JPH0913075A - 血中脂質を低減する油脂 - Google Patents

血中脂質を低減する油脂

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JPH0913075A
JPH0913075A JP7191082A JP19108295A JPH0913075A JP H0913075 A JPH0913075 A JP H0913075A JP 7191082 A JP7191082 A JP 7191082A JP 19108295 A JP19108295 A JP 19108295A JP H0913075 A JPH0913075 A JP H0913075A
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fat
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宏明 辻
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明 瀬戸
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勝己 今泉
Ikuo Ikeda
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 グリセリドの構成脂肪酸としてn−3系長鎖
多価不飽和脂肪酸を含み、n−3系長鎖多価不飽和脂肪
酸の総量の40モル%未満がグリセリドの2位に結合し
たトリグリセリドからなる油脂および該トリグリセリド
を含有してなる油脂。 【効果】 本発明の油脂は、従来のn−3系長鎖多価不
飽和脂肪酸供給源より少量の摂取で、血中トリグリセリ
ド値および/またはコレステロール値を減少させ、血中
脂質改善を容易ならしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血中脂質濃度を低減する
作用のある油脂に関する。
【0002】
【従来の技術】血清中の脂質濃度を評価する項目として
はコレステロール、トリグリセリド、リン脂質および遊
離脂肪酸が知られており、これらの脂質含量が増加した
状態が高脂血症である。血清コレステロール値と虚血性
心疾患の発症危険率との間には正の相関が認められ、し
かも血清コレステロール値を低下させると虚血性心疾患
の発症危険率も低下することが疫学調査より明らかにさ
れている(例えば、水島裕ら、「今日の治療薬(199
3年版)」、第361頁、南江堂)。また高トリグリセ
リド血症は脂肪肝、膵炎等の発症に結びつくほか、虚血
性心疾患の危険因子としての側面も指摘されている。そ
のため臨床的には、高脂血症のなかでも特に高コレステ
ロール血症および高トリグリセリド血症が大きな問題と
なっている。
【0003】高脂血症が発症した場合、一般的には高脂
血症患者に対して摂取カロリー制限等の食事療法を2〜
3カ月間行い、血清中の脂質量の推移を観察した後、主
に冠状動脈疾患をはじめとする動脈硬化性疾患につなが
る危険因子を排除するためにクロフィブラート、ニコチ
ン酸コレスチラミン等の抗高脂血症剤が投与され、血清
中のコレステロール値やトリグリセリド値を低減化させ
ることが行われている。
【0004】一方、エイコサペンタエン酸(all cis −
5,8,11,14,17−eicosapentaenoic acid 、以下EPAと
略す。C20:5、Cの後の数字は総炭素数:二重結合数を
表わし以下同様とする。)やドコサヘキサエン酸(all
cis −4,7,10,13,16,19 −docosahexaenoic acid、以下
DHAと略す。C22:6)のようなn−3系長鎖多価不飽
和脂肪酸およびこれらを含む食品素材が血清中トリグリ
セリド値やコレステロール値を低減させる作用があるこ
とが動物実験や臨床実験により明らかにされてきた(例
えば、Robinson,D.R.ら、J.Lipid Res.、第34巻、第
1435頁、1993年)。血清中トリグリセリド値の
低減化の作用機序はn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸を含
む油脂の摂取により肝臓内でのトリグリセリド合成能が
抑制され、その結果として血中へのトリグリセリドの放
出が抑制されるためと推測されている(原 健次、油
脂、第46巻、No.4、第90頁、1993年)。ま
た、血清中コレステロール値の低減はn−3系長鎖多価
不飽和脂肪酸が肝臓におけるコレステロール合成能を抑
制することによるものと推定されている。(Choi,Y.S.
