JPH09120521A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09120521A
JPH09120521A JP27941195A JP27941195A JPH09120521A JP H09120521 A JPH09120521 A JP H09120521A JP 27941195 A JP27941195 A JP 27941195A JP 27941195 A JP27941195 A JP 27941195A JP H09120521 A JPH09120521 A JP H09120521A
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JP
Japan
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magnetic
metal
layer
thin film
recording medium
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JP27941195A
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English (en)
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Hidetoshi Honda
秀利 本多
Taketoshi Sato
武俊 佐藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非磁性支持体側からの錆の進行を防止し、経
時的な磁気特性の劣化を抑える。 【解決手段】 非磁性支持体上に少なくとも金属磁性薄
膜よりなる磁性層が形成されてなる磁気記録媒体におい
て、非磁性支持体と金属磁性薄膜薄膜との間にNiを含
有する金属下地層を厚さ10nm以上、500nm以下
の範囲で形成する。Niを含有する金属下地層として
は、Ni、Fe−Cr−Ni合金等である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上に
真空薄膜形成技術により形成される金属磁性薄膜を磁性
層として有する、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒
体に関し、特に耐蝕性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ビデオテープレコーダの分野に
おいては、高画質化を図るために、高密度記録化が一層
強く要求されており、これに対応する磁気記録媒体とし
て、金属、或いはCo−Ni合金、Co−Cr合金、C
o−O等の合金材料からなる強磁性材料をメッキや真空
薄膜形成手段(真空蒸着法やスパッタリング法、イオン
プレーティング法等)によってポリエステルフィルムや
ポリアミド、ポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に
直接被着せしめて磁性層を形成する、いわゆる金属磁性
薄膜型の磁気記録媒体が提案され注目を集めている。
【0003】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、抗
磁力や角形比等に優れ、磁性層の厚みを極めて薄くでき
る為、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さく短波
長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層中に
非磁性材であるバインダーを混入する必要がないため磁
性材料の充填密度を高めることができる等、数々の利点
を有している。即ち、この金属磁性薄膜型の磁気記録媒
体は、磁気特性的な優位さ故に高密度磁気記録の主流に
なると考えられる。
【0004】ところが、かかる金属磁性薄膜型の磁気記
録媒体において、磁性層を構成してなる上述のような強
磁性材料は表面活性が高く、大気中で酸化され易い。特
に、これまでの製造方法では、幅広で表面酸化防止処理
を行っており、通常使用される環境ではほぼ実用可能な
特性が得られるものの、データの長期保存という観点か
らは更なる耐蝕性の向上が求められている。
