JPH09110621A - 白蟻防除剤およびそれを含有する分散液 - Google Patents

白蟻防除剤およびそれを含有する分散液

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JPH09110621A
JPH09110621A JP26436295A JP26436295A JPH09110621A JP H09110621 A JPH09110621 A JP H09110621A JP 26436295 A JP26436295 A JP 26436295A JP 26436295 A JP26436295 A JP 26436295A JP H09110621 A JPH09110621 A JP H09110621A
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JP
Japan
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organophosphorus
insecticide
microcapsules
core
microcapsule
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JP26436295A
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English (en)
Inventor
Hironori Kataoka
裕紀 片岡
Masaru Murata
勝 村田
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DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期間にわたって内包する有機リン系殺虫剤の
薬効を発揮させることのできる白蟻防除剤を提供する。 【解決手段】芯部が有機リン系殺虫剤を含有するゲル状
ポリウレタン樹脂1で形成され、上記芯部がポリウレア
樹脂製の殻部2で被覆されたマイクロカプセルからなる
白蟻防除剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機リン系殺虫剤
を内包し、長期にわたる薬効を奏するマイクロカプセル
を有効成分とする白蟻防除剤およびそれを含有する分散
液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機リン系殺虫剤は、一般に、散布直後
の効力には優れているが、環境中に散布されると速やか
に分解消失していくものが多く、残効性の必要な場面で
は使用に支障を来す場合がある。このため、白蟻防除分
野において、有機リン系殺虫剤をポリウレア系被膜でマ
イクロカプセル化し、その際の平均粒径、膜厚等を特定
化することにより、残効性の向上を図ることが提案され
ている(特開昭62−190107号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような条件に設定したマイクロカプセルであっても、な
お、芯剤(有機リン系殺虫剤)のカプセル外への流出が
速いため、残効性が不充分となる問題を有している。
【0004】本発明は、長期間にわたって内包する有機
リン系殺虫剤の薬効を発揮させることのできる白蟻防除
剤およびそれを含有する分散液の提供をその目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、芯部が有機リン系殺虫剤を含有するゲル
状ポリウレタン樹脂で形成され、上記芯部を被覆する殻
部がポリウレア樹脂で形成されているマイクロカプセル
を含有する白蟻防除剤を第1の要旨とし、上記有機リン
系殺虫剤を内包したマイクロカプセルが、水性媒体中に
分散含有されている白蟻防除剤含有分散液を第2の要旨
とする。
【0006】すなわち、本発明者らは、有機リン系殺虫
剤を内包した、長期にわたって薬効を奏することのでき
るマイクロカプセルを得るために一連の研究を重ねた。
その研究の過程で、芯−殻構造であるマイクロカプセル
において、有機リン系殺虫剤を被包する殻部自身の膜厚
および粒径の特定化だけではカプセルの残効性を向上さ
せることは困難であるという知見を得た。この知見に基
づき、殻部ではなく有機リン系殺虫剤を内包する芯部の
構成を中心にさらに研究を重ねた結果、芯部として有機
リン系殺虫剤をそのまま内包するのではなく、ゲル状ポ
リウレタン樹脂に有機リン系殺虫剤を含有させると、そ
の有機リン系殺虫剤はゲル状ポリウレタン樹脂に強く保
持され、その結果、長期にわたりその薬効を奏すること
ができることを見出し本発明に到達した。
【0007】このような有機リン系殺虫剤を内包したマ
イクロカプセルを水性媒体中に分散させた分散液は、木
材や土壌等に、塗布、噴霧、含浸あるいは混合させる
