JPH09135687A - D−パント酸、d−パントテン酸およびそれらの塩の製造法 - Google Patents
D−パント酸、d−パントテン酸およびそれらの塩の製造法Info
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- JPH09135687A JPH09135687A JP8241695A JP24169596A JPH09135687A JP H09135687 A JPH09135687 A JP H09135687A JP 8241695 A JP8241695 A JP 8241695A JP 24169596 A JP24169596 A JP 24169596A JP H09135687 A JPH09135687 A JP H09135687A
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Abstract
らの塩の工業的に有利な効率的製造法の提供。 【解決手段】 パントテン酸生合成遺伝子領域(または
その一部)および分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域(ま
たはその一部)を有するDNAを組み込んだプラスミド
で形質転換させた微生物を培養し、D−パント酸または
その塩を蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする
D−パント酸またはその塩の製造法。
Description
/またはD−パントテン酸またはそれらの塩の新規な製
造法に関する。パントテン酸はビタミンとして有用な物
質であり、D−パント酸はパントテン酸やCoAの重要
な合成中間体として有用な物質である。
な物質であるが、従来の製造法としては(1)DL−パン
トラクトンを光学分割してD−パントラクトンと、β−
アラニンまたはその塩をメタノール中で化学的に縮合さ
せる方法や、(2)微生物あるいは酵素を用いてD−パン
トテン酸エステルを加水分解してD−パントテン酸を得
る方法や、DL−パントテン酸エステルのD−体のみを
選択的に加水分解してD−パントテン酸を得る方法(特
開平1−228487号、特開平1−228488
号)、(3)微生物の休止菌体またはその酵素にD−パン
ト酸カリウム塩とβ−アラニンとATPをトリス緩衝液
中で接触させて得る方法[ジャーナル・オブ・バイオロ
ジカル・ケミストリー(Journal of Biological C
hemistry)、第198巻23頁(1952)と第176回
アメリカン・ケミカル・ソサイエティー・ナショナル・
ミーティング要旨集(Abstracts of Papers 176
th American Chemical Society National Me
eting)、マイクロバイアル・アンド、バイオケミカル・
テクノロジー部門(Division of Microbial and
Biochemical Technology)、48番(1978)などに
記載]、(4)特定の微生物をDL−パント酸とβ−アラ
ニンの存在下で培養し、D−パント酸を特異的にβ−ア
ラニンと縮合させることによってD−パントテン酸を得
る方法(特開平5−23191号)、(5)特定の微生物を
β−アラニンの存在下で培養し、D−パントテン酸を得
る方法(特開平6−261772号)などが知られてい
る。
クトンの製造法としては、(6)化学的に合成されたDL
−パントラクトンをキニーネ、ブルシンなどの分割剤を
使用して光学分割する方法、(7)特定の微生物を用いて
DL−パントラクトン中のL−パントラクトンのみを分
解し、D−パントラクトンのみを取得する方法、(8)特
定の微生物を用いてDL−パントラクトン中のL−パン
トラクトンのみを酸化してケトパントラクトンに導き、
さらにこのものを不斉還元することによってD−パント
ラクトンを得る方法、(特開昭47−19745号)、
(9)化学的に合成されたケトパントラクトンを特定の微
生物を用いて不斉還元し、D−パントラクトンを得る方
法(特公昭61−14797号)、(10)特定の微生物を
用いてDL−パントラクトン中のL−パントラクトンを
選択的に不斉加水分解し、D−パントラクトンを得る方
法(特開昭57−152895号および特開昭62−2
94092号)、(11)特定の微生物を用いてDL−パ
ントラクトン中のD−パントラクトンを選択的に不斉加
水分解し、D−パント酸を得る方法(特公平3−651
98号)、(12)特定の微生物を培養し、グルコースか
らD−パント酸を生合成させることによって得る方法
