JPH09113066A - 吸収器用伝熱管 - Google Patents

吸収器用伝熱管

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JPH09113066A
JPH09113066A JP27138795A JP27138795A JPH09113066A JP H09113066 A JPH09113066 A JP H09113066A JP 27138795 A JP27138795 A JP 27138795A JP 27138795 A JP27138795 A JP 27138795A JP H09113066 A JPH09113066 A JP H09113066A
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JP
Japan
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heat transfer
pipe
transfer tube
tube
absorbing liquid
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Application number
JP27138795A
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English (en)
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Masahiro Furukawa
雅裕 古川
Naoe Sasaki
直栄 佐々木
Yoshihiro Nishimoto
嘉弘 西本
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Sanyo Electric Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09113066A publication Critical patent/JPH09113066A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収液の濃度が低い場合でも、優れた熱交換
効率を発揮すると共に、管内の圧力損失の低減化を有利
に図り得る吸収器用伝熱管を提供する。 【解決手段】 管外表面において管軸方向に延びる円弧
状の湾曲面形状の山部の複数が、管周方向において、隣
接する山部間に所定の谷部を形成しつつ、配設されてな
る構造を有し、かかる管外表面に吸収液を滴下または散
布する一方、管内の冷却流体によって、管外の吸収液を
冷却するようにした吸収器用伝熱管において、前記各山
部に対して、管周方向に延びる凹部を管軸方向に所定間
隔を隔てて多数設けて、該凹部間の山部部分をそれぞれ
独立したフィンとして構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、吸収式冷凍機や吸収式ヒートポ
ンプ等の吸収器内に配管される吸収器用伝熱管に係り、
特に管内の圧力損失や吸収液所要量を低く保ちつつ、優
れた熱交換効率を実現する吸収器用伝熱管に関するもの
である。
【0002】
【背景技術】一般に、上記の吸収式冷凍機や吸収式ヒー
トポンプ等の吸収器に用いられる伝熱管としては、内外
面が平滑な円形断面の平滑管が採用されている。ところ
が、かかる平滑管は、その伝熱性能が低いために、吸収
器の高性能化や小型化の要求に対処することが困難であ
った。また、このような平滑管では、管外周面を管周方
向に流下せしめられる吸収液の幅が、表面張力により、
下方に行くに従って狭くなってしまうために、有効な熱
交換作用を発揮せしめるために必要な濡れ面積が確保さ
れ難いと共に、管外表面に渇き面が生じ易く、吸収液の
水蒸気吸収率、延いては伝熱性能が低下してしまうとい
う問題もあった。
【0003】そこで、これら問題点の解消を図るものと
して、例えば実開平2−89270号公報、特開平2−
176378号公報等に示される如き構成の伝熱管が、
提案されている。即ち、それらの伝熱管は、その管外表
面において管長方向に延びる複数の山部及びその山部間
に形成された谷部が、管周方向に連続した湾曲面形状を
もって形成されると共に、前記谷部の曲率半径が、山部
の曲率半径よりも大きなものとされているのである。
【0004】そして、このような伝熱管にあっては、吸
収器内において、水平方向に配置して用いた場合に、管