等、様々な形態をとり利用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明について詳しく説
明する。
【0009】本発明の白蟻防除剤は、有機リン系殺虫剤
を内包したマイクロカプセルを有効成分とするものであ
って、このマイクロカプセルは、芯部が殻部で被覆され
た芯−殻構造であり、上記芯部が有機リン系殺虫剤を含
有するゲル状ポリウレタン樹脂で形成され、上記殻部が
ポリウレア樹脂で形成されている。
【0010】上記芯部のゲル状ポリウレタン樹脂に含有
保持される有機リン系殺虫剤としては、o,o−ジメチ
ル−o−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロ
チオエート(以下「フェニトロチオン」と称す)、o,
o−ジメチル−o−(4−シアノフェニル)ホスホロチ
オエート(以下「サイアノホス」と称す)、2−メトキ
シ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−2
−スルフィド(以下「サリチオン」と称す)等があげら
れる。これらは単独でもしくは2種以上併用される。さ
らに、従来の他の殺虫剤と混合したものを用いることも
できる。
【0011】そして、本発明の白蟻防除剤において、有
効成分である、有機リン系殺虫剤を内包したマイクロカ
プセルは、芯部に含有される有機リン系殺虫剤、あるい
は有機リン系殺虫剤を含む疎水性媒体中に、多官能性イ
ソシアネート、水不溶性のポリオールおよび触媒を溶解
して油相とし、これを乳化剤を添加した水(水相)中に
乳化分散した後、油滴界面およびその内部で反応させる
ことにより得られる。
【0012】上記反応では、20〜40℃で0.5〜2
時間程度で反応が完了し、従来に比べて極めて短時間お
よび低温下で、有機リン系殺虫剤を内包したマイクロカ
プセルを製造することができる。
【0013】まず、油相を構成する各成分について述べ
る。
【0014】上記油相は、有機リン系殺虫剤、あるいは
有機リン系殺虫剤を含む疎水性媒体と、多官能性イソシ
アネートと、水不溶性のポリオールと、触媒を用いて構
成される。
【0015】上記有機リン系殺虫剤はそのまま用いても
よいが、上記のように疎水性媒体中に含有させてもよ
い。好ましくは、カプセルの強度という点から、有機リ
ン系殺虫剤をそのまま用いることである。
【0016】上記疎水性媒体としては、例えば、安息香
酸ベンジル、フタル酸ジオクチル等のエステル類、鉱物
油類、綿実油類等の植物油類があげられる。
【0017】上記殻部およびゲル状の芯部を形成するた
めに用いられる多官能性イソシアネートとしては、フェ
ニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリ
フェニルメタントリイソシアネート等、さらには、上記
多官能性イソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビ
ュレット変性体や、トリメチロールプロパン、ヘキサン
トリオールのようなポリオールとの付加物であるイソシ
アネートプレポリマー等があげられる。これらは単独で
もしくは2種以上併せて用いられる。
【0018】上記トリメチロールプロパン、ヘキサント
リオール以外のポリオールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ヘキサンジオール等の脂肪
族ポリオール、キシリレングリコール等の芳香族ポリオ
ール、ハイドロキノン、カテコール等の多価フェノー
ル、あるいはこれら多価フェノールとアルキレンオキシ
ドとの縮合物、ポリエステルポリオール、ポリエーテル
ポリオール等のポリオールプレポリマー等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。そして、これらポリオールのなかでも、残効性に優
れた有機リン系殺虫剤内包マイクロカプセルが得られる
という点から、トリメチロールプロパンを用いることが
好ましい。
【0019】そして、上記多官能性イソシアネートのな
かでも、無黄変型の有機リン系殺虫剤内包マイクロカプ
セルを得るという点および経済的であるという点から、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネートを用いることが好ましい。
【0020】上記多官能性イソシアネートとともに用い
られる水不溶性のポリオールとしては、具体的には、ヒ
マシ油、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオー
ル、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエ
ステルジオール、ポリカーボネートジオール等のポリエ
ステルポリオール等があげられる。これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。そして、これら水不溶
