水素原子または炭素数4以下のアルキル基で
ある)の基等を挙げることができるが、一般にはアルキ
リデン基又はエーテル基が好ましい。
【0060】このような2価フェノールの適当な例は、
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノ−ルA)、2,2’−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、1,1’−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−,
3−または2−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェ
ノールF)、4−ヒドロキシフェニルエーテル、p−
(4−ヒドロキシ)フェノール、等であるが、ビスフェ
ノールA及びビスフェノールFが最も好適である。
【0061】これらの多環フェノールは単独で或はその
他のフェノール類との組合せで、ホルムアルデヒドと縮
合反応させてレゾール型フェノールアルデヒド樹脂とす
る。その他のフェノール類としては、従来この種の樹脂
の製造に使用される1価フェノールは全て使用できる
が、一般には下記化学式(3) 式中、R1 は水素原子又は炭素数4以下のアルキル基又
はアルコキシ基であって、3個のR1 の内2個は水素原
子であり、かつ1個はアルキル基又はアルコキシ基であ
るものとし、Rは水素原子又は炭素数4以下のアルキル
基である。で表わされる2官能性フェノール、例えば、
o−クレゾール、p−クレゾール、p−tertブチルフェ
ノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノー
ル、2,5−キシレノール等の2官能性フェノールの1
種又は2種以上の組合せが最も好ましい。勿論、上記式
(3)の2官能性フェノールの他に、フェノール(石炭
酸)、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5
−キシレノール、m−メトキシフェノール等の3官能性
フェノール類;2,4−キシレノール、2,6−キシレ
ノール等の1官能性フェノール類;p−tert−アミルフ
ェノール、p−ノニルフェノール、p−フェニルフェノ
ール、p−シクロヘキシルフェノール等のその他の2官
能性フェノールも、単独で或は上記式(3)の2官能性
との組合せで、フェノールアルデヒド樹脂の調製に使用
することができる。
【0062】フェノールアルデヒド樹脂中における多環
フェノールの量は全フェノール成分の少なくとも10重
量%以上、特に30重量%以上であればよいが、多環フ
ェノール(イ) と前記1価フェノール(ロ) とを、イ:ロ=
98:2〜65:35、特に95:5〜75:25の重
量比で組合せることが、耐レトルト性の点で有利であ
る。
【0063】また、フェノールアルデヒド樹脂のアルデ
ヒド成分としては、ホルムアルデヒド(又はパラホルム
アルデヒド)が特に適しているが、アセトアルデヒド、
ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等の他のアルデヒ
ドも単独或はホルムアルデヒドとの組合せで使用するこ
とができる。
【0064】レゾール型フェノールアルデヒド樹脂は、
上述したフェノールとアルデヒドとを塩基性触媒の存在
下に反応させることにより得られる。フェノールに対す
るアルデヒドの使用量には特に制限はなく、従来レゾー
ル型樹脂の製造に使用されている量比で用いることがで
き、例えばフェノール類1モル当たり1モル以上、特に
1.5乃至3.0モルの量比のアルデヒドを好適に用い
ることができるが、1モルよりも少ないアルデヒドを用
いても特に不都合はない。
【0065】縮合は、一般に適当な反応媒体中、特に水
性媒体中で行うのが望ましい。塩基性触媒としては、従
来レゾール型樹脂の製造に使用されている塩基性触媒の
いずれもが使用でき、就中、アンモニアや、水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化マ
グネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性塩化マグ
ネシウム、塩基性酢酸マグネシウム等のアルカリ土類金
属等の水酸化物、酸化物或は塩基性塩等が好適に使用さ
れる。これらの塩基性触媒は、反応媒体中に触媒量、特
に0.01乃至0.5モル%の量で存在させればよい。
縮合条件は、特に制限はなく、一般に80乃至130℃
の温度で1乃至10時間程度の加熱を行えばよい。
【0066】生成する樹脂はそれ自体公知の手段で精製
することができ、例えば、反応生成物たる樹脂分を例え
ばケトン、アルコール、炭化水素溶媒或はこれらの混合
物で反応媒体から抽出分離し、必要により水で洗浄して
未反応物を除去し、更に共沸法或は沈降法により水分を
除去して、エポキシ樹脂に混合し得る形のレゾール型フ
ェノールアルデヒド樹脂とすることができる。
【0067】上記塗料は、絞り成形に先立って、金属板
に予め施し、この保護被覆層を実質上損傷することなし
に、深絞り成形と側壁部の均一薄肉化とを行うことがで
きる。
【0068】前述した樹脂塗料は、エナメル或はラッカ
ー等の有機溶媒溶液の形で、或は水性分散液または水溶
液の形で、ローラ塗装、スプレー塗装、浸漬塗装、静電
塗装、電気泳動塗装等の形で金属素材に施す。勿論、こ
の塗料は、例えば150乃至250℃の温度で、0.5
乃至15分間程度焼付けして硬化塗膜とする。保護塗膜
は、耐腐食性と加工性との見地から、一般に2乃至50
μm、特に3乃至40μmの厚み(乾燥状態)を有する
ことが望ましい。また、絞り−再絞り性やしごき性を向
上させるために、塗膜中に、各種滑剤を含有させること
ができる。
【0069】金属製カップ状容器への成形は、それ自体
公知の手段、例えば絞り再絞り加工、絞り再絞りしごき
加工、絞り曲げ延ばし再絞り加工、絞り曲げ延ばし再絞
りしごき加工等で行われる。
【0070】例えば、深絞り成形(絞り−再絞り成形)
によれば、被覆金属板から成形された前絞りカップを、
このカップ内に挿入された環状の保持部材とその下に位
置する再絞りダイスとで保持する。これらの保持部材及