ら、Lipids、第24巻、第45頁、1989年)。
【0005】そこで、高脂血症の予防や高脂血症患者の
血清脂質濃度を改善する目的で、EPAやDHAを含む
魚を多く含む食品を意図的に摂取したり、EPAやDH
Aを含む魚油や魚油濃縮物等を素材とする健康食品等が
市販されている。しかしこれらは多量かつ長期間にわた
り摂取あるいは投与することが必要であった。EPAや
DHAを含む魚油としては主にイワシ油、タラ肝油、ニ
シン油、イカ油、マグロ眼窩油等が用いられるが、これ
らの油脂の化学的構造はいずれもグリセリドにエステル
結合して存在するn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸の総量
の50モル%以上が、トリグリセリドの2位の構成脂肪
酸としてあり、換言すれば、n−3系長鎖多価不飽和脂
肪酸は1位および3位よりも2位により多くエステル結
合したトリグリセリド構造をとっている。
【0006】一方、EPAやDHAは前記のように血清
脂質の低減化効果を有する反面、通常の例えば食用植物
油脂を構造する脂肪酸に比べて二重結合を分子内に数多
く持つため酸化され易く、過剰に摂取すると生体に有害
な作用をもたらすことも知られている。生体内で脂質の
過酸化反応が進行すると生体膜に障害を生じ、虚血性疾
患、動脈硬化、白内障、癌、アルツハイマー病、膠原
病、アミロイドーシス等の病変の原因となることが推測
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、ヒトをはじめ動物に対して、副作用がなく、従来の
n−3系長鎖多価不飽和脂肪酸供給源よりも少量の摂取
で、血中脂質濃度を減少させ、血中脂質改善を容易なら
しめる作用のある油脂を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を行った結果、グリセリド構造の
1位および/または3位にn−3系長鎖多価不飽和脂肪
酸を多くもつ油脂は、n−3系長鎖多価不飽和脂肪酸の
供給源として用いられている、2位にn−3系長鎖多価
不飽和脂肪酸を多くもつ魚油に比べて血清コレステロー
ル値やトリグリセリド値を減少させる効果が顕著に高
く、上記の目的が達成されることを見出した。本発明は
かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0009】すなわち本発明の要旨は、グリセリドの構
成脂肪酸としてn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸を含み、
n−3系長鎖多価不飽和脂肪酸の総量の40モル%未満
がグリセリドの2位に結合したトリグリセリドからな
る、または該トリグリセリドを含有してなることを特徴
とする血中脂質濃度を低減する作用のある油脂である。
【0010】本発明で特徴とするトリグリセリドは、n
−3系長鎖多価不飽和脂肪酸を含有する脂肪酸とグリセ
リンとから構成されるトリグリセリドにおいて、n−3
系長鎖多価不飽和脂肪酸の総量を100モル%としたと
き、その40モル%未満とn−3系長鎖多価不飽和脂肪
酸以外の任意の脂肪酸とがトリグリセリドの2位にエス
テル結合しており、かつn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸
の60モル%以上とn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸以外
の任意の脂肪酸とがトリグリセリドの1位および3位に
おいてランダムにまたは非ランダムに分布してエステル
結合しているものである。
【0011】ここにn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸とは
炭素数が18以上で二重結合を3個以上を有するn−3
系直鎖状不飽和脂肪酸をいい、具体的にはα−リノレン
酸(C18:3)、オクタデカテトラエン酸(C18:4、6,9,
12,15 −octadecatetraenoicacid )、アラキドン酸
(C20:4)、EPA(C20:5)、ドコサペンタエン酸
(C22:5、7,10,13,16,19 −docosapentaenoic acid
)、DHA(C22:6)等を例示することができる。本
発明では、これらのうちα−リノレン酸、アラキドン
酸、EPA、ドコサペンタエン酸およびDHAからなる
群から選ばれる1種もしくは2種以上の任意の割合の混
合脂肪酸が好ましく、さらにはEPAおよび/またはD
HAがより好ましい。
【0012】またn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸以外の
脂肪酸としては、短鎖、中鎖および長鎖各脂肪酸、また
飽和および不飽和各脂肪酸のいかんを問わず使用できる
が、このうち直鎖状であって、炭素数が6以上の中鎖な
いし長鎖の、飽和または不飽和脂肪酸に属するものが望
ましい。かかる脂肪酸としてカプロン酸(C6:0 )、カ
プリル酸(C8:0 )、カプリン酸(C10:0)、ラウリン
酸(C12:0)、ミリスチン酸(C14:0)、パルミチン酸
(C16:0)、パルミトオレイン酸(C16:1)、ステアリ
ン酸(C18:0)、オレイン酸(C18:1)、エライジン酸
(C18:1)、リノール酸(C18:2)、α’−リノレン酸
(C18:3、5,8,11−オクタデカトリエン酸)、γ−リノ
レン酸(C18:3、6,9,12−オクタデカトリエン酸)、エ
レオステアリン酸(C18:3、9,11,13 −オクタデカトリ
エン酸)、アラキジン酸(C20:0)、ガドレイン酸(C
20:1)、ベヘン酸(C22:0)、エルカ酸(C22:1)、ブ
ラシジン酸(C22:1)等をあげることができる。これら
の脂肪酸は単独で用いてよく、または任意の割合の混合
脂肪酸として使用してもさしつえない。なお、これらの
