JPH09136809A - 陶材焼付用表面処理材 - Google Patents

陶材焼付用表面処理材

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JPH09136809A
JPH09136809A JP29453195A JP29453195A JPH09136809A JP H09136809 A JPH09136809 A JP H09136809A JP 29453195 A JP29453195 A JP 29453195A JP 29453195 A JP29453195 A JP 29453195A JP H09136809 A JPH09136809 A JP H09136809A
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porcelain
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baking
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JP29453195A
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Mamoru Tsukaguchi
衛 塚口
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Yamamoto Precious Metal Co Ltd
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Yamamoto Precious Metal Co Ltd
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    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/80Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
    • A61K6/84Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising metals or alloys
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陶材をメタルフレームに焼付ける際に使用す
る前記メタルフレーム用の表面処理材において、メタル
フレームへの陶材焼付用表面処理材の焼付後に洗浄工程
が必要とならないようにし、これにより、人工歯の製作
工程を簡素化し、仕上り状態を向上させる。 【解決手段】 硫化テルペン金の粉末を有効成分として
含有せしめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、人工歯用の陶材
をメタルフレームに焼付ける際に使用する陶材焼付用表
面処理材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の陶材焼付用表面処理材として、
既に特願平6−135794号のものを提案した。これ
は、金と珪素から成る二元共晶合金の粉末と、ロジンや
ホウ酸ナトリウム等の酸化防止剤を、モノエタノールア
ミンやジエタノールアミン等のバインダーで練り合わせ
てペースト状にしたものである。
【0003】図4の(イ)に示すように陶材焼付用表面
処理材(2) をメタルフレーム(1) に塗布した後、これを
焼付けると、上記処理材中の金とメタルフレーム(1) の
合金成分が互いに相手の組織内に侵入して拡散固溶する
態様で結合され、これにより、同図の(ロ)に示すよう
にメタルフレーム(1) の表面に表面処理層(20)が形成さ
れる。又、上記陶材焼付用表面処理材(2) を焼き付けた
状態ではこれに含まれていた酸化防止剤が被膜(21)とな
って表面処理層(20)の表面に析出する。これは、後に焼
付する陶材のひび割れの原因となるから、前記被膜(21)