外表面に滴下乃至は散布された吸収液が、山部よりも曲
率半径の大きい谷部へスムーズに流れることにより、谷
部での吸収液の入れ換えがスムーズとなり、伝熱管の全
周に亘って均一に流れたりすることにより、また山部で
発生したマランゴニー対流(吸収液に含まれる界面活性
剤の液膜表面の濃度分布による表面張力差に起因する張
力対流)と谷部で発生したマランゴニー対流とが互いに
干渉し合って、長手方向、即ち管軸方向に大きな撹乱作
用が発生せしめられたりすることにより、管外表面での
熱交換が促進され得て、以てその熱交換効率が向上せし
められているのである。
【0005】ところが、かくの如き構造とされた伝熱管
は、平滑管よりも伝熱性能が改善されるものの、伝熱面
積が平滑管と同程度であるために、更なる性能向上を図
ることが困難であるという問題があった。
【0006】一方、伝熱管の製造の簡略化による製造コ
ストの低減化と加工速度の向上を図るためには、管周方
向の山数を少なくすることが有効であるが、そうする
と、伝熱性能の低下が問題となるのであり、また、伝熱
性能の低下を軽減するために谷部の深さを深くすると、
今度は管路断面積の減少によって冷却流体たる冷却水の
水頭損失が大きくなり、冷却水ポンプの容量が不足した
り、吸収液が谷部に停滞することにより、吸収液交換の
進捗が遅れることとなって、熱交換効率が低下したり、
更には熱交換効率を補うために、伝熱管を多数本設置す
る場合には、吸収液の充填所要量が多くなったりする等
の問題が惹起されることとなる。
【0007】また、かかる伝熱管にあっては、吸収器内
の配管位置によって、惹起されるマランゴニー対流の大
きさが変化するところから、伝熱管の有する伝熱性能が
充分に発揮され得ないという問題を有していた。より詳
細には、通常、吸収器の上部から滴下された直後の吸収
液は、水蒸気を余り吸収しておらず、比較的高濃度であ
るが、他方、吸収器の下部まで流下せしめられた吸収液
は、水蒸気を多く吸収していて、比較的低濃度である。
そして、マランゴニー対流は、吸収液の濃度に比例して
強くなるものであるところから、吸収器の上部に配管さ
れる、即ち高い濃度の吸収液に晒される伝熱管では、そ
の管外表面で強いマランゴニー対流が生じて、優れた伝
熱性能が得られるのに対して、吸収器の下部に配管され
る、即ち低い濃度の吸収液に晒される伝熱管では、その
管外表面でマランゴニー対流が殆ど惹起されず、管軸方
向の撹乱作用が殆ど無くなるところから、平滑管と同程
度の伝熱性能しか得られなくなるのである。このよう
に、従来の伝熱管では、特に低い濃度の吸収液に対する
伝熱性能が不充分なものであったのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景として為されたものであって、その課題とするところ
は、吸収液の濃度が低い場合でも、優れた熱交換効率を
発揮すると共に、管内の圧力損失の低減化を有利に図り
得る吸収器用伝熱管を提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、そのような課題を解決するため
に、本発明は、管外表面において管軸方向に延びる円弧
状の湾曲面形状の山部の複数が、管周方向において、隣
接する山部間に所定の谷部を形成しつつ、配設されてな
る構造を有し、かかる管外表面に吸収液を滴下または散
布する一方、管内の冷却流体によって、管外の吸収液を
冷却するようにした吸収器用伝熱管において、前記各山
部に対して、管周方向に延びる凹部を、管軸方向に所定
間隔を隔てて多数設けて、該凹部間の山部部分をそれぞ
れ独立したフィンとして構成したことを、その要旨とす
るものである。
【0010】すなわち、このような本発明に従う構造と
された伝熱管では、管外表面に付着したLiBr水溶液
等の吸収液が、谷部を伝わって管軸方向に向って、効果
的に流延せしめられると共に、各山部を越えて管周方向
に流下せしめられるようになる。そして、その際に、各
山部は円弧状の湾曲面形状をもって形成されているとこ
ろから、伝熱管の表面に付着した吸収液が、それら山部
を越えて管周方向において、スムーズに流下せしめられ
得、山部表面の濡れ状態が有利に維持されて、所謂渇き
面の発生による伝熱性能の低下が効果的に防止され得る
と共に、山部を越えて吸収液が流下せしめられる際、傾
斜角度の変化等によって、吸収液に撹乱、対流現象が効
果的に惹起され得、吸収液の濃度の濃い部分が外面に良
好に晒されて、水蒸気の吸収作用が向上せしめられる。