うち、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、リノール酸等が好ましい。
【0013】前記したn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸お
よびこれ以外の脂肪酸で構成される本発明のトリグリセ
リドを製造するには、化学合成法、エステル交換法、あ
るいは天然物からの抽出法等の技術を利用すればよい。
化学合成法としては、例えば所望量および組成の脂肪
酸、脂肪酸無水物あるいは脂肪酸ハロゲン化物(脂肪酸
クロライド)とグリセリンとを、酸性物質(塩酸、硫
酸、パラトルエンスルホン酸等)、アルカリ性物質(水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、金属(亜鉛、ス
ズ、チタン、ニッケル等)、金属酸化物(酸化亜鉛、ア
ルミナ、酸化第一鉄等)、金属ハロゲン化物(塩化アル
ミニウム、塩化スズ等)等のエステル化触媒の存在下ま
たは非存在下で、窒素ガス気流中にて100〜250℃
に加熱し、生成する水を除きながら1〜25時間エステ
ル化反応せしめるのがよい。
【0014】エステル化生成物は必要に応じてアルカリ
脱酸処理、活性炭、活性白土、アルミナ、シリカゲル、
イオン交換樹脂等を用いる吸着・分画処理、メタノール
やエタノール等の親水性有機溶剤および/またはn−ヘ
キサンやキシレン等の親油性有機溶剤を用いる溶剤分別
処理を施して遊離脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリ
ド、着色物質、有臭成分等の不純物を除去し、さらには
これらの処理を適宜に組み合わせ、トリグリセリドの2
位に結合するn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸残基の含有
量が、トリグリセリドの1位、2位および3位に結合す
るn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸残基の総含有量の40
モル%未満となるようにトリグリセリド成分を分画ない
しは濃縮してもよい。なお本発明のトリグリセリドは、
例えば加熱かつ減圧下に水蒸気を吹き込み脱臭処理して
おくことが望ましい。
【0015】エステル交換法を利用して本発明のトリグ
リセリドを得るには、例えば原料としてn−3系長鎖多
価不飽和脂肪酸を多量に含有する脂肪酸のトリグリセリ
ド(成分a−1)とn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸を実
質的に含まないか少量含有の脂肪酸(成分a−2)、成
分a−2の低級アルコールエステル(メチルエステル、
エチルエステル等。以下同様。)または成分a−2のト
リグリセリドとを所望割合で混合し、あるいはn−3系
長鎖多価不飽和脂肪酸を実質的に含まないか少量含有の
脂肪酸のトリグリセリド(成分b−1)とn−3系長鎖
多価不飽和脂肪酸を多量に含有する脂肪酸(成分b−
2)または成分b−2の低級アルコールエステルとを所
要量混合し、触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ性物質、ナトリウムメチラート、ナト
リウムエチラート、リチウムブチラート等の金属アルコ
ラート(金属アルコキシド)、塩基性アニオン交換樹
脂、酸性カチオン交換樹脂等のイオン交換樹脂、あるい
はリパーゼを用いてエステル交換反応を行わしめるのが
簡便である。なお触媒として特定のリパーゼを用いてエ
ステル交換すると、後述するように、トリグリセリドの
1位および3位に選択的に新たな脂肪酸基を導入するこ
とができ、本発明のトリグリセリドを製造する方法とし
て望ましい。
【0016】前記エステル交換の原料は、成分a−1と
してアマニ油、エゴマ油、シソ油等の植物油、イワシ
油、タラ肝油、ニシン油、イカ油、マグロ眼窩油等の魚
油、クジラ、アザラシ、オットセイ等の海産哺乳動物を
起源として得られる圧搾もしくは抽出油、該動物の乳
脂、クロレラ、スピルリナ、ドナリエラ等またナンノク
ロロプシス属(例えばNannochloropsis oculata )、ト
ラストキトリウム属(例えばThraustochytrium aureum
)、クリプテコディニウム属(例えばCrypthecodinium
cohnii)、イソクリシス属(例えばIsochrysis galban
a)等に属する微細藻類から抽出された油脂、モルティ
エレラ(Mortierella)属等の微生物に由来する油脂、ま
たn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸またはこれを任意の割
合で含む前記各種脂肪酸(段落番号0012の項参照)
との混合脂肪酸のトリグリセリドを使用できる。成分a
−2としては段落番号0012の項に記載の各種脂肪酸
またはその誘導体を用いることができる。
【0017】また成分b−1として動植物、微生物、微
細藻類等から得られるトリグリセリドがあり、大豆油、
菜種油、綿実油、コーン油、パーム油、ヤシ油、サフラ
ワー油、ハイオレイックサフラワー油、ヒマワリ油、ハ
イオレイックヒマワリ油、オリーブ油、落花生油、カカ
オ脂、チャイニーズ タロウ、サル脂、シア脂、牛脂、
ラード、これらの水素添加油脂、分別油脂、前記成分a
−2のトリグリセリド、中鎖脂肪酸トリグリセリド等を
例示でき、成分b−2としては前記成分a−1の加水分
解処理によって得られる脂肪酸がある。
【0018】エステル交換反応は、一例として前記原料
をモル比率で成分a−1:成分a−2=1:0.1〜
5、成分b−1:成分b−2=1:2〜10となるよう
に混合し、アルカリまたは金属アルコラートを触媒とす
る場合には実質的に無水状態として80〜120℃で
0.5〜3時間エステル交換反応せしめる。またイオン
