JPH09136969A - 繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法及び装置 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法及び装置

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JPH09136969A
JPH09136969A JP7298577A JP29857795A JPH09136969A JP H09136969 A JPH09136969 A JP H09136969A JP 7298577 A JP7298577 A JP 7298577A JP 29857795 A JP29857795 A JP 29857795A JP H09136969 A JPH09136969 A JP H09136969A
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flow
thermoplastic resin
fiber
dispersion liquid
head box
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JP7298577A
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Yuichi Uchida
祐一 内田
Isamu Shioda
勇 塩田
Fumiaki Yoshikawa
文明 吉川
Seiji Hanatani
誠二 花谷
Osamu Nishimura
治 西村
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Kawasaki Steel Corp
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    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
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    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Abstract

(57)【要約】 【目的】局部的な目付量の不均一や補強繊維の異常配向
がない繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法及び
装置を提供する。 【構成】ヘッドボックス13のインレット部20を、幅
方向に等間隔の隔壁21で仕切り複数の分割流路22
A,22B,22Cに小サイズ化して流れの乱れを抑制
し、その最外側の分割流路22A,22Cには幅縮小板
29を取付け流路断面積をより小さくして流速を速める
ことで前方の会合部25におけるフローフロントを平坦
化し、会合部25の先端部にスライス板26,27を配
置して液面の揺動を抑制し、各分割流路の上流部に設け
た分散液の分配供給口23Aは下流側以外の方向に向け
て開口させて動圧を効果的に低減した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、補強繊維と熱可塑性樹
脂とを含む分散液から抄造法により繊維強化熱可塑性樹
脂シートを製造する方法及び装置に関し、特に、反りが
なく歩留りの良いシート製品が得られるものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の成形上の特性を生かしつ
つ高強度,高剛性という特性を付与する手段として、高
弾性率繊維の添加による複合化技術が知られている。複
合化された繊維強化熱可塑性樹脂は、軽量化と高剛性及
び高強度が要求される種々の構造部材用の素材として使
用される。これらの素材は、通常、マトリックスである
熱可塑性樹脂の融点以上に熱せられた後に成形され、形
状を付与されるのであるが、特にプレス機を用いた成形
または大型部品の成形に適する板状あるいはシート状の
素材はスタンパブルシートと呼ばれ、その優れた機械的
強度,加工性,量産性から自動車用構造部材あるいは内
装材を中心に需要が増加している。
【0003】スタンパブルシートの代表的な製法とし
て、抄紙技術を応用した抄造法が知られている。この技
術は、微小気泡を含む界面活性剤含有水性媒体中で繊維
チョップと熱可塑性樹脂を分散させ(分散工程)、この
分散液を多孔性支持体(以後、ワイヤメッシュ又はメッ
シュベルトと呼ぶこともある)上で抄くことにより不織
布状のウエブを調製し(抄造工程)、このウエブを加熱
加圧後固化させて(シート化工程)スタンパブルシート
を製造する方法で、特開昭60−158227号等に開