【0011】また、かかる伝熱管では、その外表面に形
成された前記山部や谷部において、吸収液の液膜の厚さ
に比例して、強さの異なるマランゴニー対流が、山部や
谷部に沿って生ぜしめられているのであるが、山部にお
ける吸収液の液膜の厚さと谷部における吸収液の液膜の
厚さとが大きく異なっているところから、山部において
発生するマランゴニー対流の強さと谷部において発生す
るマランゴニー対流の強さが、大きく異なる。そして、
それら強さの異なるマランゴニー対流が互いに干渉する
ことにより、吸収液が強く撹乱されるのである。
【0012】さらに、本発明に従う吸収器用伝熱管で
は、山部に対して、管周方向に延びる凹部を管軸方向に
所定間隔を隔てて多数設けて、該凹部間の山部部分をそ
れぞれ独立したフィンとして構成しているのであるが、
そのような構成を採用することによって、特に低濃度の
吸収液に対して、優れた伝熱性能が発揮され得るのであ
る。即ち、吸収器に入れられた直後の高濃度の吸収液
が、かかる伝熱管の外表面を流下せしめられる場合に
は、その粘性が高いところから、吸収液が前記凹部に入
りにくい。そこで、吸収液は、山部の管外表面をスムー
ズに流れて、通常の伝熱管と同様に山部と谷部とで、そ
れぞれマランゴニー対流が惹起され、それが干渉するこ
とにより、優れた伝熱性能を発揮することが出来るので
あるが、一方、吸収器内で水蒸気を吸収して、低濃度と
なった吸収液が管外表面を流下せしめられる場合には、
その粘性が低いために、吸収液が前記凹部に侵入して、
伝熱管と吸収液との接触面積が有利に確保され、優れた
伝熱性能を発揮し得ることとなるのである。従って、吸
収液の濃度が高い場合には、強いマランゴニー対流の干
渉により、優れた伝熱性能を発揮し得て、また、吸収液
の濃度が低い場合には、伝熱管と吸収液との接触面積が
有利に拡大せしめられることにより、効率的な伝熱性能
を発揮し得るのであり、以て高濃度から低濃度までの広
い濃度範囲の吸収液に晒されても、安定した伝熱性能を
発揮し得ることとなるのである。
【0013】また、本発明に従う吸収器用伝熱管の好ま
しい態様によれば、前記フィンの高さは、前記谷部の深
さより小さくされる。特に、このような構成を採用する
ことによって、フィン間の凹部に沿った管周方向の流れ
よりも、谷部に沿った管軸方向の流れが促進されるとこ
ろから、吸収液が管周方向へスムーズに移動することと
なるのである。
【0014】さらに、本発明に従う吸収器用伝熱管の別
の好ましい態様によれば、前記谷部の底部には、それぞ
れ管軸方向に延びる溝部が、管周方向において不連続面
で連接する断面形状をもって設けられることとなる。そ
して、そのような管軸方向に延びる溝部の形成によっ
て、当該溝部の形成部位において、吸収液の液膜の厚さ
が、管周方向に不連続に変化せしめられ、以て山部及び
谷部のそれぞれにおいて発生するマランゴニー対流の干
渉作用がより大きなものとされるのである。しかも、か
かる溝部が、谷部に形成されているところから、山部に
おける吸収液の液膜の厚さと溝部における吸収液の液膜
の厚さとの差が、より一層大きなものとなるのであっ
て、それ故に、通常運転時のように、吸収液が所定量滴
下しているときに、マランゴニー対流が効果的に発生せ
しめられるだけでなく、起動時などの吸収液の滴下量が
少ないときにも、有利に液膜の厚さが生ぜしめられて、
有効なマランゴニー対流による撹乱作用が発揮され得る
のであり、延いては伝熱性能がより一層向上せしめられ
得るのである。なお、この溝部は、深さが浅いために、
吸収液の入れ換わりには全く支障を来すことがなく、伝
熱管の外表面での吸収液の管周方向への移動は速やかに
行われることとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】ところで、かくの如き吸収器用伝
熱管においては、山部が湾曲面形状にて形成されて、管
外表面を流下せしめられる吸収液の流れが容易となるよ
うになっているが、山部の管周方向における数は、特に
限定されるものではなく、伝熱管の直径の大きさ等を考
慮して、適宜に選定されることとなる。即ち、山部の数
は、少な過ぎると伝熱性能が充分に得られず、また多過
ぎると加工性が悪くなるところから、一般に3〜25個
/管周程度とされ、そのような山部の数を実現するため
に、山部の曲率半径は、0.5mm〜5.0mm程度と
される。
【0016】また、前記山部間に形成される谷部は、山
部の形状によって、その形状が規定されることとなる
が、そのような谷部の深さは、通常、0.1mm〜1.