性のポリオールのなかでも、反応性および残効性という
点からヒマシ油を用いることが好ましい。上記水不溶性
のポリオールの配合量は、上記多官能性イソシアネート
100重量部(以下「部」と略す)に対して10〜30
0部に設定することが好ましく、特に好ましくは50〜
200部である。この水不溶性のポリオールの配合量が
10部未満、あるいは300部を超えると、すなわち、
上記配合量の範囲外では、目的とする芯部がゲル状の有
機リン系殺虫剤内包マイクロカプセルを得ることが困難
となる傾向がみられる。そして、これら水不溶性のポリ
オールにおいては、水酸基を少なくとも2個有するもの
を使用する必要がある。すなわち、水酸基が1個では架
橋せずに芯部がゲル化状態にはならないからである。ま
た、水に溶解するポリオールを用いるとマイクロカプセ
ルの生成が困難となり使用には適さない。このような点
から、上述の水不溶性のポリオールが使用される。
【0021】さらに、上記多官能性イソシアネートおよ
び水不溶性のポリオールとともに用いられる触媒として
は、有機スズ化合物が用いられ、例えば、トリ−n−ブ
チルチンアセテート、n−ブチルチントリクロライド、
ジメチルチンジクロライド、ジブチルチンジラウレー
ト、トリメチルチンハイドロオキサイド等があげられ
る。これら触媒はそのまま用いてもよいし、酢酸エチル
等の溶剤に、濃度が0.1〜20重量%(以下「%」と
略す)となるように溶解して、油相中、イソシアネート
成分である多官能性イソシアネート100部に対して、
固形分として0.01〜1部となるよう添加してもよ
い。このように、上記触媒の配合量は、そのまま、ある
いは溶剤に溶解した状態のいずれの場合においても、固
形分として、多官能性イソシアネート100部に対して
0.01〜1部となるように設定することが好ましく、
特に好ましくは0.05〜0.5部である。すなわち、
触媒の配合量が、0.01部未満のように少な過ぎる
と、芯部のゲル状ポリウレタン樹脂が形成されるまで
に、多官能性イソシアネートが殻部の形成反応に使用さ
れて先に殻部が形成されてしまい、逆に1部を超える
と、芯部の形成が極端に速くなり、目的とする有機リン
系殺虫剤内包マイクロカプセルが得られ難いという傾向
がみられるからである。
【0022】上記触媒を添加することにより、油相中の
多官能性イソシアネートと水不溶性のポリオールとの反
応が、多官能性イソシアネートと、水相中の水との反応
よりも速やかに反応する。したがって、芯−殻構造のマ
イクロカプセルの形成において、芯部が、有機リン系殺
虫剤を含有するゲル状のポリウレタン樹脂に形成され、
その芯部の外周(殻部)がポリウレア樹脂に形成される
ことから、本発明の特殊な構造を有する有機リン系殺虫
剤内包マイクロカプセルが得られる。
【0023】なお、上記各成分から構成される油相中に
は、溶剤を含有しない方が好ましい。すなわち、溶剤を
含有するとつぎのような問題が生じるからである。溶
剤自身の有する臭気により、製品として好ましいものが
得られない。水溶性溶剤では、マイクロカプセル形成
時に水溶性溶剤が水相に移行し、この移行に伴い、有機
リン系殺虫剤も油相から水相に移行してしまい目的とす
る有機リン系殺虫剤内包マイクロカプセルを得るのが困
難となるからである。
【0024】ついで、上記油相を乳化分散させる水相に
ついて述べる。
【0025】上記水相に添加される乳化剤としては、ア
ニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性の各水溶性高
分子物質、各種界面活性剤を用いることができる。
【0026】上記アニオン性高分子物質としては、アラ
ビアゴム、アルギン酸等の天然高分子、カルボキシメチ
ルセルロース、硫酸化セルロース、フタル化ゼラチン等
の半合成高分子、カルボキシ変性ポリビニルアルコー
ル、スチレンスルホン酸系重合体および共重合体、無水
マレイン酸系共重合体等の合成高分子があげられる。
【0027】また、上記カチオン性高分子物質として
は、カチオン化デンプン等があげられる。
【0028】上記ノニオン性高分子物質としては、ポリ
ビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、キサンタンガム等があげられ、上記両性
高分子物質としては、ゼラチンがあげられる。
【0029】さらに、上記各種界面活性剤としては、ラ
ウリル硫酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤、アル
キルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性
剤、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型等の
両性界面活性剤があげられる。
【0030】そして、これら乳化剤は、一般に、水に対
