JPH09119931A - 糞便成分と共存する血液蛋白安定化方法 - Google Patents
糞便成分と共存する血液蛋白安定化方法Info
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- JPH09119931A JPH09119931A JP30205195A JP30205195A JPH09119931A JP H09119931 A JPH09119931 A JP H09119931A JP 30205195 A JP30205195 A JP 30205195A JP 30205195 A JP30205195 A JP 30205195A JP H09119931 A JPH09119931 A JP H09119931A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、糞便成分と共存する血液蛋白を保護
する新規な物質を提供することを課題としている。この
保護物資は、公知の安定剤では十分な効果が期待できな
い未知の変性・分解作用に対して有効である。 【解決手段】本発明は、次の性状a)−c)で特徴づけ
られる成分に対する阻害剤を利用した、糞便成分と共存
する血液蛋白安定化技術を提供する。 a)正常なヒト糞便中に含まれる b)血液蛋白の抗原性を低下させる活性を持つ c)この成分を溶解した状態でポアサイズ5μmを持つ
メンブレンフィルターでろ過した場合にろ過液に含まれ
る 【効果】本発明によれば、糞便懸濁液中等に存在するヘ
モグロビン等の血液蛋白を効果的に安定化することがで
きる。本発明は特にヘモグロビンの抗原性の保護効果に
優れ、免疫学的分析対象としてのヘモグロビンの安定化
に有用な技術である。
する新規な物質を提供することを課題としている。この
保護物資は、公知の安定剤では十分な効果が期待できな
い未知の変性・分解作用に対して有効である。 【解決手段】本発明は、次の性状a)−c)で特徴づけ
られる成分に対する阻害剤を利用した、糞便成分と共存
する血液蛋白安定化技術を提供する。 a)正常なヒト糞便中に含まれる b)血液蛋白の抗原性を低下させる活性を持つ c)この成分を溶解した状態でポアサイズ5μmを持つ
メンブレンフィルターでろ過した場合にろ過液に含まれ
る 【効果】本発明によれば、糞便懸濁液中等に存在するヘ
モグロビン等の血液蛋白を効果的に安定化することがで
きる。本発明は特にヘモグロビンの抗原性の保護効果に
優れ、免疫学的分析対象としてのヘモグロビンの安定化
に有用な技術である。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糞便成分と共存した状
態に有る血液蛋白の安定化方法に関するものである。具
体的には、免疫学的な手法による検出の対象となる糞便
試料中の血液蛋白の安定化技術に関するものである。糞
便に含まれるヘモグロビンに代表される血液蛋白の検出
は、多くの疾患の診断に有用である。たとえば糞便中へ
の出血(便潜血)の指標としての血液蛋白の検出は、大
腸癌をはじめとする消化器系の疾患の診断における重要
な情報となる。近年は、古くから便中のヘモグロビンの
検出に利用されていた化学的な発色反応に基づく試験紙
法に代わり、ヘモグロビンに対する抗体を利用した免疫
学的手法による検出方法が普及し、手軽な検査方法とし
て定着している。またヘモグロビン以外の血液蛋白を指
標とする診断技術についても、ハプトグロビン、α−1
アンチトリプシン、α−2マクログロブリン、トランス
フェリン、ラクトフェリン等様々な報告が有る。この他
に糞便中のCEAを消化器系の癌マーカーとする試みも
有る。
態に有る血液蛋白の安定化方法に関するものである。具
体的には、免疫学的な手法による検出の対象となる糞便
試料中の血液蛋白の安定化技術に関するものである。糞
便に含まれるヘモグロビンに代表される血液蛋白の検出
は、多くの疾患の診断に有用である。たとえば糞便中へ
の出血(便潜血)の指標としての血液蛋白の検出は、大
腸癌をはじめとする消化器系の疾患の診断における重要
な情報となる。近年は、古くから便中のヘモグロビンの
検出に利用されていた化学的な発色反応に基づく試験紙
法に代わり、ヘモグロビンに対する抗体を利用した免疫
学的手法による検出方法が普及し、手軽な検査方法とし
て定着している。またヘモグロビン以外の血液蛋白を指
標とする診断技術についても、ハプトグロビン、α−1
アンチトリプシン、α−2マクログロブリン、トランス
フェリン、ラクトフェリン等様々な報告が有る。この他
に糞便中のCEAを消化器系の癌マーカーとする試みも
有る。
【0002】
【従来技術の問題点】糞便試料中に含まれるヘモグロビ
ン等を検出するには、検査施設まで試料を輸送する必要
が有る。糞便試料の輸送は、例えば実公平5−1765
2号公報等に記載された輸送容器で行う。この種の容器
を利用することにより、糞便の定量的な採取が可能とな
り、また簡単に糞便懸濁液をろ過することができる。糞
便を採取した容器は、郵送等の手段で検査施設に輸送さ
れる。
ン等を検出するには、検査施設まで試料を輸送する必要
が有る。糞便試料の輸送は、例えば実公平5−1765
2号公報等に記載された輸送容器で行う。この種の容器
を利用することにより、糞便の定量的な採取が可能とな
り、また簡単に糞便懸濁液をろ過することができる。糞
便を採取した容器は、郵送等の手段で検査施設に輸送さ
れる。
【0003】輸送中は糞便に含まれる細菌やその他の多
くの成分と検出対象である血液蛋白が共存する状態に有
る。また一般には温度の管理が困難なため、保存上は好
ましくない温度条件にさらされることも避けられない。
したがって輸送中の血液蛋白は、常に変性や分解の可能
性が有る。輸送中の血液蛋白の変性や分解は誤った検出
結果につながりかねないので極力小さくすることが望ま
れる。ヘモグロビンに限らず、蛋白物質の安定化には他
の蛋白や糖が用いられる。ヘモグロビンについても、蛋
白としてウシ血清アルブミン(以下BSAと省略す
る)、ウサギ血清アルブミン(以下RSAと省略す
る)、あるいは卵白アルブミン等が、糖としてはショ糖
等が安定化効果を示すことが知られている。しかしこれ
らの一般的な安定剤は特に糞便懸濁液中でのヘモグロビ
ン安定化効果が小さく、十分な保存性能を期待できな
い。糞便中には細菌や蛋白分解酵素のようなヘモグロビ
ンの変性や分解の原因となる多くの成分が存在し、蛋白
や糖のみではヘモグロビンを十分に保護できないのであ
る。また糖や蛋白は微生物に消費されやすく、安定化効
果を長時間維持することが困難である。
くの成分と検出対象である血液蛋白が共存する状態に有
る。また一般には温度の管理が困難なため、保存上は好
ましくない温度条件にさらされることも避けられない。
したがって輸送中の血液蛋白は、常に変性や分解の可能
性が有る。輸送中の血液蛋白の変性や分解は誤った検出
結果につながりかねないので極力小さくすることが望ま
れる。ヘモグロビンに限らず、蛋白物質の安定化には他
の蛋白や糖が用いられる。ヘモグロビンについても、蛋
白としてウシ血清アルブミン(以下BSAと省略す
る)、ウサギ血清アルブミン(以下RSAと省略す
る)、あるいは卵白アルブミン等が、糖としてはショ糖
等が安定化効果を示すことが知られている。しかしこれ
らの一般的な安定剤は特に糞便懸濁液中でのヘモグロビ
ン安定化効果が小さく、十分な保存性能を期待できな
い。糞便中には細菌や蛋白分解酵素のようなヘモグロビ
ンの変性や分解の原因となる多くの成分が存在し、蛋白
や糖のみではヘモグロビンを十分に保護できないのであ
る。また糖や蛋白は微生物に消費されやすく、安定化効
果を長時間維持することが困難である。
【0004】糞便懸濁液中のヘモグロビンを安定化する
技術としては、溶菌酵素の添加(特公平5−6946
6)、プロテアーゼ阻害物質の添加(特開平3−279
859)、pHのコントロール(特開平5−28122
6)、鉄プロトポルフィリンの添加(特開平5−281
227)等が知られている。これらは細菌の影響を抑制
したり、あるいはヘモグロビンと構造的に類似する化合
物によりヘモグロビンに対する影響を分散させることで
ヘモグロビンの保護効果を示すものと考えられる。しか
し糞便中にはこれらの公知のヘモグロビン安定化技術で
はなお影響を抑制することのできないヘモグロビンの変
性や分解作用が存在する。したがって現在のヘモグロビ
ン安定化技術には、未だに改善の余地が有る。
技術としては、溶菌酵素の添加(特公平5−6946
6)、プロテアーゼ阻害物質の添加(特開平3−279
859)、pHのコントロール(特開平5−28122
6)、鉄プロトポルフィリンの添加(特開平5−281
227)等が知られている。これらは細菌の影響を抑制
したり、あるいはヘモグロビンと構造的に類似する化合
物によりヘモグロビンに対する影響を分散させることで
ヘモグロビンの保護効果を示すものと考えられる。しか
し糞便中にはこれらの公知のヘモグロビン安定化技術で
はなお影響を抑制することのできないヘモグロビンの変
性や分解作用が存在する。したがって現在のヘモグロビ
ン安定化技術には、未だに改善の余地が有る。
【0005】このような問題点の解決のために、本出願
人は耐熱性変性因子からヘモグロビンを保護する技術と
して金属錯体の添加を提案した(特開平7−22990
2)。しかし糞便においてはたいへん多様な成分がヘモ
グロビンの変性に関与していると考えられ、これらの先
行技術を組み合わせてもなお糞便成分と共存するヘモグ