5mm程度となるようにされる。けだし、谷部が深過ぎ
る場合には、伝熱管の管路断面積が減少して、管内の圧
力損失が大きくなるからである。なお、本発明におい
て、谷部の深さとは、谷部の底面(谷部の底部に溝部を
設けるときは溝部の底面)から、該谷部を挟んだ両側に
隣接位置する山部の頂点に接する直線に下ろした垂線の
長さのことを意味している。
【0017】さらに、本発明に係る吸収器用伝熱管は、
前記各山部に対して、管周方向に延びる凹部を、管軸方
向に所定間隔を隔てて多数設けて、該凹部間の山部部分
をそれぞれ独立したフィンとして構成したことを特徴と
するものであるが、管横断面におけるフィンの形状は、
それが凹部の形成されていない山部部分により構成され
ているところから、山部部分と同一、即ち湾曲面形状を
呈している。一方、管縦断面におけるフィンの形状は、
凹部の断面形状によって規定されて、各種の形状が採用
され得ることとなる。そして、そのようなフィンの縦断
面形状を規定する凹部の断面形状としては、吸収液の凹
部への適当な侵入性を発揮させるために、前記フィンの
高さ、フィン間隔、フィンの先端の距離等の条件が満た
される限りにおいて、台形形状、U字形状、円弧状の湾
曲形状等の各種の形状が適宜に採用され得るものであ
る。
【0018】また、かかるフィンの高さは、低過ぎると
吸収液と伝熱管との接触面積の増大効果が期待出来ず、
一方高過ぎるとフィンが管外周に形成された液膜を分断
する虞があるところから、通常、0.05mm〜1.5
mm程度とされ、管軸方向への液膜拡張を促進するため
には、谷部の深さより小さな値とされることが好まし
い。なお、本発明において、フィンの高さとは、隣接位
置するフィンの頂部を結ぶ直線に、その間の凹部の底面
から下ろした垂線の長さを意味している。
【0019】さらに、フィンの間隔は、0.5mm〜
3.0mm程度とされる。けだし、フィンの間隔が小さ
過ぎると、比較的低濃度の場合でも、吸収液がフィン間
の凹部に侵入し難かったり、凹部に侵入した吸収液が滞
留し易かったりするところから、好ましくないからであ
り、またフィンの間隔が大き過ぎると、伝熱面積を増大
させる効果が得られなくなるからである。なお、本発明
において、フィンの間隔とは、あるフィンの所定の位置
とその隣のフィンの前記所定の位置に対応する位置の管
軸方向における距離のことを意味している。
【0020】更にまた、フィンの先端間の距離は、低濃
度の吸収液が凹部へ侵入し易く、高濃度の吸収液が侵入
し難いことと、凹部での吸収液の不必要な滞留を防止す
ることを考慮すると、0.25mm〜1.5mm程度と
されるのが適当である。なお、本発明において、フィン
の先端間の距離とは、隣り合うフィンの頂部(先端)を
結ぶ直線の長さのことを意味している。
【0021】また、本発明に係る吸収器用伝熱管におい
ては、撹乱作用をより大ならしめるために、谷部の底部
に溝部を形成することが好ましいが、かかる溝部は、山
部及び谷部と、管周方向において不連続面で連接するよ
うに形成される。なお、ここで言う、不連続面で連接す
るとは、山部及び谷部の外周曲面と、溝部の外周面と
が、管軸方向に直角な断面において、共通接線を持たな
い交点で管周方向に接続されていることを意味するもの
である。
【0022】そして、このような溝部の断面形状は、特
に限定されるものではなく、円弧形状、U字形状、V字
形状、コ字形状、或いは台形形状等の各種の形状が適宜
に採用され得るが、その内部への吸収液の不必要な滞留
を防止するために、その深さは、0.01〜0.15m
m程度に設定される。
【0023】ところで、かくの如き吸収器用伝熱管を構
成する材料としては、公知の各種の材料が用いられ得る
が、より伝熱性能の優れた伝熱管を得るためには、伝熱
性の優れた材料、例えば銅や銅合金等が用いられること
が望ましい。また、得られる伝熱管の管径は、通常、
6.35mm〜25.4mm程度とされる。
【0024】そして、上述の如き本発明に従う吸収器用
伝熱管は、基本的には、実開平2−89270号公報、
特開平2−176378号公報、特開平7−24522
号公報等に開示されているような公知の手法に従って、
先ず、通常の花柄管を得て、次いで、目的とする吸収器
用伝熱管を与えるように、転造加工を施すことにより、
山部に凹部を設け、該凹部間の山部部分をフィンとして
構成することによって製造されることとなる。
【0025】勿論、前記花柄管を得る方法には、例えば
伝熱管を冷間乃至は熱間の引抜き加工により製造する方
法、或いは所定組成の銅パイプ等を用いた熱間押出し加
