JPH09109871A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JPH09109871A
JPH09109871A JP29362595A JP29362595A JPH09109871A JP H09109871 A JPH09109871 A JP H09109871A JP 29362595 A JP29362595 A JP 29362595A JP 29362595 A JP29362595 A JP 29362595A JP H09109871 A JPH09109871 A JP H09109871A
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JP
Japan
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wheel
cylinder pressure
road surface
deceleration
skid control
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JP29362595A
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Inventor
Akira Watanabe
晃 渡辺
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輪の段差乗り越え時の車両の制動制御の精
度を向上できるアンチスキッド制御装置を提供する。 【解決手段】 ブレーキ作動時に、車輪回転加減速度検
出値とこのしきい値との比較及びスリップ率検出値とこ
のしきい値との比較に基づいて前記ホイルシリンダ圧調
整手段を制御してアンチスキッド制御を開始させるアン
チスキッド制御装置において、各車輪のタイヤ空気圧を
検出するタイヤ空気圧検出手段1a〜1dと、タイヤ空
気圧検出手段の検出値から路面の状態を判断する路面状
態判断手段7とを設けて、路面状態判断手段により車輪
Wが段差を乗り越えたと判断された場合は、この判断時
点から所定時間を経過するまでの間、車輪回転加減速度
及びスリップ率のしきい値を、平坦路用のしきい値と異
なる段差乗り越え用のしきい値に変更して、アンチスキ
ッド制御が開始し難くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアンチスキッド制御
装置に関し、特に、車輪の段差乗り越え時の車両の制動
性能の低下を防止できるアンチスキッド制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アンチスキッド制御装置は、各車
輪の回転速度を検出する車輪回転速度検出手段と、この
車輪回転速度検出手段の検出値から車輪回転の加減速度
を算出する車輪回転加減速度算出手段と、車体の走行速
度を検出或いは推定する車体走行速度検出手段と、この
車体走行速度検出手段の検出値と車輪回転速度検出手段
の検出値とから各車輪と路面間のスリップ率を算出する
スリップ率算出手段と、各車輪を制動するためのホイル
シリンダ圧を調整するホイルシリンダ圧調整手段とを具
備している。
【0003】そして、上記アンチスキッド制御装置は、
図4で示す制御マップに従いホイルシリンダ圧の制御を
行って(図3参照)、ブレーキ作動時に、各車輪と路面
間のスリップ率が予め設定したしきい値を超えた場合
は、ホイルシリンダ圧を減圧して、上記スリップ率を所
定のしきい値以下に保持することにより、平坦路での制
動性能を向上させるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、階段状に高
くなる段差(例えば、縁石等)を車輪が乗り越えるとき
は、車輪回転の減速度が急激に大きくなるために、かか
る段差の乗り越えがブレーキ作動中又はその直前に発生
すると、従来のアンチスキッド制御装置では、車輪と路
面間のスリップ率が大きくなったものと誤判断して、車
輪が上記段差を通過し車輪回転が加速されて所定の回転
速度に達するまでの間ホイルシリンダ圧を減圧し、その