ロビンを完全に保護することは困難である。加えて従来
のヘモグロビン安定化技術は、ヘモグロビンの安定化の
みを意識していたためその他の蛋白質に対する保護効果
を期待できないことがあった。実際にはヘモグロビン以
外の血液蛋白質についても分析の対象とする診断技術が
存在している以上、これらヘモグロビン以外の血液蛋白
質に対しても保護効果を期待できる安定化技術が望まれ
ている。
人は耐熱性変性因子からヘモグロビンを保護する技術と
して金属錯体の添加を提案した(特開平7−22990
2)。しかし糞便においてはたいへん多様な成分がヘモ
グロビンの変性に関与していると考えられ、これらの先
行技術を組み合わせてもなお糞便成分と共存するヘモグ
ロビンを完全に保護することは困難である。加えて従来
のヘモグロビン安定化技術は、ヘモグロビンの安定化の
みを意識していたためその他の蛋白質に対する保護効果
を期待できないことがあった。実際にはヘモグロビン以
外の血液蛋白質についても分析の対象とする診断技術が
存在している以上、これらヘモグロビン以外の血液蛋白
質に対しても保護効果を期待できる安定化技術が望まれ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は公知の安定剤
では十分な効果を期待できない血液蛋白変性・分解作用
に対して有効な、新規な保護物質の提供を第一の課題と
している。特に変性・分解作用の強い糞便成分との共存
下で、抗原構造の維持が困難なヘモグロビンを効果的に
安定化するための技術の提供が本発明の最も大きな課題
である。また本発明の第二の課題は、分析用試料として
の血液蛋白を安定化する技術の提供に有る。すなわち分
析時の反応系に対して影響を与えることのない、ヘモグ
ロビンのような血液蛋白を安定化する技術を提供するも
のである。本発明の第三の課題は、新しい血液蛋白安定
化剤を利用した免疫学的検出用の糞便を分散、あるいは
懸濁や希釈するための分散媒を提供することにある。本
発明者らは、糞便を各種分画に分けてその血液蛋白変性
・分解作用を追跡するという従来にないアプローチを試
み、特定の分画に血液蛋白質の抗原性に影響を与える活
性の存在することを見出した。そしてこの活性を阻害剤
を使って抑制することによって、糞便成分と共存する血
液蛋白の安定化できることを確認し本発明を完成した。
では十分な効果を期待できない血液蛋白変性・分解作用
に対して有効な、新規な保護物質の提供を第一の課題と
している。特に変性・分解作用の強い糞便成分との共存
下で、抗原構造の維持が困難なヘモグロビンを効果的に
安定化するための技術の提供が本発明の最も大きな課題
である。また本発明の第二の課題は、分析用試料として
の血液蛋白を安定化する技術の提供に有る。すなわち分
析時の反応系に対して影響を与えることのない、ヘモグ
ロビンのような血液蛋白を安定化する技術を提供するも
のである。本発明の第三の課題は、新しい血液蛋白安定
化剤を利用した免疫学的検出用の糞便を分散、あるいは
懸濁や希釈するための分散媒を提供することにある。本
発明者らは、糞便を各種分画に分けてその血液蛋白変性
・分解作用を追跡するという従来にないアプローチを試
み、特定の分画に血液蛋白質の抗原性に影響を与える活
性の存在することを見出した。そしてこの活性を阻害剤
を使って抑制することによって、糞便成分と共存する血
液蛋白の安定化できることを確認し本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、次の性
状a)−c)で特徴づけられる成分に対する阻害剤を添
加することによる、糞便成分と共存する血液蛋白安定化
方法によって解決される。 a)正常なヒト糞便中に含まれる b)血液蛋白の抗原性を低下させる活性を持つ c)この成分を溶解した状態でポアサイズ5μmを持つ
メンブレンフィルターでろ過した場合にろ過液に含まれ
る あるいはこの安定化方法を適用した糞便懸濁液調製用の
分散媒によって解決される。更に具体的には、血液蛋白
の中でも特に変性を起こしやすいヘモグロビンの抗原構
造の保護が可能な技術が提供される。
状a)−c)で特徴づけられる成分に対する阻害剤を添
加することによる、糞便成分と共存する血液蛋白安定化
方法によって解決される。 a)正常なヒト糞便中に含まれる b)血液蛋白の抗原性を低下させる活性を持つ c)この成分を溶解した状態でポアサイズ5μmを持つ
メンブレンフィルターでろ過した場合にろ過液に含まれ
る あるいはこの安定化方法を適用した糞便懸濁液調製用の
分散媒によって解決される。更に具体的には、血液蛋白
の中でも特に変性を起こしやすいヘモグロビンの抗原構
造の保護が可能な技術が提供される。
【0008】本発明において性状a)に示した正常なヒ
ト糞便中に含まれるという特徴は重要である。本発明は
血液蛋白の抗原性を低下させる成分の活性を抑制するた
めの阻害剤として抗体のような化合物を使用する。この
とき出血した血液などを含む異常な糞便から抽出した成
分を免疫原とすると、検出対象とするべき血液蛋白に対
する抗体も生じてしまうおそれがある。このような抗体
を阻害剤として用いたのでは、血液蛋白とそれを検出す
るための試薬である抗体との免疫反応をブロックしてし
まうことになりかねない。したがって本発明における阻
害剤は、正常なヒト糞便中に存在する成分の活性を抑制
するものでなければならないのである。
ト糞便中に含まれるという特徴は重要である。本発明は
血液蛋白の抗原性を低下させる成分の活性を抑制するた
めの阻害剤として抗体のような化合物を使用する。この
とき出血した血液などを含む異常な糞便から抽出した成
分を免疫原とすると、検出対象とするべき血液蛋白に対
する抗体も生じてしまうおそれがある。このような抗体
を阻害剤として用いたのでは、血液蛋白とそれを検出す
るための試薬である抗体との免疫反応をブロックしてし
まうことになりかねない。したがって本発明における阻
害剤は、正常なヒト糞便中に存在する成分の活性を抑制
するものでなければならないのである。
【0009】一方性状b)の血液蛋白の抗原性を低下さ
せる活性とは、たとえば糞便の懸濁液中に血液蛋白と共
存させることによって、その血液蛋白に対する抗体との
反応性を低下させてしまう活性を言う。したがってその
活性には、血液蛋白の分解、構造的な変化、あるいは抗
体との結合部位のブロックといった作用が考えられる。
本発明ではこのような抗原性に影響を与える活性をまと
めて抗原性を低下させる活性と呼ぶ。
せる活性とは、たとえば糞便の懸濁液中に血液蛋白と共
存させることによって、その血液蛋白に対する抗体との
反応性を低下させてしまう活性を言う。したがってその
活性には、血液蛋白の分解、構造的な変化、あるいは抗
体との結合部位のブロックといった作用が考えられる。
本発明ではこのような抗原性に影響を与える活性をまと
めて抗原性を低下させる活性と呼ぶ。
【0010】更に性状c)の、この成分を溶解した状態
でポアサイズ5μmを持つメンブレンフィルターによる
ろ過液に含まれるとは、糞便の抽出液をろ過したときに
ろ過液の方に含まれる成分を意味する。抽出液には精製
水、生理食塩水、あるいはリン酸緩衝液やGOOD緩衝
液のような水系溶媒をあげることができる。またこれら
の水系溶媒に界面活性剤を加えたもので抽出した場合
も、そのろ過液は本発明における条件c)に含まれるも
のとする。
でポアサイズ5μmを持つメンブレンフィルターによる
ろ過液に含まれるとは、糞便の抽出液をろ過したときに
ろ過液の方に含まれる成分を意味する。抽出液には精製
水、生理食塩水、あるいはリン酸緩衝液やGOOD緩衝
液のような水系溶媒をあげることができる。またこれら
の水系溶媒に界面活性剤を加えたもので抽出した場合
も、そのろ過液は本発明における条件c)に含まれるも
のとする。
【0011】本発明によって提供される安定化技術が保
護の対象としている血液蛋白としては、ヘモグロビン、
ハプトグロビン、α−1アンチトリプシン、α−2マク
ログロブリン、アルブミン、酵素、トランスフェリン、
ラクトフェリン、α−1アンチキモトリプシン、および
グロブリン等を列挙することができる。中でも安定化を
必要とされている血液蛋白がヘモグロビンである。これ
らの血液蛋白は、糞便中に検出する時には消化管からの
出血や蛋白漏出の指標となる。またCEAは、癌患者の
血中に出現する血液蛋白である。このCEAを糞便中で
検出することによって癌の指標となる可能性が指摘され
ている。本発明においてはCEAのような血中の癌マー
カーも、糞便中に出現する時には安定化の対象とするこ
とができる。
護の対象としている血液蛋白としては、ヘモグロビン、
ハプトグロビン、α−1アンチトリプシン、α−2マク
ログロブリン、アルブミン、酵素、トランスフェリン、
ラクトフェリン、α−1アンチキモトリプシン、および
グロブリン等を列挙することができる。中でも安定化を
必要とされている血液蛋白がヘモグロビンである。これ
らの血液蛋白は、糞便中に検出する時には消化管からの
出血や蛋白漏出の指標となる。またCEAは、癌患者の
血中に出現する血液蛋白である。このCEAを糞便中で
検出することによって癌の指標となる可能性が指摘され
ている。本発明においてはCEAのような血中の癌マー
カーも、糞便中に出現する時には安定化の対象とするこ
とができる。
【0012】本発明における阻害剤は、前記a)−c)
の性状を持つ成分(以下、単にHb変性因子と呼ぶ)の
変性作用を阻害する成分である。Hb変性因子は、これ
