JPH0913005A - 耐圧シール部材組成物 - Google Patents

耐圧シール部材組成物

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JPH0913005A
JPH0913005A JP8078996A JP7899696A JPH0913005A JP H0913005 A JPH0913005 A JP H0913005A JP 8078996 A JP8078996 A JP 8078996A JP 7899696 A JP7899696 A JP 7899696A JP H0913005 A JPH0913005 A JP H0913005A
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pressure
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ptfe
seal ring
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Kozo Kakehi
幸三 筧
Noboru Umemoto
昇 梅本
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Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐圧シール部材組成物および自動車の動力舵
取り装置用オイルシールリングを、150kgf/cm
2 以上の被圧条件において耐クリープ性を充分に満足
し、しかもPTFE本来の低摩擦特性を備えたものとす
る。 【解決手段】 パーフルオロアルコキシ基により変性さ
れた四フッ化エチレン樹脂70〜97重量%と、ガラス
繊維3〜30重量%を含んでなる耐圧シール部材組成物
とする。または上記の耐圧シール部材組成物からなる自
動車の動力舵取り装置用オイルシールリングとする。耐
圧使用条件でシールの「はみ出し摩耗」現象を発生させ
ず、PTFE本来の低摩擦で良好な動作性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高圧流体をシー
ルする耐圧シール部材組成物および自動車の動力舵取り
装置用オイルシールリングに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、比較的高圧の流体に接するポン
プ、バルブ、シリンダなどの要所をシールするシールリ
ングなどの耐圧シール部材としては、四フッ化エチレン
樹脂(以下、PTFEと略記する。)にガラス繊維また
は炭素繊維を補強材として所定量配合したフッ素樹脂組
成物が知られている。
【0003】このようなPTFE樹脂組成物は、PTF
E本来の耐クリープ性が充分でなく、この物性を改善す
るために、ガラス繊維または炭素繊維からなる繊維補強
材を所定量配合したものであり、100kgf/cm2
程度以下の流体圧力に耐えてシール性を発揮することが
できる。
【0004】しかし、これより高圧のシール性を発揮さ
せるためには、PTFE樹脂組成物に多量の繊維補強材
を充填しなければならないが、それではPTFE本来の
低摩擦特性を阻害することになる。
【0005】PTFE本来の低摩擦特性を阻害すること
なく、耐クリープ性を改善した組成物としては、PTF
Eの分子構造を一部変性させ、すなわちパーフルオロア
ルコキシ基などで置換された繰り返し単位をPTFEの
繰り返し単位に共重合させた変性PTFEとし、これを
主成分として炭素繊維を充填したシール部材組成物が知
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のPTFE樹脂系のシール部材組成物では、150kg
f/cm2 を越えるような油圧などの流体圧力に耐える
耐クリープ性を発揮することはできず、すなわち、その
ような高圧の被圧条件においてはシール部材としてのシ
ール性を発揮できないという問題点がある。
【0007】また、前述のように150kgf/cm2
を越える高耐圧性を必要とするシール部材の具体例であ
る自動車の動力舵取り装置用オイルシールリングにおい
ては、前記被圧条件において使用すると、例えばハウジ
ングと軸の間の隙間にクリープ変形した部分がはみ出し
てちぎれ、さらにこの状態が繰り返されてシール部材を
大きく損傷させ、いわゆる「はみ出し摩耗」という現象
が発生する問題点がある。
【0008】そこで、この発明は、上記した問題点を解
決して、耐圧シール部材組成物を、150kgf/cm
2 以上の被圧条件において耐クリープ性を充分に満足
し、しかもPTFE本来の低摩擦特性を備えたものとす
ることを課題としている。
【0009】または、前記同様の問題点を解決して、
「はみ出し摩耗」現象を発生させず、しかもPTFE本
来の低摩擦係数をもって動作性の良い自動車の動力舵取
り装置用オイルシールリングとすることを課題としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、パーフルオロアルコキシ基に
より変性された四フッ化エチレン樹脂70〜97重量
%、ガラス繊維3〜30重量%からなる耐圧シール部材
組成物としたのである。
【0011】または、上記した耐圧シール部材組成物か
らなる自動車の動力舵取り装置用オイルシールリングと
したのである。
【0012】この発明の耐圧シール部材組成物は、パー
フルオロアルコキシ基により変性された四フッ化エチレ
ン樹脂が、分子間の滑りを起こし難い分子構造であって
耐クリープ性が向上する。そして、組成物中に所定量添
加されたガラス繊維は、前記所定の変性基を有する四フ
ッ化エチレン樹脂の耐クリープ性を改善するに際して、
極めて添加効率がよく、このためPTFE本来の摺動特
性を阻害することなく、耐圧シール性に極めて優れたシ
ール部材組成物となる。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明におけるパーフルオロア
ルコキシ基により変性された四フッ化エチレン樹脂は、
単独重合体であるPTFEとパーフルオロアルコキシ基
を有する単量体との変性物(以下、変性PTFEと略記
する。)である。このような変性PTFEは、370℃
におけるみかけの溶融粘度が、約1×109 ポイズ以上
の高粘度であり、よってメルトフローインデックスはほ
ぼ測定不可能である。
【0014】アルコキシ基の炭素数は、1〜10または
1〜4程度であり、各々がメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基などの状態になっていてもよく、アルコ
キシ基部分は、上記各々の基が少なくとも一種類以上で
単独もしくは各々0.1〜10重量%、好ましくは0.