して、水溶液濃度が1〜20%となるよう添加して調製
し、水相とする。
【0031】本発明の有機リン系殺虫剤内包マイクロカ
プセル分散液は、例えば、つぎのようにして製造され
る。すなわち、上述の各成分を用いて、油相液および水
相をそれぞれ調製する。そして、上記調製した油相液
を、上記水相に加え、所定の条件で攪拌し反応させるこ
とにより、芯部が殻部で被覆された芯−殻構造で、しか
も、上記芯部が有機リン系殺虫剤を含有するゲル状ポリ
ウレタン樹脂で形成され、上記殻部がポリウレア樹脂で
形成された特殊な有機リン系殺虫剤内包マイクロカプセ
ルが分散された有機リン系殺虫剤内包マイクロカプセル
分散液が製造される。つづいて、この分散液から所定の
方法によって水分を分離することにより有機リン系殺虫
剤内包マイクロカプセルが得られる。
【0032】上記のようにして得られた本発明の有機リ
ン系殺虫剤内包マイクロカプセル分散液において、分散
液中の有機リン系殺虫剤内包マイクロカプセルの含有量
は、後述の各種基材(木材等)や土壌に、塗布、噴霧お
よび含浸させて用いる際の期待する薬効、保持性を考慮
して、分散液中2〜70%の範囲に設定することが好ま
しい。
【0033】上記油相液と水相との混合割合は、重量比
で、油相1に対して水相0.5〜50となるように設定
することが好ましい。特に好ましくは油相1に対して水
相0.8〜1.5である。すなわち、油相1に対して水
相が0.5未満では、水を連続相とすることが困難であ
る。また、水相が50を超えると、マイクロカプセル濃
度の低過ぎる製品しか得られないという傾向がみられる
からである。
【0034】上記攪拌条件としては、一般に、500〜
5000rpmに設定され、特に好ましくは1000〜
3000rpmである。さらに、上記反応条件として
は、前述のように、20〜40℃で0.5〜2時間程度
の短時間に設定される。
【0035】また、有機リン系殺虫剤内包マイクロカプ
セル分散液中から水分を分離して有機リン系殺虫剤内包
マイクロカプセルを得る方法としては、特に限定するも
のではなく、従来公知の方法、例えば、遠心分離法、加
圧濾過法、減圧吸引濾過法等があげられる。さらに、上
記分離により得られた有機リン系殺虫剤内包マイクロカ
プセルを、従来公知の方法、例えば、加熱乾燥、噴霧乾
燥、真空乾燥、凍結乾燥等によって適宜に乾燥してもよ
い。
【0036】このように、特殊な有機リン系殺虫剤内包
マイクロカプセルが得られる生成機構について、本発明
者らは、一連のマイクロカプセルの研究により得た知見
から、つぎのように推察している。すなわち、上記油相
を構成する成分の一つである触媒の存在により、この触
媒を含有する油相液を水相に添加し攪拌すると、油相中
の多官能性イソシアネートと水不溶性のポリオールとの
反応が、多官能性イソシアネートと水との反応よりも速
やかに反応する。このため、芯−殻構造のマイクロカプ
セルの形成において、まず、芯部となる有機リン系殺虫
剤を含有するゲル状のポリウレタン樹脂が反応生成し、
その後、その表面で、多官能性イソシアネートと水とが
反応してポリウレア樹脂が反応生成して殻部が形成され
るものと考えられる。
【0037】本発明に用いる有機リン系殺虫剤内包マイ
クロカプセルの他の製法として、下記の方法もあげられ
る。すなわち、有機スズ化合物を含有する前記油性液
を、少なくとも2個のアミノ基を有する多価アミン化合
物および乳化剤を含有する水性液に添加して乳化分散さ
せる方法である。この方法によると、上記水性液中に多
価アミンを含有するため、油滴界面において、油相中の
多官能性イソシアネートと水性液中の多価アミンとが極
めて速く反応して、ポリウレア樹脂製の殻部が形成さ
れ、遅れて、有機スズ化合物の触媒作用により、多官能
性イソシアネートと水不溶性ポリオールとが反応して、
殻部の内部のゲル化が始まり、有機リン系殺虫剤を含有
するゲル状ポリウレタン樹脂製芯部が形成され、有機リ
ン系殺虫剤含有のゲル状ポリウレタン樹脂からなる芯部
が殻部で形成された本発明に用いる有機リン系殺虫剤内
包マイクロカプセルが得られる。
【0038】このようにして得られる本発明の有機リン
系殺虫剤内包マイクロカプセルの模式図を図1に示す。
図示のように、芯部である有機リン系殺虫剤を含有する
ゲル状ポリウレタン樹脂1の外周を、ポリウレア樹脂製
の殻部2によって被包された、芯−殻構造となってい
る。また、本発明の有機リン系殺虫剤内包マイクロカプ
セルの粒子径については特に限定するものではないが、
一般に、0.5〜500μmの範囲に設定される。
【0039】本発明の有機リン系殺虫剤内包マイクロカ
プセルにおいて、芯部がゲル化状態であることは、得ら
れた有機リン系殺虫剤内包マイクロカプセルの断面を電
子顕微鏡で観察することにより確認することができる。
また、得られた有機リン系殺虫剤内包マイクロカプセル
を用いて溶媒により残存水不溶性ポリオールの抽出操作