までに糞便中において血液蛋白の抗原性に影響を与える
成分としては同定されたことのない成分である。本発明
者が確認したHb変性因子には、たとえば次のような性
状を備えた成分がある。 1.糞便の粒状分画から界面活性剤によって抽出される
成分 この成分は前記a)−c)の性状に加えて以下の性状
d)−f)を備えている。実施例に示すように、この分
画はSDS−PAGEによる分子量約30kDを持ち、蛋
白染色によって確認することができる。 d)水系溶媒による遠心洗浄後の粒状分画に含まれる e)この粒状分画から界面活性剤により溶出される f)100℃、5分間の煮沸によりヘモグロビンに対す
る抗原性変性作用が抑制される
の性状を持つ成分(以下、単にHb変性因子と呼ぶ)の
変性作用を阻害する成分である。Hb変性因子は、これ
までに糞便中において血液蛋白の抗原性に影響を与える
成分としては同定されたことのない成分である。本発明
者が確認したHb変性因子には、たとえば次のような性
状を備えた成分がある。 1.糞便の粒状分画から界面活性剤によって抽出される
成分 この成分は前記a)−c)の性状に加えて以下の性状
d)−f)を備えている。実施例に示すように、この分
画はSDS−PAGEによる分子量約30kDを持ち、蛋
白染色によって確認することができる。 d)水系溶媒による遠心洗浄後の粒状分画に含まれる e)この粒状分画から界面活性剤により溶出される f)100℃、5分間の煮沸によりヘモグロビンに対す
る抗原性変性作用が抑制される
【0013】2.糞便から水系溶媒によって抽出される
成分 この成分は前記a)−c)の性状に加えて以下の性状
g)−i)を備えている。 g)ヒト正常糞便から水系溶媒によって抽出される h)抽出液を試料の約100倍量の水系溶媒に対して分
画分子量約10000のセルロースチューブで透析した
時に透析膜内に残る i)100℃、5分間の煮沸によりヘモグロビンに対す
る抗原性変性作用が抑制される
成分 この成分は前記a)−c)の性状に加えて以下の性状
g)−i)を備えている。 g)ヒト正常糞便から水系溶媒によって抽出される h)抽出液を試料の約100倍量の水系溶媒に対して分
画分子量約10000のセルロースチューブで透析した
時に透析膜内に残る i)100℃、5分間の煮沸によりヘモグロビンに対す
る抗原性変性作用が抑制される
【0014】3.糞便から界面活性剤によって抽出され
る成分 この成分は前記a)−c)の性状に加えて以下の性状
j)−l)を備えている。 j)正常ヒト糞便から界面活性剤により抽出される k)抽出液を試料の約100倍量の水系溶媒に対して分
画分子量約10000のセルロースチューブで透析した
時に透析膜内に残る l)100℃、5分間の煮沸によりヘモグロビンに対す
る抗原性変性作用が抑制される
る成分 この成分は前記a)−c)の性状に加えて以下の性状
j)−l)を備えている。 j)正常ヒト糞便から界面活性剤により抽出される k)抽出液を試料の約100倍量の水系溶媒に対して分
画分子量約10000のセルロースチューブで透析した
時に透析膜内に残る l)100℃、5分間の煮沸によりヘモグロビンに対す
る抗原性変性作用が抑制される
【0015】そしてこのHb変性因子による血液蛋白の
抗原性を低下させる作用に対する阻害剤の代表的なもの
が抗体である。本発明の抗体は、正常ヒト糞便から得ら
れるHb変性因子を免疫原として調製することができ
る。たとえば先の1.として示した粒状分画に含まれる
成分に対する抗体を得るには、次のような操作を行う。
まず正常ヒト糞便をリン酸緩衝液に分散させ遠心洗浄を
繰り返して粒状分画を得、これをそのまま免疫動物に免
疫して抗体を生成させる。このとき、FCA(フロイン
トコンプリートアジュバント)等のような免疫増強剤を
組み合わせると良い結果を得られる。粒状分画自身は5
μmのメンブランフィルターではろ過できないが、この
免疫操作において免疫原として作用しているのは粒状分
画に含まれ界面活性剤によって抽出した時にはメンブラ
ンフィルターによるろ過が可能な成分である。ただし、
粒状分画の大部分を占める細菌菌体も同時に免疫原とし
て機能するおそれが有るので、できれば必要なHb変性
因子を抽出してから免疫原とする方法が好ましい。
抗原性を低下させる作用に対する阻害剤の代表的なもの
が抗体である。本発明の抗体は、正常ヒト糞便から得ら
れるHb変性因子を免疫原として調製することができ
る。たとえば先の1.として示した粒状分画に含まれる
成分に対する抗体を得るには、次のような操作を行う。
まず正常ヒト糞便をリン酸緩衝液に分散させ遠心洗浄を
繰り返して粒状分画を得、これをそのまま免疫動物に免
疫して抗体を生成させる。このとき、FCA(フロイン
トコンプリートアジュバント)等のような免疫増強剤を
組み合わせると良い結果を得られる。粒状分画自身は5
μmのメンブランフィルターではろ過できないが、この
免疫操作において免疫原として作用しているのは粒状分
画に含まれ界面活性剤によって抽出した時にはメンブラ
ンフィルターによるろ過が可能な成分である。ただし、
粒状分画の大部分を占める細菌菌体も同時に免疫原とし
て機能するおそれが有るので、できれば必要なHb変性
因子を抽出してから免疫原とする方法が好ましい。
【0016】粒状分画からは界面活性剤によってHb変
性因子を抽出することができるので、メンブレンフィル
ターでろ過した抽出液から界面活性剤を除き必要に応じ
て濃縮後に免疫原とすれば良い。このような免疫方法を
行うための界面活性剤としては、非イオン系の界面活性
剤を利用することができる。非イオン性界面活性剤には
多くの種類が有るが、ポリオキシエチレンアルキルエー
テルに属する界面活性剤等が好適である。具体的にはB
rij(花王製、商品名)に代表されるポリオキシエチ
レンラウリルエーテル等を利用すると良い。界面活性剤
としてBrij35を使う場合には、たとえばリン酸緩
衝液に1%w/vのBrij35を溶解して用いる。
性因子を抽出することができるので、メンブレンフィル
ターでろ過した抽出液から界面活性剤を除き必要に応じ
て濃縮後に免疫原とすれば良い。このような免疫方法を
行うための界面活性剤としては、非イオン系の界面活性
剤を利用することができる。非イオン性界面活性剤には
多くの種類が有るが、ポリオキシエチレンアルキルエー
テルに属する界面活性剤等が好適である。具体的にはB
rij(花王製、商品名)に代表されるポリオキシエチ
レンラウリルエーテル等を利用すると良い。界面活性剤
としてBrij35を使う場合には、たとえばリン酸緩
衝液に1%w/vのBrij35を溶解して用いる。
【0017】あるいは2.で示したような糞便の水系溶
媒による抽出液に含まれる成分を免疫原とするには、次
のような操作を示すことができる。正常ヒト糞便をリン
酸緩衝液のような水系溶媒で抽出し、抽出液を同じリン
酸緩衝液に対して透析する。透析膜には分画分子量10
000のセルロースチューブ(均質半透膜)を用いると
良い。このような透析膜としては Seamless Cellulose
Tubing (商品名、Visking社製)20/32等
が市販されている。得られた透析内液を限外ろ過によっ
て濃縮し、適当なアジュバントと混合して免疫原とす
る。免疫操作は先に述べた粒状分画に存在するHb変性
因子と同じ操作で良い。
媒による抽出液に含まれる成分を免疫原とするには、次
のような操作を示すことができる。正常ヒト糞便をリン
酸緩衝液のような水系溶媒で抽出し、抽出液を同じリン
酸緩衝液に対して透析する。透析膜には分画分子量10
000のセルロースチューブ(均質半透膜)を用いると
良い。このような透析膜としては Seamless Cellulose
Tubing (商品名、Visking社製)20/32等
が市販されている。得られた透析内液を限外ろ過によっ
て濃縮し、適当なアジュバントと混合して免疫原とす
る。免疫操作は先に述べた粒状分画に存在するHb変性
因子と同じ操作で良い。
【0018】更に本発明によれば、3.として述べた糞
便の界面活性剤による抽出液に含まれるHb変性因子に
対する抗体を阻害剤として利用することもできる。界面
活性剤による抽出液を免疫原とするには、メンブレンフ
ィルターでろ過の後に透析等によって界面活性剤を除去
し、必要に応じて濃縮し免疫原とすることができる。ア
ジュバントの利用や免疫操作については先に述べたもの
と同様に行うことができる。
便の界面活性剤による抽出液に含まれるHb変性因子に
対する抗体を阻害剤として利用することもできる。界面
活性剤による抽出液を免疫原とするには、メンブレンフ
ィルターでろ過の後に透析等によって界面活性剤を除去
し、必要に応じて濃縮し免疫原とすることができる。ア
ジュバントの利用や免疫操作については先に述べたもの
と同様に行うことができる。
【0019】免疫動物としては、マウス、ラット、ウサ
ギ、ヤギ等、一般に免疫動物として利用されているもの
を用いると良い。初回免疫の後、同じ免疫原によってブ
ーストをくり返し、十分に抗体価が上昇したところで採
血する。抗体はこのような操作によって得たポリクロー
ナル抗体の他、モノクローナル抗体を利用することもで
きる。モノクローナル抗体の場合は、免疫動物の抗体産
生細胞を不死化し抗体の活性を指標に必要な抗体を産生
する細胞をスクリーニングすることになる。必要な抗体
活性とは、Hb変性因子を認識し、しかも血液蛋白の抗
原性を低下させる作用を抑制する活性である。
ギ、ヤギ等、一般に免疫動物として利用されているもの
を用いると良い。初回免疫の後、同じ免疫原によってブ
