JPH0912767A - ポリオルガノシロキサンを含む硬化物または反応性高粘性物を除去する方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサンを含む硬化物または反応性高粘性物を除去する方法

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JPH0912767A
JPH0912767A JP16261795A JP16261795A JPH0912767A JP H0912767 A JPH0912767 A JP H0912767A JP 16261795 A JP16261795 A JP 16261795A JP 16261795 A JP16261795 A JP 16261795A JP H0912767 A JPH0912767 A JP H0912767A
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polyorganosiloxane
cured product
highly viscous
reactive
product
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JP16261795A
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Tsurahide Cho
連英 長
Yoshiro Ota
好郎 太田
Makoto Nishida
西田  真
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Tama Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tama Kagaku Kogyo Co Ltd
Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 装置類に付着した(A)ポリオルガノシロキ
サンを含む硬化物または反応性高粘性物に、(B)アル
カリ金属元素もしくは第四級アンモニウムのアルコラー
トの存在下に、(C)アルコキシシランおよび/または
アルコールを反応させることを特徴とするポリオルガノ
シロキサンを含む硬化物または反応性高粘性物を除去す
る方法。 【効果】 装置類に付着したポリオルガノシロキサンを
含む硬化物または反応性高粘性物を、温和な反応条件
で、効率よく、安全に除去できる。また、オルガノアル
コキシシランおよび/またはポリオルガノシロキサン低
量体を回収できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、装置類に付着したポリ
オルガノシロキサンを含む硬化物または反応性高粘性物
を除去する方法に関し、さらに詳しくは、シリコーンを
製造、貯蔵または使用する過程またはその関連工程で形
成される、ポリオルガノシロキサンからなり、もしくは
該ポリオルガノシロキサンを他の成分とともに含有する
硬化物または反応性高粘性物を除去する方法に関する。
さらに本発明は、そのような除去方法を経て、有用なオ
ルガノアルコキシシランおよび/またはポリオルガノシ
ロキサン低量体を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーン製品の中には、シリコーンゴ
ムのように、成形品や絶縁材料などとして使用される最
終的な状態では直鎖状ポリジオルガノシロキサンを架橋
させて得られた硬化物であり、その製造から需要家にお
ける処理までの間では、反応性を有する上記の直鎖状ポ
リジオルガノシロキサンに、必要に応じて架橋剤や触媒
を配合し、さらに目的に応じて充填剤、溶媒およびその
他の添加剤を、1個または複数個の容器に収容する形で
調製され、供給されるものがある。また、シリコーンレ
ジンのように、比較的低分子量の網状構造を有し、反応
性を有するポリオルガノシロキサンの溶液の形で製造さ
れ、供給されるものがある。これらのシリコーン製品は
反応性を有するため、製造中の誤操作、事故、または装
置類の洗浄などの際に製造装置類の内部で硬化したり、
保存中の経時変化によって容器内で硬化することがあ
る。また、使用の際に、処理装置内に残存した組成物か
ら、硬化物が生ずる。さらに、シリコーン製品の中間体
であるオルガノクロロシランやアルコキシシラン、およ
び架橋剤として用いられる各種のケイ素官能性化合物の
中には、製造工程中に水が混入したり、異状反応が生じ
たときに、装置内でポリオルガノシロキサンを含む硬化
物を形成し、ときには配管などを閉塞させることがあ
る。
【0003】装置内で硬化したポリオルガノシロキサン