後緩やかにホイルシリンダ圧を増圧するという制御が行
われて、段差の乗り越え時の制動制御の精度を低下させ
るという問題がある。
【0005】かかる問題を是正するために、一般には、
車輪回転速度の検出値をローパスフィルタで処理して、
短周期の車輪回転速度の変動を除去することにより、段
差乗り越えの際の誤判断発生の確率を減少させるように
している。
【0006】しかしながら、上記誤判断発生の確率を更
に減少させるために、ローパスフィルタのカットオフ周
波数を下げ過ぎると、制御動作の応答が鈍くなり、段差
のない平坦路でのブレーキ作動時に、短時間ではあるが
スリップ率がしきい値を超えて車輪が滑り、車両の制動
制御の精度が低下するという不具合があり、結局、上記
ローパスフィルタによる対策では、段差乗り越え時の制
動性能向上と、平坦路での制動性能向上とが両立しない
ことになる。
【0007】なお、特開平5−50913号公報に、路
面の段差を検出する段差検出手段と、この段差検出手段
により段差が検出されたときブレーキ液圧(ホイルシリ
ンダ圧)制御の開始条件を段差非検出時に比して所定時
間鈍くする開始条件設定手段を設けて、段差通過時には
ブレーキ液圧制御の開始時期を遅らせるようしたアンチ
ロックブレーキ装置が開示されている。このアンチロッ
クブレーキ装置においては、段差の検出を車輪加速度の
減少率と設定値との比較と、車体加速度と設定値との比
較で行っている。
【0008】しかしながら、周知のように、摩擦係数等
の路面状態は極めて広い範囲で変化するものであり、車
体の動揺による加速度もかなり広い範囲で変化するもの
であるから、段差と他の場合との正確な判別が困難であ
る。また、前記公報に記載されている光センサや超音波
センサも、車体下面の車輪近傍に設置せざるを得ないの
で、土砂又は塵埃やタイヤが発するノイズ等によって、
段差検出が不確実又は不可能になる可能性が高い。
【0009】更に、上記公報のアンチロックブレーキ装
置では、段差を検出したときに、単にブレーキ液圧(ホ
イルシリンダ圧)制御の開始時期を遅らせるだけである
ので、例えば、車輪が段差に乗り上げた直後のように、
タイヤが路面を強く押圧してスキッドしにくいときでも
制動力が強くならないので、制動制御の精度の低下防止
の効果に限度がある。
【0010】そこで本発明は、段差乗り越え時の制動性
能と、摩擦係数が変化する平坦路での制動性能とを両立
させて、上記の問題点を解決することができるアンチス
キッド制御装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、請求項1に記載のアンチスキッド制御装置
は、各車輪の回転速度を検出する車輪回転速度検出手段
と、前記車輪回転速度検出手段の検出値から車輪回転加
減速度を算出する車輪回転加減速度算出手段と、車体の
走行速度を算出或いは推定する車体走行速度算出手段
と、前記車体走行速度検出手段の検出値と前記車輪回転
速度検出手段の検出値とから各車輪と路面間のスリップ
率を算出するスリップ率算出手段と、各車輪を制動する
ためのホイルシリンダ圧を調整するホイルシリンダ圧調
整手段と、ブレーキ作動時に、前記車輪回転加減速度算
出手段の算出値と所定のしきい値との比較及び前記スリ
ップ率算出手段の算出値と所定のしきい値との比較に基
づいて前記ホイルシリンダ圧調整手段を制御することに
より、アンチスキッド制御を開始させる制御手段とを備
えたアンチスキッド制御装置において、各車輪のタイヤ
空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、前記タイヤ
空気圧検出手段の検出値から路面の状態を判断する路面
状態判断手段とを設けて、前記路面状態判断手段により
車輪が段差を乗り越えたと判断された場合は、この判断
時点から所定時間を経過するまでの間、車輪回転加減速
度及びスリップ率の各々の前記所定のしきい値を、平坦
路用のしきい値と異なる段差乗り越え用のしきい値に変
更して、アンチスキッド制御が開始し難くすることを特
徴とする。
【0012】また、請求項2に記載のアンチスキッド制
御装置においては、前記ホイルシリンダ圧調整手段によ
るアンチスキッド制御開始後のホイルシリンダ圧の減圧