示されている。
【0004】抄造法スタンパブルシートの品質管理上、
最も基本的でしかも頻繁に問題とななるのが、シートの
板厚変動と反りである。これらはそれぞれ、局部的な目
付量の不均一と補強繊維の異常配向に起因する。そして
これらの現象はいずれもウエブの抄造工程で発生するも
のであり、同時に解決するには、補強繊維と熱可塑性樹
脂を含有する組成の均一な分散液を、幅方向にわたって
均等な流量で、しかも斜流を生じさせずにメッシュベル
ト進行方向に平行に供給する必要がある。
【0005】抄造工程では先ず、分散工程から1本の配
管を通って送られてきた分散液を抄紙機幅方向に拡げる
ために、通常は多岐管構造のマニホールドで複数本のホ
ースに分配する。このホースを通じて1次元的に搬送さ
れた分散液は、ヘッドボックスのインレット部に導か
れ、合流し、2次元流としてメッシュベルトに送給され
る。すなわちインレット部は、マニホールドホースから
複数の「点」として送られてきた分散液を、「線」の流
れに変えてメッシュベルトに供給するための装置であ
る。
【0006】このインレット部に、幅方向の目付量分布
の均一化を目的として分散液を抄造面全幅にわたって均
等な流量で供給する機能を持たせた例が特願平7−38
532号に提案されている。図3は、この従来技術にお
けるヘッドボックスのインレット部Aを経由する分散液
の流れの模式図である。複数本のマニホールドホースB
から送られてきた分散液は、隔壁Cで均等幅に分割され
た複数の分割流路Dを同じ速度で流れて、流路前方の会
合部Eにおいて合流し、その後スライス板Fによって狭
められたスリット状開口Gを通じて液面の揺動を減衰さ
れて、メッシュベルト上に供給される。これにより、全
幅方向に均等な安定した流量で分散液を供給できて、幅
方向目付分布が均一化する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の湿式法による繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造技
術は、確かに目付分布の安定化に対しては効果的である
が、繊維配向状態が幅方向で均質なウエブを製造する機
能という点では不十分であり、改善の余地があった。そ
の理由は以下の通りである。
【0008】ヘッドボックスのインレット部Aにおい
て、分割流路Dの前方の会合部Eで合流した分散液は、
合流してからスライス板Fのスリット状開口Gに達する
迄の間(この間を、溢走区間と呼ぶこともある)に側面
壁Hの抵抗を受けて幅両端部の壁沿いの流速が低下す
る。それゆえ、ヘッドボックスのインレット部Aの上流
に均等に配分して送給される分散液の流速が全幅にわた
り全て等しいままでは、側壁面Hの抵抗の影響を受けな
い流れ中央部が先行することとなり、その結果スライス
板Fのスリット状開口Gに達する以前の流れに放物線状
ないし台形状の流速分布Iを生じてしまう。この流れ
が、スライス板のスリット状開口Gの絞り作用による圧
損を受けると、その流速の幅方向の不均一を補填するべ
く、中央部から端部に向かう斜流Rが発生する。この斜
流Rにより、ウエブの幅両端部は繊維配向主軸がメッシ
ュベルト進行方向に対して末広がりになる。この局部的
な繊維配向主軸の偏心により、特に目付量の低い(10
00g/m2 未満)場合では、ウエブをシート化した後
のシート幅の両端部に反りが発生していた。したがっ
て、従来は、反りのないシートを提供するためにシート
両端部を切除しなければならず、歩留りの低下が避けら
れなかった。
【0009】一方、製紙業界に目を転じれば、繊維異常
配向の解消に関する技術が多数見られるのであるが、し
かし抄造法による繊維強化熱可塑性樹脂シートのような
系には適用しにくい。例えば、特公昭43−12602
号には、ヘッドボックス端部の側板から流体を抽出する
ブリード手段によってスライスジェットの流れ方向を調
節する方法が開示されているが、この方法は繊維長の大
きい系の場合にはブリード口の詰まりが懸念されるため
不向きである。また、ヘッドボックスの幅両端近傍の多
岐管ホースの径を予め中央部より大きくすることで、幅
両端部の流量を増加させた例も見られる。しかし、この
ような操作は、マニホールドにおける分散液の流動状態
に重大な影響を及ぼす。ひいては、多岐管間の流量分布
が変化してしまうばかりか、一般的に形状が大きく異な
る繊維と熱可塑性樹脂との分配バランスにもズレを生じ
る恐れがあるという意味において、好ましくない。
【0010】そこで本発明は、これら従来の諸問題点に
着目してなされたものであり、その目的は、繊維強化熱
可塑性樹脂シートの湿式製造にあたり、反りの発生原因
であるシート幅方向の両端部の補強繊維の異常配向を解
消することにより、反りがなく且つ歩留りの高いスタン
