JPH0769198A - アンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents

アンチロックブレーキ制御装置

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JPH0769198A
JPH0769198A JP21747393A JP21747393A JPH0769198A JP H0769198 A JPH0769198 A JP H0769198A JP 21747393 A JP21747393 A JP 21747393A JP 21747393 A JP21747393 A JP 21747393A JP H0769198 A JPH0769198 A JP H0769198A
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JP
Japan
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wheel
wheel speed
rough road
speed
road surface
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JP21747393A
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Inventor
Hisazumi Inoue
弥住 井上
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 悪路面走行時の誤作動を防止し、かつ、実際
に車輪がロック兆候にある場合には確実にホイルシリン
ダ液圧を減圧する 【構成】 少なくとも車輪速度を含む車輪及び車体挙動
を計算する車輪車体挙動計算部(CAL0〜CAL3)、
車輪及び車体挙動に基づいて、路面の凹凸状態を表す悪
路指数を計算する悪路指数計算部(BRCAL0〜BR
CAL3)を備える。平滑化車輪速度計算部(FSCA
0〜FSCAL3)は、車輪速度を平滑化した平滑化車
輪速度を計算する。平滑化車輪速度計算部は、悪路指数
が凹凸の多い悪路面であることを示す場合には、上記平
滑化の度合を高くする一方、上記悪路指数が凹凸の少な
い良路面であることを示す場合には、平滑化の度合を低
くする。加減圧判断部(C0〜C3)は、少なくとも上記
平滑化車輪速度に基づいて加減圧を行うか否かの判断を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンチロックブレーキ
制御装置に関し、特に、凹凸の多い悪路面を走行中の制
御性能の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、アンチロックブレーキ制御装置
は、車輪速度の推定車体速度に対する沈み込み量、車輪
の減速度等により車輪のスキッド状況を検出し、これに
応じてホイルシリンダ液圧を調整することにより、車輪
のスキッドを適切なレベル、すなわち、路面摩擦係数が
ピークとなる領域の近傍に維持し、制動距離の短縮、車
体の安定性及び操縦安定性の向上を図っている。例え
ば、車輪速度の推定車体速度に対する沈み込み量や車輪
減速度が所定の閾値(減圧スレッシュ)よりも大きくな
った場合には、車輪がロック兆候にあると推定してホイ
ルシリンダ液圧を減圧する判断(減圧判断)がなされ、
ホイルシリンダ液圧を減圧する作動を行う。
【0003】しかし、車両が凹凸の多い路面(悪路面)
を走行している際には、この路面の凹凸により車輪速度
が振動する。アンチロックブレーキ制御装置は、上記の
ように車輪速度の推定車体速度に対する沈み込み量等に
よりホイルシリンダ液圧の加減圧を判断するため、この
車輪速度の振動に対して減圧判断が成立し、ホイルシリ
ンダ液圧を減圧する作動が行われることがある。この車
輪速度の振動に対する減圧は、実際には車輪がロック兆
候にあるわけではないので、本来不必要な誤作動であ
る。