が、前記路面状態判断手段による車輪の段差乗り越え判
断よりも先行した場合は、ホイルシリンダ圧の減圧終了
後のホイルシリンダ圧増圧量を、段差乗り越えではない
と判断したときよりも大きく設定するようにしている。
【0013】上記課題を解決するための手段における、
請求項1に記載のアンチスキッド制御装置においては、
平坦路走行中のブレーキ作動では、従来のアンチスキッ
ド制御装置と同様に、所定のスリップ率を超えない範囲
で制動を行うことにより、制動距離の短縮と操向性の維
持とに貢献する。
【0014】一方、車輪が段差を乗り越えるときは、タ
イヤの変形によるタイヤ空気圧の変動をタイヤ空気圧検
出手段で検出し、この検出値に基づいて路面状態判断手
段は段差の乗り越えを判断することができる。そして、
路面状態判断手段が段差乗り越えを判断した場合、この
判断時点から所定時間を経過するまでの間、アンチスキ
ッド制御に用いる各しきい値を平坦路用のしきい値と異
なる段差乗り越え用のしきい値に変更して、アンチスキ
ッド制御が開始し難くするので、前述した平坦路におけ
るようなホイルシリンダ圧の減圧が発生せず、段差のあ
る路面での制動制御の精度の低下を防止することができ
る。更には、車輪の段差乗り上げ直後のように、タイヤ
が路面を強く押圧してスキッドが発生しにくいときに制
動力が強くなるので制動性能が向上する。
【0015】なお、サスペンションの挙動、例えば、サ
スペンションのストローク速度やストローク量等から段
差乗り越えを検出することも考えられるが、図8(c)
及び図8(d)で示すように、サスペンションのストロ
ーク量変化はタイヤ空気圧Pの変化よりもΔtだけ遅く
発生するため、制御の応答性が低下する。
【0016】そこで、請求項1に記載のアンチスキッド
制御装置では、タイヤ空気圧の変化から段差乗り越えを
直ちに検出することができるので、アンチスキッド制御
装置に要求される高い応答性を得ることができる。
【0017】また、請求項2に記載のアンチスキッド制
御装置では、すでにアンチスキッド制御装置によるホイ
ルシリンダ圧の減圧が開始した後に、路面状態判断手段
が段差乗り越えを判断した場合、ホイルシリンダ圧の減
圧終了後のホイルシリンダ圧増圧量を、段差乗り越えで
はないと判断したときよりも大きく設定しているので、
制動力の回復が早くなって制動性能の低下を著しく軽減
することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の
形態に係るアンチスキッド制御装置を具備した車両のブ
レーキ系統の構成を示している。
【0019】図1において、符号1a〜1dはタイヤ空
気圧検出手段としてのタイヤ空気圧センサであって、各
車輪W(図2参照)に装着され、段差乗り越えに伴って
発生するタイヤ11の空気圧の変動を検出する。
【0020】符号2はブレーキペダル、3はブレーキ倍
力装置、4はマスタシリンダ、5a〜5dはそれぞれ、
車輪Wと一体回転するブレーキディスク9a〜9dに制
動力を作用させるホイルシリンダである。
【0021】符号6a〜6cは車輪回転速度検出手段と
しての車輪回転速度センサであって、それぞれ車輪Wの
回転速度を検出する。なお、左右前車輪Wにはそれぞれ
車輪回転速度センサ6a,6bを装着しているが、左右
後車輪Wについてはエンジンから車輪Wへの動力伝達経
路の途中(プロペラシャフト)に一個の車輪回転速度セ
ンサ6cを装着している。
【0022】符号7はアンチスキッドコントローラであ
って、車体走行速度検出手段と、スリップ率算出手段
と、車輪回転加減速度算出手段と、路面状態判断手段と
を具備して、上記各センサ1a〜1d,6a〜6cから
の検出値に基づく演算によりブレーキ液圧を算出する。
【0023】符号8はホイルシリンダ圧調整手段として
のアクチュエータであって、前記アンチスキッドコント
ローラ7からのブレーキ液圧指令値に、各ホイルシリン
ダ5a〜5dのホイルシリンダ圧を一致させるためのソ
レノイドバルブ等を具備する。
【0024】図2は、タイヤ空気圧センサ1aを装着し
た車輪Wの断面図であり、タイヤ11を装着したホイル
12にタイヤ空気圧センサ1aを取付けて、同タイヤ空
気圧センサ1aの出力を、ワイヤハーネス13とスリッ