パブルシートが得られる繊維強化熱可塑性樹脂シートの
湿式製造方法及び装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、ヘッドボックス内を流れる分散液の流速をヘッ
ドボックス幅の両端部において高め、その後、幅方向に
長く高さ方向に狭いスリット状開口を通して流出させれ
ば、偏流もなく平坦なフローフロントを有する分散液流
をメッシュベルト上に供給できて、これにより補強繊維
の異常配向が発生せず、もって反りのない繊維強化熱可
塑性樹脂シートが製造できることを見いだした。
【0012】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿
式製造方法に係る発明は、補強繊維と熱可塑性樹脂とを
含む分散液をマニホールドを経てヘッドボックスに送
り、該ヘッドボックスからメッシュベルト上に供給して
ウエブを抄造する繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製
造方法において、前記ヘッドボックス内を流れる分散液
の流速を、当該ヘッドボックスの幅方向両端部において
高め、その後幅方向に長く高さ方向に狭いスリット状開
口を通して平坦なフローフロントを有する分散液流をメ
ッシュベルト上に供給することを特徴とする。
【0013】また、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シー
トの湿式製造装置に係る発明は、マニホールドを経て流
入する補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液を、ウエ
ブ抄造用のメッシュベルト上に供給するヘッドボックス
を備えた繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置に
おいて、前記ヘッドボックスは、ボックス全幅にわたり
等間隔の隔壁で仕切られた複数の平行な分割流路を入側
に備えると共に最外側に位置する分割流路はその断面積
が他の流路より狭く形成され、かつそれら分割流路の前
方に分割流の会合部を備え、該会合部の先端部にはヘッ
ドボックスと同幅の開度調整可能なスライス板を有し、
前記マニホールドからの分散液の分配供給口は、前記ヘ
ッドボックス内の各分割流路の上流部において下流側以
外の方向に向けてそれぞれ開口していることを特徴とす
るものである。
【0014】ここで、前記マニホールドからの分散液の
分配供給口が開口する方向を、前記各分割流路の上流方
向にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの湿式製造方法を実現するための製造装置
の全体系統を示す図である。この製造装置は、大別して
原料調整部1と、ウエブ抄造部10と、乾燥部30と、
巻き取り部40とで構成されている。
【0016】原料調整部1には攪拌機2を備えた分散槽
3が設置され、この分散槽3の上方に熱可塑性樹脂粒が
貯蔵された樹脂供給装置4及び補強繊維が貯蔵された補
強繊維供給装置5が配設してある。ここで、補強繊維と
しては、その繊維長が数ミリから数十ミリの例えばガラ
ス,金属,炭素繊維等の無機繊維または有機繊維等が、
単独または二種類以上を組み合わせて使用される。
【0017】また、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリエステル,ポリ
スチレン,塩化ビニル樹脂等が粉末,繊維,フレーク等
の形態で単独または二種類以上を組み合わせて使用され
る。これらの材料を、界面活性剤を含む水を入れた分散
槽1内に所定の割合で投入し、攪拌して発泡分散液Cを
調整する。調整した発泡分散液(以下、単に分散液とい
う)Cは定量ポンプ6でくみ出し、マニホールド8で多
数本の分配供給管9に分配して次工程のウエブ抄造部1
0にに送るようになっている。
【0018】ウエブ抄造部10には、一方向に回転する
エンドレスのメッシュベルト11と、そのメッシュベル
ト11の裏面に接して配置されたサクションボックス1
2と、原料調整部1から送られてくる分散液Cを貯えて
メッシュベルト11上に送り出して着乗させるためのヘ
ッドボックス13とが配設してある。ヘッドボックス1
3はメッシュベルト11とほぼ同じ幅であり、入り側の
インレット部20と、メッシュベルト11を覆うヘッド
ボックス本体13Aとを備えている。
【0019】インレット部20は、図2に示すような箱
状で(例えば、深さ65mm,幅400mm,全長70
0mm)、上流にはその全幅にわたり等間隔に設けた隔
壁21(例えば長さ400mm)で仕切られた複数の平
行な分割流路22A,22B,22Cを備えている。こ
れらの各分割流路に分散液Cを分配して流し込むこと