び再絞りダイスと同軸に、且つ保持部材内を出入し得る
ように再絞りポンチを配置する。再絞りポンチと再絞り
ダイスとを互いに噛みあうように相対的に移動させる。
【0071】これにより、前絞りカップの側壁部は、環
状保持部材の外周面から、その曲率コーナ部を経て、径
内方に垂直に曲げられて環状保持部材の環状底面と再絞
りダイスの上面とで規定される部分を通り、再絞りダイ
スの作用コーナ部により軸方向にほぼ垂直に曲げられ、
前絞りカップよりも小径の深絞りカップに成形すること
ができる。
【0072】更に再絞りダイスの作用コーナー部の曲率
半径(Rd )を、金属板素板厚(tB )の1乃至2.9
倍、特に1.5乃至2.9倍の寸法とすることにより、
側壁部の曲げ引張りによる薄肉化を有効に行うことがで
きる。のみならず、側壁部の下部と上部とにおける厚み
の変動が解消され、全体にわたって均一な薄肉化が可能
となる。一般に、缶胴の側壁部は素板厚(tB )に対す
る薄肉化率(厚みの変動率)を5乃至45%(−5乃至
−45%)、特に5乃至40%(−5乃至−40%)の
厚みに薄肉化することができる。
【0073】深絞り缶の場合、下記数式(4) 式中、Dは剪断したラミネート材の径であり、dはポン
チ径である、で定義される絞り比RD は一段では1.1
乃至3.0の範囲、トータルでは1.5乃至5.0の範
囲にあるのがよい。
【0074】また再絞り或いは曲げ伸ばし再絞りの後方
にしごきダイスを配置して、側壁部に対して、下記数式
(5) 式中、tB は素板厚であり、tW は側壁部の厚みである
で定義されるしごき率RI が5乃至70%、特に10乃
至60%の厚みになるようにしごきで薄肉化することも
できる。
【0075】絞り成形等に際して、被覆金属板或は更に
カップに、各種滑剤、例えば流動パラフィン、合成パラ
フィン、食用油、水添食用油、パーム油、各種天然ワッ
クス、ポリエチレンワックスを塗布して成形を行うのが
よい。滑剤の塗布量は、その種類によっても相違する
が、一般に0.1乃至10mg/dm2 、特に0.2乃
至5mg/dm2 の範囲内にあるのがよく、滑剤の塗布
は、これを溶融状態で表面にスプレー塗布することによ
り行われる。
【0076】カップへの絞り成形性を向上させるため、
樹脂被覆絞りカップの温度を被覆樹脂のガラス転移点
(Tg)以上、特に熱結晶化温度以下の範囲に予め設定
加熱して、樹脂被覆層の塑性流動を容易にした状態で成
形することが有利である。
【0077】成形後の内面側有機被覆金属製カップは、
カップ開口部の耳の部分を切断する、所謂トリミングを
行った後、印刷工程に付する。このトリミング処理に先
立って、成形後のカップを被覆樹脂のガラス転移点(T
g)以上で融点よりも低い温度に加熱して、被覆樹脂の
歪みを緩和しておくことができる。この操作は、熱可塑
性樹脂の場合特に被覆と金属との密着性を高めるために
有効である。
【0078】[紫外線硬化性及び熱硬化性インキ乃至仕
上ワニス]本発明では、インキ及び仕上げワニスとし
て、(1)紫外線硬化性と熱硬化性とを兼ね備えたイン
キ乃至塗料或いは(2)紫外線硬化性を有し且つ紫外線
照射により熱硬化性が付与されるインキ乃至塗料を使用
する。このインキ及び仕上ワニスには、(1)の場合、
光重合開始剤と熱重合開始剤とが含有されており、
(2)の場合、光カチオン硬化成分が含有されている。
【0079】光重合開始剤としては、光ラジカル重合開
始剤或いは光カチオン重合開始剤が使用される。
【0080】光ラジカル重合開始剤の代表的なものとし
ては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル
等のベンゾイン及びそのアルキルエーテル類;アセトフ
ェノン、2,2-ジメトキシ−2−フェニルアセトフェ
ノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−
1−オン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキ
ノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン
類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4
−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン
類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチ
ルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾ
フェノン類またはキサントン類等がある。
【0081】かかる光重合開始剤は、安息香酸系又は第
三級アミン系など公知慣用の光重合促進剤の1種あるい
は2種以上と組み合わせて用いることが出来る。
【0082】一方、カチオン性紫外線重合開始剤とは、
紫外線によって分解し、ルイス酸を放出し、このルイス
酸がエポキシ基を重合する作用を有するものであり、そ
の例として、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルフォニ
ウム塩、芳香族セレニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩等
が挙げられる。
【0083】ジアリルヨードニウム塩としては、例え
ば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート、ジフェニルヨードニウムヘキサオロホスフェー
ト、4−クロルフェニルヨードニウムテトラフルオロボ
レート、ジ(4−メトキシフェニル)ヨードニウムクロ
ライド、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウ
ム等が挙げられる。
【0084】トリアリールスルホニウム塩としては、例
えば、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレー
ト、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェ
ート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルス
ルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−クロル
フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフ
ェート等が挙げられる。
【0085】トリアリールセレニウム塩としては、例え
ば、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェー
ト、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート等が挙げられる。
【0086】その他のカチオン重合開始剤として、
(2,4−シクロペンタジェン−1−イル)[(1−メ
トキシチエチル)−ベンゼン]−アイロン−ヘキサフル
オロホスフェート、ジフェニルスルホニウムヘキサフル
ロアンチモネート、ジアルキルフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロアンチモネート、ジアルキルフェニルスル
ホニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス
[ジ(βヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ]
フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモー
ネート、4,4-ビス[ジ(βヒドロキシエトキシ)フ
ェニルスルフォニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキ
サフルオロホスフェード等が挙げられる。
【0087】熱重合ラジカル開始剤としては、この種の
重合に使用されている開始剤は全て使用できる。具体的
には、有機ペルオキシド、有機ペルエステル等が使用さ
れ、例として、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベン
ゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert
−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ペルオキシベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビ
ス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、
ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペル
オキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペ
ルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテー
ト、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペ
ル−sec −オクトエート、tert−ブチルペルビバレー
ト、クミルペルビバレートおよびtert−ブチルペルジエ
チルアセテート等が挙げられる。
【0088】熱カチオン重合開始剤としては、スルホニ
ウム塩系熱重合開始剤、例えば旭電化工業(株)製 C
P−66、CP−77等が使用される。
【0089】紫外線及び熱ラジカル重合型樹脂組成物と
しては、紫外線ラジカル重合性モノマー乃至プレポリマ
ーと光重合触媒及び熱重合触媒の組み合わせが使用され
る。
【0090】紫外線重合性モノマー乃至プレポリマーと
しては、分子内に複数のエチレン系不飽和基を有するモ
ノマー乃至プレポリマー或いはそれらの混合物が使用さ
れる。その適当な例はエポキシアクリレート樹脂、ウレ
タンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹
脂、ポリエーテルアクリレート樹脂、熱硬化型アクリル
樹脂、熱硬化型ポリエステル樹脂等である。
【0091】エポキシアクリレート樹脂としては、前記
式(1)のビスフェノール型エポキシ樹脂とエチレン系
不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタアクリル酸
との付加物、或いはこの付加物とエチレン系不飽和多価
カルボン酸無水物、例えば無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等との反応物等が使用される。
【0092】ウレタンアクリレート樹脂としては、イソ
シアネート末端ポリエステル或いはイソシアネート末端
ポリオールと官能基含有アクリル単量体、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート等とを反応させて得られたウレタンアクリレート
樹脂が使用される。
【0093】熱硬化型アクリル樹脂としては、1,6 −ヘ
キサンジオールジアクリレート(HDDA)、1,6 −ヘキサン
ジオールジメタクリレート(HDDMA) 、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタ
クリレート、エチレングリコールジアクリレート(EGD
A)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA) 、ポ
リエチレングリコールジアクリレート(PEGMA−A)、ポリ
エチレングリコールジアクリレート(PEGMA) 、ポリプロ
ピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリ
レート、ブチレングリコールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールジアクリレート、1,4 −ブタンジオール
ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタン
テトラアクリレート、N,N, N′,N′−テトラキス(β−