【0004】これに対し、従来より、上記悪路面走行時
の誤作動の発生を防止するためのアンチロックブレーキ
制御装置が種々提案されている。(特開平1−2048
54号、特開平4−166464号、特公平4−717
38号参照)
【0005】上記従来のアンチロックブレーキ制御装置
では、路面の凹凸の程度を検出して悪路面であるのか凹
凸の少ない通常の路面で(良路面)であるのかを判断す
る手段を備え、悪路面であると判断した場合には、上記
減圧スレッシュを減圧判断が成立しにくいように厳しく
設定し、これにより上記誤作動の防止を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のアンチロックブレーキ制御装置には、下記のような
問題がある。
【0007】図8は、悪路面走行時の車輪速度SPEE
Dと、推定車体速度VREFの関係の一例を示し、時刻
1までは、ブレーキ非作動状態であって、時刻t1から
ブレーキを作動させている。
【0008】図8中部分Aは、ブレーキ非作動にもかか
わらず、路面の凹凸に起因する車輪速度SPEEDの振
動により車輪速度SPEEDの推定車体速度VREFに
対する沈み込み量が増大した状態(疑似スリップ)であ
る。上記のように従来のアンチロックブレーキ制御装置
では、悪路面走行時は減圧スレッシュを厳しく設定して
いるため、この疑似スリップに対して減圧判断は成立し
ない。
【0009】しかし、減圧スレッシュを厳しく設定して
いると、図8中部分Bで示すように、ブレーキが作動中
であって実際にロック兆候に向かうことにより車輪速度
SPEEDが推定車体速度VREFに対して沈み込みを
開始した場合にも、推定車体速度VREFに対する車輪
速度SPEEDの沈み込み量が相当大きくなるまで減圧
判断が成立せず、そのため、ホイルシリンダ液圧の減圧
開始が遅れ、車両の操舵性、安定性に悪影響を与える。
【0010】また、一般にアンチロックブレーキ制御装
置では、マイクロコンピュータにより、上記ホイルシリ
ンダ液圧の加減圧判断を行っているが、上記のように悪
路面と良路面とで減圧スレッシュを異ならせる場合、マ
イクロコンピュータのメモリの容量がその分多く必要と
なりコスト増加の一因となる。
【0011】本発明は、上記従来のアンチロックブレー
キ制御装置における問題を解決するためになされたもの
であり、悪路面走行時の疑似スリップに対する誤作動が
生じることなく、かつ、実際に車輪がロック兆候に向か
う場合には速やかにホイルシリンダ液圧を減圧すること
ができるアンチロックブレーキ制御装置を低コストで提
供することを目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、車輪
の回転速度を検出する車輪速度検出部と、上記車輪速度
検出部が出力する信号に基づいて、少なくとも車輪速度
を含む車輪及び車体挙動を計算する車輪車体挙動計算部
と、上記車輪車体挙動計算部の算出した車輪及び車体挙
動に基づいて、路面の凹凸状態を表す悪路指数を計算す
る悪路指数計算部と、上記車輪速度を平滑化した平滑化
車輪速度を計算し、かつ、上記悪路指数に応じて上記平
滑化の度合を異ならせるようにした平滑化車輪速度計算
部と、少なくとも上記平滑化車輪速度に基づいて加減圧
を行うか否かの判断を行う加減圧判断部と、上記加減圧
判断部の判断に基づいて上記車輪のホイルシリンダ液圧
を調整するアクチュエータと、を備えるアンチロックブ
レーキ制御装置を提供するものである。
【0013】上記車輪速度の平滑化は、例えば、下記の
式によるローパスフィルタ処理により行う。
【0014】(今回のFSPEED)={(N−1)/
N}・(前回のFSPEED)+(1/N)(今回のS
PEED)
【0015】上記のローパスフィルタ処理の式におい
て、(今回のFSPEED)は今回の制御サイクルにお
ける平滑化車輪速度、(前回のFSPEED)は前回の
制御サイクルにおいて計算した平滑化車輪速度、(今回
のSPEED)は今回の制御サイクルにおいて計算した
車輪速度である。また、上記の式中、Nはフィルタ定数