【0005】このような要請から、例えば磁性層上に防
錆層を設けることによって上記強磁性材料の酸化を防止
する方法などが検討されている。
【0006】しかしながら、上記強磁性材料の錆の進行
についての研究が進められるに従って、磁性層表面から
の錆の進行とともに、非磁性支持体側から進行する錆に
ついても無視できないことが明らかにされた。
【0007】特に、非磁性支持体から進行する錆は、島
状に発生するという特徴があり、該非磁性支持体の洗浄
が不十分であるために生じると考えられてきたが、アル
コールを使用した洗浄や、純水を使用した程度の通常の
洗浄では、上記錆の発生を完全に抑えることは困難であ
る。
【0008】従って、耐久性、耐蝕性の向上を図るため
には、このような非磁性支持体側からの錆の進行を抑
え、酸化の起きにくい磁気記録媒体を開発することが望
まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、こ
のような実情に鑑みて提案されたものであって、非磁性
支持体側からの錆の進行を防止し、経時的な磁気特性の
劣化を抑えることが可能な磁気記録媒体を提供する事を
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、非磁性支持体と磁
性層との間に金属下地層を設け、その金属下地層の材質
としてNiあるいはその合金を使用することにより、優
れた防錆効果が得られ、長期保存時においても磁気特性
の劣化を抑えることができることを見出し、本発明を完
成するに至ったものである。
【0011】即ち、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支
持体上に少なくとも金属磁性薄膜よりなる磁性層が形成
されてなる磁気記録媒体において、上記非磁性支持体と
上記金属磁性薄膜薄膜との間にNiを含有する金属下地
層が厚さ10nm以上、500nm以下の範囲で形成さ
れてなることを特徴とするものである。
【0012】本発明が適用される磁気記録媒体として
は、非磁性支持体上に真空薄膜形成技術により金属磁性
薄膜が磁性層として形成される、いわゆる金属磁性薄膜
型の磁気記録媒体が挙げられる。
【0013】かかる磁気記録媒体は、上記非磁性支持体
上に後述の防錆層を形成した後、該防錆層上に上記金属
磁性薄膜からなる磁性層を設け、次いで必要に応じてト
ップコート、バックコート等を施して磁気記録媒体原反
を作製した後、或いは上記防錆層上に無機物を主体とし
た保護膜を形成し、次いで必要に応じてトップコート
層、バックコート層等を形成して磁気記録媒体原反を作
製した後、更にこれら磁気記録媒体原反を所定の寸法に
裁断することによって製造されるものである。
【0014】また、本発明においては、上記磁性層上に
配置された従来の防錆層と組み合わせられた構成として
も良い。
【0015】この磁気記録媒体において、上記非磁性支
持体や金属磁性薄膜等は従来よりこの種の磁気記録媒体
において使用されているものがいずれも使用可能であ
り、特に限定されるものではない。
【0016】具体的に例示するならば、上記非磁性支持
体としては、ポリエステル類、ポリオレフィン類、セル
ロース誘導体、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリアミ
ド類、ポリカーボネート等に代表されるような高分子材
料により形成される高分子支持体等が挙げられる。
【0017】また、上記金属磁性薄膜としては、Fe,
Co,Ni等の強磁性金属やCo−Ni系合金、Co−
Ni−Pt系合金、Fe−Co−Ni系合金、Fe−N
i−B系合金、Fe−Co−B系合金、Fe−Co−N
i−B系合金等からなる面内磁化記録金属磁性膜や、C
o−Cr系合金薄膜、Co−O系薄膜等の垂直磁化記録
金属磁性膜等が挙げられる。
【0018】上記磁性層は、これら強磁性材料からなる
金属磁性薄膜の単層膜であっても良いし、多層膜であっ
ても良い。
【0019】上記金属磁性薄膜を形成する手段として
は、真空下で上述の強磁性金属材料を加熱蒸発させ上記
非磁性支持体上に被着せしめる真空蒸着法や、上記強磁
性金属材料の蒸発を放電中で行うイオンプレーティング
法、アルゴンを主成分とする雰囲気中でグロー放電を起
こし生じたアルゴンイオンでターゲット表面の原子をた