を含む硬化物や、硬化には至らぬ反応性の高粘性ポリオ
ルガノシロキサンを、人力によって削り出す作業は、過
誤による作業中の装置の運転や引火を考えるときわめて
危険であるばかりか、装置を傷つけるおそれもある。
【0004】硬化した廃シリコーンゴムから有用な有機
ケイ素化合物を回収する試みが、いくつかなされてい
る。たとえば、英国特許第716,024号公報には、
加硫されたシリコーンゴムを、過熱水蒸気により部分的
に加水分解する加硫シリコーンゴム廃棄物の再生法が開
示されている。しかし、このような方法を各種の製造装
置などに適用することは、安全上の問題があり、また、
反応速度からも実際的ではない。
【0005】米国特許第2,673,843号明細書に
は、室温付近で無水酸による処理を行って、硬化したシ
リコーンゴムを部分的に解重合する方法が開示されてい
る。また、一般に、ポリオルガノシロキサンの除去に、
加熱したアルカリ水溶液を用いたり、常温付近のアルカ
リ水溶液に長時間接触させる方法が知られており、該ア
ルカリとしては水酸化ナトリウムが用いられている。し
かし、このような方法は安全性や効率の点で好ましくな
く、特に硬化した高重合体の場合、処理剤の浸透に時間
がかかるので、装置類の内部に付着したポリオルガノシ
ロキサンを含む硬化物の除去に用いるには制約が多い。
【0006】特開平5−271416号公報には、硬化
したシリコーンゴムを加熱することによって発生する揮
発性シロキサンを凝縮する熱分解法が開示されている。
この方法では、350℃を越える高温で加熱する必要が
あり、装置類に付着したポリオルガノシロキサンを含む
硬化物の除去には適用できない。
【0007】オクタメチルシクロテトラシロキサンのよ
うなポリジメチルシロキサンにアルコールとテトラアル
コキシシランを加え、水酸化カリウムを触媒として加熱
することにより、メチルアルコキシシランやメチルアル
コキシシロキサンが生成することを、Voronkovが報告し
ている(J. Gen. Chem. 28巻2,128頁(195
8)など)。しかし、高分子量のポリオルガノシロキサ
ンに充填剤を配合した組成物、ならびにその硬化物や、
反応性の高粘性物にこの方法を適用しうることは記載さ
れていない。
【0008】その他、ポリシロキサン類の分解や、それ
による低分子量の有機ケイ素化合物の回収に関しては多
くの提案があるが、いずれも、装置類に付着したポリオ
ルガノシロキサンを含む硬化物の除去には適当でない。
また、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒を用い
て洗浄し、あるいは上述の各種の方法にこれらの有機溶
媒を併用する方法もあるが、硬化物によっては、このよ
うな有機溶媒によって5短時間に除去できる程度に硬化
物を軟化ないし膨潤させることができないばかりでな
く、多量の有機溶媒の使用は、毒性や引火性に対する細
心の注意を必要とする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主要な目的
は、上記のような問題点を解消し、装置類に付着したポ
リオルガノシロキサンを含む硬化物または反応性高粘性
物を、効率よく安全に除去する方法を提供することであ
る。本発明のもうひとつの目的は、そのような除去工程
で得られた生成物から、アルコキシシランおよび/また
はポリオルガノシロキサン低量体を回収する方法を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の技
術課題を解決することを目的として鋭意検討した結果、
装置類に付着したポリオルガノシロキサンを含む硬化物
または反応性高粘性物に、アルコキシシラン(特にテト
ラアルコキシシラン)および/またはアルコールを加
え、特定範囲のアルコラートとともに加熱処理すると、
簡単にスラリー化して装置より除去できること、また、
そのようにして得られたスラリー状の生成物から、有用
なケイ素含有化合物を回収しうることを見出して、本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、装置類に付着した
(A)ポリオルガノシロキサンを含む硬化物または反応
性高粘性物に、 (B)アルカリ金属アルコラートおよび第四級アンモニ
ウムアルコラートから選ばれる少なくとも1種のアルコ
ラート化合物の存在下に、 (C)(1)一般式: R1 mSi(OR2)4-m (式中、R1 は炭素数1〜6の置換または非置換の1価
の炭化水素基を表し;R2 は炭素数1〜6のアルキル基
を表し;mは0、1または2である)で示されるアルコ