(特開平6−261772号)などが知られている。
ン酸(以下、その塩も含む)を製造するに当たり、(1)の
方法は主原料となるDL−パントラクトンの合成に煩雑
なる工程を要するのみならず、その光学分割には煩雑か
つ困難な工程を伴っている。(2)の方法はDL−パント
ラクトンからD−パントテン酸エステルやDL−パント
テン酸エステルを製造する工程を要するという欠点があ
る。(3)の方法は高価なATPやトリス緩衝液を使用す
る点で不利であり、生成したパントテン酸の量も微量で
しかも高価なD−パント酸を原料として用いた場合実用
的でない。(4)の方法は他の方法に比べてシンプルな製
造法であるが、DL−パント酸製造工程やラセミ化工程
が必要である。(5)の方法は(4)の方法をさらにシンプ
ルにしたものであるが、パントテン酸の生合成経路の上
流に位置するバリン生合成経路の活性が培養後期には消
失し、パントテン酸生成はバリンの枯渇に伴い止まって
しまうため、蓄積量に限界がある。
ントラクトンの製造法のほとんどは合成に煩雑な工程を
要するDL−パントラクトンを出発原料としている欠点
を有するのみならず、(6)の方法は高価な分割剤を使用
し、D−パントラクトンの回収も容易でないなどの欠点
を有し、(7)の方法はDL−パントラクトンの半分量が
損失量となるという欠点を有している。(8)、(9)、
(10)、(11)の方法は使用する微生物の性質上、ある
いはパントラクトン(またはパント酸)の性質上、培養液
中に光学純度100%でD−体のみを製造するのは非常
に困難である。また、(6)、(10)、(11)の方法は残
ったL−体を回収、再利用することを前提としているた
め、さらに煩雑な工程が増えることになる。また、(1
2)の方法はD−パントテン酸製造法での(5)と同様
に、D−パント酸蓄積量はバリン生合成活性に依存して
いる。
ントテン酸の工業的に有利な、より効率的な製造法につ
き鋭意検討した結果、微生物をβ−アラニンを添加した
培地にて培養し、D−パントテン酸を蓄積させる方法に
おいて分岐鎖アミノ酸生合成遺伝子の組み込まれたプラ
スミドを用いて形質転換せしめた菌株が培地中にD−パ
ントテン酸またはD−パント酸(および/またはD−パ
ントラクトン)を、さらに高濃度蓄積することを見出し
た。本プラスミド導入により、培養前半でのバリン生成
活性が向上し、中後期にかけてその活性がさらに持続す
る。その結果パントテン酸生成もさらに長時間持続し、
最終蓄積量の増大が得られた。
および分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域(またはその
一部)を有するDNAを組み込んだプラスミドで形質転
換させた微生物を培養し、D−パント酸またはその塩を
蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするD−パン
ト酸またはその塩の製造法、 (II)パントテン酸生合成遺伝子領域(またはその一
部)および分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域(またはそ
の一部)を有するDNAを組み込んだプラスミドで形質
転換させた微生物をβ−アラニンの存在下に培養し、D
−パントテン酸またはその塩を蓄積せしめ、これを採取
することを特徴とするD−パントテン酸またはその塩の
製造法、 (III)パントテン酸生合成遺伝子領域(またはその
一部)を有するDNAを組み込んだプラスミドおよび分
岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域(またはその一部)を有
するDNAを組み込んだプラスミドで形質転換させた微
生物を培養し、D−パント酸またはその塩を蓄積せし
め、これを採取することを特徴とするD−パント酸また
はその塩の製造法、 (IV)パントテン酸生合成遺伝子領域(またはその一
部)を有するプラスミドおよび分岐鎖アミノ酸生合成系
遺伝子領域(またはその一部)を有するDNAを組み込ん
だプラスミドで形質転換させた微生物をβ−アラニンの
存在下に培養し、D−パントテン酸またはその塩を蓄積
せしめ、これを採取することを特徴とするD−パントテ
ン酸またはその塩の製造法、 (V)1)パントテン酸生合成遺伝子領域(またはその
一部)および分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域(または
その一部)を有するDNAを組み込んだプラスミドまた
は 2)パントテン酸生合成遺伝子領域(またはその一部)を