たき出すスパッタリング法等のいわゆるPVD法やCV
D法、或いはメッキ法等がいずれも使用可能である。
【0020】本発明においては、この金属磁性薄膜と上
記非磁性支持体との間にNiを含有する下地金属層が防
錆層として形成される。
【0021】従来、非磁性支持体と金属磁性薄膜との間
に金属層を設けるという方法は、磁気特性を向上させる
という目的でいろいろ行われてきており、例えばMo
(特開昭62−42317号公報及び特開昭62−23
6128号公報参照。)、Be,Hf,Zr(特開平1
−287821号公報参照。)、Th(特開昭62−1
10619号公報参照。)、Au,Pt,Ti(特開平
3−20314号公報参照。)、或いはAl,Si,T
i,W,Mo,Zr,Ta(特開昭62−102027
号公報参照。)等の各種金属を使用して磁気特性の向上
が図られている。
【0022】また、防錆特性の観点から、本発明の構造
に近い構造を採用した発明としては、例えば特開平1−
1241151号公報等にその記載が見られるように、
Al,Cr,Ti,Cu等を使用して防錆効果が高めら
れることが知られている。
【0023】しかし、これらの発明は、目的が磁気特性
の向上であったり、また防錆効果がある発明に関して
も、系統的な材料の選定を行っておらず、十分な防錆効
果が得られるとは言い難く、ましてや磁気特性向上と防
錆効果の両立は難しいのが実情である。
【0024】これに対して、本発明では、上記防錆層
(金属下地層)の構成材料として、NiあるいはNiを
含有する合金を使用し、且つこの金属下地層の層厚を1
0nm以上、500nm以下と規定する。これにより、
上記非磁性支持体側から酸化が進行することが確実に抑
えられ、良好な耐蝕性を確保することができ、しかも磁
気特性が向上する。
【0025】かかる金属下地層を形成する方法として
は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等の物理蒸着
(PVD)法や化学蒸着(CVD)法等、或いはメッキ
法等がいずれも使用可能である。
【0026】勿論、本発明が適用される磁気記録媒体の
構成としては、これに限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲での変更、例えば必要に応じて
上記磁性層上にトップコート層を形成したり、上記非磁
性支持体の磁性層形成面と反対側の面上にバックコート
層を形成したりしても良い。また、上記磁性層が多層膜
の場合には、各層間の付着力の向上、並びに抗磁力の制
御等のために、下地層や中間層を設けても良い。また、
例えば磁性層表面近傍が耐食性の改善等のために酸化物
となっていても良い。更に、上記磁性層上には、耐久性
の向上を図ることを目的として無機物を主体とした保護
膜が形成されても良く、該保護膜上に上記トップコート
層が形成される構成とされても良い。
【0027】上記保護膜としては、カーボン、Al2
3 、Ti−N、Mo−C、Cr−C、SiO、SiO
2 、Si−N等が挙げられるが、これに限定されるもの
ではなく、従来公知の材料がいずれも使用可能である。
【0028】上記トップコート層は、防錆剤或いは潤滑
剤よりなるものであり、これら防錆剤或いは潤滑剤とし
ては、通常この種の磁気記録媒体において使用されるも
のであればいずれも使用可能であり、特に限定されな
い。
【0029】なお、上記防錆剤よりなるトップコート層
は、上記金属磁性薄膜の酸化を防止するために設けられ
るが、高速で摺動するヘッドにより移動してしまう現象
がみられたり、高温の環境下では蒸発してしまうことに
より厳しい環境下では完全な防錆層として機能すること
は困難である上、上記非磁性支持体から強磁性体に酸化
が進行し、磁気特性の劣化が起こる。また、上記保護膜
のみでは、必ずしも十分な防錆効果が見られるわけでは
ない。
【0030】上記バックコート層は、帯電防止剤等より
なるものであり、該帯電防止剤としても同様に、通常こ
の種の磁気記録媒体において使用されるものであればい
ずれも使用可能であり、特に限定されない。
【0031】非磁性支持体上に設けられた金属磁性薄膜
からなる磁性層と前記非磁性支持体との間に、Niある
いはNiを含有する合金からなる金属下地層を形成し、
この金属下地層の厚みを10nm以上、500nm以下
とすることにより、上記非磁性支持体側から酸化が進行