交換樹脂を用いる場合も同様に無水状態とするが、室温
〜40℃程度にてカラム方式で原料を循環接触させるの
がよい。リパーゼを触媒として用いる場合には、原料中
の水分量を1重量%以下にし、市販のリパーゼ粉末ある
いはこれを公知の担体例えばセライト、ケイソウ土、活
性炭、多孔質ガラス、イオン交換樹脂、キトサン、高分
子ゲル、セルロース粉末等に固定化した固定化リパーゼ
を加え、20〜80℃で0.5〜20時間エステル交換
反応せしめる。
【0019】リパーゼは次に述べる微生物を起源とする
ものあるいは動物臓器由来のものを使用できる。すなわ
ちアスペルギルス属(例えばAspergillus niger )、ム
コール属(例えばMucor miehei)、キャンディダ属(例
えばCandida cyrindracea )、シュードモナス属(例え
ばPseudomonas fragi )、アルカリゲネス属(例えば、
特公昭58−36953号公報に記載のAlcaligenes s
p. )、リゾプス属(例えばRhizopus delemar)、ジオ
トリクム属(例えばGeotrichum candidum )等に属する
微生物起源のリパーゼおよびブタ、ウシ等の膵臓リパー
ゼである。このうちアスペルギルス属、ムコール属、ア
ルカリゲネス属およびリゾプス属の微生物を起源とする
リパーゼ、ブタ膵臓リパーゼはグリセリドの1位および
3位に特異的に作用するため、本発明のトリグリセリド
を製造するに際しては好適である。
【0020】前述した各種エステル交換方法によって得
られるエステル交換反応物は、選択する原料の種類によ
ってはエステル交換反応物そのものを本発明で用いるト
リグリセリドとすることができるが、前記化学合成法に
よって得られるエステル化生成物の場合と同様に、必要
に応じてアルカリ脱酸処理、吸着・分画処理、溶剤分別
処理あるいは無溶剤分別(ウィンタリング)処理等を適
宜に組み合わせてエステル交換反応物に施し、不純物を
除去したりグリセリド成分を分画あるいは濃縮して本発
明で用いるトリグリセリドとすることもできる。なお該
トリグリセリドは脱臭処理しておくことが望ましい。
【0021】本発明に係るトリグリセリドは天然物から
油脂分を抽出する方法によっても得ることができる。す
なわち前記エステル交換の原料(成分a−1)として記
載したもののうち、クジラ、アザラシ(harbour seal、
harp seal 等)、オットセイ等の海産哺乳動物の体組
織、該動物から分泌される乳汁、クロレラ、スピルリ
ナ、ドナリエラ等の微細藻類の細胞またはこれらの培養
細胞、ナンノクロロプシス(Nannochloropsis )属、ト
ラストキトリウム(Thraustochytrium)属、クリプテコ
ディニウム(Crypthecodinium )属およびイソクリシス
(Isochrysis)属等に属する微細藻類例えばナンノクロ
ロプシス オキュラータ(Nannochloropsisoculata
)、トラストキトリウム アウレウム(Thraustochytr
ium aureum)、クリプテコディニウム コーニー(Cry
pthecodinium cohnii)、イソクリシスガルバナ(Isoch
rysis galbana)等の細胞またはこれらの培養細胞を原
材料とする。なお微生物を起源とする場合にはこれから
得られるトリグリセリドが本発明のグリセリド構造を満
足するものであればさしつかえない。
【0022】これらを圧搾処理もしくはn−ヘキサン、
クロロホルム、ベンゼン、ジエチルエーテル、メタノー
ル等の有機溶剤を用いて抽出処理または分別処理して油
分を得、これに脱ガム、アルカリ脱酸、脱色、脱臭等の
処理を施して遊離脂肪酸、リン脂質、糖脂質、不ケン化
物、着色物質、有臭成分等の不純物を除き、グリセリド
画分を得ることができる。このグリセリド画分は本発明
で用いるトリグリセリドとして利用できるが、該グリセ
リド画分をさらに無溶剤低温分別、溶剤分別あるいはシ
リカゲル・カラム等により分画して、トリグリセリドの
2位に結合するn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸残基がよ
り一層少ないトリグリセリドを製造することも可能であ
る。
【0023】以上に述べたような化学合成法、エステル
交換法、あるいは天然物からの抽出法等によって製造さ
れる本発明のトリグリセリドは、その構成脂肪酸として
のn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸の総量の40モル%未
満がトリグリセリドの2位にエステル結合するものであ
るが、より好ましくは20モル%未満である。40モル
%以上になると本発明の所望の効果は小さくなる。本発
明のトリグリセリドはそのままで油脂として利用でき、
また通常の食用油脂例えば成分b−1として記載したよ
うな動植物系油脂と混合して油脂としても用いることが
できる。このとき本発明のトリグリセリドの含有量は油
脂全体の5〜100重量%が望ましく、さらには10〜
100重量%がより一層好ましい。最も好ましくは20
〜100重量%である。5重量%未満では本発明の所望
の効果が小さい。
【0024】本発明に係る油脂は例えば通常の食用動植
物系油脂、ビタミンE、β−カロチン等とともにソフト
カプセルやマイクロカプセル等のカプセル状態にして摂
取することができ、また通常の食用油脂と同様に食品素
材として各種加工食品の原料、料理の材料に用い、摂食
することができる。または本発明に係る油脂は高脂血症
の予防および治療のために利用されることが期待でき
る。
【0025】
【実施例】
実施例1 トリオレイン1kgと、魚油(タマ生化学(株)製、商品
名:EPA−18)加水分解混合脂肪酸を低温分別した
魚油加水分解脂肪酸濃縮物(総脂肪酸中のC20:5:3
7.4モル%、C22:5:5.4モル%、C22:6:25.