ヒドロキシエチル)エチレンジアミンのアクリル酸エス
テル、2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ
−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン等が
使用される。
【0094】熱硬化型ポリエステル樹脂としては、分子
中にエチレン系不飽和結合を含むポリエステル、例え
ば、エチレン系不飽和多価カルボン酸、例えばマレイン
酸、フマール酸、イタコン酸、テトラヒドロフタール酸
等と、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、アジピン酸、セバチン酸、重合脂肪酸等の他の酸成
分との組み合わせと、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ネオ
ペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール、ビスフエノール類等の多価アルコール
とを縮合させて得られるポリエステル樹脂が使用され
る。
【0095】上記の多官能性モノマー乃至プレポリマー
は、通常希釈剤ともなる1官能性モノマーと組み合わせ
で使用するのが普通であり、このようなモノマーとし
て、グリシジルアクリレート(GA)、グリシジルメタクリ
レート(GMA) 、カルビトールアクリレート、テトラヒド
ロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメ
タクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、
ジヒドロジシクロペンタジエニルメタクリレート、イソ
ボルニルアクリレート、アクリルアミド(AAm) 、メタク
リルアミド(MAm) 、N−メチロールアクリルアミド(N-M
AM) 、N−ジアセトンアクリルアミド(DAAM)、N−ビニ
ルピロリドン、マレイン酸、イタコン酸、メチルメタク
リレート(MMA) 、エチルアクリレート(EA)、スチレン(S
T)、 アクリロニトリル(AN)、酢酸ビニル(VAc)、ビニルト
ルエン(VT)等。
【0096】更に、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレ
ート(DAP)、ジアリルイソフタレート、ジアリルア
ジペート、ジアリルグリコレート、ジアリルマレエー
ト、ジアリルセバケート、トリアリルフオスフエート、
トリアリルアコニテート、トリメリット酸アリルエステ
ル、ピロメリット酸アリルエステル等の他の多官能性モ
ノマーも使用しうる。
【0097】好適な紫外線硬化性及び熱硬化性のラジカ
ル重合型組成物は、エポキシアクリレート樹脂5乃至5
0重量%、多官能性アクリレート0乃至50重量%及び
単官能性アクリル単量体10乃至80重量%を含有する
ものであり、樹脂100重量部当たり光重合開始剤を
0.1乃至30重量部及び熱重合開始剤を1乃至25重
量部含有するのがよい。
【0098】紫外線及び熱カチオン重合型樹脂組成物と
しては、紫外線カチオン重合性モノマー乃至プレポリマ
ーと光カチオン重合触媒及び熱カチオン重合触媒の組み
合わせが使用される。
【0099】紫外線カチオン重合性モノマー乃至プレポ
リマーとしては、分子内に脂環族基を有し且つ脂環基の
隣接炭素原子がオキシラン環を形成しているエポキシ樹
脂成分を含有するものであり、例えば分子内に少なくと
も1個のエポキシシクロアルカン基、例えばエポキシシ
クロヘキサン環、エポキシシクロペンタン環等を有する
エポキシ化合物等が単独或いは組み合わせで使用され
る。
【0100】その適当な例は、これに限定されないが、
ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビニルシクロヘキ
センモノエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−3,4−エポキシシクロヘキサン・カーボキシ
レート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,
5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−
ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)
アジペート等である。
【0101】このカチオン硬化型樹脂組成物には、それ
自体公知のカチオン重合性ビニル単量体、架橋剤、希釈
剤、他のエポキシ樹脂、水酸基やエポキシ基を含有する
その他の反応性樹脂、増感剤等を含有させることができ
る。
【0102】カチオン重合性ビニル単量体としては、エ
チレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコー
ルモノビニルエーテル、プロピレングリコールジビニル
エーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、
ブチレングリコールモノビニルエーテル、ヘキサンジオ
ールモノビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビ
ニルエーテル、ネオペンチルグリコールモノビニルエー
テル、グリセロールジビニルエーテル、グリセロールト
リビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエ
ーテル、トリメチロールプロパンモノビニルエーテル、
トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジグリセ
ロールトリビニルエーテル、ソルビトールテトラビニル
エーテル、アリールビニルエーテル、フェニルビニルエ
ーテル等を挙げることができる。
【0103】架橋剤としては、種々のポリオール類、例
えばε−カプロラクトントリオール等を挙げることがで
きる。
【0104】希釈剤としては、フェニルグリシジルエー
テル、メチルフェニルグリシジルエーテル、n-ブチル
グリシジルエーテル、1,2−エポキシヘキサデカン等
が挙げられる。