キシシラン;および/または (2)一般式:R3 OH (式中、R3 は炭素数1〜6のアルキル基を表す)で示
されるアルコール (A)に含まれるポリオルガノシロキサン100重量部
に対して、(1)および/または(2)として少なくと
も50重量部を300℃未満の温度で反応させることを
特徴とするポリオルガノシロキサンを含む硬化物または
反応性高粘性物を除去する方法に関し、また、そのよう
な除去工程で得られた生成物から、アルコキシシランお
よび/またはポリオルガノシロキサン低量体を回収する
方法に関する。
【0012】本発明において、装置類とは、ポリオルガ
ノシロキサンやその反応性中間体、またはそれらを含有
する組成物の製造、輸送、貯蔵または加工に用いられる
装置、配管、および繰返し使用される容器などをいう。
装置としては、具体的には、反応装置、蒸留または精留
装置、ろ過装置、混合槽、貯槽、混練装置、押出し装
置、充填機、加工装置、および塗布・施工装置などが例
示され、熱交換器のような、ポリオルガノシロキサンや
その反応性中間体が接触する付属機器・計器類も包含す
る。なお、本発明の方法は、連続法、バッチ法のいずれ
の装置にも適用できる。配管としては、これら装置に付
属するもののほか、装置間をつなぐものも挙げられる。
繰返し使用される容器としては、製品または中間体の、
製造、出荷、保管、使用などのために用いられるものが
挙げられる。
【0013】本発明の除去方法は、上述のような装置類
に付着した(A)ポリオルガノシロキサンを含む硬化物
または反応性高粘性物に、(B)アルコラート化合物の
存在下に、(C)(1)アルコキシシランおよび/また
は(2)アルコールを反応させることによって行われ
る。
【0014】本発明において、ポリオルガノシロキサン
を含むとは、ポリオルガノシロキサンそのものと、それ
を含有する組成物の両方のケースが包含される。前者と
しては、シリコーンゲルや無溶媒シリコーンレジンに見
られるように、反応性を有するベースポリマーや、さら
にこれも反応性を有する架橋剤であるポリオルガノシロ
キサンを配合したものが例示される。後者としては、前
者に、必要に応じて架橋剤、触媒、溶媒、添加剤などの
少なくとも1種を配合した組成物、具体的には、各種の
硬化機構によるシリコーンゴムやシリコーンレジンが例
示される。また、中間体として用いられる反応性の低分
子ケイ素化合物、たとえばオルガノクロロシラン類やオ
ルガノアルコキシシラン類;およびシリコーンゴムの架
橋剤に用いられる各種のケイ素官能性化合物が、空気中
の水分と接触して形成される低分子量および高分子量の
ポリオルガノシロキサンも包含される。
【0015】本発明において除去の対象とされるポリオ
ルガノシロキサンを含む硬化物とは、上記のポリオルガ
ノシロキサンまたはそれを含有する組成物のうち、硬化
して、寒天状の柔いものから固いものに至る各種形態の
固形物となったもので、化学的には、主としてシロキサ
ン結合からなる網状、架橋した鎖状などの三次元骨格構
造を有するものをいう。このような硬化物は、多くは不
可逆的に上記の構造を有する高分子化合物を形成して、
装置類の表面に固着する。
【0016】また、同様に本発明において除去の対象と
されるポリオルガノシロキサンを含む反応性高粘性物と
は、硬化物を形成するには至らないが、該ポリオルガノ
シロキサンの一部または全部が、ケイ素原子に結合した
水素原子、水酸基もしくは加水分解性基のようなケイ素
官能性基;またはビニル基のような炭素官能性基を有し
ており、かつ該ポリオルガノシロキサン自体の粘度また
はそれを含有する組成物の見かけ粘度のいずれかが、2
5℃において1,000cP以上のもの、ならびにそれら
が硬化物を形成するに至る途中の段階まで反応が進行し
たものをいう。このような高粘性物は、通常、装置類に
固着したり、洗浄などによって容易に除去できない状態
で存在しており、また多くはその反応性によって、空気
中の水分の作用、および/またはそこに存在する他の成
分との反応によって、放置すれば架橋や分子の成長を生
じて増粘し、ついには硬化物を形成するに至る。
【0017】このような除去対象の例としては、ベース
ポリマーに架橋剤および必要に応じて触媒が存在し、水
分の存在下に硬化が開始されるタイプの縮合型シリコー
ンゴム組成物において、水分を含む空気が装置類に侵入
し、または装置類の洗浄のためにこのような組成物が付
着している装置を開放ないし分解する際に生ずる、該組
成物そのものと、その部分ないし全部が硬化物になった
ものが挙げられる。別の例として、同様の要素成分から
なり、水分が存在しなくても硬化反応が開始されるタイ
プの縮合型または付加型シリコーンゴムにおいて、少な
くとも1個の要素を別個に製造し、保存するものが誤操