ーストをくり返し、十分に抗体価が上昇したところで採
血する。抗体はこのような操作によって得たポリクロー
ナル抗体の他、モノクローナル抗体を利用することもで
きる。モノクローナル抗体の場合は、免疫動物の抗体産
生細胞を不死化し抗体の活性を指標に必要な抗体を産生
する細胞をスクリーニングすることになる。必要な抗体
活性とは、Hb変性因子を認識し、しかも血液蛋白の抗
原性を低下させる作用を抑制する活性である。
【0020】このようにして得られた抗体は、抗血清の
まま、あるいは抗体を精製して糞便に添加するとHb変
性因子の阻害剤として働く。抗体は液状のまま添加して
も良いし、粒子のような担体に固定して加えることもで
きる。担体に固定した場合は、Hb変性因子の阻害剤で
あると同時に吸着剤と呼ぶこともできる。抗体を担体に
感作した状態で用いる時には、ろ過により取り除くこと
ができる。抗体を担体に感作する態様においては、ろ過
操作によってHb変性因子が取り除かれることになるの
で、ろ過液中のヘモグロビンの保存上有利である。抗体
を抗血清の状態で加える時には、血清中に存在する多く
の蛋白成分が血液蛋白の保護物質として機能する。つま
り抗体精製操作を省略できると同時に、結果的には本発
明の阻害剤を加えるとともに公知の蛋白安定化剤をも同
時に添加する形になるので有利な態様として示すことが
できる。更に、免疫動物から採血した血液を抗凝固処理
と溶血処理の後に血清分離することなく添加することさ
え可能である。こうして阻害剤とともに添加した免疫動
物のヘモグロビンは、糞便成分と共存するヘモグロビン
(検出対象)の保護物質として機能する。
まま、あるいは抗体を精製して糞便に添加するとHb変
性因子の阻害剤として働く。抗体は液状のまま添加して
も良いし、粒子のような担体に固定して加えることもで
きる。担体に固定した場合は、Hb変性因子の阻害剤で
あると同時に吸着剤と呼ぶこともできる。抗体を担体に
感作した状態で用いる時には、ろ過により取り除くこと
ができる。抗体を担体に感作する態様においては、ろ過
操作によってHb変性因子が取り除かれることになるの
で、ろ過液中のヘモグロビンの保存上有利である。抗体
を抗血清の状態で加える時には、血清中に存在する多く
の蛋白成分が血液蛋白の保護物質として機能する。つま
り抗体精製操作を省略できると同時に、結果的には本発
明の阻害剤を加えるとともに公知の蛋白安定化剤をも同
時に添加する形になるので有利な態様として示すことが
できる。更に、免疫動物から採血した血液を抗凝固処理
と溶血処理の後に血清分離することなく添加することさ
え可能である。こうして阻害剤とともに添加した免疫動
物のヘモグロビンは、糞便成分と共存するヘモグロビン
(検出対象)の保護物質として機能する。
【0021】免疫学的手法に基づくヘモグロビンの検出
技術の特異性はたいへん優れており、分類学上はヒトと
近縁なサルのヘモグロビンとの識別能力を持つものさえ
存在する。このような高度に特異的な分析技術を利用す
る時には、他種のヘモグロビンが反応系に混入していて
も問題とならない。ただし免疫動物から採血した全血を
添加すると血液の強い着色の影響が出るので、光学測定
を利用する場合などには着色の影響に注意し光学測定を
妨害しない範囲とするのが好ましい。なおELISAの
ように、最終的な光学測定を行う前に反応液を除去して
しまう工程を含むものでは試料としての糞便懸濁液が着
色していても影響はない。
技術の特異性はたいへん優れており、分類学上はヒトと
近縁なサルのヘモグロビンとの識別能力を持つものさえ
存在する。このような高度に特異的な分析技術を利用す
る時には、他種のヘモグロビンが反応系に混入していて
も問題とならない。ただし免疫動物から採血した全血を
添加すると血液の強い着色の影響が出るので、光学測定
を利用する場合などには着色の影響に注意し光学測定を
妨害しない範囲とするのが好ましい。なおELISAの
ように、最終的な光学測定を行う前に反応液を除去して
しまう工程を含むものでは試料としての糞便懸濁液が着
色していても影響はない。
【0022】本発明の阻害剤として、抗体の他に吸着剤
を示すことができる。すなわちイオン交換樹脂や活性炭
のような吸着剤を、ヘモグロビンは吸着されない条件で
添加するのである。吸着剤に吸着されたHb変性因子は
ヘモグロビンと十分に接触することができず、結果とし
てその変性活性を阻害することにつながる。
を示すことができる。すなわちイオン交換樹脂や活性炭
のような吸着剤を、ヘモグロビンは吸着されない条件で
添加するのである。吸着剤に吸着されたHb変性因子は
ヘモグロビンと十分に接触することができず、結果とし
てその変性活性を阻害することにつながる。
【0023】本発明の阻害剤は、血液蛋白の分析試料で
ある糞便を懸濁させる分散媒にあらかじめ加えておくと
便利である。分散媒にはヘモグロビン等の保存に有利
で、しかも免疫学的な分析に好適なpHを与える緩衝剤
が一般に用いられている。本発明の阻害剤はこのような
一般的な分散媒に添加することで、簡単に血液蛋白の安
定化効果を期待できる。緩衝剤としては、次のようなも
のが知られている。
ある糞便を懸濁させる分散媒にあらかじめ加えておくと
便利である。分散媒にはヘモグロビン等の保存に有利
で、しかも免疫学的な分析に好適なpHを与える緩衝剤
が一般に用いられている。本発明の阻害剤はこのような
一般的な分散媒に添加することで、簡単に血液蛋白の安
定化効果を期待できる。緩衝剤としては、次のようなも
のが知られている。
【0024】本発明に利用することができる緩衝剤: GOOD緩衝剤 2−モルホリノエタンスルホン酸(2-(N-Morpholino)et
hanesulfonic acid、MESと省略する) ピペラジン−ビス(2−エタンスルホン酸)(Piperazi
ne-N,N'-bis(2-ethanesulfonic acid)、PIPESと省
略する) (2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸
(N-(2-Acetamido)-2-aminoethanesulfonic acid、AC
ESと省略する) ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスル
ホン酸(N,N-Bis(2-hydroxyethyl)-2-aminoehtanesulfo
nic acid、BESと省略する) ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキ
シメチル)メタン(Bis(2-hydroxyethyl)iminotris(hyd
roxymethyl)methane、Bis−Trisと省略する) 3−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒ
ドロキシプロパンスルホン酸(3-[N,N-Bis(2-hydroxyet
hyl)amino]-2-hydroxypropanesulfonic acid、DIPS
Oと省略する) 2−ヒドロキシエチルピペラジン−3−プロパンスルホ
ン酸(N-2-Hydroxyethylpiperazine-N'-3-propanesulfo
nic acid、EPPSと省略する) ヒドロキシエチルピペラジン−2−エタンスルホン酸
(N-2-Hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonic a
cid 、HEPESと省略する) 2−ヒドロキシエチルピペラジン−2−ヒドロキシプロ
パン−3−スルホン酸(N-2-Hydroxyethylpiperazine-
N'-2-hydroxypropane-3-sulfonic acid、HEPPSO
と省略する) 3−(モルホリノ)プロパンスルホン酸(3-(N-Morphol
ino)propanesulfonic acid、MOPSと省略する) 3−(モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン
酸(3-(N-Morpholino)-2-hydroxypropanesulfonic acid
、MOPSOと省略する) ピペラジン−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン
酸)(Pioerazine-N,N'-bis(2-hydroxypropanesulfonic
acid)、POPSOと省略する) N-Tris(hydroxymethyl)methyl-3-aminopropanesulfonic
acid 、TAPSと省略する) トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−ヒドロキシ−
3−アミノプロパンスルホン酸(N-Tris(hydroxymethy
l)methyl-2-hydroxy-3-aminopropanesulfonic acid、T
APSOと省略する) トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノメタン
スルホン酸(N-Tris(hydroxymethyl)methyl-2-aminoeth
anesulfonic acid、TESと省略する) その他の緩衝剤 2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパン
ジオール(2-Amino-2-hydroxymethyl-1,3-propanedio
l) トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris(hydro
xymethyl)aminomethane)とも呼ばれる リン酸緩衝液 アンモニウム緩衝液
hanesulfonic acid、MESと省略する) ピペラジン−ビス(2−エタンスルホン酸)(Piperazi
ne-N,N'-bis(2-ethanesulfonic acid)、PIPESと省
略する) (2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸
(N-(2-Acetamido)-2-aminoethanesulfonic acid、AC
ESと省略する) ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスル
ホン酸(N,N-Bis(2-hydroxyethyl)-2-aminoehtanesulfo
nic acid、BESと省略する) ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキ
シメチル)メタン(Bis(2-hydroxyethyl)iminotris(hyd
roxymethyl)methane、Bis−Trisと省略する) 3−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒ
ドロキシプロパンスルホン酸(3-[N,N-Bis(2-hydroxyet
hyl)amino]-2-hydroxypropanesulfonic acid、DIPS
Oと省略する) 2−ヒドロキシエチルピペラジン−3−プロパンスルホ
ン酸(N-2-Hydroxyethylpiperazine-N'-3-propanesulfo
nic acid、EPPSと省略する) ヒドロキシエチルピペラジン−2−エタンスルホン酸
(N-2-Hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonic a
cid 、HEPESと省略する) 2−ヒドロキシエチルピペラジン−2−ヒドロキシプロ
パン−3−スルホン酸(N-2-Hydroxyethylpiperazine-
N'-2-hydroxypropane-3-sulfonic acid、HEPPSO
と省略する) 3−(モルホリノ)プロパンスルホン酸(3-(N-Morphol
ino)propanesulfonic acid、MOPSと省略する) 3−(モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン
酸(3-(N-Morpholino)-2-hydroxypropanesulfonic acid
、MOPSOと省略する) ピペラジン−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン
酸)(Pioerazine-N,N'-bis(2-hydroxypropanesulfonic
acid)、POPSOと省略する) N-Tris(hydroxymethyl)methyl-3-aminopropanesulfonic
acid 、TAPSと省略する) トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−ヒドロキシ−
3−アミノプロパンスルホン酸(N-Tris(hydroxymethy
l)methyl-2-hydroxy-3-aminopropanesulfonic acid、T
APSOと省略する) トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノメタン
スルホン酸(N-Tris(hydroxymethyl)methyl-2-aminoeth
anesulfonic acid、TESと省略する) その他の緩衝剤 2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパン
ジオール(2-Amino-2-hydroxymethyl-1,3-propanedio
l) トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris(hydro
xymethyl)aminomethane)とも呼ばれる リン酸緩衝液 アンモニウム緩衝液
【0025】これらの緩衝剤の中でも、HEPESやP
IPES等のGOOD緩衝剤は、ヘモグロビンをはじめ
とする各種血液蛋白の構造を最も安定化すると思われる
pH(6〜8)を与えると同時に、免疫反応のための緩
衝液としても利用されているものであり特に好ましい緩
衝剤として挙げられる。
IPES等のGOOD緩衝剤は、ヘモグロビンをはじめ
とする各種血液蛋白の構造を最も安定化すると思われる
pH(6〜8)を与えると同時に、免疫反応のための緩
衝液としても利用されているものであり特に好ましい緩
衝剤として挙げられる。
【0026】本発明における阻害剤は、糞便中に存在す
るHb変性因子の活性を十分に阻害することができる量
で用いる。Hb変性因子は通常の糞便であればそれほど
大きな量的変動は観察されない。したがってどれだけの
糞便に対して血液蛋白の安定化効果を期待するのかによ
って、およその使用量を予測することができる。具体的
には、阻害剤として抗体(IgG)を用いるのであれ
ば、糞便1mgあたり0.1−50μg、好ましくは0.
5−5μgという過剰量で使用するのが安全である。抗
体自身の失活や、予想外に多量の糞便、あるいは希に観
察されるHb変性因子を多量に含む試料と遭遇しても血
液蛋白の安定化を期待できるためである。たとえば後に
述べる実施例では、糞便0.1gを10μg/mlの抗体を
含むPBS9.9mlで懸濁している。このとき糞便1mg
に対して抗体は約1μgとなる。本発明による血液蛋白
の安定化技術をヘモグロビンに対して適用する時には、
阻害剤の添加以外にもヘモグロビンの安定化に寄与する
条件を組み合せることができる。ヘモグロビンの安定化
をもたらす条件とは、pHの制御、ならびに先に紹介し
た金属錯体のような安定化成分の利用を指す。
るHb変性因子の活性を十分に阻害することができる量
で用いる。Hb変性因子は通常の糞便であればそれほど
大きな量的変動は観察されない。したがってどれだけの
糞便に対して血液蛋白の安定化効果を期待するのかによ
って、およその使用量を予測することができる。具体的
には、阻害剤として抗体(IgG)を用いるのであれ
ば、糞便1mgあたり0.1−50μg、好ましくは0.
5−5μgという過剰量で使用するのが安全である。抗
体自身の失活や、予想外に多量の糞便、あるいは希に観
察されるHb変性因子を多量に含む試料と遭遇しても血
液蛋白の安定化を期待できるためである。たとえば後に
述べる実施例では、糞便0.1gを10μg/mlの抗体を
含むPBS9.9mlで懸濁している。このとき糞便1mg
に対して抗体は約1μgとなる。本発明による血液蛋白
の安定化技術をヘモグロビンに対して適用する時には、
阻害剤の添加以外にもヘモグロビンの安定化に寄与する
条件を組み合せることができる。ヘモグロビンの安定化
をもたらす条件とは、pHの制御、ならびに先に紹介し
た金属錯体のような安定化成分の利用を指す。
【0027】更に本発明における血液蛋白の安定化方法
には、公知の安定化技術を組み合せることが可能であ
る。具体的には、BSAやRSA等の不活性蛋白、リジ
ンやヒスチジン等のアミノ酸、NaN3や安息香酸エチ
ル等の抗菌性物質、ショ糖等の糖、プロテアーゼ抑制物
質、およびイオン強度を調節する塩類等を加えることが
できる。不活性蛋白として、阻害剤である抗体を含む免
疫動物の抗血清をそのまま添加するのも有効であること
は先に述べたとおりである。また分析や血液蛋白の安定
化を妨害しない範囲で、消臭剤、香料、あるいは色素等
を併用することも可能である。本発明に基づくヘモグロ
ビン安定化用の溶液について、具体的な組成の例を次に
示す。 Hb変性因子の抗体:0.5〜5μg/mg便 HEPES緩衝液(pH7.0):10〜500mM BSA:0.1〜5% NaN3:0.5〜2%
には、公知の安定化技術を組み合せることが可能であ
る。具体的には、BSAやRSA等の不活性蛋白、リジ
ンやヒスチジン等のアミノ酸、NaN3や安息香酸エチ
ル等の抗菌性物質、ショ糖等の糖、プロテアーゼ抑制物
質、およびイオン強度を調節する塩類等を加えることが
できる。不活性蛋白として、阻害剤である抗体を含む免
疫動物の抗血清をそのまま添加するのも有効であること
は先に述べたとおりである。また分析や血液蛋白の安定
化を妨害しない範囲で、消臭剤、香料、あるいは色素等
を併用することも可能である。本発明に基づくヘモグロ
ビン安定化用の溶液について、具体的な組成の例を次に
示す。 Hb変性因子の抗体:0.5〜5μg/mg便 HEPES緩衝液(pH7.0):10〜500mM BSA:0.1〜5% NaN3:0.5〜2%
【0028】本発明の血液蛋白の安定化方法は、検出を
目的とする糞便試料中のヘモグロビンをはじめとする血
液蛋白の安定化に利用することができる。特に抗原構造
の保護が要求される免疫学的な分析対象としてのヘモグ
ロビンについて、その抗原性の維持に有用である。
目的とする糞便試料中のヘモグロビンをはじめとする血