を希塩酸等で洗浄除去する。前記被膜(21)を洗浄除去し
た後の表面処理層(20)上に陶材(3) を焼付けると、メタ
ルフレーム表面に形成された前記表面処理層(20)の珪素
と陶材成分の珪素が拡散固溶して相互に接着される。
【0004】これにより、同図(ハ)に示すようにメタ
ルフレーム(1) が陶材(3) で被覆された状態となって人
工歯が製作できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の陶材焼付用表面処理材では、これをメタルフレーム
(1) に焼付けた後にその表面に生じる酸化防止剤の被膜
(21)を希塩酸等で洗浄除去する工程が必須であった。本
願はかかる点に鑑みて為されたもので、請求項1〜請求
項6に記載の発明は『陶材をメタルフレームに焼付ける
際に使用する前記メタルフレーム用の表面処理材』にお
いて、陶材焼付用表面処理材の焼付け後の前記表面処理
層(20)の洗浄工程を不要にすることにより、人工歯の製
作工程を簡素化し、仕上り状態を向上させることをその
課題とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
[請求項1の発明について]前述した課題を解決する為
に、請求項1に記載の発明は、『硫化テルペン金の粉末
を有効成分として含有せしめたペースト状の陶材焼付用
表面処理材』としたことを特徴としたものである。
【0007】上記陶材焼付用表面処理材をメタルフレー
ム(1) に塗布して焼付けると、上記硫化テルペン金に含
まれたテルペンや硫黄が金やその他の含有成分より酸化
し易いから、前者のテルペンや硫黄が先に参加して後者
の金等の酸化を抑制する。酸化を抑制する機能(以下、
「酸化抑制機能」と言う。)を発揮する硫黄は前記焼付
時にはSO2 となって揮発すると共にテルペン(C5
8n がCO2 とH2Oに分解して夫々大気中に放出さ
れるから、メタルフレーム(1) の表面には従来のような
被膜(21)のない前記表面処理層(20)が形成され、これに
より、メタルフレーム(1) の合金成分と前記金が拡散固
溶する態様で相互に接着結合される。爾後、上記表面処
理層(20)が形成されたメタルフレーム(1) の表面に既述
従来のものと同様に陶材を築盛して焼付ける。
【0008】又、表面処理層(20)中の金成分が焼付完了
後に陶材層と反応して薄い黄色またはオレンジ色に発色
する。 [請求項2の発明について]前述した課題を解決する為
に、請求項2に記載の発明は、請求項1の陶材焼付用表
面処理材に『さらに、硫化テルペン珪素の粉末及び/又
は硫化テルペンアルミニウムの粉末を含有せしめた』こ
とを特徴としたものである。
【0009】上記陶材焼付用表面処理材の場合、前記有
効成分中のテルペンや硫黄が、前記焼付の際に請求項1
の発明と同様の作用により酸化抑制機能を発揮し、その
他の金,珪素,アルミニウムの酸化を防止する。又、焼
付後はメタルフレーム(1) に焼付た際にはメタルフレー
ム(1) の合金成分と前記金が拡散固溶する態様で相互に
接着結合されたものとなる。前記表面処理層(20)は、珪
素又はアルミニウムを含有するから、既述従来のものと
同様に前記表面処理層(20)の表面に陶材を築盛して焼付
けると、陶材成分の珪素やアルミニウムと前記表面処理
層(20)中の珪素やアルミニウムが拡散固溶による態様で
相互に接着される。 [請求項3の発明について]請求項3の発明は、上記請
求項1又は請求項2の陶材焼付用表面処理材中に、『さ
らに、硫化テルペン錫の粉末,硫化テルペンインジウム
の粉末,硫化テルペン鉄の粉末の、一種類以上の粉末を
含有せしめた』ことを特徴としたものである。
【0010】一般に、硫化テルペン錫の「錫」,硫化テ
ルペンインジウムの「インジウム」,及び硫化テルペン
鉄の「鉄」は夫々、前記表面処理層(20)と陶材のぬれ性
を向上させることが知られているが、前記有効成分を含
有させたものでは、上記請求項1の発明の作用に加え