作によって混入したもの、反応抑制剤の存在下もしくは
冷却下に全要素を混した組成物において、反応抑制剤が
有効に機能しなかったり、冷却が不十分であって架橋反
応を起こしたもの、あるいは使用に際して全要素を混合
された使用残りの組成物が挙げられる。その他、オルガ
ノクロロシラン類;および架橋剤として用いられる有機
ケイ素化合物、たとえばメチルトリメトキシシラン、メ
チルトリアセトキシシランなどの合成や精製に用いられ
る装置に、水分を含んだ空気が侵入して、加水分解反応
によって形成された硬化物;ならびにシリコーンワニス
の製造中または保存中に、重縮合反応が過度に進行した
ときに生ずる、溶媒を含み、巨大分子化されたポリシロ
キサン硬化物などが例示されるが、これらに限定される
ものではない。
【0018】(A)中に含まれるポリオルガノシロキサ
ンにおいて、ケイ素原子に結合した有機基は特に限定さ
れないが、少量存在する架橋基は別として、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、デシル
などのアルキル基;フェニルなどのアリール基;2−フ
ェニルエチル、2−フェニルプロピルのようなアラルキ
ル基;ならびに3,3,3−トリフルオロプロピルなど
の1価の置換炭化水素基が例示される。そのほか、分子
中に少量のビニル(未架橋)などのアルケニル基;およ
び/または3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピル、3−グリシドキシプロピル
などの1価の置換炭化水素基が存在してもよい。シリコ
ーンゴムのように、直鎖状のベースポリマーを架橋させ
る機構を用いるものは、該有機基の全部または大部分が
メチル基であり、反応および回収を有利に行うには、こ
のような主としてメチル基を有するものが特に好まし
い。また、シリコーンレジンの中には、メチル基とフェ
ニル基を有するタイプもあり、このようなものにも、本
発明の方法を有利に適用できる。
【0019】本発明の大きな特徴として、反応性を有す
る高分子量の鎖状系ポリオルガノシロキサンに、充填剤
および/または顔料その他の添加剤を配合したシリコー
ンゴム組成物や、硬化したシリコーンゴムに、本発明の
方法を有利に適用できる。充填剤としては、煙霧質シリ
カ、沈殿シリカ、シリカエアロゲル、粉砕シリカ、溶融
シリカ、けいそう土のようなシリカのほか;酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、ゼオライ
ト、クレー、ガラス、セッコウ、硫酸バリウム、ケイ酸
ジルコニウム、炭酸カルシウム、カーボンブラック、グ
ラファイトなどが挙げられる。これらの充填剤は、単独
で用いられていても、2種以上が混合して用いられてい
てもよい。また、これらの充填剤をそのまま用いても、
その表面を直鎖状ポリジメチルシロキサン、オクタメチ
ルシクロテトラシロキサン、トリメチルクロロシラン、
ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザンのよ
うな有機ケイ素化合物で処理してあってもよい。
【0020】充填剤や顔料のような固体成分の含有量
は、特に限定されないが、反応およびその後の分離処理
を円滑に進めるためには、(A)として用いられる組成
物中の40重量%以下が好ましく、20重量%以下がよ
り好ましい。
【0021】また、上記のような高分子量ポリオルガノ
シロキサンまたはそれに充填剤を含む組成物にさらに有
機溶媒を含有したもの、および同様に有機溶媒を含有す
るシリコーンレジンの未硬化物、半硬化物および硬化物
にも、本発明を適用することができる。
【0022】本発明で用いられる(B)成分は、(A)
と(C)成分を反応させる触媒として寄与するもので、
アルコラート化合物としてはリチウムメチラート、ナト
リウムメチラート、カリウムメチラート、リチウムエチ
ラート、ナトリウムエチラート、カリウムエチラート、
ナトリウムイソプロピラートなどのアルカリ金属アルコ
ラート;およびテトラメチルアンモニウムメチラート、
テトラエチルアンモニウムメチラート、テトラメチルア
ンモニウムエチラートなどの第四級アンモニウムアルコ
ラートが例示され、1種でも、2種以上を併用してもよ
く、触媒効果から、ナトリウムメチラートが好ましい。
(B)成分は、たとえばアルカリ金属アルコラートの場
合、対応するアルカリ金属を過剰のアルコールと反応さ
せて、アルコラートのアルコール溶液として得られる。
本発明においては、そのようなアルコール溶液の形で用
いてもよい。
【0023】(B)成分の使用量は特に限定されない
が、(A)に含まれるポリオルガノシロキサン100重