工、冷間押出し加工等により、得る方法があるが、何れ
の方法であっても、何等差し支えないことは、言うまで
もないところである。
【0026】また、本発明に従う伝熱管における各谷部
に形成される溝部は、山部及び谷部に対して不連続曲面
を介して連接される構成であるところから、上述の如き
製造手法において、通常の異径管加工技術を併せて用い
ることにより、容易に製造することが可能であり、形状
の安定性にも極めて優れたものとなる。
【0027】なお、本発明に従う吸収器用伝熱管の外表
面に形成される山部及び谷部は、上記で示される如く管
軸方向に直線的に形成されるものに、何等限定されるも
のではなく、管軸方向に螺旋状に形成されたものであっ
ても、何等差し支えない。尤も、その際、山部及び谷部
の管軸に対する捩れ角が余り大きくなると、山部を越え
て流下する吸収液量が減少して、伝熱性能が低下すると
ころから、かかる捩れ角は、一般に、15゜以下に設定
することが望ましい。
【0028】また、そのような螺旋状の山部及び谷部を
有する伝熱管にあっては、螺旋状の谷部と山部を有する
ダイスを用いることにより、又は被加工管たる円筒管と
ダイスとを相対回転させつつ引抜き加工等を行なうこと
により、先ず、螺旋状に山部と谷部を形成した加工管を
得て、次いでこれに、所定の凹部を形成するように転造
加工を施すことにより、容易に製造することができる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明をより一層具体的に明らかに
するために、本発明の実施例を示すこととするが、本発
明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約を
も受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0030】先ず、図1乃至図3には、本発明の一実施
例に係る吸収器用伝熱管2が示されている。この伝熱管
2は、C1220(JIS H3300)材質のリン脱
酸銅管(外径:16mmφ、肉厚:0.6mm)を用
い、これに対して、ダイスを用いた冷間の引抜き加工を
施して、管軸方向に延びる山部と谷部を形成した後、転
造加工を施して、管周方向に延びる凹部を、管軸方向に
所定間隔を隔てて設けることにより、得られたものであ
る。
【0031】より詳細には、図2に示されるように、直
径:dが16mmφの伝熱管2の管外表面には、湾曲面
形状の山部4及び該山部4の隣接するものの間に形成さ
れた谷部6が、管周方向に交互に位置せしめられ、そし
てそれら山部4及び谷部6は管軸方向に直線的に延びて
いる。なお、前記谷部6の深さ:Dは、0.8mmに形
成されている。また、前記山部4には、管軸方向に所定
間隔を隔てて管周方向に延びる凹部8が設けられてお
り、該凹部8間の山部部分がそれぞれ独立したフィン1
0として構成されている。更に、前記谷部6の底部に
は、山部4及び谷部6と不連続な面を介して接続される
溝部12が設けられている。しかも、かかる溝部12
が、山部4ではなくて、谷部6に設けられているところ
から、山部4と谷部6とにおける液膜の厚さの差、延い
てはマランゴニー対流の強さの差が、より一層大きくさ
れる構成となっている。
【0032】また、図3には、伝熱管2の縦断面の要部
拡大説明図が示されている。即ち、山部4に対して、凹
部8が直交するように設けられており、該凹部8間の山
部部分がフィン10として構成されている。そして、か
かるフィン10の縦断面における断面形状は、頂部が曲
面形状とされ、フィンの高さ:Fは、0.7mm、フィ
ンの間隔:Pは、0.6mm、フィンの先端間の距離:
Wは、0.4mmに形成されている。
【0033】ところで、かかる伝熱管2は、一般には、
図4に示されるように、吸収式冷凍機の吸収器14の内
部に、略水平な姿勢で、鉛直方向に複数本並列するよう
に配管され、そして該伝熱管2内に流通される冷却流体
たる冷却水によって、管外表面の吸収液が冷却されるよ
うになっているのである。即ち、先ず、この伝熱管2
に、その上方に設けられたトレイ16の吸収液滴下孔1
8から、界面活性剤を含んだ臭化リチウム水溶液などの
吸収液20が滴下または散布せしめられる。そして、こ
の滴下された吸収液20は、高濃度であるために、吸収
器内に存在する水蒸気を吸収しながら、伝熱管2の外表
面をスムーズに流下するのであり、その際に発生する熱
を伝熱管2の内側に通される冷却水に伝熱することによ
り、冷却されるのである。
【0034】より詳細には、図5、図6に示されるよう