プリング14とを介してアンチスキッドコントローラ7
に伝達するようにしている。
【0025】なお、図2において、符号15は車軸16
上にベアリング17を介して軸支したホイルハブ、18
はホイルナット及びボルト、19はハブナット及びボル
トである。また、他の車輪Wに装着したタイヤ空気圧セ
ンサ1b〜1dも上記と同一構成である。
【0026】次に、アンチスキッドコントローラ7が具
備する各手段の制動時の機能について説明する。
【0027】車体走行速度算出手段としては、例えば、
前記車輪回転速度センサ6a〜6cからの変化する毎の
最高車輪回転速度検出値を、それぞれ各車輪Wの有効半
径や、車輪回転速度センサ6cから左右後車輪Wまでの
動力伝達経路の減速比等で修正して、これらの平均値か
ら車体走行速度を算出推定する。
【0028】スリップ率算出手段としては、上記車体走
行速度算出手段で算出推定した車体走行速度算出値と、
変化する前記車輪回転速度検出値とを比較してスリップ
率を算出し、車輪回転速度検出値が、二段階に設定した
スリップ率のしきい値S1,S2に対応する速度を下回
った場合は(図3(a)参照)、上記しきい値S1,S
2に対応したスリップ信号を出力する(図3(b)参
照)。
【0029】車輪回転加減速度算出手段としては、各車
輪回転速度センサ6a〜6cからの車輪回転速度検出値
の時間当たりの変化から、車輪回転の加速度又は減速度
を算出して、車輪回転加減速度と、加速側に設定したし
きい値B0と、減速側に設定したしきい値B1とを比較
して加減速度信号を出力する(図3(c)参照)。そし
て上記各手段からの信号に基づいて、図4に示す制御マ
ップをアクセスし、その結果をアクチュエータ8にソレ
ノイドバルブ駆動信号として出力する(図3(d)参
照)。
【0030】このソレノイドバルブ駆動信号には、ホイ
ルシリンダ圧を減圧させる減圧信号と、現在のホイルシ
リンダ圧を保持させる保持信号と、ホイルシリンダ圧を
増圧させる増圧信号とがあり、減圧信号と増圧信号には
それぞれ、信号のアクティブ側のパルス幅で、急減圧,
緩減圧、急増圧,緩増圧を選択することができ、その結
果、各車輪回転加減速度を決定するホイルシリンダ圧
は、図3(e)で示すように変化することになる。
【0031】本実施の形態に係るアンチスキッド制御装
置では更に、アンチスキッドコントローラ7に路面状態
判断手段を設けている。この路面状態判断手段は、図5
で示すように、前記各タイヤ空気圧センサ1a〜1dが
検出した、車輪Wの段差乗り越えに伴うタイヤ空気圧P
の上昇をしきい値Ptと比較して(図5(c)参照)、
タイヤ空気圧Pの上昇がしきい値Ptよりも高い場合
は、当該車輪Wの段差乗り越えと判断して段差乗り越え
信号を出力する(図5(d)参照)。
【0032】次に、本実施の形態に係るアンチスキッド
制御装置の動作について説明する。図1におけるアンチ
スキッドコントローラ7は、車輪回転速度と車体走行速
度とから算出されるスリップ率と、車輪回転速度の変化
から算出される車輪回転加減速度とを用いて、図4の制
御マップに従い、図3(e)に示すようにホイルシリン
ダ圧を調整する。
【0033】このようなアンチスキッドコントローラ7
を搭載した車両の車輪Wが、図5(a)に示すような段
差(斜線部の左右方向中央部)を乗り越えた場合、車輪
回転速度センサ6a〜6cから得られた車輪回転速度の
変化より算出される車輪回転加減速度は、図5(b)に
示すようになる。
【0034】その時図4に基づいて、車輪回転加減速度
がしきい値B1を下回りスリップ率がしきい値S1を上
回ると、アンチスキッドコントローラ7はホイルシリン
ダ圧を緩減圧(減圧/保持)にし、更にスリップ率がし
きい値S2を上回ると急減圧を行う。
【0035】そして、車輪回転加減速度がしきい値B0
を上回るとホイルシリンダ圧を保持し、車輪Wの加速が
収まり、かつスリップ率がS1を下回るとやはり保持を
行う。そのために、実際には段差を乗り越えたにもかか
わらず段差を乗り越えたと判断しない場合には、ブレー
キペダル2を踏んでもホイルシリンダ圧が保持されて急
増圧しないため、減速し難いことになる。しかし本実施
の形態では以下に説明するように、そのような事態を防