であって、N≧1の値をとる。
【0016】具体的には、本発明では、悪路指数が凹凸
の多い悪路面であることを示す場合には、上記平滑化の
度合を高くする一方、悪路指数が凹凸の少ない良路面で
ある場合には、平滑化の度合を低くする。例えば、上記
ローパスフィルタ処理の場合悪路面である程フィルタ定
数Nを大きな値に設定する。
【0017】
【作用】上記の構成からなる本発明のアンチロックブレ
ーキ液圧制御装置は、車輪及び車体挙動に基づいて、路
面の凹凸状態を表す悪路指数を計算する悪路指数計算部
と、車輪速度を平滑化した平滑化車輪速度を計算し、か
つ、上記悪路指数に応じて上記平滑化の度合を異ならせ
るようにした平滑化車輪速度計算部とを備え、少なくと
も平滑化車輪速度を含む車輪及び車体挙動に基づいて加
減圧を行うか否かの判断を行う構成としており、路面の
凹凸による車輪速度の振動の影響を受けることなく加減
圧を行うか否かの判断を行うため、悪路面走行時の疑似
スリップに対する誤作動が生じることはない。また、本
発明では、平滑化車輪速度により加減圧の判断を行い、
かつ、悪路面と良路面で減圧スレッシュを異ならせてい
ないため、実際に車輪がロック兆候に向かう場合には確
実に減圧判断が成立して速やかにホイルシリンダ液圧を
減圧する。
【0018】
【実施例】次に、図面に示す実施例に基づいて、本発明
について詳細に説明する。図1及び図2に示す本発明の
実施例に係るアンチロックブレーキ制御装置は、マスタ
シリンダ1とそれぞれ左右前輪及び左右後輪に対応する
ホイルシリンダ2A,2B,2C,2Dの間に公知の流
量制御弁からなるインレット・バルブ3A,3B,3
C,3Dを配置する一方、ホイルシリンダ2A〜2Dよ
りオン/オフ型電磁弁からなるアウトレット・バルブ4
A,4B,4C,4D及びモータ・ポンプ6を介してマ
スタシリンダ1に還流する還流ライン7を設けている。
また、還流ライン7のアウトレット・バルブ4A〜4D
とモータ・ポンプ6の間には、バッファチャンバ8を配
置している。
【0019】上記インレット・バルブ3A〜3D及びア
ウトレット・バルブ4A〜4Dは、ホイルシリンダ2A
〜2Dの液圧を制御するアクチュエータACT0,AC
1,ACT2,ACT3を構成する。このアクチュエー
タACT0〜ACT1は、上記アウトレット・バルブ4A
〜4Dの開弁時にはホイルシリンダ液圧を減圧し、アウ
トレット・バルブ4A〜4Dの閉弁時にはホイルシリン
ダ液圧を加圧する。
【0020】S0,S1,S2,S3は公知の構造の車輪速
度センサからなる車輪速度検出部であって、それぞれ左
右前輪及び左右後輪の回転速度をその変化に応じて間隔
が変化するパルス信号として検出し、このパルス信号を
後述する信号処理部10に送信する。
【0021】信号処理部10は、マイクロコンピュータ
からなり、図2に示すように、車輪車体挙動計算部CA
0,CAL1,CAL2,CAL3、悪路指数計算部BR
CAL、平滑化車輪速度計算部FSCAL0,FSCA
1,FSCAL2,FSCAL3、加減圧判断部C0,C
1,C2,C3及び加減圧信号設定部OUT0,OUT1
OUT2,OUT3を備えている。この信号処理部10
は、上記車輪速度検出部S0〜S3からのパルス信号に所
定の処理を行って、これに基づいてアウトレット・バル
ブ4A〜4Dを開閉駆動する加減圧信号をアクチュエー
タACT0〜ACT3に出力する。
【0022】車輪車体挙動計算部CAL0〜CAL3は、
上記車輪速度検出部S0〜S3より入力されるパルス信号
から各車輪の車輪速度SPEEDiを計算する。ここで
添字iはi=0,1,2,3であって、それぞれ左前
輪、右前輪、左後輪、右後輪を示す。また、車輪車体挙
動計算部CAL0〜CAL3は、下記の式(1)に示すよ
うに車輪速度SPEEDiの1回微分値である車輪減速
度DECELiを計算する。
【0023】 DECELi=d(−SPEEDi)/dt …(1)
【0024】さらに、車輪車体挙動計算部CAL0〜C
AL3は、車輪速度SPEEDi及び車輪減速度DECE
iから公知の方法により車体速度の推定値(推定車体