2モル%。n−3系長鎖多価不飽和脂肪酸として72.
5モル%。BHTを0.01重量%添加。)とをモル比
で1:5にて混合し、水分含量を0.2重量%に調節し
た後、リポザイムIM20(商品名。ノボ ノルディス
ク社製、ムコール ミーハイ(Mucor miehei) 由来のリ
パーゼ)を充填したガラス製カラム(10cmφ×60c
m) に40℃にて通し選択的エステル交換反応を行わせ
た。
【0026】水蒸気蒸留および水洗処理にてエステル交
換反応物から遊離脂肪酸を除去した後、n−ヘキサンで
浸潤させたシリカゲル(和光製薬(株)製、商品名:ワ
コーゲルC100)を充填したステンレス製カラムに供
し、n−ヘキサンで溶出させジグリセリドを除き、本発
明のトリグリセリド720gを得た。本トリグリセリド
を構成する全脂肪酸組成、グリセリドの1位および3
位、2位の各脂肪酸組成をGLC分析によって求めた。
この結果を表1に示す。本トリグリセリドを構成するC
20:5の90モル%。C22:6の95モル%以上、n−3系
長鎖多価不飽和脂肪酸の総量の93.5モル%がトリグ
リセリドの1位および3位に分布していた。すなわち本
トリグリセリドの2位にはn−3系長鎖多価不飽和脂肪
酸の総量の6.5モル%が分布していた。本トリグリセ
リドを以下の動物実験の試験油とした。
【0027】本トリグリセリドの一部にナトリウムメト
キシド0.1重量%を加え、減圧下100℃にてランダ
ムエステル交換反応を行わせた後、セライトを用いて濾
過し、本トリグリセリドのランダムエステル交換物を得
た。この全脂肪酸組成、1位および3位、2位の各脂肪
酸組成を前記同様に求めた(表1参照)。このトリグリ
セリドの2位にはn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸の総量
の50.6モル%が分布していた。このランダムエステ
ル交換物を動物実験の対照油とした。
【0028】
【表1】 ※総炭素数:二重結合数で表示。(n−3)はn−3系脂肪酸を示す。
【0029】4週齢のSD系雄性ラット7匹を1試験区
とし、試験油および対照油を各5重量%配合した飼料
(表2参照)を用いて飼育実験を行った。この間、飼料
成分の酸化劣化を防ぐために、飼料は毎日調製し給餌し
た。水と前記各飼料とを自由摂取させて3週間飼育した
のち、各試験区ラットの血中および肝臓中の中性脂質、
総コレステロールおよびリン脂質各含有量を測定した。
この結果を表3に示す。なお各試験区とも飼料摂取量、
体重増加量および肝臓重量に有意差は認められなかっ
た。この実験結果から、本発明に係るトリグリセリド
(試験油)はラットに対して副作用がなく、試験油を添
加した区では、血中トリグリセリド(中性脂質)および
総コレステロールの値、肝臓中トリグリセリド値が顕著
に低減することが明らかになった。
【0030】
【表2】 ※1 日本クレア(株)製、AIN−93G−MX ※2 日本クレア(株)製、AIN−93−VX ※3 t−ブチルヒドロキノン
【0031】
【表3】 ※対照油添加区の値に対して危険率5%以下で有意差あり。
【0032】実施例2 試験油脂(本発明のトリグリセリドを含む油脂)および
対照油脂を次のように調製した。すなわち試験油脂は h
arp seal(アザラシ)油脂をドライアイス/アセトン冷
媒で−80℃、1時間冷却し、析出した結晶部を濾紙で
濾別して調製した。対照油脂は脂肪酸組成の異なる2種
類の魚油(タラ肝油と雑魚油との混合油、マグロ眼窩
油)をドライアイス/アセトン冷媒で同様に冷却、分別
した濃縮物をブレンドし、その総脂肪酸組成を試験油脂
のそれとほぼ近似するものとした。表4にこれらの脂肪
酸組成を示す。
【0033】
【表4】 ※:表1の注釈と同じ。
【0034】4週齢のSD系雄性ラット7匹を1試験区
とし、前記の試験油脂および対照油脂をそれぞれ20重
量%含む油脂(試験油脂または対照油脂20重量部、パ
ーム油50重量部、ハイオレイックサフラワー油5重量
部およびハイリノールサフラワー油25重量部の混合油
脂。脂肪酸組成は表5参照。)を各10重量%配合した
飼料(飼料組成は脂肪5重量%を10重量%とし、コー
ンスターチ41.7重量%を36.7重量%とする以外
は実施例1と同じ。)で、飼育実験を行った。この間、
飼料成分の酸化劣化を防ぐために、飼料は毎日調製し給
餌した。水と前記各飼料とを自由摂取させて3週間飼育
したのち、各試験区ラットの血中および肝臓中の中性脂
質、総コレステロールおよびリン脂質各含有量を測定し
た(表6参照)。なお各試験区とも飼料摂取量、体重増
加量および肝臓重量に有意な差異は認められなかった。
この実験結果から、本発明に係る油脂はラットに対して
副作用を及ぼさず、血中および肝臓中のトリグリセリド