量部に対して、通常は0.1〜50重量部、好ましくは
5〜15重量部である。
【0024】本発明で用いられる(C)成分は、(A)
中のポリオルガノシロキサンの分解剤として作用するほ
か、反応を安定な条件で進行させるための還流剤として
も寄与する。(C)成分としては、(1)アルコキシシ
ランおよび/または(2)アルコールが用いられ、その
反応性から(1)が好ましい。
【0025】(1)のアルコキシシランは、本発明によ
る硬化物および反応性高粘性物の除去に寄与するととも
に、除去によって生じた生成物を回収するときに、
(A)に含まれるポリオルガノシロキサンやその硬化物
を分解して、用いられた(1)よりもケイ素原子に結合
する有機基の数が多いオルガノアルコキシシラン(a)
を生成する際のアルコキシ基源となる。(1)は一般
式:R1 mSi(OR2)4-m(式中、R1 、R2 、aは前
述のとおり)で示される。R1 としては、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルの直鎖
状または分岐状のアルキル基;シクロアルキル基;フェ
ニル基;ならびにクロロメチル基のような置換炭化水素
基が挙げられ、反応性からメチルおよびエチルが好まし
く、特に回収が容易なメチル基を有する(a)が得られ
ることから、メチル基が特に好ましい。R2 としては、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘ
キシルが挙げられ、直鎖状でも分岐状でもよく、反応性
からメチルおよびエチルが好ましく、メチル基が最も好
ましい。mは0、1または2であり、容易に入手しうる
ことから、mが0であるテトラアルコキシシランが最も
好ましいが、R1 がメチル基で、mが1であるメチルト
リアルコキシシランも、塩化メチルと金属ケイ素から合
成されるメチルクロロシラン類のうち、余剰成分となる
メチルトリクロロシランより誘導され、しかも上述のよ
うに、反応生成物の回収が容易なことから好ましい。
【0026】本発明において、(C)成分としては、上
記の(1)を用いることが好ましいが、(1)の一部ま
たは全部に代えて(2)のアルコールを用いることがで
きる。(2)は一般式:R3 OH(式中、R3 は前述の
とおり)で示され、(B)成分を合成する際に反応剤な
いし溶媒として用いられるアルコールをそのまま用いて
もよいが、還流により、比較的温和な条件で反応を進行
させるために、アルコールをさらに追加して使用するこ
とが好ましい。追加されるアルコールとしては、(B)
成分のアルコラートのアルキル基R2 と同じアルキル基
3 を有するものでよいが、還流によって任意の反応温
度を得るように、沸点により任意に選択してもよい。反
応生成物の組成を単純化して、分離精製を容易にするた
めには、R2 とR3 が等しいことが好ましい。用いられ
るアルコールの例としては、メタノール、エタノール、
イソプロパノールおよびブタノールが例示される。
【0027】(C)成分の使用量は、(1)と(2)の
合計量として、(A)中の高分子量ポリオルガノシロキ
サンの分解剤として寄与し、また還流により、反応を温
和な条件で順調に進行させるために、(A)に含まれる
ポリオルガノシロキサン100重量部に対して少なくと
も50重量部、好ましくは50〜1,000重量部、さ
らに好ましくは70〜300重量部である。50重量部
未満では反応が十分に進行せず、(A)の除去を完全に
行うことができない。また1,000重量部を越えて用
いてもそれなりの効果がなく、効率が落ちるばかりであ
る。なお、(A)が多量の充填剤を含有する組成物であ
る場合は、(C)成分を多量に使用することが好まし
い。
【0028】さらに、特に(A)がシリコーンレジンの
ような網状化度の高い分子骨格を有するポリオルガノシ
ロキサンまたはそれを含む組成物の硬化物である場合、
または(A)が鎖状ポリオルガノシロキサン系の硬化物
または反応性高粘性物である場合でも、対象物への
(B)成分および(C)成分の滲透速度を上げるため
に、任意の有機溶媒を併用してもよい。用いられる有機
溶媒としては、トルエン、キシレン、石油系炭化水素な
どの炭化水素溶媒が例示される。
【0029】反応は、300℃未満の、通常の条件では
ポリオルガノシロキサンの開裂が行われない条件で進行
する。好ましくは、還流装置を設置して、余剰の(C)
成分を還流させることによって、64〜170℃、さら
に好ましくは64〜125℃の還流温度を保つことによ
り、硬化物または反応性高粘性物の付着した部分の温度
を250℃以下、さらに好ましくは70〜160℃に保
って、反応を温和な条件で進行させる。反応は常圧で進
行するが、減圧または加圧下で反応させてもよく、特に