することが防止され、長期保存による磁束密度の劣化が
抑えられる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明がこの実施例に限定されるものでないこと
は言うまでもない。
【0033】実施例1 本実施例は、非磁性支持体上にFe−Cr−Niを用い
てスパッタリング法により金属下地層を設けた後、この
金属下地層上に斜め蒸着法によりCo薄膜を磁性層とし
て形成した例である。
【0034】先ず、本実施例の磁気テープの構成につい
て説明する。
【0035】この磁気テープにおいては、図1に示すよ
うに、高分子フィルムからなる非磁性支持体1上にスパ
ッタリング法により成膜されたFe−Cr−Ni系合金
膜からなる金属下地層2が50nmの膜厚となるように
形成され、この金属下地層2上にCoを主成分とした金
属磁性薄膜が磁性層3として設けられる。
【0036】この磁性層3上には、カーボン膜からなる
保護膜4が形成され、更に該保護膜4上に有機防錆剤と
して0.1重量%のナフタレンジオール溶液を使用する
とともに、潤滑剤としてパーフルオロポリエーテル誘導
体よりなる有機物を主体とした0.5重量%溶液を用
い、これら有機防錆剤及び潤滑剤を順次塗布することに
よりトップコート層5が形成されてなる。
【0037】また、上記非磁性支持体1の上記磁性層3
が形成された面と反対側の面上には、カーボンを主体と
したバックコート層6が設けられている。なお、このバ
ックコート層6中には、硬化剤として塩化ビニル系のバ
インダーが含まれる。
【0038】以上のような構成を有する磁気テープは、
次のようにして製造した。
【0039】この磁気テープを作製するに際し、金属下
地層の形成工程においては、図2に示すような構成を有
するスパッタリング装置を使用した。
【0040】即ち、このスパッタリング装置は、図2に
示すように、底部に取り付けられた真空ポンプ18によ
り内部が所定の真空度に保たれた真空槽10内におい
て、被処理体であるテープ状の非磁性支持体11が、図
2中の反時計回り方向に定速回転する送りロール13か
ら反時計回り方向に定速回転する巻き取りロール14に
向かって順次走行するようになされている。
【0041】これら送りロール13側から巻き取りロー
ル14側に亘って上記非磁性支持体11が走行する中途
部には、該非磁性支持体11を図2中左方に引き出すよ
うに設けられるとともに、上記各ロール13,14の径
よりも大径となされたクーリングキャン15が図2中反
時計回り方向に定速回転するように設けられている。
【0042】なお、上記送りロール13、巻き取りロー
ル14及びクーリングキャン15は、それぞれ上記非磁
性支持体11の幅と略同じ長さからなる円筒状をなすも
のである。
【0043】従って、このスパッタリング装置において
は、上記非磁性支持体11が、上記送りロール13から
順次送り出され、上記クーリングキャン15の外周面に
沿って通過し、更に上記巻き取りロール14に巻き取ら
れていくようになされるとともに、上記クーリングキャ
ン15を通過する際に成膜がなされるような構成とされ
ている。
【0044】なお、成膜時には、上記真空槽10の外部
に配設された上記真空ポンプ18と上記真空槽10との
間には、上記真空ポンプ18側へ排気する排気バルブ1
9が設けられ、成膜時には該排気バルブ19の角度を全
開状態から所定の角度(ここでは10゜)まで絞ること
により排気速度が適宜調節される。
【0045】一方、上記真空槽13内には、上記クーリ
ングキャン15の図2中左方に電極17上に載置された
角型のターゲット17が設けられ、これらクーリングキ
ャン15とターゲット17の間を通過する際に、上記非
磁性支持体11上に金属下地層が形成されるようになさ
れている。
【0046】また、上記真空槽10の頭部には、Arガ
ス供給装置21に接続されたArガス導入管20が該真
空槽10の壁面を貫通して配設されており、成膜時に上
記Arガス導入管20を介して上記Arガス供給装置2
1からArガスが導入され所定の真空度に設定されるよ
うになされている。
【0047】また、磁性層の形成工程においては、図3
に示すような構成を有する真空蒸着装置を使用した。
【0048】即ち、この真空蒸着装置は、図3に示すよ
うに、底部に取り付けられた真空ポンプ18により内部