(中性脂質)および総コレステロールの値を効果的に低
減することが認められた。
【0035】
【表5】 ※:表1の注釈と同じ。(n-6) はn−6系脂肪酸を示す。 ※※:飽和脂肪酸、モノ不飽和脂肪酸、n−6系脂肪酸およびn−3系脂 肪酸のうちの各脂肪酸の割合。
【0036】
【表6】 ※:表3の注釈と同じ。
【0037】実施例3 実施例2で使用した試験油脂および対照油脂の配合割合
を変えた油脂を飼料に添加して実施例2と同様にラット
飼育実験を行った。すなわち4週齢のSD系雄性ラット
7匹を1試験区とし、実施例2に記載の試験油脂または
対照油脂をそれぞれ10重量%含む油脂(試験油脂また
は対照油脂10重量部、パーム油50重量部、ハイオレ
イックサフラワー油10重量部およびハイリノールサフ
ラワー油30重量部の混合油脂。脂肪酸組成は表7参
照。)を各10重量%配合した飼料(飼料組成は脂肪分
を除き実施例2と同じ。)で、飼育実験を行った。この
間、飼料成分の酸化劣化を防ぐために、飼料は毎日調製
した。水と前記各飼料とを自由摂取させて3週間飼育し
たのち、各試験区ラットの血中および肝臓中の中性脂
質、総コレステロールおよびリン脂質各含有量を測定し
た(表8参照)。なお各試験区とも飼料摂取量、体重増
加量および肝臓重量に有意な差異は認められなかった。
この実験結果および実施例2の結果から、本発明に係る
油脂はラットに対して副作用を及ぼさず、対照油脂に比
べて少量の試験油脂を混合した油脂の場合をも含めて、
血中および肝臓中のトリグリセリド(中性脂質)値を顕
著に低減する効果をもつことが認められた。
【0038】
【表7】 ※および※※:表5の注釈と同じ。
【0039】
【表8】 ※:表3の注釈と同じ。
【0040】実施例4 微細藻類クリプテコディニウム コーニー(Crypthecod
inium cohnii、ATCC 30336)を表9に示す培
地30リットルに植つけ、30℃にて、ジャーファーメ
ンターで100時間通気培養し、培養液から培養藻体を
遠心分離して集め、さらにこれを凍結乾燥した(収量6
25g)。この乾燥藻体をクロロホルム:メタノール=
1:1(重量比)混合溶媒中でヒスコトロン(商品名。
日音医理科器械製作所製)により細胞破砕して抽出し、
油分520gを得た。n−ヘキサン中に分散させたシリ
カゲル(和光純薬(株)製、商品名: ワコーゲルC1
00)を充填したステンレス製カラムに前記油分を供
し、ジエチルエーテル:n−ヘキサン=10:90(容
量比)にて溶出させ、本発明に係るトリグリセリド25
0gを得た。本トリグリセリド(これを試験油脂とし
た)の脂肪酸組成を実施例1と同様にして求めた(表1
0参照)。
【0041】
【表9】 (pH:6.8) ※1:ビタミンミックス水溶液(単位:該水溶液1リットル中の重量) ビオチン: 0.003 g チアミン: 1.000 g ※2:メタルミックス水溶液(単位:該水溶液1リットル中の重量) Na2 EDTA: 1.00 g FeCl3 ・6H2 O: 0.05 g H3 BO3 : 1.00 g MnCl2 ・4H2 O: 0.15 g ZnCl2 : 0.01 g CoCl2 ・6H2 O: 0.005g
【0042】
【表10】 ※:表1の注釈と同じ。
【0043】かくして得られた微細藻類由来のトリグリ
セリド(試験油脂)および実施例2に記載の対照油脂を
それぞれ10重量%含む油脂(試験油脂または対照油脂
10重量部、パーム油50重量部、ハイオレイックサフ
ラワー油10重量部およびハイリノールサフラワー油3
0重量部の混合油脂。脂肪酸組成は表11参照)を各1
0重量%配合した飼料(飼料組成は脂肪分を除き実施例
3と同じ。)を調製し、実施例3と同様の飼育試験を行
った。各試験区ラットの血中および肝臓中脂質含量の分
析結果を表12に示す。なお各試験区とも飼料摂取量、
体重増加量および肝臓重量に有意差は認められなかっ
た。この実験結果および実施例2の結果から、本発明に
係る油脂はラットに対して副作用を及ぼさず、対照油脂
に比べて少量の試験油脂を混合した油脂の場合をも含め
て、血中および肝臓中のトリグリセリド(中性脂質)お
よび総コレステロールの値を顕著に低減化する効果をも
つことが認められた。
【0044】
【表11】 ※および※※:表5の注釈と同じ。
【0045】
【表12】 ※:表3と同じ。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、動物に対して、副作用
がなく、従来のn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸供給源に
比べて血中脂質濃度を低減化する効果が大きく、魚油等