に、伝熱管2の上方に位置する吸収液滴下孔(図示せ
ず)から滴下される吸収液20は、先ず、吸収器内の上
部に配置せしめられた伝熱管2の外表面を谷部6、山部
4、・・・、谷部6と、管周方向に谷部6と山部4とを
交互に流下していく。そしてこの時、山部4或いは谷部
6のそれぞれにおいて、吸収液20の液膜の厚さに応じ
たマランゴニー対流が生じるのであるが、各山部4にお
ける吸収液の液膜の厚さは、谷部6の吸収液の液膜の厚
さに比べてかなり薄いために、山部4において管軸方向
に比較的弱いマランゴニー対流が生じ、谷部6において
管軸方向に比較的強いマランゴニー対流が生じる。そし
て、山部4と谷部6のそれぞれで発生したマランゴニー
対流が干渉し合うことにより、吸収液20の管軸方向の
撹乱作用が著しく向上せしめられるのである。
【0035】しかも、本発明に従う吸収器用伝熱管2に
あっては、図6に示されるように、吸収器の上部にある
濃度の高い吸収液20の大部分は、フィン10間の凹部
8に完全に侵入することがなく、吸収液20が不必要に
伝熱管2に滞留することが防止されているところから、
優れた熱交換効率が発揮され得るのである。
【0036】また、本発明に従う構成の伝熱管2は、前
記谷部6の底部に溝部12が形成されることにより、液
膜の厚さが、各谷部6において、より大きくなるように
構成されているところから、通常運転時のように、吸収
液20が所定量滴下しているときに強いマランゴニー対
流が発生するだけでなく、起動時などのように、滴下量
が少ないときにも、溝部12に吸収液20が集まって、
所定の厚さを与えるところから、マランゴニー対流の強
さを有利に高めることが出来、延いては伝熱性能を向上
せしめ得るのである。なお、溝部12の深さは、0.0
3mmと小さく設定されており、その深さは小さなもの
であるために、吸収液20の交換には問題がなく、伝熱
管2の外表面での吸収液20の管周方向への移動が速や
かに行なわれる。そして、本発明に従う伝熱管2におい
ては、従来から用いられている伝熱管と比較すると、溝
部12に相当する吸収液20を増加させるだけで、熱交
換効率を効果的に向上せしめることが出来るのであり、
更には、熱交換効率を高めた伝熱管と比較しても、吸収
液20の所要量が少なくても、熱交換効率を改善するこ
とが出来て、管内の圧力損失を低減することが出来るの
である。
【0037】そして、前記の如くして吸収器14の下部
まで流下せしめられた吸収液20は、濃度が低く、そこ
に配管されている伝熱管2の管外表面におけるマランゴ
ニー対流は、それ程大きなものとはならないのである
が、本発明に従う吸収器用伝熱管2にあっては、接触面
積の増大による伝熱性能の向上が図られている。即ち、
図7及び図8に示されるように、低い濃度の吸収液20
がフィン10間の凹部8に侵入して、伝熱管2と吸収液
20との接触面積が有利に増大せしめられるのである。
従って、本発明に従う吸収器用伝熱管2を用いることに
よって、吸収器の下部のように、吸収液20の濃度が低
い条件であっても、伝熱性能が著しく向上せしめられ得
るのである。
【0038】このように、本発明に従う吸収器用伝熱管
2にあっては、吸収液20の濃度が高い場合には、マラ
ンゴニー対流により吸収液20が充分に撹拌されて、優
れた伝熱性能を発揮すると共に、吸収液20の濃度が低
い場合でも、フィン10間の凹部8が設けられているこ
とにより、伝熱管2と吸収液20との接触面積を効果的
に増大せしめることが出来て、優れた伝熱性能が発揮さ
れ得るようになるのである。
【0039】ところで、本発明に従う吸収器用伝熱管
は、上記の如き構成に何等限定されるものではなく、例
えばフィン10の縦断面の形状が、図9或いは図10に
示される如き形状のものでも何等差し支えない。即ち、
図9に示される伝熱管22では、フィン10の縦断面形
状を規定する凹部8の断面形状がU字形状であり、また
図10に示される伝熱管24では、そのフィン10の縦
断面形状を規定する凹部8の断面形状が円弧状の湾曲面
形状であるが、かくの如き伝熱管であっても、前記伝熱
管2と同様に、優れた吸収液の撹乱作用が得られるので
ある。
【0040】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る吸収器用伝熱管にあっては、高濃度の吸収液が
滴下せしめられる場合には、山部と谷部とで、それぞれ
発生するマランゴニー対流が干渉することにより、強い
吸収液の撹乱作用が発揮され得て、伝熱性能が向上せし
められるのである。一方、低濃度の吸収液が流下せしめ