で、流れを小サイズ化するものである。更に、このうち
の最外側に位置する分割流路22A及び22Cは、分散
液Cの流動方向に垂直な流路断面積が内側に位置する流
路22Bに比して狭くしてある。具体的には、例えば前
記隔壁21及びインレット部の側壁28に内接して幅縮
小板29が挿入してある。この幅縮小板29の厚みは、
挿入後の流路断面積が挿入前のそれの80%程度(例え
ば6mm)となるようにすると良い。幅縮小板29の先
端部は、流路出口付近で隔壁21との板厚差により扇状
流の発生が促進されることのないように、先端部に向け
て板厚を次第に薄くしてある。もっとも、流路幅を狭め
る手段はこれに限らず、最初から分割流路22A及び2
2Cは流路壁を厚く形成しておく等、幅縮小板29挿入
以外の手段でも良いが、後述のように抄造条件の変動に
対応するためには、流路幅縮小程度を可変とするのが好
ましい。
【0020】このように最外側の流路を狭くする理由
は、最外側の分割流路22A及び22Cを流れる分散液
Cの流速を内側の分割流路22Bよりも高めるためであ
り、これにより前方の溢走区間Lでの両側壁近傍の流速
低下を補い、インレット部20の全幅にわたる平坦な流
速分布を形成するものである。この方法によれば、分散
液Cの流入流量の操作を何ら行っていないので、マニホ
ールド8での流量配分および補強繊維と熱可塑性樹脂と
の分配に何らの影響をも与えずにすみ、極めて均一な目
付量分布が保証されるのである。
【0021】上記各分割流路22A,22B,22Cの
上流部には、マニホールド8からの分配供給管9として
のマニホールドホースが接続されるエルボ形状のマニホ
ールドノズル23が、その断面中心を分割流路22の中
心線に一致するようにして上面にそれぞれ取り付けてあ
る。それらのマニホールドノズル23の出口の開口23
Aは、下流側以外の方向、すなわちヘッドボックス13
の前方を除いて、側方,上方,下方,後方のいずれかに
向けて開口させ、吐出した分散液Cをインレット部20
の入側の側面,上面,下面または後面のいずれかの内壁
面に衝突させて方向転換させるようにするのが良い。こ
れにより、マニホールドノズル23からの噴出流の動圧
を乱れのエネルギーに変換して減衰させるものである。
図示の場合は、開口23Aはインレット部20の後壁面
20Aに一定の距離(例えば50mm)をおいて対面さ
せてある。噴出流を後壁面20Aに衝突させた後180
度の方向転換をさせることにより、噴出流の動圧を最も
効率良く抑制することができる。かくして動圧を減衰す
ると共に、分割流路22A,22B,22Cで流れを小
サイズ化することで、流れの乱れが抑制されると共にゆ
らぎが抑制されるのである。
【0022】なお、上記幅縮小板29の厚み、換言すれ
ば最外側の分割流路22A,22Cの狭小化度合は、溢
走区間Lの長さとマニホールドノズル23からの分散液
Cの供給流量とを勘案して決定される。したがって、操
業条件の変化に伴う分散液供給流量の変化が予想される
ときには、種々の板厚の幅縮小板29を予め用意してお
き、条件に応じて取り替えれば良い。この目的のため、
インレット部の後壁面20Aは、ボルト止め等の取り外
し可能な構造にしておくのが好ましい。
【0023】隔壁21の先端前方には、長さL(例えば
100mm)の間隔を有する会合部25を隔てて例えば
2枚のスライス板26,27が設置されている。各スラ
イス板26,27は上流方向に傾斜(例えば45°)し
て挿入した上下にスライド可能な板で形成されている。
第1のスライス板26は開度0mmの状態でその先端
(下端)と隔壁21の先端との距離がL(100mm)
となる位置に、第2のスライス板27は隔壁21の先端
との距離がより長くなる位置(例えば300mm)に設
置してある。各スライス板26,27の開度の調整は自
在であるが、図示の場合では第1のスライス板26が1
5mm、第2のスライス板27が10mmとしている。
なお、スライス板の枚数等は上記に限定されず、状況に
応じて増減することができる。
【0024】ヘッドボックス本体13Aは、インレット
部20の第2のスライス板27の開口から放出されてメ
ッシュベルト11上に着乗した発泡分散液Cの流れを覆
うようになっている。乾燥部30はメッシュベルト11
の下流に連ねたベルトコンベア31と乾燥室32を備
え、ウエブ抄造部10で抄造されたメッシュベルト11
上のウエブを連続的に乾燥する機能を有する。
【0025】乾燥されたウエブは巻き取り部40の巻き
取りリール41に巻き取る。上記の湿式製造装置による
繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造は、次のように行わ
れる。分散槽1に界面活性剤を含む水を入れて、樹脂供
給装置4と補強繊維供給装置5とからそれぞれに熱可塑