の従来のn−3系長鎖多価不飽和脂肪酸供給源よりも少
量の摂取で、血中および肝臓中のトリグリセリド値およ
び/またはコレステロール値を減少させ、血中脂質改善
を容易ならしめる作用のある油脂を提供できる。
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】一方、エイコサペンタエン酸(all cis −
5,8,11,14,17−eicosapentaenoic acid 、以下EPAと
略す。C20:5、Cの後の数字は総炭素数:二重結合数を
表わし以下同様とする。)やドコサヘキサエン酸(all
cis −4,7,10,13,16,19 −docosahexaenoic acid、以下
DHAと略す。C22:6)のようなn−3系長鎖多価不飽
和脂肪酸およびこれらを含む食品素材が血清中トリグリ
セリド値やコレステロール値を低減させる作用があるこ
とが動物実験や臨床実験により明らかにされてきた(例
えば、J.Dyerbergら、Prog.Lipid Res. 、第21巻、第
255〜269頁、1982年)。血清中トリグリセリ
ド値の低減化の作用機序はn−3系長鎖多価不飽和脂肪
酸を含む油脂の摂取により肝臓内でのトリグリセリド合
成能が抑制され、その結果として血中へのトリグリセリ
ドの放出が抑制されるためと推測されている(原 健
次、油脂、第46巻、No.4、第90頁、1993
年)。また、血清中コレステロール値の低減はn−3系
長鎖多価不飽和脂肪酸が肝臓におけるコレステロール合
成能を抑制することによるものと推定されている。(Ch
oi,Y.S.ら、Lipids、第24巻、第45頁、1989
年)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】前記エステル交換の原料は、成分a−1と
してアマニ油、エゴマ油、シソ油等の植物油、イワシ
油、タラ肝油、ニシン油、イカ油、マグロ眼窩油等の魚
油、クジラ、アザラシ、オットセイ等の海産哺乳動物を
起源として得られる圧搾もしくは抽出油、該動物の乳
脂、クロレラ、スピルリナ、ドナリエラ等またナンノク
ロロプシス属(例えばNannochloropsis oculata 、UTEX
LB 2164等)、トラストキトリウム属(例えばThrausto
chytrium aureum 、ATCC 28211、同34304 等)、クリプ
テコディニウム属(例えばCrypthecodinium cohnii、AT
CC 30021、同30334、同30336 、同50052 等)、イソク
リシス属(例えばIsochrysis galbana、CCAP927/1、UTE
X LB 987 等)等に属する微細藻類から抽出された油
脂、モルティエレラ(Mortierella)属等の微生物(M.is
abellina、IFO 6336、同6739、同7873、同7884、ATCC 4
4853等)に由来する油脂、またn−3系長鎖多価不飽和
脂肪酸またはこれを任意の割合で含む前記各種脂肪酸
(段落番号0012の項参照)との混合脂肪酸のトリグ
リセリドを使用できる。ここでATCC:American Type Cul
tureCollection (米国)、CCAP:Culture Collection o
f Algae and Protozoa (英国)、UTEX:Culture Collec
tion of Algae at the University of Texas (米
国)、IFO:大阪発酵研究所の各略称である。成分a−2
としては段落番号0012の項に記載の各種脂肪酸また
はその誘導体を用いることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】4週齢のSD系雄性ラット7匹を1試験区
とし、試験油および対照油を用い、各5重量%配合した
飼料(表2参照)を用いて飼育実験を行った。この間、
飼料成分の酸化劣化を防ぐために、飼料は毎日調製し給
餌した。水と前記各飼料とを自由摂取させて3週間飼育
したのち、各試験区ラットの血中および肝臓中の中性脂
質、総コレステロールおよびリン脂質各含有量を測定し
た。この結果を表3に示す。なお各試験区とも飼料摂取
量、体重増加量および肝臓重量に有意差は認められなか
った。この実験結果から、本発明に係るトリグリセリド
(試験油)はラットに対して副作用がなく、試験油を添
加した区では、血中トリグリセリド(中性脂質)および
総コレステロールの値、肝臓中トリグリセリド値が顕著
に低減することが明らかになった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】4週齢のSD系雄性ラット7匹を1試験区