1〜8重量%、また0.1〜4重量%、またはこのよう
な範囲の下限値を越え上限値未満の割合で含有されてい
れば、溶融粘度は高いながらも成形性と耐クリープ性、
耐熱性に優れたシールリングを提供することができる。
【0015】この発明における耐圧シール部材組成物
は、変性されていないPTFEを成分とする組成物とは
耐クリープ性が著しく異なり、所定のクリープ試験(A
STMD−621に準じ、測定温度を25℃、荷重14
0kgf/cm2 とする試験)で、24時間後の圧縮ク
リープ変形率が10%以下である。なぜなら、圧縮クリ
ープ変形率が10%を越える組成物では、変形し易くて
「はみ出し」変形量が大きくなるからであり、このよう
な傾向から好ましい前記の圧縮クリープ変形率は、7%
以下、好ましくは6%以下(いずれも0%を越える)で
ある。
【0016】この発明に用いる繊維状強化材としてのガ
ラス繊維は、SiO2 、B2 O3 、Al2 O3 、Ca
O、Na2 O、K2 O、MgO、Fe2 O3 などを成分
とする無機ガラスから得られるものであり、一般に無ア
ルカリガラス(Eガラス)、含アルカリガラス(Cガラ
ス、Aガラス)などを用いることができる。
【0017】Eガラスは、例えばSiO2 が約52〜5
6重量%、B2 O3 が約8〜13重量%、Al2 O3 が
約12〜16重量%、CaOが約15〜25重量%、N
a2OまたはK2 Oが0を越え約1重量%以下、MgO
が0を越え約6重量%以下を含有している。また、その
引張強さは、約300〜400kgf/mm2 、平均し
て約350kgf/mm2 であり、弾性率は、約740
0〜7700kgf/mm2 であり、引張強度、弾性
率、量産性、価格等の点で総合的に優れたものである。
【0018】この発明でEガラスを用いる場合には、そ
の繊維長が約0.01〜0.7mmのものが好ましく、
より好ましくは0.1〜0.5mmである。またその繊
維径は、約5〜15μmが好ましく、より好ましくは約
7〜13μmである。なぜなら、繊維径が約15μmを
越える大径のもの、または繊維長が約0.7mmを越え
るものを用いると、変性PTFEと混合する際に均一分
散させることが難しくなり、不均一分散の組成物では成
形も困難になるからである。繊維径が5μm未満であっ
たり、繊維長が0.01mmより短いと、組成物に所要
の圧縮クリープ等の機械的強度が期待できない。
【0019】前記ガラス繊維は、その配合割合を、繊維
長に応じて所定の割合で分布させることが好ましく、例
えば繊維の全体重量(100重量部)のうち、繊維長が
0.1mm未満のものが1〜10重量部、0.1mm以
上0.3mm未満のものは1〜50重量部、0.3mm
以上0.5mm未満のものは10〜60重量部、0.5
mm以上0.7mm以下のものは5〜70重量部、0.