【0105】変性用の他のエポキシ樹脂としては、カッ
プの項で述べたようなビスフェノール型エポキシ樹脂等
が使用される。他の反応性樹脂としては、これに限定さ
れるものではないが、エポキシ変性ブタジエン樹脂、水
酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有塩酢ビ共重合樹
脂などが挙げられる。
【0106】増感剤としては、チオキサントン誘導体、
例えば2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイ
ソプロピルチオキサントンが挙げられる。
【0107】カチオン硬化型樹脂組成物の処方の適当な
例は、これに限定されないが、脂環式エポキシ樹脂50
乃至95重量部、カチオン性紫外線重合開始剤0.1乃
至20重量部、カチオン性熱重合開始剤0.1乃至10
重量部、希釈剤0乃至20重量部、他のエポキシ樹脂0
乃至20重量部、カチオン重合性ビニル単量体0乃至2
0重量部、その他の反応性樹脂0乃至20重量部、増感
剤0乃至2重量部、架橋剤0乃至30重量部からなるも
のである。
【0108】紫外線硬化性を有し且つ紫外線照射により
熱硬化性が付与されるインキ乃至塗料を使用し、しかも
硬化樹脂組成物が重合硬化活性を有する内に熱処理を行
う場合には、前述したカチオン性熱重合開始剤の配合を
省略できることが理解されるべきである。
【0109】本発明に用いる紫外線硬化型インキは、上
記紫外線硬化性樹脂組成物に着色顔料及びインク用助剤
を配合したものからなる。その粘度は、一般にせん断速
度1sec-1で500乃至5000ポイズ(p、20
℃)の範囲にあるのが望ましい。
【0110】着色顔料の適当な例は次の通りである。た
だし、これらの顔料の中で例えばレーキ顔料などの塩基
性の表面を有する顔料に関しては、硬化阻害を防止する
ため、適当な表面処理を行うことが好ましい。 黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラッ
ク、アニリンブラック。 黄色顔料 黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネー
ブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエロ
ーG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、
ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パ
ーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ。 橙色顔料 赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イン
ダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダスレンブリリアントオレンジGK。 赤色顔料 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウ
ム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキ
レッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレー
キ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリア
ントカーミン3B。 紫色顔料 マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレ
ットレーキ。 青色顔料 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーB
C。 緑色顔料 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G。 白色顔料 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。 体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイト
カーボン、タルク、アルミナホワイト。
【0111】インク用配合剤としては、消泡剤としてシ
リコーンオイル等、レベリング剤としてフッ素系界面活
性剤、シリコーン系界面活性剤、アクリル共重合体等、
増粘剤、減粘剤等を用いることができる。
【0112】仕上げワニスとしては、着色顔料の配合が
なく、透明性に優れているという点をのぞけば、印刷イ
ンクと同様のものが使用される。その粘度は、一般に1
00乃至800センチポイズ(cp、20℃)の範囲に
あるのが望ましい。
【0113】本発明において、紫外線硬化性及び熱硬化
性インキの印刷は、オフセット印刷、平版印刷、グラビ
ア印刷、スクリーン印刷等のそれ自体公知の製缶印刷法
により行うことができる。一方、紫外線硬化性及び熱硬
化性仕上ワニスの塗布は、グラビアロール、通常のコー
ティングロール等を用いて行うことができる。仕上げワ
ニスの塗布厚みは一般に2乃至20μmの範囲にあるの
がよい。
【0114】インク層等の硬化に使用する紫外線として
は、近紫外領域をも含めて、一般に波長200乃至44
0nm、特に240乃至420nmの光線が使用され
る。紫外光源としては、ハライドランプ、高圧水銀灯、
低圧水銀灯等が使用される。インク層及び仕上げニス層
の厚みは著しく小さいので、硬化に要するエネルギーは
かなり少なくてすむことが利点であり、一般に500乃
至5000J/m2 等のエネルギーで十分である。
【0115】[ネックイン加工及びフランジ加工]本発
明において、印刷カップのネックイン加工及びフランジ
加工はそれ自体公知の手段で行う。ネックイン加工は、
それ自体公知のネックイン加工法、例えば、ダイ方式、
或はスピンネックイン方式により一段或は複数段で行う
ことができる。
【0116】下記数式(6) 式中、RL はネックイン加工前の缶胴外径を表わし、R
S はネックイン加工部の缶胴外径を表わす。で定義され
るネックン加工率(NR )は、一段で1.01乃至1.