て、陶材と表面処理層(20)のなじみを良好にする。 [請求項4の発明について]請求項4の発明は、上記請
求項1から請求項3の何れかに記載の陶材焼付用表面処
理材中に、『さらに、硫化テルペン銀の粉末、又は、銀
の粉末を含有せしめた』ことを特徴としたものである。
【0011】既知のように、銀は金よりも低融点でしか
も原子拡散性が良好なことから、焼付作業時に銀が金よ
り早期に溶融してメタルフレーム(1) の組織内に拡散固
溶する。従って、陶材焼付用表面処理材の焼付温度を金
の融点より低くい温度(例えば900℃〜1000℃)
に設定すると共に焼付時間を短時間(例えば1分程度)
にすることにより、メタルフレーム(1) 中への金の過剰
拡散が抑えられるので、表面処理層(20)の金色が薄くな
るのを防止することができ、これにより、前記被膜の層
が薄くても金色を確実に保つことが可能となる。
【0012】尚、硫化テルペン金等に含まれるテルペン
や硫黄が請求項1の発明の項で説明した如く酸化抑制機
能を発揮し該酸化抑制機能が前記銀成分に対しても有効
に働く。 [請求項5の発明について]請求項5の発明は、請求項
1から請求項4の何れかに記載の陶材焼付用表面処理材
中に、『さらに、金と珪素の二元共晶合金の粉末,金と
アルミニウムの二元共晶合金の粉末,金と錫の二元共晶
合金の粉末,金とインジウムの二元共晶合金の粉末の、
一種以上の粉末を含有せしめた』ことである。
【0013】上記二元共晶合金の各粉末は、特願平6−
135794号に示されているように陶材とメタルフレ
ームの結合力を高める作用があるが、上記有効成分中の
テルペンや硫黄による酸化抑制機能がこれら二元共晶合
金に対しても有効に働く。 [請求項6の発明について]請求項6の発明は、請求項
1から請求項4の何れかに記載の陶材焼付用表面処理材
中に、『さらに、珪素,アルミニウム,錫,インジウム
から選択した二種類以上と金とを合金化させた粉末を含
有せしめた』ことである。
【0014】上記各粉末も酸化防止材を添加することに
より陶材焼付用表面処理材として使用することが可能で
ある。ところが、これらを請求項1から請求項4の陶材
焼付用表面処理材中に添加して陶材の焼付を行うと、硫
化テルペン金等に含まれるテルペンや硫黄が請求項1の
発明の項で説明した如く酸化抑制機能を発揮するから、
前記合金の酸化も防げる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、前記請求項1〜請
求項6の発明では、表面処理層(20)の表面には被膜(21)
が生成されないから、陶材焼付用表面処理材の焼付けに
よってメタルフレーム表面に形成された表面処理層(20)
を洗浄する特別な作業が不要となり、これにより、人工
歯の製作効率が向上する。
【0016】又、洗浄工程が不要であるから、洗浄不良
等の原因による仕上り不良が防止できる。又、歯牙から
歯肉に移行する陶材層の薄い領域を薄い黄色又はオレン
ジ色に発色させることができるから、メタルフレームを
被覆している陶材層に於ける肉厚の薄い歯牙から歯肉に
移行する領域の色調変化(歯牙から歯肉へ色調が連続的
に移行する感じ)を連続的に変化させることができ、健
全歯に極めて近いものとすることができる。
【0017】請求項3の発明では、表面処理層とこれに
築盛した陶材のぬれ性を向上させてこれら両者のなじみ
を良好にすることができるから、上記表面処理層に陶材
を強固に焼き付けられる。請求項4の発明では、メタル
フレーム(1) に形成された表面処理層(20)の被膜の色が
一層金色に近くなるから、歯牙から歯肉に移行する肉厚
の薄い陶材層を更に黄色又はオレンジ色に近づけること
ができる。よって、当該領域を一層健全歯に近い色調に
仕上げることができる効果がある。
【0018】請求項5の発明では、硫化テルペン金等に
含まれるテルペンや硫黄が各二元共晶合金の酸化を防止
するから、特別な酸化防止剤を添加することなく前記二
元共晶合金を使用することができる。請求項6の発明で
は、硫化テルペン金等に含まれるテルペンや硫黄が添加
した各合金の酸化を防止するから、特別な酸化防止剤を