有するDNAを組み込んだプラスミドおよび分岐鎖アミ
ノ酸生合成系遺伝子領域(またはその一部)を有するDN
Aを組み込んだプラスミドで形質転換されたパント酸生
産能またはβ−アラニン存在下でパントテン酸生産能を
有する微生物、および (VI)パントテン酸生合成遺伝子領域(またはその一
部)および分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域(またはそ
の一部)を有するDNAを組み込んだプラスミドに関す
る。 本発明により(5)、(12)で問題となっていたバリン生
産性が高まり、より高濃度のパントテン酸の蓄積が可能
となる。
発明において、D−パント酸、D−パントテン酸および
β−アラニンは、その塩であってもよく、本明細書の記
載において、D−パント酸、D−パントテン酸およびβ
−アラニンと称する場合、遊離体のみならずその塩も含
む。D−パント酸、D−パントテン酸、β−アラニンの
塩としてはアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩が
挙げられる。いずれも、カルシウム塩、ナトリウム塩、
カリウム塩が好ましい。
を用いて糖類などの炭素源から、直接発酵法により、さ
らに効率的かつ経済的にD−パント酸を製造する方法を
開発すべく研究を行った結果、パントテン酸生合成経路
のみならず、その上流に位置するバリン生合成経路を、
遺伝子組み換え技術を用いて強化した微生物の中に大量
のD−パント酸を生産する能力を有する菌株があること
を見いだし、さらにこの様な微生物を炭素源を含む培地
中でβ−アラニンと接触させることによって大量のD−
パントテン酸を蓄積せしめることが可能であることを見
いだした。すなわち、本発明におけるD−パント酸およ
びD−パントテン酸合成法は、1)微生物の有するパン
ト酸およびパントテン酸合成能を利用し、グルコースな
どの種々の炭素源からD−パント酸を生合成せしめ、こ
れを培地中に蓄積させるか、2)培地中にβ−アラニン
を添加する等してβ−アラニンと微生物とを接触させる
ことにより、β−アラニンと、生合成されたD−パント
酸とを微生物によって縮合せしめることによりD−パン
トテン酸を蓄積させるものであり、パントテン酸生合成
経路のみならず、その上流に位置するバリン生合成経路
を遺伝子組み換え技術を用いて強化することにより、さ
らに高濃度のD−パント酸、D−パントテン酸を蓄積さ
せるものである。
アラニンの存在下でD−パントテン酸合成能を有する微
生物や、D−パント酸合成能を有する微生物をそれぞれ
用いることができる。とりわけ、実用面からエンテロバ
クテリアシー科の微生物が好適であり、例えば、シトロ
バクター属、シゲラ属、クレブシエラ属、エンテロバク
ター属、サルモネラ属およびエシェリヒア属に属する菌
が挙げられる。本発明に用いられるより好ましい菌株の
具体例としては、エシェリヒア属菌が挙げられ、その具
体例としては、エシェリヒア・コリIFO3547など
財団法人発酵研究所の「リスト・オブ・カルチャーズ(L
ist of Cultures)、第8版、1988」に掲載されて
いるようなエシェリヒア・コリの公知菌株およびこれら
に由来する菌株が挙げられる。具体的には、エシェリヒ
ア・コリIFO3547よりサリチル酸耐性、α−ケト
イソ吉草酸耐性、α−ケト酪酸耐性、β−ヒドロキシア
スパラギン酸耐性、o−メチルスレオニン耐性を付与す
ることによって得られたFV5069株、パントテン酸
生合成遺伝子領域またはその一部および分岐鎖アミノ酸
生合成系遺伝子領域またはその一部を組み込んだプラス
ミドpFV202で形質転換したエシェリヒア・コリF
V5069/pFV202株(FERMBP−522
7)などが挙げられる。
子断片の調製法としては、例えば、エイチ・サイトーお
よびケイ・ミウラ、バイオヒミカ・エ・バイオフィジカ
・アクタ(H.Saito and K.Miura Biochim.B
iophys.Acta)の方法またはそれに準ずる方法等の公知
方法によりまず、供与菌から染色体DNAを抽出し、次
いで、これを制限酵素HindIIIを用いて切断する方法な
どが挙げられる。次に、この様にして得られた染色体D
NA断片はベクターDNAに挿入される。本発明に使用
されるベクターDNAは、受容菌で増殖しうるものの中
から適宜選択しうる。受容菌で増殖可能なプラスミドと
しては、例えば、pSC101[プロシーディングス・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ
・オブ・ザ・ユー・エス・エー(Proc.Natl.Acad.