生成物の回収を反応と同時に行うときは、回収物の沸点
によっては、減圧下で進行してもよい。また、除去すべ
き対象物の付着した装置類が小形であったり、小形の部
分に分解できる場合には、特別な除去装置中に収容して
除去を行ってもよい。
【0030】反応により、(A)に含まれるシロキサン
結合が開裂し、(C)成分中のアルコキシ基が結合し
て、(a)オルガノアルコキシシランを生成する。また
(A)に含まれるポリオルガノシロキサンやその硬化物
のケイ素原子1個に対して、(C)成分として、(1)
をそのアルコキシ基が(A)中のケイ素原子1個に対し
て1個未満になる量用いるか、(2)のみを用いること
によって、(a)オルガノアルコキシシランと(b)ポ
リオルガノシロキサン低量体を生成する。
【0031】本発明の主目的は、前述のように、装置内
に付着したポリオルガノシロキサンを含む硬化物または
反応性高粘性物を除去する方法を提供することである
が、装置の種類および規模によっては、除去工程で得ら
れた生成物から、上記の(a)および/または(b)を
回収することができる。
【0032】本発明によって得られる(a)のオルガノ
アルコキシシランは、一般式:R4 nSi(OR5)
4-n(式中、R4 、R5 およびnは前述のとおり)で示
され、(a)に含まれるアルコキシ基OR5 は、反応に
用いられた(C)成分に含まれるアルコキシ基OR2
よび/またはOR3 に由来する。したがって、R5 とし
ては、R2 およびR3と同様な基が例示される。
【0033】R4 は、出発物質として用いられた(A)
のケイ素原子に結合した有機基と、(C)成分のR1
両方に由来する。本発明のひとつの好ましい実施態様
は、(A)に含まれるポリオルガノシロキサンやその硬
化物のケイ素原子に結合した有機基がすべてメチル基で
あるか、(A)が架橋された鎖状ポリオルガノシロキサ
ン系の硬化物または反応性高粘性物である場合には、架
橋を形成する基を除く上記の有機基が実質的にすべてメ
チル基であり、(C)成分のR1 もメチル基であって、
その場合、回収される(a)のR4 はメチル基である。
【0034】本発明によって生成する(a)は、反応に
用いる(1)よりもケイ素原子に結合した有機基の数が
多いオルガノアルコキシシランである。すなわち、
(1)としてm=0のものを用いると、(a)のnは
1、2または3である。同様に、m=1のものからはn
が2または3、m=2のもからはnが3のものが得られ
る。用いる(1)と反応条件によっては複数の種類の
(a)が生成するが、本発明の好ましい実施態様として
は、(A)として鎖状ポリオルガノシロキサン系の硬化
物または反応性高粘性物を用い、m=0である(1)、
すなわちテトラアルコキシシランを用いて、(a)とし
て、n=2であるジオルガノジアルコキシシランを優れ
た選択率で得ることができる。このようなジオルガノジ
アルコキシシランの代表例として、ジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプ
ロポキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メ
チルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシ
シランおよびジフェニルジエトキシシランが挙げられ
る。
【0035】本発明において、前述のように用いる原料
の配合比によって生成する(b)は、分子中に2〜6個
のケイ素原子を有するポリオルガノシラン低量体であ
る。ケイ素原子数が6を越えると、蒸留によって単離し
て再利用しにくい。(A)が鎖状ポリオルガノシロキサ
ン系の硬化物または反応性高粘性物のとき、回収される
ポリオルガノシロキサン低量体(b)は、二官能性シロ
キサン単位からなる環状ポリオルガノシロキサンおよび
/または両末端ジアルコキシポリ(ジオルガノシロキサ
ン)である。本発明の好ましい実施態様として、(A)
がケイ素原子に結合した有機基の90モル%以上、さら
に好ましくは架橋を形成する基を除いて実質的にすべて
のメチル基を有する上記の鎖状ポリオルガノシロキサン
系のものであり、(C)成分として、m=0、またはm
=1でR1 がメチル基である(1)を用いるか、(2)
を用いる場合、得られる(b)として、環状ポリオルガ
ノシロキサンとしてはヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキ
サシロキサンが挙げられ;両末端ジアルコキシポリ(ジ
オルガノシロキサン)としては、用いられる(C)成分
のOR2 ないしOR3 の種類に応じたアルコキシ基を有