速度VREF)を計算する。
【0025】悪路指数計算部BRCALは、路面の凹凸
の程度を示す悪路指数BRiを計算する。
【0026】平滑化車輪速度計算部FSCAL0〜FS
CAL3は、上記車輪車体挙動計算部CAL0〜CAL3
が算出した車輪速度SPEEDiを後述するローパスフ
ィルター処理により平滑化した平滑化車輪速度FSPE
EDiを計算する。
【0027】加減圧判断部C0〜C3は、上記車輪減速度
DECELi及び平滑化車輪速度FSPEEDiに基づい
てホイルシンダ2A〜2Dの液圧を減圧するか否かの判
断を行う。
【0028】加減圧信号設定部OUT0〜OUT3は、上
記加減圧判断部C0〜C3の減圧又は加圧の判断に基づい
て各ホイルシリンダ2A〜2Dの液圧又は減圧デューテ
ィを定める。また、加減圧信号設定手段OUT0〜OU
3は、この加圧又は減圧デューティに基づいてアウト
レット・バルブ4A〜4Dの開閉時間を決定し、この開
閉時間を加減圧信号としてアクチュエータACT0〜A
CT3に出力する。
【0029】次に、図3に示すフローチャトに基づい
て、本実施例の作動について説明する。信号処理部10
は、この図3のステップ#1からステップ#10に示す
作動を車両のイグニッションスイッチがオンされてから
イグニッションスイッチがオフされるまで所定の周期
(制御サイクル)で繰り返し実行する。まず、ステップ
#1,#2では、車輪速度検出部S0〜S3からのパルス
信号に基づいて、車輪車体挙動計算部CAL0〜CAL3
が各車輪の車輪速度SPEEDi及び車輪減速度DEC
ELiを計算する。また、ステップ#3では、車輪車体
挙動計算部CAL0〜CAL3が公知の方法により推定車
体速度VREFを計算する。
【0030】次に、ステップ#4において、悪路指数計
算部BRCALが、各車輪について悪路指数BRiを計
算する。本実施例では、この悪路指数BRiを下記のよ
うに計算している。
【0031】図4に示すように、上記車輪車体挙動計算
部CAL0〜CAL3が算出する各車輪の車輪減速度DE
CELiは、時間の経過に伴い周期的に増減を繰り返
し、その振幅も変化する。悪路指数計算部BRCAL
は、車輪減速度DECELiが特定の閾値THを越えて
から閾値THを下回るまでに要する時間Tと、車輪減速
度DECELiの最大値(最大車輪減速度DPEAKi
を計測し、これらに基づいて悪路指数BRiを計算す
る。
【0032】上記ステップ#4では、図5に示す処理を
行う。まず、ステップ#51において、車輪減速度DE
CELiが所定の閾値THを上回っているか否かを検査
し、上回っている場合にはステップ#52に移行し、上
回っていない場合には、ステップ#53に移行する。
【0033】ステップ#52では、タイマTIMRi
“1”加算してステップ#54に移行する。ステップ#
54では、車輪減速度DECELiと前回の制御サイク
ルまでの最大車輪減速度DPEAKiを比較する。ステ
ップ#54において、車輪減速度DECELiが最大車
輪減速度DPEAKiよりも大きい場合には、ステップ
#55において今回の制御サイクルにおける車輪減速度
DECELiを最大車輪減速度DPEAKiとする。
【0034】一方、ステップ#53では、時間Ti
“0”か否かを検査する。ステップ#53で時間Ti
“0”でない場合は、タイマTIMRiの値は車輪減速
度DECLiが閾値THを上回っている時間を示し、ス
テップ#54に移行してタイマTIMRiの値を時間Ti
とする。ステップ#55では、タイマTIMRi
“0”にクリアする。
【0035】ステップ#56では、下記の式(2)に示
すように最大車輪減速度DPEAK iと時間Tiから悪路
指数BRiを計算する。
【0036】BRi=DPEAKi/Ti …(2)
【0037】この式(2)により計算した悪路指数BR
iは、時間Tiが短い程大きな値となり、時間Tiが長い
程小さい値となる。上記時間Tiが短い場合は、車輪減
速度DECELiの振動の周期が短く、車両は路面の凹
凸が多い悪路面を走行中であることを示し、一方、時間