液蛋白の安定化に利用することができる。特に抗原構造
の保護が要求される免疫学的な分析対象としてのヘモグ
ロビンについて、その抗原性の維持に有用である。
【0029】本発明は、血液蛋白の安定化方法に加えて
この安定化方法を応用した血液蛋白の検出を目的とする
糞便懸濁液調製用の分散媒をも提供する。本発明による
分散媒は、先に述べたような安定化方法のための阻害剤
を含むものである。本発明による分散媒は、たとえば公
知の糞便採取容器に充填して利用される。
この安定化方法を応用した血液蛋白の検出を目的とする
糞便懸濁液調製用の分散媒をも提供する。本発明による
分散媒は、先に述べたような安定化方法のための阻害剤
を含むものである。本発明による分散媒は、たとえば公
知の糞便採取容器に充填して利用される。
【0030】
【作用】本発明における阻害剤は、従来のヘモグロビン
安定剤では必ずしも十分な効果を期待できなかった糞便
成分と共存するヘモグロビンのような血液蛋白の変性・
分解を効果的に抑制する作用を持つ。本発明で阻害剤と
して例示した抗体は、先に説明したHb変性因子の血液
蛋白に影響を与える部位と結合してその変性活性を阻害
しているものと推測される。あるいは、Hb変性因子に
多くの抗体分子が結合することで血液蛋白との接近が困
難となる、いわゆる立体障害によってその変性活性を阻
害していると推測することもできる。いずれにせよ、阻
害剤とHb変性因子の変性活性との間にどのような関係
が存在するのかは推測の域を出ない。しかし本発明によ
って従来の安定化剤では十分に対応できなかった変性原
因に対して、有効な保護作用を期待できることは紛れも
ない事実である。
安定剤では必ずしも十分な効果を期待できなかった糞便
成分と共存するヘモグロビンのような血液蛋白の変性・
分解を効果的に抑制する作用を持つ。本発明で阻害剤と
して例示した抗体は、先に説明したHb変性因子の血液
蛋白に影響を与える部位と結合してその変性活性を阻害
しているものと推測される。あるいは、Hb変性因子に
多くの抗体分子が結合することで血液蛋白との接近が困
難となる、いわゆる立体障害によってその変性活性を阻
害していると推測することもできる。いずれにせよ、阻
害剤とHb変性因子の変性活性との間にどのような関係
が存在するのかは推測の域を出ない。しかし本発明によ
って従来の安定化剤では十分に対応できなかった変性原
因に対して、有効な保護作用を期待できることは紛れも
ない事実である。
【0031】これまでは糞便を分画することなく実験に
使っていたため、血液蛋白に対する個々の変性因子を個
別に検討するという試みがなされていなかった。したが
ってヘモグロビンの保護物質の検索といっても、一般的
な蛋白質の保護剤や、抗菌性物質による安定化の提案が
多かった。本発明者らは糞便成分の分画を行って個々の
分画について変性因子の活性を追跡した。そしてそのい
くつかの分画にヘモグロビンの抗原性に重大な影響を与
える活性が存在することを見出した。つまり糞便の分画
という新しいアプローチを導入することによって、糞便
中のヘモグロビンの安定化技術に大きな進歩をもたらす
ものである。ひいては、ヘモグロビンと同じく出血の指
標として期待される各種血液蛋白に対しても有効な安定
化技術の提供を可能とするものである。ヘモグロビン以
外の成分もヘモグロビンと同じく蛋白構造を持ってお
り、その抗原構造を攻撃するHb変性因子からの保護作
用が同じ様に期待できる。
使っていたため、血液蛋白に対する個々の変性因子を個
別に検討するという試みがなされていなかった。したが
ってヘモグロビンの保護物質の検索といっても、一般的
な蛋白質の保護剤や、抗菌性物質による安定化の提案が
多かった。本発明者らは糞便成分の分画を行って個々の
分画について変性因子の活性を追跡した。そしてそのい
くつかの分画にヘモグロビンの抗原性に重大な影響を与
える活性が存在することを見出した。つまり糞便の分画
という新しいアプローチを導入することによって、糞便
中のヘモグロビンの安定化技術に大きな進歩をもたらす
ものである。ひいては、ヘモグロビンと同じく出血の指
標として期待される各種血液蛋白に対しても有効な安定
化技術の提供を可能とするものである。ヘモグロビン以
外の成分もヘモグロビンと同じく蛋白構造を持ってお
り、その抗原構造を攻撃するHb変性因子からの保護作
用が同じ様に期待できる。
【0032】なお本発明におけるHb阻害因子の性状の
うち、ポアサイズ5μmのメンブランフィルターでろ過
した時のろ過液に含まれるという特徴は、阻害剤として
の抗体を得る時にも重要な意味を持つ。すなわち、メン
ブランフィルターによるろ過でろ別される分画を免疫原
とした時には、糞便中の固形分画の大部分を占める細菌
菌体も免疫原として作用する。そのため相対的に微量成
分となってしまうHb変性因子に対する抗体の、抗血清
に占める割合が小さくなる可能性が生じる。メンブラン
フィルターによるろ過によってろ過されるというHb変
性因子の特徴は、物質の特徴であると同時に、阻害剤で
ある抗体を得るためにも考慮すべき特徴なのである。
うち、ポアサイズ5μmのメンブランフィルターでろ過
した時のろ過液に含まれるという特徴は、阻害剤として
の抗体を得る時にも重要な意味を持つ。すなわち、メン
ブランフィルターによるろ過でろ別される分画を免疫原
とした時には、糞便中の固形分画の大部分を占める細菌
菌体も免疫原として作用する。そのため相対的に微量成
分となってしまうHb変性因子に対する抗体の、抗血清
に占める割合が小さくなる可能性が生じる。メンブラン
フィルターによるろ過によってろ過されるというHb変
性因子の特徴は、物質の特徴であると同時に、阻害剤で
ある抗体を得るためにも考慮すべき特徴なのである。
【0033】
【発明の効果】本発明は、従来の保護成分では十分に阻
止することができなかった、糞便の特定の分画に含まれ
るHb変性因子の血液蛋白変性活性を阻害する新たな技
術を提供するものである。つまり従来の保護剤と置き代
わるものではない。そのためBSAのような公知の蛋白
保護剤と組み合わせた時には、その保護作用が相加的に
作用し、高度な安定化を期待できる。
止することができなかった、糞便の特定の分画に含まれ
るHb変性因子の血液蛋白変性活性を阻害する新たな技
術を提供するものである。つまり従来の保護剤と置き代
わるものではない。そのためBSAのような公知の蛋白
保護剤と組み合わせた時には、その保護作用が相加的に
作用し、高度な安定化を期待できる。
【0034】本発明の安定化技術では、強い変性・分解
作用を持つ糞便成分との共存下にある血液蛋白に対して
も安定した保護作用を得ることができる。したがって、
糞便潜血の分析を目的とする試料に含まれる血液蛋白の
安定化に有用である。特に抗原構造の保護が要求される
免疫学的な分析対象としてのヘモグロビンについて、そ
の抗原性の維持に貢献する。本発明によって糞便試料中
のヘモグロビンが効果的に安定化され、ヘモグロビンの
変性や分解による偽陰性結果の防止を期待することがで
きる。続いて実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明
する。
作用を持つ糞便成分との共存下にある血液蛋白に対して
も安定した保護作用を得ることができる。したがって、
糞便潜血の分析を目的とする試料に含まれる血液蛋白の
安定化に有用である。特に抗原構造の保護が要求される
免疫学的な分析対象としてのヘモグロビンについて、そ
の抗原性の維持に貢献する。本発明によって糞便試料中
のヘモグロビンが効果的に安定化され、ヘモグロビンの
変性や分解による偽陰性結果の防止を期待することがで
きる。続いて実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明
する。
【0035】
1.Hb変性因子の追跡 健常者のヒト糞便を分画して、各分画のヘモグロビンの
抗原構造に与える影響を調査した。本実施例で調査した
分画は粒状分画である。健常者のヒト糞便0.1g(湿
重量)を1/15Mのリン酸緩衝液(pH7.4、以下
PBSと省略する)9.9mlに懸濁し、遠心(3,00
0rpmで20分)〜上清除去を3回繰り返した後、9.9
mlのPBSで再懸濁する(糞便100倍希釈に相当)。
この最後の懸濁液を「粒状分画」と呼ぶ。この分画は糞
便中の腸内細菌や剥離消化管上皮細胞、および未消化食
物残渣、そしてこれらの成分に吸着された化合物などか
らなる。遠心洗浄操作を行った後なので、通常の中性緩
衝液で溶出される成分は含まれていないと考えられる。
この粒状分画にヒト・ヘモグロビンを加えて37℃恒温
浴槽中で4時間までヘモグロビンの変性(ヘモグロビン
の抗原性の低下)を観察した。全便もしくは粒状分画の
10%懸濁液1容に対してPBS8容を加えかくはん
後、Hb溶液を1容添加し反応液とする。初発値はHb
溶液添加後すぐに0.1%BSAを含む50mMのHEP
ES緩衝液(pH7.4)で100倍希釈して、0.4
5μmメンブレンフィルターでろ過し測定試料とした。
反応液はその後37℃恒温浴槽にて加温し、2時間及び
4時間後にそれぞれ反応液から初発測定時と同様に10
0倍希釈し測定試料とした。
抗原構造に与える影響を調査した。本実施例で調査した
分画は粒状分画である。健常者のヒト糞便0.1g(湿
重量)を1/15Mのリン酸緩衝液(pH7.4、以下
PBSと省略する)9.9mlに懸濁し、遠心(3,00
0rpmで20分)〜上清除去を3回繰り返した後、9.9
mlのPBSで再懸濁する(糞便100倍希釈に相当)。