する1,3−ジアルコキシ−1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサン、1,5−ジアルコキシ−1,1,
3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,7
−ジアルコキシ−1,1,3,3,5,5,7,7−オ
クタメチルテトラシロキサンなどが例示される。
【0036】(a)および/または(b)の回収は、蒸
留その他、任意の方法が用いられる。硬化物や反応性高
粘性物の除去を、前記のような特別な除去装置で行う場
合や、それらが付着した装置自体が蒸留可能な装置であ
る場合は、硬化物などの除去を同時に行うことも可能で
あるが、硬化物などの除去によって得られた生成物をま
とめて、別途に回収を行ってもよい。
【0037】本発明において、反応後の留出物中に未反
応の(C)成分が残存してもよい。それらは回収の際
に、沸点の差によって生成物から容易に分離して、本発
明の反応に再利用できる。
【0038】
【発明の効果】本発明によって、装置類に付着したポリ
オルガノシロキサンを含む硬化物または反応性高粘性物
を除去することができる。本発明の付着物の除去方法
は、比較的温和な反応条件を用いて、効率よく、安全に
実施でき、装置類を傷つけるおそれもない。
【0039】また、本発明の除去方法によって得られた
生成物から、シリコーン工業に有用なオルガノアルコキ
シシランおよび/またはポリオルガノシロキサン低量体
を回収することができ、これらはシリコーンオイル、シ
リコーンゴム組成物などの製造に、中間体として用いる
ことができる。
【0040】本発明の方法は、シリコーンの製造、輸
送、貯蔵および使用の際に用いられる装置、配管、およ
び繰返し使用される容器などに広く適用できる。産業廃
棄物の処理が極めて困難になってきた事情を考慮する
と、単に装置類の付着物を除去するばかりでなく、生成
物から有用な有機ケイ素化合物の回収の道を開いたこと
を含めて、本発明の工業的意義は大きい。
【0041】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳細に説明する。実施例2および3において、部
はいずれも重量部を表す。本発明はこれらの実施例によ
って限定されるものではない。
【0042】実施例1 容量700リットルのプラネタリーミキサーに、25℃
における粘度が100,000cPで、ジメチルビニルシ
リル基で両末端が閉塞された直鎖状ポリジメチルシロキ
サン192kg;ジメチルビニルシロキシ基、トリメチル
シロキシ基およびSiO2 単位からなる分岐状ポリメチ
ルビニルシロキサン64kg;トリメチルシロキシ基で両
末端が閉塞され、メチルハイドロジェンシロキシ単位か
らなる、25℃における粘度が40cSt のポリメチルハ
イドロジェンシロキサン15.5kg;溶融シリカ128
kg;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
6.5kg;および触媒量の白金化合物を仕込み、冷却下
に撹拌して付加型シリコーンゴム組成物を調製していた
ところ、温度上昇のためにヒドロシリル化反応を生じ、
増粘、硬化が認められた。撹拌を止め、内容物を取り出
したところ、取り出せたのは324kgで、残余の82kg
はプラネタリーミキサーの内壁および撹拌機のブレード
に付着して硬化し、容易に除去できなくなった。
【0043】内容物の取出しを中止して取出口を閉じ、
硬化物の付着したプラネタリーミキサーに、テトラメト
キシシラン70kg、ナトリウムメチラートの28重量%
メタノール溶液60kg、およびメタノール250kgを仕
込み、常温で10時間放置したところ、プラネタリーミ
キサー内の硬化物はすべて溶解し、溶融シリカは底部に
沈降していた。
【0044】この溶解物を取出して、撹拌器、温度計、
精留塔および減圧装置を備え、湿気を遮断したステンレ
ス製反応器に仕込み、乾燥窒素雰囲気で撹拌しながら、
メタノールの還流状態で10時間加熱した。ついで常圧
蒸留に切換えてメタノールを回収した後、昇温して蒸留
を続け、反応によって生成したメトキシシラン類を回収
した。さらに減圧蒸留を行い、反応器の温度230℃/
60Torrまで蒸留を続けて、ポリジメチルシロキサン低
量体を回収した。該低量体は、環状ポリジメチルシロキ
サンと、両末端にメトキシ基を有する鎖状ポリジメチル
シロキサンであった。回収物の種類と量は表1に示すと
おりであった。回収後の反応器には、固体を含むスラリ
ー状の残渣が残った。
【0045】
【表1】
【0046】実施例2 密閉したステンレス製混合器に、25℃における粘度が
20,000cPの、両末端がシラノール基で閉塞された