iが長い場合は、車輪の減速度DECELiの振動の周
期が長く、車両は路面の凹凸が少ない良路面を走行中で
あることを示す。
【0038】また、悪路指数BRiは、最大車輪減速度
DPEAKiの値が大きい程大きな値となり、最大車輪
減速度DPEAKiの値が小さい程小さい値となる。最
大車輪減速度DPEAKiが大きい場合は、車輪の減速
度の変化幅大きく路面の凹凸が少ない良路面を走行して
いることを示す。最大車輪減速度DPEAKiが小さい
場合は、車輪の減速度の変化幅が小さく路面の凹凸が少
ない良路面を走行していることを示す。従って、悪路指
数BRiは、その値が大きいほど凹凸の多い悪路面であ
ることを示す一方、その値が小さい程凹凸の少ない良路
面であることを示す。
【0039】ステップ#57では、最大車輪減速度DP
EAKiを“0”にクリアする。
【0040】ステップ#5では、平滑化車輪速度計算部
FSCAL0〜FSCAL3が、平滑化車輪速度FSPE
EDiを計算する。この平滑化車輪速度FSPEED
iは、上記したように、車輪速度SPEEDiに対してロ
ーパスフィルタ処理を施して平滑化し、車輪速度SPE
EDiから路面の凹凸に起因する振動の影響を低減した
ものである。
【0041】平滑化車輪速度FSPEEDiは、下記の
式(3)により計算される。
【0042】 (今回のFSPEEDi)={(N−1)/N}・(前回のFSPEEDi) +(1/N)(今回のSPEEDi) (単位はkm/h) …(3)
【0043】上記式(3)中、(今回のFSPEE
i)は今回の制御サイクルにおける平滑化車輪速度F
SPEEDi、(前回のFSPEEDi)は前回の制御サ
イクルにおいて計算した平滑化車輪速度FSPEE
i、(今回のSPEEDi)は今回の制御サイクルのス
テップ#1において車輪速度検出部S0〜S3からのパル
ス信号より計算した車輪速度である。
【0044】また、式(3)中、Nはフィルタ定数であ
って、N≧1の値をとる。このフィルタ定数NをN=1
に設定すると、式(3)において(今回のFSPEED
i)は、(今回のSPEEDi)と等しくなりフィルタ処
理は行われない。一方、フィルタ定数Nを大きく設定す
る程平滑化の度合が高くなる。
【0045】ステップ#5では、具体的には、図6に示
す処理により、悪路指数BRiと最大車輪減速度DEC
ELiからフィルタ定数Nを計算する。
【0046】図6のステップ#61では、最大車輪減速
度DPEAKiが3G(Gは重力加速度)より大きいか
否かを検査し、最大車輪減速度DPEAKiの方が大き
い場合にはステップ#62においてフィルタ定数Nを
“1”に設定する一方、小さい場合にはステップ#63
に移行する。
【0047】ステップ#63では、悪路指数BRiが4
0より大きいか否かを検査し、悪路指数BRiの方が大
きい場合にはステップ#62に移行してフィルタ定数N
を“1”に設定する。一方、悪路指数BRiが40より
小さい場合には、ステップ#64に移行する。このステ
ップ#64は、下記の式(4)によりフィルタ定数Ni
を計算する。
【0048】Ni=2^(BRi/40) …(4)
【0049】ステップ#65ではフィルタ定数Niと3
2を比較し、フィルタ定数Niが32を上回る場合に
は、ステップ#66において、フィルタ定数Niを32
に設定する。
【0050】上記のように本実施例では、最大車輪減速
度がDPEAKi<3Gの場合、即ち、車輪減速度DE
CELiの振幅が比較的小さい場合、及び、悪路指数が
BRi<40の場合、すなわち路面の凹凸の程度が比較
的良好な場合にはフィルタ定数をN=1として平滑化を
行わない。それ以外の場合には、上記式(4)により、
悪路指数BRiに基づいてフィルタ定数Nを計算する。
フィルタ定数Nをこのように設定することにより、車輪
速度SPEEDiの路面の凹凸による振動の周期が短い
場合や振幅が大きい場合には振動の影響を除去した平滑
化車輪速度SPEEDiが得られる。一方、上記振動の
周期が短い場合や振幅が小さい場合には平滑化の度合が
低くなり、平滑化車輪速度FSPEEDiは車輪速度検