止することができる。
【0036】すなわち本実施の形態では、発生した車輪
回転加減速度の減少が車輪Wのスリップによるものか、
或は段差の乗り越えによるものかを判断する為に、タイ
ヤ空気圧センサ1a〜1dを用いており、図5及び図6
を参照して、上記タイヤ空気圧センサ1a〜1dによる
段差乗り越えの検出動作について説明する。
【0037】まず、図6(a)に示すように、平坦路に
おいて路面の摩擦係数が大→小→大(高μ→低μ→高
μ)に変化した場合、段差乗り越えと同様の車輪回転加
減速度の変化が発生するが(図6(b)参照)、タイヤ
空気圧Pに大きな変化は見られない(図6(c)参
照)。
【0038】ところが、段差乗り越えの場合は、図5
(a)に示すように、車輪Wの空気入りタイヤが段差に
衝突すると段差がタイヤにめり込んで、タイヤ空気圧P
が上昇してしきい値Ptを越えたならば(図5(c)参
照)、車輪Wが段差に差し掛かったと認識し、現在発生
しつつある車輪回転加減速度の変化は図6(b)に示す
ものと同様でも(図5(b)参照)、これは車輪Wの段
差乗り越えによるものであると判断する。
【0039】そしてその判断時から所定時間の間、図4
の制御マップにおける車輪回転加減速度のしきい値B1
と、スリップ率のしきい値S1,S2を、段差乗り越え
用のしきい値に変更する。すなわち図9に破線で示すよ
うに、車輪回転加減速度のしきい値B1を減速方向に減
少させてB2に変更し、スリップ率のしきい値S1,S
2を各々所定量ずつ大きくしてS3,S4に変更する。
【0040】このような制御動作によって、車輪回転加
減速度が急激に減少しスリップ率が増大しても、図9に
破線で示す制御マップにおける急増圧の領域からはずれ
難くなる(急増圧の領域を拡大できる)。このため、段
差乗り越え時にアンチスキッド制御に容易には入らずホ
イルシリンダ圧を急増圧することができ、マスタシリン
ダ圧に比例したホイルシリンダ圧が得られることにな
る。
【0041】次に、段差通過後の制御を段差乗り越え判
断のタイミングと車輪スリップ判断のタイミングの前後
関係により、二つの場合に分けて説明する。
【0042】(1) 車輪スリップの判断よりも段差乗
り越えの判断のタイミングの方が早い場合 段差を通過したと判断した後、車輪回転加減速度及び/
又はスリップ率がしきい値を越えてアンチスキッド制御
が入り、ホイルシリンダ圧を急減圧させようとした場
合、それが段差等を車輪Wが乗り越えたことによるもの
であれば、アンチスキッド制御に入った直後から、ホイ
ルシリンダ圧を所定時間急増圧する制御を行い、車輪回
転加減速度を低下させて充分に減速が可能となる(後述
する図7のステップ107)。
【0043】(2) 段差乗り越えの判断よりも車輪ス
リップの判断のタイミングの方が早い場合 既にアンチスキッド制御が開始され、ホイルシリンダ圧
の減圧が始まった後に段差を乗り越えたと判断した場
合、先に述べたように、車輪回転加減速度のしきい値B
1を減速方向に減少させたB2に変更し、スリップ率の
しきい値S1,S2を各々所定量ずつ大きくしてS3,
S4に変更することにより、スリップ率が増加しても、
図9の破線で示す制御マップに示すように、急増圧の領
域からはずれ難くする(後述する図7のステップ10
4)と共に、所定時間急増圧を行い車輪回転加減速度の
低下を促進することができる(後述する図7のステップ
107)。
【0044】図7は、本実施の形態の動作手順を示すフ
ローチャートである。同図のフローチャートは、アンチ
スキッド制御系の1系統についてのフローチャートであ
る。ところで、本実施の形態では、3系統の制御系にお
いてアンチスキッド制御が行われ、後ろ2車輪の制動力
は1系統の制御系で制御するため、後輪のタイヤ空気圧
Pの読み込みは、左右2つの後輪のうち高い方を選択し
て読み込むこととする。
【0045】Ptは段差乗り越え判断のためのタイヤ空
気圧Pのしきい値であり、CNTRは所定時間の間、図
9の制御マップを用いる段差乗り越え判断モードを保持
するためのカウンタである。このフローチャートはアン
チスキッド制御の各周期ごとに実行される。
【0046】なお、本実施の形態では段差乗り越えを判