とし、前記の試験油脂および対照油脂を用い、それぞれ
20重量%含む油脂(試験油脂または対照油脂20重量
部、パーム油50重量部、ハイオレイックサフラワー油
5重量部およびハイリノールサフラワー油25重量部の
混合油脂。脂肪酸組成は表5参照。)を各10重量%配
合した飼料(飼料組成は脂肪5重量%を10重量%と
し、コーンスターチ41.7重量%を36.7重量%と
する以外は実施例1と同じ。)で、飼育実験を行った。
この間、飼料成分の酸化劣化を防ぐために、飼料は毎日
調製し給餌した。水と前記各飼料とを自由摂取させて3
週間飼育したのち、各試験区ラットの血中および肝臓中
の中性脂質、総コレステロールおよびリン脂質各含有量
を測定した(表6参照)。なお各試験区とも飼料摂取
量、体重増加量および肝臓重量に有意な差異は認められ
なかった。この実験結果から、本発明に係る油脂はラッ
トに対して副作用を及ぼさず、血中および肝臓中のトリ
グリセリド(中性脂質)および総コレステロールの値を
効果的に低減することが認められた。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】かくして得られた微細藻類由来のトリグリ
セリド(試験油脂)および実施例2に記載の対照油脂を
用い、それぞれ10重量%含む油脂(試験油脂または対
照油脂10重量部、パーム油50重量部、ハイオレイッ
クサフラワー油10重量部およびハイリノールサフラワ
ー油30重量部の混合油脂。脂肪酸組成は表11参照)
を各10重量%配合した飼料(飼料組成は脂肪分を除き
実施例3と同じ。)を調製し、実施例3と同様の飼育試
験を行った。各試験区ラットの血中および肝臓中脂質含
量の分析結果を表12に示す。なお各試験区とも飼料摂
取量、体重増加量および肝臓重量に有意差は認められな
かった。この実験結果および実施例2の結果から、本発
明に係る油脂はラットに対して副作用を及ぼさず、対照
油脂に比べて少量の試験油脂を混合した油脂の場合をも
含めて、血中および肝臓中のトリグリセリド(中性脂
質)および総コレステロールの値を顕著に低減化する効
果をもつことが認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/23 ADN A61K 35/12 35/12 35/80 Z 35/80 A23D 9/00 516

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリセリドの構成脂肪酸としてn−3系
    長鎖多価不飽和脂肪酸を含み、n−3系長鎖多価不飽和
    脂肪酸の総量の40モル%未満がグリセリドの2位に結
    合したトリグリセリドからなることを特徴とする血中脂
    質濃度を低減する作用のある油脂。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトリグリセリドを5重
    量%以上含有してなることを特徴とする血中脂質濃度を
    低減する作用のある油脂。
  3. 【請求項3】 n−3系長鎖多価不飽和脂肪酸がα−リ
    ノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコ
    サペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸からなる群か
    ら選ばれる1種もしくは2種以上である請求項1または
    2に記載の油脂。
  4. 【請求項4】 n−3系長鎖多価不飽和脂肪酸がエイコ
    サペンタエン酸および/またはドコサヘキサエン酸であ
    る請求項1または2に記載の油脂。
  5. 【請求項5】 トリグリセリドが海産哺乳動物もしくは
    微細藻類から得られるものまたはこれらを濃縮処理した
    ものまたはこれらをエステル交換処理したものである請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の油脂。
  6. 【請求項6】 海産哺乳動物がクジラまたはアザラシで
    ある請求項5に記載の油脂。
  7. 【請求項7】 微細藻類がナンノクロロプシス属、トラ
    ストキトリウム属、イソクリシス属またはクリプテコデ
    ィニウム属のいずれかに属するものである請求項5に記
    載の油脂。
  8. 【請求項8】 トリグリセリドがグリセリドの1,3位
    に特異性を有するリパーゼを用い、エステル交換反応に
    よって製造されたものである請求項1、2または5のい
    ずれか1項に記載の油脂。
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