出部S0〜S3が出力するパルス信号から計算した車輪速
度SREEDiと比較的近い値をとる。
【0051】ステップ#6では、上加減圧判断手段C0
〜C3が、上記平滑化車輪速度FSPEEDiと推定車体
速度VREFから、ホイリシリンダ液圧を減圧するか否
かの判断を行う。本実施例では、下記の式(5)及び式
(6)が同時に成立する場合に「減圧」を行うと判断す
る。
【0052】
【0053】
【0054】上記式(5),(6)において、a1,a
2,a3,a4はそれぞれ定数であって、例えば、a1
=4、a2=0.05、a3=−2、a4=0.005に
設定される。これらの定数a1〜a4の値により、上記
式(3),(4)の成立し易さ、即ち、減圧スレッシュ
が決まる。本実施例では、悪路係数BRiの値によらず
定数a1〜a4の値を一定としており、路面の凹凸の程
度に関係なく、減圧スレッシュを一定としている。
【0055】本実施例では、上記ステップ#5におい
て、悪路係数BRiの値が大きい程、すなわち、路面の
凹凸の程度が大きい程車輪速度SPEEDiに対する平
滑化の度合を高くして平滑化車輪速度FSPEEDi
算出しているため、このステップ#6における減圧判断
において路面の凹凸に起因する車輪速度SPEEDi
振動の影響を受けることがなく、疑似スキッドに対して
誤って減圧判断が成立することがない。また、ステップ
#6では、上記のように路面の凹凸の程度に関係なく、
式(5),(6)の減圧スレッシュを一定としているた
め、実際に車輪がロック兆候に向かっている場合には速
やかに減圧判断が成立する。
【0056】ステップ#6において、「減圧」と判断さ
れた場合には、ステップ#7に移行し、「加圧」と判断
された場合には、ステップ#8に移行する。
【0057】上記ステップ#7では、アクチュエータ駆
動部OUT0〜OUT3が減圧デューティを決定する。同
様にステップ#8では、アクチュエータ駆動部OUT0
〜OUT3が加圧デューティを決定する。さらにステッ
プ#9では、上記加圧デューティ又は減圧デューティに
基づいてアクチュエータACT0〜ACT3に出力する加
減圧信号であるアウトレット・バルブ4A〜4Dの開閉
時間を決定する。
【0058】ステップ#10では、加減圧信号をアクチ
ュエータACT0〜ACT3に出力し、アウトレット・バ
ルブ4A〜4Dを開閉制御してホイルシリンダ2A〜2
Dの液圧を調整する。
【0059】図7は、上記実施例による作動の一例を示
している。この図7では、凹凸の多い悪路面を時刻t1
に発車した車両が加速を続けた後、時刻t2に定速走行
に移り、さらに時刻t3からブレーキが作動した場合の
車輪速度SPEEDi、平滑化車輪速度FSPEEDi
推定車体速度VREFを示している。また、図中V
iは、アクチュエータACT0〜ACT3のアウトレット
・バルブ4A〜4Dの開閉を示している。
【0060】図7中、Vi’は悪路指数BRiが大きい場
合、すなわち、路面が悪路面である場合には、減圧スレ
ッシュを厳しく設定する従来の装置の場合のアウトレッ
ト・バルブ4A〜4Dの開閉を示している。
【0061】図中部分Cでは、定速走行中であるにもか
かわらず、路面の凹凸に起因する車輪速度Siの振動に
より車輪速度SPEEDiが推定車体速度に対して沈み
込んでいる。しかし、本実施例では、上記のように平滑
化車輪速度FSPEEDiに基づいて減圧判断を行うた
め、この疑似スキッドに対して減圧作動が行われること
はない。
【0062】部分Dでは、ブレーキ作動中であって実際
に車輪がロック兆候に向かうことにより車輪速度SPE
EDiが推定車体速度VREFに対して沈み込んでい
る。本実施例では、悪路指数BRiの値に応じて車輪速
度SPEEDiに対する平滑化の度合いを異ならせて推
定車体速度FSPEEDiを求め、それに基づいて減圧
スレッシュを一定とした式(5),(6)に基づいて減
圧判断を行うため、上記のように実際に車輪がロック兆
候に向かう場合は、確実に減圧判断が成立してアウトレ
ット・バルブ4A〜4Dが開弁し、速やかにホイルシリ
ンダ2A〜2Dの液圧が減圧される(時刻t4)。