が所定の真空度に保たれた真空槽30内において、被処
理体であるテープ状の非磁性支持体31が、図3中の反
時計回り方向に定速回転する送りロール33から反時計
回り方向に定速回転する巻き取りロール34に向かって
順次走行するようになされている。
【0049】これら送りロール33側から巻き取りロー
ル34側に亘って上記非磁性支持体31が走行する中途
部には、該非磁性支持体31を図3中左方に引き出すよ
うに設けられるとともに、上記各ロール33,34の径
よりも大径となされたクーリングキャン35が図3中反
時計回り方向に定速回転するように設けられている。
【0050】これら送りロール33、巻き取りロール3
4及びクーリングキャン35は、それぞれ上記非磁性支
持体31の幅と略同じ長さからなる円筒状をなすもので
ある。
【0051】従って、この真空蒸着装置においては、上
記非磁性支持体31が、上記送りロール33から順次送
り出され、上記クーリングキャン35の外周面に沿って
通過し、更に上記巻き取りロール34に巻き取られてい
くようになされている。
【0052】また、上記クーリングキャン35の図3中
左方には、内部に強磁性材料(図示せず。)が充填され
たるつぼ41が配設されている。
【0053】一方、上記真空槽31の頭部には、電子ビ
ーム銃40が取り付けられ、該電子ビーム銃40により
上記るつぼ41内の強磁性材料(ここではCo100 を用
いた。)を加熱溶融するようになされている。そして、
このるつぼ41より蒸発せしめられた蒸気流Xは、上記
クーリングキャン35の外周面に沿って走行する非磁性
支持体31上に蒸着され、磁性層として形成されるよう
になされている。
【0054】また、上記真空槽31の底部には、壁面を
貫通して酸素ガス導入管42が配設され、該酸素ガス導
入管42より上記磁性層上に、得られる金属磁性薄膜の
粒子の微細化を図るために導入される酸素ガスが供給さ
れる。
【0055】なお、成膜時に、上記真空槽30の外部に
配設された真空ポンプ38と排気バルブ39によって排
気速度を調節しながら真空排気されることは、先のスパ
ッタリング装置と同様である。
【0056】そこで、これらスパッタリング装置及び真
空蒸着装置をそれぞれ使用して、以下のようにして蒸着
テープを作製した。
【0057】先ず、非磁性支持体となる高分子フィルム
上にスパッタリング法により純度99%のFe−Cr−
Ni(Crを18重量%、Niを8重量%それぞれ含
有)をターゲットとして金属下地層を膜厚が50nmと
なるように形成した後、連続斜め蒸着によりCoを主成
分とする金属磁性薄膜を形成して単層膜からなる磁性層
を設けた。
【0058】上記金属下地層を形成するスパッタリング
を行うに際し、上記図2に示すスパッタリング装置を用
い、上記真空ポンプにて10-4Paまで減圧した後、上
記排気バルブの角度を全開状態から10゜まで絞ること
により排気速度を落とすとともに、上記Arガス導入管
からArガスを導入して、上記真空槽内の真空度を0.
8Paにした。そして、上記送りロールに原反をセット
し、上記クーリングキャンの内部に配設された冷却装置
により該クーリングキャンを−40℃に冷却しながらマ
グネトロンスパッタリングを行った。この時、上記電極
とターゲット間の距離は45mmとし、上記ターゲット
に電圧3000Vを印加するとともに、1.4Aの電流
が流れる状態を保った。この金属下地層の形成後、上記
原反は上記巻き取りロールにて巻き取った。
【0059】また、上記磁性層の形成工程においては、
上記図3に示す真空蒸着装置を用い、上記真空ポンプに
て10-4Paまで減圧した後、上記酸素導入管から酸素
ガスを導入した。そして、上記送りロールに上述のよう
にして金属下地層が設けられた原反をセットし、上記ク
ーリングキャンの内部に配設された冷却装置により該ク
ーリングキャンを−40℃に冷却しながら上記電子ビー
ム銃にて30kWのパワーで上記るつぼ内の強磁性金属
材料(ここでは、Coを使用した。)を蒸発させCo薄
膜を形成した。
【0060】次いで、上記金属下地層の形成工程で使用
したものと同様のスパッタリング装置にてターゲットの
みをカーボン(C)に変更するとともに、スパッタ条件
を真空度1.5Pa、電圧3500V、電流3.2Aに
変更してカーボン膜よりなる保護膜を成膜した。
【0061】続いて、上記保護膜上にナフタレンジオー