を行った結果、抽出物が得られないことから、水不溶性
のポリオールが多官能性イソシアネートと完全に反応
し、内部がゲル化状態となっていると判断される。さら
に、有機リン系殺虫剤と、多官能性イソシアネートと、
水不溶性のポリオールと、触媒を、20〜40℃で混合
し、0.5〜2時間放置すると流動性がなくなりゲル化
状態となることからも推察される。
【0040】このような特定のマイクロカプセルを有効
成分とする本発明の白蟻防除剤は、このマイクロカプセ
ル自身をそのまま利用してもよいし、有機リン系殺虫剤
内包マイクロカプセルを含有する分散液として、この分
散液を、例えば、木製基材や土壌に、塗布、噴霧、含浸
あるいは混合させて用いることもできる。
【0041】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0042】まず、実施例に先立って、有機リン系殺虫
剤を内包したマイクロカプセルを製造した。
【0043】
【製造例1】フェニトロチオン110部(有機リン系殺
虫剤)、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロ
ールプロパンの付加物(日本ポリウレタン社製、コロネ
ートHL)120部(イソシアネート成分)、ジブチル
チンジラウレート(触媒)の10%酢酸エチル溶液1
部、ヒマシ油120部(水不溶性のポリオール)を混合
溶解して油相液を調製した。ついで、この油相液を、2
5℃の部分ケン化ポリビニルアルコール(日本合成化学
工業社製、ゴーセノールKM−11、ケン化度80%)
の10%水溶液350部に加え、オートホモミキサー
(特殊機化工業社製)により1000rpmで5分間攪
拌することにより乳化液を得た。引き続き、この乳化液
を、25℃で1.5時間、100〜500rpmで攪拌
し反応を完結させることによりフェニトロチオン内包の
マイクロカプセルを得た。このマイクロカプセルの粒子
を遠心分離により取り出し、電子顕微鏡(日本電子社
製、JSM−T300)で観察したところ、粒子径5μ
mの粒子が観察された。さらに、このマイクロカプセル
を割ったものを電子顕微鏡で観察したところ、芯部がゲ
ル化状態であることが確認された。このことから、フェ
ニトロチオンを含有するゲル状のポリウレタン樹脂(芯
部)が、ポリウレア樹脂製の殻部によって被包された芯
−殻構造をとる特殊マイクロカプセルであることがわか
る(図1参照)。
【0044】また、得られたフェニトロチオン内包マイ
クロカプセルを用い、テトラヒドロフランにて残存ヒマ
シ油(水不溶性のポリオール)の抽出操作を行ったとこ
ろ、ヒマシ油は検出されなかった。この結果からも、ヒ
マシ油が芯部に存在せず、イソシアネート成分と完全に
反応しており、芯部がゲル状のポリウレタン樹脂である
ことがわかる。
【0045】さらに、上記調製した油相液を、25℃で
1.5時間そのまま放置したところ、流動性がなくなり
ゲル化状態となった。
【0046】これらのことから、製造例1で得られたフ
ェニトロチオン内包マイクロカプセルの、芯部はゲル化
していることは明らかである。
【0047】
【製造例2〜6】フェニトロチオン、イソシアネート成
分、触媒および水不溶性のポリオールとして、下記の表
1に示す材料を同表に示す割合で用い、上記製造例1と
同様にして目的とするフェニトロチオン内包マイクロカ
プセル分散液を作製した。そして、得られたフェニトロ
チオン内包マイクロカプセルを遠心分離により取り出し
て、製造例1と同様、電子顕微鏡の観察により粒子径を
測定し下記の表1に併せて示した。
【0048】また、製造例1と同様にしてマイクロカプ
セルを割り電子顕微鏡写真を撮ったところ、いずれも芯
部がゲル化していることが確認された。さらに、上記と
同様にして、水不溶性のポリオールの抽出操作、および
油相液のみを反応させたところ、製造例1と同様の結果
が得られた。これらのことから、製造例2〜6のフェニ
トロチオン内包マイクロカプセルの、芯部はゲル化して
いることは明らかである。
【0049】
【表1】
【0050】
【比較製造例】製造例1で油相液を調製する際に、水不
溶性のポリオールであるヒマシ油、および触媒であるジ
ブチルチンジラウレートを用いなかった。それ以外は製
造例1と同様の操作を行った。得られた乳化液を遠心分
離したところ、マイクロカプセルは得られなかった。さ
らに、この乳化液を、25℃で8時間攪拌して反応を完
結させることにより、フェニトロチオンを内包したマイ
クロカプセルを得た。このマイクロカプセルの粒子を遠
心分離により取り出し、製造例1と同様にして電子顕微
鏡で観察したところ、粒子径4μmの粒子が確認され
た。そして、このマイクロカプセルを割ったものを電子
顕微鏡で観察したところ、芯部にフェニトロチオンのみ
が存在しており、単にフェニトロチオンが内包された芯
−殻構造をとるマイクロカプセルであることがわかる。
【0051】また、上記油相液を、25℃で10時間そ