7mmを越えるものは1〜10重量部というように分布
していてもよい。繊維全体量のうち、繊維長が0.1〜
0.5mm、または0.2〜0.7mmのものが50〜
100重量%、好ましくは70〜100重量%の割合で
組成物中に含有されていれば、適度な機械的強度を有す
るシール材になるので好ましい。
【0020】ここで、変性PTFEに対するガラス繊維
の添加量は、組成物全体の重量を100とした場合に、
変性PTFE70〜97重量%、ガラス繊維3〜30重
量%であることが好ましく、特に変性PTFE80〜9
3重量%、ガラス繊維7〜20重量%であることが好ま
しい。なぜならガラス繊維の添加量が3重量%未満で
は、成形物の機械的性質、耐摩耗性はほとんど向上せ
ず、また30重量%を越える多量では、摩擦特性が低下
し、回転軸にシールリングを取り付けた場合では回転ト
ルクが大きくなって好ましくないからである。
【0021】また、この発明の効果を損なわない限り、
例えば約3〜15重量%程度の範囲で上記以外の各種の
充填剤を添加することもできる。そのような充填剤とし
ては、芳香族ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイ
ミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアミドイ
ミド樹脂、耐熱性ポリアミド樹脂、フェノール系樹脂、
芳香族ポリエステル樹脂などの有機耐熱性高分子をはじ
めとし、グラファイトまたは亜鉛、アルミニウム、マグ
ネシウムなどの金属もしくは酸化物などの熱伝導改良用
無機粉末、ガラスビーズ、シリカバルーン、珪藻土、石
綿、炭酸マグネシウムなどの無機質粉末、グラファイ
ト、カーボン、マイカ、タルク、二硫化モリブデン、二
硫化タングステンなどの硫化系化合物、リン酸化合物な
どの潤滑性向上用無機粉末、または酸化鉄、硫化カドミ
ウム、セレン化カドミウム、カーボンブラックなどの無
機質顔料、シリコーンオイル、エステルオイル、フッ素
オイル、ワックス、ステアリン酸亜鉛などの内部潤滑剤
的添加剤など、数多くのものを例示することができる。
なお、二硫化モリブデンは潤滑特性が比較的良好で好ま
しい。
【0022】以上述べた変性PTFE、繊維状強化材
(ガラス繊維)、その他充填剤の混合および成形方法
は、従来広く行われている充填剤入りPTFEの通常の
混合成形条件を採用でき、たとえばタンブラーミキサ
ー、ヘンシェルミキサーなどの混合機によって、変性P
TFEとガラス繊維、その他充填剤を乾式混合し、これ
を金型に入れ、その際、適度な物性値を得ることおよび
成形性の両立を考慮して、100〜800kgf/cm
2 、条件により100〜380kgf/cm2 、また3
80〜600kgf/cm2 の圧力を加えて予備成形し
た後、金型から取り出された圧縮成形体を330〜39
0℃で焼結する方法、その他加熱加圧しながら回分式に
圧縮成形する方法またはラム押し出し機による連続成形
方法などのいずれであってもよい。
【0023】この発明による耐圧シール部材用組成物
を、上記成形方法によって成形し、例えばオイルシール
リングとして使用する場合は、対接する相手材に応じて
オイルシールリングの摩耗や上記相手材の摩耗が生じる
ため、互いに摩耗の生じないような硬度にすることが好
ましい。
【0024】この場合に好ましい上記相手材としては、
構造用合金鋼材があげられる。構造用合金鋼材としては
SCM、球状黒鉛鋳鉄品(FCD)等が挙げられる。こ
れらの硬度は、HR C(ロックウェル硬さ(Cスケー
ル))で30〜60が好ましい。この硬度を有するもの
として、SCMのうちSCM420Hが挙げられ、その
硬度は焼入処理などを行なうとHR Cで58〜62にな
る。FCDでは、FCD450が挙げられ、その硬度は
HBで143〜217である。なお、これらは、高周波
焼き入れ、浸炭焼き入れ等の焼き入れ処理を施して硬度
を向上させることもできる。
【0025】この発明に係る耐圧シール部材組成物を前
記成形方法によって成形し、例えばオイルシールリング
とすることができる。オイルシールリングは、図1、図
2に示すように、Oリング2等のテンションリングその
他の付勢体と共に用いられることがある。この付勢体に
よりオイルシールリングは軸4に押しつけられ、シール