ルを有機物防錆剤として使用し、このナフタレンジオー
ルの0.1重量%溶液をグラビアロールを用いた塗布機
により塗布し、温度100℃のドライヤーで乾燥した
後、潤滑剤としてパーフルオロポリエーテル誘導体より
なる有機物を主体とした0.5重量%溶液を上記ナフタ
レンジオールの塗布工程と同様にグラビアロールを用い
た塗布機により塗布し乾燥してトップコート層を形成し
た。
【0062】その後、カーボンを主体とする硬化剤とし
て塩化ビニル系のバインダーを使用したバックコート層
を形成して磁気記録媒体原反を作製した。
【0063】更に、この磁気記録媒体原反を8mm幅に
裁断してサンプルテープを得た。
【0064】なお、上記膜厚は、上記金属下地層の形成
後に、TEM(透過型電子顕微鏡)にて測定した。
【0065】そこで、このようにして作製したサンプル
テープと、比較用として上記金属下地層を形成せず従来
の製法により作製した比較テープ(比較例1とする。)
について、保存特性をそれぞれ調べた。
【0066】保存特性は、磁気記録媒体を温度60℃、
湿度95%の高温多湿条件下で144時間放置し、放置
による残留磁束密度の劣化量を下記(1)式に基づいて
求めることにより調べた。
【0067】
【数1】
【0068】但し、上記(1)式中、Φr0は初期残留磁
束密度、Φr1は放置後残留磁束密度をそれぞれ表す。
【0069】また、実施例1のサンプルテープ及び上記
比較テープにおいて、裁断時にクラック(磁性層のひび
割れ)が発生するものと発生しないものがあり、クラッ
クの発生しているものは保存特性が劣化する傾向が見ら
れた。
【0070】このため、厳密な比較をするために、保存
する前に裁断面におけるクラックの発生状況を調べ、ク
ラックの少ないもののみ上記保存特性の測定に使用し
た。
【0071】現在の製法では、クラックの全く発生しな
い裁断を行うことは非常に困難であり、光学顕微鏡(ニ
コン社製、商品名HXF−II:対物レンズBD Pl
an5DIC 接眼レンズ10倍)にて観察して、0.
1mmの範囲に平均20〜40本のクラックが発生した
ものを試料として使用した。
【0072】この結果、上記金属下地層を形成しない比
較テープにおいては、クラックの発生数が35本であっ
たものの、残留磁束密度の劣化量は、11.6%にも及
んだ。
【0073】これに対して、実施例1にかかるサンプル
テープでは、平均37本のクラックが発生するととも
に、残留磁束密度の劣化量は5.0%程度にとどまっ
た。
【0074】次に、上記保存特性を測定する際に、保存
時間を変化させた場合における上記サンプルテープと上
記比較テープの残留磁束密度の劣化量を同様にして調べ
た。
【0075】この結果を図4に示す。
【0076】図4より、上記比較テープに比べ、上記サ
ンプルテープは、耐蝕性に優れていることが判った。
【0077】また、上記金属下地層の効果が見られる条
件を調べた。
【0078】先ず、上記金属下地層の膜厚を変化させた
時の残留磁束密度の劣化量を同様にして調べた。なお、
この防錆層の形成においては電極電圧、Arガス濃度も
重要なパラメータとなるが、装置依存性が大きいためデ
ータは上記実施例1で使用したスパッタリング装置で最
も効果のあったデータを採用した。
【0079】この結果を図5に示す。
【0080】図5に示すように、上記金属下地層の厚み
が10nm以上であれば、上記保護膜を形成しないもの
と比較しても同等の効果があることが判った。
【0081】ここで、上記保護膜の厚みを測定するため
には、透過型電子顕微鏡(TEM)で20万倍にて撮影
した写真にて判断している。但し、上記金属膜を形成し
ようとした場合、膜厚にムラが生じるため、膜厚の決定
には1サンプル当たり10点を計測し、その平均値を金
属層の膜厚とした。
【0082】また、上記金属下地層は、膜厚が厚いほ
ど、防錆効果が向上する傾向が見られたが、膜厚100
nm以上の範囲では防錆効果がほぼ一定の値に収束し
た。
【0083】更に、この金属下地層は、膜厚が厚くなる
に従って、下地層として粒子の粗大化が起こり、該下地
層上に蒸着膜を形成すると、得られた金属磁性薄膜の磁
気特性は却って劣化することが判った。
【0084】次に、上記金属下地層の膜厚を変化させた
時の電磁変換特性の変化を調べるために、出力特性を調
べた。
【0085】この結果を図6に示す。