添加することなく前記合金を使用することができる。
【0019】
【実施の形態】次に、上記した発明の実施の形態を詳述
する。以下に示す実施の形態では、何れも、バインダー
としてグリセリンを用いてペースト状の陶材焼付用表面
処理材(2) としたものである。尚、前記バインダーとし
ては、前記グリセリン以外に、テレピネオール,エチレ
ングリコール,ジエチレングリコール,ポリプロピレン
グリコール,ジエタノールアミン,トリエタノールアミ
ンが使用できる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】表1〜表6に於いて、{AU −S−R}は
硫化テルペン金を意味し、これはAU とSと(C5
8n の化合物{AU −S−(C58n }である。
前記(C58n は、例えば、n=1のヘミテルペ
ン,n=2のモノテルペン,n=3のセスキテルペン,
n=4のジテルペン,n=5のセスタテルペン,n=6
のトリテルペン,n=8のテトラテルペン,n≧9のポ
リテルペン等であって、以下同様である。
【0027】上記硫化テルペン金は例えば次のように製
造される。 (イ).王水に金を溶してHAu Cl4・4H2 O(塩化
金酸)の溶液を作り、この溶液をこれと等量のエチルア
ルコールに溶かす。 (ロ).一方、硫黄粉末をテレビン油に添加し、飽和溶
液とした硫化バルサム溶液を作る。 (ハ).作業(ロ)で得た硫化バルサム溶液に作業
(イ)で最終的に得られた溶液を加えて60℃〜75℃
の水浴上で加熱反応させ、硫化テルペン金{Au −S−
1016}の粉末(粒子の大きさは0.1μm 〜10μ
m )の沈殿物を得る。 (ニ).作業(ハ)で得た硫化テルペン金と反応残渣の
樹脂成分を分離する為、エチルアルコールを加えて樹脂
成分を溶解し、硫化テルペン金の粉末を再沈殿させる。 (ホ).作業(ニ)で得た硫化テルペン金の沈殿物と樹
脂エステルとが十分に分離した後に、樹脂エステル溶液
のみを捨て、その後、沈殿物を乾燥させ、硫化テルペン
金の粉末を得るか、金のレジネート(金の樹脂酸塩)の
沈殿物と樹脂エステル溶液を十分に攪拌した後に、濾紙
で分離して乾燥させる。
【0028】一方、表1〜表6に於ける{Si −S−
R}は硫化テルペン珪素を意味し、これはSi とSと
(C58n の化合物{Si −S−(C58n
であり、例えば次の製造工程により得られるものであ
る。 (イ).王水にフッ化水素酸を5〜10%程度加えた溶
液に珪素を溶して四フッ化珪素(Si F4 )の溶液を作
り、この溶液を、これと等量のエチルアルコールに溶か
す。 (ロ).一方、硫黄粉末をテレビン油に添加し、飽和溶
液とした硫化バルサム溶液を作る。 (ハ).作業(ロ)で得た硫化バルサム溶液に作業
(イ)で最終的に得られた溶液を加えて60℃〜75℃
の水浴上で加熱反応させ、珪素の樹脂酸塩溶液を作る。 (ニ).作業(ハ)で得た珪素の樹脂酸塩溶液に、溶液
PHが中性を示すまでNa OHを加えて十分に攪拌す
る。 (ホ).作業(ニ)で得た溶液から反応残渣たる樹脂成
分を分離する為、エチルアルコールを加えて樹脂成分を
溶解し、硫化テルペン珪素を含有する珪素の樹脂酸塩の
粉末(粒子の大きさは0.1μm 〜10μm )を沈殿さ
せ、これを濾紙で分離後、濾紙上で乾燥させる。
【0029】又、表1〜表6に於いて、{Al −S−
R}は硫化テルペンアルミを意味し、これはAl とSと
(C58n の化合物{Al −S−(C58n
であり、例えば次の製造工程により得られるものであ
る。即ち、王水にアルミニウムを溶かして塩化テルペン
アルミニウム酸の溶液を作り、この溶液を、これと等量
のエチルアルコールに溶し、次に、上記した硫化テルペ
ン珪素の製造工程(ロ)〜(ホ)と同様の作業を行う
と、硫化テルペンアルミを含有する硫化テルペンアルミ
ニウムの樹脂酸塩の微粉末(粒子の大きさは0.1μm
〜10μm )が得られる。
【0030】又、同表において{Sn - S−R}は硫化
テルペン錫を意味し、これはSn とSと(C58n
の化合物{Sn - S−(C58n }である。{In