この最後の懸濁液を「粒状分画」と呼ぶ。この分画は糞
便中の腸内細菌や剥離消化管上皮細胞、および未消化食
物残渣、そしてこれらの成分に吸着された化合物などか
らなる。遠心洗浄操作を行った後なので、通常の中性緩
衝液で溶出される成分は含まれていないと考えられる。
この粒状分画にヒト・ヘモグロビンを加えて37℃恒温
浴槽中で4時間までヘモグロビンの変性(ヘモグロビン
の抗原性の低下)を観察した。全便もしくは粒状分画の
10%懸濁液1容に対してPBS8容を加えかくはん
後、Hb溶液を1容添加し反応液とする。初発値はHb
溶液添加後すぐに0.1%BSAを含む50mMのHEP
ES緩衝液(pH7.4)で100倍希釈して、0.4
5μmメンブレンフィルターでろ過し測定試料とした。
反応液はその後37℃恒温浴槽にて加温し、2時間及び
4時間後にそれぞれ反応液から初発測定時と同様に10
0倍希釈し測定試料とした。
【0036】添加したヘモグロビンは、次のようにして
得たものである。まずヒト血液を精製水と混合して溶血
後遠心分離により固形分を除き、凍結保存したものをヒ
ト・ヘモグロビンとして用いた。市販のヘモグロビン測
定試薬OC−ヘモディアオート‘栄研’(栄研化学製、
登録商標)で濃度を測定したところ、ヘモグロビンA0
濃度は60mg/mlであった。
得たものである。まずヒト血液を精製水と混合して溶血
後遠心分離により固形分を除き、凍結保存したものをヒ
ト・ヘモグロビンとして用いた。市販のヘモグロビン測
定試薬OC−ヘモディアオート‘栄研’(栄研化学製、
登録商標)で濃度を測定したところ、ヘモグロビンA0
濃度は60mg/mlであった。
【0037】またヘモグロビンの測定操作は次のとおり
である。測定には市販のヘモグロビン測定試薬OC−ヘ
モディアオート‘栄研’を用い、測定試料50μlに試
薬を300μl加えて37℃で約3分間反応させた。こ
の間の免疫学的凝集反応に基づく585nmにおける吸光
度変化量よりヘモグロビン濃度(ng/ml)を決定した。な
お標準としては、試薬に添付のヒト溶血液(2000ng
/mlヒト・ヘモグロビン含有HEPES緩衝液)を用い
た。結果は表1に示した。粒状分画にヘモグロビンを添
加したものでは、比較対照の全便をPBSで100倍希
釈した懸濁液とほぼ同程度の測定値の低下(つまり抗原
性の低下)を示した。この結果から糞便中のHb変性要
因が粒状分画に存在すると考えることができる。
である。測定には市販のヘモグロビン測定試薬OC−ヘ
モディアオート‘栄研’を用い、測定試料50μlに試
薬を300μl加えて37℃で約3分間反応させた。こ
の間の免疫学的凝集反応に基づく585nmにおける吸光
度変化量よりヘモグロビン濃度(ng/ml)を決定した。な
お標準としては、試薬に添付のヒト溶血液(2000ng
/mlヒト・ヘモグロビン含有HEPES緩衝液)を用い
た。結果は表1に示した。粒状分画にヘモグロビンを添
加したものでは、比較対照の全便をPBSで100倍希
釈した懸濁液とほぼ同程度の測定値の低下(つまり抗原
性の低下)を示した。この結果から糞便中のHb変性要
因が粒状分画に存在すると考えることができる。
【0038】
【表1】
【0039】2.界面活性剤による粒状分画に含まれる
Hb変性因子の可溶化 健常者のヒト糞便1gを9mlのPBSで懸濁し、遠心と
上清除去を4回繰り返した。得られた沈殿分画を1%w/v
のBrij35(非イオン性界面活性剤、花王製、商品
名)を含む9mlのPBSに溶解し、4℃で48時間放置
後、その遠心上清を0.45μmのメンブレンフィルタ
ーでろ過した。このろ液をBrij溶出分画と呼ぶ。得
られたBrij溶出分画について、先の粒状分画と同じ
ようにHbを添加してその変性を見た。ヘモグロビンの
添加や、測定操作は1に説明したとおりである。ただし
Brij溶出分画では既に便の希釈率が10倍相当とな
っている。結果は表2に示した。Brij35だけでも
ある程度のHb変性活性があるが、Brij溶出分画で
のHbの変性はこれよりはるかに大きいことが明らかで
ある。
Hb変性因子の可溶化 健常者のヒト糞便1gを9mlのPBSで懸濁し、遠心と
上清除去を4回繰り返した。得られた沈殿分画を1%w/v
のBrij35(非イオン性界面活性剤、花王製、商品
名)を含む9mlのPBSに溶解し、4℃で48時間放置
後、その遠心上清を0.45μmのメンブレンフィルタ
ーでろ過した。このろ液をBrij溶出分画と呼ぶ。得
られたBrij溶出分画について、先の粒状分画と同じ
ようにHbを添加してその変性を見た。ヘモグロビンの
添加や、測定操作は1に説明したとおりである。ただし
Brij溶出分画では既に便の希釈率が10倍相当とな
っている。結果は表2に示した。Brij35だけでも
ある程度のHb変性活性があるが、Brij溶出分画で
のHbの変性はこれよりはるかに大きいことが明らかで
ある。
【0040】
【表2】
【0041】3.Brij溶出分画の分析 Brij溶出分画に存在するHb変性活性を持つ成分を
明らかにするために、SDS−PAGEによる分析を試
みた。分析にはファルマシア社のPhastSyste
mを使用した。ゲルはgradient8−25%で用
い、染色はCBB(クーマシーブリリアントブルー)で
行った。試料溶液は2%SDS及び1%2−メルカプトエ
タノールを含む0.5MのTris−HCl(pH6.
8)緩衝液により等量混合し、100℃3分間の加熱処
理をした(アプライ量は4μl)。また比較のために同
一の糞便をPBSで抽出〜ろ過した抽出液についても、
同じ条件で泳動した。
明らかにするために、SDS−PAGEによる分析を試
みた。分析にはファルマシア社のPhastSyste
mを使用した。ゲルはgradient8−25%で用
い、染色はCBB(クーマシーブリリアントブルー)で
行った。試料溶液は2%SDS及び1%2−メルカプトエ
タノールを含む0.5MのTris−HCl(pH6.
8)緩衝液により等量混合し、100℃3分間の加熱処
理をした(アプライ量は4μl)。また比較のために同
一の糞便をPBSで抽出〜ろ過した抽出液についても、
同じ条件で泳動した。
【0042】結果は図1に示すとおりである。Brij
溶出分画のSDS−PAGEの結果(レーン2)、約3
0kDの分子量を示すメインバンドと、10kD以下の分子
量を示す低分子分画が見られることが確認できた。更に
分画分子量20000の限外ろ過により得られる濃縮液
(1/3量)と透過液(2/3量)とについてヘモグロ
ビンの抗原性の変性作用を確認したところ、変性作用は
濃縮分画に残った。Brij35単独でもヘモグロビン
の抗原性に影響を与えるが、濃縮分画の変性作用はBr
ij35単独の変性作用よりもはるかに大きかった。こ
れらの事実から、約30kDに泳動される蛋白質をHb変
性因子と同定した。更にこのBrij溶出分画の加熱に
よるHb変性活性の変化を観察した。2のBrij溶出
分画を100℃のウオーターバスで加熱し、放冷後にヘ
モグロビンを添加して同様の操作により測定値に与える
影響を追跡した。その結果、5分間以上煮沸した場合
に、Brij溶出分画のヘモグロビンに対する抗原性変
性作用が抑制されることが明らかとなった。一方比較対
照として泳動したPBS抽出液(レーン1)では、Br
ij溶出液では確認されない50〜60kDに泳動される
メインバンドと、いくつかのマイナーバンドが確認され
た。
溶出分画のSDS−PAGEの結果(レーン2)、約3
0kDの分子量を示すメインバンドと、10kD以下の分子
量を示す低分子分画が見られることが確認できた。更に
分画分子量20000の限外ろ過により得られる濃縮液
(1/3量)と透過液(2/3量)とについてヘモグロ
ビンの抗原性の変性作用を確認したところ、変性作用は
濃縮分画に残った。Brij35単独でもヘモグロビン
の抗原性に影響を与えるが、濃縮分画の変性作用はBr
ij35単独の変性作用よりもはるかに大きかった。こ
れらの事実から、約30kDに泳動される蛋白質をHb変
性因子と同定した。更にこのBrij溶出分画の加熱に
よるHb変性活性の変化を観察した。2のBrij溶出
分画を100℃のウオーターバスで加熱し、放冷後にヘ
モグロビンを添加して同様の操作により測定値に与える
影響を追跡した。その結果、5分間以上煮沸した場合
に、Brij溶出分画のヘモグロビンに対する抗原性変
性作用が抑制されることが明らかとなった。一方比較対
照として泳動したPBS抽出液(レーン1)では、Br
ij溶出液では確認されない50〜60kDに泳動される
メインバンドと、いくつかのマイナーバンドが確認され
た。
【0043】4.抗体の調製 3のSDS−PAGE等の結果から、Hb変性因子と考
えた約30kDの成分に着目し、その抗体を調製した。操
作は次のとおりである。ヒト(健常者)糞便から2.の
方法で得られたBrij溶出分画1容に2%コール酸を
含むPBS1容を加えてよくかくはんし、生理食塩水に
対して透析した後に透析内液を分画分子量2万の限外ろ
過にかけ3〜5倍程度に濃縮し抗原溶液とした。こうし
て得られた抗原溶液をFCA(フロイントコンプリート
アジュバンド)と等量混合し、じゅうぶんに乳化させた
後に1mlを家兎の四肢に免疫した。免疫は2週間ごとに
行った。4ヶ月後に一部採血して得られる抗血清につい
て、抗原溶液に対する反応性をオクテロニー法によって
確認した。高い抗体価が確認された個体の抗血清を40
%硫安分画してIgGを回収し、PBSに対して透析し
て抗Hb変性因子抗体(10mg/ml)を得た。