【0063】これに対して、上記悪路面では減圧スッシ
ュを厳しく設定する従来の装置の場合、実際にロック兆
候に向かうことにより車輪速度SPEEDが推定車体速
度VREFに対して沈み込みを開始した場合にも、推定
車体速度VREFに対する車輪速度SPEEDの沈み込
み量が大きくなるまで減圧判断が成立せず、よって上記
時刻t4より遅れた時刻t5になるまでホイルシリンダ2
A〜2Dの液圧が減圧されない。
【0064】同様に図7の部分Eでは、上記従来の装置
では、時刻t7にホイルシリンダ2A〜2Dの液圧が減
圧されるのに対して、本実施例では、実際に車輪がロッ
ク兆候に向かっていることを敏感に検知し、上記時刻t
7よりも早い時刻t6にホイルシリンダ2A〜2Dの減圧
が行われる。
【0065】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記
ステップ#5の平滑化車輪速度FSPEEDiの計算に
おいて、車輪減速度DECELiが正である状態、すな
わち、(DECELi>0)の状態が継続する程、フィ
ルタ定数Nを小さく設定してもよい。車輪減速度DEC
ELiが正の状態が継続している場合は、車輪速度SP
EEDi又は平滑化車輪速度FSPEEDiの推定車体速
度VREFに対する沈み込み量が増加する傾向、すなわ
ちスキッドが成長する傾向にある。よって、フィルタ定
数Nを上記のように設定することにより、実際に車輪が
ロック兆候に向かっている場合には、ローパスフィルタ
処理による時間遅れの影響が低減され、速やかに減圧判
断が成立する。
【0066】また、ステップ#5において、路面摩擦係
数の推定値(推定路面μ)が小さい程フィルタ定数Nを
小さく設定してもよい。フィルタ定数Nをこのように設
定することにより、路面摩擦係数の低い路面(低μ路
面)では、車輪速度SPEEDiに対する平滑化の度合
いが低くなり時間遅れの影響が低減され、速やかに減圧
判断が成立する。
【0067】さらにまた、上記実施例では、車輪速度に
対してローパスフィルタ処理を施すことにより平滑化車
輪速度を計算しているが、車輪速度の平滑化はこれに限
定されるものではなく、路面の凹凸による車輪速度の振
動の影響を除去できる方法であればよい。
【0068】また、上記実施例では、インレット・バル
ブ3A〜3Dを流量制御弁としているが、インレット・
バルブ3A〜3Dはアウトレット・バルブ4A〜4Dと
同様にオン/オフ型電磁弁としてもよい。この場合、減
圧、加圧、保持の3モードでホイルシリンダ液圧を調整
するため、加減圧判断部C0〜C3は、上記ステップ#6
において減圧判断が成立しなかった場合には、さらに、
加圧又は保持のいずれを実施するかを判断する。
【0069】さらに、加減圧判断部C0〜C3における減
圧判断は、上記の例に限定されず、少なくとも平滑化車
輪速度FSPEEDiを含む車輪及び車体挙動に基づい
て判断を行えばよい。例えば、上記式(3)のみから減
圧を行うか否かの判断を行ってもよい。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るアンチロックブレーキ制御装置では、車輪速度を
平滑化して平滑化車輪速度を計算する平滑化車輪速度計
算部は、悪路指数が凹凸の多い悪路面であることを示す
場合には、上記平滑化の度合を高くする一方、悪路指数
が凹凸の少ない良路面の場合には、平滑化の度合を低く
しており、加減圧判断が平滑化車輪速度を含む車輪及び
車体挙動に基づいて加減圧を行うか否かの判断を行う構
成としているため、路面の凹凸による車輪速度の振動の
影響を受けることなく加減圧を行うか否かの判断を行う
ことができ、悪路面走行時の疑似スリップに対する誤作
動が生じることがない。また、本発明では、上記のよう
に悪路指数に応じて平滑化の度合いを異ならせて平滑化
車輪速度を計算し、かつ、悪路面と良路面で減圧スレッ
シュを異ならせていないため、実際に車輪がロック兆候
に向かう場合には確実に減圧判断が成立して速やかにホ
イルシリンダ液圧を減圧することができる。よって、本