Sci.,U.S.A.)、70、3240(1973)]、pU
C18[ジーン(Gene)、33、103(1985)]など
が挙げられるが、特に限定されるものではなく、新たに
分離されたり、合成されたりしたベクターDNAであっ
ても本発明の目的を達成しうるものであれば用いること
ができる。これらのプラスミド・ベクターに遺伝子断片
を挿入するには、ティー・マニアティスら「モレキュラ
ー・クローニング」(T.Maniatis et al.,Molecul
ar Cloning A Laboratory Mannual,Cold S
pring Harbor Laboratory、東大出版会、1982
年)などに記載された公知の方法またはそれに準じた方
法に従い行うことができる。遺伝子断片を挿入したプラ
スミドを受容菌へ導入する場合には例えば[ジャーナル
・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.Mol.Bio
l.)、53、159(1972)]などに記載されている様
な公知の形質転換法またはそれに準じた方法が使用でき
る。該受容菌の具体例としては、エシェリヒア・コリJ
M109株[ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオ
ロジー(J.Mol.Biol.)、166(1983)]などの
公知菌株が挙げられる。
遺伝子が挿入されているプラスミドが導入された菌株を
選択するには、例えば、エシェリヒア・コリ(E. col
i)K−12株のアセトヒドロキシ酸シンターゼ遺伝子
の配列の一部をプローブとしてコロニーハイブリダイゼ
ーションなどの方法によって選択すればよい。このよう
にして得られた分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子が組み込
まれたプラスミドDNAは、その保有株から抽出し、他
の受容菌に導入したり、あるいは抽出されたプラスミド
DNAから分岐鎖アミノ酸生合成遺伝子を含むDNA断
片を調製後、これを他のベクターに連結して用いること
ができる。
て、エシェリヒア・コリFV5069/pFV202株
(FERM BP−5227、IFO 15857)が挙
げられる。pFV202はエシェリヒア・コリFV52
5株由来のパントテン酸生合成遺伝子およびエシェリヒ
ア・コリFV5069株由来の分岐鎖アミノ酸生合成遺
伝子(アセトヒドロキシ酸シンターゼアイソザイムII
遺伝子)を導入したプラスミドであり、エシェリヒア・
コリFV5069/pFV202株(FERMBP−5
227)はpFV202をエシェリヒア・コリFV50
69株に導入した株である。なお、本明細書においてI
FO番号は財団法人発酵研究所(大阪市淀川区十三本町
2丁目17番5号)への寄託番号を、また、FERM
BP−番号はブタペスト条約の下での工業技術院生命工
学工業技術研究所(茨城県つくば市東1丁目1番3号)へ
の寄託番号を表し、特に、エシェリヒア・コリFV50
69/pFV202株は、平成7年9月7日に受託番号
FERM BP−5227で工業技術院生命工学工業技
術研究所に寄託されている。
は、通常の振とう培養法(回転振とう培養法)、静置培養
法あるいは通気撹拌培養法などにより連続的あるいは間
欠的に行うことができる。用いる培地は使用する微生物
の生育しうる通常の組成のものでよく、炭素源には炭水
化物、油脂、脂肪酸、有機酸またはアルコール類の中か
ら資化しうるものを適宜選択し、単独または混合して使
用される。また、窒素源には、例えば、ペプトン、大豆
粉、綿実粉、コーン・スティープ・リカー、酵母エキ
ス、肉エキス、麦芽エキス、尿素などの有機窒素源の他
に、硫安、塩安、硝安、リン安などの無機窒素源が必要
に応じて適宜混合してまたは単独で用いられる。また、
リン源としてリン酸1カリウム、リン酸2カリウムを用
いるのが好都合である。培地には、炭素源、窒素源、リ
ン源の他に、生育に必要な金属塩(例、硫酸マグネシウ
ム)、アミノ酸、ビタミンなどの生育必須因子や生育促
進物質を添加しても良い。培養中のpHの管理の目的で