えた約30kDの成分に着目し、その抗体を調製した。操
作は次のとおりである。ヒト(健常者)糞便から2.の
方法で得られたBrij溶出分画1容に2%コール酸を
含むPBS1容を加えてよくかくはんし、生理食塩水に
対して透析した後に透析内液を分画分子量2万の限外ろ
過にかけ3〜5倍程度に濃縮し抗原溶液とした。こうし
て得られた抗原溶液をFCA(フロイントコンプリート
アジュバンド)と等量混合し、じゅうぶんに乳化させた
後に1mlを家兎の四肢に免疫した。免疫は2週間ごとに
行った。4ヶ月後に一部採血して得られる抗血清につい
て、抗原溶液に対する反応性をオクテロニー法によって
確認した。高い抗体価が確認された個体の抗血清を40
%硫安分画してIgGを回収し、PBSに対して透析し
て抗Hb変性因子抗体(10mg/ml)を得た。
【0044】5.抗体による糞便中Hbの安定化効果 4で得た抗体を糞便を懸濁させる分散媒に添加し、ヘモ
グロビンの変性に与える影響を調査した。正常ヒト糞便
0.1g(湿重量)を4で得た抗体を加えた9.9mlの
PBS(抗体濃度10μg/ml)に懸濁し、ヘモグロビン
を加えて37℃の恒温浴槽にて加温し、ヘモグロビンの
測定値の変化を観察した。ヘモグロビンの測定操作は1
で述べたとおりである。結果は表3に示した。抗体の添
加によって、ヘモグロビンの変性が抑制されることを確
認した。
グロビンの変性に与える影響を調査した。正常ヒト糞便
0.1g(湿重量)を4で得た抗体を加えた9.9mlの
PBS(抗体濃度10μg/ml)に懸濁し、ヘモグロビン
を加えて37℃の恒温浴槽にて加温し、ヘモグロビンの
測定値の変化を観察した。ヘモグロビンの測定操作は1
で述べたとおりである。結果は表3に示した。抗体の添
加によって、ヘモグロビンの変性が抑制されることを確
認した。
【0045】
【表3】
【図1】糞便の抽出液をSDS−PAGEによって分析
した結果を示す。レーン1がPBS抽出液、レーン2が
Brij溶出分画、そしてMWが分子量マーカーであ
る。
した結果を示す。レーン1がPBS抽出液、レーン2が
Brij溶出分画、そしてMWが分子量マーカーであ
る。
Claims (17)
- 【請求項1】次の性状a)−c)で特徴づけられる成分
に対する阻害剤を添加することによる、糞便成分と共存
する血液蛋白安定化方法 a)正常なヒト糞便中に含まれる b)血液蛋白の抗原性を低下させる活性を持つ c)この成分を溶解した状態でポアサイズ5μmを持つ
メンブレンフィルターでろ過した場合にろ過液に含まれ
る - 【請求項2】血液蛋白が、ヘモグロビン、ハプトグロビ
ン、α−1アンチトリプシン、α−2マクログロブリ
ン、アルブミン、酵素、トランスフェリン、ラクトフェ
リン、α−1アンチキモトリプシン、CEA、およびグ
ロブリンからなる群から選択される請求項1の血液蛋白
安定化方法 - 【請求項3】血液蛋白がヘモグロビンである請求項2の
血液蛋白安定化方法 - 【請求項4】ヘモグロビンの抗原性を低下させる活性を
持つ成分が、a)−c)に加えて次の性状d)−f)を
備えている請求項3の血液蛋白安定化方法 d)水系溶媒による遠心洗浄後の粒状分画に含まれる e)この粒状分画から界面活性剤により溶出される f)100℃、5分間の煮沸によりヘモグロビンに対す
る抗原性変性作用が抑制される - 【請求項5】水系溶媒が、精製水、生理食塩水、リン酸
緩衝液、およびGOOD緩衝液からなる群から選択され
る請求項4の血液蛋白安定化方法 - 【請求項6】界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、両
性界面活性剤、および陰イオン性界面活性剤で構成され
る群から選択される請求項4の血液蛋白安定化方法 - 【請求項7】非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテルである請求項6の血液蛋白安定化
方法 - 【請求項8】ヘモグロビンの抗原性を低下させる活性を
持つ成分が、a)−c)に加えて次の性状g)−i)を
備えている請求項3の血液蛋白安定化方法 g)ヒト正常糞便から水系溶媒によって抽出される h)抽出液を試料の約100倍量の水系溶媒に対して分
画分子量約10000のセルロースチューブで透析した
時に透析膜内に残る i)100℃、5分間の煮沸によりヘモグロビンに対す
る抗原性変性作用が抑制される - 【請求項9】ヘモグロビンの抗原性を低下させる活性を
持つ成分が、a)−c)に加えて次の性状j)−l)を
備えている請求項3の血液蛋白安定化方法 j)ヒト正常糞便から界面活性剤によって抽出される k)抽出液を試料の約100倍量の水系溶媒に対して分
画分子量約10000のセルロースチューブで透析した
時に透析膜内に残る l)100℃、5分間の煮沸によりヘモグロビンに対す
る抗原性変性作用が抑制される - 【請求項10】阻害剤が、次の性状a)−c)で特徴づ
けられる成分を免疫原として得られる抗体である請求項
1の血液蛋白安定化方法 a)正常なヒト糞便中に含まれる b)血液蛋白の抗原性を低下させる活性を持つ c)この成分を溶解した状態でポアサイズ5μmを持つ
メンブレンフィルターでろ過した場合にろ過液に含まれ
る - 【請求項11】抗体が次の工程1)−4)によって得ら
れた抗体である請求項10の血液蛋白安定化方法 1)正常ヒト糞便をリン酸緩衝液に分散させ遠心洗浄を
繰り返して粒状分画を得る 2)1で得た粒状分画を1%w/vのポリオキシエチレンラ
ウリルエーテルを含むリン酸緩衝液で抽出する 3)抽出液からポリオキシエチレンラウリルエーテルを
除き、濃縮する 4)3の濃縮物で動物を免疫する - 【請求項12】糞便成分と共存する血液蛋白が、糞便懸
濁液中に存在するものである請求項1の血液蛋白安定化
方法 - 【請求項13】次の性状a)−c)で特徴づけられる成
分に対する阻害剤を含有する、ヘモグロビンの免疫学的
分析用試料である糞便の懸濁用分散媒 a)正常なヒト糞便中に含まれる b)血液蛋白の抗原性を低下させる活性を持つ c)この成分を溶解した状態でポアサイズ5μmを持つ
メンブレンフィルターでろ過した場合にろ過液に含まれ
る - 【請求項14】阻害剤が抗体である請求項13の分散媒
- 【請求項15】抗体が、この抗体を含む動物の抗血清と
して添加された請求項14の分散媒 - 【請求項16】下記の工程a)−c)で抽出された、血
液蛋白の抗原性を低下させる活性を持つ蛋白質成分と反
応する抗体 a)正常ヒト糞便を水系溶媒で遠心洗浄し粒状分画を得
る b)aで得た粒状分画から1%w/vポリオキシエチレンラ
ウリルエーテルを含むリン酸緩衝液により蛋白を抽出す
る c)bの抽出液をリン酸緩衝液で透析し透析内液を回収
し濃縮する - 【請求項17】下記の工程a)−b)で抽出された、血
液蛋白の抗原性を低下させる活性を持つ蛋白質成分と反
応する抗体 a)正常ヒト糞便を水系溶媒で抽出する b)aの抽出液を試料の約100倍量のリン酸緩衝液に
対して分画分子量約10000のセルロースチューブで
透析し透析内液を回収し濃縮する
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30205195A JPH09119931A (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 糞便成分と共存する血液蛋白安定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30205195A JPH09119931A (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 糞便成分と共存する血液蛋白安定化方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09119931A true JPH09119931A (ja) | 1997-05-06 |
Family
ID=17904324
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30205195A Pending JPH09119931A (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 糞便成分と共存する血液蛋白安定化方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09119931A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009085685A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Igaku Seibutsugaku Kenkyusho:Kk | インスリン受容体αサブユニットの測定試薬 |
-
1995
- 1995-10-25 JP JP30205195A patent/JPH09119931A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009085685A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Igaku Seibutsugaku Kenkyusho:Kk | インスリン受容体αサブユニットの測定試薬 |
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