性を保持する。
【0026】そして、圧力のかかったオイルが付勢体と
して十分に機能するような仕様であれば、Oリングを省
略し、油圧のみによる付勢力により密封性を保持するよ
うにしてもよい。上記付勢体によりオイルシールリング
にかかる圧力や空気圧、油圧は、140kg/cm2 以
上、さらに150kg/cm2 以上であっても、この発
明の組成物に係るオイルシールリングは耐えることがで
きると考えられる。
【0027】上記テンションリングは、適度な弾性を有
する重合体からなるが、その例として、天然系ゴム、ス
チレンブタジエン系ゴム、ブチル系ゴム、エチレンプロ
ピレン系ゴム、クロロプレン系ゴム、ニトリル系ゴム、
ウレタン系ゴム、エピクロロヒドリン系ゴム、アクリル
系ゴム、シリコン系ゴム、フッ素系ゴム等が挙げられ、
特に、耐熱性、耐油性の点からアクリル系ゴム、ジエン
系ゴムが好ましい。
【0028】また、ゴムの弾性は、ゴムの硬度にてHs
約60〜100であれば、適度な弾性力が得られ、この
ような傾向からより好ましくは約70〜90のものであ
る。
【0029】また、上記オイルシールリング1は、図2
に示すように、軸4との摺動面にいわゆるC面及びR面
を設けてもよい。前記のC面は面取りの部分がほぼ平坦
な面を有している面であり、R面は面取りの部分が曲面
を有している面である。上記C面及びR面を設ける場合
は、上記摺動面の軸4方向の幅或いは径方向寸法の約1
0〜40%が好ましく、約15〜30%程度がより好ま
しい。また、面取り形状は、テーパ状又は断面円弧状が
好ましい。この結果、シール部分の摺動面積が減るの
で、シール部材の摺動抵抗の低減を期待できる。
【0030】面取り形状を設けない場合は、空間部内の
圧力がオイルシールリング1を軸4方向にを押す力とし
て加わるが、面取り形状を設けた場合、その面取り形状
にもその圧力がかかり、オイルシールリング1を押し上
げる効果をおこす。このため、上記のオイルシールリン
グ1を軸4方向にを押す力と相殺され、オイルシールリ
ング1が軸4に押す力は、付勢体による力のみとなり、
この力を容易に制御しやすくなると予想される。
【0031】シール部材或いはその相手部材の少なくと
も一方の摺動面の表面形状・粗さは、Rmax 、R a、R
z 等のJISで定義された評価法によって、約3〜25
μm以下であり、好ましくは約8μm以下、より好まし
くは約3μm以下である。なぜなら、表面粗さが前記所
定範囲を越えると、その摺動面に摩擦による傷と考えら
れる傷が多く付くからである。下限値は、加工性の効率
を考慮し、0.01μm以上、または0.1μm以上で
あればよい。
【0032】なお、シール部材またはその相手材表面の
仕上げ加工などの工程に長時間を要するので、効率的で
ないことや樹脂材の転移膜の形成に影響される可能性も
あるため、摩耗に影響されないような仕様や条件であれ
ば、約3〜8μm程度の範囲以下としてもよいとも推定
される。
【0033】また、この発明の耐圧シール部材組成物
は、用途が一つの様式の動力舵取り装置に限定されるも
のではなく、例えば、ラックとピニオン歯車からなるラ
ックアンドピニオン式、ボールナットまたはボールスク
リューとセクタからなるインテグラル式、及びセミイン
テグラル式、そして、油圧をパワーシリンダーに作用さ
せ、内部のパワーピストンを押したり引いたりして、リ
ング機構を作動させるリンケージ式等といった各々の様
式の動力舵取り装置のシール部材に使用することができ
る。
【0034】さらに、自動車の舵取り装置は、前輪のみ
ならず4輪とも操舵する車両に用いてもよく、乗用車、
トラックそしてフォークリストといった産業用車両等各
種自動車全般の動力舵取り装置に使用してもよい。
【0035】
【実施例】実施例および比較例に使用した原材料を一括
して示すと以下の通りである。なお、〔 〕内には略称
を示し、表中の配合割合は、全て重量%で示した。
【0036】(1)パーフルオロアルコキシ基により変
性されたPTFE〔変性PTFE〕 ダイキン工業社製:ポリフロンM−112(前記クリー
プ試験にて24時間後の圧縮クリープ変形率が8.5%
のもの) (2)四フッ化エチレン樹脂〔PTFE〕 ダイキン工業社製:ポリフロンM−15(前記クリープ