断するのに、タイヤ空気圧Pのレベルのみで判断してい
るが、タイヤの温度変化による圧力変化等と区別するた
めに、タイヤ空気圧Pの変化率を用いて判断しても良
い。
【0047】次に、上記構成を有するアンチスキッド制
御装置の動作について、フローチャートを参照して詳細
に説明する。アンチスキッド制御がスタートすると(ス
テップ100)、まず各タイヤ空気圧センサ1a〜1d
からのタイヤ空気圧Pの検出値を読み込み(ステップ1
01)、カウンタCNTR=0であるか否かを判断する
(ステップ102)。
【0048】ステップ102においてカウンタCNTR
=0であれば(YES),路面状態判断手段によりタイ
ヤ空気圧Pがタイヤ空気圧のしきい値Ptより大きいか
否かを判断し(ステップ103)、YESであれば、ス
リップ率のしきい値S1,S2及び車輪回転加減速度の
しきい値B1を、ホイルシリンダ圧の減圧開始時期を遅
らせる段差乗り越え用に変更する。
【0049】すなわち図9に示すように、スリップ率の
しきい値S1,S2をスリップ率が大きくなる方のしき
い値S3,S4に変更し、車輪回転加減速度のしきい値
B1を、車輪回転加減速度が小さくなる方のしきい値B
2に変更する(ステップ104)。
【0050】そして、上記カウンタCNTRに所定の数
値CNTR0をセットし(ステップ105)、次に、現
在急減圧状態であるか否かを判断して(ステップ10
6)、急減圧状態であれば(YES)、コントローラ7
からアクチュエータ8のソレノイドバルブに、急増圧駆
動信号を出力して制動力の低下を防止し(ステップ10
7)、その後はプログラムを終了して(ステップ10
8)メインルーチンに戻る。他方、ステップ106にお
いて急減圧状態でないと判断された場合は(NO)、プ
ログラムを終了して(ステップ108)、その後メイン
ルーチンに戻る。
【0051】また、ステップ102においてカウンタC
NTR=0でなければ(NO)、カウンタCNTRの数
値が“0”になるようデクリメントして(ステップ10
9)、ステップ106に移行する。
【0052】一方、ステップ103においてタイヤ空気
圧Pがタイヤ空気圧のしきい値Ptより大きくなければ
(NO)、アンチスキッド制御中であるか否かを判断し
(ステップ110)、アンチスキッド制御中であれば
(YES)、通常のアンチスキッド制御によりホイルシ
リンダ圧を設定してから(ステップ111)、プログラ
ムを終了して(ステップ108)、その後メインルーチ
ンに戻る。また、ステップ110でアンチスキッド制御
中でなければ(NO)、直ちにプログラムを終了して
(ステップ108)、それからメインルーチンに戻る。
【0053】本発明の実施の形態は上記のように構成さ
れており、車両を減速又は停止させるために、図1に示
すブレーキペダル2を操作すると、ブレーキ倍力装置3
によって発生した圧力が、ホイルシリンダ圧調整手段と
してのアクチュエータ8に伝達される。
【0054】このとき、図5(a)で示すように、車輪
Wが段差を乗り越え中であるとき、路面状態判断手段が
この旨を判断して、スリップ率と車輪回転加減速度のし
きい値を変更して、アンチスキッド制御によるホイルシ
リンダ圧の減圧が開始し難いようにすることにより、段
差乗り越え時の誤動作による制動制御の精度の低下を防
止することができる。
【0055】更にこの段差乗り越え時に、アンチスキッ
ド制御によるホイルシリンダ圧の急減圧が行われている
と、急増圧して短時間で制動力を回復することができ
る。なお、一回段差乗り越えが検出されると、カウンタ
に所定の数値がセットされるので、所定時間が経過し
て、この数値がデクリメントされて“0”になるまで
は、上記しきい値の変更は行われない。
【0056】特に、路面状態判断手段による車輪Wの段
差乗り越えの検出を、車輪Wのタイヤ空気圧Pの変動か
ら検出するようにしているので、図8(c)及び図8
(d)で示すように、サスペンションのストローク量の
変化から検出するよりも、Δtだけ早期に検出すること
ができ、段差乗り越え時のアンチスキッド制御の応答を
速くすることができる。
【0057】また、図5及び図6で示すように、段差乗
り越えによる車輪回転加減速度と(図5(b)参照)、