のまま放置したが、ゲル化状態とはならず液状のままで
あった。
【0052】これらのことから、比較製造例で得られた
マイクロカプセルは、芯部がフェニトロチオンのみであ
る従来のマイクロカプセルであることが明らかである。
【0053】
【実施例1〜6、比較例】前記製造例1〜6および比較
製造例で得られたフェニトロチオン内包マイクロカプセ
ル分散液を各々木材処理薬剤とした。
【0054】そして、15cm×15cmのシナベニヤ
板上に、前記各マイクロカプセル含有分散液の0.1%
水希釈液を高さ60cmの距離からスプレーガンで5m
l散布した。スプレーガンの吐出圧力は0.6μg/c
2 とした。風乾後、25℃×相対湿度100%下で処
理面上に、イエシロアリ20頭を放ち、24時間後の死
虫率を求めた。ついで、試験終了後、処理ベニヤ板を4
0℃の恒温器中に放置し、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1
2ヶ月後に同様に処理面上のイエシロアリに対する殺蟻
活性を調べた。試験は5反復で行った。これらの結果を
下記の表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】上記表2の結果から、全実施例および比較
例においては24時間後の死虫率は100%であった
が、比較例1では1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月と
時間が経過するに従って死虫率が著しく低下した(12
ヶ月後は死虫率43%)。これに対して、全実施例は1
2ヶ月経過後も死虫率は100%であった。このことか
ら、フェニトロチオン内包マイクロカプセル分散液をベ
ニヤ板に塗布して使用した場合、長期にわたって優れた
残効性を発揮することがわかる。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明は、有機リン系殺
虫剤を含有するゲル状ポリウレタン樹脂からなる芯部
が、ポリウレア樹脂からなる殻部で被覆された特殊な芯
部構成を有する有機リン系殺虫剤内包マイクロカプセル
を含有する白蟻防除剤である。このような特殊な芯部構
造をとることにより、ゲル状ポリウレタン樹脂に含有さ
れた有機リン系殺虫剤はポリウレタン樹脂中にしっかり
と保持され、その結果、長期にわたって優れた薬効性を
備えるようになる。このため、従来のマイクロカプセル
では短期間の薬効した得られなかったが、本発明の有機
リン系殺虫剤内包マイクロカプセルでは、長期間にわた
って、内包された有機リン系殺虫剤の効果が発揮され
る。しかも、このマイクロカプセルは、有機リン系殺虫
剤の短期間での流出量が少ないため、その保存性にも優
れている。したがって、本発明の有機リン系殺虫剤内包
マイクロカプセルは、長期にわたっての薬効が要求され
る白蟻防除剤として好適に用いられるものである。そし
て、この有機リン系殺虫剤内包マイクロカプセル含有分
散液は、各種材料からなる基材(例えば木製基材等)や
土壌等に対して、塗布、噴霧、含浸、混合させる等、様
々な形態をとって使用可能となり、上記優れた効果を有
効に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフェニトロチオン内包マイクロカプセ
ルの一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 ゲル状ポリウレタン樹脂 2 ポリウレア樹脂製の殻部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯部が有機リン系殺虫剤を含有するゲル
    状ポリウレタン樹脂で形成され、上記芯部を被覆する殻
    部がポリウレア樹脂で形成されているマイクロカプセル
    を含有することを特徴とする白蟻防除剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の有機リン系殺虫剤を内包
    したマイクロカプセルが、水性媒体中に分散含有されて
    いることを特徴とする白蟻防除剤含有分散液。
JP26436295A 1995-10-12 1995-10-12 白蟻防除剤およびそれを含有する分散液 Pending JPH09110621A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001024631A1 (de) * 1999-10-01 2001-04-12 Bayer Aktiengesellschaft Mikrokapseln
WO2009104973A1 (en) * 2008-02-22 2009-08-27 Tapuae Partnership Encapsulated wood preservatives

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