塩基性物質、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア、炭酸カルシウムなどを適宜添加するこ
とができ、また、泡の管理のため、消泡剤の添加も有効
である。これらは、培養途上に適宜添加してもよい。さ
らに環境を好気状態にする目的で酸素を通気するのも有
効である。培養の温度は通常15℃から45℃、好まし
くは25℃から40℃で培養するのが有利である。ま
た、培養の時間はパントテン酸および/またはパント酸
の蓄積量が最大になるまで行われるが、通常、6時間か
ら120時間の培養で目的を達することができる。本発
明によりD−パントテン酸を製造する際に、原料物質で
あるβ−アラニンを当該菌体に接触させる方法として菌
株の培養開始前や培養途上の適当な時期に原料物質を添
加する方法、あるいは菌体処理物に原料物質を添加する
方法を用いることができる。菌体処理物とは、菌を培養
して得られる培養物の洗浄菌体、アセトンパウダー、ポ
リアクリルアミドゲルまたはk−カラギーナン包括固定
化菌体などをいう。原料物質は、水などの適当な溶剤の
溶液または懸濁液として、あるいは粉末状として、一時
的あるいは一定時間にわたり連続的にまたは間欠的に添
加される。
地に添加する場合、微生物の生産能力に応じて添加する
のが好ましいが、経済性を考慮すれば、通常、0.1〜
6w/v%、より好ましくは0.5〜4w/v%の濃度で添
加するのが良い。上記のような培養物あるいは反応物か
らD−パントテン酸またはその塩を単離する場合の採取
方法は、慣用方法に従って行うことができる。例えば、
培養液から菌体を除いた後、イオン交換樹脂処理、活性
炭・合成吸着剤などを用いる吸着処理、濃縮処理、晶析
処理などの公知操作を単独または適宜組み合わせてD−
パントテン酸またはその塩を単離することができる。な
お、晶析方法は、特公昭40−2330号に記載の方法
に準ずれば、濾過が容易な結晶が高収率で得ることがで
き、工業的生産に有利である。この晶析方法に従えば、
パントテン酸カルシウム1モルに対しメタノール4モル
と水1モルを含む溶媒水和物(パントテン酸カルシウム
・4メタノール・1水塩)が晶析結晶として得られ、乾
燥することで結晶中のメタノールおよび水は結晶中から
除去することができ、結果としてパントテン酸カルシウ
ムが得られることが、エム・イナガキ(M.Inagaki)
らの報告(ケミカル・アンド・ファーマシューティカル
・ブレチン(Chem.Pharm.Bull.),24,3097
−3102(1976))に記載されている。
以下の方法によって培養液から単離することができる。
パントテン酸またはその塩を含有する培養液から菌体を
除いた液を、カチオンを除去する目的でカチオン交換樹
脂(例えば、ダイヤイオンPK−216(H型)、PK−
228(H型)(三菱化成製))のカラムに通し、次に無機
アニオンおよびパントテン酸より酸性度の強い有機酸を
除去する目的でアニオン交換樹脂(例えば、PA−41
2(OH型)、WA−30(OH型)(三菱化成製))のカラ
ムに通す。この遊離体のパントテン酸を含むカラム通過
処理液(pH約2.6)に水酸化カルシウムを添加し、pH
を約5.0に調整した後、パントテン酸として約25%
(w/v)になるまで濃縮する。次に、この濃縮液に水酸化
カルシウムを添加し、pHを約7.0に調整した後、活性
炭(例えば、白鷺A(武田薬品製))を添加し脱色処理を行
う。活性炭を濾過により除去した後、パントテン酸カル
シウムとして約45%から55%(w/w)になるように濃
縮し、次にメタノールを適当量添加し、この液の水分含
有率が5%から15%になるようにする。次にこの液を
2℃付近にまで冷却し、種晶を添加し、パントテン酸カ
ルシウムの溶媒水和物の結晶を晶出させる。この結晶を
分離、乾燥することにより、高純度のD−パントテン酸
カルシウムを高収率で得ることができる。
体的に説明するが、これらはいずれも本発明の内容を例
示するものにすぎず、本発明の範囲を限定するものでは
ない。なお、D−パントテン酸の定量は高速液体クロマ
トグラフィー法[カラム:島津SCR101H(7.9mm
I.D.×30cm;移動相:0.008N硫酸;流量:0.