10、特に1.02乃至1.07の範囲にあるのがよ
く、多段ネックイン加工の場合には、全体で1.10乃
至1.30、特に1.11乃至1.25の範囲内にある
のがよい。
【0117】ネックイン加工は、50℃以上で且つ被覆
のガラス転移点温度(Tg )よりも低い温度で行うのが
推奨される。即ち、被覆のTg 以上の温度では、被覆と
工具との係合等により、被覆自体に傷が入るので好まし
くなく、一方50℃よりも低い温度では、ネックイン加
工に際して被覆が金属素材の塑性流動に追従しない傾向
があり、被覆の剥離やクラック発生等の被覆欠陥が発生
し易い。ネックイン加工に際して、工具と接触する缶胴
部に滑剤、潤滑剤を塗布したり、あるいは缶胴と接触す
る工具表面を潤滑性能に優れた素材で形成したりし得る
ことは任意である。
【0118】ネックイン加工されたカップは、その開口
端部をフランジングダイと係合させて、フランジ加工を
行い、缶端と二重巻締するためのフランジを形成させ
る。
【0119】[熱処理工程]本発明では、加工後の印刷
金属製カップ状容器を、加熱して、インキ層或いは仕上
げニス層の加熱硬化を行う。加熱温度は、樹脂組成や触
媒の種類によっても相違するが、一般に150乃至22
0℃、特に170乃至215℃の範囲が好ましい。加熱
時間は温度によっても相違するが、10乃至300秒間
程度が適当である。
【0120】この加熱は、熱風加熱炉、赤外線加熱炉等
により行うことができる。
【0121】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。
【0122】[インキの製造]表1に示す配合で樹脂、
反応性希釈剤、顔料等の混合物を作製し、3本ロールで
十分混合し、目的とするインキを得た。インキAは光重
合開始剤と熱重合開始剤を含有するカチオン重合型イン
キ、インキBは光開始剤のみを含有するカチオン重合型
インキであるが、紫外線照射により熱重合機能も発現す
る。また、インキCは光重合開始剤と熱重合開始剤を含
有するラジカル重合型インキ、インキDは光重合開始剤
のみを含有するラジカル重合型インキである。
【0123】[仕上ワニスの製造]表2に示す配合で樹
脂、反応性希釈剤、添加剤の混合物を作製し、十分攪拌
混合することにより、目的とする仕上ワニスを得た。仕
上ワニスAは光重合開始剤と熱重合開始剤を含有するカ
チオン重合型塗料、仕上ワニスBは光重合開始剤のみを
含有するカチオン重合型塗料であるが、紫外線照射によ
り熱重合機能も発現する。また、仕上ワニスCは光重合
開始剤と熱重合開始剤を含有するラジカル重合型塗料、
仕上ワニスDは光重合開始剤のみを含有するラジカル重
合型塗料である。
【0124】実施例1 素板厚0.18mm、調質度DR−9のティンフリース
チール板(表面処理被覆量として金属クロム量120m
g/m2、クロム酸化物量15mg/m2とした)の缶
内面になる側に厚さ20μmの2軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート/イソフタレート共重合体フィルムを、一
方缶外面になる側に酸化チタンを20重量%含有する厚
さ20μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/イ
ソフタレート共重合体フィルムをフィルムの融点で両面
同時に熱接着し、直ちに水冷することにより有機被覆金
属板を得た。この有機被覆金属板にグラマーワックスを
均一に塗布した後、直径187mmの円板に打ち抜き、
常法に従って浅絞りカップを成形した。この絞り工程に
おける絞り比は1.4である。次いで浅絞りカップを8
0℃に予備加熱した後、第1次、第2次、第3次の再絞
りを行った。再絞り工程で金属の曲げ伸ばしによる側壁
部の薄肉化を行った。再絞り工程の成形条件及び再絞り
成形された深絞りカップの諸特性を以下に示す。 第1次再絞り比 1.25 第2次再絞り比 1.25 第3次再絞り比 1.25 再絞りダイス作用コーナー部曲率半径 0.40mm カップ径 66mm カップ高さ 140mm 側壁厚み変化率 −20% この後、常法に従ってドーミング成形を行った後、前記
深絞りカップを215℃で1分間熱処理し、フィルムの
加工歪みを取り除くとともに、潤滑剤を揮発させ、印刷
適性を向上させた。次いで開口端部の縁切りを行い、外
面側壁部にインキAを最大膜厚2μmでドライオフセッ
ト方式で印刷し、更にインキ層の上に仕上ワニスAを1
10mg/缶の乾燥塗膜量となるように塗装した後、出
力160W/cmのメタルハライドランプを用いて、紫
外線を照射し、インキ、仕上ワニスを硬化した。次い
で、この印刷深絞りカップに開口端部をその直径が66
mmから57mmになるまでロールネック方式により縮
径し、350ml用薄肉化深絞り缶を作製した。この薄
肉化深絞り缶を200℃で30秒間の熱処理し、インキ