性樹脂粒と補強繊維を所定の割合で投入し、攪拌混合し
て分散液Cを調整する。
【0026】この分散液Cを定量ポンプ6で多数の分配
供給管9を経てヘッドボックス13の入り側のインレッ
ト部20に圧送する。分配供給管9が連結されインレッ
ト部20の幅方向に並ぶ多数のノズル23の開口23A
から各分割流路22A,22B,22C内に噴出した分
散液Cは、インレット部20の後壁面20Aに激しく衝
突してその動圧の勢いが減殺され、180°方向転換し
て各分割流路22A,22B,22C毎に出口に向かっ
て流れる。このとき、最外側の分割流路22A及び22
Cは幅縮小板29により流路が狭められているため、他
の分割流路22Bの流速より速くなる。分散液Cの動圧
は、このようにしてインレット部20で効率良く低減さ
れる。その際発生する流れの乱れは、小サイズ化した各
分割流路22A,22B,22Cを通過中に隔壁21に
規制されることで抑制され、流れのゆらぎも低減されて
ほぼ直進流になる。
【0027】各分割流路22A,22B,22Cを経て
動圧が低減されると共に流れの乱れ及びゆらぎを抑制さ
れた分散液Cは、前方の会合部25で合流してインレッ
ト部20の幅一杯の一つの流れになる。この合流によ
り、隔壁21の厚みに起因する扇状流の形成が防止され
る。また、会合部25の側壁28に接して流れる分散液
Cは抵抗を受けて流速が低下するが、その低下分を見込
んで最外側の分割流路22A,22Cでは流速が予め速
められているから、流速低下は補填される。そのため、
斜流Rは発生しない。そして分散液Cは幅方向に均一な
直進流となってスライス板26,27のスリット状開口
を通過する。スライス板26,27の開度は流量に応じ
て調整してあり、板下端が流れの液面下にある。このス
リット状開口の通過で、分散液Cの流れの液面の上下揺
動が抑制されて整流される。これにより、フローフロン
トが平坦化された幅方向に均質な流れとなった分散液C
がメッシュベルト11上に放出される。
【0028】放出された分散液Cの液体部分は、サクシ
ョンボックス12によりメッシュベルト11を通して下
方に吸引排除される。残った補強繊維と熱可塑性樹脂粒
子からなる固形分は、連続的に移動するメッシュベルト
11上にシート状に抄き取られてウエブWが連続的に形
成されていく。上記インレット部20で斜流Rが発生し
ないことから、このウエブWの形成過程ではウエブ幅両
端部の補強繊維配向主軸の偏心が生じない。
【0029】その後、ウエブWはメッシュベルト11上
からベルトコンベア31上に乗り移って乾燥部30のド
ライヤ32で加熱脱水され、製品となって巻取りリール
41に巻き取られる。 (実施例)次に、本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートの湿式製造装置と従来の湿式製造装置との抄造比較
実験について説明する。
【0030】図1に示す装置において、ヘッドボックス
13に図2に示すインレット部20を装備したものを実
施例、図3に示す従来タイプのインレット部を装備した
ものを比較例1とした。また、図4に示すように、分割
流路がなくて入口51から出口52にそのまま流れてし
まうため平坦なフローフロントを有する分散液の吐出が
不可能な従来タイプのインレット部50を装備したもの
を比較例2とした。
【0031】分散槽1で界面活性剤であるドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.08重量%を含む水を攪
拌して発泡液とし、この発泡液中に、直径11μm、平
均長さ13mmのガラス繊維0.4重量%と平均粒径
0.9mmの粒状ポリプロピレン0.6重量%とを添加
して攪拌し、分散させて発泡分散液Cを調製した。その
発泡分散液Cを原料液として、マニホールド8で6本の
分配供給管9に均等に分配し、毎分5mの速さで移動す
るメッシュベルト11(実効抄紙幅400mm)上に毎
分300Lの流量で供給することで、上記実施例及び比
較例の各装置による目標目付量1500g/m2 のウエ
ブWの抄造を別々に行った。
【0032】得られたウエブWの目付量分布を評価する
ために、ウエブWを乾燥後に幅方向に7分割してそれぞ
れの目付量を測定した。目付分布の均一性の指標として
は、変動係数CV値を採用した。CV値とは、一群の目
付量の標準偏差値をその平均値で除した値を百分率で表
示したものである。つまり、CV値が大きいことは標準
偏差値が大きいことと同じであるから、目付量のバラツ
キが大きいことを意味し、ヘッドボックスからメッシュ
ベルトに供給される流量が不均一であることを表す。
【0033】表1に結果を示した。本実施例の装置の目
付安定効果は従来に比して遜色ないことが明らかであ
る。さらに、シートの反り量を評価するために、ウエブ