発明によれば、悪路面走行中のアンチロックブレーキ制
御の制御性能を向上させ、悪路面走行中の制動距離の短
縮、操舵性、安定性を向上することができる。
【0071】また、本発明のアンチロックブレーキ制御
装置は、悪路面走行時と良路面走行時とで、減圧スレッ
シュを異ならせていないため、その分マイクロコンピュ
ータのメモリの容量を節約することができ、コストの低
減を図ることができる等の種々の利点を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す概略図である。
【図2】 信号処理部を示す概略図である。
【図3】 実施例の作動を示すフローチャートである。
【図4】 悪路指数の計算を説明するための線図であ
る。
【図5】 図2のステップ#4の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図6】 図2のステップ#5の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図7】 実施例による制御の一例を示す線図である。
【図8】 従来のアンチロック制御装置の問題点を説明
するための線図である。
【符号の説明】
0,S1,S2,S3 車輪速度検出部 CAL0,CAL1,CAL2,CAL3 車輪車体挙動計
算部 BRCAL 悪路指数計算部 FSCAL0,FSCAL1,FSCAL2,FSCAL3
平滑化車輪速度 C0,C1,C2,C3 加減圧判断部 OUT0,OUT1,OUT2,OUT3 アクチュエータ
駆動部 ACT0,ACT1,ACT2,ACT3 アクチュエータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の回転速度を検出する車輪速度検出
    部と、 上記車輪速度検出部が出力する信号に基づいて、少なく
    とも車輪速度を含む車輪及び車体挙動を計算する車輪車
    体挙動計算部と、 上記車輪車体挙動計算部の算出した車輪及び車体挙動に
    基づいて、路面の凹凸状態を表す悪路指数を計算する悪
    路指数計算部と、 上記車輪速度を平滑化した平滑化車輪速度を計算し、か
    つ、上記悪路指数に応じて上記平滑化の度合を異ならせ
    るようにした平滑化車輪速度計算部と、 少なくとも上記平滑化車輪速度に基づいて加減圧を行う
    か否かの判断を行う加減圧判断部と、 上記加減圧判断部の判断に基づいて上記車輪のホイルシ
    リンダ液圧を調整するアクチュエータと、 を備えるアンチロックブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 上記平滑化車輪速度計算部は、上記悪路
    指数が凹凸の多い悪路面であることを示す場合には、上
    記平滑化の度合を高くする一方、上記悪路指数が凹凸の
    少ない良路面であることを示す場合には、平滑化の度合
    を低くすることを特徴とする請求項1に記載のアンチロ
    ックブレーキ制御装置。
JP21747393A 1993-09-01 1993-09-01 アンチロックブレーキ制御装置 Withdrawn JPH0769198A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002321605A (ja) * 2001-04-25 2002-11-05 Toyota Central Res & Dev Lab Inc トルク勾配推定装置及びアンチロックブレーキ制御装置
JP2012136045A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Toyota Motor Corp 制動力制御装置
JP2019116143A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 マツダ株式会社 車両の挙動制御装置

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