られる場合には、フィン間の凹部に、吸収液が侵入する
ところから、伝熱管と吸収液との接触面積が有利に増大
せしめられ得て、伝熱性能が効果的に向上せしめられる
のである。従って、吸収液の濃度の高低に拘らず、優れ
た熱交換効率が安定して得られ、用いられる伝熱管が一
種類であっても、その配管位置による伝熱性能のムラが
解消されるのである。
【0041】そして、本発明に係る吸収器用伝熱管で
は、熱交換効率が有利に向上せしめられていることによ
り、山部を多く形成したり、谷部を深く形成したりする
必要もないのであり、従って、従来から公知の各種の方
法、例えば冷間引抜き加工や異径管加工と転造加工を組
み合せることによって容易に製造出来、また管内の水頭
損失を効果的に低減し得るのであり、更には、吸収器の
小型化やエネルギー効率の改善を有利に図り得るのであ
る。
【0042】さらに、管外表面に流下せしめられる吸収
液の撹乱作用をより増強するために、谷部の底部に、不
連続面で連接する断面形状の溝部を設けた場合には、そ
の不連続面の存在により、吸収液の撹乱作用が増強され
ると共に、吸収液の量が少ない場合でも、有利に液膜の
厚さが確保されて、マランゴニー対流を効率的に発生さ
せることが出来るため、吸収液の所要量を効果的に低減
し得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸収器用伝熱管の一例を示す斜視
説明図である。
【図2】図1に示される伝熱管の横断面説明図である。
【図3】図1に示される伝熱管山部の縦断面拡大説明図
である。
【図4】図1に示される伝熱管の複数本を吸収器内へ配
設した状態の一例を示す説明図である。
【図5】図4に示される吸収器の、上部に配管される伝
熱管の横断面説明図である。
【図6】図5に示される吸収器の伝熱管山部の縦断面拡
大説明図である。
【図7】図4に示される吸収器の、下部に配管される伝
熱管の横断面説明図である。
【図8】図7に示される吸収器の伝熱管山部の縦断面拡
大説明図である。
【図9】本発明に係る吸収器用伝熱管のフィン形状の異
なる例を示す、図3と同様な伝熱管山部の縦断面拡大説
明図である。
【図10】本発明に係る吸収器用伝熱管のフィン形状の
更に異なる例を示す、図3と同様な伝熱管山部の縦断面
拡大説明図である。
【符号の説明】
2 伝熱管 4 山部 6 谷部 8 凹部 10 フィン 12 溝部 14 吸収器 16 トレイ 18 吸収液滴下孔 20 吸収液 22 伝熱管 24 伝熱管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 嘉弘 東京都港区新橋五丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管外表面において管軸方向に延びる円弧
    状の湾曲面形状の山部の複数が、管周方向において、隣
    接する山部間に所定の谷部を形成しつつ、配設されてな
    る構造を有し、かかる管外表面に吸収液を滴下または散
    布する一方、管内の冷却流体によって、管外の吸収液を
    冷却するようにした吸収器用伝熱管において、 前記各山部に対して、管周方向に延びる凹部を、管軸方
    向に所定間隔を隔てて多数設けて、該凹部間の山部部分
    をそれぞれ独立したフィンとして構成したことを特徴と
    する吸収器用伝熱管。
  2. 【請求項2】 前記フィンの高さが、前記谷部の深さよ
    り小さくされている請求項1に記載の吸収器用伝熱管。
  3. 【請求項3】 前記谷部の底部に、それぞれ管軸方向に
    延びる溝部が、管周方向において不連続面で連接する断
    面形状をもって設けられている請求項1又は請求項2に
    記載の吸収器用伝熱管。
JP27138795A 1995-10-19 1995-10-19 吸収器用伝熱管 Pending JPH09113066A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11294899A (ja) * 1998-04-08 1999-10-29 Kobe Steel Ltd 吸収式熱交換器の吸収器用伝熱管

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11294899A (ja) * 1998-04-08 1999-10-29 Kobe Steel Ltd 吸収式熱交換器の吸収器用伝熱管

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