8ml/min.;検出:示差屈折計]および/または微生物
学的定量法(Bioassay)[被検菌:ラクトバチルス・プラ
ンタラム(Lactobacillus plantarum)IFO307
0;培地:市販パントテン酸定量用培地(DIFCO
製)]で行った。さらに、培養液中のバリンの定量は高速
液体クロマトグラフィー法[カラム:三菱化成MCI G
EL CRS 10W(4.6mmI.D.×5cm;移動相:1
mM−CuSO4/CH3CN=7/1;流量:0.7ml/m
in.;検出:UVフォトメーター]で行った。
(バクトトリプトン1.0%、酵母エキス0.5%、塩化
ナトリウム0.5%)に接種し、37℃で一夜培養し、得
られた菌体からフェノールを用いるサイトー等の方法
(バイオヒミカ・エ・バイオフィジカ・アクタ(Biochi
m.Biophys.Acta.)72,619(1963))によって最
終3.3mgの染色体DNAを得た。 (2)染色体DNAのベクタープラスミドpUC18への
挿入 上記(1)項で得た染色体DNA10μgとpUC18(ニ
ッポンジーン製)を制限酵素HindIII(ニッポンジーン
製)を用いてそれぞれ切断した後、両者を混合してT4
ファージ由来のDNAリガーゼ(ニッポンジーン製)によ
って連結させた。 (3)染色体DNA断片が挿入されたプラスミドDNAの
選択 上記(2)で得られた各種プラスミドの混合物をエシェリ
ヒア・コリJM109株にコンピテント・セル法を用い
て形質転換した。次にこの形質転換株を含む懸濁液をア
ンピシリン・ナトリウム塩を50μg/ml、IPTGを
0.5mM、X−galを100μg/ml含むL寒天培地の平
板培地上に塗布して37℃にて1夜培養した。得られた
コロニーのうち白色のものを染色体DNA断片が挿入さ
れたプラスミドDNAの形質転換体として選択した。
遺伝子(アセトヒドロキシ酸シンターゼアイソザイムI
Iラージサブユニット遺伝子、ヌクリーク・アシッド・
リサーチ(Nucleic Acids Research)2137、1
5(1987))内約600bpの配列をPCR法を用いて
増幅した。これを、ランダムプライム法を用いて32Pで
ラベルし、プローブとして用いた。 (5)アセトヒドロキシ酸シンターゼアイソザイムII遺
伝子のクローニング アンピシリン・ナトリウム塩を50μg/mlを含んだL
寒天平板培地上にナイロンメンブレンを置き、その上に
上記(3)で得た白色コロニーをストリークし、37℃で
1夜培養した。このメンブレンをアルカリ処理した後中
和し、さらに80℃、2時間ベーキングして菌体内DN
Aをメンブレンに固定した。このメンブレンを(4)のプ
ローブを用いてハイブリダイゼーション反応に供した結
果、他より明らかに強力にシグナルを発するコロニーを
一株得た。
る確認 上記コロニーよりプラスミド10μgを抽出し、HindII
Iで切断後、電気泳動し、サザンハイブリダイゼーショ
ン法で挿入断片の解析を行った。その結果、この断片は
4.7kbの長さを有しており(K−12のアセトヒドロキ
シ酸シンターゼアイソザイムII遺伝子を含むHindIII
断片の長さも4.7kb)、また(4)で取得したプローブと
強くハイブリダイズした。 (7)発現プラスミドの構築 上記4.7kb挿入断片をプラスミドベクターpMW118
のHindIIIサイトに挿入した後、さらにEcoRIサイト
にエシェリヒア・コリFV525のパントテン酸生合成
遺伝子2.5kbを挿入し、pFV202と命名した。これ
を用いてパントテン酸生産株FV5069を形質転換し
てFV5069/pFV202と命名し、本菌株とパン
トテン酸生合成遺伝子のみを挿入したpFV31形質転
換株FV5069/pFV31およびプラスミドを持た
ない親株(宿主)であるFV5069についてアセトヒ
ドロキシ酸シンターゼアイソザイムII活性を比較し
た。
ターゼ活性の測定 被検菌を生産培地(A)で約48時間培養した菌体から超
音波処理により溶菌液を調製し、これを20,000rp
m、1時間遠心して上清を得た。この上清を粗酵素液と
して用い、ジャクソン等の方法(Methods Enzymol.1
988)に従い、生成アセト乳酸をアセトインに変換し
た後、2−ナフトールで発色させて波長530nmで定量
した。表1にその測定結果を示す。表1の結果から、p
FV202に挿入された4.7kbのHindIII断片にアセ
トヒドロキシ酸シンターゼアイソザイムIIをコードす
るilvGM遺伝子が含まれていることが明らかである。
地図 pFV202内に挿入された4.7kbのDNA断片中には
PstIサイト、SalIサイトおよびPvuIIサイトがそ
れぞれ1個ずつ存在する。これらの簡単な制限酵素地図
を図1に示す。
℃、15分間加熱滅菌し、200ml三角フラスコに20
mlずつ分注した。ここに、斜面培地から実施例1の(7)
で得られたエシェリヒア・コリFV5069/pFV2
02株(FERM BP−5227)、FV5069/
pFV31株(FERM BP−4395)をそれぞれ
1白金耳量接種し、30℃で20時間、220rpmで回
転振とう培養した。このシード培養物1mlを表2に示す
組成の培地20mlに移植し、200ml容ひだ付き三角フ
ラスコ中で38℃にて72時間振とう培養した。培養
中、表3に示す要領で各種物質を添加した。培養終了時
のパントテン酸生成量(PaA)およびバリン量(Val)を
表4に示す。
酸(またはその塩)の製造法は、パント酸、パントテン
酸の生合成経路の上流に位置するバリン生合成経路の活
性を向上させてバリン生産性を高め、より高濃度のパン
ト酸、パントテン酸の蓄積を可能とするため、工業的に
有利で効率的な製造法である。
片の制限酵素地図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 パントテン酸生合成遺伝子領域またはそ