Wを全幅(400mm)でウエブ巻き取り方向に長さ2
00mmで数カ所サンプリングし、これらを200×2
00mmに中央部で2等分し、加熱加圧してシート化し
た。これらのシートを水平盤上に置き、シートの4辺と
水平盤との距離が最大となる部分の距離を測り反り量と
した。結果を表1に併せて示した。
【0034】本実施例によれば、製造されるシートの反
り量を従来の半分程度に抑えることができる。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ヘッドボックス内を流れる分散液の流速を、幅方向両端
部において高めるものとしたため、ヘッドボックス内壁
の流れ抵抗に起因する流速低下が補償され、平坦なフロ
ーフロントを有する分散液の流れがメッシュベルト上に
供給されることから、ウエブの幅方向端部に補強繊維の
異常配向が発生しない。その結果、反りのない繊維強化
熱可塑性樹脂シートを歩留り良く製造することができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿
式製造装置の全体系統図である。
【図2】図1に示すヘッドボックスのインレット部の詳
細断面図で、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図3】従来のヘッドボックスのインレット部の詳細断
面図で、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図4】他の従来のヘッドボックスのインレット部の断
面図である。
【符号の説明】
8 マニホールド 9 分配供給管 11 メッシュベルト 13 ヘッドボックス 20 インレット部 21 隔壁 22A 分割流路 22B 分割流路 22C 分割流路 23A 開口(分配供給口) 25 会合部 26 スライス板 27 スライス板 28 側壁 29 幅縮小板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 文明 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 (72)発明者 花谷 誠二 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 西村 治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 ケープ ラシート株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液
    をマニホールドを経てヘッドボックスに送り、該ヘッド
    ボックスからメッシュベルト上に供給してウエブを抄造
    する繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法におい
    て、前記ヘッドボックス内を流れる分散液の流速を、当
    該ヘッドボックスの幅方向両端部において高め、その後
    幅方向に長く高さ方向に狭いスリット状開口を通して平
    坦なフローフロントを有する分散液流をメッシュベルト
    上に供給することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シ
    ートの湿式製造方法。
  2. 【請求項2】 マニホールドを経て流入する補強繊維と
    熱可塑性樹脂とを含む分散液を、ウエブ抄造用のメッシ
    ュベルト上に供給するヘッドボックスを備えた繊維強化
    熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置において、前記ヘッ
    ドボックスは、ボックス全幅にわたり等間隔の隔壁で仕
    切られた複数の平行な分割流路を入側に備えると共に最
    外側に位置する分割流路はその断面積が他の流路より狭
    く形成され、かつそれら分割流路の前方に分割流の会合
    部を備え、該会合部の先端部にはヘッドボックスと同幅
    の開度調整可能なスライス板を有し、前記マニホールド
    からの分散液の分配供給口は、前記ヘッドボックス内の
    各分割流路の上流部において下流側以外の方向に向けて
    それぞれ開口していることを特徴とする繊維強化熱可塑
    性樹脂シートの湿式製造装置。
  3. 【請求項3】 前記マニホールドからの分散液の分配供
    給口が開口する方向は、前記各分割流路の上流方向であ
    る請求項2記載の繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造装
    置。
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