試験にて24時間後の圧縮クリープ変形率10.8%の
もの) (3)ガラス繊維〔GF〕 旭ファイバーグラス社製:ミルドファイバー(繊維径1
3μm) (4)炭素繊維〔CF〕 東レ社製:ミルドファイバー トレカMDL−30 (5)二硫化モリブデン(MoS2 ) ダウコーニング社製:モリコートZパウダー。
【0037】〔実施例1〜5、比較例1〜5〕各原材料
を表1および表2に示した割合で乾式混合した後、圧縮
成形し、得られた成形体から内径φ47.8mm、外径
φ51.8mm、幅2mmに加工してシールリングを得
た。
【0038】このシールリングを試験片として、図1に
示す試験装置を用いて回転摺動試験を行なった。すなわ
ち、シールリング1およびEPDM系またはNBR系な
どのジエン系のゴム製弾性体からなるバックアップOリ
ング2をFCD45製ハウジング3に間隔を開けて2個
ずつ取り付け、SCM420H製の軸4を回転させて軸
4の外面とハウジング溝側面5を摺接させた。また、こ
のときハウジングの上方の油圧発生装置(図示省略)か
ら油の供給管6を介して油を圧送し、油圧計7により油
圧を測定した。また、熱電対8によりこの時の油温を測
定し、回転トルク計9により回転トルクを測定した。
【0039】試験条件は、パワーステアリングオイル
(出光興産社製:アポロオイルデキシロン)を使用し、
油圧150kgf/cm2 、油温80℃、周速0.15
m/分で右3回転、左3回転を1サイクルとし3000
0サイクル行なった。この回転摺動試験の評価値は、試
験終了後のはみ出し量(軸方向のシールリングのはみ出
し距離:mm)、試験終了後の回転トルク(N・m)と
した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】表1および表2の結果からも明らかなよう
に、繊維強化剤としてガラス繊維を採用した場合におい
て、変性されていないPTFEを採用すると(比較例1
〜3)、上記回転摺動試験後の「はみ出し量」が多く、
150kgf/cm2 の油圧条件での耐クリープ特性が
満足に得られなかった。この傾向は、変性PTFEを採
用したが、炭素繊維で強化した比較例4でも同様であっ
た。また、比較例1〜4では、所定回転後の回転トルク
も大きくなっており、動力舵取り装置用オイルシールリ
ングとして用いた場合に適当な回転トルク値が得られな
いことは明らかである。
【0043】これに対して、全ての条件を満足する実施
例1〜5では、ガラス繊維と変性PTFEとの組合わせ
によって極めて良好な結果が得られ、すなわち「はみ出
し摩耗」現象を発生させず、しかも低摩擦であって動作
性の良いオイルシールリングであった。
【0044】
【効果】この発明は、以上説明したように、パーフルオ
ロアルコキシ基により変性された四フッ化エチレン樹脂
と、ガラス繊維をそれぞれ所定量含んでなる耐圧シール
部材組成物としたので、このものが、150kgf/c
m2 以上の被圧条件において耐クリープ性を充分に満足
し、しかもPTFE本来の低摩擦特性を備えたものとな
る利点がある。
【0045】また、上記の耐圧シール部材組成物からな
る自動車の動力舵取り装置用オイルシールリングが、
「はみ出し摩耗」現象を発生させず、しかも低摩擦係数
であって動作性の良いものとなる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転摺動試験装置を説明する一部断面正面図
【図2】図1の一部拡大断面図
【符号の説明】
1 シールリング 2 バックアップOリング 3 ハウジング 4 軸 5 ハウジング溝側面 6 供給管 7 油圧計 8 熱電対 9 回転トルク計

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーフルオロアルコキシ基により変性さ
    れた四フッ化エチレン樹脂70〜97重量%と、ガラス
    繊維3〜30重量%を含んでなる耐圧シール部材組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の耐圧シール部材組成物か
    らなる自動車の動力舵取り装置用オイルシールリング。
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