の一部と、分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域またはそ
の一部とを有するDNAを組み込んだプラスミドで形質
転換させた微生物を培養し、D−パント酸またはその塩
を蓄積せしめ、これを採取することを特徴とするD−パ
ント酸またはその塩の製造法。 - 【請求項2】 パントテン酸生合成遺伝子領域またはそ
の一部と、分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域またはそ
の一部とを有するDNAを組み込んだプラスミドで形質
転換させた微生物をβ−アラニンの存在下に培養し、D
−パントテン酸またはその塩を蓄積せしめ、これを採取
することを特徴とするD−パントテン酸またはその塩の
製造法。 - 【請求項3】 パントテン酸生合成遺伝子領域またはそ
の一部を有するDNAを組み込んだプラスミドと、分岐
鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域またはその一部を有する
DNAとを組み込んだプラスミドで形質転換させた微生
物を培養し、D−パント酸またはその塩を蓄積せしめ、
これを採取することを特徴とするD−パント酸またはそ
の塩の製造法。 - 【請求項4】 パントテン酸生合成遺伝子領域またはそ
の一部を有するDNAを組み込んだプラスミドと、分岐
鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域またはその一部を有する
DNAを組み込んだプラスミドで形質転換させた微生物
をβ−アラニンの存在下に培養し、D−パントテン酸ま
たはその塩を蓄積せしめ、これを採取することを特徴と
するD−パントテン酸またはその塩の製造法。 - 【請求項5】 1)パントテン酸生合成遺伝子領域また
はその一部と、分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域また
はその一部とを有するDNAを組み込んだプラスミドま
たは 2)パントテン酸生合成遺伝子領域またはその一部を有
するDNAを組み込んだプラスミドと、分岐鎖アミノ酸
生合成系遺伝子領域またはその一部を有するDNAを組
み込んだプラスミドで形質転換されたD−パント酸生産
能またはβ−アラニン存在下でD−パントテン酸生産能
を有する微生物。 - 【請求項6】 分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域また
はその一部がilvGM遺伝子である請求項5記載の微生
物。 - 【請求項7】 エシェリヒア・コリFV5069/pF
V202(FERMBP−5227)である請求項5記
載の微生物。 - 【請求項8】 パントテン酸生合成遺伝子領域またはそ
の一部と、分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域またはそ
の一部とを有するDNAを組み込んだプラスミド。 - 【請求項9】 分岐鎖アミノ酸生合成系遺伝子領域また
はその一部がilvGM遺伝子である請求項8記載のプラ
スミド。 - 【請求項10】 pFV202である請求項8記載のプ
ラスミド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24169596A JP4020991B2 (ja) | 1995-09-13 | 1996-09-12 | D−パント酸、d−パントテン酸およびそれらの塩の製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23506595 | 1995-09-13 | ||
| JP7-235065 | 1995-09-13 | ||
| JP24169596A JP4020991B2 (ja) | 1995-09-13 | 1996-09-12 | D−パント酸、d−パントテン酸およびそれらの塩の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09135687A true JPH09135687A (ja) | 1997-05-27 |
| JP4020991B2 JP4020991B2 (ja) | 2007-12-12 |
Family
ID=26531932
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24169596A Expired - Fee Related JP4020991B2 (ja) | 1995-09-13 | 1996-09-12 | D−パント酸、d−パントテン酸およびそれらの塩の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4020991B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2024257791A1 (ja) * | 2023-06-12 | 2024-12-19 | グリーンケミカルズ株式会社 | 芳香族化合物組成物およびポリマー |
-
1996
- 1996-09-12 JP JP24169596A patent/JP4020991B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2024257791A1 (ja) * | 2023-06-12 | 2024-12-19 | グリーンケミカルズ株式会社 | 芳香族化合物組成物およびポリマー |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP4020991B2 (ja) | 2007-12-12 |
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