及び仕上ワニスの硬化を促進した。作製した缶のネック
部の状態を観察したが、硬化皮膜にクラックや剥離は一
切なく良好な外観を呈していた。続いて熱処理後の缶に
水をパックし、蓋を巻き締めた後、125℃−30分間
のレトルト処理を行った。レトルト処理後、再度缶外面
を観察したが、割れ、傷、皮膜の白化等の問題は全くな
く、良好な外観を呈していた。
【0125】実施例2 インキ及び仕上ワニスをインキB及び仕上ワニスBに変
更した以外は実施例1と同様にして、薄肉化深絞り缶を
作製した。この薄肉化深絞り缶を200℃で30秒間熱
処理し、インキ及び仕上ワニスの硬化を促進した。な
お、紫外線の照射から熱処理を行うまでの時間は1時間
以内であった。作製した缶のネック部の状態を観察した
が、硬化皮膜にクラックや剥離は一切なく良好な外観を
呈していた。続いて熱処理後の缶に水をパックし、蓋を
巻き締めた後、125℃−30分間のレトルト処理を行
った。レトルト処理後、再度缶外面を観察したが、割
れ、傷、皮膜の白化等の問題は全くなく、良好な外観を
呈していた。
【0126】実施例3 塗装、印刷方法及びインキを以下に記載するように変更
する以外は実施例1と同様にして、薄肉化深絞り缶を作
製した。すなわち、インキCを用いてドライオフセット
方式で印刷を行い、出力160W/cmのメタルハライ
ドランプにより紫外線を照射しインキを硬化させた後、
インキ層の上に仕上ワニスAを乾燥塗膜量110mg/
缶となるように塗装し、更に出力160W/cmのメタ
ルハライドランプにより紫外線を照射し仕上ワニスを硬
化させた。この薄肉化深絞り缶を200℃で30秒間熱
処理し、インキ及び仕上ワニスの硬化を促進した。作製
した薄肉化深絞り缶のネック部の状態を観察したが、硬
化皮膜にクラックや剥離は一切なく良好な外観を呈して
いた。続いて熱処理後の缶に水をパックし、蓋を巻き締
めた後、125℃−30分間のレトルト処理を行った。
レトルト処理後、再度缶外面を観察したが、割れ、傷、
皮膜の白化等の問題は全くなく、良好な外観を呈してい
た。
【0127】実施例4 インキ及び仕上ワニスをインキC及び仕上ワニスCにに
変更する以外は、実施例1と同様にして薄肉化深絞り缶
を作製した。この薄肉化深絞り缶を200℃で30秒間
熱処理し、インキ及び仕上ワニスの硬化を促進した。作
製した薄肉化深絞り缶のネック部の状態を観察したが、
硬化皮膜にクラックや剥離は一切なく良好な外観を呈し
ていた。続いて熱処理後の缶に水をパックし、蓋を巻き
締めた後、125℃−30分間のレトルト処理を行っ
た。レトルト処理後、再度缶外面を観察したが、割れ、
傷、皮膜の白化等の問題は全くなく、良好な外観を呈し
ていた。
【0128】比較例1 インキ及び仕上ワニスをインキD及び仕上ワニスDに変
更する以外は、実施例1と同様にして、薄肉化深絞り缶
を作製し、実施例1と同様に前記薄肉化深絞り缶を20
0℃で30秒間熱処理した。作製した薄肉化深絞り缶の
ネック部の状態を観察したが、硬化皮膜にクラックや剥
離は一切なく良好な外観を呈していた。続いて熱処理後
の缶に水をパックし、蓋を巻き締めた後、125℃−3
0分間のレトルト処理を行った。レトルト処理後、再度
缶外面を観察したところ、レトルトの際に缶を並べてお
いた容器の壁面との擦れにより発生したと推定される擦
れ傷が認められ、また硬化皮膜の光沢低下も見られた。
【0129】比較例2 インキ及び仕上ワニスをインキB及び仕上ワニスDに変
更する以外は、実施例1と同様にして、薄肉化深絞り缶
を作製し、実施例1と同様に前記薄肉化深絞り缶を20
0℃で30秒間熱処理した。作製した薄肉化深絞り缶の
ネック部の状態を観察したが、硬化皮膜にクラックや剥
離は一切なく良好な外観を呈していた。続いて熱処理後
の缶に水をパックし、蓋を巻き締めた後、125℃−3
0分間のレトルト処理を行った。レトルト処理後、再度
缶外面を観察したところ、硬化皮膜の光沢低下が見られ
た。
【0130】比較例3 縮径前に熱処理を実施する以外、実施例1と同様にして
薄肉化深絞り缶を作製した。前記薄肉化深絞り缶のネッ
ク部を観察したところ、縮径前に十分硬化を進めた結
果、インキ及び仕上ワニスの硬化皮膜の加工性が失わ
れ、ネック部に微細なクラックが発生していた。
【0131】比較例4 実施例1と同様にして薄肉化深絞り缶を作製したが、縮
径後の熱処理は実施しなかった。縮径後の缶は良好な外
観を呈していた。続いてこの缶に水をパックし、常法に
より蓋を巻き締めた後、125℃−30分間のレトルト
処理を行った。レトルト処理後、再度缶外面を観察した
ところ、レトルトの際に缶を並べておいた容器の壁面と
缶との擦れにより発生したと推定される擦れ傷が認めら
れ、また硬化皮膜の白化が見られた。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
【表3】