【0086】図6に示すように、上記金属下地層の膜厚
が500nmを越える範囲では、比較用として作製した
塗布型の比較テープと比較して、6dB程度の向上しか
見られなくなることが判った。
【0087】従って、最近の塗布型の磁気テープの出力
の高いものと比べると、高々1dB程度の改善しかみら
れないことになるので、上記金属下地層の膜厚は、50
0nmを上限とすることが望ましいことが判った。
【0088】実施例2 上記実施例1で上記金属下地層を形成する際にターゲッ
トとして使用したFe−Cr−Ni合金をNiに変え、
その他は上記実施例1と同様の装置を使用し、スパッタ
電圧等は若干異なるが大枠において同一条件にてサンプ
ルテープを作製した。
【0089】そこで、得られたサンプルテープの保存特
性を調べるために、上記実施例1と同様にして残留磁束
密度の劣化量を測定した。
【0090】この結果を図7に示す。なお、図7中には
上記比較テープの結果についても併せて記した。
【0091】図7に示すように、本実施例のサンプルテ
ープでも、上記比較テープに比べ、いずれの場合も優れ
た耐蝕性が得られ、基本的には上述の実施例1とほぼ同
様の結果が得られることが判った。
【0092】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては、非磁性支持体と金属磁性薄膜からなる磁性
層との間に金属下地層が形成されているので、上記非磁
性支持耐側からの酸化を防止することができ、優れた耐
蝕性を得ることができる。
【0093】従って、本発明によれば、高温多湿等の条
件下で長期間保存した場合でも、磁気特性の経時的劣化
が抑えられ、良好な電磁変換特性を確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる磁気テープの一構成例を示す断
面図である。
【図2】本発明を適用して磁気テープを製造するに際
し、金属下地層の形成工程において使用したスパッタリ
ング装置の一構成例を示す模式図である。
【図3】本発明を適用して磁気テープを製造するに際
し、磁性層の形成工程において使用した真空蒸着装置の
一構成例を示す模式図である。
【図4】非磁性支持体上にFe−Cr−Niを用いて金
属下地層を設けた磁気テープの保存特性を示す特性図で
ある。
【図5】上記磁気テープにおいて金属下地層の膜厚を変
化させた時の残留磁束密度の劣化量を示す特性図であ
る。
【図6】上記磁気テープにおいて金属下地層の膜厚を変
化させた時の出力特性の変化を示す特性図である。
【図7】非磁性支持体上にNiを用いて金属下地層を設
けた磁気テープの保存特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体 2 金属下地層 3 磁性層 4 保護膜 5 トップコート層 6 バックコート層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも金属磁性薄
    膜よりなる磁性層が形成されてなる磁気記録媒体におい
    て、 上記非磁性支持体と上記金属磁性薄膜薄膜との間にNi
    を含有する金属下地層が厚さ10nm以上、500nm
    以下の範囲で形成されてなることを特徴とする磁気記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 金属下地層がNiからなることを特徴と
    する請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 金属下地層がFe−Cr−Ni合金から
    なることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
JP27941195A 1995-10-26 1995-10-26 磁気記録媒体 Withdrawn JPH09120521A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6858320B2 (en) 2001-05-30 2005-02-22 Fuji Electric Co., Ltd. Perpendicular magnetic recording medium

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