−S−R}は硫化テルペンインジウムを意味し、これは
In とSと(C58n の化合物{In −S−(C5
8n }である。{Fe -S−R}は硫化テルペン鉄
を意味し、これはFe とSと(C58n の化合物
{Fe -S−(C58n }である。{Ga −S−
R}は硫化テルペンガリウムを意味し、これはGaとS
と(C58n の化合物{Ga −S−(C58
n }である。{Ge −S−R}は硫化テルペンゲルマニ
ウムを意味し、これはGe とSと(C58 n の化合
物{Ge −S−(C58n }である。{Ag −S−
R}は硫化テルペン銀を意味し、これはAg とSと(C
58n の化合物{Ag −S−(C58n }であ
る。そして、これら硫化テルペン化合物は、上記硫化テ
ルペンアルミと同様の工程で作られる。又、表3〜表5
の「共晶合金の種別と混合割合(重量%)」の欄に於い
て、Au Si は金と珪素の二元共晶合金,Au Al は金
とアルミニウムの二元共晶合金,Au Sn は金と錫の二
元共晶合金,Au In は金とインジウムの二元共晶合金
である。更に、表6の「合金の種別と混合割合(重量
%)」の欄に於いて、Au Si Alは金と珪素とアルミ
ニウムの合金,Au Al Snは金とアルミニウムと錫の
合金,Au Sn In は金と錫とインジウムの合金,Au
In Si AlSn は金とインジウムと珪素とアルミニウ
ムと錫の合金である。
【0031】表1の試料番号1の試料は、硫化テルペン
金の粉末:硫化テルペン珪素の粉末の混合比を87重量
%〜99重量%:1重量%〜13重量%に設定したもの
を陶材焼付用表面処理材(2) としたもので、試料番号2
の試料は、硫化テルペン金の粉末:硫化テルペンアルミ
の粉末の混合比を87重量%〜99重量%:1重量%〜
13重量%に設定したものを陶材焼付用表面処理材(2)
としたもので、試料番号3の試料は、硫化テルペン金の
粉末:硫化テルペン珪素の粉末:硫化テルペンアルミの
粉末の混合比を87重量%〜99重量%:0.5重量%
〜6.5重量%:0.5重量%〜6.5重量%に設定し
たものを陶材焼付用表面処理材(2) としたものである。
【0032】表1〜表6に記載した試料番号4以下も、
上記と同様に、各成分欄に記載した数値通りの比率(重
量%)で夫々の粉末を混合したものを陶材焼付用表面処
理材(2) としたものである。尚、表1〜表6に於いて、
全ての試料番号の試料は請求項1の発明に包含されれる
ことは明確であるが、特に試料番号1〜試料番号3の試
料は請求項2の発明の陶材焼付用表面処理材の実施の形
態を説明する為に示したものであり、試料番号4〜試料
番号20の試料は特に請求項3の発明の陶材焼付用表面
処理材の実施の形態を説明する為に示したものであり、
試料番号21〜試料番号66の試料は特に請求項4の発
明の陶材焼付用表面処理材の実施の形態を説明する為に
示したものである。
【0033】又、試料番号1〜試料番号66から選択し
た一種類の試料に対し、金と珪素の二元共晶合金の粉
末,金とアルミニウムの二元共晶合金の粉末,金と錫の
二元共晶合金の粉末,金とインジウムの二元共晶合金の
粉末の、一種以上の粉末をさらに含有させたものを陶材
焼付用表面処理材として使用することも可能であり、こ
れが請求項5の発明に対応している。そして、請求項5
の発明に含まれる陶材焼付用表面処理材を試料番号67
〜試料番号102としてに表3〜表5に記載した。
【0034】更に、試料番号1〜試料番号66から選択
した一種類の試料に対し、珪素,アルミニウム,錫,イ
ンジウムから選択した二種類以上の組み合わせと金とを
合金化させた粉末を更に含有させたものを陶材焼付用表
面処理材として使用することも可能であり、これが請求
項6の発明に対応している。そして、請求項6の発明に
含まれる陶材焼付用表面処理材を試料番号103〜試料
番号114としてに表6に記載した。
【0035】尚、上記金と珪素の二元共晶合金の粉末,
金とアルミニウムの二元共晶合金の粉末,金と錫の二元
共晶合金の粉末,金とインジウムの二元共晶合金(亜共