【0135】
【発明の効果】本発明の印刷シームレス缶の製造方法で
は、インキ乃至塗料として、(1)紫外線硬化性と熱硬
化性とを兼ね備えたインキ乃至塗料或いは(2)紫外線
硬化性を有し且つ紫外線照射により熱硬化性が付与され
るインキ乃至塗料を選択使用し、印刷缶のネック成形或
いはビード加工等のデザインや強度保持上必要な各種成
形を間に挟んで、その前に紫外線照射によるインキ乃至
塗料の硬化を行い、その後に該成形缶を短時間の熱処理
に付して、紫外線硬化膜の熱硬化を行うことにより、上
記の紫外線硬化性及び熱硬化性のインキ乃至塗料を紫外
線硬化にとどめておくことで、成形時における印刷層の
強靭性及び密着性等が付与されると共に、印刷層へのク
ラック発生等が防止される。また、紫外線硬化された印
刷層を、ネック成形或いはビード加工等のデザインや強
度保持上必要な各種成形を行った後、紫外線硬化印刷層
を短時間の熱処理により加熱硬化させる。これにより、
印刷層は耐熱性並びに耐熱水性、耐磨耗性、光沢性等に
優れたものとなり、レトルト殺菌やその後の缶同士の衝
突、こすれ等に耐えるものとなる。更に、予め紫外線硬
化した印刷層を短時間の熱処理により熱硬化させるの
で、操作も簡単で生産性にも優れているという利点もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の概略の工程図である。
【図2】本発明の印刷工程及び紫外線硬化工程を説明す
るための説明図である。
【図3】本発明に用いるカップの断面構造の一例を示す
断面図である。
【図4】本発明に用いるカップの断面構造の他の例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 印刷用ターレット 2 硬化用ターレット 3 缶 3a 印刷済みのカップ 3b 印刷済みのカップ 4 印刷ユニット 5 仕上げニス塗布ユニット 6 紫外線光源 8 排出機構 10 カップ 11 金属基体 12 内面有機被膜 14 外面有機被膜 15a,15b 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 晋也 神奈川県横浜市金沢区六浦町1950−49エス テ・シティ四番館301 (72)発明者 湯川 泰洋 神奈川県川崎市中原区下小田中6−7−27 (72)発明者 渡辺 芳樹 神奈川県横浜市保土ヶ谷区今井町166−19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉化シームレス缶の外面側に、(1)
    紫外線硬化性と熱硬化性とを兼ね備えたインキ乃至塗料
    或いは(2)紫外線硬化性を有し且つ紫外線照射により
    熱硬化性が付与されるインキ乃至塗料を紫外線の照射に
    より硬化させた後、印刷缶のネック成形或いはビード加
    工等のデザインや強度保持上必要な各種成形を行い、そ
    の後に該成形缶を短時間の熱処理に付して、紫外線硬化
    膜の熱硬化を行い、これにより強靭な硬化塗膜を形成さ
    せることを特徴とする印刷缶の製造方法。
  2. 【請求項2】 紫外線硬化性と熱硬化性とを兼ね備えた
    インキ乃至塗料(1)が光重合開始剤と熱重合開始剤と
    を含有するものであることを特徴とする請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 紫外線硬化性を有し且つ紫外線照射によ
    り熱硬化性が付与されるインキ乃至塗料(2)が光カチ
    オン硬化成分を含むインキ乃至塗料であり、紫外線硬化
    インキ乃至塗料が硬化活性を有する内に熱硬化を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 薄肉化シームレス缶が金属板とその両側
    に設けた熱可塑性樹脂フィルムとのラミネートを絞り成
    形し、曲げ伸ばし及び/またはしごき加工により側壁部
    を薄肉化することにより得られたものである請求項1乃
    至3の何れかに記載の製造方法。
JP7261634A 1995-10-09 1995-10-09 意匠性に優れた印刷缶の製造方法 Pending JPH09103833A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002263560A (ja) * 2001-03-14 2002-09-17 Kansai Paint Co Ltd 塗膜形成方法
JP2006248573A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Daiwa Can Co Ltd 印刷フィルム貼着缶体の製造方法

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