高摩擦係数(高μ)、低摩擦係数(低μ)、高摩擦係数
(高μ)という車輪通過路面の摩擦係数の変化による車
輪回転加減速度(図6(b)参照)とが酷似しているた
め、車輪回転加減速度だけでは両者の判別が現実に不可
能である。
【0058】そのため、従来のアンチスキッド制御で
は、車輪Wの段差乗り越えを、車輪Wが一時的に低摩擦
係数(低μ)路面に差し掛かったものと誤判断して、制
動制御の精度を低下させることになるが、本実施の形態
では、車輪Wのタイヤ空気圧Pの変動から段差乗り越え
を検出して、前述した段差乗り越え時の制御マップ(図
9参照)に基づいてアンチスキッド制御を行うことによ
り、制動制御の精度の低下を防止することができる。
【0059】図10は、本発明の他の実施の形態を示し
ており、前記タイヤ空気圧センサ1aからアンチスキッ
ドコントローラ7への出力伝達経路の途中に、車体側に
装着した永久磁石20と車輪W側に装着したコイル21
とを対向させて配設し、タイヤ空気圧センサ1aに必要
な電力をコイル21に発生させる。
【0060】そして、タイヤ空気圧センサ1aのタイヤ
空気圧の検出出力を、コイル21に設けた圧力信号送信
部(図示せず)から永久磁石20に設けた圧力信号受信
部(図示せず)に、磁気又は電磁気的変化として非接触
的に伝達するようにしたものであり、前記実施の形態の
ようにスリップリングのような接触導通部分がないこと
から、検出出力伝達の信頼性を高くすることができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば次の
ような効果を得ることができる。請求項1記載の構成に
より、タイヤのタイヤ空気圧の変動から、早期に車輪の
段差乗り越えを検出することにより、アンチスキッド制
御に要求される高い応答性に対応することができ、段差
を検出した際にホイルシリンダ圧制御のしきい値を、ホ
イルシリンダ圧の減圧が開始しにくくなる側、即ち、平
坦路用しきい値から段差乗り越え用しきい値に変更する
ことにより、段差乗り越え後のタイヤが路面を強く押圧
するときにがホイルシリンダ圧を高めて制動性能を向上
することができる。
【0062】また請求項2記載の構成により、すでにホ
イルシリンダ圧の減圧が開始した後に、路面状態判断手
段が段差の乗り越えを判断した場合は、ホイルシリンダ
圧減圧終了後のホイルシリンダ圧の増圧量を、段差乗り
越えではないと判断したときよりも大きく設定している
ので、制動力の回復が早くなり制動制御の精度の低下を
効果的に軽減することができる。
【0063】また、この場合、上記請求項1記載の構成
でしきい値が段差乗り越え用に変更されているので、ホ
イルシリンダ圧減圧終了時期が早くなり、制動力の回復
を更に早めて、上記制動制御の精度の低下防止の効果を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るアンチスキッド制
御装置を具備した車両のブレーキ系統の構成を示す概略
図である。
【図2】ホイル12にタイヤ空気圧センサ1aを装着し
た車輪Wの断面図である。
【図3】図1に示すアンチスキッド制御装置における制
御動作のタイムチャートである。
【図4】図1に示すアンチスキッド制御装置における制
御マップを示す図である。
【図5】図5(a)は車輪の段差乗り越え状態を示す
図、図5(b)は車輪回転加減速度を示すグラフ、図5
(c)はタイヤ空気圧Pを示すグラフ、図5(d)は段
差乗り越え信号を示す波形図であり、図5(b)〜
(d)は全体でそれらの相互関係を示すタイムチャート
である。
【図6】図6(a)は車輪が走行する路面の摩擦係数の
変化を示す図、図6(b)は車輪回転加減速度を示すグ
ラフ、図6(c)はタイヤ空気圧Pを示すグラフであ
り、図6(b)及び(c)はそれらの相互関係を示すタ
イムチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態に係るアンチスキッド制
御装置におけるアンチスキッド制御の動作手順を示すフ
ローチャートである。
【図8】図8(a)は車輪の段差乗り越え状態を示す
図、図8(b)は車輪回転加減速度を示すグラフ、図8
(c)はタイヤ空気圧Pを示すグラフ、図8(d)はサ