晶又は過共晶であっても良い)の粉末の製造や、珪素,
アルミニウム,錫,インジウムから選択した二種類以上
の組み合わせと金とを合金化させた粉末の製造は次のよ
うに行われる。即ち、前記共晶合金又は合金を加熱溶解
後に溶湯を水中に少量づつ滴下して前処理を行い、粗粉
砕(φ5〜20mm程度の不定形粒子)したものを、スタ
ンプミルで約6〜8時間程度一次粉砕し、10〜50μ
m 程度の粒度にする。次に、遊星回転ポットミルで約2
〜3時間仕上げ粉砕をして0.2〜10μm の粒度に調
整した合金粒子を得る。
【0036】次に、上記実施の形態にかかる陶材焼付用
表面処理材を用いてメタルフレーム(1) に陶材を焼付け
る作業について説明する。バインダーで練り合わせてペ
ースト状にした上記試料番号1の陶材焼付用表面処理材
を既述従来例で説明した順序でメタルフレーム(1) に塗
布してこれを900℃〜960℃で1〜2分間焼付ける
と、図1の(イ)に示すように、メタルフレーム(1) の
表面には表面処理層(20)たる金及び珪素の合金層のみが
形成され、その表面には既述従来例で説明した被膜(21)
の如きものは形成されなかった。これは、硫化テルペン
金及び硫化テルペン珪素中の硫黄がSO2 となって揮発
すると共にテルペン(C58n がCO2 とH2 Oに
分解して夫々大気中に放出されて珪素のみが残存するも
のと考えられる。又、バインダーで練り合わせてペース
ト状にした試料番号2の陶材焼付用表面処理材をメタル
フレーム(1) の表面に上記と同様の温度条件で同じ時間
だけ焼付けると、メタルフレーム(1) の表面には表面処
理層たる金及びアルミニウムの合金層が形成された。以
下、試料番号3以下の場合も同様に硫黄及びテルペンが
消失して他の金属の合金層(表面処理層)がメタルフレ
ーム(1) の表面に形成された。
【0037】尚、試料番号23,24,32〜38,4
6〜52,60〜114の陶材焼付用表面処理材をメタ
ルフレーム(1) の表面に焼付ける場合も、特別な酸化防
止材を使用することなくメタルフレーム(1) に焼付ける
ことができた。これは、硫化テルペン金等に含まれるテ
ルペンや硫黄が上記試料番号1の陶材焼付用表面処理材
について説明した如く酸化抑制機能を発揮し、しかも、
この成分割合が多く前記酸化抑制機能が顕著に発揮され
る結果、前記各二元共晶合金等の酸化を防止するものと
考えられる。
【0038】従って、上記各試料のものでは既述従来の
ものと相違し、特別な酸化防止剤を使用することなくメ
タルフレーム(1) に焼付けることができるから、陶材焼
付用表面処理材(2) の焼き付け後にメタルフレーム(1)
に形成される表面処理層(20)の表面に既述従来のように
酸化防止剤が被膜となって析出することがない。従っ
て、前記焼付後の洗浄作業が不要となる。
【0039】爾後、メタルフレーム(1) の表面に形成さ
れた表面処理層(20)の表面に既述従来例で説明したよう
に陶材を築盛してこれを700℃〜960℃で4分〜8
分間焼付けると、既述と同様に前記表面処理層(20)に含
まれた金成分等がメタルフレーム(1) の合金成分と拡散
固溶する態様で相手の組織内に侵入する。又、各硫化テ
ルペン化合物又は各二元共晶合金及びその他の合金等に
含まれた珪素,アルミニウム,錫,インジウム,鉄の成
分が陶材成分と拡散固溶し、これにより、メタルフレー
ム(1) に陶材が接着固定される。尚、硫化テルペン化合
物又は各二元共晶合金及びその他の合金等に含まれたゲ
ルマニウム及びガリウムは、既知のように、各陶材焼付
用表面処理材のメタルフレーム(1) への焼付け温度を低
下させる効果がある。
【0040】出願人が行った試験によれば、上記何れの
陶材焼付用表面処理材(2) も一般的に必要とされる接着
強度を十分に発揮することが確認された。即ち、試料番
号1〜3の試料は20MPa〜50MPa,試料番号4
〜20の試料は18MPa〜53MPa,試料番号21
〜66の試料は24MPa〜83PMa,試料番号67
以下の試料では25MPa〜72MPaの接着強度を夫