ポリジメチルシロキサン70部、メチルトリス(メチル
エチルケトキシマト)シラン3部、煙霧質シリカ10部
およびジブチルスズジラウレート0.02部を仕込み、
撹拌して縮合型シリコーンゴム組成物を調製したとこ
ろ、混合器の気密性が不十分であったため、混入した空
気中の湿分により、架橋反応を生じて、混合器の内容物
が半硬化状態になり、取り出せなくなった。
【0047】上記の混合器に、テトラメトキシシラン1
00部、およびナトリウムメチラートの28重量%メタ
ノール溶液10部を加え、常温で5時間放置したとこ
ろ、半硬化状態であった組成物は、少量のシリカを含む
流動性のある溶液状となり、混合器から容易に取り出す
ことができた。
【0048】実施例3 ガラスライニング反応槽に、水30部およびトルエン5
部からなる加水分解剤を仕込み、撹拌しながら、フェニ
ルトリクロロシラン6部、ジメチルジクロロシラン6
部、メチルトリクロロシラン15部およびキシレン40
部を滴下して、メチルフェニルシリコーンレジンの合成
のための加水分解を試みたところ、温度が急激に上昇
し、そのため、ポリシロキサンの成長反応が進行し、増
粘して溶剤相が寒天状となり、撹拌が不可能な状態にな
った。
【0049】水相を抜き出した後、テトラメトキシシラ
ン20部、ナトリウムメチラートの28重量%メタノー
ル溶液15部およびメタノール60部を仕込み、常温で
8時間放置したところ、全体が粘度約500cPの溶液と
なり、反応槽から取出すことができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 真 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置類に付着した(A)ポリオルガノシ
    ロキサンを含む硬化物または反応性高粘性物に、 (B)アルカリ金属アルコラートおよび第四級アンモニ
    ウムアルコラートから選ばれる少なくとも1種のアルコ
    ラート化合物の存在下に、 (C)(1)一般式: R1 mSi(OR2)4-m (式中、R1 は炭素数1〜6の置換または非置換の1価
    の炭化水素基を表し;R2 は炭素数1〜6のアルキル基
    を表し;mは0、1または2である)で示されるアルコ
    キシシラン;および/または (2)一般式:R3 OH (式中、R3 は炭素数1〜6のアルキル基を表す)で示
    されるアルコール (A)に含まれるポリオルガノシロキサン100重量部
    に対して、(1)および/または(2)として少なくと
    も50重量部を300℃未満の温度で反応させることを
    特徴とするポリオルガノシロキサンを含む硬化物または
    反応性高粘性物を除去する方法。
  2. 【請求項2】 装置類に付着したポリオルガノシロキサ
    ンを含む硬化物または反応性高粘性物を除去して、 (a)一般式:R4 nSi(OR5)4-n (式中、R4 はR1 およびポリオルガノシロキサンに由
    来する置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;R
    5 は炭素数1〜6のアルキル基を表し;nは1、2また
    は3で、かつn>mを満足させる整数である)で示され
    るオルガノアルコキシシランを回収する請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 装置類に付着したポリオルガノシロキサ
    ンを含む硬化物または反応性高粘性物を除去して、
    (b)分子中に2〜6個のケイ素原子を有するポリオル
    ガノシロキサン低量体を回収する請求項1記載の方法。
JP16261795A 1995-06-28 1995-06-28 ポリオルガノシロキサンを含む硬化物または反応性高粘性物を除去する方法 Pending JPH0912767A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2025041622A1 (ja) * 2023-08-24 2025-02-27 信越化学工業株式会社 剥離ライナーから基材を回収する方法、及び剥離ライナーからシロキサンを回収する方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2025041622A1 (ja) * 2023-08-24 2025-02-27 信越化学工業株式会社 剥離ライナーから基材を回収する方法、及び剥離ライナーからシロキサンを回収する方法

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