スペンションストローク量の変化を示すグラフであり、
図8(b)ないし(d)は全体でそれらの相互関係を示
すタイムチャートである。
【図9】車輪の段差乗り越えを検知したときに用いる制
御マップを示す図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係るアンチスキッ
ド制御装置を示す、ホイル12にタイヤ空気圧センサ1
aを装着した車輪Wの断面図である。
【符号の説明】
1a〜1d タイヤ空気圧センサ 2 ブレーキペダル 3 ブレーキ倍力装置 4 マスタシリンダ 5a〜5d ホイルシリンダ 6a〜6c 車輪回転速度センサ 7 アンチスキッドコントローラ 8 アクチュエータ 9a〜9d ブレーキディスク 11 タイヤ 12 ホイル 13 ワイヤハーネス 14 スリップリング 15 ホイルハブ 16 車軸 17 ベアリング 18 ホイルナット及びボルト 19 ハブナット及びボルト 20 永久磁石 21 コイル W 車輪

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪の回転速度を検出する車輪回転速
    度検出手段と、 前記車輪回転速度検出手段の検出値から車輪回転加減速
    度を算出する車輪回転加減速度算出手段と、 車体の走行速度を算出或いは推定する車体走行速度算出
    手段と、 前記車体走行速度検出手段の検出値と前記車輪回転速度
    検出手段の検出値とから各車輪と路面間のスリップ率を
    算出するスリップ率算出手段と、 各車輪を制動するためのホイルシリンダ圧を調整するホ
    イルシリンダ圧調整手段と、 ブレーキ作動時に、前記車輪回転加減速度算出手段の算
    出値と所定のしきい値との比較及び前記スリップ率算出
    手段の算出値と所定のしきい値との比較に基づいて前記
    ホイルシリンダ圧調整手段を制御することにより、アン
    チスキッド制御を開始させる制御手段とを備えたアンチ
    スキッド制御装置において、 各車輪のタイヤ空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段
    と、 前記タイヤ空気圧検出手段の検出値から路面の状態を判
    断する路面状態判断手段とを設けて、 前記路面状態判断手段により車輪が段差を乗り越えたと
    判断された場合は、この判断時点から所定時間を経過す
    るまでの間、車輪回転加減速度及びスリップ率の各々の
    前記所定のしきい値を、平坦路用のしきい値と異なる段
    差乗り越え用のしきい値に変更して、アンチスキッド制
    御が開始し難くすることを特徴とするアンチスキッド制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記ホイルシリンダ圧調整手段によるア
    ンチスキッド制御開始後のホイルシリンダ圧の減圧が、
    前記路面状態判断手段による車輪の段差乗り越え判断よ
    りも先行した場合は、ホイルシリンダ圧の減圧終了後の
    ホイルシリンダ圧増圧量を、段差乗り越えではないと判
    断したときよりも大きく設定することを特徴とする請求
    項1記載のアンチスキッド制御装置。
JP29362595A 1995-10-16 1995-10-16 アンチスキッド制御装置 Pending JPH09109871A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002057099A1 (en) * 2001-01-16 2002-07-25 Siemens Vdo Automotive Corporation Vehicle control system with tire sensor assembly
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CN113460006A (zh) * 2020-03-31 2021-10-01 本田技研工业株式会社 车辆制动控制装置和车辆制动控制方法

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