々発揮することが確認された。尚、公知のブレンドゴー
ルド・スペシャル(ドイツ・ヘラウス社製)では13M
Pa〜17MPa,ブレンドゴールド・ニュー(ドイツ
・ヘラウス社製)では25MPa〜55MPa,更に、
陶材焼付用表面処理材を使用しないで陶材をメタルフレ
ーム(1) に直接に焼き付けた場合は12MPa〜25M
Paの接着強度が得られることが確認できた。
【0041】上記接着強度は、図2のテストピースを打
ち抜き剪断試験によって試験したときの測定値(MP
a)であり、この測定値(MPa)は、次の式によって
求められる。 MPa=W/(0.102 πdL) 但し、上式において、d及びLは図2に示すテストピー
スの各部の寸法(単位:mm),πは円周率であり、W
は、剪断時の荷重(単位:Kgf )である。
【0042】このテストピースの断面は図3のような構
造であり、出願人会社のメタルフレーム材(商品名:ブ
レンディN−78,組成:金78重量%,白金9.3重
量%,パラジウム8.7重量%,銀1.5重量%,イン
ジウム1.0重量%,その他1.5重量%)から構成さ
れた軸(6) の陶材築盛域と同じ範囲に上記各試料番号の
陶材焼付用表面処理材(2) を焼成し(焼付温度及び焼付
時間は既述メタルフレームへの焼付時と同じ条件)、こ
の陶材焼付用表面処理材(2) に環状に陶材(3)を築盛し
て、これを焼付けた(焼付温度及び焼付時間は既述陶材
焼付時間と同じ)ものである。上記剪断試験に使用した
陶材(3) は、株式会社ノリタケ社製、製品名:ノリタ
ケ、スーパーポーセレンAAA)である。
【0043】尚、上記実施の形態では、硫化テルペン化
合物の製造工程において、硫黄粉末をテレビン油に添加
するようにしたが、当該テレビン油に代えてラベンダー
油,カンファー油,ローズマリー油,ユーカリ油,サフ
ローツ油等を使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の発明に係る陶材焼付用表面処理材を用い
てメタルフレーム(1) に陶材を焼付ける作業工程図
【図2】打抜剪断試験に使用するテストピースの外観斜
視図
【図3】打抜剪断試験に使用するテストピースの断面図
【図4】従来例の説明図
【符号の説明】
(1) ・・・メタルフレーム (2) ・・・陶材焼付用表面処理材 (3) ・・・陶材 (20)・・・表面処理層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陶材をメタルフレームに焼付ける際に使
    用する前記メタルフレーム用の表面処理材であって、 硫化テルペン金の粉末を有効成分として含有せしめたペ
    ースト状の陶材焼付用表面処理材。
  2. 【請求項2】 さらに、硫化テルペン珪素の粉末及び/
    又は硫化テルペンアルミニウムの粉末を含有せしめた請
    求項1に記載の陶材焼付用表面処理材。
  3. 【請求項3】 さらに、硫化テルペン錫の粉末,硫化テ
    ルペンインジウムの粉末,硫化テルペン鉄の粉末の、一
    種類以上の粉末を含有せしめた請求項1又は請求項2に
    記載の陶材焼付用表面処理材。
  4. 【請求項4】 さらに、硫化テルペン銀の粉末、又は、
    銀の粉末を含有せしめた請求項1から請求項3までの何
    れかに記載の陶材焼付用表面処理材。
  5. 【請求項5】 さらに、金と珪素の二元共晶合金の粉
    末,金とアルミニウムの二元共晶合金の粉末,金と錫の
    二元共晶合金の粉末,金とインジウムの二元共晶合金の
    粉末の、一種以上の粉末を含有せしめた請求項1から請
    求項4の何れかに記載の陶材焼付用表面処理材。
  6. 【請求項6】 さらに、珪素,アルミニウム,錫,イン
    ジウムから選択した二種類以上と金とを合金化させた粉
    末を含有せしめた請求項1から請求項4の何れかに記載
    の陶材焼付用表面処理材。
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